(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】浴室清掃装置
(51)【国際特許分類】
B08B 3/02 20060101AFI20221003BHJP
A47L 25/00 20060101ALI20221003BHJP
A47K 4/00 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
B08B3/02 E
A47L25/00 D
A47K4/00
(21)【出願番号】P 2020096651
(22)【出願日】2020-06-03
【審査請求日】2021-01-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和元年度 埼玉工業大学 卒業論文発表会 予稿集、発行日2020年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】515230372
【氏名又は名称】学校法人智香寺学園埼玉工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】橋本 智己
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-164808(JP,A)
【文献】特開昭61-254277(JP,A)
【文献】特開2017-209645(JP,A)
【文献】国際公開第2012/157619(WO,A1)
【文献】特開2005-065983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 3/02
A47L 25/00
A47K 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の床面または浴槽底面の所定の場所に載置可能な筐体と、
洗浄用の液体を昇圧するポンプと、
前記ポンプに接続されて、
筒状をなして自身の先端開口から前記液体を放出する
とともに、水平方向に前記筐体に対して外側に配置された放出ノズルと、
前記放出ノズルを前記筐体に支持するアームと、
前記放出ノズルの位置を制御する制御装置と、
前記制御装置によって駆動されるとともに、前記アームを動作させる第一駆動部および第二駆動部と、
を備え、
前記アームは、
前記筐体の上方で水平方向に延び
て、先端が、水平方向に前記筐体の外側に配置されたアーム基部と、
前記アーム基部の
前記先端に設けられて該アーム基部の延在方向に
直交する方向に延びて
、かつ、前記放出ノズルの液体放出方向が前記アーム基部の延在方向に直交する方向となる状態で、前記放出ノズルを支持するアーム先部と、
を有し、
前記第一駆動部は、前記アーム基部の基端に接続され、鉛直方向に延びる第一軸線を中心として前記アーム基部および前記アーム先部を回転させ、前記放出ノズルを前記筐体に対して前記第一軸線を中心として旋回させ、
前記第二駆動部は、前記アーム先部に接続され、
前記アーム基部の延在方向かつ水平方向に延びる第二軸線を中心として前記アーム基部に対して前記アーム先部を回転させ、前記放出ノズルを
、前記筐体
の水平方向外側において前記第二軸線を中心として旋回させ
ることで、前記放出ノズルの先端開口を鉛直方向の上下に往復動作可能とし、
前記放出ノズルの先端開口が水平方向を向く場合の前記放出ノズルの位置を基準位置とし、かつ、前記基準位置よりも前記先端開口が上方を向く場合の前記放出ノズルの水平方向に対する傾斜角度を正の角度とし、前記基準位置よりも前記先端開口が下方を向く場合の前記傾斜角度を負の角度としたとき、
前記制御装置は、前記第二駆動部を駆動して前記傾斜角度を第一角度から該第一角度よりも小さい第二角度まで、複数の段階(以下、鉛直段階)で減少させるとともに、前記鉛直段階の各々では、前記傾斜角度を維持した状態で、前記放出ノズルから前記液体を放出させながら、前記第一駆動部を駆動して前記放出ノズルを前記第一軸線回りに旋回させることで、水平方向に沿って前記浴室の壁面が洗浄される浴室清掃装置。
【請求項2】
前記制御装置は、水平方向に沿って前記壁面を洗浄する際において、前記鉛直段階が下がる毎に、前記第一駆動部を駆動して前記放出ノズルによって前記第一軸線回りの正方向の旋回による洗浄と、逆方向の旋回による洗浄とを交互に繰り返させる請求項1に記載の浴室清掃装置。
【請求項3】
前記制御装置は、水平方向に沿った前記壁面の洗浄の完了後に、前記第一駆動部を駆動して前記放出ノズルを前記第一軸線回りの一方に、複数の段階(以下、水平段階という)で旋回させるとともに、前記水平段階の各々では、前記放出ノズルから前記液体を放出させながら、前記第二駆動部を駆動して前記傾斜角度を増加および減少させることで、鉛直方向に沿って前記壁面が洗浄される請求項1または2に記載の浴室清掃装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記第一角度と前記第二角度との間における前記水平方向に沿う前記壁面の洗浄の完了後に前記第二駆動部を駆動して、前記第一角度よりも小さく前記第二角度よりも大きい第三角度から、前記第二角度よりも小さい第四角度まで、水平方向に沿って前記壁面が洗浄される請求項1から3のいずれか一項に記載の浴室清掃装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第一角度と前記第二角度との間における前記水平方向に沿う前記壁面の洗浄の完了後に前記第二駆動部を駆動して、前記第一角度よりも小さく前記第二角度よりも大きい第五角度から、前記第二角度よりも小さい第六角度まで、鉛直方向に沿って前記壁面が洗浄される請求項3に記載の浴室清掃装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記第一駆動部および前記第二駆動部を駆動して前記第一角度を前記正の角度として水平方向に沿う前記壁面の洗浄の完了後に鉛直方向に沿う前記壁面の洗浄を完了させ、その後、前記第二駆動部を駆動して、前記第一角度よりも小さい第七角度から該第七角度よりも小さい第八角度まで、複数の前記鉛直段階で減少させるとともに、前記鉛直段階の各々では、前記傾斜角度を維持した状態で、前記放出ノズルから前記液体を放出させながら、前記第一駆動部を駆動して前記放出ノズルを前記第一軸線回りに旋回させることで、水平方向に沿って前記浴室の壁面が洗浄され、
さらに前記制御装置は、前記第七角度と前記第八角度との間における水平方向に沿う前記壁面の洗浄の完了後に、前記第一駆動部を駆動して前記放出ノズルを前記第一軸線回りの一方に、複数の前記水平段階で旋回させるとともに、前記水平段階の各々では、前記放出ノズルから前記液体を放出させながら、前記第二駆動部を駆動して前記傾斜角度を増加および減少させることで、鉛直方向に沿って前記壁面が洗浄される請求項3から5のいずれか一項に記載の浴室清掃装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記第七角度と前記第八角度との間における前記水平方向に沿う前記壁面の洗浄の完了後に前記第二駆動部を駆動して、前記第七角度よりも小さく前記第八角度よりも大きい第十一角度から、前記第八角度よりも小さい第十二角度まで、鉛直方向に沿って前記壁面が洗浄される請求項6に記載の浴室清掃装置。
【請求項8】
前記液体の圧力を調整可能な圧力調整弁をさらに備え、
前記制御装置は、前記圧力調整弁を制御して前記第一角度と前記第二角度の間で前記放出ノズルから放出される前記液体の圧力である第一圧力よりも、前記第五角度と前記第六角度との間で前記放出ノズルから放出される前記液体の圧力である第二圧力の方を低圧とする請求項5に記載の浴室清掃装置。
【請求項9】
前記液体の圧力を調整可能な圧力調整弁をさらに備え、
前記制御装置は、前記圧力調整弁を制御して前記第一角度と前記第二角度の間で前記放出ノズルから放出される前記液体の圧力である第一圧力よりも、前記第七角度と前記第八角度との間で前記放出ノズルから放出される前記液体の圧力である第二圧力の方を低圧とする請求項6に記載の浴室清掃装置。
【請求項10】
浴室の床面または浴槽底面の所定の場所に載置可能な筐体と、
洗浄用の液体を昇圧するポンプと、
前記ポンプに接続されて、
筒状をなして自身の先端開口から前記液体を放出する
とともに、水平方向に前記筐体に対して外側に配置された放出ノズルと、
前記放出ノズルを前記筐体に支持するアームと、
前記放出ノズルの位置を制御する制御装置と、
前記制御装置によって駆動されるとともに、前記アームを動作させる第一駆動部および第二駆動部と、
を備え、
前記アームは、
前記筐体の上方で水平方向に延び
て、先端が、水平方向に前記筐体の外側に配置されたアーム基部と、
前記アーム基部の
前記先端に設けられて該アーム基部の延在方向に
直交する方向に延びて
、かつ、前記放出ノズルの液体放出方向が前記アーム基部の延在方向に直交する方向となる状態で、前記放出ノズルを支持するアーム先部と、
を有し、
前記第一駆動部は、前記アーム基部の基端に接続され、鉛直方向に延びる第一軸線を中心として前記アーム基部および前記アーム先部を回転させ、前記放出ノズルを前記筐体に対して前記第一軸線を中心として旋回させ、
前記第二駆動部は、前記アーム先部に接続され、
前記アーム基部の延在方向かつ水平方向に延びる第二軸線を中心として前記アーム基部に対して前記アーム先部を回転させ、前記放出ノズルを、前記筐体
