(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】取り外し可能エラストマ給紙カバー付き、給紙・プルロールのシステム、およびカバー交換手順
(51)【国際特許分類】
B65H 3/06 20060101AFI20221003BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
B65H3/06 330A
B65H5/06 A
(21)【出願番号】P 2018555918
(86)(22)【出願日】2017-04-26
(86)【国際出願番号】 US2017029657
(87)【国際公開番号】W WO2017189737
(87)【国際公開日】2017-11-02
【審査請求日】2020-04-24
(32)【優先日】2016-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020207
【氏名又は名称】サン オートメーション インク.
【氏名又は名称原語表記】Sun Automation Inc.
【住所又は居所原語表記】12201 Long Green Pike, Glen Arm, MD 21057, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・エイ・ポーセラ
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-126399(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0066402(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0248691(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0029812(US,A1)
【文献】米国特許第05720212(US,A)
【文献】米国特許第04378737(US,A)
【文献】実開昭55-066128(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00- 3/68
B65H 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
角度的にオフセットされ、長手方向に間隔があけられたロッキングスロットとして構成された複数の長手方向に延びる角度的に又は周方向にオフセットしたキー溝を備えた円筒面を有するロール芯と、
エラストマ塗装又は層を載せ、エラストマのグリップ面を画定する、弾力性がある裏張りをそれぞれが組み入れた、少なくとも第一および第二の交換可能な弾力性給紙カバーセクションと、を含み、
前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションのそれぞれが第一および第二のロッキング部品を、対向する第一および第二の給紙カバーセクションの両端上に組み入れ、
前記ロッキング部品は、前記ロール芯の前記円筒面上に前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションを取り付ける、および取り外し可能で固定するように、対応する角度的にオフセットされ、長手方向に間隔があけられたロッキングスロットに取り外し可能に固定される、および係合するように構成された、
エラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ。
【請求項2】
複数の前記角度的にオフセットされ、長手方向に間隔があけられたロッキングスロットは、前記ロール芯に、対応する複数の横並びの交換可能な弾力性給紙カバーセクションを互いに当接して取り付け、固定するように構成され、
前記角度的にオフセットされ、長手方向に間隔があけられたロッキングスロットのそれぞれは、前記第一および第二の給紙カバーセクションの両端を固定し、ここで画定される給紙カバーのエンドジョイントは、給紙動作への前記エンドジョイントの影響を低減するために周方向にオフセットされる、
請求項1に記載の、エラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ。
【請求項3】
各交換可能な弾力性給紙カバーセクションが、両端の間を延び、前記給紙カバーセクションの長さに沿い、取付けられたとき給紙ロールを取り囲む複数の給紙溝を組み入れた、
請求項2に記載の、エラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ。
【請求項4】
給紙カバー用の前記エラストマ塗装又は層は、25から35の範囲のゴム硬度を有するエラストマから整形される、
請求項3に記載の、エラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ。
【請求項5】
シート仕上げ機の給紙・プルロールセットの組合せで使用されるエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリであって、
長手方向に間隔を有し、周方向にオフセットされ、それぞれがロッキングスロットとして構成された複数の細長いキー溝を備えた円筒面を有するロール芯と、
それぞれが弾力性がある裏張り又は基板、およびエラストマの層又は塗装を組み入れた複数の交換可能な弾力性給紙カバーセクションと、
前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションの弾力性がある裏張り又は基板の両端に第一および第二のロッキング部品とを含み、
各交換可能な弾力性給紙カバーセクションの前記ロッキング部品は、各給紙カバーセクションをロール芯に取り外し可能で固定するために前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションに対応するロッキングスロットと係合し、
前記キー溝がそれぞれ、それに対応する交換可能な弾力性カバーセクションの両端を引き入れてエンドジョイントを形成し、
前記キー溝は、前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションが前記ロール芯に横並びに互いに当接して取り付けられるように前記ロール芯の長さに沿うピッチで配置され、前記エンドジョイントが前記ロール芯の外周に間隔を有するように周方向にオフセットされて配置される、
エラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ。
【請求項6】
各交換可能な弾力性給紙カバーセクションが、それに対応するキー溝の長さと実質的に等しい幅(W)と、前記ロール芯の周囲を取り囲むために十分な長さ(L)を有し、
前記弾力性がある裏張り又は基板が、弾力性材料でできた細長い内側支持部材を含み、
前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションが、前記内側支持部材の外面上に薄いエラストマ塗装又は層を組み入れた、
請求項5に記載の、エラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ。
【請求項7】
エラストマ塗装で覆われたロール芯を有する給紙ロールを組み入れた仕上げ機の給紙・プルロールセットの刷新方法であって、
(a)機械から前記給紙ロールを取り除くステップと、
(b)前記ロール芯からエラストマ塗装を剥ぎ取るステップと、
(c)前記ロール芯の汚れを除くステップと、
(d)長手方向に延び、周方向にオフセットした複数のロッキングキー溝を前記ロール芯上に形成するステップと、
(e)弾力性がある裏張り、およびエラストマ塗装又は層を有し、ロッキング機構を各カバーの両端に含む複数の交換可能な弾力性がある給紙カバーセクションを提供するステップと、
