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▶ ドリーム チップ テクロノジーズ ゲー・エム・ベー・ハーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】モジュール式の光学撮影システム
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20210101AFI20221003BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20221003BHJP
   G03B 17/14 20210101ALI20221003BHJP
   G03B 15/03 20210101ALI20221003BHJP
   G03B 15/05 20210101ALI20221003BHJP
   G03B 5/08 20210101ALI20221003BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20221003BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
G03B17/02
G03B5/00 J
G03B17/14
G03B15/03 F
G03B15/05
G03B5/08
H04N5/225 100
H04N5/232 480
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019561355
(86)(22)【出願日】2018-01-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2018052174
(87)【国際公開番号】W WO2018138364
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-26
(31)【優先権主張番号】102017000889.2
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520150050
【氏名又は名称】ドリーム チップ テクロノジーズ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Dream Chip Technologies GmbH
【住所又は居所原語表記】Steinriede 10, 30827 Garbsen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン オーヴァーマン
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-262092(JP,A)
【文献】特開2016-138928(JP,A)
【文献】特開2009-092901(JP,A)
【文献】特開2015-210392(JP,A)
【文献】特開2015-061230(JP,A)
【文献】特開2009-109665(JP,A)
【文献】特開2007-006159(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0303379(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101204084(CN,A)
【文献】特開2007-078873(JP,A)
【文献】特開2004-151251(JP,A)
【文献】特開2015-082072(JP,A)
【文献】特許第3222174(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/02
G03B 5/00-5/08
G03B 17/14
G03B 15/03
G03B 15/05
G03B 5/08
H04N 5/225
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング構造の領域内に配置すべき光学的な観察機器と、
フランジバック(AM;AM’)を調節するための少なくとも1つの機能ユニット(ABF;ABF’;ABF3)とを備えた、画像撮影、画像安定化および画像補正のためのシステム構造であって、
前記システム構造は、イメージング面(107;107’)を含む画像撮影ユニット(15;15’)を含む観察ユニット(VU)と、機械的なベース(20)とを備えた観察機構(3;3’)を含んでおり、前記観察ユニット(VU)が前記機械的なベース(20)のガイド面(108)を摺動可能であり、これにより前記画像撮影ユニット(15;15’)が、光軸(OA;OA’)に沿って移動可能に支承されており、かつ第1のばねエレメント(18,49)により引き起こされる前記光軸(OA;OA’)に沿った軸方向における機械的な予荷重(F)の作用により前記観察ユニット(VU)が前記機械的なベース(20)に対し前記軸方向において遊びなしに支承されており、前記第1のばねエレメント(18、49、80、80b)は、前記光軸(OA;OA’)を中心として周方向で全周にわたって延びており、前記観察機構(3;3’)が前記少なくとも1つの機能ユニット(ABF;ABF’;ABF)と協働して、前記画像撮影ユニット(15;15’)の前記ベース(20)に対する前記軸方向の移動(ZA;ZA’;TT)により、前記フランジバック(AM;AM’)の無段階の調節可能性が達成されるようになっており、
前記システム構造が、前記観察機構(3;3’)を組み付けるための、少なくとも1つの適合可能なインタフェースエレメント(31)を含んでいて、インタフェースエレメント(31)が、前記観察機構(3;3’)を少なくとも部分的に取り囲み、かつ前インタフェースエレメント(31)内で前記観察機構(3;3’)がガイドされて支承されており、前インタフェースエレメント(31)は内側の幾何学形状を有しており、該内側の幾何学形状は、前記観察機構(3;3’)の外側のガイド面およびマウント面に相応して形成されており、前記観察機構(3;3’)および前インタフェースエレメント(31)が、1つの観察機器の完全な機能範囲を備えたシステムを形成し、
前記内側の幾何学形状は、前記観察機構(3;3’)の外側のガイド面及びマウント面ならびに前記インタフェースエレメント(31)の外側形状が少なくとも同様に同軸的に位置調整されセンタリングされるように構成されている、ことを特徴とする、システム構造。
【請求項2】
前記画像撮影ユニット(15;15’)が、前記光軸(OA;OA’)を中心として回転可能であり、かつ前記機械的な予荷重(FV;FV’;FVC;FVD)の作用により前記軸方向において遊びなしに支承されており、前記観察機構(3;3’)が、作動機構(8;38)または作動ユニット(78)と協働して、システム構造が任意の姿勢に保持されている場合に、前記画像撮影ユニット(15;15’)が前記光軸(OA;OA’)を中心とした回転によりそれぞれの撮影位置に合わせて位置調整可能であるようになっており、前記作動機構(8;38)または前記作動ユニット(78)により、±360°よりも大きな旋回角度(RS;RS’;RSX)で調整することができる、請求項1記載のシステム構造。
【請求項3】
前記システム構造が、唯1つのばねエレメント(49)を含み、該ばねエレメント(49)が前記画像撮影ユニット(15’)を前記軸方向において遊びなしに支承するための前記機械的な予荷重(FV’)、前記光軸(OA’)に沿った前記画像撮影ユニット(15’)の移動に対しても、かつ前記光軸(OA’)を中心とした前記画像撮影ユニット(15’)の回動に対しても作用する、請求項記載のシステム構造。
【請求項4】
前記観察機構(3)が、機械的なベース(20)と、前記画像撮影ユニット(15)を収容する観察ユニット(VU)とを含み、該観察ユニット(VU)が、前記光軸(OA)に沿って前記機械的なベース(20)に対して相対的に移動可能に、かつ前記ばねエレメント(29)により引き起こされた前記機械的な予荷重(FV)の作用により遊びなしに支承されている、請求項記載のシステム構造。
【請求項5】
前記フランジバック(AM)を調節するための前記機能ユニット(ABF)が、前記観察機構(3)内に統合されていて、かつ少なくとも部分的に前記機械的なベース(20)に対して相対的に固定されている、請求項記載のシステム構造。
【請求項6】
ユーザにより導入された-たとえば回転式の-調整運動(RA;RA’;RA’’)が前記機能ユニット(ABF;ABF’;ABF3)により、前記画像撮影ユニット(15;15’)の、前記光軸(OA;OA’)に沿った並進的な移動(ZA;ZA’)に変換され、これにより前記フランジバック(AM;AM’)のキャリブレーションを達成することができる、請求項1または記載のシステム構造。
【請求項7】
請求項1記載のシステム構造であって全体システムが、1つの機能ユニット(1;1’)を形成し、該機能ユニット(1;1’)が、使用状態において前記機械的な予荷重により遊びなしに結合され、かつ予め規定された撮影位置に合わせて位置調整可能な複数の機能モジュール(2,4,5;34,35,36)から成っていて、該機能モジュール(2,4,5;34,35,36)は、統合された観察機構(3,3’)を備えており、前記機能ユニット(1,1’)の中心モジュール内に、前記画像撮影ユニット(15;15’)が制御可能に支承されていて、かつ外側の構造体モジュール(5;35)の領域においてシステムに固定的に設けられている対物レンズマウント面(97;135;135b;135c;135d)に対して相対的に少なくとも前記軸方向で調節可能であって、運転位置にもたらされた前記機能ユニット(1;1’)とは関係なしに、前記画像撮影ユニット(15;15’)がそのそれぞれの姿勢においてそれぞれの撮影位置に合わせて位置調整可能となっていることを特徴とする、システム構造。
【請求項8】
前記観察機器が内側モジュール(4)もしく中央機能ユニット(34)の領域において少なくともそれぞれ1つの作動機構(8;38)もしくはそれぞれ1つの作動ユニット(72;73)により、水平線に対する前記観察機器の姿勢および前記観察機器のそれぞれの撮影パラメータを調節可能である、請求項記載のシステム構造。
【請求項9】
前記システム構造が、前記画像撮影ユニット(15;15’)の姿勢を位置調整するための、前記作動機構(8;38)または前記作動ユニット(78)に結合可能な、統合された少なくとも1つのセンサ(OS)を含み、該少なくとも1つのセンサ(OS)の出力信号により、前記画像撮影ユニット(15;15’)の姿勢を直接に操作もしくは制御することができる、請求項記載のシステム構造。
【請求項10】
前記観察機構(3;3’)が、少なくとも機械的な収容部(9)を介して、前記作動機構(8;38)または前記作動ユニット(78)と協働し、前記画像撮影ユニット(15;15’)を結果として形成された機能ユニット(2;34)として含むモジュールが全体システム(1;1’)の、少なくとも前記光軸(OA;OA’)を中心として旋回可能な対物レンズマウント面(97;135;135b;135c;135d)とは少なくとも姿勢に関して独立している部分を形成するようになっている、請求2記載のシステム構造。
【請求項11】
なくとも1つの前記インタフェースエレメント(31)と、外側のカバー構造体(32)とを備えた前記観察機構(3;3’)が、完全な観察システム(33)として形成された1つの機能ユニットを形成する、請求項1または2記載のシステム構造。
【請求項12】
前記画像撮影ユニット(15;15’)を含む前記観察機構(3;3’)が、相応する少なくとも1つのばねエレメント(18;49)を介して少なくと対物レンズマウント面(97;135,135b,135c,135d)に対して遊びのないように支承されている、請求項1または2記載のシステム構造。
【請求項13】
前記機能ユニット(1;1’)の電子的な構成要素の構成が、部分的にフレキシブルな結合部(F1~FN)を備えた、少なくとも単独の折り畳まれたシステム基板(SP)から成る、請求項1または記載のシステム構造。
【請求項14】
全体的にケーシング状のカバー構造体(4~6;35~36)が、前記画像撮影ユニット(15;15’)に割り当てられたアイオープニング(98;134)の領域において対物レンズ(67)の固定を可能にする、請求項1または記載のシステム構造。
【請求項15】
撮影すべき対象を照明するために、前記ケーシング状のカバー構造体(4~6;35~36)に、照明のための、前記対物レンズ(67)を少なくとも部分的に取り囲む少なくとも1つの機能ユニット(LM)が設けられている、請求項14記載のシステム構造。
【請求項16】
システム構造によって形成された前記機能ユニット(1;1’)内に、送受信システムを構成する無線制御部(WI)が統合されていて、該無線制御部(WI)により前記観察機器および/または別の機能ユニットが操作可能である、請求項12および場合によっては請求項1または記載のシステム構造。
【請求項17】
送信ユニットが、少なくとも好適に中央機能ユニット(2;34)の領域に配置されたメモリ部分(IFD)への接続線路を有していて、前記画像撮影ユニット(15;15’)の、360°を超える回転運動が制限されていない場合にも、情報伝送が実施可能である、請求項16記載のシステム構造。
【請求項18】
フランジバックを調節するための機能ユニットと、画像撮影ユニット(15)を収容する観察ユニット(VU)とを備えるシステム構造であって、
前記機能ユニットは、
光軸(OA)の方向において前記観察ユニット(VU)側とは反対側に位置し、前記観察ユニット(VU)に当接するストッパ(114)と当接する機械的なベース(20)と、
前記光軸(OA)の方向において前記観察ユニット(VU)と前記機械的なベース(20)との間に位置して前記機械的なベース(20)に対して相対的に固定され、前記機能ユニットに対して回転式の調節運動(RA)を加えることができるウォームギア(27)と、
前記機械的なベース(20)内に支承され、前記ウォームギア(27)の歯部幾何学形状(110)と係合する対向歯部幾何学形状(112)の外周を有する作動ユニット(28)と、
を有し、
前記作動ユニット(28)は、前記ストッパ(114)側に向かって延びており、径方向において前記対向歯部幾何学形状(112)側とは反対側の内周がねじ山である部位を含み、
前記観察ユニット(VU)は、押圧プレート(23)と、前記押圧プレート(23)から延びて、前記作動ユニット(28)の前記ねじ山に前記光軸(OA)の方向に沿って係合するねじ山(113)とを含み、
前記押圧プレート(23)は、前記押圧プレート(23)と前記ねじ山(113)とによって囲まれる領域に配置されたばねエレメント(29)によって前記作動ユニット(28)を介して前記ストッパ(114)に対して力(FV)の予荷重を加えて支承されており、
前記ウォームギア(27)は、前記作動ユニット(28)と協働することにより、前記回転式の調節運動(RA)を前記ねじ山(113)と前記作動ユニット(28)の前記ねじ山との係合を介して前記押圧プレート(23)に伝達することにより、前記観察ユニット(VU)を並進的に移動(ZA)させ、こうして前記画像撮影ユニット(15)のイメージング面(107)の、光軸(OA)上での移動を引き起こし、
前記ねじ山(113)の運動軸線(ZV)は、前記ウォームギア(27)と前記作動ユニット(28)とが係合できるように配置されることにより、前記光軸(OA)に対して相対的に、空間的に平行に間隔(E)だけずれている、ことを特徴とするシステム構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーシングコンセプトの領域内に配置すべき光学的な観察機器を備えた画像撮影、画像安定化および画像補正のためのシステム構造に関する。
【0002】
発明の背景
アクションカムの市場導入以来、デジタル式のイメージセンサの急速な進歩により、常に新しい視角から運動された画像を高品質に撮影することに対する要望は、極めて制限されたスペース状況および高速のモーションシーケンスにおいて、カメラシステムおよび安定化された機械システムの著しい小型化需要をもたらした。
【0003】
さらに、ソーシャルメディアおよびインターネットを介してますます成長する国際的なネットワーク化およびコミュニケーションは、これにより撮影された画像および動画がますます加工されずに転用されるという結果をもたらし、これにより撮影中に画像データを調整する需要が増している。僅かにブレた撮影はクオリティ感覚を著しく損ねるので、大抵のカメラシステムは、撮影された画像データを既にこの調整の範囲において内部で完全に電子的に安定化させる。しかしこのことは、最大限の可能な解像度の一部を出力のために使用することができないという欠点を有している。スペースおよびコスト上の理由から、画像データが出力されるか、または保存されてから、さらに画像データの内部圧縮が付加的に行われる。
【0004】
これには、確かにイメージセンサの提供された表面を完全に利用することができる機械的な補正システムが対抗するが、一方では手の運動に基づいて生じたブレしか補償することができないか、または他方ではティルトしか安定化させることができず、さらに撮影機器および対物レンズから成る全体システムは十分な程度で小型化可能でなく、安定化もリアルタイムで可能ではない。特にアウトドア環境における運転により生じる上述の新たな要求に関して、この手段はあまり適していないと評価しなければならない。なぜならば、同様に完全な回転、大きなティルトおよびブレをシステムによって安定化させることができないからである。さらに、特に全体的なカメラシステムのティルトを補償するシステム(いわゆるステディカムシステム)は、概して極めて大きく構成されていて、さらに外部の影響に対して十分に保護されていない。
