IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 長田電機工業株式会社の特許一覧

特許7150300インスツルメントホースの引き出し量調整装置および歯科治療ユニット
<図1>
  • 特許-インスツルメントホースの引き出し量調整装置および歯科治療ユニット 図1
  • 特許-インスツルメントホースの引き出し量調整装置および歯科治療ユニット 図2
  • 特許-インスツルメントホースの引き出し量調整装置および歯科治療ユニット 図3
  • 特許-インスツルメントホースの引き出し量調整装置および歯科治療ユニット 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】インスツルメントホースの引き出し量調整装置および歯科治療ユニット
(51)【国際特許分類】
   A61G 15/18 20060101AFI20221003BHJP
【FI】
A61G15/18
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018076384
(22)【出願日】2018-04-11
(65)【公開番号】P2019180902
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】502080704
【氏名又は名称】長田電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 純
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0071811(US,A1)
【文献】特開2015-058123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルに収納される複数本の歯科用インスツルメントのそれぞれに連結されたインスツルメントホース該インスツルメントホース巻回し前記歯科用インスツルメントを前記テーブルに引き戻す方向に付勢して移動可能な滑車と、該滑車の位置を制動可能なブレーキと、該ブレーキにエアを供給可能なバルブとを備えたインスツルメントホースの引き出し量調整装置であって、
前記バルブの開閉による所定の流路への前記エアの供給に応じて、前記ブレーキが作動して前記滑車の位置がロック状態になり、前記ブレーキが作動停止して前記滑車の位置がアンロック状態になり、
前記滑車の位置が前記ロック状態にあるとき、引き出された所定の1本の前記歯科用インスツルメントに対応する前記バルブに駆動信号を出力して、前記滑車の位置を前記アンロック状態にし、前記所定の一本の歯科用インスツルメントだけを前記テーブルに戻す動作と引き出された複数本の前記歯科用インスツルメントに対応する前記バルブに前記駆動信号をそれぞれ出力して、前記滑車の位置を前記アンロック状態にし、前記複数本の歯科用インスツルメントを同時期に前記テーブルに戻す動作とを制御する制御部を備えることを特徴とするインスツルメントホースの引き出し量調整装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインスツルメントホースの引き出し量調整装置を搭載した歯科治療ユニットであって、
前記テーブルには、該テーブルに戻したい前記歯科用インスツルメントを選択可能な個別戻しスイッチが設けられていることを特徴とする歯科治療ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のインスツルメントホースの引き出し量調整装置を搭載した歯科治療ユニットであって、
前記個別戻しスイッチは、前記テーブルに戻したい前記歯科用インスツルメントを収納するホルダの近傍に設けられていることを特徴とする歯科治療ユニット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のインスツルメントホースの引き出し量調整装置を搭載した歯科治療ユニットであって、
床面に配置されるフットコントローラを有し、該フットコントローラに、引き出された複数本の前記歯科用インスツルメントを同時期に前記テーブルに戻す動作を開始させる一括戻しスイッチが設けられていることを特徴とする歯科治療ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インスツルメントホースの引き出し量調整装置および歯科治療ユニットに関し、詳細には、歯科用インスツルメントに連結されたインスツルメントホースを引き戻すことにより、歯科用インスツルメントをテーブルに収納するインスツルメントホースの引き出し量調整装置および歯科治療ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
