(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】複数の印刷ヘッドの位置合わせを実行するための方法および印刷装置
(51)【国際特許分類】
B05D 1/26 20060101AFI20221003BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20221003BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20221003BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
B05D1/26 Z
B05C5/00 101
B05D3/00 D
B41J2/01 303
B41J2/01 307
B41J2/01 401
B41J2/01 451
(21)【出願番号】P 2019016718
(22)【出願日】2019-02-01
【審査請求日】2021-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100192533
【氏名又は名称】奈良 如紘
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 貴文
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-174841(JP,A)
【文献】特開2001-334641(JP,A)
【文献】特開2014-083720(JP,A)
【文献】特開2004-136555(JP,A)
【文献】特開2018-001164(JP,A)
【文献】特開2002-079657(JP,A)
【文献】特開2004-122643(JP,A)
【文献】特開2000-296648(JP,A)
【文献】特表2016-537184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00-7/26
B05C 1/00-21/00
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の印刷ヘッドの位置合わせを実行するための方法であって、
前記複数の印刷ヘッドに含まれる第1印刷ヘッドを第1方向に往復移動可能である印刷装置において、メディア上に前記第1印刷ヘッドで第1印刷パターンを提供すること、及び、
前記複数の印刷ヘッドに更に含まれる第2印刷ヘッドとしてディスペンサヘッドを前記第1方向に往復移動可能である前記印刷装置において、前記メディア上に前記第2印刷ヘッドで第2印刷パターンを提供すること、
を備え、
前記第1印刷パターン及び前記第2印刷パターンの一方及び他方は、それぞれ、位置合わせ用のベース及び調整前の位置合わせ対象であり、
前記第1印刷パターンは、前記第1方向に第1所定間隔で配置される複数の要素を含み、
前記第2印刷パターンは、前記第1方向に第2所定間隔で配置される複数のドットを含み、
前記第1所定間隔及び前記第2所定間隔の一方及び他方は、それぞれ、等間隔及び非等間隔である、方法。
【請求項2】
前記第1印刷ヘッドは、インクジェットヘッドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1印刷パターンの前記複数の要素の各々は、前記第1方向と垂直であるラインである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記メディア上に印刷された前記第2印刷パターンの前記複数のドットのうちの1つである実点は、前記メディア上に印刷された前記第1印刷パターンの複数のラインのうちの1つ
である実線の上に、印刷される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1印刷パターンは、前記第1方向に垂直である第2方向に第3所定間隔で配置される複数の要素を更に含み、
前記第2印刷パターンは、前記第2方向に第4所定間隔で配置される複数のドットを更に含み、
前記第3所定間隔及び4所定間隔の一方及び他方は、それぞれ、等間隔及び非等間隔であり、
前記第1印刷パターンの前記第2方向に前記第3所定間隔で配置される前記複数の要素の各々は、前記第1方向と平行であるラインである、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1印刷パターンは、前記複数の要素を識別するための記号を更に含む、請求項2乃至5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1印刷ヘッドは、前記第2印刷ヘッドの前記ディスペンサヘッドとは異なるディスペンサヘッドである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1印刷パターンの前記複数の要素の各々は、前記第1方向と垂直である仮想のライン上に配置される少なくとも1つのドットである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記メディア上に印刷された前記第2印刷パターンの前記複数のドットのうちの1つである実点は、前記メディア上に印刷された前記第1印刷パターンの複数の仮想のラインのうちの1つの上に、印刷され、
前記メディア上に印刷された前記第2印刷パターンの前記複数のドットに対応する複数の実点の各々は、前記メディア上に印刷された前記第1印刷パターンの複数のドットに対応する複数の実点の印刷領域から離れて、印刷される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1印刷パターンは、前記第1方向に垂直である第2方向に第3所定間隔で配置される複数の要素を更に含み、
前記第1印刷パターンの前記第2方向に前記第3所定間隔で配置される前記複数の要素の各々は、前記第1方向と平行である仮想のライン上に配置される少なくとも1つのドットであり、
前記第2印刷パターンは、前記第2方向に第4所定間隔で配置される複数のドットを更に含み、
前記第3所定間隔及び前記第4所定間隔の一方及び他方は、それぞれ、等間隔及び非等間隔である、
請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
第1インクを吐出可能である第1の印刷ヘッドと、
前記第1インクとは異なる第2インクとしてディスペンサ用インクを吐出可能である第2の印刷ヘッドと、
前記第1印刷ヘッド及び前記第2印刷ヘッドが取り付けられて、前記第1印刷ヘッド及び前記第2印刷ヘッドが第1方向に往復移動可能にガイドするガイドレールと、
前記第1印刷ヘッドの吐出及び移動を実現するための動力を生成する第1印刷ヘッド駆動部と、
前記第2印刷ヘッドの吐出及び移動を実現するための動力を生成する第2印刷ヘッド駆動部と、
前記第1印刷ヘッドの前記吐出及び前記移動並びに前記第2印刷ヘッドの前記吐出及び前記移動を制御するための制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1印刷ヘッド及び前記第2印刷ヘッドによるテスト印刷パターンの印刷を実行するためのテスト制御部と、前記第1印刷ヘッド及び前記第2印刷ヘッド間の相対的な位置合わせを実行するための調整部と、前記テスト印刷パターンを得るためのテストデータをデータ記憶部と、を有し、
前記第2印刷ヘッドによる前記テスト印刷パターンは、前記第1方向に等間隔又は非等間隔の何れか一方で配置される複数のドットを含む、印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷ヘッドを有する印刷装置において、その複数の印刷ヘッドの位置合わせを実行するための方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1及び特許文献2は、複数の印刷ヘッドとして、インクジェットヘッド及びディスペンサヘッドを有する印刷装置を開示する。具体的には、特許文献1の
