(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】カメラ装置、センサデータ取得方法、センサデータ取得プログラム、及び保存システム
(51)【国際特許分類】
G08C 19/00 20060101AFI20221003BHJP
G08C 17/02 20060101ALI20221003BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20221003BHJP
【FI】
G08C19/00 N
G08C17/02
H04W4/38
(21)【出願番号】P 2020092187
(22)【出願日】2020-05-27
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】391016358
【氏名又は名称】東芝情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】石坂 充
(72)【発明者】
【氏名】成田 庸将
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特許第6521001(JP,B2)
【文献】特許第6757009(JP,B1)
【文献】米国特許第9641915(US,B2)
【文献】特開2017-207851(JP,A)
【文献】特開2018-190089(JP,A)
【文献】特開2018-207233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C
H04W
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の撮影範囲の画像を撮影する撮影手段と、
センサデバイス
との無線通信によって、前記センサデバイスにより検出されたセンサデータと前記センサデバイスの位置を示す第1位置データとを
前記センサデバイスから受信する受信手段と、
自装置の位置を示す第2位置データを検出する検出手段と、
前記第1位置データ、前記第2位置データ、及び前記撮影手段による撮影範囲をもとに、前記撮影手段によ
る撮影範囲で撮影されている画像に含まれるセンサデバイスを判別する判別手段と、
前記判別手段により判別された前記センサデバイスから受信された前記センサデータを
、複数のセンサデバイスからのセンサデータを収集するサーバに送信する送信手段と
を有するカメラ装置。
【請求項2】
前記判別手段により判別されたセンサデバイスを表す画像を、前記撮影手段により撮影された撮影画像に付加して表示する表示手段をさらに有する請求項1記載のカメラ装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記第1位置データをもとに、前記判別手段により判別されたセンサデバイスの設置位置を示す画像を前記撮影画像に付加して表示する請求項2記載のカメラ装置。
【請求項4】
前記送信手段は、前記撮影手段により撮影されている前記センサデバイスの画像と共に前記センサデータを
前記サーバに送信する請求項1記載のカメラ装置。
【請求項5】
特定の撮影範囲の画像を撮影し、
センサデバイス
との無線通信によって、前記センサデバイスにより検出されたセンサデータと前記センサデバイスの位置を示す第1位置データとを
前記センサデバイスから受信し、
自装置の位置を示す第2位置データ
を検出し、
前記第1位置データ、前記第2位置データ、及び前記撮影範囲をもとに、
前記撮影範囲で撮影されている画像に含まれるセンサデバイスを判別し、
判別された前記センサデバイスから受信された前記センサデータを
、複数のセンサデバイスからのセンサデータを収集するサーバに送信するセンサデータ取得方法。
【請求項6】
カメラ
装置に搭載されるコンピュータを、
特定の撮影範囲の画像をカメラ
装置により撮影させる撮影制御手段と、
センサデバイス
との無線通信によって、前記センサデバイスにより検出されたセンサデータと前記センサデバイスの位置を示す第1位置データとを
前記センサデバイスから受信する受信手段と、
自装置の位置を示す第2位置データを検出する検出手段と、
前記第1位置データ、前記第2位置データ、及び前記撮影制御手段により制御された撮影範囲をもとに、前記カメラ
装置により
前記撮影範囲で撮影されている画像に含まれるセンサデバイスを判別する判別手段と、
前記判別手段により判別された前記センサデバイスから受信された前記センサデータを
、複数のセンサデバイスからのセンサデータを収集するサーバに送信する送信手段として機能させるためのセンサデータ取得プログラム。
【請求項7】
対象とする物体について検出されたセンサデータと現在位置を示す第1位置データとをブロードキャストにより送信するセンサデバイスと、
前記センサデバイスから前記センサデータと前記第1位置データとを受信するカメラ装置と、
前記カメラ装置から出力されるセンサデータを、ネットワークを通じて受信
して、複数のセンサデバイスからのセンサデータを収集するサーバとを有する保存システムであって、
