(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】隠された通気気流を有するエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20221003BHJP
A24F 40/30 20200101ALI20221003BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20221003BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/30
A24F47/00
(21)【出願番号】P 2020501518
(86)(22)【出願日】2018-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2018069164
(87)【国際公開番号】W WO2019012145
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-07-12
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】セイギリ アリ ムラート
(72)【発明者】
【氏名】タウリーノ イレーネ
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-538848(JP,A)
【文献】国際公開第2017/108721(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/032695(WO,A1)
【文献】特表2019-535301(JP,A)
【文献】国際公開第2021/044025(WO,A1)
【文献】特開2020-110155(JP,A)
【文献】特表2021-514644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/30
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
カートリッジ組立品であって、
上流端および下流端を有するカートリッジと、
前記カートリッジの下流に位置付けられた通気空気吸込み口と、を備えるカートリッジ組立品と、
エアロゾル発生装置であって、
前記カートリッジ組立品の上流端を受容するための装置くぼみを画定するハウジングと、
前記カートリッジ組立品が前記装置くぼみの中に受容されている時に、前記カートリッジを加熱するための電気ヒーターと、
電源と、
前記電源から前記電気ヒーターへの電力の供給を制御するように構成されたコントローラーと、を備える、エアロゾル発生装置と、を備え、
前記エアロゾル発生システムが、前記カートリッジ組立品の前記上流端が前記装置くぼみの中に受容されている時に、前記通気空気吸込み口が前記装置くぼみの中に位置付けられていて、かつ前記通気空気吸込み口の上にある前記装置くぼみの内部表面の一部分が、前記カートリッジ組立品から間隙を介しているように構成されている、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記通気空気吸込み口が、前記カートリッジ組立品の前記上流端が前記装置くぼみの中に受容されている時に、前記装置くぼみの下流半部の中に位置付けられている、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記装置くぼみが、前記装置くぼみの上流端と前記装置くぼみの下流端との間に延びる最大長さを有し、かつ前記カートリッジ組立品の前記上流端が前記装置くぼみの中に受容されている時、前記通気空気吸込み口と前記装置くぼみの前記下流端との間の距離が前記装置くぼみの前記最大長さの25パーセント未満である、請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記カートリッジ組立品が、
前記カートリッジに接続されたマウスピースであって、マウスピース空気出口を備える、マウスピースと、
前記カートリッジの前記下流端と前記マウスピース空気出口との間に延びる混合チャンバーであって、前記カートリッジ組立品の外部と前記混合チャンバーとの間に流体連通を提供する混合チャンバーと、をさらに備える、請求項1、2、または3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記マウスピースが、前記混合チャンバーを少なくとも部分的に画定するマウスピースハウジングを備え、前記通気空気吸込み口が前記マウスピースハウジングを通って延びる、請求項4に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記カートリッジ組立品が、カートリッジホルダーをさらに備え、前記カートリッジの少なくとも一部分が前記カートリッジホルダーの中に位置付けられていて、かつ前記カートリッジホルダーの少なくとも一部分が前記マウスピースの中に位置付けられている、請求項5に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記カートリッジホルダーの下流端が、前記通気空気吸込み口の上流に位置付けられている、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記カートリッジホルダーの一部分が、前記通気空気吸込み口を備える前記マウスピースハウジングの一部分と重複し、かつ前記カートリッジホルダーが、前記通気空気吸込み口と前記混合チャンバーとの間に流体連通を提供するために、前記通気空気吸込み口の下にある通気空気開口部を備える、請求項6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記カートリッジが、
