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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】ガラスセラミックワークトップ
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/10 20060101AFI20221003BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20221003BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20221003BHJP
   C03C 17/32 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
F24C15/10 B
H05B6/12 305
F24C15/00 M
C03C17/32 B
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020081464
(22)【出願日】2020-05-01
(62)【分割の表示】P 2016556780の分割
【原出願日】2015-03-09
(65)【公開番号】P2020128864
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2020-05-28
(31)【優先権主張番号】1451947
(32)【優先日】2014-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】504374919
【氏名又は名称】ユーロケラ ソシエテ オン ノーム コレクティフ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(72)【発明者】
【氏名】ベルトラン シャルパンティエ
(72)【発明者】
【氏名】ハビエル フェルナンデス
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル リスモンド
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル ラベル
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ ルー
(72)【発明者】
【氏名】パブロ ビラト
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-314531(JP,A)
【文献】特表2014-503778(JP,A)
【文献】特開2003-051374(JP,A)
【文献】国際公開第2012/146860(WO,A1)
【文献】特開2010-153229(JP,A)
【文献】特表2013-543470(JP,A)
【文献】特表2011-509910(JP,A)
【文献】特開2008-293871(JP,A)
【文献】特開2003-338360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/10
H05B 6/12
F24C 15/00
C03C 17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
備品及び/又は器具である物品であって、
-透明な一体形成されたグレージング材料から製造され、面積が0.7mより大きい、少なくとも1つの基材から形成された、少なくとも1つのワークトップであって、前記グレージング材料は、光透過率Tが60%超であり、前記基材は、前記グレージング材料の上側の面にコーティングを備えており、それによって前記コーティングを備えている前記基材が、曇り度が60%より高く、光透過率Tが少なくとも5%でありかつ30%より低く、かつ不透明度指標が90より高いようにされている、ワークトップ、
-少なくとも1つの加熱要素、
-前記加熱要素と鉛直の前記ワークトップ上の調理位置、
-少なくとも1つの光源、及び、
-前記ワークトップの少なくとも1つの要素と通信するための少なくとも1つのインターフェース、
を含み、
1つ以上の前記調理位置が、少なくとも1つの光源の手段により、前記光源の作動時に認知させられ及び/又は表示され、前記光源が、前記基材の下側に位置しており、かつオフにしたときに前記基材により隠されており、前記光源が、前記ワークトップを通した透過により発光性表示を形成することが可能であることを特徴とする、
備品及び/又は器具である物品。
【請求項2】
グレージング材料から製造された前記基材の面積は0.9mより大きく、前記基材の厚さは、少なくとも2mmであることを特徴とする、請求項1に記載の備品及び/又は器具である物品。
【請求項3】
前記基材は、平坦度が基材の対角線の0.1%未満であることを特徴とする、請求項1及び2のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
【請求項4】
前記基材は、強化ガラス又はガラスセラミックから製造されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
【請求項5】
前記グレージング材料は、光透過率Tが80%超であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
【請求項6】
前記グレージング材料は、着色剤を含有していることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
【請求項7】
前記備品及び/又は器具である物品は、前記加熱要素として1つ以上の誘導加熱手段を含み、1つ以上の前記加熱要素は、前記基材の1つ以上のゾーンに配置されることができ、又は、前記基材の下に均一に分布されていることができることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
【請求項8】
前記1つ以上の光源及び/又は他の構成要素は、手若しくは所与の物体と前記ワークトップの表面及び/又は前記インターフェース及び/又は外部システムとの接触により、又は、手若しくは所与の物体の動きにより作動可能であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
【請求項9】
前記備品及び/又は器具である物品は、複数の光源を含み、該複数の光源は、各光源又は前記ワークトップに光を送る各要素と、前記ワークトップの法線との間の角度が5~60°であるように配置され、それにより、前記ワークトップを使用する人により投影される影の効果を最小限に抑制することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
【請求項10】
前記インターフェースは、ワイヤレス通信を可能にすることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
【請求項11】
前記インターフェースは、接触又は動きにより生ぜられる種々のシグナルを送信することを可能にし、それにより、種々の構成要素を作動させ、及び/又は、データをダウンロード及び/又は送信することを可能にすることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
【請求項12】
前記備品及び/又は器具である物品は、同一又は異なるタイプの1つ以上のインターフェースを含み、1つ以上の要素を制御することを可能にすることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
【請求項13】
前記ワークトップは、1つ以上の機能性及び/又は装飾性コーティングを含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
【請求項14】
前記ワークトップは、少なくとも1つ又は1つより多くの支持要素上に載置され、このようにして前記支持要素とともにテーブル、ユニット又はカウンターを形成することを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
【請求項15】
透明な一体形成されたグレージング材料から製造され、そして面積が0.7mより大きい少なくとも1つの基材から形成されたワークトップであって、前記基材は、コーティングを備えており、それによって前記コーティングを備えている前記基材が、曇り度が60%より高く、光透過率T少なくとも5%でありかつ30%より低く、かつ不透明度指標が90より高いようにされており、前記ワークトップは、請求項1~14のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品の部品を形成することが意図されている、ワークトップ。
