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  • 特許-粒子状洗濯柔軟化洗浄添加剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】粒子状洗濯柔軟化洗浄添加剤
(51)【国際特許分類】
   D06M 13/473 20060101AFI20221003BHJP
   D06M 15/03 20060101ALI20221003BHJP
   D06M 15/53 20060101ALI20221003BHJP
   D06M 15/21 20060101ALI20221003BHJP
   C11D 17/06 20060101ALI20221003BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20221003BHJP
   C11D 3/22 20060101ALI20221003BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20221003BHJP
   C11D 3/10 20060101ALI20221003BHJP
   C11D 3/08 20060101ALI20221003BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20221003BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
D06M13/473
D06M15/03
D06M15/53
D06M15/21
C11D17/06
C11D3/37
C11D3/22
C11D3/20
C11D3/10
C11D3/08
C11D1/04
C11D1/62
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020529625
(86)(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 US2018062939
(87)【国際公開番号】W WO2019108716
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-06-17
(31)【優先権主張番号】15/828,513
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ザーハッセン、ジェイダン
(72)【発明者】
【氏名】パナンディカー、レイジャン・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】フォンテイン、マイケル・ピー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、リーニー・ヴィ
(72)【発明者】
【氏名】コロナ、アレッサンドロ・ザ・サード
【審査官】櫛引 明佳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/078941(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/102527(WO,A1)
【文献】特開平03-180575(JP,A)
【文献】特開2010-180485(JP,A)
【文献】特表2017-521568(JP,A)
【文献】特表2000-503735(JP,A)
【文献】特表2009-532592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06M 13/00-15/715
C11D 1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の粒子を含む組成物であって、
前記粒子が、
25重量%~77重量%の水溶性担体と、
20重量%~40重量%の、20~42のヨウ素価を有する親脂肪酸化合物から形成される第四級アンモニウム化合物と、
0.5重量%~10重量%のカチオン性ポリマーとを含み、
前記粒子の各々が、1mg~1gの質量を有し、前記水溶性担体が、6,000~10,000の重量平均分子量を有するポリエチレングリコールからなり、前記カチオン性ポリマーがカチオン性多糖である、組成物。
【請求項2】
前記親脂肪酸化合物のヨウ素価が、20~35である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記第四級アンモニウム化合物が、エステル第四級アンモニウム化合物である、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記粒子が、25℃~120℃の溶融開始を有する、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記粒子が、20重量%~30重量%の前記第四級アンモニウム化合物を含む、請求項1~4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記粒子が、1重量%~5重量%の前記カチオン性ポリマーを含む、請求項1~5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記水溶性担体が、7,000~10,000の重量平均分子量を有するポリエチレングリコールからなる、請求項1~のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記粒子が、1重量%~40重量%の脂肪酸を更に含む、請求項1~のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記第四級アンモニウム化合物が、ジ-(タロウオイルオキシエチル)-N,N-メチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートである、請求項1~のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
記カチオン性多糖が、トリメチルアンモニウム基で置換されたエポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー状第四級アンモニウム塩である、請求項1~のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前記粒子が、30分未満の分散時間を有する、請求項1~10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
前記粒子が、均質であるか又は均質構造化粒子である、請求項1~11のいずれかに記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
洗浄を通した洗濯柔軟化添加剤。
【背景技術】
【0002】
消費者は、衣服を洗濯するのに使用するプロセスを簡素化することができ、汚れた洗濯物の処理に費やす時間を減らすのに役立ち、家族の衣服の清潔さ及び柔らかさを高レベルで達成するのに役立つ製品に継続的な興味を示している。洗濯物のクリーニング及び柔軟化は、現在、消費者が洗濯機の異なるコンパートメントのいずれかに2つの製品を投入するか、又は1つの製品を洗濯機に、そして1つの製品を乾燥機に投入することを必要とする。
【0003】
布地を洗濯するプロセスを、洗浄、すすぎ、及び乾燥の3つの基本的な工程に分けることができる。洗浄工程は、典型的には、水及びアニオン性界面活性剤を含む洗剤組成物を、未使用の製品形態において、及び洗浄工程中に形成される洗浄液においてアニオン性界面活性剤と相溶性である他の活性剤と共に用いる。洗浄後、洗濯物をすすぎ工程の一部として1回又は複数回すすぎ洗いする。
【0004】
現在、洗濯柔軟化は、洗剤組成物とは別の液体柔軟化組成物を用いてすすぎ工程中に、又は乾燥工程中に、実際的に最も多く達成される。洗濯機内の洗濯物に液体柔軟化組成物を適用するために、液体柔軟化組成物は、すすぎ工程中に洗濯物に導入される。液体柔軟化組成物は、液体柔軟化組成物を洗浄組成物とは別に維持するコンパートメントから、すすぎ中に自動的に導入されることがある。コンパートメントは、存在する場合には攪拌器の一部であってもよく、又は液体柔軟化組成物をドラム内に分注するために開けることができる洗濯機の別の部分であってもよい。これは、多くの場合、すすぎによる柔軟化と呼ばれる。すすぎによる柔軟化は、消費者が洗剤組成物及び柔軟化組成物を洗浄機の異なる場所に投入する必要があり、不便である。
【0005】
洗濯柔軟化はまた、布地柔軟化シートを使用して乾燥工程中に達成される場合もある。クリーニング及び柔軟化に対するこれらのアプローチのいずれかにより、クリーニングは柔軟化とは別に行われる。
【0006】
場所が洗濯機の一部であるか、場所が洗濯機と乾燥機の間に分布されているかにかかわらず、消費者は複数の製品を異なる場所に分注しなければならないことは不便であると感じている。消費者が望むのは、洗剤組成物及び柔軟化組成物を単一の場所に投入できることである。
【0007】
残念ながら、液体洗剤組成物は柔軟剤組成物と相溶性ではない傾向がある。液体洗剤組成物は、衣類を洗浄するのに役立つアニオン性界面活性剤を含む。柔軟化組成物は、典型的には、衣類を柔らかくするためのカチオン性界面活性剤を含む。単一のパッケージ内で組み合わせると、アニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤とが組み合わさって固体沈殿物を形成する場合がある。これは、液体形態で一緒に梱包される又は洗浄液中で一緒になる場合の組み合わせの安定性による問題をもたらし、柔軟化組成物がない場合には洗剤組成物と比較してクリーニング性能の低下をもたらす。この非相溶性の問題は、洗剤組成物及び布地柔軟化組成物が互いに別々に投入及び適用される理由の一つである。洗剤組成物とは別に梱包された液体布地柔軟化組成物は、組成物を洗濯機に投入する不便さ、乱雑感、及び製品の質感のために、一部の消費者には好まれない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの制限を念頭に置いて、消費者が洗濯洗剤と一緒に分注して、洗浄工程中に洗浄を通して柔軟化を提供することができる、固体形態の洗浄を通した布地柔軟剤組成物に対する継続的な対処されていないニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
複数の粒子を含む組成物であって、当該粒子は、約25重量%~約94重量%の水溶性担体と、約5重量%~約45重量%の約18~約60の、ヨウ素価を有する親脂肪酸化合物から形成される第四級アンモニウム化合物と、約0.5重量%~約10重量%のカチオン性ポリマーとを含み、当該粒子の各々は、約1mg~約1gの質量を有し、当該粒子は、約25℃~約120℃の溶融開始を有する。
【0010】
複数の粒子を含む組成物であって、当該粒子は、約25重量%~約94重量%の水溶性担体と、約5重量%~約45重量%の約18~約60の、ヨウ素価を有する親脂肪酸化合物から形成される第四級アンモニウム化合物と、約0.5重量%~約10重量%のカチオン性ポリマーとを含み、当該粒子の各々が、約1mg~約1gの質量を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】洗剤のみ及びタイプA~Dの粒子の1つと組み合わせた洗剤で洗浄されたテリー織の摩擦係数の棒グラフである。
図2】タイプA~Dの粒子の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に記載の組成物は、消費者が洗濯機に投入するのに便利な、洗浄を通した布地柔軟剤組成物を提供することができる。洗浄を通した布地柔軟剤組成物は、複数の粒子を含む組成物で提供され得る。粒子は、洗剤組成物のパッケージとは別のパッケージで提供され得る。洗剤組成物のパッケージとは別のパッケージ内に柔軟化組成物粒子を有することは、使用される洗剤組成物の量とは無関係に、消費者が柔軟化組成物の量を選択することを可能にするため、有益となり得る。これにより、使用される柔軟化組成物の量をカスタマイズする機会を消費者に与えることができ、これは非常に価値のある消費者利益である。
【0013】
粒子状製品、特に埃っぽくない微粒子は、多くの消費者に好まれる。粒子状製品は、消費者がパッケージから洗濯機に直接、又は洗濯機の投入コンパートメントに容易に投入することができる。あるいは消費者は、パッケージから任意に1つ又は2つ以上の印の付いた投入カップに投入し、次いで、粒子を洗濯機上の投入コンパートメントに、又はドラムに直接投入する。投入カップが用いられる製品では、粒子状製品は、液体製品よりも汚れにくい。
【0014】
布地柔軟化組成物の粒子は、担体、第四級アンモニウム化合物、及びカチオン性ポリマーを含み得る。担体は、第四級アンモニウム化合物を洗濯機へと運ぶ。粒子は洗浄液に溶解される。第四級アンモニウム化合物は、洗浄液から布地の繊維上に付着される。カチオン性ポリマーは布地の繊維上に付着され、布地上への第四級アンモニウム化合物の付着を促進する。繊維上に付着したカチオン性ポリマー及び第四級アンモニウム化合物は、消費者に柔らかさの感触を提供する。
【0015】
粒子は、約25重量%~約94重量%の水溶性担体を含み得る。粒子は、約5重量%~約45重量%の約18~約60、任意に約20~約60のヨウ素価を有する親脂肪酸化合物から形成される第四級アンモニウム化合物を更に含み得る。粒子は、約0.5重量%~約10重量%の水溶性担体を更に含み得る。各粒子は、約1mg~約1gの質量を有し得る。製品は、約25℃~約120℃の溶融開始を有する。粒子は、粘土を含み得る。粒子は、約0.1重量%~約7重量%の香料を含み得る。粘土は、ベントナイトであってよい。
【0016】
粒子は、約3:1~約30:1、任意に約5:1~約15:1、任意に約5:1~約10:1、任意に約8:1の重量パーセントのカチオン性ポリマーに対する重量パーセントの第四級アンモニウム化合物の比を有し得る。理論に束縛されるものではないが、第四級アンモニウム化合物の質量分率及びカチオン性ポリマーの質量分率は、カチオン性ポリマーからの補助を達成して、処理される布地上への十分なレベルの第四級アンモニウム化合物を付着させる。
【0017】
粒子は、約30分未満、任意に約28分未満、任意に約25分未満、任意に約22分未満、任意に約20分未満、任意に約5分~約30分、任意に約8分~約25分、任意に約10分~約25分の粒子分散時間を有し得る。粒子は、約3分~約30分、任意に約5分~約30分、任意に約10分~約30分の粒子分散時間を有し得る。最大の柔軟性利益を提供し、粒子又は残留物がすすぎサブサイクルに持ち越される可能性を低減するために、洗浄サブサイクルの長さより短い分散時間を有する粒子が望ましい場合がある。
【0018】
粒子は、約10重量%未満の水、任意に約8重量%未満の水、任意に約5重量%未満の水、任意に約3重量%未満の水を含み得る。任意に、粒子は、約0重量%~約10重量%の水、任意に約0重量%~約8重量%の水、任意に約0重量%~約5重量%の水、任意に約0重量%~約3重量%の水を含み得る。これらの範囲の含水量を減少させる又は有することは、より安定した粒子を提供すると考えられる。水の質量分率が低いほど、粒子はより安定であると考えられる。
【0019】
水溶性担体
粒子は、水溶性担体を含み得る。水溶性担体は、布地ケアの有益剤を洗浄液に運ぶ働きをする。担体の溶解時に、布地ケアの有益剤は、洗浄液中に分散される。
【0020】
水溶性担体は、短時間、例えば約10分未満で洗浄液に可溶である材料であり得る。水溶性担体は、水溶性無機アルカリ金属塩、水溶性アルカリ土類金属塩、水溶性有機アルカリ金属塩、水溶性有機アルカリ土類金属塩、水溶性炭水化物、水溶性ケイ酸塩、水溶性尿素、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0021】
アルカリ金属塩は、例えば、リチウムの塩、ナトリウムの塩、及びカリウムの塩、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されてよい。有用なアルカリ金属塩は、例えば、アルカリ金属フッ化物、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属重硫酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属一水素リン酸塩、アルカリ金属二水素リン酸塩、アルカリ金属炭素塩、アルカリ金属一水素炭素塩、アルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属クエン酸塩、アルカリ金属乳酸塩、アルカリ金属ピルビン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属アスコルビン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