【0005】
先行技術
以下に、現在の先行技術について簡単に概説し、技術的な解決手段の欠点と、その欠点に対して提出された特許および公開公報を次いで記載する本発明に関連して説明する。
【0006】
概して、撮影された写真および動画データを安定化し補正する今日のシステムは一般的に2つのグループに分けることができると云える。
【0007】
この場合、ブレおよび望ましくない回転をデジタル式の方法により補正するシステムがある。さらに、ケーシングまたはイメージングユニットのそれぞれのティルトおよびブレがジャイロ、加速度センサおよび磁気センサ等のような電子的なセンサにより記録される。これにより獲得されたセンサデータは、次いで中央計算ユニットにより処理され、ブレやティルトに対抗作用する安定化補正が規定される。この補正は、次いで撮影された画像データおよび動画データにデジタル式に適用される、つまり、素材は、機械的な補正を実施することなしに、内部で回転させられ、運動させられ、出力させられる。この方法の大きな欠点は、記録された画像データが頻繁に過度に強くトリミングされることである。このことは、さらに、使用可能なセンサ面との関係において出力されるフォーマットサイズが著しく制限されていることにつながる。この理由から、この方法は、カメラを手動で操作することに基づいて生じた振動および小さなブレのような、極めて小さな補正のためにしか適していない。しかし、本出願の発明に関連して、デジタル式の補正を伴うこのシステムは、よりよい理解のためだけに一緒に説明される。なぜならば、機能形式は、以下で詳しく観察するように、主にセンサ支援された機械的な補正方法に基づいているからである。
【0008】
不都合な回転およびブレは、さらに、電子機械的なシステムにより、イメージングユニットのサイドエッジがそれぞれ平行に、理論的に理想的な場合には投影もしくは撮影された画像の対応するエッジに一致していて、これにより完全に照明されるようにすることによって、補正することができる。
【0009】
先行技術の調査の枠内で以下の刊行物が重要であると分析された。
1.米国特許出願公開第20050001906号明細書(US20050001906A1)、2.米国特許出願公開第20060098967号明細書(US20060098967A1)、3.米国特許出願公開第20140347506号明細書(US20140347506A1)、4.米国特許出願公開第20060098967号明細書(US20060098967A1)、5.国際公開第2009060624号(WO2009060624)、6.米国特許第4615590号明細書(US4615590A)、7.米国特許出願公開第20120218428号明細書(US20120218428A1)、8.米国特許第5825545号明細書(US5825545A)、9.特開2004-295027号公報(JP2004295027A)、10.特開2004-226956号公報(JP2004226956A)、11.米国特許出願公開第20100215353号明細書(US20100215353A1)、12.国際公開第2012153281号(WO2012153281 A1)、13.特開昭63-99680号公報(JPS6399680A)、14.特開2013-009107号公報(JP2013009107A)、15.特開平09-261524号公報(JPH09261524A)、16.特開平06-30327号公報(JPH0630327A)、17.米国特許出願公開第20090245774号明細書(US20090245774A1)、18.特開2010-128386号公報(JP2010128386A)、19.特開2008-065163号公報(JP2008065163A)、20.特開2007-241254号公報(JP2007241254A)、21.米国特許出願公開第20020080242号明細書(US20020080242A1)、22.独国特許出願公開第102004045430号明細書(DE102004045430A1)、23.米国特許出願公開第20060284495号明細書(US20060284495A1)、24.米国特許出願公開第20090251551号明細書(US20090251551 A1)、25.独国特許出願公開第19942900号明細書(DE19942900A1)、26.米国特許出願公開第20150036047号明細書(US20150036047A1)、27.特開2006-337680号公報(JP2006337680A)、28.米国特許出願公開第20050276589号明細書(US20050276589A1)、29.米国特許出願公開第2012024981号明細書(US2012024981 A1)、30.米国特許出願公開第2003067544号明細書(US2003067544A1)、31.米国特許出願公開第20120249814号明細書(US20120249814A1)、32.米国特許出願公開第2011050921号明細書(US2011050921 A1)、33.米国特許出願公開第2006067660号明細書(US2006067660A1)、34.米国特許出願公開第20060064884号明細書(US20060064884A1)、35.米国特許出願公開第20050270379号明細書(US20050270379A1)、36.特開2008-116836号公報(JP2008116836A)、37.米国特許出願公開第2010309323号明細書(US2010309323A1)、38.米国特許出願公開第220100157074号明細書(US220100157074A1)、39.米国特許出願公開第2003076421号明細書(US2003076421 A1)、40.特開2007-096493号公報(JP2007096493A)、41.特開2007-110449号公報(JP2007110449A)、42.特開2009-3010号公報(JP2009003010A)、43.米国特許出願公開第20030077082号明細書(US20030077082A1)、44.米国特許出願公開第20060104633号明細書(US20060104633A1)、45.独国特許出願公開第102013004849号明細書(DE102013004849A1)、46.米国特許出願公開第20160028844号明細書(US20160028844A1)、47.特開昭57-99874号公報(JP57099874A)、48.特開2012-103376号公報(JP2012103376A)、49.特開2012-103373号公報(JP2012103373A)、50.国際公開第2010044197号(WO2010044197A1)、51.特開2008-116836号公報(JP2008116836A)、52.特開2010-114874号公報(JP2010114874A)。
【0010】
公開公報1~10に記載されているように、回転およびブレの電子機械的な補正は、運動させられたレンズ(群)、プリズム体またはミラーにより光路の変更を引き起こし、これによりティルトまたはブレが補償されることにより、達成することができる。幾つかの場合、(付加的に)画像撮影ユニット自体も運動させられる(公開公報No.9、11~36、46、48および51を参照)。
【0011】
公開公報No.16~19、22、27~30、32、37、46、48~50および52において例示的に記載されているように、この補正システムを備えた大抵のカメラは、光学素子またはイメージセンサの運動のために、永久磁石またはピエゾアクチュエータとの組み合わせにおいてコイルを使用する。このようなアクチュエータの使用は、特に1つの平面内における素子の正確な並進的な位置調整を可能にするが、これは極めて制限された範囲でしかない。さらに、純粋な軸方向の並進運動の組み合わせは、正確な制御および同期化ならびに遊びのない支持を前提として、正確で安定した回転を実施することができる。運動を引き起こすコイルの幾何学的な形成および配置は、大抵の場合同様に1つの平面内で行われるので、これにより、明らかに360°よりも小さい制限された経路での二次元の並進運動および回転しか実施することができない。
【0012】
光学素子またはイメージセンサの運動のための代替的な手段は、公開公報No.26および47に記載されている。この場合、補正回転は、伝動装置を介してモータにより実施される。この構造は、イメージセンサにモータの回転を伝達するための伝動装置の使用により運動学的なシステム内に付加的な遊びがもたらされるので不都合である。伝動装置は、根底を成す物理的な作用原理に基づいて、基本的に遊びを必要とし、したがって不正確で、振動しやすく揺れやすいと評価されている。このことはさらに、イメージセンサの、求められた接近させられた位置が補正自体の後に静止状態においても未だに遊びを有していて、したがって運動可能であることにつながる。この遊びは、電子機器の継続的な補償につながり、このことは位置センサデータの高められた基礎ノイズを意味し、付加的に上昇する電流消費をもたらすので、このことは電子的にもセンサ的にも排除することができない。正確な位置を持続的に維持することはできない。このことは、特に振動を伴う環境において、起こり得るピンぼけおよび劣悪な結像品質の原因である。さらに、運転時に、方向変更時の遅延を考慮に入れなければならない。なぜならば、伝動装置が運動を反対方向に伝達することができる前に、まず、反対の側に位置するねじ山フランクの接触に至るまでの遊びが克服されならいからである。伝動装置の摩擦を伴う機能形式に基づいて、付加的にすり減りの形の摩滅を考慮しなければならないので、問題が増大することが予期される。結局、説明された機械的な構造は、全体的なシステムサイズの拡大を意味する。
【0013】
さらに、多数のシステムは、正確かつ長寿命の機構を有していない。これに関しては、公開公報No.14、20、27、36、37、および49~51を参照することができる。光学的な光路内にある構造群は、固定されたガイド面を介して、定置のストッパもしくはケーシングに対して支承される。しかし、滑り支承は物理的な作用原理に基づいて基本的に同様に遊びを伴うので、運動を正確にガイドすることができない。この遊びは、既に小さな振動時に、高められた摩耗およびすり減りによる増大された精度損失につながる。概して、滑り支承部は、正確な機構であるにも関わらず、高い振動しやすさを伴う不正確な基礎を成すと云うことができ、これによりセンサおよび機構の持続的な補償作業を考慮しなければならず、このことは精度損失と高められた電力消費につながる。
【0014】
これに対抗するために、種々異なる手段が講じられる。理論的に最良の解決手段の1つは、転がり軸受の使用との組み合わせにおける機械的な構造の予荷重である。しかしカメラシステムのますます進む小型化に基づいて、公開公報No.11~16、18、20~27、31、39および46~52に記載されているように、実際には大抵の場合において、このエレメントの使用は回避される。数少ない発明は、この問題を認識し、予荷重のためのエレメントを統合したが、最適な技術的な効果が得られないほど強く小型化されるか、または場所を制限されて実施している。この運動学的もしくは機械的なシステムにとって、このことは不都合であると見なされる。
【0015】
点状に作用する個別のばねを介したこのような予荷重の例について、公開公報No.29、32、38を参照することができる。この技術的な実施構造は、センサ平面に均一に予荷重が加えられないことにつながり、このことは製造公差により付加的に増幅される。さらに、公開公報No.23、29および31に記載された発明は、幾つかの少ない転動体を使用する。これらの転動体は、それぞれ場所を制限された走行軌道に対して支承されている。転動体支承座の材料および幾何学形状ならびに少ない個数は、極めて制限された運動領域の他に、同様にイメージセンサ平面の不均一な支承をもたらす。振動および衝突が発生した場合、上述の構成により劣悪な結像品質およびピンぼけが生じてしまう。その原因は、脆弱で不均一な予荷重および支承に基づく、結像レンズシステムに対して相対的なセンサ平面の傾倒および/または移動にある。
【0016】
さらに、イメージングユニットに予荷重を加えるためのばねを構造体において支持する技術的な解決手段(公開公報No.19および28を参照)がある。この構造体は外側ケーシングの一部であるか、または外側のケーシングに固定的に結合されている。このことは、センサ面の(方向に依存した)補正運動に、克服されなければならないばね力が反対に作用するという欠点を有している。このことは、一方では、比較的大きく寸法設計されたアクチュエータを必要とし、さらに運転中により比較的高い電力消費をもたらす。360°を超える回転を可能にするために、さらに、このためにはばねがある特定の点から一緒に回転されなければならない。なぜならば、所望の運動を実施するために、ばねと支持している構造体との間の摩擦が付加的に克服されなければならないからである。いずれの場合も、このシステムでは回転が邪魔であると評価されてしまう。なぜならば、回転は常に妨害されるか、または不都合な機械的な構造により排除されるからである。付加的に、ばねとばねストッパ面との間で発生した摩擦によりストッパ面のすり減りが生じる。
【0017】
少なくとも360°の完全な回転を可能にするシステムが、例示的に公開公報No.11~16および47に記載されている。特に、不都合な運動学的かつ機械的な構造体ならびに上述のような遊びを補償する構成要素のエラーは、ここでも同様に不都合であると指摘されている。
【0018】
振動およびティルトを補償するための補正ユニットを含んでいる、調査され記載された全てのシステムは、結像光学系(レンズ等)または対物レンズの載置面に対するイメージング面の間隔を後から調節することはできないことを付言しなければならない。これにより、ずれ、製造公差および摩滅を補償することはできず、フランジバックを正確に(後)調整することもできない。結果として、撮影された画像のピンぼけが増大する。その代わりに、このような調整を扱うために多数の措置が開発される。この措置は、基本的な2つの手段に割り当てることができる。つまり、位置固定された光学素子、ひいては固定された焦点距離およびシャープネスを備えた固定的なシステムと、ズームおよびシャープネスを調節するための光学素子の変更を可能にするシステムである。
【0019】
第1の手段のための例として、公開公報No.11~13、15および30に記載された極めて基本的な構成を参照することができる。レンズから成る結像システムは、ケーシングにおいて、イメージセンサに対して固定された間隔で取り付けられているので、(初期組付け時の)唯1回のキャリブレーションしか可能ではない。したがって、光学素子の位置を互いに対して相対的に変更することはできない。このことは固定された焦点距離およびシャープネスをもたらす。したがって、たとえば交換対物レンズによる外部の環境への適合は不可能である。
【0020】
コイルおよび永久磁石またはピエゾアクチュエータを介したイメージセンサの運動の他に、特に別の運動学的かつ機械的な構造が使用される。このことは、たとえばNo.公開公報13および15に記載されている。機械システムの、イメージセンサを支持する構造体は、玉軸受によりレンズを含むチューブまたはケーシングにおいて直接に支持され、支承されるので、イメージセンサを、結像光学系の背後の半径方向で位置固定された位置において補正のために自由に運動させることができる。しかし、機械的な予荷重のエラーが、結像レンズシステムに対する軸方向での軸受の遊びをもたらす。補正運動中に、光学系に対するイメージセンサの間隔が変更してしまい、このことは、不安定な走行の他に、変化するピンぼけをもたらす。このピンぼけは、外部の振動および衝突の影響により強度を増してしまう。
【0021】
軸受の遊びによる上述のピンぼけを排除するために、多くの発明において、イメージングユニットが結像光学系に固定的に結合されていて、機械的に一体的に支承される。この手段は、たとえば公開公報No.14、18~20、26、39および51において実施されている。しかしこのことは、完全な光路を含む結像システムが補正のために運動させられなければならないことを意味している。このことは、大きな欠点を成す。なぜならば、一方ではこの結像システムの慣性は、イメージングユニットのみが運動させられればよいシステムに比べて明らかに大きなアクチュエータを必要とするからである。他方では、この構造は、特に大きな経路および回転を伴う迅速な補正時に緩慢であると評価される。このことはリアルタイムにおける振動およびティルトの補償を不可能にする。さらに、(たとえばレンズ、レンズ群等のような)エレメントを光路で移動させることができる機能構造群は、付加的に結像システム上に取り付けられなければならない。その結果、補正時に運動すべき総重量のさらなる上昇が生じる。全体システムの外側の寸法の拡大の他に、さらに補正運動の増大する慣性と、さらに大きなアクチュエータの必要性とが生じる。最終的に、結像光学系とイメージセンサとの固定された、着脱不能な結合部は、種々異なる照明条件および要求への光学素子のモジュール式の適合を阻止する。インタフェース(バヨネット)を介して別の対物レンズを取り付けることは不可能である。
【0022】