【請求項16】
透明な一体形成されたグレージング材料から製造され、そして面積が0.7mより大きい基材であり、前記基材が、コーティングを備えており、それによって前記コーティングを備えている前記基材が、曇り度が60%より高く、光透過率T少なくとも5%でありかつ30%より低く、かつ不透明度指標が90より高いようにされている、基材の、請求項15に記載の多用途インタラクティブワークトップとしての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上の支持要素(ユニットのカーカス、支持脚)上に水平に配置され又配置されることが意図された少なくとも1つの大きなプレートから形成され、それにより、様々な用途に意図された安定表面を提供するワークトップ、ワークテーブル、カウンター又はユニットに関する。詳細には、本発明は、同時に又は順次に様々な活動を行い、及び/又は、物体を支持することを可能にすることができ、特に食品を適切な受容容器中で加熱又は調理すること及びその他の使用をすることを可能にする表面又は上面を有するテーブル又はユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ワークトップを製造するために従来から使用されている材料は、例えば、木材、石英石、Corian(登録商標)などである。さらに、キッチンにおいて、特に業務用キッチンにおいて、食品を調理するために、大きな典型的には金属及び/又は複合板のクックトップを使用することが知られている。特に、ストーンウエアなどのセラミック製のセラミック層又は部品、アルミニウムなどの金属製の金属層又は部品、及び、ベークライトなどの絶縁性プラスチック製の層又は部品をベースとする多層プレートは知られており、これらのプレートは、一般に、かなりの厚さ(例えば、約12mm)を有し、かつ製造するのが複雑である。
【0003】
同様に、ガラスセラミック又は強化ガラス製の、より小さいクックトップ(特に、概して0.4mよりも小さい面積であり、より大きい面積のプレートは、場合により従来のプロセスを使用して得ることがより困難であり、そして平坦性、取扱性などの問題をもたらす)は家庭内使用のために知られている可能性があり、クックトップにおけるガラスセラミックの使用は、ここ数年でより広がっており、特に、その理由は、この用途でこの材料を用いて得られる性能及び製造されるプレートの魅力的な外観のためである。
【0004】
様々なタイプのガラスセラミックプレートは、現在知られており、各々の変形態様は、広範な研究及び多くの試行の結果である。というのは、探求される特性に悪影響を及ぼす危険性を冒さずに、これらのプレート及び/又はプレートを得るために使用される方法に変更を加えることは非常に困難であるからである。クックトップとして使用することができるようにするためには、ガラスセラミックプレートは、一般に、下にある加熱要素を消したときに、それを少なくとも部分的にマスクすることができるように十分に低く、かつ、状況(放射加熱、誘導加熱など)に応じて、加熱要素をオンにしたときに、使用者がそれを、安全上の理由から視覚的に検知することができるように十分に高い、可視領域の波長での透過率を有しなければならず、また、このようなプレートは、特にプレートが放射要素と関連されている場合には、赤外領域の波長での高い透過率を有しなければならない。このように設計されたプレートは、クックトップとして専ら使用されることが意図され、従来から、食品の調理に使用される耐熱食器以外の物品を受けることが意図されておらず、また、食品の調理以外の活動のために使用されることが意図されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は広い使用範囲を有する新しいタイプのインタラクティブな製品を提供することにより、家庭用及び業務用器具の既存の範囲を広げることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本発明に係る新規かつ有利でインタラクティブな製品、フィッティング、備品又は器具である物品により達成され、該備品/器具である物品は:
-透明なモノリスの(又は一体形成され又は一体の)グレージング材料(特に、光透過率が60%より高い)から製造され(又はそれをベースとし又はそれから本質的になる)少なくとも1つの基材(特に、プレート又は表面又は上面)から形成された少なくとも1つのワークトップ(又はカウンター又はワークテーブル)、ここで、前記基材は、有利には、本質的に平坦でありかつ面積(その最も大きい面の長さ×幅)が0.7mより大きく、前記基材が、コーティングを備えており、それによって前記コーティングを備えている前記基材が、曇り度が15%より高く、光透過率Tが60%より低く、かつ不透明度指標が85より高いようにされている、ワークトップ、
-少なくとも1つの加熱要素(特に、基材の下にあり、そしてその加熱要素が非作動時/消されている時に基材により隠されている)、
-少なくとも1つの光源、基材の1つ以上のゾーン(例えば、加熱ゾーン)又は1つ以上の要素又はディスプレイ(例えば、操作状態のインジケータ又は出力インジケータ)を照明する(可視状態にする)ことが意図されたものであり、この光源は、特に投影によりディスプレイを形成するために基材と鉛直(plumb)に配置されているか、又は基材を通した光透過によりディスプレイを形成するために基材の下に配置されている、光源、及び、
-ワークトップの少なくとも1つの要素(例えば、1つ以上の光源及び/又は1つ以上の加熱要素)と通信し、及び/又は、必要ならば、少なくとも1つの外部要素(ワークトップの外部)、例えば、外部モジュール(外部システム、外部デバイス)とワイヤレスで通信するための少なくとも1つのインターフェース、
を含む。
【0007】
本発明に係る製品は上記の目的を満たし、このように、新規のインタラクティブな備品及び/又は器具である物品(特に、調理機能が作動され、そしてゾーン又はデータが表示されるなどの機能が可能である)を提供し、それはキッチン及び他の居住空間の両方に適切であり、ワークトップは、場合により非開口であるユニット、テーブル、カウンターなどの部品を形成することが可能であり、このワークトップは1つ以上の支持要素(ユニットのカーカス、支持脚)に(特にその上に)水平に取り付けられており又は取り付けられることができ、それにより、様々な使用が意図される安定表面を提供し、本発明に係るワークトップ、備品又は器具である物品は連続の上面を有し、該上面は、同時に又は順次に、物品(例えば、紙片、コンピュータ、花瓶、テーブルウエアなど)を保持し、活動(例えば、仕事、ゲーム、読書など)を行い、そして食品を適切な容器内で準備し、調理し又は加熱することを可能にする。
【0008】
より一般に、本発明は、また、透明なモノリスグレージング材料から製造されそして面積が0.7mより大きい少なくとも1つの基材から形成されたワークトップであって、前記基材が、コーティングを備えており、それによって前記コーティングを備えている前記基材が、曇り度が15%より高く、光透過率Tが60%より低く、かつ不透明度指標が85より高いようにされており、このワークトップは、多用途インタラクティブ備品及び/又は器具である物品の部品を形成することが意図され(先行の段落で示したような幾つかの用途が意図される)、特に、本発明により上記したような用途が意図されるワークトップに関する。
【0009】
本発明はまた、透明なモノリスグレージング材料から製造されそして面積が0.7mより大きい基材、特に、プレートの多用途インタラクティブワークトップ、特に上記の段落で記載したようなワークトップとしての使用に関し、前記基材が、コーティングを備えており、それによって前記コーティングを備えている前記基材が、曇り度が15%より高く、光透過率Tが60%より低く、かつ不透明度指標が85より高いようにされている。
【0010】
上記のとおり、ワークトップは大きな基材から形成され、又は、モノリスグレージング材料(基材は、美感又は機能面の理由から、必要ならば、形成後に部品に一般に生じるボイドを含むことができるが、単一の物品を形成し/単一の部品であるグレージング材料)から製造されたプレートから形成され、このような大きなモノリスプレートの利点は、特に、魅力的で、清掃が容易であり、より人間工学的で安全である(液体をこぼした場合などに、不透性材料から製造されているので)、ほとんど連続/均一/つなぎ目なしの表面を提供することなどである。基材はグレージング材料から本質的になり、又は、それのみからなり、この基材/グレージング材料は、必要ならば、場合により薄い装飾性又は機能性コーティング(特に、厚さが約数十ナノメートル~数百ミクロン以上)を備え、該コーティングは、例えば、下記の特性化されるようなエナメル、ペイント、薄膜などである。
