(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】介護マッチングシステム
(51)【国際特許分類】
G16H 40/20 20180101AFI20221003BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20221003BHJP
【FI】
G16H40/20
G06Q30/06 330
(21)【出願番号】P 2018186309
(22)【出願日】2018-10-01
【審査請求日】2021-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】518307536
【氏名又は名称】株式会社i.ホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100168538
【氏名又は名称】加藤 来
(72)【発明者】
【氏名】村岡 正和
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-225213(JP,A)
【文献】特開2017-199305(JP,A)
【文献】特開2018-132789(JP,A)
【文献】特開2012-238232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 40/20
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
介護施設の情報を記憶したデータベースを有するサーバと、サーバと通信自在であり介護施設への入居希望者の情報を入力する端末と、入居希望者と介護施設とのマッチングを入居希望者の情報と介護施設の情報とに基づいて行う制御部とを備えた介護マッチングシステムであって、
前記入居希望者の情報が、前記入居希望者の入居希望地域についての情報、入居希望者の入居希望施設種別についての情報、入居希望者の要介護度についての情報、入居希望者の生活保護受給の有無についての情報、入居希望者の入居金の上限額についての情報、および入居希望者の入居希望施設の月額予算についての情報であり、
前記介護施設の情報が、前記介護施設の住所についての情報、介護施設の施設種別についての情報、介護施設の対応可能な要介護度についての情報、生活保護受給者の受け入れについての情報、介護施設の入居金についての情報、および介護施設の月額費用についての情報であり、
前記制御部が、前記入居希望者の各情報と、介護施設の各情報とを比べ、全ての条件を満たす介護施設を端末の表示部に表示する構成であることを特徴とする介護マッチングシステム。
【請求項2】
前記介護施設の情報が、前記介護施設の部屋またはベッドの空きの有無についての情報を含み、
前記部屋またはベッドにおいて所定時間の人の利用の有無を検知するセンサーを有し、
前記制御部が、前記センサーからの情報に基づいて部屋またはベッドの空きの有無を判定する構成であることを特徴とする請求項1に記載の介護マッチングシステム。
【請求項3】
前記端末が、カメラ部を有し、
前記サーバまたは端末が、前記カメラ部によって撮影されたデータ中の人の顔を認識して顔部分の目および口の形状ならびに目および口の位置の変化に基づいて人の感情の変化を推定する人工知能による感情認識手段を有し、
前記制御部が、前記介護施設の画像情報と、感情の変化の推定結果とを対応させて表示部に表示する構成であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の介護マッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介護施設への入居希望者と介護施設とのマッチングを行う介護マッチングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、管理サーバと、少なくとも一以上の施設事業者端末と、少なくとも一以上の一般利用者端末とが広域通信ネットワークを介して接続された介護施設情報管理システムであって、管理サーバが、施設事業者端末から入力された所定の管理情報を取得する管理サーバ情報取得手段と、管理情報を記憶する管理サーバ記憶手段と、施設事業者端末、一般利用者端末の要求に応じて、管理情報を演算処理し、各種別の端末に対して開示可能な管理情報を選択する管理サーバ処理手段と、選択された管理情報を要求された端末に出力する管理サーバ出力手段とを備え、施設事業者端末が、管理サーバに登録済施設の担当者が使用する端末であって、施設事業者端末に係