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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】椅子型マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20221003BHJP
【FI】
A61H7/00 323H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018242208
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2020103355
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古谷 毅
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-221775(JP,A)
【文献】特開2008-178491(JP,A)
【文献】特開2008-36128(JP,A)
【文献】特開2007-260173(JP,A)
【文献】特開2006-102089(JP,A)
【文献】特開2005-152260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
被施療者の前腕部及び手を支持する肘掛け部と、
前記被施療者の下腿部及び足を収容するオットマンと、
連結部と、
を備え、
前記本体部は、前記被施療者の太腿部を支持する座部と、前記肘掛け部を支持するベース部と、を有し、
前記肘掛け部は、前後方向成分を含む直進方向に沿って前記ベース部に対して移動可能であり、
前記オットマンは、左右方向に沿って延びる第1回転軸回りに回転可能に前記本体部に取り付けられ、
前記オットマンは、前記下腿部の長手方向であって前記被施療者の膝から足首に向かう方向に伸長する機構を有し、
前記連結部は、左右方向に沿って延びる第2回転軸回りに回転可能に前記肘掛け部に取り付けられ、
前記連結部は、左右方向に沿って延びる第3回転軸回りに回転可能に前記オットマンに取り付けられ、
前記連結部は、前記肘掛け部と前記オットマンとを連結する、
椅子型マッサージ機。
【請求項2】
前記オットマンは、前記第1回転軸と前記第2回転軸とが一致しているときに、前記第1回転軸回りに回転する、請求項1に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項3】
前記オットマンは、
前記第1回転軸と前記第2回転軸とが一致し且つ前記下腿部の長手方向が重力方向に沿っている第1状態、
前記第1状態を基準として後方から前方に向かって所定量回転した第2状態、
前記第2状態と同一の回転量を維持しながら伸長する第3状態、
の順で状態遷移する、請求項2に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項4】
前記オットマンは、
前記第1状態、前記第2状態、前記第3状態、前記第2状態、前記第1状態、の順で状態遷移する、請求項3に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項5】
前記肘掛け部に設けられる第1エアバッグを備え、
前記第1エアバッグは、前記オットマンの伸長時に膨張して前記前腕部及び前記手の少なくとも一部を前記肘掛け部に対して固定する、請求項1~4のいずれか一項に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項6】
前記オットマンに設けられる第2エアバッグを備え、
前記第2エアバッグは、前記オットマンの伸長時に膨張して前記下腿部及び前記足の少なくとも一部を前記オットマンに対して固定する、請求項1~5のいずれか一項に記載の椅子型マッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肘掛け部及びオットマンを備えた椅子型マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、肘掛け部及びオットマンを備えた椅子型マッサージ機が種々開発されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-152260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で提案されているマッサージ機は、背凭れ部を後方に倒したときに被施療者の腕部に対してストレッチ施療を行うことができる。しかしながら、肘掛け部が不動であるため、ストレッチ施療の対象である被施療者の腕部は移動せず、ストレッチ施療の対象でない被施療者の胴体が移動することでストレッチ施療が実現される。このようなストレッチ施療は、被施療者に違和感を与えることになる。
