(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】加湿器
(51)【国際特許分類】
F24F 6/00 20060101AFI20221003BHJP
F24F 6/04 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
F24F6/00 A
F24F6/04
(21)【出願番号】P 2020137415
(22)【出願日】2020-08-17
【審査請求日】2021-07-02
(31)【優先権主張番号】P 2019162966
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511167618
【氏名又は名称】株式会社ヒノキヤグループ
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】荒木 伸介
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-068048(JP,A)
【文献】特開2010-164265(JP,A)
【文献】特開2012-154513(JP,A)
【文献】特開2015-108254(JP,A)
【文献】特開2001-062464(JP,A)
【文献】特開平07-120025(JP,A)
【文献】特開2016-080335(JP,A)
【文献】特許第5454720(JP,B1)
【文献】特開2016-114269(JP,A)
【文献】特表2018-536135(JP,A)
【文献】特開2005-077046(JP,A)
【文献】実開昭55-157632(JP,U)
【文献】特開2002-061901(JP,A)
【文献】特開2014-020635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00
F24F 6/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気吹出口を有するケーシングと、
水蒸気発生機能を有する加湿手段と、
前記空気吹出口と前記加湿手段とを連通する通気経路と、
前記加湿手段に水分を供給する給水手段と、
前記給水手段に送水する送水ホースと、
建物内のトイレやキッチンへ
常時、水を流す給水配管の途中に設けられた水栓コンセントと、
前記送水ホースの上流側開口部を着脱可能に接続する接続手段と、
前記給水手段から前記加湿手段への給水量を制御する制御手段と、を備え、
前記水栓コンセントが循環給水方式である加湿器。
【請求項2】
前記送水ホースから前記給水手段に対する送水量が設定値を超えると警報を発して止水する非常停止手段を備えた請求項1記載の加湿器。
【請求項3】
前記ケーシングに設けられた空気吸込口と、前記空気吸込口から空気を導入し前記通気経路を経由して前記空気吹出口から排出する送風ファンと、を備えた請求項1または2記載の加湿器。
【請求項4】
前記加湿手段が、常温気化式、温風気化式、加熱スチーム式、超音波式の1以上である請求項1~3の何れかの項に記載の加湿器。
【請求項5】
前記ケーシングにおける前記空気吹出口の位置が変更可能である請求項1~4の何れかの項に記載の加湿器。
【請求項6】
前記加湿手段に供給される水分を軟水化する軟水器を備えた請求項1~5の何れかの項に記載の加湿器。
【請求項7】
前記通気経路において前記空気吸込口と前記加湿手段との間に気体浄化用のフィルタを配置した請求項3~6の何れかの項に記載の加湿器。
【請求項8】
前記加湿手段が前記ケーシングに対し着脱可能である請求項1~7の何れかの項に記載の加湿器。
【請求項9】
前記給水手段が前記ケーシングに対し着脱可能である請求項1~8の何れかの項に記載の加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸建て住宅、集合住宅、オフィスビルその他の様々な建物内の空気を加湿するために使用される加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内の空気の加湿手段として使用される加湿器には、従来、様々な方式のものが開発されているが、本発明に関連するものとして、例えば、特許文献1に記載された「床置加湿器」あるいは特許文献2に記載された「加湿器」などがある。
【0003】
特許文献1に記載された「床置加湿器」は、前面の下部に設けた吸込口と上部に設けた吹出口とを結ぶ風路を内部に区画形成した床置き型で縦長のハウジングと、このハウジング内下部における風路に配置され、その吸込面が吸込口に近接対向した透湿膜式の加湿器本体と、加湿器本体に水を供給するためハウジング内の加湿器本体の上方に配置された取り出し可能なカートリッジ式タンクと、ハウジング内においてタンク上方の風路に配置され、風路に吸込口から吹出口に至る通気流を生成する送風ファンと、を備えたことを特徴とするものである。
【0004】
