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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】カットテープ貼着方法
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/81 20170101AFI20221003BHJP
   B65D 65/10 20060101ALI20221003BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20221003BHJP
   B65D 65/34 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
B31B70/81
B65D65/10 A
B65D85/50 140
B65D65/34
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019090414
(22)【出願日】2019-05-13
(62)【分割の表示】P 2018207809の分割
【原出願日】2018-11-03
(65)【公開番号】P2020069785
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114421
【弁理士】
【氏名又は名称】薬丸 誠一
(72)【発明者】
【氏名】神谷 知毅
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-154745(JP,A)
【文献】特開2003-221062(JP,A)
【文献】特開平06-191522(JP,A)
【文献】特開2004-089130(JP,A)
【文献】特開2009-083918(JP,A)
【文献】特開2001-333708(JP,A)
【文献】特開2001-322671(JP,A)
【文献】特開2004-136970(JP,A)
【文献】特開2009-001324(JP,A)
【文献】特開2004-345695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 70/81
B65D 65/10
B65D 85/50
B65D 65/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺なシート原反に一対のカットテープを前記シート原反の長手方向に沿って波形でかつ互いに交差するように貼着するためのカットテープ貼着方法であって、
前記シート原反を搬送し、
前記一対のカットテープとしてそれぞれ1.5mm以上4mm以下の幅のものを供給し、
前記シート原反の搬送経路上に配置した転写ローラを前記シート原反の搬送に同期して回転させることで、前記一対のカットテープを前記転写ローラの回転軸方向と交差する方向から前記転写ローラの周面に巻き取っていくとともに、巻き取った前記一対のカットテープを前記シート原反に転写して貼着していく上で、
前記一対のカットテープの供給経路上に配置した一対のカットテープ経路制御部のそれぞれで対応するカットテープを保持するとともに、該カットテープ保持点及び前記転写ローラの前記カットテープ巻取開始点間のカットテープに張力を付加しつつ、前記一対のカットテープ経路制御部を前記シート原反の搬送に同期して前記転写ローラの前記回転軸方向において往復動させることで、前記転写ローラの前記周面上にそれぞれ30mm以下の幅の波形でかつ互いに交差する前記一対のカットテープの形状を形成し、これを前記シート原反に転写して貼着していく
カットテープ貼着方法。
【請求項2】
長尺なシート原反に一対のカットテープを前記シート原反の長手方向に沿って波形でかつ互いに交差するように貼着するためのカットテープ貼着方法であって、
前記シート原反を搬送し、
前記一対のカットテープとしてそれぞれ1.5mm以上4mm以下の幅のものを供給し、
前記シート原反の搬送経路上に配置した圧着ローラを前記シート原反の搬送に同期して回転させることで、前記一対のカットテープを前記シート原反に貼着していく上で、
前記一対のカットテープの供給経路上に配置した一対のカットテープ経路制御部のそれぞれで対応するカットテープを保持するとともに、該カットテープ保持点及び前記圧着ローラの前記カットテープ圧着点間のカットテープに張力を付加しつつ、前記一対のカットテープ経路制御部を前記シート原反の搬送に同期して前記圧着ローラの回転軸方向において往復動させることで、前記シート原反にそれぞれ30mm以下の幅の波形でかつ互いに交差する前記一対のカットテープの形状を形成し、これを前記シート原反に貼着していく
