(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】トリプル・プロテクション・システム
(51)【国際特許分類】
B25F 1/04 20060101AFI20221003BHJP
【FI】
B25F1/04
(21)【出願番号】P 2020048429
(22)【出願日】2020-03-02
【審査請求日】2020-03-09
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】519315213
【氏名又は名称】藤沼 伊代子
(72)【発明者】
【氏名】金田 幸徳
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04893409(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 1/00 - 1/10
B25F 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折りたたみ式の道具
又はフォールディング・ガードが組み込まれている折りたたみ式の道具において、
(1)デットボルト又はラッチボルトのいずれかと、
(2)「「前記デットボルト又はラッチボルトのいずれか」を収納するスペース」を持ちさらに「ハンドル及びないし又はライナー」に固着されているピポットピンと、
(3)弾性体又は磁石のいずれかと、
(4)
「2点のストライク」及び「2点のロック・ノッチ」を持つブレードやカトラリーも含む道具と、
(5)
「フック部分を持ち」さらに「「前記デットボルト又はラッチボルトのいずれか」と連結又は一体化しており」さらに「「U字型又はL字型のいずれか」の形状をしている」ロック・リリース・ボタンと、
(6)ストップ・ピン又は「「前記道具の回動面」に対し垂直に曲げられている面を持つハンドル及びないし又はライナーの「前記垂直に曲げられている面部分」」又は「ハンドル及びないし又はライナーに横架された板」のいずれかと、
を備えており、
「前記ロック・リリース・ボタン」を「前記道具
の回動面」に対して平行にスライドさせると「前記2点のストライクの内の1点」から「「前記デッドボルト又はラッチボルトのいずれか」が離脱する」と同時に「「前記デッドボルト又はラッチボルトのいずれか」が「前記ピポットピン」に埋没する」
と同時に「「前記ロック・リリース・ボタンのフック部分」が「前記ロック・ノッチ」から離脱する」ことによってロックが解除され、
「「前記2点のストライクの内の残りの1点」を「ロック解除前に「前記2点のストライクの内の1点」があった位置」まで回動させた後」に「前記ロック・リリース・ボタン」をロック解除時とは反対方向に平行にスライドさせると
「「前記デッドボルト又はラッチボルトのいずれか」が「前記ピポットピン」から出て「前記2点のストライクの内の残りの1点」と嵌合する
」と同時に「「前記ロック・リリース・ボタンのフック部分」が「前記ロック・ノッチ」と嵌合する」ことによってロックされ、
ロック状態が「前記ピポットピンに収納されている前記弾性体又は磁石のいずれか」又は「前記ハンドル及びないしライナーに設けられている前記弾性体又は磁石のいずれか」のいずれかによって維持される
ことを特徴とするロック機構。
【請求項2】
折りたたみ式の道具
又はフォールディング・ガードが組み込まれている折りたたみ式の道具において、
(1)デットボルト又はラッチボルトのいずれかと、
(2)「「前記デットボルト又はラッチボルトのいずれか」を収納するスペース」を持ちさらに「ハンドル及びないし又はライナー」に固着されているピポットピンと、
(3)弾性体又は磁石のいずれかと、
(4)「フック部分を持ち」さらに「「前記デットボルト又はラッチボルトのいずれか」と連結又は一体化しており」さらに「「U字型又はL字型のいずれか」の形状をしている」ロック・リリース・ボタンと、
(5)「2点のストライク」及び「2点のロック・ノッチ」を持つブレードやカトラリーも含む道具と、
(6)「2点の端部を回転軸とし」さらに「前記2点の回転軸がずれている」ワイヤーフォーミングと、
(7)「「前記ワイヤーフォーミング」を軸着するための孔」を持ちさらに「前記ピポットピン」が固着されている「ハンドル及びないし又はライナー」と、
(8)ストップ・ピン又は「「前記道具の回動面」に対し垂直に曲げられている面を持つハンドル及びないし又はライナーの「前記垂直に曲げられている面部分」」又は「ハンドル及びないし又はライナーに横架された板」のいずれかと、
を備えており、
「前記ロック・リリース・ボタン」を「前記道具の回動面」に対して平行にスライドさせると「前記2点のストライクの内の1点」から「「前記デッドボルト又はラッチボルトのいずれか」が離脱する」と同時に「「前記デッドボルト又はラッチボルトのいずれか」が「前記ピポットピン」に埋没する」と同時に「「前記ロック・リリース・ボタンのフック部分」が「前記ロック・ノッチ」から離脱する」ことによってロックが解除され、
「「前記2点のストライクの内の残りの1点」を「ロック解除前に「前記2点のストライクの内の1点」があった位置」まで回動させた後」に「前記ロック・リリース・ボタン」をロック解除時とは反対方向に平行にスライドさせると「「前記デッドボルト又はラッチボルトのいずれか」が「前記ピポットピン」から出て「前記2点のストライクの内の残りの1点」と嵌合する」と同時に「「前記ロック・リリース・ボタンのフック部分」が「前記ロック・ノッチ」と嵌合する」ことによってロックされ、
ロック状態が「「前記ピポットピンに収納されている前記弾性体又は磁石
のいずれか」又は「前記ハンドル及びないしライナーに設けられている前記弾性体又は磁石
のいずれか」のいずれか」
及び「前記ロック・リリース・ボタンを直接押圧する前記ワイヤーフォーミング」によって維持される
ことを特徴とするロック機構。
【請求項3】
折りたたみ式の道具又はフォールディング・ガード
が組み込まれている折りたたみ式の道具において、
「「ブレードやカトラリーも含む道具
」又は「ブレードやカトラリーも含む道具及びフォールディング・ガード」が開いている状態」において「ハンドル及びないし又はライニング道具」と「「前記道具」及びないし又は「前記フォールディング・ガード」」とを貫通する孔又はソケットのいずれかを持ち、
「前記孔又はソケット」は(1)ピンを挿嵌できる孔、(2)枝を挿嵌できる孔、(3)素材を問わない棒を挿嵌できる孔、(4)筆記具を挿嵌できる孔、(5)ペン型のライトを挿嵌できる孔、(6)歯ブラシの柄を挿嵌できる孔、(7)針金を挿嵌できる孔、
(8)釘を挿嵌できる孔、(9)ネジを螺嵌できる孔、(10)ボルトを螺嵌できる孔、(11)ドライバー・ピットを挿嵌できるソケット、(12)カラビナを挿嵌できる孔、(13)キー・リングを挿嵌できる孔、(14)ピンセットを挿嵌できる孔、(15)爪楊枝を挿嵌できる孔、(16)箸を挿嵌できる孔、(17)笛を挿嵌できる孔のいずれかであり、
「前記孔又はソケット」が「前記(1)のピンを挿嵌できる孔」である場合はビンを挿嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(2)の枝を挿嵌できる孔」である場合は枝を挿嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(3)の素材を問わない棒を挿嵌できる孔」である場合は素材を問わない棒を挿嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(4)の筆記具を挿嵌できる孔」である場合は筆記具を挿嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(5)のペン型のライトを挿嵌できる孔」である場合はペン型のライトを挿嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(6)の歯ブラシの柄を挿嵌できる孔」である場合は歯ブラシの柄を挿嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(7)の針金を挿嵌できる孔」である場合は針金を挿嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(8)の釘を挿嵌できる孔」である場合は釘を挿嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(9)のネジを螺嵌できる孔」である場合はネジを螺嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(10)のボルトを螺嵌できる孔」である場合はボルトを螺嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(11)のドライバー・ピットを挿嵌できるソケット」である場合はドライバー・ピットを挿嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(12)のカラビナを挿嵌できる孔」である場合はカラビナを挿嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(13)のキー・リングを挿嵌できる孔」である場合はキー・リングを挿嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(14)のピンセットを挿嵌できる孔」である場合はピンセットを挿嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(15)の爪楊枝を挿嵌できる孔」である場合は爪楊枝を挿嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(16)の箸を挿嵌できる孔」である場合は箸を挿嵌し、「前記孔又はソケット」が「前記(17)の笛を挿嵌できる孔」である場合は笛が挿嵌されることによって
「「前記道具」及びないし又は「前記フォールディング・ガード」が開いている状態」が維持される
緊急用のロック機構
をも備える上記請求項1又は上記請求項2に記載のロック機構。
【請求項4】
折りたたみ式の道具又はフォールディング・ガードが組み込まれている折りたたみ式の道具において、
ハンドルと、
ブレードやカトラリーも含む道具
と係合するとかかり部分を備えたフォールディング・ガードと、
前記フォールディング・ガードのとかかり部分と係合するとかかり部分を備えたブレードやカトラリーも含む道具と、
を備え、
前記フォールディング・ガード
のとかかり部分が、前記フォールディング・ガードが開いた状態において、前記フォールディング・ガードのハンドルに隠れている部分の外周にあり、且つ、前記フォールディング・ガードが閉じている状態において、前記ブレードやカトラリーも含む道具が閉じている状態から開いている状態に回動する際に前記ブレードやカトラリーも含む道具が移動する領域に突起しており、
前記
ブレードも含む工具のとかかり部分が、前記フォールディング・ガードも前記ブレードやカトラリーも含む道具も開いた状態において、前記ブレードやカトラリーも含む道具のハンドルに隠れている部分の外周にあり、且つ、前記フォールディング・ガードも前
記ブレードやカトラリーも含む道具も閉じている状態において、遅らせて随伴回動させたい分だけ前記フォールディング・ガードのとかかり部分と離れている
フォールディング・ガードが組み込まれている折りたたみ式の道具に、
上記請求項1又は上記請求項2又は上記請求項3に記載のロック機構
が組み込まれているフォールディング・ガードが組み込まれている折りたたみ式の道具。
【請求項5】
折りたたみ式の道具又はフォールディング・ガードが組み込まれている折りたたみ式の道具において、
ハンドルと、
ブレードやカトラリーも含む道具
と係合するとかかり部分を備えたフォールディング・ガードと、
前記フォールディング・ガードのとかかり部分と係合するとかかり部分を備えたブレードやカトラリーも含む道具と、
