(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】非水電解質二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0567 20100101AFI20221003BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20221003BHJP
H01M 4/62 20060101ALI20221003BHJP
H01M 4/13 20100101ALI20221003BHJP
H01M 4/134 20100101ALI20221003BHJP
H01M 4/38 20060101ALI20221003BHJP
H01M 4/48 20100101ALI20221003BHJP
【FI】
H01M10/0567
H01M10/052
H01M4/62 Z
H01M4/13
H01M4/134
H01M4/38 Z
H01M4/48
(21)【出願番号】P 2020192350
(22)【出願日】2020-11-19
【審査請求日】2021-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神山 彰
【審査官】小森 利永子
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-514290(JP,A)
【文献】特開2016-152100(JP,A)
【文献】特表2010-534915(JP,A)
【文献】特開2016-110876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/0567
H01M 10/052
H01M 4/62
H01M 4/13
H01M 4/134
H01M 4/38
H01M 4/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極と負極と電解液とを含み、
前記負極は、負極合材層を含み、
前記負極合材層は、負極活物質とカーボンナノチューブとを含み、
前記電解液は、溶媒と支持電解質とカチオン性界面活性剤とを含み、
前記カチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム塩を含む、
非水電解質二次電池。
【請求項2】
前記第四級アンモニウム塩は、式(I):
CH
3(CR
6R
5R
4)(CH
2)
nN
+R
1R
2R
3・X
- (I)
により表され、
前記式(I)中、
R
1、R
2およびR
3は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基を示し、
R
4、R
5およびR
6は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、カルボニル基またはアミノメチル基を示し、
X
-は、ハロゲン化物イオン、PF
6
-またはBF
4
-を示し、
nは、1から20の整数を示す、
請求項1に記載の非水電解質二次電池。
【請求項3】
前記負極合材層は、質量分率で0.2%から0.4%の前記カーボンナノチューブを含む、
請求項1または請求項2に記載の非水電解質二次電池。
【請求項4】
前記負極活物質は、合金系負極活物質を含む、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
【請求項5】
前記合金系負極活物質は、Si、Sn、Al、Cd、SbおよびPbからなる群より選択される少なくとも1種を含む、
請求項4に記載の非水電解質二次電池。
【請求項6】
前記合金系負極活物質は、Si含有材料を含む、
請求項4に記載の非水電解質二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は非水電解質二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2019-207797号公報(特許文献1)は、カーボンナノチューブを導電材として使用することを開示している(例えば段落0037参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非水電解質二次電池(以下「電池」と略記され得る。)において、負極合材層にカーボンナノチューブ(CNT)を配合することが検討されている。CNTは負極合材層内で電子伝導パスを形成することが期待される。CNTの配合により、例えば出力特性の改善が期待される。
【0005】
ただしCNTは、非常に大きい比表面積を有し得る。通常、負極活物質は1m2/gから4m2/g程度のBET比表面積を有し得る。これに対して、CNTは250m2/gから1250m2/g程度のBET比表面積を有し得る。負極合材層にCNTが配合されることにより、負極合材層における反応面積が顕著に増大し得る。その結果、例えば保存特性が低下する可能性がある。
【0006】
