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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】混合金属/誘電体光学フィルタ
(51)【国際特許分類】
   C03C 17/36 20060101AFI20221003BHJP
   G02B 5/28 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
C03C17/36
G02B5/28
【請求項の数】 2
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018087590
(22)【出願日】2018-04-27
(65)【公開番号】P2018197184
(43)【公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-02-12
(31)【優先権主張番号】15/601,773
(32)【優先日】2017-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502151820
【氏名又は名称】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Viavi Solutions Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ ジェイ オケンファス
【審査官】渡邊 吉喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-032867(JP,A)
【文献】国際公開第2015/195123(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0029582(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 17/36
G02B 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合金属/誘電体光学フィルタであって、
基板と、
二酸化ケイ素層および酸化ニオブチタン層を交互に含む第1の全誘電体部と、
二酸化ケイ素層および酸化ニオブチタン層を交互に含む第2の全誘電体部と、
1つ以上の層群を含む金属/誘電体部と、を備え、
前記1つ以上の層群のある層群は、銀層、2つの酸化亜鉛層、および2つの酸化ニオブチタン層を含み、
前記銀層は、前記2つの酸化亜鉛層の間に配置され、
前記2つの酸化亜鉛層は、前記2つの酸化ニオブチタン層の間に配置され、
前記金属/誘電体部は、前記第1の全誘電体部と前記第2の全誘電体部との間に配置される、混合金属/誘電体光学フィルタ。
【請求項2】
色フィルタ、バンドパスフィルタ、近赤外ブロッカー、長波パス(LWP)フィルタ、短波パス(SWP)フィルタ、明順応フィルタ、三刺激フィルタのうちの少なくとも1つを備える、請求項に記載の混合金属/誘電体光学フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
光学センサ装置を利用して、情報を得ることができる。例えば、光学センサ装置は、電磁周波数の組に関する情報を得ることができる。光学センサ装置は、情報を得るセンサ素子(例:光学センサ、分光センサ、および/または画像センサ)の組を含んでもよい。例えば、センサ素子アレイを利用して、複数の周波数に関する情報を得ることができる。ある例において、例えば次のように、センサ素子アレイを利用して、光の色帯域の組に関する情報を得ることができる:センサ素子アレイの第1のセンサ素子が、光の赤色帯域に関する情報を得て、センサ素子アレイの第2のセンサ素子が、光の緑色帯域に関する情報を得て、センサ素子アレイの第3のセンサ素子が、光の青色帯域に関する情報を得る。
【0002】
センサ素子アレイのセンサ素子は、フィルタと対応付けられてもよい。フィルタは、センサ素子へ伝えられる第1の光スペクトル域と対応付けられた通過帯域を含んでもよい。フィルタは、第2の光スペクトル域のセンサ素子への通過の遮断と対応付けられてもよい。ある例において、センサ素子アレイは、赤色通過帯域、青色通過帯域、緑色通過帯域等(例:赤/緑/青(RGB)フィルタ)等の、異なる色通過帯域を含むフィルタと対応付けられてもよい。他の例において、センサ素子アレイは、近赤外(NIR)遮断フィルタ、赤外(IR)遮断フィルタ、長波パス(LWP)フィルタ、短波パス(SWP)フィルタ、明順応フィルタ、三刺激フィルタ等と対応付けられてもよい。
【発明の概要】
【0003】
可能な実施態様によると、光学フィルタは、第1の層群を含んでもよい。第1の層群は、誘電材料群の第1の誘電材料および誘電材料群の第2の誘電材料の交互の層を含んでもよい。光学フィルタは、第2の層群を含んでもよい。第2の層群は、誘電材料群の第3の誘電材料および誘電材料群の第4の誘電材料の交互の層を含んでもよい。光学フィルタは、第3の層群を含んでもよい。第3の層群は、誘電材料群の第5の誘電材料、誘電材料群の第6の誘電材料、および金属材料の交互の層を含んでもよい。第3の層群は、第1の層群と第2の層群との間に配置されてもよい。
