(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】チップコンデンサおよびチップコンデンサの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20221003BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
H01L27/04 C
H01L27/04 E
H01L27/04 D
(21)【出願番号】P 2018213218
(22)【出願日】2018-11-13
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 敬吏
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/151786(WO,A1)
【文献】特開平08-306862(JP,A)
【文献】特開平08-111431(JP,A)
【文献】特開2017-195321(JP,A)
【文献】特開2016-058442(JP,A)
【文献】特開2012-164714(JP,A)
【文献】特開2018-125556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成され、互いに分離された第1パッド部および第2パッド部を含む第1導電層と、
前記第1導電層を覆うように形成された第1絶縁層と、
前記第1パッド部と前記第2パッド部との間のコンデンサ領域において前記第1絶縁層上に形成され、第1下部電極、前記第1下部電極を覆うように形成された第1誘電体層、および前記第1誘電体層上に形成された第1上部電極を含む第1コンデンサ単位と、
前記第1上部電極を覆うように前記第1コンデンサ単位上に形成された第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に形成され、前記第2絶縁層および前記第1誘電体層を貫通して前記第1下部電極に接続されており、かつ、前記第2絶縁層、前記第1誘電体層および前記第1絶縁層を貫通して前記第1パッド部に接続された第1配線部と、前記第2絶縁層を貫通して前記第1上部電極に接続されており、かつ、前記第2絶縁層、前記第1誘電体層および前記第1絶縁層を貫通して前記第2パッド部に接続された第2配線部とを含む第2導電層と、
前記第2導電層の一部からなる第2下部電極、前記第2下部電極を覆うように形成された第2誘電体層、および前記第2誘電体層上に形成された第2上部電極を含む第2コンデンサ単位と、
前記第2上部電極を覆うように前記第2コンデンサ単位上に形成された第3絶縁層と、
前記第3絶縁層上に形成され、前記第3絶縁層および前記第2誘電体層を貫通して前記第2下部電極に接続されており、かつ、前記第3絶縁層および前記第2誘電体層を貫通して前記第1配線部に接続された第3配線部と、前記第3絶縁層を貫通して前記第2上部電極に接続されており、かつ、前記第3絶縁層および前記第2誘電体層を貫通して前記第2配線部に接続された第4配線部とを含む第3導電層と、
前記第1パッド部上に配置され、前記第1配線部に電気的に接続された第1外部電極と、
前記第2パッド部上に配置され、前記第2配線部に電気的に接続された第2外部電極とを含む、チップコンデンサ。
【請求項2】
前記第1コンデンサ単位の前記第1配線部と、前記第2コンデンサ単位の前記第3配線部とは、前記基板の表面に垂直な第3方向視において、互いに重複しないように配置されている、請求項
1に記載のチップコンデンサ。
【請求項3】
前記第1コンデンサ単位の前記第2配線部と、前記第2コンデンサ単位の前記第4配線部とは、前記基板の表面に垂直な第3方向視において、互いに重複しないように配置されている、請求項
1または2に記載のチップコンデンサ。
【請求項4】
基板と、
前記基板上に形成され、互いに分離された第1パッド部および第2パッド部を含む第1導電層と、
前記第1導電層を覆うように形成された第1絶縁層と、
前記第1パッド部と前記第2パッド部との間のコンデンサ領域において前記第1絶縁層上に形成され、第1下部電極、前記第1下部電極を覆うように形成された第1誘電体層、および前記第1誘電体層上に形成された第1上部電極を含む第1コンデンサ単位と、
前記第1上部電極を覆うように前記第1コンデンサ単位上に形成された第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に形成され、前記第2絶縁層および前記第1誘電体層を貫通して前記第1下部電極に接続されており、かつ、前記第2絶縁層、前記第1誘電体層および前記第1絶縁層を貫通して前記第1パッド部に接続された第1配線部と、前記第2絶縁層を貫通して前記第1上部電極に接続されており、かつ、前記第2絶縁層、前記第1誘電体層および前記第1絶縁層を貫通して前記第2パッド部に接続された第2配線部とを含む第2導電層と、
前記第1パッド部上に配置され、前記第1配線部に電気的に接続された第1外部電極と、
前記第2パッド部上に配置され、前記第2配線部に電気的に接続された第2外部電極と
、
前記第2導電層を覆うように前記基板の表面上に形成され、かつ前記基板の側面を一体的に覆う表面絶縁膜とを含む、チップコンデンサ。
【請求項5】
前記基板の表面上の表面絶縁膜を覆うように形成された表面保護膜をさらに含み、
前記第1外部電極および前記第2外部電極は、それぞれ、前記表面保護膜の表面から突出した第1突出部および第2突出部を含む、請求項
4に記載のチップコンデンサ。
【請求項6】
前記第1突出部および前記第2突出部は、前記基板の表面に垂直な第3方向視において、前記第1絶縁層、前記第1誘電体層および前記第2絶縁層の積層構造を覆うように、それぞれ、前記第1パッド部および前記第2パッド部上の領域から前記基板の内方領域に延びるように形成されている、請求項
5に記載のチップコンデンサ。
【請求項7】
前記表面絶縁膜は、SiO
2膜またはSiN膜からなり、前記表面保護膜は、ポリイミド膜からなる、請求項
5または
6に記載のチップコンデンサ。
【請求項8】
前記第1下部電極は、前記第1上部電極に対向する第1コンデンサ領域と、前記第1コンデンサ領域から前記基板の表面に平行な第1方向に引き出された第1接続領域とを含み、
前記第1配線部は、前記第1接続領域に接続されている、請求項
1~7のいずれか一項に記載のチップコンデンサ。
【請求項9】
前記第1上部電極は、前記第2導電層に対向する第2コンデンサ領域と、前記第2コンデンサ領域から前記第1方向の反対側の第2方向に引き出された第2接続領域とを含み、
前記第2配線部は、前記第2接続領域に接続されている、請求項
8に記載のチップコンデンサ。
【請求項10】
前記第1下部電極の前記第1コンデンサ領域は、前記第1上部電極の前記第2コンデンサ領域よりも広い面積を有している、請求項
9に記載のチップコンデンサ。
【請求項11】
前記第1外部電極および前記第2外部電極の少なくとも一方は、前記基板の表面側に向かって窪んだ複数の凹部が形成された上面を有している、請求項1~
10のいずれか一項に記載のチップコンデンサ。
【請求項12】
前記複数の凹部は、行列状に配列されている、請求項
11に記載のチップコンデンサ。
【請求項13】
前記第2導電層を覆うように前記基板の表面上に形成され、かつ前記基板の側面を一体的に覆う表面絶縁膜をさらに含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載のチップコンデンサ。
【請求項14】
前記基板の表面上の表面絶縁膜を覆うように形成された表面保護膜をさらに含み、
前記第1外部電極および前記第2外部電極は、それぞれ、前記表面保護膜の表面から突出した第1突出部および第2突出部を含む、請求項
13に記載のチップコンデンサ。
【請求項15】
