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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】調味料のジェット噴射容器
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/24 20060101AFI20221003BHJP
   A47G 19/12 20060101ALI20221003BHJP
   B65D 83/06 20060101ALI20221003BHJP
   B05B 11/04 20060101ALI20221003BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
A47G19/24
A47G19/12 L
B65D83/06 R
B05B11/04 A
B05B11/04 B
B05B11/04 L
B05B9/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021028162
(22)【出願日】2021-02-25
(65)【公開番号】P2022129485
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2021-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】521083016
【氏名又は名称】半田 三郎
(74)【代理人】
【識別番号】100158229
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 恒雄
(72)【発明者】
【氏名】半田 三郎
【審査官】沖田 孝裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-118579(JP,A)
【文献】実開平06-064582(JP,U)
【文献】特開2016-033026(JP,A)
【文献】特開2019-151349(JP,A)
【文献】特開2018-008704(JP,A)
【文献】特開2015-009850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 19/24
A47G 19/12
B65D 83/06
B05B 11/04
B05B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風パイプは、
粉体を噴射する開口部と、
前記粉体を供給する粉体供給孔と、
粉体を噴射するために空気流を加速する空気流加速部と、
空気流の空気を供給する空気孔と、
を備え、
前記開口部は、広角度のテーパ形状又は送風パイプと同径のストレート形状であること、
前記粉体供給孔は、前記空気流加速部で加速された空気流により減圧されて前記粉体が前記送風パイプ内に供給されるように、前記開口部と前記空気流加速部との間に位置すること、
前記空気孔は、前記送風パイプの前記開口部を有する端部に対して、他の端部に備えられ、前記開口部と前記空気孔との間に、前記粉体供給孔と前記空気流加速部が位置していること、
前記送風パイプを容器本体に組み込んだこと、
を特徴とするジェット噴射容器。

【請求項2】
前記送風パイプには、
噴出量調整部と、
噴出量調整孔と、
パイプ支持部と、
を備えたパイプ支持体が取り付けられていること、
を特徴とする請求項1に記載のジェット噴射容器。
【請求項3】
前記噴出量調整部は、前記パイプ支持体が送風パイプに取り付けられた時に、噴出量調整孔と粉体供給孔のみ開口とした閉ざされた空間を形成すること、
を特徴とする請求項2に記載のジェット噴射容器。
【請求項4】
前記空気流加速部は、前記粉体供給孔と前記空気孔の間に配置され、
前記送風パイプの内径を狭くした構造であること、
を特徴とする請求項1に記載のジェット噴射容器。
【請求項5】
前記容器本体は、内部の圧力を加圧、減圧するために可撓性であること、
を特徴とする請求項1に記載のジェット噴射容器。
【請求項6】
前記粉体は、調味料であること、
を特徴とする請求項1乃至4に記載のジェット噴射容器。
【請求項7】
前記送風パイプは、容器本体の蓋をする調味料キャップと締結部に互換性のあるキャップを備えたこと、