カメラシステムのこのようなモジュール式の適合性を可能にするために、幾つかの開発(公開公報No.31を参照)では、さらに機械的なインタフェースが統合されている。このバヨネットは通常は可動のイメージセンサの前でケーシングに機械的に固く結合されているので、イメージセンサの補正機構に影響を与えることなしに、交換対物レンズを組み付ける可能性が生じる。しかし、バヨネットを装備されていて、付加的に振動およびティルトを補償するための電子機械的なユニットを含んでいるこれら全てのシステムは、予荷重を加えられた支承部を有しておらず、この支承部はいずれにしても完全な回転を補正することができない。さらに、これらのシステムのいずれも、イメージセンサ表面とバヨネット接続フランジとの間のフランジバックの正確な調節を可能することはできない。特にいわゆるStarrflex基板をベースとするカメラシステムは、フランジバックを(後から)調節および位置固定するための、統合され、有効な規格に合わせて承認された、ねじり取りを防止された正確な全ての機構を有していない。
【0023】
イメージングユニットがバヨネットに固く結合され、機械的に一体的に支承されているシステムは、上記したものと比類する問題および欠点を有している。この場合、さらに、大型で重い対物レンズを使用しなければならないことが生じてしまう。この対物レンズは、その組付け後に結像システムの構成部材であり、補正時に一緒に運動させなければならない。ズームおよびシャープネスを調節するための機能構造群も付加的に外部で全体的な結像システムに取り付けられなければならず、このことはさらに、全体的な結像システムの(リアルタイムでの)完全な補正運動を実施するために、内部の補正駆動装置が過度に弱く寸法設計されることにつながってしまう。
【0024】
カメラ全体の配向および位置を大きな運動の発生時に空間において安定化し、補償するために、外部の操作システムが使用される。このシステムはステディカムシステムと呼ばれ、実質的に、空間における実際の配向を特定するための位置センサの他に、三次元の運動軸線毎の3つのアクチュエータ構造群から成っている。この場合、これらの構造群のそれぞれは、割り当てられた軸線上に制限された位置補償を回転により実施することができる。長手方向軸線(ローリング)、横方向軸線(ピッチング)および高さ軸線(ヨーイング)を中心としたこれらの個別の補正回転の重ね合わせにより、空間における各運動を補償することができ、この場合、カメラケーシングは水平線に対して平行に位置調整されている。したがって、カメラケーシングに対して相対的なイメージセンサの配向の既知の関係を前提として、撮影された画像の水平線を、理想的な場合、重力方向に対して垂直方向に位置調整することができる。
【0025】
先行技術に関する調査は、さらに、これらのシステム(公開公報No.40~44を参照)は時折極めて大きく不格好に実施されていることを明らかにした。さらに、光軸(ローリング軸線)を中心としたカメラケーシングの完全な回転を補償することができる数少ないシステムは、完全に封入され、外部の影響から保護された構造体を有していないことを付言しなければならない。これに関しては公開公報No.45を参照することができる。この構成では、運動させられるエレメント(たとえばカメラプラットフォームもしくはカメラヘッド)の保護が存在しないので、外部の影響による自由な補正運動への妨害を阻止することができない。このことは完全なブロックにつながってしまう。
【0026】
本願の発明に関連して、光学素子または観察機器を安定化するために種々異なる解決手段が公知であると概説することできる。しかし、上記の公知の機械構造は、それぞれの意図された用途のためにしか適していない。少なくとも1つの完全な回転の補償を可能にする統合された電子機械的な補正システムを備えた全てのシステムは、不都合な運動学的かつ機械的な構造体ならびに遊びを補償する構成部材のエラーを有している。特に、予荷重を加えられた支承部の省略は、遊びを伴う機構との組み合わせにおいて、イメージセンサの定義された姿勢を保証することができず、製造公差、ずれおよび摩滅を補償することができないことにつながり、このことは不安定な走行と、撮影された画像の増大したピンぼけとをもたらす。さらに、大抵の補正システムの極めて制限された運動範囲は、永久磁石、ピエゾアクチュエータまたは局所的に運動制限された支承部との組み合わせにおける局所的なコイルの使用に起因するので、補正機構を備えたこれらの公開されたカメラシステムは、完全な回転を可能にすることができない。光学的な構成部材の、摩擦を伴う、部分的に不均一な支承部の使用は、高められた摩耗の傾向および付加的な遊びとによりこの問題をさらに増幅させる。特に、結像レンズシステムに対するイメージセンサの間隔をキャリブレーションし、後調整することができるエレメントの欠如は、特にバヨネットを介して交換対物レンズの使用を可能するシステムにおいて、フランジバックの正確な調節、ひいては撮影された画像のシャープネスを妨げる。最終的に、内部の機能モジュールのフレキシブルな組み合わせを可能にし、これにより予定通りの使用および所望の機能範囲に合わせて特化され、適合され、かつ組替え可能なカメラシステムを達成することができるシステム構造体を含む、小型化可能なカメラシステムは実際に存在しないことが判った。
【0027】
本発明の課題
本発明の根底を成す課題は、光学的な観察機器を備えた、画像撮影、画像安定化および画像補正のためのシステム構造を改良して、高精度で出来るだけ多様に使用可能であり、必要に応じて種々異なる対物レンズに合わせて適合可能であるようにすることである。
【0028】
本発明の概要
この課題は、本発明によれば、請求項1に記載の特徴を有する対象により解決される。さらにこの課題は、請求項3に記載の特徴を有するシステム構造により同様に解決される。
【0029】
ケーシングコンセプトの領域内に配置すべき光学的な観察機器を備えた、画像撮影、画像安定化および画像補正のための本発明に係るシステム構造は、イメージング面を含む画像撮影ユニットを備えた観察機構を有している。この画像撮影ユニットは、光軸に沿って移動可能に、かつ少なくとも1つのばねエレメントにより引き起こされる機械的な予荷重の作用下で遊びなしに支承されている。観察機構は、さらにフランジバックを調節するための少なくとも1つの機能ユニットと協働し、この場合に、画像撮影ユニットの、光軸に沿った軸方向の移動により、フランジバックの無段階の調節可能性が達成可能もしくは達成されるようになっている。
【0030】
通常、画像撮影ユニットもしくはイメージセンサのイメージング面から結像光学系(レンズ等)または対物レンズの載置面(いわゆる対物レンズマウント面または対物レンズ載置面)に対する間隔を説明するフランジバックは、これにより正確に調整することができる。フランジバックの調整は、任意に構成された対物レンズの組み付け後にも実施することができる。対物レンズマウント面は、好適には、外側の構造体モジュールまたはケーシングの少なくとも一部を形成する別の構成部材の領域に配置されている。
【0031】
フランジバックの無段階の調節により、中間リングまたは別の「不連続の」スペーサエレメントの従来の使用とは異なり、それぞれの対物レンズまたは別の光学素子に合わせて適合された最適化されたシャープネスを調節することができる。
【0032】
ばねエレメントにより引き起こされた機械的な予荷重は、少なくとも画像撮影ユニットの遊びのない支承のために働く。これにより、-特にシステム構造の運動および/または振動時にも-画像撮影ユニットの正確な軸方向の位置決めが与えられているので、これにより、シャープネスの最適な調節が保証されている。
【0033】
好適には、光軸が、中心で画像撮影ユニットを通って、かつ特に中心でシステム構造の、光を画像撮影ユニットへと透過させるアイオープニングを通って延びている。
【0034】
以下に、「イメージングユニットの光軸」および「対物レンズ接続フランジの光軸」と記載される軸線は、本明細書に説明されかつ示された実施例および実施形態に関して、上述の光軸と同一である。さらに、光軸は、「Z軸線」と同一である。「Z方向に」および「光軸に沿って」という表現は以下では同義的に使用される。
【0035】
さらに、「姿勢」とは、特に光軸に一致するローリング軸線を中心とした回転により変更可能な、画像撮影ユニットおよび/または全体システムおよび/または全体システムの部分の方向付けを説明する。このローリング軸線は、以下では「Z軸線」とも呼ばれる。これに対して、「配向」という概念は、ローリング軸線、ピッチング軸線および/またはヨーイング軸線を中心とした回転により変更可能である、空間における画像撮影ユニットおよび/または全体システムおよび/または全体システムの部分の三次元の空間的な方向付けを意味する。
【0036】
好適には、システム構造は、デジタル式の撮影機器および/またはデジタルカメラを観察機器として含んでいる。
【0037】
本発明の別の本発明による構成において、画像撮影ユニットもしくはイメージセンサは、光軸を中心として回転可能に、かつばねエレメントにより引き起こされた機械的な予荷重の作用下で遊びなしに支承されている。この場合、観察機構は、作動機構または作動ユニットと協働し、この場合、画像撮影ユニットは、全体システムが任意の姿勢において保持されている場合に、光軸を中心とした回転により、それぞれの、-たとえば水平方向の-撮影位置へと位置調整可能であり、もしくは位置調整される。作動機構は、この場合、±360°よりも大きな旋回角度を補償することができる。これにより、画像撮影ユニットの持続的な、特に水平方向の撮影位置を保証することができるので、ティルトも、完全な、さらなる回転もリアルタイムで補償することができ、システムは、画像撮影ユニットの、提供されている完全な画像撮影表面を利用することができる。
【0038】
水平方向の参照平面として、この場合、重力方向に対して垂直方向に延びる平面が参照される。予め規定された撮影位置への画像撮影ユニットの位置調整は、特に全体システムの配向とは無関係に行うことができる。
【0039】
機械的な予荷重は、回転補正運動中に、対物レンズマウント面に対するイメージング面の間隔が変更することを阻止する。これにより、補正運動の静かな走行と、同一のままのシャープネスとが、特に外部の振動および/または揺動の影響下においても保証されている。
【0040】
したがって、冒頭で述べた課題は、同様に請求項3に記載の特徴を備えた対象によっても解決される。
【0041】
本発明の別の好適な構成において、フランジバックを調節するための機能ユニットの機能面は、フランジバックの、移動に対して位置固定された調節可能性が達成可能であるか、もしくは達成されるように、構成されている。この場合、調節されたフランジバックを固定するために、駆動エレメントと、フランジバックを調節するための機能ユニットの作動ユニットとの力結合式かつ/または形状結合式の結合部を、少なくとも固有のセルフロックが達成されるように、構成することが規定されている。これにより、画像撮影ユニットのさらに確実な位置決めが達成される。好適には、フランジバックを調節するための機能ユニットは、この場合、定義された間隔で力結合式かつ/または形状結合式に作用する、たとえば歯列に基づく作動エレメントから構成されている。特に、フランジバックを調節するための機能ユニットは、少なくとも1つのセルフロック式のウォームギアを含む。
【0042】
本発明の別の好適な実施形態において、観察機構は、機械的なベースと、画像撮影ユニットを収容する観察ユニットとを含んでいる。観察ユニットは、光軸に沿って機械的なベースに対して相対的に可動に、かつばねエレメントにより引き起こされた機械的な予荷重の作用下で遊びなしに支承されている。これにより、フランジバックを調節するために、システム構造の比較的小さな部分のみが運動させられればよく、これによりフランジバックの調節を正確に実施することができる。特に、全体的な観察機構を軸方向で一緒に運動させることは必要なく、これにより観察機構は、機械的なベースを介して、対物レンズマウント面に対して相対的に固定され得る。
【0043】
本発明の別の有利な構成において、フランジバックを調節するための機能ユニットが、観察機構内に統合され、かつ少なくとも部分的に、機械的なベースに対して相対的に固定されている。これにより、コンパクトな構造形式を達成することができる。さらに、ユーザにより、または統合されたモータにより導入された特に回転式の調整運動の力伝達が出来るだけ小さな空間で行われる。これにより、フランジバックの調節の精度に有利に影響が与えられる。フランジバックを調節するための機能ユニットが少なくとも部分的に、機械的なベースに対して相対的に固定されている場合、この機能ユニットは、光軸に対して平行に移動可能な少なくとも1つの作動部材を除いて、機械的なベースに対して相対的に固定されている。好適には、フランジバックを調節するための機能ユニットは、-好適にはセルフロック式の-ウォームギアを含んでいて、このウォームギアは、機械的なベースに対して相対的に固定されていて、移動可能な作動部材、-特にねじ山-と協働する。
【0044】
本発明の別の有利な構成において、観察機構は、観察ユニットの運動自由度が光軸に対して平行な並進運動に制限されているように、構成されている。好適には、観察機構は、フランジバックを調節するための機能ユニットの作動部材、特にねじ山の運動軸線を空間的に平行にずらすことにより、観察機構の運動自由度が光軸に対して平行な並進運動に制限されているように、構成されている。これにより、特に光軸を中心とした回転自由度を十分にロックされ、これによりフランジバックの調節可能性において高められた精度を達成することができる。代替的または付加的には、運動自由度を制限するために、相応して光軸に沿って延びる溝に関連するキーを設けることもできる。
【0045】
本発明の特に好適な別の構成において、フランジバックを調節するための機能ユニットは、ユーザにより導入された-たとえば回転式の-調整運動が、光軸に沿った画像撮影ユニット(もしくは画像撮影ユニットを収容する観察ユニット)の並進的な移動に変換され、これにより、フランジバックのキャリブレーションを達成することができるように、構成されている。好適には、この場合、歯部幾何学形状は、特にユーザにより形成された回転を、十分に一致して形成された対向歯部幾何学形状に伝達する。この対向歯部幾何学形状は、さらに-たとえばねじ山のような-別の力結合かつ/または形状結合式の結合部により、光軸上での画像撮影ユニットのイメージング面の移動を引き起こす。したがって、フランジバックの調節は、ユーザにより導入された唯1つの調整運動により快適かつ正確に行うことができる。好適には、画像撮影ユニットのイメージング面の面垂線は、各調節位置において、(ここでは、光軸に対して平行な)並進的な移動の運動軸線に対して平行に延びている。これにより、特に複数の作動部材の特に相前後して実施される調整を介したフランジバックの手間のかかる調節が回避される。
【0046】
有利な別の実施形態において、本発明によれば、画像撮影ユニットの遊びのない回転可能な支承のために必要となる機械的な予荷重を引き起こすばねエレメントは、光軸を中心として周方向で全周にわたって延びているように形成されていることが規定されている。これにより、画像撮影ユニットのイメージング面に均一に予荷重を加えることが達成される。これにより、回転補正運動中に、正確な支承、ひいては最適なシャープネスが可能にされる。
【0047】
本発明の有利な別の実施形態によれば、システム構造が、唯1つのばねエレメントを含んでいる。このばねエレメントは、画像撮影ユニットを遊びなしに支承するための機械的な予荷重を、光軸に沿った画像撮影ユニットの可動性に関して、かつ光軸を中心とした画像撮影ユニットの回動性に関して引き起こす。ばねエレメントは、光軸に沿った遊びのない支承を可能にし、その際に、光軸に沿った画像撮影ユニットの並進運動と、光軸を中心とした画像撮影ユニットの回転とは可能なままである。これにより、システム構造は、少ない構成部材で実現可能であり、この場合、正確に調節可能なフランジバックと、ティルトの正確な補正と、完全な回転とが提供される。したがってシステム構造は、より故障しにくくなる。
【0048】
冒頭で述べた課題は、特に請求項12に記載の特徴を備えたシステム構造によっても解決される。好適には円筒形のケーシングコンセプトの領域内に配置すべき光学的な観察機器を備えた、画像撮影、画像安定化および画像補正のためのこのようなシステム構造は、全体システムが、1つの機能ユニットを形成し、機能ユニットが、使用状態において機械的な予荷重により遊びなしに結合され、かつ予め規定された撮影位置に合わせて位置調整可能な複数の機能モジュールから成っている。機能モジュールは、統合された観察機構を備えている。機能ユニットの中心モジュール内に、画像撮影ユニットが制御可能に支承されていて、かつ外側の構造体モジュールの領域においてシステム固定的に設けられている対物レンズマウント面に対して相対的に少なくとも軸方向で調節可能であり、運転位置にもたらされた機能ユニットとは関係なしに、画像撮影ユニットがそのそれぞれの姿勢においてそれぞれの撮影位置に合わせて位置調整可能である。
【0049】
システム構造体が、内部の機能ユニットのフレキシブルな組み合わせにより、インテリジェントな、それぞれの用途および所望の機能範囲に合わせて特化された観察システムの構成を可能にする一方で、システムの個別の操作機能は、自動的にも手動でも制御可能である。この場合、ブレ、ティルトおよび完全な回転の正確な補正のための手段が統合され、かつたとえばフランジバックのような技術的かつ幾何学的なパラメータの正確で信頼性のよい確実な調節可能性と、十分に任意の対物レンズシステムおよび画像処理システムとの本来の互換性とが達成される。変更された使用条件へのシステム内部の適合は、全体システムにおけるモジュール選択およびモジュール位置の追加および変更により簡単に、規定されているように実施可能である。公知の実施構造の欠点を回避もしくは減少について、以下に種々異なる構成を例示的に説明する。
【0050】