る施設情報及び利用状況情報を入力し管理情報の一部として、管理サーバに出力を行う施設事業者端末入出力手段と、管理サーバが取り扱う管理情報のうち、施設事業者端末に係る施設の施設情報、利用者情報及び利用状況情報を取得する施設事業者端末情報取得手段とを備え、一般利用者端末が、要介護者、要支援者及びその家族、並びに、管理サーバに未登録のケアマネージャーが使用する端末であって、管理サーバが取り扱う管理情報のうち、管理サーバに登録された全施設の一部の利用状況情報を取得する利用者端末情報取得手段を備えたことを特徴とする介護施設情報管理システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-157210号公報(特に、請求項1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の介護施設情報管理システムは、介護施設の予約を円滑に行うことを目的として、施設についての情報を有しているが、利用者についての条件などの情報が考慮されていない構成であったため、介護施設への入居希望者と介護施設とのマッチングに対応することが困難であるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、入居希望者に対して所望の条件に合致した介護施設を簡単に紹介する介護マッチングシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本請求項1に係る発明は、介護施設の情報を記憶したデータベースを有するサーバと、サーバと通信自在であり介護施設への入居希望者の情報を入力する端末と、入居希望者と介護施設とのマッチングを入居希望者の情報と介護施設の情報とに基づいて行う制御部とを備えた介護マッチングシステムであって、前記入居希望者の情報が、前記入居希望者の入居希望地域についての情報、入居希望者の入居希望施設種別についての情報、入居希望者の要介護度についての情報、入居希望者の生活保護受給の有無についての情報、入居希望者の入居金の上限額についての情報、および入居希望者の入居希望施設の月額予算についての情報であり、前記介護施設の情報が、前記介護施設の住所についての情報、介護施設の施設種別についての情報、介護施設の対応可能な要介護度についての情報、生活保護受給者の受け入れについての情報、介護施設の入居金についての情報、および介護施設の月額費用についての情報であり、前記制御部が、前記入居希望者の各情報と、介護施設の各情報とを比べ、全ての条件を満たす介護施設を端末の表示部に表示する構成であることにより、前述した課題を解決するものである。
【0007】
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載された介護マッチングシステムの構成に加えて、前記介護施設の情報が、前記介護施設の部屋またはベッドの空きの有無についての情報を含み、前記部屋またはベッドにおいて所定時間の人の利用の有無を検知するセンサーを有し、前記制御部が、前記センサーからの情報に基づいて部屋またはベッドの空きの有無を判定する構成であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0008】
本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された介護マッチングシステムの構成に加えて、前記端末が、カメラ部を有し、前記サーバまたは端末が、前記カメラ部によって撮影されたデータ中の人の顔を認識して顔部分の目および口の形状ならびに目および口の位置の変化に基づいて人の感情の変化を推定する人工知能による感情認識手段を有し、前記制御部が、前記介護施設の画像情報と、感情の変化の推定結果とを対応させて表示部に表示する構成であることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の介護マッチングシステムは、介護施設の情報を記憶したデータベースを有するサーバと、サーバと通信自在であり介護施設への入居希望者の情報を入力する端末と、入居希望者と介護施設とのマッチングを入居希望者の情報と介護施設の情報とに基づいて行う制御部とを備えていることにより、端末に介護施設の情報を提供することができるばかりでなく、以下のような特有の効果を奏することができる。
【0010】
本請求項1に係る発明の介護マッチングシステムによれば、入居希望者の情報として希望条件を端末において入力してデータベースに登録するだけで全ての希望条件を満たす介護施設が表示されるため、入居希望者に対して所望の条件に合致した介護施設を簡単に紹介することができる。
