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▶ ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】パッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20221003BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
B65D85/10
B65D5/66 301C
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020540712
(86)(22)【出願日】2019-01-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 GB2019050155
(87)【国際公開番号】W WO2019145690
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-08-28
(31)【優先権主張番号】1801343.3
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ホルフォード、スティーヴン
【審査官】永田 勝也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05478011(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第00647571(EP,A1)
【文献】独国実用新案第202015106399(DE,U1)
【文献】独国特許出願公開第102015016456(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/10
B65D 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ産業製品を取り出すための取り出し開口部を画定する取り外し可能なセクションを含むバリアー材に包まれた一群のタバコ産業製品を含む基部と、
開閉位置間で回転するために基部に取り付けられた蓋であって、内面を有する蓋前壁と、前後面を有する蓋前壁フラップとを含み、この蓋前壁フラップは蓋前壁に対して蓋前壁の下方縁部に沿った折り目で折り曲げられ、前記折り目から延びた第1の部分を含み、この第1の部分によって形成された蓋前壁フラップの後面は蓋前壁の前記内面に貼り付けられ、蓋前壁フラップは第1の部分から延び、第1の部分に対して折り曲げるように構成された中間部分と、中間部分から延びた第2の部分とを含み、この第2の部分は第2の部分によって形成された蓋前壁フラップの後面を露出させるために中間部分に対して折り曲げられる、蓋と、
蓋を開いた位置の方へ回転させると、取り外し可能なセクションが持ち上げられて取り出し開口部を開くようにバリアー層の取り外し可能なセクションと蓋に貼り付けられているラベルとを含み、
ラベルは第2の部分によって形成された蓋前壁フラップの後面に貼り付けられるパッケージ。
【請求項2】
蓋前壁フラップの第1、中間および第2の部分は一体に形成され、中間部分は折り曲げ線によって第1および第2の部分のそれぞれから分けられていることを特徴とする請求項1記載のパッケージ。
【請求項3】
2つの折り曲げ線のそれぞれは平行であり、及び蓋がその開いたおよび閉じた位置の間で回転する際にその回転の中心となる折れ目に平行であることを特徴とする請求項1または2記載のパッケージ。
【請求項4】
折り曲げ線間の方向に延びる、中間部分の高さは第1または第2の部分の高さより低いことを特徴とする請求項2または3記載のパッケージ。
【請求項5】
中間部分は第1の部分から延び、蓋が閉じた位置にあるとき蓋の内面上に位置することを特徴とする請求項2乃至4いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項6】
第2の部分は、蓋がその閉じた位置にあるとき、第1および中間部分と包装された束の間にあり、第2の部分によって形成された蓋前壁フラップの前面が第1および中間部分によって形成された蓋前壁フラップの前面と当接し、第2の部分によって形成された蓋前壁フラップの後面が包装された束に面するようになっていることを特徴とする請求項5記載のパッケージ。
【請求項7】
中間部分から切り込まれ、第2の部分から延びた舌部をさらに含み、この舌部は、最初に蓋を開ける際に第2の部分に対して中間部分を折り曲げる際に第2の部分の面に留まるようになっていることを特徴とする請求項2乃至6いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項8】
舌部は、それが折り曲げ線の間の方向に延びた中間部分の高さの一部のみに延びるように中間部分から切り込まれていることを特徴とする請求項7記載のパッケージ。
【請求項9】
舌部はそれが中間部分の全長を延び、中間部分を舌部によって隔てられる2つのセクションに分割するように中間部分から切り込まれていることを特徴とする請求項7記載のパッケージ。
【請求項10】
切り込みはU字状であることを特徴とする請求項7乃至9いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項11】