前記カメラ装置は、
特定の撮影範囲の画像を撮影する撮影手段と、
センサデバイス
との無線通信によって、前記センサデバイスにより検出されたセンサデータと前記センサデバイスの位置を示す第1位置データとを
前記センサデバイスから受信する受信手段と、
自装置の位置を示す第2位置データを検出する検出手段と、
前記第1位置データ、前記第2位置データ、及び前記撮影手段による撮影範囲をもとに、前記撮影手段によ
る撮影範囲で撮影されている画像に含まれるセンサデバイスを判別する判別手段と、
前記判別手段により判別された前記センサデバイスから受信された前記センサデータを
、複数のセンサデバイスからのセンサデータを収集するサーバに送信する送信手段とを有する保存システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ装置、センサデータ取得方法、センサデータ取得プログラム、及び保存システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々なモノがインターネットに繋がるIoT(Internet of Things)に関する技術分野の中で、モノをインターネットに接続する手段として、低消費電力の無線通信(Bluetooth(登録商標),Wi-Fi(登録商標)など)の機能を搭載したセンサデバイスが増えてきている。それらのセンサデバイスで周辺の状態や環境情報などを取得/送信するシステムがある。
【0003】
しかしながら、従来技術においては、センサデバイスのデータをサーバにアップロードする場合は、予め決められたゲートウェイを通してインターネットに接続してアップロードする必要があり、ゲートウェイのインフラを構築する必要があった。
【0004】
従来技術においては、センサデータは、予め決められた特定のゲートウェイなどにのみ送信されるため、ゲートウェイなどの通信インフラが整備されていない環境では、センサデバイスのセンサデータを取得できない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように従来技術では、センサデバイスのセンサデータを取得するためには、センサデバイスと接続するためのゲートウェイなどの通信インフラが予め整備されていなければならなかった。そして、通信インフラが予め整備されていない環境では、センサデバイスからはセンサデータを取得することができなかった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、予め整備された通信インフラと接続されないセンサデバイスからセンサデータを取得することができるカメラ装置、センサデータ取得方法、センサデータ取得プログラム、及び保存システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、カメラ装置は、撮影手段と、受信手段、検出手段、判別手段、送信手段を有する。撮影手段は、特定の撮影範囲の画像を撮影する。受信手段は、センサデバイスとの無線通信によって、前記センサデバイスにより検出されたセンサデータと前記センサデバイスの位置を示す第1位置データとを前記センサデバイスから受信する。検出手段は、自装置の位置を示す第2位置データを検出する。判別手段は、前記第1位置データ、前記第2位置データ、及び前記撮影手段による撮影範囲をもとに、前記撮影手段による撮影範囲で撮影されている画像に含まれるセンサデバイスを判別する。送信手段は、前記判別手段により判別された前記センサデバイスから受信された前記センサデータを、複数のセンサデバイスからのセンサデータを収集するサーバに送信する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態における保存システムの構成の概略を示す図。
【
図2】本実施形態におけるカメラ装置とセンサデバイスの構成を示すブロック図。
【
図3】本実施形態におけるカメラ装置の動作を示すフローチャート。
【
図4】本実施形態におけるセンサデバイスの動作を示すフローチャート。
【
図5】本実施形態におけるセンサデバイスから送信されるデータのデータ構成例を示す図。
【
図6】本実施形態における保存システムの例を示す図。
【
図7】本実施形態における保存システムの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施形態における保存システムの構成の概略を示す図である。本実施形態における保存システムは、例えば、予め整備された通信インフラと接続されていないセンサデバイス20からセンサデータを取得して、センサデータを収集するサーバ30(あるいはネットワークに構築されたクラウドなど)にアップロードして保存できるようにするためのシステムである。本実施形態における保存システムでは、予め構築された通信インフラを必要としないで、無線通信機能を備えたカメラ装置10(例えば、スマートフォン、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータなど)を一時的にゲートウェイとして利用することにより、通信インフラを構築せずセンサデータをサーバにアップロード可能とする。
