(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】仕切装置
(51)【国際特許分類】
A47G 5/00 20060101AFI20221003BHJP
【FI】
A47G5/00 E
(21)【出願番号】P 2018194823
(22)【出願日】2018-10-16
【審査請求日】2021-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】森田 さやか
(72)【発明者】
【氏名】内野 学
(72)【発明者】
【氏名】小野 由記子
(72)【発明者】
【氏名】須藤 玲子
(72)【発明者】
【氏名】柏岡 イサク
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-207291(JP,A)
【文献】特開2004-225340(JP,A)
【文献】実開平6-13636(JP,U)
【文献】特開2008-119215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上に設置されるベース部と、
前記ベース部から上方に向かって互いに接近するように延在する一対の支柱と、
一対の前記支柱の上端部に支持されるとともに、上下方向に交差する方向に延在する横フレームと、
前記横フレームに支持された膜材と、
を備え、
前記ベース部は、
一方の前記支柱の下端が接続された第一接続部と、
他方の前記支柱の下端が接続された第二接続部と、
前記第一接続部と前記第二接続部との間において、前記床面に沿って円弧状に湾曲した湾曲部と、を有し、
一対の前記支柱は、下方から上方に向かうに従い、平面視において前記湾曲部の曲率中心に向けて傾斜して延在している仕切装置。
【請求項2】
床面上に設置されるベース部と、
前記ベース部から上方に向かって互いに接近するように延在する一対の支柱と、
一対の前記支柱の上端部に支持されるとともに、上下方向に交差する方向に延在する横フレームと、
前記横フレームに支持された膜材と、
一対の前記支柱の上端部をまとめて連結する連結部材
と、を備え、
前記横フレームは、前記連結部材を介して前記支柱に支持されている仕切装置。
【請求項3】
前記連結部材は、一対の前記支柱の上端部が挿入される支柱挿入凹部が形成された第一部材を有する請求項
2に記載の仕切装置。
【請求項4】
一対の前記支柱は、前記横フレームの延伸方向に並んだ状態で前記支柱挿入凹部内に挿入されている請求項
3に記載の仕切装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕切装置に関する。
【背景技術】
【0002】
室内空間を仕切る仕切装置として、硬質の板状のパネルを用いたものが多く用いられている。これに対し、より柔らかい印象を与える仕切装置として、布地等の軟質な材料からなるシートを用いたものがある。
例えば、特許文献1には、左右一対の縦枠及びこれらの縦枠を連結する横枠を有する矩形のフレーム枠と、フレーム枠の内側に設けた上下一対のシート支持棒と、上下一対のシート支持棒に両端が支持された布地からなる衝立用シートと、を備える構成が開示されている。このような構成においては、布地からなる衝立用シートを採用しているものの、その周囲が矩形のフレーム枠によって囲まれているため、依然として硬い印象を与えている。
【0003】
これに対し、特許文献2には、ベースから立ち上がる1本の支柱と、水平に延び、支柱の上端に中央部が取り付けられた横フレームと、カーテン素材からなり、支柱及び横フレームを覆うように被せた張材と、を備える構成が開示されている。このような構成では、支柱と横フレームとが略T字状に組まれており、張材の両側に支柱が露出しない。このため、特許文献1に開示されたような構成に対し、より柔らかく、軽快な印象を与えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平6-13636号公報
【文献】特開2008-119215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に開示されたような構成では、張材を支持する横フレームは、その中央部が1本の支柱の上端に取り付けられている。このため、横フレームが支柱との接合部分を中心として水平面内及び鉛直面内で回動(揺動)する方向の力が加わったときに、横フレームと支柱との接合部分に大きなモーメントが作用する。このため、横フレームに前記モーメントが発生する方向の力が加わった場合、横フレームと支柱との接合部分が変形したり破損したりする場合がある。