の水平方向外側において前記第二軸線を中心として旋回させ
ることで、前記放出ノズルの先端開口を鉛直方向の上下に往復動作可能とし、
前記放出ノズルの先端開口が水平方向を向く場合の前記放出ノズルの位置を基準位置とし、かつ、前記基準位置よりも前記先端開口が上方を向く場合の前記放出ノズルの水平方向に対する傾斜角度を正の角度とし、前記基準位置よりも前記先端開口が下方を向く場合の前記傾斜角度を負の角度としたとき、
前記制御装置は、前記第一駆動部を駆動して前記放出ノズルを前記第一軸線回りの一方に、複数の段階(以下、水平段階という)で旋回させるとともに、前記水平段階の各々では、前記放出ノズルから前記液体を放出させながら、前記第二駆動部を駆動して前記傾斜角度を増加および減少させることで、鉛直方向に沿って前記浴室の壁面が洗浄される浴室清掃装置。
【請求項11】
前記制御装置は、鉛直方向に沿って前記壁面を洗浄する際において、前記水平段階が遷移する毎に、前記第二駆動部を駆動して前記傾斜角度を第五角度から該第五角度よりも小さい第六角度まで減少させる鉛直下方の洗浄と、前記第二駆動部を駆動して前記傾斜角度を前記第六角度から前記第五角度まで増加させる鉛直上方の洗浄とを交互に繰り返させる請求項10に記載の浴室清掃装置。
【請求項12】
前記放出ノズルは前記液体として水を放出し、
前記放出ノズルに併設されて洗浄剤を放出する洗浄剤用ノズルをさらに備える請求項1から11のいずれか一項に記載の浴室清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内を自動で清掃する浴室清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示すように浴室を清掃する装置(ロボット)が知られている。この装置は浴槽や浴室の床面および壁面へスポンジ部材を押し当てて自走することで、浴室内の清掃を行う。またこの装置では、スポンジ部材を取り付けたシャフトの角度を変化させることで、床面および壁面の両方を清掃可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1に記載の装置は、スポンジ部材を床面や壁面に接触させることで浴室の清掃を行うものである。そのため、例えばコーナー等のスポンジ部材を接触させ難い、もしくは接触させることができない部位においては十分な清掃効果を得ることができない。さらに特許文献1の装置は車輪によって走行しながら清掃を行うため、例えば浴槽の内外を行き来することができず、清掃の途中で作業者が介入せずに一度に浴室全体を清掃することは難しい。
【0005】
そこで本発明は、効率的に、かつ、効果的に浴室内の清掃を行うことができる浴室清掃装置を提供する。
【0006】
本発明の一態様に係る浴室清掃装置は、浴室の床面または浴槽底面の所定の場所に載置可能な筐体と、洗浄用の液体を昇圧するポンプと、前記ポンプに接続されるとともに前記筐体に設けられて前記液体を放出する放出ノズルと、前記放出ノズルの位置を制御する制御装置と、を備えている。
【0007】
また上記の浴室清掃装置は、前記筐体に対して前記放出ノズルを第一軸線を中心として旋回させるとともに、前記制御装置によって駆動される第一駆動部と、前記放出ノズルの先端開口の位置が前記第一軸線の方向に移動するように前記放出ノズルを動作させるとともに、前記制御装置によって駆動される第二駆動部と、をさらに備えていてもよい。
【0008】
また上記の浴室清掃装置では、前記第二駆動部は、前記筐体に対して前記放出ノズルを前記第一軸線に交差する第二軸線を中心として旋回させてもよい。
【0009】
また上記の浴室清掃装置では、前記第一駆動部は前記ノズルを鉛直方向に延びる前記第一軸線を中心として旋回させ、前記第二駆動部は前記ノズルを水平方向に延びる前記第二軸線を中心として旋回させてもよい。
【0010】
また上記の浴室清掃装置では、前記放出ノズルの先端開口が水平方向を向く場合の前記放出ノズルの位置を基準位置とし、かつ、前記基準位置よりも前記先端開口が上方を向く場合の前記放出ノズルの水平方向に対する傾斜角度を正の角度とし、前記基準位置よりも前記先端開口が下方を向く場合の前記傾斜角度を負の角度としたとき、前記制御装置は、前記放出ノズルから前記液体を放出させながら、前記第二駆動部を駆動して前記傾斜角度を第一角度から該第一角度よりも小さい第二角度まで減少させるとともに、前記第一駆動部を駆動して前記放出ノズルを前記第一軸線回りに旋回させてもよい。
【0011】
また上記の浴室清掃装置では、前記制御装置は、前記第二駆動部を駆動して前記傾斜角度を第一角度から前記第二角度まで減少させるとともに、前記第一駆動部を駆動して前記放出ノズルを前記第一軸線回りの正方向および逆方向に反転させながら旋回させてもよい。
【0012】
また上記の浴室清掃装置では、前記制御装置は、前記第二駆動部を駆動して前記傾斜角度を第一角度から前記第二角度まで所定の角度ずつ減少させるとともに、前記傾斜角度が減少する毎に前記第一駆動部を駆動して前記放出ノズルを前記第一軸線回りに正方向および逆方向に反転させながら旋回させてもよい。
【0013】
前記放出ノズルの先端開口が水平方向を向く場合の前記放出ノズルの位置を基準位置とし、かつ、前記基準位置よりも前記先端開口が上方を向く場合の前記放出ノズルの水平方向に対する傾斜角度を正の角度とし、前記基準位置よりも前記先端開口が下方を向く場合の前記傾斜角度を負の角度としたとき、前記制御装置は、前記放出ノズルから前記液体を放出させながら、前記第二駆動部を駆動して前記傾斜角度を増加させる動作と、傾斜角度を減少させる動作とを繰り返しながら、前記第一駆動部を駆動して前記放出ノズルを前記第一軸線回りの一方に旋回させてもよい。
【0014】
また上記の浴室清掃装置では、前記制御装置は、前記第二駆動部を駆動して前記傾斜角度を第一角度と該第一角度よりも小さい第二角度との間で交互に変化させつつ、前記第一駆動部を駆動して前記放出ノズルを前記第一軸線回りの一方に旋回させてもよい。
【0015】
また上記の浴室清掃装置では、前記制御装置は、前記傾斜角度を前記第一角度と前記第二角度との間で変化させた後に、前記放出ノズルから前記液体を放出させながら前記第二駆動部を駆動して前記傾斜角度を前記第一角度よりも小さく前記第二角度よりも大きい第三角度と、前記第二角度よりも小さい第四角度との間で変化させつつ、前記第一駆動部を駆動して前記放出ノズルを前記第一軸線回りに旋回させてもよい。
【0016】
また上記の浴室清掃装置では、前記放出ノズルの先端開口が水平方向を向く場合の前記放出ノズルの位置を基準位置とし、かつ、前記基準位置よりも前記先端開口が上方を向く場合の前記放出ノズルの水平方向に対する傾斜角度を正の角度とし、前記基準位置よりも前記先端開口が下方を向く場合の前記傾斜角度を負の角度としたとき、前記制御装置は、前記放出ノズルから前記液体を放出させながら、前記第二駆動部を駆動して前記傾斜角度を第一角度から該第一角度よりも小さい第二角度まで所定の角度ずつ減少させるとともに、前記傾斜角度が減少する毎に前記第一駆動部を駆動して前記放出ノズルを前記第一軸線回りに正方向および逆方向に反転させながら旋回させた後に、前記第二駆動部を駆動して前記傾斜角度を前記第一角度よりも小さく前記第二角度よりも大きい第三角度と、前記第二角度よりも小さい第四角度との間で交互に変化させつつ、前記第一駆動部を駆動して前記放出ノズルを前記第一軸線回りの一方に旋回させてもよい。
【0017】
また上記の浴室清掃装置は、前記液体の圧力を調整可能な圧力調整弁をさらに備え、前記制御装置は前記圧力調整弁を制御して前記放出ノズルから放出される前記液体の圧力を変化させてもよい。
【0018】
また上記の浴室清掃装置は、前記液体の圧力を調整可能な圧力調整弁をさらに備え、前記制御装置は前記圧力調整弁を制御して前記第一角度と前記第二角度の間で前記放出ノズルから放出される前記液体の圧力である第一圧力よりも、前記第三角度と前記第四角度との間で前記放出ノズルから放出される前記液体の圧力である第二圧力の方を低圧としてもよい。
【0019】
また上記の浴室清掃装置では、前記圧力調整弁は、前記制御装置によって駆動される調圧用駆動部と、前記調圧用駆動部によって動作する圧力調整用バルブ本体と、を有していてもよい。
【0020】
また上記の浴室清掃装置は、前記液体の前記放出ノズルへの供給の有無を切り替え可能なストップ弁をさらに備え、前記制御装置は前記ストップ弁を制御して、前記放出ノズルからの前記液体の放出を開始させ、前記放出ノズルからの前記液体の放出を終了させてもよい。
【0021】
また上記の浴室清掃装置では、前記ストップ弁は、前記制御装置によって駆動される供給駆動部と、前記供給駆動部によって動作するストップバルブ本体と、を有していてもよい。
【0022】
また上記の浴室清掃装置では、前記放出ノズルは前記液体として水を放出し、上記の浴室清掃装置が、前記放出ノズルに併設されて洗浄剤を放出する洗浄剤用ノズルをさらに備えていてもよい。
【0023】
また上記の浴室清掃装置は、前記筐体の下部に設けられて前記筐体を移動可能にする車輪をさらに備えていてもよい。
【0024】
また上記の浴室清掃装置は、前記浴室内の換気扇を覆う換気扇カバーをさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0025】
