(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】アミノピラン誘導体の組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4162 20060101AFI20221003BHJP
A61K 31/4188 20060101ALI20221003BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20221003BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20221003BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20221003BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20221003BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20221003BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20221003BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20221003BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20221003BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20221003BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20221003BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20221003BHJP
A61K 9/28 20060101ALI20221003BHJP
A61K 9/36 20060101ALI20221003BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20221003BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
A61K31/4162
A61K31/4188
A61K47/26
A61K47/38
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/44
A61K47/04
A61K47/34
A61K47/22
A61K9/20
A61K47/02
A61K47/32
A61K9/28
A61K9/36
A61P3/10
A61P43/00 111
(21)【出願番号】P 2020542601
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(86)【国際出願番号】 CN2019073912
(87)【国際公開番号】W WO2019154218
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-11-06
(31)【優先権主張番号】201810108653.X
(32)【優先日】2018-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515309302
【氏名又は名称】スーチュアン ハイスーク ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】モ, イー
(72)【発明者】
【氏名】リー, ホンフー
(72)【発明者】
【氏名】ワン, シン
(72)【発明者】
【氏名】イェ, フェイ
【審査官】鶴見 秀紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/031228(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/192714(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61K 9/00-9/72
A61K 47/00-47/69
A61P 3/10
A61P 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補助剤と、下記の構造
【化1】
から選ばれる化合物(I)、(II)、又は(III)及びその立体異性体、或いはその薬学的に許容可能な塩である活性成分と、を含む薬物製剤であって、
前記補助剤は還元糖を含まず、希釈剤を含み、
前記希釈剤は、マンニトールと微結晶セルロースの混合物であって、混合物中の微結晶セルロースの割合が33~50重量%であり、
前記希釈剤を40~96重量%含む、薬物製剤。
【請求項2】
前記希釈剤中のマンニトールと微結晶セルロースの混合物中の微結晶セルロースの割合が33~50重量%であり、
前記希釈剤を80~96重量%含む、請求項1に記載の薬物製剤。
【請求項3】
前記希釈剤中のマンニトールと微結晶セルロースの混合物中の微結晶セルロースの割合が33重量%であり、
前記希釈剤を80~96重量%含む、請求項1に記載の薬物製剤。
【請求項4】
補助剤と、下記の構造
【化2】
から選ばれる化合物(I)、(II)、又は(III)及びその立体異性体、或いはその薬学的に許容可能な塩である活性成分と、を含む薬物製剤であって、
前記補助剤は還元糖を含まず、希釈剤を含み、
前記希釈剤は、マンニトールと微結晶セルロースの混合物であって、混合物中のマンニトールの割合が60~70重量%であり、
前記希釈剤を40~96重量%含む
、薬物製剤。
【請求項5】
前記希釈剤中のマンニトールと微結晶セルロースの混合物中のマンニトールの割合が60~70重量%であり、
前記希釈剤を80~96重量%含む、請求項
4に記載の薬物製剤。
【請求項6】
前記補助剤は、さらに潤滑剤、流動助剤、崩壊剤、界面活性剤、湿潤剤、酸化防止剤のうちの一種又は複数種を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の薬物製剤。
【請求項7】
潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、硬化ヒマシ油のうちの一種又は複数種から選ばれ;
流動助剤は、コロイダルシリカ、リン酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム及びタルクのうちの一種又は複数種から選ばれ;
崩壊剤は、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン及びカルボキシメチルセルロースカルシウムのうちの一種又は複数種から選ばれ;
界面活性剤は、モノオレイン酸グリセリル、ポリソルベート、ポリビニルアルコール、ソルベートのうちの一種又は複数種から選ばれ;
湿潤剤は、ポロキサマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油誘導体及びポリオキシエチレンステアレートのうちの一種又は複数種から選ばれ;
酸化防止剤は、ビタミンE、α-トコフェロール、ビタミンC及びその関連するナトリウム塩又はカルシウム塩、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ラウリル、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールのうちの一種又は複数種から選ばれる、
請求項6に記載の薬物製剤。