(f)刷新された前記給紙ロールを提供するために、各カバーが対応するキー溝と係合し、複数の交換可能な給紙カバーを取り外し可能に横並びに互いに当接して前記ロール芯に固定する前記ロッキング機構により、前記複数の交換可能な弾力性がある給紙カバーセクションを前記ロール芯に取り付けるステップと、
(g)前記複数の交換可能な給紙カバーを有する刷新された前記給紙ロールを前記機械に再取付けするステップとを含み、
前記給紙ロールのその後の刷新作業は選択された取り外し可能交換可能な弾力性給紙カバーセクションの交換により達成され、実質的に連続的な改良された、又は刷新されたエラストマグリップ面が提供される、
刷新方法。
【請求項8】
ステップ(f)が、
前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションそれぞれの両端
のロッキング部品をロックさせることにより、前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションを前記ロール芯に取り外し可能で取り付けるステップを含み、
各交換可能な弾力性給紙カバーセクションの前記ロッキング部品は、前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションに対応するロッキングスロットと係合し、
前記キー溝がそれぞれ、対応する交換可能な弾力性給紙カバーセクションの前記両端を引き入れてエンドジョイントを形成する、
請求項7に記載の刷新方法。
【請求項9】
(h)エラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリの特定のセクション(例えば中央)にある1つ以上の交換可能な弾力性給紙カバーセクションのエラストマグリップ面に著しい摩耗を起こすために十分長い期間を有する動作インターバルだけ、給紙・プルロールセットを動作させるステップと、
(i)摩耗が生じた前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションを識別するステップと、
(j)識別された摩耗した交換可能な弾力性給紙カバーセクションを選択し、前記ロール芯からそれらの摩耗した交換可能な弾力性給紙カバーセクションを取り外すステップと、
(k)選択された前記識別された摩耗した交換可能な弾力性給紙カバーセクションを、同数の新しい、弾力性給紙カバーセクションの交換品と交換するステップと、
をさらに含む、請求項7に記載の刷新方法。
【請求項10】
前記新しい交換可能な弾力性給紙カバーセクションの両端
のロッキング部品をロックさせることにより、前記新しい弾力性給紙カバーセクションの交換品を前記ロール芯に取り外し可能で取り付けるステップを含み、
各交換可能な弾力性給紙カバーセクションの前記ロッキング部品は、前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションに対応するロッキングスロットと係合し、
前記キー溝がそれぞれ、対応する交換可能な弾力性給紙カバーセクションの前記両端を引き入れてエンドジョイントを形成する、
請求項9に記載の刷新方法。
【請求項11】
各交換可能な弾力性給紙カバーセクションの前記ロッキング部品が、第一端でスロット付きクランプバー202、および第二端でスロット付きクランプバー202と連係して第一および第二のボルト又はねじ式ファスナを受けるように構成されたクランプバー203を含み、
取り付けステップは、前記スロット付きクランプバー202、および前記クランプバー203を、前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションに対応する前記ロール芯のロッキングスロット内のねじ穴にねじ止めし、各給紙カバーセクションを前記ロール芯の表面に取り付け、取り外し可能に固定するステップを含み、
各キー溝はそれに対応するカバーセクションの両端を一緒に引き入れてエンドジョイントを形成し、
前記キー溝は、選択された弾力性給紙カバーセクションの交換品が前記ロール芯に横並びに互いに当接して取り付けられるように前記ロール芯の長さに沿うピッチで配置され、前記エンドジョイントが前記ロール芯の外周に間隔を有するように周方向にオフセットされて配置される、
請求項10に記載の刷新方法。
【請求項12】
エラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリへの取り外し可能な取り付け用に構成された交換可能な弾力性給紙カバーセクションであって、
(a)エラストマ塗装又は層を載せ、エラストマのグリップ面を画定する、弾力性がある裏張り又は基板と、
(b)弾力性がある裏張り又は基板の両端に固定された第一および第二のロッキング部品と、を含み、
少なくとも前記第一のロッキング部品は、取り外し可能なファスナと係合するように構成されたクランプバーを含み、
前記
第一および第二のロッキング部品は、ロール芯の円筒面上に前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションを取り付ける、および取り外し可能で固定するように、対応するロッキングスロットに取り外し可能に固定され、係合するように構成され、
(c)前記エラストマのグリップ面は、エラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリを提供するために、前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションがロール芯に取り付けられ、および取り外し可能で固定されたとき、前記両端の間を延び、前記給紙カバーセクションの長さに沿って、前記ロール芯を取り囲む複数の給紙溝を組み入れる、
交換可能な弾力性給紙カバーセクション。
【請求項13】
前記弾力性がある裏張り又は基板の両端に固定された前記第一および第二のロッキング部品が、複数のロッキングスロットのうち、前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションの選択された位置に対応して選択された1つと係合するように構成され、
キー溝が、対応する交換可能な弾力性給紙カバーセクションの前記両端を一緒に引き入れてエンドジョイントを形成する、
請求項12に記載の交換可能な弾力性給紙カバーセクション。
【請求項14】
前記
第一および第二のロッキング部品が、第一端でスロット付きクランプバー202、および第二端でクランプバー203を含み、
前記クランプバー203は、前記スロット付きクランプバー202と連係して第一および第二のボルト又はねじ式ファスナを受け、前記スロット付きクランプバー202、および前記クランプバー203を、前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションに対応する前記ロール芯表面のロッキングスロット内のねじ穴にねじ締めし、各給紙カバーセクションを前記ロール芯に取り付け、および取り外し可能で固定するように構成され、
各キー溝はそれに対応するカバーセクションの前記両端を一緒に引き入れてエンドジョイントを形成し、
前記キー溝は、前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションが前記ロール芯に横並びに互いに当接して取り付けられるように前記ロール芯の長さに沿うピッチで配置され、前記エンドジョイントが前記ロール芯の外周に間隔を有するように周方向にオフセットされて配置される、
請求項13に記載の交換可能な弾力性給紙カバーセクション。
【請求項15】
給紙カバー用の前記エラストマ塗装又は層は、直接モールド成形、キャスト成形(そしてその後接合)、又は、ゴム硬度が25から35の範囲にある整形されたゴムである、
請求項12に記載の交換可能な弾力性給紙カバーセクション。
【請求項16】
給紙カバー用の前記エラストマ塗装又は層は、ゴム硬度が25から35の範囲にある整形されたニトリルゴムである、
請求項15に記載の交換可能な弾力性給紙カバーセクション。
【請求項17】
給紙カバー用の前記エラストマ塗装又は層は、ゴム硬度が30である、
請求項15に記載の交換可能な弾力性給紙カバーセクション。
