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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】頭皮用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20221003BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20221003BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20221003BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20221003BHJP
   A61K 8/9794 20170101ALI20221003BHJP
【FI】
A61K8/31
A61Q19/00
A61Q5/12
A61K8/9789
A61K8/9794
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018001697
(22)【出願日】2018-01-10
(65)【公開番号】P2019119718
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】592255176
【氏名又は名称】株式会社ミルボン
(74)【代理人】
【識別番号】100078064
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 鐵雄
(74)【代理人】
【識別番号】100115901
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 英樹
(72)【発明者】
【氏名】花手 愛夏
(72)【発明者】
【氏名】松本 洋平
(72)【発明者】
【氏名】山中 良介
(72)【発明者】
【氏名】平 夏樹
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-095849(JP,A)
【文献】特開2009-067781(JP,A)
【文献】特開2006-169175(JP,A)
【文献】特開2015-089869(JP,A)
【文献】特開2007-302575(JP,A)
【文献】米国特許第05407675(US,A)
【文献】特表2009-545584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)スクワラン、並びに
(B)アンズ核油およびコメヌカ油のうちの少なくとも一方が配合されており、
上記(A)の配合量aが50質量%以下、上記(B)の配合量bが30~80質量%であり、かつ上記aと上記bとの比a/bが2.0以下であり、
頭皮および毛髪に塗布して使用され、適用後に頭皮のマッサージが行われ、その後に洗い流されるものであることを特徴とする頭皮用組成物。
【請求項2】
上記(A)の配合量aと上記(B)の配合量bとの合計が、50質量%以上である請求項1に記載の頭皮用組成物。
【請求項3】
上記(A)の配合量aが5質量%以上である請求項1または2に記載の頭皮用組成物。
【請求項4】
上記(B)としてコメヌカ油が配合されており、その配合量b2が45質量%以下である請求項3に記載の頭皮用組成物。
【請求項5】
上記(B)としてアンズ核油およびコメヌカ油の両者が配合されている請求項4に記載の頭皮用組成物。
【請求項6】
上記(A)の配合量aとアンズ核油の配合量b1との合計が、30質量%以上である請求項5に記載の頭皮用組成物。
【請求項7】
アンズ核油の配合量b1とコメヌカ油の配合量b2との比b1/b2が、20以下である請求項5または6に記載の頭皮用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭皮をマッサージする際の操作性を高め得ると共に、シャンプーで洗浄し洗い流したときの毛髪の指通りを良好にし得る頭皮用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、頭皮の状態改善を目的とした頭皮用の化粧料が種々開発されており、例えば、コメヌカ油を配合したものが知られている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-302575号公報
【文献】特開2016-69353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
頭皮用の化粧料を用いた頭皮の状態改善方法として、例えば、化粧料を塗布した頭皮を指でマッサージし、その後にシャンプーを用いて毛髪を含めた頭皮を洗浄する方法がある。ところが、頭皮のマッサージの際に毛髪が指に絡むと、マッサージがし難くなる。よって、このような方法で使用される頭皮用の化粧料においては、マッサージの際に毛髪が指に絡まないように、毛髪の指通りを良くするといった、頭皮マッサージの操作性を高める機能を有していることが好ましい。