前記ブレードやカトラリーも含む道具と前記フォールディング・ガードとの間に組み込まれている弾性体と、
前記ハンドルと前記フォールディング・ガードとの間に組み込まれている弾性体と、
を備え、
前記フォールディング・ガード
のとかかり部分が、前記フォールディング・ガード
が開いた状態において、前記フォールディング・ガードのハンドルに隠れている部分の外周にあり、且つ、前記フォールディング・ガードが閉じている状態において、前記ブレードやカトラリーも含む道具が閉じている状態から開いている状態に回動する際に前記ブレードやカトラリーも含む道具が移動する領域に突起しており、
前記ブレードも含む工具のとかかり部分が、前記フォールディング・ガードも前記ブレードやカトラリーも含む道具も開いた状態において、前記ブレードやカトラリーも含む道具のハンドルに隠れている部分の外周にあり、且つ、前記フォールディング・ガードも前記ブレードやカトラリーも含む道具も閉じている状態において、遅らせて随伴回動させたい分だけ前記フォールディング・ガードのとかかり部分と離れており、
前記フォールディング・ガードには2点のストライクがあり、
前記フォールディング・ガードにある2点のストライクが前記フォールディング・ガードを回動させたい分だけ離れている
フォールディング・ガードが組み込まれている折りたたみ式の道具に、
上記請求項1又は上記請求項2又は上記請求項3に記載のロック機構
が組み込まれているフォールディング・ガードが組み込まれている折りたたみ式の道具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムと統合することを前提とする、折りたたみ式道具、フォールディング・ガード、そして非折りたたみ式道具に利用できるロック機構に関するものである。
尚、本発明における折りたたみ式道具は、(1)フォールディング・ナイフ、(2)折りたたみ式のこぎり、(3)フォールディング・ナイフにドライバー等を組み込んだマルチ・ツール、(4)折りたたみ式プライヤーにドライバー等を組み込んだマルチ・ツール、(5)折りたたみ式カトラリー、(6)折りたたみ式包丁、前記の(1)~(6)の物品を含む。
本発明における非折りたたみ式道具は、(1)ドライバー、(2)ボルスター付きドライバー、(3)ビット・ドライバー、(4)のこぎり、(5)ヤスリ、(6)シース・ナイフ、(7)包丁、前記の(1)~(7)の物品を含む。
例えば石油輸出機構における機構とベルト伝達機構における機構、例えば暴力装置における装置と衝突防止装置における装置、例えばmarket mechanismにおけるmechanismとwaterproofing mechanismにおけるmechanism、日本語も英語も言葉は多義的であり、言葉の意味は文脈で決定すると言うか示唆するしかないものであり、名称なき類概念は外延を列挙することからしか伝達活動を始められないものであり、個人的には外国語に翻訳する際のコストを理由にこのような長文は避けたいのだが、請求項の言葉の意味を明細書を文脈とすることによって決定すると言うか示唆すると言うか確定させる表現伝達方法が認められないおそれがあることを理由に、本発明請求項においては「ブレードやカトラリーも含む道具」とするものの、本発明における道具は、(1)各種ドライバー、(2)各種レンチ、(3)ビット・ドライバー、(4)ビット・ドライバー・ケース付きビット・ドライバー、(5)ヤスリ、(6)のこぎり、(7)ナイフ、カッター等を外延とするブレード、(8)ドリル、(9)アイス・ピック、(10)千枚通し、(11)カトラリー、(12)缶きり、(13)ワイン・オープナー、(14)栓抜き、前記の(1)~(14)の物品を含む。
本発明における簡易ロックとは、継合によって道具及びないし又はフォールディング・ガードが閉じている状態及び開いている状態を維持するための工夫を意味する。
本発明におけるロック機構とは、ロックを解除しなければ道具及びないし又はフォールディング・ガードを閉じられない、道具及びないし又はフォールディング・ガードが開いている状態又は閉じている状態を維持するための工夫を意味する。
本発明における0度及び0(rad)とは、(1)道具、(2)道具及びフォールディング・ガード、(3)フォールディング・ガード単体、前記の(1)又は(2)又は(3)が折りたたまれている状態である。
マイナスの値の角度は逆行を意味し、例えば-90度は順行換算で270度であり、360度よりβ度の方が小さくβ度よりもα度の方が小さく、β度やγ度は位置であり量でもあるがα度は相対速度のような差と言うか量であり、道具が衝止する角度であり回動する最大角度でもある角度をβ度とし、道具の回動に対し遅れて随伴回動するフォールディング・ガードが衝止する角度であり回動する最大角度でもある角度をγ度とし、折りたたまれている状態においてとかかり部分を離さなければならない角度と言うか道具の回動に対しフォールディング・ガードが遅れて回動を始める角度をα度とする。但し、道具の回動に対し遅れて随伴回動しないフォールディング・ガードについては、関係がある角度はγ度だけであり、β度との間においてもα度との間においても無関はないとする。
例えば「2箇所設けられた面、符号41及び符号42」という記載箇所があるが、特別な意味はない。個人的には伝達可能性は括弧書きにした方が高いと思うが、「2箇所設けられた面(符号41及び符号42)」と記載すると、「括弧書きは、直前の語と完全に一対一に対応すると認められるもの以外は、権利範囲を不明確なものにする」というルールに抵触するおそれがある。取り越し苦労かもしれないが、ルールに従ったに過ぎない。もし権利を拡大するための曖昧化戦術を使うのならば、図面を用意し、回動0度時点、回動90度時点、回動180度時点におけるロック機構又は簡易ロックを構成する主要部品及び主要部分の相対的位置関係を示さない。ワイヤーフォーミングについて、条件を満たす形状を公開しても、条件を満たす癖及び条件を満たさない癖までは公開しない。
本発明においては、操作と工程との関係については、こう定義する。操作よりも工程と言うか動作の方が上位概念であり、ロックを解除する工程と言うか動作の一つとして、ロック・リリース・ボタン(符号10)の操作がある。
最後に、背景技術及び発明が解決しようとする課題、そしてその範囲内にある表現においては、符号を示すことを回避する。背景技術及び発明が解決しようとする課題と、問題意識との間には連続性がある。しかし、発明が解決しようとする課題と、課題を解決するための手段との間には、非連続性と解釈し得る差異がある。何故なら、課題を解決するための手段は、本発明以外にもあり得るが故に、特殊性と言うか個別性を見出し得るからである。それ故に、「背景技術における道具と、課題を解決するための手段における道具は、同じなのか、違うのか、明確にしてください」との指令を受ける可能性を排除できない。そしてさらに、課題を解決するための手段をより限定させておかなければ、「不明確」と認定される可能性も排除できない。審査が始まる頃には体調がさらに悪化しているであろうと予測せざるを得ないこともある。取り越し苦労の可能性も排除できないが、予め説明しておく。
【背景技術】
【0002】
特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムは、折りたたみ式道具の安全性を追求するために、(1)思いがけないロック解除の際に、手が道具とハンドル及びないし又はライナーとの間に挟まれない方法、(2)道具を開く工程と言うか動作が、フォールディング・ガードを開く工程と言うか動作でもある方法、(3)ロックを解除するための工程において、手が道具とハンドル及びないし又はライナーとの間に挟まれない方法、(4)新しいロック機構が持つ信頼性の乏しさを補う方法、前記の(1)~(4)の方法について考えた結果の一部である。
【0003】
単一性がないと認定されるおそれを理由に、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムにおいて出願を諦めたロック機構は、ロックを解除するための工程と言うか動作において、手が道具とハンドル及びないし又はライナーとの間に挟まれる事故の発生確率を下げる。
【0004】
折りたたみ式道具用のロック機構は、出尽くしたと思われている。しかし、まだある。しかも、所謂ワン・ハンドのみにてロック及び解除ができるロック機構は、最低でも、あと2種類ある。
一つは、段落番号0009において説明されているセンター・スライド・ロックという名称を与えたロック機構である。もう一つは、センター・スライド・ロック3という名称で出願予定のロック機構である。因みに、後者もまた特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムを構成する要素として出願したかったロック機構である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムと統合することを前提とした、手が道具とハンドル及びないし又はライナーとの間に挟まれる事故の発生確率を下げられるロック機構がない点。
【0006】
複雑な部類に属すロック機構は、耐久性において劣っている部類に属する、このように考えられる点。
【0007】
折りたたみ式道具における道具は壊れていなくても、ロック機構が壊れれば道具が使えなくなる点。少なくとも、道具の使い難さが、ロック機構が壊れていない状態よりも高まる点。
【0008】
ロック機構を2系統にすれば、ロックを解除するための工程が増える点。
【課題を解決するための手段】
【0009】
道具に触れることなくロック及び解除ができるロック機構は、デッドボルト又はラッチボルトとロック・リリース・ボタンを連動又は一体化すれば実現する。故に、具体的には、
(1)デットボルト(符号5)又はラッチボルトを収納できるスペースを設けられる大きさまで、ピポットピンの径を大きくする、
(2)径が大きいピポットピン(符号6)をハンドル(符号20)及びないし又はライナーに固着する、
(3)径が大きいピポットピン(符号6)に、デットボルト(符号5)又はラッチボルトを収納できるスペースを設ける、
(4)デットボルト(符号5)又はラッチボルトと、ロック・リリース・ボタン(符号10)とを、連結又は一体化する、
(5)道具(符号3)に、ストライク(符号4)を、2箇所、設ける、
(6)収納されている状態においてまでデッドボルト(符号5)又はラッチボルトにその力が及んでいることは構造的な必須要項ではなく、ストライク(符号4)とデッドボルト(符号5)又はラッチボルトとの間の嵌合を維持するための力の発生源については、径が大きいピポットピン(符号6)内に収納された弾性体(符号8)及びないし又は磁石、又はハンドル(符号20)及びないし又はライナーに配設された弾性体(符号8)及びないし又は磁石を利用する、
(7)道具(符号3)に、ストライク(符号4)を、0度及び道具(符号3)を衝止させたい任意の角度β度において、デッドボルト(符号5)又はラッチボルトの運動軌道と重なる角度と言うか位置に設ける、
(8)道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動するフォールディング・ガード(符号1)を組み込む場合におけるストライク(符号4)の角度と言うか位置及びとかかり部分(符号2)についての説明は実施例に譲るが、道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動しないフォールディング・ガード(符号1)単体に組み込む場合は、そのフォールディング・ガード(符号1)に、ストライク(符号4)を、0度及び道具(符号3)を衝止させたい任意の角度γ度において、デッドボルト(符号5)又はラッチボルトの運動軌道と重なる角度と言うか位置に設ける、
(9)請求項において禁じられている表現と言うか伝達方法であるらしいことを理由に、請求項においては「
図3のように」という記載を排除するが、前記の(7)において、例えば、
図3のように、ロック・リリース・ボタン(符号10)と連結又は一体化されたデットボルト(符号5)又はラッチボルトが直線運動するための空間を90度において穿設し、道具(符号3)を180度回動後において衝止する場合は、ストライク(符号4)を、道具(符号3)に、90度及び-90度、順行換算で270度において設ける、