【0005】
本発明は、上記の状況に鑑み、被施療者に違和感を与えることなく、被施療者の腕部に対してストレッチ施療を行うことができる椅子型マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書中に開示されている椅子型マッサージ機は、本体部と、被施療者の前腕部及び手を支持する肘掛け部と、前記被施療者の下腿部及び足を収容するオットマンと、連結部と、を備え、前記本体部は、前記被施療者の太腿部を支持する座部と、前記肘掛け部を支持するベース部と、を有し、前記肘掛け部は、前後方向成分を含む直進方向に沿って前記ベース部に対して移動可能であり、前記オットマンは、左右方向に沿って延びる第1回転軸回りに回転可能に前記本体部に取り付けられ、前記オットマンは、前記下腿部の長手方向であって前記被施療者の膝から足首に向かう方向に伸長する機構を有し、前記連結部は、左右方向に沿って延びる第2回転軸回りに回転可能に前記肘掛け部に取り付けられ、前記連結部は、左右方向に沿って延びる第3回転軸回りに回転可能に前記オットマンに取り付けられ、前記連結部は、前記肘掛け部と前記オットマンとを連結する構成(第1の構成)である。
【0007】
上記第1の構成の椅子型マッサージ機において、前記オットマンは、前記第1回転軸と前記第2回転軸とが一致しているときに、前記第1回転軸回りに回転する構成(第2の構成)にしてもよい。
【0008】
上記第2の構成の椅子型マッサージ機において、前記オットマンは、前記第1回転軸と前記第2回転軸とが一致し且つ前記下腿部の長手方向が重力方向に沿っている第1状態、前記第1状態を基準として後方から前方に向かって所定量回転した第2状態、前記第2状態と同一の回転量を維持しながら伸長する第3状態、の順で状態遷移する構成(第3の構成)にしてもよい。
【0009】
上記第3の構成の椅子型マッサージ機において、前記オットマンは、前記第1状態、前記第2状態、前記第3状態、前記第2状態、前記第1状態、の順で状態遷移する構成(第4の構成)にしてもよい。
【0010】
上記第1~第4いずれかの構成の椅子型マッサージ機において、前記肘掛け部に設けられる第1エアバッグを備え、前記第1エアバッグは、前記オットマンの伸長時に膨張して前記前腕部及び前記手の少なくとも一部を前記肘掛け部に対して固定する構成(第5の構成)にしてもよい。
【0011】
上記第1~第5いずれかの構成の椅子型マッサージ機において、前記オットマンに設けられる第2エアバッグを備え、前記第2エアバッグは、前記オットマンの伸長時に膨張して前記下腿部及び前記足の少なくとも一部を前記オットマンに対して固定する構成(第6の構成)にしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本明細書中に開示されている椅子型マッサージ機によれば、被施療者に違和感を与えることなく、被施療者の腕部に対してストレッチ施療を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施例に係る椅子型マッサージ機の正面図
図2】一実施例に係る椅子型マッサージ機の側面図
図3】一実施例に係る椅子型マッサージ機の肘掛け部及び連結部の側面図
図4】一実施例に係る椅子型マッサージ機の動作を制御する制御系を示すブロック図
図5】一実施例に係る椅子型マッサージ機のストレッチ施療動作を示すフローチャート
図6】一実施例に係る椅子型マッサージ機の側面図
図7】一実施例に係る椅子型マッサージ機の側面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は一実施例に係る椅子型マッサージ機1(以下、「マッサージ機1」と称す)の正面図である。図2は、マッサージ機1の左から視た側面図である。図3は、マッサージ機1が備える肘掛け部5L及び連結部7Lの右から視た側面図である。なお、図1図3及び後述する図6図7では、マッサージ機1の骨格を構成する部品のみを図示している。
【0016】
以下の説明において、背凭れ部3が倒れていない状態のマッサージ機1に着座した被施療者から見て前側(正面側)を「前側」といい、背凭れ部3が倒れていない状態のマッサージ機1に着座した被施療者から見て後側(背面側)を「後側」という。また、背凭れ部3が倒れていない状態のマッサージ機1に着座した被施療者から見て上側(頭側)を「上側」といい、背凭れ部3が倒れていない状態のマッサージ機1に着座した被施療者から見て下側(脚側)を「下側」という。また、背凭れ部3が倒れていない状態のマッサージ機1に着座した被施療者から見て右側を「右側」といい、背凭れ部3が倒れていない状態のマッサージ機1に着座した被施療者から見て左側を「左側」という。