【0011】
特に、ガラスセラミックの分野での一般的な実施とは対照的に、このグレージング材料(それから作製された基材)は、サイズが大きく、その面積(その最も大きい面-可視可能であり、(家庭用、調理関連及び/又は業務関連)製品を保持することが意図された、その上面の長さ×幅の積に対応する)は0.7mより大きく、好ましくは0.9mより大きく、特に1mより大きく、特に2m以上である。しかしながら、特にガラスセラミックの場合には、大きなプレートの製造は、平坦度及び取扱性に関する多くの問題をもたらす。本発明において、なおも良好な平坦度を有する大きなプレートは、それでも、本発明に係る方法に関して下記に説明されるとおり、0.4mより小さい従来のサイズのガラスセラミックプレートを得るために従来から使用されている(標準)速度(又はファーネス又は時間の長さ)と比較して、走行速度を低減する(又は、セラミック化ファーネスの長さを増加する、又は、ファーネス内での滞留時間を増加する)ことにより、有利に得ることができる。
【0012】
本発明に係る基材/グレージング材料は、有利には平坦であり(又は大部分が若しくはほとんど平坦であり)、特に、基材のサイズ/面積/対角線に応じて、平坦度(美感又は機能的目的で基材に意図的に作製された変形を除いて、基材の平均面に対する基材の最高点と最低点との間の高さ)が基材の対角線の0.1%未満であり、好ましくは3mm未満であり、特に2mm未満であり、特に1mm未満であり、又はさらには、約0であり、平坦度はVisuolにより販売されているSurFlatオンジュロメータ(ondulometer)を用いて測定される。基材は、一般に、幾何学的形状を有し、特に、矩形又はさらには正方形、円形又は楕円形などであり、そして一般に、使用位置での「上面」(見ることができる面)及び使用位置での「下面」(一般に、ワークトップを取り込んだユニットのボディ又はカーカスで隠されている)、ならびに端面(又は縁又は厚さ)を有する。上面は一般に平坦でかつ滑らかであるが、少なくとも1つの突出ゾーン及び/又は少なくとも1つのへこみゾーン及び/又は少なくとも1つの開口部を含むことができ、及び/又は、面取り縁を有することができ(これらの特徴部は基材の製造の間に、例えば、ローリング、重力曲げ又はプレスにより追加され、又は、基材の再加工の間に追加される)、これらの形状の変化は有利にはプレートの連続変化部を形成する(すなわち、他の材料又はジョイントを関与させない)。下面は特に滑らかであるか又は機械強度を上げるスタッドを備えていることができ、そして例えば、ローリングにより得ることができる。
【0013】
使用されるモノリスグレージング材料から製造されるモノリス基材の厚さは、一般に、少なくとも2mmであり、特に少なくとも2.5mmであり、特に約3~30mmであり、前記厚さは有利には15mmより小さく、特に3~15mmであり、特に3~10mmである。
【0014】
使用される基材のグレージング材料は、有利には高温に耐性があり、及び/又は、膨張係数が0又はほとんど0(例えば、15×10-7-1より小さい)であり、特に、有利にはガラスセラミック又は強化(特に化学的に又は熱的に強化された)ガラスである。好ましくは、基材はガラスセラミックから製造された基材である。本発明により規定されるとおり、グレージング材料は、有利には透明であり、特に光透過率Tが、本発明に定義したとおり60%より高く、特に80%より高い。
【0015】
使用されるガラスセラミックは下記の番号、すなわち国際公開第2013/171288号パンフレット、米国特許出願公開第2010/0167903号明細書、国際公開第2008/065166号パンフレット、欧州特許出願公開第2086895号明細書、特開2010-510951号公報、欧州特許出願公開第2086896号明細書、国際公開第2008/065167号パンフレット、米国特許出願公開第2010/0099546号明細書、特開2010-510952号公報、欧州特許出願公開第0437228号明細書で公開された特許出願に記載されるような組成を有することができ、このガラスセラミックは特にリチウムアルミノシリケートガラスセラミックである。
【0016】
ガラスセラミックは、約0.2質量%~1.5質量%の酸化ひ素(Asとして表される)を含む組成のひ素系(arsenic-fined)(すなわち、マザーガラスから製造されたもの)であってよく、又は、ひ素系でなく(特に、酸化ひ素含有分が0.2%、特に0.1%未満又はさらには0である)/スズ系であってよい。
【0017】
グレージング材料はまた、非セラミック化(non-ceramitized)強化ガラスであってよく、例えば、下記の番号:仏国特許第1060677号明細書及び国際公開第2012/080672号パンフレットで公開された特許出願に記載されているようなバルクが(bulk)着色された強化リチウムアルミノシリケートガラス、又はさらには、例えば、国際公開第2012/146860号パンフレットで公開された特許出願に記載されているような、別のタイプ(ソーダ石灰、ホウケイ酸塩など)の強化ガラスであることができる。
【0018】
ガラスセラミック又は強化ガラスは、本発明の定義で示される選択された特性を有するグレージング材料を得ることを可能にする処理温度及びサイクルを用いて、前述の文献に記載のそれぞれの方法により得られる。ガラスセラミックの場合には、これらの方法は、好ましくは、下記に説明されるとおりの本発明により要求されるような大きな平坦な基材を得るために通常に使用される速度、長さ及び時間と比較して、少なくとも25%だけ、好ましくは少なくとも50%だけ走行速度を低減すること、又は、セラミック化ファーネスの長さ又はファーネス内の滞留時間を少なくとも25%だけ、好ましくは少なくとも50%増加させることによって変更される。
【0019】
透明なガラスセラミック基材は、一般に、残留ガラス相内にβ-石英構造の結晶を含み、膨張率の絶対値は、有利には、15×10-7/℃以下であり、又はさらには5×10-7/℃以下であり、このガラスセラミックは、例えば、EuroKeraによりKeraLiteの名称で販売されているプレートのガラスセラミックである。
【0020】
グレージング材料はまた、必要ならば、基材に特定の色調を与える着色剤、例えば、酸化バナジウム、酸化鉄、酸化コバルト、酸化セリウム、酸化セレン、酸化クロム又はさらには、酸化ニッケル、酸化銅及び/又は酸化マンガンなどを含有していてもよい。
【0021】
本発明の定義で示したように、基材/グレージング材料は、アセンブリが本発明に定義された性質を有するための、コーティングを備えており、このコーティングは、特に下方にある要素(特に加熱手段)のうちの幾らかをマスキングすることが意図されるマスキング手段として働き、かつ 必要ならば、下に説明するように次いでスクリーンを形成する、基材を通した光透過によるディスプレイを形成し、又は基材の表面上への光の投影によるディスプレイを形成し、次いでスクリーンを形成するのに好適な不透明性(opacity)/低い透過率及び/又は曇り度を得ることを可能とする。
【0022】
コーティングは、有利には、グレージング材料の下側の面の少なくとも幾らか、又はほとんど又は更には全体の上の、少なくとも1つのペイントのコート又は薄膜の層、特に約5~500μm、特に5~50μmの厚さのペイントのコートの形態をとる。使用されるペイントは、好ましくは350℃超の温度(一般に350℃~500℃を含む)に耐えることができ、かつ例えばシリコーン樹脂、特にシリコーンアルキド樹脂(すなわち、アルキド樹脂を取り込むことにより変性されたシリコーン樹脂)をベースとしており、又はさらには200℃未満の温度での使用を意図する場合には、他の樹脂、例えばエポキシ又はポリウレタン樹脂をベースとしていてもよく、このペイントは、必要ならば、所望の色に応じ、顔料、好ましくはエナメル顔料を(50質量%を超えない割合で)含んでいてもよい。あるいは、このコーティングは、グレージング材料の上側の面上の少なくとも1つのエナメル層の形態をとってもよい。このようにコーティングされた基材は、例えば、EuroKeraによりKeraResinの名称で販売されているプレートと同じタイプであることができる。
【0023】
本発明により規定されるとおり、ワークトップを形成するコーティングされた基材は、曇り度が15%超であり、特に40%超であり、又はさらには60%超であり、光透過率Tが60%未満であり、特に50%未満であり、又はさらには30%未満であり(この光透過率は、特に0でない/0超である)、かつ不透明度指標が85超であり、好ましくは90超である(かつ、特に100未満である)。基材は、これらの特性をその面積のほとんど(特に少なくとも80%又はさらには100%)に有するが、その表面に適用された任意の可能な局所化装飾部(例えば、エナメルから製造されている)又は局所部品を除く。