【0012】
図1に示すように、センサデバイス20は、様々な対象とするモノ(物体)に設置(装着)される。対象とするモノ(物体)としては、ペットなどの動物、人間、建築物、建築物や乗り物(自動車、自転車など)等に設けられた各種の機器などがある。
【0013】
本実施形態における保存システムでは、カメラ装置10を利用してセンサデバイス20を撮影範囲101に含めることにより、センサデータの取得対象とするセンサデバイス20を、周辺にあるセンサデバイスの中から選択し、そのセンサデバイス20から受信されたセンサデータをサーバ30にアップロード可能とする。
【0014】
図2は、本実施形態におけるカメラ装置10とセンサデバイス20の構成を示すブロック図である。
【0015】
カメラ装置10は、コンピュータの機能が実装される。カメラ装置10は、制御部11、送信部12、無線受信部13、GPS(Global Positioning System)ユニット14、ジャイロセンサ15、地磁気センサ16、カメラ17、表示部18、入力部19を有する。
【0016】
制御部11は、プロセッサ及びメモリを含む。制御部11は、メモリに記憶された基本プログラム(OS)やアプリケーションプログラムをプロセッサにより実行して、各種の機能を実現する。例えば、制御部11は、センサデータ取得プログラムを実行することで、カメラ17による撮影範囲に存在するセンサデバイス20から受信されたセンサデータを、サーバ30にアップロードする処理を制御する。メモリには、各種プログラムの他、センサデバイス20から受信されたデータなどが記憶される。
【0017】
制御部11は、センサデータ取得プログラムを実行することで、特定の撮影範囲の画像をカメラ17により撮影させる撮影制御機能と、無線通信によってセンサデバイス20から、センサデバイス20により検出されたセンサデータとセンサデバイス20の位置を示す第1位置データ(例えばGPSデータ)とを受信する受信機能と、自装置の位置を示す第2位置データを、GPSユニット14とジャイロセンサ15を利用して検出する検出機能と、第1位置データ、第2位置データ、及びカメラ17による撮影範囲をもとに、カメラ17により撮影されている画像に含まれるセンサデバイス20を判別する判別機能と、判別されたセンサデバイス20から受信されたセンサデータを、送信部12を通じてサーバ30に送信する送信機能を実現する。
【0018】
送信部12は、制御部11の制御のもとで、カメラ17により撮影されているセンサデバイス20から受信されたセンサデータを、ネットワーク上のサーバ30にアップロードする。
【0019】
無線受信部13は、センサデバイス20(無線送信部25)から送信されたデータを受信する。無線受信部13は、例えばBluetooth,Wi-Fi,Zigbee(登録商標),LPWA(Low Power Wide Area)などの無線通信により、センサデバイス20から送信されたデータを受信する。なお、無線受信部13は、前述した無線通信方式以外の通信方法を用いることも可能である。
【0020】
GPSユニット14は、GPS(Global Positioning System)により、カメラ装置10の現在位置を示すGPSデータ(第2位置データ)の取得に利用する。なお、GPSユニット14だけでなく、他の衛星測位システムを利用して位置検出するためのユニットが設けられていても良い。また、カメラ装置10には、カメラ装置10の現在位置を示す位置データを取得するために、GPSユニット14以外の他の位置データ取得用のユニットを設けても良い。例えば、送信部12と無線通信をする基地局との相対位置に基づいて位置を検出するユニット、ビーコンを利用して位置検出するユニットなどを設けても良い。
【0021】
ジャイロセンサ15は、カメラ装置10の姿勢(傾き)の検出に利用する。
【0022】
地磁気センサ16は、カメラ装置10の向いている方向の検出に利用する。
【0023】
なお、カメラ装置10には、カメラ装置10の状態を検出するためにジャイロセンサ15及び地磁気センサ16を設けるだけでなく、加速度センサなどの他のセンサが設けられていても良い。
【0024】
カメラ17は、制御部11の制御のもとで画像を撮影する。カメラ17は、カメラ装置10を保持するユーザにより姿勢、向きが変更されることにより撮影範囲が変更され、またユーザによるズーム変更操作などに応じて画角等が変更されることで撮影範囲が変更される。
【0025】
表示部18は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)によるディスプレイであり、制御部11による処理に応じた画面を表示する。表示部18は、制御部11によりセンサデータ取得プログラムが実行される場合、カメラ17により撮影される画像、各種の操作画面等を表示する。
【0026】