特許文献2に記載された「加湿器」は、直方体形状の筐体と、筐体に配置される給水タンクと、給水タンクに接続された給水ホースを収容可能な収容部と、給水ホースが接続される給水ホース接続部と、給水タンク内の水が所定水位以上になると、給水ホース接続部から給水タンクへ向かう水の流れを機械的に停止させる給水停止機構と、筐体を支持する車輪と、を備え、給水タンクへの給水作業は、収容部に収容されている給水ホースを取り出して水道の供給口側に接続して行うことを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-89316号公報
【文献】特開2010-164265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された「床置加湿器」は、カートリッジ式タンク内の水がなくなる度に、ハウジング内からカートリッジ式タンクを取り出して給水を行わなければならないので、定期的な給水作業に手間を要している。
【0007】
この「床置加湿器」において、カートリッジ式タンクの容量を増大させれば、給水作業の間隔を広げることができるが、そうすると、水を補充した後のカートリッジ式タンクの重量が増大するので、カートリッジ式タンクの取り扱いやハウジング内への再装着作業が困難となる。
【0008】
一方、特許文献2に記載された「加湿器」は、筐体内に配置された給水タンクと、水道の蛇口とを接続する給水ホースと、給水タンク内の水位が下がると自動的に給水、止水を行うボールタップ機構と、を備えているので、給水タンク内の水がなくなる度に給水タンクを取り出して給水作業を行う手間を省くことができる。
【0009】
しかしながら、この「加湿器」においては、筐体内に給水タンクの配置スペースを確保しなければならないため、加湿器全体の大型化、重量増大を招いている。また、加湿器全体の大型化、重量増大により、建物内における設置場所が制限されることがあるのも実状である。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、定期的な給水作業が不要であり、小型化、軽量化を図ることができる、加湿器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る加湿器は、
空気吹出口を有するケーシングと、
水蒸気発生機能を有する加湿手段と、
前記空気吹出口と前記加湿手段とを連通する通気経路と、
前記加湿手段に水分を供給する給水手段と、
前記給水手段に送水する送水ホースと、
建物内のトイレやキッチンへ常時、水を流す給水配管の途中に設けられた水栓コンセントと、
前記送水ホースの上流側開口部を着脱可能に接続する接続手段と、
前記給水手段から前記加湿手段への給水量を制御する制御手段と、を備え、
前記水栓コンセントが循環給水方式であることを特徴とする。
【0012】
前記加湿器においては、前記送水ホースから前記給水手段に対する送水量が設定値を超えると警報を発して止水する非常停止手段を設けることができる。
【0013】
前記加湿器においては、前記ケーシングに設けられた空気吸込口と、前記空気吸込口から空気を導入し前記通気経路を経由して前記空気吹出口から排出する送風ファンと、を備えることができる。
【0014】
前記加湿手段は、常温気化式、温風気化式、加熱スチーム式、超音波式の1以上を用いることができる。
【0015】
ここで、常温気化式とは、水で湿らせたエレメント(フィルタと呼ばれるものもある)に送風ファンで発生させた空気流を当てて気化させることによって加湿する方式であり、温風気化式とは、水で湿らせたエレメント(フィルタと呼ばれるものもある)に送風ファンで発生させヒータで加温した空気流(温風)を当てて気化させることによって加湿する方式であり、スチーム式とは、水タンク内の水を加熱して蒸発させることによって湯気を発生させて加湿する方式であり、超音波式とは、水タンク内の水を超音波で微振動させて霧状にして放出させることによって加湿する方式である。
【0016】
なお、前記加湿手段は、常温気化式、温風気化式、加熱スチーム式、超音波式のうちの何れか一つの方式のみを用いてもよいが、複数の方式を組み合わせたハイブリッド式(例えば、「超音波式+加熱スチーム式」など)を用いることができる。
【0017】
前記加湿器においては、前記水栓コンセントは循環給水方式とすることができる。循環給水方式は、例えば、建物内のトイレやキッチンなどの給水配管のように、常時使用されている給水配管の途中に水栓コンセントを設けることによって形成することができる。循環給水方式は、加湿器を使用しない季節(期間)においても給水配管内に水が残らないので、残水に起因する給水配管の腐食を防止することができる。
【0018】
前記加湿器においては、前記ケーシングにおける前記空気吹出口の位置が変更可能であるようにすることができる。また、前記ケーシングにおける前記空気吹出口からの空気吹出方向を変更可能とすることもできる。
【0019】
前記加湿器においては、前記加湿手段に供給される水分を軟水化する軟水器を備えることができる。
【0020】