う歯への治療方法は、う蝕部分の除去が一般的であり、歯科用インスツルメントによる歯牙の切削が行われている。歯科用インスツルメントは、所定長さのインスツルメントホース(以下、ホースと称する)に連結されており、このホースは例えば、歯科治療用のワークテーブルの下側に収められる。
【0003】
術者は、歯科用インスツルメントを手で掴んでホースを引き出すが(ホースの引き出し操作ともいう)、ホースが下方に垂れ下がるまで引き出してから使用したい場合や、ホースを垂れ下げない程度に引き出したまま使用したい場合がある。このため、例えば、特許文献1には、ホースの引き出し量を所望の長さに設定できる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5361606号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ワークテーブル内を洗浄するために、例えば、複数本の歯科用インスツルメントを用いることがある。具体的には、複数本のホースをワークテーブルから引き出した状態にして、各歯科用インスツルメントの先端からワークテーブル内の水を排出する。このため、その後、引き出した全てのホースをワークテーブルに戻す必要がある。
しかし、特許文献1に記載の技術では、各ホースをそれぞれ別個に引き出し可能なものであるので、全てのホースを同時期にワークテーブルに戻せることが望まれる。
【0006】
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、各ホースをそれぞれ別個にワークテーブルに戻す場合や、全てのホースを同時期にワークテーブルに戻す場合のいずれにも対応可能なインスツルメントホースの引き出し量調整装置および歯科治療ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、テーブルに収納される複数本の歯科用インスツルメントのそれぞれに連結されたインスツルメントホース該インスツルメントホース巻回し前記歯科用インスツルメントを前記テーブルに引き戻す方向に付勢して移動可能な滑車と、該滑車の位置を制動可能なブレーキと、該ブレーキにエアを供給可能なバルブとを備えたインスツルメントホースの引き出し量調整装置であって、前記バルブの開閉による所定の流路への前記エアの供給に応じて、前記ブレーキが作動して前記滑車の位置がロック状態になり、前記ブレーキが作動停止して前記滑車の位置がアンロック状態になり、前記滑車の位置が前記ロック状態にあるとき、引き出された所定の1本の前記歯科用インスツルメントに対応する前記バルブに駆動信号を出力して、前記滑車の位置を前記アンロック状態にし、前記所定の一本の歯科用インスツルメントだけを前記テーブルに戻す動作と引き出された複数本の前記歯科用インスツルメントに対応する前記バルブに前記駆動信号をそれぞれ出力して、前記滑車の位置を前記アンロック状態にし、前記複数本の歯科用インスツルメントを同時期に前記テーブルに戻す動作とを制御する制御部を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明のインスツルメントホースの引き出し量調整装置を搭載した歯科治療ユニットであって、前記テーブルには、該テーブルに戻したい前記歯科用インスツルメントを選択可能な個別戻しスイッチが設けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記個別戻しスイッチは、前記テーブルに戻したい前記歯科用インスツルメントを収納するホルダの近傍に設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2または3の発明において、床面に配置されるフットコントローラを有し、該フットコントローラに、引き出された複数本の前記歯科用インスツルメントを同時期に前記テーブルに戻す動作を開始させる一括戻しスイッチが設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、引き戻し調整部が戻す動作を設定可能であるので、1本の歯科用インスツルメントだけをテーブルに戻すことも、複数本の歯科用インスツルメントを同時期にテーブルに戻すこともできる。よって、多くの局面に対応可能なインスツルメントホースの引き出し量調整装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のインスツルメントホースの引き出し量調整装置を搭載した歯科治療ユニットの一実施形態を説明するための斜視図である。