上記の浴室清掃装置によれば、効率的に、かつ、効果的に浴室内の清掃を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施形態に係る浴室清掃装置の全体正面図である。
【
図3】上記の浴室清掃装置における制御装置の機能ブロック図である。
【
図4】上記の制御装置における角度コントローラの機能ブロック図である。
【
図5】上記の浴室清掃装置による清掃の手順を示すフロー図である。
【
図6】上記の浴室清掃装置による放水経路のイメージを示す図である。
【
図7】上記の浴室清掃装置による浴室上部の清掃時の放出ノズルの傾斜角度の変化を示す図である。
【
図8】上記の浴室清掃装置による浴室下部の清掃時の放出ノズルの傾斜角度の変化を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態の第一変形例に係る浴室清掃装置による放水経路を示す図であって、(a)は斜視図を示し、(b)は下方から天井面を見た図である。
【
図10】本発明の実施形態の第二変形例に係る浴室清掃装置の全体正面図である。
【
図11】本発明の実施形態の第三変形例に係る浴室清掃装置の全体正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(全体構成)
図1に示すように本実施形態の浴室清掃装置200は、浴室Rの床面FLまたは浴槽Bの底面Sの所定の場所に載置可能な筐体1と、筐体1に支持された高圧洗浄機2、放出ノズル3、支持装置4、ストップ弁5、圧力調整弁6、および制御装置7とを備えている。
筐体1は互いに平行に鉛直方向に延びる四本の縦柱11と、これら縦柱11の上部に設けられた天板12、下部に設けられた底板13、および天板12と底板13との間に設けられた中間仕切板14とを有している。なお筐体1には奥行方向の手前側を覆う扉15が設けられていてもよい。また
図2に示すように側面にはカバー16が設けられてもよい。なお、図示しないが背面側にもカバーが設けられてもよい。
さらに各々の縦柱11の下部には筐体1を移動可能に支持する車輪17が設けられている。なお、筐体1の構造は本実施形態の場合に限定されるものではなく、後述する高圧洗浄機2、放出ノズル3、支持装置4、および制御装置7を設置可能な構造となっていればよい。
【0028】
(高圧洗浄機)
高圧洗浄機2は、ポンプ21と、外部から水を取り込んでポンプ21へ導入する取水管22と、ポンプ21で昇圧された洗浄用の水(液体)を導出する供給管23とを有している。ポンプ21は例えばプランジャポンプやダイヤフラムポンプ等である。取水管22および供給管23は例えば樹脂製のホース等である。高圧洗浄機2は筐体1における底板13の上面に載置されている。
【0029】
(放出ノズル)
放出ノズル3は筒状をなし、先端開口3aから放水を可能としている。放出ノズル3へはポンプ21で昇圧された水が供給管23を通じて導入される。
【0030】
(支持装置)
支持装置4は、放出ノズル3を支持するアーム41と、アーム41を動作させる水平方向駆動部(第一駆動部)46および鉛直方向駆動部(第二駆動部)47と、を有している。
アーム41は、天板12の上方で水平方向に延びるアーム基部42と、アーム基部42の先端に設けられてアーム基部42の延在方向に直交(または交差)する方向に延びて放出ノズル3を支持するアーム先部44とを有している。アーム基部42には延在方向の途中の位置で天板12の上面に対して接触して転動する案内輪43が設けられている。またアーム先部44にはポンプ21から延びる供給管23が接続されている。アーム先部44の内側には流路(不図示)が形成されており、このアーム先部44の流路に供給管23の内側が連通するようにアーム先部44に供給管23が接続されている。そしてアーム先部44の先端に放出ノズル3が接続され、放出ノズル3の内側がアーム先部44の内側の流路に連通している。
【0031】
水平方向駆動部46は例えばサーボモータであって、天板12の上面に設けられている。また水平方向駆動部46には鉛直方向に延びる第一軸線O1回りに回転するモータ軸(不図示)が設けられている。このモータ軸にはアーム基部42の基端が接続されている。これによりモータ軸が回転するとアーム基部42およびアーム先部44が第一軸線O1回りに回転し、放出ノズル3が筐体1に対して第一軸線O1回りに旋回する。またアーム基部42が回転する際には案内輪43が天板12の上面に接触して転動し、アーム基部42が水平面上で回転する。これにより本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aは水平面上で330度旋回可能となっている。また
図3に示すように水平方向駆動部46にはモータ軸の回転角度を検出する水平方向回転角度センサ46aが設けられている。
【0032】
鉛直方向駆動部47は例えばサーボモータであって、アーム基部42における案内輪43が設けられた位置よりも先端側でアーム基部42に設けられている。また鉛直方向駆動部47には第一軸線O1に直交して水平方向に延びる第二軸線O2回りに回転するモータ軸(不図示)が設けられている。このモータ軸にはアーム先部44が接続されている。これによりモータ軸が回転するとアーム先部44が第二軸線O2回りに回転し、放出ノズル3が筐体1に対して第二軸線O2回りに旋回する。この結果、放出ノズル3の先端開口3aは鉛直方向の上下に往復動作可能になっている。また
図3に示すように鉛直方向駆動部47にはモータ軸の回転角度を検出する鉛直方向回転角度センサ47aが設けられている。
【0033】
(ストップ弁)
ストップ弁5は、本実施形態ではアーム先部44に設けられている。具体的にはストップ弁5は、供給用駆動部51と、供給用駆動部51によって動作するストップバルブ本体52とを有している。供給用駆動部51はたとえばサーボモータを有するロータリアクチュエータ等である。またストップバルブ本体52は、例えば供給用駆動部51のモータ軸に接続されたロータリバルブであって、アーム先部44内の流路を開閉することで放出ノズル3への水の供給の有無を切り替え可能となっている。また
図3に示すように供給用駆動部51にはモータ軸の回転角度を検出する供給用回転角度センサ51aが設けられている。
【0034】
(圧力調整弁)
圧力調整弁6は放出ノズル3に設けられた減圧弁である。具体的には圧力調整弁6は、調圧用駆動部61と、調圧用駆動部61によって動作する調圧用バルブ本体62とを有している。調圧用駆動部61は例えばサーボモータを有するロータリアクチュエータ等である。また調圧用バルブ本体62は、例えば調圧用駆動部61のモータ軸に接続されたロータリバルブであって、放出ノズル3へ水が導入される導入口(不図示)の開口面積を調節することで放出ノズル3から放出される水の圧力を増減させる。また
図3に示すように調圧用駆動部61にはモータ軸の回転角度を検出する調圧用回転角度センサ61aが設けられている。
【0035】
(制御装置)
次に制御装置7について詳しく説明する。
図3に示すように制御装置7は水平方向駆動部46、鉛直方向駆動部47、供給用駆動部51、および調圧用駆動部61を駆動することによって、放出ノズル3の位置を制御するとともにストップ弁5および圧力調整弁6の動作を制御する。すなわち制御装置7によって多軸(4軸)の制御が行われる。制御装置7は角度コントローラ71と、水平方向アンプ72と、鉛直方向アンプ73と、供給用アンプ74と、調圧用アンプ75とを備えている。制御装置7と各駆動部46、47、51、61とは不図示の配線によって電気的に接続されている。
【0036】
(角度コントローラ)
角度コントローラ71はCPU、RAM及びROMなどを含んでおり、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行されるプログラムを記憶する。
図4に示すように角度コントローラ71は、水平方向処理部81と、鉛直方向処理部91と、供給処理部101と、調圧処理部111とを有している。
【0037】
(水平方向処理部)
水平方向処理部81は、水平角度入力部82と、水平目標角度記憶部83と、水平指令角度算出部84と、水平角度指令出力部85とを有している。
【0038】
水平角度入力部82へは、水平方向回転角度センサ46aで検出された水平方向駆動部46のモータ軸の回転角度の情報を含む信号が入力される。
水平目標角度記憶部83は、後述する清掃の手順に基づいて予め定められたモータ軸における目標回転角度を記憶している。この目標回転角度は、後述する清掃の手順に基づいて、放出ノズル3の先端開口3aの向きから決定される回転角度である。水平目標角度記憶部83は、清掃開始からの経過時間毎の目標回転角度を記憶している。
水平指令角度算出部84は水平角度入力部82に入力された信号に基づくモータ軸の実際の回転角度と、水平目標角度記憶部83に記憶されている目標回転角度との差分を算出する。
水平角度指令出力部85は、水平指令角度算出部84から回転角度の差分の情報を含む信号が入力されるとともに、この信号に基づき制御信号を出力する。
【0039】
(鉛直方向処理部)
鉛直方向処理部91は、鉛直角度入力部92と、鉛直目標角度記憶部93と、鉛直指令角度算出部94と、鉛直角度指令出力部95とを有している。
鉛直角度入力部92へは、鉛直方向回転角度センサ47aで検出された鉛直方向駆動部47のモータ軸の回転角度の情報を含む信号が入力される。
