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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】ロウの精製のための方法
(51)【国際特許分類】
   C11B 3/00 20060101AFI20221003BHJP
   A23L 5/00 20160101ALN20221003BHJP
【FI】
C11B3/00
A23L5/00 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017548218
(86)(22)【出願日】2016-03-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-04-19
(86)【国際出願番号】 IN2016000060
(87)【国際公開番号】W WO2016142953
(87)【国際公開日】2016-09-15
【審査請求日】2018-12-19
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-30
(31)【優先権主張番号】780/MUM/2015
(32)【優先日】2015-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】201621007004
(32)【優先日】2016-02-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】517316535
【氏名又は名称】プラジ インダストリーズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PRAJ INDUSTRIES LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】クカーニー, マンゲシュ ガネシュ
【合議体】
【審判長】蔵野 雅昭
【審判官】瀬下 浩一
【審判官】門前 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-292987(JP,A)
【文献】特開昭60-188305(JP,A)
【文献】特開2006-274247(JP,A)
【文献】特開2013-107827(JP,A)
【文献】特開平7-11285(JP,A)
【文献】特開平6-200289(JP,A)
【文献】特表2001-521562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11B 1/00-15/00
C11C 1/00- 5/02
A23L 5/00-29/10
A23D 7/00- 9/06
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粗米糠又はヒマワリロウを精製する方法であって、
a) 前記ロウを無水エタノールと混合して混合物を形成する混合工程と、
b) 所望の時間、前記混合物を還流して前記ロウを溶解する還流工程と、
c) 所望の時間、前記混合物を静置する静置工程と、
d) 未溶解物質を液体画分から分離する分離工程と、
e) 前記液体画分を冷却して結晶化ロウ画分を形成させる冷却工程と、
f) ろ過によって前記結晶化ロウ画分を除去する除去工程と、
g) 無水エタノールによって前記結晶化ロウ画分を洗浄する洗浄工程と、
h) 前記未溶解物質に対して前記工程(a)から(g)を最高4回繰り返して残留するロウを抽出する繰り返し工程と、
i) 前記結晶化ロウ画分を収集して、減圧下で乾燥させて最終産物を形成させる収集乾燥工程と、
を有する方法。
【請求項2】
前記還流工程は、少なくとも1時間実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記還流工程は、75℃で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記液体画分は、1時間で10℃に段階的に冷却される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記結晶化ロウ画分は、減圧ろ過によってろ過される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ロウは、オイルを10重量%~50重量%含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記最終産物は、必要に応じて、酸化剤を使用して脱色される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記最終産物は、真空乾燥により鮮明な白色から淡黄色の色合いである、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精製溶媒としてアルコールを用いた粗米糠及びヒマワリロウの精製のための方法に関するものであり、特に、経済的に有益な高純度ロウ製品への粗米糠及びヒマワリロウの効率的且つ経済的精製のための上記溶媒としてエタノールの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
