(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】カメラモジュール、カメラモジュールの組立方法、及び携帯端末
(51)【国際特許分類】
H04N 5/225 20060101AFI20221003BHJP
H04N 5/369 20110101ALI20221003BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20221003BHJP
【FI】
H04N5/225 700
H04N5/369
G03B17/02
(21)【出願番号】P 2020541750
(86)(22)【出願日】2019-01-25
(86)【国際出願番号】 CN2019073169
(87)【国際公開番号】W WO2019149149
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-08-14
(31)【優先権主張番号】201810090181.X
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】楊 俊
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/032404(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222-5/257
H04N 5/30-5/378
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル回路基板と、
前記フレキシブル回路基板に積層されるチップと、
前記チップに積層される画像センサと、
一端が前記フレキシブル回路基板の配線領域に接続され、他端が前記チップの前記フレキシブル回路基板から離れる一側面である前記チップの第1表面のインタフェース領域に接続される接続線と、
前記チップの第1表面のインタフェース領域に設置される第1保護構造と、
を含み、
前記第1保護構造は、
前記チップの第1表面に設置され、前記第1表面から離れる方向に向かって突出する前記接続線の部分が内部に位置する第1保護層と、
前記第1保護層の前記チップから離れる表面に貼着接続され、硬度が前記第1保護層の硬度より大きい第2保護層とを含み、
前記第1保護層及び前記第2保護層の前記チップにおける正投影は、いずれも前記画像センサとの間に所定の距離を有し、
又は、
前記第1保護構造は、
前記チップの第1表面に設置され、前記第1表面から離れる方向に向かって突出する前記接続線の部分が内部に位置する第1保護層と、
前記チップの第1表面に設置される第2保護層とを含み、
前記第2保護層の前記チップから離れる一側面は、前記第1保護層の前記チップに位置する一側面に位置し、
前記第2保護層の硬度は、前記第1保護層の硬度よりも大きく、
前記第1保護層及び前記第2保護層の前記チップにおける正投影は、いずれも前記画像センサとの間に所定の距離を有する、
カメラモジュール。
【請求項2】
前記第1表面から離れる方向に向かって突出する前記接続線の部分は、前記第1保護構造の内部に位置する、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記第2保護層は、セラミック材料、シリコン材料、樹脂基板材料またはエポキシガラス繊維板材料で製造され、
前記第1保護層は両面テープである、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記フレキシブル回路基板の配線領域に設置され、前記チップの側面から離れる方向に向かって突出する前記接続線の部分が内部に設置される第2保護構造をさらに含む、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記第2保護構造の前記フレキシブル回路基板から離れる表面と前記第1保護構造の前記チップから離れる表面とが面一である、請求項4に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記接続線の数は複数であり、
前記第1保護構造は前記チップの第1表面に枠状構造として形成され、
前記第1表面から離れる方向に向かって突出する各前記接続線の部分はいずれも前記第1保護構造の内部に位置する、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のカメラモジュールを含む携帯端末。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載のカメラモジュールに応用されるカメラモジュールの組立方法であって、
チップをフレキシブル回路基板に積層することと、
画像センサをチップに積層することと、
接続線の一端をフレキシブル回路基板に接続し、他端をチップの第1表面に接続することと、
第1表面から離れる方向に向かって突出する接続線の部分が第1保護構造の内部に位置するように、第1保護構造をチップの第1表面に設置することと、