図1(a)に示されるように、印刷装置(印刷装置10)は、インクジェットヘッド(ヘッド部12)及びディスペンサヘッド(ディスペンサ14)を有している。同様に、特許文献2の
図11に示されるように、印刷装置(加飾装置1B)は、インクジェットヘッド(インクジェットヘッド11)及びディスペンサヘッド(ディスペンサ31)を有している。
【0003】
また、例えば、特許文献3は、複数の印刷ヘッドとして、2つのディスペンサヘッドを有する印刷装置を開示する。具体的には、特許文献3の
図1、
図2に示されるように、印刷装置(ディスペンサ10)は、第1ディスペンサヘッド(供給ユニット14、供給ヘッド104)及び第2ディスペンサヘッド(供給ユニット16、供給ヘッド106)を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-147241号公報
【文献】特許第5781473号公報
【文献】特開2018-001164号公報
【文献】特開2018-012163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2は、複数の印刷ヘッドの組み合わせとして、インクジェットヘッド及びディスペンサヘッドを採用するが、複数の印刷ヘッドの位置合わせ手法を開示しておらず、示唆もしていない。特許文献3は、複数の印刷ヘッドの組み合わせとして、ディスペンサヘッド及びディスペンサヘッドを採用し、複数の印刷ヘッドの位置合わせ手法として、カメラ38(ビジョン・システム又は撮像システム)を開示する(特許文献3の段落[0028]、
図2)。しかしながら、特許文献3に開示される手法は、基板12(広義には、メディア)に基準部44,46を予め設ける必要があり、したがって、メディア毎に、プリントを実行する前に、複数の印刷ヘッドの位置合わせを実行する必要がある。
【0006】
なお、特許文献3の基準部44,46は、インクジェットヘッドとカッターヘッドとを有する印刷装置におけるクロップマークに類似するものである。具体的には、特許文献4の
図1(a)に示されるように、印刷装置(カッティング装置1)は、インクジェットヘッド(印刷ヘッド10)及びカッターヘッド(カッティングヘッド20)を有し、
図5のメディア(媒体50)には、クロップマーク42,44が設けられている。クロップマーク以外の基準部としては、例えばトンボ(トリムマーク)も知られている。
【0007】
本発明の1つの目的は、メディア毎に設定が不要である複数の印刷ヘッドの位置合わせ手法を提供することである。本発明のもう1つの目的は、少なくともディスペンサヘッドを含む複数の印刷ヘッドを有する印刷装置において、その複数の印刷ヘッドの位置合わせを実行するための方法を提供することである。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
【0009】
本発明に従う態様において、複数の印刷ヘッドの位置合わせを実行するための方法は、
前記複数の印刷ヘッドに含まれる第1印刷ヘッドを第1方向に往復移動可能である印刷装置において、メディア上に前記第1印刷ヘッドで第1印刷パターンを提供すること、及び、
前記複数の印刷ヘッドに更に含まれる第2印刷ヘッドとしてディスペンサヘッドを前記第1方向に往復移動可能である前記印刷装置において、前記メディア上に前記第2印刷ヘッドで第2印刷パターンを提供すること、
を備え、
前記第1印刷パターン及び前記第2印刷パターンの一方及び他方は、それぞれ、位置合わせ用のベース及び調整前の位置合わせ対象であり、
前記第1印刷パターンは、前記第1方向に第1所定間隔で配置される複数の要素を含み、
前記第2印刷パターンは、前記第1方向に第2所定間隔で配置される複数のドットを含み、
前記第1所定間隔及び前記第2所定間隔の一方及び他方は、それぞれ、等間隔及び非等間隔である。
【0010】
本発明に従う態様によれば、メディア上に印刷された第1印刷パターン及び第2印刷パターンを比較することにより、具体的には、第2印刷パターンの複数のドットのうちの1つのドットの位置を確認することにより、第1方向において、第1印刷ヘッド及び第2印刷ヘッド間の相対的な位置合わせが必要であるか否かを把握することができる。言い換えれば、相対的な位置合わせが必要である時に、本発明に従う態様によれば、第1方向において、どれだけ印刷ズレが生じているかを理解できる。印刷ズレを是正することで、第2印刷ヘッドから吐出されるディスペンサ用インクの吐出位置(第1印刷ヘッドから吐出されるインクの吐出位置に対する相対的なディスペンサ用インクの吐出位置)の精度をより一層高めることができる。
【0011】
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1(A)は、本発明に従う印刷装置の概略構成例(第1実施形態)を示し、
図1(B)は、
図1(A)の複数の印刷ヘッドを主走査方向で往復移動にガイドするガイドレールの概略構成例を示す。
【
図2】
図2(A)は、インクジェットヘッドでの印刷パターン(位置合わせ用のベース)の詳細構成例(第1テスト印刷パターン)を示し、
図2(B)は、
図2(A)の位置合わせ用のベース上に形成されるディスペンサヘッドでの印刷パターン(調整前の位置合わせ対象)の詳細構成例(印刷ズレの説明図)を示す。
【
図3】
図3は、インクジェットヘッドでの印刷パターン(位置合わせ用のベース)のもう1つの詳細構成例(第2テスト印刷パターン)を示す。
【
図4】
図4は、
図3の位置合わせ用のベース上に形成されるディスペンサヘッドでの印刷パターン(調整前の位置合わせ対象)の詳細構成例(印刷ズレの説明図)を示す。
【
図5】
図5は、インクジェットヘッドでの印刷パターン(位置合わせ用のベース)の他の詳細構成例(第3テスト印刷パターン)を示す。
【
図6】
図6は、
図5の位置合わせ用のベース上に形成されるディスペンサヘッドでの印刷パターン(調整前の位置合わせ対象)の詳細構成例(印刷ズレの説明図)を示す。
【
図7】
図7(A)は、本発明に従う印刷装置のもう1つの概略構成例(第2実施形態)を示し、
図7(B)は、
図7(A)の複数の印刷ヘッドを主走査方向で往復移動にガイドするガイドレールの概略構成例を示す。
【
図8】
図8(A)は、ディスペンサヘッド(第1印刷ヘッド12’)での印刷パターン(位置合わせ用のベース)の詳細構成例(第1テスト印刷パターン)を示し、
図8(B)は、
図8(A)の位置合わせ用のベース上に形成されるディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)での印刷パターン(調整前の位置合わせ対象)の詳細構成例(印刷ズレの説明図)を示す。
【
図9】
図9は、ディスペンサヘッド(第1印刷ヘッド12’)での印刷パターン(位置合わせ用のベース)のもう1つの詳細構成例(第2テスト印刷パターン)を示す。
【
図10】
図10は、
図9の位置合わせ用のベース上に形成されるディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)での印刷パターン(調整前の位置合わせ対象)の詳細構成例(印刷ズレの説明図)を示す。
【
図11】
図11(A)は、
図1(A)又は
図7(A)の制御部の概略構成例を示し、
図11(B)は、本発明に従う複数の印刷ヘッドの位置合わせを実行する方法の概略説明例を表すプローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
【0014】
[第1実施形態]
図1(A)は、本発明に従う印刷装置の概略構成例(第1実施形態)を示し、
図1(B)は、
図1(A)の複数の印刷ヘッドを主走査方向で往復移動にガイドするガイドレールの概略構成例を示す。