【0004】
可能な実施態様によると、誘導透過フィルタは、第1の誘電体層の組を含む第1の全誘電体部を含んでもよい。誘導透過フィルタは、第2の誘電体層の組を含む第2の全誘電体部を含んでもよい。誘導透過フィルタは、第3の誘電体層の組および1つ以上の金属層を含む金属/誘電体部を含んでもよい。金属/誘電体部は、第1の全誘電体部と前記第2の全誘電体部との間に配置されてもよい。
【0005】
可能な実施態様によると、混合金属/誘電体光学フィルタは、基板を含んでもよい。混合金属/誘電体光学フィルタは、二酸化ケイ素層および酸化ニオブチタン層を交互に含む第1の全誘電体部を含んでもよい。混合金属/誘電体光学フィルタは、二酸化ケイ素層および酸化ニオブチタン層を交互に含む第2の全誘電体部を含んでもよい。混合金属/誘電体光学フィルタは、1つ以上の層群を含む金属/誘電体部を含んでもよい。1つ以上の層群のある層群は、銀層、2つの酸化亜鉛層、および2つの酸化ニオブチタン層を含んでもよい。銀層は、2つの酸化亜鉛層の間に配置されてもよい。2つの酸化亜鉛層は、2つの酸化ニオブチタン層の間に配置されてもよい。金属/誘電体部は、第1の全誘電体部と第2の全誘電体部との間に配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】本明細書に記載の実施形態の概要図である。
図1B】本明細書に記載の実施形態の概要図である。
図1C】本明細書に記載の実施形態の概要図である。
図2A】本明細書に記載の全誘電体光学フィルタの特性図である。
図2B】本明細書に記載の全誘電体光学フィルタの特性図である。
図2C】本明細書に記載の全誘電体光学フィルタの特性図である。
図3A】本明細書に記載の低角シフト誘導透過光学フィルタ(ITF)の特性図である。
図3B】本明細書に記載の低角シフト誘導透過光学フィルタ(ITF)の特性図である。
図3C】本明細書に記載の低角シフト誘導透過光学フィルタ(ITF)の特性図である。
図4A】本明細書に記載の混合金属/誘電体光学フィルタの特性図である。
図4B】本明細書に記載の混合金属/誘電体光学フィルタの特性図である。
図4C】本明細書に記載の混合金属/誘電体光学フィルタの特性図である。
図5A】本明細書に記載の混合金属/誘電体光学フィルタの特性図である。
図5B】本明細書に記載の混合金属/誘電体光学フィルタの特性図である。
図5C】本明細書に記載の混合金属/誘電体光学フィルタの特性図である。
図6A】本明細書に記載の光学フィルタの組の特性図である。
図6B】本明細書に記載の光学フィルタの組の特性図である。
図7A】本明細書に記載の光学フィルタの組の特性図である。
図7B】本明細書に記載の光学フィルタの組の特性図である。
図7C】本明細書に記載の光学フィルタの組の特性図である。
図7D】本明細書に記載の光学フィルタの組の特性図である。
図7E】本明細書に記載の光学フィルタの組の特性図である。
図7F】本明細書に記載の光学フィルタの組の特性図である。
図7G】本明細書に記載の光学フィルタの組の特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態に対する詳細の説明を、添付の図面を参照して以下に説明する。種々の図面における同じ参照符号は、同じまたは類似の要素を特定するものである。
【0008】
光学センサ装置は、光学トランスミッタ、電球、環境光源等の光源から発せられる光を受けるセンサ素子のセンサ素子アレイを含んでもよい。光学センサ装置は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)技術や電荷結合素子(CCD)技術等の1つ以上のセンサ技術を利用してもよい。光学センサ装置のセンサ素子(例:光学センサ)は、電磁周波数の組に関する情報(例:スペクトルデータ)を取得してもよい。
【0009】
センサ素子は、センサ素子が電磁周波数の特定のスペクトル域に関する情報を取得できるようにセンサ素子への光をフィルタリングするフィルタと対応付けられてもよい。例えば、センサ素子は、センサ素子へと向かう光の一部をフィルタリングするために赤/緑/青(RGB)フィルタ、近赤外(NIR)遮断フィルタ、赤外(IR)遮断フィルタ、長波パス(LWP)フィルタ、短波パス(SWP)フィルタ、明順応フィルタ、三刺激フィルタ等と配列されてもよい。フィルタは、光の一部をフィルタリングする誘電体層の組を含んでもよい。例えば、フィルタは、酸化ニオブチタン(NbTiO)および二酸化ケイ素(SiO)の交互の層等の、交互の高指数層および低指数層の誘電体フィルタスタックを含んでもよい。ただし、全誘電体タイプのフィルタは、より高い入射角での閾値角シフトと対応付けられ得る。例えば、全誘電体フィルタは、入射角20度で約10nm超、入射角30度で約20nm超、入射角40度で約40nm超、入射角50度で約50nm超の角シフトと対応付けられ得る。