【0005】
また、上記のような方法で使用される頭皮用の化粧料には、頭皮のマッサージ後に頭皮および毛髪から洗い流す際に、毛髪の指への絡まりなどを抑制するために、毛髪の指通りを良好にする機能も有していることが好ましい。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、頭皮をマッサージする際の操作性を高め得ると共に、かつシャンプーで洗浄し洗い流したときの毛髪の指通りを良好にし得る頭皮用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成し得た本発明の頭皮用組成物は、(A)スクワラン、並びに(B)アンズ核油およびコメヌカ油のうちの少なくとも一方が配合されており、上記(A)の配合量aが50質量%以下、上記(B)の配合量bが30~80質量%であり、かつ上記aと上記bとの比a/bが2.0以下であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、頭皮をマッサージする際の操作性を高め得ると共に、かつシャンプーで洗浄し洗い流したときの毛髪の指通りを良好にし得る頭皮用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の頭皮用組成物においては、(A)スクワランと、(B)アンズ核油およびコメヌカ油のうちの少なくとも一方とを配合し、頭皮用組成物における(A)および(B)の配合量を特定した上で、(A)の配合量と(B)の配合量との比率を調整した。これにより、本発明の頭皮用組成物は、頭皮に塗布した際に、マッサージを行うのに適度な量を頭皮に付着でき、マッサージの際に毛髪の指通りを良好にできることから、頭皮マッサージの操作性を高めることが可能であり、また、シャンプーで洗浄し洗い流したときの毛髪の指通りを良好にすることができる。
【0010】
以下には、本発明の実施形態に基づいて、本発明を説明する。
【0011】
本実施形態に係る頭皮用組成物において、(A)成分であるスクワランは、50質量%以下の配合量で配合させる。頭皮用組成物における(A)成分の配合量aは、頭皮用組成物を用いてマッサージした後の頭皮および毛髪をシャンプーで洗浄して水で洗い流し、その後にトリートメント剤を用いて処理してから水で洗い流して乾燥した時の毛髪の指通り(以下、「仕上がり時の毛髪の指通り」という)をより高める観点から、40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましい。
【0012】
また、頭皮用組成物中の(A)成分の量が少なすぎると、頭皮用組成物を用いてマッサージした後の頭皮および毛髪をシャンプーで洗浄して水で洗い流した際の毛髪(以下、単に「洗い流した際の毛髪」という)の指通りが低下する傾向にある。よって、洗い流した際の毛髪の指通りをより良好にする観点から、本実施形態に係る頭皮用組成物における(A)成分の配合量aは、5質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。
【0013】
本実施形態に係る頭皮用組成物には、(B)成分として、アンズ核油およびコメヌカ油のうちの少なくとも一方が配合されていればよいが、頭皮マッサージの操作性、洗い流した際の毛髪の指通り、並びに仕上がり時の毛髪の指通りのいずれもがより向上することから、アンズ核油およびコメヌカ油の両者が配合されていることがより好ましい。
【0014】
本実施形態に係る頭皮用組成物における(B)成分の配合量b〔(B)成分としてアンズ核油およびコメヌカ油のいずれか一方が配合されている場合はその量であり、両者が配合されている場合はそれらの合計量である。以下同じ。〕は、頭皮マッサージの操作性、および洗い流した際の毛髪の指通りを良好にする観点から、30質量%以上80質量%以下である。なお、仕上がり時の毛髪の指通りをより良好にする観点からは、本実施形態に係る頭皮用組成物における(B)成分の配合量bは、40質量%以上であることが好ましく、また、65質量%以下であることが好ましい。
【0015】
更に、本実施形態に係る頭髪用組成物においては、頭皮マッサージの操作性と、洗い流した際の毛髪の指通りとを良好にする観点から、(A)成分の配合量aと(B)成分の配合量bとの比a/bが、2.0以下である。なお、仕上がり時の毛髪の指通りをより良好にする観点からは、比a/bは、1.2以下であることが好ましく、1.0以下であることがより好ましく、0.8以下であることが更に好ましく、また、0.2以上であることが好ましく、0.3以上であることがより好ましく、0.4以上であることが更に好ましい。
【0016】
また、本実施形態に係る頭皮用組成物において、(A)成分の配合量aと(B)成分の配合量bとの合計は、50質量%以上であることが良く、60質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。なお、本実施形態に係る頭皮用組成物における(A)成分の配合量aと(B)成分の配合量bとの合計は100質量%でもよいが、他の成分(詳しくは後述する)を配合して、その機能を発揮させる場合には、例えば90質量%以下とすればよい。