【請求項8】
潤滑剤の含有量は、0.05wt%~4wt%から選ばれ;
流動助剤の含有量は、1wt%~5wt%から選ばれる、
請求項7に記載の薬物製剤。
【請求項9】
潤滑剤の含有量は、1wt%~4wt%から選ばれる、請求項8に記載の薬物製剤。
【請求項10】
潤滑剤の含有量は、2wt%~3wt%から選ばれる、請求項8に記載の薬物製剤。
【請求項11】
前記薬物製剤は固形製剤である、請求項1~5のいずれか1項に記載の薬物製剤。
【請求項12】
前記固形製剤は錠剤である、請求項11に記載の薬物製剤。
【請求項13】
薬物製剤がコーティング層を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の薬物製剤。
【請求項14】
コーティング層が可塑剤を含まないコーティング粉で調製されている、請求項13に記載の薬物製剤。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の薬物製剤を被験者に投与することによって行う、糖尿病治療に使用する薬物製剤。
【請求項16】
経口的に投与する、請求項15に記載の糖尿病治療に使用する薬物製剤。
【請求項17】
前記投与が経口的に1日1回、週1回、2週間に1回、または月1回に行う、請求項16に記載の糖尿病治療に使用する薬物製剤。
【請求項18】
請求項1~14のいずれか1項に記載の一般式(I)、(II)、又は(III)で表される化合物の投与量は1~500mg/回から選ばれる、請求項15~17のいずれか1項に記載の糖尿病治療に使用する薬物製剤。
【請求項19】
請求項1~14のいずれか1項に記載の一般式(I)、(II)、又は(III)で表される化合物の投与量は、5mg/回、10mg/回、50mg/回、100mg/回、150mg/回、175mg/回、200mg/回、225mg/回、250mg/回から選ばれる、請求項18に記載の糖尿病治療に使用する薬物製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノピラン誘導体の組成物に関し、具体的に、アミノピラン誘導体を含む経口固形製剤及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2には、優れたDPPIV阻害剤としての、2型糖尿病を予防及び/又は治療する潜在力を持っている一連のアミノピラン環誘導体が公開されており、例えば、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物、式(III)で表される化合物が挙げられ、式(III)で表される化合物は式(II)で表される化合物の二塩酸塩などであり、これらの関連構造は、優れた血糖低減機能を具備しており、2型糖尿病の治療に用いられ、その構造は、それぞれに下記に示されている。
【0003】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2015/192701号
【文献】国際公開第2015/192714号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一般式(A)で表される化合物、式(I)化合物、式(II)化合物又は式(III)化合物は、不純物を生成しやすく、不安定であり、品質制御できず、薬物製剤の調製に不利であるなどの欠点を有する。
【0006】
本発明は、患者が使いやすく、安定で、不純物が少なく、品質制御可能な特徴を具備するアミノピラン誘導体の製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、中性補助剤を含む一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物の製剤を提供し、これによって、不純物を生成しやすく、不安定であり、品質制御できず、薬物製剤の調製に不利であるなどの欠点を解決した。
【0008】
本発明は、還元糖を含まない一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物の製剤を提供し、これによって、不純物を生成しやすく、不安定であり、品質制御できず、薬物製剤の調製に不利であるなどの欠点を解決した。
【0009】
本発明は、一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物の製剤の製造方法を提供する。
【0010】
本発明は、一般式(A)で表される化合物及びその立体異性体、或いはその薬学的に許容可能な塩又はプロドラッグを提供し、その中で、
【0011】
【0012】
R1は、それぞれ独立にH、F、Cl、Br又はIから選ばれ;
R2は、それぞれ独立にH、F、Cl、Br、I又はC1-4アルキル基から選ばれ、前記アルキル基は、任意に更に0、1、2、3又は4個の、H、F、Cl、Br又はIから選ばれる置換基で置換され;
環Dは、5員ヘテロ芳香環基から選ばれ、前記ヘテロ芳香環基は、任意に更に0、1、2、3又は4個の、H、C1-4アルキル基、S(=O)2-C1-4アルキル基又はD1から選ばれる置換基で置換され、前記ヘテロ芳香環基はN原子を2個又は3個含み;
D1は、それぞれ独立に5員ヘテロ芳香環基から選ばれ、前記ヘテロ芳香環基は、任意に更に0、1、2、3又は4個の、H又はC1-4アルキル基から選ばれる置換基で置換され、前記ヘテロ芳香環基はN原子を2個、3個又は4個含み;
nは、0、1、2、3、4又は5から選ばれる。
【0013】
特定の実例において、一般式(A)で表される化合物及びその立体異性体、或いはその薬学的に許容可能な塩又はプロドラッグに関し、その中で、
R1は、それぞれ独立にH又はFから選ばれ;R2は、それぞれ独立にH又はトリフルオロメチル基から選ばれ;
環Dは、イミダゾール又はピラゾールから選ばれ、前記イミダゾール又はピラゾールは、任意に更に0、1、2、3又は4個の、H、メチル基、エチル基、イソプロピル基、S(=O)2-メチル基、S(=O)2-エチル基、S(=O)2-イソプロピル基又はD1から選ばれる置換基で置換され;
D1は、それぞれ独立にテトラゾールから選ばれ、前記テトラゾールは、任意に更に0、1、2、3又は4個の、H、メチル基、エチル基又はイソプロピル基から選ばれる置換基で置換され;
nは、0、1、2、3、4又は5から選ばれる。
【0014】
特定の実例において、一般式(A)で表される化合物及びその立体異性体、或いはその薬学的に許容可能な塩又はプロドラッグに関し、その中で、薬学的に許容可能な塩は、ベンゼンスルホン酸塩、サリチル酸塩、安息香酸塩、酢酸塩、S-(+)-マンデル酸塩、プロピオン酸塩、クロトン酸塩、フロ酸塩、ケイ皮酸塩、エチルスルホン酸塩、水酸基酢酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、ギ酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グリコール酸塩、塩酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、マロン酸塩又はリンゴ酸塩から選ばれる。
【0015】
特定の実例において、一般式(A)で表される化合物及びその立体異性体、或いはその薬学的に許容可能な塩又はプロドラッグに関し、その中で、式(A)で表される化合物は、下記の構造の一つから選ばれる。
【0016】
【0017】