【0010】
高指数誘電体、低指数誘電体、および金属の交互の層を有する低角シフト(LAS)フィルタを選択して、全誘電体フィルタに対する角シフトを低減してもよい。例えば、低角シフトフィルタは、全誘電体フィルタに対する角シフトを低減するために酸化ニオブチタン、酸化亜鉛、および銀の層を用いてもよい。ただし、低角シフトフィルタは、閾値を満たさない低角シフトフィルタの通過帯域における透過率と対応付けられ得る。例えば、低角シフトフィルタは、入射角0度~50度の範囲で約70%未満の透過率と対応付けられ得る。
【0011】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、交互誘電体層部分が誘電体層・金属層部分を挟む、混合誘電体/金属フィルタを提供する。例えば、光学フィルタは、酸化ニオブチタンの高指数層および二酸化ケイ素の低指数層が交互になる組を有する第1の部分と、酸化ニオブチタンの高指数層および二酸化ケイ素の低指数層が交互になる他の組を有する第2の部分と、第1の部分と第2の部分との間に配され、酸化ニオブチタンの高指数層、酸化亜鉛の低指数層、および銀の金属層が交互になる第3の部分とを含んでもよい。こうして、フィルタは、閾値角シフト未満および閾値透過レベル超で光をフィルタリングしてもよい。例えば、混合誘電体/金属フィルタは、入射角0度~50度で約30nm未満の角シフト、入射角0度~40度で約20nm未満の角シフト、入射角0度~20度で約10nm未満の角シフトと対応付けられてもよい。同様に、混合誘電体/金属フィルタは、入射角0度~50度で約70%超の透過率、入射角0度~50度で約75%超の透過率と対応付けられてもよい。
【0012】
図1A~1Cは、本明細書に記載の実施形態100/100’/100’’の概要図である。図1Aに示すように、実施形態100は、センサシステム110を含む。センサシステム110は、光学システムの一部であってもよく、センサ判定に対応する電気出力を提供してもよい。センサシステム110は、光学フィルタ130を含む光学フィルタ構造120と、光学センサ140とを含む。例えば、光学フィルタ構造120は、通過帯域フィルタリング機能を行う光学フィルタ130を含んでもよい。他の例において、光学フィルタ130は、光学センサ140のセンサ素子アレイと配列されてもよい。
【0013】
本明細書に記載の実施形態はセンサシステムにおける光学フィルタについて記載されるが、本明細書に記載の実施形態は、例えば、他の種類のシステムで使用されてもよく、センサシステムの外部で使用されてもよい。
【0014】
図1Aおよび参照符号150に示すように、入力光学信号は、光学フィルタ構造120に向けられる。入力光学信号は、可視スペクトル(VIS)およびNIR光(例:センサシステム110が利用される環境からの環境光)を含んでもよいが、これに限定されない。他の例において、光学トランスミッタが、試験機能、測定機能、通信機能等の他の機能用の他の光スペクトル域を指示してもよい。
【0015】
図1Aおよび参照符号160に示すように、第1のスペクトル域の光学信号の第1の部分は、光学フィルタ130および光学フィルタ構造120によって通過しない。例えば、光学フィルタ130の高指数材料層と低指数材料層とを含み得る誘電体フィルタスタックおよび銀/誘電体フィルタスタックは、光の第1の部分を、第1の方向に反射させてもよく、吸収させてもよい。参照符号170に示すように、光学信号の第2の部分は、光学フィルタ130および光学フィルタ構造120によって通過する。例えば、光学フィルタ130は、第2のスペクトル域の光の第2の部分を光学センサ140へと向かう第2の方向に通過させてもよい。
【0016】
図1Aおよび参照符号180に示すように、光学センサ140へと伝えられる光学信号の第2の部分に基づいて、光学センサ140は、イメージング、環境光センシング、対象物の存在の検出、測定、通信促進等のために、センサシステム110用の出力電気信号を提供してもよい。いくつかの実施形態において、光学フィルタ130および光学センサ140の他の配置を用いてもよい。例えば、光学信号の第2の部分を入力光学信号と共線的に通過させる代わりに、光学フィルタ130は、光学信号の第2の部分を、異なる位置の光学センサ140へと他の方向に向けてもよい。
【0017】
図1Bに示すように、類似の実施形態100’は、光学フィルタ構造の基板120内に組み込まれたセンサ素子アレイ140のセンサ素子の組を含む。この場合、光学フィルタ130は、基板120上に配置される。入力光学信号150-1および150-2は、ある角度の組で受信され、入力光学信号150-1および150-2の第1の部分は、他の角度の組で反射される。この場合、入力光学信号150-1および150-2の第2の部分は、光学フィルタ130を通過してセンサ素子アレイ140へと伝えられ、センサ素子アレイ140が出力電気信号180を提供する。