これを起点として、本発明の装置は、特化されたモジュールから成るシステムとして構成されている。このシステムは、少なくとも1つの観察機構を収容することができ、少なくとも1つの制御構造群を含み、かつシステムの機能ユニットは任意に少なくとも1つの作動機構により運動させることができる。
【0051】
特に、機能ユニットを構成する構造群は、それぞれの観察機器としてジタル式の写真撮影機および/またはデジタル式のカメラをそれぞれの観察機器として備えていることが規定されている。
【0052】
観察システムの「自動化された」操作可能性のコンセプトは、統合された少なくとも1つのセンサの出力信号により、画像撮影ユニットの姿勢を直接に操作もしくは制御することができることを規定している。特に、観察機構を位置決めしかつ/または調節するための相応する中間部材がこの観察機構に別の作動可能性を付与することも可能であり、この作動可能性は、全体システムの組込み姿勢とは十分に無関係である。
【0053】
さらに、観察機器を、特に、作動機構と協働しかつ少なくとも1つの軸線を中心として回転可能に支承された構造群内に挿入することができ、これにより、少なくとも360°の旋回運動が可能である。中央機能ユニットのこの部分は、さらに、機能ユニットの、互いに対する狭い空間で最適に縮小された配置を規定する。これらの機能ユニットの総重心は、好適には光軸に一致する運動軸線上に位置している。
【0054】
これに関連して、機械的な機能ユニットの予荷重を加えられた支承部は同様に重要であると見なす必要がある。これにより、一方では、観察機構のイメージング面から対物レンズマウント面に対する間隔の調節が可能にされ、他方では高精度の遊びのない支承が達成される。ブレ、ずれ、熱膨張等を確実に自動的に補償することは、これにより画像撮影ユニットおよび対物レンズ接続フランジの光軸もしくは任意の運動軸線の一致と同様に確保される。
【0055】
精度および結像精度のさらなる向上のためには、特に、観察機構のイメージング面に対する対物レンズバヨネットのマウント表面の軸方向の間隔(いわゆるフランジバック)をキャリブレーションするための機能ユニットが統合可能であるか、もしくは統合されていることが規定されている。このために重要な機能表面は、ユーザにより形成された調整運動は、画像撮影ユニットに対する対物レンズ載置面の確実にロック可能な間隔の軸方向の移動を引き起こすことができるように、構成されている。撮影された画像のシャープネスの高精度の調節の他に、さらに外部の光学結像系の不正確さを補償することが可能である。
【0056】
装置の、少なくとも部分的にケーシング形のカバー構造体は、好適には、観察機構の画像撮影ユニットの領域において、-たとえば相応して適合可能もしくは適合された接続フランジを備えた-アイオープニングが開放されているので、対物レンズを使用位置において位置固定することができ、割り当てられた少なくとも1つの制御システムにより操作可能であるように、構成されている。この場合、特に、全ての作動機構の完全に自動的な操作がモータ駆動された対物レンズにより可能にされ、全ての作動機構の手動の操作が付加的に固定可能もしくは固定された作動モジュールとの組み合わせにおいてモータ駆動されていない対物レンズにより可能である。これにより、最小限の構造サイズを達成することができ、かつ対物レンズおよび作動システムが最適にアクセス可能に組み付けられかつ操作されて、別の機能に影響を与えることなしに別の構造群と理想的に協働することができることが保証される。
【0057】
機能ユニットのモジュール式のフレキシブルな組み合わせと、全体システムの幾何学的かつ技術的なパラメータの持続的な調節可能性との他に、少なくとも観察機器を、選択式に作動ユニットにより、装置の空間的な配向とは無関係に水平方向に対する(予め)規定可能な、もしくは(予め)規定された姿勢が達成可能であるか、もしくは達成されるように、位置決めすることができる。
【0058】
特に、観察機器が、内部モジュールもしくは機能ユニット内に統合されたセンサおよび少なくとも1つの作動モータにより構成された作動機構により、予め規定された姿勢に対する持続的な位置調整を有していることが規定されている。
【0059】
この位置調整は、複数の機能ユニットにより実施することができるので、十分に自動的に行われる全体的な安定化は、重ね合わせられた、補正すべき運動に合わせて特化された個別補正運動から成っている。これにより、運動フローおよび操作アクションによる大きな運動も、ブレおよび振動も、-特に予め規定された姿勢および光軸に持続的に関連して-、同期化されて補正されかつ安定化され得る。したがって、カメラの運動を補正するための通常のステディカムシステム等が取り外され、自動化可能もしくは自動化された統合されたシステムにより置き換えられる。
【0060】
さらに好適には、別の機能モジュールにより、-たとえば製造公差および/または組付け公差、振動、手動操作等に基づく-少なくとも画像撮影ユニットの光軸と対物レンズ接続フランジの光軸との間の付加的な傾倒および/または偏差を、システムにわたって同期化して補正することも可能である。
【0061】
なお、制御構造群が、作動可能な制御プログラムを備えていてよく、これにより少なくとも観察状況の自動的な撮影を要求通りに接続もしくは遮断することができ、撮影パラメータを-少なくとも画像セクション、明度およびシャープネスに関して-、制御しかつ調節することができることは自明である。同様に、外部の信号伝達により相応する付加プログラムを始動し、これにより付加的な制御機能および作動機能が観察システムの領域において作動され得る。
【0062】
装置が、特に最適には、上述の構成部材に対して付加的に電流供給部、-特にバッテリまたは蓄電池-がケーシング構造体内に統合可能であるか、もしくは統合されているように寸法設計されており、かつ/または装置が、さらに外部の電流供給部に接続され得ることは自明である。同様に、-たとえばコネクタを介したまたはワイヤレスの-運転のために必要となる全ての信号線路が、内側の可動な機能ユニットの現在の姿勢および配向とは関係なしに常に要求され得ることが指摘されている。
【0063】
粗く、特に振動を伴う環境における使用のためには、さらに、機能ユニットの全ての中心構成部材が緩みもしくは独立した移動または意図しない移動を構造的に防止されていて、装置が少なくともケーシング形の構造群およびコネクタの領域においてシールされたシステムを形成することが特に重要であり、この場合、シールされたシステムは、少なくとも、外圧が高くても、可動かつ電子的な構造群の領域ならびに光路の領域内に、水および水蒸気ならびに固体または別の固体状、液状またはガス状の媒体が侵入することが確実に阻止されるようになっている。保護ケーシングの、好適には少なくとも部分的に閉じられた形状は、さらに、別の機器の組付けならびに任意に位置決め可能な支持体装置による自由に固定可能な構造体における装置の最適な位置固定および空間的に独立して配向された組付けを可能する。
【0064】
好適には、少なくともケーシング形の構造群の領域において外部の影響および媒体から全体システムを保護するために、少なくとも1つのシールエレメントが設けられている。このシールエレメントは、特に一方では内側のモジュールおよび/または中央機能ユニットの相応して形成された溝に対して作用し、かつ他方では外部の作用に対して保護する、交換可能な少なくとも1つのカバーエレメントもしくはカバー構造体の内側の接触面に対して作用する。
【0065】
本発明の別の有利な構成によれば、観察機器が、内側のモジュールもしくは中央機能ユニットの領域において少なくともそれぞれ1つの作動機構もしくはそれぞれ1つの作動ユニットにより、水平線に対する観察機器の姿勢と、観察機器のそれぞれの撮影パラメータ(たとえば画像セクション、明度および/またはシャープネス)を調節可能であることが規定されている。特に撮影パラメータ毎に少なくとも1つの作動機構もしくは作動ユニットが設けられている。
【0066】
本発明の別の好適な実施形態によれば、システム構造が、画像撮影ユニットの姿勢を位置調整するための、作動機構または作動ユニットに結合可能もしくは結合された、統合された少なくとも1つのセンサを含んでいることが規定されている。この場合、少なくとも1つのセンサの出力信号により、画像撮影ユニットの姿勢を直接に操作もしくは制御することができる。
【0067】
この場合、統合された少なくとも1つのセンサにより形成された出力信号により、特に全体システムの空間的な姿勢および配向の検出に基づいて、少なくとも1つのシステム電子機器により作動機構を作動させ、内部の機能ユニットの運動のために使用し、かつこれにより十分に自動的な操作を可能にすることができる。
【0068】
本発明の別の有利な実施形態によれば、観察機構が少なくとも機械的な収容部もしくは取り付け収容部を介して作動機構または作動ユニットと協働し、画像撮影ユニットを、結果として形成された機能ユニットとして含むモジュールが、全体システムの、少なくとも光軸を中心として旋回可能な、対物レンズマウント面から少なくとも姿勢に関して独立している部分を形成する。
【0069】
本発明の別の有利な実施形態において、システム構造は、結像機器を組み付けるための、適合可能な少なくとも1つのインタフェースエレメントを含んでいる。このインタフェースエレメントは、観察機構を少なくとも部分的に取り囲み、このインタフェースエレメント内で観察機構がガイドされて支承されている。観察機構およびインタフェースエレメントが観察機器の完全な機能範囲を備えたシステムを形成する。
【0070】
特に、インタフェースエレメントは、内側の幾何学形状を有していることが規定されている。この内側の幾何学形状は、観察機構の外側のガイド面およびマウント面に相応して形成されており、観察ユニットの、機械的なベースの領域における正確に位置調整されセンタリングされた組付けと、観察ユニットの、光軸上での機械的なガイドおよび調整された並進的な移動とを可能にする。
【0071】
インタフェースエレメントの、全体システム内に構造体深く統合された、少なくとも種々異なる画像技術的なシステムおよび対物レンズに合わせて適合可能な構成により、それぞれの用途への観察システムの確実かつ容易に実施可能な適合が可能にされることは自明である。本発明によれば、対物レンズを、インタフェースエレメントのアイオープニングの領域においてマウント面に確実に固定することが規定されている。
【0072】
本発明の別の有利な実施形態によれば、少なくとも1つの適合可能なインタフェースエレメントと、外側のカバー構造体とを備えた観察機構が、完全な観察システムとして形成された1つの機能ユニットを形成することが規定されている。
【0073】
好適には、十分に任意のカバー構造体の固定を介して、外部の影響に対する全体システムの必要に応じた付加的な保護を達成することができる。このためには、特に、観察機構のガイド面およびマウント面と、インタフェースエレメントの外側の形状とが少なくとも同一方向で同軸的に位置調整されかつセンタリングされていて、これにより剛性およびガイド精度の付加的な最適化が達成されるように、カバー構造体の少なくとも1つの内側の幾何学形状が構成されていることが規定されている。さらにこれによって、フランジバックをキャリブレーションするためにフランジバックを調節するための機能装置の駆動エレメントの、相応して形成された開口により開放された操作器を、意図しない移動に対して付加的に保護することが達成され得る。
【0074】
さらに特に、操作器が機能面を有していて、この機能面が、周囲を取り囲む構成部材の相応する開口により開放され、かつ場合によっては相応する操作工具により操作器の回転を可能にすることが可能である。
【0075】
ケーシング形の領域における少なくとも機械的な構造体の構成は、特に付加的に、一方では十分に任意の配向で支持体システムに全体システムを取り付けるために、かつ他方では外部の構成部材、機器、センサまたは類似の付設部材を結合するために、たとえば組み付け幾何学形状が設けられているようになっている。さらに、この組付け幾何学形状を好適には代替的にバヨネット、ねじ山または差込み面として構成することも可能である。任意の配向で支持体システムに全体システムを組み付けることは、さらに外側のカバー幾何学形状において力結合式かつ/または形状結合式に作用する支持体エレメントを介して達成することができる。
【0076】
本発明に係るモジュール式のシステム構造の枠内においてさらに、観察機構を、全体システム内に統合するために、インタフェースに結合して中央機能ユニットを形成することが特に重要であると規定されている。さらに、インタフェースが、機械的なベースの、ガイド面およびマウント面として構成された外側の輪郭に十分に一致する、周囲を取り囲む少なくとも1つの幾何学形状を有していることが可能である。この幾何学形状は、光軸上での観察ユニットの機械的なガイドおよび調整運動を支援するために働き、かつ正確に位置調整されセンタリングされた組付けを可能にする。
【0077】
さらに有利には、インタフェースの外側の壁の領域において、少なくとも1つの機能面を固定することができることが規定されている。この機能面は、-たとえばねじのような-相応する位置固定エレメントにより、開口を介して、周囲を取り囲む構造体に対する必要に応じて継続性のロックのために使用することができる。
【0078】
特に、インタフェースの機能性の特性を、観察機構および/または少なくとも部分的に周囲を取り囲む別のカバー構造体およびカバーモジュールの外側の幾何学形状の相応する固有の構成特徴により代替し、これにより、観察機構が、付加的なアダプタまたはインタフェースエレメントなしに有利にガイドされて収容可能もしくは収容され、かつ全体システムの、作動機構により駆動される旋回可能な少なくとも1つの部分に遊びなしに剛性に固定可能もしくは固定されていることが可能である。
【0079】
本発明の別の有利な実施形態によれば、画像撮影ユニットを含む観察機構が、少なくとも1つの相応するばねエレメントを介して、少なくとも対物レンズマウント面に対して遊びなしに支承されていることが規定されている。
【0080】
観察機構は、この場合特に、少なくとも1つの押圧面で、観察機構を少なくとも部分的に取り囲むモジュールのストッパの、好適には相応して一致して構成された対圧面を介して、かつ少なくとも1つの軸受エレメントで、周囲を取り囲むモジュールの接続フランジに対して予荷重を加えられている。特に、観察機構は、さらに、少なくとも1つの機械的に剛性の結合部を介して作動機構と協働し、これにより中央機能ユニットの形で、全体システムの、少なくともZ軸線もしくは光軸を中心として旋回可能な、正確にセンタリングされかつ遊びなしにガイドされている部分を形成する。この場合、押圧面は、観察ユニットに剛性に結合されているインタフェースにより提供することができる。
【0081】
本発明の別の有利な構成において、機能ユニットの電子的な構成要素の構成が、部分的にフレキシブルな結合部を備えた少なくとも単独の折り畳まれたシステム基板から実施可能である。
【0082】
この場合特に、固定された基板エレメントの、対物レンズマウント面に面した少なくとも1つの側に位置する画像撮影ユニットのイメージング面を、機械的なベースの領域に固定された不動の基板エレメントに対して相対的に、かつ機械的なベース20に対して相対的に運動させることができることが規定されている。これにより、フレキシブルな結合部および固定された領域を備えた単独の折り畳まれたシステム基板の利点を利用することができ、かつフランジバックの自在の機械的な調節可能性を達成することができる。
【0083】
この場合特に、固定された基板エレメントを含む、折り畳まれた少なくとも1つの基板パケットを、有利には熱伝導性のスペーサエレメントにより、少なくとも部分的に周囲を取り囲んでいるカバー幾何学形状内で正確に配向してガイドし、好適には押圧プレートにより確実に固定して1つの剛性の観察ユニットを形成することが規定されている。観察ユニットのガイド面は、少なくとも機械的なベースと有利に協働し、これにより観察ユニットのガイド軸線もしくは運動軸線は、画像撮影ユニットの光軸に正確に一致して延びている。-たとえばフィルタのような-光学素子の任意の取付けと、折り畳まれたシステム基板の背後のエレメントと基板パケットとの少なくとも1つのフレキシブルな結合部の、有害な座屈に対して確実に保護された任意のロックとが同様に規定されている。
【0084】
フランジバックを調節するための機能ユニットは、自由に選択可能に位置決めされて、十分に任意に折り畳まれた基板パケットの少なくとも各固定された領域に作用し、これにより幅広い統合可能性により全体システムの構成において最大のフレキシビリティおよびモジュール性を達成することができる。
【0085】
さらに、フランジバックを調節するための機能ユニットは、少なくとも電子的なシステム構成要素がフレキシブルな結合部なしに構成されている場合にも、最適化されて統合されかつ挿入され得る。
【0086】
本発明の別の好適な実施形態によれば、画像撮影ユニットの支承部が、光軸に対して相対的な傾倒を補正するための機能ユニットにより拡張可能であるか、もしくは拡張されていることが規定されている。
【0087】
好適には、平行運動機構に基づく構造が規定されており、これにより、イメージング面の中心点を中心とした画像撮影ユニットの、特に同様に高精度の三次元の回転が実現される。さらに好適には、傾倒を補正するための機能ユニットにより、対物レンズマウント面に対して相対的な画像撮影ユニットの並進運動も可能にされる。
【0088】
特に、傾倒を補正するための機能ユニットは、少なくとも3つの作動エレメントを有している。この場合、作動エレメントの、それぞれの運動軸線上での軸方向の長さ変更を介して、画像撮影ユニットの空間的な配向の十分に任意の操作が達成される。
