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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1345 20060101AFI20221003BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20221003BHJP
   G02F 1/1337 20060101ALI20221003BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
G02F1/1345
G02F1/1333
G02F1/1337
G09F9/00 348Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018155614
(22)【出願日】2018-08-22
(65)【公開番号】P2020030312
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 智一
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 ひとみ
(72)【発明者】
【氏名】宍倉 正志
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/033758(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107329336(CN,A)
【文献】特開2009-036794(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106501983(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0180945(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343-1/1345,1/135
G02F 1/1337
G02F 1/133,1/1333,1/1334
G02F 1/1339-1/1341,1/1347
G09F 9/00
G09F 9/30-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を含む第1領域と、前記第1領域に隣接する第2領域と、第1有機膜と、前記第1有機膜の上に配置された第2有機膜と、前記第2有機膜に重畳する接地電位の接地パッドと、前記第2有機膜と前記接地パッドとの間に介在する無機絶縁膜と、を備えた第1基板と、
前記第1領域と前記第2領域との境界に沿った基板端を備え、前記第1領域に重畳する第2基板と、を備え、
前記接地パッドは、前記第2領域に位置し、前記第2有機膜の上に設けられた透明導電層であり、
前記第1基板は、前記表示部に位置する配向膜と、前記第2領域に位置し信号源に接続される複数の端子と、前記第2領域の前記接地パッドと重畳する領域において前記第2有機膜に形成された複数の溝部と、を備え、
前記複数の端子は、第1方向に沿って並び、
前記複数の溝部は、それぞれ前記第1方向に延出し、前記第1方向に間隔をおいて並び、且つ、千鳥配列され、
前記複数の第3溝部は、前記第1有機膜を露出し、
前記無機絶縁膜は、前記第2有機膜を覆うとともに、前記複数の第3溝部において前記第1有機膜を覆い、
前記接地パッドは、前記複数の第3溝部において前記無機絶縁膜に重なり、
前記第3溝部において露出される前記第1有機膜は、全面が平坦であり、
前記配向膜は、前記複数の第3溝部の少なくとも一つにおいて前記接地パッドに接触する、表示装置。
【請求項2】
前記第1基板は、前記第2領域において前記第2基板の前記基板端と前記複数の端子との間に位置する前記第1有機膜に形成された第1溝部を備え、
前記第1溝部は、前記第1方向に延出しており、
前記第1溝部と前記複数の第3溝部は、互いに重ならない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
さらに、前記複数の端子と電気的に接続された信号源を備え、
前記第1溝部の前記第1方向に沿った長さは、前記信号源の前記第1方向に沿った長さと同等以上である、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1基板は、さらに、複数の検査パッドと、前記第2領域において前記第2基板の前記基板端と前記複数の検査パッドとの間に位置する前記第2有機膜に形成された第2溝部と、を備え、
前記複数の検査パッドは、前記第1方向に沿って並び、
前記第2溝部は、前記複数の検査パッドに沿って前記第1方向に延出している、請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1基板は、前記第2基板の前記基板端と平行な基板端を備え、
前記第2領域は、前記第1基板の前記基板端と前記第2基板の前記基板端との間の領域であり、
前記複数の第3溝部は、前記接地パッドと重畳する領域において前記第2基板の前記基板端に近接する側に位置し、前記第1基板の前記基板端に近接する側には設けられていない、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記配向膜の端部は、前記複数の第3溝部のうちの少なくとも1つに位置し、
