(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】膜ポンプデバイスおよび膜ポンプデバイスと作動デバイスとを有する膜ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 43/02 20060101AFI20221003BHJP
【FI】
F04B43/02 D
(21)【出願番号】P 2019533379
(86)(22)【出願日】2017-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2017083665
(87)【国際公開番号】W WO2018115028
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-12-18
(31)【優先権主張番号】102016015206.0
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501276371
【氏名又は名称】フレセニウス・メディカル・ケア・ドイチュラント・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】アンダーレ、イェンス
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特表平05-502096(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101354029(CN,A)
【文献】特開2006-161779(JP,A)
【文献】特開平08-128389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 43/02
A61M 60/268
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体、特に血液処理のための医療用液体を搬送するための膜ポンプデバイスおよび作動デバイスを有する膜ポンプであって、
前記膜ポンプデバイスが、
ポンプチャンバを形成するように弾性膜によって閉鎖された凹部が構築されるポンプチャンバ本体と、
入口接続部を前記ポンプチャンバの吸込開口部に接続する内向き流れ通路と、
前記ポンプチャンバの吐出開口部を出口接続部に接続する外向き流れ通路と、
前記内向き流れ通路における液体の流量に影響を与えるために前記内向き流れ通路に設けられた吸込バルブ、および前記外向き流れ通路における液体の流量に影響を与えるために前記外向き流れ通路に設けられた吐出バルブと、
を備え、ここにおいて、
前記吐出バルブが、吐出バルブシートが配置された吐出バルブチャンバを形成するように弾性膜によって閉鎖された凹部が構築される吐出バルブボディを有する膜バルブであり、その前面が、前記膜に面し、および前記吐出バルブの開位置では前記膜からやや離れて配置され、ここにおいて、吐出バルブ流路が、前記吐出バルブシートを通り、
前記外向き流れ通路が、前記弾性膜が吐出バルブチャンバを閉じる状態で前記ポンプチャンバの前記吐出開口部を前記吐出バルブチャンバに直接接続する第1の外向き流路を備え、および前記弾性膜で閉鎖可能である前記吐出バルブ流路を前記出口接続部に接続する第2の外向き流路を備え、
前記吐出バルブシートの断面積が、前記吐出バルブシートを取り囲む前記吐出バルブチャンバの領域の断面積よりも小さく、
前記作動デバイスが、前記吐出バルブが閉じるように、前記吐出バルブの前記膜が前記吐出バルブシート上に載っている休止位置でばね装填された前記吐出バルブの前記膜を変形させるための吐出制御要素を有する吐出調整デバイスを有し、ここにおいて、前記吐出制御要素は、前記吐出バルブが開くように、前記休止位置から、前記吐出バルブの前記膜が前記吐出バルブシートからやや離れて配置される機能位置に移動されることがで
き、
前記作動デバイスが、吸込制御要素を作動するための作動流体を吸込調整デバイスに供給するための第1の作動流体ラインと、前記吐出制御要素を作動するための作動流体を前記吐出調整デバイスに供給するための第2の作動流体ラインとを有すること、および前記吸込調整デバイスが、前記第1の作動流体ラインの断面に影響を与えるための第1の作動流体バルブを有し、前記吐出調整デバイスが、前記第2の作動流体ラインの断面に影響を与えるための第2の作動流体バルブを有することを特徴とし、ここにおいて、前記第1の作動流体バルブは、切替えバルブとして構築され、前記第2の作動流体バルブは、比例バルブとして構築される、
膜ポンプ。
【請求項2】
前記吐出バルブシートが環状バルブシートであることを特徴とする、請求項1に記載の膜ポンプ。
【請求項3】
前記吸込バルブが、吸込バルブシートが配置された吸込バルブチャンバを形成するように弾性膜によって閉鎖された凹部が構築される吸込バルブボディを有する膜バルブであり、その前面が、前記膜に面し、および前記吸込バルブの開位置では前記膜からやや離れて配置され、ここにおいて、吸込バルブ流路が、前記吸込バルブシートを通り、
前記内向き流れ通路が、前記入口接続部を前記吸込バルブ流路に直接接続する第1の吸込流路を備え、および前記可撓性膜で閉鎖可能である前記吸込バルブチャンバを前記ポンプチャンバの前記吸込開口部に接続する第2の吸込流路を備える
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の膜ポンプ。
【請求項4】
前記吸込バルブシートが環状バルブシートであることを特徴とする、請求項3に記載の膜ポンプ。
【請求項5】
前記膜ポンプデバイスまたは前記膜ポンプデバイスの一部が、膜ポンプの作動デバイスとの使用を意図した、単回使用を意図したカセットとして構築されることを特徴とする、請求項3または4に記載の膜ポンプ。
【請求項6】
前記ポンプチャンバ本体および前記吸込バルブならびに吐出バルブボディが、前記カセットの1構成部品または複数構成部品のハウジング本体の構成要素であることを特徴とし、ここにおいて、前記ポンプチャンバの前記膜および前記吸込ならびに吐出バルブの前記膜は、前記作動デバイスのアセンブリ表面に結合されることができる取付け面上に配置される、請求項5に記載の膜ポンプ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の膜ポンプであって、前記作動デバイスは、前記ポンプチャンバの前記膜が吸入構成と排出構成との間で変形可能となるように構築され、前記吸込および吐出バルブは、流体が前記膜ポンプによって搬送されることができるように交互に開いたり閉じたりすることができる、膜ポンプ。
【請求項8】
前記作動デバイスが、前記吸込バルブが閉じるように、前記吸込バルブの前記膜が前記吸込バルブシート上に載っている休止位置でばね装填された前記吸込バルブの前記膜を変形させるための
前記吸込制御要素を有する
前記吸込調整デバイスを有することを特徴とし、ここにおいて、前記吸込制御要素は、前記吸込バルブが開くように、前記休止位置から、前記吸込バルブの前記膜が前記吸込バルブシートからやや離れて配置される機能位置に移動されることができる、請求項6または7に記載の膜ポンプ。
【請求項9】
前記作動デバイスが、前記第1および第2の作動流体バルブが電気的に接続された制御デバイスを有することを特徴とし、ここにおいて、前記制御デバイスは、前記第2の作動流体バルブについての意図した圧力値が前記膜ポンプデバイスの流体質量流量の関数として決定されるように構成され、その結果、前記流体質量流量は、前記膜ポンプデバイスの排出段階中一定である、請求項