前記第1突出部および前記第2突出部は、前記基板の表面に垂直な第3方向視において、前記第1絶縁層、前記第1誘電体層および前記第2絶縁層の積層構造を覆うように、それぞれ、前記第1パッド部および前記第2パッド部上の領域から前記基板の内方領域に延びるように形成されている、請求項
14に記載のチップコンデンサ。
【請求項16】
前記表面絶縁膜は、SiO
2膜またはSiN膜からなり、前記表面保護膜は、ポリイミド膜からなる、請求項
14または
15に記載のチップコンデンサ。
【請求項17】
前記第1外部電極および前記第2外部電極は、めっき成長によって形成されためっき層を含む、請求項1~
16のいずれか一項に記載のチップコンデンサ。
【請求項18】
基板上に、互いに分離された第1パッド部および第2パッド部を有する第1導電層を形成する工程と、
前記第1導電層を覆うように第1絶縁層を形成する工程と、
前記第1パッド部と前記第2パッド部との間のコンデンサ領域において前記第1絶縁層上に、第1下部電極、前記第1下部電極を覆う第1誘電体層、および前記第1誘電体層上の第1上部電極を含む第1コンデンサ単位を形成する工程と、
前記第1上部電極を覆うように前記第1コンデンサ単位上に第2絶縁層を形成する工程と、
前記第2絶縁層および前記第1誘電体層を貫通して前記第1下部電極を露出させる第1コンタクト孔、前記第2絶縁層を貫通して前記第1上部電極を露出させる第2コンタクト孔、前記第2絶縁層、前記第1誘電体層および前記第1絶縁層を貫通して前記第1パッド部を露出させる第3コンタクト孔、ならびに、前記第2絶縁層、前記第1誘電体層および前記第1絶縁層を貫通して前記第2パッド部を露出させる第4コンタクト孔を同時に形成する工程と、
前記第2絶縁層上に、前記第1コンタクト孔を介して前記第1下部電極に接続されると共に、前記第3コンタクト孔を介して前記第1パッド部に接続される第1配線部と、前記第2コンタクト孔を介して前記第1上部電極に接続されると共に、前記第4コンタクト孔を介して前記第2パッド部に接続される第2配線部とを含む第2導電層を形成する工程と、
前記第1コンデンサ単位上に、前記第2導電層の一部からなる第2下部電極、前記第2下部電極を覆うように形成された第2誘電体層、および前記第2誘電体層上に形成された第2上部電極を含む第2コンデンサ単位を形成する工程と、
前記第2上部電極を覆うように前記第2コンデンサ単位上に第3絶縁層を形成する工程と、
前記第3絶縁層および前記第2誘電体層を貫通して前記第2下部電極に接続され、かつ、前記第3絶縁層および前記第2誘電体層を貫通して前記第1配線部に接続された第3配線部と、前記第3絶縁層を貫通して前記第2上部電極に接続され、かつ、前記第3絶縁層および前記第2誘電体層を貫通して前記第2配線部に接続された第4配線部とを含む第3導電層を形成する工程と、
前記第1パッド部上に、前記第1配線部に電気的に接続されるように第1外部電極を形成する工程と、
前記第2パッド部上に、前記第2配線部に電気的に接続されるように第2外部電極を形成する工程とを含む、チップコンデンサの製造方法。
【請求項19】
基板上に、互いに分離された第1パッド部および第2パッド部を有する第1導電層を形成する工程と、
前記第1導電層を覆うように第1絶縁層を形成する工程と、
前記第1パッド部と前記第2パッド部との間のコンデンサ領域において前記第1絶縁層上に、第1下部電極、前記第1下部電極を覆う第1誘電体層、および前記第1誘電体層上の第1上部電極を含む第1コンデンサ単位を形成する工程と、
前記第1上部電極を覆うように前記第1コンデンサ単位上に第2絶縁層を形成する工程と、
前記第2絶縁層および前記第1誘電体層を貫通して前記第1下部電極を露出させる第1コンタクト孔、前記第2絶縁層を貫通して前記第1上部電極を露出させる第2コンタクト孔、前記第2絶縁層、前記第1誘電体層および前記第1絶縁層を貫通して前記第1パッド部を露出させる第3コンタクト孔、ならびに、前記第2絶縁層、前記第1誘電体層および前記第1絶縁層を貫通して前記第2パッド部を露出させる第4コンタクト孔を同時に形成する工程と、
前記第2絶縁層上に、前記第1コンタクト孔を介して前記第1下部電極に接続されると共に、前記第3コンタクト孔を介して前記第1パッド部に接続される第1配線部と、前記第2コンタクト孔を介して前記第1上部電極に接続されると共に、前記第4コンタクト孔を介して前記第2パッド部に接続される第2配線部とを含む第2導電層を形成する工程と、
前記第2導電層を覆うように前記基板の表面上に形成され、かつ前記基板の側面を一体的に覆う表面絶縁膜を形成する工程とを含む、チップコンデンサの製造方法。
【請求項20】
前記第1コンタクト孔、前記第2コンタクト孔、前記第3コンタクト孔および前記第4コンタクト孔は、ドライエッチングによって形成される、請求項
18または19に記載のチップコンデンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップコンデンサおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、誘電体セラミック層と、当該誘電体セラミック層を挟んで静電容量を形成する複数の内部電極と、各内部電極に接続された外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、製造効率を向上でき、コストを低減することができるチップコンデンサおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサは、基板と、前記基板上に形成され、互いに分離された第1パッド部および第2パッド部を含む第1導電層と、前記第1導電層を覆うように形成された第1絶縁層と、前記第1パッド部と前記第2パッド部との間のコンデンサ領域において前記第1絶縁層上に形成され、第1下部電極、前記第1下部電極を覆うように形成された第1誘電体層、および前記第1誘電体層上に形成された第1上部電極を含む第1コンデンサ単位と、前記第1上部電極を覆うように前記第1コンデンサ単位上に形成された第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に形成され、前記第2絶縁層および前記第1誘電体層を貫通して前記第1下部電極に接続されており、かつ、前記第2絶縁層、前記第1誘電体層および前記第1絶縁層を貫通して前記第1パッド部に接続された第1配線部と、前記第2絶縁層を貫通して前記第1上部電極に接続されており、かつ、前記第2絶縁層、前記第1誘電体層および前記第1絶縁層を貫通して前記第2パッド部に接続された第2配線部とを含む第2導電層と、前記第1パッド部上に配置され、前記第1配線部に電気的に接続された第1外部電極と、前記第2パッド部上に配置され、前記第2配線部に電気的に接続された第2外部電極とを含む。
【0006】
前記チップコンデンサは、本発明の一実施形態に係るチップコンデンサの製造方法によって製造することができる。
前記チップコンデンサの製造方法は、基板上に、互いに分離された第1パッド部および第2パッド部を有する第1導電層を形成する工程と、前記第1導電層を覆うように第1絶縁層を形成する工程と、前記第1パッド部と前記第2パッド部との間のコンデンサ領域において前記第1絶縁層上に、第1下部電極、前記第1下部電極を覆う第1誘電体層、および前記第1誘電体層上の第1上部電極を含む第1コンデンサ単位を形成する工程と、前記第1上部電極を覆うように前記第1コンデンサ単位上に第2絶縁層を形成する工程と、前記第2絶縁層および前記第1誘電体層を貫通して前記第1下部電極を露出させる第1コンタクト孔、前記第2絶縁層を貫通して前記第1上部電極を露出させる第2コンタクト孔、前記第2絶縁層、前記第1誘電体層および前記第1絶縁層を貫通して前記第1パッド部を露出させる第3コンタクト孔、ならびに、前記第2絶縁層、前記第1誘電体層および前記第1絶縁層を貫通して前記第2パッド部を露出させる第4コンタクト孔を同時に形成する工程と、前記第2絶縁層上に、前記第1コンタクト孔を介して前記第1下部電極に接続されると共に、前記第3コンタクト孔を介して前記第1パッド部に接続される第1配線部と、前記第2コンタクト孔を介して前記第1上部電極に接続されると共に、前記第4コンタクト孔を介して前記第2パッド部に接続される第2配線部とを含む第2導電層を形成する工程と、前記第1パッド部上に、前記第1配線部に電気的に接続されるように第1外部電極を形成する工程と、前記第2パッド部上に、前記第2配線部に電気的に接続されるように第2外部電極を形成する工程とを含む。