(10)請求項において禁じられている表現と言うか伝達方法であるらしいことを理由に、請求項においては「
図4のように」という記載を排除するが、前記の(7)において、例えば、
図4のように、ロック・リリース・ボタン(符号10)と連結又は一体化されたデットボルト(符号5)又はラッチボルトが直線運動するための空間を135度において穿設し、道具(符号3)を180度回動後において衝止する場合は、ストライク(符号4)を、道具(符号3)に、135度及び-45度、順行換算で315度において設ける、
(11)前記の(7)において、例えば、ロック・リリース・ボタン(符号10)と連結又は一体化されたデットボルト(符号5)又はラッチボルトが直線運動するための空間を90度において穿設し、道具を190度回動後において衝止する場合は、ストライク(符号4)を、道具(符号3)に、90度及び-100度、順行換算で260度において設ける、
(12)請求項において禁じられている表現と言うか伝達方法であるらしいことを理由に、請求項においては「
図15のように」という記載を排除するが、前記の(8)において、例えば、
図15のように、ロック・リリース・ボタン(符号10)と連結又は一体化されたデットボルト(符号5)又はラッチボルトが直線運動するための空間を90度において穿設し、道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動しないフォールディング・ガード(符号1)単体を90度回動後において衝止する場合は、ストライク(符号4)を、道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動しないフォールディング・ガード(符号1)単体に、90度及0度において設ける、
前記の(1)~(8)を一般的な手段とし、(9)~(12)を特殊的なと言うか個別的な手段とすることによって、実現する。
そして、この道具に触れることなくロック及び解除ができるロック機構名称センター・スライド・ロックを組み込むことによって、ロックを解除するための工程において手が道具とハンドル及びないし又はライナーとの間に挟まれる事故の発生確率は、下がる。
尚、ラッチボルト、
図4の符号5ではなく、デッドボルト、
図4以外の符号5を選択し、ストライク(符号4)の数を増やすことによって、道具(符号3)、又は道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動しないフォールディング・ガード(符号1)単体を固定できる角度は増える。
例えばロック・リリース・ボタン(符号10)と連結又は一体化されたデットボルト(符号5)が直線運動するための空間を90度において穿設し、ストライク(符号4)を、道具(符号3)に、90度、0度、-90度、順行換算で270度において設けることによって、閉じている状態を意味する0度を除けば、90度と180度の2ポイントにおいて、道具(符号3)を固定できる。
【0010】
緊急ロック機構名称ステーク・ロックは、
(1)開いた状態、又は開いた状態及びないし又は閉じた状態において、ハンドル(符号20)及びないし又はライニングと、道具(符号3)とを貫通する孔(符号12)、又は筆記具を挿嵌できる孔、又はペン型のライトを挿嵌できる孔、又はネジ孔、又はボルト用の孔、又はドライバー・ビットを挿嵌できるソケット、又はカラビナを挿嵌できる孔、又はキー・リングを挿嵌できる孔、又はピンセットを挿嵌できる孔、又は爪楊枝を挿嵌できる孔、又は箸を挿嵌できる孔、又は笛を挿嵌できる孔を設け、又は笛と嵌合できる孔を設け、それをストライクとする、
(2)前記の(1)の孔(符号12)の形状に適合するピン(符号14)、又は枝、又は素材を問わない棒、又は筆記具、又はペン型のライト、又は歯ブラシの柄、又はペン型のライト、又は針金、又は釘、又はネジ、又はボルト、又はドライバー・ピット、又はカラビナ、又はキー・リング、又はピンセット、又は爪楊枝、又は箸、又は笛を、デッドボルトとする、
(3)開いた状態、又は開いた状態及びないし又は閉じた状態において、前記の(1)に前記の(2)を挿嵌又は螺嵌する、
(4)但し、フォールディング・ガード(符号1)が組み込まれている場合は、前記の(1)と同様に、孔(符号12)、又は筆記具を挿嵌できる孔、又はペン型のライトを挿嵌できる孔、又はネジ孔、又はボルト用の孔、又はドライバー・ビットを挿嵌できるソケット、又はカラビナを挿嵌できる孔、又はキー・リングを挿嵌できる孔、又はピンセットを挿嵌できる孔、又は爪楊枝を挿嵌できる孔、又は箸を挿嵌できる孔、又は笛を挿嵌できる孔を設け、又は笛と嵌合できる孔を、フォールディング・ガード(符号1)にも設ける、
前記の(1)(2)(3)(4)によって、実現する。
そして、これを組み込むことによって、ロック機構が壊れれば道具の使い難さが高まる問題は、改善する。
【0011】
ロックを解除するための工程を増やすことなく2種類のロック機構を統合する方法、と言うか2種類のロック機構がロックを解除するための工程を増やすことなく統合されているロック機構名称インテグレイテッド・ロック・システムは、ロック・リリース・ボタンを共有できるロック機構を選択することによって、実現する。
例えば段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックと組み合わせる場合、
(1)道具(符号3)に設けられたロック・ノッチに、回転運動をするフックが嵌合することによってロックするタイプのロック機構を選択する、
(2)段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックのロック・リリース・ボタン(符号10)を、前記の(2)におけるロック・ノッチに向って延長し、さらに横架又は橋架によって回動面に対し垂直に延長された部分を追加する、又は予めL字型又はU字型に形成することによって回動面に対し垂直に延長された部分を設ける、
(3)前記の(2)における回動面に対し垂直に延長された部分と、フックが付いている部品であるロッキング・バーにおけるフックではない部分、かつ、フック部分を作用点と見立てた場合に支点と作用点とを結ぶ直線の間にある部分とを係合させる、
(4)但し、フォールディング・ガード(符号1)が組み込まれている場合は、ロック・ノッチを、フォールディング・ガード(符号1)にも設ける、
前記の(1)~(4)を手段とすることによって、実現する。
【0012】
又は、
(1)道具(符号3)、及びハンドル(符号20)及びないし又はライナーに設けられたロック・ノッチ(符号28)に、直線運動をするフック(符号29)が嵌合することによってロックするタイプのロック機構名称バック・スライド・ロックを選択する、
(2)前記の(1)における直線運動をするフック(符号29)と、段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックのロック・リリース・ボタン(符号10)とを、連結又は一体化する、
(3)但し、フォールディング・ガード(符号1)が組み込まれている場合は、ロック・ノッチ(符号28)を、フォールディング・ガード(符号1)にも設ける、
前記の(1)(2)(3)を手段とすることによって、実現する。そして、複雑な部類に属す、耐久性において劣っている部類に属する、こう判断されても致し方がない段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックに対する信頼性の低さが、補える。
【0013】
段落番号0012において登場するロック機構名称バック・スライド・ロックは、
(1)2点の端部を回転軸とする、
(2)前記の(1)の2点ある回転軸をずらす、符号35及び符号36、
(3)前記の(1)(2)を手段とすることによって弾性体としての機能を担うワイヤーフォーミング(符号23)を、道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)が閉じている状態及び開いている状態を維持するための力の発生源、及び開いた状態における道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)と、ハンドル(符号20)及びないし又はライニングとの間の継合手段として利用する、
(4)但し、組み立てた際ではなく側面図のように重ねた際の、前記の(2)の2点ある回転軸を軸着と言うか嵌合するための孔、符号22と符号31とを結んだ直線と、道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)の回転軸から伸びた直線とが直交する点を点Pとし、道具(符号3)が開いた状態におけるその先端部分を前方とし、道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)の回転軸を後方とし場合、前記の(2)の2点ある回転軸が軸着と言うか嵌合される孔、符号22と符号31は点Pよりも後方に配設し、前記の(3)のワイヤーフォーミング(符号23)における回転半径の長さについては、前記の(2)の回転半径が短い方の回転軸(符号35)を支点と見立てた場合に作用点にあたる部分(符号37)が点Pよりも前方の位置を占められる長さを最低条件とする、
(5)前記の(3)のワイヤーフォーミング(符号23)を、ハンドル(符号20)及びないし又はライニングに軸着と言うか嵌合する、
(6)開いた状態及び閉じた状態から回動を始める際の方が、開いた状態及び閉じた状態よりも、前記の(3)のワイヤーフォーミング(符号23)の復元力を高くする、
(7)前記の(6)の条件を満たすために、組み立てた際ではなく側面図のように重ねた際、道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)における、開いた状態においても閉じた状態においてもハンドル(符号20)及びないし又はライナーに隠れている部分、ナイフで謂う所のブレード・タングに設けられた、例えばブレード、スプーン、ワイン・オープナーの3点の道具(符号3)と1点のフォールディング・ガード(符号1)から構成される折りたたみ式道具の場合は最低でも合計8点の面を持つことになる、開いた状態及び閉じた状態において前記の(3)のワイヤーフォーミング(符号23)と係合する最低2点の面、符号41及び符号42とピポットピンとを結ぶ直線の中において最も短い直線の長さを、回転開始直後に前記の(3)のワイヤーフォーミング(符号23)と接触するポイント、ナイフで謂う所のTorque Pointとピポットピンとを結ぶ直線の長さよりも、短くする、
(8)組み立てた際ではなく側面図のように重ねた際、回転半径の短い方の回転軸用の孔(符号22)と回転半径の長い方の回転軸用の孔(符号31)とを結ぶ直線L1と、回転半径が短い方の回転軸(符号35)と先端の作用点にあたる部分(符号37)とを結ぶ直線L2とを重ねると、回転半径が長い方の回転軸(符号36)が、直線L2から、ハンドル(符号20)及びないし又はライナーの背側方向にずれる癖のあるワイヤーフォーミング(符号23)については、不良品とする、
(9)前記の(8)の続きとして、回転半径が長い方の回転軸(符号36)が直線L1上にある位置を占めているワイヤーフォーミング(符号23)か、回転半径が長い方の回転軸(符号36)が直線L1から道具(符号3)の先端を収納する際の入口にあたるハンドル(符号20)及びないし又はライナーの腹方向の位置にずれる癖があるワイヤーフォーミング(符号23)を用いる、前記の(1)~(9)を手段とする簡易ロック名称ワイヤーフォーミング・ジョイントを、1構成要素としている。
