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特許7150353機能施設の使用をモニタリングするための装置、システムおよび方法
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  • 特許-機能施設の使用をモニタリングするための装置、システムおよび方法 図1
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  • 特許-機能施設の使用をモニタリングするための装置、システムおよび方法 図10A
  • 特許-機能施設の使用をモニタリングするための装置、システムおよび方法 図10B
  • 特許-機能施設の使用をモニタリングするための装置、システムおよび方法 図11
  • 特許-機能施設の使用をモニタリングするための装置、システムおよび方法 図12
  • 特許-機能施設の使用をモニタリングするための装置、システムおよび方法 図13
  • 特許-機能施設の使用をモニタリングするための装置、システムおよび方法 図14
  • 特許-機能施設の使用をモニタリングするための装置、システムおよび方法 図15
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  • 特許-機能施設の使用をモニタリングするための装置、システムおよび方法 図17
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】機能施設の使用をモニタリングするための装置、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20221003BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20221003BHJP
   G16Y 10/80 20200101ALI20221003BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20221003BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
G06Q10/06 302
G16Y10/80
G16Y20/10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020122974
(22)【出願日】2020-07-17
(62)【分割の表示】P 2018563943の分割
【原出願日】2017-03-28
(65)【公開番号】P2020194549
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2020-08-17
(31)【優先権主張番号】16162515.7
(32)【優先日】2016-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518303310
【氏名又は名称】ロケーティー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ケッペル,ベネディクト,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ケスラー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ミュリ,アレクサンダー,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ネベハイ,ゲオルク
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-178022(JP,A)
【文献】特開2011-070642(JP,A)
【文献】特開2009-175909(JP,A)
【文献】特開2015-111931(JP,A)
【文献】国際公開第2012/067213(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/162331(WO,A1)
【文献】特開2009-134688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Y 10/00-40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能施設の使用をモニタリングするためのシステムであって、
上記機能施設内のクライアント装置の存在を検出するための複数の検出器であって、当該機能施設内に地理的にマッピングされている、複数の検出器と、
1つ以上のプロセッサと、
上記1つ以上のプロセッサによって実行され、上記システムに下記のステップを実行させることができるコンピュータ実行可能命令を格納している1つ以上のメモリと、
を備えている、システム:
上記複数の検出器の1つ以上による、上記クライアント装置から受信した電磁放射の測定値に基づいて、ユーザに関連付けられた上記クライアント装置であって、上記複数の検出器の少なくとも1つに無線で連結されている上記クライアント装置の推定の位置地点を決定するステップ;
上記クライアント装置を、上記機能施設内の、空き位置と見做される以下の(1)かつ(2)を満たす、上記推定の位置地点に最も近い別の位置にマッピングするステップ
(1)当該別の位置において、他のクライアント装置によるLAN接続がなされていない場合、および/または、当該別の位置のWLAN通信リンク容量が超過でない場合、
(2)当該別の位置が、上記クライアント装置のために決定された上記推定の位置地点の所定の範囲内にある場合
【請求項2】
下記のステップをさらに含む、請求項1に記載のシステム:
1つ以上の分類基準に従って、滞在時間基準に基づく機能施設の位置地点の情報を2つ以上の位置分類から選ばれた1つに分類するステップであって、上記2つ以上の位置分類には、「占有」、「空き」および「温かい」が含まれているステップ;
ここで、位置地点が第1空き期間の閾値を超える期間空いている場合、上記位置地点が「空き」と見做され、
ここで、クライアント装置がある位置地点を離れ、特定の時間区間内に同じクライアント装置が以前の位置地点に戻り、当該時間区間内に上記位置地点に接続した他のクライアント装置がなく、上記クライアント装置が上記位置地点を離れてから経過した期間が、上記第1空き期間の閾値を超えない場合に、位置地点の情報が「温かい」と分類され
ここで、位置地点が1つ以上のクライアント装置によって、第2滞在時間の閾値を超える期間にわたって連続して占有されている場合、上記位置地点が「占有」と見做される。
【請求項3】
機能施設の使用をモニタリングするシステムが実行する方法であって、以下のステップを含む方法;
上記機能施設内に地理的にマッピングされた複数の検出器の1つ以上による、クライアント装置から受信した電磁放射の測定値に基づいて、ユーザに関連付けられた上記クライアント装置であって、上記複数の検出器の少なくとも1つに無線で連結されている上記クライアント装置の推定の位置地点を決定するステップ;
上記クライアント装置を、上記機能施設内の、空き位置と見做される以下の(1)かつ(2)を満たす、上記推定の位置地点に最も近い別の位置にマッピングするステップ
(1)当該別の位置において、他のクライアント装置によるLAN接続がなされていない場合、および/または、当該別の位置のWLAN通信リンク容量が超過でない場合、
(2)当該別の位置が、上記クライアント装置のために決定された上記推定の位置地点の所定の範囲内にある場合。
【請求項4】
下記のステップをさらに含む、請求項に記載の方法:
1つ以上の分類基準に従って、滞在時間基準に基づく機能施設の位置地点の情報を2つ以上の位置分類から選ばれた1つに分類するステップであって、上記2つ以上の位置分類には、「占有」、「空き」および「温かい」が含まれているステップ;
ここで、位置地点が第1空き期間の閾値を超える期間空いている場合、上記位置地点が「空き」と見做され、
ここで、クライアント装置がある位置地点を離れ、特定の時間区間内に同じクライアント装置が以前の位置地点に戻り、当該時間区間内に上記位置地点に接続した他のクライアント装置がなく、上記クライアント装置が上記位置地点を離れてから経過した期間が、上記第1空き期間の閾値を超えない場合に、位置地点の情報が「温かい」と分類され
ここで、位置地点が1つ以上のクライアント装置によって、第2滞在時間の閾値を超える期間にわたって連続して占有されている場合、上記位置地点が「占有」と見做される。
【請求項5】
機能施設の使用をモニタリングするためのシステムであって、
上記機能施設内の1つ以上のクライアント装置の存在を検出するための複数の検出器であって、当該機能施設内に地理的にマッピングされている、複数の検出器と、
コンピュータ実行可能命令を格納しているメモリと、
コンピュータ実行可能命令を実行したときに、下記のステップを実行するプロセッサと、
を備えている、システム:
上記機能施設内の1つ以上のクライアント装置を検出するステップであって、上記複数の検出器は上記機能施設内に地理的にマッピングされているステップ;
上記複数の検出器の1つ以上による、上記クライアント装置から受信した電磁放射の測定値に基づいて、ユーザに関連付けられた上記クライアント装置であって、上記複数の検出器の少なくとも1つに無線で連結されている上記クライアント装置の推定の位置地点を決定するステップ;
1つ以上の分類基準に従って、滞在時間基準に基づく機能施設の位置地点の情報を2つ以上の位置分類から選ばれた1つに分類するステップであって、上記2つ以上の位置分類には、「占有」、「空き」および「温かい」が含まれているステップ;
ここで、位置地点が第1空き期間の閾値を超える期間空いている場合、上記位置地点が「空き」と見做され、
ここで、クライアント装置がある位置地点を離れ、特定の時間区間内に同じクライアント装置が以前の位置地点に戻り、当該時間区間内に上記位置地点に接続した他のクライアント装置がなく、上記クライアント装置が上記位置地点を離れてから経過した上記期間が、上記第1空き期間の閾値を超えない場合に、位置地点の情報が「温かい」と分類され
ここで、位置地点が1つ以上のクライアント装置によって、第2滞在時間の閾値を超える期間にわたって連続して占有されている場合、上記位置地点が「占有」と見做される。
【請求項6】
上記ステップは下記をさらに含む、請求項に記載のシステム:
複数の第1クライアント装置に対する複数の時間区間を決定するステップであって、各時間区間は、それぞれの推定位置地点における各第1クライアント装置の滞在継続時間を示している、ステップ。
【請求項7】
上記ステップは下記をさらに含む、請求項5または6に記載のシステム:
推定位置地点における第1クライアント装置の滞在時間を決定するステップ;
上記滞在時間の各々が滞在時間に含める基準を満たす場合には、上記第1クライアント装置が位置地点を占有していると見做すステップ。
【請求項8】
上記ステップは下記をさらに含む、請求項5または6に記載のシステム:
(i)複数の第1クライアント装置を選択するための推定位置地点を記述するデータと、(ii)これに関連付けられている、上記推定位置地点の記録についてのタイムスタンプに対して、クラスタ分析を行うステップ。
【請求項9】
上記ステップは下記をさらに含む、請求項5または6に記載のシステム:
ある時間区間における上記機能施設内の領域の使用を示すヒートマップを提供するステップ。
【請求項10】
機能施設の使用をモニタリングするシステムが実行する方法であって、以下のステップを含む方法;
上記機能施設内の1つ以上のクライアント装置の存在を検出するようにマッピングされた1つ以上の検出器によって、上記1つ以上のクライアント装置の存在を検出するステップと、
上記1つ以上の検出器による、上記クライアント装置から受信した電磁放射の測定値に基づいて、ユーザに関連付けられた上記クライアント装置であって、上記複数の検出器の少なくとも1つに無線で連結されている上記クライアント装置の推定の位置地点を決定するステップと、
1つ以上の分類基準に従って、滞在時間基準に基づく機能施設の位置地点の情報を2つ以上の位置分類から選ばれた1つに分類するステップであって、上記2つ以上の位置分類には、「占有」、「空き」および「温かい」が含まれているステップと、
を含み、
ここで、位置地点が第1空き期間の閾値を超える期間空いている場合、上記位置地点が「空き」と見做され、
ここで、クライアント装置がある位置地点を離れ、特定の時間区間内に同じクライアント装置が以前の位置地点に戻り、当該時間区間内に上記位置地点に接続した他のクライアント装置がなく、上記クライアント装置が上記位置地点を離れてから経過した上記期間が、上記第1空き期間の閾値を超えない場合に、上記位置地点の情報が「温かい」と分類され
ここで、位置地点が1つ以上のクライアント装置によって、第2滞在時間の閾値を超える期間にわたって連続して占有されている場合、上記位置地点が「占有」と見做される。
【請求項11】
下記のステップをさらに含む、請求項10に記載の方法:
複数の第1クライアント装置に対する複数の時間区間を決定するステップであって、各時間区間は、それぞれの推定位置地点における各第1クライアント装置の滞在継続時間を示している、ステップ。
【請求項12】
下記のステップをさらに含む、請求項10または11に記載の方法:
推定位置地点における第1クライアント装置の滞在時間を決定するステップ;
上記滞在時間の各々が滞在時間に含める基準を満たす場合には、上記第1クライアント装置が位置地点を占有していると見做すステップ。
【請求項13】
下記のステップをさらに含む、請求項12に記載の方法:
(i)複数の第1クライアント装置を選択するための推定位置地点を記述するデータと、(ii)これに関連付けられている、上記推定位置地点の記録についてのタイムスタンプに対して、クラスタ分析を行うステップ。
【請求項14】
下記のステップをさらに含む、請求項12に記載の方法:
ある時間区間における上記機能施設内の領域の使用を示すヒートマップを提供するステップ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
機能施設(オープン・プラン・オフィスなど)の管理には、当該機能施設を占有している1人以上の個人が様々な期間に使用する可能性のある十分な資源の割当てを、供給し確保することが含まれる。このような資源としては、例えば、オフィス機器、通信システムのレイアウト、ワークスペース(例えば、共同作業スペース)、衛生設備などを挙げることができる。それゆえ、機能施設の占有率は、施設の運用コストおよび空室率に起因する失われた賃貸収入を見積もるための、重要な要素である。
【発明の概要】
【0002】
実施例1は、(i)機能施設内の1つ以上のクライアント装置の存在を検出するための複数の検出器であって、上記機能施設内に地理的にマッピングされている、複数の検出器と;(ii)上記複数の検出器のうちの1つ以上によって検出された上記1つ以上のクライアント装置の位置を決定するための、クライアント装置マッピング部と;を備えている、機能施設の使用をモニタリングするためのシステムに関係する。
【0003】
実施例2は、実施例1の構成要件を含んでおり、任意構成で、ユーザに関連付けられており、上記複数の検出器のうちの1つ以上と無線で連結されている第1クライアント装置と関係している、位置地点を推定するステップと;上記ユーザに関連付けられている第2クライアント装置と、上記複数の検出器のうちの他の1つ以上とによって形成される、有線LAN接続を検出するステップと;上記第1クライアント装置と関係している推定位置地点と、上記複数の検出器のうちの他の1つ以上に関連付けられている位置との間の距離を決定するステップと;上記距離が特定の範囲内にある場合には、(i)上記第1クライアント装置を上記複数の検出器のうちの他の1つ以上の位置にマッピングし、(ii)当該位置を対応する分類カテゴリに関連付けるステップと;上記距離が特定の範囲外である場合には、上記複数の検出器のうちの他の1つ以上の位置を他の分類カテゴリに関連付けるステップと;を上記クライアント装置マッピング部が実行するように構成されている。
【0004】
実施例3は、実施例1または2の構成要件を含んでおり、任意構成で、上記クライアント装置マッピング部は、ある時間区間における上記機能施設内の上記1つ以上のクライアント装置の位置に基づいて、当該時間区間における当該機能施設の使用を示す出力を提供する。
【0005】
実施例4は、実施例1~3のいずれか1つの構成要件を含んでおり、任意構成で、地理的にマッピングされているクライアント装置に関連付けられている識別子を匿名化するための匿名化部をさらに備えており;上記匿名化は、ある時間区間における上記機能施設の使用を示す出力の提供に先立って行われる。
【0006】
実施例5は、実施例1~4のいずれか1つの構成要件を含んでおり、任意構成で、ネットワークスイッチのポートとのLAN接続をマッピングするための有線検出器マッピング部をさらに備えており;上記有線検出器マッピング部は、上記LAN接続のマッピングのためにキャッチング手続を行う。
【0007】
