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特許7150845画像処理方法及び装置、電子機器並びに記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】画像処理方法及び装置、電子機器並びに記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06T 3/00 20060101AFI20221003BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
G06T3/00 770
G06T1/00 340B
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020527769
(86)(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-12
(86)【国際出願番号】 CN2018124320
(87)【国際公開番号】W WO2019227916
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2020-05-18
(31)【優先権主張番号】201810552993.1
(32)【優先日】2018-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321006888
【氏名又は名称】ベイジン・センスタイム・テクノロジー・デベロップメント・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼文▲韜▼
(72)【発明者】
【氏名】▲錢▼晨
【審査官】岡本 俊威
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-318204(JP,A)
【文献】特開2010-152871(JP,A)
【文献】特開2014-002445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00
G06T 3/00- 3/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理方法であって、前記画像処理方法は、
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の輪郭線及び前記目標対象の複数の領域を決定するステップと、
前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するステップであって、前記複数の目標画素点が、前記輪郭線にある第1の画素点及び前記輪郭線内側にある第3の画素点を含むステップと、
前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するステップと、
前記第1の調節パラメータ及び前記第2の調節パラメータに基づいて、前記被処理画像に対して調節処理を行って、調節後の画像を取得するステップと
を含み、
前記第1の調節パラメータは、前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅、前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を含み、前記第2の調節パラメータは、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を含み、
前記第2の画素点の第2の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第1の基準距離と負の相関であり、
前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅は、前記第3の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて決定される、画像処理方法。
【請求項2】
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の目標点を取得するステップであって、前記目標点が、前記輪郭線内側又は前記輪郭線にあり、前記第1の画素点に対応するステップを更に含み、
前記第1の画素点の第1の調節方向は、前記目標点に近接する方向、又は離れる方向を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するステップは
前記設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、各第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を決定するステッ
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するステップは、
前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、各第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するステップを含み、
又は、
第2の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するステップを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第3の画素点の第3の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第2の基準距離と負の相関である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離が前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離と等しい場合、前記第2の画素点の第2の調節幅が前記第3の画素点の第3の調節幅より小さい、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するステップは、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するステップ、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するステップの一方を含み、
前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するステップは、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するステップ、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するステップの一方を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
画像処理装置であって、前記画像処理装置は、
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の輪郭線及び前記目標対象の複数の領域を決定するための検出モジュールと、
前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するための第1の調節パラメータ決定モジュールであって、前記複数の目標画素点が、前記輪郭線にある第1の画素点及び前記輪郭線内側にある第3の画素点を含む第1の調節パラメータ決定モジュールと、
前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するための第2の調節パラメータ決定モジュールと、
前記第1の調節パラメータ及び前記第2の調節パラメータに基づいて、前記被処理画像に対して調節処理を行って、調節後の画像を取得するための画像処理モジュールと
を含み、
前記第1の調節パラメータは、前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅、前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を含み、前記第2の調節パラメータは、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を含み、
前記第2の画素点の第2の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第1の基準距離と負の相関であり、
前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅は、前記第3の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて決定される、画像処理装置。
【請求項9】
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の目標点を取得するための目標点取得モジュールであって、前記目標点が、前記輪郭線内側又は前記輪郭線にあり、前記第1の画素点に対応する目標点取得モジュールを更に含み、
前記第1の画素点の第1の調節方向は、前記目標点に近接する方向、又は離れる方向を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の調節パラメータ決定モジュールは
前記設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、各第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を決定するための第3の決定サブモジュー
を含む、請求項に記載の装置。
【請求項11】
第2の調節パラメータ決定モジュールは、
前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、各第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するための第5の決定サブモジュールを含み、
又は、
第2の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するための第6の決定サブモジュールを含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第3の画素点の第3の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第2の基準距離と負の相関である、請求項8~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離が前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離と等しい場合、前記第2の画素点の第2の調節幅が前記第3の画素点の第3の調節幅より小さい、請求項8~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
第1の調節パラメータ決定モジュールは、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するための第1の方向決定サブモジュール、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するための第2の方向決定サブモジュールの一方を含み、
第2の調節パラメータ決定モジュールは、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するための第3の方向決定サブモジュール、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するための第4の方向決定サブモジュールの一方を含む、請求項8~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されるプロセッサと、
プロセッサ実行可能コマンドを記憶するためのメモリと
を含む電子機器。
【請求項16】
コンピュータプログラムコマンドが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムコマンドがプロセッサによって実行されると、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行することを前記プロセッサに行わせる、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年5月31日に中国特許局に提出された、出願番号が201810552993.1であり、出願の名称が「画像処理方法及び装置、電子機器並びに記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、その開示の全てが参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、コンピュータ技術に関し、特に、画像処理方法及び装置、電子機器並びに記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