を含む、カメラモジュールの組立方法。
【請求項9】
プラスチック射出成形用金型により、第2保護構造を、チップの側面から離れる方向に向かって突出する接続線の部分に射出成形することにより、第2保護構造をフレキシブル回路基板のチップが設置された表面に貼着接続し、かつチップの側面から離れる方向に向かって突出する接続線の部分を第2保護構造の内部に設置することをさらに含む、請求項8に記載のカメラモジュールの組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年1月30日に中国で提出された中国特許出願No.201810090181.Xの優先権を主張し、その全ての内容は援用によりここに取り込まれる。
【0002】
本開示は、通信技術分野に関し、特にカメラモジュール、カメラモジュールの組立方法、及び携帯端末に関する。
【背景技術】
【0003】
スマートフォンのオールスクリーンの発展及び普及に伴い、携帯電話の厚さがますます薄くなり、携帯電話の内部の、カメラモジュールが利用可能なスペースもますます小さくなるため、カメラモジュールのサイズを削減することが求められている。
【0004】
関連技術では、カメラモジュールの厚さを薄くするために、カメラモジュールの内部にあるレンズマウントを無くすことで、カメラの厚さを薄くするという効果を達成する。
図1に示すように、レンズマウントを無くした後、金線Bを保護するために、関連技術ではプラスチック射出成形用金型Dにより金線Bの外部にプラスチックCを射出成形することにより、金線Bが外へ露出しないように保証する。関連技術では、プラスチック射出成形を行う時に、プラスチック射出成形用金型DとチップAとの間の接触面積(
図1におけるE箇所)が小さいため、チップAの、プラスチック射出成形用金型Dにより印加された圧力を受けるための受圧面積が小さく、チップAのプラスチック射出成形用金型Dと直接接触する位置が大きな圧力を受けた後に割れが生じることを引き起こしやすく、さらにカメラモジュール全体が故障することを引き起こすという問題がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施例は、カメラモジュール、カメラモジュールの組立方法、及び携帯端末を提供し、プラスチック射出成形用金型とチップとの間の接触面積が小さいことによるチップの割れ及びカメラモジュールの故障の問題を解決する。
【0006】
第1態様では、本開示の実施例は、カメラモジュールを提供する。
当該カメラモジュールにおいて、
フレキシブル回路基板と、
フレキシブル回路基板に積層されるチップと、
チップに積層される画像センサと、
一端がフレキシブル回路基板の配線領域に接続され、他端がチップのフレキシブル回路基板から離れる一側面であるチップの第1表面のインタフェース領域に接続される接続線と、
チップの第1表面のインタフェース領域に設置される第1保護構造と、
を含む。
【0007】
第2態様では、本開示の実施例は携帯端末をさらに提供する。
当該携帯端末は、上記カメラモジュールを含む。
【0008】
第3態様では、本開示の実施例は、カメラモジュールの組立方法をさらに提供する。
当該カメラモジュールの組立方法において、
チップをフレキシブル回路基板に積層することと、
画像センサをチップに積層することと、
接続線の一端をフレキシブル回路基板に接続し、他端をチップの第1表面に接続することと、
第1表面から離れる方向に向かって突出する接続線の部分が第1保護構造の内部に位置するように、第1保護構造をチップの第1表面に設置することと、
を含む。
【0009】
このように,本開示の上記解決手段では、カメラモジュール内に第1保護構造を増設することにより、チップとの間の接触面積を増大させ、チップの、プラスチック射出成形用金型により印加された圧力を受けるための受圧面積を増大させ、さらにチップが割れるという問題の発生を防止し、カメラが正常に動作できるように保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の実施例の技術手段をより明確に説明するために、本開示の実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は、本開示の一部の実施例にすぎない。当業者にとって、創造性のある作業をすることなく、これらの図面から他の図面も得られることは、明らかである。
【0011】
【
図1】関連技術でプラスチック射出成形用金型によりカメラモジュールにプラスチックを射出成形する時の構造概略図を示す。
【
図2】本開示の実施例に係るカメラモジュールの構造概略図を示す。
【
図3】本開示の実施例に係るカメラモジュールの構造概略図を示す。
【