1に記載の膜ポンプ。
【請求項10】
前記作動デバイスが、制御チャンバと、制御流体ラインの断面を変化させるために構築された制御流体バルブが配置された、制御流体で前記制御チャンバを満たすための前記制御流体ラインとを有することを特徴とし、ここにおいて、前記ポンプチャンバの前記膜は、前記制御流体で満たすことによって吸入構成または排出構成に変形可能である、請求項6~
9のいずれか一項に記載の膜ポンプ。
【請求項11】
前記制御デバイスに電気的に接続された制御流体圧力センサが設けられることを特徴とし、ここにおいて、前記制御デバイスは、前記流体質量流量が前記制御流体圧力センサの圧力信号の関数として発生されるように構成される、請求項
10に記載の膜ポンプ。
【請求項12】
血液処理装置、特に透析装置であって、医療用液体、特に抗凝固液を供給するための容器および前記医療用液体を搬送するための請求項1~
11のいずれか一項に記載の膜ポンプを有する血液処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体、特に血液処理のための医療用液体を搬送するための膜ポンプデバイス(membrane pump device)に関する。本発明はさらに、膜ポンプデバイスおよび膜ポンプデバイスのための作動デバイスを有する膜ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
膜ポンプは、医療用液体を搬送するための医療技術で使用される。膜ポンプの利点は、駆動ユニットが、搬送される流体から膜によって分離されることにある。
【0003】
医療技術では高い要件が膜ポンプに課せられる。ある特定の使用のために、膜ポンプは、低い流量でも高い搬送精度を有するべきである。例えば透析におけるクエン酸抗凝固(CiCa抗凝固)のために、低い流量での特に正確な計量が必要とされる。
【0004】
単回使用のみを意図した膜ポンプデバイスを有する膜ポンプが既知である。これらの膜ポンプから成る膜ポンプデバイスは、使い捨てカセットとして構築され得、ここに弾性膜によって閉鎖された凹部が構築される。吸入段階中、ポンプチャンバからの流体流れが遮られ、圧力段階中、ポンプチャンバへの流体流れが遮られる。弾性膜は、単回使用を意図していない作動デバイスを用いて駆動され得る。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、膜ポンプが、非常に低い流量でも、例えばCiCa抗凝固のための溶液といった流体の特に正確な計量を可能にするように、上述の構造の膜ポンプを開発するという目的に基づいており、ここにおいて、一定の流体質量流量(fluid mass flow)が確保されることになる。特に、本発明は、そのような膜ポンプの膜ポンプデバイスの搬送精度を改善するという目的に基づいている。
【0006】
本発明のさらなる目的は、非常に低い流量でも一定の流体質量流量を有する、例えばCiCa抗凝固のための溶液といった流体の特に正確な計量を可能にする膜ポンプを有する血液処理装置、特に透析装置を提供することである。
【0007】
これらの目的は、独立請求項に記載の特徴を有する本発明にしたがって達成される。従属請求項は、本発明の有利な実施形態に関連する。
【0008】
本発明による膜ポンプデバイスは、ポンプチャンバ本体を有し、ここにポンプチャンバを形成するように弾性膜によって閉鎖された凹部が構築される。膜ポンプデバイスはさらに、ポンプチャンバの吸込開口部(inlet opening)に入口接続部(entry connection)を接続する内向き流れ通路(inward flow path)と、ポンプチャンバの吐出開口部(outlet opening)を出口接続部(exit connection)に接続する外向き流れ通路(outward flow path)とを備える。吸込バルブが内向き流れ通路に設けられ、吐出バルブが外向き流れ通路に設けられ、それにより内向き流れ通路および外向き流れ通路それぞれにおける液体の流量に影響を与えることができる。
【0009】
本発明は、特に、膜ポンプデバイスの圧力側にある吐出バルブの構成に関する。本発明による膜ポンプデバイスでは、吐出バルブは膜バルブ(membrane valve)であり、当該膜バルブは、その前面が膜に面するバルブシート(valve seat)が配置されたバルブチャンバを形成するように弾性膜によって閉鎖された凹部が構築されるバルブボディを有する。吐出バルブの開位置では、膜はバルブシートからやや離れて配置され、ここにおいて、バルブ流路がバルブシートを通る。閉位置では、吐出バルブが閉じるように膜がバルブシート上に載っている。
【0010】
ポンプチャンバの弾性膜および吐出バルブの弾性膜は、膜ポンプデバイスの共通の膜であり得る。しかしながら、別個の膜もまた設けられ得る。
【0011】
一定の低い流量を達成するために、液体流量の調節が必要である。しかしながら、そのような調節は、吐出バルブが膜バルブである膜ポンプデバイスの開発で特に困難であると証明されている。試験では、システムが振動する傾向にあることがわかった。
【0012】
本発明の前提条件は、休止位置では、膜がバルブ流路を閉じるように作動デバイスによって吐出バルブの膜に押圧が加えられるということである。例えば、圧力は、ばね装填されたラムによって加えられ得る。
【0013】
本発明による膜ポンプデバイスでは、外向き流れ通路が、ポンプチャンバの吐出開口部を吐出バルブのバルブチャンバの吸込開口部に接続する第1の外向き流路を備え、および吐出バルブ流路を出口接続部に接続する第2の外向き流路を備え、ここにおいて、吐出バルブシートの断面積は、吐出バルブシートを取り囲む吐出バルブチャンバの領域の断面積よりも小さいという点で、調節特性は決定的に改善される。この配置は、「機械的な負のフィードバック」をもたらし、これは流体流れを調節するのに有利である。
【0014】
ポンプストロークの開始時、ポンプチャンバ中の流体には圧力がかかっている。ポンプチャンバが第1の外向き流路を介して吐出バルブのバルブチャンバの吸込開口部と流体接続しているので、バルブシートを取り囲む膜の外面積は、流体による圧力を受ける。他方では、膜の内面積には圧力がかけられず、これは膜が内面積に関してバルブシート上に載っているからである。ポンプストロークにより、膜をバルブシートに押圧するばね装填されたラムのばね力は弱まることになる。バルブシートから膜が持ち上げられるとすぐに、膜の内面積もまた流体による圧力を受ける。しかしながら、吐出バルブシートの断面積がバルブシートを取り囲むバルブチャンバの領域の断面積よりも小さいということに起因して、膜の内面積が外面積よりも小さいので、膜がバルブシートによって押圧される力は、有効面積の比較的低い変化によりわずかにしか増加せず、その結果、ポンプ圧力が減少するにつれて、ばね装填されたラムの復元力は、迅速に再度優勢となる。試験では、その場合システムが振動する傾向にないことがわかった。
【0015】
バルブシートの形態は、吐出バルブの開口特性について決め手となるものではない。本発明の好ましい実施形態は、吐出バルブのバルブシートのために環状バルブシートを設ける。
【0016】