前記カートリッジの前記上流端にある第一の空気吸込み口、および前記カートリッジの前記下流端にある第一の空気出口を有する、第一の区画と、
前記カートリッジの前記上流端にある第二の空気吸込み口、および前記カートリッジの前記下流端にある第二の空気出口を有する、第二の区画と、を備える、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記第一の区画がニコチン供与源を含有し、かつ前記第二の区画が酸供与源を含有する、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記電気ヒーターが抵抗ヒーターを備える、請求項9または10に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記抵抗ヒーターが、前記装置くぼみの上流端から前記装置くぼみの中に延び、前記カートリッジが、前記第一の区画と前記第二の区画との間に位置付けられた第三の区画を備え、かつ前記カートリッジ組立品の前記上流端が前記装置くぼみの中に受容されている時、第三の区画が前記抵抗ヒーターを受容するように構成されている、請求項11に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記電気ヒーターが誘導発熱体を備える、請求項9に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記カートリッジが、前記第一の区画と前記第二の区画の間に位置付けられた第三の区画と、前記第三の区画の中に位置付けられたサセプタ材料と、を備える、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ組立品を備え、かつカートリッジ組立品内の中への通気気流のために構成された、エアロゾル発生システムに関する。本発明の特に好ましい実施形態は、ニコチン塩粒子を含むエアロゾルのインサイチュー生成用のニコチン供与源および酸供与源を備えるエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾルを発生し、かつユーザーに送達するための装置は周知であり、これはニコチンをユーザーに送達するための装置を含む。ユーザーにエアロゾルを送達するための周知のシステムは、通気空気を装置の中に導入するための一つ以上の吸込み口を含む場合がある。この文脈において、通気空気は、システムのエアロゾル発生セクションを迂回する様態でシステムを通過する気流である。従って、通気空気は、発生したエアロゾルを含有する主流気流を希釈して、ユーザーに望ましい濃度のエアロゾルを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、典型的に、周知の装置は、ユーザーに送達されるエアロゾルの質に対する通気空気の効果を考慮することなく、また通気空気吸込み口を位置付けることがどれほど装置の使用可能性に影響を与えうるかを考慮することなく、通気空気吸込み口を含んでいた。周知の装置での少なくともこれらの問題に対処するエアロゾル発生システムを提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によると、カートリッジ組立品とエアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。カートリッジ組立品は、上流端および下流端を有するカートリッジを備える。カートリッジは、カートリッジの上流端にある第一の空気吸込み口、およびカートリッジの下流端にある第一の空気出口を有する第一の区画を備える。カートリッジはまた、カートリッジの上流端にある第二の空気吸込み口、およびカートリッジの下流端にある第二の空気出口を有する第二の区画を備える。カートリッジ組立品は、カートリッジに接続されたマウスピースをさらに備え、マウスピースはマウスピース空気出口を備える。カートリッジ組立品はまた、カートリッジの下流端とマウスピース空気出口との間に延びる混合チャンバー、およびカートリッジの下流に位置付けられ、かつカートリッジ組立品の外部と混合チャンバーとの間に流体連通を提供する通気空気吸込み口を備える。エアロゾル発生装置は、カートリッジ組立品の上流端を受容するための装置くぼみを画定するハウジングと、カートリッジ組立品が装置くぼみの中に受容されている時にカートリッジを加熱するための電気ヒーターとを備える。エアロゾル発生装置はまた、電源、および電源から電気ヒーターへの電力の供給を制御するよう構成されたコントローラーを備える。エアロゾル発生システムは、カートリッジ組立品の上流端が装置くぼみの中に受容されている時に、通気空気吸込み口が装置くぼみの中に位置付けられていて、かつ通気空気吸込み口の上にある装置くぼみの内部表面の一部分が、カートリッジ組立品から間隙を介しているように構成されている。
