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特許7150684工具を保持する固定具を有する工具保持具から工具が脱出することを防止する手段
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】工具を保持する固定具を有する工具保持具から工具が脱出することを防止する手段
(51)【国際特許分類】
   B23B 31/107 20060101AFI20221003BHJP
   B23B 31/117 20060101ALI20221003BHJP
   B23B 31/02 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
B23B31/107 Z
B23B31/117 610B
B23B31/117 610C
B23B31/117 610F
B23B31/02 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019203740
(22)【出願日】2019-11-11
(62)【分割の表示】P 2018005722の分割
【原出願日】2007-04-05
(65)【公開番号】P2020019139
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2019-12-11
(31)【優先権主張番号】102006016784.8
(32)【優先日】2006-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102006028408.9
(32)【優先日】2006-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503019925
【氏名又は名称】フランツ・ハイマー・マシーネンバウ・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハイマー,フランツ
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-185307(JP,A)
【文献】国際公開第2004/011179(WO,A1)
【文献】特開昭55-018355(JP,A)
【文献】米国特許第04930947(US,A)
【文献】特開2002-355727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 31/107
B23B 31/02
B23B 31/117
B23Q 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形の内側キャビティを有し、工具を保持する固定具、およびその中に受入れられる工具の円筒形のシャフトを含む工具保持具であって、
前記工具保持具は、脱出防止部を含み、前記工具が軸方向に移動して前記工具保持具から出ることに抗してロックするものであり、
前記脱出防止部は、少なくとも1つのロッキング要素と、それに対応し、お互いとフォームロッキング態様で相互作用する前記ロッキング要素を受入れるロッキング溝とを含み、
前記少なくとも1つのロッキング要素は、前記工具保持具の支持ボア孔において支持され、
前記支持ボア孔は、前記工具を受ける前記内側キャビティの内側周方向表面に接線方向に近接して構成され、
前記少なくとも1つのロッキング要素は、前記支持ボア孔において保持され、
前記ロッキング溝は、前記シャフトの円筒形表面に配置され、前記ロッキング溝は、前記工具の端面から開始して前記シャフトの少なくとも1つの部分的区間に延在する、工具保持具。
【請求項2】
前記少なくとも1つのロッキング要素は、前記支持ボア孔において、ねじ切りされたピンによって保持されている、請求項1に記載の工具保持具。
【請求項3】
前記少なくとも1つのロッキング要素は、前記支持ボア孔において、プレスばめによって保持されている、請求項1に記載の工具保持具。
【請求項4】
前記少なくとも1つのロッキング要素は、外部ねじ筋とともに構成され、それは前記支持ボア孔に構成される内側ねじ筋に対応して構成される、請求項1に記載の工具保持具。
【請求項5】
前記工具を保持する固定具は、締付けチャックである、請求項1から4のいずれか1項に記載の工具保持具。
【請求項6】
前記工具は回転工具である、請求項1から5のいずれか1項に記載の工具保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は工具を保持する固定具に関するものであり、特に、回転工具を受けるための焼きばめチャックおよび他のチャックを含む工具保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