CNT由来の反応面積を低減するため、例えば、保護材によりCNTを被覆することが考えられる。例えば、負極合材層の形成過程において、負極活物質とCNTと保護材とが混合されることにより、CNTが保護材に被覆され得る。しかし当該方法によると、負極活物質とCNTとの間に保護材が介在することになる。すなわち、負極活物質とCNTとの接点が減少し得る。その結果、CNTの電子伝導パスとしての機能が低下し、出力特性が低下する可能性がある。
【0007】
本技術の目的は、保存特性の低下を抑えつつ、出力特性を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本技術の構成および作用効果が説明される。ただし本技術の作用メカニズムは、推定を含んでいる。作用メカニズムの正否は本技術の範囲を限定しない。
【0009】
〔1〕 非水電解質二次電池は、正極と負極と電解液とを含む。負極は負極合材層を含む。負極合材層は負極活物質とカーボンナノチューブとを含む。電解液は溶媒と支持電解質とカチオン性界面活性剤とを含む。カチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム塩を含む。
【0010】
本技術の電池においては、電解液がカチオン性界面活性剤を含む。カチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム塩を含む。以下、本技術のカチオン性界面活性剤が「特定界面活性剤」とも記される。
【0011】
本技術の特定界面活性剤は、CNTに吸着し、その表面を保護し得る。すなわち特定界面活性剤は保護材として機能し得る。特定界面活性剤がCNTの表面を保護することにより、保存特性の低下が抑えられることが期待される。
【0012】
本技術の特定界面活性剤は、電池内において、CNTに吸着し得る。よって負極の製造過程において、負極活物質とCNTとの接点形成が、特定界面活性剤によって阻害されないと考えられる。CNTが負極活物質と多くの接点を有することにより、出力特性の改善が期待される。
【0013】
なお、メカニズムの詳細は不明ながら、特定界面活性剤(カチオン性界面活性剤)に代えて、例えばアニオン性界面活性剤が使用された場合には、保存特性の低下が大きくなる可能性がある。
【0014】
〔2〕 第四級アンモニウム塩は、例えば式(I):
CH3(CR6R5R4)(CH2)nN+R1R2R3・X- (I)
により表されてもよい。
式(I)中、「R1、R2およびR3」は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基を示す。「R4、R5およびR6」は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、カルボニル基またはアミノメチル基を示す。「X-」は、ハロゲン化物イオン、PF6
-またはBF4
-を示す。「n」は、1から20の整数を示す。
【0015】
〔3〕 負極合材層は、例えば質量分率で0.2%から0.4%のカーボンナノチューブを含んでいてもよい。
【0016】
〔4〕 負極活物質は、例えば合金系負極活物質を含んでいてもよい。
【0017】
合金系負極活物質は、充放電に伴う体積変化(膨張および収縮)が大きい傾向がある。電子伝導パス(導電材)が、合金系負極活物質の体積変化に追従できず、電子伝導パスが途切れる可能性がある。その結果、例えば、サイクル特性が低下する可能性がある。CNTは細長い形状を有し得る。CNTは、合金系負極活物質の体積変化に追従し得ることが期待される。
【0018】
〔5〕 合金系負極活物質は、例えばSi、Sn、Al、Cd、SbおよびPbからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0019】
〔6〕 合金系負極活物質は、例えばSi含有材料を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本実施形態における非水電解質二次電池の一例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における電極体の一例を示す概略図である。
【
図3】
図3は、参考形態における負極活物質、CNTおよび特定界面活性剤の配置を示す概念図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における負極活物質、CNTおよび特定界面活性剤の配置を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本技術の実施形態(以下「本実施形態」とも記される。)が説明される。ただし以下の説明は、本技術の範囲を限定しない。
【0022】
本明細書において、「含む、備える(comprise,include)」、「有する(have)」およびこれらの変形〔例えば「から構成される(be composed of)」、「包含する(emcopass,involve)」、「含有する(contain)」、「担持する(carry,support)」、「保持する(hold)」等〕の記載は、オープンエンド形式である。すなわち、ある構成を含むが、当該構成のみを含むことに限定されない。「からなる(consist of)」との記載はクローズド形式である。「実質的に・・・からなる(consist essentially of)」との記載はセミクローズド形式である。すなわち「実質的に・・・からなる」との記載は、本技術の目的を阻害しない範囲で、必須成分に加えて、追加の成分が含まれ得ることを示す。例えば、本技術の属する分野において通常想定される成分(例えば不可避不純物等)が、追加の成分として含まれていてもよい。