【0017】
なお、コメヌカ油は融点が比較的高いため、(B)成分としてコメヌカ油を多量に配合した頭皮用組成物では、低温(例えば-2℃以下)下に置かれると、白濁するなど、コメヌカ油が析出する虞がある。よって、(B)成分としてコメヌカ油を使用する場合には、その配合量b2を45質量%以下に抑えることが好ましく、40質量%以下に抑えることがより好ましい。これにより、頭皮用組成物の低温安定性を高めることができる。
【0018】
また、(B)成分としてコメヌカ油を使用する場合、アンズ核油も併用し、かつ(A)成分であるスクワランの配合量aとアンズ核油の配合量b1との合計を、30質量%以上とすることが好ましく、40質量%以上とすることがより好ましく、45質量%以上とすることが更に好ましい。スクワランとアンズ核油とはコメヌカ油の溶媒として機能するため、スクワランとアンズ核油との合計配合量を上記のようにすることで、低温(例えば-2℃以下)下でのコメヌカ油の析出を良好に抑制して、頭皮用組成物の低温安定性を高めることができる。
【0019】
そして、本実施形態に係る頭皮用組成物において、(A)成分の配合量aとアンズ核油の配合量b1との合計を30質量%以上(より好ましくは40質量%以上)とし、かつコメヌカ油の配合量b2を45質量%以下とすることで、低温下でのコメヌカ油の析出を更に良好に抑制して、低温安定性をより高めることができる。
【0020】
また、(B)成分としてアンズ核油とコメヌカ油とを併用する場合には、アンズ核油の配合量b1とコメヌカ油の配合量b2との比b1/b2は、20以下であることが好ましく、仕上がり時の毛髪の指通りをより高める観点からは、5以下であることがより好ましく、3以下であることが更に好ましい。
【0021】
本実施形態に係る頭皮用組成物は、上記の通り、(A)成分および(B)成分のみで構成してもよいが、他の添加成分を配合することもできる。このような添加成分としては、ノニオン界面活性剤、高級アルコール、多価アルコール、糖類、エステル油、油脂、液状脂肪酸、炭化水素、シリコーン、高分子化合物、動植物抽出物、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、水など〔ただし、(A)成分および(B)成分に該当するものは除く〕が挙げられる。
【0022】
ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。頭皮用組成物にノニオン界面活性剤を配合する場合の配合量は、例えば1質量%以下である。
【0023】
エステル油の具体例としては、ミリスチン酸イソプロピルなどの直鎖脂肪酸と低級アルコールとのエステル、カプリル酸セチルなどの直鎖脂肪酸と直鎖高級アルコールとのエステル、パルミチン酸2-エチルヘキシルなどの直鎖脂肪酸と分枝アルコールとのエステル、イソステアリン酸イソプロピルなどの分枝脂肪酸と低級アルコールとのエステル、エチルヘキサン酸セチルなどの分枝脂肪酸と直鎖高級アルコールとのエステル、ジカプリル酸プロピレングリコールなどの脂肪酸と多価アルコールとのエステル、イソノナン酸2-エチルヘキシルなどの分枝脂肪酸と分枝アルコールとのエステルなどが挙げられる。頭皮用組成物にエステル油を配合する場合の配合量は、例えば5質量%以上15質量%以下である。
【0024】
頭皮用組成物に水を配合する場合の配合量は、例えば1質量%以下である。
【0025】
本実施形態に係る頭皮用組成物の25℃での粘度は、例えば、10~500mPa・sである。ここでいう頭皮用組成物の粘度は、レオメーター〔例えば、HAAKE社製のレオメーター「Rheo Stress 6000(商品名)〕を使用し、測定温度:25℃、コーンプレートセンサーの直径:35mm、コーンプレートセンサーの傾斜角:2°せん断速度dγ/dt:10s-1の条件で、定常フローカーブモードにおいて測定される値である。
【0026】
本実施形態に係る頭皮用組成物の剤型は、頭皮のマッサージがより行いやすくなることから、液状であることが好ましい。
【0027】
本実施形態に係る頭皮用組成物は、例えば、適量を手に取って濡れた状態の頭皮および毛髪に塗布して頭皮のマッサージを行う方法によって使用できる。マッサージ後の頭皮および毛髪は、シャンプーを用いて洗浄し、水で洗い流した後に乾燥して仕上げればよい。
【実施例
【0028】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。なお、以下の表1~表3に記載する頭皮用組成物の各構成成分の配合量は質量部であるが、その質量部の表示を省略し、配合量を表す数値のみで表示する。
【0029】
実施例1~3および比較例1~3
