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特許7150843手術台の為に提供されると共に片手で移動可能なヘッドプレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】手術台の為に提供されると共に片手で移動可能なヘッドプレート
(51)【国際特許分類】
   A61G 13/12 20060101AFI20221003BHJP
   A61G 13/00 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
A61G13/12 A
A61G13/00 R
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020526232
(86)(22)【出願日】2018-11-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-12
(86)【国際出願番号】 EP2018081571
(87)【国際公開番号】W WO2019096999
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-08-18
(31)【優先権主張番号】102017127177.5
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513242656
【氏名又は名称】マッケ・ゲゼルシャフトミットベシュレンクターハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【弁理士】
【氏名又は名称】柱山 啓之
(72)【発明者】
【氏名】カッツェンシュタイン,ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ガイザー,インマヌエル
(72)【発明者】
【氏名】シュレーター,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】デル・アルカサル・フォン・ブッフバルト,ロドリゴ
(72)【発明者】
【氏名】クリッケベルク,トーマス
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-522649(JP,A)
【文献】特表2010-540106(JP,A)
【文献】米国特許第06594839(US,B1)
【文献】特開2002-000674(JP,A)
【文献】特開平07-313562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 13/00-13/12
A47C 7/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術台(30)の為の複数パーツ移動可能ヘッドプレート(1)であって、
前記手術台(30)に前記ヘッドプレート(1)をリリース可能に連結する為の連結設備(2)を含み、
前記ヘッドプレート(1)を位置調整する為の位置調整セグメント(3)を含み、前記位置調整セグメント(3)は、前記連結設備(2)に、旋回をロックする事が出来る第1のジョイント設備(5)を介して旋回可能に接続する事が出来、
患者の頭部をサポートする為のヘッドサポートセグメント(4)を含み、前記ヘッドサポートセグメント(4)は、前記位置調整セグメント(3)に、旋回をロックする事が出来る第2のジョイント設備(6)を介して旋回可能に接続する事が出来、
前記第1のジョイント設備(5)と前記第2のジョイント設備(6)の両方をアンロックする為のアンロックデバイス(24)を含み、前記アンロックデバイス(24)は、a)使用者によって前記アンロックデバイス(24)を動かす為の動作デバイス(23)と、b)前記第1のジョイント設備(5)をアンロックする為の第1のアンロック機構(25)と、を有し、前記第1のアンロック機構(25)は、前記第1のジョイント設備(5)に前記動作デバイス(23)を機械的に連結し、前記第1のアンロック機構(25)は、移動可能連結デバイス(15)を含み、
前記動作デバイス(23)は、前記ヘッドサポートセグメント(4)に配置され、前記ヘッドサポートセグメント(4)から始まり、前記連結デバイス(15)は、前記動作デバイス(23)から前記第2のジョイント設備(6)に及び、アンロック状態では、前記ヘッドサポートセグメント(4)が各角度位置で前記位置調整セグメント(3)に対して旋回する事が出来る位置を採る
事を特徴とするヘッドプレート(1)。
【請求項2】
前記連結デバイス(15)は、前記動作デバイス(23)から離れた第1の旋回点(P)廻りに回転可能であり、前記アンロック状態の前記連結デバイス(15)の位置では、前記第1の旋回点(P)が前記第2のジョイント設備(6)の旋回軸(B)に位置する
請求項1に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項3】
前記アンロック状態の前記連結デバイス(15)は、前記第2のジョイント設備(6)の旋回軸(B)に対して径方向に位置合わせする事が出来る
請求項1又は2に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項4】
前記第1のアンロック機構(25)は、前記第1のジョイント設備(5)と前記第2のジョイント設備(6)との間に調整可能にマウントされると共に前記連結デバイス(15)を介して前記動作デバイス(23)に接続する事が出来るリリースエレメント(13)を更に含む
請求項1乃至3の何れか一項に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項5】