前記加湿器においては、前記通気経路において前記空気吸込口と前記加湿手段との間に気体浄化用のフィルタを配置することもできる。
【0021】
前記加湿器においては、前記加湿手段が前記ケーシングに対し着脱可能であるようにすることができる。
【0022】
前記加湿器においては、前記給水手段が前記ケーシングに対し着脱可能であるようにすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、定期的な給水作業が不要であり、小型化、軽量化を図ることができる、加湿器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態である加湿器を建物内の床面に設置した状態を示す一部省略垂直断面図である。
【
図2】
図1中の矢線Aで示す部分の一部省略拡大図である。
【
図3】
図1中に示す加湿器の内部構造を示す一部省略垂直断面図である。
【
図4】
図1に示す加湿器を建物内の棚上に設置した状態を示す一部省略垂直断面図である。
【
図5】本発明の実施形態である加湿器を建物内の壁面に設置した状態を示す一部省略正面図である。
【
図6】本発明の実施形態である加湿器を建物内の床下に設置した状態を示す一部省略垂直断面図である。
【
図7】
図6中に示す加湿器の一部省略垂直断面図である。
【
図8】その他の実施形態である加湿器の概略構成を示す一部省略模式図である。
【
図9】その他の実施形態である加湿器の概略構成を示す一部省略模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、
図1~
図9に基づいて、本発明の実施形態である加湿器100,200,300,400について説明する。
【0026】
初めに、
図1~
図4に基づいて加湿器100について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る加湿器100は、建物Hの床面Fと壁面Wとの境界付近の床面F上に設置され、建物Hの室内から吸い込んだ空気を加湿して再び室内に向かって吹き出すことにより室内を加湿する機能を有している。
【0027】
図3に示すように、加湿器100は、縦長の直方体形状のケーシング10の内部に、送風ファン4、加湿エレメント5、トレー6、給水弁7、フィルタ8、制御手段9などが配置されている。ケーシング10の正面下方には空気吸込口1が開設され、ケーシング10の上面には空気吹出口2が開設されている。
【0028】
ケーシング10の内部には、空気吸込口1と空気吹出口2とを連通する通気経路3と、空気吸込口1から空気を導入し通気経路3を経由して空気吹出口2から排出する送風ファン4と、通気経路3に配置された加湿手段である加湿エレメント5と、加湿エレメント5の下方部分を収容するトレー6と、トレー6を介して加湿エレメント5に水分を供給する給水手段である給水弁7と、空気吸込口1から導入した空気を浄化するフィルタ8が設けられている。
【0029】
給水弁7から加湿エレメント5への水分の供給量は制御手段9によって自動制御されている。具体的には、トレー6内の水位をセンサー11が検知して、そのデータが制御手段9に送信され、制御手段9において、予め入力された値とセンサー11が検知した水位データとの大小比較を行い、それに基づいて給水弁7を開閉して、トレー6への給水、止水が行われる。
【0030】
ケーシング10の背面から壁面W側に向かって、給水弁7に送水する送水ホース12が配管され、送水ホース12の上流側の開口部12a(
図2参照)を、建物Hの壁面Wに設けられた水栓コンセント14に着脱可能に接続するための接続手段13が設けられている。水栓コンセント14は、送水ホース12に対する給水・止水及び給水量の調節を行うためのハンドル15を備えており、万一、送水ホース12が離脱するなどのトラブルが生じたときに自動的に止水する緊急止水機能を有している。接続手段13は水栓コンセント14に着脱可能であるため、加湿器100を使用しない期間(季節)や非常時などに、容易に着脱することができる。
【0031】
トレー6内に収容された加湿エレメント5は、気化式の加湿手段であり、トレー6内に貯留された水で湿らせたエレメント材5aに送風ファン4で発生させた空気流を当てて気化させることによって加湿を行うものである。
【0032】
図1に示すように設置された加湿器100において、送風ファン4(
図3参照)を作動させると、
図3に示すように、送風ファン4の作用で空気吸込口1から導入されたた空気は、フィルタ8を通過して浄化され、加湿エレメント5を通過する過程で加湿された後、空気吹出口2から上方に向かって排出され、これによって建物H内の加湿が行われる。
【0033】
加湿エレメント5に対する水分の供給は、建物Hの壁面Wに設けられた水栓コンセント14に接続された送水ホース12から給水弁7に送水される水により行われ、給水弁7から加湿エレメント5(トレー6)への水分の供給量は制御手段9によって自動制御されるので定期的な給水作業が不要であり、水タンクも不要であるため、小型化、軽量化を図ることができる。従って、建物H内における設置場所の制限を受け難く、水栓コンセント14が設けられている場所であれば、その近傍の任意の位置に設置することができる。