図2】ワークテーブルの斜視図である。
図3】ワークテーブルの機能ブロック図である。
図4】個別戻しスイッチを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明のインスツルメントホースの引き出し量調整装置および歯科治療ユニットについて説明する。図1は、本発明のインスツルメントホースの引き出し量調整装置を搭載した歯科治療ユニットの一実施形態を説明するための斜視図である。
図1に示すように、歯科治療ユニットは、例えば、歯科治療椅子1、スピットン4、ワークテーブル7、フットコントローラ20等からなり、歯科治療椅子1は、基台3の上方にコンターシート2を有し、コンターシート2の一端側にはバックレストや安頭台が、コンターシート2の他端側にはレッグレストがそれぞれ設けられる。
【0014】
スピットン4は無影灯5を有し、例えばこの無影灯5の支柱にはアーム6が回動自在に取り付けられている。フットコントローラ20は、バックレスト付近の床面に設置され、例えば接続ケーブル21を介してスピットン4に接続されている。また、フットコントローラ20の例えば左側には、後述する一括戻しスイッチ22が設けられている。なお、スピットン4から引き出されたフットコントローラ20の例を挙げて説明したが、基台3上に設置される構造や、ワークテーブル7から引き出される構造であってもよい。また、有線通信のほか、例えば赤外線等による無線通信で接続することも可能である。
【0015】
ワークテーブル7はアーム6に取り付け可能であり、ワークテーブル7の上面には、手前側にタッチパネル式の操作部10を有する。操作部10の下方には、種々の歯科用インスツルメントを収納可能なホルダ8が設置される。ホルダ8の奥側にはホース収納部9が設けられ、各歯科用インスツルメントにエア、水、または電気などを供給するインスツルメントホース(以下、ホースと称する)を収納可能である。なお、ワークテーブル7が本発明のテーブルに相当する。
【0016】
図2はワークテーブルの斜視図、図3はワークテーブルの機能ブロック図であり、図4は個別戻しスイッチを説明するための図である。
図2に示すように、ホルダ8は断面視コ字状に形成され、コ字状の開口部分を上方に向けて操作部10の下側に設置されている。この開口部分は上方から正面板8aで覆われており、この図2では、口腔洗浄用のシリンジ11、ストレート型のハンドピース12、コントラ型のハンドピース13、スケーリング用のハンドピース14が収められている。
【0017】
シリンジ11は、ノズルを装着するヘッド部と、術者に把持されるグリップ部とからなり、ハンドピース12~14は、歯科用工具を装着するヘッド部と、術者に把持されるグリップ部とからなり、ホースは各グリップ部の後端に連結される。なお、図2では、歯石やプラーク(歯垢)を取り除く作業(スケーリング)用のハンドピース14が引き出されており、ホース14dが見えている。
【0018】
ストレート型のハンドピース12やコントラ型のハンドピース13の各ヘッド部には、歯牙を切削するバー13aが装着されている。バーは、ダイヤモンド製やカーバイド製の先端部分を有し、除去や仕上げなどの各目的に沿う形状で構成される。一方、スケーリング用のハンドピース14のヘッド部には、チップ14aが装着されている。チップは、スケーリングや、スケーリング後の歯根面を平滑化する作業(ルートプレーニング)などの各目的に沿う形状で構成される。なお、ストレート型、コントラ型、スケーリング用のハンドピース12~14が本発明の歯科用インスツルメントに相当する。
【0019】
そして、例えばワークテーブル7の内部には、本発明のインスツルメントホースの引き出し量調整装置が搭載されている。
図3に示すように、ワークテーブル7は、制御部60、操作部10、個別戻しスイッチ30、電磁バルブ40、ブレーキ装置50を有し、これらはバスを介して接続される。
制御部60は、CPUやメモリ等からなり、メモリの例えばROMに格納されている各種プログラムやデータをRAMにロードし、各種プログラムを実行することにより、ワークテーブル7の動作を制御することができる。