【0022】
アルカリ金属塩は、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウム、重硫酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸一水素カリウム、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、乳酸カリウム、酒石酸カリウム、ケイ酸カリウム、アスコルビン酸カリウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
【0023】
アルカリ土類金属塩は、マグネシウムの塩、カルシウムの塩など、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。アルカリ土類金属塩は、アルカリ金属フッ化物、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属重硫酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属一水素リン酸塩、アルカリ金属二水素リン酸塩、アルカリ金属炭素塩、アルカリ金属一水素炭素塩、アルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属クエン酸塩、アルカリ金属乳酸塩、アルカリ金属ピルビン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属アスコルビン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。アルカリ土類金属塩は、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸一水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸一水素マグネシウム、酢酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、酒石酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、アスコルビン酸マグネシウム、フッ化カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸一水素カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、酒石酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
【0024】
無機アルカリ金属塩及び無機アルカリ土類金属塩などの無機塩は、炭素を含まない。有機アルカリ金属塩及び有機アルカリ土類金属塩などの有機塩は、炭素を含む。有機塩は、アルカリ金属塩又はソルビン酸のアルカリ土類金属塩(すなわち、ソルビン酸塩(asorbate))であってよい。ソルビン酸塩は、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸マグネシウム、ソルビン酸カルシウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
【0025】
水溶性担体は、水溶性無機アルカリ金属塩、水溶性有機アルカリ金属塩、水溶性無機アルカリ土類金属塩、水溶性有機アルカリ土類金属塩、水溶性炭水化物、水溶性ケイ酸塩、水溶性尿素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質であってよい、又はそれを含んでよい。水溶性担体は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸カリウムナトリウム、乳酸カルシウム、水ガラス、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、デキストロース、フルクトース、ガラクトース、イソグルコース、グルコース、スクロース、ラフィノース、イソマルト、キシリトール、氷砂糖、粗製糖、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。一実施形態では、水溶性担体は、塩化ナトリウムであってよい。一実施形態では、水溶性担体は、食卓塩であってよい。
【0026】
水溶性担体は、重炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、塩化ナトリウム、スクロース、マルトデキストリン、コーンシロップ固体、コーンスターチ、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、粘土、ケイ酸塩、クエン酸カルボキシメチルセルロース、脂肪酸、脂肪族アルコール、水素化獣脂のグリセリルジエステル、グリセロール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質であってよい、又はそれを含んでよい。
【0027】
水溶性担体は、水溶性有機アルカリ金属塩、水溶性無機アルカリ土類金属塩、水溶性有機アルカリ土類金属塩、水溶性炭水化物、水溶性ケイ酸塩、水溶性尿素、デンプン、粘土、水不溶性ケイ酸塩、クエン酸カルボキシメチルセルロース、脂肪酸、脂肪アルコール、水素化獣脂のグリセリルジエステル、グリセロール、ポリエチレングリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
【0028】
水溶性担体は、二糖類、多糖類、ケイ酸塩、ゼオライト、炭酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0029】
水溶性担体は、水溶性ポリマーであってよい。水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、変性PVA;ポリビニルピロリドン;PVA/ポリビニルピロリドン及びPVA/ポリビニルアミンなどのPVAコポリマー;部分加水分解されたポリ酢酸ビニル;ポリエチレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド;ポリエチレングリコール;アクリルアミド;アクリル酸;セルロース;メチルセルロース、エチルセルロース及びプロピルセルロースなどのアルキルセルロース材料;セルロースエーテル;セルロースエステル;セルロースアミド;ポリ酢酸ビニル;ポリカルボン酸及び塩;ポリアミノ酸又はペプチド;ポリアミド、ポリアクリルアミド;マレイン酸/アクリル酸のコポリマー;デンプン、変性デンプンを含む多糖類;ゼラチン;アルギネート;キシログルカン;キシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、マンナン、グルコマンナン、及びガラクトグルコマンナンなどのその他のヘミセルロース系多糖類;並びにペクチン、キサンタン、及びカラギーナンなどの天然ガム、ローカストビーン、アラビア、トラガカント、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、ポリマーは、ポリアクリレート、特にスルホン化ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー;並びにアルキルヒドロキシセルロース系材料、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、変性カルボキシメチルセルロース、デキストリン、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートを含む。更に別の実施形態では、水溶性ポリマーは、PVA;PVAコポリマー;ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);及びこれらの混合物を含み得る。
【0030】
水溶性担体は、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール/ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール/ポリビニルアミン、部分加水分解ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレンオキシド、ポリエチレングリコール、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、アルキルセルロース系材料、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸及びポリカルボン酸塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、多糖類、デンプン、加工デンプン、ゼラチン、アルジネート、キシログルカン、ヘミセルロース性多糖類、キシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、マンナン、グルコマンナン、ガラクトグルコマンナン、天然ガム、ペクチン、キサンタン、カラギーナン、ローカスビーン、アラビック、トラガカント、ポリアクリレート、スルホン化ポリアクリレート、水溶性アクリレートコポリマー、アルキルヒドロキシセルロース系材料、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、変性カルボキシ-メチルセルロース、デキストリン、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコールコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0031】
水溶性担体は、有機物質であってよい。有機担体は、水に容易に溶解可能であるという利益を提供することができる。
【0032】
水溶性担体は、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリプロピレングリコールポリオキソアルキレン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエーテル、硫酸ナトリウム、デンプン、及びこれらの混合物からなる群から選択されてよい。
【0033】
担体は、ポリエチレングリコール(PEG)であってよい。PEGは、粒子が本明細書に開示される質量の範囲を有する場合、洗浄サイクル中に溶解するのに十分水溶性であり得るため、粒子を作製するのに用いるための好都合な物質となり得る。更に、PEGは、溶融物として容易に処理され得る。PEGの溶融開始温度は、PEGの分子量の関数として変化し得る。粒子は、約25重量%~約94重量%の、約2000~約13000の重量平均分子量を有するPEGを含んでよい。PEGは比較的低コストであり、多くの異なる形状及びサイズに形成され、非カプセル封入香料の拡散を最小限に抑え、水によく溶解し得る。PEGは、様々な重量平均分子量で入手可能である。PEGの好適な重量平均分子量の範囲としては、約2,000~約13,000、あるいは約4,000~約13,000、あるいは4,000~約12,000、あるいは約4,000~約11,000、あるいは約5,000~約11,000、あるいは約6,000~約10,000、あるいは約7,000~約9,000、あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。PEGは、BASF、例えば、Pluriol E 8000(8000が製品名にある場合であっても9000の重量平均分子量を有する)、又は他のPLURIOL製品から入手可能である。
【0034】
粒子は、粒子の約25重量%~約94重量%のPEGを含み得る。任意に、粒子は、約35重量%~約94重量%、任意に約50重量%~約94重量%、任意にこれらを組み合わせたもの、及びあらゆる全百分率又は前述のあらゆる範囲内の全百分率の範囲の各粒子のPEGを含んでもよい。
【0035】
担体は、式:H-(CO)-(CH(CH)CHO)-(CO)-OH(式中、xは約50~約300であり、yは約20~約100であり、zは約10~約200である);式(CO)-C(O)O-(CH-CH(式中、qは約20~約200であり、rは約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;式HO-(CO)-(CH)-CH(式中、sは約30~約250であり、tは約10~約30である);及びこれらの混合物からなる群から選択される物質を含み得る。式H-(CO)-(CH(CH)CHO)-(CO)-OH(式中、xは約50~約300であり、yは約20~約100であり、zは約10~約200である)のポリアルキレンポリマーは、ブロックコポリマー又はランダムコポリマーであってよい。
【0036】
担体は、ポリエチレングリコール;式H-(CO)-(CH(CH)CHO)-(CO)-OH(式中、xは約50~約300であり、yは約20~約100であり、zは約10~約200である)のポリアルキレンポリマー;式(CO)-C(O)O-(CH-CH(式中、qは約20~約200であり、rは約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;及び式HO-(CO)-(CH)-CH(式中、sは約30~約250であり、tは約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪アルコールエーテルを含み得る。
【0037】
担体は、式H-(CO)-(CH(CH)CHO)-(CO)-OH(xは約50~約300であり、yは約20~約100であり、zは約10~約200である)のポリアルキレンポリマーの粒子を約20重量%~約80重量%含み得る。
【0038】
担体は、式(CO)-C(O)O-(CH-CH(式中、qは約20~約200であり、rは約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪酸エステルの粒子を約1重量%~約20重量%含み得る。
【0039】
担体は、式HO-(CO)-(CH)-CH(式中、sは約30~約250であり、tは約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪アルコールエーテルの粒子を約1重量%~約10重量%含み得る。
【0040】
第四級アンモニウム化合物
粒子が洗浄、特に洗浄及びすすぎのサブサイクルを有する洗濯機の洗浄サブサイクルを通して、洗濯された布地に柔軟化の利益を提供することができるように、粒子は第四級アンモニウム化合物を含み得る。第四級アンモニウム化合物(クワット)は、エステル四級アンモニウム化合物であってよい。好適な第四級アンモニウム化合物には、エステルクワット、アミドクワット、イミダゾリンクワット、アルキルクワット、アミドエステルクワット、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料が含まれるが、これらに限定されない。好適なエステルクワットとしては、モノエステルクワット、ジエステルクワット、トリエステルクワット、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
理論に束縛されるものではないが、第四級アンモニウム化合物を含む粒子の分散時間は、ヨウ素値の増加に伴って減少する傾向にあり、この関係にはある程度のばらつきがあることを認識している。
【0042】
粒子は、約5重量%~約45重量%の第四級アンモニウム化合物を含み得る。第四級アンモニウム化合物は、任意に、約18~約60、任意に約18~約56、任意に約20~約60、任意に約20~約56、任意に約20~約42、及び前述の範囲内の任意の整数のヨウ素価を有し得る。任意に、粒子は、約10重量%~約40重量%の第四級アンモニウム化合物を含むことができ、更に任意に、上記のヨウ素価の範囲のいずれかを有することができる。任意に、粒子は、約20重量%~約40重量%の第四級アンモニウム化合物を含むことができ、更に任意に、上記の範囲のヨウ素価を有することができる。
【0043】