を特徴とする請求項5に記載のジェット噴射容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末調味料である胡椒や唐辛子などの香辛料や塩などを、均等に振りかける容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、調味料容器には目的や用途に応じて様々なものがある。ガラスやプラスチック製素材から成る透明容体の口に、小さな振り出し孔を複数設けた内蓋を備えたものに、ネジ込み式蓋や引き起こし式の蓋を組み合わせた構造が多い。使用する時は、ネジ式は蓋を回して取り外し、引き起こし式は端部に指を掛けて引き起こしてから使う。さらに、これらの他には内容物を振り出すごとに一定量取り出せるように蓋の内部に様々の仕組みを形成したものがある。
【0003】
特許文献1には、調味料容器に関し、使用毎に収容された調味料等を常に乾燥した状態で排出孔を詰まらせることなしに排出させる調味料容器が開示されている。容器内の上部に、一又は複数箇所の粉体又は粒状物からなる調味料を排出させる中孔を中蓋に形成すると共に、容器の上端に装着された外蓋の上板面形成された一又は複数箇所の排出孔を形成し、中蓋と外蓋の上板との間に空間部を形成している。また、中蓋に形成された中孔は、外蓋の上板面形成された一又は複数箇所の排出孔より径を大きくして、中蓋と外蓋の上板との間に空間部の内周には乾燥剤を装着している。空間部は、その内周壁を中孔に収束するようなすり鉢状形状となっている。
【0004】
この構造により、内容物である粉体状又は顆粒状からなる調味料を収容した調味料容器を下向きにして、これに振り動作を加えると、中蓋に形成された中孔を通過した調味料は中蓋と外蓋の上板との間に空間部を飛散、攪拌することによって、数回の振動で排出孔より適量分が排出される。容器内部の調味料の大部分は、容器内に収容され、上記空間部には適量部のみが飛散するので、調味料が排出孔から排出されようとする時、容器内部の容器内部の調味料による圧力を受けることがないので空間部にある乾燥状態の調味料は円滑に排出される。
【0005】
許文献2には、滑らかにキャップをすることができる振り出し容器が開示されている。振り出し容器は、容器本体とキヤツプと振り出しのための複数の貫通孔をもつ中蓋とからなり、キヤツプの内側天面に貫通孔を閉塞する複数の突起棒を有する。複数の貫通孔を中蓋の中心とその周囲の同心円上に等間隔で配置し、貫通孔の間に放射状に延びる複数の突起を設けるとともにその頂部を斜面状とし、キヤツプの突起棒を中蓋の貫通孔と同様に配置するとともにその先端を滑らかな形状としている。
【0006】
特許文献3には、粉状の調味料や洗剤などの粉体を、定量ずつ振り出せるようにした手持ちタイプの粉出し容器が開示されている。粉出し容器は、内部に粉体が入る密閉状の容器本体に、上端が外部に通じて下端部が容器本体の内底近くにある中空のパイプを配し、このパイプの下端部に切欠部を形成した構造である。
【0007】
粉体の吐出量は、粉体の特性、例えば粒径や安息角に依存して、パイプの内径と切欠部の開口面積によって決まる。容器本体を斜めないし逆さにして、パイプの切欠部の内側に入った粉体のみがパイプを通して外部に振り出す。この状態で、容器本体内の紛体層の表面がパイプの切欠部より下方に位置しているので、振動を与えても粉体はそれ以上排出されない。
【0008】
特許文献4には、胡椒などの粉末を、楽な操作で均一に振りかけられる容器・器具が開示されている。粉末を入れる容器に内容物に合わせた穴があいた中蓋と、スリットが放射状に入った外蓋を組み合わせた容器であり、外蓋は器具の軸と連動して回転するようにしており、外部のレバーを引くことによって、約90度回転するようになっている。また、停止した状態では、スリットと穴は重ならないので、漏れたり湿ったりしないようになっている。回転させる部分には、下部に筒状のものを取り付け、粉末の飛散を防ぐようになっている。
【0009】
この容器により、中身が飛び散ることなく、必要な量を、必要な場所に振りかけることが出来る。しかも、片手で振りかけられるので、片手は他のことに使用でき便利である。また、使用後はそのまま調理台等に置けるので、使う時にいちいち逆さまにする必要もない。レバーの引き加減で粉の出る量の調節もでき、大量に使用する場合も、従来のように腕を大きく振る必要がなく、楽に振りかけることができる。
【0010】
特許文献5には、液状調味料を、料理に均一に万遍なく、且つ企図する量を噴霧することのできる液状調味料用噴霧容器が開示されている。噴霧手段は、吸引パイプを容器本体に挿入し、微小孔のノズルから内部の液状調味料を噴霧する構造である。噴霧に必要な圧力は、容器本体の内部圧力である。噴霧手段としては、容器内の圧力で内容物を噴霧するようにした噴霧手段或いは吸引力を利用して内容物を吸引し噴霧するようにした噴霧手段でも良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開平07-330041号公報
【文献】実開昭62-188452号公報
【文献】実開平01-150588号公報
