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特許7150909エレベータに用いるサイネージシステム、サービス利用管理システム、エレベータの情報配信方法、およびエレベータの情報配信プログラム
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  • 特許-エレベータに用いるサイネージシステム、サービス利用管理システム、エレベータの情報配信方法、およびエレベータの情報配信プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】エレベータに用いるサイネージシステム、サービス利用管理システム、エレベータの情報配信方法、およびエレベータの情報配信プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/50 20220101AFI20221003BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20221003BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20221003BHJP
   G09F 21/04 20060101ALI20221003BHJP
   H04L 67/306 20220101ALI20221003BHJP
【FI】
H04L67/50
G06Q30/02 380
B66B3/00 G
G09F21/04 Z
H04L67/306
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021025096
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022127135
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2021-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】長坂 勇輔
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 克也
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-027872(JP,A)
【文献】特開2020-203776(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0262449(US,A1)
【文献】特開2003-044768(JP,A)
【文献】特開2018-063526(JP,A)
【文献】特開2020-042508(JP,A)
【文献】特開2018-005691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/50
H04L 67/306
G06Q 30/02
B66B 3/00
G09F 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ配信装置と、前記コンテンツ配信装置エレベータの利用者が携帯する携帯端末、および前記エレベータに設置されたカメラ装置に通信接続可能に構成されたエレベータ内の表示装置とを備え、
前記コンテンツ配信装置は、
所定の表示情報と、前記表示情報に関連した、前記携帯端末に配信するための端末提供情報とを紐づけたコンテンツ情報を、前記表示装置に配信するコンテンツ配信部を有し、
前記表示装置は、
前記カメラ装置で撮影された撮像情報に基づいて、前記利用者の属性情報およびエレベータ利用に関する情報の少なくともいずれかを取得する利用者情報取得部と、
前記コンテンツ配信装置からコンテンツ情報を取得すると、当該コンテンツ情報内の表示情報を表示する表示部と、
前記コンテンツ配信装置からコンテンツ情報を取得すると、前記携帯端末との通信が確立されているか否かを判定し、確立されていれば、当該コンテンツ情報内の端末提供情報に前記利用者情報取得部で取得した情報を付加して前記携帯端末に配信する端末配信制御部とを有する
ことを特徴とするエレベータに用いるサイネージシステム。
【請求項2】
前記端末配信制御部は、前記携帯端末に前記端末提供情報を配信する際に、以降に当該端末提供情報の配信を受信するか否かを問い合わせるための問い合わせ情報を添付し、前記問い合わせ情報による問い合わせに応答して前記携帯端末から当該端末提供情報の配信を拒否する情報を取得すると、以降に前記利用者が前記エレベータを利用した際に、前記端末提供情報を前記携帯端末に配信しない