【0034】
図1,
図2に示すように、本実施形態においては、水栓コンセント14は循環給水方式を採用している。具体的には、建物H内のトイレやキッチン(図示せず)などへの給水配管17の途中に水栓コンセント14を設けることによって循環給水方式を形成している。給水配管17には常時、水が流れているので、水栓コンセント14を使用しない期間(加湿器100を使用しない季節など)においても給水配管17内に水が残らず、残水に起因する給水配管17の腐食を防止することができる。
【0035】
加湿器100においては、通気経路3において空気吸込口1と加湿エレメント5との間に気体浄化用のフィルタ8を配置しているため、空気吸込口1から導入した空気中に含まれる塵埃などを回収除去することができる。また、空気中に含まれる塵埃などによる加湿エレメント5の汚損や劣化を回避することもできる。
【0036】
加湿器100においては、加湿エレメント5及びトレー6、並びに、給水弁7がケーシング10に対して着脱可能であるため、メンテナンスや部品交換などの作業性が良好である。
【0037】
加湿器100においては、送水ホース12から給水弁7を経由してトレー6に対する送水量が設定値を超えるとセンサー11がそれを検知して警報を発するとともに給水弁7によって止水する非常停止手段を設けているため、溢水や漏水などによる被害を防止することができる。
【0038】
加湿器100においては、加湿手段として、気化式の加湿エレメント5を備えているが、これに限定するものではないので、スチーム式や超音波式の加湿手段を採用することもできる。
【0039】
次に、
図4,
図5に基づいて、加湿器100のその他の設置例について説明する。前述したように、加湿器100は従来の加湿器に比べて、小型、軽量であり、定期的な給水作業も不要であるため、
図4に示すように、近傍に水栓コンセント14が設けられている場所であれば、建物Hの床面Fに架台Dを設け、その上に加湿器100を配置することができる。架台Dの高さは限定しないが、例えば、平均的な身長の人間が床面Fに起立した状態で加湿器100に手が届く程度とすることができる。
【0040】
一方、
図5に示すように、水栓コンセント14が設けられている場所であれば、建物Hの壁面Wの上方領域(例えば、平均的な身長の人間が脚立や踏み台なしでは手の届かない領域)であっても、棚Sを設けて、その上に加湿器100を配置することもできる。
図5に示す設置例の場合、加湿器100が人間の移動範囲から離れているので、生活空間の狭隘化を回避することができ、日常生活の妨げにならないというメリットもある。
【0041】
また、
図3に示すように、加湿器100に内蔵されている送風ファン4は、その配置姿勢を変更することにより、ケーシング10からの空気吹出方向を変更すること、即ち、ケーシング10における空気吹出口2の位置を変更することができる。従って、前述した
図5に示すように、加湿器100を壁面Wの上方領域の棚S上に配置する場合は、ケーシング10内における送風ファン4の配置姿勢を変更し、ケーシング10の正面上方に空気吹出口2を設定し、この空気吹出口2から水平方向に空気を吹き出すようにすることができる。このようにすれば、加湿器100から吹き出す加湿空気流によって天井面Cが濡れるような不具合が生じるのを防止することができる。
【0042】
次に、
図6,
図7に基づいて、本発明のその他の実施形態である加湿器200について説明する。なお、
図6,
図7に示す加湿器200において、
図1~
図3に示す加湿器100の構成部分と共通する部分については
図1~
図3中の符号と同符号を付して説明を省略する。
【0043】
図6,
図7に示すように、加湿器200は、建物Hの床面Fの下方の床下空間F1内に配置されている。加湿器200においては、横長の直方体形状のケーシング20の内部に、送風ファン4、加湿エレメント5、トレー6、給水弁7、フィルタ8、制御手段9などが配置されている。ケーシング20の側面下方には空気吸込口1が開設され、ケーシング20の上面には空気吹出口2が開設されている。
【0044】
ケーシング20の内部には、空気吸込口1と空気吹出口2とを連通する通気経路3と、空気吸込口1から空気を導入し通気経路3を経由して空気吹出口2から排出する送風ファン4と、通気経路3に配置された加湿手段である加湿エレメント5と、加湿エレメント5の下方部分を収容するトレー6と、トレー6を介して加湿エレメント5に水分を供給する給水手段である給水弁7と、空気吸込口1から導入した空気を浄化するフィルタ8などが設けられている。
【0045】
図6に示すように、ケーシング20の側面から略水平方向に延設された送水ホース12の上流側の開口部(図示せず)が建物Hに設けられた水栓コンセント(図示せず)に着脱可能に接続されている。送水ホース12を通して送水された水が給水弁7及びトレー6を経由して加湿エレメント5に供給される。