米は、世界において最も重要な穀物の1つであり、インドは、二番目に大きな生産地である。米糠は、精米産業の有益な副産物である。それは、有益な製品として食用米糠オイルを作るために近年使われている。糠は、約12%~25%のオイル成分を含んでいる。オイル以外に、糠は、米糠ロウと呼ばれるロウ状物質も約5%含んでおり、米糠オイル精製工程の副産物でもある。粗ロウは、利用価値が幾分低いが、ある程度の水準まで精製されていれば、化粧品及び食料品に用いられる有益な製品となる。
【0003】
化学的には、米糠ロウは、長鎖脂肪酸[C-22からC-26]及び長鎖脂肪族アルコール[C-26からC-30]の飽和モノエステルで形成された雑多なものである。精砕又は精製すると、ロウは、約78℃から82℃の融点、約70から120ユニットの鹸化価及び約4から10ユニットのヨウ素価といった物理的特性を有する比較的同種の混合物になる。
【0004】
そして、この精製された米糠ロウは、革の研磨、クレヨン、ロウソク、靴クリーム、紙加工、カーボン紙、潤滑油などの多くの工業用途に利用されている。他の主要な用途は、チョコレートのコーティング、植物のコーティング及び果実を保存するためのロウ乳濁液といった食品産業である。更には、タブレット、軟膏、坐薬といった医薬製品や、保湿ローション、口紅、スキンクリームといった美容製品で用いられる。
【0005】
先行技術において、米糠ロウを精製又は精砕する方法の1つは、可能な限り最大限の油圧によって圧縮することによってそれから残油を除去して、水とイソブタノール又はイソプロパノールのような溶媒との中でそれを抽出することである。しかしながら、これらの抽出は、イソブタノールを再利用するコストが高かったり、工程中のイソプロパノールが高価であったりして、工程の効率が制限されている。粗米糠ロウがオイルの他に約10%~20%の樹脂性物質を含むため、その精製は、その価値及び適用性を非常に高める。本開示の発明は、粗米糠ロウからの高純度ロウの新規な精製方法に関する。
【0006】
本発明の簡潔な要約
本開示は、粗米糠ロウを精製する方法であって、
前記ロウをエタノールと混合して混合物を形成する混合工程と、
所望の時間、前記混合物を還流して前記ロウを溶解する還流工程と、
所望の時間、前記混合物を静置する静置工程と、
未溶解物質を液体画分から分離する分離工程と、
前記液体画分を冷却して結晶化ロウを形成させる冷却工程と、
ろ過によって前記結晶化ロウを除去する除去工程と、
エタノールによって前記結晶化ロウを洗浄する洗浄工程と、
前記未溶解物質に対して前記工程を最高4回繰り返して残留するロウを抽出する繰り返し工程と、
前記結晶化ロウを収集して減圧下で乾燥させて、物理的及び化学特性が一貫した特徴を有する精製された米糠ロウである最終産物を形成させる収集乾燥工程と、
を有する、方法を提供する。
【0007】
本開示は、粗ヒマワリロウを精製する方法であって、
前記ロウをエタノールと混合して混合物を形成する混合工程と、
所望の時間、前記混合物を還流して前記ロウを溶解する還流工程と、
所望の時間、前記混合物を静置する静置工程と、
未溶解物質を液体画分から分離する分離工程と、
前記液体画分を冷却して結晶化ロウを形成させる冷却工程と、
ろ過によって前記結晶化ロウを除去する除去工程と、
エタノールによって前記結晶化ロウを洗浄する洗浄工程と、
前記未溶解物質に対して前記工程を最高3回繰り返して残留するロウを抽出する繰り返し工程と、
前記結晶化ロウを収集して減圧下で乾燥させて、物理的及び化学特性が一貫した特徴を有する精製された粗ヒマワリロウである最終産物を形成させる収集乾燥工程と、
を有する、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の詳細な説明
本発明の実施形態において、米糠オイルを精製する工程での副産物として得られる粗米糠ロウを、無水エタノールに溶解する。第一ステップにおいて、約5部のエタノールと1部のロウを、約1時間、還流容器中において約75℃で還流し、エタノールに米糠ロウを溶解させて、混合物における未溶解の樹脂性不純物を除く。粗精製物中に存在するオイルは、エタノールに溶解している。混合物を還流した後、液体画分を別の容器に移して、ロウを室温に冷却して溶液から結晶化させる。次に、固体ロウを減圧下でのろ過によって除去し、エタノールを用いて1回洗浄し、必要に応じて、酸化剤を用いて脱色し、融点温度及び純度といった物理的及び化学特性が一貫した白色から淡黄色の精製された固体の米糠ロウを得るために乾燥させる。得られた樹脂性物質を、必要に応じて、最高4回、エタノールで還流して残留するロウを更に回収する。平均して、粗米糠ロウは、本願明細書に開示される工程の副産物として得られるオイルを最高で50%含む。更に、残りの樹脂性物質は、粗ロウ状物質であってもよい。
【0009】