【請求項18】
前記弾力性がある裏張り又は基板は、ポリマーメッシュで作られた細長い内側支持部材を含む、
請求項12に記載の交換可能な弾力性給紙カバーセクション。
【請求項19】
前記弾力性がある裏張り又は基板は、薄いスチールで作られた細長い内側支持部材を含む、
請求項12に記載の交換可能な弾力性給紙カバーセクション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2016年4月26日に提出された共同所有同時係属米国仮特許出願第62/327,840号の「取り外し可能エラストマ給紙カバー付き、給紙・プルロールのシステム、およびカバー交換手順」の優先権を主張し、開示全文を引用により本明細書に援用する。
【0002】
本願発明は、段ボールシート用の給紙機械、およびそのような機械用のエラストマ給紙カバーを有するプルロールシステムに関する。特に、この発明は交換可能な給紙カバーを有する給紙機械システム、および給紙機械の給紙カバーを交換又は更新する方法に関する。
【0003】
【背景技術】
【0004】
段ボール紙を無地のシートから使用できる形態(例えば、輸送用梱包箱、野菜果物箱、収納箱、又はその他)に改造する周知の手順は、無地のシートがホッパから給紙端部を通ってその先の機械部に供給される改造機又は仕上げ機の給紙端部から始まる。給紙手順では通常先頭エッジ給紙機、およびニップ(挟み込み)を形成する1セットのローラを使用し、ニップがシートを受け入れ、機械の中に引き込み、機械の次の工程へと給紙する。作業が適切に行われるために、1セットのローラのうちの1つの表面をエラストマの層で覆ってもよく、もう1つのローラはギザギザのある面を有してもよい。このローラのセットをここでは簡便のため「給紙・プルロール」と呼ぶ。給紙・プルロール、および特にそのようなロールのためのエラストマ(例えばニトリルゴム又はウレタン)のカバーは、使用とともに摩耗し給紙性能が劣化する。エラストマカバーの摩耗が過大になると、ホッパ内のシートの積み重ねの下から安定してシートを引き出すために十分なグリップが得られなくなる。
【0005】
仕上げ機における給紙・プルロールセットの役目は、先頭エッジ給紙機が給紙を始めた後、供給ホッパ内のシートの積み重ねの底から引き出すために十分なだけ段ボールシートを掴むことである。給紙・プルセットは先頭エッジ給紙システムによって機械の速度まで加速されたシートを受け入れる。場合によっては、先頭エッジ給紙システムがシートを給紙・プルロールのニップより先まで送るため、仕上げ機の次の段階にシートを送るために先頭エッジ給紙システムと給紙・プルロールのニップは協働しなければならない。すなわち、給紙・プルロールセットはシートを、通常、真空送りユニット、印刷ニップ、プレスニップ、又はプルロールセットのニップなどの次の手渡しポイントまで機械の速度で送る。
【0006】
給紙・プルロールセットは、調節可能な隙間で配置された上側ロールおよび下側ロールを含み、それらの間の隙間又はギャップは処理されるシートのキャリパ又は厚みよりも少し小さく設定され、シートをつぶすことなくグリップするために十分に狭いニップを形成する。この工程を容易にするために給紙・プルロールセットの少なくとも1つのローラはニトリルゴムやウレタンなどの適切な材料によるエラストマのカバーを組み入れる。エラストマは強く、丈夫な材料ではあるが、段ボール板シートによる摩擦によりエラストマのグリップ面はいずれ摩耗する。ほとんどの機械は中央揃えの設計であるため、給紙されるシートの幅にかかわらず、給紙・プルロールセットの中央部分が通常段ボールシートと接触する。その結果、エラストマカバー面の中央部分がはじめに摩耗し、ロールの端に向かって徐々に摩耗が少なくなる。段ボールシートの作業の継続により摩耗が続くとエラストマでカバーされたロールは中央が凹んだ形状を示し始める。
【0007】
ロールセットの使用が続きエラストマカバーが摩耗するにつれて、凹んだ形状はより目立つようになりニップ圧力により生じるグリップ力が減り始め、望ましい引く力又は給紙の力が得られなくなる。そうなったとき、仕上げ機械の最適性能を保つため、通常エラストマでカバーされたロールは交換されるべきである。しかし、従来のロールカバーの交換には、時間と費用がかかる機械停止が必要であるため、多くの場合、カバーを交換する代わりに、機械の作業員は単に設定隙間(ギャップ)を小さくし、ロールセットの圧力を高めて製造を継続する。しかし、これは給紙不良、過剰なつぶれ、および/又は仕上げ機械に給紙されるシートの位置決め不良などの結果となり、カバー摩耗という問題の正しい解決策ではない。
【0008】
上に述べたとおり、ロータリー金型カッター、フレクソフォルダ糊付け機、その他の現在稼働しているほとんどの仕上げ機械の給紙端では、エラストマ給紙・プルロールは従来からギザギザのスチール給紙ロールと伴に使われており、機械における段ボールシートの給紙・プルに、1セットのロールにより形成されるニップが使われている。上に述べた摩耗問題のため、エラストマの給紙・プルロールは消耗品であり、通常、定期的な刷新のためには機械からのロール取り外し、梱包、エラストマの供給元・製造元への搬送、エラストマはがし、エラストマ再塗布、研磨、再梱包、仕上げ機械使用業者へのロールの返送、仕上げ機械への再取付け、が必要である。この工程は、エラストマの摩耗のため、1年に複数回繰り返されなければならず、エラストマの刷新のために給紙・プルロールを機械から取り外す交換保全時間は、かなりの休止期間となり、加えて手数料と刷新にもかなりの費用がかかるため、使用業者にとっては大きな問題であって、変換への障壁となり最終製品のコストにも悪影響がある。
【0009】
通常の摩耗に加え、機械の給紙端における詰まりが給紙・プルロールのエラストマのグリップ面を損傷させ得て、ロールが機能しなくなりロールの即時交換が必要となることもある。ほとんどの仕上げ機械作業者は、製造を継続するための安全策としてスペアロールを在庫に持ち、1つのロールを取り外し、別のロールを取り付けるが、損傷したロール刷新の必要性と出費はなくならない。
【0010】
業界では、新しい機械を高い生産性で操業する傾向にあるから、エラストマ面の摩耗は加速し、エラストマ給紙・プルロールの交換サイクルは短くなる。仕上げ機械の速度と稼働性の基準が押し上げられている。このような高速において安定操業を保つためにはロール面が高品質であり、給紙される段ボールシートとの接触が良好であることが極めて重要である。摩耗した、又は損傷したロール面は詰まり、シートの滑り、および/又はシートの捻じれ、などを起こすことで給紙工程に影響を及ぼし、位置決め不良や生産損失の結果となる。同様に、摩耗した、又は損傷したエラストマ給紙・プルロール面を補うために通常行われるロールセット間の圧力追加は、段ボールシートの過剰なつぶれを起こし、その段ボールシートを使った製品の強度に影響を及ぼす。
【0011】
負荷サイクル、操業速度、および機械使用率に依存して、現在使用されている機械の給紙ロールのエラストマグリップ面の寿命は3か月から9か月の範囲である。エラストマ給紙・プルロールの交換には2時間から4時間かかる。全体としての生産の損失およびエラストマロールの交換と刷新の同時出費が業界にとっての問題である。
【0012】
したがって、エラストマ給紙・プルロール面の交換を容易にする段ボールシート給紙システムが必要である。
【発明の概要】
【0013】
したがって、本願発明の主目的は、エラストマロールカバー交換中の機械休止時間を減らすことができる仕上げ機械用の交換可能な給紙・プルロールカバーを提供することにより上述の問題を解消することである。
【0014】