図1(A)の印刷装置10は、複数の印刷ヘッド(第1印刷ヘッド12及び第2印刷ヘッド14)として例えばインクジェットヘッド及びディスペンサヘッドを備えるプリンタである。印刷装置10は、公知のインクジェットプリンタと同様に、インクジェットヘッド(第1印刷ヘッド12)を用いてメディア50にインク(インクジェット用インク)を吐出することができ、
図1(A)に示されるように、例えば、第1印刷ヘッド12に対応する第1印刷ヘッド駆動部20及び制御部28を更に備えることができる。1例として、印刷装置10は、第1印刷ヘッド12からのインクでメディア50上に文字、写真等を印刷することができ、その後、ディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)からのインク(ディスペンサ用インク)でメディア50上に文字、線、点、図形等を印刷することができる。
【0015】
印刷装置10は、公知のインクジェットプリンタと公知のディスペンサとの組み合わせを実現するために、第2印刷ヘッド14に対応する第2印刷ヘッド駆動部22を更に備えることができ、制御部28は、第1印刷ヘッド駆動部20及び第2印刷ヘッド駆動部22を介して第1印刷ヘッド12及び第2印刷ヘッド14を駆動することができる。
図1(B)に示されるように、印刷装置10は、ガイドレール13を更に備え、第1印刷ヘッド12及び第2印刷ヘッド14の主走査方向(ライン方向、第1方向)Xに沿った移動を実現することができる。なお、第1印刷ヘッド12及び第2印刷ヘッド14の移動は、制御部28によって制御することができ、ガイドレール13を含む移動機構の詳細は、それが公知であるので、言い換えれば、公知の移動機構と同様の構成を採用することができるので、その説明は、省略するが、ガイドレール13を含む移動機構は、例えば、図示されないプーリ、ベルト、駆動モータ、キャリッジ等を更に有することができる。また、そのキャリッジに第1印刷ヘッド12及び第2印刷ヘッド14を取り付けることができる。
【0016】
ガイドレール13を含む移動機構は、メディア50の被印刷面と直交する方向である上下方向(
図1(A)中のZ方向)にディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)を移動させる機能も有している。ディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)からのインクでメディア50上に文字、線、点、図形等を印刷する時に、ガイドレール13を含む移動機構は、第2印刷ヘッド駆動部22を介して制御部28によって、
図1(B)のディスペンサヘッドのニードルとメディア50の被印刷面との間の距離を、所定距離に調整することができる。また、必要に応じて、ガイドレール13を含む移動機構は、Z方向にインクジェット(第1印刷ヘッド12)を移動させる機能を有することができる。なお、ガイドレール13に対して第1印刷ヘッド12及び第2印刷ヘッド14は同時に主走査方向Xに移動するが、第1印刷ヘッド12及び第2印刷ヘッド14の各々は、個別に主走査方向Xに移動可能であってもよい。
【0017】
図1(A)の印刷装置10は、例えば、フラットベッド式プリンタであり、印刷装置10は、平坦なテーブル18を更に備えることができ、メディア50を副走査方向(次のラインに移動する方向、第2方向)Yに沿って移動させるためのテーブル18を含む移動機構の詳細も、それが公知であるので、その説明は、省略するが、テーブル18を含む移動機構は、例えば、図示されない駆動モータ等を更に有し、その駆動モータ(テーブル18を含む移動機構)は、テーブル駆動部26を介して制御部28によって制御することができる。なお、メディア50の移動機構(及び印刷装置10)は、上記の例に限定されず、例えば特許文献1に開示されるような搬送部であってもよく、このような変形例の場合に、メディア50は、ロール状のメディアであってもよく、そのロール状のメディアの繰り出し、巻き取り等の移動は、その搬送部によって実行されてもよい。
【0018】
インクジェット用インク及び/又はディスペンサ用インクが紫外線硬化型樹脂を含む又は紫外線硬化型インクである時に、
図1(A)の印刷装置10は、UV光源16及びUV光源駆動部24を更に備えることができる。また、UV光源16は、
図1(B)のガイドレール13を介して副走査方向Yに沿って移動可能である。もちろん、必要がなければ、印刷装置10は、UV光源16及びUV光源駆動部24を備えなくてもよい。
図1(A)に示されるように、インクジェットヘッド(第1印刷ヘッド12)は、例えば、複数のインクジェットヘッド102y、102m、102c及び120kを含み、第1印刷ヘッド12(インクジェットヘッド102y、102m、102c及び120k)は、カラーインク(イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインク)でメディア50上に文字、写真等をカラー印刷することができる。必要に応じて、インクジェットヘッド(第1印刷ヘッド12)は、イエロー、インク、シアン及びブラック以外の他の色のインクを吐出するための他のインクジェットヘッドを更に有することができる一方、必要がなければ、第1印刷ヘッド12は、単一のインクジェットヘッドで構成されてもよい。
【0019】
ディスペンサ用インクは、好ましくは、複数のインクである。言い換えれば、第2印刷ヘッド14は、複数のシリンジの中から1つ(n番目)のシリンジが選択されて、n番目のシリンジを含む1つ(n番目)のディスペンサヘッド14n(
図1(B)参照)が印刷装置10に採用される。更に、ディスペンサヘッド毎に、或いは、単一のディスペンサヘッドが印刷装置10に採用される場合であっても、好ましくは、ディスペンサヘッド14nのシリンジに取り付けられるニードルは、交換可能であり、メディア50上に印刷又は形成されるディスペンサ用インクの幅(太さ)は、調整可能である。
【0020】
このように、
図1(B)のディスペンサヘッド14nのシリンジ及び/ニードルが交換可能である時に、本発明者は、(インクジェットヘッドに対する)ディスペンサヘッドの(相対的な)位置合わせを実行する必要性を認識した。言い換えれば、シリンジの中心又はニードルの中心に対応する点をディスペンサ用インクでメディア50上に印刷又は形成する時に、シリンジ及び/ニードルの製造誤差及び/又は設計偏差に依存して、(インクジェット用インクの吐出位置に対する)ディスペンサ用インクの吐出位置が異なってしまう。したがって、以下に詳細に説明するが、印刷装置10は、本発明に従う複数の印刷ヘッドの位置合わせ手法を採用し、ディスペンサ用インクの吐出位置の精度をより一層高めることができる。なお、ディスペンサの種類は、空圧式に限定されず、任意であり、例えば、容積計量式等であってもよい。
【0021】
[第1テスト印刷パターン]
図2(A)は、インクジェットヘッドでの印刷パターン(位置合わせ用のベース)の詳細構成例を示し、
図2(B)は、
図2(A)の位置合わせ用のベース上に形成されるディスペンサヘッドでの印刷パターン(調整前の位置合わせ対象)の詳細構成例(印刷ズレの説明図)を示す。印刷装置10は、任意のメディア50上に、インクジェットヘッド(第1印刷ヘッド12)で、例えば
図2(A)に示されるような印刷パターンIJPT1を印刷又は提供することができる。
図2(A)の例において、印刷パターンIJPT1は、例えば7本のライン(実線)L-3,L-2,L-1,L0,L1,L2,L3(複数の要素)を含む。好ましくは、印刷パターン(第1テスト印刷パターン)IJPT1は、ラインを識別するための記号(好ましくは、数字、更に好ましくは、位置合わせ調整用に入力可能である数字)S-3,S-2,S-1,S0,S1,S2,S3を更に含む。
【0022】
図1(A)の印刷装置10は、第1印刷ヘッド12として、例えば4個のインクジェットヘッド102y、102m、102c及び120kを備えており、