【0023】
本明細書において、単数形(「a」、「an」および「the」)は、特に断りの無い限り、複数形も含む。例えば「粒子」は「1つの粒子」のみならず、「粒子の集合体(粉体)」も含み得る。
【0024】
本明細書において、例えば「LiCoO2」等の化学量論的組成式によって化合物が表現されている場合、該化学量論的組成式は、代表例に過ぎない。組成比は非化学量論的であってもよい。例えば、コバルト酸リチウムが「LiCoO2」と表現されている時、特に断りのない限り、コバルト酸リチウムは「Li/Co/O=1/1/2」の組成比に限定されず、任意の組成比でLi、CoおよびOを含み得る。
【0025】
本明細書において、例えば「0.2%から0.4%」等の数値範囲は、特に断りのない限り、上限値および下限値を含む。例えば「0.2%から0.4%」は、「0.2%以上0.4%以下」の数値範囲を示す。また、数値範囲内から任意に選択された数値が、新たな上限値および下限値とされてもよい。例えば、数値範囲内の数値と、本明細書中の別の部分に記載された数値とが任意に組み合わされることにより、新たな数値範囲が設定されてもよい。
【0026】
各図中の寸法関係は、実際の寸法関係と一致しない場合がある。本技術の理解を助けるために、各図中の寸法関係(長さ、幅、厚さ等)が変更されている場合がある。さらに一部の構成が省略されている場合もある。
【0027】
<非水電解質二次電池>
図1は、本実施形態における非水電解質二次電池の一例を示す概略図である。
電池100は、任意の用途で使用され得る。電池100は、例えば電動車両において、主電源または動力アシスト用電源として使用されてもよい。複数個の電池100が連結されることにより、電池モジュールまたは組電池が形成されてもよい。
【0028】
電池100は外装体90を含む。外装体90は、角形(扁平直方体状)である。ただし角形は一例である。外装体90は、例えば円筒形であってもよいし、パウチ形であってもよい。外装体90は、例えばAl(アルミニウム)合金製であってもよい。外装体90は、電極体50および電解液(不図示)を収納している。電極体50は、正極集電部材81によって正極端子91に接続されている。電極体50は、負極集電部材82によって負極端子92に接続されている。
【0029】
図2は、本実施形態における電極体の一例を示す概略図である。
電極体50は巻回型である。電極体50は、正極10、セパレータ30および負極20を含む。すなわち電池100は、正極10と負極20と電解液とを含む。正極10、セパレータ30および負極20は、いずれも帯状のシートである。電極体50は複数枚のセパレータ30を含んでいてもよい。電極体50は、正極10、セパレータ30および負極20がこの順に積層され、渦巻状に巻回されることにより形成されている。正極10または負極20の一方がセパレータ30に挟まれていてもよい。正極10および負極20の両方がセパレータ30に挟まれていてもよい。電極体50は、巻回後に扁平状に成形されている。なお巻回型は一例である。電極体50は、例えば積層(スタック)型であってもよい。
【0030】
《電解液》
電解液の少なくとも一部は、電極体50に含浸されている。電解液の全部が電極体50に含浸されていてもよい。電解液の一部が電極体50に含浸されていてもよい。電解液の一部は、例えば電極体50の外部(外装体90の底部)に貯留されていてもよい。
【0031】
電解液は液体電解質である。本実施形態の電解液は、溶媒と支持電解質と特定界面活性剤とを含む。電解液は、これらの成分に加えて、任意の添加剤等をさらに含んでいてもよい。
【0032】
(溶媒)
溶媒は非プロトン性である。溶媒は任意の成分を含み得る。溶媒は、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、モノフルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、1,2-ジメトキシエタン(DME)、メチルホルメート(MF)、メチルアセテート(MA)、メチルプロピオネート(MP)、およびγ-ブチロラクトン(GBL)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0033】
(支持電解質)
支持電解質は溶媒に溶解している。支持電解質は、例えば、LiPF6、LiBF4、およびLiN(FSO2)2からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。支持電解質は、例えば0.5mоl/Lから2.0mоl/Lのモル濃度を有していてもよい。支持電解質は、例えば0.8mоl/Lから1.2mоl/Lのモル濃度を有していてもよい。
【0034】
(特定界面活性剤)