【0018】
図1Cに示すように、他の類似の実施形態100’’は、光学フィルタ構造120から分離されたセンサ素子アレイ140のセンサ素子の組を含み、光学フィルタ130は、光学フィルタ構造130上に配置される。この場合、光学フィルタ構造130およびセンサ素子アレイ140は、自由空間等によって分けられてもよい。入力光学信号150-1および150-2は、光学フィルタ130である角度の組で受信される。入力光学信号150-1および150-2の第1の部分160は反射され、第2の部分170は光学フィルタ130および光学フィルタ構造120によってセンサ素子アレイ140へと伝えられ、センサ素子アレイ140が出力電気信号180を提供する。
【0019】
上記の通り、図1A~1Cは、単に例を示すものである。他の例も可能であり、図1A~1Cに関して記載されたものと異なっていてもよい。
【0020】
図2A~2Cは、光学フィルタに関する特性図である。図2A~2Cは、全誘電体フィルタの例を示す。
【0021】
図2Aおよびチャート200に示すように、フィルタ210は、基板と誘電体スタックの組とを含んでもよい。基板は、窒化ケイ素(Si、Si3N4として示す)、ガラス基板、高分子基板、他の透明基板等を含んでもよい。いくつかの実施形態において、基板は、エポキシ樹脂(例:透明接着剤)や空隙(例:光学経路外のエポキシ樹脂を伴う)等で、誘電体スタックの組に取り付けられてもよい。加えてまたは代替的に、誘電体スタックの組を、誘電体スタックの組用の基板を形成する検出器、検出器アレイ、センサ素子アレイ等の上に直接配置してもよい。例えば、センサ素子アレイは、誘電体スタックの組が取り付けられ得る窒化ケイ素の最上層を含んでもよい。裏面入射型検出器等の他の例において、シリコン基板等の他の種類の基板を用いてもよい。いくつかの実施形態において、基板は、誘電体スタックの組のための入口媒体や出口媒体等であってもよい。誘電体スタックの組は、酸化ニオブチタン(NbTiO、NbTiO5として示す)および二酸化ケイ素(SiO、SiO2として示す)の交互の層を含んでもよい。例えば、フィルタ210は、基板上に配置される厚さ99.8ナノメートル(nm)の第1の酸化ニオブチタン層と、酸化ニオブチタン層上に配置される厚さ172.1nmの第1の二酸化ケイ素層とを含んでもよい。同様に、フィルタ210は、第1の二酸化ケイ素層上に配置される厚さ105.2nmの第2の酸化ニオブチタン層と、第2の酸化ニオブチタン層上に配置される厚さ180.5nmの第2の二酸化ケイ素層とを含んでもよい。この場合、フィルタ210は、約5.36マイクロメートル(μm)の全厚さと関連付けられ、その結果、過度の成膜時間および成膜時間増加に係る過度のコストへとつながり得る。また、全厚さは、圧縮応力の閾値量へとつながり、閾値厚さ未満の基板の反りや、複数離散フィルタを形成するために複数フィルタが配置される基板を分割する際の過度の困難および歩留損失が起こり得る。
【0022】
図2Bおよびチャート220に示すように、空気の出口媒体に露出したフィルタ210のフィルタ応答が提供される。例えば、フィルタ210は、入射角(AOI)0度で約660nmのカットオフ波長(例:フィルタ210の透過率が閾値レートで低減する波長)と対応付けられる。対して、入射角10度、20度、30度、40度、および50度では、フィルタ210は、それぞれ、約5nm、約12nm、約25nm、約42nm、および約52nmのカットオフ波長における閾値シフトと対応付けられる。また、入射角30度、40度、および50度では、フィルタ210は、それぞれ、約880nmで約4%、約850nmで約31%、および約805nmで約14%の透過率と対応付けられる。さらに、フィルタ210は、AOI50度で約480nm~約505nm間の閾値透過率未満への透過率の低下(例:約58%~約68%の透過率への低下)と対応付けられ、フィルタ210は、AOI50度で約1000nm超のスペクトル域での閾値透過率を超える透過率の上昇(例:約1%超の透過率への上昇)と対応付けられる。約420nm~約620nm間の通過帯域を提供するフィルタ210の使用では、閾値角シフト、および、閾値透過率低下および上昇は、相対的に低いフィルタ性能の原因となる。
【0023】
図2Cおよびチャート230に示すように、フィルタ210の色プロット(例:国際照明委員会(International Commission on Illumination(CIE)1931色プロット)が提供される。参照符号232に示すように、フィルタ210は、AOI0度からAOI50度へのシフトでの約(0.33、0.33)~約(0.30、0.33)間の閾値色シフトを示すCIE色プロットと対応付けられる。閾値色シフトは、相対的に低いフィルタ性能の原因となる。
【0024】
上記の通り、図2A~2Cは、単に例を示すものである。他の例も可能であり、図2A~2Cに関して記載されたものと異なっていてもよい。
【0025】
図3A~3Cは、光学フィルタに関する特性図である。図3A~3Cは、誘電体/金属フィルタスタックを有する低角シフト誘導透過光学フィルタ(ITF)の例を示す。
