(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】クランプアーム電極を有する併用超音波及び電気外科用器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/32 20060101AFI20221003BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
A61B17/32 510
A61B18/14
(21)【出願番号】P 2019564481
(86)(22)【出願日】2018-05-21
(86)【国際出願番号】 US2018033608
(87)【国際公開番号】W WO2018217601
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-05-21
(32)【優先日】2017-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】レスコ・ジェイソン・アール
(72)【発明者】
【氏名】コルベット・キャサリン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】デイビス・クレイグ・ティー
(72)【発明者】
【氏名】エステラ・フレデリック・エル
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/003852(WO,A1)
【文献】特表2012-533346(JP,A)
【文献】国際公開第2016/178359(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/32
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
(a)超音波トランスデューサと、
(b)前記超音波トランスデューサに対して遠位に延在するシャフトと、
(c)前記シャフトの遠位端に配置されたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)超音波エネルギーを用いて前記超音波トランスデューサによって駆動されるように構成された超音波ブレードであって、
(A)上部処置側部と、
(B)前記上部処置側部の反対に配置された下部処置側部と、
(C)第1の外側部と、
(D)前記第1の外側部の反対に配置された第2の外側部と、を含む、超音波ブレードと、
(ii)組織を前記超音波ブレードとの間にクランプするために前記超音波ブレードに対して可動であるクランプアームであって、前記クランプアームが、RFエネルギーを用いて組織を封止するように動作可能なRF電極を提供し、前記RF電極が、
(A)第1の電極側部分であって、前記超音波ブレードの前記第1の外側部から横方向に外向きに第1の側方間隙距離だけ離間されている、第1の電極側部分と、
(B)前記第1の電極側部分から離間された第2の電極側部分であって、前記超音波ブレードの前記第2の外側部から横方向に外向きに第2の側方間隙距離だけ離間されている、第2の電極側部分と、を含む、クランプアームと、を含
んでおり、
前記エンドエフェクタは、前記クランプアームに連結され、前記第1の電極側部分と前記第2の電極側部分の間に位置付けられたクランプパッドを含み、
前記クランプパッドは、前記第1の電極側部分と前記第2の電極側部分を越えて、前記超音波ブレードの前記上部処置側部に向かって突出している、外科用器具。
【請求項2】
前記第1の電極側部分が、前記クランプパッドの第1の外側部に沿って延在し、前記第2の電極側部分が、前記クランプパッドの第2の外側部に沿って延在する、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記第1の側方間隙距離が、前記超音波ブレードの湾曲した遠位部分に沿った前記第2の側方間隙距離と等しい、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記第1の側方間隙距離又は前記第2の側方間隙距離のうちの少なくとも一方が、前記超音波ブレードの湾曲した遠位部分に沿って均一である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記第1の側方間隙距離又は前記第2の側方間隙距離のうちの少なくとも一方が、前記超音波ブレードの湾曲した遠位部分に沿って不均一である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記第1の側方間隙距離及び前記第2の側方間隙距離の各々が、前記超音波ブレードの湾曲した遠位部分に沿って0.051mm~0.305mm(0.002インチ~0.012インチ)の範囲内である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記第1の電極側部分又は前記第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の横方向幅が、前記クランプアームの少なくとも遠位部分の長さに沿って均一である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記第1の電極側部分又は前記第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の横方向幅が、前記クランプアームの少なくとも遠位部分の長さに沿って不均一である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記第1の電極側部分又は前記第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の前記横方向幅が、遠位に増大する、請求項8に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記第1の電極側部分又は前記第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の前記横方向幅が、遠位に減少する、請求項8に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記第1の電極側部分及び前記第2の電極側部分の各々の横方向幅が、前記クランプアームの少なくとも遠位部分の長さに沿って0.178mm~0.457mm(0.007インチ~0.018インチ)の範囲内である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記RF電極が、前記超音波ブレードの遠位先端を越えて遠位に延在し、前記第1の電極側部分の遠位端を前記第2の電極側部分の遠位端と電気的に連結する電極ブリッジ部分を画定する、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記超音波ブレードが、直線近位部分及び湾曲した遠位部分を含み、前記第1及び第2の電極側部分が、前記湾曲した遠位部分に沿って延在する、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項14】
前記RF電極が、第1のRF電極を含み、前記超音波ブレードが、第2のRF電極を提供し、前記第1及び第2のRF電極が、双極RFエネルギーを用いて組織を封止するように動作可能である、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記超音波ブレードの前記上部処置側部が、前記第2のRF電極を提供する凸状に湾曲した表面を含む、請求項14に記載の外科用器具。
【請求項16】
外科用器具であって、
(a)超音波トランスデューサと、
(b)前記超音波トランスデューサに対して遠位に延在するシャフトと、
(c)前記シャフトの遠位端に配置されたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)超音波エネルギーを用いて前記超音波トランスデューサによって駆動されるように構成された超音波ブレードであって、
(A)上部処置側部と、
(B)前記上部処置側部の反対に配置された下部処置側部と、
(C)第1の外側部と、
(D)前記第1の外側部の反対に配置された第2の外側部と、を含む、超音波ブレードと、
(ii)組織を前記超音波ブレードとの間にクランプするために前記超音波ブレードに対して可動であるクランプアームであって、前記クランプアームが、RFエネルギーを用いて組織を封止するように動作可能なRF電極を提供し、前記RF電極が、
(A)第1の電極側部分であって、前記第1の電極側部分が、第1の幅を有し、前記超音波ブレードの前記第1の外側部から横方向に外向きに第1の側方間隙距離だけ離間されている、第1の電極側部分と、
(B)前記第1の電極側部分から離間された第2の電極側部分であって、前記第2の電極側部分が、第2の幅を有し、前記超音波ブレードの前記第2の外側部から横方向に外向きに第2の側方間隙距離だけ離間されている、第2の電極側部分と、を含む、クランプアームと、を含み、
前記第1の幅又は前記第2の幅のうちの少なくとも一方が、前記クランプアームの少なくとも遠位部分の長さに沿って不均一であり、
前記第1の側方間隙距離又は前記第2の側方間隙距離のうちの少なくとも一方が、前記クランプアームの少なくとも前記遠位部分の前記長さに沿って不均一で
あり、
前記エンドエフェクタは、前記クランプアームに連結され、前記第1の電極側部分と前記第2の電極側部分の間に位置付けられたクランプパッドを含み、
前記クランプパッドは、前記第1の電極側部分と前記第2の電極側部分を越えて、前記超音波ブレードの前記上部処置側部に向かって突出している、外科用器具。
【請求項17】
前記第1の幅及び前記第2の幅の各々が、遠位に減少する、請求項16に記載の外科用器具。
【請求項18】
前記第1の側方間隙距離及び前記第2の側方間隙距離の各々が、遠位に増大する、請求項16に記載の外科用器具。
【請求項19】
外科用器具であって、
(a)超音波トランスデューサと、
(b)前記超音波トランスデューサに対して遠位に延在するシャフトと、
(c)前記シャフトの遠位端に配置されたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)超音波エネルギーを用いて前記超音波トランスデューサによって駆動されるように構成された超音波ブレードであって、
(A)直線近位ブレード部分と、
(B)湾曲した遠位ブレード部分と、
(C)第1の外側部と、
(D)前記第1の外側部の反対に配置された第2の外側部と、
(E)上部処置側部と、
(F)前記上部処置側部の反対に配置された下部処置側部と、を含む、超音波ブレードと、
(ii)組織を前記超音波ブレードとの間にクランプするために前記超音波ブレードに対して可動であるクランプアームであって、前記クランプアームが、RFエネルギーを用いて組織を封止するように動作可能なRF電極を提供し、前記RF電極が、
(A)第1の電極側部分であって、前記第1の電極側部分が、前記超音波ブレードの前記第1の外側部から横方向に外向きに第1の側方間隙距離だけ離間されている、第1の電極側部分と、
(B)前記第1の電極側部分から離間された第2の電極側部分であって、前記第2の電極側部分が、前記超音波ブレードの前記第2の外側部から横方向に外向きに第2の側方間隙距離だけ離間されている、第2の電極側部分と、を含む、クランプアームと、を含み、
前記第1の側方間隙距離又は前記第2の側方間隙距離のうちの少なくとも一方が、前記湾曲した遠位ブレード部分に沿って0.051mm~0.305mm(0.002インチ~0.012インチ)の範囲内であ
り、
前記エンドエフェクタは、前記クランプアームに連結され、前記第1の電極側部分と前記第2の電極側部分の間に位置付けられたクランプパッドを含み、
前記クランプパッドは、前記第1の電極側部分と前記第2の電極側部分を越えて、前記超音波ブレードの前記上部処置側部に向かって突出している、外科用器具。
