(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】宮付きベッド
(51)【国際特許分類】
A47C 19/22 20060101AFI20221003BHJP
A47C 19/12 20060101ALI20221003BHJP
A47C 19/02 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
A47C19/22 Z
A47C19/12 Z
A47C19/02 A
(21)【出願番号】P 2018018273
(22)【出願日】2018-02-05
【審査請求日】2020-12-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年9月5日~平成29年9月8日に、2017 YAMAZEN ハードウェアショーに出展
(73)【特許権者】
【識別番号】595130034
【氏名又は名称】株式会社山善
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】山川 圭一
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3203299(JP,U)
【文献】実開昭58-022130(JP,U)
【文献】実公昭15-019116(JP,Y1)
【文献】実開昭50-154204(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の体を支える寝台部であって、長手方向における中央部で折り畳み可能な寝台部と、該寝台部の外縁部に設けられる宮と、前記長手方向における前記宮の外面に取り付けられている補助輪と、を備え、前記宮は、前記寝台部に対して引き起こされた引起姿勢と、前記寝台部に対して外側に倒された外倒姿勢とに姿勢変更可能な可動板部を有
し、
前記宮は、前記寝台部に設けられ且つ前記可動板部を回転可能に支持するベース部を有し、
前記ベース部は、
床面上に載置される載置台部に設けられるフレームと、
前記可動板部を前記フレームに対して回転可能に支持するための回転支持部と、
前記フレームに対する前記可動板部の可動範囲を所定の範囲内に設定するためのガイド構造と、を有し、
前記ガイド構造は、可動板部の回転周方向に合わせて湾曲した細長い形状のガイドプレートであって、前記回転周方向と対応する方向で湾曲する長孔が形成されるガイドプレートを有し、
前記ガイドプレートの長手方向における一端部は、前記可動板部に対して回転可能に連結され、
前記長孔には、前記回転支持部よりも下方側で前記フレームに固定されるガイド軸が挿通される、
宮付きベッド。
【請求項2】
前記ベース部は、前記寝台部の上面以下の位置で前記可動板部の下端部を回転可能に支持するように構成される、請求項1に記載の宮付きベッド。
【請求項3】
前記ベース部には、前記外倒姿勢から前記引起姿勢に切り替えられた前記可動板部を収容するための収容凹部が形成されている、請求項1又は請求項2に記載の宮付きベッド。
【請求項4】
前記寝台部は、受台部と、前記受台部を床面上に支持するための支持構造とを有する載置台部を有し、
前記支持構造は、前記受台部の長手方向における両端部に設けられる一対の外側支持部を有し、
前記一対の外側支持部のうちの一方の外側支持部は、前記受台部に対して姿勢変更不能であり、且つ前記ベース部と一体的に形成され、
前記一対の外側支持部のうちの他方の外側支持部は、前記受台部に対して姿勢変更可能である、
請求項2又は請求項3に記載の宮付きベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物置等として使用する宮を備えた宮付きベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物置や衝立等として用いられる宮を備えた宮付きベッドが種々提供されている。かかる宮付きベッドには、例えば、特許文献1のような、宮が折り畳み可能に構成されたものがある。
【0003】
前記宮付きベッドは、使用者の体を受けるための載置枠と、該載置枠の周囲に設けられた宮とを備えている。
【0004】
また、載置枠は、縦幅方向における寸法が横幅方向における寸法よりも大きくなるように構成されており、長手方向における中央部で折り畳み可能となっている。
【0005】
より具体的に説明すると、載置枠は、長手方向における中央部を上方に引き上げるとともに、長手方向における両端部を該中央部よりも下方側に移動させながら互いに接近させることにより、二つ折り(山折り)にすることができるように構成されている。
【0006】