本発明の別の実施形態において、ヒマワリオイルを精製する工程での副産物として得られる粗ヒマワリロウを、無水エタノールに溶解する。第一ステップにおいて、約5部のエタノールと1部のロウを、約1時間、還流容器中において約75℃で還流し、エタノールに上記ロウを溶解させて、混合物における未溶解の不純物を除く。粗精製物中に存在するオイルは、エタノールに溶解している。混合物を還流した後、液体画分を別の容器に移して、ロウを室温に冷却して溶液から結晶化させる。次に、固体ロウを減圧下でのろ過によって除去し、エタノールを用いて1回洗浄し、必要に応じて、酸化剤を用いて脱色し、融点温度及び純度といった物理的及び化学特性が一貫した白色から淡黄色の精製された固体のヒマワリロウを得るために乾燥させる。得られた不純物/残留物を、必要に応じて、最高3回、エタノールで還流して残留するロウを更に回収する。平均して、粗ヒマワリロウは、本願明細書に開示される工程の副産物として得られるオイルを最高で40%含む。更に、残りの残留物は、粗ロウ状物質であってもよい。
【0010】
本発明の別の実施形態において、粗米糠又はヒマワリロウを還流するための溶媒として使用するエタノールは、容量当り少なくとも純度99%のエタノール又は無水エタノールである。エタノール中の水の存在は、エタノール中のロウの溶解度を低下させるため、99%未満のエタノール純度の低下は、精製された上記ロウの最終収量を大幅に低下させる。
【0011】
本発明の更に別の実施形態において、上記ロウ及びエタノールの混合物の還流を、溶媒の減少を防止する効果的な凝縮器を用いて温度約75℃で最低1時間実行する。
【0012】
本発明の別の実施形態において、前記精製されたロウは、その融点温度、テクスチャー、色彩などのロウの固有の特徴を必要とする医薬又は美容製品の調製に用いられる。
【0013】
開示した工程の利点
・ 開示した工程は、2つの容器で簡単に実行できるため、大量用途にスケールアップすることができる。
・ 回収の工程は、工程が単純なため容易且つ効率的である。
・ 開示した工程は、初期の頃の工程と比較して実質的に経済的である。
・ エタノールは、簡単な前処理後に上記工程で再利用される。
【実施例
【0014】
以下に示す実施例は、当業者が理解し得るバリエーションに関してどのような制限もない本発明の広範囲な有用性を提供する。様々な実験結果の非制限的な概要を、実施例において提供して、本願明細書に開示される工程の有利且つ新規の態様を証明する。
【0015】
実施例1
オイル及び樹脂性物質の不純物を含む約100gの粗米糠ロウを、約500mLのエタノール[容量当り純度99.9%]と共に還流容器に入れて混合物を形成した。次に、上記混合物を約75℃で約1時間還流してロウ部分を溶解し、室温で約30分間静置して反応器の底に樹脂性物質を沈殿させた。次に、大部分のロウ及びオイルを含む一番上の液体画分を容器に移して回収した。未溶解の樹脂性物質に対して、繰り返す毎にエタノールを400mL、300mL及び200mLと低下させる上記還流工程を再び行って、あらゆる未溶解のロウを除去した。各工程後の液体画分を回収して集めた。次に、上記液体画分のプールを10℃で1時間で冷却して、溶解したロウを静置して、オイル及び他の不純物から結晶化させて、減圧ろ過によって分離した。上記結晶化ロウを、約100mLのエタノールで一回洗浄して、減圧下で乾燥させて、最終ロウ製品[精製された米糠ロウ]を形成させた。これらの工程によって、白色から淡黄色の色合いの、酸価が約6.5ユニット、鹸化価が約84ユニット、そしてヨウ素価が約16ユニットの高純度の最終ロウ製品を約36g得た。更に、約40gのオイル及び約22gの固体の樹脂性物質が副産物として回収された。
【0016】
実施例2
オイル及び樹脂性物質の不純物を含む約100gの粗米糠ロウを、約500mLのエタノール[容量当り純度98%]と共に還流容器に入れて混合物を形成した。次に、上記混合物を約75℃で約1時間還流してロウ部分を溶解し、室温で約30分間静置して反応器の底に樹脂性物質を沈殿させた。次に、大部分のロウ及びオイルを含む一番上の液体画分を容器に移して回収した。未溶解の樹脂性物質に対して、繰り返す毎にエタノールを400mL、300mL及び200mLと低下させる上記還流工程を再び行って、あらゆる未溶解のロウを除去した。各工程後の液体画分を回収して集めた。次に、上記液体画分のプールを10℃で1時間で冷却して、溶解したロウを静置して、オイル及び他の不純物から結晶化させて、減圧ろ過によって分離した。上記結晶化ロウを、約100mLのエタノールで一回洗浄して、減圧下で乾燥させて、最終ロウ製品[精製された米糠ロウ]を形成させた。これらの工程によって、白色から淡黄色の色合いの、酸価が約7ユニット、鹸化価が約82ユニット、そしてヨウ素価が約15ユニットの高純度の最終ロウ製品を約18g得た。更に、約39gのオイル及び約41gの固体の樹脂性物質が副産物として回収された。
【0017】
実施例3