【0011】
本請求項2に係る発明の介護マッチングシステムによれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、所定時間として例えば24時間人の利用のない場合は部屋またはベッドが空いたと判定されるため、部屋またはベッドが空いた際にすぐに入室希望者に対して介護施設を紹介することができる。
つまり、介護施設利用者が急に転居したり退去したりで部屋またはベッドに空きがでた場合、すぐに入居希望者に紹介することができ、介護施設側にとっても部屋またはベッドの利用率を高めることができる。
【0012】
本請求項3に係る発明の介護マッチングシステムによれば、請求項1または請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、希望条件を満たす介護施設が複数件ある場合、入居希望者がどの介護施設により興味を示しているかが端末の表示部に表示されるため、入居希望者がどの介護施設を最も希望しているかについて、入居希望者の親族や後見人が簡単に判断することができる。
例えば、入居希望者の趣味や好みが、介護施設の紹介画像中に映っていた場合に入居希望者の表情に嬉しさが表れてその感情の変化が推定されるため、入居希望者の情報の基本項目および介護施設の情報の基本項目にないところでマッチングの相性を高めることができる。
つまり、入居希望者が実際に介護施設を訪れなくても相性がよさそうか否かの判断をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施例である介護マッチングシステムの概略図。
【
図2】本発明の第1実施例である介護マッチングシステムのチャート図。
【
図3】本発明の第1実施例である介護マッチングシステムの申込状況確認画面を示す図。
【
図4】本発明の第1実施例である介護マッチングシステムの入居申込者登録画面を示す図。
【
図5】本発明の第1実施例である介護マッチングシステムの入居申込者詳細表示画面を示す図。
【
図7】本発明の第1実施例である介護マッチングシステムのマッチング結果であるオススメ施設一覧画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の介護マッチングシステムは、介護施設の情報を記憶したデータベースを有するサーバと、サーバと通信自在であり介護施設への入居希望者の情報を入力する端末と、入居希望者と介護施設とのマッチングを入居希望者の情報と介護施設の情報とに基づいて行う制御部とを備え、入居希望者の情報が、入居希望者の入居希望地域についての情報、入居希望者の入居希望施設種別についての情報、入居希望者の要介護度についての情報、入居希望者の生活保護受給の有無についての情報、入居希望者の入居金の上限額についての情報、および入居希望者の入居希望施設の月額予算についての情報であり、介護施設の情報が、介護施設の住所についての情報、介護施設の施設種別についての情報、介護施設の対応可能な要介護度についての情報、生活保護受給者の受け入れについての情報、介護施設の入居金についての情報、および介護施設の月額費用についての情報であり、制御部が、入居希望者の各情報と、介護施設の各情報とを比べ、全ての条件を満たす介護施設を端末の表示部に表示する構成であることにより、入居希望者に対して所望の条件に合致した介護施設を簡単に紹介するものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0015】
例えば、端末は、表示部を有するデスクトップ型パーソナルコンピュータ端末、ノート型パーソナルコンピュータ端末、スマートフォン端末、タブレット端末などの情報を送受信するものであって、所謂インターネットである広域ネットワーク、ローカルネットワーク、電話回線などを含む通信ネットワークによりサーバと接続自在なものであれば如何なるものであっても構わない。
また、サーバは、1つのサーバやクラウド上の複数のサーバでもよい。
【実施例1】
【0016】
以下に、本発明の第1実施例である介護マッチングシステム100について、
図1乃至
図7に基づいて説明する。
ここで、
図1は、本発明の第1実施例である介護マッチングシステム100の概略図であり、
図2は、本発明の第1実施例である介護マッチングシステム100のチャート図であり、
図3は、本発明の第1実施例である介護マッチングシステム100の申込状況確認画面113を示す図であり、