【請求項20】
前記第1の電極側部分又は前記第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の横方向幅が、前記湾曲した遠位ブレード部分に沿って0.178mm~0.457mm(0.007インチ~0.018インチ)の範囲内である、請求項19に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年5月22日出願の「Ultrasonic Instrument With Electrosurgical Features」と題された米国特許仮出願第62/509,351号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
超音波外科用器具は、超音波エネルギーを組織の正確な切断及び凝固の調節の両方の目的で利用する。超音波エネルギーは、組織と接触しているブレードを振動させることによって切断かつ凝固させる。約50キロヘルツ(kilohertz、kHz)の周波数で振動させることによって、例えば、超音波ブレードは、組織内のタンパク質を変性させて、べたっとした凝塊を形成する。ブレード表面が組織に及ぼす圧力により血管が崩壊され、凝塊が止血封止を形成することを可能にする。切断及び凝固の精度は、例えば、外科医の技術、並びに電力レベル、刃先、組織牽引、及びブレード圧力の調節によって制御されることがある。
【0003】
超音波外科用デバイスの例としては、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesが挙げられ、これらはいずれもEthicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製である。かかるデバイス及び関連する概念の更なる例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月21日発行の「Clamp Coagulator/Cutting System for Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第5,322,055号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年2月23日発行の「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Mechanism」と題された米国特許第5,873,873号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年11月9日発行の「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」と題された米国特許第5,980,510号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年9月4日発行の「Method of Balancing Asymmetric Ultrasonic Surgical Blades」と題された米国特許第6,283,981号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年10月30日発行の「Curved Ultrasonic Blade having a Trapezoidal Cross Section」と題された米国特許第6,309,400号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年12月4日発行の「Blades with Functional Balance Asymmetries for use with Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第6,325,811号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年7月23日発行の「Ultrasonic Surgical Blade with Improved Cutting and Coagulation Features」と題された米国特許第6,423,082号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月10日発行の「Blades with Functional Balance Asymmetries for Use with Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第6,773,444号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月31日発行の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された米国特許第6,783,524号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年11月15日発行の「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」と題された米国特許第8,057,498号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年6月11日発行の「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第8,461,744号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月26日発行の「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」と題された米国特許第8,591,536号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年1月7日発行の「Ergonomic Surgical Instruments」と題された米国特許第8,623,027号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年8月4日発行の「Flexible Harmonic Waveguides/Blades for Surgical Instruments」と題された米国特許第9,095,367号、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年1月28日公開の「Ultrasonic Blade Overmold」と題された米国特許出願公開第2016/0022305号に開示されている。
【0004】
電気外科用器具は組織を封止するために電気エネルギーを利用し、一般に、双極又は単極動作用に構成可能な遠位に設けられたエンドエフェクタを含む。双極動作中は、電流が、エンドエフェクタのアクティブ電極及びリターン電極によって組織を通して与えられる。単極動作中は、電流が、エンドエフェクタのアクティブ電極及び患者の身体上に別個に位置するリターン電極(例えば、接地パッド)によって組織を通して与えられる。組織を流れる電流によって生成される熱は、組織内及び/又は組織間の止血封止を形成する場合があり、したがって、例えば、血管を封止するために特に有用な場合がある。電気外科用デバイスのエンドエフェクタはまた、組織に対して可動である切断部材、及び組織を切除するための電極を含んでもよい。
【0005】
電気外科用デバイスによって印加される電気エネルギーを、器具と結合する発電機によって器具へと伝達することができる。電気エネルギーは無線周波数(radio frequency、「RF」)エネルギーの形態であってもよく、無線周波数エネルギーは一般に、略300キロヘルツ(kHz)~1メガヘルツ(megahertz、MHz)の周波数範囲内の電気エネルギーの形態である。使用中、電気外科用デバイスは組織を通して低周波数RFエネルギーを伝送することができ、これによってイオン撹拌又は摩擦、実際には抵抗加熱が生じ、その結果、組織の温度が増加する。罹患組織と周囲組織との間にはっきりとした境界が作り出されるため、外科医は、隣接する非標的組織を犠牲にすることなく、高レベルの正確性及び制御で手術することができる。RFエネルギーの低動作温度は、軟組織を除去、収縮、又は彫刻しつつ同時に血管を封止する上で有用であり得る。RFエネルギーは、主にコラーゲンから構成され、かつ熱に接触した際に収縮する結合組織に対して特に良好に作用する。
【0006】
RF電気外科用デバイスの一例は、Ethicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)によるENSEAL(登録商標)Tissue Sealing Deviceである。電気外科用デバイス及び関連する概念の更なる実施例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年12月31日発行の「Electrosurgical Systems and Techniques for Sealing Tissue」と題された米国特許第6,500,176号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年9月26日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,112,201号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年10月24日発行の「Electrosurgical Working End for Controlled Energy Delivery」と題された米国特許第7,125,409号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年1月30日発行の「Electrosurgical Probe and Method of Use」と題された米国特許第7,169,146号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年3月6日発行の「Electrosurgical Jaw Structure for Controlled Energy Delivery」と題された米国特許第7,186,253号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年3月13日発行の「Electrosurgical Instrument」と題された米国特許第7,189,233号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年5月22日発行の「Surgical Sealing Surfaces and Methods of Use」と題された米国特許第7,220,951号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月18日発行の「Polymer Compositions Exhibiting a PTC Property and Methods of Fabrication」と題された米国特許第7,309,849号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月25日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,311,709号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年4月8日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題された米国特許第7,354,440号;その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2008年6月3日発行の「Electrosurgical Instrument」と題された米国特許第7,381,209号に開示されている。