図2(A)の印刷パターンIJPT1は、4個のインクジェットヘッド102y、102m、102c及び120kのうちの1つからのインク(単色)で印刷されるが、場合により、或いは、必要に応じて、2以上のインク(混色)で印刷されてもよい。なお、第1印刷ヘッド12が複数のインクジェットヘッドで構成される時に、印刷パターンIJPT1の印刷前に、複数のインクジェットヘッド間の位置調整は、不要である、又は、既に調整済みであることとする。
【0023】
印刷装置10は、第1印刷ヘッド12を主走査方向Xに移動させながら、
ラインL-3とラインL-2との距離がΔX+3調整分となるように、
ラインL-2とラインL-1との距離がΔX+2調整分となるように、
ラインL-1とラインL0との距離がΔX+1調整分となるように、
ラインL0とラインL1との距離がΔX+1調整分となるように、
ラインL1とラインL2との距離がΔX+2調整分となるように、
ラインL2とラインL3との距離がΔX+3調整分となるように、
7本のライン(実線)L-3,L-2,L-1,L0,L1,L2,L3をメディア50上に印刷する。
【0024】
すなわち、7本のライン(実線)L-3,L-2,L-1,L0,L1,L2,L3の中心であるラインL0を基準として、等間隔(ΔX)(第1所定間隔)となるような合計6本の仮想のライン(
図2(A)中の点線)をラインL0の左右に配置する時に、
ライン(実線)L-3と最も左に位置する仮想のラインとの配置が-6調整分となるように、
ライン(実線)L-2と左から2番目に位置する仮想のラインとの配置が-3調整分となるように、
ライン(実線)L-1と左から3番目に位置する仮想のラインとの配置が-1調整分となるように、
ライン(実線)L1と右から3番目に位置する仮想のラインとの配置が+1調整分となるように、
ライン(実線)L2と右から2番目に位置する仮想のラインとの配置が+3調整分となるように、
ライン(実線)L3と最も右に位置する仮想のラインとの配置が+6調整分となるように、
印刷装置10は、印刷パターンIJPT1を形成する。
【0025】
図2(A)の例において、ライン(実線)を識別するための記号(位置合わせ調整用に入力可能である数字)S-3,S-2,S-1,S0,S1,S2,S3は、仮想のラインに対応して、その仮想のラインの下方に、メディア50上に印刷されている。しかしながら、記号S-3,S-2,S-1,S0,S1,S2,S3は、仮想のラインの例えば上方に、メディア50上に印刷されてもよい。或いは、記号S-3,S-2,S-1,S0,S1,S2,S3は、それぞれ、ライン(実線)L-3,L-2,L-1,L0,L1,L2,L3の下方又は上方に、メディア50上に印刷されてもよい。
【0026】
図2(A)において、例えば合計6本の点線は、仮想のライン上に配置された仮想の点線であるが、仮想のライン上に配置された実際の点線としてメディア50上に印刷されてもよい。或いは、実際の記号S-3,S-2,S-1,S0,S1,S2,S3の代わりに、仮想のライン上に配置された実際の点線(合計6本の点線)が、ライン(実線)を識別するための線としてメディア50上に印刷されてもよい。
【0027】
印刷パターンIJPT1の印刷後に、印刷装置10は、第2印刷ヘッド14を主走査方向Xに移動させながら、
ドットD-3が最も左に位置する仮想のライン上に配置され、且つ、ドットD-3とドットD-2との距離がΔXとなるように、
ドットD-2が左から2番目に位置する仮想のライン上に配置され、且つ、ドットD-2とドットD-1との距離もΔXとなるように、
ドットD-1が左から3番目に位置する仮想のライン上に配置され、且つ、ドットD-1とドットD0との距離もΔXとなるように、
ドットD0が実際のラインL0(基準)上に配置され、且つ、ドットD0と且つ、ドットD1との距離もΔXとなるように、
ドットD1が右から3番目に位置する仮想のライン上に配置され、且つ、ドットD1とドットD2との距離もΔXとなるように、
ドットD2が右から2番目に位置する仮想のライン上に配置され、且つ、ドットD2とドットD3との距離もΔXとなるように、
ドットD3が最も右に位置する仮想のライン上に配置されるように、
7個のドット(実点)D-3,D-2,D-1,D0,D1,D2,D3を(第2所定間隔で)メディア50上に印刷する。
【0028】
インクジェット用インクの吐出位置に対するディスペンサ用インクの吐出位置が異なる時に、言い換えれば、複数の印刷ヘッド(インクジェットヘッド及びディスペンサヘッド)間に主走査方向Xの印刷ズレが生じている時に、
図2(B)に示されるように、ドットD0の中心が実際のラインL0(基準)上に位置しない。
図2(B)の例において、ドットD-1の中心が実際のラインL-1上に位置するので、主走査方向Xに対応するX軸において、左側(マイナス方向)に、1だけ印刷ズレが生じていることが理解できる。したがって、印刷装置10は、ディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)の主走査方向Xの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0」)に、X軸において右側(プラス方向)に1だけ加算又は調整する。この結果、ディスペンサ用インクの吐出位置の精度をより一層高めることができる。
【0029】
なお、
図2(B)に示されるように、ドットD-1の中心が実際のラインL-1上に位置する時に、印刷装置10は、インクジェットヘッド(第1印刷ヘッド12)の主走査方向Xの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0」)に、X軸において左側(マイナス方向)に1だけ減算又は調整してもよい。この結果、インクジェット用インクの吐出位置とディスペンサ用インクの吐出位置とを一致させることができる。
【0030】
[第2テスト印刷パターン]
図3は、インクジェットヘッドでの印刷パターン(位置合わせ用のベース)のもう1つの詳細構成例(第2テスト印刷パターン)を示し、
図4は、
図3の位置合わせ用のベース上に形成されるディスペンサヘッドでの印刷パターン(調整前の位置合わせ対象)の詳細構成例(印刷ズレの説明図)を示す。
【0031】
図1(A)のインクジェットヘッド(第1印刷ヘッド12)の具体的な構成については、公知であるので、その説明を省略するが、インクジェットヘッド(第1印刷ヘッド12)は、一般に、1つの色毎に、例えば特開2015-205407号公報に開示されるような副走査方向に配置された、各々が複数のノズルを含む複数のノズル列を有することができる。したがって、
図2(B)の例において、例えばドットD-1の中心は、実際のラインL-1(線分)の中心に一致しているが、ディスペンサヘッドのニードルの種類又は設計依存して、例えばドットD-1の中心が、副走査方向Yの印刷ズレを有する可能性がある。したがって、本発明者は、主走査方向X及び副走査方向Yの印刷ズレを検出するために、例えば
図3に示される印刷パターンIJPT2(第2テスト印刷パターン)を見出した。なお、
図3において、ΔX(及びΔY)は、例えば10mmであり、調整単位は、例えば1mmである。
【0032】
印刷装置10は、
図3の印刷パターンIJPT2を形成するために、第1印刷ヘッド12を主走査方向X及びメディア50を副走査方向Yに移動させながら、(第1所定間隔で)例えば7本の縦ライン(実線)LX-3,LX-2,LX-1,LX0,LX1,LX2,LX3及び(第3所定間隔で)例えば7本の横ライン(実線)LY-3,LY-2,LY-1,LY0,LY1,LY2,LY3をメディア50上に印刷する。なお、このような形成又は印刷された
図3の印刷パターンIJPT2は、合計14本のライン(実線)によって、1つの大きな正方形の中に、6×6(合計36個の四角形)を有する。
【0033】