吸込バルブの構造は、吐出バルブの開口特性について決め手となるものではない。本発明の好ましい実施形態は、吸込バルブとしても膜バルブを設け、ここにおいて、両方のバルブが好ましくは同じ構造である。吸込バルブは、好ましくは、その前面が膜に面し、および吸込バルブの開位置では膜からやや離れて配置される吸込バルブシートが配置された吸込バルブチャンバを形成するように弾性膜によって閉鎖された凹部が構築される吸込バルブボディを有し、吸込バルブ流路が、吸込バルブシートを通る。ポンプチャンバおよび吸込ならびに吐出バルブは次に、共通の弾性膜を有し得る。
【0017】
好ましい実施形態では、膜ポンプデバイスまたは膜ポンプデバイスの一部は、膜ポンプのための作動デバイスとの使用を意図した、単回使用を意図したカセットとして構築される。しかしながら、使い捨てカセットとしての膜ポンプデバイスまたはその一部の構造は、吐出バルブの開口特性に不可欠なものではない。膜ポンプデバイスおよび作動デバイスはまた、使用中互いに分離できないデバイスでもあり得る。
【0018】
特に好ましい実施形態では、ポンプチャンバ本体および吸込バルブならびに吐出バルブボディは、カセットの1構成部品または複数構成部品のハウジング本体の構成要素であり、ここにおいて、ポンプチャンバの膜および吸込ならびに吐出バルブの膜は、作動デバイスのアセンブリ表面に結合されることができる取付け面上に配置される。
【0019】
本発明による膜ポンプは、本発明によるポンプデバイスおよび作動デバイスを備え、当該作動デバイスは、ポンプチャンバの膜が吸入構成と排出構成との間で変形可能となるように構築され、ここにおいて、吸込および吐出バルブは、流体が膜ポンプによって搬送されることができるように交互に開いたり閉じたりし得る。
【0020】
本発明の利点は、作動デバイスが、好ましくは、吐出バルブが閉じるように、吐出バルブの膜が吐出バルブシート上に載っている休止位置でばね装填された吐出バルブの膜を変形させるための吐出制御要素を有する吐出調整デバイスを有する膜ポンプにおいて特に明白であり、ここにおいて、吐出制御要素は、吐出バルブが開くように、休止位置から、吐出バルブの膜が吐出バルブシートからやや離れて配置される機能位置に移動され得る。
【0021】
吸込バルブを作動するために、作動デバイスは好ましくは、吸込バルブが閉じるように、吸込バルブの膜が吸込バルブシート上に載っている休止位置でばね装填された吸込バルブの膜を変形させるための吸込制御要素を有する対応する吸込調整デバイスを有し、ここにおいて、吸込制御要素は、吸込バルブが開くように、休止位置から、吸込バルブの膜が吸込バルブシートからやや離れて配置される機能位置に移動されることができる。
【0022】
作動デバイスはさらに好ましくは、吸込制御要素を作動するための作動流体を吸込調整デバイスに供給するための第1の作動流体ラインと、吐出制御要素を作動するための作動流体を吐出調整デバイスに供給するための第2の作動流体ラインとを有し、吸込調整デバイスは、好ましくは、第1の作動流体ラインの断面に影響を与えるための第1の作動流体バルブを有し、吐出調整デバイスは、第2の作動流体ラインの断面に影響を与えるための第2の作動流体バルブを有し、ここにおいて、第2の作動流体バルブは比例バルブとして構成され、第1の作動流体バルブは切替えバルブとして構成される。
【0023】
特に好ましい実施形態は、作動デバイスが、第1および第2の作動流体バルブが電気的に接続された制御デバイスを有することを提供し、ここにおいて、制御デバイスは、第2の作動流体バルブについての意図した圧力値が膜ポンプデバイスの流体質量流量の関数として決定されるように構成され、その結果、流体質量流量は、膜ポンプデバイスの排出段階中一定である。
【0024】
作動デバイスは、好ましくは、制御チャンバと、制御流体ラインの断面を変化させるために構築された制御流体バルブが配置された、制御流体で制御チャンバを満たすための制御流体ラインとを有し、ここにおいて、ポンプチャンバの膜は、制御流体で満たすことによって吸入構成または排出構成に変形可能である。流体質量流量を決定するために、制御デバイスに電気的に接続された制御流体圧力センサが好ましくは設けられ、ここにおいて、制御デバイスは、流体質量流量が制御流体圧力センサの圧力信号の関数として決定されるように構成される。
【0025】
膜ポンプは、医療技術で有利に使用されることができる。しかしながら、他の技術分野での使用中にも利点は現れる。特に好ましい使用は、医療用液体、特に抗凝固液を供給するための容器を有する、血液処理装置、特に透析装置において膜ポンプを使用することである。
【0026】
ポンプデバイスおよび作動デバイスを備える膜ポンプの実施形態は、下記に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】制御チャンバおよび調整デバイスを有する作動デバイスの一部の断面の図である。
【
図4】
図1による作動デバイスのための制御図である。
【
図7A】調節を用いる本発明による吐出バルブにおいて開口方向に吐出バルブに対して作用する力の図である。
【
図7B】調節を用いない本発明による吐出バルブにおいて開口方向に吐出バルブに対して作用する力の図である。
【
図7C】別の吐出バルブ配置において開口方向に吐出バルブに対して作用する力の図である。
【
図8A】「機械的な負のフィードバック」の場合の力の時間に対する推移の図である。
【
図8B】「機械的な正のフィードバック」の場合の力の時間に対する推移の図である。
【詳細な説明】
【0028】
作動デバイスおよび膜ポンプデバイスを有する本発明による膜ポンプの実施形態が、
図1~
図4を参照して初めに説明され、ここにおいて、膜ポンプのすべてのアセンブリが詳細に説明される。
【0029】
本発明に特に不可欠である膜ポンプの構成部品は、吐出バルブの図を用いた
図5および
図6、ならびに別の吐出バルブ配置と比較した開口方向にバルブの膜に対して作用する力の時間に対する推移を用いた
図7A~
図7Cを参照して説明される。
【0030】
図1に示される作動デバイス1は、
図2に示される膜ポンプデバイス2の機械的活性化のために設けられ、ここにおいて、作動デバイス1および膜ポンプデバイス2の機械的相互接続(図示せず)により、搬送される流体を作動デバイス1から完全に分離して、好ましくは液体流体の流体を搬送することが可能となる。
【0031】
図1の図によれば、作動デバイス1が、単に例として、
図1の図の平面に対して垂直に並べられて中心軸3を備える鏡映面に対して鏡面対称を伴って示されている。作動デバイス1は基体4を備え、これは、例として構造が長方形形状であり、特にプラスチックの射出成形として製造され得る。基体4の、例として平らに構築された上側5には、
図3に関連して下記により詳細に説明される制御アセンブリ6が取り付けられる。基体4の、例として少なくとも実質的に構造が平らの下側は、
図2に示され、また同様に下記により詳細に説明される膜ポンプデバイス2のためのアセンブリ表面7としての役割をする。
【0032】
図1の部分断面から見ることができるように、制御チャンバ8および調整デバイス9が基体4内に配置されている。このコンテキストでは、膜ポンプデバイス2内に構築された膜ポンプ200の膜201を作動するために制御チャンバ8が設けられる。調整デバイス9は、膜ポンプデバイス2内に同様に構築された膜バルブ202、203を作動する役割をする。
【0033】