第2の部分の自由縁部は、蓋が閉じた位置にあるとき、蓋前壁の面が延びる方向に蓋前壁の下方縁部から間隔が空けられていることを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項12】
取り外し可能なセクションとバリアー材の残りの部分の間にあり、蓋がその開いた位置に回転した際に破れる弱化された線を含むことを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項13】
ラベルは取り外し可能なセクションを囲むバリアー層に重なるように取り外し可能なセクションを越えて延びた周縁部を有し、周縁部は繰り返し接着可能な接着剤でバリアー層に接着されていることを特徴とする請求項12記載のパッケージ。
【請求項14】
バリアー材は多層ラミネート材であり、ラベルは多層ラミネート材の1つの層から形成されていることを特徴とする請求項13記載のパッケージ。
【請求項15】
基部と蓋は折り曲げ可能な板材から一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載のパッケージ。
【請求項16】
基部と蓋とを含む容器であって、ラベルが包装された束と蓋前壁フラップの第2の部分の後面に貼り付けられ、蓋を開いた位置の方へ回転させるとラベルが持ち上げられ、束を開くようになっている容器にタバコ産業製品の包装された束を梱包する方法であって、
蓋前壁の内面上に蓋前壁フラップを折り曲げ、蓋前壁フラップの第1の部分の後面を前記内面に貼り付けることと、
第1の部分から延びた蓋前壁フラップの中間部分を蓋前壁の内面に貼り付けない状態にしておくことと、
中間部分から延びた蓋前壁フラップの第2の部分を中間部分に対して折り曲げて第2の部分によって形成された蓋前壁フラップの後面にラベルを貼り付けるためにこの後面を露出させることとを含む方法。
【請求項17】
バリアー材に包まれた一群のタバコ産業製品用のパッケージを形成するためのブランクであって、
蓋前壁と、
蓋前壁から延び、第1の部分と、中間部分と、第2の部分とを含む蓋前壁フラップであって、中間部分は、第1と第2の部分の両方と結合し、及び第2の部分は中間部分から形成された舌部及び自由端を有する、蓋前壁フラップと、
蓋前壁フラップと蓋前壁の間にあって、蓋前壁フラップを蓋前壁に対して折り曲げて蓋前壁フラップの第1の部分の後面が蓋前壁の内面に貼り付けられるようにする折り曲げ線と、
中間部分と第2の部分の間にあって、第2の部分を中間部分に対して折り曲げて第2の部分によって形成され蓋前壁フラップの後面を露出させるようにする折り曲げ線とを含むブランク。
【請求項18】
第1の部分と中間部分との間に中間部分を第1の部分に対して折り曲げられるようにする折り曲げ線をさらに含むことを特徴とする請求項17記載のバリアー材に包まれた一群のタバコ産業製品用のパッケージを形成するためのブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ、特にタバコ産業製品用ヒンジ式蓋付きパッケージに関する。また本発明は、一群のタバコ産業製品を包装する方法および一群のタバコ産業製品用のパッケージを形成するためのブランクに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、紙巻きタバコを含む喫煙品などのタバコ産業製品用のパッケージは、基部とヒンジ式蓋を形成するために折り曲げられるボール紙から作製される外方紙パッケージを含む。内方フレームを基部から突出するように基部に貼り付けて蓋を閉じた際に蓋の中に収容されるようにしてもよい。
【0003】
パッケージは、基部に収納され、蓋が閉じた際に蓋の中に突出する喫煙品などのタバコ産業製品の束を含む。束は、取り出し可能なセクションを有する可撓性のバリアー層に包まれた一群のタバコ産業製品を含んでもよい。可撓性のラベルが上記セクションおよび蓋に貼り付けられ、蓋をその開いた位置に回転させると、該セクションがこの可撓性ラベルと一緒に持ち上げられ、取り出し開口部を開口し、そこからタバコ産業製品が取り出される。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で説明する実施態様ではタバコ産業製品を取り出すための取り出し開口部を画定する取り外し可能なセクションを含むバリアー材に包まれた一群のタバコ産業製品を含む基部と、
開閉位置間で回転するために基部に取り付けられた蓋であって、内面を有する蓋前壁と、前後面を有する蓋前壁フラップとを含み、この蓋前壁フラップは蓋前壁に対して蓋前壁の下方縁部に沿った折り目で折り曲げられ、前記折り目から延びた第1の部分を含み、この第1の部分によって形成された蓋前壁フラップの後面は蓋前壁の前記内面に取貼り付けられ、蓋前壁フラップは第1の部分から延び、第1の部分に対して折られるように構成された中間部分と、中間部分から延びた第2の部分をとを含み、この第2の部分は蓋前壁フラップの後面を露出させるために第1の部分に対して折りたたまれる蓋と、
蓋を開いた位置の方へ回転させると、取り出し可能なセクションが持ち上げられて取り出し開口部を開くようにバリアー層の取り出し可能なセクションと蓋に貼り付けられているラベルとを含み、