本発明は、柔軟かつ軽快な印象を与えつつ、高い強度を有する仕切装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る仕切装置は、床面上に設置されるベース部と、前記ベース部から上方に向かって互いに接近するように延在する一対の支柱と、一対の前記支柱の上端部に支持されるとともに、上下方向に交差する方向に延在する横フレームと、前記横フレームに支持された膜材と、を備え、前記ベース部は、一方の前記支柱の下端が接続された第一接続部と、他方の前記支柱の下端が接続された第二接続部と、前記第一接続部と前記第二接続部との間において、前記床面に沿って円弧状に湾曲した湾曲部と、を有し、一対の前記支柱は、下方から上方に向かうに従い、平面視において前記湾曲部の曲率中心に向けて傾斜して延在している。
【0007】
このように、膜材を支持する横フレームが、一対の支柱の上端部に支持されることで、一本の支柱のみで横フレームを支持する場合に比較し、横フレームを強固に支持することができる。
また、一対の支柱は、下方から上方に向かって接近するよう延在しているので、支柱の安定性を確保しつつ、支柱の上部では、支柱が膜材の両側に露出するのを抑え、柔軟かつ軽快な印象を与えることができる。
【0008】
この構成によれば、ベース部が円弧状をなし、特徴的な外観を呈することができる。
【0009】
この構成によれば、支柱が湾曲部の曲率中心に向けて傾斜することで、仕切装置の安定性が高まる。
【0010】
本発明の一態様に係る仕切装置は、床面上に設置されるベース部と、前記ベース部から上方に向かって互いに接近するように延在する一対の支柱と、一対の前記支柱の上端部に支持されるとともに、上下方向に交差する方向に延在する横フレームと、前記横フレームに支持された膜材と、一対の前記支柱の上端部をまとめて連結する連結部材と、を備え、前記横フレームは、前記連結部材を介して前記支柱に支持されている。
この構成によれば、一対の支柱の上端部と横フレームとを連結部材を介して連結することで、一対の支柱の上端部と横フレームとを溶接により接合する場合に比較し、組立性に優れる。
また、仕切装置の組立前の状態では、支柱と横フレームとを別々に取り扱うことができるので、嵩張ることを抑え、運搬等の取り扱いを容易に行うことができる。
【0011】
本発明の一態様に係る仕切装置において、前記連結部材は、一対の前記支柱の上端部が挿入される支柱挿入凹部が形成された第一部材を有するようにしてもよい。
この構成によれば、一対の支柱の上端部を、第一部材の支柱挿入凹部に挿入することで、一対の支柱と第一部材とを容易に連結することができる。
【0012】
本発明の一態様に係る仕切装置において、前記連結部材は、一対の前記支柱の上端部同士を連結する支柱連結部材を備え、前記支柱連結部材は、一対の前記支柱の上端部同士を連結した状態で、一対の前記支柱の上端部とともに、前記支柱挿入凹部内に挿入されるようにしてもよい。
この構成によれば、一対の支柱の上端部同士を支柱連結部材で連結することで、二本一対の支柱が強固に連結される。
【0013】
本発明の一態様に係る仕切装置において、前記連結部材は、前記支柱挿入凹部に挿入された一対の前記支柱の上端部を前記第一部材に締結する上端締結ボルトを備えるようにしてもよい。
この構成によれば、支柱挿入凹部に挿入された一対の支柱の上端部を、上端締結ボルトで連結部材に連結することで、一対の支柱と連結部材とが強固に連結される。これにより、仕切装置の組立時には、一対の支柱に強固に連結された連結部材に、横フレームを取り付ければよく、横フレームの取付作業を容易かつ安定的に行うことができる。
【0014】
本発明の一態様に係る仕切装置において、一対の前記支柱は、前記横フレームの延伸方向に並んだ状態で前記支柱挿入凹部内に挿入されるようにしてもよい。
この構成によれば、一対の支柱が並ぶ方向と、横フレームの延伸方向とを正確に位置合わせした状態で、一対の支柱に対して連結部材を取り付けることができる。
【0015】
本発明の一態様に係る仕切装置において、前記連結部材は、前記横フレームを挟んで前記第一部材に対向して配置されるとともに、前記第一部材に締結される第二部材を備えるようにしてもよい。