電解液は特定界面活性剤を含む。電解液は、例えば、質量分率(質量濃度)で1%から2%の特定界面活性剤を含んでいてもよい。電解液が複数種の特定界面活性剤を含む場合、特定界面活性剤の質量分率は、各特定界面活性剤の質量分率の合計を示す。
【0035】
特定界面活性剤は、溶媒に溶解していてもよいし、溶媒中に分散していてもよい。特定界面活性剤は、負極20に含まれるCNTの表面を保護し得る。これにより保存特性の低下が抑えられることが期待される。さらに、本実施形態においては、特定界面活性剤がCNTと負極活物質との接点形成を阻害し難いと考えられる。よって出力特性の改善が期待される。
【0036】
図3は、参考形態における負極活物質、CNTおよび特定界面活性剤の配置を示す概念図である。例えば、次の手順で負極20が製造され得る。すなわち、負極活物質1とCNT2と特定界面活性剤3とバインダ(不図示)と分散媒とが混合されることにより、負極合材スラリーが調製される。負極合材スラリーが負極基材21の表面に塗布されることにより、負極合材層22が形成される。参考形態においては、負極合材スラリー中において、特定界面活性剤3がCNT2の表面に吸着し得る。したがって、特定界面活性剤3の一部が、CNT2と負極活物質1との間に介在することになる。すなわち、CNT2と負極活物質1との接点が減少する。その結果、出力特性が低下する可能性がある。
【0037】
図4は、本実施形態における負極活物質、CNTおよび特定界面活性剤の配置を示す概念図である。本実施形態においては、電解液が特定界面活性剤3を含む。負極活物質1とCNT2とバインダ(不図示)と分散媒とが混合されることにより、負極合材スラリーが調製され得る。負極合材スラリーは特定界面活性剤3を含まない。よって負極合材スラリー中において、CNT2が負極活物質1に直接絡みつくことにより、CNT2と負極活物質1との間に多数の接点が形成されると考えられる。負極合材スラリーが負極基材21の表面に塗布されることにより、負極合材層22が形成される。その後、電池100に電解液が注入されることにより、電池100内において、負極合材層22が電解液と接触する。したがって特定界面活性剤3は、CNT2と負極活物質1との接点形成を実質的に阻害しないと考えられる。電解液中の特定界面活性剤3がCNT2の露出面に吸着することにより、保存特性の低下が抑えられると考えられる。
【0038】
特定界面活性剤はカチオン性界面活性剤である。特定界面活性剤は第四級アンモニウム塩を含む。特定界面活性剤は、実質的に第四級アンモニウム塩からなっていてもよい。特定界面活性剤は、例えば単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。特定界面活性剤は、例えば、オリゴマーであってもよいし、ポリマーであってもよい。
【0039】
第四級アンモニウム塩は、例えば式(I):
CH3(CR6R5R4)(CH2)nN+R1R2R3・X- (I)
により表されてもよい。
【0040】
式(I)中、「R1、R2およびR3」は、それぞれ独立に、水素原子(-H)、メチル基(-CH3)、エチル基(-C2H5)またはヒドロキシエチル基(-C2H4OH)を示す。「R4、R5およびR6」は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、カルボニル基(-C(=O)-)またはアミノメチル基(-CH2NH2)を示す。
【0041】
式(I)中、「n」は1から20の整数を示す。「n」は、例えば4から14の整数を示していてもよい。「n」は、例えば6から12の整数を示していてもよい。
【0042】
式(I)中、「X-」は、ハロゲン化物イオン、PF6
-またはBF4
-を示す。例えば「X-」は、支持電解質の対アニオンと同種のアニオンであってもよい。例えば、支持電解質がLiPF6である時、「X-」がPF6
-であってもよい。ハロゲン化物イオンは、例えばF-、Cl-、Br-、およびI-からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0043】
第四級アンモニウム塩は、例えば式(II):
CH3(CH2)nN+(CH3)3・PF6
- (II)
により表されてもよい。
【0044】
式(II)中、「n」は、例えば2から20の整数を示していてもよい。「n」は、例えば5から15の整数を示していてもよい。
【0045】
第四級アンモニウム塩は、例えば、ヘキシルトリメチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート、およびヘキサデシルトリメチルアンモニウムヘキサフルオロホスファートからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0046】
第四級アンモニウム塩は、例えば200から6000の数平均分子量(Mn)を有していてもよい。第四級アンモニウム塩は、例えば300から8000の重量平均分子量(Mw)を有していてもよい。数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、GPC法(gel permeation chromatography)により測定され得る。
【0047】
《負極》