ラベルは第2の部分によって形成された蓋前壁フラップの後面に貼り付けられるパッケージが提供される。
【0005】
蓋前壁フラップの第1、中間および第2の部分は一体に形成してもよい。中間部分は折り曲げ線によって第1および第2の部分のそれぞれから分けられてもよい。
【0006】
折り曲げ線のそれぞれは好ましくは平行であり、蓋がその開いたおよび閉じた位置の間で回転する際の中心となる折れ目に平行であってもよい。
【0007】
中間部分の高さは、折り曲げ線の間の方向に延びる第1または第2の部分の高さより低くてもよい。
【0008】
中間部分は、第1の部分から延びてもよく、蓋が閉じた位置にあるとき蓋の内面上に位置する。
【0009】
第2の部分は、蓋がその閉じた位置にあるとき、第1および中間部分と包装された束の間を延び、第2の部分によって形成された蓋前壁フラップの前面が第1および中間部分によって形成された蓋前壁フラップの前面と当接し、第2の部分によって形成された蓋前壁フラップの後面が包装された束に面するようになっている。
【0010】
パッケージは、中間部分から切り込まれ、第2の部分から延びた舌部を含んでもよく、これにより舌部は、最初に蓋を開ける際に第2の部分に対して中間部分を折り曲げる際に第2の部分の面に留まる。
【0011】
舌部は、それが折り曲げ線の間の方向に延びた中間部分の高さの一部のみに延びるように中間部分から切り込まれてもよい。
【0012】
これとは別に舌部は、それが中間部分の全長を延び、中間部分を舌部によって隔てられる2つのセクションに分割するように中間部分から切り込まれてもよい。
【0013】
切り込みはU字状であってもよい。
【0014】
第2の部分の自由縁部は、蓋が閉じた位置にあるとき、蓋前壁の面に延びた方向に蓋前壁の下方縁部から間隔が空けられてもよい。
【0015】
弱化された線が取り出し可能なセクションとバリアー材の残りの部分の間を延びてもよく、この線は蓋がその開いた位置に回転した際に破れる。
【0016】
ラベルは取り外し可能なセクションを囲むバリアー層に重なるように取り外し可能なセクションを越えて延びた周縁部を有してもよく、この周縁部は繰り返し接着可能な接着剤でバリアー層に接着されている。
【0017】
バリアー材は多層ラミネート材であってもよい。この場合、ラベルは多層ラミネート材の1つの層から形成されてもよい。
【0018】
基部と蓋は、板紙などの折り曲げ可能な板材から一体に形成されてもよい。
【0019】
本発明の別の実施態様では基部と蓋とを含む容器であって、ラベルが包装された束と蓋前壁フラップの第2の部分の後面に貼り付けられ、蓋を開いた位置の方へ回転させるとラベルが持ち上げられ、束を開くようになっている容器にタバコ産業製品の包装された束を梱包する方法が提供され、この方法は、
蓋前壁の内面上に蓋前壁フラップを折り曲げ、蓋前壁フラップの後面の第1の部分を前記内面に貼り付けることと、
第1の部分から延びた蓋前壁フラップの中間部分を蓋前壁の内面に貼り付けない状態にしておくことと、
中間部分から延びた蓋前壁フラップの第2の部分を中間部分に対して折り曲げて第2の部分によって形成された蓋前壁フラップの後面にラベルを貼り付けるためにこの後面を露出させることとを含む。
【0020】
本発明の別の実施態様では、バリアー材に包まれた一群のタバコ産業製品用のパッケージを形成するためのブランクが提供され、このブランクは、
蓋前壁と、
蓋前壁から延び、第1の部分と、中間部分と、第2の部分とを含む蓋前壁フラップと、
蓋前壁フラップと蓋前壁の間にあり、蓋前壁フラップを蓋前壁に対して折れるようにして蓋前壁フラップの後面の第1の部分が蓋前壁の内面に貼り付けられるようにする折り曲げ線と、
中間部分と第2の部分の間にあり、第2の部分を中間部分に対して折れるようにする第2の部分によって形成され蓋前壁フラップの後面を露出させる折り曲げ線とを含む。
【0021】
ブランクは第1の部分と中間部分との間に中間部分を第1の部分に対して折り曲げられるようにする折り曲げ線をさらに含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明が完全に理解されるように添付図面を参照して本発明の実施態様をあくまで例示を目的として説明する。
図1】従来のパッケージの斜視図である。
図2】パッケージの従来の内部フレームのブランクを示している。
図3】喫煙品の周りに部分的に巻かれた図2に示したブランクの平面図である。
図4】本発明の第1の実施態様によるパッケージの略式斜視図である。
図5図4に示した第1の実施態様のパッケージ用のブランクを示している。
図6】蓋が閉じた位置にある図4および5に示したパッケージの略式側部断面図である。
図7】蓋が閉じた位置にある図4および5に示したパッケージの略式側部断面である。
図8】蓋を最初に開けた後の図4および5に示したパッケージの略式側部断面である。
図9】蓋をその開いた位置の方へ回転させた際の図4および5に示したパッケージの略式側部断面である。
図10図4に示したパッケージの第2の実施態様用のブランクを示している。
図11】蓋が閉じた位置にある図4および10に示したパッケージの略式側部断面である。
図12】蓋をその開いた位置の方へ回転させた際の図4および10に示したパッケージの略式側部断面である。