前記連結デバイス(15)は、前記第1の旋回点(P)を介して前記リリースエレメント(13)に旋回可能に関節で繋がれる
請求項2を引用する請求項4に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項6】
前記連結デバイス(15)は、前記第1のジョイント設備(5)をアンロックする為に、前記動作デバイス(23)の回転移動を前記リリースエレメント(13)の並進移動に変換する
請求項4又は5に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項7】
前記リリースエレメント(13)は、前記第1のジョイント設備(5)に割り当てられた第1の端部分(13.1)と、前記第2のジョイント設備(6)に割り当てられた第2の端部分(13.3)と、を含み、前記第1の端部分(13.1)は、ラッチエレメントとして設計され、前記第2の端部分(13.3)は、旋回ジョイント(P)を介して前記連結デバイス(15)に接続される
請求項4乃至6の何れか一項に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項8】
前記アンロックデバイス(24)は、前記第2のジョイント設備(6)をアンロックする為の第2のアンロック機構(31)を有し、前記第2のアンロック機構(31)は、一方が前記位置調整セグメント(3)に形成され、他方が前記動作デバイス(23)に形成された相補的なラッチエレメントを有する
請求項1乃至7の何れか一項に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項9】
前記第2のアンロック機構(31)では、前記位置調整セグメント(3)に形成されたロックエレメントが歯列弓(20)の形をしており、前記歯列弓(20)は、前記第2のジョイント設備(6)の旋回軸(B)と同軸に配置される
請求項8に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項10】
前記アンロックデバイス(24)は、前記動作デバイス(23)の故意でない動作を妨げる為に、ロック状態の前記動作デバイス(23)の位置をブロックする為のブロックデバイス(22)を更に含む
請求項1乃至9の何れか一項に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項11】
前記ブロックデバイス(22)は、前記動作デバイス(23)に回転可能にマウントされ、それを2つの不連続なラッチ位置の間、即ち、前記動作デバイス(23)をブロックする為の第1のラッチ位置と前記動作デバイス(23)をリリースする為の第2のラッチ位置との間で切り換える事が出来る様に設計される
請求項10に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項12】
前記ブロックデバイス(22)は、前記動作デバイス(23)を選択的にブロック又はリリースする為に、ブロックばね(26)と協働する
請求項10又は11に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項13】
前記アンロックデバイス(24)は、前記第1のジョイント設備(5)と前記第2のジョイント設備(6)の両方を同時にアンロックすると共に再びロックする為に使用する事が出来る様に設計される
請求項1乃至12の何れか一項に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項14】
前記アンロックデバイス(24)は、前記第1のジョイント設備(5)と前記第2のジョイント設備(6)とをシーケンシャルにアンロックすると共に再びロックする為に使用する事が出来る様に設計される
請求項1乃至12の何れか一項に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項15】
前記動作デバイス(23)は、前記ヘッドサポートセグメント(4)の反対側に夫々配置された2つの動作エレメント(19)と、同期エレメントと、を含み、前記同期エレメントによって、一方の前記動作エレメント(19)の移動が他方の前記動作エレメント(19)に伝達される
請求項1乃至14の何れか一項に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項16】
前記同期エレメントは、切り換えチューブ(17)である
請求項15に記載のヘッドプレート(1)。
【請求項17】
前記ブロックデバイス(22)は、前記切り換えチューブ(17)に同軸に配置された切り換えロッド(27)を含む
請求項10乃至12の何れか一項を引用する請求項15を引用する請求項16に記載のヘッドプレート(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、請求項1のプリアンブルに従った手術台の為の複数パーツ移動可能ヘッドプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
手術中に、患者は、彼の背部、腹部又は側部で手術台に横たわっている。彼の頭部は、手術台に取り付けられたヘッドプレートによってサポートする事が出来る。
【0003】
幾つかの手術直前に、患者は、麻酔をかけられ、人工呼吸器に接続されなければならない。この目的の為に、麻酔医は、挿管の為に仰臥位に位置調整された患者の頭部を伸ばさなければならない。これはヘッドプレートを下方に折り畳む事によって達成する事が出来る。患者の頭部を出来る限り優しく位置調整する為に、麻酔医は、彼の空いた手でヘッドプレートをアンロックし、角度調整し、確実に固定する間に、片手で頚部の領域で頭部をサポートするべきである。
