(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】フラットフィルタエレメント
(51)【国際特許分類】
B01D 46/52 20060101AFI20221003BHJP
F02M 35/024 20060101ALI20221003BHJP
B01D 29/07 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
B01D46/52 B
F02M35/024 511A
F02M35/024 511C
B01D29/06 510A
B01D29/06 510F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018113294
(22)【出願日】2018-06-14
【審査請求日】2021-06-14
(31)【優先権主張番号】10 2017 006 074.6
(32)【優先日】2017-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505229863
【氏名又は名称】マン ウント フンメル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】エプリ、スヴェン
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102013207250(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0090344(US,A1)
【文献】特開平10-080614(JP,A)
【文献】特開2012-097643(JP,A)
【文献】実開昭61-163029(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/90
F02M 35/00-35/16
B01D 24/00-35/04;35/08-37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ媒体本体(9)の対向する側に流入側及び流出側を有する直方体の前記フィルタ媒体本体(9)を備え
るフラットフィルタエレメントであって、
前記フィルタ媒体本体(9)上に配置され、流入側又は流出側上にライズするとともにハウジングコンポーネントを支持する少なくとも1つの支持部材(13)を備え、
前記支持部材が支持する前記ハウジングコンポーネントから乖離している前記支持部材(13)の接触面(13a)は、前記フィルタ媒体本体(9)に設けられたシールエレメント(14)に
よって覆われ、
前記支持部材(13)はキャリアレール(12)に設けられており、
シール(11)を支持するキャリアフレーム(10)は前記フィルタ媒体本体(9)に固定されており、
前記キャリアレール(12)は前記フィルタ媒体本体(9)の側壁に隣接して延在するとともに前記シールエレメント(14)を支持し、
前記キャリアレール(12)は前記キャリアフレーム(10)に接続されていることを特徴とするフラットフィルタエレメント。
【請求項2】
前記支持部材(13)は、前記フィルタ媒体本体(9)の流出側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のフラットフィルタエレメント。
【請求項3】
前記支持部材(13)は前記フィルタ媒体本体(9)の流入側又は流出側に複数配置されており、それらの間に流路が形成されており、前記支持部材(13)の各々は前記シールエレメント(14)に作用していることを特徴とする請求項1又は2に記載のフラットフィルタエレメント。
【請求項4】
前記シールエレメント(14)は、前記流入側及び前記流出側の間において、前記フィルタ媒体本体(9)の側壁に隣接するように配置されていることを特徴とする請求項1から
3のいずれか1項に記載のフラットフィルタエレメント。
【請求項5】
前記支持部材(13)は、前記フィルタ媒体本体(9)に接続された前記キャリアレール(12)上に配置されていることを特徴とする請求項1から
4いずれか1項に記載のフラットフィルタエレメント。
【請求項6】
前記キャリアフレーム(10)は、一方の側で前記フィルタ媒体本体(9)の輪郭を越えて延在することを特徴とする請求項1に記載のフラットフィルタエレメント。
【請求項7】
前記シールエレメント(14)から分離され、又は、前記シールエレメント(14)と一体化されるとともに前記支持部材(13)が作用する振動減衰エレメント(16)、特にエラストマで形成された振動減衰エレメント(16)が、前記支持部材(13)の前記接触面に配置されていることを特徴とする請求項1から
6のいずれか1項に記載のフラットフィルタエレメント。
【請求項8】
前記フィルタ媒体本体(9)が、フィルタ折部を有する折畳フィルタとして形成されていることを特徴とする請求項1から