この構成によれば、一対の支柱は、上記したように第一部材の支柱挿入凹部に挿入されることで、第一部材に連結される。また、横フレームは、締結部材によって互いに締結される第一部材と第二部材との間に挟み込まれた状態で保持される。このような仕切装置では、一対の支柱を、第一部材の支柱挿入凹部に挿入した後、第一部材と第二部材との間に横フレームを挟み込み、第一部材と第二部材とを締結することで、組み立てることができる。
【0016】
本発明の一態様に係る仕切装置において、前記第一部材及び前記第二部材の少なくとも一方に、前記横フレームの延伸方向に延び、前記横フレームの少なくとも一部を収容する収容溝が形成されるようにしてもよい。
この構成によれば、横フレームの少なくとも一部を、第一部材及び第二部材の少なくとも一方に形成された収容溝に収容することで、横フレームの延伸方向に交差する方向に横フレームが移動するのを抑え、横フレームを強固に保持することができる。
【0017】
本発明の一態様に係る仕切装置において、前記第一部材と前記第二部材は、前記収容溝に前記横フレームが収容された状態で、互いに突き当たるようにしてもよい。
この構成によれば、横フレームを挟む第一部材と第二部材とが互いに直接突き当たることで、第一部材と第二部材とが第一部材と第二部材との対向方向で位置決めされる。これにより、第一部材と第二部材とで、横フレームを過度に強く挟み込むのを抑えることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によれば、柔軟かつ軽快な印象を与えつつ、高い強度を有する仕切装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る仕切装置の全体構成を示す正面図である。
【
図4】上記仕切装置における支柱と横フレームとの連結部を示す正面図である。
【
図5】上記仕切装置における支柱と横フレームとの連結部を示す平面図である。
【
図6】上記仕切装置における支柱と横フレームとの連結部を示す側断面図であり、
図5のA-A矢視断面図である。
【
図7】上記仕切装置の連結部材を構成するメインブラケットを示す正面図である。
【
図9】上記支柱の上端部同士を連結する支柱連結プレートを示す正面図である。
【
図10】上記連結部材を構成するカバーブラケットを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明による仕切装置を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る仕切装置1の全体構成を示す正面図である。
図2は、上記仕切装置1の側面図である。
図3は、上記仕切装置1の平面図である。以下の説明において、支柱3に対して膜材5が設けられる側を前側(矢印FR)とし、支柱3が配置される側を後側とした。また、鉛直方向において床面F側を下側とし、その反対側を上側(矢印UP)とする。さらに、前後方向と上下方向とに直交する方向において、仕切装置1を前側から見たときの左方を左側(矢印LH)、その反対側を右側とした。
図1~
図3に示すように、仕切装置1は、ベース部2と、一対の支柱3と、横フレーム4と、膜材5と、連結部材10と、を備えている。本実施形態において、ベース部2及び支柱3によりスタンド本体11が構成され、スタンド本体11、横フレーム4及び連結部材10により膜材スタンド12が構成されている。
【0022】
ベース部2は、床面F上に設置されている。ベース部2は、例えば断面円形の金属棒により形成されている。なお、ベース部2は、中空であっても、中実であってもよい。
【0023】
ベース部2は、平面視略C字状に形成されている。ベース部2は、第一端部(第一接続部)2aと、第二端部(第二接続部)2bと、湾曲部2cと、を一体に有している。湾曲部2cは、第一端部2aと第二端部2bとの間において、床面Fに沿って一様な曲率半径で円弧状に湾曲している。本実施形態において、湾曲部2cの中心角は、周方向に180°以上になっている。湾曲部2cの中心角は、適宜変更が可能である。但し、湾曲部2cの中心角を180°以上とすることで、スタンド本体11を安定して設置することができる。ベース部2の平面視形状は、適宜変更が可能である。例えばベース部2の平面視形状は、円形状や多角形状等の閉ループ形状であってもよく、曲率半径が異なる円弧の組み合わせ等であってもよい。また、ベース部2は、板状に形成されていてもよい。
【0024】
一対の支柱3は、例えば断面円形の金属棒により形成されている。なお、支柱3は、中空であっても、中実であってもよい。また、支柱3の断面視形状は、適宜変更が可能である。