図4は、本発明の第1実施例である介護マッチングシステム100の入居申込者登録画面114を示す図であり、
図5は、本発明の第1実施例である介護マッチングシステム100の入居申込者詳細表示画面115を示す図であり、
図6は、
図5の続きを示す図であり、
図7は、本発明の第1実施例である介護マッチングシステム100のマッチング結果であるオススメ施設一覧画面116を示す図である。
【0017】
本発明の第1実施例である介護マッチングシステム100は、
図1に示すように、端末の一例であるノート型コンピュータ端末110と、サーバ120と、制御部(プログラム)とを備えている。
このうち、ノート型コンピュータ端末110は、表示部111と、カメラ部112とを備え、サーバ120と通信自在であり、介護施設への入居希望者の情報を入力自在に設けられている。
また、サーバ120は、データベースを備え、介護施設の情報をデータベースに記憶している。
さらに、制御部(プログラム)は、入居希望者と介護施設とのマッチングを入居希望者の情報と介護施設の情報とに基づいて行うように構成されている。
【0018】
本実施例では、入居希望者の情報が、入居希望者の入居希望地域についての情報115d、入居希望者の入居希望施設種別についての情報115e、入居希望者の要介護度についての情報115f、入居希望者の生活保護受給の有無についての情報115g、入居希望者の入居金の上限額についての情報115h、および入居希望者の入居希望施設の月額予算についての情報115kである(
図5および
図6参照)。
また、介護施設の情報が、介護施設の住所についての情報116b、介護施設の施設種別についての情報116c、介護施設の対応可能な要介護度についての情報116d、生活保護受給者の受け入れについての情報(図示せず)、介護施設の入居金についての情報116e、および介護施設の月額費用についての情報116fである(
図7参照)。
【0019】
そして、制御部(プログラム)が、入居希望者の各情報と、介護施設の各情報とを比べ、全ての条件を満たす介護施設をノート型コンピュータ端末110の表示部111に表示するように構成されている。
これにより、入居希望者の情報として希望条件をノート型コンピュータ端末110に入力してサーバ120のデータベースに登録するだけで全ての希望条件を満たす介護施設がノート型コンピュータ端末110の表示部111に表示される。
その結果、入居希望者に対して所望の条件に合致した介護施設を簡単に紹介することができる。
【0020】
続いて、介護マッチングシステム100の制御部(プログラム)の動作について説明する。
図2に示すように、ステップS1では、端末の一例であるノート型コンピュータ端末110において入居希望者情報が入力されてサーバ120のデータベースに保存(登録)されて、さらに、マッチング実行の旨の指示が入力されたか否かを、制御部(プログラム)が判定する。
マッチング実行の旨の指示ありと判定した場合、ステップS2へ進み、他方、まだ指示なしと判定した場合、ステップS1を繰り返す。
例えば、介護施設紹介事業所の本部または代理店が、病院や福祉事務所などから入居希望者(相談者)の紹介を受けて、ノート型コンピュータ端末110において、介護マッチングシステム100を起動してIDやパスワードを入力してログインする。
【0021】
すると、
図3に示すように、ノート型コンピュータ端末110の表示部111に表示されたブラウザ(プログラム)が、申込状況確認画面113を表示する。
申込状況確認画面113には、介護施設への入居希望者についての情報がリスト形式で表示されている。
一例として、申込番号、申込区分、入居希望者の氏名、性別、年齢、介護度、現居住先、申込日、申込状況、担当代理店、紹介完了日についての項目が設けられている。
このうち、申込区分は、申込窓口についての情報を示す。
【0022】
また、担当代理店は、地域別に割り当てられ、入居希望者に介護施設を紹介する担当代理店についての情報を示す。
ここで、本部や管理者のIDでログインした場合は、全ての入居希望者についての情報が表示され、代理店のIDでログインした場合は、その代理店が担当して入力した入居希望者についての情報のみが表示されるように構成されている。
また、申込状況確認画面113には、「新規」ボタン113a、「詳細」ボタン113b、「マッチ」ボタン113cが設けられている。
そして、例えば、担当代理店の担当者が、「新規」ボタン113aを押したとする。
【0023】
すると、
図4に示すように、ブラウザ(プログラム)が、入居申込者登録画面114を表示する。