6のいずれか1項に記載のフラットフィルタエレメント。
【請求項9】
請求項1から
7のいずれか1項に記載のフラットフィルタエレメント(3)と、
前記フラットフィルタエレメント(3)を受けるためのフィルタハウジング(2)と、
を備えることを特徴とするフィルタ手段。
【請求項10】
請求項8に記載のフラットフィルタエレメント(3)と、
前記フラットフィルタエレメント(3)が挿入されるフィルタハウジング(2)と
を備え、
流入空間(6)及び流出空間(7)が前記フィルタハウジング(2)に形成され、流入開口(4)及び流出開口(5)が前記フィルタハウジング(2)に形成され、前記流入開口(4)及び前記流出開口(5)は少なくともほぼ同じ高さであるが、
前記流入開口
(4)は前記流入空間(6)の壁に設けられ、前記流出開口(5)は前記流出空間(7)の壁に設けられていることを特徴とす
るフィルタ手段。
【請求項11】
請求項8に記載のフラットフィルタエレメント(3)と、
前記フラットフィルタエレメント(3)が挿入されるフィルタハウジング(2)と
を備え、
流入空間(6)及び流出空間(7)が前記フィルタハウジング(2)に形成され、前記流入空間と前記流出空間との間にハウジング接続ピース(8)が配置され、挿入された前記フィルタエレメントの前記シールエレメント(14)が支持されることを特徴とす
るフィルタ手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1のプレアンブルに係るフラットフィルタエレメント、例えばエアフィルタであり、特にガス濾過用のフラットフィルタエレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2007/0144154号明細書には、車両の内燃機関における燃焼空気を濾過するためのエアフィルタ用のフラットフィルタエレメントが記載されている。フラットフィルタエレメントは、折畳フィルタとして設計された矩形のフィルタ媒体本体を備え、流入側と流出側が対向する側にある。未処理のエアをクリーンエアから分離するために、周辺シールエレメントが流出側に隣接してフィルタ媒体本体に配置される。流出側では、フィルタ媒体本体内にU字形状の支持エレメントが配置され、当該支持エレメントは流出側を越えて突出し、取り付け時に、支持エレメントを受けるフィルタハウジングのハウジングカバーの内面の支持壁に載置される。フィルタ媒体本体のU字型支持エレメント及びカバー内の関連するハウジング壁は、クリーン側のエアフローを分離し、部分的なエアフローが触媒装置に分岐することを可能にする。
【0003】
独国特許出願公開第4115986号明細書は、フィルタインサートのための固定手段を提供することを目的としており、フィルタの巧妙さに関わらず、内燃機関へのショックがあった場合においても、フィルタインサートとフィルタハウジングとの間にタイトで恒久的な摩擦接続が確保されている。この文献では、クランプされた接続によってフィルタハウジング内に摩擦的に保持されたフィルタインサートが開示されており、2つの細長いクランプエレメントがフィルタインサートとフィルタハウジングとの間に互いに平行に支持され、フィルタインサートをクランプするために、これらのエレメントがフィルタハウジングにピボット可能に取り付けられており、ストレッチされた層を通過して、クランプ位置において、折り曲げられてフィルタハウジング上に横方向に載置される。2つのクランプ要素の各々は、ともにヒンジ止めされ、且つ、他端がフィルタインサートに接触するクランプフレーム及びフィルタハウジングにヒンジ止めされた2つのレバーから構成されている。
【0004】
独国特許出願公開第4131716号明細書は、電動車両のエンジンルーム内に特にスペースを節約して取り付け可能な吸気フィルタを提供することを目的としている。この文献には、第1部分及び第2部分に分割可能なハウジングに挿入できる交換可能な板状フィルタインサートを含む吸気フィルタが開示されている。前記フィルタインサートは、ハウジングのクリーンスペースと未処理スペースとをシールする周辺シールを含む。2つのハウジングパーツを互いにシールする周辺シールは、フィルタインサートの一体化されたコンポーネントである。フィルタ材料と、前記材料を含まない2つのハウジングパーツの開放接続領域との間の移行部では、周辺シールにタイトに接続された追加シールがフィルタ材料上に設けられており、ハウジングが閉じられたときに、追加シールが、第1ハウジング部において未処理エアとクリーンエアとを隔離する壁に対してタイトにフィットする。追加シールの領域外では、周辺シールは、フィルタハウジングのクリーンスペース及び未処理スペースからフィルタ材料をシールしており、フィルタ材料の外側であり、且つ、追加シールに隣接する周辺シールの領域を補強している。当該補強は、周辺シールと追加のシールとの間の隙間を充填するグリッドを形成し、追加シールは、第2のハウジング部分に挿入された支持手段によって、第1ハウジング部分において未処理側とクリーン側とを隔離する壁に対して押圧されることが可能になっており、周辺シールはフレームによって補強されている。