【0005】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生システムの使用中に、カートリッジ組立品またはカートリッジ組立品の構成要素を通る気流の方向を指す。すなわち、概して、空気は上流端から下流端に流れる。
【0006】
本発明によるエアロゾル発生システムは、カートリッジの下流に位置付けられているカートリッジ組立品内に通気空気吸込み口を備え、カートリッジ組立品の上流端が装置くぼみの中に受容されている時、通気空気吸込み口は装置くぼみの中に位置付けられていて、また装置くぼみの内部表面の一部分は通気空気吸込み口から間隙を介している。この構成は、周知のエアロゾル発生システムと比較して、特に有利であることを本発明の発明者らは認識してきた。
【0007】
第一に、カートリッジの下流に通気空気吸込み口を位置付けることは、通気空気と使用中に加熱されるカートリッジとの間の接触を実質的に無くす。有利なことに、これは、通気空気がカートリッジの上流またはカートリッジに隣接してシステムに入り、さらに下流で主流空気と混合される前にカートリッジの外表面を横切って流れる周知のシステムと比較して、通気空気の温度を低減する。通気空気の温度を低減することは、ユーザーに送達されたエアロゾルの全体的な温度を低減する場合があり、これはユーザーの体験を改善する場合がある。通気空気の温度を低減することは、ユーザーに送達されたエアロゾルの全体的な温度を維持しながら、カートリッジの加熱温度の増加を容易にする場合がある。
【0008】
第二に、カートリッジの上流端が装置くぼみの中に受容されている時、通気空気吸込み口が装置くぼみの中に位置付けられているように構成されているエアロゾル発生システムは、エアロゾル発生システムの使用中にユーザーの口によって不注意に覆われる場合があるカートリッジまたはカートリッジ組立品の一部分の上に通気空気吸込み口が位置付けられている周知のシステムと比較して、ユーザーが通気空気吸込み口を覆い隠すのを実質的に防止する場合がある。
【0009】
通気空気吸込み口は、カートリッジ組立品の上流端が装置くぼみの中に受容されている時に、装置くぼみの下流の半部の中に位置付けられていることが好ましい。
【0010】
有利なことに、装置くぼみの下流の半部内に通気空気吸込み口を位置付けることは、通気空気吸込み口がカートリッジの下流端から間隙を介することを容易にする場合があり、これは通気空気吸込み口を通して混合チャンバーに入る通気空気の温度を最小化しうる。
【0011】
有利なことに、通気空気吸込み口を装置くぼみの下流の半部内に位置付けることは、通気空気吸込み口をカートリッジの下流に維持しながら、カートリッジの長さを増大させることを容易にする場合がある。これは、本明細書にさらに記載の通り、一つ以上のエアロゾル形成基体を貯蔵するための第一の区画および第二の区画の容量を増大しうる第一の区画および第二の区画の長さの増大を容易にする場合がある。
【0012】
装置くぼみは、装置くぼみの上流端と装置くぼみの下流端との間に延びる最大長さを有してもよい。通気空気吸込み口と装置くぼみの下流端との間の距離は、カートリッジ組立品の上流端が装置くぼみの中に受容されている時に、装置くぼみの最大長さの50パーセント未満であることが好ましい。通気空気吸込み口と装置くぼみの下流端との間の距離は、カートリッジ組立品の上流端が装置くぼみの中に受容されている時に、装置くぼみの最大長さの40パーセント未満であることが好ましい。通気空気吸込み口と装置くぼみの下流端との間の距離は、カートリッジ組立品の上流端が装置くぼみの中に受容されている時に、装置くぼみの最大長さの30パーセント未満であることが好ましい。通気空気吸込み口と装置くぼみの下流端との間の距離は、カートリッジ組立品の上流端が装置くぼみの中に受容されている時に、装置くぼみの最大長さの25パーセント未満であることが好ましい。通気空気吸込み口と装置くぼみの下流端との間の距離は、カートリッジ組立品の上流端が装置くぼみの中に受容されている時に、装置くぼみの最大長さの20パーセント未満であることが好ましい。通気空気吸込み口と装置くぼみの下流端との間の距離は、カートリッジ組立品の上流端が装置くぼみの中に受容されている時に、装置くぼみの最大長さの10パーセント未満であることが好ましい。
【0013】
通気空気吸込み口は、マウスピースによって画定されることが好ましい。マウスピースは、混合チャンバーを少なくとも部分的に画定するマウスピースハウジングを備えてもよく、通気空気吸込み口はマウスピースハウジングを通って延びる。マウスピースハウジングは、マウスピース空気出口を画定することが好ましい。
【0014】
カートリッジ組立品は、カートリッジホルダーを備えてもよく、カートリッジの少なくとも一部分はカートリッジホルダーの中に位置付けられていて、またカートリッジホルダーの少なくとも一部分はマウスピースの中に位置付けられる。
【0015】
有利なことに、カートリッジホルダーは、エアロゾル発生システムの使用中にカートリッジからマウスピースへの伝導性熱伝達を低減する場合がある。これは、通気空気吸込み口を通って混合チャンバーに入る通気空気の温度をさらに低減または最小化する場合がある。
【0016】