本発明は、一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物を含む安定的な薬物製剤を提供する。含まれる製剤の仕様は、下記に限定するものではないが、仕様0.1~1mg、1~5mg、5~10mg、10~15mg、15~20mg、20~25mg、25~30mg、30~35mg、35~40mg、40~45mg及び45~50mgの一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物を含み;さらに具体的に、本製剤に含まれる仕様は、下記に限定するものではないが、仕様0.5mg、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg及び30mgの一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物を含み;仕様5mg、12.5mg、15mg、25mg、30mgの一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物がより好ましい。
【0018】
製剤に占める一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物の比例は、下記に限定するものではないが、0.1wt%~50wt%、0.1wt%~1wt%、0.1wt%~2wt%、0.1wt%~5wt%、1wt%~10wt%、5wt%~10wt%、10wt%~25wt%、20wt%~35wt%、30wt%~40wt%、25wt%~50wt%を含む。例えば、製剤に占める一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物の百分率は、下記に限定するものではないが、0.1wt%、0.7wt%、1wt%、7.1wt%、25.0wt%、8.3wt%、21.4wt%、31.5wt%、31.3wt%、37.5wt%、41.7wt%から選ばれ、薬物担持量が高い製剤が好ましい。
【0019】
特定の実例において、製剤における一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物の含有量は、0.1wt%~50wt%、0.1wt%~1wt%、0.1wt%~2wt%、0.1wt%~5wt%、1wt%~10wt%、5wt%~10wt%、10wt%~25wt%、20wt%~35wt%、0.1wt%~0.2wt%、0.6wt%~0.8wt%、7.0wt%~9.0wt%、6.0wt%~8.0wt%、20.5wt%~22.5wt%、24.0wt%~26.0wt%、30.0wt%~32.0wt%、36.5wt%~38.5wt%から選ばれる。
【0020】
一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物の製剤において、使用する補助剤は、中性希釈剤を使用することが好ましく、前記希釈剤は、還元糖又は還元糖混合物を含まず(しかし、希釈剤に不純物として存在する還元糖を少量含むことが許容される)、補助剤の種類は、下記に限定するものではないが、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、流動助剤、界面活性剤、酸化防止剤又は甘味料を含む。
【0021】
中性希釈剤は、イオン電荷を含まない希釈剤である。
【0022】
本発明の特定の実例において、使用する補助剤の製剤に占める重量百分率は90%以上であり、本発明の他の特定の実例において、使用する補助剤の製剤に占める重量百分率は80%以上であり、本発明のさらに他の特定の実例において、使用する補助剤の製剤に占める重量百分率は70%以上であり、本発明のさらに他の特定の実例において、使用する補助剤の製剤に占める重量百分率は60%であり、本発明のさらに他の特定の実例において、使用する補助剤の製剤に占める重量百分率は50%以上であり、本発明のさらに他の特定の実例において、使用する補助剤の製剤に占める重量百分率は40%以上である。
【0023】
本発明の特定の実例において、使用する補助剤の製剤に占める重量百分率は、90%~99.9%、80%~99.9%、70%~99.9%、60%~99.9%、50%~99.9%、40%~99.9%から選ばれる。
【0024】
本発明に用いられる希釈剤は、下記に限定するものではないが、ショ糖、マンニトール、微結晶セルロース、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、澱粉、予備ゲル化澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びソルビトールのうちの一種又は複数種を含む。本発明に、使用する希釈剤は、下記に限定するものではないが、マンニトール、微結晶セルロース、澱粉又は予備ゲル化澱粉のうちの一種又は複数種を含むことが好ましい。
【0025】
本発明における一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物の薬物製剤の補助剤に適用する希釈剤は、乳糖一水和物、ケイ化微結晶セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、無水乳糖、グルコース、マルトース及びほかの還元性糖を含まない。
【0026】
本発明の特定の実例において、製剤に占める希釈剤の重量百分率は80%~90%であり、本発明の他の特定の実例において、製剤に占める希釈剤の重量百分率は70%~80%であり、本発明のさらに他の特定の実例において、製剤に占める希釈剤の重量百分率は60%~70%であり、本発明のさらに他の特定の実例において、製剤に占める希釈剤の重量百分率は50%~60%である。
【0027】
特定の実例において、製剤に占める希釈剤の重量百分率は、40%~96%、50%~96%、60%~96%、70%~96%、80%~96%又は90%~96%、50%~99%から選ばれる。
【0028】
本発明の特定の実例において、単位製剤における希釈剤の使用量は、下記に限定するものではないが、10~50mg、20~50mg、30~50mg、40~50mgを含む。別の特定の実例において、単位製剤における希釈剤の使用量は、下記に限定するものではないが、20~60mg、30~60mg、40~60mg、50~60mgを含む。別の特定の実例において、単位製剤における希釈剤の使用量は、下記に限定するものではないが、20~70mg、30~70mg、40~70mg、50~70mg、60~70mgを含む。別の特定の実例において、単位製剤における希釈剤の使用量は、下記に限定するものではないが、30~80mg、40~80mg、50~80mg、60~80mg、70~80mgを含む。別の特定の実例において、単位製剤における希釈剤の使用量は、下記に限定するものではないが、40~90mg、50~90mg、60~90mg、70~90mg、80~90mgを含む。別の特定の実例において、単位製剤における希釈剤の使用量は、下記に限定するものではないが、40~100mg、50~100mg、60~100mg、70~100mg、80~100mgを含む。
【0029】
別の特定の実例において、単位製剤における希釈剤の使用量は、下記に限定するものではないが、100~150mg、110~150mg、120~150mg、130~150mg、140~150mgを含む。別の特定の実例において、単位製剤における希釈剤の使用量は、下記に限定するものではないが、150~200mg、160~200mg、170~200mg、180~200mg、190~200mgを含む。別の特定の実例において、単位製剤における希釈剤の使用量は、下記に限定するものではないが、200~250mg、210~250mg、220~250mg、230~250mg、240~250mgを含む。別の特定の実例において、単位製剤における希釈剤の使用量は、下記に限定するものではないが、250~300mg、260~300mg、270~300mg、280~300mg、290~300mgを含む。別の特定の実例において、単位製剤における希釈剤の使用量は、下記に限定するものではないが、300~350mg、310~350mg、320~350mg、330~350mg、340~350mgを含む。