【0017】
マッサージ機1は、座部2と、背凭れ部3と、左右一対のベース部4L及び4Rと、左右一対の肘掛け部5L及び5Rと、オットマン6と、左右一対の連結部7L及び7Rと、を備える。背凭れ部3、肘掛け部5L及び5R、並びにオットマン6は、座部2並びにベース部4L及び4Rを有する本体部に取り付けられる。
【0018】
座部2は、被施療者の臀部及び太腿部を支持する。
【0019】
背凭れ部3は、被施療者の肩、腰、及び背中を支持する。背凭れ部3は、左右方向に沿って延びるリクライニング回転軸回りに回転可能に、座部2の後端に取り付けられている。背凭れ部3には、施療子を有するマッサージユニット(不図示)が設けられる。マッサージユニットは、背凭れ部3に設けられるガイドレール(不図示)によって案内されて背凭れ部3の長手方向に昇降する。なお、ガイドレールを座部2の後部にまで延長し、マッサージユニットが座部2及び背凭れ部3の長手方向に昇降するようにしてもよい。マッサージユニットは、施療子と、施療子に揉み動作を行わせる揉み駆動機構と、施療子にたたき動作を行わせるたたき駆動機構と、を備える。
【0020】
ベース部4Lは、座部2の左側に立設して設けられ、肘掛け部5Lを支持する。ベース部4Rは、座部2の右側に立設して設けられ、肘掛け部5Rを支持する。
【0021】
肘掛け部5Lは、下方に向かって凹む凹部を有している。肘掛け部5Lの凹部は、被施療者の左前腕部及び左手を収納して支持する。肘掛け部5Lの凹部にはエアバッグ(不図示)が設けられる。肘掛け部5Lの凹部に設けられるエアバッグの膨縮によって被施療者の左前腕部及び左手がマッサージされる。また、肘掛け部5Lの凹部に設けられるエアバッグが所定レベル以上膨張すると、被施療者の左前腕部及び左手の少なくとも一部が肘掛け部5Lに対して固定される。肘掛け部5Lは、必ずしも被施療者の左前腕部及び左手の全部を支持していなくてもよく、被施療者の左前腕部及び左手の少なくとも一部を支持する機能を有していればよい。したがって、請求項に記載の「被施療者の前腕部及び手を支持する肘掛け部」についても、必ずしも被施療者の前腕部及び手の全部を支持していなくてもよく、被施療者の前腕部及び手の少なくとも一部を支持する機能を有していればよい。すなわち、請求項に記載の「被施療者の前腕部及び手を支持する肘掛け部」は、「被施療者の前腕部及び手の少なくとも一部を支持する肘掛け部」を意味している。
【0022】
なお、本実施例とは異なり、エアバッグ以外の施療手段を肘掛け部5Lの凹部に設けてもよく、施療手段を肘掛け部5Lの凹部に設けてなくてもよい。肘掛け部5Lの凹部にエアバッグを設けない場合、エアバッグ以外の固定手段又は固定を補助する補助手段を設けることが望ましい。エアバッグ以外の固定手段としては、例えば被施療者の手首に巻き付けられる固定用バンドを挙げることができる。補助手段としては、例えば被施療者が把持する把持部を挙げることができる。
【0023】
肘掛け部5Rは、肘掛け部5Lと左右対称の形状であり、被施療者の右前腕部及び右手を支持する。
【0024】
オットマン6は、被施療者の下腿部及び足を収容する。オットマン6は、左右方向に沿って延びる回転軸AX1回りに回転可能にマッサージ機1の本体部に取り付けられる。オットマン6は、被施療者の下腿部の長手方向であって被施療者の膝から足首に向かう方向(図2図6図7に示す方向DR1に平行な方向)に伸長する機構(伸長機構)を有する。当該伸長機構は、例えば長手方向が方向DR1に平行なシリンダと、当該シリンダを駆動するアクチュエータとによって実現することができる。オットマン6は、必ずしも被施療者の下腿部及び足の全部を収容していなくてもよく、被施療者の下腿部及び足の少なくとも一部を収容する機能を有していればよい。したがって、請求項に記載の「前記被施療者の下腿部及び足を収容するオットマン」についても、必ずしも被施療者の下腿部及び足の全部を収容していなくてもよく、被施療者の下腿部及び足の少なくとも一部を収容する機能を有していればよい。すなわち、請求項に記載の「前記被施療者の下腿部及び足を収容するオットマン」は、「前記被施療者の下腿部及び足の少なくとも一部を収容するオットマン」を意味している。
【0025】