入力部19は、例えばタッチ入力デバイスであり、表示部18(ディスプレイ)と一体化されてタッチパネルを構成する。また、送信部19は、ボタンやスイッチなどが含まれていても良い。また、入力部19は、音声を入力するマイクを含む。
【0027】
センサデバイス20は、
図2に示すように、制御部22、センサ23、GPSユニット24、無線送信部25とを有する。
【0028】
制御部22は、プロセッサ及びメモリを含む。制御部22は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサにより実行して、各種の機能を実現する。制御部22は、対象とする物体についてセンサ23により検出されたセンサデータ、GPSユニット24から取得された現在位置を示すGPSデータ(第1位置データ)を合わせて無線通信で送信するデータを生成する。
【0029】
センサ23は、対象とする物体について、物理的、化学的な現象を検出してセンサデータとして出力する。センサ23は、例えば温度、湿度、気圧、加速度、ジャイロ、地磁気、振動、圧力、音、光、心拍などの各種センサを使用することができる。
【0030】
GPSユニット24は、GPSにより、センサデバイス20の現在位置を示すGPSデータ(第1位置データ)の取得に利用する。なお、GPSユニット24だけでなく、他の衛星測位システムを利用して位置検出するためのユニットが設けられていても良い。また、センサデバイス20には、センサデバイス20の現在位置を示す位置データを取得するために、GPSユニット14以外の他の位置データ取得用のユニットを設けても良い。例えば、送信部12と無線通信をする基地局との相対位置に基づいて位置を検出するユニット、ビーコンを利用して位置検出するユニットなどを設けても良い。また、センサデバイス20が建築物など位置が移動しない物体に設置される場合には、予め設置位置を示す位置データが制御部22(メモリ)に予め記憶されていても良い。
【0031】
無線送信部25は、制御部22において生成されたデータ(センサデータ、GPSデータ(位置データ)を含む)をブロードキャストに送信する。
【0032】
次に、本実施形態における保存システムの動作について説明する。
【0033】
図3は、本実施形態におけるカメラ装置10の動作を示すフローチャート、
図4は、本実施形態におけるセンサデバイス20の動作を示すフローチャートである。
【0034】
センサデバイス20は、例えば周期的に
図4に示すフローチャートの処理を実行する。
【0035】
すなわち、センサ23からセンサデータを取得する(ステップS21)。また、制御部22は、GPSユニット24からGPSデータを取得する(ステップS22)。
【0036】
制御部22は、ステップS21で取得したセンサデータと、ステップS22で取得したGPSデータを合わせ、無線送信部25からデータをブロードキャストに送信する。
【0037】
図5には、本実施形態におけるセンサデバイス20から送信されるデータ40のデータ構成例を示している。
図5に示すように、センサデバイス20から送信されるデータ40には、センサ23により対象とする物体について検出されたセンサデータ41と、センサデバイス20の現在位置を示すGPSデータ42(位置データ)が含まれている。
【0038】
なお、データ40には、センサデータ41及びGPSデータ42の他に、センサデバイス20を識別するためのデータ(コード、センサ名、設置場所など)など他のデータが含まれていても良い。
【0039】
一方、カメラ装置10は、センサデータ取得プログラムによる処理の実行が指示されると、
図3に示すフローチャートの処理を開始する。すなわち、カメラ装置10は、一時的に、センサデバイス20から送信されるデータを受信するゲートウェイとして機能するための処理を開始する。
【0040】
制御部11は、カメラ17を起動して、カメラ17により画像の撮影を開始させる。制御部11は、カメラ17により撮影された画像の画像データを取得する(ステップS11)。カメラ17は、姿勢や向きが変更されることにより撮影範囲が変更され、撮影範囲において撮影される画像の画像データを制御部11に出力する。
【0041】
制御部11は、GPSユニット14から現在位置を示すGPSデータ(位置データ)を取得する(ステップS12)。また、制御部11は、ジャイロセンサ15により検出されるジャイロセンサデータ、すなわちカメラ装置10の姿勢を示すデータを取得する(ステップS13)。また、制御部11は、地磁気センサ16により検出される地磁気センサデータ、すなわちカメラ装置10(カメラ17)の向きを示すデータを取得する(ステップS14)。
【0042】
無線受信部13は、周辺のセンサデバイス20が送信しているデータを受信する。制御部11は、無線受信部13により受信されたセンサデバイス20からのデータから、センサデバイス20より現在位置を示すGPSデータを取得する(ステップS15)。
【0043】
制御部11は、ステップS12~S14の処理により取得したGPSデータ、ジャイロセンサデータ、地磁気センサデータと、ステップS15の処理により取得したセンサデバイス20から受信されたGPSデータから、カメラ17による撮影範囲内にセンサデバイス20があるか判定する(ステップS16)。