図13】蓋をその開いた位置の方へ回転させた際の図4および10に示したパッケージの略式側部断面である。
図14】ラベルとバリアー材が多層ラミネートによって形成されたラベルの平面図である。および
図15】異なるラミネートから製せられた図14のラベルとバリアーの部分断面図である。
図16】異なるラミネートから製せられた図14のラベルとバリアーの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は一般的な実施態様のヒンジ式蓋2と束6を形成するために可撓性のバリアー層5に包まれた一群の紙巻きタバコ4を含む基部を有する硬質の板紙製パッケージ1を示している。取り出し開口部の境界または縁部7が紙巻きタバコ4に触れられるようにするためにバリアー層5の取り外し可能な領域5aから形成されている。取り出し開口部8は束6の上部を横断して前壁下方取り出し開口縁部7aまで前面を下方に延びている。紙巻きタバコ4を包むバリアー層5は金属化プラスチックまたはプラスチックまたは金属箔ラミネート材で作製したものであってもよい。
【0024】
ラベル9が取り外し可能なセクション5a上に位置し、これに貼り付けられている。ラベル9はそのバリアー層5に面した下面に塗布された繰り返し接着可能な接着剤を有する。繰り返し接着可能な接着剤は、蓋を開いたおよび閉じた位置の間を回転させる際にラベル9と取り外し可能なセクション5aが離れないようにする強度を有する。これとは別に永久接着剤をバリアー層5の取り外し可能な領域5aに重なるラベル9の下面の部分に塗布してもよい。しかしながら、ラベル9が取り出し開口部8の縁部7を越えて延びたラベル9の周縁部にはそれに塗布された繰り返し接着可能な接着剤を有する。しかしながら、一部の実施態様ではラベル9は取り出し開口部8の側縁部7c、7dに亘って延びなくてもよい。ラベル9は可撓性のラベルであってもよい。
【0025】
ラベル9は前壁下方縁部10を有し、その前壁下方縁部10から延びたタブ11を含んでもよい。タブ11は以下により詳しく説明するように蓋2の内側の面に接着される。タブ11は、蓋2を閉じた際にラベル9の残りの部分に向くように折り曲げられずにまたは折り曲げられて蓋2に接着されてもよい。タブ11は折り曲げられず、従って、その内面が束に向き、外面が蓋に向き、それに貼り付けられるのが好ましい。タブ11は、蓋2をその開いたおよび閉じた位置の間で回転させる際にタブが折り曲げ線12を中心にラベル9の残りの部分に対して回転するように折り曲げ線12によってラベル9の残りの部分から隔てられてもよい。
【0026】
蓋2と取り出し開口部8の同時開口を達成するためにその前壁下方縁部10に隣接するラベル9の部分は蓋2の内面に接着される。
【0027】
取り外し可能なセクション5aをバリアー層5の残りの部分から分離する取り出し開口部8の縁部7は、バリアー材の脆弱化された線または実際の切れ目によって画定されてもよい。蓋2をその開いた位置にヒンジ2aを中心に枢動させると、ラベル9はタブ11と蓋2の間の接続によって引っ張られ、剥がされる。バリアー層5の取り外し可能なセクション5aは、ラベル9の下側に接着されたままであり、バリアー層5の残りの部分から脆弱化された線または切れ目に沿って分離され、取り出し開口部8を開く。
【0028】
取り出し開口部8は、ラベルが巻き戻され、取り外し可能はセクション5aが取り出し開口部8内の元の位置に戻るようにヒンジ2aを中心に蓋2を枢動させることによって閉じてもよい。ラベル9の周縁部の繰り返し接着することができるコーティングによってパッケージ1を繰り返し封止するために取り出し開口部8を囲むバリアー層に繰り返し接着する。
【0029】
確実に良好に接着するために図2および3に示すように内部フレーム13がバリアー層5の下の紙巻きタバコ4の周囲を部分的に延びるように束6内に設けられる。内部フレーム13は、取り出し開口部8の周囲でラベル9によって掛かる再封止の際の圧力に対してバリアー層5の下で反応面を供する。図2に示すようにボール紙で作製されてもよい内部フレーム13は、前パネル16、2つの側部フラップ17および上部フラップ18を有する。切れ目または折り曲げ線19、20は、フラップ17がパネル16に対して直角に折り曲げられると図3に示すような角を形成する。内部フレーム13が折り曲げられた後、開口部21が形成されることが図から分かり、これは取り出し開口部8に対応し、図2に示すようにそこから紙巻きタバコに触れることができる。開口部21は前パネル16の底縁部まで延びている。
【0030】
図4~9を参照すると本発明による第1の実施態様のパッケージ30が示されている。第1の実施態様のパッケージ30は、図1~3を参照して説明したパッケージ1とは以下に詳しく説明するように蓋および可撓性のラベルが蓋に接着される方法の点で異なる。
【0031】
図4を参照すると、パッケージ30は側壁33、34および底壁35によって隔てられている前後壁31、32を有する基部3を含む。基部3の頂部は開口端部である。基部3は、束を形成するためにバリアー材5に包まれた一群のタバコ産業製品、この場合には紙巻きタバコ4を含む。束6は束6が基部3内に収容された際に基部3の前壁33に隣接する前壁36を有する。パッケージ30は、側壁39、40および頂壁41によって隔てられている前後壁37、38を有する蓋2をさらに含む。蓋2の後壁38は蓋2が開いた位置と閉じた位置で回転できるようにヒンジ2aを中心に回転するために基部3の後壁32に枢動自在に取り付けられている。