【0007】
電気外科用デバイス及び関連する概念の追加の例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年1月27日発行の「Surgical Instrument Comprising First and Second Drive Systems Actuatable by a Common Trigger Mechanism」と題された米国特許第8,939,974号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年10月20日発行の「Motor Driven Electrosurgical Device with Mechanical and Electrical Feedback」と題された米国特許第9,161,803号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年3月29日公開の「Control Features for Articulating Surgical Device」と題された)米国特許出願公開第2012/0078243号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年8月2日発行の「Articulation Joint Features for Articulating Surgical Device」と題された米国特許第9,402,682号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年7月28日発行の「Surgical Instrument with Multi-Phase Trigger Bias」と題された米国特許第9,089,327号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年1月17日発行の「Surgical Instrument with Contained Dual Helix Actuator Assembly」と題された米国特許第9,545,253号;及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年2月21日発光の「Bipolar Electrosurgical Features for Targeted Hemostasis」と題された米国特許第9,572,622号に開示されている。
【0008】
いくつかの器具は、単一の外科用デバイスを介して超音波及びRFエネルギー処置機能を提供し得る。かかるデバイス並びに関連する方法及び概念の例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年3月4日発行の「Ultrasonic Surgical Instruments」と題された米国特許第8,663,220号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月21日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」と題された米国特許出願公開第2015/0141981号;及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年1月5日公開の「Surgical Instrument with User Adaptable Techniques」と題された米国特許出願公開第2017/0000541号に開示されている。
【0009】
併用超音波-電気外科用器具を含む、様々な種類の超音波外科用器具及び電気外科用器具が作製され使用されてきたが、本発明者ら以前には、添付の特許請求の範囲に記載の発明を誰も作製又は使用したことがないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に組み込まれていると共にその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、上記の本発明の一般的説明、及び以下の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
【
図1】発電機と、超音波エネルギー及び双極RFエネルギーを用いて組織を処置するように動作可能な外科用器具と、を有する、例示的な外科用システムの斜視図を図示する。
【
図2】第1の電極を提供するクランプアーム及び第2の電極を提供する超音波ブレードを提供するクランプアームを有する、
図1の外科用器具のエンドエフェクタの上面斜視図を図示する。
【
図3】
図2のエンドエフェクタの底面斜視図を図示する。
【
図4】
図1の外科用器具の部分分解斜視図を図示する。
【
図5】
図1の外科用器具のシャフトアセンブリの遠位部分及びエンドエフェクタの拡大分解斜視図を図示する。
【
図6】
図1の外科用器具のシャフトアセンブリの内側チューブの遠位部分の側面図を図示する。
【
図7】クランプアームが視界から隠された状態の、
図1の外科用器具の超音波ブレード及びシャフトアセンブリの遠位部分の斜視図を図示する。
【
図8】
図7の超音波ブレード及びシャフトアセンブリの遠位部分の上面図を図示する。
【
図9】
図8の線9-9に沿った、
図7の超音波ブレードの断面図を図示する。
【
図10】
図1の外科用器具のエンドエフェクタの概略断面端面図を図示し、クランプパッド、並びにクランプパッドのいずれかの側部上の第1及び第2の電極部分を有するクランプアームを示し、各電極部分の横方向幅、及び各電極部分と超音波ブレードのそれぞれの外側部との間の側部間隙距離を示す。
【
図11】
図10のエンドエフェクタの例示的な変形形態の底面図を図示し、変形形態は、超音波ブレードの組織処置部分に沿った均一の横方向幅及び均一の側部間隙距離を各々維持する第1及び第2の電極部分を有するクランプアームを含む。
【
図12】
図10のエンドエフェクタの別の例示的な変形形態の底面図を図示し、変形形態は、均一の横方向幅及び不均一の側部間隙距離を各々維持する第1及び第2の電極部分を有するクランプアームを含む。
【
図13】
図10のエンドエフェクタの別の例示的な変形形態の底面図を図示し、変形形態は、遠位に減少する不均一の横方向幅、及び遠位に増大する不均一の側部間隙距離を有する第1及び第2の電極部分を有するクランプアームを含む。
【
図14】
図10のエンドエフェクタの別の例示的な変形形態の底面図を図示し、変形形態は、互いに分離される遠位端を有する第1及び第2の電極部分を有するクランプアームを含む。
【0011】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示したものであり、本明細書と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明により、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0013】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科用器具を握持する外科医又は他の操作者に対して本明細書で定義される。「近位」という用語は、外科医により近く配置された要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く配置され、外科医からより離れた要素の位置を指す。また、図面を参照して「上部」、「下部」、「垂直」、「水平」などの空間的用語が本明細書で使用される限り、このような用語は例示的な記述目的にのみ使用されて、限定も絶対も意図していないと理解されよう。その点において、本明細書に開示されるものなどの外科用器具を、本明細書で図示及び記載するものに限定されない様々な向き及び位置で使用してもよいことが理解される。
【0014】
I.例示的な外科用システム
図1は、発電機(12)及び外科用器具(14)を含む例示的な外科用システム(10)を図示する。外科用器具(14)は、電力ケーブル(16)を介して発電機(12)と動作可能に連結されている。以下により詳細に説明されるように、発電機(12)は、外科用器具(14)に動力供給して、組織を切断するための超音波エネルギー、及び組織を封止するための電気外科用双極RFエネルギー(すなわち、治療レベルのRFエネルギー)を送達するように動作可能である。例示的な構成では、発電機(12)は、外科用器具(14)に動力供給して、超音波エネルギー及び電気外科用双極RFエネルギーを同時に送達するように構成されている。
【0015】
A.超音波及び電気外科用特徴を有する例示的な外科用器具の概要
本例の外科用器具(14)は、ハンドルアセンブリ(18)、ハンドルアセンブリ(18)から遠位に延在するシャフトアセンブリ(20)、及びシャフトアセンブリ(20)の遠位端に配置されたエンドエフェクタ(22)を含む。ハンドルアセンブリ(18)は、外科医によって操作されるように構成された、ピストルグリップ(26)及びエネルギー制御ボタン(28、30)を含む、本体(24)を含む。トリガ(32)は、以下により詳細に記載されるように、本体(24)の下部分に連結され、エンドエフェクタ(22)を選択的に作動させるようにピストルグリップ(26)に向かって及びそこから離れて枢動可能である。外科用器具(14)の他の好適な変形形態では、ハンドルアセンブリ(18)は、例えば、はさみグリップ構成を含んでもよい。以下により詳細に説明されるように、超音波トランスデューサ(34)は、本体(24)内に内部に収容され、かつそれによって支持される。他の構成では、超音波トランスデューサ(34)は、本体(24)の外部に提供されてもよい。
【0016】
図2及び
図3に示されるように、エンドエフェクタ(22)は、それらの間で組織をクランプするための、超音波ブレード(36)と、超音波ブレード(36)に向かって、及びそこから離れて選択的に枢動するように構成されたクランプアーム(38)と、を含む。超音波ブレード(36)は、超音波ブレード(36)と接触して位置付けられた組織を切断及び/又は封止するための超音波周波数で超音波ブレード(36)を駆動する(すなわち、振動させる)ように構成された超音波トランスデューサ(34)と音響的に連結される。クランプアーム(38)は、クランプアーム(38)が、ピストルグリップ(26)に向かうトリガ(32)の枢動に応答して、超音波ブレード(36)に向かって、閉鎖位置に枢動するように構成されるように、トリガ(32)と動作可能に連結される。更に、クランプアーム(38)は、ピストルグリップ(26)から離れるトリガ(32)の枢動に応答して、超音波ブレード(36)から離れて、開放位置(例えば、
図1~
図3参照)に枢動するように構成されている。本明細書に提供される教示を考慮すれば、クランプアーム(38)をトリガ(32)と連結させ得る様々な好適な方法が当業者に明らかとなるであろう。いくつかの変形形態では、クランプアーム(38)及び/又はトリガ(32)を開放位置に向かって付勢するために、1つ又は2つ以上の弾性部材が組み込まれ得る。
【0017】