カートリッジホルダーは管状の形状を有してもよい。カートリッジの少なくとも下流端は、カートリッジホルダーの中に位置付けられていることが好ましい。少なくともカートリッジホルダーの下流端は、マウスピースの中に位置付けられていることが好ましい。管状のカートリッジホルダーは、開いた上流端を備えることが好ましく、カートリッジはこれを通してカートリッジ組立品の製造中に管状のカートリッジホルダーの中に挿入される。管状のカートリッジホルダーは、カートリッジの第一の空気出口および第二の空気出口と混合チャンバーとの間に流体連通を提供するための開いた下流端を備えることが好ましい。
【0017】
カートリッジホルダーの下流端は、通気空気吸込み口の上流に位置付けられてもよい。有利なことに、これは、カートリッジホルダー内の一つ以上の開口部に対する必要性を無くし、通気空気吸込み口と混合チャンバーとの間に流体連通を提供しうる。
【0018】
カートリッジホルダーの一部分は、通気空気吸込み口を含むマウスピースハウジングの一部分と重複してもよく、カートリッジホルダーは、通気空気吸込み口と混合チャンバーとの間に流体連通を提供するために通気空気吸込み口の下にある通気空気開口部を備える。有利なことに、この構成はカートリッジホルダーとマウスピースとの間の重複を増大または最大化する場合があり、これはマウスピースおよびカートリッジホルダーを一緒に固定することを容易にしうる。
【0019】
カートリッジ組立品は、単一の通気空気吸込み口を備えてもよい。カートリッジ組立品は、複数の通気空気吸込み口を備えてもよい。当業者は、エアロゾル発生システムの使用中に混合チャンバーの中への望ましい通気空気の流れを提供するための通気空気吸込み口の数を選択することができる。
【0020】
第一の区画は第一のエアロゾル形成基体を含有し、また第二の区画は第二のエアロゾル形成基体を含有することが好ましい。
【0021】
第一の区画はニコチン供与源を含有し、第二の区画は酸供与源を含有することが好ましい。本明細書に記載の通り、本発明によるエアロゾル発生システムの構成は、混合チャンバーに入る通気空気の温度の低減を容易にする場合がある。本発明の発明者らは、カートリッジがニコチン供与源および酸供与源を含む実施形態において、これが特に有利であることを認識していて、ニコチンベイパーおよび酸ベイパーは混合チャンバー内で混合されてユーザーへの送達のためにニコチン塩粒子を形成する。特に、本発明の発明者らは、混合チャンバーに入る通気空気の温度を低減することが、混合チャンバーの中で形成されるニコチン塩粒子の平均サイズを減少させることを認識していて、これは有利なことに、ユーザーによって知覚されるエアロゾルの粗さを低減する。具体的には、混合チャンバーに入る通気空気を摂氏50度より低い温度でニコチンベイパーおよび酸ベイパー(両方ともおよそ摂氏80度もて混合チャンバーに入ってくる)と混合すると、結果として2マイクロメートルを超える直径を有するニコチン塩粒子の著しい低減をもたらし、これは知覚される粗さの低減を生み出す。
【0022】
ニコチン供与源は、約1ミリグラム~約50ミリグラムのニコチンで含浸された第一の担体材料を含んでもよい。ニコチン供与源は、約1ミリグラム~約40ミリグラムのニコチンで含浸された第一の担体材料を含んでもよい。ニコチン供与源は、約3ミリグラム~約30ミリグラムのニコチンで含浸された第一の担体材料を含むことが好ましい。ニコチン供与源は、約6ミリグラム~約20ミリグラムのニコチンで含浸された第一の担体材料を含むことがより好ましい。ニコチン供与源は、約8ミリグラム~約18ミリグラムのニコチンで含浸された第一の担体材料を含むことが最も好ましい。
【0023】
第一の担体材料は、水性溶媒または非水性溶媒中の液体ニコチンまたはニコチン溶液で含浸されてもよい。
【0024】
第一の担体材料は、天然ニコチンまたは合成ニコチンで含浸されてもよい。
【0025】
酸供与源は有機酸または無機酸を含んでもよい。
【0026】
酸供与源は有機酸を含むことが好ましく、カルボン酸を含むことがより好ましく、アルファケト酸もしくは2-オキソ酸または乳酸を含むことが最も好ましい。
【0027】
有利なことに、酸供与源は、3-メチル-2-オキソペンタン酸、ピルビン酸、2-オキソペンタン酸、4-メチル-2-オキソペンタン酸、3-メチル-2-オキソブタン酸、2-オキソオクタン酸、乳酸、およびこれらの組み合わせから成る群から選択された酸を含む。有利なことに、酸供与源は乳酸またはピルビン酸を含む。より有利なことに、酸供与源は乳酸を含む。
【0028】
有利なことに、酸供与源は、酸で含浸された第二の担体材料を含む。
【0029】
第一の担体材料および第二の担体材料は同じであってもよく、または異なっていてもよい。
【0030】
有利なことに、第一の担体材料および第二の担体材料は、約0.1グラム/立方センチメートル~約0.3グラム/立方センチメートルの密度を有する。
【0031】
有利なことに、第一の担体材料および第二の担体材料は、約15パーセント~約55パーセントの空隙率を有する。
【0032】
第一の担体材料および第二の担体材料は、ガラス、セルロース、セラミック、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタラート)(PCT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)およびBAREX(登録商標)のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0033】
第一の担体材料は、ニコチン用の貯蔵部として作用する。
【0034】