実施例6は、実施例1~5のいずれか1つの構成要件を含んでおり、任意構成で、(a)上記機能施設に配置されている検出器と、コンピュータ化されたクライアント装置との間で形成された、動作可能な連結を検出するステップと;(b)上記コンピュータ化されたクライアント装置の位置地点を決定するステップと;(c)検出された動作可能な連結を記述する出力と、決定された上記位置地点に関する情報とを提供するステップと;を動作させることが可能なモニタリングエンジンを備えている。
【0008】
実施例7は、(1)機能施設に配置されている検出器と、1つ以上のコンピュータ化されたクライアント装置との間で形成された動作可能な連結を検出するステップと;(2)上記1つ以上のコンピュータ化されたクライアント装置の位置地点を決定するステップと;(3)検出された動作可能な連結を記述する出力と、推定位置地点に関する情報とを提供するステップと;を含む、1つ以上の検出器を備えている機能施設の使用をモニタリングする方法に関係している。
【0009】
実施例8は、実施例7の構成要件を含んでおり、任意構成で、複数のクライアント装置の各々に対する複数の時間区間を決定するステップをさらに含み;上記時間区間のそれぞれは、それぞれの上記推定位置地点における、それぞれのクライアント装置の滞在継続時間を示している。
【0010】
実施例9は、実施例7または8の構成要件を含んでおり、任意構成で、複数の検出器と無線で動作可能に連結している上記クライアント装置を選択するために、上記推定位置地点にフィルタ論理を適用して位置情報を取得するステップを含む。
【0011】
実施例10は、実施例9の構成要件を含んでおり、任意構成で、クライアント装置を選択するための上記推定位置地点を記述するデータと、当該データに関連付けられている当該推定位置地点の記録のタイムスタンプとを、クラスタ分析するステップを含む。
【0012】
実施例11は、実施例7~10のいずれか1つの構成要件を含んでおり、任意構成で、ある時間区間における上記機能施設内の領域の使用を示すヒートマップを提供するステップを含む。
【0013】
実施例12は、実施例7~11のいずれか1つに記載の方法ステップを実行するためのプログラムコードを有しているコンピュータプログラム製品であって;コンピュータ上で実行されるコンピュータプログラム製品に関係している。
【0014】
実施例13は、デジタルコンピュータの内部記憶装置にロードできるコンピュータプログラム製品であって;コンピュータ上でロードまたは実行されるときに、請求項7~11に記載のステップが実行されるソフトウェアコードを有しているコンピュータプログラム製品に関係している。
【0015】
実施例14は、デジタルコンピュータの内部メモリに直接ロード可能なコンピュータプログラム製品であって;コンピュータ上で実行されるときに、実施例7~11のいずれか1つに記載のステップを実行するためのソフトウェアコード部を備えているコンピュータプログラム製品に関係している。
【0016】
実施例15は、実施例7~12のステップの動作を実行または制御するための、情報媒体(例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶装置もしくは非一時的な機械可読記憶装置、および/または、伝搬信号)に有形に具現化されている、コンピュータプログラムに関係している。
【0017】
この概要では、選抜された概念が簡略化した形で紹介されている(これらは、下記の図面の説明および詳細な説明でさらに詳述されるものである)。この概要は、請求項の構成要件の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではない。また、請求項の構成要件の範囲を限定するために、この概要を使用することを意図するものでもない。
【0018】
〔発明の説明〕
実施形態の態様は、個人またはユーザが、例えば、機能施設の運用コストを見積もり、それに合わせた設備パラメータの最適化(任意構成で、自動的な最適化)を可能とすることによって、機能施設の使用をモニタリングおよび分析するための装置、システムおよび方法に関する。実施形態の態様は、任意で、選択されたタイムスタンプおよび/または選択された期間中における、機能施設内の種々の位置および/または機能施設の種々の位置の、占有レベル(使用レベルともいう)を決定するための装置、システムおよび方法にさらに関する。
【0019】
複数の実施形態において、上記システムは、(i)上記機能施設内の1つ以上のクライアント装置の存在を検出するための複数の検出器であって、上記機能施設内に地理的にマッピングされている、複数の検出器と、(ii)上記複数の検出器のうちの1つ以上によって検出された上記1つ以上のクライアント装置の位置を決定するための、クライアント装置マッピング部と、を備えている。また本発明は、1つ以上の検出器を備えている機能施設の使用をモニタリングする方法に向けられている。いくつかの実施形態において、上記方法は、(1)上記機能施設に配置されている検出器と、コンピュータ化されたクライアント装置との間で形成された、動作可能な連結を検出するステップと、(2)上記コンピュータ化されたクライアント装置の位置地点を決定するステップと、(3)検出された動作可能な連結を記述する出力と、決定された上記位置地点に関する情報とを提供するステップと、を含む。本発明のさらなる態様は、特許請求の範囲に記載の方法を実施するための、コンピュータプログラム製品に関係している。
【0020】
一実施形態において、機能施設の使用のモニタリングは、推定位置地点における、クライアント装置の滞在時間の測定に基づいていてもよい。任意で、機能施設の使用のモニタリングは、測定された滞在時間のみに限定してもよい。任意で、測定された滞在時間が、滞在時間の基準を満たす場合には、クライアント装置が推定位置地点に「滞在」していると見做してもよい。このような場合とは、例えば、滞在時間が滞在時間の閾値(例えば、3分間以上、4分間以上、5分間以上、6分間以上、7分間以上、8分間以上、9分間以上、10分間以上、20分間以上、30分間以上、60分間以上、または120分間以上)を超える場合などである。任意で、滞在時間の基準を満たさない滞在時間は、機能施設の使用を判定する際に、無視または除外してもよい。このような滞在時間とは、例えば、他の滞在時間の閾値未満である滞在時間である(例えば、3分未満、2分未満、1分未満、または30秒未満)。典型的には、滞在時間に含める基準を満たさない滞在時間は、対応する位置が実際にユーザによって「占有」されていることを明らかにするためには、十分に長いとはみなされない場合がある。本明細書では、任意で、「滞在時間の基準を満たさない」とは、滞在時間が「滞在時間の廃棄基準」を満たす状態を指してもよいことに留意されたい。
【0021】
任意で、上記システムは、異なる推定位置地点間におけるコンピュータ化されたクライアント装置の動きを追跡することなく(または、追跡を必要とすることなく)、機能施設の使用をモニタリングするように動作してもよい。換言すると、上記システムは、クライアント装置の動作経路に関係する情報を収集しなくてもよい。そのため、滞在時間に関係しない瞬間的な時間-位置の組に関係する情報は、機能施設の使用をモニタリングする際に考慮しなくてもよい。任意で、位置を実質的に変化させ続けているクライアント装置と関係している位置情報を記述するデータは、システムによって記憶されなくてもよいし、システムによって無視されてもよい。任意で、滞在時間に関係しない瞬間的な時間-位置の組を記述するデータは、システムによって記憶されなくてもよいし、および/または、システムによって無視されてもよい。
【0022】
クライアント装置が「滞在している」と判定された後、クライアント装置が「滞在している」と判定された第1の推定位置地点は、第2の推定位置地点とは「異なっている」と見做してもよい。例えば、2つの位置地点間の距離が、2m以上、3m以上、4m以上、5m以上、6m以上、7m以上、8m以上、9m以上、10m以上、15m以上、20m以上、または25m以上である場合に、そのように見做されてもよい。
【0023】
「推定する(estimating)」および「決定する(determining)」という用語、ならびにその文法上の変化形は、交換可能に使用できることに留意されたい。
【0024】
いくつかの実施形態において、上記の装置、システムおよび方法は、機能施設における数百(例えば、200またはそれ以上)または数千(例えば、1000以上または2000以上)の使用を同時にモニタリングするように動作させることができる。いくつかの実施形態において、上記装置、システムおよび方法は、(例えば、モニタリング期間および/または所定のタイムスタンプの間に)機能施設の使用に関係して記録されたパラメータに関連する値を含む出力か、またはその値を表す出力を、操作者に提供するように動作させてもよい。一実施形態において、上記出力は、例えば、ヒートマップとして提示してもよい。一実施形態において、上記出力は、経時的に提供されてもよい。モニタリング期間中に収集されたデータに関係する出力を表示するための時間経過率の例としては、1秒あたり1分以上、1秒あたり15分以上、1秒あたり60分以上、1秒あたり90分以上、1秒あたり120分以上が挙げられる。これに対応して、モニタリング時間の実際の継続時間よりも、例えば、60倍以上、900倍以上、3600倍以上、5400倍以上または7200倍以上の速さで、経時的出力を提供してもよい。いくつかの実施形態において、経時的出力は、例えば、1秒あたり1分~120分であってもよく、1秒あたり15分~60分、1秒あたり60分~90分、1秒あたり1分~15分、1秒あたり1分~60分、1秒あたり60分~90分/秒、または他の任意の範囲であってもよい。いくつかの実施形態において、経時的出力を動的に提供してもよい。例えば、所定の期間において、出力は、1秒あたり1分から1秒あたり120分/秒までを変化してもよい。いくつかの実施形態において、経時的出力は、活動基準に準じた方式によって、自動的に調整されてもよい。例えば、使用の変化が比較的遅い時間帯では、時間経過を加速させてもよい。逆に、使用の変化が比較的頻繁である時間帯では、時間経過を減速させてもよい。一実施形態において、時間経過は操作者によって選択的に調整されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、上記システムは、機能施設の使用に関する統計的な測定値を提供するように動作可能であり、そのように構成されてもよい。統計的な測定の非限定的なとしては、収集された施設使用データに関する最大値、最小値、平均値、中央値、相関、パーセンタイルおよび/または標準偏差が挙げられる。例えば、ある期間の最大使用値が、対応するタイムスタンプとともに提供されてもよい。いくつかの実施形態においては、期間および当該期間中に行われた観察に関連している統計的な測定の種類を、システムの操作者は選択することができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、上記システムは、所定の空間的構造および/または機能的構造を有する機能施設の使用をモニタリングするように動作する。モニタリング中に収集された使用を記述するデータに基づいて、上記システムは、使用可能な資源が与えられた際に、施設の所定の空間構造および/または機能構造を変更させて、機能施設をより効率的に使用することを示唆する出力を提供してもよい。任意で、上記システムは、使用可能な資源が与えられた際に、施設の最適な空間的構成および/または機能的構成を決定して出力してもよい。
【0027】
本明細書で使用するとき、「使用」という用語は、例えば、「占有」、「滞在時間」および/または「処理量(throughput)」を表してもよい。機能施設としては、例えば、オフィスビル、ショッピングモール、ビジネスセンター、病院、商業施設、産業施設、貯蔵施設、学校キャンパス、公立レクリエーション地区、公共交通機関の駅、および/または、駐車施設(複数階建ての駐車場など)を挙げることができる。用語「機能施設」および「施設」は、本明細書では交換可能に使用できる。
【0028】
本明細書で使用するとき、「ユーザ」という用語は、コンピュータ化されたクライアント装置と関連付けられている任意の人間を表しうる。このとき、コンピュータ化されたクライアント装置は、上記の機能施設内の装置とともに、実質的に同時に搬送されたり、運転されたり、輸送されたり、または少なくとも並進運動などをしたりしている。
【0029】
「コンピュータ化されたクライアント装置」という用語は、例えば、多機能モバイル通信装置(「スマートフォン」としても知られる)、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、PDA、ウェアラブル装置、携帯用コンピュータ、ノート型コンピュータ、車輌用装置、および/または、無線でデータを送受信し、受信したデータを処理するように動作する任意の移動可能な対象を表しうる。用語「コンピュータ化されたクライアント装置」および「クライアント装置」は、本明細書では交換可能に使用できる。
【0030】
機能施設に位置している1つ以上のクライアント装置検出器(または単に「検出器」)を、機能の位置情報を記述するデータと関連付けて、検出器の位置情報を取得してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、「検出器」は、物理的刺激を処理可能な電子データに変換することができてもよい。このようにして、検出器は感知能力を有していてもよい。例えば、機能施設に配置されている検出器は、受信した電磁(EM)信号の強度、EM放射を放射するクライアント装置の位置、および/または、電磁放射に関連する他のパラメータを感知することができてもよい。さらに、以下でより詳細に述べるように、検出器は、ネットワークスイッチまたは同様のネットワーク機器によって実施してもよい。
【0032】
本明細書で言及するとき、用語「信号強度」およびその文法上の変化形は、電磁場の強度を表す任意の値に関するものであってよい。また、信号強度は、ワット、測定した電力の1ミリワットを基準とするデシベルでの電力比(dBm)、または任意の他の適切な単位または指標値で表されてもよい。
【0033】
一実施形態において、機能施設の使用をモニタリングする方法は、機能施設内に配置されている検出器によって、当該検出器とクライアント装置との間で形成された動作可能な連結を検出するステップを含んでもよい。このような動作可能な連結には、例えば、(i)クライアント装置(例えば、ラップトップコンピュータ)をLANスイッチに接続するステップ、(ii)クライアント装置をLAN接続にドッキングするステップ(例えば、ドッキングステーションを介して)、および/または、(iii)クライアント装置によって送信された無線信号を受信するステップであって、当該無線信号を一定の品質および最小の時間で受信するステップ(例えば、機能施設内に位置するアクセスポイントによって)、が含まれてもよい。上記方法は、検出された動作可能な連結部を記述する出力と、検出部に関連している位置情報とを提供するステップをさらに含んでもよい。上記出力は、機能施設の操作者に提供されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態において、上記出力は、存在が検出されたクライアント装置の識別情報を含んでもよい。このような、クライアント装置の識別情報を記述するデータを、本明細書では「クライアント装置識別子」または「クライアント装置ID」と称する場合がある。受け取ったクライアント装置IDは、検出器の位置情報と関連付けてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、上記出力は、装置の位置情報を含んでもよい。装置の位置情報は、当該装置の存在を検出した検出器の位置情報に基づいてもよい(例えば、検出器の位置情報から推測してもよい)。
【0036】
いくつかの例では、以下の説明を簡単にするために、本明細書では、用語「装置の位置情報」および「検出器の位置情報」を総称して「位置情報」と称する場合がある。
【0037】
ある期間にわたって取得された位置情報に基づいて、施設の使用に関連しているパラメータの値を、モニタリングおよび分析を目的として、操作者に提供してもよい(例えばリアルタイムで)。本明細書で使用されるとき、用語「リアルタイム」は、用語「実質的にリアルタイム」の意味をも包含する場合がある。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、クライアント装置IDは、それぞれのユーザの識別情報を記述するデータに関連付けられていてもよい。このようなデータを、本明細書では、「ユーザID」と称する場合がある。いくつかの実施形態において、上記方法は、システムの操作者に機能施設の使用を示す出力を提供するに先立って、クライアント装置IDを匿名化して、匿名化されたユーザIDを得る手続を含んでもよい。採用されうる匿名化手続の例は、以下においてより詳細に説明する。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、上記システムは、機能施設内のクライアント装置の存在を示すことができるパラメータを測定するために、1つ以上のセンサを備えていてもよい(例えば、それぞれが1つ以上の検出器によって使用されている)。パラメータの測定に応答して、1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つは、プロセッサによって受け取られ処理されうる信号を生成してもよい。処理信号は、選択された1つ以上のセンサからクライアント装置までの、距離を示すものであってもよい。距離を示す処理信号に基づいて、プロセッサはコントローラに対する命令を生成し、当該命令によって機能施設内の1つ以上のセンサの方向および/または位置を調整して、センサの受信範囲を改善してもよい。