【0020】
個別戻しスイッチ30は、例えばストレート用スイッチ31、コントラ用スイッチ32,33、スケーリング用スイッチ34からなり、ホルダ8の正面板8aに設けられている。なお、本実施形態では、各スイッチ31~34を正面板8aに設けた例で説明するが、操作部10の例えばタッチパネルに設置してもよい。また、シリンジ用のスイッチを設けることも可能である。
【0021】
図4に示すように、ホルダ8の正面板8aには、例えば5箇所の穴が水平方向に並んで形成され、図示の左側から順に、シリンジ用穴8b、ストレート用穴8c、コントラ用穴8d,8e、スケーリング用穴8fが正面板8aを貫通して設けられている。ストレート用スイッチ31はストレート用穴8cの近傍に、コントラ用スイッチ32はコントラ用穴8dの近傍に、コントラ用スイッチ33はコントラ用穴8eの近傍に、スケーリング用スイッチ34はスケーリング用穴8fの近傍にそれぞれ設けられている。
【0022】
各スイッチ31~34は、例えば断面視凸型に形成され、凸型の中央部分が正面板8aの外方に向けて突出し、凸型の背面部分が例えばばね(図示省略)で付勢されている。これにより、各スイッチ31~34は、凸型の中央部分を例えば指で押している間は、ばねの付勢力に抗してホルダ8の奥側に向けて移動し、指を離すと、ばねの付勢力によってホルダ8の手前側に移動する。
【0023】
電磁バルブ40およびブレーキ装置50は、例えばホース収納部9に収められている。図3に示すように、電磁バルブ40は、いずれも例えばスプール式のストレート用バルブ41、コントラ用バルブ42,43、スケーリング用バルブ44からなる。ブレーキ装置50は、ストレート用ブレーキ51、コントラ用ブレーキ52,53、スケーリング用ブレーキ54からなり、いずれも同じ構造である。
【0024】
一例として、ストレート型のハンドピース12について説明すると、ハンドピース12に連結されたホースは、滑車(図示省略)に巻回されて、ホース収納部9内に収められている。滑車は、例えばばね(図示省略)によってホース収納部9の奥側に付勢されている。ストレート用ブレーキ51は、滑車の位置を制動可能であり、ストレート用バルブ41は、ストレート用ブレーキ51にエアを供給可能に構成されている。
【0025】
このため、例えばストレート用バルブ41が開の場合には、所定の流路にエアが供給されてストレート用ブレーキ51が作動し、滑車の位置がロック状態になって、ハンドピース12に連結されたホースの長さが維持される。
これに対し、例えばバルブ41が閉の場合には、他の流路にエアが供給されて上記所定の流路にはエアが供給されなくなる。これにより、ブレーキ51が作動停止し、滑車の位置がアンロック状態になり、ハンドピース12に連結されたホースがワークテーブル7内に戻される。
【0026】
制御部60は引き戻し調整部61を有している。引き戻し調整部61は、各スイッチ31~34の信号に基づいて各バルブ41~44に駆動信号をそれぞれ出力する。
また、フットコントローラ20の一括戻しスイッチ22の信号は、ワークテーブル7に入力可能に構成されており、引き戻し調整部61は、一括戻しスイッチ22の信号に基づいて各バルブ41~44に駆動信号を同時期に出力する。なお、本実施形態では、一括戻しスイッチ22をフットコントローラ20に設けた例を説明したが、操作部10の例えばタッチパネルに設置してもよい。
【0027】
そして、引き戻し調整部61は、各スイッチ31~34の信号であるか、一括戻しスイッチ22の信号であるかに応じて、1本の歯科用インスツルメントだけをワークテーブル7に引き戻す動作と複数本(例えば4本)の歯科用インスツルメントを同時期にワークテーブル7に引き戻す動作とを設定することができる。
【0028】
例えば術者がストレート型のハンドピース12を使用したい場合、このハンドピース12を持ってワークテーブル7から引き出す。その後、術者がスケーリング用のハンドピース14を使用する予定であるが、このスケーリング用のハンドピース14の使用中に、援助者がストレート型のハンドピース12のバー13aを交換した場合を想定する。
【0029】
援助者がハンドピース12のバー13aの交換を終えた場合には、このストレート型のハンドピース12をワークテーブル7に戻す必要がある。しかし、スケーリング用のハンドピース14は使用中であるので、ストレート型のハンドピース12だけをワークテーブル7に戻すことになる。そこで、例えば援助者がストレート用スイッチ31を押すと、このスイッチ31を押している間は、このスイッチ31からの信号が引き戻し調整部61で検出され、引き戻し調整部61がストレート用バルブ41を閉にする。