さらに、例えば、担当代理店の担当者が、入居申込者登録画面114の項目に沿って、入居希望者の氏名、性別、生年月日の情報を入力して、「入力内容を確認」ボタン114aを押すと、入力内容を確認するための入居申込者確認画面(図示せず)が表示される。
そして、図示しない「入力内容を保存する」ボタンを押したとする。
【0024】
すると、
図5および
図6に示すように、ブラウザ(プログラム)が、入居申込者詳細表示画面115を表示する。
入居申込者詳細表示画面115には、「マッチング」ボタン115aが設けられている。
また、入居申込者詳細表示画面115には、入居希望者の名前、性別、生年月日についての情報115cが記載されている。
また、その下方には、「入居相談申込」および「ADLチェック表」のタブが設けられている。
【0025】
「入居相談申込」タブが選択された状態では、「編集」ボタン115bを押すなどして、少なくとも、項目毎に、入居希望地域についての情報115d、入居希望施設種別についての情報115e、要介護度についての情報115f、生活保護受給の有無についての情報115g、入居金の上限額についての情報115h、入居希望施設の月額予算についての情報115kを入力自在に設けられている。
本実施例では、現居住先、要介護度、介護認定期間、身体障害手帳の有無および等級、既往歴、現病歴、疾病および医療状況、服薬状況、服薬管理の可否、金銭管理の可否、年金収入の有無およびその額、生活保護受給の有無およびその額、入居金支払の可否およびその上限額、敷金支払の可否、キーパーソン情報、福祉事務所情報、入居希望施設の種類、入居希望エリア、および備考の項目が設けられている。
【0026】
このうち、疾病および医療状況の項目には、胃ろうの有無、気管切開の有無、たん吸引の必要の有無、カテーテル・尿バルーンの有無、人工透析の有無、在宅酸素の有無、肝炎ウイルスの有無、結核の有無、糖尿病・インスリン自己注射のできる・できない、ブドウ球菌感染症の有無、ストーマ・人工肛門の有無、褥瘡・床ずれの有無、中心静脈栄養の有無、人工呼吸器の有無、鼻腔・経鼻栄養の有無、アルツハイマー型認知症の有無、脳血管性認知症の有無、前頭側頭型認知症・ピック病の有無、レビー小体型認知症の有無、パーキンソン病の有無、精神疾患の有無、統合失調症の有無、がん・末期がんの有無、疥癬(かいせん)の有無、梅毒(ばいどく)の有無、ヒト免疫不全ウイルス感染症の有無、脳疾患の有無、アルコール依存症の有無についてのチェックボックスが設けられている。
【0027】
また、入居希望エリアの項目には、地元エリア、他のエリアとして第1希望から第3希望、どこでも可のチェックボックスや記入欄が設けられている。
そして、例えば、担当代理店の担当者が、各項目について入力した後、「マッチング」ボタン115aを押したとする。
すると、ノート型コンピュータ端末110において、マッチング実行の旨の指示が入力される。
なお、入力は、キーボードを介した文字入力でもよいし、マイクを介した音声入力でもよい。
さらに、電子メールなどで受信した電子データのフォームを変換して読み込むで入力する構成でもよい。
【0028】
ステップS2では、制御部(プログラム)が、入居希望者の各情報と、介護施設の各情報とを比べてマッチングを実行する。
具体的には、入居希望者の入居希望地域についての情報115d、入居希望者の入居希望施設種別についての情報115e、入居希望者の要介護度についての情報115f、入居希望者の生活保護受給の有無についての情報115g、入居希望者の入居金の上限額についての情報115h、および入居希望者の入居希望施設の月額予算についての情報115kと、介護施設の住所についての情報116b、介護施設の施設種別についての情報116c、介護施設の対応可能な要介護度についての情報116d、生活保護受給者の受け入れについての情報、介護施設の入居金についての情報116e、および介護施設の月額費用についての情報116fとをそれぞれ比べる。
【0029】
ステップS3では、制御部(プログラム)が、入居希望者の各情報と、介護施設の各情報とを比べた結果、全ての条件を満たす介護施設の有無を判定する。
全ての条件を満たす介護施設が有の場合はステップS4へ進み、無しの場合はエラーとして「該当施設なし」の旨を表示部111に表示する。
【0030】
ステップS4では、制御部(プログラム)が、全ての条件を満たす介護施設をノート型コンピュータ端末110の表示部111に表示する。
本実施例では、
図7に示すように、ブラウザ(プログラム)が、ノート型コンピュータ端末110の表示部111にオススメ施設一覧画面116を表示する。