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータに用いるサイネージシステム。
【請求項3】
前記端末配信制御部は、予め設定された、前記端末提供情報を配信しない配信停止時間帯の情報を保持し、現在時刻が前記配信停止時間帯に該当するときには、前記端末提供情報を前記携帯端末に配信しない
ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータに用いるサイネージシステム。
【請求項4】
前記コンテンツ配信装置のコンテンツ配信部が配信するコンテンツ情報の表示情報には、前記エレベータの利用者の属性ごとの複数種類の端末提供情報が紐づけられており、
前記表示装置の端末配信制御部は、前記携帯端末との通信が確立されていると判定したときに、当該通信により前記携帯端末から当該利用者の属性情報を取得し、取得した属性情報に基づいて該当する端末提供情報を特定して前記携帯端末に配信する
ことを特徴とする請求項1~3いずれか1項に記載のエレベータに用いるサイネージシステム。
【請求項5】
前記請求項1~4のいずれかのサイネージシステムと、前記コンテンツ情報の提供者が管理する提供者管理装置とに通信接続され、
前記コンテンツ情報は、前記提供者が提供するサービスに関する情報であり、
前記端末提供情報に基づいて発生したサービス利用状況情報を取得するサービス利用情報管理部と、
前記サービス利用情報管理部で取得したサービス利用状況情報を、前記提供者管理装置に送信するサービス利用情報送信部と
を備えることを特徴とするサービス利用管理システム。
【請求項6】
コンテンツ配信装置と、エレベータの利用者が携帯する携帯端末および前記エレベータに設置されたカメラ装置との通信接続が可能なエレベータ内の表示装置と、が接続されて構成されたサイネージシステムの前記コンテンツ配信装置が、所定の表示情報と、前記表示情報に関連した前記携帯端末に配信するための端末提供情報とを紐づけたコンテンツ情報を前記表示装置に配信し、
前記表示装置が、前記カメラ装置で撮影された撮像情報に基づいて、前記利用者の属性情報およびエレベータ利用に関する情報の少なくともいずれかを取得し、前記コンテンツ情報を取得すると、当該コンテンツ情報内の表示情報を表示するとともに、前記携帯端末との通信が確立されているか否かを判定し、確立されていれば、取得したコンテンツ情報内の端末提供情報に、前記撮像情報に基づいて取得した情報を付加して前記携帯端末に配信する
ことを特徴とするエレベータの情報配信方法。
【請求項7】
エレベータの利用者が携帯する携帯端末と
前記エレベータに設置されたカメラ装置と、
所定の表示情報、および前記表示情報に関連した、前記携帯端末に配信するための端末提供情報を含むコンテンツ情報を配信するコンテンツ配信装置との通信接続が可能なエレベータ内の表示装置に、
前記カメラ装置で撮影された撮像情報に基づいて、前記利用者の属性情報およびエレベータ利用に関する情報の少なくともいずれかを取得する機能と、
前記コンテンツ配信装置から配信されたコンテンツ情報を取得すると、当該コンテンツ情報内の表示情報を表示するとともに、前記携帯端末との通信が確立されているか否かを判定し、確立されていれば、取得したコンテンツ情報内の端末提供情報に、前記撮像情報に基づいて取得した情報を付加して前記携帯端末に配信する機能を実行させる、エレベータの情報配信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータに用いるサイネージシステム、サービス利用管理システム、エレベータの情報配信方法、およびエレベータの情報配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物内のエレベータの乗りかごに表示装置を設置し、当該建物近隣の店舗等のサービスに関する広告コンテンツを、当該サービスを利用する際に所定の特典を受けるための情報(特典情報)と共に表示させる仕組みがある。エレベータの利用者は、乗りかごに乗り込んだときに、当該表示装置に表示された広告コンテンツおよび特典情報を視認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6744499号公報
【文献】特許第6765223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、広告コンテンツは、所定のサービスに関する情報を利用者に視認させることで当該サービスの利用意欲を向上させ、その広告の訴求効果を得ることを目的として表示させる。一方で特典情報は、利用者が当該サービスを利用する際に特典を受けることができるように利用者に所持(記録)させることで、さらに当該広告の訴求効果を高めることを目的としている。