【0007】
この方法によれば、第1~第4コンタクト孔が同時に形成されるので、基板上の導電層および絶縁層の層数が増えても、工程数の増加を抑制することができる。つまり、従来は、層数が1つ増えるごとに、当該層に対するフォトリソグラフィ→エッチング→フォトレジストの剥離と工程が3つ増えていたが、本発明の方法によれば、そのような増加を抑制することができる。
【0008】
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサでは、前記第1下部電極は、前記第1上部電極に対向する第1コンデンサ領域と、前記第1コンデンサ領域から前記基板の表面に平行な第1方向に引き出された第1接続領域とを含み、前記第1配線部は、前記第1接続領域に接続されていてもよい。
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサでは、前記第1上部電極は、前記第2導電層に対向する第2コンデンサ領域と、前記第2コンデンサ領域から前記第1方向の反対側の第2方向に引き出された第2接続領域とを含み、前記第2配線部は、前記第2接続領域に接続されていてもよい。
【0009】
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサでは、前記第1下部電極の前記第1コンデンサ領域は、前記第1上部電極の前記第2コンデンサ領域よりも広い面積を有していてもよい。
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサは、前記第2導電層の一部からなる第2下部電極、前記第2下部電極を覆うように形成された第2誘電体層、および前記第2誘電体層上に形成された第2上部電極を含む第2コンデンサ単位と、前記第2上部電極を覆うように前記第2コンデンサ単位上に形成された第3絶縁層と、前記第3絶縁層上に形成され、前記第3絶縁層および前記第2誘電体層を貫通して前記第2下部電極に接続されており、かつ、前記第3絶縁層および前記第2誘電体層を貫通して前記第1配線部に接続された第3配線部と、前記第3絶縁層を貫通して前記第2上部電極に接続されており、かつ、前記第3絶縁層および前記第2誘電体層を貫通して前記第2配線部に接続された第4配線部とを含む第3導電層とを含んでいてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサでは、前記第1コンデンサ単位の前記第1配線部と、前記第2コンデンサ単位の前記第3配線部とは、前記基板の表面に垂直な第3方向視において、互いに重複しないように配置されていてもよい。
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサでは、前記第1コンデンサ単位の前記第2配線部と、前記第2コンデンサ単位の前記第4配線部とは、前記基板の表面に垂直な第3方向視において、互いに重複しないように配置されていてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサでは、前記第1外部電極および前記第2外部電極の少なくとも一方は、前記基板の表面側に向かって窪んだ複数の凹部が形成された上面を有していてもよい。
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサでは、前記複数の凹部は、行列状に配列されていてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサは、前記第2導電層を覆うように前記基板の表面上に形成され、かつ前記基板の側面を一体的に覆う表面絶縁膜をさらに含んでいてもよい。
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサは、前記基板の表面上の表面絶縁膜を覆うように形成された表面保護膜をさらに含み、前記第1外部電極および前記第2外部電極は、それぞれ、前記表面保護膜の表面から突出した第1突出部および第2突出部を含んでいてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサでは、前記第1突出部および前記第2突出部は、前記基板の表面に垂直な第3方向視において、前記第1絶縁層、前記第1誘電体層および前記第2絶縁層の積層構造を覆うように、それぞれ、前記第1パッド部および前記第2パッド部上の領域から前記基板の内方領域に延びるように形成されていてもよい。
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサでは、前記表面絶縁膜は、SiO2膜またはSiN膜からなり、前記表面保護膜は、ポリイミド膜からなっていてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサでは、前記第1外部電極および前記第2外部電極は、めっき成長によって形成されためっき層を含んでいてもよい。
本発明の一実施形態に係るチップコンデンサの製造方法では、前記第1コンタクト孔、前記第2コンタクト孔、前記第3コンタクト孔および前記第4コンタクト孔は、ドライエッチングによって形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るチップコンデンサの模式的な斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係るチップコンデンサの模式的な平面図である。
【
図6A】
図6Aは、前記チップコンデンサの製造工程の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明の複数の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るチップコンデンサ1の模式的な斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態に係るチップコンデンサ1の模式的な平面図である。
図3は、
図2のIII-III線に沿う断面図である。
図4は、
図2のIV-IV線に沿う断面図である。
図5は、
図2のV-V線に沿う断面図である。なお、
図3~
図5において、互いに対応する構成要素が開示されている場合でも、図の視認性向上の観点から、符号を省略することがある。
【0017】
チップコンデンサ1は、チップ本体を構成する略直方体形状の基板2を含む。基板2は、シリコン基板であってもよい。
基板2の長手方向に沿う長辺の長さL1は、たとえば0.4mm~2mmである。短手方向に沿う短辺の長さL2は、たとえば0.2mm~2mmである。基板2の厚さTは、たとえば0.1mm~0.5mmである。基板2のサイズをかかるサイズとすることにより、チップコンデンサ1をいわゆるチップ部品として構成することができるから、多種の用途に適用できる。
【0018】
基板2は、第1面3と、その反対側に位置する第2面4と、第1面3および第2面4を接続する第3面5とを有している。基板2の第1面3および第2面4は、それらの法線方向から見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において長方形状に形成されている。
基板2の第1面3、第2面4および第3面5は、それぞれ、基板2の表面、裏面および側面と称されてもよい。また、第3面5は、この実施形態では、基板2が平面視長方形状に形成されている関係上、基板2の長手方向に対向する1対の面と、基板2の短手方向に対向する1対の面との合計4つの面に区画されている。一方で、第3面5は、たとえば、基板2が平面視円形、平面視楕円形、または平面視長方形であっても各角部が面取りされている場合(