有利なことに、第一の担体材料は、ニコチンに対して化学的に不活性である。
【0035】
第一の担体材料は、任意の適切な形状およびサイズを有してもよい。例えば、第一の担体材料はシートまたはプラグの形態であってもよい。
【0036】
有利なことに、第一の担体材料の形状およびサイズは、カートリッジの第一の区画の形状およびサイズと類似している。
【0037】
第一の担体材料の形状、サイズ、密度、および空隙率は、第一の担体材料が望ましい量のニコチンで含浸されることを可能にするように選ばれてもよい。
【0038】
有利なことに、カートリッジの第一の区画は風味剤をさらに含んでもよい。適切な風味剤としては、メントールが挙げられるが、これに限定されない。
【0039】
有利なことに、第一の担体材料は、約3ミリグラム~約12ミリグラムの風味剤で含浸されてもよい。
【0040】
第二の担体材料は、酸用の貯蔵部として作用する。
【0041】
有利なことに、第二の担体材料は、酸に対して化学的に不活性である。
【0042】
第二の担体材料は、任意の適切な形状およびサイズを有してもよい。例えば、第二の担体材料はシートまたはプラグの形態であってもよい。
【0043】
有利なことに、第二の担体材料の形状およびサイズは、カートリッジの第二の区画の形状およびサイズと類似している。
【0044】
第二の担体材料の形状、サイズ、密度、および空隙率は、第二の担体材料が望ましい量の酸で含浸されることを可能にするように選ばれてもよい。
【0045】
有利なことに、酸供与源は、約2ミリグラム~約60ミリグラムの乳酸で含浸された第二の担体材料を含む乳酸供与源である。
【0046】
乳酸供与源は、約5ミリグラム~約50ミリグラムの乳酸で含浸された第二の担体材料を含むことが好ましい。乳酸供与源は、約8ミリグラム~約40ミリグラムの乳酸で含浸された第二の担体材料を含むことがより好ましい。乳酸供与源は、約10ミリグラム~約30ミリグラムの乳酸で含浸された第二の担体材料を含むことが最も好ましい。
【0047】
カートリッジの第一の区画の形状および寸法は、望ましい量のニコチンがカートリッジ内に収容されることを可能にするように選ばれてもよい。
【0048】
カートリッジの第二の区画の形状および寸法は、望ましい量の酸がカートリッジ内に収容されることを可能にするように選ばれてもよい。
【0049】
適切な反応化学量論を達成するために必要なニコチンと酸の比は、第二の区画の容積と相対的に第一の区画の容積の変動を通して制御し、かつバランスを取ってもよい。
【0050】
カートリッジの第一の区画の第一の空気吸込み口およびカートリッジの第二の区画の第二の空気吸込み口は各々、一つ以上の開口部を備えてもよい。例えば、カートリッジの第一の区画の第一の空気吸込み口およびカートリッジの第二の区画の第二の空気吸込み口は各々、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、または七つの開口部を備えてもよい。
【0051】
カートリッジの第一の区画の第一の空気吸込み口およびカートリッジの第二の区画の第二の空気吸込み口は、同一の数または異なる数の開口部を備えてもよい。
【0052】
有利なことに、第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口は各々、複数の開口部を備える。例えば、第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口は各々、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、または七つの開口部を備えてもよい。
【0053】
複数の開口部を備える第一の空気吸込み口と、複数の開口部を備える第二の空気吸込み口とを提供することは有利なことに、それぞれ第一の区画および第二の区画の中に、より均一な気流をもたらす場合がある。使用時に、これは第一の区画を通して引き出された気流中のニコチンの同伴を改善する場合があり、また第二の区画を通して引き出された気流中の酸の同伴を改善する場合がある。
【0054】
適切な反応化学量論を達成するために必要なニコチンと酸の比は、第二の区画を通る気流の体積流量と相対的に第一の区画を通る気流の体積流量の変動を通して制御し、かつバランスを取ってもよい。第二の区画を通る気流の体積流量に対する第一の区画を通る気流の体積流量の比は、第二の区画の第二の空気吸込み口を形成する開口部の数、寸法、および場所と相対的に第一の区画の第一の空気吸込み口を形成する開口部の数、寸法、および場所のうちの一つ以上のうちの一つ以上の変動を通して制御されてもよい。
【0055】
酸供与源が乳酸を含む実施形態において、有利なことに第二の区画の第二の空気吸込み口の流れ面積は、第一の区画の第一の空気吸込み口の流れ面積よりも大きい。
【0056】
本発明に関して本明細書で使用される「流れ面積」という用語は、使用中に空気が通って流れる空気吸込み口または空気出口の断面積を説明するために使用される。空気吸込み口または空気出口が複数の開口部を備える実施形態において、空気吸込み口または空気出口の流れ面積は、空気吸込み口または空気出口の総流れ面積であり、空気吸込み口または空気出口を形成する複数の開口部の各々の流れ面積の合計と等しい。空気吸込み口または空気出口の断面積が気流の方向で異なる実施形態において、空気吸込み口または空気出口の流れ面積は、気流の方向における最小断面積である。