念のために説明しておく。ストップ・ピン(符号26)、又は断面がL字型又はU字型型のハンドル(符号20)及びないし又はライナーの道具(符号3)やフォールディング・ガード(符号1)の回動面に対し垂直に曲げられている面、又は断面がL字型又はU字型の部品の道具(符号3)やフォールディング・ガード(符号1)の回動面に対し垂直に曲げられている面、又はハンドル(符号20)及びないし又はライナーに横架された板、それら道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)を衝止させる手段の組み込みは、構造的な必須要項ではない。因みに力点は回転半径の長い方の回転軸(符号36)にあたる訳であるが、例えば、プラス誤差2ミリの範囲内で、面である符号41及び符号42の両端の最もワイヤーフォーミング(符号23)の回転軸から遠い箇所が、ワイヤーフォーミング(符号23)における回転半径の短い方の回転軸(符号35)を支点と見立てた場合において作用点にあたるワイヤーフォーミング(符号23)の先端部分(符号37)と接触する点と言うか線にワイヤーフォーミング(符号23)のワイヤーの断面の半径を加えた距離にあり、そこから面である符号41及び符号42を地面に譬えれば垂直に建てられた壁にあたる面が形成されている場合は、ワイヤーフォーミング(符号23)が道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)を衝止する手段になる。勿論、その力はストップ・ピン(符号26)を手段とする場合に比べれば弱いが。
もう一つ念のために説明しておく。「回転半径が長い方の回転軸(符号36)が、直線L2から、ハンドル(符号20)及びないし又はライナーの背側方向にずれる癖のあるワイヤーフォーミング(符号23)については、不良品とする」としなければならないのは、回転半径の短い方の回転軸(符号35)を支点と見立てた場合、回転半径が長い方の回転軸(符号36)が力点にあたるからである。しかしながら、ずれが大きければ大きい程、道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)を押圧する力が強くなり、かつ、ワイヤーフォーミング(符号23)の金属疲労が激しくなる故、回転半径が長い方の回転軸(符号36)のずれの大きさについては、任意のバランス点及び誤差の許容範囲を探る必要がある。
【0014】
段落番号0012において登場するロック機構名称バック・スライド・ロックとは、
(1)道具(符号3)、及びハンドル(符号20)及びないし又はライナーに、ロック・ノッチ(符号28)を設ける、
(2)前記の(1)に嵌合するフック(符号29)と、ロック・リリース・ボタン(符号10)を連結又は一体化する、
(3)段落番号0013において説明されている簡易ロック名称ワイヤーフォーミング・ジョイントにおけるワイヤーフォーミング(符号23)を、段落番号0012において登場するロック機構名称バック・スライド・ロックにおける直線運動をするフック(符号23)を押圧する弾性体として利用する、
前記の(1)(2)(3)を、段落番号0013において説明されている簡易ロック名称ワイヤーフォーミング・ジョイントに付け加えることによって実現するロック機構である。
【0015】
念のために説明しておく。段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックと、段落番号0014において説明されているロック機構名称バック・スライド・ロックとを、ロックを解除するための工程と言うか動作を増やすことなく統合できるのは、
(1)ロック・リリース・ボタン(符号10)の運動が、道具(符号3)、又は道具(符号3)及びフォールディング・ガード(符号1)、又はフォールディング・ガード(符号1)単体の回動面に対し平行である、
(2)フックとロック・ノッチが嵌合するポイントが、ピポットピンに近い、
前記の(1)(2)の特徴による。
【0016】
詳しい説明は避けるが、ロック・リリース・ボタンの運動が道具又は道具及びフォールディング・ガード又はフォールディング・ガード単体の回動面に対し垂直である場合には、段落番号0014において説明されているロック機構名称バック・スライド・ロックを選択するよりも、Liner LockやFrame Lockを選択する方が、統合し易い。少なくとも、統合に必要となる部品点数や加工が少ない。
【発明の効果】
【0017】
本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムを構成する2種類のロック機構、段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロック、及び段落番号0014において説明されているロック機構名称バック・スライド・ロックは、どちらもロック・リリース・ボタン(符号10)がハンドル(符号20)及びないし又はライナーの外側に配設され、かつ、ロックの解除後の道具及びないし又はフォールディング・ガードの回動において重力を用いることができるが故に、ロックを解除する際においても、ロックの解除後に道具及びないし又はフォールディング・ガードの回動の際においても、手が道具とハンドル及びないし又はライナーとの間に挟まれる事故の発生確率を下げられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】ロック機構の構造を説明するための最小限の部品しか描かれていないが、
図1は、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムと、本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムとの間の統合を、折りたたみ式道具の一つであるフォールディング・ナイフにおいて実施した1実施例についての、
軸測投影図法を用いた分解図的な説明図である。尚、「分解図的な」と表現したのは、ロック機構を説明するための最小限の部品しか描かれていないことが理由である。(実施例7)
【
図2】ロック機構の構造を説明するための最小限の部品しか描かれていないが、
図2は、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムと、本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムの1構成要素である、段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックとの間の統合を、折りたたみ式道具の一つであるフォールディング・ナイフにおいて実施した1実施例についての、
軸測投影図法を用いた分解図的な説明図である。尚、「分解図的な」と表現したのは、当該ロック機構を説明するための最小限の部品しか描かれていないことが理由である。(実施例1)
【
図3】ロック機構の構造を説明するための最小限の部品しか描かれていないが、
図3は、
図2における、(1)径が大きいピポットピン(符号6)の内部に設けられたデットボルト(符号5)、(2)道具(符号3)に設けられた2点のストライク(符号4)、(3)フォールディング・ガード(符号1)に設けられた2点のストライク(符号4)、前記の(1)(2)(3)の間の関係が、回動に従って変化する様子についての、断面図的な説明図である。尚、「断面図的」と表現したのは、切断面部分を示す斜線を書き加えなかったことが理由である。切断面部分を示す斜線を加えなかったのは、部品の形状的意味の伝達可能性が低下することが懸念されることが理由である。(a)は、必要最小限の部品であるところの、道具(符号3)、フォールディング・ガード(符号1)、径が大きいピポットピン(符号6)、デットボルト(符号5)、弾性体(符号8)の平面図である。(b)(c)(d)は、(a)が組まれた状態における、断面図的な説明図である。(b)は、順行の0度時点である。(c)は、順行の90度時点である。(d)は、順行の180度時点である。(実施例1)
【
図4】
図4は、
図3におけるデットボルトを、ラッチボルトに変更し、さらに径が大きいピポットピン(符号6)に対するものではなくハンドル(符号20)に対するラッチボルトの運動軌道を変更した1実施例についての、断面図的な説明図である。尚、「断面図的」と表現したのは、切断面部分を示す斜線を書き加えなかったことが理由である。切断面部分を示す斜線を加えなかったのは、部品の形状的意味の伝達可能性が低下することが懸念されることが理由である。(a)は、必要最小限の部品であるところの、道具(符号3)、フォールディング・ガード(符号1)、径が大きいピポットピン(符号6)、ラッチボルト(符号5)、弾性体(符号8)の平面図である。(b)(c)(d)は、(a)が組まれた状態における、断面図的な説明図である。(b)は、順行の0度時点である。(c)は、順行の90度時点である。(d)は、順行の180度時点である。尚、ラッチボルト(符号5)と一体化したロック・リリース・ボタン(符号10)が運動する軌道を、
図3の場合と変えてある。(実施例1)
【
図5】
図5は、
図3においてフォールディング・ガード側に設けられた凸状のとかかり部分を、道具側に設けた場合についての、断面図的な説明図である。尚、「断面図的」と表現したのは、切断面部分を示す斜線を書き加えなかったことが理由である。切断面部分を示す斜線を加えなかったのは、部品の形状的意味の伝達可能性が低下することが懸念されることが理由である。(a)は、必要最小限の部品であるところの、道具(符号3)、フォールディング・ガード(符号1)、径が大きいピポットピン(符号6)、デットボルト(符号5)、弾性体(符号8)の平面図である。(b)(c)(d)は、(a)が組まれた状態における、断面図的な説明図である。(b)は、順行の0度時点である。(c)は、順行の90度時点である。(d)は、順行の180度時点である。
図3と
図5との間の違いは、拡張性に関する違いとなって現れることを示すために描いた。
図5の方が、
図3よりも、段落番号0010において説明されている緊急ロック機構名称ステーク・ロックを組み込み難い。(実施例1)
【
図6】ロック機構の構造を説明するための最小限の部品しか描かれていないが、
図6は、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムと、本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムの1構成要素である、段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックとの間の統合を、非折りたたみ式道具の一つであるシース・ナイフにおいて実施した1実施例についての、
軸測投影図法を用いた分解図的な説明図である。尚、「分解図的な」と表現したのは、当該ロック機構を説明するための最小限の部品しか描かれていないことが理由である。(実施例2)
【
図7】簡易ロックの構造を説明するための最小限の部品しか描かれていないが、
図7は、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムと、本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムの1構成要素である、段落番号0013において説明されている簡易ロック名称ワイヤーフォーミング・ジョイントとの間の統合を、折りたたみ式道具の一つであるフォールディング・ナイフにおいて実施した1実施例についての、
軸測投影図法を用いた分解図的な説明図である。尚、「分解図的な」と表現したのは、当該簡易ロックの仕組みを説明するための最小限の部品しか描かれていないことが理由である。(実施例3)
【
図8】簡易ロックの構造を説明するための最小限の部品しか描かれていないが、
図8は、