【0005】
上述したように広告コンテンツと特定情報とを乗りかご内の表示装置に同時に表示した場合、当該サービスに興味を持った利用者は、広告コンテンツを視認しつつ、特典情報を何からの手段、例えば携帯端末で撮影したり手書きでメモを取ったりすることで記録する必要がある。
【0006】
しかし、乗りかごに乗車している時間は限られているため、利用者が広告コンテンツを視認しつつ特典情報の記録を行うことが困難になり、当該広告の訴求効果が低くなってしまう場合があるという問題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、エレベータの利用者に視認させるための表示情報と、当該利用者の携帯端末に配信するための端末提供情報とを、簡易な処理で効率良く提供することが可能なエレベータに用いるサイネージシステム、サービス利用管理システム、エレベータの情報配信方法、およびエレベータの情報配信プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための実施形態によればエレベータに用いるサイネージシステムは、コンテンツ配信装置とエレベータ内の表示装置とを備える。コンテンツ配信装置は、所定の表示情報と、前記表示情報に関連した、エレベータ利用者の携帯端末に配信するための端末提供情報とを紐づけたコンテンツ情報を表示装置に配信する。表示装置は、エレベータに設置されたカメラ装置で撮影された撮像情報に基づいて、前記利用者の属性情報およびエレベータ利用に関する情報の少なくともいずれかを取得する。また表示装置は、コンテンツ情報を取得すると、当該コンテンツ情報内の表示情報を表示するとともに、前記携帯端末との通信が確立されているか否かを判定し、確立されていれば、取得したコンテンツ情報内の端末提供情報に、前記撮像情報に基づいて取得した情報を付加して前記携帯端末に配信する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態によるサイネージシステムおよびサービス利用管理システムの構成を示すブロック図である。
図2】一実施形態によるサイネージシステムおよびサービス利用管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〈一実施形態によるサイネージシステムおよびサービス利用管理システムの構成〉
本発明の一実施形態によるサイネージシステムおよびサービス利用管理システムの構成について、図1を参照して説明する。本実施形態によるサイネージシステム1は、コンテンツ配信装置10と、コンテンツ配信装置10に通信ネットワーク20を介して接続されたエレベータEのかご内表示装置30と、エレベータEの利用者が携帯する携帯端末40とを備える。
【0011】
コンテンツ配信装置10は、広告コンテンツ作成部11と、広告コンテンツ配信制御部12と、広告コンテンツ配信部13とを有する。
【0012】
広告コンテンツ作成部11は、サービス提供者が提供する複数のサービスそれぞれに関する広告の表示情報と、各表示情報に関連した端末提供情報とをそれぞれ紐づけた複数の広告コンテンツ情報を作成する。
【0013】
広告コンテンツ配信制御部12は、広告コンテンツ作成部11で作成した複数の広告コンテンツ情報の中から、エレベータEへの配信対象とする広告コンテンツ情報を決定する。広告コンテンツ配信部13は、広告コンテンツ配信制御部12で配信対象として決定した広告コンテンツ情報を、エレベータEのかご内表示装置30に配信する。
【0014】
エレベータEのかご内表示装置30は、広告コンテンツ受信部31と、広告コンテンツ表示制御部32と、かご内表示部33と、端末配信制御部34と、無線通信部35とを有する。
【0015】
広告コンテンツ受信部31は、コンテンツ配信装置10から配信された広告コンテンツ情報を受信する。広告コンテンツ表示制御部32は、広告コンテンツ受信部31で広告コンテンツ情報が受信されると、当該広告コンテンツ情報内の表示情報を表示させることを決定して、かご内表示部33に表示させる。かご内表示部33は、例えばLEDモニタで構成される。
【0016】
端末配信制御部34は、広告コンテンツ表示制御部32で広告コンテンツ情報内の表示情報の表示が決定されると、無線通信部35と、エレベータEの乗りかご内にいる利用者の携帯端末40との無線通信が確立されているか否かを判定する。判定の結果、無線通信部35と携帯端末40との無線通信が確立されていれば、端末配信制御部34は、当該広告コンテンツ情報内の端末提供情報を、無線通信部35を介して携帯端末40に配信する。
【0017】