クランプパッド(40)は、超音波ブレード(36)に面する、クランプアーム(38)のクランプ側に固定され、かつそれに沿って遠位に延在する。クランプパッド(40)は、クランプアーム(38)がその閉鎖位置に作動されたときに、超音波ブレード(36)の対応する組織処置部分に対して組織を係合及びクランプするように構成されている。クランプアーム(38)の少なくともクランプ側は、本明細書ではクランプアーム電極(42)と称される、第1の電極(42)を提供する。加えて、超音波ブレード(36)の少なくともクランプ側は、本明細書ではブレード電極(44)と称される、第2の電極(44)を提供する。以下により詳細に説明されるように、電極(42、44)は、発電機(12)によって提供される電気外科用双極RFエネルギーを、電極(42、44)と電気的に連結された組織に印加するように構成されている。クランプアーム電極(42)は、アクティブ電極として機能し得るが、ブレード電極(44)は、リターン電極として機能し得、その逆も同様である。外科用器具(14)は、超音波周波数で超音波ブレード(36)を振動させている間、超音波周波数で超音波ブレード(36)を振動させる前、及び/又は超音波周波数で超音波ブレード(36)を振動させた後、電極(42、44)を通して電気外科用双極RFエネルギーを印加するように構成され得る。
【0018】
図1~
図5に示されるように、シャフトアセンブリ(20)は、長手方向軸に沿って延在し、外側チューブ(46)と、外側チューブ(46)内に受容された内側チューブ(48)と、内側チューブ(48)内に支持された超音波導波管(50)と、を含む。
図2~
図5に最良に見られるように、クランプアーム(38)は、内側及び外側チューブ(46、48)の遠位端に連結される。具体的には、クランプアーム(38)は、一対の近位に延在するクレビスアーム(52)を含み、それらは、それらの間に、クレビスアーム(52)内に形成された貫通孔及び内側チューブ(48)の遠位端(54)内に受容された枢動ピン(56)を用いて内側チューブ(48)の遠位端(54)を受容し、かつそれに枢動可能に連結する。第1及び第2のクレビスフィンガ(58)は、クレビスアーム(52)から下向きに垂れ下がり、外側チューブ(46)の遠位端(60)に枢動可能に連結する。具体的には、各クレビスフィンガ(58)は、外側チューブ(46)の遠位端(60)の側壁内に形成された対応する開口部(64)内に回転可能に受容される突出部(62)を含む。
【0019】
本例では、内側チューブ(48)は、ハンドルアセンブリ(18)に対して長手方向に固定され、外側チューブ(46)は、シャフトアセンブリ(20)の長手方向軸に沿って、内側チューブ(48)及びハンドルアセンブリ(18)に対して並進するように構成されている。外側チューブ(46)が遠位に並進すると、クランプアーム(38)は、枢動ピン(56)を中心としてその開放位置に向かって枢動する。外側チューブ(46)が近位に並進すると、クランプアーム(38)は、その閉鎖位置に向かって反対方向に枢動する。外側チューブ(46)の近位端は、トリガ(32)と、例えば、リンケージアセンブリを介して動作可能に連結され、それにより、トリガ(32)の作動は、内側チューブ(48)に対する外側チューブ(46)の並進を引き起こし、それによってクランプアーム(38)を開閉する。本明細書に示されない他の好適な構成では、外側チューブ(46)は、長手方向に固定されてもよく、内側チューブ(48)は、クランプアーム(38)をその開放位置と閉鎖位置との間で移動させるために並進するように構成されてもよい。
【0020】
シャフトアセンブリ(20)及びエンドエフェクタ(22)は、ハンドルアセンブリ(18)に対して、長手方向軸を中心として一緒に回転するように構成されている。
図4に示される保持ピン(66)は、外側チューブ(46)、内側チューブ(48)、及び導波管(50)の近位部分を通って横方向に延在し、それによって、これらの構成要素を互いに対して回転可能に連結する。本例では、回転ノブ(68)が、シャフトアセンブリ(20)の近位端部分に提供されて、ハンドルアセンブリ(18)に対する、シャフトアセンブリ(20)及びエンドエフェクタ(22)の回転を容易にする。回転ノブ(68)は、回転ノブ(68)の近位カラーを通って延在する保持ピン(66)を用いてシャフトアセンブリ(20)に回転可能に固設される。他の好適な構成では、回転ノブ(68)は、省略されてもよく、又は代替的な回転作動構造で置換されてもよいことが理解されるであろう。
【0021】
超音波導波管(50)は、
図5に示されるように、例えば、ねじ接続部によって、その近位端で超音波トランスデューサ(34)と、かつその遠位端で超音波ブレード(36)と音響的に連結される。超音波ブレード(36)は、ブレード(36)が導波管(50)の遠位端から直接、遠位に延在するように、導波管(50)と一体的に形成されて示されている。このようにして、導波管(50)は、超音波トランスデューサ(34)を超音波ブレード(36)と音響的に連結し、トランスデューサ(34)からブレード(36)に超音波機械振動を伝達するように機能する。したがって、超音波トランスデューサ(34)、導波管(50)、及び超音波ブレード(36)は、音響アセンブリ(100)を一緒に画定する。使用中、超音波ブレード(36)は、クランプアーム(38)によって提供される補助的なクランプ力の有無にかかわらず、組織と直接接触して位置付けられて、組織に超音波振動エネルギーを与え、それによって組織を切断及び/又は封止し得る。例えば、ブレード(36)は、クランプアーム(38)とブレード(36)の第1の処置側部(204)との間にクランプされた組織を切開してもよく、又はブレード(36)は、例えば、「バックカッティング」運動中、ブレード(36)の反対に配設された第2の処置側部(206)と接触して位置付けられた組織を切開してもよい。いくつかの変形形態では、導波管(50)は、ブレード(36)に送達される超音波振動を増幅し得る。更に、導波管(50)は、振動の利得を制御するように動作可能な様々な特徴、及び/又は導波管(50)を選択された共振周波数に同調させるために好適な特徴を含み得る。超音波ブレード(36)及び導波管(50)の更なる例示的な特徴が、以下により詳細に説明される。
【0022】
導波管(50)は、
図4及び
図5に示されるように、導波管(50)の長さに沿って位置付けられた複数のノード支持要素(70)によって内側チューブ(48)内に支持される。具体的には、ノード支持要素(70)は、導波管(50)を通って伝達される共振超音波振動によって画定される音響ノードに対応する場所で、導波管(50)に沿って長手方向に位置付けられる。ノード支持要素(70)は、導波管(50)に対する構造的支持、並びに導波管(50)とシャフトアセンブリ(20)の内側チューブ及び外側チューブ(46、48)との間の音響的隔離を提供し得る。例示的な変形形態では、ノード支持要素(70)は、Oリングを含み得る。導波管(50)は、
図5に示される、オーバーモールド部材(72)の形態のノード支持要素によって、その最遠位音響ノードで支持される。導波管(50)は、例えば、最近位音響ノードなどの、導波管(50)の近位に配置された音響ノードで形成された横断貫通孔(74)を通過する、保持ピン(66)によってシャフトアセンブリ(20)内に長手方向に、かつ回転可能に固設される。
【0023】
本例では、超音波ブレード(36)の遠位先端(76)は、導波管(50)を通して伝達される共振超音波振動と関連付けられたアンチノードに対応する位置に位置する。そのような構成は、超音波ブレード(36)が組織によって荷重をかけられていないときに、器具(14)の音響アセンブリ(100)が好ましい共振周波数foに調整されることを可能にする。超音波トランスデューサ(34)が発電機(12)によって通電されて、導波管(50)を通してブレード(36)に機械的振動を伝達するとき、ブレード(36)の遠位先端(76)は、例えば、約50kHzの所定の振動周波数foで、約20~120ミクロンのピーク間の範囲内、例えば、場合によっては、約20~50ミクロンの範囲で長手方向に振動させられる。超音波ブレード(36)が組織と接触して位置付けられているとき、ブレード(36)の超音波振動は、同時に、組織を切断し、隣接する組織細胞内のタンパク質を変性させ、それによって、最小の熱拡散を伴う凝固効果を提供し得る。
【0024】
図6に示されるように、内側チューブ(48)の遠位端(54)は、内側チューブ(48)の残りの近位部分に対して半径方向外向きにオフセットされ得る。この構成は、クランプアーム枢動ピン(56)を受容する枢動ピン孔(78)が、内側チューブ(48)の残りの近位部分と同一平面に形成された遠位端(54)の場合よりも、シャフトアセンブリ(20)の長手方向軸から更に離れて離間されることを可能にする。有利には、これは、例えば、バックカッティング中に、超音波ブレード(36)が、組織によってブレード(36)上に及ぼされる通常の力に応答して、クランプアーム(38)及び枢動ピン(56)に向かって撓むときに、クランプアーム電極(42)の近位部分とブレード電極(44)との間の増大された隙間を提供し、それによって、電極(42、44)とそれらの対応するアクティブ及びリターン電気経路との間の望ましくない「短絡」の危険性を軽減する。言い換えると、超音波ブレード(36)がバックカッティング動作で使用されるとき、超音波ブレード(36)は、シャフトアセンブリ(20)の長手方向軸から離れて、ピン(56)に向かってわずかに偏向する傾向があり得る。別途、本例の遠位端(54)によって提供される半径方向のオフセットがない枢動ピン孔(78)よりも長手方向軸から更に離間された枢動ピン孔(78)を有することによって、遠位端(54)は、旋回ピン(56)と超音波ブレード(36)との間に追加の側方の隙間を提供し、それによって、超音波ブレード(36)がバックカッティング動作中に横方向に偏向したときの超音波ブレード(36)と枢動ピン(56)との間の接触の危険性を低減又は排除する。エンドエフェクタ(22)がアクティブ化されてRF電気外科用エネルギーを印加するときの超音波ブレード(36)と枢動ピン(56)との間の接触から、防止しない場合に結果的に生じる電気的短絡を防止することに加えて、追加の隙間は、超音波ブレード(36)が超音波振動しているときに、超音波ブレード(36)と枢動ピン(56)との間の接触から結果的に生じ得る機械的損傷を防止する。
【0025】
B.例示的な超音波ブレード
図7~
図9は、外科用器具(14)の超音波ブレード(36)の更なる詳細を示す。超音波ブレード(36)は、内側チューブ及び外側チューブの遠位端(54、60)を越えて遠位に延在し、かつフィレット付き縁を有する遠位先端(76)で終端する、組織処置部分を含む。ブレード(36)の組織処置部分は、超音波導波管(50)を通して受容された超音波エネルギーと接触して組織を処置するように構成されている。
図8に示されるように、ブレード(36)の組織処置部分は、近位の直線ブレード領域(202)と、直線ブレード領域(202)から遠位に延在する遠位の湾曲したブレード領域(204)と、を含む。直線ブレード領域(202)は、シャフトアセンブリ(20)によって画定された長手方向軸に対して平行に延在し、これに沿って導波管(50)が延在する。湾曲したブレード領域(204)は、長手方向軸から遠位方向に横方向に偏向する湾曲した経路に沿って延在する。
図8に最良に示されるように、湾曲したブレード領域(204)の側方寸法は、遠位先端(76)に向かって遠位に先細になる。
図2及び
図3に示されるように、クランプアーム(38)は、クランプアーム(38)が近位の直線クランプ部分及び遠位の湾曲したクランプ部分を含むという点で、超音波ブレード(36)の処置部分と同様に形状決めされ得る。代替的な構成では、超音波ブレード(36)及びクランプアーム(38)は、完全に直線、かつ長手方向軸に対して平行に延在してもよい。
【0026】
超音波ブレード(36)の組織処置部分は、クランプアーム(38)(視界から隠されている)に面し、かつクランプアーム(38)に対して組織を圧縮するように構成されている、上部一次処置側部(206)を含む。組織処置部分は、一次処置側部(206)の反対に配置され、かつクランプアーム(38)から離れるように面する、切断縁(208)を有する、下部二次処置側部を更に含む。切断縁(208)は、バックカッティング処置中に組織を切断するように構成される。第1及び第2の側方ブレード側部(210、212)は、一次処置側部(206)と切断縁(208)との間に延在する。
