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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】ウェハ位置検出方法とシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20221003BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
H01L21/68 G
G01B11/00 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021069683
(22)【出願日】2021-04-16
(65)【公開番号】P2022035968
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】109128544
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】596016557
【氏名又は名称】上銀科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】陳彦羽
(72)【発明者】
【氏名】呂明修
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-238707(JP,A)
【文献】特開2010-123824(JP,A)
【文献】特開平02-292843(JP,A)
【文献】特開2014-060373(JP,A)
【文献】特開2015-195328(JP,A)
【文献】特開2006-019645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
G01B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査ウェハを回転台に載置し、前記被検査ウェハの外縁には対位特徴を備えているステップと、
コントローラーにより前記回転台が第一回転速度で第一方向に回転するように駆動され、前記被検査ウェハが前記第一回転速度で前記第一方向に回転するように連動されるステップと、
検出器により前記第一回転速度で前記第一方向に回転している前記被検査ウェハの前記外縁を検出し、前記外縁で現在検出された各位置に対応する外縁データを生成して前記コントローラーに伝送し、前記外縁データは前記回転台の回転角度に対応しているステップと、
前記コントローラーが前記外縁データに基づいて前記対位特徴が前記第一方向で前記検出器を経過したと判断すると、前記回転台が第二回転速度で第二方向に回転するように駆動され、前記被検査ウェハが前記第二回転速度で前記第二方向に回転するように連動され、且つ前記第二方向は前記第一方向とは反対であるステップと、
前記検出器により前記第二回転速度で前記第二方向に回転している前記被検査ウェハの前記外縁を検出し、前記外縁で現在検出された各位置に対応する新規の外縁データを生成して前記コントローラーに伝送するステップと、
前記コントローラーが前記外縁データに基づいて前記対位特徴が前記第二方向で前記検出器を経過したと判断すると、前記コントローラーにより前記回転台が回転を停止するように制御され、蓄積されたこれら前記外縁データ及び各前記外縁データが対応している前記回転角度に基づいて、前記被検査ウェハの偏心位置及び前記対位特徴の位置を推定するステップと、を含むことを特徴とする、
ウェハ位置検出方法。
【請求項2】
前記コントローラーにより蓄積されたこれら前記外縁データ及び各前記外縁データが対応している前記回転角度に基づいて、前記被検査ウェハの前記偏心位置を推定する前記ステップは、前記コントローラーにより各前記外縁データ及び各前記外縁データが対応している前記回転角度に基づいて円曲線を当てはめ、前記円曲線は前記被検査ウェハの前記外縁に対応しているステップと、前記コントローラーにより前記円曲線の円心を前記被検査ウェハの前記偏心位置として推定するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のウェハ位置検出方法。
【請求項3】
前記コントローラーにより蓄積されたこれら前記外縁データ及び各前記外縁データが対応している前記回転角度に基づいて、前記対位特徴の前記位置を推定する前記ステップは、前記コントローラーによりこれら前記外縁データのうちの最小のものを前記対位特徴の頂点の外縁データと定義するステップと、前記コントローラーにより前記円曲線の前記円心位置及び前記頂点の位置に基づいて、前記対位特徴の前記位置を推定するステップと、を含むことを特徴とする請求項2に記載のウェハ位置検出方法。