宮は、載置枠上の寝具のずれを防止すべく、該載置枠の前記長手方向における一端部に立設された受け部と、該受け部の上端に設けられた立上げ部とを有する。また、立上げ部は、受け部から上方に向かって立ち上がった姿勢と、受け部に対して内側(載置枠の長手方向における内側)に倒された姿勢とに姿勢変更可能である。
【0007】
前記宮付きベッドでは、載置枠が折り畳まれると、受け部と立上げ部とが該載置枠から外側(水平方向における外側)に飛び出すことになるが、立上げ部を受け部に対して内側に倒された姿勢に姿勢変更しておくことにより、宮(立上げ部)を嵩張らないようにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、室内での宮付きベッドのレイアウトや、使用者の過ごし方等の使用環境によって宮に求められる使い方は様々であるが、その一方で、上記従来の宮付きベッドは、載置枠を展開して使用する場合においては、立上げ部を受け部に対して必ず立ち上げた姿勢にしておく必要があるため、宮を限られた使い方でしか利用することができなかった。
【0010】
そこで、本発明は、使用環境に応じて宮を使い分けることができる宮付きベッドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の宮付きベッドは、使用者の体を支える寝台部と、該寝台部の外縁部に設けられる宮と、を備え、前記宮は、前記寝台部に対して引き起こされた引起姿勢と、前記寝台部に対して外側に倒された外倒姿勢とに姿勢変更可能な可動板部を有する。
【0012】
上記構成の宮付きベッドによれば、可動板部を引起姿勢に姿勢変更すれば、該可動板部を背もたれや衝立等として使用することができ、また、可動板部を外倒姿勢に姿勢変更すれば、該可動板部上を物置きとして使用することができるため、使用環境に応じて宮を使い分けることができる。
【0013】
また、本発明の宮付きベッドにおいて、前記宮は、前記寝台部に設けられ且つ前記可動板部を回転可能に支持するベース部を有し、前記ベース部は、前記寝台部の上面以下の位置で前記可動板部の下端部を回転可能に支持するように構成される。
【0014】
上記構成の宮付きベッドによれば、可動板部の下端部がベース部により回転可能に支持され、且つベース部による可動板部の下端部の支持位置が寝台部の上面以下であるため、可動板部を外倒姿勢に切り替えた際に、該可動板部が寝具の上方に飛び出さないようにすることができる。従って、前記宮付きベッドによれば、可動板部が使用者に与える圧迫感を抑えることができる。
【0015】
前記ベース部には、前記外倒姿勢から前記引起姿勢に切り替えられた可動板部を収容するための収容凹部が形成されていてもよい。
【0016】
かかる構成によれば、引起姿勢に切り替えられた可動板部をベース部の収容凹部内に収容することで可動板部への不用意な接触を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明の宮付きベッドによれば、使用環境に応じて宮を使い分けることができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る宮付きベッドの平面図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係る宮付きベッドの側面図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係る宮付きベッドの平面図であって、マットを除いた状態の平面図である。
【
図4】
図4は、閉じた状態の宮を縦幅方向における外側から見た図である。
【
図6】
図6は、
図4のVI-VI線における断面の拡大図である。
【
図7】
図7は、閉じた状態の宮を縦幅方向における外側から見た図である。
【
図8】
図8は、
図7のVIII-VIII線における断面の拡大図である。
【
図9】
図9は、同実施形態に係る宮付きベッドの側面図であって、寝台部を折り畳んだ状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る宮付きベッドについて、添付図面を参照しつつ説明を行う。
【0020】
なお、本実施形態では、宮付きベッドの縦幅に対応する方向を縦幅方向、宮付きベッドの横幅に対応する方向を横幅方向、宮付きベッドの高さに対応する方向を高さ方向、と称して以下の説明を行うこととする。
【0021】
宮付きベッド1は、
図1に示すように、使用者の体を支える寝台部2と、該寝台部2(本実施形態では寝台部2の外縁部)に設けられた宮3と、を備えている。
【0022】
寝台部2は、床面上に載置される部分である。また、寝台部2の上面は、使用者の体を受ける受面となっている。
【0023】