画像美化とは、コンピュータを用いて画像情報を加工して人の視覚心理又は使用上の要求を満足する行為である。一般的には、画像における人物を美しくして、痩せる等の効果を奏させる。関連技術において、画像における調節したい領域を選定して、調節パラメータを設定して、調節したい領域を調節して、痩せる等の効果を奏することができる。しかしながら、関連技術の調節手法を用いれば、画像の各領域に違和感が発生して奇形の画像を生成することがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は、画像処理方法及び装置、電子機器並びに記憶媒体を提供する。
【0005】
本願の一態様によれば、
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の輪郭線及び前記目標対象の複数の領域を決定するステップと、
前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するステップであって、前記複数の目標画素点が、前記輪郭線にある第1の画素点及び前記輪郭線内側にある第3の画素点を含むステップと、
前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するステップと、
前記第1の調節パラメータ及び前記第2の調節パラメータに基づいて、前記被処理画像に対して調節処理を行って、調節後の画像を取得するステップと、を含む画像処理方法を提供する。
【0006】
可能な一実施形態では、前記第1の調節パラメータは、前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅、前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を含み、前記第2の調節パラメータは、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を含む。
【0007】
可能な一実施形態では、前記方法は、
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の目標点を取得するステップであって、前記目標点が、前記輪郭線内側又は前記輪郭線にあり、前記第1の画素点に対応するステップを更に含み、
前記第1の画素点の第1の調節方向は、前記目標点に近接する方向、又は離れる方向を含む。
【0008】
可能な一実施形態では、前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するステップは、
前記設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を決定するステップと、
前記第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、各第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を決定するステップと、を含む。
【0009】
可能な一実施形態では、前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するステップは、
前記設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、各第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を決定するステップと、
第3の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を決定するステップと、を含む。
【0010】
可能な一実施形態では、前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するステップは、
前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、各第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するステップを含む。
【0011】
可能な一実施形態では、前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するステップは、
第2の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するステップを含む。
【0012】
可能な一実施形態では、前記第2の画素点の第2の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第1の基準距離と負の相関である。
【0013】
可能な一実施形態では、前記第3の画素点の第3の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第2の基準距離と負の相関である。
【0014】
可能な一実施形態では、前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離が前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離と等しい場合、前記第2の画素点の第2の調節幅が前記第3の画素点の第3の調節幅より小さい。
【0015】
可能な一実施形態では、前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するステップは、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するステップ、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するステップの一方を含む。
【0016】
可能な一実施形態では、前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するステップは、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するステップ、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するステップの一方を含む。
【0017】
本願の一態様によれば、
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の輪郭線及び前記目標対象の複数の領域を決定するための検出モジュールと、
前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するための第1の調節パラメータ決定モジュールであって、前記複数の目標画素点が、前記輪郭線にある第1の画素点及び前記輪郭線内側にある第3の画素点を含む第1の調節パラメータ決定モジュールと、
前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するための第2の調節パラメータ決定モジュールと、
前記第1の調節パラメータ及び前記第2の調節パラメータに基づいて、前記被処理画像に対して調節処理を行って、調節後の画像を取得するための画像処理モジュールと、を含む画像処理装置を提供する。
【0018】
可能な一実施形態では、前記第1の調節パラメータは、前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅、前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を含み、前記第2の調節パラメータは、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を含む。
【0019】
可能な一実施形態では、前記装置は、
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の目標点を取得するための目標点取得モジュールであって、前記目標点が、前記輪郭線内側又は前記輪郭線にあり、前記第1の画素点に対応する目標点取得モジュールを更に含み、
前記第1の画素点の第1の調節方向は、前記目標点に近接する方向、又は離れる方向を含む。
【0020】
可能な一実施形態では、前記第1の調節パラメータ決定モジュールは、
前記設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を決定するための第1の決定サブモジュールと、
前記第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、各第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を決定するための第2の決定サブモジュールと、を含む。
【0021】
可能な一実施形態では、前記第1の調節パラメータ決定モジュールは、
前記設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、各第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を決定するための第3の決定サブモジュールと、
第3の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を決定するための第4の決定サブモジュールと、を含む。
【0022】
可能な一実施形態では、第2の調節パラメータ決定モジュールは、
前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、各第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するための第5の決定サブモジュールを含む。
【0023】
可能な一実施形態では、第2の調節パラメータ決定モジュールは、
第2の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するための第6の決定サブモジュールを含む。
【0024】
可能な一実施形態では、前記第2の画素点の第2の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第1の基準距離と負の相関である。
【0025】
可能な一実施形態では、前記第3の画素点の第3の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第2の基準距離と負の相関である。
【0026】
可能な一実施形態では、前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離が前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離と等しい場合、前記第2の画素点の第2の調節幅が前記第3の画素点の第3の調節幅より小さい。
【0027】
可能な一実施形態では、第1の調節パラメータ決定モジュールは、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するための第1の方向決定サブモジュール、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するための第2の方向決定サブモジュールの一方を含む。
【0028】
可能な一実施形態では、第2の調節パラメータ決定モジュールは、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するための第3の方向決定サブモジュール、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するための第4の方向決定サブモジュールの一方を含む。
【0029】
本願の一態様によれば、
上記画像処理方法を実行するように構成されるプロセッサと、
プロセッサ実行可能コマンドを記憶するためのメモリと、を含む電子機器を提供する。
【0030】
本願の一態様によれば、コンピュータプログラムコマンドが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムコマンドがプロセッサにより実行されると、上記画像処理方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0031】