【0026】
図3Aおよびチャート300に示すように、フィルタ310は、基板と、誘電体層の組と、金属層の組とを含む。基板は、窒化ケイ素基板を含んでもよい。誘電体層の組および金属層の組は、酸化ニオブチタン、酸化亜鉛(ZnO)、および銀(Ag)の交互の層を含む。例えば、厚さ28.0nmの酸化ニオブチタンの第1の層が、窒化ケイ素基板上に配置され、厚さ2.0nmの酸化亜鉛の第2の層が、第1の層上に配置され、厚さ11.3nmの銀の第3の層が、第2の層上に配置され、厚さ2.0nmの酸化亜鉛の第4の層が、第3の層上に配置され、厚さ53.8nmの酸化ニオブチタンの第5の層が、第4の層上に配置される。この場合、酸化ニオブチタンの第5の層は、酸化ニオブチタンの複数層であってもよい。言い換えると、第5の層の第1の部分は、第1の層の共に、第2の層から第4の層を挟み、第5の層の第2の部分は、第9の層の部分と共に、第6の層から第8の層を挟んでもよい。フィルタ310を特定の層厚の組で記載したが、他の層厚も可能であり、図3Aで示すものと異なっていてもよい。
【0027】
図3Bおよびチャート320に示すように、空気の出口媒体に露出したフィルタ310のフィルタ応答が提供される。参照符号322に示すように、フィルタ310は、フィルタ210に対して低減した角シフトと対応付けられる。例えば、フィルタ310は、入射角0度から30度、40度、または50度の変化での20nm超の角シフトと比較して、入射角0度から10度、20度、30度、40度、または50度の変化での約20nm未満のカットオフ波長の角シフトと対応付けられる。ただし、参照符号324に示すように、フィルタ310は、フィルタ210に対して低減した透過率と対応付けられる。例えば、フィルタ310は、約420nm~約620nmの通過帯域のスペクトル域における入射角0度~50度での約62%~65%の平均透過率と対応付けられる。この場合、約750nm~約1100nmの赤外(IR)遮断スペクトル域での透過率は、AOI0度で約0.41%であり、AOI40度で約0.37%である。
【0028】
図3Cおよびチャート330に示すように、フィルタ310のCIE1931色プロットが提供される。参照符号332に示すように、フィルタ310は、入射角0度から入射角50度へのシフトでのフィルタ210に対して低減した色シフトと対応付けられる。例えば、フィルタ310は、閾値未満(例:0.2未満、0.1未満、0.05未満等)の色シフトと対応付けられる。
【0029】
上記の通り、図3A~3Cは、単に例を示すものである。他の例も可能であり、図3A~3Cに関して記載されたものと異なっていてもよい。
【0030】
図4A~4Cは、混合金属/誘電体光学フィルタに関する特性図である。図4A~4Cは、高指数層および低指数層の誘電体フィルタスタックと誘電体フィルタスタック間に配置された金属(例:銀)誘電体フィルタスタックとを有する光学フィルタの例を示す。
【0031】
図4Aおよびチャート400に示すように、フィルタ410は、基板と、誘電体層の組と、金属層の組とを含む。参照符号412に示すように、フィルタ410の第1の部分(例:第1の全誘電体部)は、交互の高指数層および低指数層の全誘電層を含む。この場合、交互の高指数層および低指数層は、それぞれ、酸化ニオブチタン層および二酸化ケイ素層である。例えば、窒化ケイ素基板上に配置された第1の層は、厚さ95.5nmの酸化ニオブチタン層(層1として示す)であり、第1の層上に配置された第2の層は、厚さ48.3nmの二酸化ケイ素(層2として示す)である。いくつかの実施形態において、ガラス基板等の他の種類の基板を用いてもよい。いくつかの実施形態において、約2.0超、約2.5超、約3.0超、約3.5超、約3.6超、約3.7超等の屈折率の材料等、他の高指数材料を用いてもよい。いくつかの実施形態において、約3.0未満、約2.5未満、約2.0未満、約1.5未満等の屈折率の材料等、他の低指数材料を用いてもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の層は、誘電材料として、二酸化ケイ素(SiO)、五酸化ニオブ(Nb)、五酸化タンタル(Ta)、二酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化イットリウム(Y)、二酸化ハフニウム(HfO)等の酸化物材料、窒化ケイ素(Si3N4)等の窒化物材料、フッ化マグネシウム(MgF)等のフッ化物材料、硫化亜鉛(ZnS)等の硫化物材料、セレン化亜鉛(ZnSe)等のセレン化物材料、水素化シリコンや水素化ゲルマニウム等の水素化材料、窒素化ゲルマニウム等の窒素化材料、またはそれらの組み合わせ等を用いてもよい。
【0032】