【文献】特開2000-139663公報
【文献】実用新案登録第3014254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来、調味料はボトルに入っており、容器を逆さまに持って振り、多数の小孔がある開口部から調味料を振りかけていた。そのため空気中に粉末が飛び散ったり、固まって表面についたり問題が多かった。また使用する度に、湿るのを防ぐためいちいち蓋をする必要もあった。また、出来立てのラーメンに振りかけるなど、高温状態で湯気が立っているところで使用する事が多く、湿気により調味料が出る孔に詰まってしまい、このため、振りかける量をコントロールしたりすることが難しかった。また、均一に振りかけることも難しく、特許文献1~4を始めてとして、様々な改良がなされているが、十分ではなかった。特許文献5に開示されている液体調味料の噴霧機能を備えた液状調味料用噴霧容器は、粉体調味料には適用できない。
【0013】
本発明は、調味料や食品添加物などの粉末調味料が目詰まりせず、均一に振りかけることができ、なおかつ容易に量をコントロールできる調味料ジェット噴射式容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)本発明のジェット噴射容器は、送風パイプに、粉体を噴射する開口部と、粉体を供給する粉体供給孔と、粉体を噴射するために空気流を加速する空気流加速部と、空気流の空気を供給する空気孔と、を備え、送風パイプを容器本体に組み込んだことを特徴としている。
【0015】
(2)本発明のジェット噴射容器において、送風パイプは、噴出量調整部と、噴出量調整孔と、パイプ支持部と、を備えたパイプ支持体が取り付けられていることが好ましい。
【0016】
(3)本発明のジェット噴射容器において、噴出量調整部は、パイプ支持体が送風パイプに取り付けられた時に、噴出量調整孔と粉体供給孔のみを開口とした閉ざされた空間を形成していることが好ましい。
【0017】
(4)本発明のジェット噴射容器において、空気流加速部は、粉体供給孔と空気孔の間に配置され、送風パイプの内径を狭くした構造であることが好ましい。
【0018】
(5)本発明のジェット噴射容器において、容器本体は、内部の圧力を加圧、減圧するために、可撓性であることが好ましい。
【0019】
(6)本発明のジェット噴射容器において、粉体は、調味料であることが好ましい。
【0020】
(7)本発明のジェット噴射容器において、送風パイプは、調味料容器の蓋をする調味料キャップと締結部に互換性のあるキャップを備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
送風パイプに粉体を噴射するために空気流を加速する空気流加速部を設けているので、容器本体の内部圧力による空気流を効率よく高速気流とすることができる。このため、高速気流に乗った粉体は、外乱に影響されることなく対象物に高速で到達し、均一な振りかけが可能となる。
【0022】
容器本体の内部圧力により、内部に詰められた粉体を粉体供給孔から送風パイプに供給しているため、粉体供給孔の粉体が加圧によって押し出されて目詰まりすることが無い。湯気の立った調理品の上部から湯気を浴びた状態で調味料を振りかけても、均一な振りかけが可能である。
【0023】
従来の調味料の振りかけは、基本的には重力による落下での振りかけであり、調味料容器を逆にして調理品の上部から振りかけていた。これに対して本発明の調味料のジェット噴射式容器は、加圧により調味料を噴出させて振りかけているため、上部からだけでなく 斜めからでも振りかけが可能であり、使い勝手が良く、また、調理の効率も向上する。
【0024】
噴出量調整部が設けられているので、調味料を振りかける量を容易にコントロールすることができる。噴出量調整部は、パイプ支持体が送風パイプに取り付けられた時に、噴出量調整孔と粉体供給孔のみを開口とした閉ざされた空間を形成している。噴出量調整孔の開口面積を変えることにより、調味料の種類別に数タイプが想定される。塩や唐辛子等の粒の大き目なものと、粉末胡椒等の細かな粉末状の調味料等である。それにより、各種粉末調味料の振りかける量が容易にコントロールできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】ジェット噴射容器に用いられる送風パイプを示す断面図である。
図2】パイプ支持体を示す図である。
図3】送風パイプとパイプ支持体を容器本体に取り付けたジェット噴射容器の断面図である。
図4】粉体の噴射動作を説明する図である。
図5】容器本体への押圧を解除したときの状態を説明する図である。
図6】キャップ付き噴射ユニットを示す断面図である。
図7】調味料容器にキャップ付き噴射ユニットを取り付ける様子を説明するための図である。