前記配向膜は、前記接地パッドのうちの前記第1基板の前記基板端に近接する側を露出している、請求項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1基板は、前記第2基板の前記基板端と平行な基板端を備え、
前記第2領域は、前記第1基板の前記基板端と前記第2基板の前記基板端との間の領域であり、
前記第2有機膜の端部は、前記表示部と前記第1溝部との間に位置し、前記第2溝部と前記検査パッドとの間に位置し、前記接地パッドと前記検査パッドとの間に位置し、前記接地パッドと前記第1基板の前記基板端との間に位置している、請求項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1基板は、前記第2基板の前記基板端と平行な基板端を備え、
前記第2領域は、前記第1基板の前記基板端と前記第2基板の前記基板端との間の領域であり、
前記第2有機膜の端部は、前記複数の端子と前記第1溝部との間に位置し、前記検査パッドと前記第2溝部との間に位置し、前記接地パッドと前記第1基板の前記基板端との間に位置し、前記複数の端子と前記接地パッドとの間に位置し、前記接地パッドと前記検査パッドとの間に位置している、請求項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1基板は、さらに、前記第1領域において前記第1有機膜と前記第2有機膜との間に位置する金属配線を有し、
前記第2領域において、前記第1溝部は、前記第1有機膜及び前記第2有機膜に形成されている、請求項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1基板は、さらに、前記第1領域において前記第1有機膜と前記第2有機膜との間に位置する金属配線を有し
前記第1溝部は、前記第1有機膜及び前記第2有機膜を貫通する第1部分と、前記第1有機膜上において前記第2有機膜を貫通する第2部分と、を有している、請求項に記載表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アレイ基板と平行方向の電界によって液晶分子を回転させる液晶表示装置が種々検討されている。一例では、対向基板の表面に形成された帯電防止用透明導電膜と、アレイ基板の端子部に形成された透明導電膜とを、導電テープで接続した液晶表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-146450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、歩留まりの改善が可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、
表示部を含む第1領域と、前記第1領域に隣接する第2領域と、有機膜と、を備えた第1基板と、前記第1領域と前記第2領域との境界に沿った基板端を備え、前記第1領域に重畳する第2基板と、を備え、前記第1基板は、前記表示部に位置する配向膜と、前記第2領域に位置し信号源に接続される複数の端子と、前記第2領域において前記第2基板の前記基板端と前記複数の端子との間に位置する前記有機膜に形成された第1溝部と、を備え、前記複数の端子は、第1方向に沿って並び、前記第1溝部は、前記複数の端子に沿って前記第1方向に延出している、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態の表示装置DSPの第1構成例を示す平面図である。
図2図2は、図1に示したA-B線に沿った表示パネルPNLの断面図である。
図3図3は、図1に示したICチップ1を含む第2領域A2を拡大した平面図である。
図4図4は、図3に示したC-D線に沿った第1基板SUB1の断面図である。
図5図5は、図4に示した端子TAを示す断面図である。
図6図6は、図1に示した接地パッドEP及び検査パッドIPを含む第2領域A2を拡大した平面図である。
図7図7は、図6に示したE-F線に沿った第1基板SUB1の断面図である。
図8図8は、図6に示したG-H線に沿った第1基板SUB1の断面図である。
図9図9は、本実施形態の表示装置DSPの第2構成例を示す平面図である。
図10図10は、図9に示した第2領域A2を拡大した平面図である。
図11図11は、図10に示したI-J線に沿った第1基板SUB1の断面図である。
図12図12は、画素PXの基本構成及び等価回路を示す図である。
図13図13は、図1に示した表示パネルPNLの一構成例を示す断面図である。
図14図14は、本実施形態の表示装置DSPの第3構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの第1構成例を示す平面図である。一例では、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端側の位置を上と称し、矢印の先端とは逆側の位置を下と称する。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0009】