図3の例において、7本の縦ライン(実線)LX-3,LX-2,LX-1,LX0,LX1,LX2,LX3の配置において、
縦ラインLX-3と縦ラインLX-2との距離は、13mm(ΔX+3調整分(=例えば10mm+3mm))であり、
縦ラインLX-2と縦ラインLX-1との距離は、12mm(ΔX+2調整分(=例えば10mm+2mm))であり、
縦ラインLX-1と縦ラインLX0との距離は、11mm(ΔX+1調整分(=例えば10mm+1mm))であり、
縦ラインLX0と縦ラインLX1との距離は、11(ΔX+1調整分(=例えば10mm+1mm))mmであり、
縦ラインLX1と縦ラインLX2との距離は、12mm(ΔX+2調整分(=例えば10mm+2mm))であり、
縦ラインLX2と縦ラインLX3との距離は、13mm(ΔX+3調整分(=例えば10mm+3mm))である。
【0034】
同様に、7本の横ライン(実線)LY-3,LY-2,LY-1,LY0,LY1,LY2,LY3の配置において、
横ラインLY-3と横ラインLY-2との距離は、13mm(ΔY+3調整分(=例えば10mm+3mm))であり、
横ラインLY-2と横ラインLY-1との距離は、12mm(ΔY+2調整分(=例えば10mm+2mm))であり、
横ラインLY-1と横ラインLY0との距離は、11mm(ΔY+1調整分(=例えば10mm+1mm))であり、
横ラインLY0と横ラインLY1との距離は、11mm(ΔY+1調整分(=例えば10mm+1mm))であり、
横ラインLY1と横ラインLY2との距離は、12mm(ΔY+2調整分(=例えば10mm+2mm))であり、
横ラインLY2と横ラインLY3との距離は、13mm(ΔY+3調整分(=例えば10mm+3mm))である。
【0035】
図3の例において、印刷パターンIJPT2は、例えば7本の縦ライン(実線)LX-3,LX-2,LX-1,LX0,LX1,LX2,LX3を識別するための記号(具体的には、位置合わせ調整用に入力可能である数字)SX-3,SX-2,SX-1,SX0,SX1,SX2,SX3と、例えば7本の横ライン(実線)LY-3,LY-2,LY-1,LY0,LY1,LY2,LY3を識別するための記号(具体的には、位置合わせ調整用に入力可能である数字)SY-3,SY-2,SY-1,SY0,SY1,SY2,SY3と、を更に含む。
【0036】
印刷パターンIJPT2の印刷後に、印刷装置10は、第2印刷ヘッド14を主走査方向X及びメディア50を副走査方向Yに移動させながら、主走査方向Xに等間隔(ΔX=10mm)(第2所定間隔)に配置される例えば7個のドット(実点)DX-3Y+3,DX-2Y+3,DX-1Y+3,DX0Y+3,DX+1Y+3,DX+2Y+3,DX+3Y+3と、DX+3Y+3に続く副走査方向Yに等間隔(ΔY=ΔX)(第4所定間隔)に配置される例えば6個のドット(実点)DX+3Y+2,DX+3Y+1,DX+3Y0,DX+3Y-1,DX+3Y-2,DX+3Y-3と、をメディア50上に印刷する(
図4参照)。
【0037】
図4の例において、ドットDX+1Y+3の中心が実際のラインLX1上に位置するので、主走査方向Xに対応するX軸において、右側(プラス方向)に、1だけ印刷ズレが生じていることが理解できる。また、ドットDX+3Y0の中心が実際のラインLY0上に位置するので、副走査方向Yに対応するY軸において、印刷ズレが生じていないことが理解できる。したがって、印刷装置10は、ディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)の主走査方向Xの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0mm」)に、X軸において左側(マイナス方向)に1mmだけ減算又は調整するとともに、ディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)の印刷時におけるメディア50の副走査方向Yの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0mm」)に、何も加算しない、或いは、Y軸において右側(プラス方向)に0mmだけ加算又は調整する。この結果、ディスペンサ用インクの吐出位置の精度をより一層高めることができる。
【0038】
なお、印刷装置10は、インクジェットヘッド(第1印刷ヘッド12)の主走査方向Xの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0mm」)に、X軸において右側(プラス方向)に1mmだけ加算又は調整するとともに、ディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)の印刷時におけるメディア50の副走査方向Yの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0mm」)に、何も加算しない、或いは、Y軸において右側(プラス方向)に0mmだけ加算又は調整してもよい。この結果、インクジェット用インクの吐出位置とディスペンサ用インクの吐出位置とを一致させることができる。
【0039】
[第3テスト印刷パターン]
図5は、インクジェットヘッドでの印刷パターン(位置合わせ用のベース)の他の詳細構成例(第3テスト印刷パターン)を示し、
図6は、
図5の位置合わせ用のベース上に形成されるディスペンサヘッドでの印刷パターン(調整前の位置合わせ対象)の詳細構成例(印刷ズレの説明図)を示す。
【0040】
図2(A)及び
図3の印刷パターンIJPT1,IJPT2(第1テスト印刷パターン及び第2テスト印刷パターン)では、基準(ラインL0,LX0,LY0)の左右又は上下に、隣接するライン(実線)間の距離を徐々に増加させていた([ΔX+1調整分,ΔX+2調整分,ΔX+3調整分];[11mm,12mm,13mm];[11mm,12mm,13mm])。これに対し、
図5の印刷パターンIJPT3(第3テスト印刷パターン)では、基準(LX0,LY0)の左右又は上下に、隣接するライン(実線)間の距離は、一定(ΔX=ΔY=10mm)である。
【0041】
したがって、
図5の例において、7本の縦ライン(実線)LX-3,LX-2,LX-1,LX0,LX1,LX2,LX3の配置において、
縦ラインLX-3と縦ラインLX-2との距離は、10mm(ΔX)であり、
縦ラインLX-2と縦ラインLX-1との距離は、10mm(ΔX)であり、
縦ラインLX-1と縦ラインLX0との距離は、10mm(ΔX)であり、
縦ラインLX0と縦ラインLX1との距離は、10mm(ΔX)であり、
縦ラインLX1と縦ラインLX2との距離は、10mm(ΔX)であり、
縦ラインLX2と縦ラインLX3との距離は、10mm(ΔX)である。
【0042】
同様に、7本の横ライン(実線)LY-3,LY-2,LY-1,LY0,LY1,LY2,LY3の配置において、
横ラインLY-3と横ラインLY-2との距離は、10mm(ΔY)であり、
横ラインLY-2と横ラインLY-1との距離は、10mm(ΔY)であり、
横ラインLY-1と横ラインLY0との距離は、10mm(ΔY)であり、
横ラインLY0と横ラインLY1との距離は、10mm(ΔY)であり、
横ラインLY1と横ラインLY2との距離は、10mm(ΔY)であり、
横ラインLY2と横ラインLY3との距離は、10mm(ΔY)である。
【0043】
印刷パターンIJPT3の印刷後に、印刷装置10は、第2印刷ヘッド14を主走査方向X及びメディア50を副走査方向Yに移動させながら、主走査方向Xに非等間隔に配置される例えば7個のドット(実点)DX-3Y+3,DX-2Y+3,DX-1Y+3,DX0Y+3,DX+1Y+3,DX+2Y+3,DX+3Y+3と、DX+3Y+3に続く副走査方向Yに非等間隔に配置される例えば6個のドット(実点)DX+3Y+2,DX+3Y+1,DX+3Y0,DX+3Y-1,DX+3Y-2,DX+3Y-3と、をメディア50上に印刷する(