図2に示すように、ラウンド形状のコーナー部6を有する場合)には、
図1とは異なり、明確に複数の面に区画されていなくてもよい。
【0019】
基板2の第1面3上には第1外部電極7と、第2外部電極8とが配置されている。第1外部電極7は、基板2の長手方向の一方側端部に配置されている。第2外部電極8は、基板2の長手方向の他方側端部に配置されている。第1外部電極7および第2外部電極8は、いずれも、基板2の短辺に沿う一対の長辺を有する平面視長方形状に形成されている。
図1および
図3~
図5に示すように、基板2の第1面3には、当該基板2の第1面3全域を被覆するように絶縁層9が配置されている。絶縁層9は、たとえば、SiO
2膜やSiN膜であってもよい。絶縁層9の厚さは、たとえば、20000Å~40000Åであってもよい。
【0020】
絶縁層9上には、第1導電層10が配置されている。第1導電層10は、たとえば、CuやAlを含む導電材料、たとえばCu、Al、AlSiまたはAlCuからなっていてもよい。第1導電層10の厚さは、たとえば、3000Å~40000Åであってもよい。
第1導電層10は、互いに分離された第1部分11および第2部分12を含む。
【0021】
第1導電層10の第1部分11は、基板2の長手方向の一方側端部に配置された第1パッド部13を含む。この実施形態では、第1導電層10の第1部分11は、第1パッド部13から構成されているが、第1パッド部13から一体的に延びる導電部分を含んでいてもよい。たとえば、第1パッド部13から基板2の長手方向の他方側へ延びる導電部分を含んでいてもよい。
【0022】
第1導電層10の第2部分12は、基板2の長手方向の他方側端部に配置された第2パッド部14と、第2パッド部14から基板2の長手方向の一方側へ延びるコンデンサ領域15とを一体的に含む。
基板2の第1面3上には、第1導電層10を覆うように第1絶縁層16が配置されている。第1絶縁層16は、たとえば、SiO2膜やSiN膜であってもよい。第1絶縁層16の厚さは、たとえば、5000Å~20000Åであってもよい。
【0023】
第1導電層10のコンデンサ領域15において第1絶縁層16上には、第1下部電極17、第1下部電極17を覆うように形成された第1誘電体層18、および第1誘電体層18上に形成された第1上部電極19を含む第1コンデンサ単位20が配置されている。第1コンデンサ単位20は、第1誘電体層18を上下から挟む第1下部電極17および第1上部電極19によって構成されている。
【0024】
第1下部電極17および第1上部電極19は、たとえば、CuやAlを含む導電材料、たとえばCu、Al、AlSiまたはAlCuからなっていてもよい。第1下部電極17および第1上部電極19の厚さは、たとえば、3000Å~40000Åであってもよい。第1誘電体層18は、たとえば、SiO2膜やSiN膜であってもよい。第1誘電体層18の厚さは、たとえば、5000Å~20000Åであってもよい。
【0025】
図3に示すように、第1下部電極17は、基板2の第1面3に垂直な第3方向において第1上部電極19に対向する第1コンデンサ領域21と、第1コンデンサ領域21から基板2の第1面3に平行な第1方向(基板2の長手方向の一方側に向く方向)に引き出され、基板2の第1面3に垂直な第3方向において第1上部電極19と対向しない第1接続領域22とを一体的に含む。
【0026】
第1誘電体層18は、第1下部電極17と第1上部電極19とで挟まれた第3コンデンサ領域23と、第3コンデンサ領域23から基板2の第1面3に平行な第1方向(基板2の長手方向の一方側に向く方向)および基板2の第1面3に平行な第2方向(基板2の長手方向の他方側に向く方向)の両方に引き出され、第1パッド部13および第2パッド部14に向かって延びる第1延出部24および第2延出部25とを一体的に含む。
【0027】
チップコンデンサ1では、第1上部電極19を覆うように第1コンデンサ単位20上に第2絶縁層26が配置されている。第2絶縁層26は、たとえば、SiO2膜やSiN膜であってもよい。第2絶縁層26の厚さは、たとえば、5000Å~20000Åであってもよい。
第2絶縁層26上には、さらに、第2下部電極27、第2下部電極27を覆うように形成された第2誘電体層28、および第2誘電体層28上に形成された第2上部電極29を含む第2コンデンサ単位30が配置されている。第2コンデンサ単位30は、第2誘電体層28を上下から挟む第2下部電極27および第2上部電極29によって構成されている。
【0028】
第2下部電極27および第2上部電極29は、たとえば、CuやAlを含む導電材料、たとえばCu、Al、AlSiまたはAlCuからなっていてもよい。第2下部電極27および第2上部電極29の厚さは、たとえば、3000Å~40000Åであってもよい。
第2誘電体層28は、たとえば、SiO2膜やSiN膜であってもよい。第2誘電体層28の厚さは、たとえば、5000Å~20000Åであってもよい。
【0029】
ここで、前述の第1上部電極19は、第2下部電極27に対向する第2コンデンサ領域31と、第2コンデンサ領域31から前記第1方向の反対側の第2方向(基板2の長手方向の他方側に向く方向)に引き出され、基板2の第1面3に垂直な第3方向において第2下部電極27と対向しない第2接続領域32とを一体的に含む。これにより、第1下部電極17の第1コンデンサ領域21は、第2接続領域32の引き出し量に応じて、第1上部電極19の第2コンデンサ領域31よりも広い面積を有している。
【0030】
図3に示すように、第1接続領域22上において、第2絶縁層26および第1誘電体層18を貫通して第1下部電極17を露出させる第1コンタクト孔33が形成されている。また、第2接続領域32上において、第2絶縁層26を貫通して第1上部電極19を露出させる第2コンタクト孔34が形成されている。
また、
図3に示すように、第1パッド部13上において、第2絶縁層26、第1誘電体層18および第1絶縁層16を貫通して第1パッド部13を露出させる第3コンタクト孔35が形成されている。また、第2パッド部14上において、第2絶縁層26、第1誘電体層18および第1絶縁層16を貫通して第2パッド部14を露出させる第4コンタクト孔36が形成されている。
【0031】
そして、第1コンタクト孔33から第3コンタクト孔35に延びるように、第2絶縁層26上には、第1配線部37が配置されている。また、第2コンタクト孔34から第4コンタクト孔36に延びるように、第2絶縁層26上には、第2配線部38が配置されている。
これらの配線部37,38は、
図2に示すように、基板2の短手方向の一方側の領域において、コンデンサ領域15から互いに反対向きに延びている。また、配線部37,38は、共通の第2絶縁層26上に配置された第2下部電極27を含めて、第2絶縁層26上の第2導電層と称してもよい。
【0032】
したがって、配線部37,38は、第2下部電極27と同様に、たとえば、CuやAlを含む導電材料、たとえばCu、Al、AlSiまたはAlCuからなっていてもよい。また、配線部37,38の厚さは、たとえば、3000Å~40000Åであってもよい。なお、この実施形態では、第1配線部37および第2配線部38は、第2下部電極27と分離して形成されている。
【0033】
また、第1配線部37は、第1コンタクト孔33を介して第1下部電極17に接続されており、かつ、第3コンタクト孔35を介して第1パッド部13に接続されている。また、第2配線部38は、第2コンタクト孔34を介して第1上部電極19に接続されており、かつ、第4コンタクト孔36を介して第2パッド部14に接続されている。