【0040】
〔図面の簡単な説明〕
これらの図は、本明細書で論じられている種々の実施形態を、一般的に説明するものである(例示を目的とし、限定を目的とはしない)。
【0041】
説明を簡単かつ明瞭にするために、図に示される要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。例えば、いくつかの要素の寸法は、明確に提示するために、他の要素よりも協調されている場合がある。さらに、対応するまたは類似の要素を示すために、複数の図の間で参照番号を繰り返す場合がある。以前に提示された要素への言及は暗示的に含まれており、それらが適用される図面または説明をさらに引用する必要はない。図に示されている要素の数は、決して限定的なものと解釈されるべきではなく、説明のみを目的としているに過ぎない。以下に図を列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】(左)機能施設の概略の等尺図、および(右)機能施設の使用をモニタリングするためのシステムの概略のブロック図を示す。
図2】機能施設のフロアの概略の平面図、および機能施設の使用をモニタリングするためのシステムの概略のブロック図を示す。
図3】構成要素である、クライアント装置、検出器およびシステムのモニタリングサーバを示す概略のブロック図を示す。
図4】機能施設内の検出器を地理的にマッピングする方法のフローチャートを示す。
図5】機能施設内のコンピュータ化されたクライアント装置を地理的にマッピングする一般的な方法のフローチャートを示す。
図6】ローカルエリアネットワーク・トポロジーの概略図を示す。
図7】機能施設内の検出器をマッピングする方法のフローチャートを示す。
図8】有線LAN接続を使用してクライアント装置を地理的にマッピングする方法のフローチャートを示す。
図9】機能施設に配置されている無線通信システムの概略のブロック図を示す。
図10A】無線信号に基づいてクライアント装置を地理的にマッピングする方法のフローチャートを示す。
図10B】地理的にマッピングされているクライアント装置を記述するデータを、フィルタリングしクラスタリングする方法のフローチャートを示す。
図11】機能施設の位置地点を分類する方法のフローチャートを示す。
図12】匿名化方法のフローチャートを示す。
図13】クライアント装置による機能施設内のフロアの長期間にわたる使用を記述する、ヒートマップ画像の例を示す。
図14】第1の記録時に記録された、フロアのスナップショットの例を示す。
図15】第2の記録時に記録された、フロアのスナップショットの例を示す。
図16】第3の記録時に記録された、フロアのスナップショットの例を示す。
図17】製品の概略のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1および2を参照する。これらの図において、機能施設1000の使用に関連している情報を提供するシステムは、英数字ラベル「2000」によって表される。機能施設1000は、1つ以上のフロアを備えていてよい(例えば、第1フロア1100、第2フロア1200、第3フロア1300、および第4フロア1400)。
【0044】
本明細書において、システム2000は、「モニタリングシステム」または「施設モニタリングシステム」と表記される場合がある。機能施設モニタリングシステム2000は、施設の第1フロア1100上に位置する1つ以上のコンピュータ化されたモバイルクライアント装置2200(例えば、第1、第2および第3のクライアント装置2200A~2200C)の位置を検出およびモニタリングすることによって、施設使用をモニタリングしてもよい。1つ以上のクライアント装置2200は、1人以上のそれぞれのユーザ(図示せず)に関連付けられてもよい。一実施形態において、1つ以上のクライアント装置2200は、モニタリングシステム2000に備わっていると見做されてもよい。モニタリングシステム2000は、1つ以上の外部検出器2400(例えば、検出器2400A~2400H)を備えていてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「外部検出器」は、コンピュータ化されたクライアント装置2200の外部にある任意の装置、設備および/またはシステムを表す場合がある。いくつかの実施形態において、モニタリングシステム2000は、使用モニタリングサーバ2500をさらに備えていてもよい。本明細書で使用されるとき、用語「外部検出器」は、クライアント装置の外部にあるセンサを表す場合がある。いくつかの検出器2400は、例えば、LAN接続および/または無線アクセスポイントに備わっていてもよいし、それらによって具現化されていてもよい。アクセスポイントは、例えば、無線通信のマクロセル、フェムトセル、またはピコセルを動作可能に設置したものであってもよい。
【0045】
機能施設1000のパラメータを、ローカルなデカルト座標系(LCS)を基準としてマッピングして、地図情報を得てもよい。図1、2において、LCSは、矢印X(LCS)、矢印Y(LCS)および矢印Z(LCS)によって模式的に表されている。地理的施設情報の初期値は、(i)定期的もしくは非定期的に(例えば、擬似ランダムに)更新されてもよいし、および/または、(ii)機能施設1000に関連付けられている地理的パラメータの変化を示す、施設モニタリングエンジン2100によって受け取られる入力に応じて更新されてもよい。
【0046】
地理的施設情報の非限定的な例は、フロアレベル情報に関するものであってもよいし、および/または、これらを含むものであってもよい。フロアレベル情報としては、(i)例えば、ローカル座標系に関連付けられているデジタル地形図またはDTMに由来するもの、(ii)壁、窓、扉、階段、エスカレータ、エレベータの位置、(iii)駐車場(例えば、無料の駐車スペースの数、および任意で、その位置の表示など)、(iv)トイレ、バスルームおよび/またはビジネスエリアの位置の表示、(v)ビジネスエリアを占有している企業名、および/または、ビジネスエリアで提供されるサービスおよび/または製品の種類、(vi)生活エリア、公共スペースおよび私的スペース、メンテナンスエリアおよび/または制限区域の位置、(vii)緊急設備、緊急出口などの位置、などが挙げられる(ただし、これらには限定されない)。
【0047】
地理的施設情報の非限定的な例は、さらに、小売店内における商品の位置、価格、製品番号および/または商品に関する他の情報についての情報に関するものであってもよいし、および/または、これらを含むものであってもよい。このような商品としては、例えば、衣服、食料品、事務用品および/または玩具が挙げられる。いくつかの実施形態においては、製品カテゴリによる商品の販売時点(POS)の位置に関する情報を、機能施設1000内にマッピングしてもよい。例えば、スポーツウェアおよび野菜が販売に供されるエリアを、機能施設1000内にマッピングしてもよい。任意で、個々の特定の商品の位置を、機能施設1000内にマッピングしてもよい。例えば、特定のブランドのスポーツシューズの位置やある種類のリンゴの位置を、ローカル座標系によって機能施設1000内にマッピングしてもよい(任意で、位置と製品価格との関連付けを伴ってもよい)。
【0048】
さらに、地理的施設情報は、例えば、検出器2400を記述する位置情報および関連する動作パラメータを含んでいてもよいし、および/または、これらに関するものであってもよい。動作パラメータとしては、例えば、検出器の識別子、検出器の種類、(定常的または一時的に)検出器2400にカバーされていない「死角」の境界、動作範囲(例えば、無線の受信領域)、ローカル座標系を基準とした検出器の位置、感度、範囲、精度(precision)、分解能、正確さ(accuracy)、線形性、反応時間などが挙げられる。
【0049】
添付の図に示されているクライアント装置2200、外部検出器2400および/またはサーバ2500の数は、決して限定的に解釈すべきではなく、説明のみを目的としている。同様に、本願で説明されている通信リンクの数は、決して限定的に解釈すべきではなく、説明のみを目的としている。さらに、これらのリンクにおける情報の流れの方向を示している矢印は、限定的に解釈すべきではない。
【0050】
クライアント装置2200、外部検出器2400および使用モニタリングサーバ2500は、通信ネットワーク2900を介して相互に通信可能であってもよい。通信ネットワーク2900は、施設通信ネットワークに含まれていてもよく、付け加えてもよい。施設通信ネットワークとは、施設1000として機能する通信構成要素と、そのユーザとを相互に接続するものである。
【0051】
外部検出器2400によって提供されるデータを使用することによって、施設1000内の検出器2400の位置をマッピングする方法、プロセスおよび/または動作の実施を可能にするようにモニタリングシステム2000を動作させて、検出器2400にそれぞれ関連付けられている検出器の位置情報を得てもよい。一実施形態において、検出器2400のマッピングは、フロアごとに行ってもよい。「マッピングする」および「地理的に関連付ける」という用語は、本明細書では交換可能に使用する場合がある。
【0052】
さらに、モニタリングシステム2000は、検出器2400を使用して施設1000内に位置しているクライアント装置2200を検出し追跡する方法、プロセスおよび/または動作の実施を可能にするように動作させてもよい。例えば、1つ以上の検出器2400が施設1000内のクライアント装置2200Aの存在を検出したことに応答して、クライアント装置2200Aを検出し追跡するように、モニタリングシステム2000を動作させてもよい。ここで、この検出および追跡は、クライアント装置2200Aの存在を検出した検出器と関連付けられている、当該検出器の位置情報に基づくものである。
【0053】
地理的に関連付けられている検出器2400を使用して、(i)検出器2400の(1または複数の)位置をマッピングするための、上述の方法、プロセスおよび/または動作、ならびに、(ii)施設1000内に位置しているクライアント装置2200を検出し、マッピングし、追跡するための、上述の方法、プロセスおよび/または動作を、本明細書では、「施設モニタリングエンジン」によって実施する場合がある。施設モニタリングエンジンは、英数字ラベル「2100」で表されるブロックとして、図1中に模式的に示されている。一実施形態において、施設モニタリングエンジン2100は、ある時間区間における機能施設内の領域の使用を示す、ヒートマップを出力してもよい。
【0054】
本明細書で使用されるとき、「エンジン」という用語は、モジュールおよび/またはコンピュータ化されたアプリケーションに関連していてもよいし、および/または、これらを含んでいてもよい。施設モニタリングエンジン2100は、1つ以上のハードウェア、ソフトウェア、および/またはハードウェア/ソフトウェア融合モジュールによって実現されていてもよい(例えば、本明細書に説明されているように)。本明細書に説明されている施設モニタリングエンジン2100の構成は、明らかに、決して限定的に解釈すべきではなく、それゆえ、説明のみを目的としている。いくつかの実施形態によれば、施設モニタリングエンジン2100は、例えば、検出器マッピング部2110とマッピング部2120と、を含んでいてもよい。
【0055】
複数の実施形態において、検出器マッピング部2110は、検出器2400の地理的位置情報と、(1または複数の)検出器2400の識別子とを格納してもよい。
【0056】
複数の実施形態において、マッピング部2120は、クライアント装置2200の検出と、クライアント装置の存在を検出した(1または複数の)検出器2400に関連付けられている地理的情報に関する地理的施設情報とを登録できる。
【0057】
検出器マッピング部2110は、機能施設1000内における検出器2400の位置を基準とする検出器2400の地理的マッピングのために、例えば、有線検出器マッピング部2112と、無線検出器マッピング部2114とを含んでいてもよい。検出器2400の地理的マッピングを記述するデータは、検出器の位置情報として、モニタリングシステム2000に格納される。有線検出器マッピング部2112は、例えば、機能施設1000内に位置しているクライアント装置2200のマッピングを可能するものであってもよい。同様に、無線検出器マッピング部2114は、例えば、無線アクセスポイントおよび/または機能施設1000内のクライアント装置2200のマッピングを可能とするものであってもよい。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、検出器2400が地理的にマッピングされると、検出器2400によるクライアント装置2200の存在の検出に応答して、マッピング部2120は装置の位置情報を提供してもよい。マッピング部2120は、例えば、有線クライアント装置マッピング部2122および/または無線クライアント装置マッピング部2124を含んでいてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、施設モニタリングエンジン2100は、登録部2130を含んでいてもよい。登録部2130は、例えば、クライアント装置2200の機能施設1000への出入りを登録してもよい(例えば、1つ以上の検出器2400がクライアント装置2200から受け取った識別子に基づいて)。
【0060】
いくつかの実施形態において、登録部2130は、クライアント装置2200の識別子を記述するデータを格納してもよい。このとき、クライアント装置2200は、施設モニタリングシステム2000と併せて使用するために認証されたものである(例えば、システム管理者によって)。
【0061】
いくつかの実施形態において、ネットワーク認証部2700を採用してもよい。ネットワーク認証部2700は、通信ネットワーク2900のシステム構成要素と通信可能に接続しようとするクライアント装置を認証させるよう動作させるものである。ネットワーク認証部2700は、例えば、ユーザがネットワーク2900にアクセスする資格を確認するための、ISE(identity service engine)を含んでいてもよい。クライアントおよび/またはそのユーザを認証した後、ネットワーク認証部2700によってネットワーク認証段階が立ち上げられ、認証されたユーザがアクセス可能なネットワーク資源は何かを決定してもよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、施設モニタリングエンジン2100は、モニタリングエンジン2100を使用する操作者資格を確認するための、操作者認証モジュール2144を含んでいてもよい。認証の後、操作者認証モジュール2144によって操作者認証段階が立ち上げられ、認証された操作者がアクセス可能な施設モニタリングエンジン資源は何かを決定してもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、施設モニタリングエンジン2100は、クライアント装置2200に関連付けられているユーザのプライバシーを保護するための、匿名化部2150を含んでいてもよい。
【0064】
一般的に、施設1000内の特定の地理的位置おけるクライアント装置2200の存在は、クライアント装置と、施設1000内に位置している検出器2400のいずれか1つとの動作可能な連結に応答して検出してもよい。動作可能な連結の検出は、例えば、(i)クライアント装置と、機能施設1000に地理的に関連付けられている有線および/または無線ローカルエリアネットワーク(LAN)との間で形成された、通信接続を検出するステップ、(ii)クライアント装置2200と、機能施設内に位置しているLANスイッチとの接続を検出するステップ、(iii)クライアント装置2200と、機能施設1000の検出器2400に動作可能に連結されている他のクライアント装置(例えば、USBケーブルを介してデスクトップコンピュータに接続されている、クライアント装置)と、を接続するステップ、(iv)施設の電気配線(図示せず)に接続しているクライアント装置2200を検出するステップ、などを含んでよい。
【0065】
一般的に、検出器2400は、機能施設1000の全体にわたって配置されている。例えば、各パーソナルデスク(図示せず)および各会議室デスク(図示せず)は、検出器2400として動作しうる(または検出器2400を備えうる)LAN接続2920を備えていてもよい。さらに、複数のアクセスポイントを機能施設1000に配置して、少なくとも施設の特定の領域(ユーザが定期的に頻繁に訪れると予想される領域)においては、特定の最小の信号を確実に受け取れるようにしてもよい。いくつかの実施形態では、機能施設1000内において、携帯電話での通信が問題と見做されうる領域(例えば、トイレ)に、妨害装置を配置してもよい。いくつかの実施形態において、このような妨害装置は、クライアント装置検出器2400として動作させてもよい。
【0066】