【0057】
カートリッジの第一の区画の第一の空気出口およびカートリッジの第二の区画の第二の空気出口は各々、一つ以上の開口部を備えてもよい。例えば、第一の空気出口および第二の空気出口は各々、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、または七つの開口部を備えてもよい。
【0058】
第一の空気出口および第二の空気出口は、同一の数または異なる数の開口部を備えてもよい。
【0059】
有利なことに、第一の空気出口および第二の空気出口は各々、複数の開口部を備えてもよい。例えば、第一の空気出口および第二の空気出口は各々、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、または七つの開口部を備えてもよい。複数の開口部を備える第一の空気出口および複数の開口部を備える第二の空気出口を提供することは有利なことに、それぞれ第一の区画および第二の区画の中に、より均一な気流をもたらす場合がある。使用時に、これは第一の区画を通して引き出された気流中のニコチンの同伴を改善する場合があり、また第二の区画を通して引き出された気流中の酸の同伴を改善する場合がある。
【0060】
第一の空気出口が複数の開口部を含む実施形態において、有利なことに第一の空気出口は、2つ~5つの開口部を含む。
【0061】
第二の空気出口が複数の開口部を含む実施形態において、有利なことに第二の空気出口は、3つ~7つの開口部を含む。
【0062】
有利なことに、第一の空気出口および第二の空気出口はそれぞれ、単一の開口部を備えてもよく、これは有利なことに、カートリッジの製造を単純化する場合がある。
【0063】
適切な反応化学量論を達成するために必要なニコチンと酸の比は、第二の区画を通る気流の体積流量と相対的に第一の区画を通る気流の体積流量の変動を通して制御し、かつバランスを取ってもよい。第二の区画を通る気流の体積流量に対する第一の区画を通る気流の体積流量の比は、第二の空気出口を形成する開口部の数、寸法、および場所と相対的に第一の区画の第一の空気出口を形成する開口部の数、寸法、および場所のうちの一つ以上の変動を通して制御されてもよい。
【0064】
第一の空気出口の流れ面積は、第二の空気出口の流れ面積と、同一であっても、または異なってもよい。
【0065】
第二の空気出口の流れ面積は、第一の空気出口の流れ面積よりも大きくてもよい。
【0066】
第一の空気出口の流れ面積と相対的に第二の空気出口の流れ面積を増大することは有利なことに、第一の空気出口を通る気流の体積流量と比較して第二の空気出口を通る気流の体積流量を増加する場合がある。
【0067】
カートリッジ組立品は、マウスピースの中に位置付けられた一つ以上のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。例えば、マウスピースは、一つ以上の吸収材、一つ以上の風味剤、一つ以上の化学感覚剤、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0068】
カートリッジ、マウスピース、およびカートリッジホルダー(存在する場合)は、任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。適切な材料としては、アルミニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(Kapton(登録商標)など)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリオキシメチレン(POM)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、液晶ポリマー(LCP)、および修飾LCP(黒鉛またはガラス繊維を含むLCPなど)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0069】
カートリッジ、マウスピース、およびカートリッジホルダー(存在する場合)は、同一の材料または異なる材料から形成されてもよい。
【0070】
カートリッジは、耐ニコチン性および耐酸性である一つ以上の材料から形成されてもよい。
【0071】
第一の区画は一つ以上の耐ニコチン性材料で被覆されてもよく、また第二の区画は一つ以上の耐酸性材料で被覆されてもよい。
【0072】
適切な耐ニコチン性材料および耐酸性材料の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
一つ以上の耐ニコチン性材料を使用することは有利なことに、カートリッジ組立品の貯蔵寿命を延ばす場合がある。
【0074】
一つ以上の耐酸性材料を使用することは有利なことに、カートリッジ組立品の貯蔵寿命を延ばす場合がある。
【0075】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つのシステム空気吸込み口を少なくとも部分的に画定することが好ましく、少なくとも一つのシステム空気吸込み口は、エアロゾル発生システムの外部と第一の空気吸込み口、第二の空気吸込み口、および通気空気吸込み口の各々との間に流体連通を提供する。装置くぼみの下流端は、少なくとも一つのシステム空気吸込み口を少なくとも部分的に画定する場合がある。すなわち、エアロゾル発生システムは、使用中に空気が装置くぼみの下流端を通してエアロゾル発生システムに入るように構成されてもよい。少なくとも一つのシステム空気吸込み口は、カートリッジ組立品の上流端が装置くぼみの中に受容されている時に、カートリッジ組立品と装置くぼみの下流端との間の間隙によって画定されてもよい。