カットテープ貼着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を包装するための食品用包装材の資材であるシート原反に開封用のカットテープを波形でかつ互いに交差するように貼着するためのカットテープ貼着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
正面形状が三角形状(主として正三角形状)あるいはこれに類似する形状で、所定の厚みを有する立体形状に仕上げられた三角おにぎり等の米飯加工食品等の食品を包装するための食品用包装材は、幅方向の中央部に長手方向に沿ってカットテープが設けられる矩形状の外シートと、カットテープに沿って内端部同士が重ね合わせられ、シート状食品を挟んで外シートに重ね合わせられる一対の内シートとを備え、シート状食品を囲むように外シートと内シートとが接合される形態が一般的である。
【0003】
かかる食品用包装材は、食品を挟んで長手方向に二つ折りにし、両側の余分なシート片を中心側に折って三角形状ないし略三角形状にし、折った部分をポイントシールしたり、ラベルを貼付する工程を経て、食品を包装するものである。
【0004】
開封に際しては、食品包装体の頂部に設けられた摘み部を摘んでカットテープを縦回りに引き回し、外シートを長手方向に開裂した後、分断された一対の包装体片をそれぞれ側方へ引っ張ることにより、食品をシート状食品と一体化させた状態で取り出し、食品を食する。
【0005】
ここで、外シートの開裂手段として、波形でかつ互いに交差する一対のカットテープを用いることにより、カットテープによる開裂開口を幅広に形成して、外シートとシート状食品との接触面積を少なくし、分断された一対の包装体片を円滑に食品から引き抜き、取り除くことができるようにした食品用包装材が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-1324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、カットテープは、プラスチックシートを細くカットしたものであり、ある程度の柔軟性や延伸性を有するものの、所定幅を有するため、波形にすると、内縁と外縁の線長差によって内縁に皺が入りやすい。
【0008】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、カットテープを波形に貼着するにあたり、カットテープの湾曲により平面性が損なわれて皺が入ったりするのを防止し、カットテープをきれいに貼着することができるカットテープ貼着方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明に係るカットテープ貼着方法は、
長尺なシート原反に一対のカットテープをシート原反の長手方向に沿って波形でかつ互いに交差するように貼着するためのカットテープ貼着方法であって、
シート原反を搬送し、
一対のカットテープとしてそれぞれ1.5mm以上4mm以下の幅のものを供給し、
シート原反の搬送経路上に配置した転写ローラをシート原反の搬送に同期して回転させることで、一対のカットテープを転写ローラの回転軸方向と交差する方向から転写ローラの周面に巻き取っていくとともに、巻き取った一対のカットテープをシート原反に転写して貼着していく上で、
一対のカットテープの供給経路上に配置した一対のカットテープ経路制御部のそれぞれで対応するカットテープを保持するとともに、カットテープ保持点及び転写ローラのカットテープ巻取開始点間のカットテープに張力を付加しつつ、一対のカットテープ経路制御部をシート原反の搬送に同期して転写ローラの回転軸方向において往復動させることで、転写ローラの周面上にそれぞれ30mm以下の幅の波形でかつ互いに交差する一対のカットテープの形状を形成し、これをシート原反に転写して貼着していく
という方法である。
【0012】
また、別の本発明に係るカットテープ貼着方法は、
長尺なシート原反に一対のカットテープをシート原反の長手方向に沿って波形でかつ互いに交差するように貼着するためのカットテープ貼着方法であって、
シート原反を搬送し、
一対のカットテープとしてそれぞれ1.5mm以上4mm以下の幅のものを供給し、
シート原反の搬送経路上に配置した圧着ローラをシート原反の搬送に同期して回転させることで、一対のカットテープをシート原反に貼着していく上で、
一対のカットテープの供給経路上に配置した一対のカットテープ経路制御部のそれぞれで対応するカットテープを保持するとともに、カットテープ保持点及び圧着ローラのカットテープ圧着点間のカットテープに張力を付加しつつ、一対のカットテープ経路制御部をシート原反の搬送に同期して圧着ローラの回転軸方向において往復動させることで、シート原反にそれぞれ30mm以下の幅の波形でかつ互いに交差する一対のカットテープの形状を形成し、これをシート原反に貼着していく
という方法である。
【発明の効果】
【0021】