【0025】
一対の支柱3のうち、一方の支柱3の下端3bは、ベース部2の第一端部2aに接続されている。一対の支柱3のうち、他方の支柱3の下端3bは、ベース部2の第二端部2bに接続されている。なお、支柱3は、ベース部2に接合されていても、ベース部2に一体で形成されていてもよい。また、ベース部2の平面視形状が上述した閉ループ形状の場合のように、支柱3の下端3bは必ずしもベース部2の端部に接続されていなくてもよい。
【0026】
一対の支柱3は、下方から上方に向かうに従い互いに漸次接近するよう設けられている。具体的に、支柱3は、上方に向かうに従い前方、かつ左右方向の内側に向けて延在している。すなわち、支柱3は、平面視において、ベース部2の曲率中心に向けて延在している。支柱3の上端部3tは、ベース部2の曲率中心を間に挟んで左右方向で並んでいる。但し、支柱3は、上方に向かうに従い互いに接近する方向に延在していれば、ベース部2の曲率中心に対して前後若しくは左右にずれていてもよい。
【0027】
一対の支柱3の上端部3tは、鉛直上方に向かって互いに平行に延在している。
図4に示すように、一対の支柱3の上端部3tには、上端面で開口する雌ねじ孔3hがそれぞれ形成されている。
【0028】
図4は、上記仕切装置1における支柱3と横フレーム4との連結部を示す正面図である。
図5は、上記仕切装置1における支柱3と横フレーム4との連結部を示す平面図である。
図6は、上記仕切装置1における支柱3と横フレーム4との連結部を示す側断面図であり、
図5のA-A矢視断面図である。
図4~
図6に示すように、横フレーム4は、円筒状の金属パイプにより形成されている。横フレーム4は、左右方向(支柱3の上端部3tが並ぶ方向)に直線状に延在している。なお、横フレーム4は、中実であってもよい。また、横フレーム4の断面視形状は、適宜変更が可能である。
【0029】
図4、
図5に示すように、横フレーム4の中央部は、連結部材10を介して一対の支柱3の上端部3tに接続されている。横フレーム4の中央部には、横フレーム4を前後方向(径方向)に貫通するボルト挿通孔4hが形成されている。横フレーム4のうち、ボルト挿通孔4hに対して左右方向(延伸方向)の両側には、突起挿入孔4gが形成されている。
【0030】
図1に示すように、膜材5は、布地等の柔軟性を有した材料から形成されている。膜材5は、光透過性を有する材料により形成されていてもよく、光透過性を有さない材料により形成されていてもよい。
図4に示すように、膜材5は、上端部に、左右方向に延びる筒状部5aを有している。筒状部5aには、横フレーム4が挿通されている。これにより、膜材5は、横フレーム4に吊り下げられた状態で支持されている。なお、膜材5の上端部において、左右方向の中央部には、切欠き部5bが形成されている。切欠き部5bは、膜材5と連結部材10との干渉を避けている。
【0031】
図4~
図6に示すように、連結部材10は、一対の支柱3の上端部3tと、横フレーム4の中央部と、を連結する。連結部材10は、メインブラケット(第一部材)20と、カバーブラケット(第二部材)30と、を備えている。
メインブラケット20は、ブラケット本体21と、支柱連結プレート(支柱連結部材)27と、を備えている。
【0032】
図7は、上記仕切装置1の連結部材10を構成するメインブラケット20を示す正面図である。
図8は、上記メインブラケット20の側断面図である。
図7、
図8に示すように、ブラケット本体21は、前後方向から見た正面視で円形状をなしている。ブラケット本体21は、一対の支柱3の上端部3tが挿入される支柱挿入凹部22を有している。支柱挿入凹部22は、ブラケット本体21の下端21aから上方に向かって窪むように形成されている。支柱挿入凹部22は、上下方向に直交する断面視において、左右方向を長軸方向とする長孔状をなしている。
図4、
図5に示すように、支柱挿入凹部22には、一対の支柱3が、左右方向に並んだ状態で挿入される。
図7、
図8に示すように、支柱挿入凹部22は、ブラケット本体21の下端21aから所定寸法の位置に、一対の支柱3の上端面が突き当たる突き当たり面22fを有している。
【0033】
ブラケット本体21には、一対のボルト挿通孔24が形成されている。ボルト挿通孔24は、左右方向に間隔をあけて配置されている。ボルト挿通孔24は、ブラケット本体21の上部から下方に向かって延び、支柱挿入凹部22内に連通している。ボルト挿通孔24の上部は、下部に比べて内径が拡大された拡径凹部24aを構成している。