図4Aおよび参照符号414に示すように、フィルタ410の第2の部分は、混合金属/誘電体層を含む。この場合、フィルタ410の第2の部分は、1つ以上の酸化ニオブチタン層、1つ以上の酸化亜鉛層、および1つ以上の銀層の複数の層群を含む。例えば、第1の層群(層7~11)は、厚さ139.1nmの酸化ニオブチタンの層(例:層7として示す、当該層の第1の部分は、フィルタ410の第1の部分の一部であってもよく、第2の部分は、フィルタ410の第2の部分の一部であってもよい)、厚さ2.0nmの酸化亜鉛の層(層8として示す)、厚さ9.9nmの銀の層(層9として示す)、厚さ2.0nmの酸化亜鉛の層(層10として示す)、および厚さ51.9nmの酸化ニオブチタンの層(層11として示す、当該層の第1の部分は、第1の層群の一部であってもよく、第2の部分は、第2の層群の一部であってもよい)を含む。さらなる例として、第2の層群(層11~15)は、酸化ニオブチタンの層11、酸化亜鉛の層12、銀の層13、酸化亜鉛の層14の第2の部分、および酸化ニオブチタンの層15(例:当該層の第2の部分は、第3の層群の一部であってもよい)の第1の部分を含む。他の例において、他の金属材料を用いてもよい。
【0033】
図4Aおよび参照符号416に示すように、フィルタ410の第3の部分(例:第2の全誘電体部)は、交互の高指数層および低指数層の全誘電層を含む。この場合、交互の高指数層および低指数層は、それぞれ、酸化ニオブチタン層および二酸化ケイ素層である。例えば、第1の層は、酸化ニオブチタンの層23の一部であり、第2の層は、二酸化ケイ素の層24であり、第3の層は、酸化ニオブチタンの層25であり、第4の層は、二酸化ケイ素の層26である。この場合、フィルタ410は、3つの異なる誘電材料を用いる。他の例において、フィルタ410は、2つの異なる誘電材料を用いてもよい。いくつかの実施形態において、フィルタ410は、空気の出口媒体と合致してもよい。いくつかの実施形態において、フィルタ410は、高分子材料、カラー色素、RGB色素、エポキシ樹脂材料、ガラス材料等の他の出口媒体と合致してもよい。いくつかの実施形態において、フィルタ410は、RGBフィルタ(例:赤色光スペクトル域、緑色光スペクトル域、または青色光スペクトル域に対応する通過帯域のフィルタ)、NIRブロッカー、LWPフィルタ、SWPフィルタ、明順応フィルタ、環境光センサフィルタ、三刺激フィルタ等であってもよい。フィルタ410を特定の層厚の組で記載したが、他の層厚も可能であり、図4Aで示すものと異なっていてもよい。
【0034】
図4Bおよびチャート420に示すように、また、図4Cおよびチャート430に示すように、フィルタ410は、フィルタ210に対して低減した角シフトおよび色シフトと、フィルタ310に対して向上した透過率と対応付けられる。例えば、図4Bの参照符号432に示すように、フィルタ410は、約420nmおよび入射角0度で約80%の透過率と対応付けられ、入射角0度~50度での約420nm~550nmのスペクトル域で70%超の透過率と対応付けられる。同様に、図4Bの参照符号434に示すように、フィルタ410は、約400nm~約1100nmのスペクトル域および入射角0度~50度で約40nm未満の角シフトと対応付けられる。
【0035】
図4Cおよびチャート430に示すように、フィルタ410のCIE1931色プロットが提供される。参照符号436に示すように、フィルタ410は、入射角0度から入射角50度へのシフトでのフィルタ210に対して低減した色シフトと対応付けられる。例えば、フィルタ410は、閾値未満(例:0.2未満、0.1未満、0.05未満等)の色シフトと対応付けられる。
【0036】
上記の通り、図4A~4Cは、単に例を示すものである。他の例も可能であり、図4A~4Cに関して記載されたものと異なっていてもよい。
【0037】
図5A~5Cは、他の混合金属/誘電体光学フィルタに関する特性図である。図5A~5Cは、高指数層および低指数層の誘電体フィルタスタックおよび金属(例:銀)誘電体フィルタスタックを有する誘導透過光学フィルタの他の例を示す。
【0038】
図5Aおよびチャート500に示すように、フィルタ510は、基板と、誘電体層の組と、金属層の組とを含んでもよい。参照符号512に示すように、層1~10のフィルタ510の第1の部分は、交互の高指数層および低指数層の全誘電層を含む。この場合、交互の高指数層および低指数層は、それぞれ、酸化ニオブチタン層および二酸化ケイ素層である。参照符号514に示すように、層10~25のフィルタ510の第2の部分は、金属誘電体層を含む。この場合、フィルタ510の第2の部分は、1つ以上の酸化ニオブチタン層、1つ以上の酸化亜鉛層、および1つ以上の銀層の複数の層群を含む。参照符号516に示すように、層25~30のフィルタ510の第3の部分は、交互の高指数層および低指数層の全誘電層を含む。この場合、交互の高指数層および低指数層は、それぞれ、酸化ニオブチタン層および二酸化ケイ素層である。フィルタ510を特定の層厚の組で記載したが、他の層厚も可能であり、図5Aで示すものと異なっていてもよい。
【0039】