本願の実施例に係る画像処理方法及び装置、電子機器並びに記憶媒体は、選定された目標領域の目標画素点の第1の調節パラメータによって、目標領域の輪郭線外側の背景領域における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定し、第1の調節パラメータ及び第2の調節パラメータによって被処理画像を調節し、それによって目標領域を調節する時に背景領域を適応的に調節することができ、被処理画像における目標対象を調節する時に背景領域に与える影響が小さく、輪郭線内側の領域を調節する時の背景領域の奇形の発生が回避され、画像の背景領域は、変形が小さく、調節後の輪郭線内側の領域との繋がりがより自然になる。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の輪郭線及び前記目標対象の複数の領域を決定するステップと、
前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するステップであって、前記複数の目標画素点が、前記輪郭線にある第1の画素点及び前記輪郭線内側にある第3の画素点を含むステップと、
前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するステップと、
前記第1の調節パラメータ及び前記第2の調節パラメータに基づいて、前記被処理画像に対して調節処理を行って、調節後の画像を取得するステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法。
(項目2)
前記第1の調節パラメータは、前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅、前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を含み、前記第2の調節パラメータは、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を含むことを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目3)
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の目標点を取得するステップであって、前記目標点が、前記輪郭線内側又は前記輪郭線にあり、前記第1の画素点に対応するステップを更に含み、
前記第1の画素点の第1の調節方向は、前記目標点に近接する方向、又は離れる方向を含むことを特徴とする項目2に記載の方法。
(項目4)
前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するステップは、
前記設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を決定するステップと、
前記第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、各第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を決定するステップと、を含むことを特徴とする項目2又は3に記載の方法。
(項目5)
前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するステップは、
前記設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、各第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を決定するステップと、
第3の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を決定するステップと、を含むことを特徴とする項目2-4のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するステップは、
前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、各第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するステップを含むことを特徴とする項目2-5のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するステップは、
第2の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するステップを含むことを特徴とする項目2-6のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記第2の画素点の第2の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第1の基準距離と負の相関であることを特徴とする項目2-7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記第3の画素点の第3の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第2の基準距離と負の相関であることを特徴とする項目2-8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離が前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離と等しい場合、前記第2の画素点の第2の調節幅が前記第3の画素点の第3の調節幅より小さいことを特徴とする項目2-9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するステップは、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するステップ、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するステップの一方を含むことを特徴とする項目2-10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するステップは、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するステップ、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するステップの一方を含むことを特徴とする項目2-11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の輪郭線及び前記目標対象の複数の領域を決定するための検出モジュールと、
前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するための第1の調節パラメータ決定モジュールであって、前記複数の目標画素点が、前記輪郭線にある第1の画素点及び前記輪郭線内側にある第3の画素点を含む第1の調節パラメータ決定モジュールと、
前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するための第2の調節パラメータ決定モジュールと、
前記第1の調節パラメータ及び前記第2の調節パラメータに基づいて、前記被処理画像に対して調節処理を行って、調節後の画像を取得するための画像処理モジュールと、を含むことを特徴とする画像処理装置。
(項目14)
前記第1の調節パラメータは、前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅、前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を含み、前記第2の調節パラメータは、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を含むことを特徴とする項目13に記載の装置。
(項目15)
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の目標点を取得するための目標点取得モジュールであって、前記目標点が、前記輪郭線内側又は前記輪郭線にあり、前記第1の画素点に対応する目標点取得モジュールを更に含み、
前記第1の画素点の第1の調節方向は、前記目標点に近接する方向、又は離れる方向を含むことを特徴とする項目14に記載の装置。
(項目16)
前記第1の調節パラメータ決定モジュールは、
前記設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を決定するための第1の決定サブモジュールと、
前記第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、各第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を決定するための第2の決定サブモジュールと、を含むことを特徴とする項目14又は15に記載の装置。
(項目17)
前記第1の調節パラメータ決定モジュールは、
前記設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、各第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を決定するための第3の決定サブモジュールと、
第3の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を決定するための第4の決定サブモジュールと、を含むことを特徴とする項目14-16のいずれか一項に記載の装置。
(項目18)
第2の調節パラメータ決定モジュールは、
前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、各第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するための第5の決定サブモジュールを含むことを特徴とする項目14-17のいずれか一項に記載の装置。
(項目19)
第2の調節パラメータ決定モジュールは、
第2の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するための第6の決定サブモジュールを含むことを特徴とする項目14-18のいずれか一項に記載の装置。
(項目20)
前記第2の画素点の第2の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第1の基準距離と負の相関であることを特徴とする項目14-19のいずれか一項に記載の装置。
(項目21)
前記第3の画素点の第3の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第2の基準距離と負の相関であることを特徴とする項目14-20のいずれか一項に記載の装置。
(項目22)
前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離が前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離と等しい場合、前記第2の画素点の第2の調節幅が前記第3の画素点の第3の調節幅より小さいことを特徴とする項目14-21のいずれか一項に記載の装置。
(項目23)
第1の調節パラメータ決定モジュールは、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するための第1の方向決定サブモジュール、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するための第2の方向決定サブモジュールの一方を含むことを特徴とする項目14-22のいずれか一項に記載の装置。
(項目24)
第2の調節パラメータ決定モジュールは、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するための第3の方向決定サブモジュール、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するための第4の方向決定サブモジュールの一方を含むことを特徴とする項目14-23のいずれか一項に記載の装置。
(項目25)
項目1-12のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されるプロセッサと、
プロセッサ実行可能コマンドを記憶するためのメモリと、を含むことを特徴とする電子機器。
(項目26)