【0030】
ストレート用バルブ41が閉の場合には、上記所定の流路にはエアが供給されずに他の流路にエアが供給されるため、ストレート用ブレーキ51が作動停止し、このハンドピース12に連結されたホースだけがワークテーブル7内に引き戻される。
これに対し、例えばワークテーブル7内を洗浄したい場合、ストレート型のハンドピース12、コントラ型のハンドピース13、スケーリング用のハンドピース14をワークテーブル7から引き出す。次いで、各ハンドピース12~14を介してワークテーブル7内の水を抜いた場合を想定する。
【0031】
ワークテーブル7内の乾燥後には、各ハンドピース12~14をワークテーブル7に速やかに戻す必要がある。そこで、フットコントローラ20の一括戻しスイッチ22を押すと、このスイッチ22からの信号が引き戻し調整部61で検出され、引き戻し調整部61がストレート用バルブ41、コントラ用バルブ42,43、スケーリング用バルブ44を閉にする。
【0032】
ストレート用バルブ41、コントラ用バルブ42,43、スケーリング用バルブ44がそれぞれ閉の場合には、ストレート用ブレーキ51、コントラ用ブレーキ52,53、スケーリング用ブレーキ54がいずれも作動停止し、各ハンドピース12~14に連結された各ホースが同時期にワークテーブル7内に引き戻される。
なお、スケーリング用のハンドピース14の使用中に、ストレート型のハンドピース12のバー13aを交換する例を挙げて説明したが、非アクティブ状態であれば、ストレート型のハンドピース12の他、コントラ型のハンドピース13のバー13aも同時期に交換可能である。
【0033】
以上のように、引き戻し調整部61が戻す動作を設定可能であるので、バー13aの交換後のような、ストレート型のハンドピース12だけをワークテーブル7に戻すことも、ワークテーブル7内の洗浄後のような、ストレート型、コントラ型、スケーリング用の各ハンドピース12~14を同時期にワークテーブル7に戻すこともできる。よって、多くの局面に対応可能なインスツルメントホースの引き出し量調整装置を提供することができる。
【0034】
また、ストレート用、コントラ用、スケーリング用スイッチ31~34をホルダ8の正面板8aに設置すれば、ワークテーブル7に戻したいハンドピース12~14を容易に選択することができる。さらに、ストレート用スイッチ31をストレート型のハンドピース12の近傍に設けており、ワークテーブル7に戻したいハンドピース12~14を確実に選択することができる。
さらにまた、フットコントローラ20に一括戻しスイッチ22を設ければ、ストレート型、コントラ型、スケーリング用の各ハンドピース12~14を速やかにワークテーブル7に戻すことができる。
【0035】
上記実施形態では、スプール式の電磁バルブの例を挙げて説明したが、本発明は、必ずしもこの例に限定されるものではない。例えば、非通電時には所定の流路を閉じ、通電にはこの流路を開くようなポペット式の電磁バルブであってもよい。
また、スイッチを押している間は、ホースをワークテーブルに戻せる例で説明した。しかし、スイッチを1回押した場合に、ホースをワークテーブルに戻すことができ、スイッチをもう1回押した場合に、ホースの長さを維持できるようにしてもよい。また、ブレーキ装置もエア駆動式に限定されず、公知の構成を採用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1…歯科治療椅子、2…コンターシート、3…基台、4…スピットン、5…無影灯、6…アーム、7…ワークテーブル、8…ホルダ、8a…正面板、8b…シリンジ用穴、8c…ストレート用穴、8d,8e…コントラ用穴、8f…スケーリング用穴、9…ホース収納部、10…操作部、11…シリンジ、12,13,14…ハンドピース、13a…バー、14a…チップ、14d…ホース、20…フットコントローラ、21…接続ケーブル、22…一括戻しスイッチ、30…個別戻しスイッチ、31…ストレート用スイッチ、32,33…コントラ用スイッチ、34…スケーリング用スイッチ、40…電磁バルブ、41…ストレート用バルブ、42,43…コントラ用バルブ、44…スケーリング用バルブ、50…ブレーキ装置、51…ストレート用ブレーキ、52,53…コントラ用ブレーキ、54…スケーリング用ブレーキ、60…制御部、61…引き戻し調整部。
図1
図2
図3
図4