制御チャンバ8は、例としてアセンブリ表面7に回転対称の凹部として構築され、ここにおいて、中心軸3は、制御チャンバ8の縦断面のための回転軸として提供されている。制御チャンバ8は、実質的に、椀形状の断面が設けられ、円形基底領域10、円錐断面のように成形された壁領域11、環状接触表面12、およびその隣接にある円錐断面のように成形された流出領域15を有する。基底領域10は、例として環状封止要素16の表面によって形成され、当該環状封止要素16は、制御チャンバ8に隣接する凹部17に挿入され、中心軸3に対してL字形状の縦断面を有する。封止要素16は、凹部17の反対側の内面(図示せず)上に円形円筒外面18と平らに置かれ、半径方向内向きに面する環状ショルダ19を短い方のL字アーム上に有し、当該環状ショルダ19は、中心軸3に対して回転対称に構築された流路部20の外面上の接触部を封止するために設けられている。封止要素16および流路部20の明瞭な配置を確実にするために、凹部17は半径方向内向きに突出した環状ショルダ21を有し、ここに封止要素16の軸方向の環状前面22がポジティブロッキング(positive locking)で置かれている。次に前面22上に段差23を伴い流路部20が置かれている。中央の凹部24、25は、封止要素16および流路部20の両方それぞれを通り、制御流体ライン33の構成要素としてみなされるべきである。
【0034】
制御チャンバ8には成形体26が収容され、これは、単に例として、中心軸3に対して回転対称に構築され、球殻部分として実質的に構成された本体27、これから半径方向外向きに突出した環状ショルダ28、および中心軸3に対して同軸に並べられた支持リング29を備える。中央に配置された凹部30は、支持リング29から離れて面する表面上に球面キャロット(spherical calotte)のように成形された取付け面31を形成する本体27を通る。
【0035】
環状ショルダ28は、制御チャンバ8の接触表面12に隣接するが、支持リング29は、前面上の制御チャンバ8の基底領域10上に支持されている。取付け面31は、膜作動領域32と呼ばれる空間部分のための境界としての役割をし、膜ポンプデバイス2が作動デバイス1に取り付けられたときに膜ポンプ200の膜201の変形を制限する。成形体26の凹部30は、制御流体開口部34としての役割をする。
【0036】
制御チャンバ8に隣接して、例として流体によって動作され得るリニアアクタ(linear actor)である調整デバイス9が基体4内に配置される。例として、調整デバイス9は、凹部37に直線的に移動可能に収容され、かつ膜ポンプデバイス2の膜バルブ202、203の作動のために設けられた制御要素38を備える。制御要素38は、例として、加圧された流体の供給がなく、ばね(図示せず)の作用によって、休止位置(図示せず)に変位される。
図1の図によれば、制御要素38は、加圧された流体の供給によって機能位置にある。制御要素38は、円筒ラム39を備え、その縦軸40は、アセンブリ表面7に対して横方向に並べられている。ラム39は、接続プレート41に後端部領域で取り付けられ、プレートの形状で構築された封止膜43上に前端部領域42で固定される。接続プレート41は、単に例として円板の形状で構築され、ラム39が中央に取り付けられる前側44には、半径方向外向きに置かれた領域に環状支持リング45を有し、これはラム39と同じ方向に突出する。
図1の図から見ることができるように、支持リング45はU字形状の断面を有し、これは、中央に配置された円周溝46を有し、および封止リング48に隣接する前側44から離れて面する凸状に湾曲した支持表面47を有する。
【0037】
封止リング48は、ラム39に対して同軸にかつ縦軸40に対して回転対称に構築され、半径方向内向きおよび半径方向外向きにそれぞれ置かれた環状封止ビード49、50を有する。半径方向内向きに置かれた封止ビード49は、基体4内の溝形状の円周の窪み51に収容され、単に例としてねじ付きリング52によって基体4上に固定され、当該ねじ付きリング52は、縦軸40に対して同軸に構築され、かつラム39のための凹部53が設けられた、基体4のねじ首54にねじ止めされている。同じように、外側に置かれた封止ビード50は、ねじ付きリング55によって基体4上に同様に固定され、当該ねじ付きリング55は、基体4上に構築された雌ねじ57に雄ねじ56でねじ止めされている。
【0038】
内側封止ビード49と外側封止ビード50との間の領域において、環状凹部60が、支持リング45と反対側の基体4に組み込まれ、それは
図1の図によれば、縦軸40に沿いかつ下方への制御要素38の直線移動を可能にする。基体4上に封止的に固定された封止リング48は、環状凹部60とともに、作動流体流路58の端部領域を表し、かつ加圧された流体が供給され得る作動空間を決定する。この作動空間をそのように供給している間、制御要素は、封止リング48の弾性変形により、休止位置(図示せず)から
図1による機能位置に変位される。この手段によって、封止膜43も変形され、アセンブリ表面7から突出する位置から、表面と少なくとも実質的に同一平面である
図1による位置にもってこられ得る。休止位置では封止膜43が膜ポンプデバイス2の特定の割り当てられた膜バルブ202、203に隣接し、それにより膜バルブ202、203を開位置から閉位置にもってくることがここで提供される。加圧された流体で作動空間が満たされると、
図1による機能位置への制御要素38の関連する変位により、
図3にも図形式で示されるように、膜ポンプデバイス2の特定の割り当てられた膜バルブ202、203のための開口部移動30が行われる。
【0039】
封止膜43は、ラム39に面する上側61に環状ショルダ62を有し、当該環状ショルダ62には、前端部領域42上に構築された環状溝64にポジティブロッキングによって係合する、半径方向内向きに面する突出部63が設けられている。ラム39と封止膜43との間のこのポジティブロッキング接続によって、ラム39から封止膜43へまたその逆の力の双方向伝達が可能にされる。封止膜43上に半径方向外向きに置かれた円周領域で、これには1ピースとして形成された同軸に突出する保持リング65が設けられ、これは縦軸40に対して同軸に溝のように基体4に組み込まれた環状溝66に非ポジティブに固定され、その結果、封止膜43は、移動空間59と作動デバイスの周囲との間の流体分離を確実にする。
【0040】
図2は、膜ポンプデバイス2の断面を単に図形式で示し、これは作動デバイス1への結合のために構築され、入口接続部204において供給された流体を出口接続部205に搬送するために使用され得る。例として、膜ポンプデバイス2は、凹部208を有する下側207から設けられる長方形ベースプレート206を備える。凹部208は、下側207から取り付けられ、かつ下側207から離れて面する中央領域に支持突出部211を有する閉鎖プレート210で少なくとも最大限充填され、当該支持突出部211は、上側209の方向に延在し、下側207から離れて面する前面212上に凹状部、特にキャロット貝殻形状の形態を有する。それによって、ポンプデバイス2のハウジング本体254の一部であるポンプチャンバ本体253内にポンプチャンバ252が形成される。ベースプレート206の凹部208は、閉鎖プレート210のアセンブリがベースプレート206に入った後に、溝のような内向き流路213および溝のような外向き流路214が形成されるように構築され、それらは各々、上側209の方向に支持突出部211に隣接する排出開口部215、216において開く。支持突出部211から離れて面する端部領域において、内向き流路213は、第1の膜バルブ202の、例として円筒状に構築されたバルブチャンバ217に通じており、同じように、外向き流路214は、支持突出部211から離れて面する端部領域において、第2の膜バルブ203の、例として円筒状に構築されたバルブチャンバ218に通じている。