以上の如く、本発明に係るカットテープ貼着方法によれば、カットテープが波形となって湾曲することにより平面性が損なわれるのを転写ローラや圧着ローラが矯正しつつカットテープをシート原反に貼着していくため、カットテープをきれいに貼着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置により製造された外シートを用いて製造される食品用包装材の分解斜視図である。
図2図2は、同食品用包装材の正面図である。
図3図3は、同食品用包装材の背面図である。
図4図4は、カットテープの配置態様を示す説明図である。
図5図5は、同食品用包装材の製造過程において複数の食品用包装材が個別に分離される前の繋がった状態の原反の一部の正面図である。
図6図6は、同カットテープ貼着装置の概要図である。
図7図7は、同カットテープ貼着装置の概要図である。
図8図8(a)ないし(c)は、同カットテープ貼着装置によるカットテープ貼着方法の説明図である。
図9図9(a)は、同食品用包装材により包装された食品包装体の正面図であり、図9(b)は、同食品包装体の背面図である。
図10図10(a)ないし(c)は、同食品包装体を開封する過程の説明図である。
図11図11は、第二実施形態に係るカットテープ貼着装置の概要図である。
図12図12は、同カットテープ貼着装置の概要図である。
図13図13は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置の他の実施形態に係るカットテープ貼着装置の概要図である。
図14図14は、第二実施形態に係るカットテープ貼着装置の他の実施形態に係るカットテープ貼着装置の概要図である。
図15図15は、カットテープの異なる配置態様を示す説明図である。
図16図16は、カットテープのさらに異なる配置態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態に係るカットテープ貼着装置について、このカットテープ貼着装置により製造された外シートを用いて製造される、三角おにぎりの包装に用いられる食品用包装材及びこの食品用包装材により包装された食品包装体についての説明とともに、図面を参酌しつつ説明する。
【0024】
図1ないし図3に示す如く、食品用包装材1は、互いに直交する方向の一方が他方よりも長い形状を有する一対のシート(外シート2、内シート3)が、三角おにぎりに巻く海苔等のシート状食品4を挟んで重ね合わせられ、シート状食品4を囲むようにして、長手方向の一端10a側及び他端10b側の端部接合部11,11と両側部の側部接合部12,12により四方が封止された本体10を備える。なお、以下では、上記一方(図2及び図3では、上下方向)を「長手方向」といい、上記他方(図2及び図3では、左右方向)を「幅方向」という。
【0025】
外シート2は、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱溶着性を有するプラスチックシートからなり、長手方向に二つ折りにした状態で食品を包み込める大きさの矩形状ないし略矩形状(長方形状ないし略長方形状)を有する。
【0026】
内シート3も、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱溶着性を有するプラスチックシートからなり、長手方向に二つ折りにした状態で食品を包み込める大きさの矩形状ないし略矩形状(長方形状ないし略長方形状)を有する。また、内シート3は、長手方向に沿って内端部同士が重ね合わせられた一対の内シート3,3からなり、内端部同士が重ね合わせられた状態の大きさが外シート2と同じ大きさである。本実施形態においては、内シート3,3の内端部同士の重ね合わせ部30は、内シート3の幅方向の中央部に設けられる。
【0027】
端部接合部11は、内シート3,3の内端部同士の重ね合わせ部30を除き、外シート2及び内シート3の一端10a及び他端10bに沿って外シート2及び内シート3をヒートシールすることにより形成される。側部接合部12は、外シート2及び内シート3の側縁に沿って外シート2及び内シート3をヒートシールすることにより形成される。なお、本実施形態においては、側部接合部12には、幅方向に通気可能なように連通部12aが長手方向に適宜間隔で設けられ、側部接合部12は、連通部12aによって複数に分割された形態となる。
【0028】
このようにして構成された本体10の内部がシート状食品4の収容部となるが、外シート2の一端10aには、幅方向に所定間隔を有して離間する一対の切込線20,20が形成される。切込線20は、全切線、半切線(ハーフカット)、ミシン目等によって形成され、切込線20の形成によって開封起点としての摘み部21が形成される。そして、摘み部21から外シート2の他端10bにかけて、帯状の一対のカットテープ5,5が設けられる。これにより、摘み部21を引き下ろすことにより、一対のカットテープ5,5が所定の幅で外シート2を破断し、外シート2が幅方向(左右)に分離(分割)可能となる。本実施形態においては、一対のカットテープ5,5は、外シート2の幅方向の中央部に設けられ、内シート3,3の内端部の重ね合わせ部30と重なる。