【請求項4】
前記コントローラーにより蓄積されたこれら前記外縁データ及び各前記外縁データが対応している前記回転角度に基づいて、前記被検査ウェハの現在の総測定角度を推定し、前記総測定角度は前記被検査ウェハの前記外縁で検出された範囲が対応している角度に関連しているステップと、前記コントローラーにより前記総測定角度が第一角度閾値より大きいまたは等しいか否かを判断するステップと、前記コントローラーが前記外縁データに基づいて前記対位特徴が前記第二方向で前記検出器を経過し、且つ前記総測定角度が前記第一角度閾値より大きいまたは等しいと判断すると、前記コントローラーにより前記回転台が回転を停止するように制御され、且つこれら前記外縁データ及び各前記外縁データが対応している前記回転角度に基づいて前記被検査ウェハの中心偏差及び前記対位特徴の角度偏差を推定するステップと、をさらに含み、前記被検査ウェハの前記中心偏差は、前記回転台の回転中心から前記被検査ウェハの中心が偏位する距離であり、前記対位特徴の前記角度偏差は、前記対位特徴から前記回転台の前記回転中心へと延びる線と前記被検査ウェハの前記中心から前記回転台の前記回転中心へと延びるもう1つの線との間の角度であることを特徴とする請求項1に記載のウェハ位置検出方法。
【請求項5】
被検査ウェハを載置するために用いられ、前記被検査ウェハの外縁は対位特徴を含む回転台と、
前記回転台付近に設置されている検出器と、
前記回転台及び前記検出器に電気的に接続し、ウェハ位置検出方法を実行するために用いられているコントローラーと、を備え、
前記ウェハ位置検出方法は、
前記コントローラーにより前記回転台が第一回転速度で第一方向に回転するように駆動され、前記被検査ウェハが前記第一回転速度で前記第一方向に回転するように連動されるステップと、
前記検出器により前記第一回転速度で前記第一方向に回転している前記被検査ウェハの前記外縁を検出し、前記外縁で現在検出された各位置に対応する外縁データを生成して前記コントローラーに伝送し、前記外縁データは前記回転台の回転角度に対応しているステップと、
前記コントローラーが前記外縁データに基づいて前記対位特徴が前記第一方向で前記検出器を経過したと判断すると、前記回転台が第二回転速度で第二方向に回転するように駆動され、前記被検査ウェハが前記第二回転速度で前記第二方向に回転するように連動され、且つ前記第二方向は前記第一方向とは反対であるステップと、
前記検出器が前記第二回転速度で前記第二方向に回転している前記被検査ウェハの前記外縁を検出し、前記外縁で現在検出された各位置に対応する新規の外縁データを生成して前記コントローラーに伝送するステップと、
前記コントローラーが前記外縁データに基づいて前記対位特徴が前記第二方向で前記検出器を経過したと判断すると、前記回転台が回転を停止するように制御され、且つ蓄積されたこれら前記外縁データ及び各前記外縁データが対応している前記回転角度に基づいて、前記被検査ウェハの偏心位置及び前記対位特徴の位置を推定するステップと、を含むことを特徴とする、
ウェハ位置検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハアライメント装置に関し、更に詳しくは、ウェハ位置検出方法とシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にはウェハを半導体プロセス装置に進入させる前に、まず、ウェハアライナ(Wafer Aligner)を用いて偏心の補正を行い、ウェハの円心を回転台の回転の中心に位置を揃える。
【0003】
従来の特許文献、例えば、下記の特許文献1、特許文献2及び特許文献3には、半導体のウェハの中央揃え装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第2729297号公報
【文献】特許第3223584号公報
【文献】特許第4226241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述したウェハの位置の偏心を検出する従来の方法は、全てウェハの外縁を完璧に検出して回転台の回転の中心からのウェハの円心の偏心程度及び切り欠きの方位を算出するため、時間がかかり、ロットサイズのウェハに後続のプロセスを行うには不利だった。
【0006】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0007】