なお、寝台部2の受面は、使用者の体を直接的又は間接的に受けるように構成されていればよい。すなわち、寝台部2の受面に使用者が直接横たわったり座ったりしてもよいし、寝台部2の受面に敷布団等を敷いたうえで、使用者が横たわったり座ったりするようにしてもよい。
【0024】
本実施形態に係る寝台部2は、
図2に示すように、床面上に載置される載置台部4と、
載置台部4上に設けられたマット5と、を有する。
【0025】
載置台部4は、受止領域に対応する外形の受台部40と、該受台部40を床面上に支持するための支持構造41と、を有する。
【0026】
受台部40は、
図3に示すように、平面視における外形が長方形状となるように構成されている。
【0027】
より具体的に説明すると、受台部40は、互いに平行に延びる一対の長辺部400と、長辺部400よりも短く、且つ該一対の長辺部400のそれぞれの端部(縦幅方向で横並びに配置されている端部)に連続する一対の短辺部401と、を有する。
【0028】
また、本実施形態に係る受台部40では、一対の長辺部400と一対の短辺部401とが角環状となるようにつながっている。
【0029】
本実施形態に係る受台部40は、自身の長手方向(縦幅方向に対応する方向)の中央部で折り畳み可能に構成されている。より具体的に説明すると、受台部40は、長手方向における中央部を境とする一方側と他方側に配置される一対の分割台部42と、該一対の分割台部42を回転可能に連結する回転連結部43とを有する。
【0030】
なお、受台部40に使用者が横たわっている状態においては、前記一方側に配置される分割台部42が該使用者の上半身側に位置し、前記他方側に配置される分割台部42が該使用者の下半身側に位置する。
【0031】
分割台部42は、前記縦幅方向において隣り合う分割台部42に向けて配置される内端部と、前記縦幅方向において該内端部とは反対側に位置する外端部とを有する。
【0032】
また、本実施形態に係る受台部40は、上述のように、長手方向における中央部を境とする一方側と他方側とが分かれているため、長辺部400が長手方向における中央部で分断された構造となっている。すなわち、長辺部400は、同方向に延びる一対の分割辺部400aを有し、該一対の分割辺部400aは、それぞれの長手方向が同一直線状で並ぶように一列に配置されている。
【0033】
また、分割辺部400aは、長手方向における一端部が回転連結部43によって回転可能に連結されるとともに、長手方向における他端部が別々の短辺部401に連続している。
【0034】
そのため、本実施形態の分割台部42は、一つの短辺部401と、該短辺部401に連続する分割辺部400a(各長辺部400の一方の分割辺部400a)とで構成されている。
【0035】
回転連結部43は、分割台部42の内端部同士を回転可能に連結するように構成されている。これにより、本実施形態の寝台部2は、各分割台部42の内端部(すなわち、受台部40の長手方向における中央部)を上方に引き上げるとともに、各分割台部42の外端部(すなわち、受台部40の長手方向における両端部)を下方側に移動させながら互いに接近させることにより、受台部40を二つ折にできるようになっている。なお、本実施形態では、一対の短辺部401のそれぞれと、後述する中央支持部との間に付勢部材(引っ張りばね)Sが接続されているため、各分割台部42の内端部を上方に引き上げると、各分割台部42の外端部が互いに接近する方向に付勢される。
【0036】
支持構造41は、
図2に示すように、受台部40の長手方向における両端部に設けられる一対の外側支持部410,411と、受台部40の長手方向における中央部に設けられる中央支持部412とで構成されている。
【0037】
一方の外側支持部410は、受台部40の長手方向における一端側(具体的には、一方の分割台部42の外端部側)から下方側に延出する外側脚部410aと、該外側脚部410aの先端に設けられた外側車輪部410bと、を備えている。
【0038】
そして、一方の外側支持部410の外側脚部410aは、受台部40に固定されており、受台部40に対して姿勢変更不能となっている。
【0039】
なお、以下の説明において、一方の外側支持部410を第一の外側支持部410、一方の外側支持部410の外側脚部410aを第一の外側脚部410a、一方の外側支持部410,411の外側車輪部410bを第一の外側車輪部410b、と称して以下の説明を行うこととする。
【0040】
他方の外側支持部411は、受台部40の長手方向における他端側(具体的には、他方の分割台部42の外端部側)から下方側に延出する外側脚部411aと、該外側脚部410aの先端に設けられた外側車輪部411bと、を備えている。
【0041】
他方の外側支持部411の外側脚部410aは、受台部40に対して回転可能に連結されており、受台部40に対して姿勢変更可能となっている。