【0029】
カットテープ5は、二軸延伸ポリエステルフィルムないしポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の熱溶着性を有するプラスチックシートを細くカットしたものである。カットテープ5は、外シート2の厚さ(10μm以上、あるいは20μm以上であって、30μm以下、あるいは40μm)と同じ程度の厚さを有する。また、カットテープ5は、1.5mm以上、あるいは2mm以上であって、4mm以下、あるいは3mm以下の幅を有する。
【0030】
図4に示す如く、一対のカットテープ5,5は、一端5aから他端5bにかけて、二つの波が形成されるよう、長手方向(本実施形態においては、外シート2の幅方向の中心線)に対して蛇行した形で、外シート2に全長に亘って貼着される。そして、一対のカットテープ5,5が長手方向(本実施形態においては、外シート2の幅方向の中心線)に対して線対称に設けられることで、一端5aから他端5bにかけて、二箇所で交差して第一交点5c及び第二交点5dが設けられるとともに、一端5aと第一交点5cとの間に、第一幅広部50が形成され、第一交点5cと第二交点5dとの間に、第二幅広部51が形成される。本実施形態においては、カットテープ5,5は、一端5aから他端5bにかけて、小さい波と大きい波の二つの波が形成されるように外シート2に貼着され、これにより、第一幅広部50よりも第二幅広部51の方が、幅が広く、長手方向における長さが長くなっている。
【0031】
詳述すると、食品用包装材1の一端10a(カットテープ5,5の一端5a,5a)から第一交点5c(すなわち、第一幅広部50の終端)までの距離L5acは、食品用包装材1の全長L1に対し、16%以上、あるいは20%以上、あるいは24%以上であって、40%以下、あるいは35%以下、あるいは30%以下の範囲となるように、設定される。第一交点5c(すなわち、第一幅広部50の終端点でもあり、第二幅広部51の始端でもある)から第二交点5d(すなわち、第二幅広部51の終端)までの距離L5cdは、食品用包装材1の全長L1に対し、54%以上、あるいは60%以上、あるいは63%以上であって、82%以下、あるいは76%以下、あるいは73%以下の範囲となるように、設定される。食品用包装材1の一端10aから第二交点5d(すなわち、第二幅広部51の終端)までの距離L5adは、食品用包装材1の全長L1に対し、82%以上、あるいは87%以上、あるいは90%以上の範囲となるように、設定される。これらにより、第一交点5c(すなわち、第一幅広部50の終端でもあり、第二幅広部51の始端でもある)は、外フィルム2の一端10a側半分における長手方向の中間領域に配置され、第二交点5d(すなわち、第二幅広部51の終端)は、外フィルム2の他端10b側半分における他端10b側領域に配置される。
【0032】
第一幅広部50の最大幅(最大幅におけるカットテープ5,5の外側縁間の距離)W5aは、シート状食品4の幅W4に対し、6%以上、あるいは9%以上であって、24%以下、あるいは20%以下、あるいは15%以下の範囲となるように、設定される。第二幅広部51の最大幅(最大幅におけるカットテープ5,5の外側縁間の距離)W5bは、シート状食品4の幅W4に対し、20%以上、あるいは25%以上であって、40%以下、あるいは36%以下、あるいは32%以下の範囲となるように、設定される。第一幅広部50の最大幅W5aに対する第二幅広部51の最大幅W5bの比(W5b/W5a)は、182%以上、あるいは187%以上、あるいは190%以上であって、300%以下、あるいは295%以下、あるいは292%以下の範囲となるように、設定される。ちなみに、カットテープ5,5及びシート状食品4のいずれも、食品用包装材1の幅方向の中心線を中心として左右均等ないし略均等に配置されている。
【0033】
ところで、図5に示す如く、この種の食品用包装材1は、量産性の観点から、外シート原反及び内シート原反を包装材製造装置に供給し、搬送しながら、搬送過程で種々の工程(カットテープ5,5の貼着工程、内シート原反の重ね合わせ工程、外シート原反及び内シート原反の重ね合わせ工程、接合部11,12の形成工程等)が加えられて、連続的に製造される。そこで、カットテープ5,5も、外シート原反に応じて連続した長尺なものが用いられ、外シート原反の搬送に伴い、外シート原反の幅方向の中心線を中心として、左右交互に蛇行しつつ波形に貼着される。より詳しくは、一対のカットテープ5,5は、互いに交差しながら小さい波と大きい波を1ピッチとして繰り返すようにして、外シート原反の幅方向の中心線に沿って貼着される。そして、切断予定線CLに沿って食品用包装材1,1間を幅方向に切断することで、複数の食品用包装材1,…が個別に分離され、これに伴い、カットテープ5,5も切断予定線に沿って切断される。