【0034】
ブラケット本体21の上部前面は、カバーブラケット30に対向する対向側面21cを構成している。対向側面21cは、前後方向に直交する平坦面に形成されている。
【0035】
ブラケット本体21において、対向側面21cの下方には、収容溝25が形成されている。収容溝25は、前方に向けて開口するC字状に形成されている。収容溝25において、対向側面21cからの最大深さは、横フレーム4の外径寸法よりも大きくなっている。収容溝25は、ブラケット本体21を左右方向に貫通している。収容溝25は、横フレーム4の中央部を収容する。なお、収容溝25において、対向側面21cからの最大深さは、横フレーム4の外径以下であってもよい。
【0036】
収容溝25の左右方向の中央部には、支柱挿入凹部22に連通する連通孔25hが形成されている。また、収容溝25の内面において、連通孔25hに対して左右方向の両側に位置する部分には、前方に向けて突出する突起25tがそれぞれ形成されている。
図4~
図6に示すように、各突起25tは、横フレーム4の上記した突起挿入孔4gに各別に挿入されている。すなわち、横フレーム4は、ブラケット本体21に対する左右方向の移動や上下方向への傾きが規制された状態で、収容溝25内に収容される。なお、ブラケット本体21は、突起25tを有さない構成であってもよい。
【0037】
上記したボルト挿通孔24内には、上端締結ボルト23がそれぞれ挿通されている。各上端締結ボルト23は、支柱挿入凹部22内において、支柱3の雌ねじ孔3h内に螺着されている。これにより、支柱3がブラケット本体21に締結されている。なお、上端締結ボルト23の頭部は、ボルト挿通孔24の拡径凹部24a内に収容されている。
【0038】
図9は、上記支柱3の上端部3t同士を連結する支柱連結プレート27を示す正面図である。
図5、
図9に示すように、支柱連結プレート27は、一対の支柱3の上端部3t同士を連結する。支柱連結プレート27は、一対の支柱3の上端部3tにそれぞれ溶接されている。支柱連結プレート27のうち、一対の支柱3同士の間に位置する部分には、雌ねじ孔27hが形成されている。雌ねじ孔27hは、支柱連結プレート27を前後方向に貫通している。
図6に示すように、支柱連結プレート27は、一対の支柱3の上端部3tとともに、支柱挿入凹部22内に挿入されている。支柱連結プレート27は、支柱挿入凹部22内で、支柱3に対して前方に配置されている。
【0039】
図10は、上記連結部材10を構成するカバーブラケット30を示す側面図である。
図10に示すように、カバーブラケット30は、カバープレート31と、雄ねじ部(締結部材)32と、を一体に備えている。カバープレート31は、前後方向から見た正面視でブラケット本体21と同等の外径を有する円板状をなしている。
雄ねじ部32は、カバープレート31の中心部から後方に突出している。
【0040】
図6に示すように、カバーブラケット30は、雄ねじ部32が、横フレーム4のボルト挿通孔4h、及び収容溝25に形成された連通孔25hを通して、支柱挿入凹部22内において支柱連結プレート27の雌ねじ孔27hに締結されている。これにより、カバープレート31は、メインブラケット20の対向側面21cに突き当たった状態で、メインブラケット20のブラケット本体21に接続されている。膜材スタンド12は、収容溝25に横フレーム4が収容された状態で、メインブラケット20の対向側面21cとカバーブラケット30のカバープレート31とが互いに直接突き当たって構成されている。なお、上述したように収容溝25における対向側面21cからの最大深さが、横フレーム4の外径以下の場合等において、カバープレート31が横フレーム4に突き当たっていてもよい。
【0041】
上記したような仕切装置1では、横フレーム4に支持された膜材5によって、仕切装置1が設置された室内空間を、柔軟な印象を与えながら仕切ることができる。
【0042】
仕切装置1を組み立てるには、まずスタンド本体11(ベース部2及び一対の支柱3)を、床面F上に設置する。このとき、一対の支柱3は、支柱連結プレート27によって予め互いに連結されている。また、一対の支柱3の上端部3tは、ブラケット本体21の支柱挿入凹部22内に挿入され、上端締結ボルト23によってブラケット本体21に締結されている。
【0043】