【0042】
なお、以下の説明において、他方の外側支持部411を第二の外側支持部411、他方の外側支持部411の外側脚部411aを第二の外側脚部411a、他方の外側支持部410,411の外側車輪部411bを第二の外側車輪部411b、と称して以下の説明を行うこととする。
【0043】
中央支持部412は、受台部40の中央部(具体的には回転連結部43)から下方側に向かって延出している。
【0044】
本実施形態に係る中央支持部412は、別々の回転連結部43から下方側に向かって延びる一対の柱状支持部412aと、該一対の柱状支持部412aのそれぞれの先端(下端)につながる連設部412b(
図3参照)と、を有する。
【0045】
マット5は、平面視において長方形状となるように構成されている。本実施形態に係るマット5は、前記縦幅方向で並べて配置される一対の分割マット50を有する。各分割マット50は、それぞれが別々の分割台部42上に設けられている。
【0046】
なお、マット5(分割マット50)は、所定の厚みがあり、且つ弾力性を有するように構成されている。また、本実施形態では、載置台部4の上面がマット5(分割マット50)の上面によって構成され、該マット5の上面が、使用者が直接横たわったり、敷きパッドを置いたりする寝台基準面となる。
【0047】
宮3は、縦幅方向(受台部40の長手方向)における一方側に配置される分割台部42の外端部に設けられており、寝台部2上に横たわった使用者の頭部の外側(前記縦幅方向にける外側)に配置されるようになっている。
【0048】
本実施形態に係る宮3は、
図4に示すように、寝台部2に対して引き起こされた引起姿勢と、記寝台部2に対の外側に倒された外倒姿勢とに姿勢変更可能な可動板部30と、寝台部2に設けられ且つ可動板部30を回転可能に支持するベース部31と、引起姿勢に切り替えられた可動板部30の姿勢変更を規制可能な規制部32と、を有する。
【0049】
可動板部30は、
図5に示すように、平板状の可動板本体部300と、該可動板本体部300に設けられる可動側フレーム301と、を有する。
【0050】
可動板本体部300は、平板状である。また、可動板本体部300の一方の板面(厚み方向における一方側の板面)は、該可動板部30が引起姿勢に切り替えられると寝台部2側に向けて配置され、該可動板部30が外倒姿勢に切り替えられると上方に向けて配置される。
【0051】
一方、可動板本体部300の他方の板面(厚み方向における他方側の板面)は、該可動板部30が引起姿勢に切り替えられると寝台部2の外側に向けて配置され、該可動板部30が外倒姿勢に切り替えられると下方に向けて配置される。
【0052】
このように、可動板部30では、可動板本体部300の前記一方の板面が宮3としての機能を発揮する面となっている。
【0053】
可動側フレーム301は、可動板本体部300に固定される被固定部301aと、該被固定部301aをベース部31に連結するための連結部301bとを有する。
【0054】
被固定部301aは、可動板本体部300の前記一方の板面上に固定されている。また、被固定部301aは、可動板部30の外周縁部全周に沿って環状に形成されている。
【0055】
連結部301bは、被固定部301aから外方に延出するように形成されており、本実施形態では、被固定部301aに対して一対の連結部301bが形成されている。また、一対の連結部301bは、可動板部30の板幅方向において間隔をあけて並ぶように形成されている。
【0056】
ベース部31は、載置台部4に設けられるフレーム310と、可動板部30をフレーム310に対して回転可能に支持するための回転支持部311と、フレーム310に対する可動板部30の可動範囲を所定の範囲内に設定するためのガイド構造312と、を有する。
【0057】
フレーム310は、可動板部30の板幅方向における両側に配置され且つ高さ方向に沿って延びるように形成された一対のサイドフレーム部310aと、該サイドフレーム部310aのそれぞれに連続するアッパーフレーム部310bと、を有する。
【0058】
一対のサイドフレーム部310aのそれぞれの上端には、アッパーフレーム部310bが連続している。そのため、ベース部31では、一対のサイドフレーム部310aとアッパーフレーム部310bとで一つの凹部(以下、収容凹部と称する)310cが形成されており、該収容凹部310cには外倒姿勢から引起姿勢に切り替えられた可動板部30が収容されるようになっている。
さらに、縦幅方向におけるサイドフレーム部310aの外側には、補助輪Rが取り付けられている。かかる補助輪Rは、寝台部2を折り畳んだ際に、第一の外側車輪部410b及び第二の外側車輪部411bとともに床面に接地するように構成されている。
【0059】