表示装置DSPは、表示パネルPNLと、ICチップ1と、配線基板F1と、を備えている。
表示パネルPNLは、液晶表示パネルであり、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、後述する液晶層LCと、を備えている。表示パネルPNLは、画像を表示する表示部DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部NDAとを備えている。
【0010】
第1基板SUB1は、第1方向Xに沿って延出した端部E11及びE12と、第2方向Yに沿って延出した端部E13及びE14とを有している。第2基板SUB2は、第1方向Xに沿って延出した端部E21及びE22と、第2方向Yに沿って延出した端部E23及びE24とを有している。第1基板SUB1は、第2方向Yに並んだ第1領域A1及び第2領域A2を備えている。第2基板SUB2は、平面視で、第1領域A1において第1基板SUB1に重畳し、第2領域A2には重畳していない。端部E22は、第1領域A1と第2領域A2との境界に沿った基板端に相当する。つまり、第1領域A1は、平面視で、端部E11、E22、E13及びE14によって囲まれた領域に相当する。第2領域A2は、端部E12、E22、E13及びE14によって囲まれた領域に相当する。
【0011】
表示部DAは、第1領域A1に含まれる。表示部DAは、第1方向Xに沿って延出した端部E1及びE2を有している。表示部DAは、第1方向(列方向)X及び第2方向(行方向)Yにマトリクス状(行列状)に配置された複数の画素PXを備えている。ここでの画素PXとは、画素信号に応じて個別に制御することができる最小単位を示し、副画素と称する場合がある。画素PXは、例えば、赤色を表示する赤画素、緑色を表示する緑画素、青色を表示する青画素、または、白色を表示する白画素のいずれかである。
【0012】
第1領域A1における表示部DAの外側、及び、第2領域A2は、非表示部NDAに相当する。ICチップ1及び配線基板F1は、表示パネルPNLからの信号を読み出す場合もあるが、主として表示パネルPNLに信号を供給する信号源として機能する。これらの信号源は、第2領域A2に実装されている。図示した例では、配線基板F1及びICチップ1は、それぞれ第2領域A2に実装されている。なお、ICチップ1は、配線基板F1に実装されてもよく、この例については後述する。ICチップ1は、画像を表示する画像表示モードにおいて画像表示に必要な信号を出力するディスプレイドライバDDを内蔵している。また、図示した例では、ICチップ1は、表示装置DSPへの物体の接近又は接触を検出するタッチセンシングモードを制御するタッチコントローラTCNを内蔵している。図中において、ディスプレイドライバDD及びタッチコントローラTCNは点線で示している。配線基板F1は、折り曲げ可能なフレキシブルプリント回路基板である。
【0013】
第1基板SUB1は、第2領域A2において、信号源が接続される端子(後述する)の他に、接地パッドEPと、検査パッドIPと、を備えている。図示した例において、接地パッドEPは、検査パッドIPとICチップ1との間に位置している。なお、検査パッドIPが、接地パッドEPとICチップ1との間に位置してもよい。
第2基板SUB2は、透明導電膜CLを備えている。透明導電膜CLは、第1領域A1と重畳するほぼ全域に亘って形成され、表示部DAの各画素PXとも重畳している。透明導電膜CLは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成されている。
接続部材CNは、非表示部NDAに位置し、接地パッドEPと透明導電膜CLとを電気的に接続している。接続部材CNは、例えば、導電性ペーストや導電性テープである。
【0014】
本実施形態の表示パネルPNLは、第1基板SUB1の背面側からの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型、第2基板SUB2の前面側からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型、あるいは、透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型のいずれであってもよい。
また、表示パネルPNLの詳細な構成について、ここでは説明を省略するが、表示パネルPNLは、基板主面に沿った横電界を利用する表示モード、基板主面の法線に沿った縦電界を利用する表示モード、基板主面に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モード、さらには、上記の横電界、縦電界、及び、傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応したいずれの構成を備えていてもよい。ここでの基板主面とは、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面と平行な面である。
【0015】
図2は、図1に示したA-B線に沿った表示パネルPNLの断面図である。なお、ここでは、説明に必要な構成のみを図示している。