締付チャック、特に焼きばめチャックを有する工具保持具が周知である。それらは、管状工具、回転工具、ミリング工具、リーミング工具、研削工具などを熱誘起収縮プロセスを通して締付けるために用いられている。典型的には、そのような焼きばめチャックは誘起収縮システムによって熱的に加熱され、それによって、焼きばめチャックの内径を膨張させる。内径が拡大されると、締付られるべき工具がその焼きばめチャック内に挿入され、焼きばめチャックの内径の、工具の軸直径に対する比が構成され、したがって、工具は、焼きばめチャックがその後冷却された後、焼きばめチャックにおいてトルクに耐える状態で締付られる。
【0003】
WO 01/89758 A1から、スリーブ部の誘導加熱を、スリーブ部を同心態様で実質的に取囲む環状コイルアセンブリによって行なうことが公知である。このコイルアセンブリは高周波AC発生器に接続され、渦電流を金属スリーブ部に誘導し、それによってスリーブ部を加熱する。散乱束を回避し、磁束を集中させるため、軟磁性の、電気的に実質的に非導電性の材料、たとえばフェライトなどからなる磁束集中要素がコイルアセンブリの面および外周部に置かれ、それによって、コイルアセンブリにより発生された磁束が工具保持具のスリーブ部に、特に、スリーブ部の自由端の部分に向けられる。
【0004】
円筒形の受入れシャフトを含む回転工具のための締付チャックを含む工具保持具に伴う問題は、作業中に、回転工具が締付チャックの回転軸に沿って軸方向に移動し、締付チャックから出ることである。回転工具のこのような軸方向の移動は振動によって引起されるが、これは、加工物を回転工具で機械加工する際に生ずる。この悪影響のため、加工物は、精密に、およびそれらの寸法仕様に従っては機械加工され得ない。さらに、回転工具を、加工物内において、または加工物を受ける締付チャック内においてさえも傾けることは、危険な事故に繋がり得る。好ましくない条件下では、回転工具は、限界的状況における動作中において工具保持具の締付チャックから出て、機械の操作者に対して大きな危険を生じさせることさえあり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開 WO 01/89758 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、この発明の目的は、締付チャック、特に焼きばめチャックなどを伴う工具保持具であって、タップ、端面ドリル、カッターなどを含む、スパイラルドリル、プロファイルドリル、スクリュードリルなどのような回転工具の軸方向移動が動作中において可能ではないが、回転工具はトルクに耐えて取付けられ、およびチャックから外れて移動することなく回転軸に関して軸方向に固定される、工具保持具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴部を通してこの発明に従って達成され、この発明の有利な
改良点が従属請求項の特徴によって与えられる。
【0008】
この発明に従うと、この発明に従う工具保持具は工具のための脱出防止部を含み、それによって、工具が、工具を保持する固定具から出て軸方向に移動することを防止する。したがって、この脱出防止部は、少なくとも1つのロッキング要素と、該ロッキング要素に対応し、該ロッキング要素を受け、フォームロッキングを介して相互作用する少なくとも1つのロッキング溝とを含む。したがって、ロッキング要素およびロッキング溝は、少なくとも部分的に、ボール頭部の輪郭を伴って構成され、締付チャックはロッキング要素を含み、工具はロッキング溝を含むか、またはその逆である。さらに、このように、ロッキング溝は、工具シャフト上または工具保持具において、面側において開始するよう配置され、工具を工具保持具により容易に挿入することを容易にするために、溝幅を基準にして拡張されて与えられ得る。
【0009】
特に好ましい実施例では、工具保持具は少なくとも2つの回転可能に支持されるボールを工具保持具側に含み、回転工具の側においては、該ボールに対応する、回転工具の軸における少なくとも2つのロッキング溝が、フォームロッキング態様で相互作用する。これら2つのロッキング溝は、したがって、好ましくは、円筒形工具シャフトの周方向表面に沿ってシリンダシャフトの面側において開始する円筒シャフトにおけるねじ筋のように与えられる。回転工具の円筒シャフトの周方向表面に設けられる前記ロッキング溝は、左溝を有する工具に対しては左ピッチ方向を設けられ、右溝を有する回転工具に対しては右ピッチ方向を与えられる。したがって、ロッキング溝は、軸方向において構成され、したがって回転軸に平行でもあり得、これにより、工具に対し回転に抗して安全がさらに与えられる。
【0010】