図9の断面図に最良に示されるように、一次処置側部(206)は凸状に丸みを帯びている。加えて、第1及び第2の側部(210、212)の各々は、直線ブレード領域(202)の遠位部分及び湾曲したブレード領域(204)の全体を、その湾曲した経路に沿って、通って遠位方向に延在する、広範囲の平坦側面(214)を含む。
図9に示されるように、広範囲の平坦側面(214)は、一次処置側部(206)の丸みを帯びた処置表面から下向きに垂れ下がり、互いに略平行である側方側縁を有する超音波ブレード(36)の断面を画定する。
【0027】
選択された長手方向の場所での超音波ブレード(36)のブレード高さは、選択された場所での一次処置側部(206)と切断縁(208)との間で測定される最大横断距離によって画定される。選択された長手方向の場所での超音波ブレード(36)のブレード幅は、選択された場所での第1及び第2の外側部(210、212)の間で測定される最大横断距離によって画定される。
図7及び
図8に示されるように、湾曲したブレード領域(204)は、ブレード先端(76)を含む、それに沿った様々な長手方向の場所で、ブレード高さが、対応するブレード幅よりも大きいように、形状決めされる。他の構成では、ブレード高さは、ブレード幅以下であってもよい。
【0028】
C.クランプアーム電極の例示的な構成
図10は、超音波ブレード(36)と、クランプパッド(40)を有するクランプアーム(38)と、を含む、外科用器具(14)のエンドエフェクタ(22)の組織処置部分の概略断面端面図を示す。クランプパッド(40)は、クランプアーム(38)のクランプ側の中心線領域に沿って遠位に延在し、クランプアーム電極(42)を提供する。クランプアーム電極(42)は、クランプパッド(40)の第1の外側部に沿って遠位に延在する第1の電極側部分(280)と、クランプパッド(40)の対向する第2の外側部に沿って遠位に延在する第2の電極側部分(282)と、を含む。
図10に示されるように、各クランプアーム電極側部分(280、282)は、電極側部分(280、282)の外側側方縁から、クランプパッド(40)の対応する外側部に当接して示されている電極側部分(280、282)の内側側方縁まで、測定された側方電極幅(W)を有して形成される。クランプパッド(40)は、各クランプアーム電極側部分(280、282)の内側側方縁とブレード(36)の対応する外側部(210、212)との間の側方間隙距離(G1)を画定するように、超音波ブレード(36)の横方向幅よりも大きい側方パッド幅を有して形成される。クランプパッド(40)は、ブレード(36)の一次処置側部(266)に向かう方向に、電極側部分(280、282)を越えて突出する。本構成は、各電極側部分(280、282)と、クランプパッド(40)のクランプ表面、したがってブレード(36)の一時処置側部(266)との間の垂直間隙距離(G2)を画定する。
【0029】
側方電極幅(W)の最適なサイズ決めは、組織を封止するために十分な双極RFエネルギーの送達のための適切な電極表面積を提供し、一方で小さ過ぎる電極幅(W)によって引き起こされる望ましくない電気的火花又はアーク発生を防止する。間隙距離(G1、G2)の最適なサイズ決めは、エンドエフェクタ(22)のピーク効率を可能にする。例えば、間隙距離(G1、G2)の最適なサイズ決めは、小さ過ぎる間隙距離(G1、G2)によって引き起こされる超音波ブレード(36)とクランプアーム(38)との間の望ましくない電気的短絡を防止し、大き過ぎる間隙距離(G1、G2)によって引き起こされる、望ましくない電気的火花又はアーク発生及び結果的に生じるRFエネルギーの非効率な伝送を更に防止する。例示的な構成では、各クランプアーム電極側部分(280、282)の側方電極幅(W)は、例えば、約0.018インチなどの、約0.007インチ~約0.018インチの範囲内であり得る。各電極側部分(280、282)に対応する側方間隙距離(G1)は、例えば、約0.007インチ又は約0.012インチなどの、約0.002インチ~約0.012インチの範囲内であり得る。加えて、様々な例では、電極側部(280、282)に対応する垂直間隙距離(G2)は、0より大きく、電極側部分(280、290)の全長に沿って互いに均一かつ等しくてもよい。
【0030】
クランプアーム(38)及びその寸法構成の例示的な変形形態が以下に説明され、これらの各々は、クランプアーム(38)と同様の様式で機能するように構成され、外科用器具(14)と共に使用するために好適である。更に、以下に説明される追加のクランプアーム構成の側方電極幅(W)及び間隙距離(G1、G2)は、上記の例示的な範囲内に収まり得る。当業者であれば、以下に説明されるクランプアームの例示的なクランプアーム電極特徴のうちの任意の1つ又は2つ以上を組み込む、クランプアーム(38)の様々な追加の変形形態が、外科用器具(14)と組み合わせて使用され得ることを理解するであろう。
【0031】
図11は、
図10のクランプアーム(38)の第1の例示的な変形形態による、超音波ブレード(36)及びクランプアーム(292)を含むエンドエフェクタ(290)を示す。クランプアーム(292)は、クランプアーム(292)が、中央に位置付けられたクランプパッド(294)と、クランプパッド(294)のそれぞれの外側部に沿って遠位に延在する第1及び第2のクランプアーム電極側部分(296、298)と、を含む点でクランプアーム(38)と同様である。クランプアーム電極側部分(296、298)の遠位端は、遠位電極ブリッジ部分(299)によって一緒に接合される。示されるように、各電極側部分(296、298)の側方電極幅(W)は、超音波ブレード(36)の処置部分の全長に沿って、均一であり、かつ他方と等しい。同様に、各電極側部分(296、298)に対応する側方間隙距離(G1)は、超音波ブレード(36)の組織処置部分の全長に沿って、均一であり、かつ他方と等しい。側方電極幅W及び側方間隙距離Gは、上記の範囲内に収まり得る。
【0032】
図12は、
図10のクランプアーム(38)の第2の例示的な変形形態による、超音波ブレード(36)及びクランプアーム(302)を含むエンドエフェクタ(300)を示す。クランプアーム(302)は、クランプアーム(302)が、中央に位置付けられたクランプパッド(304)と、クランプパッド(304)のそれぞれの外側部に沿って遠位に延在し、かつ電極ブリッジ部分(309)によってそれらの遠位端で接合される、第1及び第2のクランプアーム電極側部分(306、308)と、を含む点で
図11のクランプアーム(292)と同様である。クランプアーム(302)は、各電極側部分(306、308)の側方電極幅(W)が、超音波ブレード(36)の組織処置部分の全長に沿って、均一であり、かつ他方と等しい点でクランプアーム(292)と更に同様である。
【0033】
クランプアーム(302)は、各電極側部分(306、308)の側方間隙距離(G1)がブレード(36)の組織処置部分の長さに沿って不均一である点で、クランプアーム(292)とは異なる。具体的には、側方間隙距離(G1)は、ブレード(36)の湾曲した領域(204)の遠位部分に沿って遠位に広がるか、又は増大する。本例では、電極側部分(308)の側方間隙距離(G1)は、電極側部分(306)の側方間隙距離(G1)よりも大きい比率で遠位に増大する。したがって、電極側部分(306、308)の側方間隙距離(G1)は、ブレード(36)の湾曲した領域(204)の遠位部分全体にわたって互いに等しくない。具体的には、ブレード(36)の湾曲した領域(204)に沿った様々な長手方向の場所で、電極側部分(308)の側方間隙距離(G1)は、電極側部分(306)の側方間隙距離(G1)よりも大きい。クランプアーム(302)の他の変形形態では、電極側部分(306、308)の側方間隙距離(G1)は、間隙距離(G1)が、湾曲したブレード領域(204)全体にわたって互いに等しいままであるように、同じ比率で遠位に増大してもよい。
【0034】
図12に示されるように、上記のクランプアーム(302)の構成は、湾曲したブレード領域(204)の遠位部分を通って横方向に外向きに広がるか、又は増大する幅を有するクランプパッド(304)を提供することによって達成され得る。超音波ブレード(36)の側方の偏向が最大である、エンドエフェクタ(300)の遠位部分での増大した間隙距離(G1)は、クランプされた組織を介して、超音波ブレード(36)とクランプアーム(302)との間のより大きい側方の位置ずれを、それらの間の電気的連結を維持しながら可能にする。クランプパッド(304)の広がった領域全体に均一の側方電極幅(W)を維持するために、クランプアーム(302)の横方向幅は、クランプパッド(304)の横方向幅と同時に遠位に増大するか、又は広がる。
【0035】
図13は、
図10のクランプアーム(38)の第3の例示的な変形形態による、超音波ブレード(36)及びクランプアーム(312)を含むエンドエフェクタ(310)を示す。クランプアーム(312)は、クランプアーム(312)が、中央に位置付けられたクランプパッド(314)と、クランプパッド(314)のそれぞれの外側部に沿って遠位に延在し、かつ電極ブリッジ部分(319)によってそれらの遠位端で接合される、第1及び第2のクランプアーム電極側部分(316、318)と、を含む点で
図12のクランプアーム(302)と同様である。クランプアーム(312)は、各電極側部分(316、318)の側方間隙距離(G1)が、湾曲したブレード領域(204)の遠位部分に沿って遠位に増大し、間隙距離(G1)が、湾曲したブレード領域(204)全体の全ての長手方向の場所で互いに等しくない点で、クランプアーム(302)と更に同様である。
【0036】
クランプアーム(312)は、各電極側部分(316、318)の側方電極幅(W)がブレード(36)の組織処置部分の長さに沿って不均一である点で、クランプアーム(302)とは異なる。具体的には、側方電極幅(W)は、湾曲したブレード領域(204)の遠位部分に沿って遠位に先細になるか、又は減少する。言い換えると、側方間隙距離(G1)が増大するにつれて、側方電極幅(W)が減少する。増大及び減少の比率は、互いに同様であってもよい。加えて、電極側部分(316、318)の側方電極幅(W)は、クランプアーム(312)に沿った任意の所与の長手方向の場所で、互いに実質的に等しくてもよい。クランプアーム(302)の狭小電極側部分(316、318)は、増大した間隙距離(G1)を有するクランプアーム区分で、集中したレベルの双極RFエネルギーを送達する。これは、より大きい間隙区分での組織に対する電気外科用双極RFエネルギーの効果的な送達を可能にし、これらの区分は、クランプアーム(312)の横方向幅が
図12のクランプアーム(302)のように外向きに広がることを必要とせずに、上記のように超音波ブレード(36)のより大きな程度の側方の偏向に適応する。したがって、クランプアーム(312)は、概して、より細い外形を維持しつつ、クランプアーム(302)と同じ性能利点を提供し得る。
【0037】
図14は、
図10のクランプアーム(38)の第4の例示的な変形形態による、超音波ブレード(36)及びクランプアーム(322)を含むエンドエフェクタ(320)を示す。クランプアーム(322)は、クランプアーム(322)が、中央に位置付けられたクランプパッド(324)と、クランプパッド(324)のそれぞれの外側部に沿って遠位に延在する第1及び第2のクランプアーム電極側部分(326、328)と、を含む点で、クランプアーム(292、302、312)と同様である。加えて、各電極側部分(326、328)の側方電極幅(W)は、超音波ブレード(36)の組織処置部分の全長に沿って、均一であり、かつ他方と等しい。
【0038】