【0032】
パッケージ30のバリアー材5も取り出し開口部8を画定する取り出し可能なセクション5aを含み、これを介して紙巻きタバコ4などのタバコ産業製品を蓋2がその開いた位置にあるとき、束6から取り出すことができる。一部の実施態様では、しかしながら、取り外し可能なセクション5aは省略してもよい。パッケージ30はさらに可撓性のラベル9を含み、これは束6のバリアー材5に貼り付けられ、取り出し可能なセクション5a上または取り出し可能なセクション5aが無い場合には取り出し開口部8上を延びる。
【0033】
本実施例では可撓性のラベル9は、可撓性のラベル9が取り出し開口部8から離れるように持ち上げられる際であっても束6に貼り付いたままになるように束6の後壁32に永久的貼り付けられる。さらに可撓性のラベル9は、バリアー材5の取り外し可能なセクション5aに貼り付けられ、それを覆って延びている。
【0034】
可撓性のラベル9は蓋2の前壁37にも貼り付けられている。従って、蓋2をその開いた位置に枢動させると、可撓性のラベル9が束6のバリアー材5から持ち上げられ、束6のバリアー材5の取り出し開口部8を露出させる。図4に例示したもののような実施態様では、蓋2を開いた位置に枢動させると、可撓性のラベル9が以下により詳しく説明するように取り出し開口部8からバリアー材5の取り出し可能なセクション5aを持ち上げる。
【0035】
本実施態様では図5および6に示すように蓋前壁37は、蓋2がその閉じた位置にあるとき見える蓋前壁37の唯一の面である外面43を含む。蓋前壁37は前壁下方縁部44および内面45をさらに含む。蓋前壁37は前後面をを含む蓋前壁フラップ46をさらに含む。後面46bを図5に示し、前面はパッケージ30のブランクの反対側にある。蓋前壁フラップ46は蓋前壁下方縁部44に沿って延びた折り目を中心に蓋前壁37に対して折り曲げられる。
【0036】
蓋前壁フラップ46は、蓋前壁下方縁部44に沿って折り目から延びた第1の部分47を含む。第1の部分47は蓋前壁37の内面45上に折り返され、永久接着剤を使用してそれに接着される。即ち、第1の部分47によって形成された蓋前壁フラップ46の後面46bは蓋前壁37の内面45に貼り付けられる。蓋前壁下方縁部44に沿って延びた折り目は、前壁37の内面45上に第1の部分47を折り返しやすくする弱化された線を有してもよい。
【0037】
蓋前壁フラップ46は、第1の部分47から延びた中間部分48をさらに含む。中間部分48は、折り曲げ線49を中心に第1の部分47に対して折り曲げ可能である。折り曲げ線49は、中間部分48を第1の部分47に対して折りやすくする弱化された線から形成してもよい。本実施態様では第1の部分と中間部分47、48の間の折り曲げ線49は、以下に詳しく説明するように蓋2を最初に開ける際に形成される。他の実施態様では折り曲げ線49は蓋2を最初に開ける前に形成してもよい。折り曲げ線49は蓋前壁37の内面に第1の部分47を接着する接着剤の縁部の領域に形成してもよい。
【0038】
蓋前壁フラップ46はさらに第2の部分50を含む。第2の部分50は、中間部分48から延びている。第2の部分50は、折り曲げ線51を中心に中間部分48に対して折り曲げ可能である。第2の部分50は、第1の部分47に対して折り返され、第2の部分50によって形成された蓋前壁フラップ46の後面46bを露出させる。可撓性のラベル9のタブ11は、第2の部分50によって形成された蓋前壁フラップ46の露出した後面46bに貼り付けられる。第2の部分50は、第1の部分47上に位置し、蓋2がその閉じた位置にあるとき束6の前壁36に対して位置する。即ち、第2の部分50は、第2の部分によって形成された蓋前壁フラップ46の前面が第1の部分および中間部分47、48によって形成された蓋前壁フラップ46の前面と当接し、第2の部分50によって形成された蓋前壁フラップ46の後面が包装された束6に向くように第1の部分47と中間部分48の間にある。折り曲げ線51は、中間部分48に対して第2の部分50を折りやすくする弱化された線から形成してもよい。
【0039】
蓋前壁フラップ46は、蓋2のその閉じた位置からその開いた位置の方への最初の回転時に中間部分48が折り曲げ線49、51を中心に第1および第2の部分47、50に対して折れるように構成されている。折り曲げ線49は、一部の実施態様では第1の部分47に対して中間部分48が折り曲がる際に形成される。他の実施態様では折り曲げ線49は、蓋2のその開いた位置への最初の回転前に既に形成されていてもよい。このことは蓋をその閉じた位置から開いた位置への初期の角度を通って回転させる際に中間部分48は第1および第2の部分47、50に対して折り曲げられるまで第2の部分50の移動または回転が制限または妨げられることを意味する。従って、中間部分48は蓋2の初期の回転時に第2の部分の移動を制限または妨げるバッファーとして作用する。
【0040】