次に、膜材5の筒状部5aに横フレーム4を通す。膜材5が取り付けられた横フレーム4は、その中央部を、膜材5の切欠き部5bを通してブラケット本体21の収容溝25に収容する。このとき、横フレーム4に形成された各突起挿入孔4gに、収容溝25に設けられた突起25tを挿入する。
【0044】
続いて、カバーブラケット30の雄ねじ部32を、横フレーム4のボルト挿通孔4h、収容溝25に形成された連通孔25hを通して、支柱挿入凹部22内に収容された支柱連結プレート27の雌ねじ孔27hに締結する。これにより、カバーブラケット30が、メインブラケット20のブラケット本体21に締結される。収容溝25に収容された横フレーム4は、収容溝25の内面とカバープレート31との間に挟み込まれて保持される。
【0045】
このように、本実施形態では、仕切装置1は、床面F上に設置されるベース部2と、ベース部2から上方に向かって接近するように延在する一対の支柱3と、一対の支柱3の上端部3tに支持されるとともに、左右方向に延在する横フレーム4と、横フレーム4に支持された膜材5と、を備える。
このように、柔軟な印象を呈する膜材5を支持する横フレーム4が、一対の支柱3の上端部3tに支持されることで、一本の支柱のみで横フレーム4を支持する場合に比較し、横フレーム4を強固に支持することができる。
また、一対の支柱3は、下方から上方に向かって接近するよう延在しているので、支柱3の安定性を確保しつつ、支柱3の上部では、支柱3が膜材5の両側に露出するのを抑え、軽快な印象を与えることができる。したがって、柔軟かつ軽快な印象を与えつつ、高い強度を有する仕切装置1を提供することが可能となる。
【0046】
本実施形態では、ベース部2は、一方の支柱3の下端3bが接続された第一端部2aと、他方の支柱3の下端3bが接続された第二端部2bと、第一端部2aと第二端部2bとの間において、床面Fに沿って円弧状に湾曲した湾曲部2cと、を有する構成とした。
このような構成によれば、ベース部2が円弧状をなし、特徴的な外観を呈することができる。
【0047】
本実施形態では、一対の支柱3は、下方から上方に向かうに従い平面視において湾曲部2cの曲率中心に向けて傾斜して延在している構成とした。
このような構成によれば、支柱3が湾曲部2cの曲率中心に向けて傾斜することで、スタンド本体11の安定性が高まる。
【0048】
本実施形態では、一対の支柱3の上端部3tをまとめて連結する連結部材10を備え、横フレーム4が連結部材10を介して支柱3に支持されている構成とした。
このような構成によれば、一対の支柱3の上端部3tと横フレーム4とを連結部材10を介して連結することで、一対の支柱3の上端部3tと横フレーム4とを溶接により接合する場合に比較し、組立性に優れる。また、膜材スタンド12の組立前の状態では、嵩張ることを抑え、運搬等の取り扱いを容易に行うことができる。
【0049】
本実施形態では、連結部材10は、一対の支柱3の上端部3tが挿入される支柱挿入凹部22が形成されたメインブラケット20を有する構成とした。
このような構成によれば、一対の支柱3の上端部3tを、支柱挿入凹部22に挿入することで、一対の支柱3と連結部材10のメインブラケット20とを容易に連結することができる。
【0050】
本実施形態では、連結部材10が一対の支柱3の上端部3t同士を連結する支柱連結プレート27をさらに備え、支柱連結プレート27は、一対の支柱3の上端部3t同士を連結した状態で、支柱3の上端部3tとともに、支柱挿入凹部22内に挿入されている構成とした。
このような構成によれば、一対の支柱3の上端部3t同士を支柱連結プレート27で連結することで、一対の支柱3が強固に連結される。また、一対の支柱3の上端部3t同士を、支柱連結プレート27で予め連結しておくことで、支柱挿入凹部22内への挿入等の作業を容易に行うことができる。
【0051】
本実施形態では、連結部材10は、支柱挿入凹部22に挿入された一対の支柱3の上端部3tをメインブラケット20に締結する上端締結ボルト23をさらに備える構成とした。
このような構成によれば、一対の支柱3とメインブラケット20とが強固に連結される。これにより、仕切装置1の組立時には、一対の支柱3に強固に連結されたメインブラケット20に、横フレーム4を取り付ければよく、横フレーム4の取付作業を容易かつ安定的に行うことができる。
【0052】
本実施形態では、一対の支柱3は、横フレーム4の延伸方向に並んだ状態で支柱挿入凹部22内に挿入されている構成とした。