図4】本開示の実施例に係るカメラモジュールの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本開示の例示的な実施例をより詳細に説明する。図面には本開示の例示的な実施例が示されるが、本開示は様々な形態で実現することができ、本明細書に説明した実施例によって限定されないと理解すべきである。逆に、これらの実施例を提供することは、本開示をより徹底的に理解し、かつ本開示の範囲を完全に当業者に伝えるためである。
【0013】
図2~
図4に示すように、本開示の実施例は、フレキシブル回路基板1と、フレキシブル回路基板1に積層されるチップ2と、チップ2に積層される画像センサ3と、一端がフレキシブル回路基板1の配線領域に接続され、他端がチップ2のフレキシブル回路基板1から離れる一側面であるチップ2の第1表面のインタフェース領域に接続される接続線4と、チップ2の第1表面のインタフェース領域に設置され、かつ第1表面から離れる方向に向かって突出する接続線4の部分が内部に位置する第1保護構造5とを含む、カメラモジュールを提供する。
【0014】
本開示の実施例では、カメラモジュール内に第1保護構造5が増設されるため、チップ2との間の接触面積が増大し、チップ2の、プラスチック射出成形用金型により印加された圧力を受けるための受圧面積が増大し、さらにチップ2が割れるという問題の発生を防止し、カメラが正常に動作できるように保証することができるとともに、レンズマウントが無くされるため、カメラモジュールのサイズが小さくなり、携帯端末の厚さを小さくするという効果を達成する。
【0015】
さらに、本開示の実施例では、
図3に示すように、接続線4の数は複数であり、第1保護構造5はチップ2の第1表面に枠状構造として形成され、第1表面から離れる方向に向かって突出する各接続線4の部分はいずれも第1保護構造5の内部に位置する。
【0016】
画像センサ3が第1保護構造5の中空部により露出することで、カメラモジュールのレンズにより集光された光線が該画像センサ3に投射することができ、画像センサ3により光学信号を電気信号に変換し、さらにチップ2により画像生成を行う。
【0017】
さらに、本開示の実施例では、
図2~
図4に示すように、前記カメラモジュールは、フレキシブル回路基板1の配線領域に設置され、チップ2の側面から離れる方向に向かって突出する接続線4の部分が内部に設置される第2保護構造6をさらに含む。
【0018】
第2保護構造6は、プラスチックで製造され、第1保護構造5に配置されるプラスチック射出成形用金型により、プラスチックを、チップ2の側面から離れる方向に向かって突出する該接続線4の部分に射出成形することにより形成される。該第2保護構造6は、チップ2の側面に貼設され、
図2に示すように、本開示の実施例では、該第2保護構造6は、規則的な直方体構造である。
【0019】
第1保護構造5を、第1表面から離れる方向に向かって突出する接続線4の部分に被覆し、かつ第2保護構造6を、チップ2の側面から離れる方向に向かって突出する接続線4の部分に被覆することにより、接続線4が外へ露出しないため、カメラモジュール内のレンズマウントを無くし、さらにカメラモジュールのサイズを削減するとともに、接続線4とチップ2及びフレキシブル回路基板1との間の接続が不良にならないように保証することができる。
【0020】
さらに、
図2及び
図3に示すように、本開示の実施例では、第1保護構造5は第2保護構造6に貼着接続される。
【0021】
第2保護構造6はプラスチック射出成形プロセスによりフレキシブル回路基板1に射出成形されるものであるため、第2保護構造6を該フレキシブル回路基板1に射出成形した後、第2保護構造6が第1保護構造5に接着され、両者の固定接続を実現する。第1保護構造5と第2保護構造6とを貼着接続して設置することにより、該接続線4の完全な被覆を実現することができる。
【0022】
さらに、本開示の実施例では、
図2に示すように、第2保護構造6のフレキシブル回路基板1から離れる表面と第1保護構造5のチップ2から離れる表面とが面一である。
【0023】
第2保護構造6のフレキシブル回路基板1から離れる表面と第1保護構造5のチップ2から離れる表面とが面一であるように設置することにより、カメラモジュールのレンズの取り付けを容易にする。
【0024】
さらに、本開示の実施例では、
図3及び
図4に示すように、第1保護構造5のチップ2における正投影と画像センサ3との間の所定の距離が設定される。
【0025】
該設定は、第2保護構造6を射出成形する時に、プラスチック射出成形用金型が押し下げられる過程において画像センサ3を押圧することによる画像センサ3の破損を防止することにより、画像センサ3の構造の完全性を保証するためである。
【0026】
さらに、本開示の実施例では、
図2に示すように、第1保護構造5の画像センサ3から離れる一側面とチップ2の画像センサ3から離れる一側面とが面一である。
【0027】
第1保護構造5の画像センサ3から離れる一側面とチップ2の画像センサ3から離れる一側面とが面一であるように設置することにより、第2保護構造6の射出成形を容易にする。
【0028】