鉛直目標角度記憶部93は、後述する清掃の手順に基づいて予め定められたモータ軸における目標回転角度を記憶している。この目標回転角度は、後述する清掃の手順に基づいて、放出ノズル3の先端開口3aの向きから決定される回転角度である。鉛直目標角度記憶部93は、清掃開始からの経過時間毎の目標回転角度を記憶している。
鉛直指令角度算出部94は鉛直角度入力部92に入力された信号に基づくモータ軸の実際の回転角度と、鉛直目標角度記憶部93に記憶されている目標回転角度との差分を算出する。
鉛直角度指令出力部95は、鉛直指令角度算出部94から回転角度の差分の情報を含む信号が入力されるとともに、この信号に基づき制御信号を出力する。
【0040】
(供給処理部)
供給処理部101は、供給角度入力部102と、供給目標角度記憶部103と、供給指令角度算出部104と、供給角度指令出力部105とを有している。
供給角度入力部102へは、供給用回転角度センサ51aで検出された供給用駆動部51のモータ軸の回転角度の情報を含む信号が入力される。
供給目標角度記憶部103は、後述する清掃の手順に基づいて予め定められたモータ軸における目標回転角度を記憶している。この目標回転角度は、後述する清掃の手順に基づくストップ弁5の開閉動作に対応する回転角度である。
供給指令角度算出部104は、供給角度入力部102に入力された信号に基づくモータ軸の実際の回転角度と、供給目標角度記憶部103に記憶されている目標回転角度との差分を算出する。なおストップ弁5の開状態または閉状態を維持する場合には、上記差分は0となり、開状態から閉状態に切り替える場合、または閉状態から開状態に切り替える場合には、上記差分はストップバルブ本体52の仕様に基づく所定値となる。
供給角度指令出力部105は、供給指令角度算出部104で算出された回転角度の差分の情報を含む信号が入力されるとともに、この信号に基づき制御信号を出力する。
【0041】
(調圧処理部)
調圧処理部111は、調圧角度入力部112と、調圧目標角度記憶部113と、調圧指令角度算出部114と、調圧角度指令出力部115とを有している。
調圧角度入力部112へは、調圧用回転角度センサ61aで検出された調圧用駆動部61のモータ軸の回転角度の情報を含む信号が入力される。
調圧目標角度記憶部113は、後述する清掃の手順に基づいて予め定められたモータ軸における目標回転角度を記憶している。この目標回転角度は、後述する清掃の手順に基づく圧力調整弁6の開度に対応する回転角度である。
調圧指令角度算出部114は、調圧角度入力部112に入力された信号に基づくモータ軸の実際の回転角度と、調圧目標角度記憶部113に記憶されている目標回転角度との差分を算出する。すなわち圧力調整弁6の実際の開度を目標開度に変更するためのモータ軸の回転角度を算出する。
調圧角度指令出力部115は、調圧指令角度算出部114から回転角度の差分の情報を含む信号が入力されるとともに、この信号に基づき制御信号を出力する。
【0042】
(水平方向アンプ)
図3に戻って、水平方向アンプ72は、角度コントローラ71の水平角度指令出力部85から出力された制御信号を受信し、この制御信号に基づいて水平方向駆動部46を駆動するサーボアンプである。水平方向アンプ72は、水平方向処理部81とともに水平方向駆動部46に対してフィードバック制御を行う。また水平方向アンプ72には同期信号出力部72aが設けられている。同期信号出力部72aは、水平角度指令出力部85からの制御信号を水平方向アンプ72が受信した際に同期信号を出力する。
【0043】
(鉛直方向アンプ)
鉛直方向アンプ73は、角度コントローラ71の鉛直角度指令出力部95から出力された制御信号を受信し、この制御信号に基づいて鉛直方向駆動部47を駆動するサーボアンプである。鉛直方向アンプ73は、鉛直方向処理部91とともに鉛直方向駆動部47に対してフィードバック制御を行う。また鉛直方向アンプに73には第一同期信号入力部73aが設けられている。同期信号出力部72aからの同期信号が第一同期信号入力部73aへ入力されると、水平方向駆動部46の駆動に同期して、鉛直角度指令出力部95からの制御信号に基づいて鉛直方向駆動部47が駆動される。
【0044】
(供給用アンプ)
供給用アンプ74は、供給処理部101における供給角度指令出力部105から出力された制御信号を受信し、この制御信号に基づいて供給用駆動部51を駆動するサーボアンプである。供給用アンプ74は、供給処理部101とともに供給用駆動部51に対してフィードバック制御を行う。また供給用アンプ74には第二同期信号入力部74aが設けられている。同期信号出力部72aからの同期信号が第二同期信号入力部74aへ入力されると、水平方向駆動部46の駆動に同期して、供給角度指令出力部105からの制御信号に基づいて供給用駆動部51が駆動される。なお、ストップ弁5が開状態を維持する場合、もしくは閉状態を維持する場合には供給用アンプ74は供給用駆動部51を駆動させない。
【0045】
(調圧用アンプ)
調圧用アンプ75は、調圧処理部111における調圧角度指令出力部115から出力された制御信号を受信し、この制御信号に基づいて調圧用駆動部61を駆動するサーボアンプである。調圧用アンプ75は、調圧処理部111とともに調圧用駆動部61に対してフィードバック制御を行う。また調圧用アンプ75には第三同期信号入力部75aが設けられている。同期信号出力部72aからの同期信号が第三同期信号入力部75aへ入力されると、水平方向駆動部46の駆動に同期して、調圧角度指令出力部115からの制御信号に基づいて調圧用駆動部61が駆動される。なお、圧力調整弁6の開度が維持される場合には、調圧用アンプ75は調圧用駆動部61を駆動させない。
【0046】
次に
図5から
図7を参照して制御装置7による浴室Rの清掃の手順について説明する。本実施形態では不図示のスイッチが作業者によってONにされたり、制御装置7に対して動作開始指令が入力されたりすることで制御装置7が動作を開始し、浴室Rの上部を高圧で洗浄した後に、浴室Rの下部を低圧で洗浄する。
まず浴室Rの上部の清掃について説明する。具体的には制御装置7によって予め定められた方向を放出ノズル3の先端開口3a(
図1参照)が向くように、放出ノズル3を初期位置に配置するステップS1が実行される。ステップS1では、水平方向駆動部46によって放出ノズル3を水平方向の初期位置に配置するように、水平方向処理部81から水平方向アンプ72へ向けて制御信号が出力される。また鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3を鉛直方向の初期位置に配置するように、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73へ向けて制御信号が出力される。本実施形態では、水平方向の初期位置は水平方向駆動部46のモータ軸の周方向のいずれかの位置であればよい。
【0047】
ここで放出ノズル3の先端開口3aが水平方向を向く場合の放出ノズル3の位置を基準位置とし、かつ、この基準位置よりも放出ノズル3の先端開口3aが上方を向く場合の放出ノズル3における傾斜角度α(
図2参照)を正の角度とし、下方を向く場合の傾斜角度αを負の角度とする。本実施形態における鉛直方向の初期位置は、傾斜角度αが例えば+50度(第一角度α
1)となっている場合の放出ノズル3の位置である。ただしこの鉛直方向の初期位置に対応する傾斜角度αは、放出ノズル3の設置高さや放出ノズル3の長さ寸法や浴室Rの高さ等に応じて適宜設定されるものであって、本実施形態の場合には限定されない。
【0048】
さらにステップS1では、供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5を閉状態とするように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第一開度とするように制御信号が出力される。第一開度は、放出ノズル3から放出される水の圧力を高圧(第一圧力)にするための開度である。
【0049】
ステップS1を実行後、所定時間経過後にステップS2を実行する。この所定時間は、本実施形態では例えば20秒に設定されている。ステップS2では、放出ノズル3における傾斜角度αを第一角度α
1から、第一角度α
1よりも小さい第二角度α
2まで段階的に変化させるとともに、放出ノズル3の傾斜角度αが変化する毎に、放出ノズル3を第一軸線O1回りに水平面上で逆方向に旋回させて放出ノズル3から放水を行う(
図6の経路K1参照)。よって水平方向および鉛直方向に放出ノズル3の先端開口3aが向く方向を変化させながら放水が行われる。すなわちステップS2は以下のステップS21~S23を含み、これらのステップS21~S23が繰り返し連続的に実行される。本実施形態では第二角度α
2は例えば-45度となっている。なおステップS2を実行する前に、作業者によって予め浴室R内に清掃用の洗剤を散布しておいてもよい。
【0050】