クランプアーム(322)は、クランプアーム(322)が電極側部分(326、328)の遠位端(327、329)を接合する遠位電極ブリッジ部分を省略する点で、クランプアーム(292、302、312)とは異なる。むしろ、本例では、電極遠位端(327、329)は、クランプアーム(322)の遠位先端に延在する、クランプパッド(324)によって互いに横方向に分離される。加えて、電極遠位端(327、329)は、遠位ブレード先端(76)と位置合わせされるが、遠位端(327、329)は、他の例では、ブレード先端部(76)の近位又は遠位で終端し得ることが理解されるであろう。図示されていないが、クランプアーム(322)の遠位端(327、329)と同様の電極遠位端を提供するために遠位電極ブリッジ部分(299、309、319)が省略される、上記のクランプアーム(292、302、312)のいずれかの変形形態が提供されてもよい。
【0039】
上記の各クランプアーム(292、302、312、322)は、電極側部分の全長に沿って互いに幅(W)が等しい第1及び第2の電極側部分を有する。しかしながら、クランプアーム(292、302、312、322)の代替的な変形形態は、その1つ又は2つ以上の長手方向に延在する部分に沿って、例えば、湾曲したブレード領域(204)に対応する部分に沿って、幅(W)が等しくない電極側部分を有してもよい。そのような電極幅(W)の変動は、ブレード(36)及び/又はクランプアーム(292、302、312、322)によって呈される、第1の側方ブレード側部(210)に対応する、それらの凹状の湾曲した外側部と、第2の側方ブレード側部(212)に対応する、それらのそれぞれの凸状の湾曲した外側部と、の間の性能の差に適応するように提供され得る。例えば、使用中、ブレード(36)及びクランプアーム(292、302、312、322)の凹状の湾曲した外側部は、第1の程度の切断及び封止処置を組織に提供し得るが、ブレード(36)及びクランプアーム(292、302、312、322)の凸状の湾曲した外側部は、第2の程度の切断及び封止処置を組織に提供し得る。
【0040】
II.代表的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる、又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いかなる特許請求の範囲の適用範囲をも限定することを目的としたものではない、と理解すべきである。一切の棄権を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の種々の教示は、その他の多くの方法で配置及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者ら又は本発明者らの利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、決定的なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む特許請求の範囲が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0041】
外科用器具であって、(a)超音波トランスデューサと、(b)超音波トランスデューサに対して遠位に延在するシャフトと、c)シャフトの遠位端に配置されたエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタが、(i)超音波エネルギーを用いて超音波トランスデューサによって駆動されるように構成された超音波ブレードであって、(A)上部処置側部と、(B)上部処置側部の反対に配置された下部処置側部と、(C)第1の外側部と、(D)第1の外側部の反対に配置された第2の外側部と、を含む、超音波ブレードと、(ii)組織を超音波ブレードとの間にクランプするために超音波ブレードに対して可動であるクランプアームであって、クランプアームが、RFエネルギーを用いて組織を封止するように動作可能なRF電極を提供し、RF電極が、(A)第1の電極側部分であって、第1の電極側部分が、超音波ブレードの第1の外側部から横方向に外向きに第1の側方間隙距離だけ離間されている、第1の電極側部分と、(B)第1の電極側部分から離間された第2の電極側部分であって、第2の電極側部分が、超音波ブレードの第2の外側部から横方向に外向きに第2の側方間隙距離だけ離間されている、第2の電極側部分と、含む、クランプアームと、を含む、外科用器具。
【実施例2】
【0042】
エンドエフェクタが、クランプアームに連結されたクランプパッドを更に含み、第1の電極側部分が、クランプパッドの第1の外側部に沿って延在し、第2の電極側部分が、クランプパッドの第2の外側部に沿って延在する、実施例1に記載の外科用器具。
【実施例3】
【0043】
第1の側方間隙距離が、超音波ブレードの湾曲した遠位部分に沿った第2の側方間隙距離と等しい、実施例1又は2に記載の外科用器具。
【実施例4】
【0044】
第1の側方間隙距離又は第2の側方間隙距離のうちの少なくとも一方が、超音波ブレードの湾曲した遠位部分に沿って均一である、実施例1~3のいずれかに記載の外科用器具。
【実施例5】
【0045】
第1の側方間隙距離又は第2の側方間隙距離のうちの少なくとも一方が、超音波ブレードの湾曲した遠位部分に沿って不均一である、実施例1~4のいずれかに記載の外科用器具。
【実施例6】
【0046】
第1の側方間隙距離及び第2の側方間隙距離の各々が、超音波ブレードの湾曲した遠位部分に沿って0.002インチ~0.012インチの範囲内である、実施例1~5のいずれかに記載の外科用器具。
【実施例7】
【0047】
第1の電極側部分又は第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の横方向幅が、クランプアームの少なくとも遠位部分の長さに沿って均一である、実施例1~6のいずれかに記載の外科用器具。
【実施例8】
【0048】
第1の電極側部分又は第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の横方向幅が、クランプアームの少なくとも遠位部分の長さに沿って不均一である、実施例1~7のいずれかに記載の外科用器具。
【実施例9】
【0049】
第1の電極側部分又は第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の横方向幅が、遠位に増大する、実施例1~8のいずれかに記載の外科用器具。
【実施例10】
【0050】
第1の電極側部分又は第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の横方向幅が、遠位に減少する、実施例8又は9に記載の外科用器具。
【実施例11】
【0051】
第1の電極側部分及び第2の電極側部分の各々の横方向幅が、クランプアームの少なくとも遠位部分の長さに沿って0.007インチ~0.018インチの範囲内である、実施例1~10のいずれかに記載の外科用器具。
【実施例12】
【0052】
RF電極が、超音波ブレードの遠位先端を越えて遠位に延在し、第1の電極側部分の遠位端を第2の電極側部分の遠位端と電気的に連結する電極ブリッジ部分を画定する、実施例1~11のいずれかに記載の外科用器具。
【実施例13】
【0053】
超音波ブレードが、直線近位部分及び湾曲した遠位部分を含み、第1及び第2の電極側部分が、湾曲した遠位部分に沿って延在する、実施例1~12のいずれかに記載の外科用器具。
【実施例14】
【0054】
RF電極が、第1のRF電極を含み、超音波ブレードが、第2のRF電極を提供し、第1及び第2のRF電極が、双極RFエネルギーを用いて組織を封止するように動作可能である、実施例1~13のいずれかに記載の外科用器具。
【実施例15】
【0055】
超音波ブレードの上部処置側部が、第2のRF電極を提供する凸状に湾曲した表面を含む、実施例1~14のいずれかに記載の外科用器具。
【実施例16】
【0056】
外科用器具であって、(a)超音波トランスデューサと、(b)超音波トランスデューサに対して遠位に延在するシャフトと、(c)シャフトの遠位端に配置されたエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタが、(i)超音波エネルギーを用いて超音波トランスデューサによって駆動されるように構成された超音波ブレードであって、(A)上部処置側部と、(B)上部処置側部の反対に配置された下部処置側部と、(C)第1の外側部と、(D)第1の外側部の反対に配置された第2の外側部と、を含む、超音波ブレードと、(ii)組織を超音波ブレードとの間にクランプするために超音波ブレードに対して可動であるクランプアームであって、クランプアームが、RFエネルギーを用いて組織を封止するように動作可能なRF電極を提供し、RF電極が、(A)第1の電極側部分であって、第1の電極側部分が、第1の幅を有し、超音波ブレードの第1の外側部から横方向に外向きに第1の側方間隙距離だけ離間されている、第1の電極側部分と、(B)第1の電極側部分から離間された第2の電極側部分であって、第2の電極側部分が、第2の幅を有し、超音波ブレードの第2の外側部から横方向に外向きに第2の側方間隙距離だけ離間されている、第2の電極側部分と、を含む、クランプアームと、を含み、第1の幅又は第2の幅のうちの少なくとも一方が、クランプアームの少なくとも遠位部分の長さに沿って不均一であり、第1の側方間隙距離又は第2の側方間隙距離のうちの少なくとも一方が、クランプアームの少なくとも遠位部分の長さに沿って不均一である、外科用器具。
【実施例17】
【0057】
第1の幅及び第2の幅の各々が、遠位に減少する、実施例16に記載の外科用器具。
【実施例18】
【0058】
第1の側方間隙距離及び第2の側方間隙距離の各々が、遠位に増大する、実施例16又は17に記載の外科用器具。
【実施例19】
【0059】
外科用器具であって、(a)超音波トランスデューサと、(b)超音波トランスデューサに対して遠位に延在するシャフトと、(c)シャフトの遠位端に配置されたエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタは、(i)超音波エネルギーを用いて超音波トランスデューサによって駆動されるように構成された超音波ブレードであって、(A)直線近位ブレード部分と、(B)湾曲した遠位ブレード部分と、(C)第1の外側部と、(D)第1の外側部の反対に配置された第2の外側部と、を含む、超音波ブレードと、(ii)組織を超音波ブレードとの間にクランプするために超音波ブレードに対して可動であるクランプアームであって、クランプアームが、RFエネルギーを用いて組織を封止するように動作可能なRF電極を提供し、RF電極が、(A)第1の電極側部分であって、第1の電極側部分が、超音波ブレードの第1の外側部から横方向に外向きに第1の側方間隙距離だけ離間されている、第1の電極側部分と、(B)第1の電極側部分から離間された第2の電極側部分であって、第2の電極側部分が、超音波ブレードの第2の外側部から横方向に外向きに第2の側方間隙距離だけ離間されている、第2の電極側部分と、を含む、クランプアームと、を含み、第1の側方間隙距離又は第2の側方間隙距離のうちの少なくとも一方が、湾曲した遠位ブレード部分に沿って0.002インチ~0.012インチの範囲内である、外科用器具。
【実施例20】
【0060】
第1の電極側部分又は第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の横方向幅が、湾曲した遠位ブレード部分に沿って0.007インチ~0.018インチの範囲内である、実施例19に記載の外科用器具。
【0061】
III.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上述した教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示を考慮して、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正及び変形形態は、「特許請求の範囲」の範囲内に含まれるものとする。