なお、サイドフレーム部310aの奥行き寸法(前記縦幅方向における厚み)、アッパーフレーム部310bの奥行き寸法(前記縦幅方向における厚み)は、可動板部30の奥行き寸法以上となっていることが好ましい。
【0060】
また、本実施形態では、フレーム310と第一の外側支持部410(より具体的には、サイドフレーム部310aと第一の外側脚部410a)が一体的に形成されている。
【0061】
回転支持部311は、軸状であり、可動板部30の板幅方向(本実施形態では、横幅方向)において連結部301bと、サイドフレーム部310aとに挿通されている。また、回転支持部311は、一対の連結部301bに対して一つずつ設けられている。
【0062】
ガイド構造312は、
図6に示すように、平板状であり、宮3(可動側フレーム301)とサイドフレーム部310aとに連結されるガイドプレート312aを備えている。
【0063】
ガイドプレート312aは、可動板部30の回転周方向に合わせて湾曲した細長い形状となっている。そして、ガイドプレート312aでは、長手方向における一端が宮3(可動側フレーム301)に対して回転可能に連結され、長手方向における他端がサイドフレーム310に対してスライド可能となるように連結されている。
【0064】
ガイドプレート312aの他端側には、可動板部30の回転周方向と対応する方向で湾曲する長孔312bが形成されており、該長孔312bに対してガイド軸312cが挿通されている。また、ガイド軸312c部は、サイドフレーム部310aにも挿通された状態で固定されている。
【0065】
規制部32は、
図4に示すように、ベース部31に設けられ且つ引起姿勢の可動板本体部300の前記他方の板面と重なる位置に配置されたロック状態と、該他方の板面から外れた位置に配置されたロック解除状態とに切替可能に構成されている。
【0066】
より具体的に説明すると、規制部32は、ベース部31(ベース部31のアッパーフレーム部310b)に対して回転可能に設けられた回転操作部320と、該回転操作部320から外方に延出するロック用延出部321と、を有する。
【0067】
本実施形態に係る宮付きベッド1の構成は、以上の通りである。続いて、本実施形態に係る宮付きベッド1の使い方について説明する。
【0068】
宮3を開く場合は、規制部32で可動板部30の姿勢変更を規制している状態を解除する。本実施形態では、回転操作部320を回転させてロック用延出部321を可動板本体部300の前記他方の板面から外れた位置に配置することによって、可動板部30の姿勢変更に対する規制を解除する。
【0069】
そして、収容凹部310c内の可動板部30を寝台部2の外側に倒す。このようにすると、
図7、及び
図8に示すように、可動板本体部300の前記一方の板面が上方に向くため、該一方の板面上のスペースを物置等として使用することができる。
【0070】
さらに、宮3を閉じる場合は、開いている可動板部30を引き起こし、収容凹部310c内に配置する。そして、規制部32により可動板部30の姿勢変更を規制する。本実施形態では、回転操作部320を回転させてロック用延出部321を可動板本体部300の前記他方の板面と重なる位置に配置することによって、可動板部30の姿勢変更を規制する。
【0071】
このようにすると、
図4、及び
図6に示すように、可動板本体部300の前記一方の板面が寝台部2の内側に向けられた状態で起立するため、該可動板部30で寝台部2上と寝台部2の外側とを仕切ることができる。
【0072】
なお、
図9に示すように、寝台部2を折り畳む場合は、分割台部42の外端部が床面に向けて配置されるが、可動板部30を閉じていれば、該可動板部30が床面に干渉することはない。
【0073】
以上のように、本実施形態に係る宮付きベッド1によれば、宮3を閉じた状態、すなわち、可動板部30を引起姿勢に姿勢変更すれば、該可動板部30を背もたれや衝立等として使用することができ、また、宮3を開いた状態、すなわち、可動板部30を外倒姿勢に姿勢変更すれば、該可動板部30上を物置きとして使用することができるため、使用環境に応じて宮3を使い分けることができるという優れた効果を奏し得る。
【0074】
また、可動板本体部300の前記一方の板面には、外周縁部全周に沿って環状に形成された被固定部301aが設けられているため、該被固定部301aによって可動板本体部300の前記一方の板面上に置いた物品等の落下を防止することができる。
【0075】
さらに、本実施形態では、可動板部30の下端部がベース部31により回転可能に支持され、且つベース部31による可動板部30の下端部の支持位置(可動板部30がベース部31に回転可能に支持されている位置)が寝台部2の上面(寝台基準面)以下(本実施形態では、寝台部2の上面よりも下方側)に設定されているため、可動板部30を外倒姿勢に切り替えた際に、該可動板部30が寝具の上方に飛び出さないようにすることができる。従って、前記宮付きベッド1によれば、可動板部30が使用者に与える圧迫感を抑えることができる。