まずステップS21では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72へ向けて、水平方向駆動部46によって放出ノズル3を第一軸線O1回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第一軸線O1回りの一方に330度回転するように水平方向処理部81から制御信号が出力される。この際、例えば20度/秒の一定速度で放出ノズル3の先端開口3aが回転させられる。またステップS21では、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて、放出ノズル3の先端開口3aの鉛直方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5を開状態とするように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第一開度に維持(水圧を高圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0051】
ステップS21を実行後、ステップS22を実行する。ステップS22では、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3を第二軸線O2回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第二軸線O2回りに例えば-5度(下方に5度)さらに傾斜するように鉛直方向処理部91から制御信号が出力される。またステップS22では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72に向けて、放出ノズル3の先端開口3aの水平方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第一開度に維持(水圧を高圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0052】
そしてステップS22を実行後、ステップS23を実行する。ステップS23では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72へ向けて、水平方向駆動部46によって放出ノズル3を第一軸線O1回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第一軸線O1回りの他方に、例えば20度/秒の一定速度で330度回転するように水平方向処理部81から制御信号が出力される。すなわちステップS23ではステップS21とは第一軸線O1回りに逆方向に放出ノズル3が旋回させられる。またステップS23では、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて放出ノズル3の先端開口3aの鉛直方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第一開度に維持(水圧を高圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0053】
このようにしてステップS2では
図7の範囲A1に示すように、第一角度α
1から第二角度α
2まで、放出ノズル3の傾斜角度αを段階的に減少させながら放水が行われる。
【0054】
ステップS2を実行後、ステップS3を実行する。ステップS3では、放出ノズル3における傾斜角度αを第二角度α
2から、第一角度α
1よりも小さく第二角度α
2よりも大きい第三角度α
3に変化させる(
図7参照)。すなわちステップS3では鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73へ向けて、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3の傾斜角度αが第三角度α
3となるように、放出ノズル3の先端開口3aが上方に向かうように制御信号が出力される。本実施形態では第三角度α
3は例えば+47.5度となっている。またステップS3では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72に向けて放出ノズル3の先端開口3aの水平方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第一開度に維持(水圧を高圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0055】
ステップS3を実行後、ステップS4を実行する。ステップS4では、放出ノズル3における傾斜角度αを第三角度α
3から、第二角度α
2および第三角度α
3よりも小さい第四角度α
4まで段階的に変化させるとともに、放出ノズル3の傾斜角度αが変化する毎に、放出ノズル3を第一軸線O1回りに水平面上で逆方向に旋回させて放出ノズル3から放水を行う(
図6の経路K2参照)。すなわちステップS4は以下のステップS41~S43を含み、これらのステップS41~S43が繰り返し連続的に実行される。本実施形態では第四角度α
4は例えば-47.5度となっている。
【0056】
まずステップS41では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72へ向けて、水平方向駆動部46によって放出ノズル3を第一軸線O1回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第一軸線O1回りの一方に、例えば20度/秒の一定速度で330度回転するように水平方向処理部81から制御信号が出力される。またステップS41では、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて放出ノズル3の先端開口3aの鉛直方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第一開度に維持(水圧を高圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0057】
ステップS41を実行後、ステップS42を実行する。ステップS42では、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3を第二軸線O2回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第二軸線O2回りに例えば-5度(下方に5度)傾斜するように鉛直方向処理部91から制御信号が出力される。またステップS42では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72に向けて放出ノズル3の先端開口3aの水平方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第一開度に維持(水圧を高圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0058】
そしてステップS42を実行後、ステップS43を実行する。ステップS43では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72へ向けて、水平方向駆動部46によって放出ノズル3を第一軸線O1回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第一軸線O1回りの他方に、例えば20度/秒の一定速度で330度回転するように水平方向処理部81から制御信号が出力される。すなわちステップS43ではステップS41とは第一軸線O1回りに逆方向に放出ノズル3が旋回させられる。またステップS43では、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて放出ノズル3の先端開口3aの鉛直方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第一開度に維持(水圧を高圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0059】
このようにしてステップS4では
図7の範囲A2に示すように、第三角度α
3から第四角度α
4まで、放出ノズル3の傾斜角度αを段階的に減少させながら放水が行われる。
【0060】
ステップS4を実行後、ステップS5を実行する。ステップS5では、放出ノズル3における傾斜角度αを第四角度α
4から、第三角度α
3よりも小さく第四角度α
4よりも大きい第五角度α
5に変化させる(
図7参照)。すなわちステップS5では鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73へ向けて、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3の傾斜角度αが第五角度α
5となるように、放出ノズル3の先端開口3aが上方に向かうように制御信号が出力される。本実施形態では第五角度α
5は例えば+40度となっている。またステップS5では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72に向けて放出ノズル3の先端開口3aの水平方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第一開度に維持(水圧を高圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0061】
ステップS5を実行後、ステップS6を実行する。ステップS6では、放出ノズル3における傾斜角度αを第五角度α
5と、第四角度α
4および第五角度α
5よりも小さい第六角度との間で交互に変化させて放出ノズル3の先端開口3aを上下させつつ、放出ノズル3を第一軸線O1回りに旋回させて放出ノズル3から放水を行う(