コンピュータプログラムコマンドが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムコマンドがプロセッサにより実行されると、項目1-12のいずれか一項に記載の方法を実現することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【0032】
以下、図面を参照しながら例示的な実施例について詳細に説明することにより、本願の他の特徴及び態様は明瞭になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
明細書に含まれ且つ明細書の一部を構成する図面は明細書と共に本願の例示的な実施例、特徴及び態様を示し、更に本願の原理を解釈するために用いられる。
図1】本願の実施例に係る画像処理方法のフローチャートを示す。
図2】本願の実施例に係る画像処理方法のフローチャートを示す。
図3】本願の実施例に係る画像処理方法のステップS12のフローチャートを示す。
図4】本願の実施例に係る画像処理方法のステップS12のフローチャートを示す。
図5】本願の実施例に係る画像処理方法のフローチャートを示す。
図6】本願の実施例に係る画像処理方法のフローチャートを示す。
図7】本願の実施例に係る調節幅と距離の関係の模式図を示す。
図8】本願の実施例に係る画像処理方法のフローチャートを示す。
図9】本願の実施例に係る画像処理方法のフローチャートを示す。
図10】本願の実施例に係る画像処理方法の適用の模式図を示す。
図11】本願の実施例に係る画像処理装置のブロック図を示す。
図12】本願の実施例に係る画像処理装置のブロック図を示す。
図13】例示的な一実施例により示された電子機器のブロック図である。
図14】例示的な一実施例により示された電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に図面を参照しながら本願の様々な例示的実施例、特徴および態様を詳細に説明する。図面における同じ符号は同じまたは類似する機能の要素を表す。図面において実施例の様々な態様を示したが、特に断らない限り、比例に従って図面を作る必要がない。
【0035】
ここの用語「例示的」とは、「例、実施例として用いられることまたは説明的なもの」を意味する。ここで「例示的」に説明したいかなる実施例も他の実施例より優れたものと理解すべきではない。
【0036】
また、本願の実施例をより効果的に説明するために、以下の具体的な実施形態において様々な具体的詳細を示す。当業者であれば、何らかの具体的詳細がなくなるにも関わらず、本願は同様に実施できるということを理解すべきである。いくつかの実施例では、本願の趣旨を強調するよう、当業者に既知の方法、手段、要素および回路に対する詳細な説明を省略する。
【0037】
図1は本願の実施例に係る画像処理方法のフローチャートを示す。図1に示すように、前記方法は、
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の輪郭線及び前記目標対象の複数の領域を決定するステップS11と、
前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するステップS12であって、前記複数の目標画素点が、前記輪郭線にある第1の画素点及び前記輪郭線内側にある第3の画素点を含むステップS12と、
前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するステップS13と、
前記第1の調節パラメータ及び前記第2の調節パラメータに基づいて、前記被処理画像に対して調節処理を行って、調節後の画像を取得するステップS14と、を含んでもよい。
【0038】
本願の実施例に係る画像処理方法は、選定された目標領域の目標画素点の第1の調節パラメータによって、目標領域の輪郭線外側の背景領域における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定し、第1の調節パラメータ及び第2の調節パラメータによって被処理画像を調節し、それによって目標領域を調節する時に背景領域を適応的に調節することができ、被処理画像における目標対象を調節する時に背景領域に与える影響が小さく、輪郭線内側の領域を調節する時の背景領域の奇形の発生が回避され、画像の背景領域は、変形が小さく、調節後の輪郭線内側の領域との繋がりがより自然になる。
【0039】
可能な一実施形態では、前記画像処理方法は、ユーザ側装置(User Equipment、UE)、携帯機器、ユーザ端末、端末、セル方式の携帯無線電話、無線電話、携帯情報端末(Personal Digital Assistant、PDA)、携帯型デバイス、計算装置、車載装置、ウエアラブル装置等の端末機器により実行してもよく、前記方法はプロセッサによりメモリに記憶されたコンピュータ読取可能コマンドを呼び出すことで実現してもよい。又は、端末機器又は画像取得装置(例えば、カメラ等)によって被処理画像を取得し、被処理画像をサーバに送信して、サーバによって前記方法を実行してもよい。
【0040】
可能な一実施形態では、ステップS11において、前記被処理画像は写真又はビデオストリーム中のビデオフレーム等を含んでもよい。前記目標対象は画像における人物、動物又は物体等の対象を含んでもよい。深層学習に基づく画像認識方法又はエッジ検出等の方法によって目標対象の輪郭線を認識し、目標対象の形状等の属性により目標対象の複数の領域を決定することができる。例えば、前記目標対象が人物であり、被処理画像を検出して被処理画像における人物の輪郭線を認識し、且つ前記人物の頭部領域、腕領域、胸部領域、腰部領域及び腿部領域等の画像領域を決定することができる。
【0041】
可能な一実施形態では、ステップS12において、上記領域から1つ又は複数の領域を選択して目標領域として調節することができる。前記設定パラメータに基づいて、局所変形法(local translation warps)等の画像調節方法を用いて目標領域における目標画素点を調節することができ、例えば、設定された目標領域の調節パラメータによって目標画素点の調節方向及び調節幅等のパラメータを決定し、調節方向及び調節幅等のパラメータに基づいて、前記局所変形法によって目標領域における目標画素点を調節することができる。目標領域の輪郭線におけるすべての第1の画素点を調節する(即ち、目標領域の輪郭線を調節する)と共に、輪郭線内側の第3の画素点を調節することができる。前記輪郭線から1つ又は複数の画素点を選択して第1の画素点とし、輪郭線内側において第1の画素点の周辺の事前設定範囲で幾つかの第3の画素点を選択し、第1の画素点及び第3の画素点を調節することもできる。
【0042】
例示的な例において、腰部領域を選択して調節し、即ち、腰部領域を前記目標領域とすることができ、前記調節は、腰部領域の輪郭線における第1の画素点及び腰部領域の輪郭線内側の第3の画素点を調節することを含んでもよく、例えば、腰部領域の輪郭線における第1の画素点を輪郭線内側方向へ調節し、第3の画素点を適応的に調節して、腰部リシェイプの効果を生じることができる。
【0043】
例示的な例において、腿部領域を選択して調節し、即ち、腿部領域を前記目標領域とすることができ、前記調節は、腿部の外輪郭線における第1の画素点及び腿部の内輪郭線における第1の画素点を調節し、内輪郭線と外輪郭線との間の輪郭線内側の第3の画素点を調節することを含んでもよい。例えば、腿部の外輪郭線における第1の画素点を内輪郭線の方向へ調節し、外輪郭線付近の第3の画素点を適応的に調節すると共に、腿部の内輪郭線における第1の画素点を外輪郭線の方向へ調節し、且つ内輪郭線付近の第3の画素点を適応的に調節して、腿部リシェイプの効果を生じることができる。外輪郭線における第1の画素点の調節幅は内輪郭線における第1の画素点の調節幅より大きくてもよい。
【0044】
可能な一実施形態では、前記第1の調節パラメータは、前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅、前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を含み、前記第2の調節パラメータは、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を含む。前記第1の調節方向は第1の画素点を調節する時の第1の画素点の調節方向であり、第1の調節幅は第1の画素点を調節する時の第1の画素点の調節幅であり、調節幅は移動する距離で表してもよく、例示的な例では、被処理画像において、調節幅は移動する画素の数量で表し、例えば、10画素の距離をもって左へ調節する。それに類似するように、第2の調節方向は第2の画素点を調節する時の第2の画素点の調節方向であり、第2の調節幅は第2の画素点を調節する時の第2の画素点の調節幅である。第3の調節方向は第3の画素点を調節する時の第3の画素点の調節方向であり、第3の調節幅は第3の画素点を調節する時の第3の画素点の調節幅である。
【0045】
図2は本願の実施例に係る画像処理方法のフローチャートを示す。図2に示すように、可能な一実施形態では、前記方法は、
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の目標点を取得するステップS15であって、前記目標点が、前記輪郭線内側又は前記輪郭線にあり、前記第1の画素点に対応するステップS15を更に含んでもよく、
前記第1の画素点の第1の調節方向は、前記目標点に近接する方向、又は離れる方向を含む。
【0046】
可能な一実施形態では、ステップS15において、被処理画像から目標点を決定することができ、前記目標点が前記第1の画素点に対応するものであり、前記第1の画素点を調節する時に、第1の画素点は目標点を目標として、目標点に近接するか、又は離れることができる。
【0047】
可能な一実施形態では、前記目標点が前記輪郭線内側にある。例示的な例において、目標領域が腰部領域であり、腰部領域の輪郭線を検出して腰部領域の2本の輪郭線を決定し、且つ2本の輪郭線における第1の画素点を決定することができる。更に、前記2本の輪郭線にはそれぞれ1つ又は複数の第1の画素点があり、2本の輪郭線における垂直方向の高さが同様である2つの第1の画素点の水平方向における中間点を目標点とする。例えば、被処理画像における腰部領域に対して左右の2本の輪郭線が検出され、そのように目標点が左右の2本の輪郭線の間の領域に位置してもよい。左側の輪郭線には垂直の高さが200画素である第1の画素点があり、右側輪郭線にも垂直の高さが200画素である第1の画素点があり、2つの画素点の水平方向の距離が200画素であり、上記2つの第1の画素点の水平方向の連結線における中間点を選択して目標点とすることができ、即ち、左側又は右側輪郭線における第1の画素点までの距離が100画素である画素点を上記目標点とすることができる。
【0048】
例示的な例において、前記目標領域が胸部領域であり、胸部領域の2本の輪郭線における垂直方向の高さが同様である2つの第1の画素点の水平方向における中間点を目標点とすることができる。例示的な例において、前記目標領域が腿部領域であり、腿部の外輪郭線における第1の画素点を調節する時に、内輪郭線にある垂直方向の高さが該第1の画素点と同様な第1の画素点を目標点とすることができ、腿部の内輪郭線における第1の画素点を調節する時に、外輪郭線にある垂直方向の高さが該第1の画素点と同様な第1の画素点を目標点とすることができる。本願は目標点の選択方法を限定するものではない。
【0049】
可能な一実施形態では、ステップS12において、前記第1の調節パラメータは第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を含んでもよい。前記第1の調節方向及び第1の調節幅は設定パラメータに基づいて決定された調節パラメータであってもよく、例えば、目標領域が腿部領域であり、腿部領域の目標画素点を調節することによって腿部リシェイプの効果を実現することができ、腿部領域の外輪郭線における第1の画素点の調節幅は20画素の距離をもって調節するようになり、調節方向は目標点に近接する方向であり、内輪郭線における第1の画素点の調節幅は10画素の距離をもって調節するようになり、調節方向は目標点に近接する方向であるように設定することができる。
【0050】
図3は本願の実施例に係る画像処理方法のステップS12のフローチャートを示す。図3に示すように、ステップS12は、
前記設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を決定するステップS121と、