負極20は負極合材層22を含む。負極20は負極基材21をさらに含んでいてもよい。例えば、負極基材21の表面に負極合材層22が配置されていてもよい。負極合材層22は、負極基材21の片面のみに配置されていてもよい。負極合材層22は、負極基材21の表裏両面に配置されていてもよい。負極基材21は導電性のシートである。負極基材21は例えばCu(銅)箔等を含んでいてもよい。負極基材21は、例えば5μmから30μmの厚さを有していてもよい。
【0048】
負極合材層22は、例えば10μmから100μmの厚さを有していてもよい。負極合材層22は負極活物質とCNTとを含む。負極合材層22は、例えばバインダをさらに含んでいてもよい。負極合材層22は、CNT以外の導電材をさらに含んでいてもよい。負極合材層22は、実質的に、負極活物質と、CNTと、CNT以外の導電材と、バインダとからなっていてもよい。
【0049】
(CNT)
CNTは負極合材層22内に電子伝導パスを形成する。CNTは細長い形状を有し得る。CNTは、負極活物質(粒子)に絡みつくように電子伝導パスを形成し得る。例えば負極活物質が激しく膨張収縮しても、CNTによる電子伝導パスは途切れ難いことが期待される。体積変化が大きい負極活物質としては、例えば合金系負極活物質(後述)等が考えられる。
【0050】
CNTは、例えばSWNT(single-walled carbon nanotube)、DWNT(double-walled carbon nanotube)、およびMWNT(multi-walled carbon nanotube)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0051】
CNTは、例えば0.5μmから40μmの平均長さを有していてもよい。「平均長さ」は、100本以上のCNTの長さの算術平均である。個々のCNTの長さは、例えばTEM(transmission electron microscope)画像またはSEM(scanning electron microscope)画像において測定され得る。CNTは、例えば20nm以下の平均直径を有していてもよい。CNTは、例えば1nmから20nmの平均直径を有していてもよい。「平均直径」は、100本以上のCNTの直径の算術平均である。個々のCNTの直径も、例えばTEM画像またはSEM画像において測定され得る。
【0052】
負極合材層22は、例えば、質量分率で0.01%から3%のCNTを含んでいてもよい。負極合材層22は、例えば、質量分率で0.2%から0.4%のCNTを含んでいてもよい。これらの範囲においては、例えば出力特性、サイクル特性等の向上が期待される。
【0053】
(CNTと特定界面活性剤との量的関係)
負極合材層22におけるCNTの質量分率に対する、電解液における特定界面活性剤の質量分率の比は、例えば0.1から0.5であってもよい。同比は、例えば0.1から0.4であってもよいし、0.1から0.2であってもよいし、0.2から0.4であってもよい。これらの範囲において、出力特性と保存特性とのバランスが良い傾向がある。
【0054】
(その他の導電材)
本明細書において「その他の導電材」はCNT以外の導電材を示す。負極合材層22はCNTを含む限り、その他の導電材をさらに含んでいてもよい。その他の導電材は、例えば、カーボンブラック(例えばアセチレンブラック等)およびグラフェンフレークからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。負極合材層22は、例えば質量分率で0.1%から10%のその他の導電材を含んでいてもよい。
【0055】
(負極活物質)
負極活物質は、例えば粉体であってもよい。負極活物質は、例えば1μmから30μmのD50を有していてもよい。本明細書における「D50」は、体積基準の粒度分布において、小粒径側からの累積粒子体積が全粒子体積の50%になる粒子径を示す。D50は、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定され得る。
【0056】
負極合材層22は、例えば質量分率で80%から99%の負極活物質を含んでいてもよい。負極合材層22は、例えば質量分率で95%から98%の負極活物質を含んでいてもよい。
【0057】
負極活物質は、例えば合金系負極活物質を含んでいてもよい。負極活物質は、例えば、実質的に合金系負極活物質からなっていてもよい。合金系負極活物質は、大きい比容量を有し得る。合金系負極活物質の使用により、エネルギー密度の向上が期待される。ただし合金系負極活物質は、充放電に伴う体積変化が大きい傾向がある。そのためカーボンブラック等による電子伝導パスは、合金系負極活物質の体積変化に追従できず、分断される可能性がある。本実施形態においては、CNTによって電子伝導パスが形成される。CNTは、合金系負極活物質の体積変化に追従することが期待される。
【0058】
(合金系負極活物質)