【0041】
第1の膜バルブ202は、入口接続部204、バルブチャンバ217、および内向き流路213を備える、内向き流れ通路219に影響を与えるための吸込バルブとして設けられる。このために、環状構造のバルブシート220であって、その前面221がベースプレート206の上側209からやや離れて配置され、バルブ流路222が中央を通るバルブシート220が、バルブチャンバ217内に配置される。対照的に、バルブチャンバ217と内向き流路213との間の流体連通接続が、半径方向外向きに置かれたバルブチャンバ217の領域で実現される。
【0042】
第2の膜バルブ203は、出口接続部205、バルブチャンバ218、および外向き流路214を備える、外向き流れ通路223に影響を与えるための吐出バルブとして設けられる。このために、バルブ流路240が中央を通る環状構造のバルブシート224がバルブチャンバ218内に配置される。バルブシート224の前面は、ベースプレート206の上側209からやや離れて配置される。バルブシート224は、バルブチャンバによって同心円状に取り囲まれ、ここにおいて、外向き流路214は、膜ポンプ200の排出開口部216、すなわちその吐出開口部を、バルブチャンバ218に接続する。バルブチャンバ218と出口接続部205との間の流体連通接続が、半径方向外側に置かれたバルブチャンバ218の領域で実現される。外向き流れ通路223は、吐出バルブ203に通じる第1の外向き流路214に加えて、吐出バルブ203から遠ざかり、かつバルブ流路240に接続される第2の外向き流路214Aを備える。第2の外向き流路214Aは、バルブ流路240を出口接続部205に接続する。
【0043】
単に例として、ベースプレート206の上側209全体は、例えば、上側209に係止する材料によって固定されたゴム製の弾性膜201で覆われ、それゆえバルブチャンバ217、218と膜ポンプデバイス2の周囲との間の流体分離を確実にする。膜201はさらに、凹部208および支持突出部211ならびに膜201が境界となっているポンプチャンバ227を、膜ポンプデバイス2の周囲から分離する役割もする。
【0044】
膜ポンプデバイス2が作動デバイス1に取り付けられると、例えば
図1に示される第1の調整デバイス9を用いて、バルブシート220を介して膜201の変形が実行され得、それによりバルブシート220の前面221に膜201を押圧して局部的な封止を形成し、それゆえ入口接続部204と内向き流路213との間の流体連通接続を遮る。さらに、
図1に示される調整デバイスの鏡面図だが明確さのため
図1には示されていない第2の調整デバイス9(14)を用いて、バルブシート224を介して膜201の変形が実行され得、それによりバルブシート224の前面225に膜201を押圧して局部的な封止を形成し、それゆえ第1の外向き流路214と出口接続部205との間の流体連通接続を遮る。
【0045】
さらに、支持突出部211の上のポンプチャンバ227の領域では、膜201は、好適に凹部30を制御流体で満たすことまたは減圧によって、
図2に示されるニュートラル位置(neutral position)から、単に
図3の図形式で示される凸状の吸入構成に、または単に
図3の図形式で示される凹状の排出構成にもってこられ得る。
【0046】
既に上述されたように、
図3に示される作動デバイス1は、単に例として基体4および制御アセンブリ6に分けられ、ここにおいて、基体4に含まれる構成部品は、
図1に関連して上で包括的に既に説明されている。
【0047】
制御アセンブリ6は、例えばマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラとして構築され得、かつ定義可能な処理プログラムを実行するように構築された制御デバイス70を備える。例として、制御デバイス70がインターフェース71を介して、例えばプログラム可能な制御であり得るより高レベルの制御デバイス(図示せず)と電気的に接続するようになり得ることが提供され得、その結果、より高レベルの制御デバイスが、制御デバイス70に制御コマンドを提供し得る。代替的に、制御デバイス70が外部コマンドを用いずに自足して動作し、好適に下記により詳細に説明される構成部品を活性化し得ることが提供され得る。これらの構成部品は、一方では制御チャンバ8に制御流体を供給するための制御流体配置72であり、他方では、吸込調整デバイス9および吐出調整デバイス14と呼ばれる2つの調整デバイス9、14(図形式で図示)に作動流体を供給するための作動流体配置73である。
【0048】
制御流体配置72は、第1の制御流体バルブ74および第2の制御流体バルブ75を備え、それらは例として、ソレノイドバルブ(solenoid valve)として各々構築され得、制御デバイス70に制御リード76、77を介して電気的に接続される。第1の制御流体バルブ74は、制御チャンバ8に通じている第1の制御流体ライン33を介して第1の制御流体開口部34と流体連通接続している。さらに、第1の制御流体バルブ74は、第1の制御流体接続部78と流体連通接続しており、第1の制御流体接続部78と第1の制御流体開口部34との間の流体連通接続の選択的な開放または遮断を可能にする。
【0049】
第2の制御流体バルブ75は、制御チャンバ8に通じている第2の制御流体ライン35を介して第2の制御流体開口部36と流体連通接続している。さらに、第2の制御流体バルブ75は、第2の制御流体接続部79と流体連通接続しており、第2の制御流体接続部79と第2の制御流体開口部36との間の流体連通接続の選択的な開放または遮断を可能にする。
【0050】
好ましくは、圧縮空気源(図示せず)が第1の制御流体接続部78に接続されて、真空源(図示せず)が第2の制御流体接続部79に接続されることが提供される。
図2に示される膜ポンプデバイス2は、
図3に示される作動デバイス1に取り付けられ、2つの制御流体バルブ74および75の好適な、好ましくは交互の、特に循環的に繰り返す活性化によって、一連の加圧および減圧が制御チャンバ8のために実施され得、その結果、膜ポンプ200の膜201は、ニュートラル位置180から、最初に凸状に湾曲した吸入位置181に、次いで凹状に湾曲した排出位置182にもってこられ得る。膜ポンプ200の膜201のこの交互する変形によって、膜ポンプ200に収容された流体のために送出ストロークが実施され、その結果、膜バルブ202および203の好適な活性化で、これは入口接続部204から出口接続部200に搬送され得る。2つの膜バルブ202および203のこの活性化を実施することができるようにするために、吸込調整デバイスおよび吐出調整デバイス9および14が設けられ、これらは各々、膜201の反対部分上の割り当てられた吸込制御要素38および吐出制御要素38と動き得、それにより特定のバルブシート220、224上への膜201の取付けの封止、または特定のバルブシート220、224の開放を選択的に可能にする。
【0051】