この発明に従って、回転工具、たとえば、この発明に従う締付チャック、たとえば工具保持具の焼きばめチャックなどにおいて、他の工具のために、タップ、端面ドリル、カッターおよびアーバーを含む、スパイラルドリル、プロファイルドリル、スクリュードリルなどのような回転工具を締付けるために、誘導コイルをまず焼きばめチャックにおいてオンにするが、これは、誘導コイルが高周波AC電力に接続されることを意味する。工具保持具を取囲むコイルから誘導によって発生される、工具保持具のスリーブ部において生じる渦電流のため、スリーブ部は急速に加熱され、熱により膨張し、したがって、受入部開口部の内径が拡大される。ここで、回転工具は受入部開口内にそのシャフトとともに挿入され得る。回転工具の面は、したがって、受入部開口部の内側キャビティ内に突出するボールに到達し、そこで停止する。回転工具のロッキング溝のピッチ方向によって、前記工具は、今度は、回転軸に関して反時計回りまたは時計回りに回転され、ボールはボール受け溝と係合し得る。さらなる回転は螺旋状の回転を強制し、したがって、回転工具の焼きばめチャックなど内への軸方向の引入れ運動を、円筒形シャフトの面が焼きばめチャックに接触するまで、またはボールがボール受けロッキング溝におけるそれらの最終位置に到達するまで、強制する。誘導コイルはここでオフにされ得る。ここで生ずる急速冷却のため、焼きばめチャックは収縮して再び元のサイズに戻り、円筒形シャフトを、トルクに耐える状態で、その周方向表面で、焼きばめチャックの受入部開口部の内側周方向表面に、プレスばめで接続する。ロッキング溝の回転方向は、同じく高負荷状態にある回転工具の動作中において回転工具の回転方向に対応するので、それは、加工物の高い切断抵抗下、および工具または工具テーブルの大きな送りのもとで、回転工具が回転軸に沿ってチャックから出るよう軸方向に移動することはもう生じ得ないことを意味する。工具保持具におけるボールと工具シャフトにおけるボール輪郭のロッキング溝との相互作用、および前記ロッキング溝のねじ筋構成によって、軸方向ロッキングが達成される。前記軸方向ロッキングは、回転工具を回転工具の動作方向に逆らって回転させ、それを締付チャックから引出すことによってしか解放され得ない。動作中において回転工具の動作方向に逆らって行なわれる回転は、しかしながら、加工物を回転工具で機械加工する際には可能ではない。
さらに、前記回転運動は、トルクに耐えるプレスばめのため、動作中においても可能ではない。したがって、回転工具は移動して焼きばめチャックなどから出ることはできない。
【0011】
したがって、機械加工は精密なままであり、寸法は必要とされる公差内に保たれ得る。チャックから出る軸方向移動はこの発明によって防止されるので、生産が効率よくかつより経済的に行なわれ得、なぜならば、締付チャックを伴う従来技術の工具保持具と比較すると、非常にわずかな屑しか生じないからである。加えて、したがって、事故に対する別の原因および機械操作者に対する事故のリスクが排除される。
【0012】
締付チャックにおいてプレス支持部において保持される回転可能なボールの代わりに、部分的球形または半球形を有する円筒形ピンも面の1つにおいて用いられ得る。これらはボールの代わりに支持ボア孔に配置され、これらのピンは、円筒形ピンが受入部開口部の内側キャビティ内に落ちないように、突出する肩部を必要とするか、または支持ボア孔の内側ねじ筋に対応する外側ねじ筋を必要とする。ボールを用いることは、部分的に球形または半球形の頭部を有する円筒形のピンを用いることと比較して、回転工具を挿入することは円筒形ピンと比較してより容易であるという利点を有し、なぜならば、ボールは、回転可能に支持され、円筒形シャフトに対して傾き得ないからである。ボールは、さらに、ねじ切りされたピンを用いてそれぞれの支持ボア孔に保持され得もする。したがって、ねじ切りされたピンは、その面においてでさえもボールを受ける、たとえば、多角形の凹部またはボール形状の窪みなどとして形状化される構成を含む。ねじ切りされたピンの代わりに、噛合いピン、ボルトなども用いられ得る。
【0013】
工具のための、特に工具保持具における回転工具のための、工具を保持する固定具を伴うこの発明に従った脱出防止部は、特に、締付チャック、たとえば引込みコレットチャック、高精度チャック、油圧膨張チャック、焼きばめチャックなどに対し好適である。
【0014】
有利なことに、要件によっては、工具のシャフトの周方向表面におけるロッキング溝は違うように構成される。したがって、ロッキング溝は面側において始まる、異なるロッキング溝路を含み得る。それは、螺旋状か、L字状か、湾曲しているか、またはいくつかの部分において真直ぐであるか、および/または湾曲している、円筒の、包み込む表面上における複合路から形成され得る。特に、螺旋状のロッキング溝路では、回転の方向は溝付工具の回転の方向に対応しなければならない。これは、左溝付工具では、螺旋状ロッキング溝は左ピッチ方向を有さねばならず、右溝付工具では、逆に、ロッキング溝は右ピッチ方向を有さなければならないことを意味する。したがって、脱出防止部のロッキング効果がある。
【0015】
別の実施例では、工具のシャフトは外側ねじ筋をその端部に含み、工具保持具の、工具を保持する固定具は、それに対応する内側ねじ筋を含む。この場合、脱出防止特徴は工具における外側ねじ筋を用いて実施されるが、それは、左溝付工具に対しては左ピッチ方向を有し、右溝付工具に対しては右ピッチ方向を有する。この実施例では、ロッキング要素およびロッキング溝は一般には使われなくなる。
【0016】