【0030】
本発明の特定の実例において、希釈剤は二種の希釈剤の混合物であることが好ましく、本発明では、微結晶セルロース及びマンニトールが好ましい。特定の実例において、製剤に占める当該混合物の重量百分率は40%~96%であり、当該混合物に占める微結晶セルロースの重量百分率は55%~75%である。製剤に占める当該混合物の重量百分率は40%~90%であり、そのうち製剤に占める微結晶セルロースの重量百分率は40%~60%である。別の特定の実例において、製剤に占める当該混合物の重量百分率は50%~90%であり、そのうち製剤に占める微結晶セルロースの重量百分率は50%~70%である。別の特定の実例において、製剤に占める当該混合物の重量百分率は60%~90%であり、そのうち製剤に占める微結晶セルロースの重量百分率は10%~50%である。別の特定の実例において、製剤に占める当該混合物の重量百分率は70%~90%であり、そのうち製剤に占める微結晶セルロースの重量百分率は20%~50%である。
【0031】
特定の実例において、前記希釈剤は二種の希釈剤の混合物であることが好ましく、本発明では、微結晶セルロース及びマンニトールが好ましい。製剤に占める前記混合物の含有量は、40wt%~96wt%、50wt%~90wt%、60wt%~90wt%、70wt%~96wt%、80wt%~96wt%、90wt%~96wt%から選ばれ、そのうち当該混合物に占める微結晶セルロースの含有量は、10wt%~90wt%、40wt%~60wt%、10wt%~50wt%、50wt%~70wt%、55wt%~75wt%、20wt%~50wt%から選ばれる。
【0032】
特定の実例において、希釈剤は二種の希釈剤の混合物であることが好ましく、本発明では、微結晶セルロース及びマンニトールが好ましい。特定の実例において、単位製剤における当該混合物の使用量は30~50mgであり、そのうち微結晶セルロースは30~40mgである。別の特定の実例において、単位製剤における当該混合物の使用量は30~60mgであり、そのうち微結晶セルロースの使用量は20~40mgである。別の特定の実例において、単位製剤における当該混合物の使用量は30~70mgであり、そのうち微結晶セルロースの使用量は10~40mgである。
【0033】
別の特定の実例において、単位製剤における当該混合物の使用量は30~80mgであり、そのうち微結晶セルロースの使用量は10~50mgである。別の特定の実例において、単位製剤における当該混合物の使用量は80~100mgであり、そのうち微結晶セルロースの使用量は20~50mgである。別の特定の実例において、単位製剤における当該混合物の使用量は80~120mgであり、そのうち微結晶セルロースの使用量は20~60mgである。別の特定の実例において、単位製剤における当該混合物の使用量は80~140mgであり、そのうち微結晶セルロースの使用量は20~70mgである。別の特定の実例において、単位製剤における当該混合物の使用量は100~160mgであり、そのうち微結晶セルロースの使用量は30~80mgである。別の特定の実例において、単位製剤における当該混合物の使用量は100~180mgであり、そのうち微結晶セルロースの使用量は30~90mgである。別の特定の実例において、単位製剤における当該混合物の使用量は100~200mgであり、そのうち微結晶セルロースの使用量は30~100mgである。別の特定の実例において、単位製剤における当該混合物の使用量は100~220mgであり、そのうち微結晶セルロースの使用量は30~110mgである。別の特定の実例において、単位製剤における当該混合物の使用量は100~240mgであり、そのうち微結晶セルロースの使用量は30~120mgである。別の特定の実例において、単位製剤における当該混合物の使用量は100~260mgであり、そのうち微結晶セルロースの使用量は30~130mgである。
【0034】
特定の実例において、製剤処方は、微結晶セルロース34.81mg及びマンニトール17.40mgを含む。
【0035】
特定の実例において、製剤処方は、微結晶セルロース15.00mg及びマンニトール37.22mgを含む。
【0036】
特定の実例において、製剤処方は、微結晶セルロース17.4mg及びマンニトール34.8mgを含む。
【0037】
特定の実例において、製剤処方は、微結晶セルロース55.59mg及びマンニトール111.18mgを含む。
【0038】
本発明の特定の実例において、薬物製剤は、一種又は複数種の潤滑剤又は流動助剤を含む。潤滑剤は、下記に限定するものではないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、硬化ヒマシ油のうちの一種又は複数種を含む。本発明はステアリン酸マグネシウムが好ましい。流動助剤は、下記に限定するものではないが、コロイダルシリカ、リン酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム及びタルクのうちの一種又は複数種を含む。
【0039】
特定の実例において、単位製剤における潤滑剤の使用量は、下記に限定するものではないが、0.25~0.5mg、0.25~0.6mg、0.25~0.7mg、0.25~0.8mg、0.25~0.9mg、0.25~1.0mg、0.25~1.1mg、0.25~1.2mg、0.25~1.3mg、0.25~1.4mg、0.25~1.5mg、1.0~2.0mg、1.0~2.5mg、1.0~3.0mg、1.0~3.5mg、1.0~4.0mg、1.0~4.5mg、1.0~5.0mgを含む。
【0040】
特定の実例において、単位製剤における流動助剤の使用量は、下記に限定するものではないが、1~5mg、2~6mg、3~7mg、4~8mgを含む。
【0041】
特定の実例において、製剤に占める潤滑剤の使用量の重量百分率は、下記に限定するものではないが、0.05%~0.1%、0.05%~0.5%、0.05%~1%、0.05%~2%、0.05%~3%、1%~2%、1%~3%、2%~3%、2%~4%、2%~5%を含む。特定の実例において、製剤に占める流動助剤の使用量の重量百分率は、下記に限定するものではないが、1%~2%、1%~3%、1%~4%、1%~5%を含む。
【0042】
好適な潤滑剤の使用量は、薬物製剤に比較的良好な外観形状を具備させ、適切な硬度を具備させ、適切な崩壊タイミングを具備させることができるので、潤滑剤の使用量は一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物の薬物製剤に対して非常に重要である。本願において、単位剤量に対する重量百分率が2%以上の潤滑剤によっては、一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物に良好な硬度、崩壊及び錠剤外観を具備させることができる。
【0043】
特定の実例において、薬物製剤は崩壊剤を含有してもよく、下記に限定するものではないが、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン及びカルボキシメチルセルロースカルシウムのうちの一種又は複数種を含む。特定の実例において、崩壊剤はクロスポビドンである。
【0044】
特定の実例において、製剤に占める崩壊剤の使用量の重量百分率は、下記に限定するものではないが、1%~2%、1%~3%、1%~4%、1%~5%、1%~6%を含む。