図8】調味料容器にキャップ付き噴射ユニットを取り付け、送風パイプキャップを被せた様態を示す図である。
図9】調味料のジェット噴射容器を実際に試作した実施例を示している。
図10】試作した調味料のジェット噴射容器の開口部形状を示す図である
図11】調味料容器キャップの内側の状態を示す図である。
図12】試作した調味料のジェット噴射容器の寸法を示している。
図13】試作した調味料のジェット噴射容器に胡椒を入れた状態を示している。
図14】調味料のジェット噴射容器から胡椒を振りかけている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明するが、参照する各図の形状は概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。説明に用いる図面は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であって、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
【0027】
図1は、ジェット噴射容器に用いられる送風パイプを示す断面図である。送風パイプ10は、細長い中空の円筒形であり、一端は空気流を噴射するための開口部12として開放されており、多端は封止されている。開口部12から離れた位置に粉体供給孔14が設けられている。送風パイプ10が封止された端部の近傍には、空気孔18が設けられている。粉体供給孔14と空気孔18の間には、空気流加速部16が設けられている。空気流加速部16は、送風パイプ10の内径よりも狭い通路を形成し、空気流を加速させている。
【0028】
開口部12は、図1においては広角度のテーパ形状として広がるようになっているが、ストレート形状でもよく、また、絞り形状でもよい。さらに、テーパ形状にした部分にストレート形状の円筒を設けて空気の流れを平行にして、粉体を振りまく範囲を規定するようにしてもよい。
【0029】
粉体供給孔14は、送風パイプ10の側面を切り抜いて形成されており、粉体が供給される。粉体供給孔14の送風パイプ内面は、空気流加速部16で加速された空気流が流れており、粉体供給孔14の送風パイプ内面部の圧力が低下しているため、円滑な粉体の供給が可能となる。送風パイプ10の封止された端部の近くに位置する空気孔18からは、送風パイプ10の外部から加圧されて空気流が流れ込む。送風パイプ10は、容器を逆にした時に、空気孔18から調味料が入る事を防止する為、容器の底部近辺に空気孔18が位置していることが望ましく、プラスチック製の筒など固体である事が理想的である。なお、容器の高さに柔軟に対応するために、可撓性の高分子樹脂チューブを使用し、その弾力性を利用して折曲がった状態で容器の底部に突き当たるようにしてもよい。これにより、高さの異なる容器に対しても使用可能となる。
【0030】
図2は、パイプ支持体を示す図である。パイプ支持体20は、送風パイプ10を容器に取り付けた際に、送風パイプ10を送風パイプ支持体26で固定する。また、粉体の噴出量をコントロールするための噴出量調整部22を備えている。噴出量調整部22の側面には、噴出量調整孔24が設けられている。
【0031】
送風パイプ支持体26は、中空の円筒部分の内側面に密接するように送風パイプ10を取り付ける。噴出量調整部22の中心部には、取り付けられた送風パイプ10が貫通している。送風パイプ10に設けられた粉体供給孔14は、噴出量調整部22の上面に近い位置に配置されるように送風パイプ10が取り付けられる。なお、粉体供給孔14も、塩や唐辛子等の粒の大き目なものと、粉末胡椒等の細かな粉末状の調味料に対応して、孔のサイズを変えることが好ましく、調味料の種類別に数タイプが想定される。
【0032】
噴出量調整部22は、容器本体に取り付けた際に、貫通している送風パイプ10の外周に空間を形成する。噴出量調整部22の上面は、容器本体の蓋部により封止されている。この空間には、噴出量調整孔24から、容器本体の加圧により、粉体を供給する。また、噴出量調整孔24は、容器本体に取り付けた際に、容器本体の蓋部により上部が封止され、粉体の噴出量を調整することができる。粉体は、その特性、すなわち、粒径や安息角等に依存して噴出量調整孔24からの供給量が決まってくる。従って、噴出量調整孔24の開口面積と粉体供給孔14の大きさを変えることによって、各種調味料に適合した最適な流量コントロールが可能となる。
【0033】