手短に言えば、本願の給紙ロールの構成および方法は、芯に巻きつく複数の互いに横並びの取り外し可能な細長い(例えばニトリルゴムやウレタン製の)エラストマ給紙カバーセクションからなる筒状のロール芯およびロール芯のエラストマカバーからなるエラストマロールを組み入れた給紙・プルロールセットを含む。各給紙カバーセクションの両端はロール芯の表面に加工された対応するキー溝に挿入されるロッキング機構を備え、カバーセクションが固定される。1枚又はそれ以上の給紙カバーセクションの摩耗がひどくなり、エラストマでカバーされたロールの性能が悪化する危険が生じれば、機械からロールを取り外すことなく、損傷した(識別された、選択された)給紙カバーセクションが取り外され、新しいカバーセクションがその場所に取り付けられる。エラストマ給紙・プルロール全体を取り外して再取付けするためにこれまで必要であった数時間にも及ぶ保全と異なり、本願発明のシステムおよび工程は(例えばニトリルゴムやウレタン製の)新しいエラストマ面又は面の一部を取り付ける交換又は修理方法を提供し、30分又はそれ以下で完了できる。
【0015】
ほとんどの機械は中央揃えであるため、複数の横並び給紙カバーセクションのうち最も中央にあるものが機械に給紙される段ボールシート又はブランクシートと常に接触し、シートの大きさにかかわらず中央のカバーセクションが最大の摩耗対象となる。横並び給紙カバーセクションのうち最も外側(又は最も端)のものは給紙されるブランクのサイズによっては全く接触しないことがある。過去に必要であったようにカバーの一部のみが摩耗しているのにロール上エラストマカバー全体を交換するかわりに、本願発明はロール上のカバーセクションのうち選択されたセクションのみを交換するオプションを提供する。本願発明はまた、エラストマグリップ面の寿命を長くするため、中央の又は内側の給紙カバーセクションを給紙ロールの外の又は外側の位置に移動し、外側給紙カバーをロールの内側の位置に移動する給紙カバーのローテーション、又は入れ替えのオプションを提供する。加えて、この設計は、給紙される特定のシート又はブランクサイズのスパンに必要であると識別、選択された数のカバーセクションのみをロールに提供しセクションの数を減らすオプションを提供する。
【0016】
すなわち、概して、本願発明は仕上げ機械の給紙ロールを含み、それは少なくとも1つの長手方向(又は軸方向)に延びるロッキングスロット又はキー溝を含むロール芯、弾力性がある裏張りおよびエラストマ塗装を有する少なくとも1つの細長い弾力性がある給紙カバーセクション、および対応するロッキングスロットと係合し取り外し可能に給紙カバーセクションをロール芯に固定するための給紙カバーの両端のロック機構を有する。発明の実施形態では給紙カバーのエラストマの塗装はニトリルゴム又はウレタンである。各給紙カバーセクションはロールのまわりに巻きつけることでロールに取付けられ、ロッキング機構を組み入れたカバーの両端は、機構がスロットに挿入され、軸方向に延びるセクション接続端点が形成されると互い当接する。給紙ロール芯は、対応する複数の細長い給紙カバーセクションを受け入れて固定する長手方向に間隔を有し、周方向にオフセットした複数のロッキングスロットを有することが望ましい。ロッキングスロットはロール全長にわたって対応するセクションが互いに当接して横並びに位置決めされるように軸方向に配置され、隣同士の給紙カバーのエンドジョイントが周方向にオフセットされるようにロールの外周に配置される。
【0017】
本願発明はさらに、エラストマ塗装で覆われたロール芯を有する給紙ロールを元々組み入れた既存の仕上げ機を刷新する方法を含む。この新たな方法は、まず機械から給紙ロールを取り外し、ロール芯から既存の(摩耗してしまった)エラストマ塗装を剥ぎ取り、そしてロール芯の汚れを除くステップを含む。この方法は、さらに機械加工その他の方法で複数の軸方向に延び周方向にオフセットしたロッキングスロット又はキー溝をロール芯に形成するステップと、それぞれのセクションが弾力性がある裏張りと(ニトリルゴム又はウレタンなどの)エラストマ塗装と両端にロッキング機構を有する複数の細長く弾力性がある給紙カバーセクションを提供するステップを含む。この方法は次に、弾力性がある給紙カバーセクションを、各カバーセクションのロッキング機構が対応するキー溝と係合し、給紙カバーセクションが給紙ロール芯に取り外し可能で固定されるようにロール芯に取り付けるステップを含む。最後に、この方法は、刷新された給紙ロールと新しい給紙カバーセクションを機械に再取付けするステップを含む。機械に新しい給紙カバーセクションが取り付けられると、それ以後の給紙ロールの刷新は、摩耗の兆候が見られる識別、選択された取り外し可能なカバーセクションの単なる取り替えにより達成される。
【0018】
給紙・プルロールからの給紙カバーセクションの取り外しを容易にするため、ロールは円形断面のスチール構造の芯を有し、取り外し可能なジャーナル(軸頸)が組み込まれている。記述したとおり、ロールには複数の軸方向のキー溝が散在し対応する給紙カバーセクションの両端のロッキング機構を受け入れる。これらのキー溝は、仕上げ機を通るシートの給紙に給紙カバーが合わさったジョイントが及ぼす影響を最小にとどめるような間隔でオフセットされてロール周囲に配置される。キー溝の配置パターンは、ロールの回転へのキー溝の影響が中和されるようにロールの中心線について対称な角度であることが望ましい。
【0019】
既存の仕上げ機の摩耗した給紙・プルロールを本願発明の構成に変換するためには、機械の所有者は摩耗した給紙・プルロールを、摩耗したロールの芯が許容できる状態であることを確認する検査のために製造者又は刷新業者に送る。許容できる状態である場合、既存の摩耗したエラストマカバーがロールから剥ぎ取られ、本願発明の給紙カバーセクションを受け入れるためのキー溝が機械加工され、刷新されたロールは1セットの取り外し可能な給紙カバーが嵌め合され、取付けのため返送される。場合によっては、(例えば、元のエラストマカバーが粗い面に塗布されているときなど、)ロールは新たな外径まで加工される必要がある。既存の給紙・プルロールがない場合、又は刷新ロール芯としての使用に適する状態ではない場合、変換には新規の芯ロールが使用される。一旦、本願発明のエラストマ給紙カバーセクションを受け入れるように既存の芯が変更、もしくは刷新されると、又は本願発明の給紙カバーセクションを受け入れる新しい取り替え芯が購入されると、機械の所有者は、必要に応じて識別、選択された摩耗した給紙カバーセクションを単に交換するだけで仕上げ機の保全を、使用されたロールを再カバーされた別のロールと交換する時間と費用の損失なく、より速やかにより経済的に行うことができるようになる。
【0020】
本願発明の給紙カバーセクションは、既存の給紙・プルロールに直接接着されていたものと類似したエラストマ材料で形成されることが望ましい。本願発明によれば、(例えば、ニトリルゴムやウレタンなどの)既存のカバーや層の形成を有するエラストマ材料を利用し、給紙カバーセクションは、サイズの精度を保証し、ある程度の弾力性があり、機械にシート又はブランクを給紙又は移送するとき、仕上げ機で起こり得る波打ち現象を排除又は少なくとも低減するために適度の剛性を有するスチール又はポリマーメッシュの裏張り材料を有する。各給紙カバーセクションの両端には、ロール芯のキー溝に嵌め入れられるように設計され、内側クランプバー部材および外側スロットクランプバー部材、又はオスおよびメス部材を含む給紙ロールロッキング機構が取り付けられ、且つロール芯のキー溝の中で機械的にしっかりと連結するような適当なねじ切りされたファスナを利用してもよい。給紙カバーセクションは、均一なサイズに研磨され、既存の給紙・プルロールの規格に合わせてスロットが取り付けられ、正しい幅に切断される。
【0021】
そして、本願発明は仕上げ機の給紙・プルロールの組合せの改良に関し、この組合せのエラストマロールは、ロッキングスロットとして構成された少なくとも1つの長手方向に延びるキー溝を含む円筒面を有するロール芯、および少なくとも第一の弾力性がある給紙カバーセクションを有する。
この給紙カバーセクションは、エラストマの外側グリップ面を載せた弾力性がある裏張り又は基板を組み入れ、ロール芯の表面に給紙カバーセクションを取付け、および取り外し可能に固定するために対応するロッキングスロットと係合する第一および第二のロッキング部品をその両端に有する。実施形態によれば、給紙ロール芯は、対応する複数の横並び給紙カバーセクションをロール芯に取り付け固定するための、複数の長手方向に間隔を有し、周方向にオフセットした複数のロッキングスロットを有する。