中間部分48の長さ、即ち折り曲げ線49、51間の距離は、同じ方向に延びる第1の部分47と第2の部分50の長さより短い。中間部分48の長さは、中間部分48が蓋2を最初に閉じた位置から開いた位置の方へと第2の部分50を回転させず、そして束6との接触から外れるように持ち上げられること無しに回転させるので蓋前壁フラップ46の作動に関連する。従って、蓋2を最初に閉じた位置から開いた位置の方へ移動させると、可撓性ラベル9が取り出し開口部8から離れるように持ち上げられるのが遅れる。中間部分48が長くなるほど、蓋2は蓋前壁フラップ46の第2の部分50が移動し、束6との接触から外れるように持ち上げられる前にその閉じた位置からその開いた位置の方への移動距離が長くなる。
【0041】
しかしながら、中間部分48の長さは、蓋2を最初に開ける際の蓋2の内面45と束6の間の利用可能な空間によって制限される。なぜなら中間部分48が長すぎると、第1および第2の部分47、50に対して折り曲がらず、よって第2の部分が早期に束6から持ち上げられてしまうからである。中間部分48の長さは束6の上縁部53によって制限される。なぜなら中間部分48の折り曲げ線51は、第2の部分50が束6と確実に接触したままになるように束6と接触しなければならないからである。中間部分48の折り曲げ線51が束6の上縁部53を越えて移動したら、第2の部分50が束6から持ち上がり、可撓性ラベル9が第2の部分と一緒に持ち上げられ、取り出し開口部8を露出させる。
【0042】
図6に例示するように中間部分48は蓋2がその閉じた位置にあるとき第1の部分と同じ面に位置する。その結果、蓋2が閉じた位置にあるとき、中間部分48は蓋2の前壁37の内面45と第2の部分に当接する。即ち、中間部分48の一面は、蓋2がその閉じた位置にあるとき蓋2の前壁37の内面45と当接し、中間部分48の反対の面は、蓋2がその閉じた位置にあるとき第2の部分50と当接する。
【0043】
本実施態様では第2の部分50の長さは第1の部分47と中間部分48を足した長さに等しい。従って、蓋2が閉じた位置にあるとき、第2の部分50の自由端52は蓋2の前壁37の蓋前壁下方縁部44に隣接し、従って、基部3の前壁31の上縁部の隣に位置する。
【0044】
パッケージ30の操作を図7~9を参照して説明する。消費者が閉じているパッケージ30を開封しようとしたとき、消費者は指をパッケージ30の蓋2にかけ、蓋をその閉じた位置から開く位置の方へ蓋2と基部3を接合しているヒンジ2aを中心に回転させる。通常、消費者は蓋2の上壁41に近い蓋前壁37に指をかける。従って、初期のモーメントアームは、ヒンジ2aと蓋2の上壁41の間の距離に等しい。消費者が蓋2をその開いた位置の方へ回し続けると、モーメントアームは蓋の前および上壁37、41を接続する縁部54がヒンジ2aから離れるように水平に移動するので大きくなる。
【0045】
また蓋前壁37は、蓋前壁37の蓋前壁下方縁部44が基部3の前壁31の上縁部55から離れるように回転するように束6の前壁36から離れるように回転する。しかしながら、蓋2に貼り付けられた可撓性ラベル9は、束6または取り出し開口部8から離れるように持ち上げられない。代わりに蓋2を最初に開ける際、蓋前壁フラップ46の第2の部分50によって形成された蓋前壁フラップ46の後面46bは、束6の前壁36と当接し、蓋2をヒンジ2aを中心にその開いた位置の方へ回転させると、中間部分48は蓋2の前壁の内面45から離れるように回転させられる。
【0046】
より具体的には蓋2を最初に開ける際、第2の部分50は、その回転の中心をヒンジ2aの代わりに中間部分48の折り曲げ線51に有し、第2の部分50は、第1および中間部分47、48の縁部49、51に形成された折り曲げ線によって束6から離れるようにこの折り曲げ線51を中心に回転しない。蓋2をその閉じた位置から開いた位置の方へ移動させると、図8に示すように第1の部分47と中間部分48の間の角度が小さくなり、中間部分48と第2の部分50の間の角度が大きくなるように中間部分48は蓋2の前壁37の内面45から離れるように回転させられる。
【0047】
中間部分48は、図9に示すようにそれが第1の部分47に対して直立するまで第1の部分47の折り曲げ線49を中心に回転し続ける。この段階で蓋2の内面45と束6の前壁36の間の第1の部分47の面からの垂直距離は中間部分48の長さより長くなる。この時点で第2の部分50は束6の前壁36との接触から外れるように持ち上げられ始める。折れ目51にある弾力が第2の部分50の自由端52が束6との接触から持ち上げられる蓋前壁フラップ46の最後の部分になることを意味する。しかしながら、束6から離れる中間部分48の折り曲げ線51の移動が取り出し開口部8から可撓性ラベル9を取り除き始める。第2の部分50が回転し束6の前壁との接触から外れて持ち上げられ始める時までに蓋2はその開いた位置から10~60度の範囲で回転している。
【0048】
消費者が蓋2をその開いた位置の方へ回し続けると、第2の部分50は蓋2と一緒に回転し、可撓性ラベル9は束6から離れるように持ち上げられ、取り出し開口部8を露出させる。可撓性ラベル9が取り出し開口部8から剥がされると、可撓性ラベル9がそれ自体の上で2回折り返され、「Z字形状」を形成する。可撓性ラベル9をその下方縁部10の近くでこのように「Z字状」にすることでパッケージ30の開封の抵抗を生じさせる。しかしながら、本発明は、可撓性ラベル9の「Z字化」が起こる前にユーザーが押して蓋2を開く縁部間のモーメントアームを大きくすることによってそのような抵抗を解消している。従って、「Z字化」を克服するためにユーザーが必要な力は小さくなり、パッケージ30は開封しやすくなる。