図2に模式的に示されているように、施設の第1フロア1100のレイアウト例は、貸オフィスであってもよい。このオフィスは、壁1102によって分割されていてもよく、これによって、例えば、種々の異なるフロア領域1105A~1105Dを形成していてもよい(破線によって模式的に示されている)。領域1105Aおよび1105Bは、例えば、ワークスペースとして機能してもよい(例えば、パーソナルワークスペースまたは会議室を備えている)。領域1105Cは、例えば、トイレを備えていてもよい。領域1105Dは、キッチンおよびダイニングルーム設備を備えていてもよい。
【0067】
次に、図3をさらに参照する。いくつかの実施形態において、コンピュータ化されたクライアント装置2200は、(i)1つ以上の慣性センサ2210iおよび非慣性センサ2210ii、(ii)クライアント装置プロセッサ2220、(iii)クライアント装置メモリ2230、(iv)クライアント装置ナビゲーションエンジンまたは位置決め部2250、(v)クライアント装置通信部2260、(vi)クライアント装置ユーザインターフェース2270、ならびに、(vii)コンピュータ化されたクライアント装置2200の種々の構成要素および/またはアプリケーションエンジンおよび/またはモジュールに電力を供給するための、クライアント装置電源部2280を備えていてもよい。
【0068】
図3には特に示されていないが、ここでの説明においては、コンピュータ化されたクライアント装置2200A~2200Cの構成要素は、それぞれのラベル「A」、「B」および「C」とともに示される場合がある。例えば、クライアント装置プロセッサ2220A、クライアント装置プロセッサ2220B、およびクライアント装置プロセッサ2220Cは、これらの構成要素が、クライアント装置2200A、2200Bおよび2200Cにそれぞれ備わっていることを示す。
【0069】
いくつかの実施形態において、検出器2400は、(i)検出器プロセッサ2420、(ii)検出器メモリ2430、(iii)検出器モニタリングエンジン2440、(iv)検出器通信部2460、(v)検出器ユーザインターフェース2470、および(vi)検出器2400の種々の構成要素に電力を供給するための、検出器電源部2480を備えていてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、施設使用モニタリングサーバ2500は、(i)サーバデータベース2510、(ii)サーバプロセッサ2520、(iii)サーバメモリ2530、(iv)サーバモニタリングエンジン2540、(v)サーバ通信部2560、(vi)サーバユーザインタフェース2570、および(vii)ナビゲーションサーバ2500の種々の構成要素および/またはアプリケーションエンジンもしくはモジュールに電力を供給するための、サーバ電源部2580を備えていてもよい。
【0071】
1つ以上のクライアント装置2200、検出器2400および/またはモニタリングサーバ2500の種々の構成要素は、1つ以上の通信バス(図示せず)および/または信号線(図示せず)を介して、相互に通信してもよい。
【0072】
慣性センサ2210iとしては、例えば、1つ以上の加速度計および/またはジャイロスコープが挙げられる。非慣性センサ2210iiとしては、例えば、1つ以上の気圧計、近接センサ、高度計、磁力計、光センサ、タッチスクリーンセンサ、GPS受信機、および/または、前面および/または背面カメラが挙げられる。
【0073】
クライアント装置メモリ2230、検出器メモリ2430および/またはサーバメモリ2530は、1種類以上のコンピュータ可読記憶媒体を含んでいてもよい。例えば、クライアント装置メモリ2230、検出器メモリ2430および/またはサーバメモリ2530は、トランザクションメモリ機能および/または長期記憶メモリ機能を有していてもよいし、ファイル記憶、ドキュメント記憶、プログラム記憶および/または作業メモリとして機能してもよい。後者は、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、リードオンリメモリ(ROM)、キャッシュまたはフラッシュメモリの形態であってもよい。長期記憶装置、クライアント装置メモリ2230、検出器メモリ(図示せず)および/またはサーバメモリ2530としては、例えば、揮発性または不揮発性のコンピュータ記憶媒体、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、磁気記憶媒体、フラッシュメモリおよび/または他の記憶設備が挙げられる。ハードウェアメモリの機能としては、ファイル、プログラム、アプリケーション、ソースコード、オブジェクトコードなどの(ただし、これらには限定されない)、ある決まった情報の組み合わせ(例えば、ソフトウェアコード)を格納することが挙げられる。ワーキングメモリとして、クライアント装置メモリ2230および/またはサーバメモリ2530は、例えば、一時的な命令を処理してもよい。
【0074】
クライアント装置通信部2260、検出器通信部2460およびサーバ通信部2560は、例えば、ネットワーク2900上でデータの送受信を可能にするための、I/Oデバイスドライバ(図示せず)およびネットワークインターフェースドライバ(図示せず)を備えていてもよい。デバイスドライバは、例えば、キーパッドまたはUSBポートとのインターフェースであってもよい。ネットワークインターフェースドライバは、例えば、インターネット、イントラネット、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN;例えば、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)を採用している)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)、エクストラネット、2G、3G、3.5G、4G(例えば、モバイルWIMAXまたはLTEアドバンスド、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(商標)、近距離無線通信(NFC)、および/または、現在または将来の他の任意の通信ネットワーク、規格、および/またはシステムなどのための、プロトコルを実行してもよい。
【0075】
サーバ2500は、例えば、ビジネスまたは企業体(例えば、ファイルホスティングサービス、クラウドストレージサービス、オンラインファイルストレージプロバイダ、P2Pファイルストレージもしくはホスティングサービス、および/またはサイバーロッカーなど)に関連付けられている、1つ以上のサーバ、ストレージシステムおよび/またはサービスを表していてもよい。
【0076】
本明細書で使用されるとき、「プロセッサ」という用語は、当該用語に加えて(あるいは当該用語の代わりに)、コントローラを表す場合がある。プロセッサ(例えば、クライアント装置プロセッサ2220および/またはサーバプロセッサ2520など)は、種々の種類のプロセッサデバイスおよび/またはプロセッサアーキテクチャによって実施されてよい。その例としては、組込みプロセッサ、通信プロセッサ、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)加速化コンピューティング、ソフトコアプロセッサおよび/または組込みプロセッサが挙げられる。
【0077】
施設モニタリングエンジン2100は、その一部または全部を、任意の適切な装置によって実施してよい。例えば、施設モニタリングエンジン2100の、実装および/またはプロセスおよび/または要素および/または機能は、(1または複数の)クライアント装置2200、(1または複数の)検出器2400および/またはモニタリングサーバ2500によって実施してもよい。機能モニタリングエンジン2100の実装および/またはプロセスおよび/または要素および/または機能のそれぞれは、ここでは、「クライアント装置モニタリングエンジン」、「検出器モニタリングエンジン」および「サーバモニタリングエンジン」を示すラベル2240、2440および2540によって表されている。これらは、それぞれ、施設モニタリングシステム2000を、本明細書で説明されているように動作させるものである。例えば、クライアント装置メモリ2230、検出器メモリ2430および/またはサーバメモリ2530は、(例えば、それぞれ、クライアント装置プロセッサ2220、検出器2400のプロセッサ(図示せず)および/またはサーバプロセッサ2520によって)実行されたときに、モニタリング方法、プロセスおよび/または動作を実行させうる命令を格納していてもよい。単に以下の説明を簡明にするために、本明細書に開示されている方法およびプロセスを、本明細書では、施設モニタリングエンジン2100と関連して説明する場合がある。1つ以上のハードウェア、ソフトウェア、および/または、ハイブリッドハードウェア/ソフトウェアモジュールによって、モニタリングエンジン2100を実現してもよい。
【0078】
次に、図4をさらに参照する。一実施形態において、機能施設内の検出器を地理的にマッピングする方法は、機能施設内に位置している1つ以上の検出器から、検出器パラメータのデータを受け取るステップを含んでもよい(ステップ4100に示されている)。上記方法は、受け取った検出器パラメータのデータを、機能施設の地理的位置と地理的に関連付けるステップをさらに含んでもよい(ステップ4200に示されている)。検出器を地理的にマッピングする手続の例は、この先でより詳細に説明する。
【0079】
さらに図5を参照する。クライアント装置を地理的にマッピングする方法は、機能施設に対して地理的にマッピングされて位置している検出器によって、検出器とコンピュータ化されたクライアント装置との間で形成される動作可能な連結を検出するステップを含んでもよい(ステップ5100に示されている)。
【0080】
一実施形態において、上記方法は、コンピュータ化されたクライアント装置の位置を決定するステップを含んでもよい(ステップ5200に示されている)。
【0081】
一実施形態において、上記方法は、検出された動作可能な連結を記述する出力と、決定された位置地点に関する情報とを提供するステップを含んでもよい(ステップ5300に示されている)。クライアント装置の位置地点は、検出器の位置情報に基づいて決定される。クライアント装置を地理的にマッピングする手続の例は、この先でより詳細に説明する。
【0082】
検出器の有線式のマッピングを、LANネットワークトポロジー2905に基づいて説明する(図6に模式的に示されており、通信ネットワーク2900によって採用されていてもよい)。いくつかの実施形態において、通信ネットワーク2900は、1つ以上のネットワークスイッチ2910を含んでいてもよい(例えば、検出器2400(例えばLAN接続2920)とモニタリングエンジン2100とを、通信リンク2930およびそれぞれのポート2911を介して通信可能に関連付けるための)。
本明細書ですでに示されているように、このようなLAN接続2920は、例えば、いくつかの検出器2400を含んでいてもよいし、検出器2400を具現化したものであってもよい。通信リンク2930および/または通信リンク2940のいくつかの部分は、無線により実施されていてもよいことに留意されたい。
【0083】
第1ネットワークスイッチ2910(I)は、例えば、LANインターフェース2920(I)(A)~2920(I)(C)の第1群と通信可能に連結さていてもよい。第2ネットワークスイッチ2910(II)は、LANインターフェース2920(II)(A)~2920(II)(B)の第2群と通信可能に連結していてもよい。ネットワークスイッチとLANインターフェース群との間における、それぞれの動作的な関連付けまたは結合は、ここでは丸括弧内の参照番号によって示されている。
【0084】
一実施形態において、同じネットワークスイッチと通信可能に連結されている所定のLANインターフェース群(ドッキングステーションなど)は、同じフロアに配置してもよい。例えば、第1ネットワークスイッチ2910(I)のLAN接続2920(I)(A)~2920(I)(C)は、施設の第1フロア1100に配置されていてもよい。LAN接続2920(II)(A)~2920(II)(B)は、施設の第2フロア1200に配置されていてもよい。
【0085】
一実施形態において、2つ以上のネットワークスイッチが、同じフロアに配置されているLAN接続群と通信可能に連結していてもよい。例えば、第1ネットワークスイッチ2910(I)のLAN接続2910(I)(A)~2920(II)(B)と、第2ネットワークスイッチ2920(II)のLAN接続2920(I)(A)~2920(II)(B)とは、施設の同じフロア1300上に位置していてもよい。
【0086】
一実施形態において、同じネットワークスイッチと連結しているLAN接続は、施設の異なるフロアに位置していてもよい。例えば、LAN接続2920(II)(A)は施設の第1フロア1100に位置していてもよく、LAN接続2920(II)(B)は施設の第4フロア1400に位置していてもよい。
【0087】
クライアントのLANインターフェースまたはLAN接続2920に含まれている(あるいはこれらによって具現化されている)検出器2400の位置のマッピングは、有線検出器マッピング部2112によって行われてもよい(例えば、本明細書に説明するように)。
【0088】
図7を参照する。いくつかの実施形態において、ネットワークスイッチのポートと接続しているLAN接続2920のマッピングは、第1の地理的位置において、クライアント装置と、ネットワークスイッチとポートを介して通信可能に連結しているLAN接続とを、通信可能に連結するステップを含んでもよい(ステップ7100に示されている)。一実施形態において、ポートは、所定のネットワークスイッチに関連付けられている複数のVLANのうちの1つに関連付けられていてもよい。クライアント装置は、認証されている(任意構成で既知である)装置識別子を有していてもよい。例えば、クライアント装置2200Aは、第1ネットワークスイッチ2910(I)の第1ポート2911(I)(A)と通信可能に連結されていてもよい。クライアント装置2200Aは、例えば、第1ネットワークスイッチ2910(I)と通信可能に連結されていてもよい。この接続は、クライアント装置2200AをLAN接続に接続することによって行われる(例えば、ドッキングステーションを介して)。クライアント装置識別子は、例えば、当該装置のMAC(Media Access Control)アドレスであってもよい。また、クライアント装置から受け取りうるデータは、クライアント装置の証明書名、ユーザ名、組織ユニット所属、チーム所属などを記述するものであってもよい。任意で、ユーザ名、組織単位所属、チーム所属およびMACアドレスは、リスト化を目的として使用してもよい(例えば、ユーザを識別するために)。
【0089】
一実施形態において、上記マッピング方法は、クライアント装置の識別子(例えば、「0xAA」)を受け取るステップをさらに含んでもよい(ステップ7200に示されている)。例えば、クライアント装置識別子は、モニタリングシステム2000によって(例えば、有線検出器マッピング部2112によって)受け取られてもよい。例えば、クライアント装置識別子は、読み出されてもよいし、提供されてもよい。一実施形態において、第1地理的情報を記述する情報は、システム2000によって(例えば、有線検出器マッピング部2112によって)受け取られてもよい。例えば、第1地理的位置情報は、モニタリングシステム2000の管理者によって提供されてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態において、上記マッピング方法は、マッピング手続を実行するために、全てのネットワークスイッチ(およびもし適用可能なら、当該ネットワークスイッチと関連付けられているVLAN)にクエリを実行して、上記ネットワークスイッチのどのポートがクライアント装置(例えば、装置2200A)と現在通信可能に連結しているかを判定するステップを含んでもよい。例えば、装置2200AのIDとポートとが一致した場合、当該ポートは、装置2200Aが接続されているLAN接続2920(または対応するデスク)の地理的位置にマッピングされる。その後、同じ手続を次のLAN接続2920に対して繰り返すことができる。
【0091】
いくつかの他の実施形態においては、ネットワークスイッチのポートをLAN接続2920にマッピングするために、キャッチングまたはキャッチング手続を採用してもよい(以下により詳細に例示されている)。
【0092】
一実施形態において、キャッチングを使用するマッピング方法は、既知の認証された識別子情報を有するクライアント装置が、LANネットワークエンティティ(ポートを含む)に以前に接続されたものとして識別されるか否かを判定するステップを含んでもよい(ボックス7300されている)。このようなLANネットワークエンティティには、所定のネットワークスイッチ(および任意で、当該所定のネットワークスイッチに関連付けられている複数のVLANのうちの所定のVLAN)が含まれうる。
【0093】