合金系負極活物質は、合金化反応によりLi(リチウム)を吸蔵し、かつ脱合金化反応によりLiを放出し得る。合金系負極活物質は、例えば、Si(珪素)、Sn(錫)、Al(アルミニウム)、Cd(カドミウム)、Sb(アンチモン)およびPb(鉛)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。Siは有望な材料の一つである。各種のSi含有材料が負極活物質として機能し得る。すなわち負極活物質はSi含有材料を含んでいてもよい。
【0059】
本明細書における「Si含有材料」はSiを含む材料を示す。Si含有材料はSiを含む限り、追加の成分をさらに含んでいてもよい。Si含有材料は、例えば、実質的にSiメタル(Siの単体)からなっていてもよい。Si含有材料は、例えばSi基合金を含んでいてもよい。Si含有材料は、例えばSiCu合金、SiNi合金、SiAl合金、およびSiZn合金からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。Si含有材料は、例えばSi化合物を含んでいてもよい。Si含有材料は、例えばSi酸化物を含んでいてもよい。Si含有材料は、例えばSiOx(0.5≦x≦1.5)を含んでいてもよい。Si含有材料は、例えばSiと、その他の材料との複合材料を含んでいてもよい。Si含有材料は、例えばSi/C複合材料を含んでいてもよい。Si/C複合材料は、例えば炭素材料(黒鉛、非晶質炭素等)にSiメタル、Si酸化物等が担持されることにより形成され得る。Si含有材料は、例えば、Siメタル、Si基合金、Si酸化物、およびSi/C複合材料からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0060】
(炭素系負極活物質)
負極活物質は、例えば炭素系負極活物質を含んでいてもよい。負極活物質は、例えば、実質的に炭素系負極活物質からなっていてもよい。炭素系負極活物質は、例えば、黒鉛、ソフトカーボン(易黒鉛化性炭素)およびハードカーボン(難黒鉛化性炭素)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0061】
負極活物質は、例えば合金系負極活物質および炭素系負極活物質の両方を含んでいてもよい。炭素系負極活物質は、合金系負極活物質に比して、例えばサイクル特性に優れる傾向がある。負極活物質が合金系負極活物質および炭素系負極活物質の両方を含むことにより、例えば、エネルギー密度とサイクル特性との両立が期待される。合金系負極活物質と炭素系負極活物質との質量比は、例えば「合金系負極活物質/炭素系負極活物質=1/99から99/1」であってもよいし、「合金系負極活物質/炭素系負極活物質=10/90から90/10」であってもよいし、「合金系負極活物質/炭素系負極活物質=30/70から70/30」であってもよい。
【0062】
(バインダ)
負極合材層22は、バインダをさらに含んでいてもよい。バインダは任意の成分を含み得る。バインダは、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)およびポリイミド(PI)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。負極合材層22は、例えば質量分率で0.1%から10%のバインダを含んでいてもよい。
【0063】
《正極》
正極10は正極合材層12を含む。正極10は正極基材11をさらに含んでいてもよい。例えば、正極基材11の表面に正極合材層12が配置されていてもよい。正極合材層12は、正極基材11の片面のみに配置されていてもよい。正極合材層12は、正極基材11の表裏両面に配置されていてもよい。正極基材11は導電性のシートである。正極基材11は例えばAl箔等を含んでいてもよい。正極基材11は、例えば10μmから30μmの厚さを有していてもよい。
【0064】
正極合材層12は、例えば10μmから100μmの厚さを有していてもよい。正極合材層12は正極活物質と導電材とバインダとを含んでいてもよい。正極合材層12は、例えば、実質的に正極活物質と導電材とバインダとからなっていてもよい。正極合材層12は、例えば、質量分率で80%から99.8%の正極活物質と、0.1%から10%の導電材と、0.1%から10%のバインダとからなっていてもよい。
【0065】
正極活物質は任意の成分を含み得る。正極活物質は、例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4、Li(NiCoMn)O2、Li(NiCoAl)O2、およびLiFePO4からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。ここで、例えば「Li(NiCoMn)O2」等の組成式における「(NiCoMn)」等の記載は、括弧内の組成比の合計が1であることを示している。導電材は任意の成分を含み得る。導電材は、例えばアセチレンブラック等を含んでいてもよい。バインダは任意の成分を含み得る。バインダは例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を含んでいてもよい。
【0066】
《セパレータ》
セパレータ30の少なくとも一部は、正極10と負極20との間に介在している。セパレータ30は、正極10と負極20とを分離している。セパレータ30は、例えば10μmから30μmの厚さを有していてもよい。