第四級アンモニウム化合物は、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのエステル、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート及び脂肪酸のエステルの異性体、N,N-ビス-(ステアロイル-2-ヒドロキシプロピル)-N、N-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのエステル、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェートのエステルの異性体、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリドのエステル、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)-N,N-ジメチル塩化アンモニウム、N,N,N-トリ(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルアンモニウムメチルサルフェートのエステル、N,N-ビス-(パルミトイル-2-ヒドロキシプロピル)-N,N-ジメチルアンモニュウ硫酸メチル、N,N-ビス-(ステアロイル-2-ヒドロキシプロピル)-N、N-ジメチルアンモニウムクロリド、1,2-ジ-(ステアロイル-オキシ)-3-トリメチルアンモニウムプロパンクロリド、ジカノラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロウジメチルアンモニウムクロリド、ジカノラジメチルアンモニウムメチルサルフェート、1-メチル-1-ステアロイルアミドエチル-2-ステアロイルイミダゾリニウムメチルサルフェート、イミダゾリンクワット(P&Gでは使用されていない):1-タロウイルアミドエチル-2-タロウイルイミダゾリン、ジパルミトイルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、ジパルミチルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、1,2-ジ(アシルオキシ)-3-トリメチルアンモニオプロパンクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0044】
第四級アンモニウム化合物は、次式の化合物を含み得る:
{R 4-m-N-[X-Y-R}A (1)
式中、
mは、1、2、又は3であるが、ただし、各mの値は、同一であり、
各Rは、独立して、ヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビル基であり、
各Rは、独立して、C~Cアルキル又はヒドロキシアルキル基であり、好ましくは、Rは、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~3アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジルであり、
各Xは独立して、(CH)n、CH-CH(CH)-又はCH-(CH)-CH-であり、
各nは、独立して、1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは、2であり、
各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、
A-は、塩化物、硫酸メチル、硫酸エチル及び硫酸塩からなる群から独立して選択され、好ましくはA-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、
ただし、Yが-O-(O)C-である場合、各Rの炭素の合計が13~21であり、好ましくは、Yが-O-(O)C-である場合、各Rの炭素の合計が13~19である、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体布地柔軟剤組成物。
【0045】
第四級アンモニウム化合物は、次式の化合物を含み得る:
[R3N+CH2CH(YR1)(CH2YR1)]X-
式中、各Y、R、R1、及びX-は、前述と同じ意味を有する。このような化合物としては、次式を有するものが挙げられる。
[CH3]3N(+)[CH2CH(CH2O(O)CR1)O(O)CR1]C1(-) (2)
を有する化合物が挙げられ、式中、各Rは、メチル又はエチル基であり、好ましくは、各R1はC15~C19の範囲である。本明細書で使用するとき、ジエステルが指定されている場合、それは、存在するモノエステルを含み得る。
【0046】
好ましいDEQA(2)の例は、式1,2-ジ(アシルオキシ)-3-トリメチルアンモニオプロパンクロリドを有する「プロピル」エステル四級アンモニウム布地柔軟剤活性物質である。第3のタイプの好ましい布地柔軟化活性物質は次式を有する:
【0047】
【化1】
式中、各R、R1、及びA-は、上記に与えられた定義を有し;各R2はC1~6アルキレン基、好ましくは、エチレン基であり;Gは酸素原子又は-NR-基であり;
【0048】
第四級アンモニウム化合物は、次式の化合物を含み得る:
【0049】
【化2】
式中、R1、R2及びGは、上記のように定義される。
【0050】
第四級アンモニウム化合物は、脂肪酸とジアルキレントリアミンとの、例えば分子比約2:1の縮合反応生成物である化合物を含み得て、当該反応生成物は次式の化合物を含有する:
R1-C(O)-NH-R2-NH-R3-NH-C(O)-R1 (5)
式中、R1、R2は、上記のように定義され、各R3は、C1~6アルキレン基、任意にエチレン基であり、反応生成物は任意に、硫酸ジメチルなどのアルキル化剤の添加のによって第四級化されてもよい。
【0051】
第四級アンモニウム化合物は、次式の化合物を含み得る:
[R1-C(O)-NR-R2-N(R)2-R3-NR-C(O)-R1]+A- (6)
式中、R、R1、R2、R3、及びA-は、上記のように定義される。
【0052】
第四級アンモニウム化合物は、脂肪酸とヒドロキシアルキルアルキレンジアミンとの、分子比約2:1の反応生成物である化合物を含み得て、当該反応生成物は次式の化合物を含有する:
R1-C(O)-NH-R2-N(R3OH)-C(O)-R1 (7)
式中、R1、R2、及びR3は、上記のように定義される。
【0053】
第8のタイプの好ましい布地柔軟化活性物質は、次式を有する:
【0054】
【化3】
式中、R、R1、R2、及びA-は、上記のように定義される。
【0055】
化合物(1)の非限定的な例は、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、N,N-ビス(タロウオイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)N-(2ヒドロキシエチル)N-メチルアンモニウムメチルスルフェートである。
【0056】
化合物(2)の非限定的な例は、1,2ジ(ステアロイル-オキシ)3トリメチルアンモニウムプロパンクロリドである。
【0057】
化合物(3)の非限定的な例は、1-メチル-1-ステアロイルアミドエチル-2-ステアロイルイミダゾリニウムメチルサルフェート(式中、R1は非環式脂肪族C15~C17炭化水素基であり、R2はエチレン基であり、GはNH基であり、R5はメチル基であり、A-はメチルサルフェートアニオンである)であり、Witco Corporationより商品名Varisoft(登録商標)として市販されている。
【0058】
化合物(4)の非限定的な例は、1-タロウイルアミドエチル-2-タロウイルイミダゾリンであり、式中、R1は、非環式脂肪族C15~C17炭化水素基であり、R2はエチレン基であり、GはNH基である。
【0059】
化合物(5)の非限定的な例は、脂肪酸とジエチレントリアミンとの、分子比約2:1の反応生成物であり、当該反応生成混合物は、次式のN,N”-ジアルキルジエチレントリアミンを含有する:
R1-C(O)-NH-CH2CH2-NH-CH2CH2-NH-C(O)-R1
式中、R1-C(O)は、Henkel Corporationから入手可能なEmersol(登録商標)223LL又はEmersol(登録商標)7021などの、植物又は動物供給源から誘導された市販の脂肪酸のアルキル基であり、R2及びR3は二価のエチレン基である。
【0060】
化合物(6)の非限定的な例は、次式を有するジ脂肪アミドアミン系柔軟剤である:
[R1-C(O)-NH-CH2CH2-N(CH3)(CH2CH2OH)-CH2CH2-NH-C(O)-R1]+CH3SO4-
式中、R1-C(O)は、Witco Corporationから、例えば商品名Varisoft(登録商標)222LTとして市販されているアルキル基である。
【0061】
化合物(7)の例は、脂肪酸とN-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミンとの、分子比約2:1の反応生成物であり、当該反応生成混合物は、次式の化合物を含有する:
R1-C(O)-NH-CH2CH2-N(CH2CH2OH)-C(O)-R1
式中、R1-C(O)は、Henkel Corporationから入手可能なEmersol(登録商標)223LL又はEmersol(登録商標)7021などの、植物又は動物供給源から誘導された市販の脂肪酸のアルキル基である。
【0062】
化合物(8)の例は、次式を有するジ四級化合物である:
【0063】
【化4】
式中、R1は脂肪酸から得られ、化合物はWitco Companyから入手可能である。
【0064】
第四級アンモニウム化合物は、ジ-(タロウオイルオキシエチル)-N、N-メチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートであってよい。
【0065】
上に開示した第四級アンモニウム化合物の組み合わせが、本発明での使用に好適であることが理解されるであろう。
【0066】
本明細書のカチオン性窒素塩において、アニオンA-は、柔軟剤に相溶性を有する任意のアニオンであり、電気的中性をもたらす。ほとんどの場合、これらの塩において電気的中性をもたらすために使用されるアニオンは、強酸、特にハロゲン化物、例えば塩化物、臭化物、又はヨウ化物由来である。しかし、メチルサルフェート、エチルサルフェート、アセテート、ホルメート、サルフェート、カーボネートなど、その他のアニオンを使用してもよい。塩化物又はメチルサルフェートが、アニオンAであってよい。アニオンはまた、二重荷電を持つものでもよいが、その場合、A-は半分の基を表す。
【0067】
粒子は、約10重量%~約40重量%の第四級化合物を含み得る。
【0068】
第四級アンモニウム化合物のヨウ素価は、化合物を形成する親脂肪酸のヨウ素価のことであり、化合物を形成する親脂肪酸100グラムと反応する、ヨウ素のグラム数として定義される。
【0069】
まず、第四級アンモニウム化合物は、以下のプロトコルに従って加水分解される:第四級アンモニウム化合物25gを、水50mL及び水酸化ナトリウム0.3mLと混合する(50%活性)。この混合物が乾固するのを回避しながら、この混合物をホットプレート上で少なくとも1時間、沸騰させる。1時間後、この混合物を冷却し、pH試験紙又は較正済みpH電極を使用して、25%硫酸でpHを中性(6~8のpH)に調節する。
【0070】
次に、ヘキサン又は石油エーテルを用いて酸性液-液抽出を介して当該混合物から脂肪酸を抽出する:抽出シリンダー内においてサンプル混合物を水/エタノール(1:1)で160mLに希釈し、塩化ナトリウム5グラム、硫酸(25%活性)0.3mL、及びヘキサン50mLを加える。このシリンダーに栓をして、少なくとも1分間、振盪する。次に、2層が形成されるまで、このシリンダーを静置する。ヘキサン中に脂肪酸を含有する上部の層は、別の受容器に移す。次に、ホットプレートを使用して、ヘキサンを蒸発させて、抽出した脂肪酸を残留させる。
【0071】
次に、布地柔軟化活性物質を形成する親脂肪酸のヨウ素価は、ISO3961:2013に準拠して決定する。親脂肪酸のヨウ素価を計算する方法は、指定量(0.1~3g)をクロロホルム15mLに溶解する工程を含む。次に、溶解した親脂肪酸を、酢酸溶液中の一塩化ヨウ素(0.1M)25mLと反応させる。ここに、10%ヨウ化カリウム溶液20mL及び脱イオン水150mLを加える。ハロゲンの添加を行った後、ブルースターチ指示薬粉末の存在下で、チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1M)を用いて滴定することにより、過剰な一塩化ヨウ素を測定する。同時に、同じ量の試薬を用い、同一条件下で、ブランクを決定する。ブランク中で使用したチオ硫酸ナトリウムの量と親脂肪酸との反応において使用した量との間の差異により、ヨウ素価を算出することが可能になる。
【0072】
第四級アンモニウム化合物は、The Procter & Gamble Company,Cincinnati,Ohio,USAから入手可能なBOUNCE乾燥機用シートの一部として使用され得る。第四級アンモニウム化合物は、硫酸ジメチルで四級化された、トリエタノールアミンと部分水素化タロウ脂肪酸との反応生成物であってよい。
【0073】
カチオン性ポリマー
コーティングは、カチオン性ポリマーを更に含み得る。カチオン性ポリマーは、布地の第四級アンモニウム化合物付着するのに役立つ付着助剤、場合によっては粒子に含まれるいくつかの他の有益剤の利益を提供することができる。
【0074】
粒子は、約0.5重量%~約10重量%のカチオン性ポリマーを含み得る。任意に、粒子は、約0.5重量%~約5重量%のカチオン性ポリマー、又は更には約1重量%~約5重量%、又は更には約2重量%~約4重量%のカチオン性ポリマー、又は更には約3重量%のカチオン性ポリマーを含み得る。理論に束縛されるものではないが、粒子中のカチオン性ポリマーのレベルが増加するにつれて洗濯における洗濯洗剤のクリーニング性能は低下し、洗剤の許容可能なクリーニング性能は前述の範囲内に維持できると考えられる。
【0075】
カチオン性ポリマーは、約0.05meq/g(meqはミリ当量を意味する)超~23meq/g、好ましくは約0.1meq/g~約4meq/g、更により好ましくは約0.1meq/g~約2meq/g、最も好ましくは0.1meq/g~約1meq/gのカチオン電荷密度を有し得る。
【0076】
上記で参照したカチオン電荷密度は、意図される使用のpHであってよく、これは、約3~約9、任意に約4~約9のpHであってよい。
【0077】
本明細書において、ポリマーのカチオン電荷密度とは、ポリマーの分子量に対するポリマー上の正電荷数の比を指す。電荷密度は、繰り返し単位当たりの正味電荷数を、繰り返し単位の分子量で除算することによって計算される。正電荷は、ポリマーの主鎖及び/又はポリマーの側鎖に位置してよい。このような好適なカチオン性ポリマーの平均分子量は一般に約10,000~10,000,000、更には約50,000~約5,000,000、更には約100,000~約3,000,000であってよい。
【0078】
カチオン性ポリマーの非限定的な例は、カチオン性又は両性の多糖類、タンパク質及び合成ポリマーである。カチオン性多糖類としては、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性グアーガム誘導体、キトサン及びその誘導体、並びにカチオン性デンプンが挙げられる。カチオン性多糖類は、約1,000~約2,000,000、好ましくは約100,000~約800,000の分子量を有する。好適なカチオン性多糖類としては、カチオン性セルロースエーテル、特にカチオン性ヒドロキシエチルセルロース及びカチオン性ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。特に好ましいのは、以下の一般構造式に従う、置換型の無水グルコース単位を有する:
【0079】
【化5】
式中、R、R、Rは、それぞれ独立して、H、CH、C8~24アルキル(直鎖又は分枝鎖)、
【0080】
【化6】
又はこれらの混合物から選択され;
は、Hであり;
nは、約1~約10であり;
Rxは、H、CH、C8~24アルキル(直鎖又は分枝鎖)、
【0081】
【化7】
又はこれらの混合物からなる群から選択され、Zは水溶性アニオン、好ましくは塩素イオン及び/又は臭素イオンであり;Rは、H、CH、CHCH、又はこれらの混合物であり;Rは、CH、CHCH、フェニル基、C8~24アルキル基(直鎖又は分枝鎖)、又はこれらの混合物であり;
及びRは、それぞれ独立して、CH、CHCH、フェニル、又はこれらの混合物であり;
ただし、1つのアンヒドログルコース単位当たりのR基、R基、R基のうちの少なくとも1つが
【0082】
【化8】
少なくとも1つの
【0083】
【化9】
基を有することを条件とする。
【0084】