オススメ施設一覧画面116には、入居希望者の情報の下方に、介護施設の名称についての情報116a、介護施設の住所についての情報116b、介護施設の施設種別についての情報116c、介護施設の対応可能な要介護度についての情報116d、介護施設の入居金についての情報116e、介護施設の月額費用についての情報116f、施設の画像(施設写真)116g、施設案内の動画116hの再生ボタンが各介護施設の情報として表示される。
施設案内の動画116hの再生ボタンが押されると、ブラウザ内において施設案内の動画116hが再生され、入居希望者は、その介護施設まで足を運ばなくても、その介護施設の様子や雰囲気を感じ取ることができ、自身に合う介護施設を簡単に選ぶことができる。
【0031】
なお、
図5に示す入居申込者詳細表示画面115の「マッチング」ボタン115aを押すことにより、マッチングを実行したが、
図3に示す申込状況確認画面113の「マッチ」ボタン113cを押してもマッチングを実行することができる。
この場合、申込状況確認画面113のその段の入居希望者の各情報と、データベースの介護施設の各情報とが比べられてマッチングが実行される。
また、
図3に示す申込状況確認画面113の「詳細」ボタン113bを押すと、その段の入居希望者についての入居申込者詳細表示画面115が表示される。
さらに、入居希望者の情報が、スポーツなどの趣味についての情報、食事の好みについての情報、過去の仕事の経歴についての情報を含んでいてもよい。
同様に、介護施設の情報が、どんな趣味の入居者が多いかについての情報、介護施設においてどんな食事が多くてどんな食事が好評かについての情報、ケーブルテレビなどの放送の有無についての情報を含んでいてもよい。
例えば、入居希望者が、プロ野球の阪神タイガースファンである旨の情報を入力すると、阪神タイガースファンが多い介護施設がマッチングでヒットする。
【0032】
このようにして得られた本発明の第1実施例である介護マッチングシステム100は、介護施設の情報を記憶したデータベースを有するサーバ120と、サーバ120と通信自在であり介護施設への入居希望者の情報を入力する端末の一例であるノート型コンピュータ端末110と、入居希望者と介護施設とのマッチングを入居希望者の情報と介護施設の情報とに基づいて行う制御部とを備え、入居希望者の情報が、入居希望者の入居希望地域についての情報115d、入居希望者の入居希望施設種別についての情報115e、入居希望者の要介護度についての情報115f、入居希望者の生活保護受給の有無についての情報115g、入居希望者の入居金の上限額についての情報115h、および入居希望者の入居希望施設の月額予算についての情報115kであり、介護施設の情報が、介護施設の住所についての情報116b、介護施設の施設種別についての情報116c、介護施設の対応可能な要介護度についての情報116d、生活保護受給者の受け入れについての情報、介護施設の入居金についての情報116e、および介護施設の月額費用についての情報116fであり、制御部が、入居希望者の各情報と、介護施設の各情報とを比べ、全ての条件を満たす介護施設をノート型コンピュータ端末110の表示部111に表示する構成であることにより、入居希望者に対して所望の条件に合致した介護施設を簡単に紹介することができるなど、その効果は甚大である。
【実施例2】
【0033】
続いて、本発明の第2実施例である介護マッチングシステム100について説明する。
第2実施例の介護マッチングシステム100は、第1実施例の介護マッチングシステム100の介護施設の部屋またはベッドにおいて所定時間の人の利用の有無を検知するセンサーを設けたものであり、多くの要素について第1実施例の介護マッチングシステム100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略する。
【0034】
第2実施例の介護マッチングシステム100において、介護施設の情報が、介護施設の部屋またはベッドの空きの有無についての情報を含んでいる。
また、部屋またはベッドにおいて所定時間の人の利用の有無を検知するセンサー(図示せず)を有している。
センサーは、焦電センサーとも呼ばれる所謂、人感センサーでもよいし、身体の重量で反応する圧力センサーでもよい。
さらに、制御部(プログラム)が、センサーからの情報に基づいて部屋またはベッドの空きの有無を判定するように構成されている。
【0035】
これにより、例えば、所定時間として24時間、人の利用が無い場合、センサーからの情報に基づいて部屋またはベッドが空いたと制御部(プログラム)に判定される。