図6の経路K3参照)。すなわちステップS6は以下のステップS61およびS62を含み、これらのステップS61、S62が一回ずつ連続して実行される。本実施形態では第六角度は例えば-50度となっている。
【0062】
まずステップS61では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72へ向けて、水平方向駆動部46によって放出ノズル3の先端開口3aを第一軸線O1回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第一軸線O1回りの一方に、例えば1度/秒の一定速度で330度回転するように水平方向処理部81から制御信号が出力される。さらにステップS61では、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3を第二軸線O2回りに第五角度α5と第六角度α6との間で交互に往復させるように旋回させる制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第一開度よりも小さい第二開度に変更(水圧を低圧(上記の第一圧力よりも小さい第二圧力)に変更)するように制御信号が出力される。
【0063】
ステップS61を実行後、ステップS62を実行する。ステップS62では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72へ向けて、水平方向駆動部46によって放出ノズル3の先端開口3aを第一軸線O1回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第一軸線O1回りの他方に、例えば1度/秒の一定速度で330度回転するように水平方向処理部81から制御信号が出力される。すなわちステップS62ではステップS61とは第一軸線O1回りに逆方向に放出ノズル3が旋回させられる。さらにステップS62では、ステップS61と同様に鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3を第二軸線O2回りに第五角度α5と第六角度α6との間で交互に往復させるように旋回させる制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第二開度に維持(水圧を低圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0064】
このようにしてステップS6では、往路で第一軸線O1回りの一方に水平面上で330度、放出ノズル3の先端開口3aを移動させつつ、
図7の範囲A3に示すように第五角度α
5と第六角度α
6との間で、放出ノズル3を上下させながら放水が行われた後に、復路で第一軸線O1回りの他方に水平面上で330度、放出ノズル3の先端開口3aを移動させつつ第五角度α
5と第六角度α
6との間で、放出ノズル3を上下させながら放水が行われる。
【0065】
ステップS6を実行後、浴室Rの下部を清掃するステップに進む。浴室Rの下部の清掃は、上述した
図6に示す浴室Rの上部の清掃と同様の経路で放水が行われるが、浴室Rの下部の清掃ではすべて低圧洗浄が行われる。まずステップS7を実行する。ステップS7では、放出ノズル3における傾斜角度αを第六角度α
6から、第五角度α
5よりも小さく第六角度α
6よりも大きい第七角度α
7に変化させる(
図8参照)。すなわちステップS7では鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73へ向けて、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3の傾斜角度αが第七角度α
7となるように、放出ノズル3の先端開口3aが上方に向かうように制御信号が出力される。本実施形態では第七角度α
7は例えば0度となっている。またステップS7では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72に向けて放出ノズル3の先端開口3aの水平方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第二開度に維持(水圧を低圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0066】
ステップS7を実行後、ステップS8を実行する。ステップS8では、放出ノズル3における傾斜角度αを第七角度α7から、第六角度α6および第七角度α7よりも小さい第八角度α8まで段階的に変化させるとともに、放出ノズル3の傾斜角度αが変化する毎に、放出ノズル3を第一軸線O1回りに水平面上で逆方向に旋回させて放出ノズル3から放水を行う。すなわちステップS8は以下のステップS81~S83を含み、これらのステップS81~S83が繰り返し連続的に実行される。本実施形態では第八角度α8は例えば-55度となっている。
【0067】
まずステップS81では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72へ向けて、水平方向駆動部46によって放出ノズル3の先端開口3aを第一軸線O1回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第一軸線O1回りの一方に、例えば20度/秒の一定速度で330度回転するように水平方向処理部81から制御信号が出力される。またステップS81では、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて放出ノズル3の先端開口3aの鉛直方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5を開状態とするように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第二開度に維持(水圧を低圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0068】
ステップS81を実行後、ステップS82を実行する。ステップS82では、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3を第二軸線O2回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第二軸線O2回りに例えば-5度さらに傾斜するように鉛直方向処理部91から制御信号が出力される。またステップS82では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72に向けて放出ノズル3の先端開口3aの水平方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第二開度に維持(水圧を低圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0069】
そしてステップS82を実行後、ステップS83を実行する。ステップS83では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72へ向けて、水平方向駆動部46によって放出ノズル3を第一軸線O1回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第一軸線O1回りの他方に、例えば20度/秒の一定速度で330度回転するように水平方向処理部81から制御信号が出力される。すなわちステップS83ではステップS81とは第一軸線O1回りに逆方向に放出ノズル3が旋回させられる。またステップS83では、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて放出ノズル3の先端開口3aの鉛直方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第二開度に維持(水圧を低圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0070】
このようにしてステップS8では
図8の範囲A4に示すように、第七角度α
7から第八角度α
8まで、放出ノズル3の傾斜角度αを段階的に減少させながら放水が行われる。
【0071】
ステップS8を実行後、ステップS9を実行する。ステップS9では、放出ノズル3における傾斜角度αを第八角度α
8から、第七角度α
7よりも小さく第八角度α
8よりも大きい第九角度α
9に変化させる(
図8参照)。すなわちステップS9では鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73へ向けて、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3の傾斜角度αが第九角度α
9となるように、放出ノズル3の先端開口3aが上方に向かうように制御信号が出力される。本実施形態では第九角度α
9は例えば+2.5度となっている。またステップS9では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72に向けて放出ノズル3の先端開口3aの水平方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第二開度に維持(水圧を低圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0072】