【0076】
少なくとも一つのシステム空気吸込み口は、エアロゾル発生システムの外部と第一の空気吸込み口、第二の空気吸込み口、および通気空気吸込み口の各々との間に流体連通を提供する共通のシステム空気吸込み口を備えてもよい。カートリッジ組立品の一部分は、カートリッジ組立品の上流端が装置くぼみの中に受容されていて、共通のシステム空気吸込み口を画定する時に、装置くぼみの内表面から間隙を介してもよい。
【0077】
少なくとも一つのシステム空気吸込み口は、エアロゾル発生システムの外部と通気空気吸込み口との間に流体連通を提供する第一のシステム空気吸込み口と、エアロゾル発生システムの外部と第一の空気吸込み口および第二の空気吸込み口の各々との間に流体連通を提供する第二のシステム空気吸込み口とを備えてもよい。通気空気吸込み口と通気空気吸込み口の上にある装置くぼみの内部表面の部分との間の間隙は、第一のシステム空気吸込み口を形成する場合がある。第二のシステム空気吸込み口は、装置ハウジングを通って延び、装置くぼみの上流端と流体連通する開口部を備える場合がある。
【0078】
エアロゾル発生システムは、使用中に電気ヒーターが第一の区画および第二の区画を摂氏約60度~摂氏約100度に加熱するように構成されていることが好ましく、摂氏約70度~摂氏約90度に加熱するように構成されていることがより好ましく、摂氏約80度に加熱するように構成されていることが最も好ましい。
【0079】
エアロゾル発生システムは、使用中に通気空気が摂氏約50度未満の温度で通気空気吸込み口を通って混合チャンバーに入るように構成されることが好ましい。
【0080】
電気ヒーターは抵抗ヒーターを備えてもよい。抵抗ヒーターは、装置くぼみの上流端から装置くぼみの中に延びてもよい。カートリッジは、第一の区画と第二の区画との間に位置付けられた第三の区画を備えることが好ましく、第三の区画は、カートリッジ組立品の上流端が装置くぼみの中に受容されている時に抵抗ヒーターを受容するように構成されている。使用中に、コントローラーは、電源から第一の区画および第二の区画を加熱するための抵抗ヒーターへの電力の供給を制御する。
【0081】
電気ヒーターは誘導発熱体を備えてもよい。カートリッジは、第一の区画と第二の区画との間に位置付けられた第三の区画を備えることが好ましく、カートリッジは、第三の区画の中に位置付けられたサセプタ材料を備える。使用中に、コントローラーは、サセプタ材料を誘導加熱するために、電源から誘導発熱体への電力の供給を制御し、これは次いで第一の区画および第二の区画を加熱する。
【0082】
誘導発熱体は、装置くぼみの少なくとも一部分の周りに延びる少なくとも一つの誘導コイルを備えてもよい。誘導コイルは装置くぼみの周り完全に延びてもよい。誘導コイルは、複数の巻線で装置くぼみの周りに巻かれてもよい。
【0083】
誘導発熱体は少なくとも一つの平面誘導コイルを備えてもよい。各平面誘導コイルはフラットスパイラル誘導コイルを含むことが好ましい。
【0084】
本明細書で使用される「フラットスパイラル誘導コイル」は、概して平面のコイルであり、コイルの巻線の軸がコイルのある表面に対して垂直であるコイルを意味する。一部の実施形態において、フラットスパイラルコイルは、平坦なユークリッド平面内にあるという意味で、平面であってもよい。しかし、本明細書で使用される「フラットスパイラル誘導コイル」という用語は、曲面または他の三次元表面と一致する形状のコイルも網羅する。例えば、フラットスパイラルコイルは、円筒状ハウジングまたは装置のくぼみと一致する形状にされうる。その時フラットスパイラルコイルは「平面」であると言うことができるが、円筒面と一致し、コイルの巻線の軸はコイルの中心で円筒面に垂直である。フラットスパイラルコイルが円筒面または非ユークリッド平面と一致する場合、フラットスパイラルコイルはフラットスパイラルコイルの直径より大きいフラットスパイラルコイルの領域の曲率の半径を有する平面にあることが好ましい。
【0085】
カートリッジが第三の区画を備える実施形態において、第三の区画は開いた上流端および閉じた下流端を有することが好ましい。
【0086】
電源は再充電可能なリチウムイオン電池などの電池であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合がある。電源は、装置の一回以上の使用のために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は従来の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる典型的な時間に対応する約6分間、または6分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な生成を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、または不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0087】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生システムのカートリッジ組立品の断面図を示す。