図6参照)。
【0044】
図6の例において、主走査方向Xの7個のドットの中心(ドットDX0Y+3)の左右に、隣接するドッド(実点)間の距離は、徐々に増加する([ΔX+1調整分=11mm,ΔX+2調整分=12mm,ΔX+3調整分=13mm])同様に、副走査方向Yの7個のドットの中心(ドットDX+3Y+0)の上下に、隣接するドッド(実点)間の距離は、徐々に増加する([ΔY+1調整分=11mm,ΔY+2調整分=12mm,ΔY+3調整分=13mm])。
【0045】
図6の例において、ドットDX+1Y+3の中心が実際のラインLX1上に位置するので、主走査方向Xに対応するX軸において、右側(プラス方向)に、1だけ印刷ズレが生じていることが理解できる。また、ドットDX+3Y0の中心が実際のラインLY0上に位置するので、副走査方向Yに対応するY軸において、印刷ズレが生じていないことが理解できる。したがって、印刷装置10は、ディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)の主走査方向Xの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0mm」)に、X軸において右側(プラス方向)に1mmだけ加算又は調整するとともに、ディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)の印刷時におけるメディア50の副走査方向Yの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0mm」)に、何も加算しない、或いは、Y軸において右側(プラス方向)に0mmだけ加算又は調整する。この結果、ディスペンサ用インクの吐出位置の精度をより一層高めることができる。
【0046】
なお、印刷装置10は、インクジェットヘッド(第1印刷ヘッド12)の主走査方向Xの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0mm」)に、X軸において左側(マイナス方向)に1mmだけ減算又は調整するとともに、ディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)の印刷時におけるメディア50の副走査方向Yの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0mm」)に、何も加算しない、或いは、Y軸において右側(プラス方向)に0mmだけ加算又は調整してもよい。この結果、インクジェット用インクの吐出位置とディスペンサ用インクの吐出位置とを一致させることができる。
【0047】
[第2実施形態]
図7(A)は、本発明に従う印刷装置のもう1つの概略構成例(第2実施形態)を示し、
図7(B)は、
図7(A)の複数の印刷ヘッドを主走査方向で往復移動にガイドするガイドレールの概略構成例を示す。
図1(A)の例において、印刷装置10は、複数の印刷ヘッド(第1印刷ヘッド12及び第2印刷ヘッド14)として例えばインクジェットヘッド及びディスペンサヘッドを備えるプリンタである。これに対し、
図7(A)の例において、印刷装置10は、複数の印刷ヘッド(第1印刷ヘッド12’及び第2印刷ヘッド14)として例えばディスペンサヘッド及びディスペンサヘッドを備えるプリンタである。
図7(B)の例において、ガイドレール13を含む移動機構は、メディア50の被印刷面と直交する方向である上下方向(
図7(A)中のZ方向)にディスペンサヘッド(第1印刷ヘッド12’)及びディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)を個別に移動させる機能も有している。
【0048】
[ディスペンサ用インクの第1テスト印刷パターン:第2実施形態]
図8(A)は、ディスペンサヘッド(第1印刷ヘッド12’)での印刷パターン(位置合わせ用のベース)の詳細構成例(第1テスト印刷パターン)を示し、
図8(B)は、
図8(A)の位置合わせ用のベース上に形成されるディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)での印刷パターン(調整前の位置合わせ対象)の詳細構成例(印刷ズレの説明図)を示す。印刷装置10は、任意のメディア50上に、ディスペンサヘッド(第1印刷ヘッド12’)で、例えば
図8(A)に示されるような印刷パターンDSPT1を印刷又は提供することができる。
図8(A)の例において、印刷パターンDSPT1は、例えば7個のユニットL-3,L-2,L-1,L0,L1,L2,L3を含む。
【0049】
7個のユニットL-3,L-2,L-1,L0,L1,L2,L3の中心であるユニットL0は、例えば1個のドット(実点)DL0で構成されている。ユニットL0の左に、例えば2個のドットDL-1,DL-1で構成されるユニットL-1が配置され、ユニットL0の右に、例えば2個のドットDL1,DL1で構成されるユニットL1が配置されている。ユニットL-1の左に、例えば3個のドットDL-2,DL-2,DL-2で構成されるユニットL-2が配置され、ユニットL1の右に、例えば3個のドットDL2,DL2,DL2で構成されるユニットL2が配置されている。ユニットL-2の左に、例えば4個のドットDL-3,DL-3,DL-3,DL-3で構成されるユニットL-3が配置され、ユニットL2の右に、例えば4個のドットDL3,DL3,DL3,DL3で構成されるユニットL3が配置されている。ここで、7個のユニットL-3,L-2,L-1,L0,L1,L2,L3は、副走査方向Yに非等間隔に配置される仮想のライン上に配置されているとも言える。
【0050】
7個のユニットL-3,L-2,L-1,L0,L1,L2,L3は、ユニットを識別するための長さをドットで形成している。なお、ディスペンサによる印刷パターン(第1テスト印刷パターン)DSPT1は、位置合わせ調整用の数字の正負(例えば、正負のうちの一方である例えば正のみ)を表すためのドットS+を更に含んでもよく、或いは、そのドットS+を含まなくてもよい。
【0051】
図7(A)の印刷装置10は、
図8(A)のDSPT1を形成するために、第1印刷ヘッド12を主走査方向X及びメディア50を副走査方向Yに移動させながら、
ユニットL-3とユニットL-2との距離が13mm(ΔX+3調整分(=例えば10mm+3mm))となるように、
ユニットL-2とユニットL-1との距離が12mm(ΔX+2調整分(=例えば10mm+2mm))となるように、
ユニットL-1とユニットL0との距離が11mm(ΔX+1調整分(=例えば10mm+1mm))となるように、
ユニットL0とユニットL1との距離が11mm(ΔX+1調整分(=例えば10mm+1mm))となるように、
ユニットL1とユニットL2との距離が12mm(ΔX+2調整分(=例えば10mm+2mm))となるように、
ユニットL2とユニットL3との距離が13mm(ΔX+3調整分(=例えば10mm+3mm))となるように、
7個のユニットL-3,L-2,L-1,L0,L1,L2,L3(及びオプションであるドットS+)をメディア50上に印刷する。
【0052】
印刷パターンDSPT1の印刷後に、
図8(B)の例において、仮想のラインyo上に配置された仮想の点線は、ユニットL0のドットDL0(
図8(A)参照)の例えば中心を通り、ドットDL0の左右に配置されている、各ユニットL-3,L-2,L-1,L1,L2,L3の一端であるドットDL-3,DL-2,DL-1,DL1,DL2,DL3(
図8(A)参照)の例えば中心を貫く。印刷パターンDSPT1の印刷後に、印刷装置10は、印刷パターンDSPT1の印刷領域から離れて、具体的には、仮想のラインyoからdyだけ遠ざかるように、印刷装置10は、メディア50を副走査方向Yに移動させる。