【0004】
特に、頭部の配置が目標とされた方式で何度か位置調整されると共に固定されなければならない神経外科介入の場合には、振動を伴わずに移動させる事が出来ると共に確実に固定する事が出来る調整可能なヘッドプレートが必要とされる。同様に、これ以降で使用者とも指称される外科医又は看護師が、ヘッドプレートの傾きを調整し、次に、それを固定する為に片手を使用している間に、患者の頭部をサポートする事が出来るならば、腹臥位及び側臥位で横たわる為に有利である。
【0005】
ヘッドプレートの既存のジョイント設備の為に片側でブロックされるジョイントを有する移動可能なヘッドプレートは、従来技術によって知られている。この目的の為に、ヘッドプレートの両側又は遠位端から中央の何れかで操作する事が出来るマニュアルリリース可能な気体バネは、1つのジョイントヘッドプレートで頻繁に使用される。片手でヘッドプレートを旋回させる為に相当な人力が必要とされない様に、ヘッドプレートの重量が気体バネの使用によって相殺される。然し乍ら、その様な解決策は、2パーツヘッドプレートの為に知られていない。気体バネのサイズにより、ヘッドプレートが片側に取り付けられた気体バネによって主に構成され、負荷下でのヘッドプレートの剛性に否定的な影響を及ぼす。
【0006】
複数パーツヘッドプレートの安定性を向上させる為に、ジョイントブロック機構が両側で使用される。この目的の為に、従来は、3つのロータリジョイントと、ジョイントロック機構を有する1つのスライドジョイントと、を夫々有する4バージョイントを有するヘッドプレートの使用が知られている。幾つかのヘッドプレートでは、2つの4バージョイントが使用され、スラストジョイントがブロック可能なスピンドルナットを有するスピンドルによってヘッドプレートの反対側で固定されている間に、スラストジョイントが気体バネによってブロックされる。
【0007】
基本的には、然し乍ら、連結ギアとラッチ可能なスラストジョイントとによって実現されたピボットジョイントブロック機構は、存在する死点配置により調整可能な角度範囲が制限された限度に制限される。
【0008】
この問題を回避する為に、従来技術では、径方向又は軸方向に動作する嵌合エレメント又は摩擦係合エレメントによって連結機能を実現する解決策が知られている。
【0009】
経験では、然し乍ら、ヘッドプレートの異なるブロック機構の操作及び同期が困難である事が示される。幾つかのマニュアル操作されるブロック機構及びロック機構を使用する時に、各制御ユニットの混同を除外する事が出来ず、操作中にジョイントの故意でないアンロックのリスクが存在する。また、幾つかの別々に操作されるブロック機構を有する解決策は人間工学的に不利である。
【0010】
この問題は、全ジョイントの回転を同時に固定又はリリースする1つの制御エレメントを有するヘッドプレートの場合には排除される。その様な一般的なヘッドプレートは、例えば、図1に示される。この従来知られている2ジョイントヘッドプレート1’は、第2のヘッドプレートセグメント(キャリアプレート8’)を第1のヘッドプレートセグメント(フレーム7’)に対して回転させる為に第2のロータリジョイント3’が使用されている間に、第1のヘッドプレートセグメント7’を手術台4’の横たわり面に対して位置調整すると共に低下させる為に使用される第1のロータリジョイント2’を含む。このヘッドプレートは、クロウ9’を有する2つの単一クランプ10’によって手術台4’の別のセグメントに連結させる事が出来る。
【0011】
角度を相互に設定する事が出来る2つのセグメント7’及び8’の回転をリリースし、ラッチする為に、図1に示されたヘッドプレート1’では、フレーム7’の外縁区域に対して中央に取り付けられたトグル5’の形をしている1つの動作エレメントが提供される。2つの回転軸A’及びB’のジョイント2’及び3’は、ケーブルプル(不図示)によってアンロックされる嵌合ブロックを有する。ジョイントのアクティブなリリースは、従って、トグル5’のボーデンケーブルを同期的に動作させる事によって制御する事が出来る。ボーデンケーブルコアの屈曲力が回避され、早過ぎる破損を防ぐ為に純粋な引張力のみが伝達される事が重要である。既知のヘッドプレート1’のボーデンケーブルは、スプリングサポートによってマウントされ、ラッチエレメントのアクティブな離脱を許容するが、ラッチエレメントの係合を許容しない。アンロック機構のその様な設計は、構造的に非常に複雑であり、捻り耐性が無い。更に、それは増加された摩擦及びレバレッジにより増加された負担と、複雑な組み立て及び調整と、を必要とする。
【0012】
ヘッドプレート1’のジョイント2’及び3’のラッチ機構をリリースする為に、使用者は、別の手でキャリアプレート8’の望まれた高さ及び傾きを調整している間に、片手でトグル5’を回転させると共に保持しなければならない。これは、患者の頭部をサポートすると共にそれを制御されない移動から保護する為に自由な手をもはや残さない。
【0013】
従って、患者の頭部の微妙な位置調整は、個々の使用者によって手術中に制限された範囲でのみ可能である。これを可能にする為に、通常は、一人がヘッドプレートを操作すると共にそれを望まれた位置に至らせている間に、別の人が患者の頭部を持ち上げる。
【0014】
更に、従来技術によって既に知られたヘッドプレート1’を旋回させる時に、フレーム7’及びキャリアプレート8’とサイドスタンダードレール6’との間に彼の手を挟むという使用者にとってのリスクが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本開示は、従って、手術台に固定する為の複数パーツ移動可能ヘッドプレートを明示するという目的に基づき、複数パーツ移動可能ヘッドプレートによって、ヘッドプレートセグメントの望まれた位置の調整を、一人の単一使用者によって確実且つ便利に操作する事が出来る。