図4に示すように、第2下部電極27は、基板2の第1面3に垂直な第3方向において第2上部電極29に対向する第4コンデンサ領域39と、第4コンデンサ領域39から基板2の第1面3に平行な第1方向(基板2の長手方向の一方側に向く方向)に引き出され、基板2の第1面3に垂直な第3方向において第2上部電極29と対向しない第4接続領域40とを一体的に含む。
【0034】
第2誘電体層28は、第2下部電極27と第2上部電極29とで挟まれた第5コンデンサ領域41と、第5コンデンサ領域41から基板2の第1面3に平行な第1方向(基板2の長手方向の一方側に向く方向)および基板2の第1面3に平行な第2方向(基板2の長手方向の他方側に向く方向)の両方に引き出され、第1パッド部13および第2パッド部14に向かって延びる第3延出部42および第4延出部43とを一体的に含む。
【0035】
チップコンデンサ1では、第2上部電極29を覆うように第2コンデンサ単位30上に第3絶縁層44が配置されている。第3絶縁層44は、たとえば、SiO2膜やSiN膜であってもよい。第3絶縁層44の厚さは、たとえば、5000Å~20000Åであってもよい。
第3絶縁層44上には、さらに、第3下部電極45、第3下部電極45を覆うように形成された第3誘電体層46、および第3誘電体層46上に形成された第3上部電極47を含む第3コンデンサ単位48が配置されている。第3コンデンサ単位48は、第3誘電体層46を上下から挟む第3下部電極45および第3上部電極47によって構成されている。
【0036】
第3下部電極45および第3上部電極47は、たとえば、CuやAlを含む導電材料、たとえばCu、Al、AlSiまたはAlCuからなっていてもよい。第3下部電極45および第3上部電極47の厚さは、たとえば、3000Å~40000Åであってもよい。
第3誘電体層46は、たとえば、SiO2膜やSiN膜であってもよい。第3誘電体層46の厚さは、たとえば、5000Å~20000Åであってもよい。
【0037】
ここで、前述の第2上部電極29は、第3下部電極45に対向する第6コンデンサ領域49と、第6コンデンサ領域49から前記第1方向の反対側の第2方向(基板2の長手方向の他方側に向く方向)に引き出され、基板2の第1面3に垂直な第3方向において第3下部電極45と対向しない第6接続領域50とを一体的に含む。これにより、第2下部電極27の第4コンデンサ領域39は、第6接続領域50の引き出し量に応じて、第2上部電極29の第6コンデンサ領域49よりも広い面積を有している。
【0038】
図4に示すように、第4接続領域40上において、第3絶縁層44および第2誘電体層28を貫通して第2下部電極27を露出させる第5コンタクト孔51が形成されている。また、第6接続領域50上において、第3絶縁層44を貫通して第2上部電極29を露出させる第6コンタクト孔52が形成されている。
また、
図4に示すように、第1パッド部13上において、第3絶縁層44および第2誘電体層28を貫通して第3コンタクト孔35に連通する第7コンタクト孔53が形成されている。また、第2パッド部14上において、第3絶縁層44および第2誘電体層28を貫通して第4コンタクト孔36に連通する第8コンタクト孔54が形成されている。
【0039】
そして、第5コンタクト孔51から第7コンタクト孔53に延びるように、第3絶縁層44上には、第3配線部55が配置されている。また、第6コンタクト孔52から第8コンタクト孔54に延びるように、第3絶縁層44上には、第4配線部56が配置されている。
これらの配線部55,56は、
図2に示すように、基板2の短手方向の中央領域において、コンデンサ領域15から互いに反対向きに延びている。また、配線部55,56は、共通の第3絶縁層44上に配置された第3下部電極45を含めて、第3絶縁層44上の第3導電層と称してもよい。
【0040】
したがって、配線部55,56は、第2下部電極27と同様に、たとえば、CuやAlを含む導電材料、たとえばCu、Al、AlSiまたはAlCuからなっていてもよい。また、配線部55,56の厚さは、たとえば、3000Å~40000Åであってもよい。なお、この実施形態では、第3配線部55および第4配線部56は、第3下部電極45と分離して形成されている。
【0041】
また、第3配線部55は、第5コンタクト孔51を介して第2下部電極27に接続されており、かつ、第7コンタクト孔53を介して第1配線部37に接続されている。これにより、第3配線部55は、第1配線部37を介して第1パッド部13に電気的に接続されている。
また、第4配線部56は、第6コンタクト孔52を介して第2上部電極29に接続されており、かつ、第8コンタクト孔54を介して第2配線部38に接続されている。これにより、第4配線部56は、第2配線部38を介して第2パッド部14に電気的に接続されている。
【0042】
また、
図2に示すように、第3配線部55および第4配線部56は、それぞれ、基板2の第1面3に垂直な第3方向視において、第1配線部37および第2配線部38と互いに重複しないように配置されている。これにより、基板2上の絶縁層および導電層の積層構造の積層方向において、第1配線部37および第2配線部38と第3配線部55および第4配線部56とが重なることがないので、当該積層構造の厚さの増加を抑制することができる。なお、第1配線部37、第2配線部38、第3配線部55および第4配線部56は、それぞれ、第1パッド部13および第2パッド部14上の領域においては、
図3~
図5に示すように、基板2の短手方向の一方側端部から他方側端部に向かう幅方向全体に形成されている。
【0043】
図5に示すように、第3下部電極45は、基板2の第1面3に垂直な第3方向において第3上部電極47に対向する第7コンデンサ領域57と、第7コンデンサ領域57から基板2の第1面3に平行な第1方向(基板2の長手方向の一方側に向く方向)に引き出され、基板2の第1面3に垂直な第3方向において第3上部電極47と対向しない第7接続領域58とを一体的に含む。
【0044】
第3誘電体層46は、第3下部電極45と第3上部電極47とで挟まれた第8コンデンサ領域59と、第8コンデンサ領域59から基板2の第1面3に平行な第1方向(基板2の長手方向の一方側に向く方向)および基板2の第1面3に平行な第2方向(基板2の長手方向の他方側に向く方向)の両方に引き出され、第1パッド部13および第2パッド部14に向かって延びる第5延出部60および第6延出部61とを一体的に含む。
【0045】
チップコンデンサ1では、第3上部電極47を覆うように第3コンデンサ単位48上に第4絶縁層62が配置されている。第4絶縁層62は、たとえば、SiO2膜やSiN膜であってもよい。第4絶縁層62の厚さは、たとえば、5000Å~20000Åであってもよい。
第4絶縁層62上には、さらに、最上層導電層63が配置されている。最上層導電層63は、たとえば、CuやAlを含む導電材料、たとえばCu、Al、AlSiまたはAlCuからなっていてもよい。最上層導電層63の厚さは、たとえば、3000Å~40000Åであってもよい。
【0046】
ここで、前述の第3上部電極47は、最上層導電層63に対向する第9コンデンサ領域64と、第9コンデンサ領域64から前記第1方向の反対側の第2方向(基板2の長手方向の他方側に向く方向)に引き出され、基板2の第1面3に垂直な第3方向において最上層導電層63と対向しない第9接続領域65とを一体的に含む。これにより、第3下部電極45の第7コンデンサ領域57は、第9接続領域65の引き出し量に応じて、第3上部電極47の第9コンデンサ領域64よりも広い面積を有している。
【0047】
図5に示すように、第7接続領域58上において、第4絶縁層62および第3誘電体層46を貫通して第3下部電極45を露出させる第9コンタクト孔66が形成されている。また、第9接続領域65上において、第4絶縁層62を貫通して第3上部電極47を露出させる第10コンタクト孔67が形成されている。
また、