本明細書のカチオン性セルロースの電荷密度(グルコース単位100個当たりのカチオン性電荷の数によって定義される)は、好ましくは約0.5%~約60%、より好ましくは約1%~約20%、最も好ましくは約2%~約10%である。
【0085】
ポリマーの無水グルコース環上のアルキル置換の範囲は、ポリマー物質のグルコース単位1つ当たり約0.01%~5%、より好ましくはグルコース単位1つ当たり約0.05%~2%である。
【0086】
カチオン性セルロースは、グリオキシルなどのジアルデヒドで軽度に架橋されて、周囲温度で水に添加された際に、こぶ、小塊、又はその他の凝集が形成されることを防止し得る。
【0087】
カチオン性ヒドロキシアルキルセルロースの例としては、Ucare Polymer JR 30M、JR 400、JR 125、LR 400、及びLK 400、ポリマーPKポリマーの商品名で販売されるものなどのINCI名Polyquaternium 10のもの;その全てがDow Chemicals(Midlad,MI)によって販売されるSoftcat SK TMの商品名で販売されるものなどのPolyquaternium 67;並びにNational Starch and Chemical Company(Bridgewater,NJ)から入手可能なCelquat H200及びCelquat L-200の商品名で販売されるものなどのPolyquaternium 4が挙げられる。他の好適な多糖類としては、グリシジルC12~C22アルキルジメチルアンモニウムクロリドで四級化されたヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。このような多糖類の例としては、Dow Chemicals(Midlad,MI)によって商品名Quaternium LM 200として販売されているものなどの、INCI名Polyquaternium 24を有するポリマーが挙げられる。カチオン性デンプンとは、pH3の水溶液中で正味の正電荷を有するデンプンを提供するように化学修飾されたデンプンを指す。この化学修飾には、デンプン分子中へのアミノ及び/又はアンモニウム基の付加が挙げられるが、これに限定されない。これらのアンモニウム基の非限定的な例としては、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド、ジメチルステアリルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド、又はジメチルドデシルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリドなどの置換基を挙げることができるが、これらに限定されない。化学修飾前のデンプン源は、塊茎、マメ科植物、穀草及び穀物などの様々な供給源から選択することができる。このデンプンの供給源の非限定的な例としては、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ワキシーコーンスターチ、オートムギデンプン、キャッサバ(cassaya)デンプン、もち麦、もち米(waxy rice)デンプン、グルテン状ライススターチ、もち米(sweet rice)デンプン、アミオカ、バレイショデンプン、タピオカデンプン、オートムギデンプン、サゴデンプン、もち米、又はこれらの混合物を挙げることができる。カチオン性デンプンの非限定的な例としては、カチオン性トウモロコシデンプン、カチオン性タピオカ、カチオン性バレイショデンプン、又はこれらの混合物が挙げられる。カチオン性デンプンは、アミラーゼ、アミロペクチン、又はマルトデキストリンを含み得る。カチオン性デンプンは、1種以上の更なる修飾を含んでもよい。例えば、これらの修飾には、架橋、安定化反応、リン酸化反応、加水分解、架橋が挙げられ得る。安定化反応としては、アルキル化及びエステル化を挙げることができる。本組成物において使用するのに好適なカチオン性デンプンは、Cerestarから商標名CBOND(登録商標)として、及びNational Starch and Chemical Companyから商標名CATO(登録商標)2Aとして市販されている。カチオン性ガラクトマンナンとしては、カチオン性グアーガム又はカチオン性ローカストビーンガムが挙げられる。カチオン性グアーガムの例は、ヒドロキシプロピルグアーの第四級アンモニウム誘導体であり、Rhodia,Inc(Cranbury NJ)から入手可能な商標名Jaguar C13及びJaguar Excel、並びにAqualon(Wilmington,DE)によりN-Hanceとして販売されているものなどである。
【0088】
本粒子に使用するのに好適な他のカチオン性ポリマーとしては、多糖類ポリマー、カチオン性グアーガム誘導体、第四級窒素含有セルロースエーテル、合成ポリマー、エーテル化セルロース、グアー及びデンプンのコポリマーが挙げられる。使用される場合、本明細書のカチオン性ポリマーは、粒子を形成するために使用される組成物に可溶性であるか、又は粒子が形成される組成物中の複合コアセルベート相に可溶性である。好適なカチオン性ポリマーは、米国特許第3,962,418号、同第3,958,581号、及び米国特許出願公開第2007/0207109(A1)号に記載されている。
【0089】
好適なカチオン性ポリマーの1つの群としては、国際公開第00/56849号及び米国特許第6,642,200号に開示されているものなどの、好適な反応開始剤又は触媒を用いるエチレン性不飽和モノマーの重合により生成されるものが挙げられる。好適なカチオン性ポリマーは、N,N-ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N-ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N-ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N-ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、四級化N,Nジアルキルアミノアルキルアクリレート、四級化N,N-ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、四級化N,N-ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、四級化N,N-ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロピル-ペンタメチル-1,3-プロピレン-2-オール-アンモニウムジクロリド、N,N,N,N’,N’,N’’,N’’-ヘプタメチル-N’’-3-(1-オキソ-2-メチル-2-プロペニル)アミノプロピル-9-オキソ-8-アゾ-デカン-1,4,10-トリアンモニウムトリクロリド、ビニルアミン及びその誘導体、アリルアミン及びその誘導体、ビニルイミダゾール、四級化ビニルイミダゾール及びジアリルジアルキルアンモニウムクロリド及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ又は2つ以上のカチオン性モノマーと、任意にアクリルアミド、N,N-ジアルキルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジアルキルメタクリルアミド、C~C12アルキルアクリレート、C~C12ヒドロキシアルキルアクリレート、ポリアルキレングリコールアクリレート、C~C12アルキルメタクリレート、C~C12ヒドロキシアルキルメタクリレート、ポリアルキレングリコールメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルアルコール、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルアルキルエーテル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、及び誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドプロピルメタンスルホン酸(AMPS)及びこれらの塩からなる群から選択される第2のモノマーとの重合により作製される合成ポリマーからなる群から選択することができる。ポリマーは、任意に、分岐及び架橋モノマーを使用することによって分岐又は架橋し得る。分岐及び架橋モノマーとしては、エチレングリコールジアクリレートジビニルベンゼン、及びブタジエンが挙げられる。本明細書において有用である好適なポリエチレンイニンは、BASF,AG,Lugwigschaefen,Germanyにより商標名Lupasol(登録商標)として販売されている。
【0090】
別の態様では、カチオン性ポリマーは、カチオン性多糖類、ポリエチレンイミン及びその誘導体、ポリ(アクリルアミド-コ-ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(アクリルアミド-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(アクリルアミド-コ-N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(アクリルアミド-コ-N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート-コ-ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート-コ-ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート-コ-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(アクリルアミド-コ-ジアリルジメチルアンモニウムクロリド-コ-アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド-コ-アクリル酸)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ビニルピロリドン-コ-ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート-コ-四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート-コ-オレイルメタクリレート-コ-ジエチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド-コ-アクリル酸)、ポリ(ビニルピロリドン-コ-四級化ビニルイミダゾール)及びポリ(アクリルアミド-コ-メタクリルアミドプロピル-ペンタメチル-1,3-プロピレン-2-オール-アンモニウムジクロリド)からなる群から選択することができ、好適なカチオン性ポリマーとしては、化粧品成分の国際命名法により命名したときポリクオタニウム-1、ポリクオタニウム-5、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-8、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-14、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-28、ポリクオタニウム-30、ポリクオタニウム-32、及びポリクオタニウム-33が挙げられる。
【0091】
別の態様では、カチオン性ポリマーは、ポリエチレンイミン又はポリエチレンイミン誘導体を含んでもよい。別の態様では、カチオン性ポリマーは、カチオン性アクリル系ポリマーを含んでもよい。更なる態様では、カチオン性ポリマーは、カチオン性ポリアクリルアミドを含んでもよい。別の態様では、カチオン性ポリマーは、ポリアクリルアミド及びポリメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムカチオンを含むポリマーを含んでもよい。別の態様では、カチオン性ポリマーは、ポリ(アクリルアミド-N-ジメチルアミノエチルアクリレート)及びその四級化誘導体を含んでもよい。この態様では、カチオン性ポリマーは、BTC Specialty Chemicals(BASF Group、Florham Park,N.J.)から、商品名SEDIPURで販売されるものであり得る。更なる態様では、カチオン性ポリマーは、ポリ(アクリルアミド-コ-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)を含んでもよい。別の態様では、カチオン性ポリマーは、Ciba Specialty Chemicals,BASF group(Florham Park,N.J.)から、商品名RHEOVIS CDEで販売されるか、又は米国特許出願第2006/0252668号に開示されるものなどの、非アクリルアミドベースポリマーを含んでもよい。
【0092】
別の態様では、カチオン性ポリマーは、カチオン性多糖類からなる群から選択され得る。一態様では、カチオン性ポリマーは、カチオン性セルロースエーテル、カチオン性ガラクトマンナン、カチオン性グアーガム、カチオン性デンプン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーであってもよい。
【0093】
好適なカチオン性ポリマーの別の群としては、例えば、アミン及びオリゴアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物であるアルキルアミン-エピクロロヒドリンポリマー、例えば、米国特許第6,642,200号、及び同第6,551,986号に列挙されているポリマーを挙げることができる。例としては、Clariant(Basle,Switzerland)から入手可能な、商品名CARTAFIX CB、CARTAFIX TSFとして入手可能である、ジメチルアミン-エピクロロヒドリン-エチレンジアミンが挙げられる。
【0094】
好適な合成カチオン性ポリマーの別の群は、ポリアルキレンポリアミンとポリカルボン酸とのポリアミドアミン-エピクロロヒドリン(PAE)樹脂を含み得る。最も一般的なPAE樹脂は、ジエチレントリアミンとアジピン酸との縮合、続いて、エピクロロヒドリンとの後続反応による生成物である。これらは、商標名KYMENEとしてHercules Inc.(Wilmington,DE)から又は商標名LURESINとしてBASF AG(Ludwigshafen,Germany)から入手可能である。
【0095】
カチオン性ポリマーは、ポリマー全体が周囲条件下で中性になるように電荷中和アニオンを含有し得る。好適な対イオンの非限定的な例(使用中に生じるアニオン性種に加えて)としては、塩化物、臭化物、硫酸、硫酸メチル、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、炭酸、重炭酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、硝酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0096】
カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、RI検出を用いてポリエチレンオキシド標準物質に対してサイズ排除クロマトグラフィーによって測定したとき、約500~約5,000,000、又は約1,000~約2,000,000、又は約5000~約1,000,000ダルトンであってよい。一態様では、カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、約100,000~約800,000ダルトンであり得る。
【0097】
カチオン性ポリマーは、粉末形態で提供され得る。カチオン性ポリマーは、無水状態で提供され得る。
【0098】
脂肪酸
粒子は、脂肪酸を含み得る。「脂肪酸」という用語は、本明細書では、非プロトン化又はプロトン化形態の脂肪酸を含むように、最も広い意味で使用されている。当業者は、ある脂肪酸がプロトン化されているか、プロトン化されていないかが、ある程度、水性組成物のpHによって決まることを容易に理解するであろう。脂肪酸は、その非プロトン化形態、又は塩形態であり、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられるがこれらに限定されない、対イオンを伴い得る。「遊離脂肪酸」という用語は、別の化学部分に結合(共有結合又は別様に結合)していない脂肪酸を意味する。
【0099】