具体的には、本開示の実施例では、第1保護構造5は、2種類の方式によりチップ2の第1表面に設置されてもよい。
図2に示すように、第1の設置方式における第1保護構造5は、チップ2の第1表面に設置され、第1表面から離れる方向に向かって突出する接続線4の部分が内部に位置する第1保護層51と、第1保護層51のチップ2から離れる表面に貼着接続され、硬度が第1保護層51の硬度より大きい第2保護層52とを含む。
【0029】
この時に、第2保護層52は、セラミック材料、シリコン材料、樹脂基板材料またはエポキシガラス繊維板材料で製造され、第1保護層51は両面テープである。エポキシガラス繊維板に対応する材料グレードはFR4である。
【0030】
第1保護層51が両面テープであり、かつ、両面テープの厚さが第1表面から離れる方向に向かって突出する接続線4の部分の高さよりも大きいことにより、両面テープを第1表面から離れる方向に向かって突出する該接続線4の部分に被覆することできることを保証する。
【0031】
該第1の実現方式では、
図3に示すように、第1保護層51及び第2保護層52が枠状構造であってもよく、画像センサ3が第1保護層51及び第2保護層52の中空部により露出することで、カメラモジュールのレンズにより集光された光線は画像センサ3に投射することができる。
【0032】
または、該第1の実現方式では、第1保護層51が枠状構造として設置されるのに対し、第2保護層52が直方体構造として設置され、かつ、第2保護層52が複数あり、複数の第2保護層52が該第1保護層51に均一に積層され、複数の第2保護層52が枠状構造の中心線の周りに設置され、複数の接続線4がそれぞれ該第1保護層51内で被覆されてもよい。
【0033】
または、該第1の実現方式では、該第2保護層52が枠状構造として設置されるのに対し、第1保護層51が直方体構造として設置され、第1保護層51が複数あり、複数の第1保護層51が該枠状構造の中心線の周りに設置され、該第2保護層52が複数の第1保護層51に積層され、各接続線4が第1保護層51に対応してもよい。
【0034】
かつ、該第1の実現方式では、第2保護構造6は、それぞれ第1保護層51及び第2保護層52に貼着接続され、第2保護構造6のフレキシブル回路基板1から離れる表面と第2保護層52のチップ2から離れる表面とが面一であり、第1保護層51の画像センサ3の側面に向かう一側面と第2保護層52の画像センサ3の側面に向かう一側面とが面一であり、第1保護層51の画像センサ3の側面から離れる一側面と第2保護層52の画像センサ3の側面から離れる一側面とが面一であり、かつ第1保護層51及び第2保護層52のチップ2における正投影は、いずれも該画像センサ3との間に所定の距離を有する。
【0035】
第1表面から離れる方向に向かって突出する接続線4の部分を第1保護層51の内部に設置することで、接続線4が外に露出することを防止し、接続線4とチップ2の溶接点が強固に接続されることを保証することができる。それとともに、第1保護層51の上方に設置される第2保護層52がチップ2との間の接触面積を増大させることにより、チップ2の、プラスチック射出成形用金型により印加された圧力を受けるための受圧面積が増大し、さらにチップ2が割れるという問題の発生を防止し、カメラが正常に動作できるように保証することができる。
【0036】
図4に示すように、さらに、本開示の実施例では、第2の設置方式における第1保護構造5は、チップ2の第1表面に設置され、第1表面から離れる方向に向かって突出する接続線4の部分が内部に位置する第1保護層51と、チップ2の第1表面に設置される第2保護層52とを含み、、第2保護層52のチップ2から離れる一側面は第1保護層51のチップ2に位置する一側面に位置し、第2保護層52の硬度は第1保護層51の硬度よりも大きい。
【0037】
この第2の実現方式では、第2保護層52は、セラミック材料、シリコン材料、樹脂基板材料またはエポキシガラス繊維板材料で製造され、エポキシガラス繊維板に対応する材料グレードがFR4である。第1保護層51はプラスチックなどの可撓性材料で製造された構造であってもよい。かつ、第1保護構造5及び第2保護構造6は、いずれも直方体構造である。
【0038】
それとともに、該第2の実現方式では、第1保護層51の側面と第2保護層52の側面とを貼着して設置してもよく、貼着することなく設置する方式を採用してもよい。
【0039】
第2保護層52のチップ2から離れる一側面が第1保護層51のチップ2に位置する一側面に位置することとは、第1保護層51の高さが第2保護層52の高さよりも低いことを指し、それによりプラスチック射出成形用金型により第2保護構造6を射出成形する時に第1保護層51が該プラスチック射出成形用金型に接触しないことを保証することができる。
【0040】