例えば、VLANのポートをLAN接続の位置にマッピングするために、有線検出器マッピング部2112は、「クライアント装置2200Aは、マッピング手続よりも前に、所定のネットワークスイッチおよび所定のVLANに既に接続されたことがあるか否か」をまず判定してもよい。後者の手続の結果が「クライアント装置2200Aは、マッピング手続よりも前に、当該所定のネットワークスイッチおよびその所定のVLANに接続されたことがある」である場合は、同じ所定のVLANのみにクエリを実行してもよい(ステップ7305)。上記クエリに応答して、クライアント装置2200AのIDが所定のVLANのポートの1つに関連付けられていることが分かった場合は、当該ポートをクライアント装置2200Aが現在接続しているLAN接続2920にマッピングする。
【0094】
一方、クライアント装置2200AのIDが所定のVLANのポートの1つに関連付けられていない場合は、所定のネットワークスイッチの全てのVLAN(または任意で、まだクエリが実行されていないVLAN)にクエリを実行してもよい(ステップ7400および7500)。上記クエリに応答して、クライアント装置2200AのIDが所定のネットワークスイッチのいずれかのVLANのポートの1つに関連付けられていることが分かった場合は、当該ポートをそれぞれのLAN接続2920にマッピングする(ステップ7600および7800)。ステップ7800の詳細は、後に説明する。ポートとクライアント装置2200AのIDとが一致しない場合は、一致するまでスイッチの全てのVLANにクエリを実行してもよい(ステップ7400および7500)。
【0095】
一部のVLAN識別子はブラックリストに登録されている(読まれない)場合があるし、一部はホワイトリストに登録されている場合もある。ホワイトリストに登録されているVLAN識別子(または単にVLAN)は、LAN接続のマッピング手続におけるクエリを実行してもよい。一方、ブラックリストに登録されているVLANには、クエリを実行しなくてもよい。
【0096】
一実施形態において、クライアント装置を認証するステップは、ネットワーク認証部2700によって実行されてもよい。ネットワーク認証部2700は、通信ネットワーク2900のシステム構成要素と通信可能に接続しようとするクライアント装置を、認証するように動作するものである。認証手続においては、審査モードの際に、通信ネットワーク2900に接続されうるクライアント装置識別子を受け取ってもよい。受け取ったクライアント識別子が、認証されたクライアント装置識別子を記述するデータとの一致基準を満たす場合は、それぞれのクライアント装置を認証してもよい。次いで、認証されたモードで通信ネットワーク2900のシステム構成要素と通信可能に接続することを、クライアント装置に許可してもよい。明らかに、異なるレベルの許可を、異なるクライアント装置2200に関連付けることができる。追加または代替の手段を採用して、通信ネットワーク2900へのクライアント装置の不正アクセスを防止してもよい。ネットワーク認証部2700は、例えば、ネットワーク2900上において、無線プロトコルであるIEEE802.1Xを採用してもよい。これは例えば、Cisco(登録商標)ISE(Identity Service Engine)および/または任意の既知もしくは将来の通信プロトコルによって達成できる。一実施形態において、クライアント装置識別子は、API(application programming interface)を用いて読み出すことができる。APIの例としては、REST(representational state transfer)およびSNMP(simple network management protocol)が挙げられる。
【0097】
いくつかの実施形態においては、ポートをLAN接続に関連付ける(または、マッピングする)に先立って、当該ポートがブラックリストに登録されているか否かを確認してもよい(ステップ7700)。換言すると、上記方法は、クライアント装置が接続しているネットワークスイッチのポートが、「ブラックリストに登録されている」かどうかを判定するステップをさらに含んでもよい(ステップ7700に示されている)。ネットワークスイッチと構成要素とを接続するためにポートが既に使用または予約されており、それゆえクライアント装置との接続できない場合には、ポートが「ブラックリストに登録」されていると見做される場合がある。例えば、第1ネットワークスイッチ2910(I)を第2ネットワークスイッチ2910(II)に通信可能に連結させるために(例えば通信リンク2931を介して)、第1ネットワークスイッチ2910(I)のポート#nおよび第2ネットワークスイッチ2910(II)のポート#1を使用する際には、これらのポートをブラックリストに登録してもよい。
【0098】
一実施形態において、装置のIDが発見されたポートがブラックリストに登録されていない場合、上記方法は、第1地理的情報を記述する情報を、上記ポートを記述するデータと関連付けてシステム2000に格納するステップを含んでもよい(ステップ7800に示されている)。例えば、地理的情報は、システム2000において地理的にマッピングされている、デスクまたは部屋の位置(および対応するLAN接続)であってもよい。任意で、LAN接続識別子を、第1地理的位置情報と関連付けて格納してもよい。任意で、ネットワークスイッチのポートに関連付けられているVLANを、地理的位置情報と関連付けて記憶してもよい。
【0099】
任意で、ネットワークスイッチ識別子およびポート識別子と関連付けて格納されている第1地理的情報と関連付けて、タイムスタンプを格納してもよい。タイムスタンプは、(1または複数の)ポートまたは検出器の地理的な関連付けが記録された、時刻を示すものである。ネットワーク2900を異ならせて再構成する(その結果、第1地理的マッピングが第2地理的マッピング(異なる地理的マッピング)に変更されてもよい)のに先立って、他のタイムスタンプの記録をポートに関連付けてもよい。したがって、検出器の地理的位置情報は、当該検出器の地理的マッピングが有効である期間を定義する開始時刻および終了時刻の属性を有している場合がある。
【0100】
一実施形態において、上記方法は、次の地理的位置においてステップ7100~7800を繰り返すステップを含んでもよい。この地理的位置は、クライアント装置を機能施設1000のネットワークスイッチに通信可能に連結できる配置を特徴としている。
【0101】
図8をさらに参照する。図8は、有線LAN接続を使用してクライアント装置を地理的にマッピングする方法のフローチャートを示している。上記方法は、機能施設に対して地理的にマッピングされて位置している検出器によって、複数の検出器と複数のコンピュータ化されたクライアント装置との間で形成される動作可能な連結を検出するステップを含んでもよい(ステップ8100に示されている)。一実施形態において、このような動作可能な連結を検出するステップは、複数の検出されたクライアント装置のそれぞれの識別子、対応するネットワークスイッチの識別子(および任意で、対応するVLANリストの識別子)、ならびにそれぞれのポート識別子を読み込むステップを含んでもよいし、このようなステップが続いてもよい。例えば、図6を参照すると、クライアント装置2200DとLAN接続2920(I)(B)との通信可能な接続の検出に応答して、有線クライアント装置マッピング部2122は、クライアント装置2200E、LANインターフェース2920(I)(B)、第1ネットワークスイッチ2911(I)、およびポート#46の識別子を受け取ってもよい(例えば、読み出しまたは読み込みによって)。ネットワークスイッチ2911(I)の識別子を受け取る代わりに、有線クライアント装置マッピング部2122は、VLANリストを受け取ってもよい(例えば、読み取り)。
【0102】
本明細書で既に示されているように、クライアント装置識別子は、例えば、当該装置のMAC(Media Access Control)アドレスであってもよい。任意で、クライアント装置識別子は、クライアント装置の証明書名、ユーザ名、組織ユニット所属、チーム所属などを記述するものであってもよい。任意で、ユーザ名、組織ユニット所属、チーム所属およびMACアドレスを、リスト化の目的に使用してもよい(例えば、ユーザを識別するための)。
【0103】
ステップ8100の現在の読み出し手続において受け取られる識別子を、本明細書では「現在の識別子」と称する場合がある。一実施形態において、上記方法は、受け取った識別子を現在の識別子としてデータベース2160に格納するステップを含んでもよい(ステップ8200に示されている)。データベース2160は、例えば、モニタリングサーバ2500のサーバデータベース2510によって具現化されていてもよい(例えば、一部または全部が)。
【0104】
上記方法は、現在の識別子と以前の読み出しサイクルで受け取った識別子(本明細書では「参照識別子」とも称する)との間に不一致があるかを、現在の識別子と参照識別子とを比較することによって判定するステップを含んでもよい(ボックス8300に示されている)。上記方法は、不一致であった場合に、参照識別子のリストを更新して、更新された参照識別子のリストを取得するステップをさらに含んでもよい(ボックス8400に示されている)。
【0105】
現在の識別子と参照識別子とを比較し、参照識別子のリストを更新することは、例えば以下のようにして達成することができる。各参照識別子は、例えば、(i)「新規」、「最後に認識された」とタグ付けされ、さらに、(ii)無線および/または有線接続の開始時刻および終了時刻の記録された時刻を示す、「開始時刻」または「終了時刻」と呼ばれるタイムスタンプでタグ付けされていてもよい。例えば、第1のシナリオでは、参照識別子のリストにまだ加わっていない現在のクライアント識別子を、当該参照識別子のリストに追加して、「新規」とタグ付けしてもよい。例えば、クライアント装置2200Cの識別子が以前のサイクルのいずれにも記録されていない場合には、その識別子を「新規」としてリストに加えてもよい。「記録された(recorded)」および「登録された(recorded)」という用語、ならびにその文法上の変化形は、本明細書では、交換可能に使用する場合があることに留意されたい。
【0106】
第2のシナリオでは、参照識別子と現在の識別子のうちの1つとが一致している場合に、リストにおいて当該参照識別子を「最後に認識された」とタグ付けしてもよい。換言すると、参照識別子が以前の読み出しサイクルで記録されており、現在の読み出しサイクルにおいて一致する現在の識別子が発見された場合には、当該参照識別子を「最後に認識された」とタグ付けしてもよい。例えば、現在の読出しサイクルに先行する読出しサイクルにおいて、クライアント装置2200Aの識別子が登録されている(リストに加わっている)ものとして識別された場合には、当該識別子を「最後に認識された」とタグ付けしてもよい。
【0107】
第3シナリオでは、以前に読み出された(参照)クライアント識別子に対して一致する現在のクライアント識別子が発見されない場合に、当該参照識別子を「終了時刻」と関連付けてもよい。例えば、クライアント装置2200Cの識別子が、前回の読み出しサイクルで登録されているものの現在の読み出しサイクルでは一致する識別子が発見されなかった場合に、当該識別子を対応する「終了時刻」に関連付けてもよい。換言すると、クライアントが「消滅した」現在の読み出しの記録時刻である識別子と、「終了時刻」とを関連付けることができる。
【0108】
いくつかの実施形態によれば、占有を確認するための読み出しは、定期的にトリガされてもよい(例えば5分、6分、または10分ごとに)。いくつかの実施形態によれば、占有を確認するための読み出しは、システム2000の構成要素から受け取った通知に応答してトリガされてもよい(例えば、ネットワークスイッチから受け取った入力に応答して)。いくつかの実施形態によれば、このようなトリガは、定期的な読み出しサイクルを無効にしてもよい。
【0109】
識別子エントリのリストの記入項目における、記録の追加および/または変更のそれぞれを、タイムスタンプと関連付けてもよい。
【0110】
ステップ8100~8400の方法の、擬似コードによる実行例を以下に説明する。
【0111】
【数1】
【0112】
次に、図9を参照する。図9は、機能施設内に配置されている無線通信システムの模式的なブロック図を示す。本明細書で既に言及したように、検出器は、無線アクセスポイントとして具現化されていてもよいし、無線アクセスポイントに備わっていてもよい。無線アクセスポイントは、機能施設内の無線クライアント装置をマッピングするために採用してもよい。単に以下の説明を簡単にするために、無線通信能力を有する検出器を、本明細書では「無線アクセスポイント」と称する場合がある。したがって、検出器2400E~2400Hは、本明細書では、無線アクセスポイント2400E~2400Hと称される場合もある。
【0113】
クライアント装置は、無線通信リンク2950(同図では、破線で模式的に示されている)を介して、アクセスポイントと通信してもよい。アクセスポイントは、通信リンク2960(有線および/または無線通信によって実施される)を介して、施設モニタリングエンジン2100と通信してもよい。
【0114】
無線アクセスポイント2400は、それぞれ、1つ以上のアンテナ2462を備えていてもよい。アンテナ2462を介して、クライアント装置2200との無線通信が可能になる。このアンテナ2462は、クライアント装置通信部2260の一部であってもよい。
【0115】
本明細書で使用するとき、「アンテナ」という用語には、1つ以上のアンテナ素子、構成要素、ユニット、アセンブリおよび/またはアレイの、任意の適切な構成、配置および/または構成が含まれる場合がある。
【0116】
一実施形態においては、無線アクセスポイント2400E~2400Hを、機能施設1000に対して地理的にマッピングしてもよく、システム2000に位置情報として格納してもよい。
【0117】
一実施形態において、無線クライアント装置マッピング部2124は、アクセスポイントにおいて受信される、クライアント装置からの電磁(EM)放射パラメータの種々の測定値に基づいて、1つ以上のクライアント装置の位置を推定するために、種々の技術を採用することができる。これらの位置推定技術は、例えば、モニタリングエンジン2100によって、定期的に使用されてもよいし、非定期的な様式で使用されてもよい(例えば、擬似ランダム)。
【0118】
このようなEM放射パラメータとしては、例えば、受信信号強度(RSS)、信号飛行時間、位相差などが挙げられる。パラメータの測定値は、クライアント装置の位置を推定するために、三点測量技術および/または三角測量技術に用いられてもよい。位置の推定は、最適化技術を採用することによって達成してもよい(例えば、非線形モデルフィッティングなど)。
【0119】
クライアント装置2200Cの位置は、例えば、2つ以上のアクセスポイント2400E~2400Hで測定されたRSS値に基づいて推定してもよい。これらのRSS値は、RSSI(received signal strength indications)として、施設モニタリングエンジン2100に提供されてもよいし、報告されてもよい。無線クライアント装置2124(図1)は、例えば、(i)クライアント装置2200Cによって放射されたEM放射のパラメータ値と、(ii)1つ以上のアクセスポイント2400E~2400Hによって受信されたEM放射のパラメータ値とに基づいて、クライアント装置2200Cの位置を推定してもよい(これらのパラメータ値は、同じクライアント装置2200Cに由来している)。いくつかの実施形態において、EMパラメータ値は、それぞれのクライアント装置およびアクセスポイント識別子と関連付けられて、モニタリングエンジン2100に提供されてもよい。例えば、無線クライアント装置マッピング部2124は、クライアント装置2200Cから発せられるEM放射のパラメータ値の1つ以上に関連する値(RSSI値など)を受け取ってもよい。これらの値は、1つ以上の無線アクセスポイント(W-AP)2400E~2400Hによって受信されたものであり、それぞれ、(i)クライアント装置2200Cの識別子と、(ii)1つ以上のアクセスポイント2400E~2400Hの識別子とに関連付けられている。
【0120】
クライアント装置の推定位置地点は、クライアント装置の位置情報として、システム2000に格納されてもよい(例えば、データベース2160内に)。さらに、位置地点の記録された時間を示すために、タイムスタンプ(例えば、T1(クライアント装置2200D)、T2(クライアント装置2200D)、…、Tn(クライアント装置2200D))とクライアント装置の推定位置地点とを関連付けてもよく、これらをシステム2000に格納してもよい。
【0121】
いくつかの実施形態において、EM放射は、受動的にアクセスポイント(例えば、2400E~2400H)に受信されてもよい。より具体的には、いくつかのアクセスポイントは、通信リンクの確立および維持には関与しないが、当該リンクに関連する信号を受信してもよい。
【0122】