【0022】
給紙カバーのエラストマグリップ面、又はエラストマ塗装は、ニトリルゴム又はウレタンなどのエラストマを弾力性がある薄いスチール裏張り基板上にモールド成形されることが望ましく、各給紙カバーセクションは、両端の間を給紙カバーセクションの長さに沿って延び、ロール芯に取り付けられたとき給紙ロールを丸く囲む複数の平行な給紙溝を有するグリップ面を画定する。
【0023】
一例において、本願発明は(例えば、ニトリルゴム又はウレタンの)エラストマで覆われた給紙ロールアセンブリをシート仕上げ機(12など)の給紙・プルロールセットの組合せ(36などと同様に)の一部として組み入れ、ロール芯は複数の長手方向に間隔を有し、周方向にオフセットし、それぞれがロッキングスロットとして構成された軸方向に沿う複数の細長いスロット又はキー溝を備えた円筒面を有する。複数の交換可能な弾力性がある給紙カバーセクションはロールに取り外し可能で取り付けられ、それぞれが弾力性がある裏張りおよびエラストマ塗装を組み込み、それぞれがロール芯への取り外し可能な取り付けのための第一および第二のロッキング部品をその両端に有する。
【0024】
各給紙カバーセクションを取り外し可能で取り付けるロッキング部品は、スロット付きクランプバーを第一端に、スロット付きクランプバーと連係するように構成されたクランプバーを第二端に含み得て、さらに、給紙カバーセクションと対応するロール芯のロッキングスロット内のねじ付キー溝とねじ係合して各給紙カバーセクションをロール芯の表面に取り付けて取り外し可能で固定するための第一および第二のボルト又はねじ付きファスナを受けてもよい。各キー溝はカバーセクションの両端を一緒に引き入れてエンドジョイントを形成する。ロール芯の表面上で、キー溝はそれぞれに識別、選択された交換給紙カバーセクションが横並びで当接して隣の給紙カバーセクションのエンドジョイントからロール芯の周方向にオフセットされてロール芯に取り付けられるように径方向に配分されロール芯の長さに沿って間隔をあけられることが望ましい。
【0025】
各給紙カバーセクションは対応するキー溝の長さ(94)と実質的に等しい幅(W)と、ロール芯の外周を取り囲むために十分な長さ(L)を有する。各給紙カバーセクションの弾力性がある裏張りは、取り付けられたときロール芯の外面をピッタリ包む薄いスチール(例えば、約0.018インチ厚)、又はポリマーメッシュなどを非限定的に含む弾力性材料の細長い内側支持部材である。
【0026】
別の態様によれば、本発明はエラストマ塗装で覆われたロール芯(50)を有する給紙ロール(32)を組み入れた仕上げ機(12)の給紙・プルロールセット(36など)を刷新する方法に関する。この方法は、機械から給紙ロール32を取り除くステップと、ロール芯からエラストマ塗装を剥ぎ取るステップと、ロール芯の汚れを除くステップと、長手方向に延び、周方向にオフセットした複数のロッキングキー溝を清掃されたロール芯に形成するステップと、エラストマ塗装を載せた弾力性の裏張りを有する複数の弾力性がある給紙カバーセクションを提供するステップと、交換可能な弾力性がある給紙カバーセクションのロッキング機構をロール芯のロッキングキー溝に取り付ける又は固定するステップとを含む。この方法はさらに、識別選択された弾力性がある給紙カバーをロール芯に取り付けるステップを含み、各カバーのロッキング機構がそれぞれ対応するキー溝と係合し、互いに当接して横並び状で給紙カバーを取り外し可能にロール芯に固定する。ロール芯が完全に刷新又は修理される場合、ロール芯の表面全体は交換可能な弾力性がある給紙カバーセクションにより覆われ、給紙カバー付きの刷新給紙ロールは機械に再取り付けされ、給紙ロールのその後の刷新作業は選択された取り外し可能な給紙カバーの交換により達成される。
【0027】
上述の本願発明の給紙ロール構造、および給紙・プルロールの刷新方法又は刷新工程の利点を挙げる。
・ (a)識別、選択された給紙カバーセクション交換品の刷新又は表面仕上げ直しの費用、対、(b)エラストマ給紙・プルロール全体、又はそのカバー全体を交換する費用(従来技術)の有利な差、
・ 給紙カバーセクションの交換に必要な時間、対、従来技術でロールカバー全体の交換又は刷新に必要な時間、すなわち給紙カバーセクション、対、ロールカバー全体、の比較結果の人件費節減、
・ 段ボール紙つぶれを最低限にすること、特定の給紙位置精度の維持、シートねじれの排除などによる給紙・プルロールセットの性能維持の容易さ、
・ ロール箱詰め費用の節約、
・ ロール搬送費用の節約、
・ 在庫管理およびハンドリング費用の節約、すなわち給紙カバーセクションを一箱備えるコスト、対、スペアのエラストマロールを管理するコストの差、
・ 給紙カバーセクションの交換、対、エラストマ給紙・プルロールの表面仕上げ直し、の比較における、計画・予定決めの容易さ向上による費用節減。
【0028】
本願発明の前述の目的および特徴は、単独で、および組み合わせて達成可能であり、本願発明において2つ以上の特徴の組み合わせが必要であると解釈されることは意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本願発明の、上記の、およびさらに追加される目的、特徴、および特長は、特に添え付けの図面を組み合わせて見たとき、その特定の実施形態の下記の詳細な説明を考慮すれば明らかとなり、図面においては、様々な図面中の類似した部品には、類似した符号が付けられる。
【0030】
【
図1】
図1は、段ボールシートをホッパから機械の次のセクションに給紙するための典型的な仕上げ機の給紙端の模式的側面図である。
【
図2】
図2は、本願発明に係る取り外し可能給紙ロールカバーセクションを組み入れた仕上げ機械エラストマ給紙ロールの一部の模式的斜視破断端面図である。
【
図3】
図3は、
図2の線3-3に沿った仕上げ機械給紙ロールの一部の模式的斜視断面端面図であり、本願発明に係るロール芯の最後尾の取り外し可能給紙カバーセクションを示す。
【
図4】
図4は、
図3の給紙ロール部の模式的斜視端面図であり、給紙カバーセクションが部分的にはがされている。
【
図5】
図5は、
図2-4の装置の仕上げ機械ロール芯の模式的斜視断面端面図であり、給紙カバーセクションが省かれている。
【
図6】
図6は、
図5の仕上げ機械ロール芯の模式的斜視端面図であり、1つを除く給紙カバーセクションを取り外し、複数の給紙カバーセクションを受け入れるためのロール芯の長手方向に間隔をもち周方向にオフセットされたキー溝配置を示す。
【
図7】
図7は、給紙カバーセクションの部分的破断平面図である。
【
図9A】
図9Aは、本願発明に係る13個の給紙カバーセグメントを含む給紙ロールアセンブリを示す。
【
図9B】
図9Bは、本願発明に係る13個の給紙カバーセグメントを含む給紙ロールアセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図2-
図9Hに示される本願発明のより詳細な説明に移ると、例えば段ボール紙又は厚紙(又はその他の適材)のシートを無地のシートから輸送用梱包箱、野菜果物箱、収納箱、等の実用的な形態に改造することは、改造機又は仕上げ機12の給紙端部10から始まる(例えば
図1の側面図で模式的に示されるように)。図示されるとおり、無地のシート14は、ホッパ16から給紙端部10を通ってその先の従来の仕上げ機械部18に供給される。給紙手順では通常、1セットの給紙輪22を組み入れた先頭エッジ給紙機20がシート14を1枚ずつエラストマ塗装された上側給紙ロール32とギザギザのスチール給紙ロール34との間のニップ30に送る。ロール32および34は、概して36で示される給紙・プルセットを含み、特に本発明においてはエラストマ給紙・プルロール32に焦点が当てられる。
【0032】