かつ、該第2の実現方式では、第2保護構造6は、それぞれ第1保護層51及び第2保護層52に貼着接続され、第2保護構造6のフレキシブル回路基板1から離れる表面と第2保護層52のチップ2から離れる表面とが面一であり、第1保護層51の画像センサ3の側面に向かう一側面と第2保護層52の画像センサ3の側面に向かう一側面とが面一であり、第1保護層51の画像センサ3の側面から離れる一側面と第2保護層52の画像センサ3の側面から離れる一側面とが面一であり、第1保護層51及び第2保護層52のチップ2における正投影はいずれも該画像センサ3との間に所定の距離を有する。
【0041】
第1表面から離れる方向に向かって突出する接続線4の部分を第1保護層51の内部に設置することで、接続線4が外に露出することを防止し、接続線4とチップ2の溶接点とが強固に接続されることを保証することができる。それとともに、第2保護層52がチップ2との間の接触面積を増大させ、チップ2の、プラスチック射出成形用金型により印加された圧力を受けるための受圧面積が増大し、さらにチップ2が割れるという問題の発生を防止し、カメラが正常に動作できるように保証することができる。
【0042】
本開示の別の態様によれば、本開示の実施例はまた、上記カメラモジュールを含む携帯端末を提供する。
【0043】
本開示の携帯端末は、カメラモジュール内に第1保護構造5を増設することにより、チップ2との間の接触面積を増大させ、チップ2の、プラスチック射出成形用金型により印加された圧力を受けるための受圧面積を増大させ、さらにチップ2が割れるという問題の発生を防止し、カメラが正常に動作できるように保証することができる。
【0044】
本開示の別の態様によれば、本開示は、カメラモジュールの組立方法をさらに提供する。
当該カメラモジュールの組立方法において、
チップ2をフレキシブル回路基板1に積層することと、
画像センサ3をチップ2に積層することと、
接続線4の一端をフレキシブル回路基板1に接続し、他端をチップ2の第1表面に接続することと、
第1表面から離れる方向に向かって突出する接続線4の部分が第1保護構造5の内部に位置するように、第1保護構造5をチップ2の第1表面に設置することと、を含む。
【0045】
カメラモジュール内に第1保護構造5を増設することにより、チップ2との間の接触面積を増大させ、チップ2の、プラスチック射出成形用金型により印加された圧力を受けるための受圧面積を増大させ、さらにチップ2が割れるという問題の発生を防止し、カメラが正常に動作できるように保証することができる。
【0046】
さらに、本開示の実施例では、プラスチック射出成形用金型で、第2保護構造6を、チップ2の側面から離れる方向に向かって突出する接続線4の部分に射出成形することにより、第2保護構造6をフレキシブル回路基板1のチップ2が設置された表面に貼着接続し、かつチップ2の側面から離れる方向に向かって突出する接続線4の部分を第2保護構造6の内部に設置する。
【0047】
第1保護構造5を、第1表面から離れる方向に向かって突出する接続線4の部分に被覆し、かつ第2保護構造6を、チップ2の側面から離れる方向に向かって突出する接続線4の部分に被覆することにより、接続線4が外へ露出しないため、カメラモジュール内のレンズマウントを無くし、さらにカメラモジュールのサイズを削減するとともに、接続線4とチップ2及びフレキシブル回路基板1との間の接続が不良とならないように保証することができる。
【0048】
本明細書における各実施例は、いずれも漸進的な方式で説明され、各実施例は、いずれも他の実施例との相違点について重点に説明し、各実施例の間の同じまたは類似の部分について互いに参照すればよい。
【0049】
本開示の実施例における代替的な実施例を説明したが、当業者は、一旦基本的な創造性概念を知ると、これらの実施例に対して別の変更及び修正を行うことができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、代替的な実施例と本開示の実施例の範囲内に含まれる全ての変更及び修正を含むものと解釈されることを意図する。
【0050】
最後に、説明すべきこととして、本明細書において、例えば、「第1」、「第2」などの関係用語は、1つの実体または操作を別の実体または操作と区別するためのものにすぎず、必ずしもこれらの実体または操作の間にいかなるこのような実際の関係または順序が存在することを要求または示唆するものではない。また、用語「含む」、「備える」またはそれらの任意の他の変形は、非排他的包含を含むことを意図し、それにより一連の要素を含むプロセス、方法、物品または端末機器は、それらの要素だけでなく、明確に列挙されていない他の要素、またはこのようなプロセス、方法、物品または端末機器に固有の要素も含む。更なる限定がない場合、語句「1つの……含む」で限定された要素について、前記要素を含むプロセス、方法、物品または端末機器にさらに別の同じ要素が存在することは排除されない。
【0051】
以上の説明は、本開示の代替的な実施形態であり、かつ指摘すべきこととして、当業者であれば、本開示の前記原理から逸脱しない前提で複数の改良及び修飾を行ってもよく、これらの改良及び修飾も本開示の保護範囲に含まれる。