いくつかの実施形態によれば、アクセスポイント(例えば、アクセスポイント2400E~2400H)は、1つ以上の無線管理システム2600と動作可能に関連付けられていてもよい(例えば、通信可能に連結されていてもよい)。このような無線管理システムの非限定的な例としては、Cisco(登録商標)Wireless LAN Controller、Cisco(登録商標)Prime InfrastructureおよびCisco(登録商標)Mobility Services Engine(図示せず)が挙げられる。したがって、いくつかの実施形態において、モニタリングエンジン2100は、上述の(1または複数の)無線管理システム(図示せず)から、加工されたEM放射パラメータ値を受け取ってもよい(例えば、読み取り)。この加工されたEM放射パラメータ値は、クライアント装置2200によって放射されたEM放射に関連している。
【0123】
いくつかの実施形態によれば、モニタリングエンジン2100は、アクセスポイントおいて複数のクライアント装置から無線で受信した情報に対して、無線クライアント装置のフィルタ論理を適用してもよい。「対応する装置に由来し、アクセスポイントにおいて受信されたEM放射に関連する値に基づいて、施設モニタリングエンジン2100は、複数のクライアント装置のうちどれの位置を推定すべきか」を決定するために、無線クライアント装置のフィルタ論理を使用してもよい。したがって、クライアント装置のフィルタ論理を適用することによって、複数のクライアント装置からクライアント装置を選択することになる。無線クライアント装置のフィルタ論理を適用することによって、例えば、クライアント装置が戻り値として得られない場合もあるし、複数のクライアント装置の1つ以上が戻り値となる場合もある。換言すれば、モニタリングエンジン2100によって使用される無線クライアント装置のフィルタ論理は、それぞれの無線クライアント装置から受信した情報が「位置推定基準」を満たすか否かを判定するものであってもよい。位置推定基準は、例えば、以下のパラメータのうちの1つ以上に関連してもよい:(i)SSID(service set identifier)、(ii)建物の位置(例えば、同じSSIDが所定の会社のオフィスビルと関連付けられており、これらのビルが異なる位置に位置している場合)、(iii)EM放射が受信される最小時間、および/または、(iv)クライアント装置由来する、アクセスポイントで受信した認証情報。例えば、クライアント装置2200Cによって発せられた情報を運ぶEM放射は、アクセスポイント2400E、2400F、2400Gおよび2400Hにおいて受信されてもよい。クライアント装置2200Dによって発せられた情報を運ぶEM放射は、無線アクセスポイント2400Fおよび2400Hにおいて受信されてもよい。クライアント装置2200CからEM放射を介して放射される情報は、無線クライアント装置のフィルタ論理に使用されている位置推定基準を満たす認証情報を含んでもよい。一方、クライアント装置2200DによってEM放射を介して放射される情報は、位置推定基準を満たさない場合がある。その結果、モニタリングエンジン2100は、クライアント装置2200Cの位置を推定するが、クライアント装置2200Dの位置は推定しない場合がある。
【0124】
いくつかの実施形態において、無線クライアント装置マッピング部2124は、クライアント装置位置部を含んでいてもよい。クライアント装置位置部は、無線ネットワーク設備のベンダーによって提供され、機能施設1000内のクライアント装置の位置を推定するものである。例えば、無線クライアント装置マッピング部は、Cisco(登録商標)services mobility serviceモジュールを含んでいてもよい。このモジュールは、施設モニタリングシステム2000に、クライアント装置の位置を記述するデータを提供するものである(例えば、RSSIに基づいて)。クライアント装置の位置は、このようなベンダーが提供する装置位置部によって推定される必要はないことは明らかである。
【0125】
クライアント装置位置部が無線ネットワーク設備のベンダーによって提供されているシステム2000の構成においては、無線クライアント装置のフィルタ論理を適用しなくてよい場合がある。
【0126】
いくつかの実施形態によれば、モニタリングエンジン2100は、(i)クライアント装置から放出され、受信されるEM放射に関連するパラメータの値に基づいて推定される、クライアント装置位置を記述するデータと、(ii)慣性センサ2210iおよび/または非慣性センサ2210ii(図3)によって提供される値を記述するデータとを、統合してもよい。
【0127】
図10Aを参照する。図10Aは、いくつかの実施形態に係る、無線信号に基づいてクライアント装置を地理的にマッピングする方法のフローチャートを概略的に示すものである。上記方法は、クライアント装置によって放射されたEM放射に関連するパラメータの値を記述するデータを、受信するステップを含んでもよい(ステップ10100に示されている)。
【0128】
いくつかの実施形態において、上記方法は、ベンダーによらない位置推定方法を使用して、受信したデータに基づき、クライアント装置に関する位置情報を取得するステップを任意構成で含んでもよい(ボックス10150にされている)。
【0129】
一実施形態によると、上記方法は、受信したデータに基づいてクライアント装置の位置情報を受け取るステップをさらに含んでもよい(ボックス10200に示されている)。上記方法のステップ10100~10200から明らかなように、クライアント装置の位置情報は、無線管理部から取得してもよいし、および/または、ベンダーによらない位置推定方法を使用して取得してもよい。
【0130】
方法ステップ10100および10200の擬似コードの実行例を以下に説明する。この擬似コードにおいては、ベンダーが提供する無線管理部から位置情報を受け取る。
【0131】
【数2】
【0132】
方法ステップ10100、10150および10200の擬似コードの実行例を以下に説明する。この擬似コードにおいては、ベンダーによらない位置推定方法を使用して位置情報を得る。
【0133】
【数3】
【0134】
いくつかの実施形態によれば、モニタリングエンジン2100は、複数のクライアント装置について、クライアント装置の推定位置情報に位置フィルタ論理を適用して、それぞれのクライアント装置を選抜するための位置情報を取得してもよい。このようなフィルタ論理は、例えば、時間-位置を記述するデータ点を「平滑化」することを目的としてもよい(例えば、外れ値を除くために)。いくつかの実施形態では、クライアント装置の推定位置地点における、比較的短い期間または短い滞在時間に対して、フィルタリングを使用する場合がある。このようなデータポイントを平滑化することによって、推定位置地点におけるクライアント装置の滞在時間が比較的短い期間であるデータを、施設使用分析において無視してもよい。その結果、クライアント装置が比較的短い滞在期間しか位置しなかったと推定される位置地点は、無視される。位置フィルタ論理としては、例えば、移動平均値または移動中央値、ローパスフィルタ技術などが挙げられる。
【0135】
いくつかの実施形態によれば、時間および位置のパラメータの測定値は、スケーリングされる。本明細書で使用されるとき、表現「スケーリング」およびその文法上の変化形には、「正規化」もが含まれる場合もある。例えば、x/y座標の値を、フロアの寸法の0~1または0~100%の範囲(すなわち[0,1])にスケーリングしてもよい。また、時間の測定値を、例えば、0~1の範囲の縮尺(すなわち[0,1])にスケーリングし、ミリ秒の単位で表してもよい。
【0136】
いくつかの実施形態によれば、(i)無線通信をしているクライアント装置の推定位置地点を記述するデータと、(ii)これに関連付けられている、推定位置地点の記録についてのタイムスタンプとに対して、クラスタ分析を行ってもよい。クラスタ分析は、モニタリングエンジン2100によって実行してもよい(例えば、マッピング部2120の無線クライアント装置マッピング部2124によって)。
【0137】
複数の無線クライアント装置のそれぞれを、クラスタリングによってグループ化して、データクラスタを得てもよい。例えば、複数の無線クライアント装置2200のそれぞれの位置地点およびタイムスタンプを、時刻の関数として、位置地点の地理的分布に応じてグループ化してもよい。例えば、所与のタイムスタンプに関して、当該位置地点のグループをクラスタに関連付けてもよい(他の位置地点よりも相対的に高い密度で、当該位置地点が特定の地理的領域に分布している場合には)。使用されうるクラスタ分析技術としては、例えば、DBSCAN(Density-based Spatial Clustering of Applications with Noise)、K-Means法などが挙げられる。
【0138】
いくつかの実施形態において、クラスタ内のデータ点の組織化が完了すると、モニタリングエンジン2100は、各クラスタの中心点を決定してもよい。さらに、所定のクライアント装置に関連付けられているクラスタ内の各位置地点に対して、位置地点の出現が登録された時点のタイムスタンプ(「開始時刻」)が記録される。適用可能であれば、各クライアント装置について、同じクライアント装置の出現のタイムスタンプ(「開始時刻」)の記録に続いて、タイムスタンプが消滅した時点の「終了時刻」のタイムスタンプが、モニタリングエンジン2100に登録される。さらに、クラスタ内の同じクライアント装置に関連付けられている推定位置のそれぞれに関して、クライアント装置とクラスタの中心点との間の距離を決定できる。クラスタの中心点からクライアント装置の推定位置地点までの距離に応じて、位置地点をクラスタのメンバのままとしてもよいし、クラスタから除去してもよい(例えば、当該位置地点を他のクラスタに関連付けることによって)。したがって、クラスタ内の位置地点の数を、モニタリングエンジン2100によって動的に更新してもよい。クラスタ分析は、(例えば、規則的な)間隔で繰り返すことができる。したがって、無線クライアント装置(例えば、クライアント装置2200A~2200C)の推定位置地点のクラスタを動的に決定するように動作するモニタリングエンジン2100によって、機能施設1000の使用を円滑にすることができる。
【0139】
クライアント装置2200の推定位置地点は、フロア番号に関連付けられていてもよい。したがって、いくつかの実施形態においては、クラスタ分析をフロアごとに実行してもよい。
【0140】
図10Bを参照する。いくつかの実施形態において、地理的にマッピングされているクライアント装置を記述するデータをフィルタリングしクラスタリングする方法は、位置地点におけるクライアント装置の滞在時間のそれぞれについて、データを平滑化するステップを含んでもよい(ステップ10300に示されている)。
【0141】
いくつかの実施形態において、上記方法は、クライアント装置の推定位置地点を記述するデータをスケーリングして、スケーリングされたデータを得るステップをさらに含んでもよい(ステップ10400に示されている)。
【0142】
上記方法は、スケーリングされたデータにクラスタ分析を実行して(例えば、時間の関数としての位置地点の地理的分布に基づいて)、推定位置地点のクラスタを得るステップをさらに含んでもよい(ステップ10500に示されている)。このデータクラスタに基づいて、機能施設の使用を判定してもよいし、モニタリングしてもよい。
【0143】
方法ステップ10300~10500の擬似コードの実行例を以下に説明する。
ファンクションフィルタおよびクラスタ測定
【0144】
【数4】
【0145】
いくつかの実施形態によれば、機能施設の位置地点の情報を、滞在時間基準に基づいて、2つ以上の位置分類から選ばれた1つに分類してもよい(例えば、「空き」、「占有」、および任意で「温かい(warm)」)。この分類は、モニタリングエンジン2100が使用している分類エンジン(図示せず)による、1つ以上の分類基準に従う。このような分類基準は、空き期間の閾値、位置地点におけるクライアント装置の滞在期間、およびクライアント装置の識別子に関連していてもよい(以下でより詳細に説明する)。任意で、分類器エンジンは、機械学習を使用してもよい(例えば、空き期間および/または滞在期間に関係している閾値パターンを、動的に調整する)。一実施形態において、異なる種類の機能施設に対して、異なる閾値を(例えば、自動的に)関連付けてもよい。例えば、商業フロア用の閾値は、複数階建ての駐車場の閾値とは異なっていてもよい。
【0146】
一般的に、ある位置地点において、クライアント装置がネットワーク2900に所定の期間にわたって関連付けられている場合、当該位置地点を「占有」と分類してもよい。また、ある位置において、クライアント装置がネットワーク2900に関連付けられていない場合、当該位置地点を「空き」と分類してもよい。さらに、クライアント装置がある位置地点を離れ、特定の時間区間内に同じクライアント装置が以前の位置地点に戻り、この時間区間内に当該位置地点に接続した他のクライアント装置がない場合、当該位置地点を「温かい」と分類してもよい。用語「時間区間(time interval)」および「期間(time period)」は、交換可能に使用する場合がある。
【0147】
いくつかの例において、ある位置地点がクライアント装置によって「温かい」または「占有」のいずれにも分類されない(1または複数の)期間には、当該位置地点を「空き」と分類してもよい(ただし、上記期間は第1空き期間の閾値を超えている)。いくつかの実施形態において、(i)上記期間が第1空き期間の閾値を超え、かつ、(ii)装置が上記位置に登録されていないタイムスタンプから測定される滞在時間がいずれも第1滞在期間の閾値を超えない場合には、位置地点の分類は「空き」のままであってもよい。
【0148】
いくつかの例では、ある位置地点が1つ以上のクライアント装置によって連続的に占有されている(1または複数の)期間には、当該位置地点を「占有」と分類してもよい(ただし、上記期間は第2滞在期間の閾値を超えている)。同様に、上記の第1滞在時間は、第2滞在時間の閾値以下であってもよい。
【0149】
いくつかの例では、クライアント装置がある位置を離れ、第2の最小空き閾値を超えない期間で同じ位置に戻ってきた場合であっても、位置地点を「占有」に分類したままであってよい。同様に、第1空き閾値は、第2最小空き閾値以上であってもよい。
【0150】
いくつかの実施形態において、例えば、「占有」について考慮すると、装置に関連付けられている位置情報が対応する分類基準を満たす場合(例えば、滞在時間の分類基準)、モニタリングエンジン2100は、「機能施設1000の特定の位置がクライアント装置によって使用されている」と判定または登録のみを行ってもよい。例えば、「第2滞在時間の閾値を超える時間にわたって、クライアント装置が(i)同じ位置を連続して占有しているか、または(ii)連続してほぼ同じ位置に位置している」とモニタリングエンジン2100が判定した場合、「クライアント装置は機能施設1000の特定の位置を使用している」と見做してもよい。第2滞在時間の閾値は、例えば、3分以上、4分以上、5分以上、6分以上、7分以上、8分以上、9分以上、10分以上、20分以上、30分以上、60分以上、または120分以上に設定してもよい。以下の2つのシナリオでは、滞在の閾値期間が、30分間である例が示される。第1のシナリオにおいて、例えば、午前9時~午前11時において同じポートに接続されている(例えば、ドッキングステーション2920(II)(1)を介して)クライアント装置2200Cは、1回の使用または来訪と判定される。他の第2のシナリオでは、例えば、(i)午前9時~午前9時30分の30分間、LAN接続2920(I)(1)(例えば、パーソナルデスク上に位置する)に接続され、(ii)午前9時30分~午前10時においてLAN接続2920(II)(1)(例えば、会議室に位置する)に接続され、さらに(iii)午前10時~午前11時においてLAN接続2920(I)(1)(同じパーソナルデスク上に位置する)に再び接続されたクライアント装置2200Cは、3つの異なる使用または来訪と見做されるか、登録される。
【0151】
いくつかの実施形態において、用語「連続的(continuously)」には、用語「実質的に連続的」の意味も包含される場合があることに留意されたい。したがって、いくつかの実施形態においては、比較的短い期間(第1滞在期間の閾値と同じ)だけ接続が切れたとしても(例えば、クライアント装置とポートとの間で)、クライアント装置の滞在時間から差し引かなくてもよい。滞在時間を計測する際に無視してもよい、連続的な切断の期間は、例えば、60秒以下、50秒以下、40秒以下、30秒以下~20秒以下、10秒以下、5秒~2秒以下、または1秒以下であってもよい。いくつかの実施形態において、無視できる期間は、第2滞在時間の閾値の割合によって定義してもよい(例えば、第2滞在期間の閾値の1/10以下、1/15以下、1/20以下、または1/50以下など)。
【0152】
一実施形態において、(i)「ある位置地点を占有している」と登録されているクライアント装置が、当該位置地点を離れるか、または登録を解除され、かつ、(ii)当該クライアント装置が当該位置地点を離れてから経過した期間が、第1空き期間の閾値を超えない場合、当該位置地点を「温かい」と分類してもよい。いくつかの実施形態においては、他のまたは同じクライアント装置が、最小滞在時間を超えない期間の間だけ、ある位置地点に存在すると再登録された場合であっても、当該位置地点を「温かい」に分類したままであってもよい。以下のシナリオ例は、クライアント装置2200Bおよび2200Cに関して説明しているが、これは決して限定と解釈すべきではない。それゆえ、下記のシナリオ例は、他の無線および有線クライアント装置にも同様に適用可能である。