本発明は前記技術的課題に鑑みて開発されたものであり、ウェハの部分的な外縁を検出するのみでウェハの偏心位置を知ることができるウェハ位置検出方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための主たる発明は、被検査ウェハを回転台に載置し、前記被検査ウェハの外縁には対位特徴を備えているステップと、コントローラーにより前記回転台が第一回転速度で第一方向に回転するように駆動され、前記被検査ウェハが前記第一回転速度で前記第一方向に回転するように連動されるステップと、検出器により前記第一回転速度で前記第一方向に回転している前記被検査ウェハの前記外縁を検出し、前記外縁で現在検出された各位置に対応する外縁データを生成して前記コントローラーに伝送し、前記外縁データは前記回転台の回転角度に対応しているステップと、前記コントローラーが前記外縁データに基づいて前記対位特徴が前記第一方向で前記検出器を経過したと判断すると、前記回転台が第二回転速度で第二方向に回転するように駆動され、前記被検査ウェハが前記第二回転速度で前記第二方向に回転するように連動され、且つ前記第二方向は前記第一方向とは反対であるステップと、前記検出器により前記第二回転速度で前記第二方向に回転している前記被検査ウェハの前記外縁を検出し、前記外縁で現在検出された各位置に対応する新規の外縁データを生成して前記コントローラーに伝送するステップと、前記コントローラーが前記外縁データに基づいて前記対位特徴が前記第二方向で前記検出器を経過したと判断すると、前記コントローラーにより前記回転台が回転を停止するように制御され、蓄積されたこれら前記外縁データ及び各前記外縁データが対応している前記回転角度に基づいて、前記被検査ウェハの偏心位置及び前記対位特徴の位置を推定するステップと、を含むことを特徴とするウェハ位置検出方法である。
【0009】
また、前記技術的課題を解決する本発明のウェハ位置検出システムは、被検査ウェハを載置するために用いられ、前記被検査ウェハの外縁は対位特徴を含む回転台と、前記回転台付近に設置されている検出器と、前記回転台及び前記検出器に電気的に接続し、ウェハ位置検出方法を実行するために用いられているコントローラーと、を備え、前記ウェハ位置検出方法は、前記コントローラーにより前記回転台が第一回転速度で第一方向に回転するように駆動され、前記被検査ウェハが前記第一回転速度で前記第一方向に回転するように連動されるステップと、前記検出器により前記第一回転速度で前記第一方向に回転している前記被検査ウェハの前記外縁を検出し、前記外縁で現在検出された各位置に対応する外縁データを生成して前記コントローラーに伝送し、前記外縁データは前記回転台の回転角度に対応しているステップと、前記コントローラーが前記外縁データに基づいて前記対位特徴が前記第一方向で前記検出器を経過したと判断すると、前記回転台が第二回転速度で第二方向に回転するように駆動され、前記被検査ウェハが前記第二回転速度で前記第二方向に回転するように連動され、且つ前記第二方向は前記第一方向とは反対であるステップと、前記検出器が前記第二回転速度で前記第二方向に回転している前記被検査ウェハの前記外縁を検出し、前記外縁で現在検出された各位置に対応する新規の外縁データを生成して前記コントローラーに伝送するステップと、前記コントローラーが前記外縁データに基づいて前記対位特徴が前記第二方向で前記検出器を経過したと判断すると、前記回転台が回転を停止するように制御され、且つ蓄積されたこれら前記外縁データ及び各前記外縁データが対応している前記回転角度に基づいて、前記被検査ウェハの偏心位置及び前記対位特徴の位置を推定するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
以上の構成より、本発明に係るウェハ位置検出方法及びこの方法を使用するシステムは、ウェハの部分的な外縁を検出するのみで、許容可能な誤差範囲内の検出結果を獲得し、検出にかかる時間を大幅に短縮することができる。
【0011】
本発明の他の特徴について、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るウェハ位置検出システムを示す概略構成図である。
図2図1の上面図である。
図3】本発明の一実施形態に係るウェハ位置検出システムを示す機能ブロック図である。
図4A】本発明の一実施形態に係るウェハ位置検出方法を示すフローチャートである。
図4B】本発明の一実施形態に係るウェハ位置検出方法を示すフローチャートである。