給紙・プルロールセット36の役目は、先頭エッジ給紙機20および給紙輪22が給紙を始めた後、供給ホッパ16内のシートの積み重ね40の底から引き出すために十分な力でシート14をニップ30で掴み、シートを機械の速度まで加速させ、次に給紙・プルロールのニップ30の間へ、そして場合によっては、給紙・プルロールのニップより先まで、送ることである。給紙・プルロールセット36はシートを次の機械部18の次の手渡しポイントまで機械の速度で送り続け、次のポイントとは通常、真空送りユニット、印刷ニップ、プレスニップ、又はプルロールセットのニップである。上と下の給紙・プルロールセット又は組合せ36は、改造機又は仕上げ機12に、ロール30と32Rの間隔が調節可能であるように固定される。ロール間の間隔又は隙間(ギャップ)は、シート14の経路の横幅でもあるロール長さにおよぶニップ30を形成する。ギャップは、シートをつぶすことなくグリップするために処理されるシート14のキャリパ又は厚みよりも少し小さく設定される。
【0033】
本願発明の改良された上側給紙・プルロールアセンブリ32Rは、発明のシステムの給紙・プルロールセット36の一部であり、これから参照する
図2-6によってより詳細に示される。改良された給紙ロールアセンブリ32Rは、円筒状の芯ロール50、および1つ以上の取り外し可能な細長い給紙カバーセクションを含み、カバーセクションのうちの3つは概して符号52、54、および56で示され、それぞれが周方向に芯50の円筒形外面60を包んで芯50に固定される。本願発明の給紙・プルロールアセンブリ32Rは、仕上げ機械に元々備えられ、外面にエラストマ層が接着された芯ロールの構造を有する給紙ロール(例えば、従来技術ロール32)などの現在使用されているロールの代替品であり得る、又はそれ自身が新しい仕上げ機械に元々備えられるものであり得る。本願発明に係るロール32Rの芯50は、円筒形のスチールロールであり、長さおよび直径は仕上げ機械12のサイズおよび幅に基づく。ロール32Rが代替品である場合、組み立てられた給紙・プルロールセット36において取り替えられる元々備えられていたエラストマロール32の設計直径よりも約1.00インチ小さい芯直径を有する。小さい直径は、(例えば
図9A-
図9Hに示されるように)既存のエラストマカバーの代わりに使用されることになる交換可能な給紙カバーセクションの厚みに適応するためである。本願発明の改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32Rが新しい機械に始めから使われる場合、ロールはその機械の設計に適合した長さおよび直径を有する。
【0034】
ここで示された本願発明の改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32Rの実施形態によれば、ロール芯50は複数の給紙ロールカバーセクションを搭載し、
図2の断面図において、その3個がロール芯の外周60に巻きついた52、54、および56として示される。3個が例示されているが、11-13個のカバーセクションを含む後述の1つの実施形態のように、追加の給紙ロールカバーセクションが芯50の長さに沿って近接して横並びに配置され得ることは明らかである。それぞれのカバーセクションは、概して長方形であり、内面62および外面64、カバーセクションの幅Wを画定する両端66および68、およびカバーセクションの周方向長さLを画定する両端70および72を有する(
図8を参照)。例えばセクション52などのカバーセクションが芯50に
図4に示されるように取り付け途中であるとき、および
図2、3に示されるように取り付けられたとき、カバーセクションの内面62が円筒形芯50の外面60と接触し、セクションは芯に巻きつけられる。カバーセクション52の周方向長さは両端70および72を
図2、3、4、および6に示すように互いに当接させるために十分な長さである。側壁66および68は円筒形ロール50の周りを周方向に延び、当接する端壁はロールの軸方向長さと平行にロールの長手方向に延びる。ロールカバーセクション52の両端70および72は、それぞれ概して符号78で示されるロッキング機構の第一および第二ロッキングショルダ部品74および76を組み入れる(
図3および4などを参照)。給紙カバーセクション52のロッキング機構は、対応する長手方向に延びるスロット又はキー溝80内に固定される。
【0035】
例えばセクション52、54、および56などの複数の給紙カバーセクションが提供されると、各カバーセクションのロッキング機構は、
図6に示される細長いキー溝80、82、84、および86などの対応するキー溝に固定される。これらのキー溝は、ロール芯50の円筒形外面60に長手(又は軸に沿った)方向に芯50の中心軸と平行に、機械加工又はその他の方法で形成され、対応するカバーセクションのロッキング機構を受け入れるロッキングスロットとして構成される。3個のカバーセクションと4個のキー溝がここに示されているが、任意の改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32Rに取り付けられる各給紙カバーセクションに対して対応するキー溝がそれぞれ提供されることは明らかである。1つの実施形態によれば、これらのキー溝は、長手方向に符号90で示される間隔で置かれ、隣接するキー溝はロール50の長さに沿って約10インチのピッチで配置される。加えて、
図6の符号92で示されるようにキー溝は周方向に、又は角度的に、ロール周りにオフセットされる、すなわち、図示されるように各キー溝は隣接するキー溝に対してロールの外周の周りにオフセットされる。各キー溝の軸方向長さ94は対応する給紙カバーセクションの幅、および受け入れるカバーセクションの幅にわたって取り付けられるロッキング機構78の軸方向長さと実質的に等しい。
【0036】
例えば、幅10インチのカバーセクションのためのキー溝の長さは10インチであり、キー溝はロール芯の長さに沿って等間隔で配置され、
図2に示されるように、対応する給紙カバーセクションは1つのカバーセクションの横壁68が次の隣接カバーセクションの横壁66と当接して横並びとなる。代わりに、隣り合う交換可能な弾力性がある給紙カバーセクション同士の間に小さいギャップ又は軸方向間隔を提供してもよい。ロール芯の外周周りのキー溝の角度的な間隔又はオフセットにより、
図2において符号96、98、および100で示される各カバーセクションの両端70および72が合わせられる給紙カバーセクションのエンドジョイントも同様に給紙ロールの外周周りにオフセットされ、仕上げ機械における給紙動作へのこれらのジョイントの影響が低減される。さらに、長手方向の間隔および周方向のオフセットによれば、キー溝パターンがロールの中心軸又は軸110について対称となり、ロールのバランスがよくなり、ロール回転へのキー溝の影響が低減される。例えば、発明の一実施形態において、直径7.00インチの改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32Rは、長さ110インチであり、10インチ長さの11個のキー溝がロール芯の長さに沿って10インチピッチで配置され、それぞれの幅(又は軸方向寸法)が10インチである11個の給紙カバーセクションを受け入れ、固定する。
【0037】
改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32R用のエラストマグリップ面又はカバー材料は、ゴムと似た構成を有し、硬化した状態でゴム用硬度計の読みが25から35の範囲、そして望ましくは30である、強靭で弾力があり丈夫なグリップ面を有することが望ましい。給紙カバーのエラストマ塗装又は層122は、弾力性がある裏張り部材120上に直接モールド成形される、又はキャスト成形された後に弾力性がある裏張り部材120上に接着され、テクスチャを有する表面と溝130を有する。
代わりに、エラストマ塗装又は層(122)は、直接モールド成形又はキャスト成形後接着された後に、溝130および表面テクスチャが成形、切削、又は機械加工工程により加えられてもよい。
【0038】