【0045】
特定の実例において、薬物製剤は、一種又は複数種の中性界面活性剤又は湿潤剤を含有してもよい。中性界面活性剤は、下記に限定するものではないが、モノオレイン酸グリセリル、ポリソルベート、ポリビニルアルコール、ソルベートのうちの一種又は複数種を含む。湿潤剤は、下記に限定するものではないが、ポロキサマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油誘導体及びポリオキシエチレンステアレートのうちの一種又は複数種を含む。
【0046】
特定の実例において、製剤の安定性を強化するように薬物製剤は酸化防止剤をさらに含有してもよく、下記に限定するものではないが、ビタミンE、α-トコフェロール、ビタミンC及びその関連するナトリウム塩又はカルシウム塩、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ラウリル、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)のうちの一種又は複数種を含む。特定の実例において、酸化防止剤は、BHT又はBHAのうちの一種又は複数種から選ばれる。
【0047】
特定の実例において、製剤に占める酸化防止剤の使用量の重量百分率は、下記に限定するものではないが、0%~2%、0%~1%、0.1%~1%、0.2%~0.8%、0.4%~0.8%を含む。
【0048】
特定の実例において、薬物製剤における前記補助剤は、潤滑剤、流動助剤、崩壊剤、界面活性剤、湿潤剤、酸化防止剤のうちの一種又は複数種をさらに含有してもよい。
【0049】
特定の実例において、薬物製剤における前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、硬化ヒマシ油のうちの一種又は複数種から選ばれ、流動助剤は、コロイダルシリカ、リン酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム及びタルクのうちの一種又は複数種から選ばれ、崩壊剤は、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン及びカルボキシメチルセルロースカルシウムのうちの一種又は複数種から選ばれ、界面活性剤は、モノオレイン酸グリセリル、ポリソルベート、ポリビニルアルコール、ソルベートのうちの一種又は複数種から選ばれ、湿潤剤は、ポロキサマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油誘導体及びポリオキシエチレンステアレートのうちの一種又は複数種から選ばれ、酸化防止剤は、ビタミンE、α-トコフェロール、ビタミンC及びその関連するナトリウム塩又はカルシウム塩、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ラウリル、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)のうちの一種又は複数種から選ばれる。
【0050】
特定の実例において、薬物製剤における前記潤滑剤の含有量は、0.05wt%~0.1wt%、0.05wt%~0.5wt%、0.05wt%~1wt%、0.05wt%~2wt%、0.05wt%~3wt%、1wt%~2wt%、1wt%~3wt%、2wt%~3%、2wt%~4wt%から選ばれ、流動助剤の含有量は、1wt%~2wt%、1wt%~3wt%、1wt%~4wt%、1wt%~5wt%から選ばれ、崩壊剤の含有量は、1wt%~5wt%、1wt%~3wt%から選ばれ、酸化防止剤の含有量は、0wt%~2%、0wt%~1%、0.1wt%~1wt%、0.2wt%~0.8wt%、0.4wt%~0.8wt%から選ばれる。
【0051】
一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物は、剤型が錠剤であることが好ましく、下記に限定するものではないが、湿式造粒又は乾式造粒による打錠及び直接打錠を含み;特定の実例において、コーティングされていない錠剤であり;別の実例において、ヒドロキシプロピルメチルセルロース含有カラコンクイックリリースコーティング粉コーティン錠であり;特定の実例においても、オイドラギットEPOコーティング粉コーティン錠である。
【0052】
特定の実例において、製剤は、さらに矯味剤又は甘味料を添加する又は添加しないことを選択してもよい。
【0053】
特定の実例において、薬物製剤は、1%~38%(W/W)の一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物、0.4%~0.8%(W/W)のBHT、50%~96%(W/W)の微結晶セルロースとマンニトールとの混合物又は50%~96%(W/W)の微結晶セルロースと予備ゲル化澱粉との混合物、2%のクロスポビドン、2%のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0054】
特定の実例において、薬物製剤は、1wt%~38wt%の一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物、0wt%~0.8wt%の酸化防止剤、50wt%~96wt%の希釈剤、1wt%~3wt%の崩壊剤、1wt%~3wt%の潤滑剤を含む。
【0055】
特定の実例において、薬物製剤は、1wt%~38wt%の一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物、0wt%~0.8wt%のBHT、50wt%~96wt%の微結晶セルロースとマンニトールとの混合物又は50wt%~96wt%の微結晶セルロースと予備ゲル化澱粉との混合物、1wt%~3wt%のクロスポビドン、1wt%~3wt%のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0056】
特定の実例において、薬物製剤に含まれる一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物の含有量は、0.1wt%~50wt%、0.1wt%~1wt%、0.1wt%~2wt%、0.1wt%~5wt%、1wt%~10wt%、5wt%~10wt%、10wt%~25wt%、20wt%~35wt%、0.1wt%~0.2wt%、0.6wt%~0.8wt%、7.0wt%~9.0wt%、6.0wt%~8.0wt%、20.5wt%~22.5wt%、24.0wt%~26.0wt%、30.0wt%~32.0wt%、36.5wt%~38.5wt%から選ばれる。
【0057】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物0.5mg、酸化防止剤0.38mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物47.12mg、崩壊剤1.0mg、潤滑剤1.0mgを含む。
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物0.5mg、BHT0.38mg、微結晶セルロース30.4mg、マンニトール16.72mg、クロスポビドン1.0mg、ステアリン酸マグネシウム1.0mgを含む。
【0058】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物5mg、酸化防止剤0.38mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物52.22mg、崩壊剤1.2mg、潤滑剤1.2mgを含む。