脂肪酸としては、12個~25個、13個~22個、又は更には16個~20個の総炭素原子を含有し、かつ脂肪部分に10個~22個、12個~18個、又は更には14個(ミッドカット)~18個の炭素原子を含有しているものを挙げることができる。
【0100】
脂肪酸は、以下のものに由来し得る:(1)動物脂肪及び/又は部分水素添加動物脂肪(牛脂、ラードなど)、(2)植物油、及び/又は部分水素添加植物油、例えば、キャノーラ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、ゴマ種子油、ナタネ油、綿実油、トウモロコシ油、ダイズ油、トール油、米ぬか油、パーム油、パーム核油、ココヤシ油、他の熱帯パーム油、アマニ油、キリ油など、(3)熱、圧力、アルカリ異性化反応及び触媒処理を介したアマニ油又はキリ油などの加工油及び/又は増粘油(bodied oil)、(4)飽和脂肪酸(例えばステアリン酸)、不飽和脂肪酸(例えばオレイン酸)、多不飽和脂肪酸(リノール酸)、分枝状脂肪酸(例えばイソステアリン酸)又は環状脂肪酸(例えば、多不飽和酸の飽和又は不飽和α-二置換シクロペンチル又はシクロヘキシル誘導体)を生じさせるための、上記のものの組み合わせ。
【0101】
異なる脂肪源由来の脂肪酸の混合物を使用することができる。
【0102】
不飽和脂肪酸のシス/トランス比が重要である場合があり、(C18:1材料の)シス/トランス比は、少なくとも1:1、少なくとも3:1、4:1以上、又は更には9:1以上である。
【0103】
また、酸化に対して、並びに結果として生じる色及び臭気の質の悪化に対してより安定であり得るため、イソステアリン酸などの分枝鎖状脂肪酸もまた好適である。
【0104】
脂肪酸は、0~140、50~120、又は更には85~105のヨウ素価を有し得る。
【0105】
粒子は、約1重量%~約40重量%の第四級化合物を含み得る。脂肪酸が、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、及びこれら混合物からなる群から選択され得るものを含んでもよい。脂肪酸は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のブレンド、及びこれらの混合物であってよい。脂肪酸は、置換又は非置換であってよい。脂肪酸は、第四級アンモニウム化合物を提供することができる。脂肪酸は、ゼロのヨウ素価を有し得る。
【0106】
脂肪酸は、ステアリン酸、パルミチン酸、ココナッツ油、パーム核油、ステアリン酸パルミチン酸ブレンド、オレイン酸、植物油、部分水素添加植物油、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0107】
脂肪酸は、ステアリン酸CAS No.57-11-4であってよい。脂肪酸は、パルミチン酸CAS No.57-10-3であってよい。脂肪酸は、ステアリン酸とココナッツ油とのブレンドであってよい。
【0108】
脂肪酸は、C12~C22脂肪酸であってよい。C12~C22脂肪酸は、獣脂起源又は植物起源であってもよく、飽和又は不飽和であってもよく、置換又は非置換であってもよい。
【0109】
理論に束縛されるものではないが、脂肪酸は、粒子の配合成分を均一に混合するための加工助剤として役立つ可能性がある。
【0110】
粒子
粒子は、約1mg~約1gの個々の質量を有し得る。粒子が小さいほど、水に溶解する傾向がある。複数の粒子は、約1mg~約1000mg、代替的に約5mg~約500mg、代替的に約5mg~約200mg、代替的に約10mg~約100mg、代替的に約20mg~約50mg、代替的に約35mg~約45mg、代替的に約38mgの個々の又は平均の粒子質量を有することができる。複数の粒子は、約30mg未満、代替的に約15mg未満、代替的に約5mg未満、代替的に約3mgの質量の標準偏差を有することができる。上記範囲内の質量の平均粒子は、粒子が典型的な洗浄サイクル中に溶解することを可能にする、水中の分散時間を提供することができる。理論に束縛されるものではないが、そのような質量の標準偏差を有する粒子が、より広い質量の標準偏差を有する粒子と比較して、より均一な水中の分散時間を有することができると考えられる。粒子の質量の標準偏差が小さいほど、分散時間はより均一になる。複数の粒子を形成する個々の粒子の質量は、所望の分散時間を提供するように設定され得、それは、洗濯機における典型的な洗浄サイクルの長さの一部であってもよい。約9000の重量平均分子量を有するポリエチレングリコールから形成される粒子は、約38mgの平均粒子質量及び約3mgの質量の標準偏差を有することができる。
【0111】
複数の粒子は、10mg未満の質量を有する粒子を実質的に含まなくてもよい。これは、粒子が空中浮遊する能力を制限するのに実用的となり得る。
【0112】
個々の粒子は、約0.003cm~約5cm、任意に約0.003cm~約1cm、任意に約0.003cm~約0.5cm、任意に約0.003cm~約0.2cm、任意に約0.003cm~約0.15cmの体積を有し得る。より小さい粒子は、容器内の粒子のより良好な包装及び洗浄水中のより急速な溶解を提供すると考えられる。
【0113】
組成物は、ASTM International、ASTM E11-13に規定されているように、ふるいNo.10上に保持される粒子を含むことができる。組成物は粒子を含むことができ、粒子は、約50重量%超、任意に約70重量%超、任意に約90重量%超の粒子がASTM International、ASTM E11-13に規定されているように、ふるいNo.10上に保持される。ふるいNo.10上に保持される粒子が、より小さい粒子よりも取り扱いが容易であり得るため、そのようにサイズ決定された粒子を提供することが望ましくあり得る。
【0114】
組成物は、ASTM International、ASTM E11-13に規定されているように、ふるいNo.6上に保持される粒子を含むことができる。組成物は粒子を含むことができ、粒子は、約50重量%超、任意に約70重量%超、任意に約90重量%超の粒子がASTM International、ASTM E11-13に規定されているように、ふるいNo.6上に保持される。ふるいNo.6上に保持される粒子が、より小さい粒子よりも取り扱いが容易となり得るため、そのようにサイズ決定された粒子を提供することが望ましい場合がある。
【0115】
組成物は、公称ふるい目開きサイズ22.6mmを有するふるいを通過する粒子を含むことができる。組成物は、公称ふるい目開きサイズ22.6mmを有するふるいを通過し、かつ公称ふるい目開きサイズ0.841mmを有するふるい上に保持される粒子を含むことができる。公称目開きサイズ22.6mmを有するふるい上に保持されるようなサイズを有する粒子は、一般的な洗浄サイクルにとっては長すぎる分散時間を有する傾向がある。公称ふるい目開きサイズ0.841mmを有するふるいを通過するようなサイズを有する粒子は、好都合に取り扱うには小さすぎる可能性がある。上記の限界内のサイズを有する粒子は、分散時間と粒子の取り扱いの容易さとの間の適切なバランスを示し得る。
【0116】
本明細書に開示されるサイズを有する粒子は、それらが容器、投入カップ、又は他の装置から洗面器又は洗濯機に注入されるときに、容易に空気浮遊しないように十分に大きくてもよい。更に、本明細書に開示されるそのような粒子は、容器から投入カップ内に容易かつ正確に注入され得る。したがって、このような粒子によって、消費者が洗浄水に送達する第四級アンモニウム化合物の量を制御することが容易になる。
【0117】
複数の粒子は、洗濯機又は洗濯用洗面器に投入するための投入量を集合的に含んでもよい。粒子の単回投入量は、約1g~約50gの粒子を含んでもよい。粒子の単回投入量は、約5g~約50g、あるいは約10g~約45g、あるいは約20g~約40g、あるいはこれらの組み合わせ、及び前述のあらゆる全グラム値又は全グラム値の範囲を含んでもよい。投入量を構成することができる複数の粒子を形成する個々の粒子は、約1mg~約5000mg、あるいは約1mg~約1000mg、代替的に約5mg~約200mg、代替的に約10mg~約200mg、代替的に約15mg~約50mg、代替的に約20mg~約50mg、代替的に約35mg~約45mg、代替的に約38mg、代替的にこれらの組み合わせ、及び前述のあらゆる範囲の全mg値又は全mg値の範囲の質量を有することができる。複数の粒子は、異なるサイズ、形状、及び/又は質量を有する粒子で構成され得る。ある投入量中の粒子は、約15mm未満の最大寸法を各々有することができる。ある投入量中の粒子の各々は、約1cm未満の最大寸法を有することができる。
【0118】
粒子は、酸化防止剤を含み得る。酸化防止剤は、製造してから使用するまでの期間に粒子の色又は臭いの安定性を促進することに役立ち得る。粒子は、約0.01重量%~約1重量%の酸化防止剤、任意に約0.001重量%~約2重量%の酸化防止剤、任意に約0.01重量%~約0.1重量%の酸化防止剤を含み得る。酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエンであってよい。
【0119】
粒子は、約25℃~約120℃、任意に約30℃~約60℃、任意に約35℃~約50℃、任意に約40℃、任意に約40℃~約60℃の溶融開始を有し得る。粒子の溶融開始は、溶融開始の試験方法により決定される。約25℃~約120℃、任意に約40℃~約60℃の融解開始を有する粒子は、製造後、梱包中、輸送中、保管中、及び使用中を含むがこれに限定されない1つ又は2つ以上の期間の間に、粒子の貯蔵安定性を提供するのに実用的であり得る。
【0120】
粒子は、約67重量%の、約9000の重量平均分子量を有するポリエチレングリコールと、約24%重量の%ジ-(タロウオイルオキシエチル)-N,N-メチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートと、約6%重量の脂肪酸と、約3重量%の、トリメチルアンモニウム基で置換されたエポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー状第四級アンモニウム塩であるカチオン性多糖類と、を含む。粒子は、約60重量%の、約9000の重量平均分子量を有するポリエチレングリコールと、約24%重量の%ジ-(タロウオイルオキシエチル)-N,N-メチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートと、約6%重量の脂肪酸と、約7重量%の非カプセル封入香料と、約3重量%の、トリメチルアンモニウム基で置換されたエポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー状第四級アンモニウム塩であるカチオン性多糖類と、を含む。
【0121】
本明細書に記載の組成物は、複数の粒子を含み得る。粒子は、約25重量%~約94重量%の、約2000~約13000の重量平均分子量を有するポリエチレングリコールと、約5重量%~約45重量%の第四級アンモニウム化合物と、約0.5%~約10重量%のカチオン性ポリマーと、を含んでよく、当該粒子はそれぞれ、約1mg~約1gの質量を有し、当該組成物は、65℃で約1Pa-s~約10Pa-s、65℃で約1Pa-s~約10Pa-s、任意に約1.5~約4、任意に約1Pa-s~約3Pa-s、任意に約2の粘度を有する。このような組成物は、簡便に溶融物として処理することができる。更に、このような組成物は、ロートフォーマー上で処理されてもよく、半球形、圧縮半球形、又は少なくとも1つの実質的に平坦若しくは平坦な表面を有する粒子を得ることができる。このような粒子は、球状粒子と比較して、比較的高い表面積を質量に対して有することができる。溶融物を加工することの実用性は、溶融物の粘度に少なくとも部分的に依存し得る。
【0122】
本明細書に記載されるいずれかの組成物について、組成物が、65℃で約1Pa-s~約10Pa-s、65℃で約1Pa-s~約5Pa-s、任意に約1.5~約4、任意に約1Pa-s~約3Pa-s、任意に約2の粘度を有することが望ましい場合がある。このような組成物は、簡便には、ロートフォーマー上で処理され、半球形、圧縮半球形、又は少なくとも1つの実質的に平坦な若しくは平坦な表面を有する粒子を得ることができる。
【0123】
65℃における粒子の粘度は、非限定的な例として、希釈剤を組成物に添加することによって制御することができる。粒子は、希釈剤を含み得る。希釈剤は、香料、ジプロピレングリコール、脂肪酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0124】
本明細書に開示される粒子は、均質構造化粒子又は実質的に均質な構造化粒子であってよい。実質的に均質な構造化粒子は、粒子を形成する成分材料が互いに実質的に均質に混合される粒子である。実質的に均質な構造の粒子は、完全に均質である必要はない。実質的に均質な構造化粒子又は均質構造化粒子を製造するための商業的用途において、当業者によって使用される混合プロセスの制限内での均質の程度は、様々であってよい。粒子は、担体の連続相を有し得る。粒子のそれぞれは、粒子を形成する成分材料の混合物の連続相であり得る。したがって、例えば、粒子が成分材料A、B及びCを含む場合、粒子は、混合物A、B、及びCの連続相であってよい。非限定的な例として、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の成分材料によって、粒子を形成する任意の数の成分材料についても言える。
【0125】
均質構造化粒子は、コア及びコーティングを有する粒子ではなく、粒子は同じ構造を有する他の粒子とは区別されている。実質的に均質な構造化粒子又は均質構造化粒子は、機械的に分離不可能であってよい。すなわち、均質構造化粒子を形成する成分材料は、例えば、ナイフ又は微細なピックにより機械的に分離できなくてもよい。
【0126】
均質構造化粒子は、約500μmよりも大きい寸法を有する封入体を実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。均質構造化粒子は、約200μmよりも大きい寸法を有する封入体を実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。均質構造化粒子は、約100μmよりも大きい寸法を有する封入体を実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。理論に束縛されるものではないが、洗浄中の粒子の溶解を妨げる可能性があるため、又は洗浄されている物品に視覚的に認識できる残留物を残す可能性があるため、大きい封入体が豊富にあることは望ましくない場合がある。
【0127】
実質的に均質な粒子では、構成材料は、実質的にランダムに若しくはランダムに分散されてもよく、又は構成材料は、実質的にランダムに若しくはランダムに担体中に分散されてもよい。理論に束縛されるものではないが、実質的に均質構造化された粒子は、生産するにあたって、大きな資本を必要としない可能性があると考えられ、こうした粒子を生産するためのプロセスは、消費者により受け入れやすい更に均一な粒子をもたらすと考えられている。
【0128】
本明細書に開示される粒子は、開示される実施形態又は組み合わせのいずれかにおいて、球体、半球、扁球、円筒形、多面体、及び扁平半球からなる群から選択される形状を有し得る。本明細書に開示される粒子は、約10~1、任意に約8~1、任意に約5~1、任意に約3~1、任意に約2~1の最小寸法に対する最大寸法の比を有し得る。本明細書に開示される粒子は、粒子がフレークでないように成形され得る。最小寸法に対する最大寸法の比が約10超であるか、又はフレークである粒子は脆くなる傾向があり、そのような粒子は埃っぽくなりやすい。粒子の脆弱性は、最小寸法に対する最大寸法の比の値が減少するにつれて減少する傾向がある。
【0129】
衣類を処理するプロセス
本明細書に開示される粒子は、消費者が洗浄、特に洗浄サブサイクルを通して柔軟化を達成することを可能にする。洗浄サブサイクルを通して柔軟化を提供することにより、消費者は、洗濯機の始動前又は直後に、洗剤組成物及び粒子を単一の場所、例えば洗浄槽に投入するだけでよい。これは、洗浄サブサイクルが完了した後、例えば、すすぎサイクルの前、最中、又はすすぎのサイクルとサイクル間に、別々に洗浄槽内に分注される液体布地エンハンサー(fabric enhancer)を使用するよりも消費者にとって簡便となる可能性がある。例えば、洗浄サブサイクルの完了後、消費者が手動で布地柔軟化組成物を分注することは、消費者が洗濯機のサブサイクルの進行を監視し、洗濯機のサイクルの進行を中断して洗濯機を開けて、柔軟剤組成物を洗浄槽に分注しなければならないため、不便な可能性がある。洗剤組成物が分注される場所以外の場所に布地柔軟化組成物を分注する必要があるため、最新の直立型で高効率の機械の自動分注機構を使用することは、更に不都合となる場合がある。