【0034】
図6及び図7は、外シート原反2Aに一対のカットテープ5,5を貼着するためのカットテープ貼着装置の概要図である。カットテープ貼着装置は、連続した長尺な外シート原反2Aを搬送するシート原反搬送部(図示しない)と、一対のカットテープ5,5を供給可能とするカットテープ供給部100と、外シート原反2Aの搬送経路上に配置され、一対のカットテープ5,5を回転軸方向と交差する方向から周面に巻き取っていくとともに、巻き取った一対のカットテープ5,5を外シート原反2Aに転写して貼着していく転写ローラ110と、一対のカットテープ5,5の供給経路上に配置され、それぞれカットテープ5を保持するとともに、転写ローラ110の回転軸方向において往復動することで、転写ローラ110の周面上に波形でかつ互いに交差する一対のカットテープ5,5の形状を形成する一対のカットテープ経路制御部120,120とを備える。
【0035】
シート原反搬送部は、外シート原反2Aがロール状に巻回された外シート原反ロール(図示しない)を回転可能に保持し、外シート原反2Aを繰り出し供給し、所定の搬送経路上で外シート原反2Aを搬送し、最終的には一対のカットテープ5,5が貼着された状態の外シート原反2Aをロール状に巻き取り、外シート原反2Aの完成品とする。
【0036】
カットテープ供給部100は、それぞれカットテープ5がロール状に巻回された二つのカットテープロール5Aをそれぞれ回転可能に保持し、一方のカットテープロール5Aから連続した長尺なカットテープ5を繰り出し供給するとともに、他方のカットテープロール5Aからも連続した長尺なカットテープ5を繰り出し供給することで、一対のカットテープ5,5を繰り出し供給する。カットテープ供給部100から供給された一対のカットテープ5,5は、転写ローラ110に巻き取られた後、方向転換されて外シート原反2Aに貼着されるため、転写ローラ110近傍における外シート原反2Aの搬送経路と一対のカットテープ5,5の供給経路とは逆向きとなっている。
【0037】
転写ローラ110は、外シート原反2Aの搬送方向と直交する方向に配置される回転軸111を有し、外シート原反2Aの搬送に同期して回転軸111回りに回転する駆動ローラである。転写ローラ110は、外シート原反2Aの搬送経路の反対側に配置されたローラ112とでローラ対を構成する。カットテープ5は、外シート原反2Aとの接触面が粘着性ないし接着性を有しており(本実施形態においては、カットテープ5の一面に感圧接着剤が塗布されるが、感圧接着剤ではなく、普通の粘着剤や接着剤、あるいは感熱接着剤が塗布されるものであってもよいし、粘着剤や接着剤を塗布するのではなく、自己粘着性や自己接着性を有する材質のカットテープを使用してもよい。)、転写ローラ110の周面には、カットテープ5の粘着性ないし接着性を有する面の反対面が当接する。そして、一対のカットテープ5,5は、転写ローラ110の回転によって外シート原反2Aの内面に重ね合わせられ、転写ローラ110及びローラ112間を通過するときの圧着力により、外シート原反2Aに貼着され、一体化される。
【0038】
転写ローラ110は、一対のカットテープ5,5を波形でかつ互いに交差する形状に整えるための役割を担うため、その周面はできるだけ平面に近い方がよい。したがって、転写ローラ110は、できるだけ曲率が小さい(できるだけ直径が大きい)ほうがよい。
【0039】
カットテープ経路制御部120は、転写ローラ110の回転軸111と平行に配置されたガイドバー121をスライドするガイド体(本実施形態においては、両端に鍔部を有するガイドローラ122)で構成される。カットテープ経路制御部120は、一方のカットテープ5に対応した第一カットテープ経路制御部120Aと、他方のカットテープ5に対応した第二カットテープ経路制御部120Bとからなる。
【0040】
図8に示す如く、第一カットテープ経路制御部120Aは、外シート原反2Aの搬送(転写ローラ110の回転)に同期して幅方向左右に往復動することで、一方のカットテープ5の波形を形成する。第二カットテープ経路制御部120Bも、外シート原反2Aの搬送(転写ローラ110の回転)に同期して幅方向左右に往復動することで、他方のカットテープ5の波形を形成する。より詳しくは、第一カットテープ経路制御部120Aは、一方のカットテープ5の供給経路の(幅方向の)中心線CLAを中心として幅方向左右に往復動することで、一方のカットテープ5の波形を形成する。第二カットテープ経路制御部120Bも、他方のカットテープ5の供給経路の(幅方向の)中心線CLBを中心として幅方向左右に往復動することで、他方のカットテープ5の波形を形成する。なお、カットテープ5の供給経路の中心とは、カットテープ経路制御部120よりも上流側のカットテープ5の供給経路のうち、カットテープ5が実質的に幅方向へ移動することがない直近の箇所における中心をいう。一方のカットテープ5の供給経路と他方のカットテープ5の供給経路とは、間に一対のカットテープ5,5の中心線CL(一対のカットテープ5,5の交点を通る線、外シート原反2の幅方向の中心線でもある。)を挟んで並列している。