【0059】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物5mg、BHT0.38mg、微結晶セルロース36.46mg、マンニトール15.76mg、クロスポビドン1.2mg、ステアリン酸マグネシウム1.2mgを含む。
【0060】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物25mg、酸化防止剤0.38mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物51.42mg、崩壊剤1.6mg、潤滑剤1.6mgを含む。
【0061】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物25mg、BHT0.38mg、微結晶セルロース36.42mg、マンニトール15mg、クロスポビドン1.6mg、ステアリン酸マグネシウム1.6mgを含む。
【0062】
ここに記載の製剤処方は、湿式造粒又は乾式造粒或いは直接打錠によって錠剤を作製することができる。特定の実例において、製剤処方は、湿式造粒機によってパーティクルを作製した後、打錠する。別の特定の実例において、流動層でパーティクルを作製した後、打錠する。
【0063】
ほかの特定の実例において、その記載の製剤処方は、直接打錠する又は乾式造粒して打錠することによって作製する。乾式造粒打錠は、乾式造粒機を用いてパーティクルを作製する。
【0064】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物0.5mg、酸化防止剤0.38mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物67.02mg、崩壊剤1.4mg、潤滑剤0.7mgを含む。
【0065】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物0.5mg、BHT0.38mg、微結晶セルロース40mg、予備ゲル化澱粉27.02mg、クロスポビドン1.4mg、ステアリン酸マグネシウム0.7mgを含む。
【0066】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物5mg、酸化防止剤0.38mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物62.52mg、崩壊剤1.4mg、潤滑剤0.7mgを含む。
【0067】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物5mg、BHT0.38mg、微結晶セルロース40mg、予備ゲル化澱粉22.52mg、クロスポビドン1.4mg、ステアリン酸マグネシウム0.7mgを含む。
【0068】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物25mg、酸化防止剤0.38mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物71.62mg、崩壊剤2mg、潤滑剤1mgを含む。
【0069】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物25mg、BHT0.38mg、微結晶セルロース45mg、予備ゲル化澱粉26.62mg、クロスポビドン2mg、ステアリン酸マグネシウム1mgを含む。
【0070】
ここに記載の製剤処方は、湿式造粒又は乾式造粒或いは直接打錠によって錠剤を作製することができる。特定の実例において、製剤処方は、湿式造粒機によってパーティクルを作製した後、打錠する。別の特定の実例において、流動層でパーティクルを作製した後、打錠する。
【0071】
ほかの特定の実例において、その記載の製剤処方は、直接打錠する又は乾式造粒して打錠することによって作製する。乾式造粒打錠は、乾式造粒機を用いてパーティクルを作製する。
【0072】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物0.5mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物47.5mg、崩壊剤1.0mg、潤滑剤1.0mgを含む。
【0073】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物0.5mg、微結晶セルロース30.4mg、マンニトール17.1mg、クロスポビドン1.0mg、ステアリン酸マグネシウム1.0mgを含む。
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物5mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物52.6mg、崩壊剤1.2mg、潤滑剤1.2mgを含む。
【0074】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物5mg、微結晶セルロース36.46mg、マンニトール16.14mg、クロスポビドン1.2mg、ステアリン酸マグネシウム1.2mgを含む。
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物25mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物51.8mg、崩壊剤1.6mg、潤滑剤1.6mgを含む。
【0075】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物25mg、微結晶セルロース36.8mg、マンニトール15mg、クロスポビドン1.6mg、ステアリン酸マグネシウム1.6mgを含む。
【0076】
ここに記載の製剤処方は、湿式造粒又は乾式造粒或いは直接打錠によって錠剤を作製することができる。特定の実例において、製剤処方は、湿式造粒機によってパーティクルを作製した後、打錠する。別の特定の実例において、流動層でパーティクルを作製した後、打錠する。
【0077】
ほかの特定の実例において、その記載の製剤処方は、直接打錠する又は乾式造粒して打錠することによって作製する。乾式造粒打錠は、乾式造粒機を用いてパーティクルを作製する。
【0078】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物0.5mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物67.4mg、崩壊剤1.4mg、潤滑剤0.7mgを含む。
【0079】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物0.5mg、微結晶セルロース40mg、予備ゲル化澱粉27.4mg、クロスポビドン1.4mg、ステアリン酸マグネシウム0.7mgを含む。
【0080】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物5mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物62.9mg、崩壊剤1.4mg、潤滑剤0.7mgを含む。
【0081】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物5mg、BHT0.38mg、微結晶セルロース40mg、予備ゲル化澱粉22.9mg、クロスポビドン1.4mg、ステアリン酸マグネシウム0.7mgを含む。