【0062】
更に、本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書と同日出願の「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument Having Electrical Circuits With Shared Return Path」と題された米国特許出願第[代理人整理番号END8245USNP]号;本明細書と同日出願の「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument Having Slip Ring Electrical Contact Assembly」と題された米国特許出願第[代理人整理番号END8245USNP1]号;本明細書と同日出願の「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument Having Electrically Insulating Features」と題された米国特許出願第[代理人整理番号END8245USNP2]号;本明細書と同日出願の「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument Having Curved Ultrasonic Blade」と題された米国特許出願第[代理人整理番号END8245USNP3]号;本明細書と同日出願の「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument Having ving Waveguide With Distal Overmold Member」と題された米国特許出願第[代理人整理番号END8245USNP5]号;本明細書と同日出願の「Combination Ultrasonic and Electrosurgical System Having Generator Filter Circuitry」と題された第[代理人整理番号END8245USNP6]号;及び/又は本明細書と同日出願の「Combination Ultrasonic and Electrosurgical System Having EEPROM and ASIC Components」と題された米国特許出願第[代理人整理番号END8245USNP7]号に記載される教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も、更に理解されよう。これらの出願の各々の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
更に、本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書と同日出願の「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument with Clamp Arm Position Input and Method for Identifying Tissue State」と題された米国特許出願第[代理人整理番号END8146USNP]号;本明細書と同日出願の「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument with Adjustable Energy Modalities and Method for Sealing Tissue and Inhibiting Tissue Resection」と題された米国特許出願第[代理人整理番号END8146USNP1]号;本明細書と同日出願の「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument with Adjustable Clamp Force and Related Methods」と題された米国特許出願第[代理人整理番号END8146USNP2]号;本明細書と同日出願の「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument with Adjustable Energy Modalities and Method for Limiting Blade Temperature」と題された米国特許出願第[代理人整理番号END8146USNP3]号;本明細書と同日出願の「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument and Method for Sealing Tissue with Various Termination Parameters」と題された米国特許出願第[代理人整理番号END8146USNP4]号;及び/又は本明細書と同日出願の「Combination Ultrasonic and Electrosurgical Instrument and Method for Sealing Tissue in Successive Phases」と題された米国特許出願第[代理人整理番号END8146USNP5]号に記載される教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も、更に理解されよう。これらの出願の各々の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるいかなる特許、公報、又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることが理解されるべきである。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載された開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されたその他の開示内容と矛盾するいかなる内容、又はそれらの部分は本明細書に参照として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0065】
上記のデバイスのバージョンは、医療専門家により行われる従来の医療処置及び手術における用途のみではなく、ロボット支援された医療処置及び手術における用途をも有することができる。あくまで一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込むことができる。同様に、当業者であれば、本明細書における様々な教示を、以下のうちの任意の様々な教示と容易に組み合わせることができることを認識するであろう:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1998年8月11日発行の「Articulated Surgical Instrument For Performing Minimally Invasive Surgery With Enhanced Dexterity and Sensitivity」と題された米国特許第5,792,135号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1998年10月6日発行の「Remote Center Positioning Device with Flexible Drive」と題された米国特許第5,817,084号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年3月2日発行の「Automated Endoscope System for Optimal Positioning」と題された米国特許第5,878,193号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年5月15日発行の「Robotic Arm DLUS for Performing Surgical Tasks」と題された米国特許第6,231,565号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月31日発行の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された米国特許第6,783,524号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年4月2日発行の「Alignment of Master and Slave in a Minimally Invasive Surgical Apparatus」と題された米国特許第6,364,888号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年4月28日発行の「Mechanical Actuator Interface System for Robotic Surgical Tools」と題された米国特許第7,524,320号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年4月6日発行の「Platform Link Wrist Mechanism」と題された米国特許第7,691,098号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年10月5日発行の「Repositioning and Reorientation of Master/Slave Relationship in Minimally Invasive Telesurgery」と題された米国特許第7,806,891号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年9月30日発行の「Automated End Effector Component Reloading System for Use with a Robotic System」と題された米国特許第8,844,789号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年9月2日発行の「Robotically-Controlled Surgical Instruments」と題された米国特許第8,820,605号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年12月31日発行の「Shiftable Drive Interface for Robotically-Controlled Surgical Tool」と題された米国特許第8,616,431号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月5日発行の「Surgical Stapling Instruments with Cam-Driven Staple Deployment Arrangements」と題された米国特許第8,573,461号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年12月10日発行の「Robotically-Controlled Motorized Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems Having Variable Actuation Speeds」と題された米国特許第8,602,288号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年4月5日発行の「Robotically-Controlled Surgical Instrument with Selectively Articulatable End Effector」と題された米国特許第9,301,759号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年7月22日発行の「Robotically-Controlled Surgical End Effector System」と題された米国特許第8,783,541号;2013年7月9日発行の「Drive Interface for Operably Coupling a Manipulatable Surgical Tool to a Robot」と題された米国特許第8,479,969号;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年8月12日発行の「Robotictically-Controlled Cable-Based Surgical End Effectors」と題された米国特許出願公開第8,800,838号;及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月5日発行の「Robotictically-Controlled Surgical End Effector System With Rotary Actuated Closure Systems」と題された米国特許第8,573,465号。