図7における、(1)サムスタッドを兼ねている道具側に配設され回転面に対して垂直に突起したとかかり部分(符号38)、(2)フォールディング・ガード(符号1)に配設されたと言うか穿設された環状扇形状の空間(符号39)又は溝の両端としてのとかかり部分(符号2)、言葉を換えて表現すればフォールディング・ガード(符号1)が道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動するためのとかかり部分(符号2)、言葉を換えて表現すれば符号38と係合する部分(符号2)、(3)2点の端部を回転軸とし、その2点の回転軸をずらすことによって弾性体としての機能を担うワイヤーフォーミング(符号23)、前記の(1)(2)(3)の間の関係が、回動に従って変化する様子についての、断面図的な説明図である。尚、「断面図的」と表現したのは、切断面部分を示す斜線を書き加えなかったことが理由である。切断面部分を示す斜線を加えなかったのは、部品の形状的意味の伝達可能性が低下することが懸念されることが理由である。(a)は、必要最小限の部品であるところの、道具(符号3)、フォールディング・ガード(符号1)、ワイヤーフォーミング(符号23)の平面図である。(b)(c)(d)は、(a)が組まれた状態における、断面図的な説明図である。(b)は、順行の0度時点である。(c)は、順行の90度時点である。(d)は、順行の180度時点である。(実施例3)
【
図9】ロック機構を説明するための最小限の部品しか描かれていないが、
図9は、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムと、本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムの1構成要素である、段落番号0012において登場し、段落番号0014において説明されているロック機構名称バック・スライド・ロックとの間の統合を、折りたたみ式道具の一つであるフォールディング・ナイフにおいて実施した1実施例についての、
軸測投影図法を用いた分解図的な説明図である。尚、「分解図的な」と表現したのは、当該ロック機構を説明するための最小限の部品しか描かれていないことが理由である。(実施例4)
【
図10】ロック機構を説明するための最小限の部品しか描かれていないが、
図10は、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムと、本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムの1構成要素であり、段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックの強化版である、段落番号0051において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロック2との間の統合を、折りたたみ式道具の一つであるフォールディング・ナイフにおいて実施した1実施例についての、
軸測投影図法を用いた分解図的な説明図である。尚、「分解図的な」と表現したのは、当該ロック機構を説明するための最小限の部品しか描かれていないことが理由である。(実施例5)
【
図11】ロック機構を説明するための最小限の部品しか描かれていないが、
図11は、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムと、本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムの1構成要素である、段落番号0010において説明されている緊急ロック機構名称ステーク・ロックとの間の統合を、折りたたみ式道具の一つであるフォールディング・ナイフにおいて実施した1実施例についての、
軸測投影図法を用いた分解図的な説明図である。尚、「分解図的な」と表現したのは、当該ロック機構を説明するための最小限の部品しか描かれていないことが理由である。(実施例6)
【
図12】ロック機構を説明するための最小限の部品しか描かれていないが、
図12は、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムと、本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムとの間の統合を、折りたたみ式道具の一つであるフォールディング・ナイフにおいて実施した1実施例(
図1)、その1構成要素であるワイヤーフォーミング(符号23)にフック機能(符号34)を与えた1実施例についての、
軸測投影図法を用いた分解図的な説明図である。尚、「分解図的な」と表現したのは、当該ロック機構を説明するための最小限の部品しか描かれていないことが理由である。(実施例8)
【
図13】
図13は、予め両側のロック・リリース・ボタン(符号10)同士を橋絡させ、かつ、橋部分(符号29)にフックの機能を担わせた部品についての、
軸測投影図法を用いた説明図である。(a)は、
図9(実施例4)用である。(b)は、
図10(実施例5)用である。(c)は、
図1(実施例7)用及び
図12(実施例8)用である。尚、初めから両側のロック・リリース・ボタン(符号10)同士を橋絡させている場合、(a)の符号11は不要である。説明における連続性を重視した方が伝達可能性を高められると考えられることを理由に、「不要である」の説明を加えることと引き換えに、あえて符号11を書き込むことにした。
【
図14】
図14は、例えば
図2のように、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムと、本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムの1構成要素である、段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックとの間の統合が実施されている折りたたみ式道具であれば、開くための回動用の弾性体を組み込むことによって、所謂ワン・タッチ、より正確な表現をすればワン・スライドのみにてフォールディング・ガード(符号1)及び道具(符号3)が開く仕様に変えられることを示すための、断面図的な説明図である。念のために説明しておくが、思いがけない回動がより少ないのは、ラッチボルトの方ではなく、デッドボルトの方である。尚、「断面図的」と表現したのは、切断面部分を示す斜線を書き加えなかったことが理由である。切断面部分を示す斜線を加えなかったのは、部品の形状的意味の伝達可能性が低下することが懸念されることが理由である。(a)は、道具(符号3)が180度において衝止する場合についてではあるが、道具(符号3)のどの位置に開くための回動用の弾性体(符号18)を組み込めばよいのかについて示すための説明図である。(b)は、90度において衝止する場合についてではあるが、フォールディング・ガード(符号1)のどの位置に開くための回動用の弾性体(符号19)を組み込めばよいのかについて示すための説明図である。(c)は、(b)の裏面である。(d)は、道具(符号3)とフォールディング・ガード(符号1)との間において働く弾性体の1実施例(符号18)の形状についての、説明図である。(e)は、フォールディング・ガード(符号1)とハンドル(符号20)及びないし又はライナーとの間において働く弾性体(符号19)の1実施例の形状についての、説明図である。(f)は、道具(符号3)及びフォールディング・ガードが開いた状態であるが、(a)(b)(c)(d)(e)そして段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックを重ねることによって、当該構造の全体性を見渡せるようにした、断面図的な説明図である。(実施例9)
【
図15】
図15は、例えば
図6のように、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムと、本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムの1構成要素である、段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックとの間の統合が実施されている非折りたたみ式道具であれば、開くための回動用の弾性体を組み込むことによって、所謂ワン・タッチ、より正確な表現をすればワン・スライドのみにてフォールディング・ガード(符号1)が開く仕様に変えられることを示すための、断面図的な説明図である。念のために説明しておくが、思いがけない回動がより少ないのは、ラッチボルトの方ではなく、デッドボルトの方である。尚、「断面図的」と表現したのは、切断面部分を示す斜線を書き加えなかったことが理由である。切断面部分を示す斜線を加えなかったのは、部品の形状的意味の伝達可能性が低下することが懸念されることが理由である。(a)は、道具(符号3)。(b)は、フォールディング・ガード(符号1)のどの位置に開くための回動用の弾性体を組み込めばよいのかについて示すための、断面図的な説明図である。(c)は、道具(又はハンドル)とフォールディング・ガードとの間の弾性体(符号19)の1実施例の形状についての、説明図である。(d)は、フォールディング・ガードが閉じた状態であるが、(a)(b)(c)そして段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックを重ねることによって、当該構造の全体性を見渡せるようにした、断面図的な説明図である。(e)は、フォールディング・ガードが開いた状態であるが、(a)(b)(c)そして段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックを重ねることによって、当該構造の全体性を見渡せるようにした、断面図的な説明図である。(実施例10)
【発明を実施するための形態】
【0019】
折りたたみ式道具において、
(1)電磁式ロック等の技術的な次元が異なる技術が用いられていない、
(2)第1のプロテクションとして、道具に触れることなくロック及び解除ができるロック機構を備えている、
(3)第2のプロテクションとして、緊急ロック機構を備えている、
(4)第3のプロテクションとして、ロック・リリース・ボタンを共有する形で、ロック機構の2系統化が実現されている、
前記の(1)~(4)の条件を満たす方法は、最低でも2種類ある。
その内の一つが、本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムである。
【0020】
本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムは、
(1)
図2として示され、段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロック、
(2)
図10として示され、前記の(1)の強化版でもあり、段落番号0051において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロック2、
(3)
図11として示され、落番号0010において説明されている緊急ロック機構名称ステーク・ロック、
(4)
図7として示され、段落番号0013において説明されている簡易ロック名称ワイヤーフォーミング・ジョイント、
(5)
図9として示され、前記の(4)の強化版でもあり、段落番号0012において登場し、段落番号0014において説明されている、ロック機構名称バック・スライド・ロック、
(6)
図1や
図12図として示され、段落番号0011、そして段落番号0012において説明されている、2種類のロック機構がロックを解除するための工程を増やすことなく統合されているロック機構、と言うかロックを解除するための工程を増やすことなく2種類のロック機構を統合する方法、名称インテグレイテッド・ロック・システム、
前記の(1)~(6)から構成され、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムと組み合わせることによって、クワドロプル・プロテクション・システムとなる。
【0021】
尚、段落番号0016において示唆されているように、もう一つは、ロック・リリース・ボタンの運動が、道具(符号3)、又は道具(符号3)及びフォールディング・ガード(符号1)、又はフォールディング・ガード(符号1)単体の回動面に対し、垂直であるタイプである。
但し、これについては、出願する予定はない。組み合わせ方に新規性や独創性を見出せても、「既知の技術の組み合わせに過ぎない」と実用新案性しか認められない可能性があることを理由に。
【実施例1】
【0022】