噴出量調整部22の空間に存在する粉体は、貫通する送風パイプ10に設けられた粉体供給孔14から、送風パイプ10に供給される。噴出量調整部22の空間は、形状は何でもよく、図2では広角に広がるテーパ形状で側面を形成しているが、ストレートの円筒形状でも角型形状でもよい。但し、粉末調味料が、滞りなく噴出量調整孔に滑り込むような形状が望ましい。また、噴出量調整孔24の位置は、噴出量調整部22の側面において、なるべく粉体を使い切るという意味において、上部(上蓋部38に近い位置)に配置するのが望ましい。粉体を振りかける際には、上下を逆にして振りかけるから、粉体は図2で示したパイプ支持体20の上部に集まるからである。
【0034】
図3は、送風パイプとパイプ支持体を容器本体に取り付けたジェット噴射容器の断面図である。ジェット噴射容器30は、容器本体32に、上蓋部38を介して送風パイプ10とパイプ支持体20が取り付けられている。送風パイプ10の上部は、開口部支持体34により固定されている。送風パイプ10は、上蓋部38を貫通して取り付けられ、空気孔16は、容器本体32の底面近傍に位置している。
【0035】
パイプ支持体20の噴出量調整部22は、上蓋部38によって閉ざされた空間となっている。容器本体32には、噴射させて振りかける調味料36が入っている。調味料36を調理品に振りかける際には、このジェット噴射容器30の上下を逆にして振りかけるので、調味料36は、ジェット噴射容器30の図3における容器本体32の上部に集まり、送風パイプ10の空気孔18の周囲は空間となる。
【0036】
図4は、粉体の噴射動作を説明する図である。まずは、調味料36の入ったジェット噴射容器30を逆にして、開口部12を下方に向ける。このとき、調味料36は、開口部12の方向に集まり、送風パイプ10の空気孔18の周囲は空間となる。この状態で容器本体32を手で押して圧力Pを加えると、容器本体32の内部は圧力が高くなり、内部の調味料36を下方に向かって押圧すると同時に、空気孔18へ空気を送りだし、送風パイプ10の内部に空気流を発生させる。
【0037】
空気孔18から送られた空気による送風パイプ10の内部の空気流は、空気流加速部16を通過して流速を高め、高速気流となって粉体供給孔14の表面を通過して、開口部12より噴射される。一方、調味料36は、流量調整孔24から容器本体32の内部圧力により流量調整部22へ送り出される。噴出量調整部22に送り出された調味料36は、噴出量調整部22と粉体供給孔14表面の圧力差により送風パイプ12の内部へ送り出される。このため、調味料36は、高速気流となった空気流に乗って開口部12から噴射され、調理品に高速で振りかけられる。
【0038】
調味料36は、容器本体32の内部圧力により、内部に詰められた調味料36を粉体供給孔14から送風パイプ10に供給しているため、粉体供給孔14の調味料36が加圧によって押し出されて目詰まりすることが無い。湯気の立った調理品の上部から湯気を浴びた状態で調味料を振りかけても、均一な振りかけが可能である。
【0039】
従来の調味料の振りかけは、基本的には重力による落下での振りかけであり、調味料容器を逆にして調理品の上部から振りかけていた。これに対して本発明の調味料36のジェット噴射式容器30は、加圧により調味料36を噴出させて振りかけているため、上部からだけでなく斜めからでも振りかけが可能であり、使い勝手が良く、また、調理の効率も向上する。
【0040】
噴出量調整部22が設けられているので、調味料36を振りかける量を容易にコントロールすることができる。噴出量調整部22は、パイプ支持体20が送風パイプ10に取り付けられた時に、噴出量調整孔24と粉体供給孔14のみを開口とした閉ざされた空間を形成している。噴出量調整孔24の開口面積と、粉体供給孔14の大きさを変えることによって調味料36は、種類に合った最適な振りかけ量を容易にコントロールできる。
【0041】
図5は、容器本体への押圧を解除したときの状態を説明する図である。容器本体32への押圧を解除すると、容器本体32の可撓性により元の状態に復元しようとする力Pが働き、容器本体32の内部は減圧する。このため、開口部12から空気が入り込み、送風パイプ10の内部を通って、空気孔18から容器本体32の内部へ流れ込む。粉体供給孔14からも開口部12から流入した空気が流れ込む。開口部12から流入した空気は噴出量調整部22に流れ、さらに噴出量調整孔24から調味料36を押し上げる方向に力が働き、噴出調整孔24には調味料36が存在しなくなる。
【0042】
このため、粉体供給孔14と噴出量調整孔24には調味料36が存在しないので、湯気の状態であっても目詰まりしない。調味料36の噴射を停止するときは、図3に示す状態となり、調味料36は粉体供給孔14及び噴出量調整孔24の周囲には存在しないから、放置しても目詰まりは生じない。また、空気孔18においても、湯気の立った状態では内部まで湿気が浸透しないので、乾燥状態の調味料36となっているから、噴射を停止して放置しても目詰まりは生じない。