【0130】
衣類を処理するためのプロセスは、洗濯機内に衣類を提供する工程を含み得る。衣類を、本明細書に開示される複数の粒子を含む組成物と、洗濯機の洗浄サブサイクル中に接触させる。粒子は、洗浄サブサイクルの一部として提供される水に溶解して、溶液を形成することができる。粒子の溶解は、洗浄サブサイクル中に生じ得る。
【0131】
粒子は、本明細書に記載の重量分率で構成成分を含み得る。例えば、粒子は、約25重量%~約94重量%の水溶性担体を含み得る。粒子は、約5重量%~約45重量%の第四級アンモニウム化合物を更に含み得る。任意に、第四級アンモニウム化合物が形成される親脂肪酸のヨウ素価は、約18~約60であってよい。粒子は、約0.5%~約10%の水溶性担体を更に含み得る。各粒子は、約1mg~約1gの個々の質量を有し得る。粒子は、約25℃~約120℃の溶融開始を有する。
【0132】
洗濯機は、運転サイクル内の少なくとも2つの基本サブサイクル、洗浄サブサイクル及びすすぎサブサイクルを有する。洗濯機の洗浄サブサイクルは、最初に洗浄槽を水で満たす又は部分的に満たす際に開始する洗濯機のサイクルである。洗浄サブサイクルの主な目的は、衣類から汚れを除去する又は緩め、洗浄液中に汚れを懸濁することである。典型的には、洗浄液は、洗浄サブサイクルの終わりに排出される。洗濯機のすすぎサブサイクルは、洗浄サブサイクルの後に起こり、汚れ、及び任意に洗浄サブサイクルに提供されるいくつかの有益剤を衣類からすすぎ洗いする主な目的を有する。
【0133】
プロセスは、任意に、洗浄サブサイクル中に衣類をアニオン性界面活性剤を含む洗剤組成物と接触させる工程を含んでよい。ほとんどの消費者は、洗浄サブサイクル中に洗浄槽に洗剤組成物を提供する。洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤、並びに任意に、香料、漂白剤、増白剤、色相染料、酵素などを含むがこれらに限定されない他の有益剤を含み得る。洗浄サブサイクル中、洗剤組成物と共に提供される有益剤を、洗浄槽内に入れた衣類と接触させるか、又はそれに塗布する。典型的には、洗剤組成物の有益剤は、水及び有益剤の洗浄液中に分散される。
【0134】
洗浄サブサイクル中、洗浄槽は水で満たされてもよく、又は少なくとも部分的に水で満たされてもよい。粒子は、水に溶解して、粒子の成分を含む洗浄液を形成し得る。任意に、洗剤組成物を用いる場合、洗浄液は洗剤組成物の成分及び粒子又は溶解した粒子を含み得る。衣類を洗濯機の洗浄槽内に入れる前に、粒子を洗濯機の洗浄槽内に入れてよい。衣類を洗濯機の洗浄槽内に入れた後に、粒子を洗濯機の洗浄槽内に入れてよい。洗浄槽を水で満たす前若しくは部分的に満たす前に、又は洗浄槽を水で満たし始めた後に、粒子を洗浄槽に入れてよい。
【0135】
洗剤組成物が、衣類を処理するプロセスを実施する際に消費者によって用られる場合、洗剤組成物及び粒子は、別のパッケージから提供されてもよい。例えば、洗剤組成物は、ボトル、サッシェ、水溶性パウチ、投入カップ、投入ボール、又は洗濯機に不随するカートリッジから提供される液体洗剤組成物であってよい。粒子は、非限定的な例として、カートン、ボトル、水溶性パウチ、投入カップ、サッシェなどによって、別のパッケージから提供され得る。洗剤組成物が、粉末、水溶性繊維基材、水溶性シート、水溶性フィルム、水溶性フィルム、固体洗剤組成物を担持する非水溶性繊維ウェブなどの固体形態である場合、粒子は固体洗剤組成物で提供され得る。例えば、粒子は、固体洗剤組成物と粒子との混合物を含有する容器から提供され得る。任意に、粒子は、水溶性繊維基材、水溶性シート、水溶性フィルム、水溶性フィルム、固体洗剤組成物を担持する非水溶性繊維ウェブである洗剤組成物から形成されたパウチから提供され得る。
【0136】
粒子の製造
溶融物として簡便に加工できる担体の場合、回転成形プロセスを使用することができる。溶融担体と粒子を構成する他の材料との混合物は、例えばバッチ又は連続混合プロセスで調製される。溶融混合物を、例えば、幅750mmで長さ10mのベルトを有するSandvik ROTOFORM 3000などのロートフォーマーに圧送してもよい。ロトフォーミング装置は、回転シリンダーを有することができる。シリンダーは、機械横方向に10mm間隔、及び機械方向に9.35mm間隔に設定した直径2mmの孔を有することができる。シリンダーは、ベルトの上約3mmに設定され得る。ベルト速度及びシリンダーの回転速度は、約10m/分に設定され得る。溶融混合物を、回転シリンダー内の開口部を通過し、回転シリンダーの下に設けられた移動コンベヤー上に付着させることができる。
【0137】
溶融混合物は、移動コンベア上で冷却されて、複数の固形粒子を形成し得る。冷却は、周囲冷却によってもたらされ得る。任意に、冷却は、コンベアの下側に常温水又は冷水を吹き付けることによってもたらされてもよい。
【0138】
粒子が十分に凝集性になったならば、粒子は、更なる加工及び又は梱包のために、コンベアからコンベア下流にある加工装置に移されてよい。
【0139】
任意に、粒子は、気体の封入体を提供し得る。このような気体、例えば空気の吸蔵は、粒子が洗浄中により迅速に溶解するのを支援することができる。気体の吸蔵は、非限定的な例として、溶融した前駆体材料にガスを注入し、混合物を粉砕することによって提供され得る。
【0140】
粒子はまた、他のアプローチを使用しても作製され得る。例えば、造粒又はプレス凝集が適切であり得る。造粒において、粒子の構成材料を含む前駆材料は、回転混合ツールによって圧縮及び均質化され、造粒されて粒子を形成する。実質的に水を含まない前駆材料について、多種多様なサイズの粒子が作製され得る。
【0141】
プレス凝集において、粒子の構成材料を含む前駆材料は、圧力下及び剪断力の作用下で圧縮及び可塑化され、均質化され、次いで形成/成形プロセスを介してプレス凝集機から排出される。プレス凝集技術としては、押出、ローラ圧縮、ペレット化、及び錠剤化が挙げられる。
【0142】
粒子の構成材料を含む前駆材料は、共回転又は二重反転スクリューを有する遊星ロール押出機又は二軸押出機に送達され得る。バレル及び押出造粒ヘッドは、所望の押出温度に加熱され得る。粒子の構成材料を含む前駆材料は、圧力下で圧縮され、可塑化され、押出機ヘッド内の多穴押出ダイを通してストランドの形態で押出され、切断ブレードを使用してサイズ決定され得る。押出ヘッダの穴径は、適切にサイズ決定された粒子を提供するために選択され得る。押出された粒子は、球形機を使用して形状決定されて、球状の形状を有する粒子を提供することができる。
【0143】
任意に、押出及び圧縮工程は、例えば、Amandus Kahl,Reinbek,Germanyから入手可能なフラットダイペレット化プレスなどの低圧押出機で実施されてもよい。任意に、押出及び圧縮工程は、Hosokawa Alpine Aktiengesellschaft,Augsburg,Germanyから入手可能なBEXTRUDERなどの低圧押出機で実施されてもよい。
【0144】
粒子は、ローラ圧縮を使用して作製され得る。ローラ圧縮において、粒子の構成材料を含む前駆材料は、2つのローラ間に導入され、2つのローラ間の圧力下で転がされて、圧密物のシートを形成する。ローラは、前駆材料に対して高い線圧を提供する。ローラは、前駆材料の加工特徴に応じて、所望に応じて加熱又は冷却され得る。圧密物のシートは、切断によって小片に分割される。小片は、例えば、球形機を使用することによって更に形状決定され得る。
【0145】
溶融開始の試験方法
溶融開始は、以下のような溶融開始の試験方法を使用して決定される。示差走査熱量測定(DSC)を使用して、試験される粒子の任意の所与の組成物のピーク溶融転移のため溶融開始が生じる温度を定量化する。溶融温度測定は、TA InstrumentsのモデルディスカバリーDSC(TA Instruments Inc./Waters Corporation(New Castle,Delaware,U.S.A.)などの、付随するソフトウェア及び窒素パージ能力を有する高品質のDSC機器を使用して行われる。較正チェックを、インジウム標準試料を使用して実施する。インジウム標準試料について測定された溶融開始温度が156.3~157.3℃の範囲内である場合、DSC機器は試験を行うのに適しているとされる。
【0146】
試験組成物の複数の粒子を検査し、第1のクラスの粒子を含む個々の粒子、それに対する第2のクラスの粒子を含む粒子、及び存在し得る任意の追加の数のクラスを含む粒子を特定する。そのようなクラス識別を達成するために複数の粒子を検査するプロセスは、化学的構成に基づく個々の粒子の目視の観察、検査及び比較による、並びに個々の粒子中の第四級アンモニウム化合物、カチオン性ポリマー、又は香料の有無を決定するための化学的試験による、個々の粒子の検査及び比較を含む、多くのアプローチを含み得る。試験組成物は、クラス毎に(すなわち、個々の粒子をそれらのクラスに従って物理的に分離し、それぞれの試料が単一のクラスの粒子を含む、内部敵に均一な試料を生成することによって)試験されるべきである。これらの試料を使用して、他のクラスの粒子とは別に各クラスから粒子を試験する。粒子の各クラスについて測定された結果は、別々に(すなわち、クラス毎に)報告される。
【0147】
試験組成物中に存在する粒子の各クラスに関して、均一な試験サンプルは、少なくとも5gの粒子を得ることによって調製され、次いで、IKA基本分析粉砕モデルA11 B S1(IKA-Werke GmbH & Co.KG,Staufen im Breisgau,Germany)などの分析粉砕装置を使用して粉末形態に粉砕することによって微粉化される。その後、粉砕した試料を、名目上直径1mmのふるいメッシュサイズの開口部(例えば、NO.18メッシュサイズ)を有する清浄なステンレス鋼ふるいを通してふるい分けする。試験される各試料について、少なくとも2つの反復試料を独立して粉砕し、測定する。およそ5mg秤量した粉砕物の試料を、気密アルミニウムDSC試料パンの底部に入れ、パンの底を覆うように試料を広げる。気密性アルミニウム蓋を試料パン上に置き、蓋を試料封入プレスで密封して、測定プロセス中の蒸発又は重量損失を防止する。DSC測定は、参照標準に対して実施される。空の参照パンに対するサンプルを含むパンの熱吸着のデルタを測定するため、空のアルミニウムDSCサンプルパンを参照標準として使用する。
【0148】
DSC機器を、以下のサイクル構成選択を使用して試料を分析するように設定する:試料パージガスは50mL/分に設定された窒素であり、サンプリング間隔は0.1秒/点に設定され、平衡化は-20.00℃に設定され、等温保持は1分に設定される。設定を使用して、単一の加熱サイクル中にデータを収集する:Rampは10.00℃/分~90.00℃に設定され、等温保持は90.00℃で1分間に設定される。反復試験試料を含む密封試料パンを、空の参照パンと同様に、機器に注意深く装填する。上に明示されるDSC分析サイクルを実施し、出力データを評価する。DSC加熱サイクル中に獲得されたデータは、典型的には、X軸(℃)の温度及びY軸上のサンプル重量(W/g)に正規化された加熱流によってプロットされ、その結果、融点は、エネルギーを吸収することから、下方(吸熱)ピークとして現れる。
【0149】
溶融転移開始温度は、対象となる溶融温度に対して予め確立されたベースラインから最初に偏向が観察される温度である。ピーク溶融温度は、明示されるDSC加熱サイクル中に、サンプルを固相から溶融相に移行させるために、最大観測差動エネルギーを必要とする特定の温度である。本発明の目的では、溶融開始温度は、ピーク溶融温度の溶融転移開始温度として定義される。DSC技術に関する更なる一般的な情報は、業界標準法ASTM D3418-03-DSCによるポリマーの遷移温度に見出すことができる。
【0150】
DSC機器ソフトウェアを使用して、2つの点を、「始動及び停止統合(Start and Stop Integration)」ベースライン限界として手動で定義する。選択された2つの点は、検出された溶融転移ピークのベースラインの平坦領域上の、それぞれ左側及び右側にある。次いで、この定義された領域を使用してピーク温度(T)を決定し、これをピーク溶融温度を報告するために使用することができる。次いで、ピーク溶融温度に対する溶融開始温度を、機器ソフトウェアによって特定する。
【0151】
試験組成物中の粒子の各クラスに関して、報告される溶融開始温度は、その種類の粒子の反復試料からの平均の結果(℃)である。
【0152】
分散試験方法
粒子の分散時間を以下の試験方法に従って決定する。
【0153】
磁気撹拌棒及び25Cの137ppm硬度の水500mLを、400rpmの撹拌速度で設定された撹拌プレートの上に配置された600mL容量のガラスビーカーに入れる。水の温度を25℃に維持する。5つの粒子を撹拌水のビーカーに添加し、同時に直ちにタイマーを始動させる。次いで、粒子を、実験室拡大装置を用いずに、十分に照明された実験室条件下で目視によって視覚的に観察し、その分散及び崩壊に関して粒子の外観及びサイズを監視し評価する。この視覚的評価は、正確な観察を確実にするため懐中電灯又は他の明るい光源の使用を必要とする場合がある。
【0154】
目視評価は、撹拌水に粒子を添加した後、60分間の期間にわたって10秒毎に実施される。粒子の分散により、粒子が別個の物体として視覚的に検出不能となる場合、この最初に生じる時点を書き留める。粒子の分散が安定した視覚的外観をもたらし、その後、追加の分散又は崩壊が観察されない場合、この安定した外観が最初に生じる時点を書き留める。60分の時点で粒子又はその残余物が依然として目に見え、粒子又はその残余物が依然として60分の時点の直前に分散又は崩壊を受けている思われる場合には、60分の値が割り当てられる。試験される各組成物について、評価は、10回の反復測定を提供するために、組成物から10個の試料について評価を行う。10回の反復について書き留めた時間値を平均し、この平均値を、その組成物について決定された分散時間値として報告する。
【0155】
粘度試験方法
消費者製品組成物、例えば、疎水性コンディショニング剤又は担体材料の成分の粘度を以下のように決定する。
【0156】
所与の成分について、報告される粘度は、成分の無限剪断粘度(又は無限速度粘度)を一般に表す、以下の方法によって測定される粘度値である。TA Discovery HR-2 Hybrid Rheometer(TA Instruments,New Castle,Delaware,U.S.A.)、及び付随するTRIOSソフトウェアバージョン3.2.0.3156により粘度測定を行う。機器には、40mmステンレス鋼平行プレート(TA Instruments,カタログ番号511400.901)、ペルチェプレート(TA Instrumentsカタログ番号533230.901)、及び溶媒捕捉カバー(TA Instruments,カタログ番号511400.901)が装備されている。較正を、メーカーの推奨に従って行う。25℃に設定された冷却循環水浴をペルチェプレートに取り付ける。ペルチェプレート温度を65℃に設定する。機器が設定温度に達するまでコントロールパネル内で温度を監視し、その後、ペルチェプレートに試料材料を装填する前に平衡を確実にするために更に5分間経過させてもよい。
【0157】
液体材料(例えば、疎水性コンディショニング剤)を装填するため、70Cに設定されたオーブン内で試料を予備溶融させ、移送ピペットを使用して、ペルチェプレートの中央表面に2mlの液体材料を移す。非液体材料(例えば担体材料)を装填するため、ペルチェプレートの中央表面に2グラムの非液体材料を添加し、試料を完全に液化させる。装填された試料液体が可視気泡を含有する場合、10分間の期間、待機して、気泡が試料を通って移動して破裂させるか、又は移送ピペットを使用して気泡を抽出することができる。気泡が依然として残っている場合、試料をプレートから取り去り、プレートをイソプロパノール拭き取り布で洗浄し、溶媒を蒸発させる。次いで、試料装填手順を再度試み、目視可能な気泡を含まずに試料が首尾よく装填されるまで繰り返す。
【0158】
平行プレートを、50ミリメートルで最初に設定された間隙距離で、いくつかの段階の位置へと下げる。この間隙距離でプレートを用いて60秒間待機した後、平行プレートを、間隙距離が1ミリメートルに設定された位置に更に下げる。
【0159】