【0041】
しかも、一対のカットテープ経路制御部120A、120Bは、一対のカットテープ5,5の中心線CLを跨いで幅方向左右に往復動することで、一対のカットテープ5,5の交差を形成する。さらに、一対のカットテープ経路制御部120A,120Bは、逆位相でかつ大きい振幅と小さい振幅を交互に繰り返すように往復動することで、最大幅が異なる第一幅広部50と第二幅広部51とを交互に繰り返す一対のカットテープ5,5の形状を形成する。なお、それぞれカットテープ経路制御部120A,120Bは、一般的なあるいは公知の往復動機構により往復動する。
【0042】
第一カットテープ経路制御部120Aは、一対のカットテープ5,5の供給経路上で、第二カットテープ経路制御部120Bよりも下流側、すなわち、第二カットテープ経路制御部120Bよりも転写ローラ110(のカットテープ巻取開始点P2)に近い側に配置される。第二カットテープ経路供給部120Bは、一対のカットテープ5,5の供給経路上で、第一カットテープ経路制御部120Aよりも上流側、すなわち、第一カットテープ経路制御部120Aよりも転写ローラ110(のカットテープ巻取開始点P2)から離れる側に配置される。これにより、一対のカットテープ経路制御部120A,120Bは、ぶつかることなく左右に行き来(往復動)することができる。なお、かかる構成により、第二カットテープ経路制御部120Bは、第一カットテープ経路制御部120Aよりも大きなストロークで往復動することとなる。
【0043】
カットテープ経路制御部120A,120Bは、転写ローラ110に巻き取られるカットテープ5の延長線上(接線上)に位置するため、カットテープ経路制御部120A,120Bのストロークは、対応するカットテープ5の幅よりも大きくなる。カットテープ経路制御部120A,120Bのストロークは、カットテープ5の波形の形状に応じて適宜変更可能であるが、各カットテープ5の最大幅(すなわち、図4の第一幅広部50の最大幅W5a/2+第二幅広部51の最大幅W5b/2)が、10mm以上、あるいは15mm以上、あるいは17mm以上であって、30mm以下、あるいは25mm以下、あるいは23mm以下の範囲となるように、設定される。
【0044】
カットテープ経路制御部120A,120Bは、転写ローラ110の回転作用と相俟って、カットテープ保持点P1と転写ローラ110のカットテープ巻取開始点P2(図中、カットテープ5の塗潰し部分は転写ローラ110に巻き取られた部分を表す。)間のカットテープ5,5に張力Tを付加する手段でもある。したがって、カットテープ経路制御部120A,120Bは、往復動に伴い、張力Tの向き(転写ローラ110の回転方向、すなわち外シート原反2Aの搬送方向に対する角度)を周期的に変化させつつ、常時カットテープ5に張力Tを付加し続ける。
【0045】
図2及び3に戻り、食品用包装材1(本体10)の四隅の角部には、切欠部13が形成される。切欠部13は、食品用包装材1を用いて食品を包装する際の、両側の余分なシート片の一部を切欠部13により無くすことにより、両側の余分なシート片を中心側に折って三角形状ないし略三角形状にするにあたり、シート片の重なりを少なくするためのものである。
【0046】
切欠部13と食品用包装材1の側縁とが交わる部分(第二の外形線13bの終端)から食品用包装材1の側縁の所定範囲にかけては、食品用包装材1の側縁に沿って鋸歯状の易破断部14が形成される。すなわち、食品用包装材1の一端10a側の両側端部には、切欠部13と隣接して易破断部14が形成される。易破断部14は、各開封用条体5に対応して設けられ、易破断部14から幅方向に食品用包装材1を破断しやすくするためのものである。
【0047】
食品用包装材1は、以上の構成からなり、食品6を挟んで長手方向に食品用包装材1を二つ折りにし、両側の余分なシート片を中心側に折って三角形状ないし略三角形状にし、折った部分をポイントシールし、さらに、図9に示す如く、正面及び背面にラベル7,8を貼付して、食品6を包装する。
【0048】
なお、ラベル7の上縁及びラベル8の下縁には、開封方向と交差する幅方向に所定間隔を有して並列する複数の切込線からなる易破断部70,80が形成される。これは、ラベル7及び8が開封用条体5,5の一部の上に貼着され、開封用条体5,5による開封の抵抗となるところ、開封用条体5,5がラベル7及び8を破断できるようにしてできるだけ開封の抵抗を少なくするためのものである。