第2基板SUB2は、第1基板SUB1と対向する内面SAと、内面SAとは反対側の外面SBと、を備えている。遮光層LSは、第2基板SUB2の内面SAに設けられ、非表示部NDAに位置している。表示部DAの端部E2は、遮光層LSの内側端に相当する。シールSEは、非表示部NDAに位置し、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接着するとともに、液晶層LCを封止している。シールSEは、遮光層LSと重畳する位置に設けられている。透明導電膜CLは、外面SBに設けられ、表示部DA及び非表示部NDAに亘って設けられている。なお、透明導電膜CLは、第2基板SUB2に含まれる絶縁基板の外面に設けられてもよいし、絶縁基板に接着された光学素子の外面に設けられてもよい。
接続部材CNは、シールSE及び遮光層LSと重畳する位置において、透明導電膜CLに接している。また、接続部材CNは、第1基板SUB1の第2領域A2に設けられ、接地パッドEPに接している。
【0016】
図3は、図1に示したICチップ1を含む第2領域A2を拡大した平面図である。ここでは、ICチップ1及び配線基板F1は、点線で示している。第1基板SUB1は、第2領域A2において、端子群1A、1B、1Cを備えている。端子群1Cは、ICチップ1と端部E12との間に設けられ、配線基板F1に重畳している。端子群1A及び1Bは、平面視で、配線基板F1と端部E22との間に設けられ、ICチップ1に重畳している。端子群1A、1B、1Cは、それぞれ第1方向Xに沿って間隔をおいて並んだ複数の端子TA、TB、TCを備えている。端子TA及びTBは、それぞれICチップ1と電気的に接続される。端子TCは、配線基板F1と電気的に接続される。
【0017】
第1基板SUB1は、第2領域A2において、溝部GR1及びGR2を有している。溝部GR1及びGR2は、表示部DAと端子群1Aの複数の端子TAとの間に位置している。あるいは、溝部GR1及びGR2は、表示部DAの最外周に位置する(あるいは端部E2に最も近い)画素PXEの画素電極PEと端子TAとの間に位置している。また、平面視で、溝部GR1及びGR2は、端部E22(あるいは第1領域A1)と端子TAとの間に位置している。図示した例では、溝部GR1及びGR2は、第2方向Yに沿って間隔を置いて並び、それぞれ第1方向Xに沿って延出している。なお、端部E22と端子TAとの間において、さらに多くの溝部GRが設けられてもよいし、溝部GR1のみでもよい。また、端部E2と端部E22との間に他の溝部GRが設けられてもよい。
【0018】
第1基板SUB1に設けられる配向膜AL1は、表示部DAを含む第1領域A1に亘って配置されている。配向膜AL1の端部ALEは、図中に一点鎖線で示すように、端子TAに重なることはなく、表示部DAと溝部GR1との間に位置している。例えば、端部ALEは、溝部GR1に位置している場合もありうるし、溝部GR1及びGR2の間に位置している場合もありうるし、溝部GR2に位置している場合もありうるし、溝部GR2と最外周の画素PXEの画素電極PEとの間に位置している場合もありうる。
【0019】
溝部GR1は、第1方向Xに沿って長さLG1を有している。溝部GR1は、端部GE1と、端部GE1の反対側に位置する端部GE2とを有している。ICチップ1は、第1方向Xに沿って長さL1を有している。長さLG1は、長さL1と同等以上である。図示した例では、長さLG1は、長さL1より長い。ICチップ1は、第1方向Xにおいて、端部GE1と端部GE2との間に位置している。つまり、端部GE1及びGE2は、ICチップ1よりも第1方向Xに沿った外側に位置している。溝部GR2は、溝部GR1の長さLG1と同等の長さを有している。また、溝部GR1及びGR2のそれぞれの第2方向Yに沿った幅は同等である。
第2方向Yにおいて、端子TAから端部E2までの距離は、端子TAから溝部GR1までの距離の数十倍に相当する。つまり、溝部GR1は、端部E2と端子TAとの間において、端子TAに近接した位置に形成されている。
【0020】
図4は、図3に示したC-D線に沿った第1基板SUB1の断面図である。第1基板SUB1は、絶縁基板10、絶縁膜11乃至16、導電層31、配向膜AL1などを備えている。絶縁基板10は、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの透明基板である。絶縁膜11は、絶縁基板10の上に位置している。絶縁膜12は、絶縁膜11の上に位置している。導電層31は、絶縁膜12の上に位置し、絶縁膜13によって覆われている。導電層31は、例えば、図3に示した端子TAから表示部DAに向かって延出する配線である。絶縁膜14は、絶縁膜13の上に位置している。溝部GR1及びGR2は、絶縁膜14に形成されている。図示した例では、溝部GR1及びGR2は、絶縁膜14を貫通し、絶縁膜13まで達しているが、絶縁膜14を貫通しない窪みであってもよい。絶縁膜14は、溝部GR1と端子TAとの間に端部14Eを有している。絶縁膜15は、溝部GR2と表示部DAとの間に端部15Eを有している。つまり、絶縁膜15は、溝部GR1及びGR2が形成される位置には存在しない。絶縁膜16は、絶縁膜14及び15を覆うとともに、溝部GR1及びGR2において絶縁膜13を覆っている。端子TAについて、詳細な構造については後述する。配向膜AL1は、絶縁膜16の上に位置している。図示した例では、配向膜AL1の端部ALEは、溝部GR1に位置している。つまり、配向膜AL1は、端子TAを覆っていない。