【0024】
曇り度は、光が散乱される程度を測定するものであり、そして本発明の関係において、550nmに等しい波長での全透過率に対する拡散透過率の比であると規定される。この曇り度は、例えば、光透過率測定のために使用される積分球を装備した分光光度計を用いて評価される。
【0025】
光透過率Tは、発光体D65の下で標準ISO 9050:2003により測定され、それは直接透過率及び場合により拡散透過率の両方を考慮した総透過率(可視領域で積分されたもの)であり、測定は、例えば、積分球を装備した分光光度計を用いて行われ、所与の厚さでの測定値は、その後、必要ならば、標準ISO 9050:2003により参照厚さ4mmに次に変換される。
【0026】
不透明度指標(又は係数又は率)Ωは、本発明においては、式Ω=100-ΔEにより決定され、そして(Byk-Gardenerカラーガイド45/0比色計を用いて得られた反射色)色変化ΔEを測定することによって評価され、該色変化ΔEは、不透明黒色背景上に配置された基材の上面における反射において測定される基材の色と、不透明白色背景上に配置された基材の色との間の差異に対応する(ΔE=((L -L +(a -a +(b -b 1/2であり(1976年にCIEにより定められた式に従う)、L 、a 、b は、CIE 1976色空間において、白色背景上での第一の測定の色座標であり、L 、a 、b は黒色背景上での第二の測定の色座標である)。
【0027】
本発明に係るコーティングされた基材は、必要ならば、特に、基材の上に配置されている光源との組み合わせで、下に説明するように、投影によりディスプレイを形成することを可能とし、そしてオン状態のときに、特に調理ゾーンを認知させるために、発光ゾーン(luminous zones)を表示させることができ、及び/又は必要ならば、基材の下に配置されている光源を用いた光の透過によりディスプレイを形成することを可能とし、この基材は同時に、下方に配置されている要素(例えば、加熱要素及びケーブル)をマスキングする。
【0028】
上記のとおり、本発明に係る製品はまた、少なくとも1つの加熱要素(又はヒータ要素)を含み、例えば、1つ以上の放射若しくはハロゲン要素又は1つ以上のガスバーナー及び/又は1つ以上の誘導加熱手段を含み、これらの加熱手段は、一般に、ワークトップの下に配置され、そしてオフにしたときにそれにより隠される。本発明に係る製品のワークトップは1つ以上の加熱要素及び同様の1つ以上のリングを含むことができる。用語「リング」は調理位置を意味するものと理解される。本発明に係る製品は複数のタイプの加熱要素又はリング(ガスリング、放射リング、ハロゲン要素又は誘導要素)を含むことができる。好ましくは、本発明に係る製品は、加熱要素として、1つ以上の誘導加熱手段を含む。
【0029】
1つ以上の加熱手段は、規定のゾーン(例えば、基材の1つの端部)、又は基材の複数のゾーンに配置されてよく、又は、基材の下に均一に分布されてよく、例えば、基材の面積の少なくとも25%を占めてよく、又はさらには、基材の面積とほぼ同等の面積を占めてよく(例えば、基材の主要面積の50%超、特に75%超、又はさらには85%超、又はさらには100%)、複数の小さいインダクタは、例えば、下面の下で基材に並んでおり、それにより、必要なときにゾーンを加熱することができる。
【0030】
加熱手段と鉛直のワークトップ上の調理位置は(面積の全体を覆う加熱手段を備えたワークトップの場合に、又は、そうでない場合に)、作動時に及び/又は常時認知されることができ、特に、1つ以上の光源の手段及び/又は永久装飾、例えば、エナメルで作られた手段により認知されることができる。調理ゾーンを示すことができるパターン(及び他のゾーン又は機能を示す同様の任意のパターン)は、サイズが比較的に大きくてよく、例えば、それは中央又はボトムなどで加熱要素を各々包囲する円又は小さいパターン(三角形、十字など)であることができる。
【0031】
好ましくは、調理位置(及び/又は、必要ならば、他のゾーン及び/又は要素及び/又は機能及び/又は装飾)は本発明の定義に記載されるような少なくとも1つの光源により認知され、この光源は、一旦作動すると、一定又は可変性の色及び/又はサイズの発光性パターン(特に、円板、円、十字、三角形など)を用いて、例えば、位置を示す。或いは、プレートの表面上(特に、上面上)に、例えば、エナメルから作製された1つ以上の層(特に、ガラスセラミックを装飾するために使用されるもの)を堆積することにより特に得られる、永久パターン(特に、円形、十字、三角形など)により常時表示されうる。
【0032】
1つの好ましい実施形態において、特にコーティングされた基材が不透明であるか又は非常に低い光透過率(特に5%未満)を有する場合、1つ以上の調理位置(及び/又は、必要ならば、他のゾーン及び/又は要素及び/又は機能及び/又は装飾)は、本発明の定義に記載されるような少なくとも1つの光源により、この光源の作動時に、認知され、及び/又は、該手段を用いて又はそれにより表示され、前記光源は(使用位置で)、基材の上方に、又は、基材の視認面と同一の側(すなわち、表示を形成しようとする側、視認されることが意図される側)に配置され、そしてスクリーンを形成するこの表面/面上での(直接)投影により発光性表示を形成することができる。
【0033】
別の実施態様において、少なくとも5%の光透過率Tを有するコーティングされた基材について、1つ以上の調理位置(及び/又は、必要ならば、他のゾーン及び/又は要素及び/又は機能及び/又は装飾)は、本発明の定義に記載されるような少なくとも1つの光源により、この光源の作動時に、認知され、及び/又は、該手段を用いて又はそれにより表示されることが(追加的に又は代わりに)でき、前記光源は(使用位置で)基材の下に配置されており、そしてオフにしたときにこの基材によって隠され、前記光源はワークトップを通した透過により発光性表示を形成することができる。
【0034】
1つ以上の光源はまた、他の要素又は機能を表示することを可能にし、例えば、制御ゾーン又は手段(タッチコントロール、ロゴ又はさらにはキーボードなどの形態を取る)又はインジケータ(電流/電力、時間など)を表示することができ、これらは、例えば、ワークトップの表面との接触を介して(表面の下にあるセンサは、例えば、この接触を検知するために使用される)、又は、遠隔的に(特に、ワイヤレス通信を介して)、又はさらには、手の単純な動き(必要ならば、外部にあるセンサ又は検出器を介して、そして例えば、三角測量方式により動きを感知し、それにより、アルゴリズム及び適切なインターフェースを特に用いて、例えば、機能の作動へと変換する)により、又は、必要ならば、所与の物体(ソースパンなど)をプレート上の所与の位置(例えば、調理ゾーン)に配置することにより作動可能である。1つ以上の光源はまた、装飾又は様々なデータ(例えば、料理のレシピなどのコンピュータのページの表示)を表示するのに適切なインターフェースを用いてワイヤレス接続を介してダウンロードすることができ、前記データは、プレートの表面上に光源から投影され又は送信される。
【0035】
必要ならば、本発明に係る製品は、複数のゾーンを照明し若しくは複雑な装飾若しくはテキストを表示するために、又は、照明の均一さを増加させるために、複数の光源を含むことができ、これらの光源は、異なる軸に沿って、異なる照明角で配置されることができ、それにより、反射又は望ましくないシャドーイングを起こすことなく、所望の効果を得ることができる。特に、スクリーンとして作用するワークトップへの投影による照明の場合には、例えば、複数の光源は、各光源(又は、例えば、ワークトップに向けて光を通過させる各要素、ミラー)と、ワークトップへの法線との間の角度が5~60°であり、好ましくは30~45°であるように配置され、それにより、ワークトップを使用する人により投影される影の効果を最小限に抑制する。
【0036】
1つ以上の光源は、特に、嵩、効率、寿命及び環境条件(熱など)への耐性の理由から、有利には、発光ダイオードにより形成されてよく、及び/又は他のタイプの光源、例えばハロゲン又は白熱ランプ、レーザ又は液晶スクリーンであってもよく、この光源は、必要ならば、レンズ又は鏡と組み合わせて使用することが可能である。
【0037】
このダイオードは、有利には、特に1つの方向に発光する無機材料から製造された半導体チップ(LED)であり、かつカプセル化されていてよく、すなわち、半導体部品及び該半導体部品をカプセル化するパッケージ(例えば、エポキシ又はナイロン樹脂から製造)を含む。これらのダイオードはまた、コリメートレンズを用いない半導体チップであることができ、例えば、約百μm又は1mmのサイズであり、場合により、最小限の(例えば、保護用)カプセル化物を含む。