図5A】本発明の一実施形態に係るウェハ位置検出方法において、被検査ウェハの外縁状態を検出する概略構成図である。
図5B】本発明の一実施形態に係るウェハ位置検出方法において、被検査ウェハの外縁状態を検出する概略構成図である。
図5C】本発明の一実施形態に係るウェハ位置検出方法において、被検査ウェハの外縁状態を検出する概略構成図である。
図5D】本発明の一実施形態に係るウェハ位置検出方法において、被検査ウェハの外縁状態を検出する概略構成図である。
図6】本発明の一実施形態に係る検出器を通過する対位特徴を判断する方法を示すフローチャートである。
図7A】本発明の一実施形態に係る一次元外縁データが二次元情報に変換されるグラフである。
図7B図7Aに示す外縁データが瞬間変化量に変換されるグラフである。
図8】本発明の一実施形態に係る第一補償を示すフローチャートである。
図9A】本発明の一実施形態に係る第一補償を行うとき、検出器が被検査ウェハの外縁の状態を検出する概略図である。
図9B】本発明の一実施形態に係る第一補償を行うとき、検出器が被検査ウェハの外縁の状態を検出する概略図である。
図9C】本発明の一実施形態に係る第一補償を行うとき、検出器が被検査ウェハの外縁の状態を検出する概略図である。
図9D】本発明の一実施形態に係る第一補償を行うとき、検出器が被検査ウェハの外縁の状態を検出する概略図である。
図9E】本発明の一実施形態に係る第一補償を行うとき、検出器が被検査ウェハの外縁の状態を検出する概略図である。
図10】本発明の一実施形態に係る第二補償を示すフローチャートである。
図11A】本発明の一実施形態に係る第二補償を行うとき、検出器が被検査ウェハの外縁の状態を検出する概略図である。
図11B】本発明の一実施形態に係る第二補償を行うとき、検出器が被検査ウェハの外縁の状態を検出する概略図である。
図11C】本発明の一実施形態に係る第二補償を行うとき、検出器が被検査ウェハの外縁の状態を検出する概略図である。
図11D】本発明の一実施形態に係る第二補償を行うとき、検出器が被検査ウェハの外縁の状態を検出する概略図である。
図11E】本発明の一実施形態に係る第二補償を行うとき、検出器が被検査ウェハの外縁の状態を検出する概略図である。
図12】本発明の一実施形態に係る被検査ウェハの偏心位置と対位特徴の位置の方法を推定するフローチャートである。
図13】本発明の一実施形態に係る蓄積された外縁データを円曲線に当てはめられるグラフである。
図14A】本発明の一実施形態に係る第一テスト結果の円曲線を示すグラフである。
図14B】本発明の一実施形態に係る第二テスト結果の円曲線を示すグラフである。
図14C】本発明の一実施形態に係る第三テスト結果の円曲線を示すグラフである。
図14D】本発明の一実施形態に係る第四テスト結果の円曲線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【0014】
図1乃至図3は本発明の一実施形態に係るウェハ位置検出システム10を示す概略構成図である。
ウェハ対位システムに設置されるウェハ位置検出システム10は、ベース11と、回転台12と、モバイルプラットフォーム13と、検出器14と、コントローラー15と、保存装置16と、を備えている。回転台12、モバイルプラットフォーム13、及び検出器14はベース11に設置され、且つコントローラー15は回転台12、モバイルプラットフォーム13、検出器14、及び保存装置16に電気的に接続し、ウェハ位置検出方法を実行する。
【0015】
回転台12は被検査ウェハ20を載置するために用いられる。回転台12はコントローラー15により制御されて異なる回転速度で回転してもよく、第一方向(例えば、時計回り方向)及び第二方向(例えば、反時計回り方向)に回転してもよい。第一方向は第二方向とは反対である。回転台12の回転により回転台12に載置されている被検査ウェハ20が同じ回転速度で同じ方向に回転するように連動される。
【0016】
モバイルプラットフォーム13は第一移動機構131及び第二移動機構132を備えている。第一移動機構131及び第二移動機構132はベース11に可動に設置されている。第一移動機構131は第三方向(例えば、X軸方向)に沿って移動し、第二移動機構132は第四方向(例えば、Y軸方向)に沿って移動し、第三方向は第四方向に垂直になる。これにより、回転台12がモバイルプラットフォーム13に設置されると、第一移動機構131及び第二移動機構132が組み合わせられて回転台12を平面上で第三方向、第四方向、或いは前述の両者に沿って移動させる。
【0017】