【0044】
すなわち、制御部11は、GPSデータが示すカメラ装置10の現在位置、ジャイロセンサデータと地磁気センサデータが示すカメラ装置10の状態(姿勢、向き)、さらにカメラ17のズーム設定状態などをもとに、カメラ17により撮影されている範囲を特定する。また、制御部11は、カメラ装置10とセンサデバイス20のそれぞれの現在位置を示すGPSデータをもとに相対位置関係を求め、カメラ17の撮影範囲内にセンサデバイス20が存在しているか判定する。
【0045】
制御部11は、センサデバイス20がカメラ17により撮影された画像の範囲内にあると判定された場合、表示部18に表示されているカメラ17により撮影されている画像に、センサデバイス20の位置を示す画像(例えば、所定の形状のマーク)を付加して表示させる。例えば、
図1に示すカメラ装置10の画面には、センサデバイス20の位置を表す点画像(マーク)が付加されている。
【0046】
これにより、ユーザは、カメラ17の撮影範囲にセンサデバイス20が含まれていることを容易に判別することができ、センサデバイス20が撮影範囲に含まれるようにセンサデバイス20の状態(姿勢、向き)を容易に維持することができる。
【0047】
制御部11は、ステップS15で受信したセンサデバイス20からのデータからセンサデータを取得して、送信部12を通じてサーバ30にアップロードする(ステップS18)。ここでは、例えばカメラ17による撮影範囲にセンサデバイス20を含めた状態が予め決められた一定時間以上(例えば3秒以上)維持された場合に、センサデバイス20からのセンサデータをサーバ30にアップロードする。あるいは、カメラ17による撮影範囲にセンサデバイス20を含めた状態において、入力部19に対するユーザ操作(例えば、タッチパネルに対するタップ操作)がされた場合に、センサデバイス20からのセンサデータをサーバ30にアップロードする。なお、サーバ30へアップロードされないセンサデータについては破棄するものとする。
【0048】
一方、制御部11は、センサデバイス20がカメラ17により撮影された画像の範囲内にあると判定された場合、ステップS15で取得したセンサデバイスからのセンサデータを破棄する(サーバ30にアップロードしない)(ステップS19)。
【0049】
なお、前述した説明では、カメラ17による撮影範囲内に1つのセンサデバイス20が存在する例について説明しているが、同時に複数のセンサデバイス20が撮影範囲に含まれる場合には、一括して複数のセンサデバイス20から受信したセンサデータをサーバ30にアップロードするようにしても良い。
【0050】
あるいは、複数のセンサデバイス20からセンサデータを受信した場合には、ユーザ操作によってアップロード対象とするセンサデバイス20(センサデータ)を選択できるようにしても良い。例えば、表示部18に表示されたセンサデバイス20を表す画像(マーク)をタップ操作によって選択できるようにしても良い。
【0051】
また、センサデバイス20を表す画像としてマークを付加する例について説明しているが、センサデバイス20から受信されるデータに含まれる、センサデバイス20を識別するためのデータをもとに、ユーザが認識できる文字列(例えば、コード、センサ名、設置場所などを表す)を表示しても良い。この場合、前述したように、文字列により示される識別するためのデータをもとに、ユーザ操作によってアップロード対象とするセンサデバイス20(センサデータ)を選択できるようにしても良い。
【0052】
さらに、前述した説明では、センサデバイス20から受信したセンサデータのみをサーバ30にアップロードしているが、センサデバイス20から受信されたセンサデータだけでなく、センサデバイス20を識別するためのデータ、カメラ装置10によって撮影された画像(センサデバイス20を含む範囲の画像)の画像データ、ユーザ操作によって入力部19から入力されたデータ(テキスト、音声)などを、センサデータと対応づけてアップロードするようにしても良い。
【0053】
このようにして、本実施形態における保存システムによれば、センサデバイス20からブロードキャストにより送信されているセンサデータを、カメラ装置10を通じて、サーバ30にアップロードさせることができる。従って、センサデバイス20からのセンサデータをアップロードするための特定のゲートウェイを含む通信インフラを設ける必要がない。また、カメラ装置10をセンサデバイス20に向けて撮影範囲に含めることで、センサデータをアップロードしようとするセンサデバイス20をユーザが期待する特定のセンサデバイス20に限定することができる。
【0054】
以下、本実施形態における保存システムの実施例について説明する。
【0055】
図6は、カメラ装置10を利用して、故障した機器に搭載されているセンサデバイス20から機器の情報を取得し、センサデータをアップロードする保存システムの例を示している。
【0056】