【0082】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物25mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物72mg、崩壊剤2mg、潤滑剤1mgを含む。
【0083】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物25mg、微結晶セルロース45mg、予備ゲル化澱粉27mg、クロスポビドン2mg、ステアリン酸マグネシウム1mgを含む。
【0084】
ここに記載の製剤処方は、湿式造粒又は乾式造粒或いは直接打錠によって錠剤を作製することができる。特定の実例において、製剤処方は、湿式造粒機によってパーティクルを作製した後、打錠する。別の特定の実例において、流動層でパーティクルを作製した後、打錠する。
【0085】
ほかの特定の実例において、その記載の製剤処方は、直接打錠する又は乾式造粒して打錠することによって作製する。乾式造粒打錠は、乾式造粒機を用いてパーティクルを作製する。
【0086】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物0.5mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物56.72mg、崩壊剤1.2mg、潤滑剤1.2mgを含む。
【0087】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物0.5mg、BHT0.38mg、微結晶セルロース18.91mg、マンニトール37.81mg、クロスポビドン1.2mg、ステアリン酸マグネシウム1.2mgを含む。
【0088】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物5mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物52.2mg、崩壊剤1.2mg、潤滑剤1.2mgを含む。
【0089】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物5mg、BHT0.38mg、微結晶セルロース17.4mg、マンニトール34.8mg、クロスポビドン1.2mg、ステアリン酸マグネシウム1.2mgを含む。
【0090】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物25mg、非還元糖希釈剤又は非還元糖希釈剤混合物166.8mg、崩壊剤4mg、潤滑剤4mgを含む。
【0091】
特定の実例において、式(I)で表される化合物の製剤は、式(I)で表される化合物25mg、BHT0.223mg、微結晶セルロース55.6mg、マンニトール111.2mg、クロスポビドン4mg、ステアリン酸マグネシウム4mgを含む。
【0092】
ここに記載の製剤処方は、湿式造粒又は乾式造粒或いは直接打錠によって錠剤を作製することができる。特定の実例において、製剤処方は、湿式造粒機によってパーティクルを作製した後、打錠する。別の特定の実例において、流動層でパーティクルを作製した後、打錠する。
【0093】
ほかの特定の実例において、その記載の製剤処方は、直接打錠する又は乾式造粒して打錠することによって作製する。乾式造粒打錠は、乾式造粒機を用いてパーティクルを作製する。
【0094】
本発明は、薬物製剤の糖尿病用薬物の調製における使用をさらに提供し、その中で、前記薬物製剤は、仕様0.10mg~50mgの一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物を含み;その中で前記薬物製剤は仕様0.1~1mg、1~5mg、5~10mg、10~15mg、15~20mg、20~25mg、25~30mg、30~35mg、35~40mg、40~45mg又は45~50mgの一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物を含むことが好ましく、その中で前記薬物製剤は仕様0.5mg、5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg又は30mgの一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物を含むことがより好ましい。
【0095】
本発明は、前記薬物製剤を含むものを被験者に投与することによって行うことを特徴とする、薬物製剤の糖尿病用薬物の調製における使用をさらに提供する。
【0096】
本発明は、経口的に投与することを特徴とする、薬物製剤の糖尿病用薬物の調製における使用をさらに提供する。
【0097】
本発明は、前記投与が経口的に1日1回、週1回、2週間に1回、または月1回に行うことを特徴とする、薬物製剤の糖尿病用薬物の調製における使用をさらに提供する。
【0098】
本発明は、前記薬物製剤を含むものを被験者に投与し、一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物の投与量が1~500mg/回から選ばれることを特徴とする、薬物製剤の糖尿病用薬物の調製における使用をさらに提供する。
【0099】
本発明は、前記薬物製剤を含むものを被験者に投与し、一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物の投与量が1~400mg/回、1~350mg/回、1~300mg/回から選ばれることを特徴とする、薬物製剤の糖尿病用薬物の調製における使用をさらに提供する。
【0100】
本発明は、前記薬物製剤を含むものを被験者に投与し、一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物の投与量が1~5mg/回、5~10mg/回、10~20mg/回、20~25mg/回、25~50mg/回、50~75mg/回、75~100mg/回、100~125mg/回、125~150mg/回、150~175mg/回、175~200mg/回、200~225mg/回、225~250mg/回、250~275mg/回、275~300mg/回から選ばれることを特徴とする、薬物製剤の糖尿病用薬物の調製における使用をさらに提供する。
【0101】
本発明は、前記薬物製剤を含むものを被験者に投与し、一般式(A)で表される化合物、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物又は式(III)で表される化合物の投与量が5mg/回、10mg/回、20mg/回、25mg/回、50mg/回、75mg/回、100mg/回、125mg/回、150mg/回、175mg/回、200mg/回、225mg/回、250mg/回、275mg/回、300mg/回から選ばれることを特徴とする、薬物製剤の糖尿病用薬物の調製における使用をさらに提供する。
【0102】
とくに断わらない限り、明細書及び請求の範囲に用いられる用語は、下記の意味を含む。
【0103】
「薬学的に許容可能な塩」とは、安全で非毒性であり、生物学的にもその他の点でもその要求に満たし、獣医の使用およびヒト用薬物における使用に対して薬学的に許容され、望ましい薬理学的活性を有する塩、を意味する。
【0104】
「プロドラッグ」とは、生体内の代謝によって生物学的活性を有する本発明の化合物に変換することができるものを指す。本発明のプロドラッグは、本発明の化合物におけるフェノール基を修飾することにより調製され、この修飾を一般的な操作または生体内で除去することにより、親化合物を得ることができる。本発明のプロドラッグが哺乳動物単体に投与されると、プロドラッグは切断されて遊離ヒドロキシル基を形成する。