図5Bおよびチャート520に示すように、また図5Cおよびチャート530に示すように、フィルタ510は、フィルタ210に対して低減した角シフトおよび色シフトと、フィルタ310に対して向上した透過率と対応付けられる。例えば、図5Bの参照符号532に示すように、フィルタ510は、約500nmおよび入射角0度~50度で約80%の透過率と対応付けられ、入射角0度~50度での約460nm~590nmのスペクトル域で約70%超の透過率と対応付けられる。同様に、参照符号534に示すように、フィルタ510は、約400nm~約1100nmのスペクトル域および入射角0度~50度で約30nm未満の角シフトと対応付けられる。
【0040】
図5Cおよびチャート530に示すように、フィルタ510のCIE1931色プロットが提供される。参照符号536に示すように、フィルタ510は、入射角0度から入射角50度へのシフトでのフィルタ210に対して低減した色シフトと対応付けられる。例えば、フィルタ510は、閾値未満(例:0.2未満、0.1未満、0.05未満等)の色シフトと対応付けられる。
【0041】
上記の通り、図5A~5Cは、単に例を示すものである。他の例も可能であり、図5A~5Cに関して記載されたものと異なっていてもよい。
【0042】
図6Aおよび6Bは、光学フィルタの組に関する特性図である。図6Aおよび6Bは、本明細書に記載のフィルタの特定の比較を示す。
【0043】
図6Aおよびチャート600に示すように、フィルタ210、フィルタ310、フィルタ410、およびフィルタ510のカットオフ波長の角シフトの比較が提供される。この場合、フィルタ410およびフィルタ510は、0度~50度の各入射角でフィルタ210に対してカットオフ波長の低減した角シフトと対応付けられる。例えば、入射角40度で、フィルタ410は、約18nmのカットオフ波長の角シフトと対応付けられる。同様に、入射40度で、フィルタ510は、約20nmのカットオフ波長の角シフトと対応付けられる。対して、入射角20度で、フィルタ210は、約42nmのカットオフ波長の変化と対応付けられる。
【0044】
図6Bおよびチャート610に示すように、フィルタ210、フィルタ310、フィルタ410、およびフィルタ510の約420nm~約620nmのスペクトル域の通過帯域の平均透過率の比較が提供される。この場合、フィルタ410およびフィルタ510は、0度~50度の各入射角でフィルタ310に対して向上した透過率と対応付けられる。例えば、入射角40度で、フィルタ410およびフィルタ510は、それぞれ、約72%および約75%の平均透過率と対応付けられる。対して、入射角40度で、フィルタ310は、約63%の平均透過率と対応付けられる。
【0045】
上記の通り、図6Aおよび6Bは、単に例を示すものである。他の例も可能であり、図6Aおよび6Bに関して記載されたものと異なっていてもよい。
【0046】
図7A~7Gは、光学フィルタの組に関する特性図である。図7A~7Gは、本明細書に記載の緑色タイプのフィルタの特性の比較を示す。
【0047】
図7Aに示すように、フィルタ702のスタックアップ例が提供される。フィルタ702は、二酸化ケイ素(SiO)および酸化ニオブチタン(NbTiO)の交互の層を含む緑色フィルタであってもよい。フィルタ702は、窒化ケイ素(Si)の入口媒体および空気の出口媒体と対応付けられてもよい。フィルタ702は、全誘電タイプフィルタであってもよく、図2Aに示すフィルタ210と同様であってもよい。
【0048】
図7Bに示すように、フィルタ704のスタックアップ例が提供される。フィルタ704は、酸化ニオブチタン(NbTiO)、酸化亜鉛(ZnO)、および銀(Ag)の層と、窒化ケイ素(Si)の入口媒体と、空気の出口媒体とを含む緑色フィルタであってもよい。フィルタ704は、図3Aに示すフィルタ310と同様であってもよい。
【0049】
図7Cに示すように、フィルタ706のスタックアップ例が提供される。フィルタ706は、酸化ニオブチタン(NbTiO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化亜鉛(ZnO)、および銀(Ag)の層と、窒化ケイ素(Si)の入口媒体と、空気の出口媒体とを含む緑色フィルタであってもよい。フィルタ706は、図4Aに示すフィルタ410と同様であってもよい。例えば、フィルタ706は、交互誘電体層を含む層1~13等の第1の部分と、交互誘電体層および金属層を含む層13~25等の第2の部分と、交互誘電体層を含む層25~37等の第3の部分とを含んでもよい。
【0050】
図7Dおよびチャート708および710に示すように、フィルタ702のフィルタ応答が提供される。例えば、フィルタ702は、約450nm~約575nmのスペクトル域における約50nm~約80nmの入射角(AOI)約0度~約50度の変化での角シフトと対応付けられる。また、フィルタ702は、入射角約0度での約100%から入射角約50度での約90%の通過帯域でのピーク透過の低下と対応付けられる。さらに、フィルタ702は、約[0.08、0.47]から約[0.25、0.69]のCIE1931色プロットでの色シフトと対応付けられる。