本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムを構成する要素の一つに、段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックがある。それのみと、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムとの間の統合が、折りたたみ式道具の一つであるフォールディング・ナイフにおいて実施されている1実施例が、
図2である。
【0023】
構造については、段落番号0009において説明されている通りである。
しかし、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システム、中でも道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動するフォールディング・ガード(符号1)と統合する場合においては、
(1)ストライク(符号4)を、道具(符号3)においては、0度及び道具(符号3)を衝止させたい任意の角度β度において、デットボルト(符号5)又はラッチボルトの運動軌道と重なる角度と言うか位置に設ける、
(2)ストライク(符号4)を、道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動するフォールディング・ガードにおいては、0度及び道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動するフォールディング・ガード(符号1)を衝止させたい任意の角度γ度において、デットボルト(符号5)又はラッチボルトの運動軌道と重なる角度と言うか位置に設ける、
(3)道具(符号3)に設けられたとかかり部分(符号2)と、道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動するフォールディング・ガード(符号1)に設けられたとかかり部分(符号2)を、α度離す、
前記の(1)(2)(3)の工夫が必要である。
【0024】
但し、α度とは、β度からγ度を引いた角度であり、相対速度のような差と言うか量であり、位置ではない。
【0025】
それから、重力又は加速度を用いて道具(符号3)及びフォールディング・ガード(符号1)を開閉するだけで十分であるとする場合には、とかかり部分(符号2)を設ける必要はない。
【0026】
ストライク(符号4)の角度と言うか位置についての工夫について、具体的に説明する。
例えばロック・リリース・ボタン(符号10)と連結又は一体化されたデットボルト(符号5)又はラッチボルトが直線運動するための空間を90度において穿設し、道具(符号3)を180度回動後において衝止し、道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動するフォールディング・ガード(符号1)を90度回動後において衝止する場合は、ストライク(符号4)を、道具(符号3)においては90度及び-90度、順行換算で270度において設け、道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動するフォールディング・ガード(符号1)においては90度及び0度において設け、折りたたまれている状態においてとかかり部分(符号2)を離さなければならない角度α度を90度とする。
【0027】
因みに、フォールディング・ガード(符号1)に設けられるストライク(符号4)を、90度及び0度に加え、180度及び270度においても設ける場合は、Axial Locking Mechanismと特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムとを統合できる。
【0028】
例えばロック・リリース・ボタン(符号10)と連結又は一体化されたデットボルト(符号5)又はラッチボルトが直線運動するための空間を135度において穿設し、道具(符号3)を180度回動後において衝止し、道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動するフォールディング・ガード(符号1)を90度回動後において衝止する場合は、ストライク(符号4)を、道具(符号3)においては135度及び-45度、順行換算で315度において設け、道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動するフォールディング・ガード(符号1)においては135度及び45度において設け、折りたたまれている状態においてとかかり部分(符号2)を離さなければならない角度α度を90度とする。
【0029】
例えばロック・リリース・ボタン(符号10)と連結又は一体化されたデットボルト(符号5)又はラッチボルトが直線運動するための空間を90度において穿設し、道具(符号3)を190度回動後において衝止し、道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動するフォールディング・ガード(符号1)を110度回動後において衝止する場合は、ストライク(符号4)を、道具(符号3)においては90度及び-100度、順行換算で260度において設け、道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動するフォールディング・ガード(符号1)においては90度及び-20度、順行換算で340度において設け、折りたたまれている状態においてとかかり部分(符号2)を離さなければならない角度α度を80度とする。
【0030】
念のために説明しておく。
この場合は量ではなく位置である故、ストライク(符号4)を穿設及びないし又は切削する角度において現れるマイナスの値の角度は、逆行を意味する。
【0031】
もう一つ念のために説明しておく。
ロック・リリース・ボタン(符号10)がハンドル(符号20)及びないし又はライナーの両側に配設されているが、それは構造的な必須要項ではない。(1)例えば、径が大きいピポットピン(符号6)の内部に、デッドボルト(符号5)又はラッチボルトが直線運動する軌道に従う溝を切削し、その溝と嵌合する凸部分をデッドボルト(符号5)又はラッチボルトに与える、(2)例えば、デッドボルト(符号5)又はラッチボルトの径が大きいピポットピン(符号6)の内部と接触する面に、デッドボルト(符号5)又はラッチボルトが直線運動する軌道に従う溝を切削し、その溝と嵌合する凸部分を径が大きいピポットピン(符号6)の内部に与える、前記の(1)(2)のように、デッドボルト(符号5)又はラッチボルトが抜脱しない工夫を施す場合には、ロック・リリース・ボタン(符号10)をハンドル(符号20)及びないし又はライナーの両側に配設する必要はない。
構造的な必須要項ではないのにもかかわらず、ロック・リリース・ボタン(符号10)が両側に配設された実施例を図面にすることを決めたのは、図面を通じて説明するにあたって、両側のロック・リリース・ボタン(符号10)によってデッドボルト(符号5)又はラッチボルトが抜脱するのを防ぐ方が伝達可能性が高いと予想したことが理由である。
【0032】
尚、デッドボルト(符号5)又はラッチボルトとストライク(符号4)の嵌合を維持するための力の発生源(符号8)は、コイルばねである必要はない。径が大きいピポットピン(符号6)に収納された弾性体(符号8)及びないし又は磁石を利用しない場合は後記の(2)を条件に含まないが、径が大きいピポットピン(符号6)に収納された弾性体(符号8)及びないし又は磁石を利用する場合は、
(1)デッドボルト(符号5)又はラッチボルトを押圧することによって、嵌合状態を維持できる力がある、
(2)径が大きいピポットピン(符号6)に収納できる弾性体(符号8)及びないし又は磁石である、
前記の(1)(2)の条件を満たしていれば、トーションばね、ワイヤーフォーミング、板ばね、磁石でも構わない。
但し、弾性体(符号8)及びないし又は磁石を、固定又は固着するための部分(符号7)の形状は、変わる。
【0033】
図3は、段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックについての、断面図的な説明図であり、
(1)径が大きいピポットピン(符号6)の内部に設けられたデットボルト(符号5)、
(2)道具(符号3)に設けられた2点のストライク(符号4)、
(3)フォールディング・ガード(符号1)に設けられた2点のストライク(符号4)、
前記の(1)(2)(3)の間の関係が、回動に従って変化する様子が描かれてある。因みに、斜線を描くことによって当該機構の変化についての伝達可能性が低下することをおそれたことが、断面図とはせず、「断面図的な説明図」とした理由である。
【0034】
ロック・リリース・ボタン(符号10)をスライドさせることによって、ロックが解除される。具体的に説明すると、こうなる。
ロック・リリース・ボタン(符号10)をスライドさせると、道具(符号3)、又は道具(符号3)及びフォールディング・ガード(符号1)、又はフォールディング・ガード(符号1)単体に設けられたストライク(符号4)とロック・リリース・ボタン(符号10)と連結又は一体化しているデットボルト(符号5)又はラッチボルトとが離脱し、径が大きいピポットピン(符号6)の内部に埋没し、ロックが解除される。
ロックが解除された後については、重力又は加速度を利用する。
【0035】
回動面と水平面とが一致している地点をスタート地点として説明する。
ロックが解除された後、
(1)段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックが組み込まれた折りたたみ式道具を、道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)が回動を始める角度と言うか摩擦角まで傾ける、
(2)道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)の先端が、最も位置エネルギーが低い位置を占めるまで、傾ける、
(3)ストップ・ピン(符号26)が施されている側、道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)をドアに譬えるならば戸当たりにあたる側の方が、位置エネルギーが低い位置を占めるまで、傾けると言うか捻る、
(4)道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)がストップ・ピン(符号26)によって衝止するまで捻った後、ロック・リリース・ボタン(符号10)から指等の最終伝達手段を離す、
前記の(1)~(4)の工程と言うか動作によって、道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)が開き、再びロックされる。
【0036】
念のために説明しておく。
段落番号0035において、「ロック・リリース・ボタン(符号10)から指等の最終伝達手段を離す」ことによって再びロックされる仕様は、段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックにおける、構造的な必須要項ではない。本発明におけるロック機構は、あくまでも道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)の意図しない回動を防ぐことを目的にし、その目的を達成するための発明になっている。故に、道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1が回動している間、言葉を換えて表現すればロックを解除した後は、デッドボルト(符号5)又はラッチボルト、及びないし又はフック(符号29)に、それらとストライク(符号4)、及びないし又はロック・ノッチ(符号28)との間の嵌合を維持するための力の発生源(符号8)の力が及んでいる必要はない。