【0105】
「立体異性体」とは、分子において原子の立体配置の相違による異性体を意味し、シスおよびトランス異性体、鏡像異性体及び配座異性体を含む。
【0106】
「任意に」又は「任意的に」又は「選択に」又は「選択的に」とは、その後に記載の状況又は条件が発生可能なことであるが、必ず発生することではないことを意味し、当該状況又は条件が発生すること又は発生しないことの両方も含む。例えば、「選択的にアルキル基で置換されるヘテロ環基」とは、当該アルキル基が存在する可能性あるが、必ず存在することではなく、ヘテロ環基がアルキル基で置換されている場合と、ヘテロ環基がアルキル基で置換されていない場合を含む。
【発明を実施するための形態】
【0107】
以下、実施例を参照しながら、本発明を実施するための形態を詳しく説明するが、しかし、本発明の保護範囲は、下記のものを含むが、ここに限定するものではない。
【0108】
本発明の既知の出発原料は、本分野の既知の方法に基づいて合成することができ、或いは、Shanghai Titan Scientific社、Energy Chemical社、Shanghai Demo Medical Tech社、Chengdu Kelong Chemical社、Accela ChemBio社、Budweiser Technology社などから購入してもよい。
【0109】
一般式(A)で表される化合物又はその具体的な構造式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物、式(III)で表される化合物は、特許文献WO2015/192701及びWO2015/192714に記載の方法によって得られる。
【0110】
ジブチルヒドロキシトルエン、英語名称:dibutyl hydroxy toluene、BHT、別名:ブチル化ヒドロキシトルエン(Butylated Hydoxy Toluene)、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン、BHT。
【0111】
ブチルヒドロキシアニソール、英語名称:Butyl hydroxyanisole、BHA、別名:ブチル化ヒドロキシアニソール、tert-ブチル-4-メトキシフェノール、tert-ブチルヒドロキシアニソール、BHA。
【0112】
実施例1~5
【0113】
【0114】
製造方法:
原料薬物及びジブチルヒドロキシトルエンを秤量して混合し、上記処方において、仕様0.5mgの錠状原料薬物とジブチルヒドロキシトルエンとを直接混合させ、仕様5mg、15mg、25mg、30mg処方については、同量加算の原則を採って混合を行い、原料薬物とジブチルヒドロキシトルエンとを均一に混合させるように行った。
【0115】
微結晶セルロース、マンニトール及びクロスポビドンを秤量して、既に均一に混合された原料薬物とジブチルヒドロキシトルエンとの混合物に入れ、均一に混合させた。
【0116】
上記の混合物にステアリン酸マグネシウムを秤量し、全体の混合を完了させた。
全体混合後の粉末を打錠して、目的物を得た。
【0117】
実施例6~8:
【0118】
【0119】
ここに記載の製剤処方において、実施例6、7は、直接打錠によって錠剤を作製した。実施例8は、湿式造粒機によってパーティクルを作製した後、打錠した。
【0120】
実施例9~11
【0121】
【0122】
ここに記載の製剤処方において、実施例9、10は、直接打錠によって錠剤を作製した。実施例11は、湿式造粒機によってパーティクルを作製した後、打錠した。
【0123】
実施例12~14
【0124】
【0125】
ここに記載の製剤処方において、実施例12、13は、直接打錠によって錠剤を作製した。実施例14は、乾式造粒機によってパーティクルを作製した後、打錠した。
【0126】
実施例15~19
【0127】
【0128】
実施例20~22
【0129】
【0130】
ここに記載の製剤処方において、実施例15~22は、直接打錠によって錠剤を作製した。
【0131】
実施例23
実施例21に従ってサンプルを調製し、フィルムコーティングプレミックス(オパドライ20A18334-CN、白色)を用いてコーティングを行った。カラコン社から購入し、HPMC2910ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及び酸化チタンからなるものであった。
【0132】
実施例24
室温で、還元性糖である乳糖と式(I)で表される化合物とを使用して相溶性試験を行い、即ち、両者を一定の割合で混合した後、式(I)で表される化合物における不純物の変化状況を検出し、その結果を下記の表に纏めた。
【0133】
【0134】
以上のデータによれば、式(I)で表される化合物が乳糖と混合した後に不純物が顕著に増加し、両者の相溶性が悪いことを示す。
【0135】
実施例25
実施例2に従ってサンプルを調製し、サンプルを60℃で安定性放置した後、関連物質を検出したところ、製剤サンプルが安定であることが分かった。不純物の増加状況を以下の表に示す。
【0136】
【0137】
実施例26
実施例15~19に従ってサンプルを調製し、サンプルを60℃で安定性放置した後、関連物質を検出し、不純物の状況を以下の表に示す。
【0138】
【0139】
上記の表における不純物の合計の増加量とは、60℃で30日の不純物の合計の数値から対応するサンプルの0日の不純物の合計の数値を減じて得たものである。30日の不純物の合計の増加量は、対応する処方における希釈剤混合粉の材料比率に関連性があり、微結晶セルロース及びマンニトールを希釈剤混合粉とする場合に、混合粉に占める微結晶セルロースの重量百分率が25%~50%であることが好ましい。
【0140】
実施例27
実施例21に従ってサンプルを調製し、サンプルを安定性放置した後、関連物質を検出し、製剤サンプルが安定であることが分かった。不純物の状況を以下の表に示す。
【0141】
【0142】
実施例28
実施例22に従ってサンプルを調製し、サンプルを安定性放置した後、関連物質を検出し、製剤サンプルが安定であることが分かった。不純物の状況を以下の表に示す。
【0143】
【0144】
実施例29
実施例23に従ってサンプルを調製し、サンプルを安定性放置した後、関連物質を検出し、製剤サンプルが安定であることが分かった。不純物の状況を以下の表に示す。
【0145】
【0146】
実施例30
特許文献WO2015031228A1に公開する処方に従ってサンプルの調製を行った。
【0147】
【0148】
ここに記載の製剤処方において、直接打錠によって錠剤を作製した。
【0149】
実施例30に従ってサンプルを調製し、サンプルを60℃で安定性放置した後、関連物質を検出し、不純物の状況を以下の表に示す。
【0150】
【0151】
以上の結果から明らかなように、実施例30による調製サンプルは、0日の場合に対する60℃で10日の不純物の増加量が本願のほかの実施例におけるサンプルより大きいであった。
【0152】
実施例31~33
【0153】
【0154】
ここに記載の製剤処方において、実施例31、32は、直接打錠によって錠剤を作製した。実施例33は、湿式造粒機によってパーティクルを作製した後、打錠した。
【0155】
実施例34~36
【0156】
【0157】
ここに記載の製剤処方において、直接打錠によって錠剤を作製した。
【0158】
実施例37~39
【0159】
【0160】
ここに記載の製剤処方において、直接打錠によって錠剤を作製した。
【0161】
実施例40
投与量が10mg/kgとなるように式(I)で表される化合物を含むものをサルに経口的に投与して、DPPIV阻害率80%以上の時間が274時間であった。