ある特に好ましい実施例では、ロッキング要素を受ける支持ボア孔は、好ましくは、工具保持具の外側周方向表面から、工具を受ける工具保持具の内側キャビティ内へと構成される。したがって、前記支持ボア孔は、工具保持具の回転軸に垂直に構成され得、回転軸と交差し、および/または工具を受けるキャビティの内側周方向表面に接線方向に近接する。好ましくは、支持ボア孔の長手方向軸は、同じ角度で、および特には工具の回転軸に対して垂直な面において構成される。
【0017】
別の特に好ましい実施例では、特に焼きばめチャックを伴う工具保持具に対して、ボー
ルはロッキング要素としてボール保持部において支持される。したがって、ボール保持部におけるそれぞれのボールのための支持ボア孔は、内側周方向表面に関し、支持ボア孔の直径よりも小さいボア孔直径を含む。したがって、ボールは内側へと工具保持具の内部内には落ち得ず、ボール保持部の内側部分を越えて到達するのみである。ボール保持部は、したがって、別個の構成要素として相互にロッキングする態様で工具保持具の内側キャビティ内に挿入され得るか、またはスリーブに機械加工され得る。したがって、スリーブは、それぞれの支持ボア孔を、より小さい支持ボア孔直径が内側キャビティに向かって位置する状態で含む。スリーブは、したがって、回転工具のシャフトにおいて、この発明に従って記載されるように、工具を保持する固定具の内側キャビティ内に押込められるかまたは収縮され、工具保持具に溶接され、付加的にねじ切りされたピンによってフォームロッキング態様で保持され、および/またはスリーブでロッキング要素およびロッキング溝で固定され得る。
【0018】
特に好ましい実施例では、特に焼きばめチャックに対して、脱出防止部は付加的な装置を含み、それによって、脱出防止部による工具の支持をクリアランスなしで容易にする。したがって、工具は、力を付与する要素によって、工具保持具から、工具を保持する固定具内に押込まれる。力を付与する要素は、たとえば、工具の回転軸と同心に、工具を保持する固定具のボア孔の底部に配置される。したがって、脱出防止部は工具にクリアランスなしで接触する。脱出防止部と工具との間におけるわずかなクリアランスでさえツールに対してある移動度を許すので、それは工具エッジに対する損傷にも繋がり得る。特に、コイルばね、円錐形ばね、ディスク状ばね、およびディスクばねパケット、ならびに/または弾性もしくはゴム弾性要素の圧縮ばねが、力を付与する要素として用いられ得る。
【0019】
最小限量の潤滑を伴う工具保持具の別の特に好ましい実施例では、前記工具保持具は、最小限量の潤滑のために少なくとも1つの移送部(Uebergabestueck)を含み、それは、
圧力上昇のためまたは圧力補償のため、少なくとも1つの、好ましくは複数のチャネルを含む。そのような移送部を伴うそのような工具保持具の場合、さらなる保護が、別途、脱出防止部から求められてもよい。移送部は、好ましくは、これも複数の構成要素からなり得る管として与えられるが、好ましくは径方向フランジを伴って形成され、好ましくは工具保持具に配置されるボア孔において移動可能に受けられ案内される。管は、さらに、異なる断面輪郭を含み得、好ましくは、コイルばねによって予め負荷をかけられる工具保持具において支持され、管の円筒形シャフトは好ましくはコイルばねを通って到達する。もちろん、他の、力を与える要素、たとえば張力ばね、円錐形ばね、ディスクばねおよび/または弾性要素ならびにそれらの組合せも可能である。コイルばねは、好ましくは、管の径方向フランジと工具保持具の底部停止部などとの間に配置され、それによって、管は工具保持具に対して予め負荷をかけられて支持される。移送部は、好ましくは、ボア孔において支持され、封止される。したがって、工具保持具は、少なくとも、たとえば1つのシャフト封止部および/または付加的な封止要素、たとえば移送部のためまたは管のためボア孔に対して同心である封止リング、封止リップなどを含み、前記封止要素は、さらに、工具保持具において、および/または移送部においてもしくは管それ自体において配置され得る。貫通ボア孔の形で、特に円形の断面輪郭を伴い、他の断面輪郭も可能であるチャネルは、好ましくは、移送部の径方向フランジに配置され、移送部における移送ボア孔は移送部の径方向フランジにおける移送ボア孔に接続される。移送部の径方向フランジの円筒形の周方向表面に沿って、径方向凹部が配置される。そこにおいて、環状膜が、好ましくは、フォームロッキング態様で埋込まれるが、それは、径方向の切抜きに対応し、好ましくは、円筒形の、包み込む表面のある部分として形成される。したがって、特に溝として設けられる周方向表面凹部、および好ましくはそれに対応する溝において埋込まれた膜の断面部も、たとえば部分的ボール頭部輪郭または他の輪郭を含み得る。環状膜は、好ましくは、弾性材料から、特に、ゴム弾性材料から形成されるが、他の材料、たとえば、カーボンファイバ材料、プラスチック、テフロン(登録商標)および可撓性金属なども可能