【0005】
米国特許出願公開第2016/0051909号明細書は、フィルタへのダメージを防止するとともに吸気システムの動作の信頼性を確かなものにするために、動作中の変形力に対してフィルタエレメントを補強することを目的としている。当該目的のために、この文献には、フラットフィルタエレメント、及び、フィルタエレメントの流出側に配置されたエレメントを受ける複数の支持ポストを含むグリッドを備えるフィルタ手段が開示されている。エレメントを受ける支持ポストは、フィルタエレメントの側端の周辺に設けられたシールエレメントがハウジング下部に対して押圧されるように、ハウジング上部において支持エレメントと相互作用する。グリッドはまたシールに接続される。
【0006】
国際公開第2008/147585号は、とりわけ、ブローバイガス中の使用済油(液体)及び微細不純物(粒子)の量を低減することを目的としており、特に、ポジティブなクランクケース換気(PCV)、サービスコンポーネントとしてプレートフィルタを使用するフィルタシステム、好適にはフィルタリングクランクケーススーパーチャージャに使用されるように設けられるフィルタアセンブリ、及び、合体媒体の液体排液を提供するために特別に開発されたアセンブリに使用される技術を開発することを目的としている。この目的のために、国際公開第2008/147585号は、2パーツハウジングと、フラットフィルタエレメントとを含み、フレーム部がハウジングパートで支持されるとともにフレームに設けられたフィルタエレメントの周辺シールエレメントが他のハウジングパーツに対して押圧されるフィルタ手段を開示している。シールエレメントはフィルタエレメントを超えて突出する円弧を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、未処理側とクリーン側との間の流体密封分離がフィルタハウジング内で確実になされ、更に、インサート時に、フィルタエレメントが特定の選択された高さで支持され、流路が特定の流入側又は流出側に形成され、サポートを通過することが可能であるように、簡単な設計手段を用いてフラットフィルタエレメントを設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本目的は、請求項1の特徴に係る本発明により達成される。従属請求項は、便宜的な進展を特定したものである。
【0009】
本発明に係るフラットフィルタエレメントは、好ましくはガス濾過、特に空気濾過、例えば車両の内燃機関に供給される燃焼空気の濾過のために使用される。しかしながら、原理的には、流体のフィルタリングに関する発明に使用可能である。
【0010】
フラットフィルタエレメントは、特に矩形のフィルタ媒体本体、又は、実質的に矩形の底面を有するフィルタ媒体本体を備え、対向する側面が流入面及び流出面を形成する。流入側又は未処理側、及び、流出側又はクリーン側は、それぞれ本質的にフラットである。有利には、流入側と流出側は互いに平行であるが、流入側と流出側とが非平行な配列を有する実施形態も可能であり、好ましくは最大30度の角度である。
【0011】
少なくとも1つの支持部材は、フィルタ媒体本体上に配置されており、流入側又は流出側の関連する面上にライズする。支持部材は、フラットフィルタエレメントが、フラットフィルタエレメントを受けるフィルタハウジング内に挿入されたときに、ハウジングコンポーネントにサポートを設けるために使用される。支持部材は、同様にフィルタ媒体本体上に配置されたシールエレメントに作用し、支持部材の接触面から離れた支持部材のうち、ハウジングコンポーネントと接触する側に配置される。従って、支持部材は、ハウジングエレメントからシールエレメントに支持力を伝達し、フラットフィルタエレメントが取り付けられたとき、シールエレメントは別のハウジングパーツに載置され、特にフィルタハウジング内の未処理側とクリーン側とを分離する。
【0012】
支持ハウジングコンポーネントは、例えば、フィルタメインハウジング上に配置され、それに解放可能に接続されるハウジングカバーである。ハウジングカバーが上に置かれると、支持部材の接触面と接触し、支持部材をフィルタメインハウジングに押圧され、シールエレメントもフィルタメインハウジングのハウジングコンポーネントに押し付けられる。これにより、シールエレメントが、未処理側をクリーン側から液密的に分離することが保証される。シール力は、支持部材に作用するハウジングコンポーネントによって実質的に加えられる。
【0013】