【0016】
本開示は、この目的を、請求項1の特徴を有するヘッドプレートによって達成する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
手術台の為の本開示に従った複数パーツ移動可能ヘッドプレートは、少なくとも1つの以下の構成を含む事が出来る。
-ヘッドプレートを手術台にリリース可能に連結する為の連結設備。
-ヘッドプレートを位置調整する為の位置調整セグメントであって、旋回をロックする事が出来る第1のジョイント設備を介して連結設備に旋回可能に接続する事が出来る位置調整セグメント。
-患者の頭部をサポートする為のヘッドサポートセグメントであって、旋回をロックする事が出来る第2のジョイント設備を介して位置調整セグメントに旋回可能に接続する事が出来るヘッドサポートセグメント。
-両方のジョイント設備をアンロックする為のアンロックデバイス。
【0018】
アンロックデバイスは、以下の構成を含む事が出来る。
a)使用者によってアンロックデバイスを動作させる為の動作デバイス。
及び/又は、b)動作デバイスを第1のジョイント設備に機械的に連結する事が出来る、第1のジョイント設備をアンロックする為の第1のアンロック機構であって、調整可能な連結デバイスを含む事が出来るアンロック機構。
【0019】
動作デバイスは、ヘッドサポートセグメントに配置する事が出来る。更に、ヘッドサポートセグメントから始まり、連結デバイスは、動作デバイスから第2のジョイント設備に延在する事が出来ると共に、アンロック状態では、位置調整セグメントに対するヘッドサポートセグメントの旋回が任意の角度位置で可能な位置を採る事が出来る。
【0020】
有利な別の発展は、下位請求項で規定される。
【0021】
幾つかの実施の形態では、ヘッドプレート連結デバイスは、動作デバイスから遠い第1の旋回点廻りに回転可能である。アンロック状態の連結デバイスの位置は、第2のジョイント設備の旋回軸に位置する第1の旋回点である。
【0022】
アンロック状態では、連結デバイスは、第2のジョイント設備の旋回軸に対して径方向に位置合わせする事が出来る。
【0023】
更に、第1のアンロック機構は、第1のジョイント設備と第2のジョイント設備との間に調整可能にマウントする事が出来ると共に、例えば、連結デバイスを介して動作デバイスに接続する事が出来るリリースエレメントを含む事が出来る。
【0024】
連結デバイスは、第1の旋回点を介してリリースエレメントに回転自在に関節で繋ぐ事が出来る。
【0025】
幾つかの実施の形態では、連結デバイスは、動作デバイスの回転運動を、第1のジョイント設備をアンロックする為のリリースエレメントの並進運動に変換する事が出来る。
【0026】
リリースエレメントは、第1のジョイント設備に割り当てられた第1の端部分と、第2のジョイント設備に割り当てられた第2の端部分と、を含む事が出来る。第1の端部分は、ラッチエレメントとして設計する事が出来る。第2の端部分は、旋回ジョイントを介して連結デバイスに接続する事が出来る。
【0027】
アンロックデバイスは、第2のジョイント設備をアンロックする為の第2のアンロック機構を有する事が出来る。第2のアンロック機構は、相補的な複数のラッチエレメントを有し、一方を位置調整セグメントに、他方を動作デバイスに形成する事が出来る。
【0028】
第2のアンロック機構では、位置調整セグメントに形成されたラッチエレメントは、歯列弓形状を有する事が出来ると共に、歯列弓は、回転軸と同軸に配置する事が出来る。
【0029】
更に、アンロックデバイスは、動作デバイスの故意でない動作を防ぐ為に、ロック状態の動作デバイスの位置をブロックする為のブロックデバイスを有する事が出来る。
【0030】
ブロックデバイスは、動作デバイスに回転自在にマウントする事が出来ると共に、2つの別々のラッチ位置、即ち、動作デバイスを固定する為の第1のラッチ位置と動作デバイスをリリースする為の第2のラッチ位置との間で切り換える事が出来る様に設計する事が出来る。
【0031】
ブロックデバイスは、ブロックバネによって動作デバイスを選択的に固定するか、又はリリースする様に協働する事が出来る。
【0032】
アンロックデバイスは、両方のジョイント設備を同時にアンロックすると共に再びロックする為に使用する事が出来る様に設計する事が出来る。
【0033】
代わりに、アンロックデバイスは、ジョイント設備を順々にアンロックすると共に再びロックする為に使用する事が出来る様に設計する事が出来る。
【0034】
動作デバイスは、ヘッドサポートセグメントの反対側に夫々配置する事が出来る2つの動作エレメントを含む事が出来る。それは、一方の動作エレメントの移動を他方の動作エレメントに伝達する事が出来る同期エレメントを更に含む事が出来る。
【0035】
このヘッドプレートの同期エレメントは、切り換えチューブとして設計する事が出来る。
【0036】
このヘッドプレートの幾つかの実施の形態では、ブロックデバイスは、切り換えチューブ内に同軸に配置された切り換えロッドを含む事が出来る。
【0037】