この目的のために、単に例として内向き流路213に割り当てられた膜バルブ202に影響を与えるために設けられた吸込調整デバイス9は、制御デバイス70に制御リード83を介して接続された第1の作動流体バルブ81を備え、それにより作動流体バルブ81の電気的な活性化を可能にする。さらに、作動流体バルブ81は、第1の制御流体接続部78と流体接続しており、第1の調整デバイス9に第1の作動流体ライン85を介した流体連通で結合される。したがって、特に3/2方向のソレノイドバルブであり得る作動流体バルブ81は、加圧された作動流体を吸込調整デバイス9に供給すること、または調整デバイス9の排気(venting)を選択的に実施し得、ここにおいて、第1の排気流路87を介して第1の消音器89へ排気が行われる。
【0052】
封止膜が下向きに撓んでいるニュートラル位置に封止膜43があるとき、封止膜は、膜ポンプデバイス2の、下面に取り付けられ得る膜201をバルブシート220に押圧し、この結果、内向き流路213が閉じる。
図1の図から見ることができるように、加圧された流体で第1の調整デバイス9を満たすことは、作動空間58内のラム39の調整移動につながり、この結果、封止膜43は、ニュートラル位置から、封止膜43がハウジングと少なくともほぼ同じ高さである機能位置にもってこられ、その結果、膜ポンプデバイス2の膜201は、その弾性特性によりバルブシート220から持ち上げられ、その結果、内向き流路213は開放される。単に例として外向き流路214に割り当てられた膜バルブ203に影響を与えるために設けられた吐出調整デバイス14は、制御デバイス70に制御リード84を介して接続された第2の作動流体バルブ82を備え、それにより作動流体バルブ82の電気的な活性化を可能にする。さらに、作動流体バルブ82は、第1の制御流体接続部78と流体接続しており、吐出調整デバイス14に第2の作動流体ライン86を介した流体連通で結合される。したがって、特に3/3方向のピエゾ圧力レギュレータバルブであり得る作動流体バルブ82は、加圧された作動流体を第2の調整デバイス14に供給すること、または第2の調整デバイス14の排気を選択的に実施し得、ここにおいて、第2の排気流路88を介して第2の消音器90へ排気が行われる。
【0053】
図1の図から見ることができるように、加圧された流体で吐出調整デバイス14を満たすことは、ラム39の調整移動につながり、その結果、封止膜43は、
図1のニュートラル位置で下向きに撓み、膜ポンプデバイス2の、下面に取り付けられ得る膜201をバルブシート224に押圧し、その結果、外向き流路214のために遮断効果が引き起こされて、
図1に示されるように封止膜43が少なくともほぼ平らである機能位置にもってこられ得、その結果、膜ポンプデバイス2の、下面に取り付けられ得る膜201は、その弾性特性によりバルブシート224から持ち上げられ、外向き流路214を開放する。
【0054】
制御チャンバ8内の圧力を調節するために、圧力センサ91が設けられ、これは、制御デバイス70にセンサリード92を介して電気的に接続され、単に例として、流体ライン94によって第1の制御流体ライン33と流体連通接続している。これによって圧力センサ91は、制御チャンバ8に存在する流体圧力を決定し、これを電気信号として、センサリード92を介して制御デバイス70に送信し得る。
【0055】
例として、第2の作動流体バルブ82には追加的に圧力センサ93が割り当てられ、これは、単に例として第2の作動流体バルブ82に一体化されており、割り当てられた第2の制御リード84を介して制御デバイス70に電気的に接続される。
【0056】
図4は、厳密に図形式で、活性化信号101~104のフローのモデルを示し、これら信号は、制御デバイス70の作動デバイス1の個々の構成部品を活性化するために供給される。このコンテキストでは、信号レベルも時間部分も縮尺通りに選択されていない。
【0057】
時間t0では、制御デバイス70によっていずれの活性化信号も送られていない。それゆえ2つの調整デバイス9、14は各々、割り当てられた制御要素38により特定の封止膜43が各アセンブリ表面7から突出することが可能となる休止位置にあり、それゆえ特定の反対の膜バルブ202、203の膜の変形が確実にされる。これは、膜バルブ202、203の一点短鎖線の膜を用いて
図3から見ることができる。それゆえこの時点では、内向き流路213および外向き流路214の両方は遮断される。
【0058】
時間t1において、制御デバイス70は、第1の作動流体バルブ81のための活性化信号100を送り、その結果、これは排気位置から給気位置(aerating position)に切り替えられ、吸込調整デバイス9の加圧が行われる。加圧により、吸込調整デバイス9のラム39は、封止膜43がアセンブリ表面7から突出する、
図3によるニュートラル位置から出て、割り当てられた膜バルブ202の、
図3の一点短鎖線によって示される膜は、
図3の破線によって示される機能位置に変形される。この結果、
図3の破線によって示されるように、膜ポンプデバイス2の、反対側に取り付けられ得る膜バルブ202は開き、少なくとも原理上、入口接続部204から膜ポンプ200への流体の内向き流れを可能にする。
【0059】
時間t2において、制御回路70は、第2の制御流体バルブ75に活性化信号101を送り、その結果、これは遮断位置から開放位置に切り替えられ、制御チャンバ8の減圧が行われる。この減圧によって、膜ポンプ200の膜201は、制御チャンバ8に吸い込まれ、成形体26の取付け面31上に置かれ、その結果それは凸状に湾曲した吸入位置181をとる。この時点で、膜ポンプ200のポンプチャンバ227は最大容積を有し、ここにおいて、膜201の変形の間に、搬送される流体は、入口接続部204からポンプチャンバ227に吸い込まれる。
【0060】
時間t3において、制御回路70は、第1の作動流体バルブ81のための活性化信号100をスイッチオフし、その結果、これは給気位置から排気位置に切り替えられ、吸込調整デバイス9の加圧が終了する。結果として、吸込調整デバイス9のラム39は、特に復元ばね(図示せず)のばね作用により、
図1に示される機能位置から、
図3の一点短鎖線によって示される、アセンブリ表面7から突出するニュートラル位置に移動し、その結果、膜ポンプデバイス2の、反対側に取り付けられ得る膜バルブ202は閉じる。この時点t3において、膜ポンプデバイス2における内向き流路213が遮断され、膜ポンプ200のポンプチャンバ227からの流体の漏れが防止される。
【0061】
時点t4において、活性化信号101は制御回路70によってスイッチオフされ、その結果、第2の制御流体バルブ75は再度遮断位置をとり、制御チャンバ8は最初にこの時点t4からの一定の減圧を有する。
【0062】
時間t5において、制御回路70は、第1の制御流体バルブ74に活性化信号102を送り、その結果、これは遮断位置から開放位置に切り替えられ、制御チャンバ8の加圧が行われる。この加圧によって、膜ポンプ200に収容された流体は追加的に圧力がかかるようになる。好ましくは、制御チャンバ8内の圧力は、この後の排出動作中に、凸状に湾曲した吸入位置181から凹状に湾曲した排出位置への膜ポンプ200の膜201の完全な変形が行われるようにするものであり、その結果、最大量の流体が膜ポンプ200を用いて搬送されることができる。
【0063】