例えば、ネットワークに接続が難しい遠隔地などにある建設・運搬作業用の大型重機51,52,53が故障した場合には、大型重機51,52,53に関する詳細な情報を得るには現地に行って機器の状態を確認する必要があり、即時に対応することが難しい。その場で利用しているユーザに状態を報告してもらうことも可能であるが、メンテナンス用のなどの公開できない詳細な情報については、ユーザに報告してもらうことは難しい。
【0057】
故障した大型重機51,52,53に異常が発生した際に、大型重機51,52,53の状態を検出するセンサデバイス20からブロードキャストに発信されるセンサデータを、サーバ30にアップロードすることができれば、そのセンサデータを取得して大型重機51,52,53の状態を判断できるようになる。
【0058】
本実施形態における保存システムを利用することで、ユーザがカメラ装置10により、例えば故障が発生した大型重機51を撮影範囲101に含めることで、故障した大型重機51が搭載しているセンサデバイス20からセンサデータ等の情報を取得し、機器の状態を報告することができる。また、カメラ装置10で撮影された大型重機51の画像を合わせてアップロードすることで、センサデータが示す情報と画像を合わせ、さらに情報の精度の向上を見込むこともできる。
【0059】
図7は、カメラ装置10を利用して、救急患者の身に着けているウェアラブルデバイスのセンサデバイス20から患者の状態を示す情報を取得し、緊急通報の精度を向上させる保存システムの例を示している。
【0060】
昨今、センサデバイス20を搭載したウェアラブルデバイス21を身に着けて日常生活を送る人が増えてきている。ウェアラブルデバイス21のセンサデバイス20で取得した、心拍数、体温、活動量などのセンサデータは、ウェアラブルデバイス21を身につけている本人のスマートフォンなどに対して送られることが一般的である。
【0061】
ウェアラブルデバイス21を身に着けている人が急病などで倒れた場合などに、ウェアラブルデバイス21のセンサデバイス20がブロードキャストにデータを発信することができれば、第三者がウェアラブルデバイス21のセンサデバイス20から発信される心拍数などのセンサデータを利用することができるようになる。
【0062】
本実施形態における保存システムを利用することで、第三者がスマートフォンなどのカメラ装置10により救急患者61を撮影することで、救急患者が持っているウェアラブルデバイス21のセンサデバイス20からのデータを取得し、緊急通報に利用することができる。これにより、救急患者61のより詳しい状態を緊急通報時に通知することができ、通報の精度向上を図ることができる。従って、救急患者61に対して適切な対応を速やかに実施できることが期待できる。また、カメラ装置10で撮影した救急患者61の画像、さらにはカメラ装置10を操作する第三者が入力した救急患者61などの状況を示す情報を合わせて送ることで、センサデバイス20からのセンサデータと合わせて、さらに情報の精度の向上が見込める。
【0063】
なお、上記の各実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。また、記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であっても良い。
【0064】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が上記実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
【0065】
さらに、各実施形態における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0066】
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から上記の各実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であっても良い。
【0067】
なお、各実施形態におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、上記の各実施形態における各処理を実行するものであって、パーソナルコンピュータ等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
【0068】
また、各実施形態におけるコンピュータとは、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0069】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
10…カメラ装置、11…制御部、12…送信部、13…無線受信部、14…GPSユニット、15…ジャイロセンサ、16…地磁気センサ、17…カメラ、18…表示部、19…送信部、20…センサデバイス、22…制御部、23…センサ、24…GPSユニット、25…無線受信部、30…サーバ。