である。圧力補償のため、または圧力を抜くためもしくは圧力を上昇させるためのチャネルはしたがって、特に、膜、および移送部の内側キャビティに接続される。圧力が工具保持具において上昇されると、膜は、したがって、径方向に反り、したがって、工具保持具の受入部ボア孔の周方向表面に取付く。したがって、移送部は軸方向の動きに抗してロックされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明に従う工具保持具の断面図であり、ロッキング溝を設けられ、まだ締付けられていない別個のエンドミルカッターを伴う焼きばめチャックを含む。
図2】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、この発明に従ってエンドミルカッターが中に締付けられた焼きばめチャックを含む。
図3】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、この発明に従ってエンドミルカッターが中に締付けられた焼きばめチャックを含む。
図4】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、この発明に従う高精度チャックおよびその中に締付けられるエンドミルカッターを含む。
図5】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、油圧エキスパンションチャックを、エンドミルカッターがこの発明に従ってその中に締付けられる状態で含む。
図6】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、その中に締付けられる、この発明に従うエンドミルカッターを含み、そこにおいて、工具は外部ねじ筋を含み、それは工具保持具の、対応する内部ねじ筋に捩じ込まれる。
図7】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、ボールをロッキング要素として含み、それらはねじ切りされたピンによって固定される。
図8】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、ボールをロッキング要素として含み、それらはねじ切りされたピンによって固定され、そこにおいて、ボールはねじ切りされたピン内に部分的に後退させられる。
図9】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、ボールをロッキング要素として含み、それらは円筒形ピンによってプレスばめで固定される。
図10】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、一体型のロッキング要素を含み、それは、ボール形状のエンボスをその面のうちの1つに伴うねじ切りされたピンである。
図11】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、一体型のロッキング要素を含み、それは、ボール形状のエンボスをその面のうちの1つにプレスばめで伴う円筒形ピンである。
図12】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、ボールを別途のボール保持部において伴い、およびそれに近接するスリーブを伴う。
図13】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、ボールを含み、それらはボール保持部に配置され、それはスリーブ内に機械加工され、そこにおいて、スリーブはプレスばめまたは焼きばめされる。
図14図13からのこの発明に従う工具保持具の断面図を示し、スリーブは工具保持具に溶接される。
図15図13に従う工具保持具の断面を示し、スリーブは、物理的に、円錐形のドームを伴うねじ切りされたピンによって固定される。
図16】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、スリットを設けられたスリーブを含み、それはボールを受け、そこにおいては、スリーブは、ロッキング溝を設けられ、工具保持具のところで付加的なボールおよびねじ切りされたピンによって保持される。
図17】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、クリアランスを伴わずに脱出防止部のための円錐形ばねを含む。
図18】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、長さ調節ねじを含み、それはゴム弾性材料から形成される。
図19】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、長さ調節ねじを含み、それはゴム弾性材料から形成される要素を含む。
図20】この発明に従う工具保持具の断面図を示し、最少量の潤滑、ロッキング要素としてのボール、およびゴム弾性材料から形成される膜を含む。
図21】この発明に従う図20に従う工具保持具の断面図および側面図を示し、ロッキング要素の接線方向配置を伴う。