エラストマ塗装又は層122は、強く、丈夫な材料であるが、長時間の連続使用により段ボール紙14の摩損性がエラストマのグリップ面をいずれは摩耗させる。仕上げ機械は通常、中央揃えであるため、給紙される各シートは給紙・プルロールセット36で中央揃えとなり、シートの大きさにかかわらず給紙・プルロールセットの中央セクションが段ボールシートと接触し、端部のセクションは、例えば幅が広い紙の場合などの少ない頻度でしか使われない。その結果、エラストマのグリップ面の中央セクションがはじめに摩耗し、端部に向かうにつれて徐々に摩耗が少なくなる。段ボールシートの給紙の継続により摩耗が続くと、例えばロール32と34の間隔が(上述のとおり)端部より中央で大きくなり、ロールセットは長手方向に凹んだ形状を示し始める。給紙・プルロールセットのニップ圧力により生じるグリップ力が中央で減り始め、その結果、給紙されるシートへの力が不均一となり、ある時点で本願発明の方法により中央セクションの摩耗が修理又は刷新されるべきと識別される。この時点で、エラストマ給紙ロールカバーは、最適の性能を維持するために交換されるべきである。従来のシステムでは、給紙ロールカバー刷新の困難さおよび費用の理由で、多くの場合、作業員は単に設定隙間(ギャップ)を減らし、ロールセットの圧力を高めて製造を継続するため、給紙不全、過剰なつぶれ、および/又は位置決め不良などの結果となる。
【0039】
本願発明によれば、最適なロール性能、究極的には最適な機械性能を維持するため、摩耗が識別された給紙ロールは、容易且つ短時間で、改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32R用の新しい未使用のエラストマ面を提供する1つ以上の交換可能な弾力性エラストマ塗装付き給紙カバーセクション(52など)の取付けによる修理又は刷新のために選択される。交換可能カバーのシステムは、機械(12など)からロール全体(36など)を取り外す必要を排除し、そのような取り外しおよび刷新に係る費用を排除する。加えて、保全作業のための時間が数日間から数分間に削減できるから、仕上げ機械の作業者は、ロールの性能低下に早期対応ができ、適切な機械性能の維持が可能となる。
【0040】
図7の部分的破断図、および
図8の部分的斜視図に示されるとおり、
図3、および
図4で示される給紙カバーセクション52などの各給紙カバーセクションは、スチール(例えば約0.018インチ厚)又はポリマーメッシュなどの薄い弾力性材料で作られる細長い内側支持部材又は基板120からなる。
図2-9Hで示される本願発明の一実施形態によれば、支持部材又は給紙ロールカバー裏張り120は、カバーセクション側端66と68の間が約10.00インチ幅であり、取り付けられたとき、両端がジョイント96で当接するように(
図3)ロール芯50の外周を囲むために十分な長さであることが望ましい。溝付きの(望ましくはニトリルゴム又はウレタンの)エラストマ層122は、約0.50インチ厚であり、エラストマのモールド加工および製造法の最善の手法に従い、内側支持部材120の外側面124上にモールド成形又はキャスト成形され、恒久的に塗布される、又は接合されることが望ましい。エラストマは、望ましい最終厚みでキャスト成形、モールド成形、もしくは整形される、又は、大き目にモールド成形もしくはキャスト成形された後に最終厚みに整形又は加工される。
代わりに、エラストマ層122は、EPDMゴム、天然ガムゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、再利用ゴム、シリコーンゴム、又は合成ゴム製のシートゴム材料のカットシートから作られ得る。最新の研究開発および、需要の見通しを考慮すれば、合成ニトリルゴム合成物への期待が最も大きい。ニトリルゴムは、圧力釜で硬化され、硬化した状態で例えば35の望ましい硬さ(例えば、ショアAゴム用硬度計の読み)を有し、仕上がったエラストマ層122が30+/-5(ショアA)であるような構成要素の混合である。より柔らかい、およびより硬いニトリルゴム材料もあり(例えば、ショアA25、45、55、70)、これらは、ロール上に一層又は二層(例えば、25/55又は35/55の二層)の硬度調整層として塗布されてもよい。
【0041】
上述のとおり、給紙カバーセクションの両端70および72全てには、セクションの両端に部品64、66を組み入れた適切なロッキング機構78が取り付けられる。これらの部品は、従来の内側および外側ロック部材、又はオスおよびメスロック部材でもよい。ロッキング機構は、
図3および4に模式的に示されるように、対応するロール芯キー溝に嵌合し、ロール芯および給紙カバーが1つのシステムとして回転するように給紙カバーセクションをロール芯外面に固定する。ロックは、ロール芯キー溝内の機械的連結を確かにするために適切なハードウェアを使用してもよい。
【0042】
代わりに、
図9A-9Hで示されるとおり、各給紙カバーセクションのロッキング部品74、76は、第一端でスロット付きクランプバー202、および第二端でクランプバー203を含み、クランプバー203は、スロット付きクランプバー202と連係して、ロール芯のロッキングスロット(80、82、84、86など)内のねじ穴でねじ受けされた第一および第二のボルト又はねじ式ファスナを受け、ロッキングスロットはそれぞれが交換可能な弾力性給紙カバーセクションに対応し、各給紙カバーセクションを前記ロール芯に取り付け、および取り外し可能で固定するように構成され、各キー溝はそれに対応するカバーセクションの前記両端(70、72)を一緒に引き込んでエンドジョイント(96)を形成し、キー溝は、前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションが前記ロール芯に横並びに互いに当接して取り付けられるように前記ロール芯の長さに沿うピッチ(90)で配置され、前記エンドジョイントが前記ロール芯の外周に間隔を有するように周方向にオフセット(92)されて配置される。
図9Aおよび9Bは、13個の給紙カバーセグメント(52、54、56、252、254、256、258、260、262、264、266、268、270など)を含む、本願発明に係る改良された給紙ロールアセンブリ32Rを示す。
【0043】
図に示されるとおり、長手方向の給紙溝130は、給紙・プルロールの規格に準拠して各交換可能な弾力性給紙カバーセクション(52など)の外部グリップ面の長さに沿って延び、カバーセクションがロール芯50に取り付けられたとき、改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32Rの周りに周方向に延びる。これらのグリップスロット又は溝は、エラストマグリップ面のモールド成形もしくはキャスト工程中に形成されるか、又はカバーの形成後にエラストマグリップ面に機械的に加工又は整形されるか、のいずれかである。図示されるとおり、カバーセクション(52など)が取り付けられると、カバーの両端が当接しカバーの幅にわたるジョイント96を形成し、改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32Rの長手方向又は軸方向に延びる。
図2のジョイント96、98、および100で表されるとおり、各カバーのエンドジョイントは、それに対応するキー溝の位置を指し、したがって隣り合うカバーのジョイントは周方向にオフセットされる。給紙カバーセクション(52、54、56など)は、エラストマ層122および薄い内部部材120の性状のため、ある程度の弾力性を有する。取り付けられる前の外力がない状態において、それらは丸い、又は弧状であり、ロール芯50への取付けを容易にするための曲率半径を有する円に近い形状である。取り付けられた状態において、給紙カバーセクションはロール芯を360度完全に包み込む。給紙カバーセクションの両端はロール芯のキー溝でぴったりと合わさってジョイント96を形成する。
【0044】
上述のとおり、本願発明の改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32R、および給紙・プルロールの刷新方法又は刷新工程の優位な点および利点を挙げる。