検出器14は回転台12付近に設置されている。検出器14は例えば光学検出器であり、少なくとも1つの光投射器に少なくとも1つの受光器を組み合わせることで被検査ウェハ20の外縁21の輪郭を検出する。検出器14は検出範囲141を有している。光投射器に受光器を組み合わせる検出器14の例では、この検出範囲141は例えばこの光投射器と受光器との間の光線がカバーする領域である。
検出器14の検出範囲141が被検査ウェハ20の外縁21のうちの一部分をカバーするようにし、検出器14が被検査ウェハ20の外縁21の輪郭を検出可能にするために、コントローラー15がモバイルプラットフォーム13の第一移動機構131及び第二移動機構132のうちの少なくとも1つを移動するように制御し、モバイルプラットフォーム13に設置されている回転台12を検出器14に近接させ、回転台12にある被検査ウェハ20の外縁21を検出器14の検出範囲141内に進入させる。例えば、図5Aに示されるように、検出器14の検出範囲141が被検査ウェハ20の外縁21の一部分に重畳している。
【0018】
保存装置16はウェハ位置検出システム10の作動に必要な各種プログラム命令、パラメータ、及び閾値を保存するために用いられ、コントローラー15がアクセスしてウェハ位置検出方法を実行する。
【0019】
以下、例を挙げてウェハ位置検出システム10がウェハ位置検出方法を実行することについて説明する。ウェハ位置検出方法のステップについて下述する(図4A図4B図5A乃至図5D参照)。
【0020】
まず、被検査ウェハ20が回転台12に載置され(ステップS1と図5A参照)、この被検査ウェハ20の外縁21には対位特徴22を含む。対位特徴22は例えばノッチ、フランジ、或いは切り口である。次いで、コントローラー15により回転台12が第一回転速度V1で第一方向D1に回転するように駆動され(ステップS2参照)、被検査ウェハ20が同じ速度で同じ方向に回転するように連動される(図5B参照)。
【0021】
回転台12の回転と同時に、コントローラー15により検出器14が第一回転速度V1及び第一方向D1の条件で回転している被検査ウェハ20の外縁21の輪郭を検出するように制御され、外縁21で現在検出された各位置に対応する外縁データを生成してコントローラー15に伝送する(ステップS3参照)。また、コントローラー15は各外縁データの取得時の回転台12の当時の回転角度を記録する(ステップS4参照)。外縁データは被検査ウェハ20の外縁21から回転台12の回転の中心までの相対距離に相関している。
【0022】
次いで、コントローラー15は獲得した外縁データに基づいて対位特徴22が検出器14の検出範囲141を通過したか否かを判断する(ステップS5参照)。獲得した外縁データに基づいて対位特徴22が検出器14の検出範囲141を通過したか否かを判断する方式について例を挙げて説明する。
図6図7A図7Bを参照する。外縁21の位置を検出する毎に生成する外縁データが回転台12の回転角度に対応し、即ち被検査ウェハ20の回転角度に対応する。検出器14の検出結果は図7Aに示されるように、横軸は回転台12(即ち、被検査ウェハ20)の回転角度を示し、縦軸は外縁データの数値を示す。外縁データを獲得する毎に、コントローラー15がこの外縁データの瞬間変化量を計算する(ステップS501参照)。コントローラー15が例えば微分処理方式によりこの外縁データの瞬間変化量を算出する(図7B参照)。図7Bでは、横軸は回転台12(即ち、被検査ウェハ20)の回転的角度を示し、縦軸は外縁データの瞬間変化量を示す。
【0023】
その後、瞬間変化量を獲得する毎にコントローラー15がこの瞬間変化量が測定閾値より大きいかまたは等しいかをさらに判断する(ステップS502参照)。この測定閾値は既定値であり、被検査ウェハ20の外縁21のこの際に測定された位置が対位特徴22の位置であることを示す。この瞬間変化量が測定閾値より大きいまたは等しい場合、コントローラー15が対位特徴22が検出器14の検出範囲141をすでに通過したと判定する(ステップS503と図5C参照)。
被検査ウェハ20の外縁21の他の領域を検出した場合と比較すると、被検査ウェハ20の外縁21にある対位特徴22が検出器14の検出範囲141を通過した場合、コントローラー15が獲得する瞬間変化量に強烈な変化、例えば、図7Bに示されるような曲線にピークP2が出現し、このピークP2の数値が既定の測定閾値ETよりも大きくなる。反対に、この瞬間変化量が測定閾値より小さい場合、コントローラー15は対位特徴22が検出器14の検出範囲141を通過していないと判定する(ステップS504と図5B参照)。