携帯端末40は、配信情報処理部41と、入出力部42とを有する。配信情報処理部41は、かご内表示装置30から端末提供情報を取得すると、入出力部42に送出する。入出力部42は、例えばタッチパネルで構成され、利用者の操作情報を入力する入力機能と、配信情報処理部41から送出された端末提供情報等を表示する表示機能とを有する。
【0018】
上述したサイネージシステム1は、処理対象とする広告コンテンツ情報に関するサービスの提供者(当該広告コンテンツ情報の広告主)が管理する提供者管理装置50に通信接続されている。また、提供者管理装置50は、当該サービスの利用状況を管理するサービス利用管理システム60に通信接続されている。サービス利用管理システム60は、当該サービスを提供する店舗のPOSシステム等に通信接続され、携帯端末40に表示された端末提供情報に基づいて発生したサービスの利用状況情報を取得するサービス利用情報管理部61と、サービス利用情報管理部61で取得したサービス利用状況情報を提供者管理装置50に送信するサービス利用情報送信部62とを有する。
【0019】
〈一実施形態によるサイネージシステムおよびサービス利用管理システムの動作〉
次に、本実施形態によるサイネージシステム1およびサービス利用管理システム60の動作について、図2のシーケンス図を参照して説明する。
【0020】
まず、エレベータEが設置されている建物近隣の店舗で複数のサービスSV1、SV2、SV3を提供するサービス提供者Xが、これらのサービスSV1、SV2、SV3の広告コンテンツ情報の作成を指示する操作を提供者管理装置50で行うと、当該指示の情報がコンテンツ配信装置10に送信される。
【0021】
コンテンツ配信装置10が広告コンテンツ情報の作成指示を取得すると(S1の「YES」)、広告コンテンツ作成部11が当該指示に基づいて、サービス提供者Xが提供するサービスSV1、SV2、SV3それぞれに関する広告コンテンツ情報C1、C2、C3を作成する(S2)。広告コンテンツ情報C1、は、サービスSV1に関する広告の表示情報D1と、この表示情報D1に関連して紐づけられた、携帯端末40に配信するための端末提供情報F1とを含む。同様に、広告コンテンツ情報C2は、サービスSV2に関する広告の表示情報D2と、この表示情報D2に紐づけられた端末提供情報F2とを含む。また、広告コンテンツ情報C3は、サービスSV3に関する広告の表示情報D3と、この表示情報D3に紐づけられた端末提供情報F3とを含む。
【0022】
本実施形態において、表示情報D1、D2、D3は動画情報であり、端末提供情報F1、F2、F3は、それぞれ該当するサービスSV1、SV2、SV3を利用する際に該当する利用者が所定の特典(例えば、割引きや優先購入等)を受けるための特典情報である。以下、端末提供情報F1、F2、F3を、特典情報F1、F2、F3と記載する。
【0023】
次に、広告コンテンツ配信制御部12が、広告コンテンツ作成部11で作成した広告コンテンツ情報C1、C2、C3の中から、エレベータEへの配信対象とする広告コンテンツ情報を決定する。ここでは、広告コンテンツ情報C1を、エレベータEへの配信対象として決定したものとする。
【0024】
次に広告コンテンツ配信部13が、広告コンテンツ配信制御部12で配信対象として決定された広告コンテンツ情報C1を、通信ネットワーク20介してエレベータEのかご内表示装置30に配信する(S3)。
【0025】
かご内表示装置30は、コンテンツ配信装置10から配信された広告コンテンツ情報C1を広告コンテンツ受信部31が受信し、広告コンテンツ表示制御部32に送出する。広告コンテンツ表示制御部32は、広告コンテンツ受信部31で受信した広告コンテンツ情報C1内の表示情報D1を表示させることを決定し、かご内表示部33に該当する動画を再生させる(S4)。
【0026】
一方、携帯端末40を携帯する利用者Yは、エレベータEの乗りかごに乗り込んだときに、かご内表示装置30に表示される広告のサービスに関する特典情報を受け取るために、かご内表示装置30との無線通信を確立させるように携帯端末40を設定しておく。無線通信の確立手段としては、Bluetooth(登録商標)によるペアリングまたはWi-Fi(登録商標)等を用いることができる。
【0027】
広告コンテンツ表示制御部32が表示情報D1を表示させることを決定すると、端末配信制御部34は、無線通信部35と無線通信が確立されている携帯端末があるか否かを判定する(S5)。
【0028】
ここで、乗りかご内の利用者Yの携帯端末40との無線通信が確立されていると判定すると(S5の「YES」)、端末配信制御部34は、表示情報D1の動画再生終了後に、当該広告コンテンツ情報C1内の特典情報F1を、無線通信部35を介して携帯端末40に配信する(S6)。携帯端末40は、かご内表示装置30から配信された特典情報F1を配信情報処理部41が受信し、入出力部42に表示させる(S7)。