前記第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、各第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を決定するステップS122と、を含んでもよい。
【0051】
可能な一実施形態では、ステップS121において、設定パラメータ及び前記目標点に基づいて第1の調節方向及び第1の調節幅を決定することができる。例示的な例において、選定された目標領域を調節する時に、設定パラメータ及び目標点に基づいて第1の画素点を調節することができ、例えば、目標領域が腰部であり、腰部リシェイプの効果を生じるために、20画素の距離をもって調節するように第1の画素点の第1の調節幅を決定し、第1の調節方向を目標点に近接する方向と決定することができる。
【0052】
可能な一実施形態では、ステップS122において、第1の調節幅に基づいて第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第3の画素点の第3の調節幅を決定することができる。例示的な例において、第1の画素点の周辺の事前設定範囲は、第1の画素点を円心とし第1の画素点と目標点との間の距離を半径とする円形領域における輪郭線内側に属する部分であってもよい。前記第3の画素点の調節幅は第1の画素点と第3の画素点との間の距離に関連してもよい。前記第3の画素点の第3の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第2の基準距離と負の相関である。即ち、第3の画素点と第1の画素点との間の距離が大きいほど、第3の画素点の第3の調節幅が小さい。
【0053】
例示的な例において、ある第1の画素点の調節幅により、該第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第3の画素点の調節幅を決定することができ、即ち、該第1の画素点の周辺の事前設定範囲で、第1の画素点までの距離が大きいほどの第3の画素点は、調節幅が小さい。例えば、第1の画素点の第1の調節幅として15画素の距離をもって調節する場合に、第1の画素点までの距離が10画素である第3の画素点の調節幅は10画素の距離をもって調節するようになり、第1の画素点までの距離が20画素である第3の画素点の調節幅は5画素の距離をもって調節するようになる等である。本願は調節幅を限定するものではない。
【0054】
図4は本願の実施例に係る画像処理方法のステップS12のフローチャートを示す。図4に示すように、前記第1の調節パラメータは前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を更に含む。ステップS12は、
前記設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、各第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を決定するステップS123と、
第3の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を決定するステップS124と、を含んでもよい。
【0055】
可能な一実施形態では、ステップS123において、設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、第1の調節方向及び第1の調節幅を決定することができる。例示的な例において、選定された第1の領域を調節する時に、設定パラメータ及び目標点に基づいて第1の画素点を調節することができ、例えば、第1の領域が腰部であり、腰部リシェイプの効果を生じるために、20画素の距離をもって調節するように第1の画素点の第1の調節幅を決定し、第1の調節方向を目標点に近接する方向と決定することができる。
【0056】
可能な一実施形態では、ステップS124において、第3の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節幅に基づいて、前記第3の画素点の第3の調節幅及び第3の調節方向を決定することができる。例示的な例において、第3の画素点と最も近い第1の画素点との距離が10画素であり、そのように第3の画素点の第3の調節幅は該第1の画素点の第1の調節幅のみにより決定可能である。前記第3の画素点の第3の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第3の画素点と該第1の画素点との間の距離である第2の基準距離と負の相関である。即ち、第3の画素点と第1の画素点との間の距離が大きいほど、第3の画素点の第3の調節幅が小さい。
【0057】
図5は本願の実施例に係る画像処理方法のフローチャートを示す。図5に示すように、ステップS12は、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するステップS125、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するステップS126の一方を含んでもよい。
【0058】
可能な一実施形態では、ステップS125又はステップS126により第3の調節方向を決定することができ、ステップS122又はステップS124により第3の調節幅を決定することができる。例示的な例において、前記第1の画素点は目標領域の輪郭線から選択された1つ又は複数の第1の画素点であってもよく、該第1の画素点の調節方向及び調節幅により該第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を決定することができる。ある第3の画素点が同時に2つ又は複数の第1の画素点の周辺の事前設定範囲内に位置する場合に、該第3の画素点の調節方向及び調節幅はそれぞれ前記2つ又は複数の第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて決定された第3の調節方向及び第3の調節幅のベクトル和である。例示的な例において、画素点の調節はベクトル演算規則により決定可能であり、第3の調節方向がベクトルの方向であり、第3の調節幅がベクトルの大小であり、それぞれ複数の第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて決定された複数の第3の調節方向及び第3の調節幅は、ベクトルの和を求めて、該第3の画素点の最終的な調節方向及び調節幅を決定することができる。第1の画素点の第1の調節幅及び第1の調節方向、第3の画素点の第3の調節幅及び第3の調節方向がすべて決定された時に、これらの第1の調節パラメータに基づいて目標領域内の目標画素点を調節することができる。
【0059】
例示的な例において、前記目標領域が腰部領域であり、設定パラメータに基づいて、腰部領域の輪郭線における第1の画素点の第1の調節幅及び第1の調節方向を決定することができ、例えば、第1の調節幅として20画素の距離をもって調節し、第1の調節方向が目標点に近接する方向であり、腰部リシェイプの効果を生じる。輪郭線内側の第3の画素点のうち、例えば、ある第3の画素点が2つの第1の画素点の周辺の事前設定範囲内に位置し、該第3の画素点とそのうちの1つの第1の画素点との距離が10画素であり、該距離と該第1の画素点の第1の調節幅及び第1の調節方向により、10画素の距離をもって調節するように該第3の画素点の第3の調節幅を決定し、第3の調節方向を該第1の画素点に対応する目標点に近接する方向と決定することができる。更に、該第3の画素点とまた1つの第1の画素点との距離が20画素であり、該距離と前記のまた1つの第1の画素点の第1の調節幅及び第1の調節方向により、5画素の距離をもって調節するように該第3の画素点の第3の調節幅を決定し、第3の調節方向を前記のまた1つの第1の画素点に対応する目標点に近接する方向と決定することができる。該第3の画素点の最終的な調節幅及び調節方向はベクトル演算規則により決定可能であり、即ち、上記2つの第3の調節方向及び第3の調節幅にそれぞれに対応するベクトルの構成するベクトル和を計算する。
【0060】
可能な一実施形態では、第3の画素点の第3の調節幅及び第3の調節方向は最も近い第1の画素点のみにより決定することができ、例示的な例において、第3の画素点と最も近い第1の画素点との距離が10画素であり、そのように第3の画素点の第3の調節幅及び第3の調節方向は該第1の画素点の第1の調節幅及び第1の調節方向のみにより決定可能であり、例えば、該第1の画素点の第1の調節幅は15画素の距離をもって調節するようになり、第1の調節方向は該第1の画素点に対応する目標点に近接する方向であり、そのように第3の画素点の第3の調節幅は10画素の距離をもって調節するようになり、第3の調節方向は該第1の画素点に対応する目標点に近接する方向である。
【0061】
このような形態によれば、目標領域における目標画素点を調節する時に、目標領域輪郭線内部の第3の画素点を調節することができ、また、輪郭線内側の第3の画素点の調節方向が輪郭線における第1の画素点の調節方向に適応したものであり、輪郭線内側の領域を全体として調節することが可能になり、被処理画像の目標領域に奇形が発生することが回避され、画像の輪郭線内側領域の調節をより自然にすることができる。
【0062】
可能な一実施形態では、ステップS13において、目標領域を調節する時に、輪郭線における第1の画素点及び輪郭線内側の第3の画素点を調節することに加えて、第1の調節パラメータに基づいて輪郭線外側の第2の画素点の第2の調節パラメータを決定することができ、それによって輪郭線外側の背景領域における第2の画素点を調節し、背景領域に与える影響が小さく、画像に奇形が発生することが回避される。
【0063】
図6は本願の実施例に係る画像処理方法のフローチャートを示す。図6に示すように、ステップS13は、
前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、各第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するステップS131を含んでもよい。
【0064】
可能な一実施形態では、第1の画素点の第1の調節幅に基づいて第2の画素点の第2の調節幅を決定することができる。第2の画素点の第2の調節幅は第2の画素点と第1の画素点との間の距離に関連してもよい。前記第2の画素点の第2の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第1の基準距離と負の相関である。即ち、第2の画素点と第1の画素点との間の距離が大きいほど、第2の画素点の調節幅が小さい。例えば、第1の画素点の第1の調節幅として20画素の距離をもって調節する場合に、第1の画素点までの距離が10画素である第2の画素点の調節幅は5画素の距離をもって調節するようになり、第1の画素点までの距離が20画素である第2の画素点の調節幅は2画素の距離をもって調節するようになる等である。本願は調節幅を限定するものではない。
【0065】
図7は本願の実施例に係る調節幅と距離の関係の模式図を示す。図7における実線は前記輪郭線内側の第3の画素点の第3の調節幅と第2の基準距離(即ち、第3の画素点と第1の画素点との間の距離)との間の関係を表し、図7に示すように、第2の基準距離が大きいほど、第3の画素点の第3の調節幅が小さい。図における点線は前記輪郭線外側の第2の画素点の第2の調節幅と第1の基準距離(即ち、第2の画素点と第1の画素点との間の距離)との間の関係を表し、図7に示すように、第1の基準距離が大きいほど、第2の画素点の第2の調節幅が小さい。
【0066】
可能な一実施形態では、前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離が前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離と同様である場合に、前記第2の画素点の第2の調節幅が前記第3の画素点の第3の調節幅より小さい。即ち、輪郭線外側の第2の画素点及び輪郭線内側の第3の画素点と第1の画素点との距離が同様である場合に、第2の画素点の第2の調節幅が第3の画素点の調節幅より小さい。例えば、輪郭線内側の第3の画素点と第1の画素点との間の距離が20画素であり、輪郭線外側の第2の画素点と第1の画素点との間の距離も20画素であり、そのように第3の画素点の第3の調節幅が第2の画素点の第2の調節幅より小さい。例えば、第1の画素点の第1の調節幅として20画素点の距離をもって調節し、第2の画素点及び第3の画素点と第1の画素点との間の距離がいずれも20画素であり、そのように第2の画素点の第2の調節幅は2画素点の距離をもって調節するようになり、第3の画素点の第3の調節幅は5画素点の距離をもって調節するようになる。本願は調節幅を限定するものではない。
【0067】