【0043】
図6は、キャップ付き噴射ユニットを示す断面図である。キャップ付き噴射ユニット40は、送風パイプ10とパイプ支持体20はキャップ42を介して組み立てられている。キャップ42は、調味料等の容器をそのまま利用するため、調味料容器のキャップと互換性を持たせた取付部(ネジ部)としている。
【0044】
図7は、調味料容器にキャップ付き噴射ユニットを取り付ける様子を説明するための図である。市販されている調味料を購入し、その調味料容器44の調味料容器キャップ46を取りはずす。調味料容器44には調味料36が入っているから、調味料36の中に送風パイプ10を挿入して、キャップ42をネジ部に回転させて取り付ける。
【0045】
図8は、調味料容器にキャップ付き噴射ユニットを取り付け、送風パイプキャップを被せた状態を示す図である。送風パイプキャップ48は、調味料容器44にキャップ付き噴射ユニット40を取り付けて保管する場合の開口部12をカバーするために備えられている。このため、調味料36を振りかけて使用した後でも、いちいちキャップ付き噴射ユニットを取りはずして調味料容器キャプ46に取り換える必要が無くなり、使用時そのままの状態で保管できる。使用する場合は、送風パイプキャップ48を取りはずすだけで、容易に使用が可能となる。
【実施例
【0046】
図9は、調味料のジェット噴射容器を実際に試作した実施例を示している。容器に入った調味料を購入し、その調味料容器44を利用している。キャップ付き噴射ユニット40のキャップ42は、調味料容器キャップ46をそのまま利用して試作した。調味料容器キャップ46の蓋部中央に、送風パイプ10を通すための穴を開け、送風パイプ10を通し、調味料容器キャップ46の内側にパイプ支持体20を取り付けて、送風パイプ10を固定している。
【0047】
図10は、試作した調味料のジェット噴射容器の開口部形状を示す図である。開口部12は、送風パイプ10の先端部をテーパ状に広げ、円柱形状のストレート部を設けている。
【0048】
図11は、調味料容器キャップの内側の状態を示す図である。調味料容器キャップ46には、送風パイプ10とパイプ支持体20が取り付けられている。調味料容器キャップ46の中央部を円形に切欠いて、送風パイプ10を貫通させている。パイプ支持体20は、調味料容器キャップ46と接着剤で固定している。
【0049】
図12は、試作した調味料のジェット噴射容器の寸法を示している。調味料のジェット噴射容器50の全体の高さは、117mmである。各部の高さは、送風パイプキャップ48が15mm、開口部支持体34が12mm、調味料容器キャップ46が12mm、調味料容器44が77mmである。送風パイプキャップ48の肉厚は、2mmである。送風パイプ10の外形は、Φ6mmであり肉厚は1mmである。噴射量調整孔24は半楕円形状であり、3mm×5mmの噴射量調整孔24が2ケ所に設けてある。粉体供給孔14は、Φ1.5mmの円形で、4ケ所に設けてある。
【0050】
図13は、試作した調味料のジェット噴射容器に胡椒をいれた状態を示している。試作した調味料のジェット噴射容器50は、調味料容器キャップ46をそのまま使用しているので、キャップ付き噴射ユニット40が容易に取りはずし可能である。送風パイプキャップ48を取り外し、キャップ付き噴射ユニット40は、回転させて取り外せるから、簡単に調味料容器44に胡椒等の調味料36を追加して入れることが出来る。
【0051】
図14は、調味料のジェット噴射容器から胡椒を振りかけている状態を示す図である。調味料のジェット噴射容器50を手で持ち、逆にして調味料容器44の胴体部を加圧する。これにより調味料容器44の内部圧力が高くなり、開口部12から調味料容器44にいれた胡椒が噴射される。胡椒は高速で噴射されるため、湯気の立ったラーメンに振りかけても均一な振りかけが行えた。胡椒を複数回噴射した後に、送風パイプキャップ48をつけて放置したが、再度の噴射でも目詰まりすること無く、良好な振りかけが行えた。これにより、本発明の有効性が確認できた。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0053】
10 送風パイプ
12 開口部
14 粉体供給孔
16 空気流加速部
18 空気孔
20 パイプ支持体
22 噴出量調整部
24 噴出量調整孔
26 送風パイプ支持部
30 ジェット噴射容器
32 容器本体
34 開口部支持体
36 調味料
38 上蓋部
40 キャップ付き噴射ユニット
42 キャップ
44 調味料容器
46 調味料容器キャップ
48 送風パイプキャップ
50 調味料のジェット噴射容器

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14