時点t6において、活性化信号102は制御回路70によってスイッチオフされ、その結果、第1の制御流体バルブ74は再度遮断位置をとる。
【0064】
時点t7において、制御回路70は、第2の作動流体バルブ82に活性化信号103を供給し、その結果これは、吐出調整デバイス14に関連するラム39の調節された調整運動を行い得る。このコンテキストでは、活性化信号103は、オブザーバアルゴリズム(observer algorithm)を用いて制御回路70内の圧力センサ91からの圧力信号の関数として計算され、それにより、例えば、膜ポンプ200から出口接続部205への、可能な限り一定の流体質量流量をもたらす。
【0065】
したがってラム39の位置は、流体搬送動作中、動的に変化し、ここにおいて、膜バルブ203は、比例バルブの様式で動作される。制御チャンバ8内の圧力の増加により、膜ポンプ200のポンプチャンバ227内の流体は出口接続部205に押され、この動作は好ましくは、膜201が支持突出部211の前面212上に平らに置かれるまで持続し、それゆえポンプチャンバ227は少なくともほぼ完全に空にされる。
【0066】
時点t8において、制御回路70は活性化信号103をスイッチオフし、その結果この時点では、膜ポンプ200のための搬送動作は終了し、新たな搬送動作が始まり得る。
【0067】
図5は、本発明による吐出バルブ203の図を示し、ここにおいて、バルブ203の個々の構成部品には、
図1~
図4と同じ参照記号のラベルが付されている。供給ラインおよび除去ラインを有するこの吐出バルブ配置は、「機械的な負のフィードバック」を有するバルブ配置と呼ばれる。
【0068】
本図には、吐出制御要素38を有する吐出調整デバイス14がラム251によって示されており、当該ラム251には、吐出バルブ203の弾性膜201に押圧力Fをかけるばね250が予め装填されている。ラムは膜に力Fをかけ、当該力Fは、ばねの押圧力F
Fと、ラム251に対してばね力に抗して吐出調整デバイス14によってかけられ得る力F
Sとの間の差に対応し、それにより吐出バルブシート225からラムを持ち上げる。ばね250は、吐出バルブ203が閉じている休止位置にラム251を保持し、すなわち、ラムは膜201をバルブシート225に押圧する。
図5には、休止位置にある吐出バルブ203が示されている。機能位置では、ラムはバルブシートに膜を押圧せず、その結果、吐出バルブは開いている。
【0069】
吐出バルブ203のバルブチャンバ218は、ポンプデバイス2のハウジング本体254の一部であるバルブボディ254A内に構築される。外向き流れ通路223は、ポンプチャンバ252から吐出バルブ203のバルブチャンバ218に通じる第1の外向き流路204と、吐出バルブ流路240から出口接続部205に通じる第2の外向き流路204Aとを備える。吐出バルブシート225および吐出バルブ流路240の断面積は、吐出バルブシート225を取り囲む吐出バルブチャンバ218の領域の断面積よりも小さい。その結果として、バルブシートを取り囲む膜201の外面積A
1は、バルブシート225上に置かれる膜201の内面積A
2よりも大きく、これは
図5に示されている。
【0070】
ポンプストロークの開始時、ポンプチャンバ252中の流体は圧力がかかっている。ポンプチャンバ252が第1の外向き流路204Aを介して吐出バルブ203のバルブチャンバ225と流体接続しているので、バルブシート225を取り囲む膜201の外面積A1は、流体による圧力を受ける。それゆえ、流体の圧力pと膜201の外面積A1の積に対応する力F1が、膜201の外面積A1に対して作用する。他方で、膜201の内面積A2は圧力を受けず、これは、膜が依然として、内面積に関して吐出バルブの休止位置に対応する、バルブシート上に置かれるからである。
【0071】
ポンプストローク中、ラム251は、ばね250の押圧力に抗して流入流体から持ち上げられ、ここにおいて、吐出バルブ203の開口後、流入流体の圧力pは減少する。ポンプストロークの開始時、膜201をバルブシート225に押圧するラム251のばね力が初めに弱まることになる。この力は、流体によってラムにかけられている膜の外面積A1と流体の圧力pの積に対応する力だけ弱まる。膜がバルブシートから持ち上げられるとすぐに、膜201の内面積A2もまた流体による圧力を受ける。しかしながら膜の内面積A2が外面積A1よりも小さいので、膜がバルブシートによって押圧される力は、有効面積の比較的小さい変化によりわずかにしか増加せず、その結果、ポンプ圧力が減少するにつれて、ばね装填されたラムの復元力が迅速に再度優勢となる。それゆえ吐出バルブ203は、絶えず搬送し続けるために、ポンプストロークが進むにつれてラムに対する作動力を増加し続けることを必要とする挙動を開口時に発現する。
【0072】
図6は、比較となる例として、別の吐出バルブ配置を示し、ここで、外向き流れ通路223が、ポンプチャンバ252の吐出開口部を吐出バルブ流路240に接続する第1の外向き流路214を備え、および吐出バルブチャンバ218を出口接続部205に接続する第2の外向き流路214Aを備え、ここにおいて、吐出バルブシート225の断面積は、バルブシートを取り囲むバルブチャンバ218の領域の断面積よりも小さい。この場合を、「機械的な正のフィードバック」と呼ぶ。このような配置では、膜201がバルブシートから持ち上げられたとき、有効面積の変化が「機械的な負のフィードバック」の場合よりも大きい。その結果として、膜を持ち上げるときの動的圧力は、さらにより大きい面積に対して作用する。この有効面積の著しくより大きい変化により、流体によってラムにかけられる力が優勢となる。それゆえ吐出バルブは、絶えず搬送し続けるために、ポンプストロークが進むにつれてラムに対する作動力を減少し続けることを必要とする挙動を開口時に発現する。これは、バルブシートからラムを持ち上げるために力が初めに高められる必要がある概念とは反対である。このようなバルブ配置は、調節可能でない挙動に向かう傾向にあることがわかった。試験では振動がみられた。
【0073】
図7Aは、本発明による吐出バルブ配置(
図5)について、
図1~
図4を参照して説明されたような液体の流量の調節が行われない場合の、開口方向にラム251に作用する力の時間に対する推移を示す。力が比較的迅速にゼロに降下することがわかる。
図7Bは、本発明による吐出バルブ配置(
図5)において、一定の流量を確保するために、
図1~
図4を参照して説明された液体の流量の調節を伴う、開口方向にラムに作用する力の時間に対する推移を示し、
図7Cは、「機械的な正のフィードバック」(
図6)の場合の、時間の関数として開口方向にラムに作用する力を示す。「機械的な正のフィードバック」(
図6)の場合と対照的に、「機械的な負のフィードバック」(
図5)の場合では明らかに一様の推移がみられる。「機械的な正のフィードバック」(
図6)の場合では、最大値とゼロとの間で力の周期的な増加と減少がみられる。
【0074】
上述された「機械的な負のフィードバック」と「機械的な正のフィードバック」との相違が、
図8Aおよび
図8Bを参照して再度説明される。
【0075】
バルブを開く力は、2つの内容、FS(制御流体)とFA(作動流体)とに分けられ得る。ばね力が FF=FS+FA のとき流れが起きる。これは、押圧力がバルブシートに何もかけられていない状態である。
【0076】
図8Aは、「機械的な負のフィードバック」の場合について、時間に対する力F
F、F
S、F