【0089】
複数の作動エレメントは好適には、画像撮影ユニット、特に画像撮影ユニットを収容するヘッド構造群の上述の三次元の運動により、センサにより監視された、参照平面に対する間隔の互いに対する相対的な差が最小限にされるか、もしくは正確に補正された状態においてゼロに等しくなり、これにより高頻度の傾倒が確実に補償され得るように、互いに対して配置されかつ支承されている。
【0090】
フランジバックの正確な調節は、特に作動エレメントの十分に均質かつ有利には同期化された作動により生じた、イメージング面の並進運動を介して達成される。有利な構成において、さらに、最適化された位置決め精度および制御速度を達成するために、相応する、-たとえばピエゾ電気的な効果の利用に基づく-アクチュエータが使用されることも可能である。
【0091】
好適には、作動エレメントを有利には遊びのない構成において固定するために、カルダンジョイントおよび/またはフレクシャジョイントが使用される。
【0092】
上述の作動機構の他に、少なくとも可動に支承された構造群を駆動もしくは制御するための代替的な機能ユニットが可能である。この機能ユニットは、駆動すべき構造群を少なくとも部分的に取り囲む、光軸上で十分に任意に固定可能もしくは固定されたシステムモジュールとして構成されていてよい。(電子)磁石的に形成された運動の他に、特に、いわゆるピエゾ電気式の作用原理の有利な使用が可能である。
【0093】
好適には、システム構造は、統合されたピエゾ電気的なアクチュエータエレメントを備えた特にほぼ環状のピエゾ電気的な機能ユニットを含んでいる。この場合、このピエゾ電気的なアクチュエータエレメントのインテリジェントな同期化された励磁に基づいて、規模が変化する波形が形成される。この波形は、ばねエレメントにより作用する予荷重を介して回転運動をたとえばロータエレメントに伝達する。これにより、最適化された出力密度を、最小限の空間的なスペース需要において達成すると同時に、正確に制御可能かつメンテナンスフリーの作動運動を達成することができる。
【0094】
本発明の好適な実施形態によれば、観察機器が、収容性の十分に一致した幾何学形状を介してカバー可能かつカバーされていることが規定されていてよく、特に、全体的にケーシング形のカバー構造体が画像撮影ユニットに割り当てられたアイオープニングの領域において対物レンズの固定を可能にするようになっている。好適には、ケーシング形のカバー構造体が、十分に任意の対物レンズを制御するための少なくとも1つの機能ユニットの固定を可能にする。特に、ケーシング形のカバーエレメントは、十分に任意の対物レンズ接続基準もしくはフランジバック基準に適合可能もしくは適合されている。
【0095】
好適には、観察機構は、十分に任意の保持幾何学形状において、完全な機能範囲および電子的かつ機械的なパラメータの調節可能性を確保しながら、固定可能もしくは固定されていることが規定されている。特に、対物レンズを使用位置に位置固定し、かつ好適には割り当てられた少なくとも1つの制御システムにより操作することができる。この場合、全ての作動機構の完全に自動的な操作がモータ駆動された対物レンズにより可能にされ、全ての作動機構の手動の操作が付加的に固定可能もしくは固定された作動モジュールとの組み合わせにおいてモータ駆動されていない対物レンズにより可能である。これにより、最小限の構造サイズを達成することができ、かつ対物レンズおよび作動システムが最適にアクセス可能に組み付けられかつ操作されて、別の機能に影響を与えることなしに別の構造群と理想的に協働することができることが保証される。
【0096】
本発明の別の有利な構成によれば、撮影すべきモチーフを照明するために、ケーシング形のカバー構造体に、照明のための、対物レンズを少なくとも部分的に取り囲む少なくとも1つの機能ユニットが設けられている。この場合、特に、少なくとも1つの照明エレメントの強度および色ならびに照明の種類を調節し、撮影すべきが対象物の最適な照明を達成することができるので、これにより、付加的な(部分的に複合的な)照明システムを代替することができる。さらに、これにより、-たとえばスペース上の理由から-実際の照明システムを使用することができない使用環境の照明を達成することができる。
【0097】
特に、機能ユニットは、受信ユニットおよび/または送信ユニットを有している。これにより、本発明の別の構成において、機能ユニットに送受信システムを構成する無線制御部が統合されていてよく、この無線制御部により、観察機器および/または別の機能ユニットが操作可能もしくは操作される。好適には、機能ユニットが、無線を介して作動可能な少なくとも1つの制御プログラムを備えている。
【0098】
本発明の別の好適な構成において、システム構造は、回転式の信号伝達部のための電子機械的な構造部材を含んでいる。この構成部材は、全体的な入力信号および出力信号が特に±360°を超える旋回角においても制限されずに報知可能かつ操作可能であるように、構成されている。好適には、電子機械的な構造部材は、画像撮影ユニットのイメージング面が、周辺温度、製造公差または外部影響とは無関係に、常に対物レンズマウント面に対して、正確に調節可能な一定の間隔において位置しているように、構成されている。
【0099】
好適には、機能ユニットが、少なくとも、ケーシング形の構造群として形成されたモジュールの領域において、少なくとも部分的に流体密な結合構造を構成することが規定されている。これにより、装置が、少なくともケーシング形の構造群および特にコネクタの領域においてシールされたシステムを構成する。この場合、少なくとも水および水蒸気ならびに固体または別の固体状、液体状およびガス状の媒体が、可動かつ電子的な構造群および光路の領域に侵入することが高い外圧においても確実に阻止される。
【0100】
支持ケーシングの少なくとも領域的に閉じられた形状は、この場合、さらに、別の機器の組付けならびに任意に位置決め可能なもしくは位置決めされた支持体装置による自由に固定可能な、もしくは固定された構造体における装置の最適な位置固定および空間的に独立して配向された組付けを可能にする。
【0101】
本発明の別の好適な実施形態により、送信ユニットが、少なくとも好適には中央機能ユニットの領域に配置されたメモリ部分への接続線路を有していることが規定されている。この場合、画像撮影ユニットの、360°を超える回転運動が制限されていない場合にも、情報伝送が実施可能である。接続線路は、ワイヤ接続またはファイバ式の接続された接続部として、かつワイヤレスの接続部、たとえば無線接続部として実施されていてよい。
【0102】
好適には、信号伝送のために、同軸的な信号線路が使用される。これにより、特に小型化されたスリップリングを接続線路として使用することができる。このスリップリングは、実際に通常の動画伝送率でほぼ損失なしに作業する。さらに、接続線路は、信号伝送エレメントにより構成することができる。この信号伝送エレメントは、従来の電気的な、(たとえば電流供給用の)「ブラシ接触部」および(たとえば動画信号のための)光学的かつ/または磁気的なの接触部を使用する。
【0103】
特に、中央機能ユニットの領域に設けられた少なくとも1つのメモリ部分および/または交換可能なメモリ部分への情報伝送を行うことが規定されている。
【0104】
好適には、情報処理および/または情報伝送のための本発明によるコンセプトは、少なくとも1つの対応するシステム電子機器を規定している。このシステム電子機器は、実質的に、内部および外部のシステム構成部材を制御する機能ユニットとして構成されていてよく、この場合特に少なくとも、画像明度、シャープネスおよび画像セクションおよび作動機構および照明モジュールをそれぞれ制御するための制御ユニットが設けられていて、付加的にシステム内に統合された少なくとも1つの制御プログラムが作動可能である。
【0105】
特にさらに、十分に任意の対物レンズの組付け後に、機械的かつ電子的なパラメータの自動的な初期化もしくは照会および識別を実施することが規定されている。この枠内において、作動範囲の手動の入力の他に、特にそれぞれの絞り駆動装置の、運動範囲を制限する端部ストッパの少なくとも1つの自動的な特定が規定されていて、この場合、機械的な端部ストッパの同期化されて記録された位置により特定された調節範囲が求められるまで、絞り開口に対する対物レンズの作動ユニットが、相応して対応配置された機能ユニットにより自動化されて運動させられる。作動範囲の確実かつ正確な特定を保証するためには、さらに付加的に少なくともセンサに基づいて測定された明度値を、たとえば画像撮影ユニットにより、端部ストッパの特定時に考慮することが可能であり、最も簡単な場合、端部ストッパを、明度値のそれぞれ最小値(光入射もしくはセンサ測定なしに最初に生じる作動位置)および最大値(最大の明度を有する最初に生じる作動位置)により決定することができる。したがって、絞り開口に対するF値もしくは機械的な作動位置の正確な割当ては、それぞれ公知のアパーチャ範囲を使用しながら正確に計算可能もしくは内挿可能である。正確なアパーチャ値の有利な手動の調節の他に、電子的な画像パラメータの自動化可能な制御との組み合わせにおいて、十分に任意の対物レンズの自動化された正確な制御が概して達成され、かつ特別な場合には少なくとも絞り開口の自動化された正確な制御が達成され得る。同様に、この方法は、組み付けられた対物レンズの別の全ての作動機構のために規定されている。
【0106】
特に、中心システム電子機器が、全体的なシステム領域において任意に固定可能な複数の個別の機能ユニットを構成することができることが規定されている。好適には、少なくとも1つのインタフェースモジュールと中央制御ユニットとを少なくとも回転式に結合するための電子機械的なユニットは、同様に任意に全体的なシステム領域に固定することができる。
【0107】
好適には、機能ユニットは、十分に任意の、しかし少なくとも外部の媒体に対してシールされたインタフェースを介して統合されたシステム電子機器に外部の制御機構を結合することにより、少なくとも完全に三次元で旋回可能な、かつ姿勢および配向を制御可能な観察システムを構成する。
【0108】
特に、これにより別のシステムとのインテリジェントな通信を達成することができることが可能である。全体システムの、有利には調節可能かつスケーリング可能な上述の機械的かつシステム的な構成を考慮して、-たとえば少なくとも1つの別の(カメラ)システムとの同期化により-マルチカメラシステムを達成することができる。この場合、たとえば、互いに対して少なくとも無段階に調節可能な間隔で位置決めされた2つの全体システムから構成された1つの機能ユニットを達成することができ、この機能ユニットは、インテリジェントな、実際の感覚に特に正確に相当した三次元の撮影を行うことができる。システム固有のフレキシブルな拡張可能性により、さらに、全体システムの少なくとも幾何学的な拡大および縮小を介して、個別の同期化された(カメラ)システムの最小限かつ最大限に達成可能な間隔が減少されもしくは拡大され得る。
【0109】
さらに、中央機能ユニットの領域に設けられた少なくとも1つの付加的なメモリ部分および/または必要に応じて交換可能なメモリ部分は撮影の記録および後の評価のために使用することができる。これにより、全体システムをシームレスに既存のシステムに統合することができ、かつ十分に任意の機器により拡張しかつ制御することができる。さらに、たとえば、X軸、Y軸に作用する付加的なアクチュエータのためのたとえば出力されたセンサに基づく制御信号により、対応する作動機構を接続しかつ作動させることができる。この場合、三次元の空間におけるイメージセンサおよび全体システムの完全な配向補正を達成することができる。
【0110】
特に、観察機器を収容する保護ケーシングの領域において、それぞれの機能面および機能エレメントが設けられていることが規定されている。この場合、保護ケーシングのそれぞれの結合点において、外部の構成部材、機器、センサおよび同等の付設部材が固定可能であるか、もしくは固定される。
【0111】
システムの制御部のために、電流供給部の構成部材(詳細に図示せず)、特にバッテリまたは蓄電池が設けられていてもよいことは自明である。好適には、特にバッテリまたは蓄電池の形の電流供給部が保護ケーシングの領域に統合可能もしくは統合されていることが規定されている。同様に、全体システムが、外部の電流供給部に接続可能であるか、もしくは接続されていることも可能である。
【0112】
十分に自由に選択可能な外側のシステム幾何学形状が可能であることは自明である。したがって、任意の構造体への適合が可能であり、別の機能ユニット、モジュールまたはシステム内への組込みのための全体システムを達成することができる。
【0113】
(電子)磁気的またはピエゾ電気的な作動原理に基づく運動発生の他に、任意の別のアクチュエータ、-たとえば流体または圧縮空気により駆動され、従来の(シャフト)もしくは伝動装置に基づく(ステッピング)モータ-も同様に可能であり、作動運動を正確に再現し、かつ/または不連続な(記録された)位置および配向に確実に接近するための相応する電子的かつ/または機械的な機能ユニット(たとえばエンコーダ)により、運動発生のための十分に任意の別の機能ユニットを拡張することも可能である。付加的には、基準センサにより、-たとえば配向センサに対して付加的なセンサを介して-、それぞれ補正を行うアクチュエータの制御精度が向上可能であることも可能である。
【0114】
予荷重を加えられた機構を構成するために、上記の構成の他に、たとえばコイルばね、波形ばね、皿ばね、固体ばねのような代替的なばねエレメント、または水圧、空気圧および油圧等で作動する、予荷重を引き起こす機能ユニットならびにころがり軸受、磁気軸受およびフレクシャベアリングまたは類似の軸受のような支承エレメントが可能である。
【0115】
さらに、全体システムの外部に向かう、かつ代替的には説明された構成部材により説明された内部の移行部に向かう、機能ユニットおよびモジュール境界にまたがる(回転式の)信号線路を、相応して非接触に、光学的に、磁気的にまたは無線支援されて、-たとえば相応する(信号線路)機能ユニットを介して-実施することも可能である。
【0116】
同様に、外部の影響および媒体に対して完全に保護されたシステム構造が、エラストマベースもしくはポリマベースに、かつ金属のシール面を介して達成され得ることは自明である。相応するシールエレメントは、この場合同様に複数の部分から実施されていてよい。さらに、たとえば重量削減のために、全体システムを少なくとも部分的にシールエレメントなしに実施し、かつさらに機械的な構造体を、少なくとも内側に位置する剛性のモジュールおよび機能エレメントを部分的に取り囲むユニットとして設けることが可能である。特に、外側の構造体は、たとえば接続された対物レンズの制御機構を相応して構成された開口を介して開放し、これにより制御機構の手動の操作を可能にし、かつ周囲を取り囲んでいる機能エレメントおよびモジュールの、外部の影響および不都合な移動に対する保護を保証することができる。
【0117】
本発明の別の特徴および利点は、以下に説明された概略的に図示された実施例から判る。
【図面の簡単な説明】
【0118】
図1】系統図を示す図である。
図2】運転状態における第1の構成による全体システムの等尺的な正面図である。
図3】運転状態における第1の構成による全体システムの等尺的な背面図である。
図4】第1の構成によるシステム構造体の分解図である。
図5】第1の構成による中央機能ユニットの分解図である。
図6】第1の構成によるティルトを補正するための機能システムを備えた内側構造体モジュールの分解図である。
図7】第1の構成による外側の構成モジュールの等尺的な部分的に切り取られた図である。
図8】部分的に切断された機能ユニットおよびモジュール細部とともに、運転状態における第1の構成による全体システムを示す等尺図である。
図9】第1の構成によるフランジバックを調節するためのシステムを備えた中央機能ユニットの等尺的な部分的に切り取られた図である。
図10】ティルトの補正を有しない新規の観察システムに対する、機能モジュールの代替的な選択および組立てを示す分解図である。
図11】部分的に切断された機能ユニットおよびモジュール細部とともに、運転状態における代替的な観察システムの等尺図である。
図12】運転状態における第2の構成による全体システムの等尺的な正面図である。
図13】運転状態における第2の構成による全体システムの等尺的な背面図である。
図14】第2の構成によるシステム構造体の分解図である。
図15】第2の構成による中央機能ユニットの分解図である。
図16】第2の構成による中央機能ユニットの等尺的な部分的に切り取られた図である。
図17】部分的に切断された機能ユニットおよびモジュール細部とともに、運転状態における第2の構成による全体システムを示す等尺図である。
図18】第2の構成によるインタフェースモジュールの分解図である。
図19】第2のシステムによる外側の構造体モジュールの分解図である。
図20】対物レンズを制御するための可能な作動モジュールの構造体の分解図である。
図21図20に示した対物レンズを制御するための作動モジュールの等尺的な部分的に切り取られた図である。
図22】照明モジュールの構造体の分解図である。
図23】可能な代替的な作動ユニットを備えた全体システムの代替的な構成を示す等尺的な部分的に切り取られた図である。
図24図23に示す代替的な作動ユニットの等尺的な部分的に切り取られた図である。
図25】運転状態における、代替的な支承部、予荷重およびフランジバックを調節するための機能ユニットを示す等尺的な部分的に切り取られた図である。