【0153】
(i)以下の第1のシナリオ例を考慮する:
(ii)午前8時~午前10時
従業員1は、クライアント装置(例えば、装置2200B)に関連付けられ、デスクA(図示せず)に座る;
(iii)午前10時~午前10時30分
従業員1は、彼/彼女のクライアント装置2200Bを会議室に持ち込む。この会議室は、デスクAから離れて位置している(例えば、50m以上);
(iv)午前10時30分~午前12時
従業員1は、彼/彼女のクライアント装置2200BをデスクAに戻す;
例えば、第1空き期間の閾値が4時間である場合(この閾値は、「温かい」の閾値を規定する)、午前10時~午前10時30分においてクライアント装置2200Bと関連付けられている推定位置地点は、「温かい」に分類される。
【0154】
以下の第2のシナリオ例を考慮する:
(i)午前8時~午前10時
従業員1は、クライアント装置2200BとともにデスクA(図示せず)に座っている;
(ii)午前10時~午後5時30分
従業員1は、彼/彼女のクライアント装置2200Bを会議室に持ち込む。この会議室は、デスクAから離れて位置している(例えば、50m以上);
(iii)午後5時30分~午後6時
従業員1は、彼/彼女のクライアント装置2200BをデスクAに戻す。
【0155】
午前10時~午後5時30分の時間区間は7.5時間であり、これは第1空き期間の閾値である4時間を超えている。その結果、デスクAに関連付けられている推定位置地点は、(i)午前10時~午後5時30分の間、「空き」と分類されてもよいし、(ii)午前10時~午後2時の間は「温かい」と分類され、午後2時~午後5時30分の間は「空き」と分類されてもよい。
【0156】
以下の第3のシナリオ例を考慮する:
(i)午前8時~午前10時
従業員1は、クライアント装置2200BとともにデスクA(図示せず)に座っている;
(ii)午前10時~午前10時30分
従業員1は、彼/彼女のクライアント装置2200Bを会議室に持ち込む。この会議室は、デスクAから離れて位置している(例えば、50m以上);
(iii)その間(例えば、午前10時10分~午前10時20分)
従業員2は、彼/彼女のクライアント装置2200CをデスクAで使う;
(iv)午前10時30分~午前12時
従業員1は、デスクAに再度位置する。
【0157】
(a)ここで、例えば、第1空き期間の閾値を4時間に設定する;
(b)また、第2滞在期間の閾値が5分間に設定する。デスクAに関連付けられている位置地点は、「温かい」または「空き」と分類されず、「占有」に分類される。なぜならば、当初は「温かい」と定義されていた期間中に、滞在期間の閾値(5分間に設定)を超えて、従業員2のクライアント装置2200CがデスクAにあるからである。より具体的には、第1空き期間の閾値の間に、第2滞在期間の閾値分だけ、クライアント装置がある位置地点を占有しないならば、当該位置地点は「温かい」と分類されたままあってもよい。そうでない場合は、上記位置地点は「占有」に分類される。
【0158】
図11を参照する。いくつかの実施形態において、位置地点の分類方法は、機能施設内の位置地点を記述するデータを受け取るステップを含んでもよい(ステップ11100に示されている)。
【0159】
一実施形態において、上記方法は、分類基準に従って(例えば、分類子によって)、位置地点を記述するデータを分類するステップをさらに含んでもよい(ステップ11200に示されている)。このような分類基準は、空き期間の閾値、ある位置地点におけるクライアント装置の滞在期間、およびクライアント装置の識別子に関連していてもよい(以下でより詳細に説明する)。
【0160】
位置地点分類方法ステップ11100~11200の擬似コードの実行例を、以下に説明する。
【0161】
【数5】
【0162】
他の実行では、「温かい」デスクのみが返される。この実行は、例えば、「占有および温かい」と「占有のみ」との違いを判定することによって達成してもよい。
【0163】
いくつかの例においては、有線ローカルエリアネットワーク(LAN)に関係しているデータを、無線LANデータよりも優先的に扱ってもよい。例えば、図2に例示されているシナリオを考慮する。同図において、領域1105Bに位置しており、所定のユーザに関連付けられているクライアント装置2200A(例えば、ラップトップコンピュータ)は、LAN接続2920(II)(B)/2400(II)(B)に、動作可能に連結されている(例えば、ドッキングステーション(図6を参照)を介して)。これと同時に、上記所定のユーザに関連付けられている他のクライアント装置2200Bは、アクセスポイント(例えば、検出器2400Fなど)と無線通信可能に連結されている。無線で連結されているクライアント装置2200Aの位置が、ある特定の期間、LAN接続2920(II)(B)の特定の範囲内にあると推定される場合には、LAN接続2920(II)(B)の位置を、クライアント装置2200Aに関連付けてもよい。例えば、クライアント装置2200Aの推定位置を記述するデータを、削除、破棄、無視または上書きしてもよい。LAN接続2920(II)(B)の位置をクライアント装置2200Aに関連付ける前において、LAN接続の位置地点が「占有」と分類された場合には、LAN接続の位置地点をクライアント装置2200Aに関連付けた後においても、同じ分類カテゴリを維持してもよい。
【0164】
逆に、無線で連結されているクライアント装置2200Aの位置が、ある特定の期間、LAN接続2920(II)(B)の位置の特定の範囲外であると推定された場合には、(i)推定位置地点を無線クライアント装置2200Aと関連付けられたままとし、かつ(ii)LAN接続2920(II)(B)の位置地点をクライアント装置2200Aと関連付けられたままとしてもよい。
【0165】
(i)ある特定の期間、無線で連結されている第1クライアント装置2200AがLAN接続2920(II)(B)の特定の範囲内にあると推定されるために、LAN接続2920(II)(B)の位置がクライアント装置2200Aに関連付けられており、その後、(ii)ある特定の期間、無線で連結されているクライアント装置2200Aの位置が、LAN接続2920(II)(B)の位置の特定の範囲外にあるシナリオにおいては、LAN接続の位置とクライアント装置2200Aとの関連付けを切断してもよい。また、このシナリオにおいては、無線で連結しているクライアント装置2200Aの位置を、LAN接続2920(II)(B)の位置とは独立に決定してもよい。例えば、無線で連結されているクライアント装置2200Aの位置は、クライアント装置2200Aに関連しているEM放射のパラメータに基づいていてもよい(例えば、本明細書に説明しているように)。
【0166】
第1クライアント装置2200Aのクライアント装置識別子(例えば、メディアアクセス制御またはMACアドレス)は、第2クライアント装置2200Bのクライアント装置識別子とは異なっていてもよいことに留意されたい。しかし、本明細書に既に示されているように、2つ以上のクライアント装置(例えば、第1クライアント装置2200Aおよび第2クライアント装置2200B)の異なる識別子を、同じユーザに関連付けるように、システム2000を動作させてもよい。これは例えば、2つ以上のクライアント装置の少なくとも1つ(例えば、第2クライアント装置2200B)が、当該クライアント装置の少なくとも1つを認証するために、ユーザに基づく認証が必要となる場合があるからである。このような認証は、少なくとも1つのクライアント装置(例えば、第2クライアント装置2200B)の資格を確認して、ネットワーク2900にアクセスさせる(例えば、LAN接続を介して)ために行われる場合もある。第2クライアント装置2200Bをネットワーク2900に認証する際にユーザによって提供された入力に基づいて、「同じユーザが(LAN接続された)クライアント装置(例えば、クライアント装置2200B)および他の無線クライアント装置(例えば、クライアント装置2200A)に関連付けられるかどうか」を判定するように、システム2000を動作させてもよい。
【0167】
任意で、LAN接続2920(II)(B)に関連付けられている位置地点の分類を、「占有」のカテゴリから他のカテゴリに変更してもよい(例えば「温かい」または「空き」など)。
【0168】
いくつかの実施形態において、位置地点の分類は、接続に依存していてもよい。例えば、特定の滞在時間にわたって、LAN接続である検出器と有線接続する場合、当該LAN接続に関連付けられている位置は、「占有」または「温かい」に分類されてもよい(例えば、システム構成に応じて)。これは例えば、異なるシステム間(またはシステムの異なるLAN接続間)では、滞在時間の閾値が異なるためである。いずれにしても、(i)第1クライアント装置の位置が、同時にLAN接続と連結されている第2クライアント装置の特定の範囲内にあると推定され、かつ(ii)第1クライアント装置と第2クライアント装置との両方が、同じユーザに関連している(例えば、所属している)と識別される場合には、LAN接続に関連付けられている位置を「占有」に分類してもよい。
【0169】
いくつかの実施形態においては、ユーザに関連付けられているクライアント装置を、同じクライアント装置の無線による位置推定から特定の範囲内にある、最も近い空き位置にマッピングしてもよい。その後、選択されたタイムスタンプおよび/または選択された期間中における、機能施設1000の種々の位置の占有レベル(使用レベルとも)を決定するために、最も近い空き位置の位置情報を使用してもよい。
【0170】
用語「最も近い」は、無線による位置推定に関連している。ある時点において、異なるユーザのクライアント装置がある位置にマッピングされていない場合に、当該位置を「空き」と見做してもよい。例えば、(i)ある位置において、他のクライアント装置によるLAN接続がなされない場合、および/または、(ii)(例えば、使用可能な物理的インフラに基づいて、システム2000において推定または決定されるとき)ある位置のWLAN通信リンク容量が超過でない場合には、当該位置を空きと見做してもよい。特定の位置情報をクライアント装置にマッピングし、機能施設の使用を判定するためにこれを考慮してもよい(例えば、統計分析のために)。一方で、時を同じくして上記クライアント装置に関連付けられうる他の位置情報は、機能施設の使用を判定するために考慮しなくてもよい。例えば、上述の例では、クライアント装置に関連付けられている無線による位置推定を、占有レベルを決定するための統計には考慮しなくてもよいが、しかし、推定を依然としてクライアント装置と関連付けさせ、継続的に更新してもよい。
【0171】
例えば、(i)第1ユーザに関連付けられている第1無線クライアント装置2200Aの、推定される時間-位置の組の特定の範囲内に、第1LAN接続2400Bおよび第2LAN接続2400C(図2参照)があり、しかし、(ii)第1LAN接続2400Bの位置が、他のユーザのクライアント装置による「占有」に分類されており、(iii)これとは対照的に、第2LAN接続2400Cに関連付けられている位置が「空き」に分類されている場合、第1無線クライアント装置2200Aの位置情報は、第2LAN接続2400Cの位置にマッピングされる。「クライアント装置2200Aの位置が、LAN接続2400CよりもLAN接続2400Bの位置に近い範囲にある」と推定されていたとしても、クライアント装置2200Aを、LAN接続2400Cの位置にマッピングしてもよい。
【0172】
所定のクライアント装置の無線による位置推定で、特定の範囲内にあるLAN接続が全て「温かい」に分類されるか、または他のユーザのクライアント装置によって占有されているシナリオにおいては、当該所定のクライアント装置を、最も近い「温かい」LAN接続位置にマッピングしてもよい。一例において、クライアント装置の特定の範囲内にある全てのLAN接続位置が、1つの空きLAN接続位置を除いて「温かい」または「占有」に分類される場合には、クライアント装置の位置が無線に基づく位置地点から最も遠い場合であっても、当該クライアント装置を当該空きLAN接続にマッピングしてもよい。他の例では、クライアント装置を、最も近い「温かい」LAN接続位置にマッピングしてもよい。
【0173】
以下の説明において、「識別子を匿名化する」という表現は、クライアント装置、ユーザ、またはその両方の1つ以上の識別子を匿名化することを表す場合があることに留意されたい。
【0174】
いくつかの実施形態によれば、その位置がモニタリングエンジン2100によって追跡されるクライアント装置に関連付けられているユーザのプライバシーを保護するために、クライアント装置の識別子を記述するデータを匿名化して、匿名化データを生成してもよい。匿名化の一方で、同時に、生成された匿名化データを施設の使用のモニタリングに役立てることができる。モニタリングエンジン2100の匿名化部2150によって、1つ以上の種々のデータを匿名化する技術を実行して、匿名化データを生成してもよい。使用可能な匿名化方法の例としては、ハッシュ符号化が挙げられる。任意で、ランダム(または疑似ランダム)に生成される文字列(「ソルト」としても知られる)と組み合わせてもよい。一実施形態において、ランダム文字列は、匿名化される所定のデータセットに対して、不変または一定のままであってもよい。他の実施形態において、ランダム文字列は、動的に変化してもよい(例えば、定期的に)。
【0175】
一実施形態において、匿名化技術は、匿名化レベルを記述するデータを受け取って、匿名化部2150に適用させる手続を含んでもよい。匿名化部2150によって適用されうる匿名化レベルの数は、異なる実施形態に対しては変更してもよく、本明細書で説明する例に限定されるべきではない。
【0176】
例えば、3つの異なるレベルの匿名化を適用してもよい:第1の非匿名化レベル;第2の中程度の匿名化レベル(「チームレベル」とも);第3の高い匿名化レベル(「企業レベル」とも)のいずれかである。非匿名化レベルでは、クライアント装置2200を無制限に追跡することができてもよい。すなわち、クライアント装置のユーザのプライバシーに対して、制限が設けられていない。中程度の匿名化レベルでは、クライアント装置2200のユーザに対して、何らかのプライバシー保護を提供してもよい。例えば、クライアント装置を「チームレベル」で匿名化してもよい。例えば、第1グループのユーザのクライアント装置の識別子は、「会社A」の第1チーム(例えば、「ITチーム」)に関連付けられてもよい。また、第2グループのユーザのクライアント装置の識別子は、同じ会社である「会社A」の第2チーム(例えば、「HRチーム」)に関連付けられてもよい。任意で、第1チームに関連付けられている識別子と、第2チームに関連付けられている識別子とは、全て異なっていてもよい。任意で、1つ以上の識別子が、同じ会社の2つ以上の異なるチームに関連付けられてもよい。
【0177】
高い匿名化レベルは、中程度の匿名化レベルと比較して、より高度な匿名化(すなわちプライバシーの保護)を提供してもよい。例えば、企業レベルでユーザを匿名化してもよい。例えば、第1グループのユーザのクライアント装置の識別子を、第1会社名(例えば、「会社A」)に関連付けてもよい。また、第2グループのユーザのクライアント装置の識別子は、第2会社名(例えば、「会社B」)に関連付けてもよい。任意で、1つ以上の識別子を、2つ以上の同一の会社に関連付けてもよい。
【0178】
いくつかの実施形態において、中程度および高い匿名化は、それぞれ2つ以上の匿名化サブレベルを有していてもよい。複数の匿名化サブレベルは、例えば、クライアント装置のトレーサビリティのそれぞれのレベルによって定義してもよい。それゆえ、いくつかの実施形態において適用される匿名化技術は、装置トレーサビリティ・レベルを記述するデータ(その後、匿名化部2150が当該データを適用する場合がある)を受け取る手続を含んでもよい。
【0179】
例えば、第1のトレーサビリティ・レベル(本明細書において、「1回来訪レベル」と表記する場合もある)では、クライアント装置の存在が1つ以上の検出器2400によって検出されるたびに、(1または複数の)クライアント装置の識別子、および/または、(1または複数の)クライアント装置の識別子に関連付けられている(1または複数の)ユーザの識別子が匿名化される。例えば、ユーザが特定チームのメンバであることは既知である場合があるが、同じ位置を再来訪したのがチームの同じユーザであるか否かは未知/匿名のままであってもよい。一例を挙げると、例えばクライアント装置2200Aが、(i)ネットワークスイッチのポートに接続する(例えば、ドッキングステーション2920を介して)たびに毎回、および/または、(ii)(1または複数の)識別子を記述するデータを運ぶクライアント装置2200Aからの信号を、無線アクセスポイントが受信するたびに毎回、匿名化部2150は、対応する(1または複数の)識別子を匿名化してもよい。その結果、2つの「来訪」または装置の検出が、同じクライアント装置および/またはそのユーザに結び付けられることはない。この第1のトレーサビリティ・レベルでは、クライアント装置の位置の記録した時刻を示すタイムスタンプは、切り捨てなくてもよい(すなわち、「そのまま」記録してもよい)。
【0180】