【0049】
三角おにぎり6を食する際には、図10(a)及び(b)に示す如く、摘み部21を摘んで開封用条体5,5を縦回りに引き回し、外シート2を長手方向に開裂する。この際、開封用条体5,5は、互いに間隔を有する二本のカットテープからなるので、幅広の開裂開口を形成することができる。これにより、外シート2を分断後、外シート2とシート状食品4との接触面積が少なくなる。そして、同図(c)に示す如く、分断された一対の包装体片をそれぞれ側方へ引っ張ることにより、三角おにぎり6をシート状食品4と一体化させた状態で取り出すことができる。
【0050】
以上、本実施形態に係るカットテープ貼着装置及びカットテープ貼着方法によれば、各カットテープ5を保持する一対のカットテープ経路制御部120A,120Bが、カットテープ保持点P1及び転写ローラ110のカットテープ巻取開始点P2間のカットテープ5,5に張力を付加しつつ、往復動し、転写ローラ110が、そのカットテープ5,5を周面に巻き取っていくとともに、巻き取ったカットテープ5,5をシート原反2Aに転写して貼着していくため、カットテープ5が波形となって湾曲することにより平面性が損なわれるのを転写ローラ110が矯正しつつカットテープ5,5をシート原反2Aにきれいに貼着することができる。
【0051】
また、本実施形態に係るカットテープ貼着装置及びカットテープ貼着方法によれば、それぞれカットテープ経路制御部120A,120Bが、カットテープ5の供給経路の(幅方向の)中心線CLA,CLBを中心として幅方向左右に往復動することで、図8に示す如く、それぞれカットテープ5は、カットテープ経路制御部120A,120Bの箇所で凸となるように屈曲し、それぞれカットテープ5に常時張力Tが付加されるため、カットテープ5が緩み、波形の形状が崩れるのを好適に防止することができる。また、これにより、カットテープ経路制御部120A,120Bの往復動を高速化することができ、ひいては、外シート原反2Aの搬送速度を高速化することができるため、生産性を向上することが可能となる。
【0052】
また、カットテープ5,5の幅が広ければ広いほど、ワイド開封となり、開封性が良くなるが、カットテープ5,5の幅が広くなることは、カットテープ5,5の波形の曲率が大きくなることを意味し、カットテープの平面性がより損なわれやすくなるところ、本実施形態に係るカットテープ貼着装置及びカットテープ貼着方法においては、一対のカットテープ5,5が形成する第一幅広部50及び第二幅広部51の最大幅の比率の上限を設け、また、各カットテープ5の最大幅の上限を設けることで、適正な開封性を担保しつつ、皺等の問題の発生を防止することができる。
【0053】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態に係るカットテープ貼着装置について、図11及び図12を参酌して説明する。
【0054】
カットテープ貼着装置は、連続した長尺な外シート原反2Aを搬送するシート原反搬送部(図示しない)と、一対のカットテープ5,5を供給可能とするカットテープ供給部100と、外シート原反2Aの搬送経路上に配置され、一対のカットテープ5,5を外シート原反2Aに貼着していく圧着ローラ115と、一対のカットテープ5,5の供給経路上に配置され、それぞれカットテープ5を保持するとともに、圧着ローラ115の回転軸方向において往復動することで、外シート原反2Aに波形でかつ互いに交差する一対のカットテープ5,5の形状を形成する一対のカットテープ経路制御部120,120とを備える。
【0055】
その他の構成は、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置と同じである。これにより、第二実施形態に係るカットテープ貼着装置によっても、第一実施形態に係るカットテープ貼着装置による効果と同じ効果を得ることができる。
【0056】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0057】
例えば、上記実施形態においては、一対のカットテープ経路制御部120A,120Bが大きい振幅と小さい振幅を交互に繰り返すように往復動することで、最大幅が異なる第一幅広部50と第二幅広部51とを外シート原反2Aの長手方向に交互に形成した。しかし、振幅を同じにすることで、同じ大きさの幅広部が連続して形成されるようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態においては、一対のカットテープ経路制御部120A,120Bは、転写ローラ110の回転軸111方向又は圧着ローラ115の回転軸116方向、言い換えれば、カットテープ5,5の供給経路と直交する方向に往復動するものであった。しかし、転写ローラ110の回転軸111方向又は圧着ローラ115の回転軸116方向とカットテープ経路制御部120A,120Bの往復動の方向とにある程度の角度が付いても、一対のカットテープ5,5の波形を形成することができるので、カットテープ経路制御部120A,120Bは、必ずしも転写ローラ110の回転軸111方向又は圧着ローラ115の回転軸116方向と平行に往復動するものに限られない。