デッドボルト(符号5)又はラッチボルトが径が大きいピポットピン(符号6)に収納されている状態においてまでデッドボルト(符号5)又はラッチボルトにその力が及んでいない場合は、道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)が衝止した後、径が大きいピポットピン(符号6)から、ロック・リリース・ボタン(符号10)と連結又は一体化しているデッドボルト(符号5)又はラッチボルトを押し出す工程と言うか動作をしなければ、ロックされない。
【0037】
尚、
(1)デッドボルトをラッチボルトに変更する、
(2)ラッチボルト、
図4の符号5及びそれと連結又は一体化しているロック・リリース・ボタン(符号10)の、径が大きいピポットピン(符号6)に対するものではなくハンドル(符号20)に対する運動軌道を変更する、
前記の(1)(2)の2点が変更されている1実施例が、
図4である。
【0038】
そして、道具(符号3)とフォールディング・ガード(符号1)とが係合するとかかり部分(符号2)において、道具(符号3)側に凸状のとかかり部分を設けた場合の1実施例が、
図5である。
【0039】
デッドボルトをラッチボルトに変更することによって容易になるのは、最低でも2点ある。
サムスタッドの組み込みである。残りの1点については、出願する予定はないにせよ特許に関係することを理由に、言明を避ける。
【0040】
勿論、デッドボルトをラッチボルトに変更することによって実現できなくなる仕様がある。
それは、開くための回動用の弾性体、符号19及びないし又は符号18を組み込むことによって、傾ける等の工程と言うか動作をせずに道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)を開く仕様である。
実は原理的には実現できなくはないが、思いがけない回動による事故の発生確率がより高いのは、デッドボルトを選択した場合の方ではなく、ラッチボルトを選択した場合の方である。
【実施例2】
【0041】
本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムを構成する要素の一つに、段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックがある。それのみを、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムが適用された非折りたたみ式道具の一つであるシース・ナイフに組み込んだ1実施例が、
図6である。
【実施例3】
【0042】
本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムを構成する要素の一つに、段落番号0013において説明されている簡易ロック名称ワイヤーフォーミング・ジョイントがある。それのみと、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムとの間の統合が、折りたたみ式道具の一つであるフォールディング・ナイフにおいて実施されている1実施例が、
図7である。
【0043】
但し、道具(符号3)及びフォールディング・ガード(符号1)における、開いた状態においても閉じた状態においてもハンドル(符号20)及びないし又はライナーに隠れている部分、ナイフで謂う所のブレード・タング、その形状を、道具(符号3)とフォールディング・ガード(符号1)との間で、最低2箇所、符号41及び符号42、一致させる必要がある。
そしてこれは、次の制約を要求する。願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムと、本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムの1構成要素である、段落番号0013において説明されている簡易ロック名称ワイヤーフォーミング・ジョイントとを統合する場合、とかかり部分(符号2)を、外側にではなく、内側に設ける必要がある。
【0044】
とかかり部分(符号2)を、外側にではなく内側に設ける場合には、
(1)道具(符号3)側のとかかり部分については、回転面に対して垂直に突起させたもの(符号38)とする、
(2)フォールディング・ガード(符号1)側のとかかり部分については、ピポットピンと中心を共有する環状扇形状に穿設された空間(符号39)又は環状扇形状に切削された溝の両端(符号2)とする、
(3)前記の(1)についても、前記の(2)についても、配設位置を、道具(符号3)及びフォールディング・ガード(符号1)における開いた状態においても閉じた状態においてもハンドル(符号20)及びないし又はライナーに隠れている部分、ナイフで謂う所のブレード・タング部分とする、
(4)前記の(1)の突起させたとかかり部分(符号38)にサムスタッドを兼ねさせる場合には、ハンドル(符号20)及びないし又はライナーにも、ピポットピンと中心を共有する環状扇形状の空間(符号40)を穿設する、
(5)ピポットピンと中心を共有する環状扇形状の空間(符号40)を穿設しない場合は、サムスタッド及びないし又はネイル・マークを、ブレードやカトラリーも含む道具(符号3)における開いた状態においても閉じた状態においてもハンドル(符号20)及びないし又はライナーに隠れていない部分に配設する、
(6)但し、360度よりβ度の方が小さくβ度よりもα度の方が小さく、β度やγ度は位置もあり量でもあるがα度は相対速度のような差と言うか量であり、道具(符号3)が衝止する角度であり回動する最大角度でもある角度をβ度とし、道具(符号3)の回動に対し遅れて随伴回動するフォールディング・ガード(符号1)が衝止する角度であり回動する最大角度でもある角度をγ度とする場合において、前記の(2)のフォールディング・ガード(符号1)に穿設された空間(符号39)又は切削された溝の形状である環状扇形状の中心角α度は、β度からγ度を引いた角度である、
前記の(1)~(6)の工夫を施す。
【0045】
尚、
図7の1実施例においては、道具(符号3)に設けられた凸状のとかかり部分がサムスタッドを兼ねている(符号38)故に、ハンドル(符号20)及びないし又はライナーにも、環状扇形状の空間(符号40)が穿設されている。
道具に設けられた凸状のとかかり部分にサムスタッドサムスタッドを兼ねさせない場合は、サムスタッドを、道具(符号3)及びフォールディング・ガード(符号1)における開いた状態においても閉じた状態においてもハンドル(符号20)及びないし又はライナーに隠れている部分、ナイフで謂う所のブレード・タング、その内部に配設する必要がなくなる。そして、それに伴い、ハンドル(符号20)及びないし又はライナーに、環状扇形状の空間(符号40)を穿設する必要もなくなる。
【0046】
念のために説明しておく。
360度よりもβ度が小さくβ度よりもα度が小さい場合において、フォールディング・ガードが回転する最大角度γ度は、ハンドル(符号20)に穿設された環状扇形状の空間(符号40)の中心角β度から、フォールディング・ガードに穿設された環状扇形状の空間(符号39)の中心角α度を引いた角度である。
【0047】
もう一つ念のために説明しておく。
段落番号0013において説明されている簡易ロック名称ワイヤーフォーミング・ジョイントは、段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックよりも、Liner LockやFrame Lockとの相性がよい。
何故なら、段落番号0013において説明されている簡易ロック名称ワイヤーフォーミング・ジョイントの場合、道具(符号3)とフォールディング・ガード(符号1)との間において、道具(符号3)及びフォールディング・ガード(符号1)における開いた状態においても閉じた状態においてもハンドル(符号20)及びないし又はライナーに隠れている部分、ナイフで謂う所のブレード・タング、その形状の一致箇所を増やすことが容易であるからである。
【実施例4】
【0048】
本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムを構成する要素の一つに、段落番号0012において登場し、段落番号0014において説明されているロック機構名称バック・スライド・ロックがある。それのみと、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムとの間の統合が、折りたたみ式道具の一つであるフォールディング・ナイフにおいて実施されている1実施例が、
図9である。
構造については、段落番号0014において説明されている通りである。
【0049】
尚、加工法、加工精度、材料において差がない場合、強度については、L字状のロック・リリース・ボタン(符号10)や後でU字状に連結又は一体化されたロック・リリース・ボタン(符号10)よりも、
図13のように、予めU字状に形成されたロック・リリース・ボタン(符号10)の方が、上である。
【実施例5】
【0050】
実施例3でもある段落番号0013において説明されている簡易ロック名称ワイヤーフォーミング・ジョイントを、実施例4でもある段落番号0014において説明されているロック機構名称バック・スライド・ロックにするための工夫、それを実施例1でもある段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックに組み込んだロック機構が、名称センター・スライド・ロック2である。そして、その1実施例が、
図10である。
【0051】
つまり、実施例1でもある段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックに、
(1)道具(符号3)及びハンドル(符号20)及びないし又はライナーに、フォールディング・ガード(符号1)が組み込まれている場合はそれらに加えてフォールディング・ガード(符号1)にも、ロック・ノッチ(符号28)を設ける、
(2)前記の(1)に嵌合するフック(符号29)と、ロック・リリース・ボタン(符号10)とを連結又は一体化する、
前記の(1)(2)を手段とすることによって、嵌合箇所が増え、センター・スライド・ロック2になる。センター・スライド・ロック2とは、センター・スライド・ロックの強化版である。
尚、デットボルト
図4以外の符号5又はラッチボルト、
図4の符号5とストライク(符号4)との間の嵌合を維持するための力を利用できる故に、フック(符号29)とロック・ノッチ(符号28)との間の嵌合を維持するための力の発生源を新たに加えることは、構造的な必須要項ではない。
【実施例6】
【0052】
本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システムを構成する要素の一つに、段落番号0010において説明されている緊急ロック機構名称ステーク・ロックがある。それのみと、特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムとの間の統合が、折りたたみ式道具の一つであるフォールディング・ナイフにおいて実施されている1実施例が、
図11である。
因みに、この場合のステークは杭のことである。Pile DriverのPileを杭とし、Pile Lockという名称を与えた方が、伝達可能性を高められたかもしれない。しかし、pileも多義的であり、少なくとも現時点の日本においては、布地のイメージの方が一般的である。もしPile Lockにした方が日本語圏外における伝達可能性を高められていた場合には、日本語圏と英語圏との間、もしかしたらそれに加えて昔と今との間における、言葉を巡る第一義的に連想されるもの違いを顕在化できる。色々考え、あえてStake Lockという名称を与えることにした。
【実施例7】
【0053】
段落番号0020は、言葉を換えるとこう説明できる。本発明名称トリプル・プロテクション・ロック・システム(
図1)は、
(1)実施例3(
図7)の発展型である実施例4(
図9)、
(2)実施例1(
図2)の発展型である実施例5(
図10)、
(3)前記の(1)(2)のロック機構を、ロック・リリース・ボタン(符号10)の共有によって統合と言うか連動させる方法名称インテグレイテッド・ロック・システム、
(4)実施例6(