・ 給紙カバーセクションの交換費用、対、エラストマ給紙・プルロール全体の費用の有利な差、
・ 識別、選択された給紙カバーセクション(52など)の交換に必要な時間、対、エラストマロールカバー全体の刷新に必要な時間、すなわち給紙カバーセクション、対、ロールカバー全体、の比較の結果による人件費の節減、
・ 段ボール紙つぶれの低減、給紙位置精度の維持、シートねじれの排除などによる給紙・プルロールセットの性能維持の容易さ、
・ ロール箱詰め費用の節約、
・ ロール搬送費用の節約、
・ 在庫管理およびハンドリング費用の節約、すなわち交換可能な弾力性給紙カバーセクションを一箱備えるコスト、対、スペアの従来技術のエラストマロール全体(32など)を管理するコストの差、
・ 1つ以上の交換可能な弾力性給紙カバーセクションを識別して交換すること、対、スペアの従来技術のエラストマカバーの給紙・プルロール全体(32など)の再仕上げをすること、の比較における、計画・予定決めの容易さ向上による費用節減。
【0045】
本願発明の改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32Rを既存の仕上げ機(12など)で利用するためには、機械所有者/顧客は、刷新されるべき使用済みロール(32など)をロール製造者又は供給元に発送し、良い状態であることの検査を受ける。良い状態であることがわかれば、ロールは、摩耗したエラストマ面を剥ぎ取られ、汚れが除去され、必要であれば特定の直径に加工される。キー溝(80、82、84など)が、本願発明の交換可能な弾力性給紙カバーセクションの取付けに必要な特定の位置にフライス盤加工され、続いて改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32Rを提供するために給紙カバーセクションのセット全体が取り付けられ、ここで交換可能な弾力性給紙カバーセクション(52など)の枚数はローラの寸法に依存する。顧客が芯として使える使用済みロールを持たない場合、新しいロールが上記で参照した規格で製造される。機会をみて、顧客は摩耗したエラストマ給紙ロール32を取り外し、本願発明の改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32Rを取り付ける。新しい改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32Rが取り付けられ使用されると、エラストマグリップ面の検査をしてもよく、過度の摩耗が発見又は識別された場合、交換可能な弾力性給紙カバーセクションの選択されたセクションの交換又はセクション全部の交換が容易にできる。
【0046】
本願発明の改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32R上の交換可能な弾力性給紙カバーセクション(52など)は、ねじ付きファスナ(例えば
図9Hを参照)によって位置固定されるが、それらは弾力性があり、外側のロッキングハードウェア(例えばボルト又はねじ付きファスナ250)を取り外すことにより取り外し可能である。取り外しは、外側のロッキング部品を内側ロッキング部品(アンビルカバーと類似して)からこじあけて取り外し、続いて内側ロッキング部品のハードウェアを外すことにより行われる。続いて、交換可能な弾力性給紙カバーセクションを芯から引きはがすことができる。交換される交換可能な弾力性給紙カバーセクションはそれぞれ同様の方法で続けて取り外される。新しい交換可能な弾力性給紙カバーセクションのセットは、逆のステップで取り付けられる、すなわち給紙カバーがロール芯50の周りを包み、内側ロッキング部品がキー溝に挿入され、ファスナがそれをロックし、外側ロッキング部品がキー溝にこじ入れられ締り嵌めを形成し、次に2つのファスナ250が使われ、給紙カバーセクション(52など)がそこにロックされる。各交換可能な弾力性給紙カバーセクションは、同様の方法で取り付けられる。異なるロッキングの仕組みも可能である。
【0047】
当業者は、上記の説明、および
図1(背景技術)および2-9Hの図示から、本願発明のシステムおよび方法が、改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32Rの特定されたセクション(例えば中央)にある1つ以上の交換可能な弾力性給紙カバーセクションのエラストマグリップ面に著しい摩耗を起こすために十分長い期間を有する動作インターバルだけ、給紙・プルロールセット(36)を使用者が動作させた場合に、改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32Rを給紙・プルロールセット(36など)を備えた機械(12など)に追加導入するための改良された修理刷新方法を提供することを理解する。作業者又は機械所有者は、過大な摩耗が生じた前記交換可能な弾力性給紙カバーセクションを識別し、摩耗した交換可能な弾力性給紙カバーセクションを選択し、次に上に説明および図示された行程を使ってそれらの摩耗した交換可能な弾力性給紙カバーセクションを摩耗した部分(例えばロール芯50の中央)から取り除く。使用者又は作業者は次に、選択された交換可能な弾力性給紙カバーセクションを同数の新しい弾力性給紙カバーセクション交換品(52など)と交換する。
【0048】
上記の例のように、この刷新方法は、新しい交換可能な弾力性給紙カバーセクションそれぞれの両端(70、72)のロッキング部品(74、76)をロックすることにより、新しい弾力性給紙カバーセクションの交換品をロール芯50に取り外し可能で取り付けることを含み得る。各交換可能な弾力性給紙カバーセクションのそれらのロッキング部品は、交換可能な弾力性給紙カバーセクションに対応するロッキングスロット(80、82、84、86)と位置合わせされ、続いて係合され、キー溝がそれぞれ、対応する交換可能な弾力性給紙カバーセクションの両端(70、72)を引き入れて操作上無視できる非常に小さいエンドジョイント(96、98、100)を形成し、実質的に切れ目のないエラストマグリップ面にみえる刷新後表面を提供する。
図9A-9Hの構成が使われる場合、各交換可能な弾力性給紙カバーセクションのロッキング部品(74、76)は、第一端でスロット付きクランプバー202、および第二端でクランプバー203を含み、クランプバー203は、スロット付きクランプバー202と連係して第一および第二のボルト又はねじ式ファスナを受けるように構成され、その取り付けステップは、スロット付きクランプバー202、およびクランプバー203を、交換可能な弾力性給紙カバーセクションの芯上の位置に対応する前記ロール芯のロッキングスロット内の位置合わせされたねじ穴にねじ止めし(
図9Hが最もよく示すとおり)、各給紙カバーセクションをロール芯の表面に取り付け、取り外し可能に固定し、ねじ付きファスナ250が各キー溝で締め付けられると、対応するカバーセクションの両端(70、72)が引き入れられて非常に小さいエンドジョイント(96)を形成する。キー溝は、識別され選択された弾力性給紙カバーセクションの交換品がロール芯に横並びに互いに当接して取り付けられるようにロール芯の長さに沿って間隔(90)で配置される(又は、図示しないがロール芯上でカバー間に隙間が残るように間隔をあけて配置されてもよい)。
【0049】
交換可能な弾力性給紙カバーセクションが互いに当接し、引き入れられたエンドジョイントがロール芯の外周で周方向にオフセット(92)されてして取り付けられれば、改良されたエラストマでカバーされた給紙ロールアセンブリ32Rは、一体型のエラストマロールカバーを備えた給紙ロール(例えば、従来技術のエラストマカバー給紙ロール32)と実質的に同じ給紙性能を有する。
【0050】
新しい改良された装置および方法の一実施形態を説明したが、他の修正、変化、および変更も上述に開示された教示から当業者には明らかである。したがって、そのような修正、変化、および変更も添え付けの請求項で開示されるような本願発明の範囲内である。