【0059】
また、上記実施形態においては、一対のカットテープ経路制御部120A,120Bは、転写ローラ110又は圧着ローラ115からの距離を異ならせて配置するものであった。しかし、図13及ぶ図14に示す如く、一対のカットテープ経路制御部120A,120Bを転写ローラ110(のカットテープ巻取開始点P2)又は圧着ローラ115(のカットテープ圧着点)から同じ距離の位置に配置するようにしてもよい。この場合、両者の往復動ストローク長は同じとなる。
【0060】
また、上記実施形態においては、転写ローラ110及び圧着ローラ115は、駆動ローラであった。しかし、転写ローラ110及び圧着ローラ115は、自らは駆動しない従動ローラであってもよい。
【0061】
また、上記実施形態においては、カットテープ5,5は、第二交点5dが食品用包装材1の他端10bの近傍に位置する配置態様であった。しかし、図15に示す如く、カットテープ5,5は、第二交点5dが食品用包装材1の他端10bと一致ないし略一致する配置態様であってもよい。また、図16に示す如く、カットテープ5,5は、第二交点5dが食品用包装材1の他端10bの近傍ではなく、一端10aの近傍に位置する配置態様であってもよい。いずれの場合も、食品用包装材1の一端10aから第一交点5cまでが第一幅広部50である。
【0062】
また、上記実施形態においては、食品は三角おにぎり(米飯加工食品)であり、シート状食品は海苔であった。しかし、食品は、食品用包装材で包装できる形であれば、三角以外の形状のおにぎり、寿司、サンドイッチ等であってもよく、食品の種類及び形状は限定されない。シート状食品も、食品用包装材の平面状の収容部に収容できる形であれば、シート状の昆布、畳鰯等であってもよく、シート状食品の種類及び形状は限定されない。
【0063】
また、上記実施形態においては、食品用包装材として、長手方向の一端から他端にかけて波形でかつ互いに交差する一対のカットテープ5,5を有して幅方向に分離可能な長方形状ないし略長方形状の外シート2と、シート状食品4を挟んで外シート2に重ね合わせられ、外シート2と同方向に分離可能な内シート3とを備え、シート状食品4を囲むように記外シート2と内シート3とが接合され、食品を挟んで長手方向に二つ折りにすること及び両側の余分なシート片を中心側に折ることによって、食品を三角形状ないし略三角形状に包装する食品用包装材を例に説明した。しかし、本発明に係るカットテープ貼着装置及びカットテープ貼着方法は、カットテープを備えるピロー包装や平袋などの他の一般的な食品用包装材や食品用包装袋を製造するのに使用することができることはもちろん、食品用以外の用途の包装材や包装袋を製造するのに使用することもできる。
【符号の説明】
【0064】
1…食品用包装材、10…本体、10a…一端、10b…他端、11…端部接合部、12…側部接合部、12a…連通部、13…切欠部、14…易破断部、2…外シート、2A…外シート原反、20…切込線、21…摘み部、3…内シート、30…重ね合わせ部、4…シート状食品、5…カットテープ、5A…カットテープロール、5a…一端、5b…他端、5c…第一交点(第一幅広部50の終端、第二幅広部51の始端)、5d…第二交点(第二幅広部51の終端)、50…第一幅広部、51…第二幅広部、6…三角おにぎり、7…ラベル、70…易破断部、8…ラベル、80…易破断部、100…カットテープ供給部、110…転写ローラ、111…回転軸、112…ローラ、115…圧着ローラ、116…回転軸、117…ローラ、120…カットテープ経路制御部、120A…第一カットテープ経路制御部、120B…第二カットテープ経路制御部、121…ガイドバー、122…ガイドローラ、CL…切断予定線、CL…中心線、CLA…第一カットテープ経路制御部120Aに係るカットテープ供給経路の中心線、CLB…第二カットテープ経路制御部120Bに係るカットテープ供給経路の中心線、L1…食品用包装材1の全長、L5ac…食品用包装材1の一端10aから開封用条体5,5の第一交点5cまでの距離、L5cd…開封用条体5,5の第一交点5cから第二交点5dまでの距離、L5ad…食品用包装体1の一端10aから開封用条体5,5の第二交点5dまでの距離、P1…カットテープ保持点、P2…カットテープ巻取開始点又はカットテープ圧着点、W4…シート状食品4の幅、W5a…開封用条体5,5の第一幅広部50の最大幅、W5b…開封用条体5,5の第二幅広部51の最大幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図16