図22】この発明に従う工具保持具の図20の部分の拡大図を示し、膜および圧力チャネルが移送部にあるのを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施例を概略図を参照して記載する。
図1は、工具保持具1を概略的に断面図において示し、および例示的なエンドミルカッター2を示す。それらは互いに対して回転軸3に関して配置される。工具保持具1は、少なくとも2つの、好ましくは3つまたは4つのボール4を含む。ボールは支持ボア孔5に配置され、支持ボア孔5は、回転軸3に対して垂直に、およびしたがって工具保持具1のスリーブ部6において長手方向軸に対して垂直に配置される。前記支持ボア孔5は貫通ボア孔であり、スリーブ部6の外側から受入部開口部7の内側周方向表面に延在する。受入部開口部7は工具保持具1において回転軸3と同心に配置される。支持ボア孔5の前支持側8は、球形キャップの形状で設けられるか、またはボール4のボール形状に従って構成され、ボール4は受入部開口部7の内側キャビティ内に部分的に突出する。ボール4はねじ切りされたピン9によってその前方向位置に保持され、したがって、受入部開口部7の内側キャビティに突出する位置において保持される。したがって、支持ボア孔5は、ねじ切りされたピン9の外側ねじ筋に対応する内側ねじ筋を含む。したがって、ねじ切りされたピン9の長さは、スリーブ部6の外側表面を越えて突出しはしない。ねじ切りされたピン9は、したがって、アレンレンチのための六角形孔10を含む。エンドミルカッター2は、螺旋状のロッキング溝13、14を、その円筒シャフト11上において、面12側に含む。それらはボール形状の輪郭を含み、それはボール4のボール形状に対応する。エンドミルカッターを工具保持具において完全に締付けるため、工具保持具はエンドミルカッターの挿入中に回転方向15に従って回転されなければならず、したがって、エンドミルカッター2は、エンドミルカッター2が停止部に到達するまで螺旋状の動きで受入部開口部7内へと回転される。
【0022】
図2は工具保持具1を断面図にて概略的に示しており、そこにおいて、エンドミルカッター2は完全に中において締付けられている。エンドミルカッター2は、その円筒形シャフト11が受入部開口部7にある状態でその停止部までにおいて配置されている。したがって、ボール4は、ねじ切りされたピン9によって支持され、ロッキング溝13または14と係合する。この断面図では、円筒シャフト11は受入部開口部7にプレスばめされ、これは、誘導コイル(図示せず)がオフにされ、工具保持具1の焼きばめチャックが冷却されて収縮し、その元のサイズに戻ることを意味する。図2において明らかに見られるように、エンドミルカッター2の回転軸3に沿った軸方向運動は行なわれ得ず、なぜならならば、ボール4は円筒シャフト11のボール形状のロッキング溝13または14に位置し、回転軸3に沿った運動は阻止されるからである。したがって、ボール4とロッキング溝13または14との間における相互作用はロックの形で示される。エンドミルカッター2を工具保持具1から外すには、誘導コイルをオンに切換えた後、エンドミルカッター2を、回転方向15(図1)に逆らって回転させ、軸方向において回転軸3に沿って引いて工具保持具1から出すだけでよい。
【0023】
以下の図においては、実行可能な実施例が示され、脱出防止部が他の従来の締付工具においてどのように構成されるかを示す。
【0024】
図3は、ロッキング溝およびボールを伴う脱出防止部を伴うキャップナットを伴う典型
的な引込みコレットチャックを概略的断面図において示す。
【0025】
図4は、ロッキング溝およびボールを介した、この発明に従う脱出防止部を伴う高精度チャックを示す。
【0026】
図5は、概略断面図において、ロッキング溝およびボールを介した、この発明に従う脱出防止部を伴う典型的な油圧エキスパンションチャックを示す。
【0027】
図6は、概略断面図において焼きばめチャックとして与えられる工具保持具を示し、そこにおいては、エンドミルカッターがボルトで工具に対してねじ筋16を介して留めつけられる。左溝付工具に対しては左ピッチ方向で、および右溝付工具に対しては右ピッチ方向で構成される、このねじ切りされた接続を介して、工具が工具保持具から軸方向に脱出することを防ぐことが実現される。
【0028】
図7は、焼きばめチャックを概略断面図においてボール4の形状でのロッキング要素とともに示し、それらは、それぞれの支持ボア孔5において、ねじ切りされたピン9で保持されている。ねじ切りされたピン9はしたがって尖っていない面を含む。
【0029】
図8は、純粋に概略的な断面図において、ロッキング要素がボール4として構成される焼きばめチャックを示し、そこにおいては、ボールは、支持ボア孔5において、ねじ切りされたピン9によって保持される。ねじ切りされたピン9はボール4を受ける面に凹部17を含む。凹部17は、デッドホールまたはたとえば内部の六角形形状がボールの直径に対応するブッシュとして構成される。
【0030】