例えば、第2のトレーサビリティ・レベル(本明細書において、「時間内レベル」と表記する場合がある)では、ある特定の期間において、クライアント装置(および/またはそのユーザ)のそれぞれの(1または複数の)識別子を、同一の匿名化識別子に関連付けてもよい。それゆえ、チームに対する識別子の関連付けが判明している場合がある。また、ある期間内に、チームの同じユーザが同じ位置を再来訪したかどうかも判明している場合がある。しかし、ユーザの識別情報は、依然として匿名化されていてもよい。したがって、期間内における1つ以上の検出器によるクライアント装置の検出の発生を、結び付けてもよい。例えば、ある期間内において初めて検出器(例えば、検出器2400B)に検出された、クライアント装置2200Cの識別子を匿名化して、クライアント装置2200Cに固有の匿名化識別子を記述する匿名化データを生成してもよい。特定の期間が経過するまでは、同じ匿名化識別子を、クライアント装置2200Cに関連付けたままであってもよい。特定の期間が経過すると、他の匿名化データをクライアント装置2200Cに関連付けてもよい。この場合も、特定の期間が経過するまでは、上記他の匿名化データを、同じクライアント装置に関連付けたままであってもよい。いくつかの実施形態において、特定の期間は動的に変化してもよい。このような期間の継続時間は、例えば、4時間、8時間、12時間、24時間または36時間であってもよい。このような期間の測定を開始するためのタイムスタンプは様々であり、例えば、午前0時、午前6時、午前12時に開始としてもよい。この第2のトレーサビリティ・レベルにおいて、例えば、期間が暦日である場合には、タイムスタンプの時間、分および秒を切り捨てる。
【0181】
例えば、第3のトレーサビリティ・レベルでは、いずれの期間とも関係なく、同じ匿名化データを、それぞれのクライアント装置に関連付けたままであってもよい。例えば、機能施設1000内においてクライアント装置2200Bの存在が検出されると、同じ匿名化データをクライアント装置2200Bに関連付けたままであってもよい。第3シナリオでは、タイムスタンプは全体が切り捨てられる。第3のトレーサビリティ・レベルは、チームごとにクライアント装置を追跡できる場合がある。しかし、(予め定められた)期間内に、同じチームのユーザが同じ位置に2回以上再来訪したかどうかは判定できない。
【0182】
図12を参照する。いくつかの実施形態において、匿名化技術は、クライアント装置の識別子を記述するデータに適用される匿名化レベルを記述するデータを受け取るステップを含んでもよい(ステップ12100に示されている)。
【0183】
一実施形態において、上記方法は、匿名化識別子データに関連付けられているクライアント装置において実施されるトレーサビリティ・レベルを記述するデータを受け取るステップをさらに含んでもよい(ステップ12200に示されている)。
【0184】
匿名化方法ステップ11100~11200の擬似コードの実行例を以下に説明する。
【0185】
【数6】
【0186】
図13は、クライアント装置による機能施設内のフロアの長期間にわたる使用を記述する、ヒートマップ画像の例を示す。このヒートマップは、72時間の期間にわたる使用を表している(例えば、2015年4月1日~2015年4月3日)。
【0187】
図14は、第1の記録時に記録された、フロアのスナップショットの例を示す(例えば、2015年4月1日午前8時)。
【0188】
図15は、第2の記録時に記録された、フロアのスナップショットの例を示す(例えば、2015年4月1日午前10時30分)。
【0189】
図16は、第3の記録時に記録された、フロアのスナップショットの例を示す(例えば、2015年4月1日午後1時)。
【0190】
緑色の領域は、スナップショットの記録時に、当該領域が空いていることを示している。赤色の領域は、スナップショットの記録時に、当該領域が占有されていることを示している。
【0191】
図17を参照する。同図は、いくつかの実施形態に係る製品17000を模式的に示している。製品17000は、一時的でない有形の機械可読記憶媒体17100を備えて、論理17120を格納していてもよい。論理17120は、例えば、施設モニタリングエンジン2100の機能の少なくとも一部を実行するために用いることができる。
【0192】
別段の記載がない限り、選択肢の一覧の最後の2つの要素間における、表現「および/または」の使用は、列挙されている選択肢のうちの1つ以上を選択することが適切であり、そのように選択してもよいことを示している。
【0193】
別段の記載がない限り、本願の特許請求の範囲または明細書において、本発明の実施形態の1または複数の特徴の、状態または関係の特徴点を修飾している形容詞(「実質的に」および「約/ほぼ(about)」など)は、「当該実施形態の意図されている用途での実行が可能な許容範囲内において、当該状態または特徴点が定義されている」ことを意味していると理解されたい。
【0194】
特許請求の範囲または明細書で"a"または"an"の要素に言及している箇所では、当該言及は、当該要素が1つだけであると解釈するべきではないことを理解されたい。
【0195】
本願の明細書および特許請求の範囲において、動詞「備えている/含んでいる/有している("comprise," "include," "have")」のそれぞれ、ならびにこれらの変化形は、「当該動詞の(1または複数の)対象が、必ずしも構成要素、対象物の要素もしくは部分、または当該動詞の対象物の完全な一覧となっている必要がない」ことを示すために使用されている。
【0196】
本明細書で使用するとき、「リアルタイム」という用語は、用語「実質的にリアルタイム」または用語「ほぼリアルタイム」の意味をも含む場合がある。
【0197】
一実施形態によれば、プラットフォームおよびこれに関連付けられている受信機は、コンピュータ化されたエンドユーザ装置から発せられた通信信号を検出してもよい。このようなエンドユーザ装置としては、例えば、多機能移動通信装置(「スマートフォン」としても知られる)、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、PDA、ウェアラブル端末、携帯用コンピュータ、ノート型コンピュータ、車輌用装置および/または固定装置が挙げられる。
【0198】
用語「検出」およびその文法上の変化形は、このような「検出」を可能にする任意のプロセス(感知ステップおよび/またはモニタリングステップを含む)を包含する場合があることに留意されたい。
【0199】
当業者であるならば、上述の種々の特徴およびステップ、ならびに当該特徴またはステップのそれぞれに対する他の既知の均等物を、混合および組み合わせて、本明細書に記載された原理に基づく方法を実行することができる。本開示は、特定の実施形態および実施例との関連において提供されてきた。しかし、本開示は、具体的に開示されている実施形態を超えて、他の代替的実施形態および/または使用、ならびに、その明白な変更および均等物にも及ぶことを、当業者ならば理解するであろう。したがって、本開示は、本明細書の実施形態の特定の記載によって限定されることを意図していない。例えば、本明細書で開示された方法を実施するように、任意のデジタルコンピュータシステムを構成することができるし、あるいは他のやり方でプログラム化することもできる。そして、特定のデジタルコンピュータシステムがこのような方法を実施するように構成されている範囲までが、本開示の範囲および趣旨に包含される。デジタルコンピュータシステムをプログラム化し、本明細書で開示されている方法を実施するプログラムソフトウェアに由来するコンピュータ実行可能命令に従って、特定の機能を実行させると、当該デジタルコンピュータシステムは、本明細書に開示されている方法の実施形態に特有な特別な目的を有するコンピュータに、事実上はなる。これを達成するために必要な技術は、当業者に周知であり、したがって本明細書ではこれ以上説明しない。本明細書に開示されている方法および/またはプロセスを、コンピュータプログラム製品として実施してもよい(例えば、情報媒体に有形に具現化されているコンピュータプログラムなど)。ここで言う情報媒体とは、例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶装置および/または非一時的な機械可読記憶装置および/または伝搬信号である。このプログラムにより、データ処理装置を動作させたり、データ処理装置の動作を制御したりする(データ処理装置とは、例えば、1つ以上のプログラマブル・プロセッサおよび/または1つ以上のコンピュータなどである)。「非一時的コンピュータ可読記憶装置」および「非一時的機械可読記憶装置」という用語には、配布媒体、中間記憶媒体、コンピュータの実行メモリ、および、本明細書で開示される方法の実施形態を実施するコンピュータプログラムによって後で読み取られるために記憶できる任意の他の媒体または装置が包含されている。コンピュータプログラム製品は、1つのコンピュータ上もしくは位置地点にある複数のコンピュータ上で実行されるように配置してもよいし、あるいは、複数の地点に配置し通信ネットワークによって相互接続するように配置してもよい。
【0200】
これらのコンピュータ可読プログラム命令を、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、または他のプログラム化可能なデータ処理装置のプロセッサに提供してもよい。このとき、上記命令(コンピュータのプロセッサまたは他のプログラム可能データ処理装置によって実行される)が、フローチャートおよび/またはブロック図の(1または複数の)ブロックで特定されている機能/動作を実施するための手段を創出するように、機械が製造される。また、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置および/または他の装置を特定の仕方で機能させることができるように、これらのコンピュータ可読プログラム命令をコンピュータ可読記憶媒体に格納させてもよい。このとき、内部に格納されている命令を有しているコンピュータ可読記憶媒体には、フローチャートおよび/またはブロック図の(1または複数の)ブロックで特定されている機能/動作の態様を実施する命令を有している製造品も含まれている。
【0201】
また、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置または他の装置に、コンピュータ可読プログラム命令をロードして、当該コンピュータ、他のプログラム可能装置または他の装置に一連の動作ステップを実施させ、コンピュータに実施されるプロセスを実行させてもよい。これにより、コンピュータ、他のプログラム化が可能な装置または他の装置で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図の(1または複数の)ブロックで特定されている機能/動作を実施する。
【0202】
「エンジン」という用語は、1つ以上のコンピュータ・モジュールを包含する場合がある。このモジュールは、より大きなシステムと相互接続している、自己完結型のハードウェアおよび/またはソフトウェア要素であってよい(Alan Freedman, The Computer Glossary 268, (8th ed. 1998))。モジュールは、命令を実行可能な(1または複数の)機械を備えていてもよい。モジュールは、本明細書で開示されている方法、プロセスおよび/または動作をシステムに実施させるようにプログラムされている、回路またはコントローラによって具現化されていてもよい。例えば、モジュールは、ハードウェア回路として実装されていてもよい(例えば、カスタムVLSI回路またはゲートアレイ、市販の半導体(ロジックチップなど)、トランジスタ、または他の個別部品など)。モジュールは、プログラマブルハードウェア装置において実施してもよい(フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ、プログラマブル論理アレイ、プログラマブル論理デバイスなど)。
【0203】
別段の記載がない限り、本明細書において、本発明の実施形態の1または複数の特徴の、状態または関係の特徴点を修飾している形容詞(「実質的に」および「約/ほぼ(about)」など)は、「当該実施形態の意図されている用途での実行が可能な許容範囲内において、当該状態または特徴点が定義されている」ことを意味していると理解されたい。
【0204】
用語「動作可能に連結されている(operably coupled)」は、「応答的に連結されている(responsively coupled)」、「通信可能に連結されている(communicably coupled)」などの用語の意味を包含する場合がある。
【0205】
別段の記載がない限り、明細書および特許請求の範囲における「または」という単語は、排他的な「または」ではなく包括的な「または」であると見做され、「または」が結合している項目の1つ以上(または任意の組み合わせ)を示している。
【0206】
平明のために別々の実施形態または実施例との関連において説明されている本発明の特定の特徴を、組み合わせて単一の実施形態で提供してもよいことが理解される。逆に、簡明のために単一の実施形態との関連において説明されている本発明の種々の特徴を、別々のまたは任意の適切なサブコンビネーションにおいて(あるいは、適当であるならば、本発明に説明されている任意の他の実施形態において)提供してもよい。種々の実施形態に関連して説明されている特定の特徴は、当該実施形態がそれらの要素なしでは動作できなくならない限り、当該実施形態の本質的な特徴である見なすべきではない。
【0207】
本明細書で論じられている方法は、その図または対応する説明に限定されないことに留意することが重要である。例えば、上記方法は、図に記載されているものと比較して、追加のプロセスまたは動作を含んでもよいし、より少ないプロセスまたは動作を含んでもよい。さらに、上記方法の実施形態は、本明細書に図示および記載される通りの時系列には、必ずしも限定される訳ではない。
【0208】
「処理する(processing)」、「コンピュータで処理する(computing)」、「計算する(calculating)」、「決定する/判定する(determining)」、「確立する(establishing)」、「分析する(analyzing)」、「確認する(checking)」、「推定する(estimating)」、「導出する(deriving)」などの用語を使用する本明細書の説明は、コンピュータ、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングシステム、または他の電子コンピューティング装置の、(1または複数の)動作および/または(1または複数の)プロセスを指す場合がある。ここで、このコンピュータなどは、当該コンピュータのレジスタおよび/またはメモリ内にある物理量(電子など)を表すデータを、操作および/または変換して、当該コンピュータのレジスタおよび/またはメモリもしくは他の情報記憶媒体内で同様に物理量として表される他のデータにする。このレジスタなどは、動作および/または処理を実行するための命令を格納するものであってもよい。「決定する/判定する」および「推定する」という用語は、それぞれ、「ヒューリスティックに決定する」および「ヒューリスティックに推定する」を表す場合もある。
【0209】
本出願全体を通して、本発明の種々の実施形態を、範囲の形式で表現する場合がある。範囲の形式の説明は単に利便性と簡略化のみを目的とし、本発明の範囲に関する変更不可能な限定と見做すべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、当該範囲内の個別の数値に加えて、全ての可能な副範囲が具体的に開示されていると見做すべきである。一例として、例えば1~6の範囲に関する説明は、副範囲(1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6など)と、当該範囲内の個別の数字(例えば、1、2、3、4、5および6)とを、具体的に開示しているものと見做すべきである。このことは、範囲幅の大きさに関わらず適用される。
【0210】
本書で数値範囲が示された場合は必ず、示された範囲内の任意の引用数値(分数または整数)も含むことを意味している。「第1の示された数字と第2の示された数字との間の範囲("ranging/ranges between" a first indicate number and a second indicate number)」という表現、および、「第1の示された数字から第2の示された数字までの間の範囲("ranging/ranges from" a first indicate number "to" a second indicate number)」という表現は、本明細書では交換可能に使用する。これらの表現は、第1の示された数字、第2の示された数字、ならびにこれらの間の全ての分数および整数を含むことを意味する。
【0211】
限定された数の実施形態に関して本発明を説明してきた。しかし、これらの実施形態は、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではなく、むしろ、実施形態のいくつかを例示しているものと解釈すべきである。
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