表1に示す組成で実施例1~3および比較例1~3の頭皮用組成物を調製した。実施例1~3および比較例1~3の頭皮用組成物は、いずれも常温で透明の液状であった。また、これらの頭皮用組成物は、いずれも25℃の粘度が、10~500mPa・sの範囲内に収まっていた。
【0030】
実施例1~3および比較例1~3の頭皮用組成物について、以下の手順で評価を行った。長さ20cmにそろえた女性の毛髪を集めた毛束(5g)を複数用意した。各毛束を水で濡らした後、実施例1~3および比較例1~3の頭皮用組成物各0.5gを、それぞれ別の毛束に塗布し、頭皮マッサージの際の操作性として、毛髪の指通り(毛髪が指に絡まないか否か)を評価した。
【0031】
その後の各毛束を、アニオン界面活性剤13質量%、カチオン化セルロース0.4質量%を含む液状シャンプーを用いて洗浄してから水で洗い流す操作を2回繰り返した。そして、2回目の水で洗い流したときの毛髪の指通りを評価した。
【0032】
その後の各毛束に、カチオン界面活性剤1.4質量%、高級アルコール5.7質量%を含むクリーム状トリートメントを塗布してから水で洗い流し、乾燥させて、仕上がり時の毛髪の指通りを評価した。
【0033】
各評価は4名の評価者のそれぞれが行い、下記の基準に従ってクラス分けを行った。○○、○および△の評価のものが、良好であるといえる。
○○ : 4名の評価者の全員が良いと評価。
○ : 3名の評価者が良いと評価。
△ : 2名の評価者が良いと評価。
× : 3名の評価者が悪いと評価。
×× : 4名の評価者の全員が悪いと評価。
【0034】
上記の評価結果を表1に併記する。
【0035】
【表1】
【0036】
表1に示す通り、(A)成分および(B)成分を適正な量で配合し、(A)成分の配合量と(B)成分の配合量との比a/bも適正な実施例1~3の頭皮用組成物は、頭皮マッサージの際の操作性、および洗い流した際の毛髪の指通りのいずれもが良好であった。また、(B)成分としてアンズ核油およびコメヌカ油の両方を配合し、かつ(A)成分の配合量をより良好な値とした実施例2の頭皮用組成物は、仕上がり時の毛髪の指通りも良好であった。
【0037】
これに対し、(A)成分を配合しなかった比較例1の組成物、および比a/bが大きすぎる比較例2、3の組成物では、洗い流した際の毛髪の指通りが劣っていた。
【0038】
実施例4~8
表2に示す組成で実施例4~8の頭皮用組成物を調製した。実施例4~8の頭皮用組成物は、いずれも常温で透明の液状であった。また、これらの頭皮用組成物は、いずれも25℃の粘度が、10~500mPa・sの範囲内に収まっていた。
【0039】
実施例4~8の頭皮用組成物を使用し、実施例1などの頭皮用組成物の場合と同じ手順で毛束を処理して、頭皮マッサージの際の操作性、洗い流した際の毛髪の指通り、および仕上がり時の毛髪の指通りを評価した。これらの結果を表2に併記する。また、表2には、実施例2の頭皮用組成物の組成および評価結果も併せて示す。
【0040】
【表2】
【0041】
表2に示す通り、実施例4~8の頭皮用組成物は、実施例2の組成物と同様に、頭皮マッサージの際の操作性、および洗い流した際の毛髪の指通りのいずれもが良好であり、また、仕上がり時の毛髪の指通りも良好であった。また、(B)成分に関して、アンズ核油およびコメヌカ油の両方を配合した実施例5~7の組成物(更には実施例2の組成物)は、アンズ核油のみを配合した実施例4の組成物およびコメヌカ油のみを配合した実施例8の組成物よりも、洗い流した際の毛髪の指通りが優れており、これらの中でも、アンズ核油の配合量b1とコメヌカ油の配合量b2との比b1/b2の値が好適な実施例6、7(更には実施例2)の組成物は、仕上がり時の毛髪の指通りも特に優れていた。
【0042】
実施例9、10
表3に示す組成で実施例9、10の頭皮用組成物を調製した。実施例9、10の頭皮用組成物は、いずれも常温で透明の液状であった。また、これらの頭皮用組成物は、いずれも25℃の粘度が、10~500mPa・sの範囲内に収まっていた。
【0043】
実施例9、10の頭皮用組成物を使用し、実施例1の頭皮用組成物などの場合と同じ手順で毛束を処理した。そして、そのときの頭皮マッサージの際の操作性、洗い流した際の毛髪の指通り、および仕上がり時の毛髪の指通りを評価した。ただし、評価は5名の評価者のそれぞれが行い、下記の基準に従ってクラス分けを行った。○○および○の評価のものが、良好であるといえる。
○○ : 5名の評価者の全員が良いと評価。
○ : 3名または4名の評価者が良いと評価。
× : 3名または4名の評価者が悪いと評価。
×× : 5名の評価者の全員が悪いと評価。
【0044】
上記の評価結果を表3に併記する。
【0045】
【表3】
【0046】
表3に示す通り、(A)成分および(B)成分を適正な量で配合し、(A)成分の配合量と(B)成分の配合量との比a/bも適正な実施例9、10の頭皮用組成物は、頭皮マッサージの際の操作性、および洗い流した際の毛髪の指通りのいずれもが良好であった。また、(A)成分の配合量がより好適な実施例9の頭皮用組成物は、仕上がり時の毛髪の指通りも良好であった。