【0053】
その後、印刷装置10は、第2印刷ヘッド14を主走査方向Xに移動させながら、
7個のドット(実点)D-3,D-2,D-1,D0,D1,D2,D3の基準(ドットD0)の例えば中心が、ドットDL0の中心からdyだけ副走査方向Yに遠ざかるように配置され、且つ、合計6個のドットD-3,D-2,D-1,D1,D2,D3が、ドットD0の左右に主走査方向Xに等間隔(ΔX(=例えば10mm))となるような配置されるように、
7個のドットD-3,D-2,D-1,D0,D1,D2,D3をメディア50上に印刷する(
図8(B)参照)。
【0054】
複数の印刷ヘッド(ディスペンサヘッド及びディスペンサヘッド)間に主走査方向Xの印刷ズレが生じている時に、
図8(B)に示されるように、ドットD0の中心がユニットL0の仮想のライン(基準)上に位置しない。
図8(B)の例において、ドットD3の中心がユニットL3の仮想のライン上に位置するので、主走査方向Xに対応するX軸において、右側(プラス方向)に、3だけ印刷ズレが生じていることが理解できる。したがって、印刷装置10は、ディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)の主走査方向Xの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0」)に、X軸において左側(マイナス方向)に3だけ減算又は調整する。この結果、ディスペンサ(第2印刷ヘッド14)用インクの吐出位置の精度をより一層高めることができる。
【0055】
なお、
図8(B)に示されるように、ドットD3の中心がユニットL3の仮想のライン上に位置する時に、印刷装置10は、ディスペンサ(第1印刷ヘッド12)の主走査方向Xの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0」)に、X軸において右側(プラス方向)に1だけ加算又は調整してもよい。この結果、ディスペンサ(第1印刷ヘッド12)用インクの吐出位置とディスペンサ(第2印刷ヘッド14)用インクの吐出位置とを一致させることができる。
【0056】
[ディスペンサ用インクの第2テスト印刷パターン:第2実施形態]
図9は、ディスペンサヘッド(第1印刷ヘッド12’)での印刷パターン(位置合わせ用のベース)のもう1つの詳細構成例(第2テスト印刷パターン)を示し、
図10は、
図9の位置合わせ用のベース上に形成されるディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)での印刷パターン(調整前の位置合わせ対象)の詳細構成例(印刷ズレの説明図)を示す。本発明者は、主走査方向X及び副走査方向Yの印刷ズレを検出するために、例えば
図9に示される印刷パターンDSPT2(第2テスト印刷パターン)を見出した。
【0057】
図7(A)の印刷装置10は、
図9のDSPT2を形成するために、第1印刷ヘッド12を主走査方向X及びメディア50を副走査方向Yに移動させながら、例えば7個のユニットLX-3,LX-2,LX-1,LX0,LX1,LX2,LX3及び例えば7個のユニットLY-3,LY-2,LY-1,LY0,LY1,LY2,LY3をメディア50上に印刷する。
【0058】
したがって、
図9の例において、7個のユニットLX-3,LX-2,LX-1,LX0,LX1,LX2,LX3の配置において、
ユニットLX-3とユニットLX-2との距離が13mm(ΔX+3調整分(=例えば10mm+3mm))であり、
ユニットLX-2とユニットLX-1との距離が12mm(ΔX+2調整分(=例えば10mm+2mm))であり、
ユニットLX-1とユニットLX0との距離が11mm(ΔX+1調整分(=例えば10mm+1mm))であり、
ユニットLX0とユニットLX1との距離が11mm(ΔX+1調整分(=例えば10mm+1mm))であり、
ユニットLX1とユニットLX2との距離が12mm(ΔX+2調整分(=例えば10mm+2mm))であり、
ユニットLX2とユニットLX3との距離が13mm(ΔX+3調整分(=例えば10mm+3mm))である。
【0059】
同様に、
図9の例において、7個のユニットLY-3,LY-2,LY-1,LY0,LY1,LY2,LY3の配置において、
ユニットLY-3とユニットLY-2との距離が13mm(ΔY+3調整分(=例えば10mm+3mm))であり、
ユニットLY-2とユニットLY-1との距離が12mm(ΔY+2調整分(=例えば10mm+2mm))であり、
ユニットLY-1とユニットLY0との距離が11mm(ΔY+1調整分(=例えば10mm+1mm))であり、
ユニットLY0とユニットLY1との距離が11mm(ΔY+1調整分(=例えば10mm+1mm))であり、
ユニットLY1とユニットLY2との距離が12mm(ΔY+2調整分(=例えば10mm+2mm))であり、
ユニットLY2とユニットLY3との距離が13mm(ΔY+3調整分(=例えば10mm+3mm))である。
【0060】
図9の例において、ディスペンサによる印刷パターン(第2テスト印刷パターン)DSPT2の7個のユニットLX-3,LX-2,LX-1,LX0,LX1,LX2,LX3は、
図8(A)の7個のユニットL-3,L-2,L-1,L0,L1,L2,L3と同様に、ユニットを識別するための長さをドットで形成している。
図9の印刷パターンDSPT2は、ユニットLX-3,LX-2,LX-1,LX0,LX1,LX2,LX3に関連する位置合わせ調整用の数字の正負(例えば、正負のうちの一方である例えば正のみ)を表すためのドットS+(
図8(A)参照)を含んでおらず、ドットS+の代わりに、主走査方向Xの位置合わせ調整用の数字の例えば正の方向に、7個のユニットLY-3,LY-2,LY-1,LY0,LY1,LY2,LY3が配置されている。
【0061】
同様に、
図9の印刷パターンDSPT2の7個のユニットLY-3,LY-2,LY-1,LY0,LY1,LY2,LY3は、ユニットを識別するための長さをドットで形成している。
図9の印刷パターンDSPT2の例において、副走査方向Yの位置合わせ調整用の数字の例えば負の方向に、7個のユニットLX-3,LX-2,LX-1,LX0,LX1,LX2,LX3が配置されている。
【0062】
印刷パターンDSPT2の印刷後に、
図10の例において、印刷装置10は、印刷パターンDSPT2の印刷領域から離れて、具体的には、仮想のラインyoからdyだけ遠ざかるように、且つ、仮想のラインxoからdxだけ遠ざかるように、第2印刷ヘッド14の印刷領域を設定する。
【0063】
その後、印刷装置10は、第2印刷ヘッド14を主走査方向X及びメディア50を副走査方向Yに移動させながら、
7個のドット(実点)DX-3Y-3,DX-2Y-3,DX-1Y-3,DX0Y-3,DX+1Y-3,DX+2Y-3,DX+3Y-3の基準(ドットDX0Y-3)の例えば中心が、ユニットLX0の仮想のライン上に配置され、合計6個のドットDX-3Y-3,DX-2Y-3,DX-1Y-3,DX+1Y-3,DX+2Y-3,DX+3Y-3が、ドットDX0Y-3の左右に主走査方向Xに等間隔(ΔX(=例えば10mm))となるような配置されるように、
7個のドットDX-3Y-3,DX-2Y-3,DX-1Y-3,DX0Y-3,DX+1Y-3,DX+2Y-3,DX+3Y-3をメディア50上に印刷する(
図10参照)。
【0064】
加えて、7個のドット(実点)DX+3Y-3,DX+3Y-2,DX+3Y-1,DX+3Y0,DX+3Y+1,DX+3Y+2,DXX+3Y+3の基準(ドットDX+3Y0)の例えば中心が、ユニットLY0の仮想のライン上に配置され、合計6個のドットDX+3Y-3,DX+3Y-2,DX+3Y-1,DX+3Y0,DX+3Y+1,DX+3Y+2,DXX+3Y+3が、ドットDX+3Y0の上下に副走査方向Yに等間隔(ΔY(=例えば10mm))となるような配置されるように、