【0038】
ダイオードは、必要ならば、キャリア又はストリップ又はベースにより支持されてよく、このベースは、より良好な発光効率のために処理され及び/又は反射性とされた(平坦又は傾斜)表面を有することができ、例えば、この表面はラッカー又はペイントのコート及び/又はミラーコーティングによりコーティングされ、及び/又は、放出される光線をより良好に指向させるために白色又は金属反射体にカップリングされる。
【0039】
必要ならば、有機発光ダイオード(OLED)を使用することも可能であり、該有機発光ダイオードは特に電極間に有機半導体層を重層したものからなり、そして有機層を通した電気により取られる経路に従って、1つのピクセル内に種々の色を生じることができる。
【0040】
各光源(単数又は複数)は、半田付け、クリップ締結、接着結合などにより、必要ならば、別の要素により、基材に、又は支持部材に、例えば備品及び/又は器具である物品の別の部分に、又は、例えば、レール又は、ワークトップの上方にぶら下がったデバイス(このデバイスはフードなどの他の部品を含み、1つ以上の光源は、可能には特にこのフードと一体化されていることができる)である外部部品(上記備品及び/又は器具である物品に連携されている)に結合し、例えば、金属プロファイルの底に収納されたキャリアに半田付けされたダイオードを、プロファイルのクリップ締結又は接着結合により取り付けることができる。1つ以上の光源の位置(特にプレートに対する)は、好ましい実施形態において基材上に(プレート(スクリーンとして作用する)上への投影(特に上方からの)により、又は基材が完全に不透明でない場合にガラスセラミックを通して)ディスプレイを形成するように適合される。
【0041】
光源並びにその出力供給及び作動メカニズムは、要求に応じて、同時又は個別に所望の照明ゾーンを照明することを可能にするために、場合により、分離されうる。各光源は単色(純粋色)又は多色(混合色)であることができる。
【0042】
表現「単色性光源」は、ピークの幅が1~100nm、好ましくは5~50nmで変動するように、可視波長範囲に単一の発光ピークを有する光源を意味するものと理解される。
【0043】
表現「多色性光源」は、可視波長範囲において異なる波長で少なくとも2つの発光ピークを有するものと意味するものと理解される。知覚(網膜による)される色は、種々の波長の混合により得られている。主要発光ピーク及び該主要発光ピークよりも広く、かつ概してより低い強度の別の発光ピークを含む発光スペクトルを有するLED及び/又はLEDディスプレイであり、このピークは、例えば、蛍光によるものである。多色性LEDは、特に400~500nmに含まれる第一の発光(高い又は低い強度)を発し、そして500nmを超える可視範囲にある第二の発光(高い又は低い強度)を発する(例えば、少なくとも1つの発光性結晶及び少なくとも1つのフォトルミネセンス性蛍光光体から形成されたLEDの場合)。光源として、白色LED、多色光を発光するLEDを使用することが特に可能であり、それは、例えば、独立に調節される強度の「RGB」タイプの3つの単色光源から形成される(3つの光源:レッドの光源、グリーンの光源及びブルーの光源)。
【0044】
1つ以上の光源は、1つ以上のディスプレイタイプの構造(例えば、「7セグメント」発光ダイオード又は液晶ディスプレイ)及び/又はタッチ感受性電子制御スクリーン又はデジタルディスプレイを含むパネル(必要ならば、インターフェースを介してワイヤレス接続により)に統合されること、若しくはこれとカップリングされ若しくは組み合わされること、又は別のデバイス、例えば上記の換気フードに統合されることができる。
【0045】
1つ以上の光源のほかに、本発明に係る製品はまた、製品の1つの部品から別の部品へと光を伝播すること(特に、内部全反射又は金属表面からの反射による)が意図される少なくとも1つの導波路を含み、必要ならば、光源がワークトップの下方に配置されているときに、各光源は、当該導波路に取り付けられ、その光をその中に放出することにより相互作用させ、それにより、導波路は前記光を送り、例えば、1つ以上の光源は、端面又は導波路の端部へと発光し、カップリングされる。この導波路は、有利には透き通りclear)又は透明(transparent)であり、かつ例えばプレートの下面の下方に追加されることができる(別個に設計された後に組み立てられる)。それは有機及び/又はプラスチック(例えば、ポリカーボネート又はポリメチルメタクリレートPMMAから製造されている)又は無機であることができる(例えば、それはガラスシートから製造されていてよい)。本発明に係る製品は、各々が照明の1つ以上のゾーンに指示されている複数の導波路、又は、必要ならば、開口部を備えた単一の導波路を含むことができる。導波路は基材に直接的に連結されるか、又は、備品及び/又は器具である物品の別の部分に、若しくは支持部材に連結されることができ、かつ例えば、ワークトップが静置されているカーカスにしっかりと固定されることができる。導波路により、とりわけ、光を照明の所望のゾーンへとより良好に送ることができる。
【0046】
特に、必要に応じて少なくとも1つの導波路と連携された1つ以上の光源がワークトップの下方に配置されている場合には、備品及び/又は器具である物品はまた、照明ゾーンにおいて、1つ以上の光源により放出された光線を取り出すための少なくとも1つの手段、例えば、1つ以上の散乱性要素又は処理、特に、表面に付加された層及び/又は導波路の表面(局所表面又は全表面)又は取り出し表面の任意の処理又は異なるテキスチャリングを含むことができ、該処理又はテキスチャリングは、例えば、レーザエッチング、エナメルの印刷、化学(酸など)エッチング又は機械的攻撃(サンドブラストなど)などにより得られる。取り出し表面は、必要ならば、例えば、レーザエッチング技術をその内部に適用することにより、導波路の厚さで提供されうる。光を局所的かつ制御可能に取り出すことを可能とするため、導波路の端部の形状及び粗さを変更してもよい。1つ以上の取り出し手段は照明するのを所望しているゾーンに向けて導波路から光線を取り出すことを可能にする。必要ならば、別の処理と組み合わせてよく、照明しようとするゾーンを標的とすることが可能となり、例えば、基材の1つの面の一部に堆積されたスクリーン印刷マスク(特定のゾーンをマスキングし、光の通過を防止する)である。
【0047】
必要ならば、備品及び/又は器具である物品はまた、少なくとも1つのフィルター(少なくとも1つの光源に(操作時に)カップリングされている)を含み、それにより、選択された色の着色発光ゾーンを形成し、このフィルターは、一般に、光源とプレートの間に配置され、特に光源及び/又は別の中間体要素及び/又はプレートと特に組み合わされる(しっかりと固定される)ことができる。
【0048】
用語「フィルター」は光学フィルター(光の透過に対して作用)、特にカラーフィルター(波長の透過に対する作用は波長依存性)を意味するものと理解され、このフィルターは特に、概して平坦な要素又は構成部品であり、特に、(半)透明(可視の特定の波長で透明であるが、1つ以上の他の波長で透明でなく、1つ以上の他の波長で不透明であり、1つ以上の他の波長に影響を及ぼす意味)の少なくとも1種の有機若しくは無機材料をベースとするフィルム又は層又は複合材の形態を取り、特に、可視範囲の特定の波長を吸収し及び/又は反射し及び/又は再発光することを可能にする。このフィルターは、特に吸収フィルター(特定の波長での吸収により起こる光の透過に対する作用であり、吸収された光は特に熱に変換され及び/又は他の波長で発光される)、又は、反射性フィルター(特定の波長での反射により起こる光の透過に対する作用)であることができる。フィルターは付加され(別個に作製され)、そして少なくとも1つの光源及び/又は別の中間体要素、又はワークトップと組み合わされ、又は、前記光源及び/又は前記要素及び/又は前記ワークトップに統合され又はその上に直接的に製造されることができ、例えば、インクジェット印刷などにより印刷された印刷層の形態である。光源から放出された光線は、補正フィルターを通過し、それにより、このアセンブリが組み合わされた基材上に又はこれを通して必要な表示を生じさせる。フィルターは種々の色を可能にし、例えば、白色、又は、形成される複数の波長の混合により得られる混合色の少なくとも1つの着色ゾーンが可能である。本発明に係る備品及び/又は器具である物品は、使用される光源(及び、必要ならば、使用されるフィルター)、並びにそれらの位置に応じ、機能及び/又は装飾目的の1つ以上の発光/ディスプレイゾーンを含むことができ、前記1つ以上のゾーンはプレートの任意のゾーン(加熱ゾーンを含む)であることができ、そして異なる(異なる色、輝度)である複数の発光/ディスプレイゾーンを提供することができ、及び/又は、各ゾーンはそれ自体が種々の色であることができる。