【0067】
セパレータ30は多孔質である。セパレータ30は電解液を透過する。セパレータ30は、例えば200s/100mLから400s/100mLの透気度を有していてもよい。本明細書における「透気度」は、「JIS P8117:2009」に規定される「透気抵抗度(air resistance)」を示す。透気度はガーレー試験法により測定される。
【0068】
セパレータ30は電気絶縁性である。セパレータ30は、例えばポリオレフィン系樹脂を含んでいてもよい。セパレータ30は、例えば、実質的にポリオレフィン系樹脂からなっていてもよい。ポリオレフィン系樹脂は、例えばポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。セパレータ30は、例えば単層構造を有していてもよい。セパレータ30は、例えば、実質的にPE層からなっていてもよい。セパレータ30は、例えば多層構造を有していてもよい。セパレータ30は、例えば、PP層とPE層とPP層とがこの順に積層されることにより形成されていてもよい。セパレータ30の表面に、例えば耐熱層等が形成されていてもよい。
【実施例】
【0069】
以下、本技術の実施例(以下「本実施例」とも記される。)が説明される。ただし以下の説明は、本技術の範囲を限定しない。
【0070】
<非水電解質二次電池の製造>
以下のようにNo.1からNo.15に係る評価電池(非水電解質二次電池)が製造された。
【0071】
(正極の準備)
下記材料が準備された。
正極活物質:Li(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O2
導電材:アセチレンブラック
バインダ:PVdF
分散媒:N-メチル-2-ピロリドン
正極基材:Al箔
【0072】
正極活物質と導電材とバインダと分散媒とが混合されることにより、正極合材スラリーが調製された。固形分の質量比は「正極活物質/導電材/バインダ=87/10/3」であった。正極合材スラリーが正極基材の表面に塗布されることにより正極合材層が形成された。正極合材層が圧縮された。以上より正極が準備された。
【0073】
(負極の準備)
下記材料が準備された。
合金系負極活物質:Si含有材料(D50=15μm)
炭素系負極活物質:天然黒鉛系材料(D50=20μm)
CNT:MWNT(平均長さ=10μm)
その他の導電材:アセチレンブラック
バインダ:CMC、SBR
界面活性剤:A、B、C(下記表1参照)
分散媒:水
負極基材:Cu箔
【0074】
本実施例における界面活性剤の一部は、市販品であった。本実施例における界面活性剤の一部は、市販品のイオン交換処理により調製された。イオン交換処理においては、例えばBr-がPF6
-に交換され得る。本実施例における界面活性剤AおよびBはカチオン性界面活性剤であった。界面活性剤Cはアニオン性界面活性剤であった。
【0075】
合金系負極活物質と炭素系負極活物質とが所定の質量比で混合されることにより、負極活物質(混合粉体)が調製された。
【0076】
負極活物質と、CNTと、その他の導電材と、バインダと、界面活性剤と、分散媒とが混合されることにより負極合材スラリーが調製された。負極合材スラリーが負極基材の表面に塗布されることにより負極合材層が形成された。負極合材層が圧縮された。以上より負極が準備された。負極合材層におけるCNTおよび界面活性剤の質量分率は下記表1に示される。
【0077】
(電解液)
電解液が調製された。電解液は下記成分を含んでいた。電解液における界面活性剤の質量分率は下記表1に示される。
【0078】
溶媒:「FEC/EC/EMC=1/2/7(体積比)」
支持電解質:LiPF6(モル濃度=1.0mоl/L)
界面活性剤:A、B、C
【0079】
(組み立て)
セパレータが準備された。セパレータは3層構造を有していた。3層構造はPP層とPE層とPP層とからなっていた。セパレータは300s/100mLの透気度を有していた。
【0080】
セパレータを挟んで正極と負極とが対向するように、正極とセパレータと負極とが積層された。これにより電極体が形成された。外装体が準備された。外装体はAlラミネートフィルム製のパウチであった。外装体に電極体が収納された。外装体に電解液が注入された。外装体が密封された。以上より評価電池が組み立てられた。
【0081】
(活性化処理)
25℃に設定された恒温槽内において、0.3Itの定電流方式充電により、評価電池が4.1Vまで充電された。次いで、0.3Itの定電流方式放電により、評価電池が3Vまで放電された。該充電と放電との一巡が3回繰り返された。なお「It」は電流の時間率を表す記号である。1Itの電流は、評価電池の設計容量が1時間で放電されるように定義される。
【0082】
(初期容量の測定)
活性化処理後、定電流-定電圧方式充電により評価電池が満充電状態にされた。定電流充電時の電流は0.2Itであった。定電圧充電時の電圧は4.1Vであった。定電圧充電は、電流が0.02Itまで減衰した時点で終了された。次いで、0.3Itの定電流方式放電により、評価電池が3.0Vまで放電されることにより、初期容量(放電容量)が測定された。
【0083】