言い換えると、入居希望者に対してその介護施設について申込可のステータスになる。
その結果、部屋またはベッドが空いた際にすぐに入室希望者に対して介護施設を紹介することができる。
つまり、介護施設利用者が急に転居したり退去したりで部屋またはベッドに空きがでた場合、すぐに入居希望者に紹介することができ、介護施設側にとっても部屋またはベッドの利用率を高めることができる。
なお、介護施設に設けられた入居者のネームプレートに向きを検知するセンサーを設け、ネームプレートの表裏がひっくり返されると、そのネームプレートに記載された名前の方が退去したと判定されるように構成してもよい。
【0036】
このようにして得られた本発明の第2実施例である介護マッチングシステム100は、第1実施例の構成に加えて、介護施設の情報が、介護施設の部屋またはベッドの空きの有無についての情報を含み、部屋またはベッドにおいて所定時間の人の利用の有無を検知するセンサーを有し、制御部が、センサーからの情報に基づいて部屋またはベッドの空きの有無を判定する構成であることにより、部屋またはベッドが空いた際にすぐに入室希望者に対して介護施設を紹介することができるなど、その効果は甚大である。
【実施例3】
【0037】
続いて、本発明の第3実施例である介護マッチングシステム100について説明する。
第3実施例の介護マッチングシステム100は、第1実施例の介護マッチングシステム100のノート型コンピュータ端末110にカメラ部112を設け、さらにサーバ120またはノート型コンピュータ端末110に感情認識手段を設けたものであり、多くの要素について第1実施例の介護マッチングシステム100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略する。
【0038】
第3実施例の介護マッチングシステム100において、ノート型コンピュータ端末110が、カメラ部112を有している。
また、サーバ120またはノート型コンピュータ端末110が、カメラ部112によって撮影されたデータ中の人の顔を認識して顔部分の目、眉毛、口、頬の形状および位置の変化に基づいて人の感情の変化を推定する人工知能による感情認識手段を有している。
なお、感情認識手段は、サーバ120に設けられていてもよいし、ノート型コンピュータ端末110に設けられていてもよい。
感情認識手段が、サーバ120に設けられている場合、カメラ部112によって撮影されたデータをノート型コンピュータ端末110からサーバ120にアップロードして感情認識手段に解析させるように構成してもよいし、データをノート型コンピュータ端末110からサーバ120に送信しながらサーバ120の感情認識手段に解析させる所謂、逆ストリーミングの構成でもよい。
【0039】
さらに、制御部(プログラム)が、介護施設の画像情報である施設案内の動画116hと、感情の変化の推定結果とを対応させてノート型コンピュータ端末110の表示部111に表示するように構成されている。
感情認識手段は、例えば、先ず、目や鼻の位置などから入居希望者の顔を認識し、目尻の位置、口の位置を認識する。
そして、目の中心を基準とした目尻の位置の変化、口の中心を基準とした口の端の位置の変化を測定する。
例えば、目尻の位置が下がった場合や口の端の位置が上がった場合は、入居希望者が喜んでいると感情認識手段が推定する。
この際の目尻の位置の下がり具合や口の端の位置の上がり具合を数値化し、これに基づいて喜び感情を数値化して表示部111に表示するように構成されている。
【0040】
これにより、希望条件を満たす介護施設が複数件ある場合、入居希望者がどの介護施設により興味を示しているかがノート型コンピュータ端末110の表示部111に感情の数値として表示される。
その結果、入居希望者がどの介護施設を最も希望しているかについて、入居希望者の親族や後見人や担当代理店の担当者が簡単に判断することができる。
例えば、入居希望者の趣味や好みが、介護施設の紹介画像中に映っていた場合に入居希望者の表情に嬉しさが表れてその感情の変化が測定される。
その結果、入居希望者の情報の基本項目および介護施設の情報の基本項目にないところでマッチングの相性を高めることができる。
つまり、入居希望者が実際に介護施設を訪れなくても相性がよさそうか否かの判断をすることができる。
なお、入居希望者が、オススメ施設一覧画面116にある複数の介護施設のそれぞれの施設案内の動画116hを視たときの、入居希望者の喜び感情の数値を、その介護施設と対応させてサーバ120のデータベースに保存するように構成してもよい。
【0041】