【0029】
利用者YはエレベータEから降車した後、当該サービスSV1を提供する店舗で携帯端末40の入出力部42に表示された特典情報F1を提示することで、サービスSV1の利用時に所定の特典を受けることができる。
【0030】
当該店舗で利用者Yが特典情報F1を提示してサービスSV1を利用した利用状況情報は店舗のPOSシステムで取得され、サービス利用管理システム60に送信される。サービス利用管理システム60では、POSシステムから送信された利用状況情報がサービス利用情報管理部61で取得され、サービス利用情報送信部62により提供者管理装置50に送信される。
【0031】
ここで、POSシステムが利用者Yの利用状況情報を取得する際に当該利用者Yの属性情報も併せて取得し、利用状況情報とともにサービス利用管理システム60を介して提供者管理装置50に送信してもよい。この属性情報は予め携帯端末40に保持されている情報であり、例えば、性別、年齢(成人[20代、30代・・・70代]、子供[10代以上、未就学児]等)、国籍、会社員/学生などの職業、特記事項(車椅子利用者、ベビーカー利用者、白杖利用者)等である。POSシステムは、これらの属性情報を利用者Yの携帯端末40から取得してサービス利用管理システム60に提供する。
【0032】
また、利用者YがエレベータEを利用したときに、当該エレベータEの乗りかご内に設置されたカメラ装置(図示せず)で撮影された撮像情報に基づいてかご内表示装置30が利用者Yの属性情報を取得し、特典情報F1に付加して携帯端末40に送信しておいてもよい。このとき、撮像情報に基づいて利用者YのエレベータE利用に関する情報(当該利用者Yが乗車していたときのエレベータEの進行方向、当該利用者Yの乗車階および降車階、利用者Yがかご内表示装置30を見始めた時刻、つまり利用者Yの視線がかご内表示装置30の方向を向いたときの時刻、およびかご内表示装置30を見終えた時刻、つまり利用者Yの視線がかご内表示装置30から方向からはずれた時刻、視線がかご内表示装置30からはずれた後の視線方向(例えば、かご内操作盤の階床ボタン等)、視線がかご内表示装置30からはずれた後の行動内容(携帯端末40の表示を見ていた等)の情報等)をかご内表示装置30が取得し、特典情報F1に付加して携帯端末40に送信してもよい。これにより、利用者YがサービスSV1を利用した際に、携帯端末40に保持されたこれらの情報がPOSシステムで読み取られ、利用者Yに関するさらに詳細な属性情報やエレベータ利用に関する情報を提供者管理装置50に提供することができる。
【0033】
これらの処理により、携帯端末40に表示された特典情報F1を利用してサービスSV1を利用した人の利用状況の詳細情報を、サービス提供者X(広告主)に還元することができる。提供者管理装置50でサービスSV1の利用状況情報(購買情報等)が取得されると、サービス提供者X等が当該情報を認識して、広告の訴求効果を定量的に把握することができる。具体的には、広告をかご内表示装置30に配信し、エレベータEの利用者Yがその広告を視聴し、当該利用者Yの携帯端末40に配信された特典情報を用いて利用者Yがサービスを利用した、という一連の利用状態を把握して以降のビジネス展開に利用することができる。これにより、配信した広告に対する訴求効果が高かったことが認識できれば、サービス提供者Xは当該広告を継続して配信することでさらに売り上げ向上を図ることができ、エレベータ会社は継続して広告料を受けることができる。
【0034】
ステップS5において、かご内表示装置30の端末配信制御部34が、無線通信が確立されている携帯端末がないと判定したとき(S5の「NO」)には、特典情報F1の配信は行わない。
【0035】
以上の実施形態によれば、エレベータの利用者に視認させるための広告の表示情報をエレベータの表示装置に表示させるとともに、この表示情報に関連した特典情報等の端末提供情報を当該利用者の携帯端末に自動で配信することで、これらの情報を効率良く利用者に提供することができる。利用者は、興味を持ったサービスの特典情報を記録する動作を行うことなく、自身の携帯端末に自動で記録することができるため、かご内表示装置30に表示された広告コンテンツ情報の視認に専念することができ、当該特典情報とともに当該サービスが利用される確率が高くなり、広告の訴求効果を高めることができる。
【0036】
上述した実施形態において、かご内表示装置30の端末配信制御部34は、携帯端末40に特典情報F1を配信する際に、以降に当該特典情報F1の配信を受信するか否かを問い合わせるための問い合わせ情報を添付してもよい。この問い合わせ情報を添付した場合、当該問い合わせ情報が携帯端末40の入出力部42に表示される。