【0049】
上記に示すとおり、本発明に係る備品及び/又は器具である物品はまた、ワークトップの少なくとも1つの要素(例えば、1つ以上の光源及び/又は1つ以上の加熱要素)との通信のための、及び/又は、例えば、ワイヤレスでワークトップの外部の要素との通信のための少なくとも1つのインターフェースを含む。
【0050】
この(特にマシン-マシン又はヒューマン-マシン)通信インターフェースは、特に加熱要素及び/又は光源を制御し、又は、コントロールノブ若しくはタッチコントロールから若しくはそれによりコマンドを送ることができるデバイスであることができ、該コントロールノブ若しくはタッチコントロールは、ワークトップに統合されており、又は、特にコマンドがワイヤレスで通信される場合には、それとは別の、有利には固定性若しくは可動性である外部要素に配置されている。
【0051】
好ましくは、インターフェースはワークトップに対して外部のシステムとワイヤレス通信を可能にし(このシステムは本発明に係る備品及び/又は器具である物品の部品を形成することができ、そしてそれ自体がインターフェースを形成することができる)、例えば、遠隔的に、加熱ゾーン及び/又は光源を作動させることができ、及び/又は、種々の機能(電力の増加又は減少、調理時間、ワークトップ上のデータの表示など)を制御することができ、外部システムを介して与えられるコマンドは備品及び/又は器具である物品の関連部品へとインターフェースを介して送られる。インターフェースはまた、ワークトップ上に配置されたコントロールインターフェース(コントロールパネル)であることができ、そしてそれはコマンドを配線により、又は、場合により、ワイヤレスで、ワークトップの他の部品に又はワークトップに対して外部にある他の部品に送る(例えば、照明が投影される場合には遠隔の光源に送られる)。
【0052】
遠隔制御の場合の外部システムは、例えば、キーボード、タブレット又はタッチスクリーン又は携帯電話の形態を取ることができ、このシステムは固定的に取り付けられ(例えば、壁に固定される)、又は、可動性であることができる。この実施形態は特に、ワークトップ又は調理ゾーン上での指跡(グレージング材料上で魅力的でなくかつ容易に視認される)を防止するという利点を有する。制御の遠隔作動は、また、調理ゾーンの近傍にあるコントロールと関わる必要がないので、作業者が火傷する危険性を低減することも可能である。特に安全性のために、ワイヤレス接続は、有利には限定された範囲であることができ(例えば、備品及び/又は器具である物品が配置されている室内の体積に限定された範囲)、及び/又は、室外の人により誤って作動することを防止するための安全特徴部を備えていることができる。ワイヤレス通信は、特に、電磁波又は無線波により行われ、必要であれば、Bruetooth、WLAN、Wi-Fiなどのタイプのシステムを用いる。
【0053】
インターフェースは、上記のとおりの種々の構成部品を作動するために、接触又はさらには動きにより生ぜられる種々のシグナルを送ることが可能である(例えば、三角測量方式によるセンサ(これらのセンサは、このインターフェースに接続されており(そして必要ならば、その部品を形成している))により検知された動きを機能(例えば、加熱電力の増加、加熱ゾーンの照明など)の発現へと変換することができる)。それはまた、種々のデータ(例えば、インターネットページ、壁紙、調理レシピなど)をダウンロードし又は送信することができ、これらのデータは、例えば、特にワークトップの表面上に表示することを可能にする光源へと送信される。
【0054】
少なくとも1つのインターフェースは、一般に、ワークトップの上若しくは下又はその近傍に配置される。本発明に係る備品及び/又は器具である物品はまた、同一のタイプ又は異なるタイプの複数のインターフェースを含み、該インターフェースは、例えば、種々の要素を作動することが可能であり、又は、備品及び/又は器具である物品は複数のインターフェースを含むことができ、該複数のインターフェースは、必要ならば、高レベルの安全性をもって所与の要素(例えば、加熱ゾーン)を制御するために異なって操作する(異なる設計であり、異なる周波数で操作するなど)。必要ならば、インターフェースに、光源の作動と同時に加熱ゾーンの作動を行うことを可能にさせることができる。インターフェースは、1つ以上のセンサ、コネクター、制御要素又は他の任意の電気、電子又は電磁部品などにより形成されうる。
【0055】
好ましくは、本発明に係る備品及び/又は器具である物品は、特に基材の光透過率Tが低い場合に、基材の種々のゾーン及び/又は機能の作動のための少なくとも1つの外部要素とワイヤレスで通信するための、少なくとも1つのインターフェースを含む。
【0056】
インターフェースとは別に、備品及び/又は器具である物品又はワークトップは種々のケーブル、コネクター又は他の、特に、備品及び/又は器具である物品の1つの部品から別の部品へのコマンドの送信に寄与する電気的な要素を備えていることができる。
【0057】
本発明に係る備品及び/又は器具である物品、及び、特にワークトップはまた、種々の機能及び/又は装飾性コーティングを含むことができ、該コーティングは、特に、当該グレージング材料とともに一般に使用されるコーティングから選択され、例えば、エナメル、ペイント、1つ以上の薄膜(例えば、金属、誘電体など)などをベースとするコーティングである。例えば、基材の1つの面は、1つ以上のエナメル層又は1つ以上のエナメルパターンを含むことができ、そしてそれは装飾の役割を有する、及び/又は1つ以上の要素(ディスプレイ、調理ゾーンなど)を認知させるために使用され、及び/又は、着色層若しくはマスクとして作用し、及び/又は他の目的(光取り出し手段として、又は、照明均一性を増加するためなど)で使用される。特に、ワークトップは1つ以上の追加の特性を備える機能性層を備えていてよく、例えば、耐引っ掻き性コーティング又は機械強度などを増加する層である。コーティングは、例えば、スクリーン印刷、カソードスパッタリング、エナメルのインクジェット印刷などの方法を使用して形成でき、コーティングは、コーティングのタイプ及び所望の機能によることができ、特に、視認面又は反対面に適用される。例えば、エナメル装飾の場合には、それは好ましくは特に可視性を理由として上面に堆積され、一方、不透明層は、好ましくは反対面、すなわち、視認性を意図しない面に、特に磨耗などからよりよく保護するために堆積される。
【0058】
上記に示したとおり、発光性表示(コーティングの堆積とは対照的に)により、特にすでに上述したようにスクリーンを形成するワークトップ上に光を投影することにより、幾つかの利点をもってワークトップの装飾(又はその少なくとも一部)又は表示も得ることができる。
【0059】
本発明はまた、本発明に係る備品及び/又は器具である物品、特に、ワークトップが0.7mより大きい面積の少なくとも1つのガラスセラミック基材から製造されているときの前記備品及び/又は器具である物品のワークトップの製造方法に関し、ここで、0.7mより大きい面積のガラスプレートのセラミック化の少なくとも1つのサイクルは、前記基材を得るために行われ、そして0.4mより小さい面積のガラスセラミック基材を得るために使用される最適な又は従来の速度、長さ又は滞留時間とそれぞれ比較して、走行速度は少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%低減され、又は、セラミック化ファーネスの長さ若しくは前記ファーネス内の滞留時間は、少なくとも25%、好ましくは50%増加される。
【0060】
ガラスセラミックプレートは、一般に、以下のとおりに製造されることが想起されよう:ガラスセラミックを形成するために選択された組成のガラスを溶融ファーネス内で溶融し、その後、溶融ガラスをローラーの間に通過させることにより溶融ガラスを標準的なリボン又はシートへとロール加工し、そしてガラスリボンを所望のサイズに切断する。このように切断されたプレートを、その後に、それ自体既知の方法でセラミック化し、該セラミック化はガラスを「ガラスセラミック」と呼ばれる多結晶材料へと転化させるために選択される温度プロファイルで、プレートをベーキングすることからなり、ガラスセラミックの膨張率は0又はほぼ0であり、それは700℃という高温の熱衝撃に耐性であることができる。セラミック化は、一般に、ほぼガラス変態範囲にある核形成範囲に温度を徐々に上げる工程、核形成範囲を通して温度を増加させるのを数分間継続する工程、セラミック化段階の温度まで温度を新たに累進的に増加させる工程、セラミック化段階の温度を数分間保持する工程、及び、その後、室温に急速に冷却する工程を含む。必要ならば、該方法はまた、例えば、ウォータージェットによる、又は、カッターなどを用いた機械的切込みが関与している切断操作(一般にセラミック化の前)、次いで、造形操作(モールディング、面取り)を含む。該方法はまた、特定の三次元形状を形成するためのローリング加工又は重力曲げ加工の工程を含むことができる。