【0076】
特に、本実施形態では、寝台部2上に横たわった使用者の頭部側に位置する分割台部42の外端部に宮3が設けられているため、使用者に圧迫感を与え難くする効果が高まる。
【0077】
また、可動板部30は、引起姿勢に姿勢変更された状態においては上端部がマット5の上面よりも上方側に配置されるため、使用者が寝台部2上から可動板部30を操作して外倒姿勢に姿勢変更し易くすることができる(すなわち、宮3を開き易くすることができる)。
【0078】
さらに、可動板部30は、上端部がマット5の上面よりも上方側に配置されるとともに、上述のように下端部がマット5の上面よりも下方側に配置されているため、引起姿勢に姿勢変更した可動板部30の下端とマット5の上面との間に隙間ができないようにして寝台部2上と寝台部2の外側とを仕切ることできる。
【0079】
さらに、本実施形態では、外倒姿勢から引起姿勢に姿勢変更された可動板部30がベース部31の収容凹部310c内に収容されるため、引起姿勢に姿勢変更された可動板部30への不用意な接触を防ぐことができる。
【0080】
また、受台部40が折り畳まれている状態においては、可動板部30が分割台部42から外方(水平方向における外方)に向かって飛び出すが、該可動板部30の周囲がベース部31に取り囲まれているため、該可動板部30への不用意な接触を防止することができる。
【0081】
なお、本発明に係る宮付きベッドは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0082】
上記実施形態では、寝台部2が折畳可能に構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、寝台部2は、縦幅方向における一方側と他方側とが一体的に形成されており、折畳不能であってもよいし、縦幅方向における一方側と他方側とを分離できるように構成されていてもよい。
【0083】
上記実施形態では、宮付きベッド1が移動式のものであったが、この構成に限定されない。例えば、宮付きベッド1は、据え置き式のものであってもよい。
【0084】
上記実施形態では、受台部40が支持構造41により床面上に支持されていたがこの構成に限定されない。例えば、受台部40は、床面上に直接置かれるように構成されていてもよい。
【0085】
上記実施形態において、寝台部2の載置台部4には、マット5が設けられていたが、この構成に限定されない。例えば、載置台部4には、すのこや、金網、平板状のプレート等が設けられていてもよい。
【0086】
上記実施形態において特に言及しなかったが、寝台部2は、マット5を引き起こし操作、及び押し倒し操作可能に構成されていてもよい。すなわち、寝台部2は、リクライニング機能を有するものであってもよい。
【0087】
上記実施形態では、宮3が寝台部2に対して一体に設けられていたが、この構成に限定されない。例えば、宮3は、寝台部2に対して後付けされたものであってもよい。すなわち、宮3は、寝台部2とは別体で構成されていてもよい。
【0088】
上記実施形態では、宮3が縦幅方向(受台部40の長手方向)における一方側に配置される分割台部42の外端部に設けられていたが、この構成に限定されない。例えば、宮3は、縦幅方向(受台部40の長手方向)における他方側に配置される分割台部42の外端部に設けられていてもよいし、前記一方側に配置される分割台部42、若しくは前記他方側に配置される分割台部42の横幅方向における側端部に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1…ベッド、2…寝台部、3…宮、4…載置台部、5…マット、30…可動板部、31…ベース部、32…規制部、40…受台部、41…支持構造、42…分割台部、43…回転連結部、50…分割マット、300…可動板本体部、301…可動側フレーム、301a…被固定部、301b…連結部、310…フレーム、310a…サイドフレーム部、310b…アッパーフレーム部、310c…収容凹部、311…回転支持部、312…ガイド構造、312a…ガイドプレート、312b…長孔、312c…ガイド軸、320…回転操作部、321…ロック用延出部、400…長辺部、400a…分割辺部、401…短辺部、410…第一の外側支持部、410a…第一の外側脚部、410b…第一の外側車輪部、411…第二の外側支持部、411a…第二の外側脚部、411b…第二の外側車輪部、412…中央支持部、412a…柱状支持部、412b…連設部、R…補助輪