【0021】
絶縁膜11乃至13、及び、絶縁膜16は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの無機材料によって形成された無機絶縁膜であり、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。絶縁膜14及び15は、例えば、アクリル樹脂などの有機絶縁材料によって形成された有機膜である。絶縁膜14は、例えば、2μm~3μmの膜厚を有している。絶縁膜15は、例えば、1μm~2μmの膜厚を有している。但し、絶縁膜15は、無機絶縁膜であってもよい。
【0022】
図3及び図4に示した例において、溝部GR1及びGR2は第1溝部に相当し、絶縁膜14は第1有機膜に相当し、絶縁膜15は第2有機膜に相当する。
【0023】
図5は、図4に示した端子TAを示す断面図である。金属層41は、絶縁膜13の上に位置している。金属層42は、金属層41を覆っている。透明導電層51は、金属層42を覆っている。絶縁膜16は、透明導電層51まで貫通したコンタクトホールCH1を有している。透明導電層52は、絶縁膜16の上に位置し、コンタクトホールCH1において透明導電層51に接している。端子TAは、例えば金属層41、金属層42、透明導電層51、透明導電層52の何れか若しくはこれら2層以上の積層部に相当するものとする。ただし、端子Tの特定についてはこれに限らず、ICチップとの接続箇所に相当する導電部と考えても良い。
金属層41は、例えば、チタン(Ti)を含む層、アルミニウム(Al)を含む層、及び、チタン(Ti)を含む層がこの順に積層された積層体である。金属層42は、例えば、モリブデン(Mo)を含む層、アルミニウム(Al)を含む層、及び、モリブデン(Mo)を含む層がこの順に積層された積層体である。透明導電層51及び52は、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成されている。
【0024】
本実施形態によれば、第1基板SUB1は、第2領域A2において、表示部DAと端子TAとの間に溝部GR1を備えている。配向膜AL1が印刷された際、例え配向膜AL1が第1領域A1のみならず第2領域A2に広がったとしても、配向膜AL1は、溝部GR1内に流れ込み、端子TAよりも表示部DA側で堰き止められる。これにより、端子TAが配向膜AL1によって覆われることに起因した、ICチップ1との接触不良を抑制することができ、歩留まりを改善することができる。
【0025】
また、近年では狭額縁化の要求が高まり、非表示部NDAの幅が縮小する傾向にある。信号源が実装される領域についても例外なく、狭額縁化の要求が高まっている。このため、表示部DAと信号源との間隔が小さくなり、配向膜AL1の端部ALEの位置の許容範囲が小さくなる傾向にある。本実施形態では、印刷される配向膜材料の量にバラツキが生じたとしても、過剰な配向膜材料は、端子TAと表示部DAとの間の溝部GR1によって吸収される。このため、配向膜AL1の端子TAへの広がりを抑制することができる。
【0026】
また、溝部GR1は有機膜に形成されているため、無機絶縁膜に形成された溝部と比較して、溝部GR1の深さを大きくすることができ、受け入れ可能な配向膜材料の体積を増大することができる。
【0027】
図6は、図1に示した接地パッドEP及び検査パッドIPを含む第2領域A2を拡大した平面図である。
【0028】
検査パッドIPは、表示部DAにおける断線等を検査するための検査信号が入力されるパッドである。複数の検査パッドIPは、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。図示した例では、検査パッドIPは、2列に並び、千鳥配列されているが、1列であってもよい。検査パッドIPを含む断面構造は、例えば図5に示したのと同様である。第1基板SUB1は、第2領域A2において、溝部GR21及びGR22を有している。溝部GR21及びGR22は、表示部DAと複数の検査パッドIPとの間に位置している。あるいは、溝部GR21及びGR22は、平面視で、端部E2あるいは端部E22あるいは第1領域A1と、検査パッドIPとの間に位置している。図示した例では、溝部GR21及びGR22は、第2方向Yに沿って間隔を置いて並び、それぞれ第1方向Xに沿って延出している。なお、端部E2と検査パッドIPとの間において、さらに多くの溝部GRが設けられてもよいし、溝部GR21のみでもよい。
【0029】
接地パッドEPは、例えば、図2に示した端子TCと電気的に接続され、配線基板F1を介して接地されている。第1基板SUB1は、第2領域A2において、複数の溝部GR31乃至GR34を有している。溝部GR31乃至GR34は、接地パッドEPに重畳している。図示した例では、溝部GR31乃至GR34は、接地パッドEPと重畳する領域のうち、端部E22に近接する側に位置しており、端部E12に近接する側には設けられていない。なお、ここでは、図1に示した接続部材CNの図示を省略している。