本開示に従ったヘッドプレートは、特に、第2のセグメント、即ち、ヘッドサポートセグメントの人間工学的に好都合な位置に、アンロックデバイスを動作させる為の動作デバイスが配置されるという点で特徴付けられる。結果的に、使用者は、一方の手で両方のジョイント設備のアンロックデバイスを操作する事が出来、同一の手で制御されない下降に対してヘッドサポートセグメントを同時に固定する事が出来、同一の手でヘッドプレートセグメントを旋回させる事が出来、しかる後、動作デバイスを手放さずに、又は動作手を変更せずに、それらを再び確実に固定する事が出来る。結果的に、使用者は、ヘッドサポート移動工程の全体に亘って、ヘッドサポートセグメントに一方の手を留めておく事が出来、同時にヘッドプレートの位置を支配すると共に空いた手で患者の頭部を固定する事が出来る。動作デバイスのその様な位置調整は、特に、ヘッドプレートの安全且つユーザフレンドリな取り扱いを保証する。特に、使用者がヘッドプレートセグメントを独立して片手で調整する事が出来るという点で有利である。
【0038】
ヘッドサポートセグメントの動作デバイスの人間工学的に有利な設備により、然し乍ら、第1のジョイント設備をアンロックする為のアンロック機構が第2のジョイント設備を超えてガイドされなければならないという機械的な問題が存在する。
【0039】
アンロック機構は、それが第2のジョイント設備の回転を害するその存在を伴わずに第1のジョイント設備をアンロックする事が可能な様に実現されなければならない。
【0040】
本開示によれば、これは特別な位置調整と連結デバイスの統合作用によって達成される。
【0041】
図1によって従来知られているヘッドプレート1’では、サポートプレート8’が旋回された時にボーデンケーブルが邪魔すると共に挟まれるので、フレーム7’からサポートプレート8’へのトグル5’の移動が容易に行えない。
【0042】
従って、本ヘッドプレートは、非常にユーザフレンドリ且つ単純設計を提供する。本開示に従ったアンロック機構は、曲げ及び捻りに対する耐性があり、構成が簡単であり、操作が非常に確実である。アクティブに離脱させる事が出来ると共にアクティブに係合させる事が出来る本ヘッドプレートのアンロック機構は特に有利である。
【0043】
如才なく提供されると共に配置された調整可能な連結デバイスを有する本開示に従った第1のジョイント設備のアンロック機構の構成は、任意の起こり得る角度位置で位置調整セグメントに対してヘッドサポートセグメントを旋回させ、任意の起こり得る角度位置でそれを固定する事を可能にする。本ヘッドプレートのアンロック機構は、摩擦嵌合である。
【0044】
幾つかの実施の形態では、然し乍ら、特に、嵌合によって、複数の手順で2つのヘッドプレートセグメントを固定する事が出来る様な方法でアンロック機構を設計する事は特に有利である。この場合には、望まれた面、例えば、水平面でのヘッドプレートの位置合わせは、使用者にとってより容易である。これは、同様に、ヘッドプレートが捻られた方式で固定される事を防ぎ、ロックされたジョイント設備の片側の負荷を制御する。
【0045】
操作エレメントは、有利には、手術台の中心面に対称的に構成されたヘッドプレートの実施の形態によってヘッドプレートの両側に実現する事が出来る。対応する同期によって、ヘッドプレートの一側の右手で、同様に、ヘッドプレートの他側の左手で操作エレメントを両方とも動かす事が出来る。従って、操作手は、一側から他側に変更する事が出来る。更に、ヘッドプレート操作は、右利き及び左利きの使用者にとって使い易い。
【0046】
本開示の実施の形態の一例は、図面に関連してより詳細に以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】先行技術によって既に知られている2パーツヘッドプレートの透視図を示す。
図2】本開示の実施の形態の一例を意味する、ヘッドサポートセグメントの水平開始位置に於ける複数パーツ移動可能ヘッドプレートの側面図を示す。
図3】ヘッドプレートセグメントの異なる移動位置に於ける図2のヘッドプレートの側面図を示す。
図4】ヘッドプレートセグメントの異なる移動位置に於ける図2のヘッドプレートの側面図を示す。
図5】ヘッドプレートセグメントの異なる移動位置に於ける図2のヘッドプレートの側面図を示す。
図6】ジョイント設備がロック状態であると共にアンロックデバイスがブロック状態である、手術台に接続された図2乃至5のヘッドプレートのアンロックデバイスの詳細透視図を示す。
図7】ジョイント設備がロック状態であると共にアンロックデバイスがアンブロック状態である図6のアンロックデバイスの詳細透視図を示す。
図8】ジョイント設備がアンロック状態であると共にアンロックデバイスがアンブロック状態である図6及び7のアンロックデバイスの別の詳細透視図を示す。
図9】動作エレメントの一部が明確性の為に省略され、動作デバイスの不活性化されたブロックを有するブロックデバイスの透視図を示す。
図10】動作エレメントの一部が明確性の為に省略され、動作デバイスの活性化されたブロックを有する図9のブロックデバイスの透視図を示す。
図11】ヘッドサポートセグメントのヘッドサポートエレメントが明確性の為に省略された図2乃至10のトッププレートの全体的な透視図を示す。
図12】ヘッドサポートセグメントのヘッドサポートエレメントが明確性の為に省略された図11のヘッドプレートの対称的な構造の平面図を示す。
図13】そのコンポーネントが右側及び左側に鏡対称に配置され、ブロックデバイスのスイッチロッドが視認可能である図11乃至12のヘッドプレートの透視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下の説明では、本開示の典型的な実施の形態が図面に関連して説明される。図面は、必ずしも一定の縮尺ではないが、各特徴を概略的に図示する事のみを意図する。
【0049】
説明された特徴及びコンポーネントは、それらが1つの実施の形態に関連して説明されたか否かと無関係に、相互に夫々組み合わされる事が出来る点に注意するべきである。各実施の形態の特徴の組み合わせは、単に、請求されたデバイスの基本構造及び動作モードを図示する役割を果たす。