オットマン6にはエアバッグが設けられる。オットマン6に設けられるエアバッグの膨縮によって被施療者の下腿部及び足がマッサージされる。また、オットマン6に設けられるエアバッグが所定レベル以上膨張すると、被施療者の下腿部及び足の少なくとも一部がオットマンに対して固定される。
【0026】
なお、本実施例とは異なり、エアバッグ以外の施療手段をオットマン6に設けてもよく、施療手段をオットマン6に設けてなくてもよい。オットマン6にエアバッグを設けない場合、エアバッグ以外の固定手段を設けることが望ましい。エアバッグ以外の固定手段としては、例えば被施療者の足首に巻き付けられる固定用バンドを挙げることができる。
【0027】
連結部7Lは、肘掛け部5Lとオットマン6とを連結する。連結部7Lは、棒形状である。連結部7Lの一端は、左右方向に沿って延びる第2回転軸AX2回りに回転可能に肘掛け部5Lの前方下部に取り付けられる。連結部7Lの他端は、左右方向に沿って延びる第3回転軸AX3回りに回転可能にオットマン6の左側面に取り付けられる。
【0028】
連結部7Rは、肘掛け部5Rとオットマン6とを連結する。連結部7Rは、棒形状である。連結部7Rの一端は、左右方向に沿って延びる第2回転軸AX2回りに回転可能に肘掛け部5Rの前方下部に取り付けられる。連結部7Rの他端は、左右方向に沿って延びる第3回転軸AX3回りに回転可能にオットマン6の右側面に取り付けられる。
【0029】
図4は、マッサージ機1の動作を制御する制御系を示すブロック図である。マッサージ機1は、記憶部11と、制御部12と、操作部13と、駆動回路14~18と、背凭れ部3を回転させる背凭れ部用アクチュエータ19と、オットマン6を回転させるオットマン用アクチュエータ20と、オットマン6の伸長機構21と、エアポンプ22と、電磁弁群23と、を備える。
【0030】
記憶部11は、制御部12がマッサージ機1の動作を制御するために必要なプログラム及びデータを記憶している。制御部12は、操作部13から出力される信号に基づいてマッサージ機1の動作を制御する。
【0031】
制御部12は、駆動回路14を介して背凭れ部用アクチュエータ19を制御する。制御部12は、駆動回路15を介してオットマン用アクチュエータ20を制御する。制御部12は、駆動回路16を介してオットマン6の伸長機構21を制御する。制御部12は、駆動回路17を介してエアポンプ22を制御する。制御部12は、駆動回路18を介して電磁弁群23を制御する。電磁弁群23は複数の電磁弁を含む。
【0032】
各電磁弁は、エアポンプ22と少なくとも一つのエアバッグとの間に設けられる。例えば、電磁弁が第1の状態となり、エアポンプ22とエアバッグとが連通すると、エアポンプ22から電磁弁を介してエアバッグにエアが供給される。これにより、エアバッグが膨張する。一方、電磁弁が第2の状態となり、外部とエアバッグとが連通すると、エアバッグ内のエアが電磁弁を介して外部に排気される。これにより、エアバッグのエアが開放され、エアバッグが収縮する。また、電磁弁が第3の状態となり、エアバッグがエアポンプ22とも外部とも連通しなくなると、エアバッグ内のエア量が保持される。
【0033】
図5は、マッサージ機1のストレッチ施療動作を示すフローチャートである。マッサージ機1は、制御部12によって制御され、図5に示すストレッチ施療動作を行う。
【0034】
図5に示すストレッチ施療動作の開始時点では、マッサージ機1は図2に示す状態である。すなわち、図5に示すストレッチ施療動作の開始時点では、第1回転軸AX1と第2回転軸AX2とが一致し且つ方向DR1が下方向(重力方向)に沿っている。また、図5に示すストレッチ施療動作の開始時点では、肘掛け部5L及び5Rに設けられるエアバッグのエア並びにオットマン6に設けられるエアバッグのエアは外部に開放されている。
【0035】
まず、制御部12は、オットマン6を後方から前方に向かって所定量回転させる(ステップS10)。以下の説明では、所定量を90°とするが、この値はあくまで一例であり、例えば所定量を45°等にしてもよい。ステップS10の処理が完了した時点で、マッサージ機1は図6に示す状態になる。
【0036】
ステップS10の処理においては、第1回転軸AX1と第2回転軸AX2とが一致しているので、肘掛け部5L及び5Rとオットマン6とが連結しているにもかかわらず、オットマン6が回転しても肘掛け部5L及び5Rはベース部4L及び4Rに対して移動しない。
【0037】
ステップS10に続くステップS20において、制御部12は、図6に示す状態を維持したまま、肘掛け部5L及び5Rに設けられるエアバッグ並びにオットマン6に設けられるエアバッグを膨張させる。
【0038】