【
図2】
図2は、
図1のカートリッジ組立品を含むエアロゾル発生システムの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0089】
図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生システムのカートリッジ組立品10を示す。
【0090】
カートリッジ組立品10は、第一のエアロゾル形成基体16を含有する第一の区画14と、第二のエアロゾル形成基体20を含有する第二の区画18とを画定するカートリッジ12を備える。第一のエアロゾル形成基体16はニコチン供与源を備え、また第二のエアロゾル形成基体20は酸供与源を備える。第一の区画14は、カートリッジ12の上流端23にある第一の空気吸込み口22およびカートリッジ本体12の下流端25にある第一の空気出口24を備える。第二の区画18は、第二の空気吸込み口26および第二の空気出口28を備える。
【0091】
カートリッジ12はまた、第一の区画14と第二の区画18との間に位置付けられた第三の区画30を画定する。第三の区画30は、その上流端で開いていて、その下流端で閉じている。
【0092】
カートリッジ組立品10は、カートリッジ12の下流端が締まり嵌めによって受容されているカートリッジホルダー32をさらに備える。カートリッジ組立品10はまた、カートリッジホルダー32の下流端が締まり嵌めによって受容されているマウスピース34を備える。
【0093】
マウスピース34は、複数の通気空気吸込み口38およびマウスピース空気出口40を画定するマウスピースハウジング36を備える。混合チャンバー42は、カートリッジ12の下流端25とマウスピース空気出口40との間に画定されていて、通気空気吸込み口38は混合チャンバー42と流体連通している。
【0094】
図2は、カートリッジ組立品10およびエアロゾル発生装置52を備えるエアロゾル発生システム50を示す。エアロゾル発生装置52は、
図2に示す通り、カートリッジ組立品10の上流端を受容するための装置くぼみ56を画定する装置ハウジング54を備える。エアロゾル発生システム50は、カートリッジ組立品10の上流端が装置くぼみ56の中に受容されている時に、通気空気吸込み口38が装置くぼみ56の中に位置付けられていて、かつ通気空気吸込み口38の上にある装置くぼみ56の内部表面58の一部分がカートリッジ組立品10から間隙を介していて、通気空気が装置くぼみ56を経由して通気空気吸込み口38に入ることを可能にするように構成されている。有利なことに、装置くぼみ56の中に通気空気吸込み口38を位置付けることは、エアロゾル発生システム50の使用中にユーザーの口が通気空気吸込み口38を遮ることを実質的に防止しうる。
【0095】
エアロゾル発生装置52は、主流空気が装置くぼみ56の上流端に入ることを可能にするために、システム空気吸込み口59をさらに備え、ここで主流空気は、第一の空気吸込み口22および第二の空気吸込み口26を通して第一の区画14および第二の区画18に入る。
【0096】
エアロゾル発生装置52はまた、電気ヒーター60と、電源62と、電源62から電気ヒーター60への電力の供給を制御するためのコントローラー64とを備える。電気ヒーター60は、装置くぼみ56の上流端にある装置くぼみ56の中に延びる抵抗ヒーターである。電源62は再充電可能電池である。カートリッジ組立品10の上流端が装置くぼみ56の中に受容されている時、電気ヒーター60は第三の区画30の中に受容されている。
【0097】
エアロゾル発生システム50の使用中、コントローラー64は、電気ヒーター60に給電するための、電源62から電気ヒーター60への電力の供給を制御する。電気ヒーター60は第一のエアロゾル形成基体16および第二のエアロゾル形成基体20を加熱する。
【0098】
ユーザーがマウスピース34を吸う時、主流空気は装置くぼみ56の上流端の中に引き出される。主流空気は、第一の空気吸込み口22および第二の空気吸込み口26を通って第一の区画14および第二の区画18に入る。主流空気が第一の区画14および第二の区画18を通って流れるにつれて、第一のエアロゾル形成基体16および第二のエアロゾル形成基体20からのニコチンベイパーおよび酸ベイパーは、主流空気中に同伴される。ニコチンベイパーおよび酸ベイパーを含有する主流空気はカートリッジ12の下流端で混合チャンバー42の中に流れ、ここでニコチンベイパーと酸ベイパーが反応してニコチン塩粒子を形成する。
【0099】
ユーザーがマウスピース34を吸う時、通気空気もエアロゾル発生システム50に入る。特に、通気空気は、装置くぼみ56の下流端および通気空気吸込み口38を経由して混合チャンバー42に入る。カートリッジホルダー32は、マウスピース34を加熱式カートリッジ12から断熱し、これによって混合チャンバー42に入る通気空気は、カートリッジ12から混合チャンバー42に入るニコチンベイパーおよび酸ベイパーより著しく低い温度にある。
【0100】
混合チャンバー42内で、通気空気はニコチンベイパーおよび酸ベイパーから形成されたニコチン塩粒子と混合して、ユーザーに送達するためのエアロゾルを形成する。エアロゾルは、マウスピース空気出口40を経由して混合チャンバー42の外に流れる。