【0049】
当然のことながら一部の消費者は、蓋前壁37の蓋前壁下方縁部44を基部3の前壁31の上縁部55から離れるように押すことによってパッケージを開封することを好む。当然のことながら蓋前壁下方縁部44とヒンジ2aとの間のモーメントアームもまたパッケージ30を開封するためにユーザーに必要な力が小さくなるように可撓性ラベル9が取り出し開口部8から持ち上げられる前に従って「Z字化」が起きる前に大きくなる。一部の実施態様では蓋2の蓋前壁下方縁部44からの消費者のパッケージ30の開封が蓋2を開ける際に確実に第2の部分50に偶然に接触することがないように蓋前壁37を標準的なパッケージより長くなるように延ばしてもよい。このような実施態様では蓋前壁下方縁部44と第2の部分50の自由端部52は蓋2が閉じた位置にあるとき互いに隣接しない。実際には自由縁部52は、蓋前壁37の蓋前壁下方縁部44より基部3の前壁31の上縁部55から遠くなる。
【0050】
ここで図10~13を参照すると本発明による第2の実施態様のパッケージ60が示されている。図10~13に示すパッケージ60は上述の第1の実施態様のパッケージ30とほぼ同じであり、従って詳細な説明はここでは省略する。さらにパッケージ30の特徴および部材と同じパッケージ60の特徴および部材については同じ用語および参照番号のままである。しかしながら、第2の実施態様のパッケージ60は第1の実施態様のパッケージ30とは蓋2の蓋前壁フラップ46が変更されているという点で異なる。
【0051】
図11に示した本実施態様では前壁37の蓋前壁フラップ46は舌部61をさらに含む。より具体的には蓋前壁フラップ46の第2の部分50は舌部61を含む。舌部61は第2の部分50から中間部分48内に延びている。本実施態様では舌部61は蓋前壁フラップ46の第2の部分50と実質的に同じ面に延びている。従って、舌部61は、中間部分48の折り曲げ線51から延びている第2の部分50と反対の方向に延びている。
【0052】
図10に示すように舌部61は中間部分48を縦断する切り込み62から形成され、U字状のフラップを形成する。切り込み62は、切り込み62の第1端部63または始まりおよび切り込み62の第2端部64または終わりといった2つの対向端部を有する。第1および第2端部63、64は両方とも中間部分48の折り曲げ線51に位置し、中間部分48内に延びている。本実施態様では切り込み62は第1および第2端部63、64から中間部分48の反対側の第1の部分47の折り曲げ線49の方へと延びている。しかしながら、当然のことながら別の実施態様では切り込み62は、第1の部分47の折り曲げ線49の方へ延びる前に最初は異なる方向に延びてもよい。
【0053】
舌部61の長さは、第2の部分が延び始めている中間部分48の折り曲げ線51からこの折り曲げ線51から垂直方向に最も遠い舌部61の自由端65までの距離として定義される。本実施態様では切り込み62は舌部61が中間部分48と同じ長さになるように構成されている。即ち、切り込み62に沿って第1および第2端部63、64の間に位置する切り込み62の中間部分66は、舌部61の自由端65を形成し、自由端65は中間部分48の折り曲げ線51に少なくとも部分的に沿って延びている。図10から分かるように切り込み62はほぼ「U字状」である。しかしながら、当然のことながら切り込み62はこれとは別の形状であってもよい。
【0054】
舌部61は蓋2のその閉じた位置からその開いた位置の方への初期の移動中に第2の部分50の回転に抵抗するように構成されている。従って、舌部61は、図4~9に示した第1の実施態様のパッケージ30と比較して、第2の部分50が基部3内の束6の前壁36と接触から外れるように回転または持ち上げられる前に蓋2をその閉じた位置から開いた位置の方へより遠くに回転できるようにする。
【0055】
従って、パッケージ60の作動は、第2の部分50がその回転の中心を中間部分の折り曲げ線51またはヒンジ線2aの代わりに第2の部分50の舌部61の自由端に有すること以外、パッケージ30について説明した作動と同じである。
【0056】
従って、蓋2をその閉じた位置から開いた位置の方へ移動させると、中間部分48が蓋前壁37の内面45から離れるように回転し、第1の部分47と中間部分48との角度が小さくなり、中間部分48と第2の部分50との角度が大きくなる。
【0057】
その結果、中間部分48が第1の部分47の折り曲げ線49を中心に回転し、第1の部分と中間部分47、48との間の角度が垂直を越えるように蓋2を回転させると、それでも舌部61の自由端部が束6と接触しているので、第2の部分50は図12に示すように束6の前壁36との接触から外れるように持ち上げられない。蓋2をさらに回転させると、第2の部分50の舌部61が第2の部分50が束との接触から外れないようにする。代わりに舌部61の自由端65は、枢動点を形成し、これを中心に第2の部分50が束との接触から外れるように持ち上げられる前に回転しなければならない。
【0058】