【0051】
図7Eおよびチャート712および714に示すように、フィルタ704のフィルタ応答が提供される。例えば、フィルタ704は、約450nm~約575nmのスペクトル域における約25nm~約40nmの入射角(AOI)約0度~約50度の変化での角シフトと対応付けられる。また、フィルタ704は、入射角約0度での約72%から入射角約50度での約66%の通過帯域でのピーク透過の低下と対応付けられる。さらに、フィルタ704は、約[0.17、0.58]から約[0.26、0.63]のCIE1931色プロットでの色シフトと対応付けられる。
【0052】
図7Fおよびチャート716および718に示すように、フィルタ706のフィルタ応答が提供される。例えば、フィルタ706は、約450nm~約575nmのスペクトル域における約25nm~約40nmの入射角(AOI)約0度~約50度の変化での角シフトと対応付けられる。また、フィルタ706は、入射角約0度での約78%から入射角約50度での約70%の通過帯域でのピーク透過の低下と対応付けられる。さらに、フィルタ706は、約[0.18、0.62]から約[0.26、0.65]のCIE1931色プロットでの色シフトと対応付けられる。こうして、フィルタ706は、フィルタ702に対して低減した角シフトおよび低減した色シフトと、フィルタ704に対して向上した透過率と対応付けられる。
【0053】
図7Gおよびチャート720および722に示すように、それぞれ、フィルタ702、フィルタ704、およびフィルタ706の約510nm~約550の通過帯域における中心波長変化の比較および平均透過の比較が提供される。チャート720に示すように、フィルタ706は、入射角約10度~約50度でフィルタ702に対して低減した中心波長変化と対応付けられる。チャート722に示すように、フィルタ706は、入射角約0度~約50度でフィルタ704に対して通過帯域における向上した平均透過と、入射角約40度~約50度でフィルタ702に対して通過帯域における向上した平均透過と対応付けられる。
【0054】
上記の通り、図7A~7Gは、単に例を示すものである。他の例も可能であり、図7A~7Gに関して記載されたものと異なっていてもよい。
【0055】
こうして、誘電体層の第1の部分と、混合誘電体および金属層の第2の部分と、誘電体層の第3の部分とを含むフィルタの利用によって、全誘電体フィルタやLASITFフィルタに対して低減した角シフトおよび向上した透過率のフィルタリングが提供される。角シフトの低減および透過率の向上に基づき、フィルタと配列されるセンサ素子によって得られるデータの正確さは、他の種類のフィルタと配列されるセンサ素子によって得られるデータの正確さに対して向上する。
【0056】
上述の開示は例示および説明を提供するものであるが、全てを網羅している訳ではなく、実施形態を開示された形態に厳密に制限することを意図するものではない。変更および変形は、上述の開示に照らして行うことができる、または実施形態の実施から取得することができる。
【0057】
本明細書に記載するいくつかの実施形態は閾値に関するものである。本明細書に記載する、閾値を満足させるとは、閾値よりも大きい値、閾値を超える値、閾値よりも高い値、閾値以上の値、閾値未満の値、閾値よりも少ない値、閾値よりも低い値、閾値以下の値、閾値と等しい値などを指す。
【0058】
特徴の特別な組み合わせを請求項に記載し、および/または明細書に開示したが、これらの組み合わせは可能な実施形態の開示を制限することを意図するものではない。実際、これらの特徴の多くは、請求項に具体的に記載されていない方法、および/または明細書に開示されていない方法で組み合わせることができる。以下に記載する各々の従属請求項は1つの請求項のみに従属させることができるが、可能な実施形態の開示は、各々の従属請求項と請求項の範囲における他の全ての請求項との組み合わせを含んでいる。
【0059】
本明細書で使用される要素、行為または命令は、明示的な記載のない限り、重要または必須であると解釈してはならない。また、本明細書で使用する「a」および「an」の冠詞は1つ以上のアイテムを含むものとし、「1つ以上の(one or more)」と代替可能に使用することができる。さらに、本明細書で使用する「組(set)」という用語は、1つ以上のアイテム(例えば関連アイテム、非関連アイテム、関連アイテムと非関連アイテムの組み合わせなど)を含むものとし、「1つ以上の」と代替可能に使用することができる。1つのアイテムのみが意図される場合、「1つの(one)」という用語または類似の言葉が使用される。また、本明細書で使用する「有する(has,have,having)」などの用語は開放型用語であるものとする。さらに、「に基づく(based on)」という言い回しは、特に断りのない限り、「少なくとも部分的に~に基づく」ことを意味するものとする。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G