ステップS9を実行後、ステップS10を実行する。ステップS10では、放出ノズル3における傾斜角度αを第九角度α9から、第八角度α8および第九角度α9よりも小さい第十角度α10まで段階的に変化させるとともに、放出ノズル3の傾斜角度αが変化する毎に、放出ノズル3を第一軸線O1回りに水平面上で逆方向に旋回させて放出ノズル3から放水が行われる。すなわちステップS10は以下のステップS101~S103を含み、これらのステップS101~S103が繰り返し連続的に実行される。本実施形態では第十角度は例えば-57.5度となっている。
【0073】
まずステップS101では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72へ向けて、水平方向駆動部46によって放出ノズル3を第一軸線O1回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第一軸線O1回りの一方に、例えば20度/秒の一定速度で330度回転するように水平方向処理部81から制御信号が出力される。またステップS101では、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて放出ノズル3の先端開口3aの鉛直方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第二開度に維持(水圧を低圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0074】
ステップS101を実行後、ステップS102を実行する。ステップS102では、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3を第二軸線O2回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第二軸線O2回りに例えば-5度傾斜するように鉛直方向処理部91から制御信号が出力される。またステップS102では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72に向けて放出ノズル3の先端開口3aの水平方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第二開度に維持(水圧を低圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0075】
そしてステップS102を実行後、ステップS103を実行する。ステップS103では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72へ向けて、水平方向駆動部46によって放出ノズル3を第一軸線O1回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第一軸線O1回りの他方に、例えば20度/秒の一定速度で330度回転するように水平方向処理部81から制御信号が出力される。すなわちステップS103ではステップS101とは第一軸線O1回りに逆方向に放出ノズル3が旋回させられる。またステップS103では、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて放出ノズル3の先端開口3aの鉛直方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第二開度に維持(水圧を低圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0076】
このようにしてステップS10では
図8の範囲A5に示すように、第九角度α
9から第十角度α
10まで、放出ノズル3の傾斜角度αを段階的に減少させながら放水が行われる。
【0077】
ステップS10を実行後、ステップS11を実行する。ステップS11では、放出ノズル3における傾斜角度αを第十角度α
10から、第九角度α
9よりも小さく第十角度α
10よりも大きい第十一角度α
11に変化させる(
図8参照)。すなわちステップS11では鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73へ向けて、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3の傾斜角度αが第十一角度α
11となるように、放出ノズル3の先端開口3aが上方に向かうように制御信号が出力される。本実施形態では第十一角度α
11は例えば-30度となっている。またステップS11では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72に向けて放出ノズル3の先端開口3aの水平方向の位置を維持するように制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第二開度に維持(水圧を低圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0078】
ステップS11を実行後、ステップS12を実行する。ステップS12では、放出ノズル3における傾斜角度αを第十一角度α
11と、第十角度α
10および第十一角度α
11よりも小さい第十二角度α
12との間で交互に変化させつつ、放出ノズル3を第一軸線O1回りに旋回させて放出ノズル3から放水を行う(
図6の経路K3参照)。すなわちステップS12は以下のステップS121およびS122を含み、これらのステップS121、S122が一回ずつ連続して実行される。本実施形態では第十二角度は例えば-80度となっている。
【0079】
まずステップS121では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72へ向けて、水平方向駆動部46によって放出ノズル3を第一軸線O1回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第一軸線O1回りの一方に、例えば1度/秒の一定速度で330度回転するように水平方向処理部81から制御信号が出力される。さらにステップS121では、鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3を第二軸線O2回りに第十一角度α11と第十二角度α12との間で交互に往復させるように旋回させる制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第二開度に維持(水圧を低圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0080】
ステップS121を実行後、ステップS122を実行する。ステップS122では、水平方向処理部81から水平方向アンプ72へ向けて、水平方向駆動部46によって放出ノズル3の先端開口3aを第一軸線O1回りに所定角度だけ旋回させるように制御信号が出力される。本実施形態では放出ノズル3の先端開口3aが第一軸線O1回りの他方に、例えば1度/秒の一定速度で330度回転するように水平方向処理部81から制御信号が出力される。すなわちステップS122ではステップS121とは第一軸線O1回りに逆方向に放出ノズル3が旋回させられる。さらにステップS122では、ステップS121と同様に鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73に向けて、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3を第二軸線O2回りに第十一角度α11と第十二角度α12との間で交互に往復させるように旋回させる制御信号が出力される。また供給処理部101から供給用アンプ74へ向けてストップ弁5の開状態を維持するように制御信号が出力される。また調圧処理部111から調圧用アンプ75へ向けて圧力調整弁6の開度を第二開度に維持(水圧を低圧に維持)するように制御信号が出力される。
【0081】
このようにしてステップS12では、往路で第一軸線O1回りの一方に水平面上で330度、放出ノズル3の先端開口3aを移動させつつ、
図8の範囲A6に示すように第十一角度α
11と第十二角度α
12との間で、放出ノズル3を上下させながら放水が行われた後に、復路で第一軸線O1回りの他方に水平面上で330度、放出ノズル3の先端開口3aを移動させつつ第十一角度α
11と第十二角度α
12との間で、放出ノズル3を上下させながら放水が行われる。
【0082】
ステップS12の実行後、最後にステップS13を実行する。ステップS13では予め定められた方向を放出ノズル3の先端開口3aが向くように、放出ノズル3を終了位置に配置する。ステップS13では水平方向処理部81から水平方向アンプ72へ向けて、水平方向駆動部46によって放出ノズル3の先端開口3aを水平方向の終了位置に配置するように制御信号が出力される。また鉛直方向処理部91から鉛直方向アンプ73へ向けて、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3の先端開口3aを鉛直方向の終了位置に配置するように制御信号が出力される。終了位置は上記の初期位置に一致していてもよいし、初期位置と異なっていてもよい。