第2の部分50が舌部61の自由端を中心に枢動する際、第2の部分は可撓性ラベル9、より具体的には接着剤が全く塗られていない可撓性ラベル9のタブ11を束6の残りから離れるように持ち上げる。第2の部分50は、図13に示すように第2の部分50の自由端52に近接する第2の部分50の一部が蓋前壁37の蓋前壁下方縁部44と当接するまで舌部61の自由端65を中心に枢動する。最終的に蓋2を閉じた位置から開いた位置の方へ充分遠くへ回転させると、舌部61の自由端65は束6との接触から外れて持ち上げられる。
【0059】
第2の部分が束6との接触から外れる前に舌部61の自由端部65を中心に第2の部分を枢動させることによって、蓋2は閉じた位置から開いた位置の方により遠くへ回転させることができ、従って、縁部54、55のモーメントアームが第1の実施態様のパッケージ30と比較して大きくなり、これにより可撓性ラベル9の「Z字化」によって生じる開封時の抵抗を克服するのにユーザーから必要とされる力が小さくなる。
【0060】
可撓性ラベル9を束6のバリアー材5に接着するラベル9の下面の繰り返し接着可能な接着剤による可撓性ラベル9によってもたらされる力も蓋2を開ける際に第2の部分が延びる面に対して実質的に垂直に作用する。これは糊が力に耐える最高の方向であり、蓋2を多数回開けることによるのり付け弱化を抑えることに役立つ。
【0061】
本発明の1つの実施態様において可撓性ラベル9とバリアー層5は、同じラミネート材で作製してもよい。例えば、図14および15を参照すると、ラミネート71は外層72と内層73を有し、外層は第1の切れ目74を有し、これはそれによって境界が定められた外層領域77を画定し、内層は第2の切れ目75を有し、これはそれによって境界が定められた内層領域78を画定する。内層領域78は外層領域77内に位置する。蓋をその開いた位置に回転させた際に内外層領域78、77が持ち上げられ、第1および第2の切り込み74、75とラミネートに製せられる開口部8の間の周辺領域79で内外層73、72を剥離させるように外層領域77の一部を蓋2の内面に貼り付ける。
【0062】
図16は上述のような、しかしながら、3層であるラミネート材のさらなる例を示している。この例では外層72と第3の層80は感圧性の「繰り返し接着可能な」接着剤を使用して接着され、内層73と第3の層80は永久接着剤を使用して接着されている。この場合、第1の切れ目74は外層72に設けられ、第2の切れ目は内層73と第3の層80に設けられている。第1および第2の切れ目74、75はオフセットしている。
【0063】
図16の例と類似する別の例では 外層72と第3の層80は永久的に互いに接着され、内層73と第3の層80は感圧性接着剤を使用して互いに接着される。この場合、第1の切れ目74は外層72と第3の層に設けられ、第2の切れ目は内層73に設けられている。当然のことながらラミネート材71は、上述と同じように互いに接着された4つ以上の層を有してもよく、第1および第2の切れ目74、75はそれぞれ1つ以上の層に設けられてもよい。上述のようなラベルとバリアーが一体の例を上述の実施態様のいずれかと組み合わせてもよい。
【0064】
本明細書中で使用する「タバコ産業製品」なる用語は、紙巻きタバコ、シガリロ、シガー、パイプ用または手巻き紙巻きタバコ用タバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替え品または他の喫煙材をベースにしているかに関係なく)などの燃焼性喫煙品、電子タバコなどの電子喫煙品、タバコ加熱製品などの燃焼させずに基材から化合物を放出する加熱装置および例えば液体または固体基材を含むハイブリッドシステムのような基材を組あわせたものからエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムを含む喫煙品を包含すると理解されるべきである。
【0065】
1つの実施態様ではタバコ産業製品は紙巻きタバコ、シガリロおよびシガーからなる群から選択される燃焼喫煙品である。
【0066】
1つの実施態様では タバコ産業製品は非燃焼性喫煙品である。
【0067】
1つの実施態様では タバコ産業製品は基材を燃やさずに加熱することによって化合物を放出する加熱装置である。基材は、タバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様では加熱装置はタバコ加熱装置である。
【0068】
別の実施態様では タバコ産業製品は基材を組あわせたものを燃やさずに加熱することによってエアロゾル発生させるハイブリッドシステムである。基材は、例えば固体、液体またはゲルを含んでもよく、これらはニコチンを含んでも含まなくてもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材と固体基材とを含んでもよい。固体基材は、例えばタバコまたはタバコまたはニコチンを含むまたは含まない非タバコ製品であってもよい。1つの実施態様ではハイブリッドシステムは液体またはゲル基材とタバコとを含んでもよい。
【0069】
本発明の実施態様はタバコ産業製品、例えば紙巻きタバコを参照して説明した。しかしながら、当然のことながら本発明のパッケージはこれとは別に非タバコ産業関連製品に使用してもよい。
【0070】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れたタバコ産業製品用パッケージを提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16