支持部材がフィルタ媒体本体の流入側又は流出側を越えて突出するという事実は、ハウジングコンポーネント、特にハウジングカバーからの力が支持部材に伝達され、フィルタ媒体本体がハウジングコンポーネントの保持力から解放されたままであることを保証する。更に、流路は、支持部材上に設けられており、関連する流入側及び流出側を通るので、流体は、制限されることなく、又は、実質的に制限されることなく、フィルタ媒体本体の当該側において支持部材を超えて広がることができる。
【0014】
有利な実施形態によれば、支持部材は、フィルタ媒体本体の流出側に配置される。このようにして、クリーンな流体はフィルタ媒体本体の流出側を通って流出し、周辺シールは有利には流出側にも配置され、フィルタハウジング内の未処理側をクリーン側から分離する。別の実施形態では、支持部材は、フィルタ媒体本体の流入側に配置される。
【0015】
更に有利な実施形態によれば、複数の支持部材がフィルタ媒体本体上に配置され、その間に流体の流路が配置される。
【0016】
支持ハウジングコンポーネントは、各支持部材の外側接触面に作用し、フラットフィルタエレメントが取り付けられたときに、支持部材は、シールエレメントが更なるハウジング部分に押し付けられるようにシールエレメントを順に押圧する。有利には、全ての支持部材が1つの共通のシールエレメントに作用する。しかしながら、各支持部材が別個のシールエレメントに作用する他の実施形態も可能である。
【0017】
別の有利な実施形態によれば、シールエレメントは、その接触面上の支持部材を覆う。この実施形態の利点は、取り付けられたときに、ハウジングコンポーネントが中間シーリング材料を介して支持部材に作用し、その結果、減衰効果がもたらされ、特に、例えば、ハウジングコンポーネントと支持部材との間における振動から生じる望まれないノイズを防止する。支持部材の接触面上のシール材料の部分は、接触面から離れた側において、支持部材によって、更なるハウジングコンポーネントに押圧されるシールエレメントと一体的になっている。
【0018】
別の実施形態では、振動減衰エレメントは、例えばエラストマから構成されており、シールエレメントから分離され、又は、シールエレメントと一体化されるとともに、支持部材が作用する振動減衰エレメントが、支持部材の接触面に配置される。これは、構造的に簡単な方法で、使用中にフィルタエレメントとフィルタハウジングとの間におけるプラスチック材料の直接接触に起因するノイズの発生を低減又は防止する。本発明によれば、支持部材がハウジング部分を押圧するシーリングエレメントは、流入側と流出側との間において、フィルタ媒体本体の側壁に隣接している。この位置において、シールエレメントは、フィルタ媒体本体の側に位置し、フィルタハウジング内において液密な方法によって、濾過されたクリーンな液体を受けるための流出空間から不純物を含む未処理流体を受け入れるための流入空間を分離することが可能となる。流入空間及び流出空間は、有利には、少なくともほぼ同じ高さである。
【0019】
本発明によれば、支持部材は、フィルタ媒体本体に接続されたキャリアレール上に配置される。フィルタ支持体上には周辺キャリアフレームが配置され、当該フレームはシールエレメントとは別個のシールを支持し、支持要素がその上に作用する。流出側を流入側から分離するために、特にフィルタ媒体本体のクリーン側又は流出側に、キャリアフレーム上のシールが配置されている。本発明によれば、キャリアレールは支持部材が作用するシールエレメントを有利に支持し、キャリアフレームに接続され、キャリアフレームと一体であってもよい。別の有利な実施形態によれば、キャリアフレームは、一方の側でフィルタ媒体本体の輪郭を越えて延びている。
【0020】
従って、キャリアフレームはフィルタ媒体本体の輪郭よりも大きく、キャリアフレームの突出部分は好ましくはU字形又はC字形であり、また周辺シールを支持する。取付状態では、キャリアフレームの突出部分は、有利には、フィルタハウジングの流出空間の内壁に配置され、当該空間はフィルタ媒体本体の流出側から流出するクリーン流体を受ける。流出開口は流出空間の壁に形成されており、当該流出空間を介してクリーンな流体がフィルタハウジングから流出できる。
【0021】
支持部材が作用するシールエレメントは、特にフラットフィルタエレメントが取り付けられたとき、ハウジング接続ピースに載置される。接続ピースは、不純物を含む未処理流体が導入される流入空間と、クリーンな流体を受けるための流出空間との間において、フィルタハウジングに配置される。シールエレメントは、支持部材によって伝達されるハウジングコンポーネントの閉鎖力の作用下で、ハウジング接続ピース上に支持され、流入空間及び流出空間の間の液密分離を確実にしている。
【0022】
本発明は更に、上述のフラットフィルタエレメントを受けるためのフィルタハウジングと、特にハウジングカバーである、取り付け時にフラットフィルタエレメントの支持部材を押圧するハウジングコンポーネントと、特に支持部材によって流入空間及び流出空間の間のハウジング接続ピースである、更なるハウジングパーツに押圧されるシールエレメントと、を備えるフィルタ手段に関する。