【0024】
コントローラー15が被検査ウェハ20の対位特徴22が検出器14の検出範囲141を通過していないと判断すると、コントローラー15はステップS2に戻って、ステップS5において対位特徴22が検出器14の検出範囲141を通過するまでステップS2乃至ステップS5を重複して実行する。
【0025】
ステップS5では、対位特徴22が検出器14の検出範囲141を通過した場合、コントローラー15が回転台12を第二回転速度V2で第二方向D2に回転するようにさらに駆動し(ステップ62参照)、被検査ウェハ20も同じ回転速度で同じ方向に回転される(図5D参照)。第二回転速度V2は例えば第一回転速度V1よりも遅く、且つ第二方向D2は第一方向D1とは反対である。
回転台12が回転すると同時に、コントローラー15により検出器14が第二回転速度V2及び第二方向D2の条件で回転している被検査ウェハ20の外縁21の輪郭を検出するように制御され、外縁21で現在検出された各位置に対応する外縁データを生成してコントローラー15に伝送し(ステップS7と図5D参照)、コントローラー15はこの外縁データに対応している回転台12の回転角度を記録する(ステップS8参照)。詳しくは、第二回転速度V2が第一回転速度V1より遅いため、より詳しくは第二回転速度V2で回転している被検査ウェハ20の外縁21のより完全なさらに多くの外縁データを獲得し、特に対位特徴22に相関する外縁データを獲得する。
本実施例或いは他の実施例では、この際に回転台12は逆回転しており、検出器14が被検査ウェハ20の外縁21上のある位置を重複して検出することで、第二回転速度V2及び第二方向D2の条件で検出し獲得した複数の外縁データ中のある部分が第一回転速度V1及び第一方向D1の条件で検出し獲得したある外縁データと重複している可能性がある。この場合、例えば、被検査ウェハ20の外縁21の同じ位置に対応する新旧の外縁データ中の新しい外縁データにより古い外縁データを代替し、古い外縁データは一緒に保留するか無視する。
【0026】
このほか、コントローラー15は獲得した外縁データに基づいて対位特徴22が検出器14の検出範囲141を再度通過したかどうかを判断する(ステップS9参照)。対位特徴22が検出器14の検出範囲141を再度通過したかどうかを判断する方式は上述のステップS5に関する説明を参照し、再述はしない。或いは、対位特徴22が検出器14の検出範囲141を再度通過したかどうかを判断する方式は、回転台12が第二回転速度V2及び第二方向D2の条件で回転している角度θが第二角度閾値より大きいかまたは等しいかを判断することで決定してもよい。
【0027】
対位特徴22が検出器14の検出範囲141を通過していない場合、ステップS6に戻って、対位特徴22が検出器14の検出範囲141を通過するまでステップS6乃至ステップS9を重複して実行する。対位特徴22が検出器14の検出範囲141を通過した場合、コントローラー15が現在の総測定角度ATを推定する(ステップS10参照)。総測定角度ATは、例えば、回転台12の回転により検出器14が被検査ウェハ20の外縁21で既に検出した範囲が対応する角度を指す。よって、コントローラー15は蓄積された外縁データが対応している回転角度により総測定角度ATを算出する。
【0028】
その後、コントローラー15はこの総測定角度ATが第一角度閾値より大きいかまたは等しいかをさらに判断する(ステップS11参照)。第一角度閾値は既定値であり、例えば、許容可能な誤差範囲内での偏差量を算出するために必要な外縁データのデータ量が対応している角度であり、且つこのデータ量はこの被検査ウェハ20の仕様に基づいている。即ち、許容可能な誤差範囲内の偏差量を算出するために、被検査ウェハ20の外縁21で検出器14が検出すべき範囲が対応している角度である。第一角度閾値は100%未満である。
【0029】
現在の総測定角度ATが第一角度閾値より大きいまたは等しい場合、現在蓄積された外縁データのデータ量(或いは総データと称する)が誤差範囲内の偏差量を算出するに十分であることを示す。この場合、コントローラー15は回転台12が回転を停止し、且つ検出器14が検出を停止するように制御する(ステップS16参照)。反対に、現在の総測定角度ATが第一角度閾値未満である場合、現在蓄積された外縁データのデータ量が誤差範囲内の偏差量を算出するのに不十分であることを示し、この場合はデータ量の欠乏を補足する必要がある。