このような構成によれば、一対の支柱3が並ぶ方向と、横フレーム4の延伸方向とを正確に位置合わせした状態で、一対の支柱3に対してメインブラケット20を取り付けることができる。
【0053】
本実施形態では、連結部材10は、メインブラケット20と、横フレーム4を挟んでメインブラケット20に対向して配置されるとともに、メインブラケット20に締結されるカバーブラケット30と、を備える構成とした。
このような構成によれば、一対の支柱3は、上記したようにメインブラケット20の支柱挿入凹部22に挿入されることで、メインブラケット20に連結される。また、横フレーム4は、互いに締結されるメインブラケット20とカバーブラケット30との間に挟み込まれた状態で保持される。すなわち、本実施形態の仕切装置1では、一対の支柱3を、メインブラケット20の支柱挿入凹部22に挿入した後、メインブラケット20とカバーブラケット30との間に横フレーム4を挟み込み、メインブラケット20とカバーブラケット30とを締結することで、組み立てることができる。
【0054】
本実施形態では、メインブラケット20に、横フレーム4の延伸方向に延び、横フレーム4の少なくとも一部を収容する収容溝25が形成されている構成とした。
このような構成によれば、横フレーム4が、横フレーム4の延伸方向に交差する方向に移動するのを抑え、横フレーム4を安定的に保持することができる。
【0055】
本実施形態では、収容溝25に横フレーム4が収容された状態で、メインブラケット20とカバーブラケット30とが互いに直接突き当たるよう設けられている。
このような構成によれば、横フレーム4を挟むメインブラケット20とカバーブラケット30とが互いに直接突き当たることで、メインブラケット20とカバーブラケット30とが前後方向で位置決めされる。これにより、メインブラケット20とカバーブラケット30とで、横フレーム4を過度に強く挟み込むのを抑えることができる。
【0056】
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上記した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上記した実施形態では、ベース部2及び一対の支柱3によりスタンド本体11を構成した場合について説明したが、この構成に限られない。支柱3は、少なくとも一対有していれば、3本以上設けてもよい。
【0057】
上記した実施形態では、一対の支柱3の上端部3tと、横フレーム4の中央部と、を連結する連結部材10をさらに備える構成としたが、連結部材10の具体的な形状や構成は適宜変更可能である。例えば、支柱連結プレート27を備えるようにしたが、これを備えない構成とすることもできる。
【0058】
上記した実施形態では、雄ねじ部32をカバーブラケット30に設けるようにしたが、雄ねじ部をメインブラケット20側に設け、カバーブラケット30側に雄ねじ部が締結される雌ねじ部を備えるようにしてもよい。さらに、締結部材は、カバーブラケット30及びメインブラケット20とは別体としてもよい。
【0059】
上記した実施形態では、メインブラケット20に収容溝25が形成された構成について説明したが、この構成に限られない。収容溝25は、カバーブラケット30のみ、又はメインブラケット20及びカバーブラケット30の双方に形成された構成であってもよい。
上記した実施形態では、横フレーム4が左右方向に直線状に延在する構成について説明したが、この構成のみに限られない。横フレーム4は、上下方向に交差する方向に延在していればよく、また湾曲して延在していてもよい。
上記した実施形態では、支柱3が横フレーム4の中央部を支持する構成について説明したが、この構成に限られない。支柱3は、横フレーム4の中央部から左右方向にずれた位置で横フレーム4を支持していてもよい。
【0060】
上記した実施形態では、一対の支柱3と横フレーム4とを、連結部材10で連結するようにしたが、これに限らない。一対の支柱3と横フレーム4とを、溶接等により接合するようにしてもよい。
【0061】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 仕切装置
2 ベース部
2a 第一端部(第一接続部)
2b 第二端部(第二接続部)
2c 湾曲部
3 支柱
3t 上端部
4 横フレーム
5 膜材
10 連結部材
20 メインブラケット(第一部材)
22 支柱挿入凹部
23 上端締結ボルト
25 収容溝
27 支柱連結プレート(支柱連結部材)
30 カバーブラケット(第二部材)
F 床面