【0023】
選択的には、不純物を含む未処理流体を導入するための流入開口及び濾過されたクリーン流体を排出するための流出開口は、フィルタハウジングの少なくともほぼ同じ高さに配置されるが、フィルタハウジングの異なる側面に配置される。この場合、同じ高さとは、フィルタ媒体本体の流入側及び/又は流出側と平行に延び、流入口及び流出口の両方と交差する平面をいう。この配置は、フィルタ手段の平坦な構造を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
更なる利点及び有用な実施形態は、他の請求項、図面の説明及び図面に見出すことができる。図面において、同様の構成要素には同様の参照符号が付されている。
【0025】
【
図1】フィルタハウジング及びインサートされたフラットフィルタエレメントを含む、空気濾過のためのフィルタ手段の側面図である。
【
図3】フラットフィルタエレメントのフィルタ媒体本体の側部に隣接して延びる合計3つの支持部材を含むフラットフィルタ要素の斜視図である。
【
図4】
図3によるフラットフィルタエレメントの断面図である。
【
図5】支持部材を含むフラットフィルタエレメントの詳細を拡大して示す図である。
【
図6】
図3に対応する、異なる設計がなされた支持部材を有するフラットフィルタエレメントの他の実施形態の図である。
【
図7】
図4に対応する、異なる設計がなされた支持部材を有するフラットフィルタエレメントの他の実施形態の図である。
【
図8】
図5に対応する、異なる設計がなされた支持部材を有するフラットフィルタエレメントの他の実施形態の図である。
【
図9】支持部材を備えるフラットフィルタエレメントの別の実施形態を示す図である。
【
図10】支持部材を備えるフラットフィルタエレメントの別の実施形態を示す図である。
【
図11】支持部材を備えるフラットフィルタエレメントの別の実施形態を示す図である。
【
図12】支持部材を備えるフラットフィルタエレメントの別の実施形態を示す図である。
【
図13】支持部材を備えるフラットフィルタエレメントの別の実施形態を示す図である。
【
図14】支持部材を備えるフラットフィルタエレメントの別の実施形態を示す図である。
【
図15】支持部材を備えるフラットフィルタエレメントの別の実施形態を示す図である。
【
図16】支持部材を備えるフラットフィルタエレメントの別の実施形態を示す図である。
【
図17】支持部材を備えるフラットフィルタエレメントの別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1から
図5は、例えば車両の内燃機関の吸気ダクトにおける、空気濾過のためのフラットフィルタエレメント3を備えるフィルタ手段1の第1実施形態を示している。フィルタ手段1は、フィルタメインハウジング2aを有するフィルタハウジング2と、フィルタメインハウジング2aに着脱自在に接続可能なハウジングカバー2bとを備えている。フィルタメインハウジング2aの流入開口4を介してクリーンな流体が供給されるフラットフィルタエレメント3は、フィルタハウジング2に挿入される。クリーンな流体は、フィルタメインハウジング2aに同様に設けられた流出開口5を介してクリーン側のフィルタ手段1から排出される。
【0027】
図4と関連して
図1からわかるように、流入開口4が設けられた壁における流入空間6と、流出開口5が設けられた壁における流出空間7とは、フィルタメインハウジング2aに互いに隣接して設けられる。流入空間6及び流出空間7はハウジング接続ピース8を備えるハウジング壁によって分離されている。不純物を含む流体は流入開口4を介してフィルタメインハウジング2の流入空間6に導かれる。当該空間は挿入されたフラットフィルタエレメント3の流入側の空間に隣接する。フラットフィルタエレメント3の反対の流出側では、クリーンな流体が横方向に流出し、隣接する流出空間7に導かれる。流出空間7からはクリーンな流体が流出開口5を介して排出される。流入空間6及び流出空間7は、液密に分離されるフィルタメインハウジング2aの空間を形成する。
【0028】
流入開口4及び流出開口5は、フラットフィルタエレメント3の流入側及び流出側に平行に延びる平面が、流入開口4及び流出開口5の両方と交差するように配置されている。流入開口4及び流出開口5の中心は、特に、フラットフィルタエレメント3の流入側及び流出側と平行に延びる略同一平面内にある。
【0029】
フラットフィルタエレメント3は、実質的に矩形の、特に直方体の底面を有するように形成され、複数の平行なフィルタ折部を有する折畳フィルタとして設計されたフィルタ媒体本体9を備える。
図3及び
図5の下部にある流入側又は未処理側と、上部にある流出側又はクリーン側とは、互いに平行に延びている。流れ空間は流出側と隣接するハウジングカバー2bとの間に配置され、流出空間7に向かってクリーンな流体を横方向に流出させる。
【0030】