図9は、純粋に概略的な断面図において、ロッキング要素がボール4として設けられる焼きばめチャックを示し、そこにおいては、ボールは支持ボア孔5において整列ピン18によって保持される。整列ピン18と支持ボア孔5との間におけるプレスばめのため、ボール4として設けられるロッキング要素はそれらの位置に固定される。
【0031】
図10は、純粋に概略的な断面図において、一体型のロッキング要素19を伴う焼きばめチャックを示す。ロッキング要素19はねじ切りされたピンであり、それは半球形の頭部20をその面の1つにおいて含む。
【0032】
図11は、純粋に概略的な図において、支持ボア孔5において一体型のロッキング要素19を伴う焼きばめチャックを示す。一体型のロッキング要素19は整列ピンであり、それらは焼きばめチャックにプレスばめで接続される。一体型のロッキング要素19は半球形の頭部20をそれらの面のうちの1つ上に含む。
【0033】
図12は、純粋に概略的な断面図において、ボール4の形状におけるロッキング要素を伴う焼きばめチャックを示す。ボール4はボール保持部21において支持される。したがって、ボール保持部21は受入部開口部7の底部に配置される。それに近接して、スリーブ22が存在する。保持部21において、ボールは後退し、それらは保持部によって径方向に外側に押される。したがって、ボール4は、受入部開口部7と受入部開口部7の端部における回転リリーフ(Freidrehung)との間において配置される肩部に抗して押付けら
れる。ボールは前記肩部において径方向に支持され得る。工具が焼きばめされると、ボール4は内側に向かって支持され、工具2およびスリーブ22を軸方向脱出に抗して固定し得る。
【0034】
図13は、ボール4を伴う焼きばめチャックを純粋に概略的な断面図において示し、そこにおいては、ボールはスリーブ22においてスリーブの左部分において、および受入部
開口部7において配置される。スリーブ22の左部分は、したがって、ボール4に対するボール保持部として機能する。スリーブ22におけるボール4に対する支持ボア孔5は、スリーブ22の内側の円筒形の周方向表面に関して、ボールの直径または支持ボア孔の直径よりも小さい直径を含む。したがって、ボール4は、内側キャビティ内へと突出し得るが、落込みはし得ない。スリーブ22はチャックに焼きばめされるかまたはプレスばめされる。
【0035】
図14は、純粋に概略的な断面図において、スリーブ22にボール4を伴う焼きばめチャックを示す。スリーブ22はスリーブ部6に溶接部23によって接続される。スリーブ22の焼きばめチャックとの溶接は、したがって、部分においてスポットで、または閉じたもしくはY溶接として環状で行なわれ得る。
【0036】
図15は、純粋に概略的な断面図において、スリーブ22にボール4を伴う焼きばめチャックを示す。この実施例では、スリーブ22は、工具保持具に対して、ねじ切りされたピン24で固定される。したがって、ねじ切りされたピン24は、たとえば、円錐形のキャップを含む。もちろん他の実施例、たとえばボール頭部も可能である。スリーブ22は、ねじ切りされたボルト24の面構成に対応する窪み25を含み、そこにおいては、この窪みは、ねじ切りされたピン24の面キャップ構成に対応して構成される。この実施例では、前記窪み25は円錐形に構成される。スリーブ22を工具保持具において固定するために、少なくとも1つのねじ切りされたピンが、円錐面構成または全体的な円錐構成を伴って、必要である。好ましくは、スリーブ22を固定するための3つの、特に4つのねじ切りされたボルトが工具保持具に配置される。
【0037】
図16は、純粋に概略的な断面図において、ロッキング要素がボール4として設けられ、スリーブ22に配置される、焼きばめチャックを示す。スリーブ22は、したがって、先行する図においてよりも厚みを大きく構成される。したがって、スリーブ22はスリットを設けられる(図には示されず)。この実施例において、スリーブ22も工具保持具に対しボールによって接続される。したがって、ボールに対応するロッキング溝27はスリーブ22の左部分に配置され、そこにおいては、前記溝はボールに対応する輪郭を有する。工具が軸方向において焼きばめチャックにおいてロッキング要素およびロッキング溝の相互作用を介して固定されるのと同様に、スリーブ22は、ロッキング要素としてのボール26を介して、スリーブ22の外側周方向面にあるロッキング溝27で、軸方向に固定される。ボール26はしたがって支持ボア孔28において配置され、それは、次いで、ねじ切りされたピン29を互いの間においてねじ筋によって接続する。この場合においても、支持ボア孔28は、ボール26のボール直径に対応する、支持部の直径よりも、受入部開口部7に向かう方向における内側部分においてより小さい直径を含む。したがって、ボール26は内部キャビティ内に落ちはし得ないが、その中へと突出する。
【0038】