本実施例或いは他の実施例では、ウェハ位置検出システム10はコントローラー15が選択可能な1つまたは複数の補償方法をさらに提供する。この場合、コントローラー15は現在の総測定角度AT及び既定の第一角度閾値に基づいて、各補償方法を実行するのにかかる時間を予め評価する(ステップS12参照)。その後、コントローラー15は予測された結果に基づいて時間が節約される補償方法を選択する(ステップS13参照)。また、選択した補償方法を実行し(ステップS14参照)、データ量の差分を補足する。以下、2つの補償方法を範例として挙げて説明する。
【0030】
図8及び図9A乃至図9Eに示される第一補償方法を参照する。図4A及び図4BのステップS1乃至ステップS11を実行した(図9A乃至図9Dの被検査ウェハ20のフローチャートに対応する)後、コントローラー15が下述する第一補償方法を実行する。まず、コントローラー15により続いて回転台12が第一回転速度V1で第一方向D1に回転するように駆動され(ステップS412参照)、被検査ウェハ20が同じ回転速度で同じ方向に回転される(図9E参照)。
回転台12の回転と同時に、コントローラー15により検出器14が被検査ウェハ20の外縁21を検出するように制御され、被検査ウェハ20の現在検出された位置に対応する外縁データが生成される(ステップS242参照)。また、コントローラー15はこの外縁データの生成時の回転台12の回転角度を記録する(ステップS243参照)。最後に、蓄積された外縁データに基づいて新しい総測定角度ATを推定する(ステップS244参照)。
第一補償方法の実行にかかる所要時間は下記公式(1)により推定する。
ここで、T1は第一補償方法の実行にかかる所要時間を示す。C1は目標データ量を示す。C1’は現在蓄積されているデータ量を示す。V1は外縁21を大まかに検出した際に採用した第一回転速度を示す。Δt1は回転台12が第二回転速度V2及び第二方向D2の条件での回転から第一回転速度V1及び第一方向D1の条件での回転に変わるまでの所要時間を示す。
【0031】
図10及び図11A乃至図11Eに示される第二補償方法を参照する。図4A及び図4BのステップS1乃至ステップS11を実行(図11A乃至図11Dの被検査ウェハ20のフローチャートに対応する)した後、コントローラー15が下述する第二補償方法を実行する。まず、コントローラー15により続いて回転台12が第一回転速度V1で第二方向D2に回転するように駆動され(ステップS341参照)、被検査ウェハ20が同じ回転速度で同じ方向に回転される(図11E参照)。
回転台12の回転と同時に、コントローラー15により検出器14が被検査ウェハ20の外縁21を検出するように制御され、被検査ウェハ20の現在検出された位置に対応する外縁データが生成される(ステップS342参照)。また、コントローラー15はこの外縁データの生成時の回転台12の回転角度を記録する(ステップS343参照)。最後に、蓄積された外縁データに基づいて新しい総測定角度ATを推定する(ステップS344参照)。
【0032】
第二補償方法の実行にかかる所要時間は下記公式(2)により推定する。
ここで、T2は第二補償方法の実行にかかる所要時間を示す。C1は目標データ量を示す。C1’は現在蓄積されているデータ量を示す。V1は外縁21を大まかに検出した際に採用した第一回転速度を示す。Δt2は回転台12が第二回転速度V2及び第二方向D2の条件での回転から第一回転速度V1及び第二方向D2の条件での回転に変わるまでの所要時間を示す。
【0033】
よって、コントローラー15は現在の総測定角度AT及び第一角度閾値に基づいて、即ち現在蓄積されているデータ量及び目標データ量に基づいて、各補償方法の実行にかかる所要時間を推定し、予測された結果に基づいて時間を節約できる補償方法を選択する。
【0034】
この実施例或いは他の実施例では、1つの補償方法のみ提供する場合、上述のステップS12乃至ステップS13は省略する。即ち、ステップS11において総測定角度ATが第一角度閾値未満である場合、コントローラー15がこの補償方法を直接実行する。
【0035】
より新しい総測定角度ATを獲得した後、コントローラー15はより新しい総測定角度ATが第一角度閾値より大きいかまたは等しいかを判断する(ステップ15参照)。より新しい総測定角度ATが第一角度閾値未満である場合、ステップS14に戻って、より新しい総測定角度ATが第一角度閾値より大きくなるかまたは等しくなるまでステップS14乃至ステップS15を重複して実行する。
【0036】