図5に示すように、第1パッド部13上において、第4絶縁層62および第3誘電体層46を貫通して第3コンタクト孔35および第7コンタクト孔53に連通する第11コンタクト孔68が形成されている。また、第2パッド部14上において、第4絶縁層62および第3誘電体層46を貫通して第4コンタクト孔36および第8コンタクト孔54に連通する第12コンタクト孔69が形成されている。
【0048】
そして、第9コンタクト孔66から第11コンタクト孔68に延びるように、第4絶縁層62上には、第5配線部70が配置されている。また、第10コンタクト孔67から第12コンタクト孔69に延びるように、第4絶縁層62上には、第6配線部71が配置されている。
これらの配線部70,71は、
図2に示すように、基板2の短手方向の他方側の領域において、コンデンサ領域15から互いに反対向きに延びている。また、配線部70,71は、共通の第4絶縁層62上に配置された最上層導電層63の一部として構成されていてもよい。
【0049】
したがって、配線部70,71は、最上層導電層63と同様に、たとえば、CuやAlを含む導電材料、たとえばCu、Al、AlSiまたはAlCuからなっていてもよい。また、配線部70,71の厚さは、たとえば、3000Å~40000Åであってもよい。また、この実施形態では、第5配線部70が、最上層導電層63と一体的に接続されている。
【0050】
また、第5配線部70は、第9コンタクト孔66を介して第3下部電極45に接続されており、かつ、第11コンタクト孔68を介して第3配線部55に接続されている。これにより、第5配線部70は、第1配線部37および第3配線部55を介して第1パッド部13に電気的に接続されている。
また、第6配線部71は、第10コンタクト孔67を介して第3上部電極47に接続されており、かつ、第12コンタクト孔69を介して第4配線部56に接続されている。これにより、第6配線部71は、第2配線部38および第4配線部56を介して第2パッド部14に電気的に接続されている。
【0051】
また、
図2に示すように、第5配線部70および第6配線部71は、それぞれ、基板2の第1面3に垂直な第3方向視において、第1配線部37および第2配線部38、ならびに第3配線部55および第4配線部56と互いに重複しないように配置されている。これにより、基板2上の絶縁層および導電層の積層構造において、第1配線部37および第2配線部38と、第3配線部55および第4配線部56と、第5配線部70および第6配線部71とが重なることがないので、当該積層構造の厚さの増加を抑制することができる。なお、第5配線部70および第6配線部71は、それぞれ、第1パッド部13および第2パッド部14上の領域においては、
図3~
図5に示すように、基板2の短手方向の一方側端部から他方側端部に向かう幅方向全体に形成されている。
【0052】
基板2上には、第1コンデンサ単位20、第2コンデンサ単位30および第3コンデンサ単位48を覆うように、表面絶縁膜72が配置されている。表面絶縁膜72は、たとえば、SiO2膜やSiN膜であってもよい。表面絶縁膜72の厚さは、たとえば、10000Å~15000Åであってもよい。
また、表面絶縁膜72は、基板2の第1面3上の領域を覆う第1部分73と、基板2の第3面5を覆う第2部分74とを一体的に含む。これにより、基板2は、第2面4が露出する面である一方、その他の面全体が表面絶縁膜72によって覆われている。
【0053】
表面絶縁膜72の第1部分73上には、表面保護膜75が配置されている。表面保護膜75は、たとえば、ポリイミド膜等の樹脂膜であってもよい。表面保護膜75の厚さは、たとえば、20000Å~100000Åであってもよい。
また、表面保護膜75は、第1外部電極7と第2外部電極8との間において、基板2の長手方向の中央部が上方(基板2の第1面3から離れる方向)に膨らむように形成されている。
【0054】
表面絶縁膜72および表面保護膜75には、第1パッド部13と対向する位置に第1パッド開口76が形成されている。これにより、第5配線部70が第1パッド開口76に露出している。
また、表面絶縁膜72および表面保護膜75には、第2パッド部14と対向する位置に第2パッド開口77が形成されている。これにより、第6配線部71が第2パッド開口77に露出している。
【0055】
第1パッド開口76内には、第1外部電極7が配置されている。第1外部電極7は、第1パッド開口76内において第1パッド部13に電気的に接続されている。これにより、第1外部電極7は、第5配線部70、第3配線部55および第1配線部37のそれぞれを介して、第3下部電極45、第2下部電極27および第1下部電極17に一括して電気的に接続されている。
【0056】
第2パッド開口77内には、第2外部電極8が配置されている。第2外部電極8は、第2パッド開口77内において第2パッド部14に電気的に接続されている。これにより、第2外部電極8は、第6配線部71、第4配線部56および第2配線部38のそれぞれを介して、第3上部電極47、第2上部電極29および第1上部電極19に一括して電気的に接続されている。
【0057】
第1外部電極7および第2外部電極8は、それぞれ、表面保護膜75の表面から突出した第1突出部78および第2突出部79を有している。
第1突出部78は、基板2の第1面3に垂直な第3方向視において、第1絶縁層16、第1誘電体層18、第2絶縁層26、第1配線部37、第2誘電体層28、第3絶縁層44、第3配線部55、第4絶縁層62および第5配線部70の積層構造を覆うように、第1パッド部13上の領域から基板2の内方領域(基板2の長手方向の他方側)に延びるように形成されている。
【0058】
また、第1外部電極7の上面には、基板2の第1面3側に向かって窪んだ複数の凹部80が形成されている。複数の凹部80は、たとえば
図1および
図2に示すように、基板2の長手方向および短手方向に沿って行列状に配列されていてもよい。このような複数の凹部80は、たとえば、第1パッド部13上の最上層導電層(この実施形態では、第5配線部70)に凹凸加工をし、当該加工面から、めっきによって第1外部電極7を成長させることによって形成することができる。
【0059】
第2突出部79は、基板2の第1面3に垂直な第3方向視において、第1絶縁層16、第1誘電体層18、第2絶縁層26、第2配線部38、第2誘電体層28、第3絶縁層44、第4配線部56、第4絶縁層62および第6配線部71の積層構造を覆うように、第2パッド部14上の領域から基板2の内方領域(基板2の長手方向の一方側)に延びるように形成されている。
【0060】
また、第2外部電極8の上面には、基板2の第1面3側に向かって窪んだ複数の凹部81が形成されている。複数の凹部81は、たとえば
図1および
図2に示すように、基板2の長手方向および短手方向に沿って行列状に配列されていてもよい。このような複数の凹部81は、たとえば、第2パッド部14上の最上層導電層(この実施形態では、第6配線部71)に凹凸加工をし、当該加工面から、めっきによって第2外部電極8を成長させることによって形成することができる。
【0061】
また、第1外部電極7および第2外部電極8は、たとえば、基板2側から順に積層されたNi膜と、Pd膜と、Au膜とを含むNi/Pd/Au積層膜であってもよい。また、これらの積層膜は、めっき成長によって形成されためっき層であってもよい。
図6A~
図6Pは、チップコンデンサ1の製造工程を工程順に説明するための図である。
図6A~
図6Pでは、図の視認性向上の観点から、前述の
図1~
図5で説明した構成要素のうち、製造工程の説明に必要な構成要素の符号だけを示し、その他の符号については省略する。また、
図6A~
図6Pは、
図2の特定位置での断面を示すものではない。
【0062】
チップコンデンサ1を製造するには、まず、
図6Aに示すように、基板2の元となるウエハ82が準備される。そして、ウエハ82の第1面3が、たとえば熱酸化されることによって、絶縁層9が形成される。
次に、