【0083】
以上説明した本実施形態の浴室清掃装置200によれば、浴室清掃装置200が浴室Rの床面FLまたは浴槽Bの底面Sに載置された状態で水を放出することで、浴室Rの内面(床面FLを含む)、および浴槽Bの内外面(底面Sを含む)を洗浄することができる。すなわち、浴室R内の所定の位置から浴室R内の全体を一度に洗浄することができる。また放水による洗浄を行うことで、角部や隙間等の汚れを掻き出すことも可能となり、効率的に、かつ、効果的に浴室R内の清掃を行うことができる。
【0084】
さらに、水平方向駆動部46と鉛直方向駆動部47とによって水平面上および鉛直方向に放出ノズル3を旋回させて浴室R内へ放水することができる。したがって、床面FLや壁面だけでなく手が届きにくい天井まで、浴室R内の全体を隅々まで清掃することができる。
【0085】
さらに浴室Rの上部を高圧放水によって汚れをけずり取るように洗浄した後に、浴室Rの下部を低圧放水によって洗い流すことで、効果的に汚れを落とすことができる。また、放出ノズル3の傾斜角度αを段階的に小さくしつつ傾斜角度αが変化する毎に水平面上で逆方向に放出ノズル3を旋回させて洗浄を行った後に、放出ノズル3の先端開口3aを鉛直方向に上下させつつ洗浄を行う。このため、二種類の放水パターンを組み合わせて浴室R内を洗浄することができ、より効果的に汚れを落とすことが可能となる。
【0086】
また、浴室Rの上部から下部に向かって洗浄を行っていく途中で、下方から上方に放出ノズル3の傾斜角度αを増大させた後に、再び上部から下部に向かって洗浄を行っていく。このため、一度洗浄した浴室Rの内面を再び洗浄する。すなわち浴室Rの内面の一部をオーバーラップさせつつ洗浄することができる。よって浴室Rの内面全体をもれなく清掃することができる。特に本実施形態では、汚れの付着量が多いと考えられる浴室Rの下部の領域をオーバーラップさせつつ何度も繰り返し洗浄するため、清掃効果を高めることができる。
【0087】
また、制御装置7によって水平方向駆動部46、鉛直方向駆動部47、供給用駆動部51、および調圧用駆動部61の駆動を制御するため、全自動で浴室Rの清掃が可能である。このため身体が不自由な方であったり高齢者であったりしても、容易に、かつ安全に浴室Rの清掃が可能となる。
【0088】
また筐体1には車輪17が設けられているため、浴室R内の好みの位置に浴室清掃装置200を移動させて載置することができる。よって様々な大きさ、形状の浴室Rに使用可能であり、使用の自由度が高まる。
【0089】
ここで本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、水平方向駆動部46、および鉛直方向駆動部47は必ずしもサーボモータである必要はなく、例えば直動式のアクチュエータ等の他の方式の駆動部を採用してもよい。また、鉛直方向駆動部47によって放出ノズル3の先端開口3aを鉛直方向に上下させる構造に代えて、制御装置7で駆動される直動式のアクチュエータを用いて、水平方向駆動部46を鉛直方向に移動させる構造によって、放出ノズル3の先端開口3aの位置が第一軸線O1の方向となる鉛直方向に上下移動するようにしてもよい。
【0090】
さらにストップ弁5および圧力調整弁6はロータリアクチュエータによって動作するものに限定されない。すなわち供給用駆動部51および調圧用駆動部61には、例えば直動式のアクチュエータ等の他の方式の駆動部を採用してもよい。
【0091】
また水平方向駆動部46のモータ軸の回転中心軸である第一軸線O1は必ずしも鉛直方向に延びていなくともよい。また、鉛直方向駆動部47のモータ軸の回転中心軸である第二軸線O2は必ずしも水平方向に延びていなくともよく、第二軸線O2は第一軸線O1に交差していればよい。
【0092】
また制御装置7によって実行される清掃の手順は上述の場合に限定されない。例えば浴室Rの上部を低圧で洗浄し、浴室Rの下部を高圧で洗浄してもよいし、高圧洗浄と低圧洗浄とを交互に行ってもよく、高圧洗浄と低圧洗浄とを適宜組み合わせて清掃を実行してもよい。また場合によっては高圧洗浄のみ、または低圧洗浄のみを実行してもよい。
【0093】
また清掃時の放水経路は
図6の場合に限定されない。例えば、浴室Rの上部を
図6の経路K3のように洗浄し、浴室Rを経路K1のように洗浄してもよいし、経路K1→経路K3→経路K2の順で洗浄してもよい。
【0094】
また
図6に示す経路K1および経路K2のように必ずしも浴室Rの上部から下部に向かって洗浄が実行されなくともよく、すなわち放出ノズル3の傾斜角度αを減少させる方向に動作させなくともよく、例えば放出ノズル3の傾斜角度αを減少させた後に増大させてもよい。さらに経路K1、K2のように放出ノズル3を第一軸線O1回りに反転させながら旋回させなくともよく、同じ方向に旋回させ続けてもよい。
【0095】
また
図6に示す経路K1および経路K2のように必ずしも段階的に、すなわち所定の角度ずつ放出ノズル3の傾斜角度αを変化させなくともよく、例えば、連続的に傾斜角度αを変化させてもよい。この場合、第一軸線O1回りに螺旋状に放出ノズル3を動作させつつ洗浄を行うことが可能である。
【0096】
また
図6に示す経路K3のように必ずしも同じ角度だけ規則的に交互に放出ノズル3の傾斜角度αを変化させる必要はなく、単に任意の角度で傾斜角度αを増大させる動作と減少させる動作とを繰り返すように放出ノズル3を動作させてもよい。
【0097】
また、放出ノズル3の旋回速度は必ずしも一定でなくともよい。
【0098】
また、
図9(a)に示すように放出ノズル3から円錐状に放水を行うことで、経路K4に沿って洗浄を行ってもよい。すなわち、放出ノズル3の先端開口3aを鉛直方向に向け、すなわち天井面T(又は床面FLでもよい)に向け、水平面上で旋回させつつ放水する。このように放出ノズル3を制御することで、天井面T(又は床面FL)と壁面Hとを一度に洗浄することができる。そして、このように洗浄することで、
図9(b)に示すように天井面T(又は床面FL)と壁面Hとの接続位置となるコーナー領域CSについても洗浄が可能である。同様に、壁面Hに対しても経路K4に沿って円錐状に放水を行うことも可能である。
【0099】
またストップ弁5や圧力調整弁6は制御装置7によってではなく、作業者によって手動で操作されるものであってもよい。
【0100】
また放出ノズル3からは水ではなく、洗浄用の液体を放出してもよい。さらに
図10に示すように、放出ノズル3による放水を開始する前に洗浄剤を放出する洗浄剤用ノズル120を放出ノズル3に併設してもよい。この場合、洗浄剤用ノズル120からの洗浄剤の放出の開始/終了を制御装置7によって自動で制御してもよい。
【0101】
さらに
図11に示すように、第一軸線O1および第二軸線O2に交差(直交)する第三軸線O3回りに放出ノズル3を旋回可能にしてもよい。この場合、例えば第三軸線O3回りに放出ノズル3を旋回させる第三駆動部(不図示)をアーム41に設け、この第三駆動部を制御装置7で駆動制御することができる。これにより浴槽Bの内面のうち、浴室清掃装置200に近い側の内面の清掃を容易化できる。この場合、アーム41の長さは例えば0.5m以上1.5m以下に設定されるとよい。
【0102】
さらに
図11に示すように、浴室R内に設けられた換気扇Fを清掃の際に覆う換気扇カバーCを設けてもよい。
【0103】
また制御装置7および高圧洗浄機2は必ずしも筐体1に設けられていなくともよく、例えばこれら制御装置7および高圧洗浄機2を浴室Rの外部に設置してもよい。そして制御装置7は無線信号によって各駆動部46、47、51、61の駆動制御を行ってもよい。
【0104】
また、高圧洗浄機2に導入される水(液体)を貯留するタンクを筐体1に設けてもよい。
【0105】
また、制御装置7はセンサを用いて浴室R内の障害物(電灯や換気扇等)のセンシングを事前に行い、これらを避けるように放出ノズル3を制御してもよい。
【0106】
また、制御装置7はセンサを用いて浴室R内の汚れのセンシングを事前に行い、汚れの度合いに応じて放出ノズル3から放出される水の圧力や水の放出位置を変化させながら清掃を行ってもよい。具体的には、例えば不図示のノズルから浴室Rの内面全体に発光液を放出し、湯垢や石鹸残渣等の汚れに発光液を吸着させ、汚れの検知が可能なセンサ(撮像装置等)によって汚れの位置を特定し、特定された位置を集中的に洗浄してもよい。
【0107】
なお
図6に示す経路K1、K2のように水平方向に完全に真っすぐに(鉛直方向の位置が一定となるように)洗浄していくよう、放出ノズル3が第一軸線O1回りに旋回する間に放出ノズル3の傾斜角度αを微調整する制御を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明の浴室清掃装置によれば、効率的に、かつ、効果的に浴室内の清掃を行うことができる。
【符号の説明】
【0109】
1 筐体
2 高圧洗浄機
3 放出ノズル
3a 先端開口
4 支持装置
5 ストップ弁
6 圧力調整弁
7 制御装置
21 ポンプ
46 水平方向駆動部
47 鉛直方向駆動部
51 供給用駆動部
61 調圧用駆動部
120 洗浄剤用ノズル
200 浴室清掃装置
FL 床面
O1 第一軸線
O2 第二軸線
O3 第三軸線
R 浴室
S 底面
C 換気扇カバー