図11)、
前記の(1)~(4)から構成される。
【0054】
念のために説明しておく。
図13において示されている予めU字状に形成されたロック・リリース・ボタン(符号10)、それを適用できるのは、実施例4であり、
図9として示されており、段落番号0012において登場し、段落番号0014において説明されているロック機構名称バック・スライド・ロックだけではない。実施例5であり、
図10として示されており、段落番号0009において説明されているロック機構名称センター・スライド・ロックの強化版であるロック機構名称センター・スライド・ロック2にも適用できる。
【実施例8】
【0055】
実施例7(
図1)において、
(1)ロック・ノッチ(符号24)を、段落番号0013において定義されている点Pよりも、段落番号0013において定義されている前方において、設ける、
(2)ワイヤーフォーミング(符号23)の作用点にあたる先端部分を、衝打又は切削によって面(符号34)を形成する、
前記の(1)(2)を手段とすることによって、ロック力をさらに高めたものが、
図12である。
【0056】
念のために説明しておく。
ロック・ノッチ(符号24)における道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)が開いた状態において閉じようとする力に抗った際に力が加わる嵌合面におけるロック・ノッチ(符号24)入口と、フックの回転軸から最も近い嵌合ポイントとが接触しているだけでは、道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)が開いた状態において閉じようとする力に対する抗力が、実施例3でもある段落番号0013において説明されている簡易ロック名称ワイヤーフォーミング・ジョイントと同等かそれ以下になる。何故なら、ワイヤーフォーミング(符号23)の断面が円であるから。
【0057】
面を形成せずにロック機構として成立させる方法はなくはない。
摩擦係数を考慮しないという意味における単純計算になるが、もし道具(符号3)及びないし又はフォールディング・ガード(符号1)開いた状態において閉じようとする力に対する抗力が加わる嵌合面におけるロック・ノッチ(符号24)の入口から、利用するワイヤーフォーミング(符号23)の断面の半径よりも奥深いポイント、そこがフックの回転軸から最も近い嵌合ポイントとするであれば、面を形成せずにロック機構として成立させられる。
【実施例9】
【0058】
実施例1(
図2)に、
(1)道具(符号3)と、フォールディング・ガード(符号1)との間、
(2)ハンドル(符号20)及びないし又はライナーと、フォールディング・ガード(符号1)との間、前記の(1)(2)に合計2点の弾性体、符号18及び符号19を組み込めば、道具(符号3)及びフォールディング・ガード(符号1)が、ワン・タッチで、より正確に表現すればワン・スライドで開く。その1実施例が、
図14である。
念のために説明しておく。実施例1(
図2)において選択されている特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムは、道具(符3号)の回動に対し遅れて随伴回動し、かつ、道具(符号3)と回動面を共有するフィンガー・ガード部分(符号15)を持つフォールディング・ガード(符号1)である。
【実施例10】
【0059】
実施例2(
図6)に、ハンドル(符号20)とフォールディング・ガード(符号1)との間に弾性体(符号19)を組み込めば、フォールディング・ガードが、ワン・タッチで開く。その1実施例が、
図15である。
念のために説明しておく。実施例2(
図6)において選択されている特願番号2019-224061名称フォールディング・ガード・システムは、挟持タイプのフォールディング・ガード(符号1)である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
折りたたみ式道具の安全性を高められる。
【0060】
本発明を構成する1要素であり、
図7として示されてもいる、段落番号0013において説明されている簡易ロック名称ワイヤーフォーミング・ジョイントは、必ずしもロック機構を必要としない例えば折りたたみ式カトラリーにおいては、さらなる軽量化を実現する。
【符号の説明】
【0061】
1 ビット・ドライバー、ドライバー・ビット・ケース、ライバー・ビット・ケース付きビット・ドライバー、ホイッスル、ライトを組み込むこともできるフォールディング・ガード、及びそのフォールディング・ガードのフィンガー・ガード部分
2 フォールディング・ガードが道具の回動に対し遅れて随伴回動するためのとかかり部分、言葉を換えて表現すれば道具がフォールディング・ガードを遅れて随伴回動させるためのとかかり部分
3 (1)各種ドライバー、(2)各種レンチ、(3)ビット・ドライバー、(4)ビット・ドライバー・ケース付きビット・ドライバー、(5)ヤスリ、(6)のこぎり、(7)ナイフ、カッター等を外延とするブレード、(8)ドリル、(9)アイス・ピック、(10)千枚通し、(11)カトラリー、前記の(1)~(11)の物品を含む道具
4 ストライク
5 デットボルト又はラッチボルト
6 デットボルト又はラッチボルトを収納できる大きさという意味における、径が大きいピポットピン
7 トーションばね、板ばね、コイルばね、ワイワーフォーミング、磁石、選択されるものによって形状が変わるが、弾性体及びないし又は磁石が想定され、デットボルトとストライクとの間の嵌合を維持するための力の発生源、それを固定するための部分
8 弾性体及びないし又は磁石が想定されている、デットボルト又はラッチボルトとストライクとの間の嵌合を維持するための力の発生源
9 ハンドル及びないし又はライナーに設けられた、デットボルト又はラッチボルトと連結又は一体化したロック・リリース・ボタンの運動と言うか可動域を制御するための溝
10 デットボルト又はラッチボルトと連結されている、ロック・リリース・ボタン
11 ファスナー・ボルト、又はリベット、又はピン、又はソングホールを兼ねさせたリベット、又はデットボルト又はラッチボルトを収納できないという意味において径が小さいピポットピン、又はネジ、それらを挿嵌又は螺合するための孔
12 緊急ロック機構のために貫通させた孔、又は筆記具を挿嵌できる孔、又はペン型のライトを挿嵌できる孔、又はネジ孔、又はボルト用の孔、又はドライバー・ビットを挿嵌できるソケット、又はカラビナを挿嵌できる孔、又はキー・リングを挿嵌できる孔、又はピンセットを挿嵌できる孔、又は爪楊枝を挿嵌できる孔、又は箸を挿嵌できる孔、又は笛を挿嵌できる孔
13 ファスナー・ボルト、又はリベット、又はピン、又はソングホールを兼ねさせたリベット、又はデットボルト又はラッチボルトを収納できないという意味において径が小さいピポットピン、又はネジ
14 ピン、又は枝、又は素材を問わない棒、又は筆記具、又はペン型のライト、又は歯ブラシの柄、又はペン型のライト、又は針金、又は釘、又はネジ、又はボルト、又はドライバー・ピット、又はカラビナ、又はキー・リング、又はピンセット、又は爪楊枝、又は箸、又は笛
15 フォールディング・ガードのガード部分における、道具と回動面を共有する部分
16 道具、又は道具及びフォールディング・ガード、又はフォールディング・ガード単体が、1工程のみによって開くのに必要となる弾性体、それを固定するための部分
17 弾性体の可動域を確保するのに必要となる凹状の部分
18 (1)道具、(2)フォールディング・ガード、前記の(1)と(2)との間の弾性体
19 (1)フォールディング・ガードとの間において回動面を共有するハンドル部分、(2)フォールディング・ガード、前記の(1)と(2)との間の弾性体
20 道具を挟持するハンドル及びないし又はライニング
21 (1)フォールディング・ガードとの間において回動面を共有するハンドル部分、(2)フォールディング・ガード、前記の(1)と(2)との間の弾性体、それを係止することによって道具を開く際の復元機能を与えるのに必要となる部分
22 ハンドル及びないし又はライナーに設けられた、2点の端部を回転軸とし、それら2点の回転軸をずらすことによって弾性体としての機能を担うワイヤーフォーミング(符号23)、それを嵌合するための2箇所必要となる孔と言うか軸受における、回転半径の短い方の孔と言うか軸受
23 2点の端部を回転軸とし、それら2点の回転軸をずらすことによって弾性体としての機能を担うワイヤーフォーミング
24 2点の端部を回転軸とし、それら2点の回転軸をずらすことによって弾性体としての機能を担うワイヤーフォーミングのフック部分、それと道具、又は道具及びフォールディング・ガード、又はフォールディング・ガード単体が嵌合するのに必要となるロック・ノッチ
25 ストップ・ピン用の孔
26 断面がL字型又はU字型のハンドル(符号20)及びないし又はライナーの道具(符号3)やフォールディング・ガード(符号1)の回動面に対し垂直に曲げられている面と係合することによって、又は断面がL字型又はU字型の部品の道具(符号3)やフォールディング・ガード(符号1)の回動面に対し垂直に曲げられている面と係合することによって、又はハンドル(符号20)及びないし又はライナーに横架された板と係合することによって衝止する場合には不要になるが、ストップ・ピン
27 道具又はフォールディング・ガードとストップ・ピンとが係合する部分
28 ロック・ノッチ
29 ロック・ノッチと嵌合する場合はフックとしての機能を担う、L型又はU型をしたロック・リリース・ボタンにおける、回動面に対し垂直に延長されている部分
30 フックとしての機能を担うが、回転運動ではなく直線運動するロック・リリース・ボタン、その運動を制御するための溝
31 2点の端部を回転軸とし、それら2点の回転軸をずらすことによって弾性体としての機能を担うワイヤーフォーミング(符号23)における、回転半径の長い方の孔と言うか軸受
32 2点の端部を回転軸とし、それら2点の回転軸をずらすことによって弾性体としての機能を担うワイヤーフォーミング(符号23)における、回転半径が短い方
33 2点の端部を回転軸とし、それら2点の回転軸をずらすことによって弾性体としての機能を担うワイヤーフォーミング(符号23)における、回転半径が長い方
34 2点の端部を回転軸とし、それら2点の回転軸をずらすことによって弾性体としての機能を担うワイヤーフォーミング(符号23)における、衝打又は切削によって面が形成され、ロック・ノッチ(符号24)と嵌合する部分、つまりフック部分
35 2点の端部を回転軸とし、それら2点の回転軸をずらすことによって弾性体としての機能を担うワイヤーフォーミング(符号23)における、回転半径が短い方の回転軸部分
36 2点の端部を回転軸とし、それら2点の回転軸をずらすことによって弾性体としての機能を担うワイヤーフォーミング(符号23)における、回転半径が長い方の回転軸部分
37 L型又はU型をしたロック・リリース・ボタンにおける、回動面に対し垂直に延長されている部分(符号29)、それを押す部分
38 道具において、開いた状態においても閉じた状態においてもハンドル及びないし又はライナーに隠れている部分、ナイフで謂う所のブレード・タング、そこに配設された回転面に対して垂直に突起したとかかり部分、又はサムスタッドを兼ねている道具側に配設され回転面に対して垂直に突起したとかかり部分
39 両端がとかかり部分(符号2)としての機能を担う、フォールディング・ガードに穿設又は切削された、環状扇形状の空間又は溝
40 両端がストップ・ピンとしての機能を担う、ハンドル及びないし又はライナーに穿設された環状扇形状の空間
41 道具及びないし又はフォールディング・ガードが閉じている状態において、2点の端部を回転軸とし、それら2点の回転軸をずらすことによって弾性体としての機能を担うワイヤーフォーミング(符号23)、それと係合する部分
42 道具及びないし又はフォールディング・ガードが開いている状態において、2点の端部を回転軸とし、それら2点の回転軸をずらすことによって弾性体としての機能を担うワイヤーフォーミング(符号23)、それと係合する部分