溝部GR31及びGR32は、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。同様に、溝部GR33及びGR34は、第1方向Xに沿って間隔をおいて並んでいる。溝部GR31及びGR34は、それぞれ第1方向Xに沿って延出している。また、溝部GR31乃至GR34は、千鳥配列されている。すなわち、溝部GR31は溝部GR32に対向する端部31Eを有し、溝部GR32は溝部GR31に対向する端部32Eを有している。溝部GR33と、端部31E及び32Eとは、第2方向Yに並んでいる。同様に、溝部GR33は溝部GR34に対向する端部33Eを有し、溝部GR34は溝部33に対向する端部34Eを有している。端部33E及び34Eと、溝部GR32とは、第2方向Yに並んでいる。
【0030】
絶縁膜15は、第2領域A2において、溝部GR21及びGR22に重畳し、また、接地パッドEPに重畳し、検査パッドIPには重畳していない。つまり、絶縁膜15の端部15Eは、溝部GR21と検査パッドIPとの間に位置し、接地パッドEPと検査パッドIPとの間に位置し、接地パッドEPと端部E12との間に位置している。
【0031】
図6に示した例において、溝部GR21及びGR22は第2溝部に相当し、溝部GR31乃至GR34は第3溝部に相当する。
【0032】
図7は、図6に示したE-F線に沿った第1基板SUB1の断面図である。第1基板SUB1は、絶縁膜13及び14の間に位置する導電層32を備えている。導電層32は、例えば図5に示した金属層41と同一材料によって形成されている。溝部GR21は、絶縁膜14の上に位置し、絶縁膜15に形成されている。図示した例では、溝部GR21は、絶縁膜15を貫通し、絶縁膜14まで達しているが、絶縁膜15を貫通しない窪みであってもよい。絶縁膜16は、絶縁膜15を覆うとともに、溝部GR21において絶縁膜14を覆っている。図示した例では、配向膜AL1の端部ALEは、溝部GR21に位置している。つまり、配向膜AL1は、検査パッドIPを覆っていない。なお、図7に示した溝部GR22についても、図示した溝部GR21と同様の断面構造を有している。
したがって、表示部DAを検査する工程において、検査装置のプローブと検査パッドIPとの接続不良を抑制することができる。
【0033】
図8は、図6に示したG-H線に沿った第1基板SUB1の断面図である。なお、ここでは、図1に示した接続部材CNの図示を省略している。溝部GR31は、絶縁膜14の上に位置し、絶縁膜15に形成されている。図示した例では、溝部GR31は、絶縁膜15を貫通し、絶縁膜14まで達しているが、絶縁膜15を貫通しない窪みであってもよい。絶縁膜16は、絶縁膜15を覆うとともに、溝部GR31において絶縁膜14を覆っている。接地パッドEPは、絶縁膜16の上に位置している。接地パッドEPは、図5に示した透明導電層52と同一材料によって形成されている。配向膜AL1は、接地パッドEPの上に位置し、図示した例では、配向膜AL1の端部ALEは、溝部GR31に位置している。つまり、配向膜AL1は、溝部GR31よりも図の左側では接地パッドEPを覆っているが、溝部GR31よりも図の右側では接地パッドEPを覆っていない。なお、図7に示した他の溝部GR32乃至34についても、図示した溝部GR31と同様の断面構造を有している。
したがって、接地パッドEPにおいて、接続部材CNと接続される領域を確保することができ、接続部材CNとの接続不良を抑制することができる。
また、図6に示したように、平面視で、接地パッドEPと重畳する溝部GR31乃至GR34は、千鳥配列されている。このため、端部31E及び32Eの間、あるいは、端部33E及び34Eの間においては、絶縁膜15に大きな段差が形成されず、接地パッドEPの断線を抑制することができる。
【0034】
図9は、本実施形態の表示装置DSPの第2構成例を示す平面図である。図9に示した第2構成例は、図1に示した第1構成例と比較して、第1基板SUB1の第2領域に配線基板F1が実装され、ICチップ1が配線基板F1に実装された点で相違している。このような第2構成例においては、第1構成例よりも第2領域A2の第2方向Yに沿った幅を縮小することができる。
【0035】
図10は、図9に示した第2領域A2を拡大した平面図である。ここでは、配線基板F1は、点線で示している。第1基板SUB1は、第1構成例と同様に、複数の端子TC、検査パッドIP、接地パッドEPを備えている。溝部GR1及びGR2は、表示部DAと複数の端子TCとの間に位置している。溝部GR21及びGR22は、表示部DAと検査パッドIPとの間に位置している。溝部GR31乃至GR34は、接地パッドEPに重畳し、千鳥配列されている。
【0036】
絶縁膜15は、第2領域A2において、溝部GR1及びGR2に重畳し、溝部GR21及び22に重畳し、また、接地パッドEPに重畳し、端子TC及び検査パッドIPには重畳していない。つまり、絶縁膜15の端部15Eは、溝部GR1と端子TCとの間、接地パッドEPと端部E12との間、溝部GR21と検査パッドIPとの間、端子TCと接地パッドEPとの間、接地パッドEPと検査パッドIPとの間にそれぞれ位置している。