【0050】
図2は、実施の形態としての本開示に従った複数パーツヘッドプレート1を示す側面図である。ヘッドプレート1は、手術中に手術台30(図6を参照)に横たわる患者の頭部をサポートする役割を果たす。
【0051】
図2に示された様に、ヘッドプレート1は、手術台に連結する為の連結設備2と、2つのヘッドプレートセグメント3及び4と、を含む。この場合には、第1のヘッドプレートセグメントは、ヘッドプレート1を位置調整する為の位置調整セグメント3として設計され、第2のヘッドプレートセグメントは、患者の頭部をサポートする為のヘッドサポートセグメント4として設計される。
【0052】
更に、ヘッドプレート1は、相互から離れて配置された回転軸A及びB(図2の2つの十字を参照)を夫々有する2つのジョイント設備5及び6を含む。位置調整セグメント3は、第1のジョイント設備5を介して連結設備2に旋回可能に接続され、ヘッドサポートセグメント4は、第2のジョイント設備6の回転軸B廻りに位置調整セグメント3に対して旋回させる事が出来る。
【0053】
ヘッドサポートセグメント4は、後に詳細に説明される動作デバイス23(図6を参照)と、例えば、パッド付きのヘッドサポートプレート10と、2つのサイドスライドレール8(1つのみが図2乃至5に示される)と、例えば、操作デバイス、呼吸チューブの為のチューブホルダ、又は点滴スタンドの様なアクセサリを取り付ける為の前位置マウントレール9と、を含む。
【0054】
連結設備2は、何れの場合でも、例えば、手術台30(図6乃至10及び13を参照)のサイドレールの一端に固定する為の2つのピンジョイント11を有する。幾つかの実施の形態では、ピンジョイント11は、断面「L字形状」を有する直角プロファイルを有する。例えば、連結設備2は、患者サポート面に対して垂直に指向された2つの連絡部分7と、実質的に水平な2つのピンジョイント11と、を含む事が出来る。
【0055】
図3乃至5は、ヘッドプレートセグメント3及び4の異なる角度位置の本開示に従ったヘッドプレート1の別の側面図を示す。
【0056】
本ヘッドプレート1は、回転軸A廻りの位置調整セグメント3の回転の第1の自由度による角度範囲α1及びα2の位置調整セグメントの移動と回転軸B廻りのヘッドサポートセグメント4の回転の第2の自由度による段階的に固定する事が出来る角度範囲βのヘッドサポートセグメントの移動とを可能にする。
【0057】
位置調整セグメント3は、ヘッドプレート1の移動されていない初期位置に配置する事が出来、傾斜角α1又は低下された傾斜角α2(図3及び4)によって、連結状態の高さ及び方向が患者サポート面(図2)の高さ及び方向と一致する。更に、ヘッドプレート1は、回転角度βによって移動する事が出来、ヘッドサポートセグメント4が位置調整セグメント3に対して第2のジョイント設備6の回転軸B廻りに旋回される。
【0058】
ヘッドプレート1の為のこれらの移動可能性は、問題を伴わずに手術中の患者の横位置調整を実現する事が出来るという利点を有する。この為に、(肩幅に依存する)患者の頭部は、頭部及び肩部筋力の最適な軽減を達成する為に、位置調整されたヘッドサポートセグメント4のボディサポート面の数センチメートル上に格納され、頭部の段階位置調整に対応する。
【0059】
図6乃至8は、図2乃至5のヘッドプレート1にマウントされた手術台30の内部構造を示す。2つのヘッドプレートセグメント3及び4、ジョイント設備5及び6、並びに動作及びブロックデバイス18、19及び22がヘッドプレート1の中央を通って長手方向に及ぶ平面に対して鏡対称に構成される事に注意するべきである。従って、明確性の為に、1つのヘッドプレート側のコンポーネントのみが図6乃至8に示される。
【0060】
図6は、2つのジョイント設備5及び6をアンロックする為のアンロックデバイス24を示す。これは、ヘッドサポートセグメント4に取り付けられ、使用者によってアンロックデバイス24を動かす役割を果たす動作デバイス23と、第1のジョイント設備5をアンロックする為の第1のアンロック機構25と、第2のジョイント設備6をアンロックする為の第2のアンロック機構31と、を含む。
【0061】
動作デバイス23は、ヘッドプレートの両側に、動作スリーブ19の形をしている動作エレメントと、それに堅く接続された切り換えプレート18と、切り換えチューブ17の形をしている同期エレメントと、を含み、切り換えプレート18は、動作スリーブ19と共に切り換えチューブ17の長手軸C廻りに旋回可能に夫々マウントされる。切り換えチューブ17は、ヘッドプレートの右側の動作スリーブ19にヘッドプレートの左側の動作スリーブ19を接続する(図11及び12を参照)。
【0062】
切り換えプレート18は、患者の頭部に対面する動作スリーブ19の側に夫々配置され、それが、第2のジョイント設備6に配置された受けエレメント16にこのジョイント設備6の径方向で係合する一端に、ラッチエレメント(不図示)を有する様に設計される。これは、軸B(図6)廻りのヘッドサポートセグメント4の回転を固定する。例えば、受けエレメント16は、位置調整セグメント3のアームa1及びa2に形成された円形状の歯付領域20で夫々構成される。
【0063】
切り換えプレート18のラッチエレメントは、それらが対応するラッチ溝の回転軸B及びCに垂直な平面で受けエレメント16の歯付領域20に係合する様に設計される。
【0064】
歯付領域又は歯列弓20を有する2つの受けエレメント16と2つの切り換えプレート18のラッチエレメントは、第2のアンロック機構31を共に形成する。
【0065】