このようにして得られた本発明の第3実施例である介護マッチングシステム100は、第1実施例または第2実施例の構成に加えて、端末の一例であるノート型コンピュータ端末110が、カメラ部112を有し、サーバ120またはノート型コンピュータ端末110が、カメラ部112によって撮影されたデータ中の人の顔を認識して顔部分の目および口の形状ならびに目および口の位置の変化に基づいて人の感情の変化を推定する人工知能による感情認識手段を有し、制御部が、介護施設の画像情報と、感情の変化の推定結果とを対応させて表示部111に表示する構成であることにより、入居希望者がどの介護施設を最も希望しているかについて、入居希望者の親族や後見人が簡単に判断することができるなど、その効果は甚大である。
【実施例4】
【0042】
続いて、本発明の第4実施例である介護マッチングシステム100について説明する。
第4実施例の介護マッチングシステム100は、第1実施例の介護マッチングシステム100のブラウザにチャットボット対応画面を設けたものであり、多くの要素について第1実施例の介護マッチングシステム100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略する。
【0043】
第4実施例の介護マッチングシステム100において、ノート型コンピュータ端末110に表示されるブラウザが、チャットボット対応画面を有している。
言い換えると、代理店の担当者が、介護マッチングシステム100にログインすると、チャットボット対応画面が表示されるように構成されている。
介護マッチングシステム100のサーバ120が、チャットボットを有し、チャットボットが、人工知能を有した応答機能を有している。
そして、代理店の担当者が、チャットボット対応画面に入力して問い合わせをしようとする際、過去のやりとりのデータから機械学習した結果に基づいて、入力途中の段階で入力された2~5文字から代理店の担当者からの質問内容を予測し、予測した質問内容を返すように構成されている。
【0044】
例えば、「介護」や「介護せい」と入力された段階で、チャットボットが「介護制度について教えて」の旨の質問内容であると予測する。
そして、「介護制度についての質問ですか?」と、予測した質問内容をチャットボット対応画面で表示する。
これにより、代理店の担当者がキーワード全体を入力し終わる前に、意図したキーワードおよびその関連内容が返ってくるため、代理店の担当者は、チャットボットと対話しながら所望の内容を知ることができる。
【0045】
このようにして得られた本発明の第4実施例である介護マッチングシステム100は、第1実施例~第3実施例の構成に加えて、サーバ120にチャットボットを有し、チャットボットが、人工知能を有した応答機能を有し、端末の一例であるノート型コンピュータ端末110に表示されるブラウザが、チャットボット対応画面を有した構成であることにより、代理店の担当者がチャットボットと対話しながら所望の内容を知ることができるなど、その効果は甚大である。
【符号の説明】
【0046】
100 ・・・ 介護マッチングシステム
110 ・・・ ノート型コンピュータ端末(端末)
111 ・・・ 表示部
112 ・・・ カメラ部
113 ・・・ 申込状況確認画面
113a・・・ 「新規」ボタン
113b・・・ 「詳細」ボタン
113c・・・ 「マッチ」ボタン
114 ・・・ 入居申込者登録画面
114a・・・ 「入力内容を確認」ボタン
115 ・・・ 入居申込者詳細表示画面
115a・・・ 「マッチング」ボタン
115b・・・ 「編集」ボタン
115c・・・ (入居希望者の)名前、性別、生年月日についての情報
115d・・・ (入居希望者の)入居希望地域についての情報
115e・・・ (入居希望者の)入居希望施設種別についての情報
115f・・・ (入居希望者の)要介護度についての情報
115g・・・ (入居希望者の)生活保護受給の有無についての情報
115h・・・ (入居希望者の)入居金の上限額についての情報
115k・・・ (入居希望者の)入居希望施設の月額予算についての情報
116 ・・・ オススメ施設一覧画面
116a・・・ (介護施設の)名称についての情報
116b・・・ (介護施設の)住所についての情報
116c・・・ (介護施設の)施設種別についての情報
116d・・・ (介護施設の)対応可能な要介護度についての情報
116e・・・ (介護施設の)入居金についての情報
116f・・・ (介護施設の)月額費用についての情報
116g・・・ 施設の画像
116h・・・ 施設案内の動画
120 ・・・ サーバ