平行プレートをロックした後、ラバーポリスマン(rubber policeman)を使用して、任意の過剰な試料材料を平行プレートの外周から除去する。試料が平行プレートの縁部の周囲に均一に分布され、プレートの側面又は上部に試料が存在しないことを確実にすることが重要である。プレートの側面又は上部に試料材料が存在する場合、この余分な材料を静かに除去する。溶媒捕捉カバーを平行プレート上に注意深く適用する。
【0160】
使用される器具手順及び設定(IPS)は、以下のとおりである。
1)「環境制御」ラベルの下でのコンディショニング工程(試料のプレコンディション):「温度」は65℃であり、「設定点の承継」は選択されず、「浸漬時間」は10.0秒であり、「温度を待つ」が選択される;「軸力を待つ」ラベルの下では、「軸力を待つ」は選択されない;「予備剪断(preshear)オプション」ラベルの下では、「予備剪断の実施」は選択されない;「平衡化」ラベルの下では、「平衡化の実施」が選択され、「持続時間」は120秒である。
2)「環境制御」ラベル下でのフローピーク値保持設定:「温度」は25℃であり、「設定点の承継」は選択されず、「浸漬時間」は0.0秒であり、「温度を待つ」は選択されない;「試験パラメータ」ラベルの下では、「持続時間」は60秒であり、「剪断速度」は2.76 1/秒であり「固有の初期値」は選択されず、「点の数」は20である;「進行速度の制御(Controlled Rate Advanced)」ラベルの下では、「動作モード」は自動である;「データ取得」ラベルの下では、「工程の終了」はゼロトルクであり、「迅速サンプリング」及び「画像の保存」は選択されない;「工程終了」ラベルの下では、「ラベルチェック:可能」は選択されず、「平衡」又は「工程反復:可能」が選択される。
3)追加の温度で試料の粘度を測定するため、上記工程1)の「コンディショニング工程」は、次の工程としてプログラムされ、「温度」は、60C(「環境制御」の下)に設定される。他の全てのパラメータは同じままである。
4)フローピーク値保持工程を、上記工程2)に記載されるとおりに、この新たな温度に対して繰り返す。
5)コンディショニング工程において、次の温度:55℃、53℃、52℃、51℃、50℃、49℃、48℃を使用して、工程3)及び工程4)を継続する。
【0161】
データを収集した後、データセットを、TRIOSソフトウェアで開く。データ点を、以下の方法で分析する:
・データのピーク値保持タブでは、ピーク値保持率-1(65℃で得られたデータに対応する)を選択する。Pa-sの単位で表される粘度の平均(平均)値を報告する。
・所望であれば、この分析を繰り返して、評価された追加の温度の平均(平均)粘度値を得る。
【0162】
測定された成分の報告された粘度値は、3つの独立した粘度測定(すなわち、3つの反復試料調製物)からの平均(平均)粘度であり、Pa・sの単位で表される。
【0163】
粒子溶解及び摩擦係数試験
粒子の試験片を調製して、水中での粒子溶解時間を決定した。スピードミックスカップ(Max 100 SPEEDMIX Cup)中に重量平均分子量9000を有するポリエチレングリコールを供給し、80℃の温度を有するオーブン内に材料のカップを入れて一晩溶融させることによって調製した。朝にポリエチレングリコールのスピードカップをオーブンから取り出し、次いで、第四級アンモニウム化合物及びカチオン性ヒドロキシエチルセルロースをスピードミックスカップに添加した。ポリエチレングリコール、第四級アンモニウム化合物、及びカチオン性ヒドロキシエチルセルロースのスピードカップを、80℃の温度を有するオーブンに4時間置いた。材料のスピードカップをオーブンから取り出し、1分当たり3500回転で30秒間、SPEEDMIXER DAC 150 FVC-K(FLAK TEK Inc.)に入れた。次いで、混合物を、最初に室温であったゴム金型上に直ちに注ぎ、スパチュラでゴム成形型内の凹部に広げた。混合物は、ゴム成形型の凹部内で硬化して粒子を形成する。硬化した粒子をゴム成形型から取り除いた。成形型の形状は、直径5.0mm及び高さ2.5の扁平半球であった。
【0164】
粒子溶解時間試験を以下のとおり行った。25Cで硬度137ppm、500mLを600mLのビーカーに入れた。41mm×8mmの撹拌棒をビーカーに入れた。ビーカーを撹拌プレート上に置き、毎分400回転で撹拌した。THE PROCTER & GAMBLE COMPANYから入手可能な0.4mLのTIDE FREE洗剤を添加し、30秒間混合した。それぞれ38mgの+/-3mgの質量を有する5つの粒子をビーカーに同時に添加し、タイマーを始動させた。混合物が安定した外観を得た時間を目視観察によって決定し、粒子溶解時間として記録した。粒子の溶解時に第四級アンモニウム化合物の小球が観察された。
【0165】
参考までに、9000の重量平均分子量を有するポリエチレングリコール100%からなる粒子は、11分の粒子溶解時間を有した。
【0166】
表1は、様々な調製された粒子試料の粒子溶解時間を列挙する。溶液に洗剤を含まない分散試験方法に対して、界面活性剤を含む溶液に粒子を溶解した表1の溶解試験の結果を評価するために、脚注4のもと一連の粒子について分散時間を測定し、結果を括弧内に示す。その一連の粒子に関して、洗剤を含有する溶液中の溶解時間及び分散時間は、第四級アンモニウム化合物の重量パーセントを増加させるにつれて増加する傾向がある。
【0167】
【表1】
重量平均分子量400kDa、電荷密度0.18、及び任意のアンヒドログルコース(anyoroglucose)反復単位当たりの窒素の平均重量パーセント0.28%を有するカチオン性ヒドロキシエチルセルロース(Dow Chemicalから入手可能なポリマーPK)。
脂肪酸部分が約18~22、約20のヨウ素価を有する、DEEDMAC(ジ-タロウオイルエタノールエステルジメチルアンモニウムクロリド)。(およそ9重量%のエタノール及び3重量%のココナッツ油)。
EVONIKから入手可能なREWOQUAT DIP V 20 M COC、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルスルフェート脂肪酸エステル、
【0168】
【化10】
式中、各R及びRは、それぞれ独立してC15~C17であり、C15~C17は不飽和又は飽和、分枝状又は直鎖状、置換又は非置換である。
脚注5の材料80重量%と、0のヨウ素価を有する脂肪酸(ステアリン酸とパルミチン酸との脂肪酸ブレンド)20重量%のブレンド。
EVONIK製のC18不飽和DEEHMAMS(ジエチルエステルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルサルフェート)。
脂肪酸部分が約50~60、約56のヨウ素価を有する、DEEDMAC(ジ-タロウオイルエタノールエステルジメチルアンモニウムクロリド)。(およそ13重量%のエタノール)
括弧内に報告される時間は、粒子溶解時間とは対照的に、洗剤組成物を含まない溶液中で測定される分散時間である。
60分後に約25%のみ溶解した。
60分後に約50%のみ溶解した。
粒子の試料片は、柔らかく、取り扱い、梱包、輸送、保管が困難な可能性がある。
【0169】
表1に示すように、ヨウ素価が増加するにつれて、粒子溶解時間は減少する傾向がある。更に、粒子溶解時間は、ポリエチレングリコールの重量平均分子量が減少するにつれて減少する傾向がある。更に、粒子溶解時間は、第四級アンモニウム化合物の重量パーセントが増加するにつれて増加する傾向がある。第四級アンモニウム化合物の小球は、より高い重量分率と比較して、第四級アンモニウム化合物のより低い重量分率でより小さくなる傾向があることも観察された。更に、第四級アンモニウム化合物の小球は、重量平均分子量が4000又は2000であるポリエチレングリコールを含む粒子と比較して、重量平均分子量が9000であるポリエチレングリコールを含む粒子の方が小さくなる傾向があることが観察された。更に溶解試験を行って、脂肪酸及びジプロピレングリコールを粒子に添加する効果を評価した。溶解試験は、表1の組成物に使用されるものと同じ方法で実施した。
【0170】
【表2】
【0171】
表2に示されるように、当該材料24重量%を有する粒子は、当該材料30重量%を有する粒子よりも低い粒子溶解時間を有した。
【0172】
表2に記載のものと同じ組成を有する溶解粒子を含む溶液中で洗浄した100%テリー織生地の摩擦係数を評価した。各組成物について、10枚の複製布地を洗浄し、摩擦係数を測定した。
【0173】
図1は、それぞれの溶解した粒子20gと、TIDE ORIGINAL SCENT50gとを含む溶液中で洗浄されたテリー織生地の平均摩擦係数のグラフである。標準偏差のプラスマイナスを表すバーも示す。
【0174】
図1に示されるように、第四級アンモニウム化合物を含む溶解粒子20gを含むTIDE ORIGINAL SCENT 50gを含有する液体中で洗浄されたテリー織生地は、洗剤のみで洗浄されたテリー織生地の摩擦係数と比較して、より低い摩擦係数を有した。特に、6重量%の脂肪酸を含むタイプBとして指定された粒子は、脂肪酸を含まないタイプDと指定された粒子よりも摩擦係数が低くなり、いずれのタイプも第四級アンモニウム化合物の同じ重量分率を有している。また、表2に示すように、これらのタイプB及びタイプDの粒子は、ほぼ同じ平均粒子溶解時間を有した。したがって、タイプD粒子よりもタイプB粒子を使用することによって得られる摩擦計数の更なる減少の利益は、粒子溶解時間の対応する増加を伴わずに達成され得る。
【0175】
粒子形成に対する65℃での組成物の粘度の効果を評価するために、粒子の溶融した前駆体材料を平らな実験室用ベンチトップに落下させ、冷却させた。組成物の65℃での粘度値を表3に列挙する。
【0176】
【表3】
【0177】
粒子の写真を図2に示す。図2に示すように、65℃でそれぞれ3.92及び3.99の粘度を有するタイプB及びタイプCの粒子であり、形成された粒子は少なくとも1つの実質的に平坦な表面を有した。タイプA粒子は、付着した表面上で球形になる傾向がある。半球形状又は圧縮半球形状を有する粒子は、より丸い又は塊状の粒子と比較して、より短い分散時間を有し得る。タイプD粒子の一部は、処理、梱包、出荷、保管、輸送ホーム(transportation home)、及び注入中に破壊され得る突出部を有し、これは粒子から粉塵が形成されてしまう可能性がある。
【0178】
カチオン性ポリマーが布地柔軟化効果をもたらす粒子の効果に及ぼす影響を評価するため、表4に記載されている一連の試験を実施した。中国HaierのXQS75-BYD1228洗濯機を使用した。各機械を、10分間の浸漬期間、14分間の洗浄撹拌期間、及び2回の別々の5分間のすすぎ(各すすぎのための排水及び注水)を含む通常の単一サイクルを実行するように設定した。使用した水は、全ての浸漬、洗浄、すすぎの工程で硬度257ppmであり、25℃であった。各工程における水の体積は、30リットルであった。布地の総積載重量は、1.7kgであった(10枚の試験布地ハンドタオルテリー織生地を含み、残りのバラストは、半綿布地のみ及び半50/50ポリコットンブレンドからなる)。使用した洗剤は、中国製のARIEL MATICの液体洗剤(The Procter & Gamble Companyにより生産される)であった。洗浄水を注入しながら、64gの洗剤を洗浄水に投入した。洗剤を添加した後、12.5gの評価している粒子も加え、続いて布地を入れた。注水が完了した後、機械は浸漬期間に入った。これに続いて、洗浄撹拌(通常設定)、及び各すすぎ工程(対応するスピンサイクルによる)を行った。洗浄プロセスが完了した後、布地を取り出した。テリー織生地の試験布地を21℃/50%相対湿度で制御した室内で36~48時間ライン乾燥した。テリー織生地の試験布地を平衡化した後、各テリー織布の摩擦係数を評価した。動摩擦係数は、テリー織生地から切断された見本片をスレッドに取り付け、スレッドを固定速度で残りのテリー織生地の一部分に掛けて引っ張ることにより、Thwing Albert摩擦/剥離試験機FP-2250を用いて測定した。表4~表7に報告される動摩擦係数はいずれも、同じ方法及び機器を使用して測定した。それぞれの製品で洗浄した10枚のテリー織生地の平均を表4に報告する。
【0179】
【表4】
脂肪酸部分が約18~22、例えば20のヨウ素価を有する、DEEDMAC(ジ-タロウオイルエタノールエステルジメチルアンモニウムクロリド)。(およそ9重量%のエタノール及び3重量%のココナッツ油)。
重量平均分子量400kDa、電荷密度0.18、及び任意のアンヒドログルコース(anyoroglucose)反復単位当たりの窒素の平均重量パーセント0.28%を有するカチオン性ヒドロキシエチルセルロース。
【0180】
表4に示すように、第四級アンモニウム化合物を20%含有する粒子、カチオン性ポリマー3重量%、9000の重量平均分子量を有するポリエチレングリコール77重量%で洗濯したテリー織生地は、洗剤単独で洗浄されたテリー織生地よりも低い摩擦係数を有した。更に、第四級アンモニウム化合物とカチオン性ポリマーとの組み合わせは、カチオン性ポリマーを含まない粒子と比較してより低い摩擦係数をもたらす。
【0181】
布地柔軟化効果をもたらすための様々な第四級アンモニウム化合物の有効性を評価するために、表5に列挙した一連の試験を実施した。North America Kenmore80シリーズのトップローディング式洗濯機を使用した。各機械を、12分間の洗浄撹拌期間、及び1回の3分間のすすぎを含む通常の単一サイクルを実行するように設定した。使用した水は、硬度137ppmであり、洗浄の場合25℃及びすすぎの場合15.5℃であった。各工程における水の体積は、64リットルであった。布地ロード(fabric load)の総重量は、3.6kgであった(10枚の試験布地ハンドタオルテリー織生地を含み、残りのバラストは、半綿布地のみ及び半50/50ポリコットンブレンドからなる)。使用した洗剤は、TIDE ORIGINAL SCENTの液体洗剤(The Procter & Gamble Companyにより生産される)であった。洗浄水を注入しながら、84.3gの洗剤を洗浄水に投入した。洗剤を添加した後、30.8gの評価した粒子も加え、続いて布地を入れた。注水が完了した後、機械は攪拌期間に入った。DOWNY処理では、すすぎ水が2/3注水されたときに、Procter & Gamble Companyから入手可能なDOWNYをすすぎサイクルに加え、DOWNYは48.5gで投入された。これに続いて、洗浄撹拌(通常設定)、及びすすぎ工程(対応するスピンサイクルによる)を行った。洗浄プロセスが完了した後、布地を取り出した。試験布地を、Kenmore乾燥機の綿/高の設定で50分間機械乾燥させた。次いで、試験布地を70F/50%相対湿度で制御した室内で24時間平衡化した。テリー織生地の試験布地を平衡化した後、各テリー織布の摩擦係数を評価した。それぞれの製品で洗浄した10のテリー織生地の平均を表5に報告する。
【0182】
この試験を北米Whirlpool Duet 9200 HEフロントローディング式洗濯機で繰り返した。各機械を、15分間の洗浄撹拌期間、及び2回の3分間のすすぎ工程を含む通常の単一サイクルを実行するように設定した。使用した水は、硬度137ppmであり、洗浄の場合25℃及びすすぎの場合15.5℃であった。各工程における水の体積は、約19リットルであった。布地ロード(fabric load)の総重量は、3.6kgであった(10枚の試験布地ハンドタオルテリー織生地を含み、残りのバラストは、半綿布地のみ及び半50/50ポリコットンブレンドからなる)。評価されている粒子30.8gを、洗濯機ドアを閉じて、洗浄サイクルを開始する前に、布地ロードと共に添加した。使用した洗剤は、TIDE ORIGINAL SCENT HEの液体洗剤(The Procter & Gamble Companyにより生産される)であった。洗剤ディスペンサーの引き出しを介して84.3gの洗剤を投入した。DOWNY APRIL FRESH処理のでは、The Procter & Gamble Companyから入手可能なDOWNY APRIL FRESHを布地柔軟剤ディスペンサーの引き出しを介して第2のすすぎ工程に添加し、DOWNYを48.5gで投入した。洗浄プロセスが完了した後、布地を取り出した。試験布地を、Kenmore乾燥機の綿/高の設定で50分間機械乾燥させた。次いで、試験布地を21℃/50%相対湿度で制御した室内で24時間平衡化した。テリー織生地の試験布地を平衡化した後、各テリー織布の摩擦係数を評価した。それぞれの製品で洗浄した10のテリー織生地の平均を表5に報告する。
【0183】
【表5】
EVONIK製のC18不飽和DEEHMAMS(ジエチルエステルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルサルフェート).