【0046】
図6,
図7に示すように設置された加湿器200において、送風ファン4(
図7参照)を作動させると、送風ファン4の作用で空気吸込口1から導入されたた空気は、フィルタ8を通過して浄化され、加湿エレメント5を通過する過程で加湿された後、空気吹出口2から上方に向かって排出され、床面Fに開設された開口部F2を通過して建物H内の加湿に供される。
【0047】
加湿エレメント5に対する水分の供給は、建物Hに設けられた水栓コンセントに接続された送水ホース12から給水弁7に送給される水により行われ、給水弁7から加湿エレメント5(トレー6)への水分の供給量は制御手段9によって自動制御され、定期的な給水作業が不要であるため、加湿器200を床下空間F1に配置しても支障がない。また、送水ホース12の長さを調整すれば、水栓コンセントから離れている場所でも設置可能であるため、床下空間F1における設置場所の制限を受け難い。加湿器200のその他の作用効果については、
図1~
図3に示す加湿器100と同様である。
【0048】
次に、
図8,
図9に基づいて、本発明のその他の実施形態である加湿器300,400について説明する。なお、
図8,
図9に示す加湿器300,400において、
図1~
図3に示す加湿器100の構成部分と共通する部分については
図1~
図3中の符号と同符号を付して説明を省略する。
【0049】
図8に示す加湿器300は、ケーシング30内に、水蒸気発生機能を有する加湿手段である加湿器31と、加湿器31に供給される水分を軟水化する軟水器32と、を備えている。加湿器31は限定しないが、例えば、ハイブリッド式の加湿器(水蒸気発生手段として、水タンクT内の水Mを加熱するヒータ33及び水Mに超音波振動を付与する超音波発生器34を備えたもの)などが好適である。
【0050】
図8中に示す加湿器31は、前述したように、ケーシング30内に配置された水タンクTと、水タンクT内に収容された水Mを加熱するヒータ33と、水タンクT内に収容された水Mに超音波振動を付与する超音波発生器34と、ケーシング30の上面に開設された空気吹出口35と、を備えている。ヒータ33及び超音波発生器34を稼動させると、加熱された状態で超音波振動する水タンクT内の水Mから発生する水蒸気が空気吹出口35から空気中に向かって吹き出し、加湿に供される。
【0051】
加湿器300においては、送水ホース12を経由して送水された水は軟水器32によって軟水化された後、加湿器31へ供給されるので、加湿器31の内部にカルキ成分が固着して加湿能力が低下するのを防止することができる。また、カルキ成分の固着が抑制されることによりメンテナンスの負担を軽減することができる。
【0052】
次に、
図9に示す加湿器400においては、
図8に示す加湿器31と同様の加湿手段(図示せず)が内蔵されたケーシング40の外部に加湿手段に供給される水分を軟水化する軟水器42を備えている。加湿手段は限定しないが、例えば、
図8に示すようなハイブリッド式の加湿器31などが好適である。
【0053】
加湿器400においては、送水ホース12の途中に軟水器42が配置され、送水ホース12を経由して送水される水は軟水器42によって軟水化された後、ケーシング40内の加湿手段へ供給されるので、加湿手段の内部にカルキ成分が固着して加湿能力が低下するのを防止することができる。また、カルキ成分の固着が抑制されることによりメンテナンスの負担を軽減することができる。
【0054】
図8,
図9に示す加湿器300,400は、
図1~
図7に示す加湿器100,200と同様の使い方をすることができ、加湿器100,200と同様の作用効果を得ることができる。また、
図8,
図9に示す加湿器300,400は、稼働音が静かであり、水タンクT内に収容された水Mはヒータ33で加熱されるので、雑菌の発生及び飛散を抑制することができる。
【0055】
なお、
図1~
図9に基づいて説明した加湿器100,200,300,400は、本発明に係る加湿器を例示するものであり、本発明に係る加湿器は前述した加湿器100,200,300,400に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係る加湿器は、戸建て住宅、集合住宅、オフィスビル、その他の様々な建物内の空気を加湿するための機器として広く利用することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 空気吸込口
2,35 空気吹出口
3 通気経路
4 送風ファン
5 加湿エレメント
5a エレメント材
6 トレー
7 給水弁
8 フィルタ
9 制御手段
10,20,30,40 ケーシング
11 センサー
12 送水ホース
13 接続手段
14 水栓コンセント
15 ハンドル
16 連結機構
17 給水配管
31 加湿器
32,42 軟水器
33 ヒータ
34 超音波発生器
100,200,300,400 加湿器
C 天井面
D 架台
F 床面
F1 床下空間
F2 開口部
H 建物
M 水
S 棚
T 水タンク
W 壁面