図26図25に示した代替的な予荷重の等尺的に部分的に切り取られた部分図である。
図27図25に示したフランジバックを調節するための代替的な機能ユニットの等尺的に部分的に切り取られた部分図である。
図28】運転状態においてフランジバックを調節するための代替的な機能ユニットの等尺的な部分的に切り取られた図である。
図29図28に示したフランジバックを調節するための代替的な機能ユニットの等尺的な部分的に切り取られた図である。
図30】運転状態において高頻度の傾倒および振動を補正するための適合された機能ユニットの等尺的な部分的に切り取られた図である。
図31図30に示した傾倒および振動を補正するための適合された機能ユニットの等尺的な詳細図である。
図32】肉薄の構造体の例において十分に任意の幾何学形状で可能な組込みを示す等尺図である。
図33図9に示したフランジバックを調節するための操作器領域の機械的な構造の等尺的な部分的に切り取られた詳細図である。
【0119】
発明の詳細な説明
本発明による実施例の以下に説明する特徴は、個別でも、図示または説明されたものと異なる組み合わせにおいても、本発明の対象であり得る。以下では、本発明の同様に作用するエレメントは、合理的である限り、統一された参照符号を備えている。
【0120】
以下で「イメージングユニットの光軸」および「対物レンズ接続フランジの光軸」と説明される軸線は、本明細書において説明され示された実施例および実施形態に関連して、上述した光軸と同一であり、参照符号OAもしくはOA’で示される。さらに、光軸は、参照符号Zを備えられている「Z軸線」と同一である。「Z方向に」および「光軸に沿って」という表現は、以下では同義的に使用される。以下の図面において、X軸線とピッチング軸線、Y軸線とヨーイング軸線およびZ軸線とローリング軸線は対応する。
【0121】
第1の実施例
図1に示された機能構造との組み合わせにおいて、図2および図3に対応する斜視図は、本発明のコンセプトの可能な第1の構成を、それぞれ全体システムの等尺的な正面図および背面図の形で図示している。
【0122】
本発明によるコンセプトは、全体システム1が今や種々異なる使用事例を見通して最適化可能な機能ユニットとして構成されていることを規定している。この機能ユニットは、図4に示すようなモジュール式のシステム構造体を有しており、この場合、中央機能ユニット2を起点として、-たとえば少なくとも1つの内側モジュール4および外側のモジュール5のような-モジュールにより収容され、ケーシング形のユニット6により外部の影響に対して封止可能である少なくとも1つの観察機構3を取り付けることができるようになっている。このモジュールの組み合わせはさらに、全体システムが任意の姿勢および/または配向で保持されている場合に、観察機構3がそれぞれ(予め)規定可能な、-たとえば水平方向の-撮影位置に位置調整可能であるように、構成されている。水平方向の参照平面として、重力方向G(図2)に一致する面法線方向の、座標軸線XおよびZ(図2)のそれぞれの単位ベクトルにより形成された平面Wが考慮される。
【0123】
図5に示した分解図は、少なくとも観察機構3および必要に応じて少なくとも1つのインタフェース7のようなさらなる複数のモジュールへと中央機能ユニット2をさらに分割することができる構成を明らかにしている。少なくとも1つの統合されたセンサOSにより生成された出力信号により、全体システム1の三次元の姿勢および配向の検出に基づいて、少なくとも1つのシステム電子機器SE(図1)によって、概して符号8(図6)で示された作動機構を作動させて、内部の機能ユニットの動作のために使用し、これにより十分に自動的な操作を可能にすることができる。
【0124】
図6に示したモジュール4の分解図が示すように、収容すべき観察機構3に合わせて適合可能な機械的に予荷重を加えることができる収容部9に作用する作動機構8は、内側構造体10の領域に固定可能であることが規定されている。
【0125】
図7の部分的に切断された図面に示したような少なくとも1つの外側モジュール5との、相応して有利な組み合わせを介して、以下のことを達成することができる。すなわち、観察機構3は、一方では少なくとも1つの機械的に剛性の結合部を介して作動機構8と協働し、他方ではインタフェース7(図5)の少なくとも1つの押圧面により、ストッパ11の、相応して一致して構成された対圧面96と、少なくとも1つの軸受エレメント12とを介して、少なくとも部分的に周囲を取り囲むモジュール5の接続フランジ13に向かって予荷重を加えられて、これにより中央機能ユニット2の形で、全体システムの、少なくともZ軸線もしくは光軸を中心として旋回可能な、正確にセンタリングされ遊びなしにガイドされた部分を構成する。
【0126】
これにより生じた、運転状態にある全体システム1が、図8において等尺的な部分的に切断された図として図示されている。本発明による別の重要な特徴は、高精度かつ確実な運転および光学的な画像データの撮影を達成するために設けられており、以下で詳細に説明する。
【0127】
フランジバックの少なくとも正確な調節可能性の他に、本発明によりマウント面97においてアイオープニング98の領域において固定され得る、-たとえば対物レンズのような-結像光学系の正確かつ剛性の取付けが重要である。接続フランジ13の形状は、このためには少なくともワンピースの、中央機能ユニット2を部分的に取り囲むカバー構造体として設けられていて、この場合、有利に構成された接触面99による理想的な同軸的なガイドおよび取付けを、たとえば内側モジュール4のような少なくともケーシング形の構造体モジュールにより達成することができる。自明のことながら、接続フランジ13の構成は種々異なる画像技術システムおよび/または対物レンズに合わせて適合可能である。
【0128】
図5に示された中央機能ユニット2が、インタフェース7の有利に構成された接触面100を介して、機械的な収容部9の支持体14の、相応して形成された対向面101(図6)内で同様に正確にセンタリングされ、ぴったり嵌合してガイドされて収容可能となるように構成されている。作動機構8により実施された補正運動を観察機構3の画像撮影ユニット15に確実かつ遊びなしに伝達することは、支持体14の、定義されて固定可能なガイドエレメント16の複数の接触面102のうちの1つと協働する、十分に一致して形成されたガイド面103(図6)を介して達成される。同時に、観察機構3において対応するコネクタ17(図5)を介して出力可能な信号線路と、別の入力もしくは出力のための機械的な収容部9の、対応して一致して形成され、位置決めされた接触エレメントC1もしくはC2との、エラー接触に対して保護された確実な接続が達成される。同様に、信号線路の接続部をワイヤレスに構成することも可能である。
【0129】
付加的に、ケーシング形の内側構造体10と、少なくとも部分的に取り囲まれた構造体の、押圧面95に対応して十分に一致して形成された対圧面96との間でばねエレメント18により引き起こされた予荷重FV(図6)は、正確かつ遊びなしに補正する作動運動に関して同様に重要であると見なされる。この場合、この予荷重は、一方では支持体14から作動機構8を介して、少なくともケーシング形の構造体10に、他方では電子機械的なアダプタ19の押圧面104とインタフェース7の対応して形成された押圧面105(図5)とを介して、ストッパ11の対圧面96に形成され、この場合に、少なくとも機械的な収容部9およびストッパ11から成る、結果として生じたユニットが、全体システムの、同様に正確に調節可能な、移動に対して確実に位置固定された、遊びなしに支承された、少なくともZ軸線もしくは光軸を中心として旋回可能な部分を形成する。(可変の旋回角度。図6の矢印RSを参照)。
【0130】
支持体14の、回転式に信号伝送するために好適には電子機械的な構成部材SRと協働する駆動面106により、さらに一方では、全体的な入力信号および出力信号が、特に±360°を超える旋回角度RSでも制限されずに報知可能かつ操作可能であることを達成することができ、他方では、画像撮影ユニット15(図8)のイメージング面107が周辺温度、製造公差または外部の影響とは関係なしに、対物レンズマウント面97に対し常に正確に調節可能な一定の間隔AMで位置している。
【0131】
図9に示した部分的に切断された斜視図は、観察機構3が本発明により、この間隔AMを調節するための少なくとも1つの機能ユニットABFを備えていてよいことを明確にしている。この場合、固定された基板素子PSの、対物レンズマウント面97に面した少なくとも1つの側に位置する画像撮影ユニット15のイメージング面107を、機械的なベース20の領域に固定された別の少なくとも1つの固定された基板素子PNおよび機械的なベース20に対して相対的に運動させることができる。これにより、フレキシブルな結合部F1~FNと固定された領域P1~PNを備えた単独の折り畳まれたシステム基板の利点を利用することができ、フランジバックAMの自在の機械的な調節可能性を達成することができる。
【0132】
この場合、固定された基板素子PS,P1,P2,P3を含む折り畳まれた基板パケットPXを、有利には熱伝導性のスペーサエレメント21により、少なくとも部分的に周囲を取り囲んでいるカバー幾何学形状22内において正確に配向してガイドし、かつ押圧プレート23により確実に固定して1つの剛性の観察ユニットVUを形成することが規定されている。この基板パケットの、画像撮影ユニット15の光軸OAに正確に一致するガイド軸線もしくは運動軸線Zは、相応して構成されたガイド面108を介して、少なくとも機械的なベース20と有利に協働する。たとえばフィルタのような光学素子24の取付けと、折り畳まれたシステム基板SPの背後のエレメントFN,PNと基板パケットPXとの少なくとも1つのフレキシブルな結合部F2の、有害な座屈に対して保護されたロック部109とが同様に規定されている。
【0133】
本発明によれば、ユーザにより導入される、-たとえば回転式の-調節運動RAは、フランジバックを調節するための機能ユニットABFにより、観察ユニットVUの並進方向の移動ZAへと変換され、これによりフランジバックAMのキャリブレーションを達成することができることが意図されている。この場合、定義された間隔において力結合式かつ/または形状結合式に作用する作動エレメントから成る機能ユニットを-たとえば歯列に基づいて-構成することも可能であり、この場合、歯の幾何学形状110(特に図33を参照)は、支承エレメント26を介して保持された駆動エレメント27の、相応して形成された開口111を介して開放された操作器25にユーザにより加えられた、軸線XAと同軸的な回転RAを、機械的なベース20内に支承された作動ユニット28の、十分に一致して形成された対向歯幾何学形状112に伝達し、-たとえばねじ山113のような-力結合式かつ/または形状結合式の結合部により、観察ユニットVUの押圧プレート23に作用させ、これにより光軸OA上でのイメージング面107の移動を引き起こす。この場合、同様に、調節運動RAを、駆動エレメント27に統合されたモータを介して実施し、自動化可能な有利な制御部をアクセスが難しい組込み状況において実現することも可能である。
【0134】
たとえばZ軸線もしくは光軸に対して相対的にねじ山113の運動軸線ZVを空間的に平行にEだけずらすことにより、観察ユニットVUの運動自由度を少なくともZ方向もしくは光軸に沿った並進運動に制限することの他に、作動ユニット28を介して、機械的なベース20の、相応して形成されたストッパ114に対して押圧プレート23を、力FVを有するばねエレメント29により予荷重を加えて支承することは、公差、振動、熱膨張等を補償するために、同様に重要であるといえる。
【0135】
調節された間隔AMを固定するために、駆動エレメント27および作動ユニット28の力結合式かつ/または形状結合式の結合部を、有利には少なくとも1つの固有のセルフロックが達成されるように構成することが規定されている。さらに、フランジバックを調節するための機能ユニットABFの付加的なロックを、対応する幾何学的な形状を介して達成することができる。この幾何学的な形状は、最も簡単な構成では、開放する開口111に少なくとも部分的に一致して接触する、スリットを備えた形状部分115を有している。この形状部分115は、位置固定エレメント30の打込みにより拡大されて、これにより半径方向の力FBが対圧面として作用する開口111に作用する。
【0136】
本発明によるモジュール式のシステム構造体の枠内において、さらに、図5に示した分解図に図示されているように、観察機構3を、インタフェース7を備えた全体システムに統合するために、中央機能ユニット2に剛性に結合することが重要である。このためには、インタフェース7が少なくとも1つの、ベース20の、ガイド面およびマウント面として構成された外側輪郭116~118に相当して十分に一致して周囲を取り囲む幾何学形状119もしくは120(図5もしくは図8)を有していることが可能である。この幾何学形状119もしくは120は、光軸OA上での観察ユニットVUの機械的なガイドおよび調整運動を支援するために役立ち、かつ正確に位置調整されセンタリングされた組付けを可能にする。
【0137】
さらに、インタフェース7の外側の壁部の領域において少なくとも1つの機能面121を設けることができ、この機能面121は、開口122(図8)を介して、たとえばねじ(図示せず)のような、対応する位置固定エレメントにより、周囲を取り囲む構造体に対する必要に応じた持続的なロックのために使用することができる。
【0138】
この場合、インタフェース7の機能的な特徴は、観察機構3および/または少なくとも部分的に周囲を取り囲むカバー構造体およびカバーモジュールの外側の幾何学形状の相応する固有の構成特徴により代替することも可能であり、これにより観察機構は、付加的なアダプタまたはインタフェースエレメントなしに、かつ有利にガイドされて収容可能に、かつ遊びなしに剛性に、全体システムの、作動機構8により旋回可能に駆動される少なくとも1つの部分に固定可能である。
【0139】
フランジバックを調節するための機能ユニットABFが、自由に選択可能に位置決めされて、十分に任意に折り曲げられた基板パケットの少なくとも各固定された領域PS~PNに作用し、したがって幅広い統合可能性により全体システムの構成において最大のフレキシビリティおよびモジュール性を達成することができることが自明である。さらに同様に、フランジバックを調節するための機能ユニットABFが、少なくとも電子的なシステム構成要素の構成時にもフレキシブルな接続部F1~FNなしに最適化されて統合可能かつ設置可能であることも自明である。
【0140】
それぞれ種々異なる使用事例に合わせた全体システムの機能的な最適化可能性に関して、本発明によればさらに、観察機構3を、画像セクションおよび画像配向を安定化するための(電子)機械的な補正ユニットなしに使用し、図10に示した図面のように光学結像機器と少なくとも1つの外側のカバー構造体32とを組み付けて観察システム33を形成するために少なくとも1つの適合可能なインタフェースエレメント31で固定することができる。
【0141】
その際に、インタフェースエレメント31は、外側のガイド面およびマウント面116~118に相応して十分に一致して周囲を取り囲むように形成された内側の幾何学形状123を有している。この幾何学形状123は、ベース20の領域における正確に位置調整されセンタリングされた組付けと、光軸OA上での観察ユニットVUの機械的なガイドおよび調節性の移動ZAとを可能にする。
【0142】
インタフェースエレメント31の、全体システムにおいて構造体深くに統合され、少なくとも種々異なる画像技術システムおよび対物レンズに適合可能な構成により、それぞれの用途への観察システムの確実かつ容易に実行可能な適合が可能になることは自明である。本発明により、対物レンズがアイオープニング125の領域におけるマウント面124において確実に固定されることが規定されている。
【0143】
適合可能なインタフェースエレメント31と観察機構3との組み合わせが既に観察機器の完全な機能範囲を備えたシステムを成しているにも関わらず、十分に任意のカバー構造体32の固定を介して、外部影響に対する全体システムの必要に応じた付加的な保護を達成することができる。このためには、特に少なくともカバー構造体32の内側の幾何学形状126は、ガイド面およびマウント面116~118ならびにインタフェースエレメント31の外側形状127が少なくとも同様に同軸的に位置調整されセンタリングされていて、これにより剛性およびガイド精度の付加的な最適化が達成されるように、構成されている。さらに、これにより、フランジバックAMのキャリブレーションのための駆動エレメント27の、相応して形成された開口128により開放されている操作器25の、意図しない位置ずれに対する付加的な保護を達成することができる。
【0144】
これにより生じた、運転状態にある観察システム33が、図11に部分的に切断されて等尺的に図示されている。モジュールの図示された組み合わせにより、完全な機能範囲の確保と同時に、十分に任意の適合性が可能になることが重要であると指摘される。
【0145】
ケーシング形の領域における少なくとも機械的な構造体の構造は、付加的には、一方では十分に任意の配向で支持体システムに全体システムを取り付けるために、他方では外部の構成部材、機器、センサまたは類似の付設部材を結合するために、たとえば組付け幾何学形状129が設けられているように、構成されている。さらに、この組付け幾何学形状129は、代替的にはバヨネット、ねじ山または差込み面として構成することができる。任意の配向で支持体システムに全体システムを組み付けることは、さらに外側のカバー幾何学形状130もしくは131に力結合式かつ/または形状結合式に係合する支持エレメント(図示せず)を介して達成することができる。