オイル及び樹脂性物質の不純物を含む約100gの粗米糠ロウを、約500mLのエタノール[容量当り純度95%]と共に還流容器に入れて混合物を形成した。次に、上記混合物を約75℃で約1時間還流してロウ部分を溶解し、室温で約30分間静置して反応器の底に樹脂性物質を沈殿させた。次に、大部分のロウ及びオイルを含む一番上の液体画分を容器に移して回収した。未溶解の樹脂性物質に対して、繰り返す毎にエタノールを400mL、300mL及び200mLと低下させる上記還流工程を再び行って、あらゆる未溶解のロウを除去した。各工程後の液体画分を回収して集めた。次に、上記液体画分のプールを10℃で1時間で冷却して、溶解したロウを静置して、オイル及び他の不純物から結晶化させて、減圧ろ過によって分離した。上記結晶化ロウを、約100mLのエタノールで一回洗浄して、減圧下で乾燥させて、最終ロウ製品[精製された米糠ロウ]を形成させた。これらの工程によって、白色から淡黄色の色合いの、酸価が約7.5ユニット、鹸化価が約83ユニット、そしてヨウ素価が約23ユニットの高純度の最終ロウ製品を約12g得た。更に、約34gのオイル及び約50gの固体の樹脂性物質が副産物として回収された。
【0018】
実施例4
残留オイル不純物を含む約100gの粗ヒマワリロウを、約500mLのエタノール[容量当り純度99.9%]と共に還流容器に入れて混合物を形成した。次に、上記混合物を約75℃で約1時間還流してロウ部分を溶解し、室温で約30分間静置して反応器の底に樹脂性物質を沈殿させた。次に、大部分のロウ及びオイルを含む一番上の液体画分を容器に移して回収した。不純物と未溶解のロウに対して、繰り返す毎にエタノールを400mL及び300mLと低下させる上記還流工程を再び行って、未溶解のロウを回収した。各工程後の液体画分を回収して集めた。次に、上記液体画分のプールを10℃で1時間で冷却して、溶解したロウを静置して、オイル及び他の不純物から結晶化させて、減圧ろ過によって分離した。上記結晶化ロウを、約100mLのエタノールで一回洗浄して、減圧下で乾燥させて、最終ロウ製品[精製された米糠ロウ]を形成させた。これらの工程によって、白色の色合いの、酸価が約1.5ユニット、鹸化価が約87ユニット、そしてヨウ素価が約27ユニットの高純度の最終ロウ製品を約48g得た。この製品は、融点が約80℃である。更に、約37gのオイルと約8gの固体不純物を副産物として回収した。
【0019】
実施例5
残留オイル不純物を含む約100gの粗ヒマワリロウを、約500mLのエタノール[容量当り純度98%]と共に還流容器に入れて混合物を形成した。次に、上記混合物を約75℃で約1時間還流してロウ部分を溶解し、室温で約30分間静置して反応器の底に樹脂性物質を沈殿させた。次に、大部分のロウ及びオイルを含む一番上の液体画分を容器に移して回収した。不純物と未溶解のロウに対して、繰り返す毎にエタノールを400mL、300mL及び200mLと低下させる上記還流工程を再び行って、未溶解のロウを回収した。各工程後の液体画分を回収して集めた。次に、上記液体画分のプールを10℃で冷却して、溶解したロウを静置して、オイル及び他の不純物から結晶化させて、減圧ろ過によって分離した。上記結晶化ロウを、約100mLのエタノールで一回洗浄して、減圧下で乾燥させて、最終ロウ製品[精製された米糠ロウ]を形成させた。これらの工程によって、白色の色合いの、酸価が約2ユニット、鹸化価が約71ユニット、そしてヨウ素価が約30ユニットの高純度の最終ロウ製品を約31g得た。この製品は、融点が約78℃である。更に、約33gのオイルと約33gの固体不純物を副産物として回収した。
【0020】
実施例6
残留オイル不純物を含む約100gの粗ヒマワリロウを、約500mLのエタノール[容量当り純度95%]と共に還流容器に入れて混合物を形成した。次に、上記混合物を約75℃で約1時間還流してロウ部分を溶解し、室温で約30分間静置して反応器の底に樹脂性物質を沈殿させた。次に、大部分のロウ及びオイルを含む一番上の液体画分を容器に移して回収した。不純物と未溶解のロウに対して、繰り返す毎にエタノールを400mL、300mL及び200mLと低下させる上記還流工程を再び行って、未溶解のロウを回収した。各工程後の液体画分を回収して集めた。次に、上記液体画分のプールを10℃で冷却して、溶解したロウを静置して、オイル及び他の不純物から結晶化させて、減圧ろ過によって分離した。上記結晶化ロウを、約100mLのエタノールで一回洗浄して、減圧下で乾燥させて、最終ロウ製品[精製された米糠ロウ]を形成させた。これらの工程によって、白色の色合いの、酸価が約4ユニット、鹸化価が約135ユニット、そしてヨウ素価が約61ユニットの高純度の最終ロウ製品を約24g得た。この製品は、融点が約78℃である。更に、約26.6gのオイルと約54.2gの固体不純物を副産物として回収した。
【0021】
本発明は、実施例における実施形態に関して特に記載されている一方で、上記開示及び他の特徴及び機能又はその代替物のいくつかは、多くの種々のシステム又は用途と好ましくは組み合わせてもよいことはいうまでもない。また、現時点では思いがけない且つ予期し得ないその様々な代替物、改変、バリエーション又は改良は、当業者がその後に行なうことができ、それは、添付の特許請求の範囲に含まれることも意図する。本発明は、特定の好ましい実施形態に関して記載されているが、それは、限定を意図するものではなく、むしろ、当業者は、バリエーション及び改変が本発明の精神の中で、そして、請求項の範囲内でなすことができると認識している。