【0037】
溝部GR21及び22の断面構造は、図7を参照して説明した通りである。溝部GR31乃至GR34の断面構造は、図8を参照して説明した通りである。
【0038】
溝部GR1は、互いに異なる断面構造を有する第1部分GA1及び第2部分GB1を有している。溝部GR2も同様に、第1部分GA2及び第2部分GB2を有している。図示した例では、溝部GR1における第1部分GA1と第2部分GB1との境界B1は、溝部GR2における第1部分GA2と第2部分GB2との境界B2とは第1方向Xにずれている。例えば、第2部分GB2の第1方向Xに沿った長さL12は、第2部分GB1の第1方向Xに沿った長さL11より短い。
【0039】
第1部分GA1及びGA2の断面構造は、図11を参照して説明する。
第2部分GB1及びGB2の断面構造は、溝部GR21などと同様であり、図7を参照して説明した通りである。つまり、平面視で、第2部分GB1及びGB2と重畳する領域には、導電層32が配置されている場合がある。このため、絶縁膜14を貫通する溝部GR1及びGR2が形成された場合、導電層32が露出するおそれがある。したがって、導電層32が配置される領域においては、溝部GR1及びGR2は絶縁層15に形成され、導電層32と溝部GR1及びGR2との間には、絶縁層14が介在している。
【0040】
図11は、図10に示したI-J線に沿った第1基板SUB1の断面図である。溝部GR1の第1部分GA1は、絶縁膜14及び15に形成されている。図示した例では、第1部分GA1は、絶縁膜14に形成された貫通孔TH1と、絶縁膜15に形成された貫通孔TH2とによって形成されている。なお、第1部分GA1は、絶縁膜14を貫通しない凹部と、貫通孔TH2とによって形成されていてもよい。貫通孔TH1の第2方向Yに沿った幅W1は、貫通孔TH2の第2方向Yに沿った幅W2より小さい。絶縁膜16は、絶縁膜14及び15を覆うとともに、第1部分GA1において絶縁膜13を覆っている。図示した例では、配向膜AL1の端部ALEは、第1部分GA1に位置している。つまり、配向膜AL1は、端子TCを覆っていない。なお、図10に示した溝部GR2の第1部分GA2についても、図示した第1部分GA1と同様の断面構造を有している。
したがって、端子TCが配向膜AL1によって覆われることに起因した、配線基板F1との接触不良を抑制することができる。
【0041】
図示した例では、第1部分GA1の直下には、導電層32が存在せず、絶縁膜12及び13の間に導電層31が配置されている。つまり、平面視で、図10の第1部分GA1及びGA2と重畳する領域には、導電層31が配置されている場合があるが、導電層32は配置されていない。このため、絶縁膜14及び15を貫通する第1部分GA1及びGA2が形成された場合であっても、導電層31は露出せず、導電層31と第1部分GA1及びGA2との間には、絶縁層13が介在している。
【0042】
次に、表示部DAの主要な構成について説明する。
図12は、画素PXの基本構成及び等価回路を示す図である。複数本の走査線Gは、走査線駆動回路GDに接続されている。複数本の信号線Sは、信号線駆動回路SDに接続されている。走査線G及び信号線Sは、それぞれ、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成されている。走査線G及び信号線Sは、それぞれ、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。なお、走査線G及び信号線Sは、必ずしも直線的に延出していなくてもよく、それらの一部が屈曲していてもよい。例えば、信号線Sは、その一部が屈曲していたとしても、第2方向Yに延出しているものとする。
【0043】
共通電極CEは、複数の画素PXに亘って配置されている。共通電極CEは、電圧供給部CD及び図1に示したタッチコントローラTCNに接続されている。画像表示モードにおいては、電圧供給部CDは、共通電極CEにコモン電圧(Vcom)を供給する。タッチセンシングモードにおいては、タッチコントローラTCNは、コモン電圧とは異なるタッチ駆動電圧を共通電極CEに供給する。
【0044】
各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0045】
図13は、図1に示した表示パネルPNLの一構成例を示す断面図である。図示した例は、横電界を利用する表示モードの一つであるFFS(Fringe Field Switching)モードが適用された例に相当する。
【0046】
第1基板SUB1は、半導体層SC、信号線S、金属配線ML、共通電極CE、画素電極PE、配向膜AL1などを備えている。半導体層SCは、絶縁膜11の上に位置し、絶縁膜12によって覆われている。半導体層SCは、例えば、多結晶シリコンによって形成されているが、アモルファスシリコンや酸化物半導体によって形成されていてもよい。図12に示した走査線Gは、絶縁膜12及び13の間に位置し、図4などに示した導電層31と同一材料によって形成されている。信号線Sは、絶縁膜13の上に位置し、絶縁膜14によって覆われている。信号線Sは、図5に示した金属層41、及び、図7などに示した導電層32と同一材料によって形成されている。金属配線MLは、絶縁膜14の上に位置し、絶縁膜15によって覆われている。金属配線MLは、図5に示した金属層42と同一材料によって形成されている。金属配線MLは、それぞれ信号線Sと平行に延出し、信号線Sの直上に位置している。