例示的な例において、第3の画素点の第3の調節幅は第3の画素点と第1の画素点との間の第2の基準距離の第1の関数であってもよく、該関数は単調減少関数であってもよく、即ち、第2の基準距離が大きいほど、第3の調節幅が小さい。第2の画素点の第2の調節幅は第2の画素点と第1の画素点との間の第1の基準距離の第2の関数であってもよく、該関数は単調減少関数であってもよく、即ち、第1の基準距離が大きいほど、第2の調節幅が小さい。例示的な例において、第2の関数の減少率が第1の関数の減少率より大きい。例えば、第2の関数は指数関数であってもよく、従って、第2の調節幅は第1の基準距離が増大するに伴って指数が逓減する。第1の関数は逆比例関数であってもよく、従って、第3の調節幅は第2の基準距離が増大するに伴って逓減する。本願は単調減少関数の種別を限定するものではない。
【0068】
このような形態によれば、輪郭線における画素点を調節する時に、輪郭線内側及び輪郭線外側の画素点を全体として調節することが可能になり、輪郭線内側の領域の調節効果が実現でき、また、輪郭線外側の背景領域に与える影響が小さく、それによって背景領域の変形が小さく、背景領域の奇形の発生が回避され、輪郭線内側と外側領域がより自然に繋がる。
【0069】
図8は本願の実施例に係る画像処理方法のフローチャートを示す。図8に示すように、ステップS13は、
第2の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するステップS132を含んでもよい。
【0070】
可能な一実施形態では、第2の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節幅に基づいて、前記第2の画素点の第2の調節幅を決定することができる。例示的な例において、第2の画素点に最も近い第1の画素点の距離は10画素であり、そのように第2の画素点の第2の調節幅は該第1の画素点の第1の調節幅のみにより決定可能である。前記第2の画素点の第2の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第2の画素点と該第1の画素点との間の距離である第1の基準距離と負の相関である。即ち、第2の画素点と第1の画素点との間の距離が大きいほど、第2の画素点の第2の調節幅が小さい。
【0071】
図9は本願の実施例に係る画像処理方法のフローチャートを示す。図9に示すように、ステップS13は、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するステップS133、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するステップS134の一方を含んでもよい。
【0072】
可能な一実施形態では、ステップS133又はステップS134により第2の画素点の第2の調節方向を決定することができ、ステップS131又はステップS132により第2の調節幅を決定することができる。即ち、第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、第2の調節方向は前記目標点に近接する方向であり、第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、第2の調節方向は前記目標点から離れる方向である。
【0073】
可能な一実施形態では、ある第2の画素点が同時に2つ又は複数の第1の画素点に近接する場合に、該第2の画素点の調節方向及び調節幅はそれぞれ前記2つ又は複数の第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて決定された第2の調節方向及び第2の調節幅のベクトル和である。例示的な例において、画素点の調節はベクトル演算規則により決定可能であり、第2の調節方向がベクトルの方向であり、第2の調節幅がベクトルの大小であり、それぞれ複数の第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて決定された複数の第2の調節方向及び第2の調節幅は、ベクトルの和を求めて、該第2の画素点の最終的な調節方向及び調節幅を決定することができる。第1の画素点の第1の調節幅及び第1の調節方向、第2の画素点の第2の調節幅及び第2の調節方向がすべて決定された時に、これらの調節パラメータに基づいて目標領域内の画素点を調節することができる。
【0074】
例示的な例において、目標領域が腰部領域であり、腰部領域を調節することができ、第1の調節パラメータ及び第2の画素点と第1の画素点との間の第1の基準距離により、腰部領域の輪郭線外側の第2の画素点の第2の調節幅及び第2の調節方向を決定することができる。例えば、第1の調節幅として20画素の距離をもって調節し、第1の調節方向が前記目標点に近接する方向であり、第2の画素点のうち、ある第2の画素点が2つの第1の画素点付近に位置し、そのように、その第2の調節パラメータは2つの第1の画素点の調節パラメータ及びそれぞれの2つの第1の画素点との間の距離により決定可能であり、例えば、該第2の画素点と1つの第1の画素点の第1の基準距離が10画素であり、また1つの第1の画素点との第1の基準距離が20画素である。前記1つの第1の画素点の第1の調節幅、第1の調節方向及び第2の画素点と該第1の画素点との間の距離により、2画素の距離をもって調節するように第2の画素点の第2の調節幅を決定し、第2の調節方向を該第1の画素点に対応する目標点に近接する方向と決定することができる。更に、第2の画素点とまた1つの第1の画素点との距離が10画素であり、該距離と前記のまた1つの第1の画素点の第1の調節幅及び第1の調節方向により、5画素の距離をもって調節するように該第2の画素点の第2の調節幅を決定し、第2の調節方向を前記のまた1つの第1の画素点に対応する目標点に近接する方向と決定することができる。該第2の画素点の最終的な調節幅及び調節方向はベクトル演算規則により決定可能であり、即ち、上記2つの第2の調節方向及び第2の調節幅にそれぞれに対応するベクトルの構成するベクトル和を計算する。
【0075】
可能な一実施形態では、第2の画素点の第2の調節幅及び第2の調節方向は最も近い第1の画素点のみにより決定可能であり、例示的な例において、第2の画素点と最も近い第1の画素点との距離が10画素であり、そのように第2の画素点の第2の調節幅及び第2の調節方向は該第1の画素点の第1の調節幅及び第1の調節方向のみにより決定可能であり、例えば、該第1の画素点の第1の調節幅として20画素の距離をもって調節し、第1の調節方向が該第1の画素点に対応する目標点に近接する方向である場合に、第2の画素点の第2の調節幅は5画素の距離をもって調節するようになり、第2の調節方向は該第1の画素点に対応する目標点に近接する方向である。
【0076】
このような形態によれば、目標領域における目標画素点を調節する時に輪郭線外側の背景領域を適応的に調節して、背景領域における第2の画素点の第2の調節方向を第1の画素点の調節方向に対応させることができ、背景領域と輪郭線内側領域が自然に繋がり、背景領域への影響が小さくなり、被処理画像の背景領域に奇形が発生することが回避される。
【0077】
可能な一実施形態では、ステップS14において、前記第1の調節パラメータ及び前記第2の調節パラメータに基づいて、被処理画像を調節して、調節後の画像を取得することができる。調節後の画像は腰部リシェイプ又は腿部リシェイプ等の効果を有している画像であってもよく、該画像の背景領域に与えられる影響が小さい。
【0078】
本願の実施例に係る画像処理方法は、選定された目標領域の目標画素点の第1の調節パラメータによって目標領域の輪郭線外側の背景領域における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定すると共に、輪郭線内側の第3の画素点を調節することができ、それによって、目標領域の輪郭線を調節する時に背景領域及び輪郭線内側の画素点を適応的に調節することができ、被処理画像における目標対象の輪郭線を調節する時に輪郭線内側及び外側領域を全体として調節することが可能になり、輪郭線外側の背景領域に与える影響が小さく、更に、輪郭線内側及び外側領域の画素点の調節方向がいずれも輪郭線における第1の画素点の調節方向に適応したものであり、それによって、背景領域と輪郭線内側領域が自然に繋がって、画像の奇形の発生が回避される。
【0079】
図10は本願の実施例に係る画像処理方法の適用の模式図を示す。図10に示すように、選定された目標領域が腿部領域であり、設定パラメータに基づいて、20画素の距離をもって調節するように腿部の外輪郭線における第1の画素点の第1の調節幅を決定し、外輪郭線における第1の画素点の調節方向をそれに対応する目標点に近接する方向と決定し、外輪郭線における第1の画素点の目標点を内輪郭線にある垂直方向の高さが第1の画素点と同様な第1の画素点と決定することができる。腿部領域の外輪郭線を調節する時に、腿部領域の内輪郭線を同時に調節して、画像の奇形を回避することができ、例えば、内輪郭線における第1の画素点の第1の調節幅は5画素の距離をもって調節するようになり、内輪郭線における第1の画素点の調節方向はそれに対応する目標点に近接する方向であり、内輪郭線における第1の画素点の目標点は外輪郭線にある垂直方向の高さが第1の画素点と同様な第1の画素点であるように設定することができる。
【0080】
可能な一実施形態では、第1の画素点を調節する時に、第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の輪郭線内側の第3の画素点を調節することができ、第3の画素点の第3の調節幅は第3の画素点と第1の画素点との間の距離と負の相関であり、即ち、第3の画素点と第1の画素点との間の距離が遠いほど、第3の画素点の調節幅が小さい。例示的な例において、第3の画素点と1つの第1の画素点との距離が10画素であり、該距離と該第1の画素点の第1の調節幅及び第1の調節方向により、10画素の距離をもって調節するように第3の画素点の第3の調節幅を決定し、第3の調節方向を該第1の画素点に対応する目標点に近接する方向と決定することができる。第3の画素点とまた1つの第1の画素点との距離が20画素であり、該距離と前記のまた1つの第1の画素点の第1の調節幅及び第1の調節方向により、5画素の距離をもって調節するように該第3の画素点の第3の調節幅を決定し、第3の調節方向を前記のまた1つの第1の画素点に対応する目標点に近接する方向と決定することができる。図10に示すように、第3の画素点の最終的な調節幅及び調節方向はベクトル演算規則により決定可能である。
【0081】
可能な一実施形態では、第3の画素点の第3の調節幅及び第3の調節方向は最も近い第1の画素点のみにより決定可能であり、例示的な例において、第3の画素点と最も近い第1の画素点との距離が10画素であり、そのように第3の画素点の第3の調節幅及び第3の調節方向は該第1の画素点の第1の調節幅及び第1の調節方向のみにより決定可能であり、例えば、該第1の画素点の第1の調節幅として20画素の距離をもって調節し、第1の調節方向が該第1の画素点に対応する目標点に近接する方向である場合に、第3の画素点の第3の調節幅は10画素の距離をもって調節するようになり、第3の調節方向は該第1の画素点に対応する目標点に近接する方向である。
【0082】
可能な一実施形態では、輪郭線外側の第2の画素点を調節する時に、第2の画素点と第1の画素点との距離により第2の画素点の第2の調節幅を決定することができ、第2の画素点の第2の調節幅は第2の画素点と第1の画素点との間の距離と負の相関であり、即ち、第2の画素点と第1の画素点との間の距離が遠いほど、第2の画素点の調節幅が小さい。例示的な例において、第2の画素点と1つの第1の画素点との距離が10画素であり、該距離と該第1の画素点の第1の調節幅及び第1の調節方向により、5画素の距離をもって調節するように第2の画素点の第2の調節幅を決定し、第2の調節方向を該第1の画素点に対応する目標点に近接する方向と決定することができる。第2の画素点とまた1つの第1の画素点との距離が20画素であり、該距離と前記のまた1つの第1の画素点の第1の調節幅及び第1の調節方向により、2画素の距離をもって調節するように該第2の画素点の第2の調節幅を決定し、第2の調節方向を前記のまた1つの第1の画素点に対応する目標点に近接する方向と決定することができる。図10に示すように、第4の画素点の最終的な調節幅及び調節方向はベクトル演算規則により決定可能である。
【0083】