【0146】
第2の実施例
図1に示された機能構造との組み合わせにおいて、図12および図13に対応する等尺的な両方の斜視図は、本発明のコンセプトの別の可能な構成を、それぞれ全体システム1’の等尺的な正面図および背面図の形で図示している。
【0147】
この実施構造は、種々異なる用途事例を想定して最適化可能な機能ユニットとして構成されている。この機能ユニットは、同様に図14に示すようなフレキシブルなシステム構造体を有していて、この場合、中央機能ユニット34を起点として、一方では少なくとも1つの観察機構3’を画像撮影ユニット15’に固定することができ、他方では、このユニットを少なくとも1つの外側の構造体モジュール35および少なくとも1つのインタフェースユニット36に組み合わせることができる。この機能ユニットは、さらに、全体システム1が任意の姿勢および/または配向で保持されている場合に、画像撮影ユニット15’が、それぞれ水平方向の撮影位置に位置調整可能であるように、構成されている。水平方向の参照平面として、重力方向G(図12)に一致する面法線方向の、座標軸線XおよびZ(図2)のそれぞれの単位ベクトルにより形成された平面Wが考慮される。
【0148】
図15に示した分解図は、観察機構3’を効果的に使用するために、別のモジュールへと中央機能ユニット34をさらに分割すること示しており、これにより十分に自動化された操作が少なくとも制御ユニット37の範囲において可能である。最も簡単な構成では、さらに全体システムの三次元の姿勢および配向を検出するためのセンサOSを統合可能とすることも考えられる。このセンサにより生成された出力信号により、少なくとも1つのシステム電子機器SE(図1)により概して符号38で示される作動機構を作動させて、中央機能ユニット34の領域の構造群を操作するために使用することができる。さらに、観察機構の画像撮影ユニット15’が有利にはヘッド構造群39の領域内に固定可能であり、このヘッド構造群39は、一方では少なくとも1つの剛性の結合部を介して作動機構38と協働し、他方では予荷重を加えられた遊びのない機械的な少なくとも1つのユニットMUを介して、正確に支承されている。これにより、少なくともヘッド構造群39が、全体的に、中央機能ユニット34の、少なくともZ軸線もしくは光軸を中心として旋回可能な部分を形成することが明らかである(図15の矢印RS’により示された可変の旋回角)。旋回角RS’は、この場合同様に特に±360°よりも大きい。
【0149】
高精度かつ確実な運転ならびに最適な画像データの効果的な記録を保証するために、本発明による特徴的構成が規定される。本発明の、少なくとも基礎となる構成は、図17に部分的に切断された運転状態にある全体システム1’として図示されていて、以下に詳細に説明される。
【0150】
図16によれば、ヘッド構造群39の構造は、以下のようになっている。すなわち、画像撮影ユニット15’をベースプレート40に対して十分に一致した対向プレート41によって正確に固定することができ、この場合にイメージング面107’の中心132(光軸OA’)における面法線が、軸線Zの単位ベクトルと同軸的である。特別な応用例へ適合させるために、イメージング面107’への衝突前の光路に、十分に任意の少なくとも1つの光学素子42を固定することができる。一般的に外部の影響に対する全体システム1’の保護のために、かつ特別な場合には汚染に対する中央機能ユニット34の保護のために、少なくとも1つのシールエレメント43が装着可能である。このシールエレメント43は、少なくとも1つの部分的に周囲を取り囲む外側構造体44(図17もしくは図19)の対応する接触面133に対して作用し、完全なシール作用がある場合に、全体システムの全ての機能が保護されるように形状および機能に関して構成されていてよい。
【0151】
撮影された画像の光学結像品質を保証するために、機能ユニットの有利な組み合わせが規定されているので、特に、たとえば対物レンズのような結像光学系のマウント面に対するイメージング面107’の間隔および姿勢を正確に調節し維持することができる。本発明によれば、この対物レンズは、アイオープニング134の領域において開放され、対応して割り当てられたマウント面135に固定され得る。外側構造体44の形状は、さらに、中央機能ユニット34を少なくとも部分的に取り囲むカバー構造体として可能であり、この場合、光軸OA’を備える、内部で予荷重を加えられた機械的なユニットMUの、有利に構成された走行面136(図17)により達成可能な同軸的なガイドおよび支持の他に、種々異なる画像技術システムおよび/または対物レンズへの適合可能性がもたらされる。
【0152】
さらに、相応して構成された接触面137(図15)に対して有利にガイドされた軸受エレメント45の領域において、少なくとも1つの位置固定エレメント46が固定可能である。この位置固定エレメント46の外面138は、一方では少なくとも外側構造体44の、相応して形成された対向面139(図17)内でのガイドにより、Z方向もしくは光軸に沿った並進運動へと運動自由度を減じ、振動しやすさを減じ、寿命を延長させることができる。
【0153】
振動および遊びを緩和・相殺するインテリジェントな機械構造を構成するために、図15によれば、予荷重を加えられた支承が同様に重要であり、この場合、制御ユニット37を起点として、一般的に、設けられている軸受エレメント47,48の領域において、コンパクトなヘッド構造群39と、他方では作動機構38とを、好適には回転式に信号を伝送するための電子機械的な構成部材SR(図1)と協働する駆動面140を介して結合させ、支承することができる。この場合、少なくとも、結果として生じた中央機能ユニット34の運動軸線が光軸Zに一致し、これにより任意に多数の回転が実施可能であるようになっている。さらに、予荷重は、図15によれば、ばねエレメント49を起点として、有利にガイドされたエレメント45,50を介して操作器51(図16)上で引き起こされる。
【0154】
ステータ52(図17もしくは図15)の領域において固定可能なストッパエレメント53は、軸受エレメント48を収容することができ、面141の形で図示された幾何学的な形状は、予荷重FV’を引き起こすばねエレメント49のための対圧面として働くように、構成されている。さらに、ストッパエレメント53が周囲を取り囲んでいるケーシング形の構造体に遊びなしにかつ剛性に結合され、たとえばガイドされたエレメント50を介して予荷重の量が調節され得ることが規定されている。
【0155】
図16および図17に示された部分的に切断された斜視図は、間隔AM’を調節するために、本発明によればフランジバックを調節するための機能ユニットABF’が設けられていることを明示している。この場合、予荷重FV’の作用下で、操作器51の、ユーザにより導入された調整運動、-たとえば回転RA’が-、押圧面142を介して、作動エレメント54、-たとえば球の-、それぞれ少なくとも半径方向の、光軸に対して垂直方向に向けられた運動を引き起こし、この運動は、軸方向で正確に運動可能にガイドされた支持構造体55の接触面143を介して、少なくとも画像撮影ユニット15’に結合された剛性の支持体ユニット56の、相応して構成された対向面144に作用し、支持構造55と操作器51との、たとえばねじ山結合部145の形の少なくとも力結合式かつ/または形状結合式の結合部に基づいて、軸受エレメント48を起点としたイメージング面107’の、対物レンズマウント面135に対して相対的な方向ZA’への並進運動に変換され、これによりフランジバックAM’を正確に調節することができる。
【0156】
光学的な機能を支援するために、付加的に、互いに対して相対的に可動の構造部分55および56が、対応するガイド面146と、-たとえば支持体ユニット56のガイドピン148の形の幾何学的な形状の、Z方向もしくは光軸に沿って制限された軸方向の少なくとも1つのガイド147とを介して協働し、この場合、支持体ユニット56は、可動の支持構造体55の十分に一致する溝149内でガイドされる。作動経路の調節および/または制限は、端部ストッパエレメント57の固定を介して可能である。
【0157】
全体システムの構造上の構成は、さらに、たとえば少なくとも部分的に周囲を取り囲む外側の構造体モジュール35の領域内で、フランジバックを調節するための機能ユニットABF’をシステム内部で十分に任意に位置決めして固定することを可能にし、この場合、外部の影響、ブロックまたは不都合な移動に対する付加的な保護を達成することができる。これにより、付加的に、全体システムの構成における最大限のフレキシビリティおよびモジュール性が確保される。
【0158】
さらに、操作器51が、機能面150を有していることが可能である。この機能面150は、周囲を取り囲む構成部材の対応する開口151aおよび151bにより開放され、場合によっては対応する操作工具(図示せず)により操作器51の回転を可能にする。対応する幾何学的な構成152に基づいて、調節された間隔AM’の位置固定を達成することができる。この幾何学的な構成は、最も簡単な構成では、ガイド面146を少なくとも部分的に取り囲む形状を有している。この構成は、位置固定エレメント58を締め付けることにより収縮させられ、これによりガイド面146に対してロック作用を生ぜしめる。
【0159】
同様にフランジバックを調節するための機能ユニットABF’の領域において、少なくとも1つの機能面153を形成することが可能である。この機能面153は、一方では操作器51の回転式の調節運動中に外側で少なくとも部分的に周囲を取り囲む構造体44に対して開口154を介して支持体ユニット56を位置固定するために設けられていて、他方では機械的なユニットを必要に応じて持続的にロックするためにも使用することができる。
【0160】
インタフェースユニット36の構造は、図18により以下のように説明される。すなわち、ベース59の領域において、少なくとも十分に任意の、しかし有利な構成においてはそれぞれ外部の影響および媒体に対して保護された、固定可能なインタフェース60は、全体システムの、内部および外部で接続された機能ユニットの信号および情報を付加的な機器でさらに処理するために出力し、ユーザ命令を入力され得る。ベース59は、さらに相応する形状155を有している。この形状155により周囲を取り囲む構造もしくは機能ユニットとの力結合式かつ/または形状結合式の剛性の結合部を形成することができる。
【0161】
外部の影響および媒体から全体システムを保護するために、少なくともケーシング状の構造群の領域において、一方では相応して一致する溝156および157(図18もしくは図19)に対して、他方では外部の作用に対して保護する交換可能な少なくとも1つのカバーエレメント61の接触面に対して作用するシールエレメント62が設けられていることは自明である。
【0162】
ケーシング状の領域における少なくとも機械的な構造は、付加的に以下のように説明される。一方では、十分に任意の配向で支持体システムに全体システムを取り付けるために、他方では外部の構成部材、機器、センサまたは類似の付設部材を結合するために、図18および図19に図示された取付け箇所158および159の他に、それぞれ概して符号160および161により示された機能面を介して、かつ外側のカバー幾何学形状162において力結合式かつ/または形状結合式に作用する支持体エレメント(図示せず)が設けられている。さらに、マウント面は代替的にはバヨネット、ねじ山または差込み面として構成することができる。支持体エレメントの最適な取付けもしくは必要に応じた回転防止のために、カバーエレメント61は少なくとも相応する係止エレメント、たとえば球63を介して取り付けられてよい。
【0163】
外周面として使用される機能面160および161の保護と、少なくともカバーエレメント61の位置固定のために、少なくとも部分的に覆われたエレメント64もしくは65(図18もしくは図19)が設けられている。
【0164】
それぞれの種々異なる使用事例における全体システムの機能的な最適化可能性に関して、本発明によれば、第1の実施例と同様に、合理的に任意の複数の機能ユニットが画像セクションおよび画像位置を安定化するための(電子)機械的な補正ユニットなしでも組み合わせられ、代替的には光学結像機器の組付けのための少なくとも1つのエレメントと、少なくとも1つの外側のカバー構造体とに結合させて、1つの観察機器(図10と同様)を形成することができる。
【0165】
両方の実施例のために本発明により同様に適合可能もしくは使用可能な別の特徴を、以下に第2の実施例につき詳細に説明する。
【0166】
図20に示した分解図によれば、ケーシング状のエレメントもしくはユニットの外側のカバー幾何学形状に少なくとも1つの機能面160を備えることが可能であることか判る。この機能面160には、十分に任意に付加的なモジュールの組付けを割り当てることができる。相応するシールエレメント66の固定により、外部のモジュールにより拡張された全体システムを外部の影響に対して完全に保護することが達成され得る。
【0167】
図20に示した分解図からは、特に、少なくとも、十分に任意の対物レンズ67の作動システムを制御するためのモジュールによる可能な拡張が判る。さらに、モジュールの構造を、マウント面135に取り付けられた対物レンズ67を少なくとも部分的に周囲を取り囲み、不都合な移動を防止された機能ユニット68として構成することが規定されている。この機能ユニット68は、機能面160の領域において固定することができる。
【0168】
図21に図示された機能ユニット68の、少なくとも部分的に周囲を取り囲むケーシング形のカバー幾何学形状69は、この場合、実質的に以下のように説明することができる。すなわち、撮影パラメータ、特に画像セクションを制御するための対物レンズ側のユニットZCおよびシャープネスを調整するための対物レンズ側のユニットSCに相応して割り当てられた、少なくとも1つのアダプタエレメント70もしくは71を介して、対物レンズを補正する制御機構に作用する、少なくともケーシング状のカバー幾何学形状69の領域に対して支承された少なくともそれぞれ1つの作動ユニット72もしくは73を固定することができる。さらに、周囲を取り囲むカバー幾何学形状69を、制御機構ZCおよびSCの作動中に、サイズおよび構成を使用された対物レンズ67に自動的に適合させる機能ユニットとして構成することも可能であるので、定置の外側カバー幾何学形状を備えた対物レンズも、動的な外側カバー幾何学形状を備えた対物レンズも、たとえばインナーフォーカスもしくはアウターフォーカスに基づいて、作動させることができる。
【0169】
付加的に、アダプタエレメント70および71を、一方では対物レンズ側の制御機構ZCもしくはSCの外側の作用面163もしくは164の幾何学的な形状に少なくとも外側形状において適合可能な機能エレメントとして構成し、他方ではたとえば歯列のような、外側の作用面163および164の機械的に固有に使用可能に形成された表面において、それぞれ補正を実施する作動ユニット72もしくは73の、相応して構成された対向歯幾何学形状を介して直接に制御を行うことも可能である。対物レンズの付加的な保護のために、最も簡単な構成では、光学素子75を固定することができる。
【0170】
同様に、たとえばアパーチャもしくは明度を制御するための、対物レンズ側のユニットICに割り当てられた作動機構74のような付加的な作動機構も可能である。対応する開口165(図20)を介して、作動ユニット72~74および対物レンズ67に統合された十分に任意の機能ユニットの他に、付加的に外部で組み付けられた構造エレメントを少なくともシステム電子機器SE(図1)に接続し制御することができることが規定されている。
【0171】
図22による分解図は、同様に、外側のケーシング形のカバー幾何学形状の、観察すべき対象物に面した領域において、対物レンズを少なくとも部分的に取り囲む、照明のための機能ユニットLMを、支持体ユニット76の、相応して十分に一致する対向面166に固定することも可能であることを明示している。この場合、一方では少なくとも外部の影響に対して保護された全体システムが達成され、他方では少なくとも、システム電子機器SE(図1)との設けられた結合部(図示せず)を介して、少なくとも1つの照明エレメント77の強度および色ならびに照明の種類とが調節可能であり、撮影すべき対象物の最適な照明が達成され、これにより付加的に(部分的に複合的な)照明システムを代替することができる。さらに、これによりたとえばスペース上の理由から実際の照明システムを使用することができない使用環境の照明を達成することができる。
【0172】
本発明によるコンセプトは、情報処理および/または情報伝送(たとえば図1による)のために、少なくとも1つの相応するシステム電子機器SEを規定している。このシステム電子機器SEは、主に内部および外部のシステム構成要素を制御する機能ユニットとして構成されていてよく、特に少なくとも、画像明度、画像シャープネス、画像セクションおよび照明モードの作動機構をそれぞれ制御するための少なくとも制御ユニットAI,AF,AZおよびALが設けられており、付加的にシステム内に組み込まれた少なくとも1つの制御プログラムが作動可能である。
【0173】