図17は、純粋に概略的な断面図において、図2に従う軸方向脱出防止部を伴う焼きばめチャックを示す。加えて、工具保持具は円錐形のばね30を含み、これは、エンドミルカッター2の円筒シャフト11の面側12と受入部開口部7の底部31との間に配置される。円錐形ばね30として設けられる圧縮ばねは、したがって、エンドミルカッター2の面12に対して、回転軸3の方向に、工具保持具1から出るように押す。したがって、エンドミルカッター2がさらに軸方向において円錐形ばね3の力によってロックされる限りにおいて(insofern)、円筒シャフト11の周方向表面におけるロッキング溝および工具保持具1におけるボール4のそれぞれの位置の考えられ得るクリアランスまたは製造許容差が取除かれる。したがって、軸方向脱出防止部と工具との間における小さなクリアランスも除去され得る。したがって、動作中に小さな製造許容差のために工具の刃の部分をさらに損傷するというリスクはない。
【0039】
図18は、純粋に概略的な断面図において、ボール4の形状でのロッキング要素を伴う焼きばめチャックを示す。ここにおいては、クリアランスのない工具の脱出防止が、好ましくはゴム弾性材料からなる長さ調整ねじ32の使用を介して焼きばめされた後に行なわれる。長さ調整ねじ32に対応して、対応する内側ねじ筋33が工具保持具に形成される。図18において、ロッキング溝の経路のための別の実施例が示される。この実施例では、ロッキング溝34は、「L」の形状で設けられるが、円筒シャフト11の面12において始まっている。したがって、軸方向安全性に対する擬似差込みロックが、工具保持具からの工具脱出に対する安全性として提供される。
【0040】
図19は、図18からの焼きばめチャックを純粋に概略的な断面図において示し、そこにおいては、弾性要素35が、中に、長さ調整ねじ32と同心で統合される。この場合において、弾性要素35は、好ましくは、ゴム弾性材料から形成される。クリアランスを伴わない脱出防止は、長さ調整ねじ32を介して弾性要素35に面12を介してエンドミルカッター2に与えられる圧縮力を介して実行される。
【0041】
図20は、純粋に概略的な断面図において、最少量の潤滑(MMS)を伴う焼きばめチャックを示す。軸方向脱出防止はロッキング要素36によって実行されるが、それらは、次いで、ボールとして設けられる。焼きばめチャックの内部において回転軸と同心で、可動管37があり、それは、最少量の潤滑のための移送部である。管37はコイルばね38のばね力のため工具シャフト(図には示されず)に抗して押される。図20において、管37の2つの考えられ得る端部位置が示される。右手において工具シャフトとともに配置される管の接触表面は径方向管状フランジ39の形で円錐形に設けられる。コイルばね38は、したがって、管37によって同心状に行き渡る(durchdrungen)。コイルばね38は、底部31と径方向首部フランジにおける管37の円錐断面形状の周方向表面との間において配置される。図21は、純粋に概略的な断面図において、ロッキング要素36の、工具保持具における、図20の断面線A-Aに沿った接線方向の配置を示す。図22は、破線で示される、図20の拡大詳細図である。管37の径方向首部フランジ39において、貫通ボア孔40が配置されるが、それらは、管37の内径から、径方向首部フランジ39の外側周方向表面41へと延びる。管37の径方向管状フランジ39の円筒形周方向表面41に沿って、同心状の円筒表面形状の凹部42が配置されるが、その幅は、好ましくは、管状フランジ39の円筒形周方向表面41の幅よりも小さい。凹部42に対応して、円筒の包囲表面のある部分として形成される環状膜43が配置されるが、それは、管状フランジ39の外側円筒形周方向表面41と面一で形成される。膜43はしたがって好ましくはゴムの弾性材料から形成される。周方向表面41に沿った前記膜43は、焼きばめチャックの受入部開口部7の壁部に抗して管37を封止する。ボア孔40は、径方向に膜43の内側に至るものであり、空気圧を膜43に送り、それはしたがってボア孔の壁部7に対して押し付けられる。圧力の上昇を介して、膜は径方向に反り、したがって、工具保持具の受入部開口部7の内側周方向表面に取り付く。したがって、管37は軸方向変位に対して最少量の潤滑に対する移送部として確保される。可動管37を介して、噴霧潤滑剤が工具に対して損失なく伝えられ得る。
【0042】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0043】
1 工具保持具、2 エンドミルカッター、3 回転軸、4 ボール、5 支持ボア孔、6 スリーブ部、7 受入部開口部、8 前支持側、9 ピン、10 六角形孔、11
円筒シャフト、12 面、13,14 ロッキング溝、15 回転方向、16 ねじ筋、17 凹部、18 整列ピン、19 ロッキング要素、20 頭部、21 ボール保持
部、22 スリーブ、23 溶接部、24 ピン、25 窪み、26 ボール、27 ロッキング溝、28 支持ボア孔、29 ピン、30 ばね、31 底部、32 長さ調整ねじ、33 内側ねじ筋、34 ロッキング溝、35 弾性要素、36 ロッキング要素、37 管、38 コイルばね、39 径方向管状フランジ、40 ボア孔、41 円筒形周方向表面、42 凹部、43 環状膜。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22