可能な一実施形態では、第2の画素点の第2の調節幅及び第2の調節方向は最も近い第1の画素点のみにより決定可能であり、例示的な例において、第2の画素点と最も近い第1の画素点との距離が10画素であり、そのように第2の画素点の第2の調節幅及び第2の調節方向は該第1の画素点の第1の調節幅及び第1の調節方向のみにより決定可能であり、例えば、該第1の画素点の第1の調節幅として20画素の距離をもって調節し、第1の調節方向が該第1の画素点に対応する目標点に近接する方向である場合に、第2の画素点の第2の調節幅は5画素の距離をもって調節するようになり、第2の調節方向は該第1の画素点に対応する目標点に近接する方向である。
【0084】
可能な一実施形態では、更に目標領域に隣接する他の領域の画素点を適応的に調節して、調節後の画像の輪郭線を平滑にすることができる。
【0085】
図11は本願の実施例に係る画像処理装置のブロック図を示す。図11に示すように、前記画像処理装置は、
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の輪郭線及び前記目標対象の複数の領域を決定するための検出モジュール11と、
前記複数の領域のうちの目標領域に対して、設定パラメータに基づいて、前記目標領域における複数の目標画素点の第1の調節パラメータを決定するための第1の調節パラメータ決定モジュール12であって、前記複数の目標画素点が、前記輪郭線にある第1の画素点及び前記輪郭線内側にある第3の画素点を含む第1の調節パラメータ決定モジュール12と、
前記目標領域に対して、前記第1の調節パラメータに基づいて、前記輪郭線外側における第2の画素点の第2の調節パラメータを決定するための第2の調節パラメータ決定モジュール13と、
前記第1の調節パラメータ及び前記第2の調節パラメータに基づいて、前記被処理画像に対して調節処理を行って、調節後の画像を取得するための画像処理モジュール14と、を含む。
【0086】
可能な一実施形態では、前記第1の調節パラメータは、前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅、前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を含み、前記第2の調節パラメータは、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を含む。
【0087】
図12は本願の実施例に係る画像処理装置のブロック図を示す。図12に示すように、前記装置は、
被処理画像を検出して、前記被処理画像における目標対象の目標点を取得するための目標点取得モジュール15であって、前記目標点が、前記輪郭線内側又は前記輪郭線にあり、前記第1の画素点に対応する目標点取得モジュール15を更に含み、
前記第1の画素点の第1の調節方向は、前記目標点に近接する方向、又は離れる方向を含む。
【0088】
可能な一実施形態では、第1の調節パラメータ決定モジュール12は、
前記設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を決定するための第1の決定サブモジュール121と、
前記第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、各第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を決定するための第2の決定サブモジュール122と、を含む。
【0089】
可能な一実施形態では、第1の調節パラメータ決定モジュール12は、
前記設定パラメータ及び前記目標点に基づいて、各第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅を決定するための第3の決定サブモジュール123と、
第3の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、前記第3の画素点の第3の調節方向及び第3の調節幅を決定するための第4の決定サブモジュール124と、を含む。
【0090】
可能な一実施形態では、第1の調節パラメータ決定モジュール12は、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するための第1の方向決定サブモジュール125、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第3の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するための第2の方向決定サブモジュール126の一方を含む。
【0091】
可能な一実施形態では、前記第3の画素点の第3の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第2の基準距離と負の相関である。
【0092】
可能な一実施形態では、第2の調節パラメータ決定モジュール13は、
前記第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、各第1の画素点の周辺の事前設定範囲内の各第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するための第5の決定サブモジュール131を含む。
【0093】
可能な一実施形態では、第2の調節パラメータ決定モジュール13は、
第2の画素点に最も近い第1の画素点の第1の調節方向及び第1の調節幅に基づいて、前記第2の画素点の第2の調節方向及び第2の調節幅を決定するための第6の決定サブモジュール132を含む。
【0094】
可能な一実施形態では、第2の調節パラメータ決定モジュール13は、
前記第1の調節方向が前記目標点に近接する方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点に近接する方向と決定するための第3の方向決定サブモジュール133、
前記第1の調節方向が前記目標点から離れる方向である場合、前記第2の調節方向を前記目標点から離れる方向と決定するための第4の方向決定サブモジュール134の一方を含む。
【0095】
可能な一実施形態では、前記第2の画素点の第2の調節幅は、前記第1の調節幅より小さく、前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離である第1の基準距離と負の相関である。
【0096】
可能な一実施形態では、前記第2の画素点と前記第1の画素点との間の距離が前記第3の画素点と前記第1の画素点との間の距離と等しい場合、前記第2の画素点の第2の調節幅が前記第3の画素点の第3の調節幅より小さい。
【0097】
本願で言及される上記各方法の実施例は、原理と論理に違反しない限り、相互に組み合わせて、組合せ後の実施例を形成することができることが理解され、紙数に限りがあるので、本願では詳細な説明を省略する。
【0098】
また、本願は画像処理装置、電子機器、コンピュータ可読記憶媒体及びプログラムを更に提供し、それらはいずれも本願で提供されるいずれか1種の画像処理方法を実現するために利用可能であり、それに対応する技術手段及び説明については方法部分に対応する記載を参照してよく、ここで省略する。
【0099】
本願の実施例は、コンピュータプログラムコマンドが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムコマンドがプロセッサにより実行されると、上記方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。コンピュータ可読記憶媒体は不揮発性コンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0100】
本願の実施例は、上記方法を実行するように構成されるプロセッサと、プロセッサ実行可能コマンドを記憶するためのメモリと、を含む電子機器を更に提供する。
【0101】
電子機器は、端末、サーバ又は他の形態の機器として提供されてもよい。
【0102】
図13は例示的な一実施例により示された電子機器800のブロック図である。例えば、電子機器800は携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージ送受信装置、ゲームコンソール、タブレット装置、医療機器、フィットネス器具、パーソナル・デジタル・アシスタント等の端末であってよい。
【0103】
図13を参照すると、電子機器800は処理コンポーネント802、メモリ804、電源コンポーネント806、マルチメディアコンポーネント808、オーディオコンポーネント810、入力/出力(I/O)インターフェイス812、センサコンポーネント814、および通信コンポーネント816の一つ以上を含むことができる。
【0104】
処理コンポーネント802は通常、電子機器800の全体的な動作、例えば表示、電話の呼び出し、データ通信、カメラ動作および記録動作に関連する動作を制御する。処理コンポーネント802は、上記方法の全てまたは一部のステップを完了するために、一つ以上のプロセッサ820を含んで命令を実行することができる。また、処理コンポーネント802は、他のコンポーネントとの対話のために、一つ以上のモジュールを含むことができる。例えば、処理コンポーネント802は、マルチメディアコンポーネント808との対話のために、マルチメディアモジュールを含むことができる。
【0105】
メモリ804は電子機器800での動作をサポートするために様々なタイプのデータを記憶するように構成される。これらのデータの例は電子機器800において運用するためのあらゆるアプリケーションプログラムまたは方法の命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、ピクチャー、ビデオなどを含む。メモリ804は、例えば静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスクまたは光ディスクなどの様々なタイプの揮発性または非揮発性記憶機器またはそれらの組み合わせによって実現できる。
【0106】
電源コンポーネント806は電子機器800の各コンポーネントに電力を供給する。電源コンポーネント806は電源管理システム、一つ以上の電源、および電子機器800のための電力生成、管理および配分に関連する他のコンポーネントを含むことができる。
【0107】
マルチメディアコンポーネント808は前記電子機器800とユーザとの間で出力インターフェイスを提供する画面を含む。いくつかの実施例では、画面は液晶ディスプレイ(LCD)およびタッチパネル(TP)を含むことができる。画面がタッチパネルを含む場合、ユーザからの入力信号を受信するために、タッチ画面として実現してもよい。タッチパネルは、タッチ、スライドおよびタッチパネルでのジェスチャを検知するために、一つ以上のタッチセンサを含む。前記タッチセンサはタッチまたはスライド動きの境界を検知するのみならず、前記タッチまたはスライド操作に関連する持続時間および圧力を検出することもできる。いくつかの実施例では、マルチメディアコンポーネント808は前面カメラおよび/または後面カメラを含む。電子機器800が動作モード、例えば撮影モードまたは撮像モードになる場合、前面カメラおよび/または後面カメラは外部のマルチメディアデータを受信することができる。各前面カメラおよび後面カメラは固定された光学レンズ系または焦点距離および光学ズーム能力を有するものであってもよい。
【0108】
オーディオコンポーネント810はオーディオ信号を出力および/または入力するように構成される。例えば、オーディオコンポーネント810は、電子機器800が動作モード、例えば呼び出しモード、記録モードおよび音声認識モードになる場合、外部のオーディオ信号を受信するように構成されたマイク(MIC)を含む。受信されたオーディオ信号はさらにメモリ804に記憶されるか、または通信コンポーネント816によって送信されてもよい。いくつかの実施例では、オーディオコンポーネント810はさらに、オーディオ信号を出力するためのスピーカーを含む。
【0109】
I/Oインターフェイス812は処理コンポーネント802と周辺インターフェイスモジュールとの間でインターフェイスを提供し、上記周辺インターフェイスモジュールはキーボード、クリックホイール、ボタンなどであってもよい。これらのボタンはホームボタン、音量ボタン、スタートボタンおよびロックボタンを含むことができるが、これらに限定されない。
【0110】