さらに、十分に任意の対物レンズの組付け後に、機械的かつ電子的なパラメータの自動的な初期化もしくは照会および識別を実施することが規定されている。この枠内において、作動範囲の手動の入力の他に、特にそれぞれの絞り駆動装置の、運動範囲を制限する端部ストッパの少なくとも1つの自動的な特定が規定されていて、この場合、絞り開口に対する対物レンズの作動ユニットは、機械的な端部ストッパの同期化されて記録された位置により規定される作動範囲が求められるまで、相応して対応配置された機能ユニットにより自動化されて運動させられる。作動範囲の確実かつ正確な特定を保証するためには、さらに付加的に少なくともセンサに基づいて測定された明度値を、たとえば画像撮影ユニット15もしくは15’により、端部ストッパの特定時に考慮することが可能であり、この場合、最も簡単な場合、それぞれ、明度値の最小値(光入射もしくはセンサ測定なしに最初に生じる作動位置)および最大値(最大の明度を有する最初に生じる調節位置)により端部ストッパを決定することができる。したがって、絞り開口に対するF値もしくは機械的な作動位置の正確な割当ては、それぞれ公知のアパーチャ範囲を使用しながら正確に計算可能もしくは内挿可能である。正確なアパーチャ値の有利な手動の調節の他に、電子的な画像パラメータの自動化可能な制御との組み合わせにおいて、概して十分に任意の対物レンズの自動的な正確な制御が達成され、かつ特別な場合には少なくとも絞り開口の自動的な正確な制御が達成され得る。同様に、この方法は、組み付けられた対物レンズの別の全ての作動機構のために設けられている。
【0174】
一方では、任意に全体的なシステム領域において固定可能な複数の機能ユニットの、図1とは関係なしに図示されている複数の個別のモジュール範囲から成る中心システム電子機器SEが構成されてよく、かつ他方では中心制御ユニットSEを少なくとも1つのインタフェースモジュールに少なくとも回転式に接続するためのユニットSRを、同様に図示されたモジュール範囲とは関係なしに任意に全体的なシステム領域において固定することができる。
【0175】
特に、これにより、別のシステムとのインテリジェントな通信が達成され得ることが可能である。全体システムの、上述の有利に調節可能かつ拡張可能な機械的かつシステマチックな構成は、たとえば少なくとも1つの別の(カメラ)システムとの同期化により、マルチカメラシステムを達成することができる。この場合、たとえば少なくとも無段階に調節可能な間隔において互いに位置決めされた2つの全体システムから構成された機能ユニットを達成することができる。この機能ユニットは、インテリジェントな、実際の感覚に特に正確に対応する三次元の撮影を行うことができる。システム固有のフレキシブルな拡張性により、さらに、全体システムの同様に少なくとも幾何学的な拡大および縮小を介して、個別の同期化された(カメラ)システムの達成可能な最小の間隔を縮小しかつ達成可能な最大の間隔を拡大することができる。
【0176】
さらに、中央機能ユニットの領域に設けられた少なくとも1つの付加的なメモリ部分IFDおよび/または必要に応じて交換可能なメモリ部分EFDを撮影の記録および後の評価のために使用することができる。これにより、全体システムを、シームレスに既存のシステムに統合することができ、かつ十分に任意の機器により拡張し、制御することができる。さらに、たとえばX軸およびY軸に作用する付加的なアクチュエータのための、出力されたセンサに基づいた制御信号ASX,ASYにより、対応する作動機構が接続されかつ作動され得る。この場合、イメージセンサおよび全体システムの完全な配向補正を三次元の空間において達成することができる。
【0177】
なお、システムの制御装置のための電流供給部の構成部材(詳細に図示せず)が設けられていてよいことは自明である。特に、バッテリまたは蓄電池の使用が規定されている。同様に、全体システムが外部の電力供給部に接続可能であることも可能である。
【0178】
代替的な実施形態
上述の作動機構の他に、少なくとも可動に支承された構造群の駆動もしくは制御のための代替的な機能ユニットが可能であり、この機能ユニットの構成は、駆動すべき構造群を少なくとも部分的に周囲を取り囲み、Z軸線もしくは光軸上に十分に任意に固定可能なシステムモジュールとして構成されていてよい。(電子)磁気的に行われる運動の他に、特にいわゆるピエゾ電気的な作用原理の有利な利用も可能である。
【0179】
図23による全体システム1’の斜視図の部分詳細図が代替的な可能な作動ユニット78を示しているのに対して、図24は、全体システム1’の可能な詳細な構成を明らかにしている。この構成は、機能ユニット79内に統合可能なピエゾ電気的なアクチュエータエレメントの、インテリジェントな同期化された励起に基づいて、周囲において変化する波形を形成することができる。この波形は、ばねエレメント80により作用する予荷重FVDを介して回転運動RSXを、軸受エレメント48bにより外側の幾何学形状82に対して可動に支承されていて、相応して構成された機能面167を介して中央機能ユニット34に接続され得るロータエレメント81に伝達する。これにより、最適化された出力密度を、最小限の空間的なスペース需要において達成すると同時に、正確に制御可能かつメンテナンスフリーの作動運動を達成することができる。
【0180】
機械的な構造のさらなる最適化のためには、さらに、予荷重と、上記で符号49もしくは18で示された予荷重を引き起こすばねエレメントとを、図23もしくは図24に図示された機能構造により置き換えることが可能であり、この場合、回転運動RSXを伝達するために形成された予荷重FVDにより、同様に遊びのない全体システムを、同時に機械的な複雑性を著しく減じながら達成することができる。
【0181】
外側の構造体モジュール35bの別の可能な実施構造では、図25に示された斜視図において、画像撮影ユニット15’のイメージング面107’に対する対物レンズマウント面135bの間隔を調節するための(もしくはフランジバックを調節するための)機能ユニットABF2の代替的な構成と、可能な別の機械的に予荷重を加えられた構成とが明らかである。
【0182】
軸受領域の別の可能な構成の図25による斜視図および図26に示された詳細図に関して、構造群34bを、少なくとも1つの観察機構およびシステム電子機器を収容する剛性の中央機能ユニットとして構成することができる。この中央機能ユニットは、概して相応する機能面168上で有利にガイドされ、かつ少なくとも2つの軸受エレメント47bもしくは48bの間のばねエレメント80bを介して予荷重を加えられている。
【0183】
さらに、対物レンズマウントユニット83を、図27に示した詳細図に示すように、接続面169を介して、少なくとも部分的にケーシング状に周囲を取り囲む構造体44bに力結合式かつ/または形状結合式に結合し、かつ軸方向に移動させることができる。この場合、センタリング部およびガイド部として構成された機能面170を介して、フランジバックAM’(図25)を正確に調整することができる。
【0184】
イメージング面107’の意図しない移動を防止するために、対物レンズマウントユニット83を少なくとも部分的に取り囲む作動エレメント84を、力結合式かつ/または形状結合式の結合部171を介して、その外側の構造体44bの、対応して形成された押圧面172に対して緊締するように構成されている。フランジバックを調節するための機能ユニットABF2を意図しない非整合または損傷に対して付加的に保護することは、作動エレメント84を少なくとも部分的に取り囲み、少なくとも1つの接触面173に作用するカバーエレメント85を介して達成することができ、このカバーエレメント85は、相応して構成された作用面174を介して、力結合式かつ/または形状結合式に、かつ少なくとも1つのシールエレメント86を介して外部の影響および媒体に対して保護されるように、構造体44bに結合させることができる。なお、図示されたねじ締結部の他に、代替的な構成も可能であることは自明である。
【0185】
イメージング面107’に対する対物レンズマウント面135cの間隔を調節するための(もしくはフランジバックを調節するための)代替的な別の機能ユニットABFの構成が、図28に示した斜視図および図29に示した拡大された詳細図において明らかである。少なくとも画像撮影ユニット15’および作動エレメント87の領域においてガイド面175を形成することにより、一方では、画像撮影ユニット15’を収容していて、遊びなしに支承された、少なくとも観察機構を備えた中央機能ユニット34cと協働するベースプレート88の有利なセンタリングおよびガイドを達成することができる。最小限のスペース需要の他に、他方では、作動エレメント87を介したフランジバックAM’の正確な調節が可能であり、この場合、導入された予荷重FVCの作用下で、押圧面176の、Z方向もしくは光軸に沿って引き起こされた移動が、対物レンズマウント面135cに対して相対的なイメージング面107’の間隔変更をもたらす。この場合、作動エレメント87の構成が、ベースプレート88の領域において、-たとえばねじ山結合部の形の-調節可能な力結合式かつ/または形状結合式の少なくとも1つの結合部177を実現しており、これにより、作動エレメント87の、ユーザにより方向RA’ ’に導入された回転を、対物レンズマウント面135cに対して相対的な、Z方向もしくは光軸に沿った押圧面176の並進運動に変換することが達成され得る。
【0186】
外部の影響、不作動または不都合な移動に対して付加的に保護するための、少なくとも部分的に周囲を取り囲む構造体44cにおける、フランジバックを調節するための機能ユニットABF3の固定を起点として、さらに、相応する開口178により開放された機能面179を介して、相応する操作工具(図示せず)により、作動エレメント87の回転を可能にすることができる。
【0187】
作動エレメント87の調節された位置の確実な位置固定および保護のために、相応して構成された少なくとも1つのクランプエレメント89が設けられている。このクランプエレメント89は、たとえば力結合式かつ/または形状結合式の結合部を介して作動エレメント87内に侵入することができ、これにより生じる、相応して形成された接触面180もしくは181に作用する、概して符号FDで示された力により、ベースプレート88と作動エレメント87との間の力結合式かつ/または形状結合式の結合部の制御可能なロックが達成される。この構成は、有利には、一方ではクランプエレメント89の、位置固定を支援するセルフロックが達成され、他方では作動機構の結合領域における、機能に影響を与える塑性変形が生じないようになっている。
【0188】
図30に図示されたシステム構造は、中央機能ユニット34dの、運転位置に組み込まれた代替的な構成を明らかにしている。この構造は、フランジバックAM’を調節するための機能ユニットと、対物レンズマウント面135dに対して相対的な画像撮影ユニット15’の振動および傾きを補償するための機能ユニットとを代替し、かつ1つの機能ユニットTCSに統合している。
【0189】
図31に示した中央機能ユニット34dの斜視図では、平行運動学的な機構に基づいた構成が明らかになる。これにより、特にイメージング面107’の中心132’を中心とする、画像撮影ユニット15’の同様に高精度の三次元の回転と、対物レンズマウント面135d(図30)に対して相対的な並進運動TTとが可能になる。少なくとも1つの作動エレメント93により、画像撮影ユニット15’の空間的な配向を十分に任意に操作するための機能ユニットが達成される。作動エレメント93は、イメージング面107’を含むヘッド構造群39dのベース90の領域に作用し、かつ中央機能ユニット34dのケーシング状のベース構造体91と厳密に協働する機械的な支持部92に作用するもので、軸受エレメント47cを介して有利に支承されていて、少なくともそれぞれの運動軸線HZ上での軸方向の長さ変更に基づいて作用する。
【0190】
これらの作動エレメント93は、ヘッド構造群39dの説明された三次元の運動が、参照平面182(図30)に対する各間隔の、各センサDSにより監視された相対的な差を最小限にし、もしくは正確に補正された状態においてはゼロに等しくし、これにより高頻度の傾倒を確実に補償することができるように、互いに対して配置されかつ支承されている。なお、全体システムへの中央機能ユニット34dの有利な統合は、図30に図示された構成に基づいて可能であり、かつ上述の実施形態のうちの1つに基づいても可能であることは自明である。
【0191】
フランジバックAM’(図30)の正確な調節は、各作動エレメント93の十分に均等かつ有利には同期化された作動に基づいて生じる、イメージング面107’の並進運動TTによって達成される。さらに、有利な構成では、同様に、最適な位置決め精度および制御速度を達成するために、たとえばピエゾ電気的な効果の利用に基づく相応したアクチュエータを使用することも可能である。作動エレメント93を、図31に図示されたように少なくともベース構造体91を取り囲むように位置決めすることにより、さらに、構造空間を最適に無駄なく使用することができる。同様に、ベース90もしくは機械的な支持部92の領域におけるそれぞれの作動エレメント93の、たとえば図31に示した少なくともカルダンジョイント94を介した結合部は、フレクシャジョイント(Festkoerpergelenk)による有利には遊びのない構成でも実施可能であることも可能である。
【0192】
外側のシステム幾何学形状は上記で概して円筒形の形状として図示され説明されたが、同様に十分に自由に選択可能な別の外側幾何学形状も可能であることは自明である。したがって、任意の構造体への適合を可能にすることができ、たとえば図32において第1の実施例の可能な実施構造の組込みの例において少なくとも肉薄の十分に任意の保持幾何学形状WDにおいて図示されているように、別の機能ユニット、モジュールまたはシステムへの組込みのための全体システムを達成することができる。
【0193】
さらに、保持幾何学形状WDが、図10に示したインタフェースエレメント31との組み合わせと同様に、外側のガイド面およびマウント面116~118に相応して十分に一致して周囲を取り囲むように構成された内側の接触面により提供されるようになっている。この接触面は、少なくとも概して有利には簡単な幾何学形状119’に相当する。この場合、正確に配向されセンタリングされた組み付けが可能にされ、かつそれぞれの光軸OA上での観察ユニットVUの機械的なガイドおよび調整が可能にされる。本発明によれば、さらに、フランジバックを調節するための機能ユニットABFを、所望の調整運動を実施するために、十分に任意に構成されたアクセス手段183を介して制御し、かつ駆動エレメント27内に統合された駆動装置を介して外からアクセスすることなしに実施することが可能である。たとえば対物レンズのような結像システムは、アイオープニング125’の領域において相応して構成されたマウント面124’、たとえば外側の壁幾何学形状において位置固定されて確実に固定され得る。機能ユニットの、本発明によるシステム固有の拡張性により、最大のフレキシビリティおよびモジュール性を確保しながら、外部の影響に対して保護された高いパッケージ密度Pを備える、機能ユニットの十分に任意の組み合わせが統合され得る。
【0194】
(電子)磁気的またはピエゾ技術的な作用原理に基づく運動発生の他に、別のアクチュエータ-たとえば流体または圧縮空気により駆動され、従来の(シャフト)もしくは伝動装置に基づく(ステッピング)モータ-も同様に可能であり、かつ作動運動を正確に再現し、かつ/または不連続な(記録された)位置および配向に確実に接近するための相応する電子的かつ/または機械的な機能ユニット(たとえば、エンコーダ)により、運動発生のための十分に任意の機能的なユニットを拡張することも可能である。付加的には、基準センサにより、-たとえば配向センサOSに対して付加的なセンサXS(図1)を介して-、それぞれ補正を行うアクチュエータエレメントの制御精度が向上可能である。
【0195】
予荷重を加えられた機構を構成するために、上述の構成の他に、たとえばコイルばね、波形ばね、皿ばね、固体ばねのような代替的なばねエレメントまたは水圧、空気圧および油圧等で作動される、予荷重を引き起こす機能ユニットならびにたとえばころがり軸受、磁気軸受、フレクシャベアリングまたは類似の軸受のような支承エレメントが可能である。
【0196】
さらに、全体システムの外方に向かう、かつ代替的には説明された構成部材SR(図1)により説明された内部の移行部に向かう、機能ユニットおよびモジュール境界にまたがる(回転式の)信号線路を、相応して非接触に、光学的に、磁気的にまたは無線支援されて、-たとえば相応する(信号線路)機能ユニットWIを介して-実施することも可能である。
【0197】
同様に、外部の影響および媒体に対して完全に保護されたシステム構造が、エラストマベースもしくはポリマベースに、かつ金属のシール面を介して達成され得ることは自明である。相応するシールエレメントは、この場合同様に複数の部分から実施されていてよい。さらに、たとえば重量削減のために、全体システムを少なくとも部分的にシールエレメントなしに実施し、かつさらに機械的な構造体を、少なくとも内側に位置する剛性のモジュールおよび機能エレメントを部分的に取り囲むユニットとして設けることが可能である。特に、外側の構造体は、たとえば接続された対物レンズの制御機構を相応して構成された開口を介して開放し、これにより制御機構の手動の操作を可能にし、かつ周囲を取り囲んでいる機能エレメントおよびモジュールの、外部の影響および不都合な移動に対する保護を保証することができる。
【0198】
以下に特許請求の範囲が続く。本出願において種々異なる実施例につき示されたエレメントの参照符号は、セミコロンで分離されている。このことは単にわかりやすくするために働くのみであり、制限を成すものではない。
図1
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