図6Bに示すように、たとえばスパッタリングによって、絶縁層9上に、第1導電層10の材料が全面に形成される。その後、フォトリソグラフィプロセスを用い、たとえばRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等のドライエッチングによって当該材料膜が選択的に除去されてパターニングされる。これにより、絶縁層9上に第1導電層10が形成される。
【0063】
次に、
図6Cに示すように、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法によって、第1絶縁層16の材料が、第1導電層10を覆うようにウエハ82の第1面3の全域にわたって形成される。
次に、たとえばスパッタリングによって、第1絶縁層16上に、第1下部電極17の材料が全面に形成される。その後、フォトリソグラフィプロセスを用い、たとえばRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等のドライエッチングによって当該材料膜が選択的に除去されてパターニングされる。これにより、第1絶縁層16上に第1下部電極17が形成される。
【0064】
次に、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法によって、第1誘電体層18の材料が、第1下部電極17を覆うようにウエハ82の第1面3の全域にわたって形成される。
次に、たとえばスパッタリングによって、第1誘電体層18上に、第1上部電極19の材料が全面に形成される。その後、フォトリソグラフィプロセスを用い、たとえばRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等のドライエッチングによって当該材料膜が選択的に除去されてパターニングされる。これにより、第1誘電体層18上に第1上部電極19が形成される。
【0065】
次に、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法によって、第2絶縁層26の材料が、第1上部電極19を覆うようにウエハ82の第1面3の全域にわたって形成される。
次に、
図6Dに示すように、フォトリソグラフィプロセスを用い、たとえばRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等のドライエッチングによって第2絶縁層26、第1誘電体層18および第1絶縁層16が選択的に除去されてパターニングされる。これにより、第1コンタクト孔33、第2コンタクト孔34、第3コンタクト孔35および第4コンタクト孔36が同時に形成される。
【0066】
次に、
図6Eに示すように、たとえばスパッタリングによって、第2絶縁層26上に、第2導電層(第2下部電極27、第1配線部37および第2配線部38)の材料が全面に形成される。その後、フォトリソグラフィプロセスを用い、たとえばRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等のドライエッチングによって当該材料膜が選択的に除去されてパターニングされる。これにより、第2絶縁層26上に、第2下部電極27、第1配線部37および第2配線部38が同時に形成される。これにより、第1配線部37は、第1コンタクト孔33を介して第1下部電極17に接続され、かつ、第3コンタクト孔35を介して第1パッド部13に接続される。また、第2配線部38は、第2コンタクト孔34を介して第1上部電極19に接続され、かつ、第4コンタクト孔36を介して第2パッド部14に接続される。
【0067】
次に、
図6Fに示すように、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法によって、第2誘電体層28の材料が、第2下部電極27を覆うようにウエハ82の第1面3の全域にわたって形成される。
次に、たとえばスパッタリングによって、第2誘電体層28上に、第2上部電極29の材料が全面に形成される。その後、フォトリソグラフィプロセスを用い、たとえばRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等のドライエッチングによって当該材料膜が選択的に除去されてパターニングされる。これにより、第2誘電体層28上に第2上部電極29が形成される。
【0068】
次に、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法によって、第3絶縁層44の材料が、第2上部電極29を覆うようにウエハ82の第1面3の全域にわたって形成される。
次に、
図6Gに示すように、フォトリソグラフィプロセスを用い、たとえばRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等のドライエッチングによって第3絶縁層44および第2誘電体層28が選択的に除去されてパターニングされる。これにより、第5コンタクト孔51、第6コンタクト孔52、第7コンタクト孔53および第8コンタクト孔54が同時に形成される。
【0069】
次に、
図6Hに示すように、たとえばスパッタリングによって、第3絶縁層44上に、第3導電層(第3下部電極45、第3配線部55および第4配線部56)の材料が全面に形成される。その後、フォトリソグラフィプロセスを用い、たとえばRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等のドライエッチングによって当該材料膜が選択的に除去されてパターニングされる。これにより、第3絶縁層44上に、第3下部電極45、第3配線部55および第4配線部56が同時に形成される。これにより、第3配線部55は、第5コンタクト孔51を介して第2下部電極27に接続され、かつ、第7コンタクト孔53を介して第1配線部37に接続される。また、第4配線部56は、第6コンタクト孔52を介して第2上部電極29に接続され、かつ、第8コンタクト孔54を介して第2配線部38に接続される。
【0070】
次に、
図6Iに示すように、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法によって、第3誘電体層46の材料が、第3下部電極45を覆うようにウエハ82の第1面3の全域にわたって形成される。
次に、たとえばスパッタリングによって、第3誘電体層46上に、第3上部電極47の材料が全面に形成される。その後、フォトリソグラフィプロセスを用い、たとえばRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等のドライエッチングによって当該材料膜が選択的に除去されてパターニングされる。これにより、第3誘電体層46上に第3上部電極47が形成される。
【0071】
次に、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法によって、第4絶縁層62の材料が、第3上部電極47を覆うようにウエハ82の第1面3の全域にわたって形成される。
次に、
図6Jに示すように、フォトリソグラフィプロセスを用い、たとえばRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等のドライエッチングによって第4絶縁層62および第3誘電体層46が選択的に除去されてパターニングされる。これにより、第9コンタクト孔66、第10コンタクト孔67、第11コンタクト孔68および第12コンタクト孔69が同時に形成される。
【0072】
次に、
図6Kに示すように、たとえばスパッタリングによって、第4絶縁層62上に、最上層導電層63(第5配線部70および第6配線部71を含む)の材料が全面に形成される。その後、フォトリソグラフィプロセスを用い、たとえばRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等のドライエッチングによって当該材料膜が選択的に除去されてパターニングされる。これにより、第4絶縁層62上に、最上層導電層63、第5配線部70および第6配線部71が同時に形成される。これにより、第5配線部70は、第9コンタクト孔66を介して第3下部電極45に接続され、かつ、第11コンタクト孔68を介して第3配線部55に接続される。また、第6配線部71は、第10コンタクト孔67を介して第3上部電極47に接続され、かつ、第12コンタクト孔69を介して第4配線部56に接続される。