センサコンポーネント814は電子機器800に各面での状態評価を提供するための一つ以上のセンサを含む。例えば、センサコンポーネント814は電子機器800のオン/オフ状態、コンポーネントの相対的位置決め、例えば前記コンポーネントが電子機器800の表示装置およびキーパッドであることを検出でき、センサコンポーネント814はさらに、電子機器800または電子機器800のあるコンポーネントの位置の変化、ユーザと電子機器800との接触の有無、電子機器800の方位または加減速および電子機器800の温度変化を検出できる。センサコンポーネント814は、いかなる物理的接触もない場合に近傍の物体の存在を検出するために用いられるように構成された近接センサを含む。センサコンポーネント814はさらに、CMOSまたはCCDイメージセンサのような、イメージングアプリケーションにおいて使用するための光センサを含むことができる。いくつかの実施例では、該センサコンポーネント814はさらに、加速度センサ、ジャイロスコープセンサ、磁気センサ、圧力センサまたは温度センサを含むことができる。
【0111】
通信コンポーネント816は電子機器800と他の機器との間の有線または無線通信を実現するように配置される。電子機器800は通信規格に基づく無線ネットワーク、例えばWiFi、2Gまたは3G、またはそれらの組み合わせにアクセスできる。一例示的実施例では、通信コンポーネント816は放送チャネルによって外部の放送管理システムの放送信号または放送関連情報を受信する。一例示的実施例では、前記通信コンポーネント816はさらに、近距離通信を促進させるために、近距離無線通信(NFC)モジュールを含む。例えば、NFCモジュールでは無線周波数識別(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、ブルートゥース(登録商標)(BT)技術および他の技術によって実現できる。
【0112】
例示的な実施例では、電子機器800は一つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサまたは他の電子要素によって実現し、上記方法を実行するために用いることができる。
【0113】
例示的な実施例では、さらに、非揮発性コンピュータ読み取り可能記憶媒体、例えばコンピュータプログラム命令を含むメモリ804が提供され、上記コンピュータプログラム命令は電子機器800のプロセッサ820によって実行して上記方法を完了することができる。
【0114】
図14は例示的な一実施例により示された電子機器1900のブロック図である。例えば、電子機器1900はサーバとして提供できる。図14を参照すると、電子機器1900は、さらに一つ以上のプロセッサを含む処理コンポーネント1922、および、処理コンポーネント1922によって実行可能な命令、例えばアプリケーションプログラムを記憶するための、メモリ1932を代表とするメモリ資源を含む。メモリ1932に記憶されたアプリケーションプログラムはそれぞれが1グループの命令に対応する一つ以上のモジュールを含むことができる。また、処理コンポーネント1922は命令を実行し、それによって上記方法を実行するように構成される。
【0115】
電子機器1900はさらに、電子機器1900の電源管理を実行するように構成された電源コンポーネント1926、電子機器1900をネットワークにアクセスするように構成された有線または無線ネットワークインターフェイス1950、および入出力(I/O)インターフェイス1958を含むことができる。電子機器1900はメモリ1932に記憶されたオペレーティングシステム、例えばWindows(登録商標) ServerTM、Mac OS XTM、Unix(登録商標)、Linux(登録商標)、FreeBSDTMまたは類似するものに基づいて動作できる。
【0116】
例示的な実施例では、さらに、非揮発性コンピュータ読み取り可能記憶媒体、例えばコンピュータプログラム命令を含むメモリ1932が提供され、上記コンピュータプログラム命令は電子機器1900の処理コンポーネント1922によって実行して上記方法を完了することができる。
【0117】
本願はシステム、方法および/またはコンピュータプログラム製品であってもよい。コンピュータプログラム製品はプロセッサに本願の各態様を実現させるためのコンピュータ読み取り可能プログラム命令がロードされているコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含むことができる。
【0118】
コンピュータ読み取り可能記憶媒体は命令実行機器により使用される命令を保存および記憶可能な有形機器であってもよい。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は例えば、電気記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置または上記の任意の適当な組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ読み取り可能記憶媒体のさらに具体的な例(非包括的リスト)としては、携帯型コンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、携帯型コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピー(登録商標)ディスク、機械的符号化装置、例えば命令が記憶されているせん孔カードまたはスロット内突起構造、および上記の任意の適当な組み合わせを含む。ここで使用されるコンピュータ読み取り可能記憶媒体は瞬時信号自体、例えば無線電波または他の自由に伝播される電磁波、導波路または他の伝送媒体を経由して伝播される電磁波(例えば、光ファイバーケーブルを通過するパルス光)、または電線を経由して伝送される電気信号と解釈されるものではない。
【0119】
ここで記述したコンピュータ読み取り可能プログラム命令はコンピュータ読み取り可能記憶媒体から各計算/処理機器にダウンロードされてもよいし、またはネットワーク、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワークおよび/または無線ネットワークによって外部のコンピュータまたは外部記憶装置にダウンロードされてもよい。ネットワークは銅伝送ケーブル、光ファイバー伝送、無線伝送、ルーター、ファイアウォール、交換機、ゲートウェイコンピュータおよび/またはエッジサーバを含むことができる。各計算/処理機器内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインターフェイスはネットワークからコンピュータ読み取り可能プログラム命令を受信し、該コンピュータ読み取り可能プログラム命令を転送し、各計算/処理機器内のコンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶する。
【0120】
本願の動作を実行するためのコンピュータプログラム命令はアセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械語命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」言語または類似するプログラミング言語などの一般的な手続き型プログラミング言語を含む一つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコードまたは目標コードであってもよい。コンピュータ読み取り可能プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータにおいて実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータにおいて実行されてもよく、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータにおいてかつ部分的にリモートコンピュータにおいて実行されてもよく、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバにおいて実行されてもよい。リモートコンピュータに関与する場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを経由してユーザのコンピュータに接続されてもよく、または、(例えばインターネットサービスプロバイダを利用してインターネットを経由して)外部コンピュータに接続されてもよい。いくつかの実施例では、コンピュータ読み取り可能プログラム命令の状態情報を利用して、例えばプログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはプログラマブル論理アレイ(PLA)などの電子回路をパーソナライズすることで、該電子回路はコンピュータ読み取り可能プログラム命令を実行し、それにより本願の各態様を実現できるようになる。
【0121】
なお、ここで本願の実施例に係る方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照しながら本願の各態様を説明しが、フローチャートおよび/またはブロック図の各ブロックおよびフローチャートおよび/またはブロック図の各ブロックの組み合わせは、いずれもコンピュータ読み取り可能プログラム命令によって実現できることを理解すべきである。
【0122】
これらのコンピュータ読み取り可能プログラム命令は、機械を製造するために、共通コンピュータ、専用コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサへ提供されてもよく、それにより、これらの命令はコンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行され、フローチャートおよび/またはブロック図の一つ以上のブロックにおいて指定された機能/動作を実現する手段を創出する。また、これらのコンピュータ読み取り可能プログラム命令は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶し、それによってコンピュータ、プログラマブルデータ処理装置および/または他の機器を特定の方式で動作させるようにしてもよく、それにより、中に保存された命令を有するコンピュータ読み取り可能記憶媒体は、フローチャートおよび/またはブロック図の一つ以上のブロックにおいて指定された機能/動作の各態様を実現する命令を含む製品を備える。
【0123】
コンピュータ読み取り可能プログラムはコンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の機器にロードすることにより、コンピュータ実施プロセスを生成するように、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置または他の機器において一連の動作ステップを実行させるようにしてもよく、それにより、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の機器において実行される命令はフローチャートおよび/またはブロック図の一つ以上のブロックにおいて指定された機能/動作を実現する。
【0124】
図面のうちフローチャートおよびブロック図は本願の複数の実施例に係るシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能および動作を示す。この点では、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは一つのモジュール、プログラムセグメントまたは命令の一部分を代表することができ、前記モジュール、プログラムセグメントまたは命令の一部分は指定された論理機能を実現するための一つ以上の実行可能命令を含む。いくつかの置換としての実施形態では、ブロックに表記される機能は図面に付したものと異なる順序で実現してもよい。例えば、二つの連続的なブロックは実質的に同時に実行してもよく、また、係る機能によって、それらは逆な順序で実行してもよい場合がある。なお、ブロック図および/またはフローチャートにおける各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、指定される機能または動作を実行するハードウェアに基づく専用システムによって実現してもよいし、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実現してもよいことに注意すべきである。
【0125】
以上、本願の各実施例を記述したが、上記説明は例示的なものに過ぎず、網羅的なものではなく、かつ披露された各実施例に限定されるものでもない。当業者にとって、説明された各実施例の範囲および精神から逸脱することなく、様々な修正および変更が自明である。本明細書に選ばれた用語は、各実施例の原理、実際の適用または市場における技術への技術的改善を好適に解釈するか、または他の当業者に本文に披露された各実施例を理解させるためのものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14