<評価>
《初期直流抵抗》
評価電池の電圧が3.705Vに調整された。25℃に設定された恒温槽内において、0.5Itの電流により、評価電池が30秒間放電された。放電開始から10秒経過時の電圧降下量が測定された。電圧降下量と放電電流とから、直流抵抗が算出された。
【0084】
《保存容量維持率》
評価電池の電圧が4.1Vに調整された。60℃に設定された恒温槽内で評価電池が40日間保存された。40日経過後、初期容量と同一条件で保存後容量が測定された。保存後容量が保存前容量で除されることにより、保存容量維持率が算出された。
【0085】
《サイクル容量維持率》
25℃に設定された恒温槽内において、充放電サイクルが300回繰り返された。1サイクルは、下記「充電→第1休止→放電→第2休止」の一巡を示す。300サイクル目の放電容量が、1サイクル目の放電容量で除されることにより、サイクル容量維持率が算出された。
【0086】
充電:定電流方式、電流=0.5It、終止電圧=4.1V
第1休止:10分
放電:定電流方式、電流=0.5It、終止電圧=3.0V
第2休止:10分
【0087】
【0088】
<結果>
No.1からNo.3において、負極合材層におけるCNTの質量分率が高くなる程、初期直流抵抗が低減する傾向がみられる。すなわち負極合材層におけるCNTの質量分率が高くなる程、出力特性が向上する傾向がみられる。CNTが電子伝導パスを形成するためと考えられる。
【0089】
No.1からNo.3において、負極合材層におけるCNTの質量分率が高くなる程、サイクル容量維持率が高くなる傾向がみられる。すなわち負極合材層におけるCNTの質量分率が高くなる程、サイクル特性が向上する傾向がみられる。CNTによる電子伝導パスが、合金系負極活物質の体積変化に追従し得るためと考えられる。
【0090】
No.1からNo.3において、負極合材層におけるCNTの質量分率が高くなる程、保存容量維持率が低下する傾向がみられる。すなわち負極合材層におけるCNTの質量分率が高くなる程、保存特性が低下する傾向がみられる。CNTの配合により、負極合材層における反応面積が顕著に増大するためと考えられる。
【0091】
No.4からNo.7において、負極合材層(負極合材スラリー)が界面活性剤Aを含むことにより、保存容量維持率の低下が抑えられる傾向がみられる。界面活性剤AがCNTの表面を保護するためと考えられる。その半面、負極合材層が界面活性剤Aを含むことにより、初期直流抵抗が増大する傾向がみられる。負極合材層の形成過程において、界面活性剤AがCNTと負極活物質との接点形成を阻害するためと考えられる。
【0092】
No.8からNo.11において、電解液が界面活性剤Aを含むことにより、保存容量維持率の低下が抑えられる傾向がみられる。さらに、CNTによる抵抗低減効果もみられる。CNTと負極活物質との接点が形成された後に、界面活性剤AがCNTの表面を保護するためと考えられる。
【0093】
No.12、13において、電解液が界面活性剤Bを含むことにより、保存容量維持率の低下が抑えられる傾向がみられる。界面活性剤Bと界面活性剤Aとは、カチオン性である点、および第四級アンモニウム塩を含む点で共通している。
【0094】
No.14、15において、電解液が界面活性剤Cを含むことにより、保存特性がむしろ低下する傾向がみられる。また負極合材スラリーに界面活性剤Cが配合されても、初期直流抵抗の増大はわずかである。したがって界面活性剤Cは、CNTに吸着し難いと考えられる。界面活性剤Cはアニオン性であり、スルホン酸塩を含む。
【0095】
<付記>
本明細書は「非水電解質二次電池の製造方法」も開示している。
本技術の非水電解質二次電池の製造方法は、下記(a)から(d)を含む。
(a) 負極活物質とCNTとバインダと分散媒とを混合することにより、負極合材スラリーを調製する。
(b) 負極合材スラリーを負極基材の表面に塗布することにより、負極を製造する。
(c) 負極および正極を含む電極体を形成する。
(d) 電極体に電解液を含浸することにより、電池を製造する。
電解液は、溶媒と支持電解質とカチオン性界面活性剤とを含む。カチオン性界面活性剤は第四級アンモニウム塩を含む。
負極合材スラリーは、カチオン性界面活性剤を含まない。
【0096】
本実施形態および本実施例は、全ての点で例示である。本実施形態および本実施例は、制限的ではない。本技術の範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内における全ての変更を包含する。例えば、本実施形態および本実施例から、任意の構成が抽出され、それらが任意に組み合わされることも、当初から予定されている。本実施形態および本実施例に複数の作用効果が記載されている場合、本技術の範囲は、全ての作用効果を奏する範囲に限定されない。
【符号の説明】
【0097】
1 負極活物質、2 CNT(カーボンナノチューブ)、3 特定界面活性剤、10 正極、11 正極基材、12 正極合材層、20 負極、21 負極基材、22 負極合材層、30 セパレータ、50 電極体、81 正極集電部材、82 負極集電部材、90 外装体、91 正極端子、92 負極端子、100 電池(非水電解質二次電池)。