【0061】
本発明において、ガラスセラミックはセラミック化サイクルを行い、該サイクルは所望の特性、特に、透明な外観を付与する。
【0062】
他の詳細及び利益的特徴は添付の図面を参照して示される本発明の非限定的な実施形態の説明から下記でより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1図1は、本発明に係る備品及び/又は器具である物品の模式斜視図を示す。
図2図2は、同様の備品及び/又は器具である物品の模式的上面図を示す(表面上の用具及び下方にあるユニット要素は示していない)。及び、
図3図3は、ユニットのサイドパネル(23)が除去され、備品及び/又は器具である物品の特定の構成要素を見ることができるようになっている模式側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本例において、本発明に係る備品及び/又は器具である物品(1)は、透明なモノリスのガラスセラミックプレート(6)(このガラスセラミックは、88%の光透過率Tを内因的に有する)から形成された2m面積の少なくとも1つのガラスセラミック基材から形成されたワークトップ(5)を載置したカーカス(4)から形成されたユニット(2)を含み、このガラスセラミックプレートは、黒色顔料を含有しているシリコーン樹脂をベースとする厚さ42μmのペイントで作られたコーティング(10)を備えており、このコーティングされたプレートは、Eurokeraにより参照記号KeraResinで販売されているタイプのものと同一のタイプのプレートであり、このプレートは、滑らかな上面及び滑らかな下面(この面は、その上場合によりスタッドを備えている)を有し、厚さが4mmであり、このコーティングされた基材は、曇り度が66.7%であり、光透過率Tが0.03%であり、かつ不透明度指標が99.96である。この基材は、例えば、KeraResinタイプのガラスセラミックの製造プロセスにおいて、セラミック化ファーネスを通した走行速度を50%低減させて行うことにより得られる。
【0065】
得られるガラスセラミック基材は、平坦度が2mm未満であり(得られる平坦度は、0.4mより小さい標準サイズのプレートを得るために上記の用途で使用される速度に対して25%のみ低減した速度では2~3mmであり、変更しない速度では15mmを超える)、良好な光学特性及び良好なカップリング及び熱効率特性を特に得るために要求される平坦度は3mm未満であり、好ましくは2mm未満である。
【0066】
備品及び/又は器具である物品は、本例では、例えば、プレート(6)の下方に配置されたインダクタなどである3つの加熱要素(7)をさらに含む。これらのインダクタは本ケースの場合には、ワークトップの中央に配置されているが、同様にワークトップの1つの末端にうまく配置されうる。
【0067】
備品及び/又は器具である物品はまた、調理位置を示すことが意図され、そして基材の上方(ワークトップの鉛直上)に配置されている3つの光源(8)を含む。これらの光源は、例えば、これらの光源が作動されたときに、又はさらには、光源が適切なインターフェースを介して加熱要素に接続される場合に、前記加熱要素が作動されるときに、各位置の範囲を定める有色光(9)の円板又は円(色は、必要ならば、各位置で同一であっても又は異なっていてもよい)により、そしてインジケータを取り囲むことにより、調理位置を示すことを可能にする。光源(8)は、例えば、プロファイル中に収納されるベースにより支持された複数のLEDにより形成され、かつ例えばワークトップの鉛直上に配置されている換気フード(14)に統合される。これらの光源は、示された加熱ゾーンとは別に、追加的に又は代わりにワークトップを(局所的若しくは全体的に)照明するため、又は種々の情報項目、例えば表示すべきデータ、調理レシピ(11)等を投影により表示するために機能する。
【0068】
備品及び/又は器具である物品は加熱要素との通信のための、そして必要ならば、光源との通信のための少なくとも1つのインターフェース(12)(基材により隠されている)をさらに含み、このインターフェースはまた、外部システムとワイヤレスで通信し、該外部システムは、例えば、プレート又は備品及び/又は器具である物品の種々のゾーンの作動又は機能の作動を制御するためのタッチ感受性タブレット(13)の形態を取る。外部システムは有利には可動性であり、ワークトップ上に維持され(図1)、又は、種々のゾーン又は機能を遠隔的に作動させるように使用される(図3)。代わりに又は追加的に、インターフェースはまた、特に基材の種々のゾーンの作動及び機能を制御するための、基材(2)の表面上に配置された、統合化コントロールパネルを含むことができ又はそれに接続されていることができる。
【0069】
備品及び/又は器具である物品はまた、他の要素、特に加熱要素を作動しそして光源を作動するための電気ケーブル(15)及び種々の物品などを収納するための、ワークトップを支持するカーカスに配置された引き出し(15)又は戸棚(17)を含む。備品及び/又は器具である物品はまた、他の要素を含むことができ、例えば、ワークトップはトリムを含むことができ、そして基材は場合により局所永久装飾、例えば、エナメル装飾によりコーティングされることができる。カーカスは、非開口であってよく、又は、種々のボイド(例えば、ボイド(18))を含むことができ、又は、他の要素(例えば、ビルトインオーブンなど)を取り込むことができる。ワークトップ(5)は種々の目的で使用されてよく、例えば、食品を調理することができながら(調理受容容器(21)によりシンボル化)、筆記目的(紙及びペン(19)によりシンボル化)、物体を保持する目的(テーブルウエア(20)によりシンボル化)などで使用されてよい。必要ならば、カーカスはまた、テーブルと同様に、支持脚により置き換えてよい(例えば、パネル22及び23のみ、又は、4つのコーナーでの4つの脚、この場合には、ワークトップの下の構成要素は好ましくは基材の下で、数センチメートルの厚さの局所ハウジングにより隠されている)。
【0070】
本発明に係る備品及び/又は器具である物品は、特にそして有利には、新たな範囲のインタラクティブでかつ多用途のユニットで、特に調理ゾーン又は調理機能を統合したユニットを形成するために使用されうる。
本発明の実施態様の一部を以下の項目1~20に記載する。
〈項目1〉備品及び/又は器具である物品であって、有利にはインタラクティブである備品及び/又は器具である物品であって、
-透明なモノリスのグレージング材料から製造され、面積が0.7m より大きい、少なくとも1つの基材から形成された、少なくとも1つのワークトップであって、前記基材は、コーティングを備えており、それによって前記コーティングを備えている前記基材が、曇り度が15%より高く、光透過率T が60%より低く、かつ不透明度指標が85より高いようにされている、ワークトップ、
-少なくとも1つの加熱要素、
-少なくとも1つの光源、特に、前記基材の1つ以上のゾーン又は1つ以上の要素又はディスプレイを照明することが意図されたものであり、特に、前記光源は、投影により前記ディスプレイを形成するために基材と鉛直に配置されているか、又は前記基材を通した光透過により前記ディスプレイを形成するために前記基材の下に配置されている、光源、及び、
-前記ワークトップの少なくとも1つの要素、例えば、1つ以上の前記光源及び/又は1つ以上の前記加熱要素と通信し、及び/又は、必要ならばワイヤレスで、少なくとも1つの外部要素と通信するための少なくとも1つのインターフェース、
を含む、備品及び/又は器具である物品。