【0047】
共通電極CEは、絶縁膜15の上に位置し、絶縁膜16によって覆われている。共通電極CEは、絶縁膜15に形成されたコンタクトホールを介して金属配線MLと電気的に接続される。共通電極CEは、図5に示した透明導電層51と同一材料によって形成され、例えばITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成されている。画素電極PEは、絶縁膜16の上に位置し、配向膜AL1によって覆われている。画素電極PEは、絶縁膜16を介して共通電極CEと対向している。画素電極PEは、図5に示した透明導電層52と同一材料によって形成され、例えばITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成されている。
【0048】
第2基板SUB2は、絶縁基板20、遮光層BM、カラーフィルタ層CF、オーバーコート層OC、配向膜AL2などを備えている。このような第2基板SUB2は、カラーフィルタ基板と称される場合がある。絶縁基板20は、絶縁基板10と同様に、ガラス基板や可撓性の樹脂基板などの透明基板である。カラーフィルタ層CFは、赤色のカラーフィルタCFR、緑色のカラーフィルタCFG、及び、青色のカラーフィルタCFBを含んでいる。カラーフィルタCFGは、画素電極PEと対向している。他のカラーフィルタCFR及びCFBも、それぞれ他の画素電極PEと対向している。オーバーコート層OCは、カラーフィルタ層CFを覆っている。オーバーコート層OCは、透明な有機材料によって形成された有機絶縁膜である。配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。配向膜AL1及びAL2は、例えば、水平配向性を呈する材料によって形成されている。
【0049】
液晶層LCは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に位置し、配向膜AL1と配向膜AL2との間に保持されている。液晶層LCは、液晶分子LMを備えている。液晶層LCは、ポジ型(誘電率異方性が正)の液晶材料、あるいは、ネガ型(誘電率異方性が負)の液晶材料によって構成されている。
【0050】
偏光板PL1を含む光学素子OD1は、絶縁基板10に接着されている。偏光板PL2を含む光学素子OD2は、絶縁基板20に接着されている。なお、光学素子OD1及びOD2は、必要に応じて位相差板、散乱層、反射防止層などを備えていてもよい。照明装置ILは、白色の照明光で表示パネルPNLの第1基板SUB1を照明する。
【0051】
このような表示パネルPNLにおいては、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されていないオフ状態において、液晶分子LMは、配向膜AL1及びAL2の間で所定の方向に初期配向している。このようなオフ状態では、照明装置ILから表示パネルPNLに向けて照射された照明光は、光学素子OD1及びOD2によって吸収され、暗表示となる。一方、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されたオン状態においては、液晶分子LMは、電界により初期配向方向とは異なる方向に配向し、その配向方向は電界によって制御される。このようなオン状態では、照明装置ILからの照明光の一部は、光学素子OD1及びOD2を透過し、明表示となる。
【0052】
図14は、本実施形態の表示装置DSPの第3構成例を示す平面図である。図14に示した第3構成例は、図1に示した第1構成例と比較して、表示パネルPNLの形状が相違している。すなわち、表示パネルPNLは、第1領域A1において、第2領域A2とは反対側に切り欠き部NT1を有している。第1基板SUB1は、端部E11に対して端部E12側に窪んだ端部E15を有している。第2基板SUB2は、端部E21に対して端部E22側に窪んだ端部E25を有している。端部E15及びE25は、平面視で重畳し、切り欠き部NT1を形成している。
このような第3構成例の表示パネルPNLにおいて、第1構成例と同様に、ICチップ1及び配線基板F1が第2領域A2に実装されてもよいし、第2構成例と同様に、ICチップ1が実装された配線基板F1が第2領域A2に実装されてもよい。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、歩留まりの改善が可能な表示装置を提供することができる。
【0054】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
DSP…表示装置 PNL…表示パネル DA…表示部 配線基板…F1 TA、TB、TC…端子 1…ICチップ EP…接地パッド IP…検査パッド A1乃至3…第1領域乃至第3領域 GR…溝部 AL…配向膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14