【0066】
上述のデバイスのバージョンは、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスのいくつかの変形形態は分解することができ、また、デバイスの任意の数の特定の部分若しくは部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換後、デバイスのいくつかの変形形態を、再調整用の施設において、又は処置の直前に使用者によってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。こうした技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内である。
【0067】
単に一例として、本明細書に記載の変形形態は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次いで、容器及びデバイスを、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。また、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いて、デバイスを滅菌してもよい。
【0068】
以上、本発明の種々の実施形態を示し、記載したが、当業者による適切な改変により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程等は例示的なものであり、また必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0069】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
(a)超音波トランスデューサと、
(b)前記超音波トランスデューサに対して遠位に延在するシャフトと、
(c)前記シャフトの遠位端に配置されたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)超音波エネルギーを用いて前記超音波トランスデューサによって駆動されるように構成された超音波ブレードであって、
(A)上部処置側部と、
(B)前記上部処置側部の反対に配置された下部処置側部と、
(C)第1の外側部と、
(D)前記第1の外側部の反対に配置された第2の外側部と、を含む、超音波ブレードと、
(ii)組織を前記超音波ブレードとの間にクランプするために前記超音波ブレードに対して可動であるクランプアームであって、前記クランプアームが、RFエネルギーを用いて組織を封止するように動作可能なRF電極を提供し、前記RF電極が、
(A)第1の電極側部分であって、前記超音波ブレードの前記第1の外側部から横方向に外向きに第1の側方間隙距離だけ離間されている、第1の電極側部分と、
(B)前記第1の電極側部分から離間された第2の電極側部分であって、前記超音波ブレードの前記第2の外側部から横方向に外向きに第2の側方間隙距離だけ離間されている、第2の電極側部分と、を含む、クランプアームと、を含む、外科用器具。
(2) 前記エンドエフェクタが、前記クランプアームに連結されたクランプパッドを更に含み、前記第1の電極側部分が、前記クランプパッドの第1の外側部に沿って延在し、前記第2の電極側部分が、前記クランプパッドの第2の外側部に沿って延在する、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記第1の側方間隙距離が、前記超音波ブレードの湾曲した遠位部分に沿った前記第2の側方間隙距離と等しい、実施態様1に記載の外科用器具。
(4) 前記第1の側方間隙距離又は前記第2の側方間隙距離のうちの少なくとも一方が、前記超音波ブレードの湾曲した遠位部分に沿って均一である、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記第1の側方間隙距離又は前記第2の側方間隙距離のうちの少なくとも一方が、前記超音波ブレードの湾曲した遠位部分に沿って不均一である、実施態様1に記載の外科用器具。
【0070】
(6) 前記第1の側方間隙距離及び前記第2の側方間隙距離の各々が、前記超音波ブレードの湾曲した遠位部分に沿って0.051mm~0.305mm(0.002インチ~0.012インチ)の範囲内である、実施態様1に記載の外科用器具。
(7) 前記第1の電極側部分又は前記第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の横方向幅が、前記クランプアームの少なくとも遠位部分の長さに沿って均一である、実施態様1に記載の外科用器具。
(8) 前記第1の電極側部分又は前記第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の横方向幅が、前記クランプアームの少なくとも遠位部分の長さに沿って不均一である、実施態様1に記載の外科用器具。
(9) 前記第1の電極側部分又は前記第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の前記横方向幅が、遠位に増大する、実施態様8に記載の外科用器具。
(10) 前記第1の電極側部分又は前記第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の前記横方向幅が、遠位に減少する、実施態様8に記載の外科用器具。
【0071】
(11) 前記第1の電極側部分及び前記第2の電極側部分の各々の横方向幅が、前記クランプアームの少なくとも遠位部分の長さに沿って0.178mm~0.457mm(0.007インチ~0.018インチ)の範囲内である、実施態様1に記載の外科用器具。
(12) 前記RF電極が、前記超音波ブレードの遠位先端を越えて遠位に延在し、前記第1の電極側部分の遠位端を前記第2の電極側部分の遠位端と電気的に連結する電極ブリッジ部分を画定する、実施態様1に記載の外科用器具。
(13) 前記超音波ブレードが、直線近位部分及び湾曲した遠位部分を含み、前記第1及び第2の電極側部分が、前記湾曲した遠位部分に沿って延在する、実施態様1に記載の外科用器具。
(14) 前記RF電極が、第1のRF電極を含み、前記超音波ブレードが、第2のRF電極を提供し、前記第1及び第2のRF電極が、双極RFエネルギーを用いて組織を封止するように動作可能である、実施態様1に記載の外科用器具。
(15) 前記超音波ブレードの前記上部処置側部が、前記第2のRF電極を提供する凸状に湾曲した表面を含む、実施態様14に記載の外科用器具。
【0072】
(16) 外科用器具であって、
(a)超音波トランスデューサと、
(b)前記超音波トランスデューサに対して遠位に延在するシャフトと、
(c)前記シャフトの遠位端に配置されたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)超音波エネルギーを用いて前記超音波トランスデューサによって駆動されるように構成された超音波ブレードであって、
(A)上部処置側部と、
(B)前記上部処置側部の反対に配置された下部処置側部と、
(C)第1の外側部と、
(D)前記第1の外側部の反対に配置された第2の外側部と、を含む、超音波ブレードと、
(ii)組織を前記超音波ブレードとの間にクランプするために前記超音波ブレードに対して可動であるクランプアームであって、前記クランプアームが、RFエネルギーを用いて組織を封止するように動作可能なRF電極を提供し、前記RF電極が、
(A)第1の電極側部分であって、前記第1の電極側部分が、第1の幅を有し、前記超音波ブレードの前記第1の外側部から横方向に外向きに第1の側方間隙距離だけ離間されている、第1の電極側部分と、
(B)前記第1の電極側部分から離間された第2の電極側部分であって、前記第2の電極側部分が、第2の幅を有し、前記超音波ブレードの前記第2の外側部から横方向に外向きに第2の側方間隙距離だけ離間されている、第2の電極側部分と、を含む、クランプアームと、を含み、
前記第1の幅又は前記第2の幅のうちの少なくとも一方が、前記クランプアームの少なくとも遠位部分の長さに沿って不均一であり、
前記第1の側方間隙距離又は前記第2の側方間隙距離のうちの少なくとも一方が、前記クランプアームの少なくとも前記遠位部分の前記長さに沿って不均一である、外科用器具。
(17) 前記第1の幅及び前記第2の幅の各々が、遠位に減少する、実施態様16に記載の外科用器具。
(18) 前記第1の側方間隙距離及び前記第2の側方間隙距離の各々が、遠位に増大する、実施態様16に記載の外科用器具。
(19) 外科用器具であって、
(a)超音波トランスデューサと、
(b)前記超音波トランスデューサに対して遠位に延在するシャフトと、
(c)前記シャフトの遠位端に配置されたエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)超音波エネルギーを用いて前記超音波トランスデューサによって駆動されるように構成された超音波ブレードであって、
(A)直線近位ブレード部分と、
(B)湾曲した遠位ブレード部分と、
(C)第1の外側部と、
(D)前記第1の外側部の反対に配置された第2の外側部と、を含む、超音波ブレードと、
(ii)組織を前記超音波ブレードとの間にクランプするために前記超音波ブレードに対して可動であるクランプアームであって、前記クランプアームが、RFエネルギーを用いて組織を封止するように動作可能なRF電極を提供し、前記RF電極が、
(A)第1の電極側部分であって、前記第1の電極側部分が、前記超音波ブレードの前記第1の外側部から横方向に外向きに第1の側方間隙距離だけ離間されている、第1の電極側部分と、
(B)前記第1の電極側部分から離間された第2の電極側部分であって、前記第2の電極側部分が、前記超音波ブレードの前記第2の外側部から横方向に外向きに第2の側方間隙距離だけ離間されている、第2の電極側部分と、を含む、クランプアームと、を含み、
前記第1の側方間隙距離又は前記第2の側方間隙距離のうちの少なくとも一方が、前記湾曲した遠位ブレード部分に沿って0.051mm~0.305mm(0.002インチ~0.012インチ)の範囲内である、外科用器具。
(20) 前記第1の電極側部分又は前記第2の電極側部分のうちの少なくとも一方の横方向幅が、前記湾曲した遠位ブレード部分に沿って0.178mm~0.457mm(0.007インチ~0.018インチ)の範囲内である、実施態様19に記載の外科用器具。