Aの推移を示す。「機械的な負のフィードバック」の間、ばね力F
Fに反作用する力F
SおよびF
Aがそれぞれ増加および減少する。ポンプストローク中、力F
Sは単調に増加し、力F
Aは単調に減少する。調節によりF
Sが単調に増加することが可能となるので、一様の連続流が発生される。
【0077】
図8Aは、「機械的な正のフィードバック」の場合を示し、ここで、上述の面積比により、力F
Aの短時間の増加がバルブの開口時にみられる。その場合この力の増加は、調節システムによってドライブの制御チャンバ内の圧力を低下させることによって補償されなければならない。レギュレータは、バルブが再度閉じる程度までF
Sを低下させる。時間に対する力F
AおよびF
Sの推移は、ポンプストローク中単調に続かない。流量は、「高流量」と「流れなし」との間を絶えず変化する。
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
流体、特に血液処理のための医療用液体を搬送するための膜ポンプデバイスであって、
ポンプチャンバを形成するように弾性膜によって閉鎖された凹部が構築されるポンプチャンバ本体と、
入口接続部を前記ポンプチャンバの吸込開口部に接続する内向き流れ通路と、
前記ポンプチャンバの吐出開口部を出口接続部に接続する外向き流れ通路と、
前記内向き流れ通路における液体の流量に影響を与えるために前記内向き流れ通路に設けられた吸込バルブ、および前記外向き流れ通路における液体の流量に影響を与えるために前記外向き流れ通路に設けられた吐出バルブと、
を有し、
前記吐出バルブが、吐出バルブシートが配置された吐出バルブチャンバを形成するように弾性膜によって閉鎖された凹部が構築される吐出バルブボディを有する膜バルブであり、その前面が、前記膜に面し、および前記吐出バルブの開位置では前記膜からやや離れて配置され、ここにおいて、吐出バルブ流路が、前記吐出バルブシートを通り、
前記外向き流れ通路が、前記ポンプチャンバの前記吐出開口部を前記吐出バルブチャンバに直接接続する第1の外向き流路を備え、および前記弾性膜で閉鎖可能である前記吐出バルブ流路を前記出口接続部に接続する第2の外向き流路を備え、
前記吐出バルブシートの断面積が、前記吐出バルブシートを取り囲む前記吐出バルブチャンバの領域の断面積よりも小さい
ことを特徴とする、膜ポンプデバイス。
[
C2]
前記吐出バルブシートが環状バルブシートであることを特徴とする、C1に記載の膜ポンプデバイス。
[
C3]
前記吸込バルブが、吸込バルブシートが配置された吸込バルブチャンバを形成するように弾性膜によって閉鎖された凹部が構築される吸込バルブボディを有する膜バルブであり、その前面が、前記膜に面し、および前記吸込バルブの開位置では前記膜からやや離れて配置され、ここにおいて、吸込バルブ流路が、前記吸込バルブシートを通り、
前記内向き流れ通路が、前記入口接続部を前記吸込バルブ流路に直接接続する第1の吸込流路を備え、および前記可撓性膜で閉鎖可能である前記吸込バルブチャンバを前記ポンプチャンバの前記吸込開口部に接続する第2の吸込流路を備える
ことを特徴とする、C1または2に記載の膜ポンプデバイス。
[
C4]
前記吸込バルブシートが環状バルブシートであることを特徴とする、C3に記載の膜ポンプデバイス。
[
C5]
前記膜ポンプデバイスまたは前記膜ポンプデバイスの一部が、膜ポンプの作動デバイスとの使用を意図した、単回使用を意図したカセットとして構築されることを特徴とする、C3または4に記載の膜ポンプデバイス。
[
C6]
前記ポンプチャンバ本体および前記吸込バルブならびに吐出バルブボディが、前記カセットの1構成部品または複数構成部品のハウジング本体の構成要素であることを特徴とし、ここにおいて、前記ポンプチャンバの前記膜および前記吸込ならびに吐出バルブの前記膜は、前記作動デバイスのアセンブリ表面に結合されることができる取付け面上に配置される、C5に記載の膜ポンプデバイス。
[
C7]
C3~6のいずれか一項に記載のポンプデバイスおよび作動デバイスを有する膜ポンプであって、前記作動デバイスは、前記ポンプチャンバの前記膜が吸入構成と排出構成との間で変形可能となるように構築され、前記吸込および吐出バルブは、流体が前記膜ポンプによって搬送されることができるように交互に開いたり閉じたりすることができる、膜ポンプ。
[
C8]
前記作動デバイスが、前記吐出バルブが閉じるように、前記吐出バルブの前記膜が前記吐出バルブシート上に載っている休止位置でばね装填された前記吐出バルブの前記膜を変形させるための吐出制御要素を有する吐出調整デバイスを有することを特徴とし、ここにおいて、前記吐出制御要素は、前記吐出バルブが開くように、前記休止位置から、前記吐出バルブの前記膜が前記吐出バルブシートからやや離れて配置される機能位置に移動されることができる、C7に記載の膜ポンプ。
[
C9]
前記作動デバイスが、前記吸込バルブが閉じるように、前記吸込バルブの前記膜が前記吸込バルブシート上に載っている休止位置でばね装填された前記吸込バルブの前記膜を変形させるための吸込制御要素を有する吸込調整デバイスを有することを特徴とし、ここにおいて、前記吸込制御要素は、前記吸込バルブが開くように、前記休止位置から、前記吸込バルブの前記膜が前記吸込バルブシートからやや離れて配置される機能位置に移動されることができる、C7または8に記載の膜ポンプ。
[
C10]
前記作動デバイスが、前記吸込制御要素を作動するための作動流体を前記吸込調整デバイスに供給するための第1の作動流体ラインと、前記吐出制御要素を作動するための作動流体を前記吐出調整デバイスに供給するための第2の作動流体ラインとを有すること、および前記吸込調整デバイスが、前記第1の作動流体ラインの断面に影響を与えるための第1の作動流体バルブを有し、前記吐出調整デバイスが、前記第2の作動流体ラインの断面に影響を与えるための第2の作動流体バルブを有することを特徴とし、ここにおいて、前記第1の作動流体バルブは、切替えバルブとして構築され、前記第2の作動流体バルブは、比例バルブとして構築される、C9に記載の膜ポンプ。
[
C11]
前記作動デバイスが、前記第1および第2の作動流体バルブが電気的に接続された制御デバイスを有することを特徴とし、ここにおいて、前記制御デバイスは、前記第2の作動流体バルブについての意図した圧力値が前記膜ポンプデバイスの流体質量流量の関数として決定されるように構成され、その結果、前記流体質量流量は、前記膜ポンプデバイスの排出段階中一定である、C10に記載の膜ポンプ。
[
C12]
前記作動デバイスが、制御チャンバと、制御流体ラインの断面を変化させるために構築された制御流体バルブが配置された、制御流体で前記制御チャンバを満たすための前記制御流体ラインとを有することを特徴とし、ここにおいて、前記ポンプチャンバの前記膜は、前記制御流体で満たすことによって吸入構成または排出構成に変形可能である、C7~11のいずれか一項に記載の膜ポンプ。
[
C13]
前記制御デバイスに電気的に接続された制御流体圧力センサが設けられることを特徴とし、ここにおいて、前記制御デバイスは、前記流体質量流量が前記制御流体圧力センサの圧力信号の関数として発生されるように構成される、C12に記載の膜ポンプ。
[
C14]
血液処理装置、特に透析装置であって、医療用液体、特に抗凝固液を供給するための容器および前記医療用液体を搬送するためのC7~13のいずれか一項に記載の膜ポンプを有する血液処理装置。