キャリアフレーム10はシール11を支持し、特に、直方体のフィルタ媒体本体9の流出側に配置されている。ハウジングカバー2bは、取付時に、シール11と接触し、フィルタ媒体本体9の流出側から流入側を分離する。キャリアフレーム10は、フィルタ媒体本体9の三辺に接しており、第四辺では、キャリアフレーム10の一部10aがフィルタ媒体本体を越えて延在している。当該部分10aはU字形又はC字形である。当該部分10aは、流出空間7の内側輪郭に対応する一方で、フィルタ媒体本体9と直接接触しているキャリアフレーム10の残りの部分は、流入空間6の内側輪郭に対応する。
【0031】
キャリアフレーム10に接続され、特にキャリアフレーム10と一体的であるキャリアレール12は、フィルタ媒体本体9の側面に隣接して配置され、キャリアフレームの部分10aはそれを超えて突出する。合計3つの支持部材13はキャリアレール12の上部に設けられており、当該部材はキャリアレール12に接続され、特にキャリアレール12と一体的であり、フィルタ媒体本体9の流出側上にライズしている。キャリアレール12の長さにわたって延在するとともに、流入空間6及び流出空間7の間の移行においてハウジングメイン本体2aのハウジング接続ピース8に支持されるシールエレメント14は、キャリアレール12のボトムに配置されている。ハウジングカバー2bの内面は支持部材13の上部接触面13aに作用し、ハウジングカバー2b及び支持部材13の間の支持力もまた、支持部材13及びキャリアレール12間の接続によって、特に一体となって、シールエレメント14に伝達される。シールエレメントは対応する支持力によってハウジング接続ピース8に対して押圧される。これにより、構造的に簡単な方法で、シールエレメント14が、ハウジング接続ピース8の領域において、流出空間7を流入空間6から液密に分離することが確実となる。更に、流路は、構造体的に簡単な方法で、フィルタ媒体本体9の流出側を通ることにより、流体が制限されることなく、又は、少なくとも実質的に制限されることなく、フィルタ媒体本体9の側部において支持部材13を越えて広がることができるように、支持部材13上に設けられる。
【0032】
支持部材13は、シールエレメント14の材料によって少なくとも部分的に覆われている。支持部材13の上部接触面13aもまた、シールエレメント14のシール材料によって覆われており、ハウジングカバー2b及び支持部材13間の振動を減衰するための減衰ブロックを形成する。
【0033】
図3から分かるように、フィルタ媒体本体9の側面を越えて突出するキャリアフレーム10の部分10aは、少なくともほぼフィルタ媒体本体9の流出側の面であり、特にキャリアフレーム10と一体的である十字形の支持構造15によって安定化されている。
【0034】
図3から
図5に係る第1実施形態では、支持部材13は、V字形の断面を有する。対照的に、
図6から
図8に係る第2実施形態では、キャリアレール12と一体的な支持部材13は、キャリアレール12の面に対して垂直に延びる長方形の支持リーフとして形成され、その上部接触面13aはハウジングカバー2bの内面に接触している。シールエレメント14は、キャリアレール12を取り囲んでおり、その本体はハウジング接続ピース8上に載置される。支持部材13は、シールエレメント14のシール材によって、又は、別の減衰材によって覆われていない。
【0035】
図9から
図11に係る実施形態では、シールエレメント14は、
図6から
図8に係る実施形態と同様に形成され、キャリアレール12を取り囲み、シールエレメント14のメインブロックは、キャリアレール12の底部に設けられ、ハウジング接続ピース8に支持されている。支持部材13は、一例として、実質的に矩形のベース面を有する中空体、特に直方体の中空体として形成され、その上部接触面13の領域に開口を備える。当該開口には、接触面13を越えて上方に延び、ハウジングカバー2bの内面に支持される減衰エレメント16が挿入されている。減衰エレメント16は、シールエレメント14とは別個に形成され、シールエレメント14と同じ材料から選択的に構成することができる。減衰エレメント16は、ハウジングカバー2b及び支持部材13間の振動を減衰させる。
【0036】
図12から
図14に係る実施形態では、支持部材13は、その上部接触面13aに、ハウジングカバー2bの内面に直接接触する減衰エレメント16を受けるための開口を有する中空ポストとして形成される。シールエレメント14及び減衰エレメント16は分離している。
【0037】
図15から
図17に係る実施形態では、支持部材13は断面が多角形であり、シールエレメント14と分離した減衰エレメント16を受けるために同様に上部接触面13aに開口を有する中空体として形成されている。上部開口はスロット状であり、同時に減衰エレメント16は支持部材13の全長にわたって延び、減衰エレメント16及びハウジングカバー2b間に大きな支持面を形成する。