【0073】
次に、
図6Lに示すように、レジストパターン(図示せず)をマスクとするプラズマエッチングによって、ウエハ82が選択的に除去される。これにより、隣り合う素子領域(個々のチップコンデンサ1が形成される領域)の間の境界領域Zにおいてウエハ82の材料が除去される。その結果、ウエハ82の第1面3からウエハ82の厚さ途中まで到達する所定深さの溝83が形成される。溝83は、互いに対向する1対の側面(チップコンデンサ1の第3面5)と、当該1対の第3面5の下端(ウエハ82の第2面4側の端)の間を結ぶ底面84とによって区画されている。たとえば、ウエハ82の第1面3を基準とした溝83の深さは約100μmであり、溝83の幅(対向する第3面5の間隔)は約20μmであって、深さ方向全域にわたって一定であってもよい。
【0074】
次に、
図6Mに示すように、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法によって、表面絶縁膜72の材料が、第1コンデンサ単位20、第2コンデンサ単位30および第3コンデンサ単位48を覆うようにウエハ82の第1面3の全域にわたって形成される。このとき、溝83の内面(第3面5および底面84)の全域にも表面絶縁膜72が形成される。
【0075】
その後、表面保護膜75の材料(たとえば、ポリイミドからなる感光性樹脂の液体)が、ウエハ82に対して、表面絶縁膜72の上からスプレー塗布されて、
図6Mに示すように感光性樹脂の表面保護膜75が形成される。この際、当該液体が溝83内に入り込まないように、平面視で溝83だけを覆うパターンを有するマスク(図示せず)越しに、当該液体がウエハ82に対して塗布される。その結果、当該液状の感光性樹脂は、ウエハ82上だけに形成され、ウエハ82上において、表面保護膜75となる。
【0076】
なお、当該液体が溝83内に入り込んでいないので、溝83内には、表面保護膜75が形成されていない。また、感光性樹脂の液体をスプレー塗布する以外に、当該液体をスピン塗布したり、感光性樹脂からなるシートをウエハ82の第1面3に貼り付けたりすることによって、表面保護膜75を形成してもよい。
次に、表面保護膜75に熱処理(キュア処理)が施される。これにより、表面保護膜75の厚みが熱収縮するとともに、表面保護膜75が硬化して膜質が安定する。
【0077】
次に、
図6Nに示すように、たとえば、フォトリソグラフィプロセスを用い、たとえばRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等のドライエッチングによって表面保護膜75が選択的に除去されてパターニングされる。これにより、第1パッド開口76および第2パッド開口77が同時に形成され、第5配線部70および第6配線部71が露出する。
【0078】
その後、露出した第5配線部70および第6配線部71を選択的にエッチングすることによって、第5配線部70および第6配線部71の表面に、第1外部電極7および第2外部電極8の複数の凹部80,81に一致する複数の凹部を形成してもよい。
次に、
図6Oに示すように、たとえば無電解めっきによって、Ni、PdおよびAuを積層するによって、第1外部電極7および第2外部電極8が同時に形成される。
【0079】
次に、
図6Pに示すように、ウエハ82が第2面4から研削される。具体的には、溝83を形成した後に、たとえばPET(ポリエチレンテレフタレート)からなる薄板状であって粘着面を有する支持テープ(図示せず)が、第1外部電極7および第2外部電極8側(つまり、第1面3)に貼着される。そして、ウエハ82が支持テープに支持された状態で、ウエハ82を第2面4側から研削する。研削によって、溝83の底面84に達するまでウエハ82が薄化されると、隣り合うチップコンデンサ1を連結するものがなくなるので、溝83を境界としてウエハ82が分割され、チップコンデンサ1の完成品となる。つまり、溝83(換言すれば、境界領域Z)においてウエハ82が切断(分断)され、これによって、個々のチップコンデンサ1が切り出される。なお、ウエハ82を第2面4側から溝83の底面84までエッチングすることによってチップコンデンサ1を切り出しても構わない。
【0080】
なお、完成したチップコンデンサ1における基板2の第2面4を研磨やエッチングすることによって鏡面化して第2面4を綺麗にしてもよい。
以上のように、本発明の一実施形態によれば、第1コンデンサ単位20の形成の際に、第1コンタクト孔33、第2コンタクト孔34、第3コンタクト孔35および第4コンタクト孔36が同時に形成される。そのため、基板2上の導電層および絶縁層の層数が増えても、工程数の増加を抑制することができる。これは、第2コンデンサ単位30および第3コンデンサ単位48を形成するときも同様である。つまり、従来は、層数が1つ増えるごとに、当該層に対するフォトリソグラフィ→エッチング→フォトレジストの剥離と工程が3つ増えていたが、前述の実施形態によれば、そのような増加を抑制することができる。
【0081】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、基板2上に第1コンデンサ単位20、第2コンデンサ単位30および第3コンデンサ単位48の3つのコンデンサ単位が形成されていたが、第1コンデンサ単位20のみであってもよいし、4つ以上のコンデンサ単位が形成されていてもよい。
【0082】
前述のチップコンデンサ1は、たとえば、電源回路用、高周波回路用、デジタル回路用等の回路素子として、電子機器、携帯電子機器等のモバイル端末に組み込むことができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 チップコンデンサ
2 基板
3 第1面
4 第2面
5 第3面
6 コーナー部
7 第1外部電極
8 第2外部電極
9 絶縁層
10 第1導電層
11 第1部分
12 第2部分
13 第1パッド部
14 第2パッド部
15 コンデンサ領域
16 第1絶縁層
17 第1下部電極
18 第1誘電体層
19 第1上部電極
20 第1コンデンサ単位
21 第1コンデンサ領域
22 第1接続領域
23 第3コンデンサ領域
24 第1延出部
25 第2延出部
26 第2絶縁層
27 第2下部電極
28 第2誘電体層
29 第2上部電極
30 第2コンデンサ単位
31 第2コンデンサ領域
32 第2接続領域
33 第1コンタクト孔
34 第2コンタクト孔
35 第3コンタクト孔
36 第4コンタクト孔
37 第1配線部
38 第2配線部
39 第4コンデンサ領域
40 第4接続領域
41 第5コンデンサ領域
42 第3延出部
43 第4延出部
44 第3絶縁層
45 第3下部電極
46 第3誘電体層
47 第3上部電極
48 第3コンデンサ単位
49 第6コンデンサ領域
50 第6接続領域
51 第5コンタクト孔
52 第6コンタクト孔
53 第7コンタクト孔
54 第8コンタクト孔
55 第3配線部
56 第4配線部
57 第7コンデンサ領域
58 第7接続領域
59 第8コンデンサ領域
60 第5延出部
61 第6延出部
62 第4絶縁層
63 最上層導電層
64 第9コンデンサ領域
65 第9接続領域
66 第9コンタクト孔
67 第10コンタクト孔
68 第11コンタクト孔
69 第12コンタクト孔
70 第5配線部
71 第6配線部
72 表面絶縁膜
73 第1部分
74 第2部分
75 表面保護膜
76 第1パッド開口
77 第2パッド開口
78 第1突出部
79 第2突出部
80 複数の凹部
81 複数の凹部
82 ウエハ
83 溝
84 底面