ドットDX+3Y-3に後続する6個のDX+3Y-2,DX+3Y-1,DX+3Y0,DX+3Y+1,DX+3Y+2,DXX+3Y+3をメディア50上に印刷する(
図10参照)。
【0065】
図10の例において、ドットDX+3Y-3の中心がユニットLX3の仮想のライン上に位置するので、主走査方向Xに対応するX軸において、右側(プラス方向)に、3だけ印刷ズレが生じていることが理解できる。したがって、印刷装置10は、ディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)の主走査方向Xの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0」)に、X軸において左側(マイナス方向)に3だけ減算又は調整する。この結果、ディスペンサ(第2印刷ヘッド14)用インクの吐出位置の精度をより一層高めることができる。
【0066】
なお、
図10に示されるように、ドットDX+3Y-3の中心がユニットLX3の仮想のライン上に位置する時に、印刷装置10は、ディスペンサ(第1印刷ヘッド12)の主走査方向Xの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0」)に、X軸において右側(プラス方向)に1だけ加算又は調整してもよい。この結果、ディスペンサ(第1印刷ヘッド12)用インクの吐出位置とディスペンサ(第2印刷ヘッド14)用インクの吐出位置とを一致させることができる。
【0067】
同様に、ドットDX+3Y-3の中心がユニットLY-3の仮想のライン上に位置するので、副走査方向Yに対応するY軸において、下側(マイナス方向)に、3だけ印刷ズレが生じていることが理解できる。したがって、印刷装置10は、ディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)の副走査方向Yの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0」)に、Y軸において上側(プラス方向)に3だけ加算又は調整する。この結果、ディスペンサ(第2印刷ヘッド14)用インクの吐出位置の精度をより一層高めることができる。
【0068】
なお、
図10に示されるように、ドットDX+3Y-3の中心がユニットLY-3の仮想のライン上に位置する時に、印刷装置10は、ディスペンサ(第1印刷ヘッド12)の副走査方向Yの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0」)に、Y軸において下側(マイナス方向)に3だけ減算又は調整してもよい。この結果、ディスペンサ(第1印刷ヘッド12)用インクの吐出位置とディスペンサ(第2印刷ヘッド14)用インクの吐出位置とを一致させることができる。
【0069】
図11(A)は、
図1(A)又は
図7(A)の制御部の概略構成例を示し、
図11(B)は、本発明に従う複数の印刷ヘッドの位置合わせを実行する方法の概略説明例を表すプローチャートを示す。
【0070】
図11(A)に示されるように、
図1(A)又は
図7(A)の制御部28は、例えば処理部30と記憶部40とを含み、処理部30は、例えば、複数の印刷ヘッドの位置合わせ後に実際の印刷を実行するための印刷制御部32と、上述のテスト印刷パターンの印刷を実行するためのテスト制御部34と、複数の印刷ヘッドの位置合わせを実行するための調整部36と、を有する。また、
図11(A)の例において、記憶部40は、実際の印刷を実行するためのプログラム、テスト印刷パターンの印刷を実行するためのプログラム、複数の印刷ヘッドの位置合わせを実行するためのプログラム等のプログラムを記憶するためのプログラム記憶部42と、複数の印刷ヘッドの位置を設定する設定値を記憶するための設定値記憶部44と、テスト印刷パターンを含む印刷データを記憶するための印刷データ記憶部46と、を有する。
【0071】
図11(B)に示されるように、制御部28は、プログラム記憶部42に記憶されるテスト印刷パターンの印刷を実行するためのプログラムを実行することによって起動又は実現されたテスト制御部34は、複数の印刷ヘッドの位置合わせを実行するために、テストデータ(例えば
図2(A)の印刷パターンIJPT1(位置合わせ用のベース)及び
図2(B)の7個のドット(実点)D-3,D-2,D-1,D0,D1,D2,D3で構成される印刷パターン(調整前の位置合わせ対象)を得るためのテストデータをデータ記憶部46から読み出し又は入力して、テストデータを準備することができる(ステップS100)。
【0072】
次に、テスト制御部34は、設定値(例えばインクジェットヘッド(第1印刷ヘッド12)の主走査方向Xの基準点のオフセット値)を設定値記憶部44から読み出し又は入力して、その設定値で、テストデータのうちの例えば印刷パターンIJPT1(位置合わせ用のベース)をメディア50上に印刷することができる(ステップS101)。
【0073】
次に、テスト制御部34は、設定値(例えばディスペンサヘッド(第2印刷ヘッド14)の主走査方向Xの基準点のオフセット値)を設定値記憶部44から読み出し又は入力して、その設定値で、テストデータのうちの印刷パターン(調整前の位置合わせ対象である例えば
図2(B)の7個のドットD-3,D-2,D-1,D0,D1,D2,D3)をメディア50上に印刷することができる(ステップS102)。
【0074】
制御部28は、プログラム記憶部42に記憶される複数の印刷ヘッドの位置合わせを実行するためのプログラムを実行することによって起動又は実現された調整部36は、例えば、
図1(A)の第1印刷ヘッド12及び第2印刷ヘッド14のうちの例えば第2印刷ヘッド14の設定値を調整することができる。例えば
図2(B)に示されるように、ドットD-1の中心が実際のラインL-1上に位置するので、第2印刷ヘッド14は、主走査方向Xに対応するX軸において、左側(マイナス方向)に、1だけ印刷ズレが生じている。調整部36は、第2印刷ヘッド14の主走査方向Xの基準点のオフセット値(例えば初期値は「0mm」)に、X軸において左側(マイナス方向)に1mmだけ減算することができ、そのオフセット値で設定値を更新又は調整することができる(ステップS103)。
【0075】
その後、制御部28は、プログラム記憶部42に記憶される実際の印刷を実行するためのプログラムを実行することによって起動又は実現された印刷制御部32は、更新又は調整された設定値で、印刷データ(非テストデータ)に基づく通常の印刷を実行することができる。設定値の調整単位は、1例として、1mmとして
図3の印刷パターンIJPT2等で説明したが、単位そのものは、「mm」ではなく、他の単位であってもよい。言い換えれば、制御部28によって設定できる単位で、印刷パターンIJPT2等の複数の要素の非等間隔を決定することが好ましい。
【0076】
なお、
図11(A)の制御部28(処理部30及び記憶部40)は、例えばマイクロコンピュータ又はマイクロコントローラで構成され、例えばCPU(或いはMPU又はMCU)、ROM、RAM、入出力インターフェース等を含むことができる。例えば、ROMは、CPUに所定の動作を実行させるプログラムを記憶し、RAMは、CPUのワーク領域を形成することができる。なお、制御部28(処理部30及び記憶部40)は、ASIC、FPGA等で構成されてもよい。
【0077】
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
【符号の説明】
【0078】
10・・・印刷装置、12・・・第1印刷ヘッド、13・・・ガイドレール、14・・・第2印刷ヘッド、16・・・UV光源、18・・・テーブル、20・・・第1印刷ヘッド駆動部、22・・・第2印刷ヘッド駆動部、24・・・UV光源駆動部、26・・・テーブル駆動部、28・・・制御部、50・・・メディア。