第1のアンロック機構25は、第1のジョイント設備5に動作デバイス23を機械的に連結する。この目的の為に、それは、ヘッドプレート1の鏡対称な両側に、連結ロッドの機能を有する細長いリリースエレメント13と調整可能な連結デバイス15とを有する。各リリースエレメント13は、2つのジョイント設備5及び6の間の位置調整セグメント3のアームa1及びa2のガイドに移動可能にマウントされ、連結デバイス15を介して動作デバイス23の切り換えプレート18に接続される。幾つかの実施の形態では、連結デバイス15は、シート又はロッドの様な強剛部材として形成される。
【0066】
ヘッドサポートセグメント4から始まり、連結デバイス15は、動作デバイス23から第2のジョイント設備6に夫々及ぶ。特に、各連結デバイス15は、一端が切り換えプレート18の第2の旋回点Q廻りに旋回可能に関節で繋がれ、他端がリリースエレメント13の第1の旋回点P廻りに旋回可能に関節で繋がれる。
【0067】
図6に示されたヘッドプレート1のロックされた基本位置では、切り換えプレート18のラッチエレメントがアームa1及びa2の受けエレメント16の歯付領域20と係合する事によって、ヘッドサポートセグメント4のB軸廻りの回転が固定される。更に、調整可能な連結デバイス15がロック位置に存在する。ロック位置では、各連結デバイス15は、切り換えプレート18とリリースエレメント13との間に斜めに及ぶ。第1の旋回点Pは、第2のジョイント設備6の回転軸Bに対して径方向にオフセットされる。特に、第1の旋回点Pは、連結設備2の方向に回転軸Bに対して径方向に内側にオフセットされる。
【0068】
本実施の形態では、リリースエレメント13は、何れの場合でも第1のジョイント設備5にマウントされた歯列弓12とばね支援係合(H)するフォーク形状の歯付ピースとして設計される。更に、歯列弓12は、連結設備2に堅く接続される。従って、第1のジョイント設備5がロックされる。
【0069】
リリースエレメント13は、第1のジョイント設備5に割り当てられた第1の端部分13.1と、第2のジョイント設備6に割り当てられた第2の端部分13.3と、2つの端部分13.1及び13.3の間に延在するメインボディ13.2と、を夫々含み、例えば、角度がある。第1の端部分13.1は、歯付係合頭部を形成する。
【0070】
図8に示されたアンロック状態では、連結デバイス又は同様にテンションプレート15がアンロック位置に存在する。この位置では、第1の旋回点Pは、第2のジョイント設備6の旋回軸Bに位置する。
【0071】
更に、アンロックデバイス24は、回転軸C廻りの動作デバイス23の回転をブロックする為のブロックデバイス22を含む。ブロックデバイス22は、動作スリーブ19に回転可能にマウントされ、上部及び下部の不連続なラッチ位置の間で切り換える事が出来る様に設計される。これは、ジョイント設備5及び6の故意でないアンロックを防ぐ。ブロックデバイス22の機能は、図9及び10に示されると共に説明される。
【0072】
下部ラッチ位置(図6及び10)では、ブロックデバイス22は、ヘッドサポートセグメント4の一部であるジョイントプレートG下にヘッドプレート1の両側でブロックばね26を押す。ブロックばね26は、弾性領域で変形され、リーフスプリングに類似する。ブロックばね26は、動作スリーブ19の壁に回転不可能に接続されるので、動作デバイス23の旋回をブロックする事が出来る。
【0073】
上部ラッチ位置(図7乃至9)では、ブロックデバイス22がブロックばね26をリリースする。それらの弛緩位置では、もはやブロックばね26がジョイントプレートG下に存在しない。結果的に、動作デバイス23が軸C廻りに旋回する事が出来る。
【0074】
ブロックデバイス22は、第1のばねレセプタクル22.1を有する。ブロックばね26は、それらがジョイントプレートG下でクランプされるこれらのレセプタクルの底部ラッチ位置に着座する。更に、ブロックデバイス22は、第2のばねレセプタクル22.2を有する。ブロックばね26は、それらが弛緩される上部ラッチ位置でこれらのレセプタクルに配置される。ばねレセプタクル22.1及び22.2は、例えば、凹溝として設計される。特に、リリースレセプタクル22.2は、ブロックレセプタクル22.1よりも大きな溝である。
【0075】
ヘッドプレートセグメント3及び4を移動させる為に、ロッド形状スライドレール8の1つが片手で横から握られる。従って、使用者が1つの指でブロックデバイス22をアンブロックする事が出来ると共に、軸C廻りの動作デバイス23の回転がリリースされる(図7)。さて、使用者は、同一の手で隣接する動作スリーブ19を握り、それを位置調整セグメント3に対して回転軸C廻りに旋回させる。切り換えプレート18の結果的な回転移動は、第2のアンロック機構31を動かし、従って、第2のジョイント設備6をアンロックする。同時に、この回転移動は、連結デバイス15によって位置調整セグメント3の歯付ピース13の並進長手移動に変換される。この引っ張り移動は、ばねHのばね力に反対であり、回転軸A及びBに対して垂直に行われる。この様に、第1のアンロック機構25は、図6及び7に示された固定された基本位置から図8に図示されたリリース位置に移動される。
【0076】
連結デバイス15は、それらのロック位置からアンロック位置への引張力シフトに曝され、第2のジョイント設備6の連結デバイス15に対する歯付ピース13の接続点(即ち、第1の旋回点P)が回転軸Bに位置し、従って、位置調整セグメント3に対するヘッドサポートセグメント4の旋回が第1のジョイント設備5の任意の角度位置で可能である。本アンロックデバイス24のその様な構成は、2つのジョイント設備5及び6を同期してアンロック及びロックする事を可能にする。
【0077】