【0037】
表示された問い合わせ情報を視認した利用者Yが、当該問い合わせに応答して携帯端末40の入出力部42から当該特典情報F1の配信を受信の可否を示した受信可否情報を入力すると、当該受信可否情報が配信情報処理部41を介してかご内表示装置30に送信される。
【0038】
かご内表示装置30の端末配信制御部34は、携帯端末40から送信された特典情報F1に関する受信可否情報が、受信を拒否する情報であった場合には、以降に当該利用者YがエレベータEを利用した際には、特典情報F1を利用者Yの携帯端末40に配信しない。
【0039】
また、端末配信制御部34は、予め設定された、特典情報を配信しない配信停止時間帯の情報を保持し、現在時刻が当該配信停止時間帯に該当するときには、特典情報F1を携帯端末40に配信しないようにしてもよい。例えば、該当するサービスを提供する店舗の営業時間外は特典情報の配信停止時間とすることで、利用者が特典情報を受け取ったにもかかわらず直後にサービスおよび特典を利用できないという不都合が生じることを回避できる。
【0040】
また、上述した実施形態において、コンテンツ配信装置10の広告コンテンツ作成部11が広告コンテンツ情報を作成する際に、1つのサービスの表示情報に対して、利用者の属性ごと(例えば、性別ごと、年齢層ごと、国籍ごと、職業ごと等)の複数種類の端末提供情報を紐づけて広告コンテンツ情報を作成し、かご内表示装置30に送信するようにしてもよい。
【0041】
この場合、かご内表示装置30の端末配信制御部34は、広告コンテンツ情報を取得してエレベータEの乗りかご内にいる利用者Yの携帯端末40との無線通信が確立されていると判定した際に、当該通信により当該携帯端末40に保持された当該利用者Yの属性情報の情報を取得する。または、かご内表示装置30にカメラ装置(図示せず)を設置し、このカメラ装置で撮影した撮像情報を解析することで当該利用者Yの属性情報を取得する。この場合、取得する属性情報は推定の情報を含む。属性情報としては例えば、性別、年齢(成人[20代、30代・・・70代]、子供[10代以上、未就学児]等)、国籍、会社員/学生などの職業、特記事項(車椅子利用者、ベビーカー利用者、白杖利用者)等を取得する。そして、端末配信制御部34は、取得した情報に基づいて該当する端末提供情報を特定し、利用者Yの携帯端末に配信する。このように処理を行うことで、利用者Yに適した端末提供情報を提供して、さらに広告の訴求効果を高めることができる。
【0042】
また、かご内表示装置30の端末配信制御部34は、広告コンテンツ情報を取得してエレベータEの乗りかご内にいる利用者Yの携帯端末40との無線通信が確立されていると判定した際に、当該通信により当該携帯端末40に保持された当該利用者Yの「お気に入りサービス情報」を取得するようにしてもよい。この「お気に入りサービス情報」は、利用者Yが携帯端末40で、興味があるサービスについて「お気に入り登録」操作を行った場合に登録されるサービス種別の情報である。
【0043】
そして、端末配信制御部34は、取得した情報に基づいて当該利用者Yが興味のあるサービス種別を特定し、当該サービス種別に対応する広告コンテンツ情報を広告コンテンツ表示制御部32を介してコンテンツ配信装置10に要求して取得する。取得された広告コンテンツ情報の表示情報はかご内表示部33に表示され、特典情報は携帯端末40に配信される。このように処理を行うことで、利用者YがエレベータEの乗りかごに乗り込んだときに、当該利用者Yの興味に合った広告コンテンツがかご内表示装置30に表示され、当該利用者Yの携帯端末40に当該広告コンテンツに関連する特典情報が配信される。
【0044】
また、上述したかご内表示装置30の端末配信制御部34で実行される処理をプログラム化してコンピュータに搭載することで、当該コンピュータを端末配信制御部34として機能させるサイネージシステム1を構築することも可能である。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1…サイネージシステム、10…コンテンツ配信装置、11…広告コンテンツ作成部、12…広告コンテンツ配信制御部、13…広告コンテンツ配信部、20…通信ネットワーク、30…かご内表示装置、31…広告コンテンツ受信部、32…広告コンテンツ表示制御部、33…かご内表示部、34…端末配信制御部、35…無線通信部、40…携帯端末、41…配信情報処理部、42…入出力部、50…提供者管理装置、60…サービス利用管理システム、61…サービス利用情報管理部、62…サービス利用情報送信部
図1
図2