ステップS20の処理が完了した時点で、被施療者の左前腕部及び左手の少なくとも一部が肘掛け部5Lに対して固定され、被施療者の右前腕部及び右手の少なくとも一部が肘掛け部5Rに対して固定され、被施療者の下腿部及び足の少なくとも一部がオットマン6に対して固定される。
【0039】
ステップS20に続くステップS30において、制御部12は、ステップS20の処理が完了した時点における肘掛け部5L及び5Rに設けられるエアバッグ並びにオットマン6に設けられるエアバッグの膨張状態(エア量)を維持したまま、オットマン6を伸長させる。ステップS30の処理が完了した時点で、マッサージ機1は図7に示す状態になる。
【0040】
ステップS30の処理が完了した時点で、ステップS20の処理が完了した時点と比較して、オットマン6は方向DR1に移動している。これにより、被施療者の下腿部及び足に対してストレッチ施療が実行される。
【0041】
また、肘掛け部5L及び5Rとオットマン6とが連結部7L及び7Rによって連結しているので、オットマン6の方向DR1への移動に伴って、肘掛け部5L及び5Rは、ベース部4L及び4Rに対して移動する。具体的には、肘掛け部5L及び5Rは、ベース部4L及び4Rの上面をスライドし、前後方向成分及び上下方向成分を含む方向DR2に沿って前方斜め上方向に移動する。これにより、被施療者の前腕部及び手に対してストレッチ施療が実行される。また、マッサージ機1は、連結部7L及び7Rを備えるので、肘掛け部5L及び5R専用のアクチュエータを設けなくても、オットマン6の移動と連動して肘掛け部5L及び5Rをベース部4L及び4Rに対して移動させることができる。
【0042】
ステップS30に続くステップS40において、制御部12は、オットマン6の伸長状態を解除して、マッサージ機1の状態をステップS30の開始時点における状態に戻す。したがって、ステップS40の処理が完了した時点で、マッサージ機1は図6に示す状態に戻る。なお、ストレッチ施療の時間を十分に確保するために、ステップS30の処理が完了した時点からステップS40の処理を開始する時点までの間に所定の待機時間を設けてもよい。
【0043】
ステップS40に続くステップS50において、制御部12は、肘掛け部5L及び5Rに設けられるエアバッグ並びにオットマン6に設けられるエアバッグを収縮させる。ステップS50の処理が完了した時点で、被施療者の左前腕部及び左手が肘掛け部5Lに対して固定されず、被施療者の右前腕部及び右手が肘掛け部5Rに対して固定されず、被施療者の下腿部及び足がオットマン6に対して固定されない。
【0044】
ステップS50に続くステップS60において、制御部12は、オットマン6を前方から後方に向かって所定量回転させる。ステップS60の処理が完了した時点で、マッサージ機1は図2に示す状態に戻る。
【0045】
ステップS60の処理においては、第1回転軸AX1と第2回転軸AX2とが一致しているので、肘掛け部5L及び5Rとオットマン6とが連結しているにもかかわらず、オットマン6が回転しても肘掛け部5L及び5Rはベース部4L及び4Rに対して移動しない。
【0046】
ステップS60の処理が完了すると、図5に示すフロー動作が終了する。
【0047】
上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0048】
例えば、本実施例とは異なり、ステップS30~S40の処理を複数回繰り返してステップS50に移行するようにしてもよい。例えば、本実施例とは異なり、ステップS10とステップS20との実行順序を入れ替えてもよい。例えば、本実施例とは異なり、ステップS50とステップS60との実行順序を入れ替えてもよい。
【0049】
例えば、オットマン6を後方から前方に向かって回転させるほど、背凭れ部3を後方に倒すようにしてもよい。
【0050】
例えば、マッサージ機1は、方向DR1と方向DR2とを平行にできる構成であってもよい。オットマン6の回転範囲、ベース部4L及び4Rの上面の向きの少なくとも一方を調整することで、方向DR1と方向DR2とを平行にできる構成を実現することができる。方向DR1と方向DR2とを平行にした状態でオットマン6を伸長させることで、肘掛け部5L及び5Rのベース部4L及び4Rに対する移動量が最大になるため、被施療者の前腕部及び手に対するストレッチ効果を高めることができる。
【符号の説明】
【0051】
1 一実施例に係る椅子型マッサージ機
2 座部
3 背凭れ部
4L、4R ベース部
5L、5R 肘掛け部
6 オットマン
7L、7R 連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7