〈項目2〉グレージング材料から製造された前記基材の面積は0.9m より大きく、特に1m より大きく、特に少なくとも2m であり、前記基材の厚さは、少なくとも2mmであり、特に少なくとも2.5mmであり、特に約3~30mmであり、前記厚さは、有利には15mmより小さく、特に約3~15mmであることを特徴とする、項目1に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目3〉前記基材は、平坦度が基材の対角線の0.1%未満であり、好ましくは3mm未満であり、特に2mm未満であり、そして特に1mm未満であり、又はさらには、約0であることを特徴とする、項目1及び2のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目4〉前記基材は、強化ガラス又はガラスセラミックから製造されており、好ましくはガラスセラミックから製造されていることを特徴とする、項目1~3のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目5〉前記グレージング材料は、光透過率T が60%超、特に80%超であること、及び前記コーティングを備えているグレージング材料から製造された前記基材は、好ましくは曇り度が40%超であり、又はさらには60%超であり、光透過率T が30%未満であり、かつ不透明度指標が85超であることを特徴とする、項目1~4のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目6〉前記グレージング材料は、着色剤を含有していることを特徴とする、項目1~5のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目7〉前記備品及び/又は器具である物品は、前記加熱要素として1つ以上の誘導加熱手段を含み、1つ以上の前記加熱要素は、前記基材の1つ以上のゾーンに配置されることができ、又は、前記基材の下に均一に分布されていることができ、例えば、前記基材の面積の少なくとも25%を占め、又は、前記基材の面積の50%を超え、特に75%を超え、又はさらに85%を超える面積を占めることを特徴とする、項目1~6のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目8〉前記加熱手段と鉛直の前記ワークトップ上の調理位置及び/又は他のゾーン及び/又は要素及び/又は機能及び/又は装飾は、1つ以上の光源の手段及び/又はエナメルなどから作製された永久装飾の手段により、作動時に及び/又は常時認知されることを特徴とする、項目1~7のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目9〉1つ以上の前記調理位置及び/又は他のゾーン及び/又は要素及び/又は機能及び/又は装飾は、少なくとも1つの光源の手段により、前記光源の作動時に認知され及び/又は表示され、前記光源は、前記基材の上方に、又は前記基材の視認面と同一の側、すなわち、表示を形成しようとする側若しくはそこから視認されることが意図される側に配置され、そしてスクリーンを形成する前記視認面上での投影により発光性表示を形成することができ、前記光源は、特に基材の下に配置され、そしてワークトップを通した光の透過により発光性ディスプレイを形成することを可能にすることを特徴とする、項目8に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目10〉コーティングされた前記基材の光透過率T が、少なくとも5%であり、かつ1つ以上の前記調理位置及び/又は他のゾーン及び/又は要素及び/又は機能及び/又は装飾は、少なくとも1つの光源の手段により、前記光源の作動時に認知され及び/又は表示され、前記光源は、前記基材の下側に位置しており、かつオフにしたときに前記基材により隠されており、前記光源が、前記ワークトップを通した透過により発光性表示を形成することが可能であることを特徴とする、項目8に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目11〉前記1つ以上の光源及び/又は他の構成要素は、前記ワークトップの表面及び/又は前記インターフェース及び/又は外部システムとの接触により、又は、動き、特に手の動きにより作動可能であることを特徴とする、項目1~10のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目12〉前記備品及び/又は器具である物品は、複数の光源を含み、該複数の光源は、各光源又は前記ワークトップに光を送る各要素と、前記ワークトップの法線との間の角度が5~60°であり、好ましくは30~45°であるように配置され、それにより、前記ワークトップを使用する人により投影される影の効果を最小限に抑制することを特徴とする、項目1~11のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目13〉前記インターフェースは、ワイヤレス通信を可能にし、特に前記ワークトップに対して外部にあるシステムとのワイヤレス通信を可能にし、例えば、遠隔的に、加熱ゾーン及び/又は前記光源を作動させることができ、及び/又は、種々の機能を制御することができ、該外部システムは、例えば、キーボード、タブレット若しくはタッチスクリーン又は携帯電話の形態を採り、前記システムは、固定して取り付けられ、又は、可動性であることができ、例えば、ワイヤレス通信は限定された範囲であり、例えば、備品及び/又は器具である物品が配置されている部屋の体積に限定される範囲であることを特徴とする、項目1~12のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目14〉前記インターフェースは、接触又は動きにより生ぜられる種々のシグナルを送信することを可能にし、それにより、種々の構成要素を作動させ、及び/又は、インターネットページ、壁紙又は調理レシピなどのデータをダウンロード及び/又は送信することを可能にし、これらのデータは、例えば、光源に送られ、特に、ワークトップの表面上にそのデータを表示することを可能にすることを特徴とする、項目1~13のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目15〉前記備品及び/又は器具である物品は、同一又は異なるタイプの1つ以上のインターフェースを含み、1つ以上の要素を制御することを可能にし、又は、例えば、光源の作動と同時に加熱ゾーンの作動を可能にすることを特徴とする、項目1~14のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目16〉前記ワークトップは、1つ以上の機能性及び/又は装飾性コーティングを含み、前記コーティングは、例えば、エナメル又はペイント又は1つ以上の薄膜をベースとすることを特徴とする、項目1~15のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目17〉前記ワークトップは、少なくとも1つ又は1つより多くの支持要素上に載置され、特に水平に載置され、前記支持要素は、例えば、ユニットのカーカス又は1つ以上の支持脚であり、このようにして前記支持要素とともにテーブル、場合により非開口であるユニット又はカウンターを形成することを特徴とする、項目1~16のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品。
〈項目18〉透明なモノリスのグレージング材料から製造され、そして面積が0.7m より大きい少なくとも1つの基材から形成されたワークトップであって、前記基材は、コーティングを備えており、それによって前記コーティングを備えている前記基材が、曇り度が15%より高く、光透過率T が60%より低く、かつ不透明度指標が85より高いようにされており、前記ワークトップは、特に項目1~17のいずれか一項に記載のとおりである多用途インタラクティブ備品及び/又は器具である物品の部品を形成することが意図されていることを特徴とする、ワークトップ。
〈項目19〉透明なモノリスのグレージング材料から製造され、そして面積が0.7m より大きい基材であり、前記基材が、コーティングを備えており、それによって前記コーティングを備えている前記基材が、曇り度が15%より高く、光透過率T が60%より低く、かつ不透明度指標が85より高いようにされている、基材、特にプレートの、特に項目18記載の多用途インタラクティブワークトップとしての使用であって、必要ならば、項目1~17のいずれか一項に記載の備品及び/又は器具である物品における多用途インタラクティブワークトップとしての使用。
〈項目20〉前記ワークトップは、面積が0.7m より大きい少なくとも1つのガラスセラミック基材から形成されており、ここで、面積が0.7m より大きいガラスプレートのセラミック化の少なくとも1サイクルは、前記基材を得るために行われ、そして0.4m より小さい面積のガラスセラミック基材を得るために使用される最適な又は従来的な走行速度、セラミック化ファーネスの長さ又は前記ファーネス中の滞留時間とそれぞれ比較して、走行速度は、少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%低減され、又は、セラミック化ファーネスの長さ若しくは前記ファーネス中の滞留時間は、少なくとも25%、好ましくは50%増加されることを特徴とする、項目1~17のいずれか一項に記載の備品若しくは器具である物品、又は、項目18及び19のいずれか一項に記載のワークトップの製造方法。
図1
図2
図3