0のヨウ素価を有する脂肪酸(ステアリン酸とパルミチン酸との脂肪酸ブレンド)。
重量平均分子量400kDa、電荷密度0.18、及び任意のアンヒドログルコース(anyoroglucose)反復単位当たりの窒素の平均重量パーセント0.28%を有するカチオン性ヒドロキシエチルセルロース。
EVONIKから入手可能なREWOQUAT DIP V 20 M COC、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルスルフェート脂肪酸エステル、
【0184】
【化11】
式中、各R及びRは、それぞれ独立してC15~C17であり、C15~C17は不飽和又は飽和、分枝状又は直鎖状、置換又は非置換である。
【0185】
表5に示すように、様々な洗浄条件下で試験した粒子のそれぞれについて、洗浄中に提供された粒子は、洗剤組成物のみを使用する処理と比較して、テリー織生地のより低い平均摩擦係数をもたらした。更に、驚くべきことに、粒子の特定の配合及び洗浄条件に応じて、粒子は、液体布地柔軟剤に匹敵する柔軟化の利益を提供することができる。
【0186】
粒子配合物の一部としての合成カチオン性ポリマーの有効性を評価するために、表6に列挙した一連の試験を実施した。North America Kenmore 600シリーズのトップローディング式洗濯機を使用した。以下の詳細に従って、試験布地の柔軟性を複数回の洗浄サイクルにわたって評価するために、同じ試験布地を使用して3回の完全な洗浄サイクルの反復を実施した。各機械を、12分間の洗浄撹拌期間、及び1回の3分間のすすぎを含む通常の単一サイクルを実行するように設定した。使用した水は、硬度137ppmであり、洗浄の場合25℃及びすすぎの場合15.5℃であった。各工程における水の体積は、64リットルであった。布地ロードの総重量は、2.5kgであった(10枚の試験布地ハンドタオルテリー織生地を含み、残りのバラストは、半綿布地のみ及び半50/50ポリコットンブレンドからなる)。使用した洗剤は、TIDE FREEの液体洗剤(The Procter & Gamble Companyにより生産される)であった。洗浄水を注入しながら、50.0gの洗剤を洗浄水に投入した。洗剤を添加した後、28.6gの評価した粒子も加え、続いて布地ロードを入れた。注水が完了した後、機械は攪拌期間に入った。この後、すすぎ工程(対応するスピンサイクルによる)を行った。全洗浄プロセスが完了した後、布地を取り出した。試験布地を、Kenmore乾燥機の綿/高の設定で50分間機械乾燥させた。(洗浄及び乾燥サイクルを、次の工程を継続する前に、同じ試験布地で2回繰り返した。)次いで、試験布地を21℃/50%相対湿度で制御した室内で24時間平衡化した。テリー織生地の試験布地を平衡化した後、各テリー織布の摩擦係数を評価した。それぞれの製品で洗浄した10のテリー織生地の平均を表6に報告する。
【0187】
【表6】
EVONIK製のC18不飽和DEEHMAMS(ジエチルエステルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルサルフェート).
0のヨウ素価を有する脂肪酸(ステアリン酸とパルミチン酸との脂肪酸ブレンド)。
合成カチオン性ポリマーMERQUAT 280,DADMAC/AA、Lubrizol(Wickliffe,Ohio,USA)から入手可能。41%活性。
【0188】
表6に示すように、様々な洗浄条件下で試験した粒子のそれぞれについて、洗浄中に提供された粒子は、洗剤組成物のみを使用する処理と比較して、テリー織生地のより低い平均摩擦係数をもたらした。
【0189】
粒子配合物の一部としての合成カチオン性ポリマーの有効性を更に評価するために、表7に列挙した一連の試験を実施した。North America Kenmore 600シリーズのトップローディング式洗濯機を使用した。以下の詳細に従って、試験布地の柔軟性を複数回の洗浄サイクルにわたって評価するために、同じ試験布地を使用して3回の完全な洗浄サイクルの反復を実施した。各機械を、12分間の洗浄撹拌期間、及び1回の3分間のすすぎを含む通常の単一サイクルを実行するように設定した。使用した水は、硬度137ppmであり、洗浄の場合25℃及びすすぎの場合15.5℃であった。各工程における水の体積は、64リットルであった。布地ロードの総重量は、3.8kgであった(10枚の試験布地ハンドタオルテリー織生地を含み、残りのバラストは、半綿布地のみ及び半50/50ポリコットンブレンドからなる)。使用した洗剤は、TIDE FREEの液体洗剤(The Procter & Gamble Companyにより生産される)であった。洗浄水を注入しながら、85gの洗剤を洗浄水に投入した。洗剤を添加した後、28.6gの評価した粒子も加え、続いて布地ロードを入れた。注水が完了した後、機械は攪拌期間に入った。この後、すすぎ工程(対応するスピンサイクルによる)を行った。全洗浄プロセスが完了した後、布地を取り出した。試験布地を、Kenmore乾燥機の綿/高の設定で50分間機械乾燥させた。(洗浄及び乾燥サイクルを、次の工程を継続する前に、同じ試験布地で2回繰り返した。)次いで、試験布地を21℃/50%相対湿度で制御した室内で24時間平衡化した。テリー織生地の試験布地を平衡化した後、各テリー織布の摩擦係数を評価した。それぞれの製品で洗浄した10のテリー織生地の平均を表7に報告する。
【0190】
【表7】
脂肪酸部分が約18~22、約20のヨウ素価を有する、DEEDMAC(ジ-タロウオイルエタノールエステルジメチルアンモニウムクロリド)。(およそ9重量%のエタノール及び3重量%のココナッツ油)。
合成カチオン性ポリマーMERQUAT 280,DADMAC/AA、Lubrizol(Wickliffe,Ohio,USA)から入手可能。41%活性。
重量平均分子量400kDa、電荷密度0.18、及び任意のアンヒドログルコース(anyoroglucose)反復単位当たりの窒素の平均重量パーセント0.28%を有するカチオン性ヒドロキシエチルセルロース。
【0191】
表7の試験した粒子のそれぞれについて、洗浄中に提供された粒子は、洗剤組成物のみを使用する処理と比較して、テリー織生地のより低い平均摩擦係数をもたらした。更に、評価された第四級アンモニウム化合物のカチオン性ポリマーを含むと、平均摩擦係数が著しく低下した。
【0192】
驚くべきことに、観察される柔軟化の利点は、摩擦係数の減少として明らかになり、洗浄サブサイクルに提供された粒子によって達成することができる。上で検討したように、洗浄を通して粒子を提供することは、すすぎを通して別々の液体布地柔軟化組成物を送達することと比較して、ユーザーにとってより便利な場合がある。更に、驚くべきことに、このような柔軟化の利益は、アニオン性界面活性剤を含有する洗剤組成物の存在下で第四級アンモニウム化合物が送達されるときに予想され得るように、白色度に最小限の又は許容可能な悪影響で達成され得る。したがって、本明細書に開示される粒子は、衣服を洗濯機に入れる前、最中、又は直後で、扉が閉じられる前に、洗浄機に簡便に分注され得る。粒子は、その質量に起因して、洗濯機のドラム内にきれいに分注されるのに十分な大きさであってよい。粒子はまた、一部の消費者には、液体布地柔軟化剤ほど散らかっていないと認識され得る。
【0193】
実施例/組合せ
以下に実施例を示す。
1.複数の粒子を含む組成物であって、当該粒子が:
約25重量%~94重量%の水溶性担体と;
約5重量%~約45重量%の、約18~約60のヨウ素価を有する親脂肪酸化合物から形成される第四級アンモニウム化合物と、
約0.5重量%~約10重量%のカチオン性ポリマーとを含み;
当該粒子の各々が、約1mg~約1gの質量を有する、組成物。
2.当該親脂肪酸化合物のヨウ素価が、約20~約60、好ましくは約20~約56、より好ましくは約20~約42、より好ましくは約20~約35である、段落Aに記載の組成物。
3.当該第四級アンモニウム化合物が、エステル第四級アンモニウム化合物である、段落A又はBに記載の組成物。
4.当該粒子が、約25℃~約120℃の溶融開始を有する、段落A~Cのいずれかに記載の組成物。
5.当該粒子が、約10重量%~約40重量%の当該第四級アンモニウム化合物を含む、段落A~Dのいずれかに記載の組成物。
6.当該粒子が、約1重量%~約5重量%の当該カチオン性ポリマーを含む、段落A~Eのいずれかに記載の組成物。
7.当該カチオン性ポリマーが、カチオン性多糖類である、段落A~Fのいずれかに記載の組成物。
8.当該水溶性担体が、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリプロピレングリコールポリオキシアルキレン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエーテル、硫酸ナトリウム、デンプン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、段落A~Gのいずれかに記載の組成物。
9.当該担体が、約2000~約13000の重量平均分子量を有するポリエチレングリコールを含む、段落A~Hのいずれかに記載の組成物。
10.当該粒子が、約1重量%~約40重量%の脂肪酸を更に含む、段落A~Iのいずれかに記載の組成物。
11.当該第四級アンモニウム化合物が、ジ-(タロウオイルオキシエチル)-N,N-メチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートである、段落A~Jのいずれかに記載の組成物。
12.当該カチオン性ポリマーがカチオン性多糖類であり、当該カチオン性多糖類が、トリメチルアンモニウム基で置換されたエポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー状第四級アンモニウム塩である、段落A~Kのいずれかに記載の組成物。
13.当該粒子が、約10重量%未満の水を含む、段落A~Lのいずれかに記載の組成物。
14.当該粒子が、約30分未満の分散時間を有する、段落A~Mのいずれかに記載の組成物。
15.当該水溶性担体が、水溶性ポリマーである、段落A~Nのいずれかに記載の組成物。
16.当該粒子が、カプセル化されていない香料、ジプロピレングリコール、脂肪酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される物質を更に含む、段落A~Oのいずれかに記載の組成物。
17.当該粒子が、実質的に均質であるか又は均質構造化粒子である、段落A~Pのいずれかに記載の組成物。
18.当該粒子が、約10~1の最小寸法に対する最大寸法の比を有する、段落A~Qのいずれかに記載の組成物。
【0194】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0195】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0196】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。
図1
図2