然し乍ら、幾つかの実施の形態によれば、アンロックデバイス24は、ジョイント設備5及び6をシーケンシャルにアンロックすると共に再びロックする為にそれを使用する事が出来る様に設計する事が出来る。例えば、2つのジョイント設備5及び6のロックシーケンスは、調整可能な連結デバイス15の形状によって影響を受ける。有利な実施の形態では、連結デバイス15は、切り換えプレート18と対面するその第2の端(旋回点Q)に細長い孔を有する事が出来る。細長い孔の少なくとも一端は、連結デバイス15を有する切り換えプレート18の接続エレメントの為のストッパを形成する事が出来、接続エレメントの径は、細長い孔の幅に対応する。
【0078】
更に、ジョイント設備5及び6をロック及びアンロックする時間的順序は、2つのジョイント設備5及び6の嵌合係合エレメントの異なる係合路によって制御する事が出来る。係合路は、例えば、各アンロック機構25及び31のラッチエレメントの長さによって決定する事が出来、反対のラッチ溝12及び20からラッチエレメントを完全に引き抜く事のみが各ジョイント設備5又は6のアンロックをもたらす。
【0079】
更に、図2乃至13に示されたアンロックデバイス24は異なる構成とする事が出来る。例えば、動作デバイス23は、2つのジョイント設備5及び6をアンロックする目的で、ブロックデバイス22と共にヘッドサポートセグメント4で位置調整する事が出来、それは旋回されないが、むしろ回転軸A及びBに対して垂直又は平行に移動される。
【0080】
本ヘッドプレート1の幾つかの実施の形態では、回転軸A及びBに対して平行な第2のアンロック機構31の並進外側及び内側移動は、回転軸A及びBに対して垂直な平面で第1のアンロック機構25の並進外側及び内側移動と組み合わせる事が出来る。
【0081】
別の実施の形態では、両方のアンロック機構25及び31の並進係合及び解放移動は、例えば、回転軸A及びBに対して平行に行う事が出来る。
【0082】
2つのジョイント設備5及び6のリリース後に、使用者は動作手でヘッドプレート1の角度を調整する事が出来る。彼が動作デバイス23をリリースすると直ちに、2つのジョイント設備5及び6の機構が自動的にロックする。これは、例えば、2つの戻しばね(F)の力によって行われる(図12を参照)。
【0083】
設備5及び6のロックは、例えば、ばね支援(ばねH)である。代わりに、圧力の行使によって使用者はジョイント設備5及び6をアクティブにロックする事が出来る。次に、使用者は、彼の親指によって下部ラッチ位置にブロックデバイス22を有利に移動させる事が出来る。
【0084】
このステップ後に、ヘッドプレートセグメント3及び4の移動が完了し、ヘッドプレート1がその新たな位置で確実にロックされる。
【0085】
その様なアンロック機構は、ヘッドプレート1の特にユーザフレンドリな取り扱いを保証し、アンロックデバイス24の故意でない動作を妨げる。
【0086】
図11乃至13は、ヘッドプレート1の鏡対称な設計を示す。ブロックデバイス22は、接続チューブ17(図13)にガイドされた切り換えロッド27を含む。幾つかの実施の形態では、切り換えロッド27は丸形状又は多角形状断面を有する事が出来、従って、例えば、チューブ又は六角形状として存在する事が出来る。
【0087】
切り換えロッド27は、ブロックデバイス22の2つの側を相互に接続する。従って、一方のブロックデバイス22を動かすと、他方は、それが切り換えロッド27を介して動かされた側に回転可能に堅く連結されるので、動かされた側の移動に従う。切り換えロッド27は、回転軸Cと同軸に位置合わせされる。更に、使用者がアンロックの目的で一側又は両側の何れかのヘッドプレート1を操作する事が出来る様に、動作スリーブ19が回転軸Cと同軸の接続チューブ17を介して相互に堅く接続される。
【0088】
本開示に従ったヘッドプレート1の設計によって、特に強剛且つ角移動可能なヘッドプレートを提供する為に、各ジョイント軸の為のジョイントブロックを両側で実現する事が出来る。更に、本開示は、ヘッドサポートセグメント4の両横端から同期して制御する事が出来るアンロックデバイス24を提供し、結果的に、ヘッドプレート位置の安全且つ人間工学的な調整が可能である。
【符号の説明】
【0089】
1’ ヘッドプレート
2’ 第1の回転ジョイント
3’ 第2の回転ジョイント
4’ 手術台
5’ トグル
6’ スタンダードレール
7’ フレーム
8’ キャリアプレート
9’ 爪
10’ 単一ブロック
1 ヘッドプレート
2 連結設備
3 位置調整セグメント
4 ヘッドサポートセグメント
5 第1のジョイント設備
6 第2のジョイント設備
7 接続部分
8 横スライドレール
9 前マウントレール
10 パッド付ヘッドサポートプレート
11 ピンジョイント
12 歯列弓
13 リリースエレメント
13.1 第1の端部分
13.2 メインボディ
13.3 第2の端部分
15 連結デバイス
16 受けエレメント
17 切り換えチューブ
18 切り換えプレート
19 動作スリーブ
20 歯付領域
22 ブロックデバイス
22.1 第1のばねレセプタクル
22.2 第2のばねレセプタクル
23 動作デバイス
24 アンロックデバイス
25 第1のリリース機構
26 ブロックばね
27 切り換えロッド
30 手術台
31 第2のアンロック機構
A及びA’ 回転軸
a1 第1のアーム
a2 第2のアーム
α1 プラス角度範囲
α2 マイナス角度範囲
B及びB’ 回転軸
β 角度範囲
C 長手軸
F 戻しばね
G ジョイントプレート
H ばね支援
P 旋回点
Q 旋回点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13