ステップS15においてより新しい総測定角度ATが第一角度閾値より大きいかまたは等しい場合、現在蓄積されているデータ量がすでに目標データ量の程度に達したことを示し、コントローラー15により回転台12が回転を停止し、且つ検出器14が検出を停止するように制御される(ステップS16参照)。この際、コントローラー15は蓄積された外縁データ及び対応している回転角度に基づいて、被検査ウェハ20の偏心位置及び対位特徴22の位置を推定する(ステップS17参照)。
【0037】
被検査ウェハ20の偏心位置及び対位特徴22の位置を推定する例について説明する。図12に示されるように、対位特徴22はノッチを例として説明する。まず、獲得した各外縁データ及びそれらが対応する回転角度を図7Aに示される二次元情報としてマッピングする(ステップS1701参照)。詳しくは、コントローラー15は下記公式(3)を用いて一次元の外縁データを二次元情報としてマッピングする。
ここで、Xiは第iのマッピングのX座標を示す。Yiは第iのマッピングのY座標を示す。Siは検出器14が外縁を検出することで生成した第iの外縁データを示す。θiは第iの検出データの獲得時の回転台12の回転角度を示す。
【0038】
次いで、コントローラー15は二次元情報を図14A乃至図14Dの何れか1つに示される円曲線に当てはめる(ステップS1702参照)。例えば、コントローラー15は下記公式(5)を用いて二次元情報を円曲線に当てはめる。
ここで、nは瞬間変化量の総量を示す。Xiは第iの瞬間変化量のX座標を示す。Yiは第iの瞬間変化量のY座標を示す。ΔXはX軸上での円心偏差を示す。ΔYはY軸上での円心偏差を示す。Rは円形曲線の半径を示す。円曲線に当てはめた後、コントローラー15はこの円曲線の円心を被検査ウェハ20の偏心位置として算出する(ステップS1703参照)。
【0039】
次いで、コントローラー15は蓄積された外縁データ中から最小値と定義されている外縁データを対位特徴22の頂点23の外縁データとする(ステップS1704参照)。最後に、コントローラー15は円曲線の円心及び対位特徴22の頂点23の外縁データの円曲線上での位置に基づいて対位特徴22の位置を推定する(ステップS1705参照)。
【0040】
これにより、ウェハ対位装置は被検査ウェハ20の偏心位置、対位特徴22の位置、及び回転台12の回転の中心の位置に基づいて被検査ウェハ20の中心偏差及び対位特徴22の角度偏差を推定し、これらの偏差をさらに補償し、被検査ウェハ20の円心を回転台12の回転の中心に位置を揃えさせる。被検査ウェハ20の中心偏差は、回転台12の回転中心から被検査ウェハ20の中心が偏位する距離であり、対位特徴22の角度偏差は、対位特徴22から回転台12の回転中心へと延びる線と被検査ウェハ20の中心から回転台22の回転中心へと延びるもう1つの線との間の角度である。


【0041】
このほか、本実施例において上述の測定閾値ET及び第一角度閾値を取得する方式は、例えば、従来のウェハ位置検出方法でもよく、特許文献1、特許文献2、特許文献3、或いは他の従来の方法でもよい。ウェハテンプレートの全外縁に対して辺縁を検出し、試験結果を獲得する。採用されるウェハテンプレートは上述の被検査ウェハ20と同様のウェハであり、よって、このウェハテンプレートも同様の外縁21及び同様の対位特徴22を有している。
【0042】
ウェハテンプレートの完全な外縁21の検出完了後に、コントローラー15は各外縁データの瞬間変化量を計算し、且つこれら瞬間変化量中から図7BのピークP1及びピークP2のピーク値のような少なくとも1つのピーク値を選択し、選択したピーク値に基づいて測定閾値ETを定義する。ピークP2をピーク値として選択する例では、測定閾値ETは、例えば、ピークP2のピーク値より小さい或いは等しいが、曲線上の2つのピークP1及びピークP2以外の他の数値よりは大きい。
【0043】
この際、ウェハテンプレートの外縁21全体を検出して生成された外縁データの総データが既に分かっているため、コントローラー15は蓄積された外縁データ、許容可能な誤差範囲(例えば、±0.1 mm)、及びウェハテンプレートの仕様(例えば、12インチのウェハの仕様)に基づいて異なる試験を行い、誤差範囲内の偏心を算出するために必要なデータ量の比率を推定する。その後、コントローラー15はデータ量の比率に基づいて第一角度閾値を推定する。
例えば、表1に示されるように、同じウェハテンプレート及び図4AのステップS1乃至ステップS9の検出フローチャートを基礎として試験を行って下記試験結果を獲得する。まず、ウェハテンプレートの外縁21全体を検出することで生成した外縁データの総データのデータ量の比率を100%に設定し、これら外縁データが対応している角度を100%とし(図13参照)、よって、外縁21全体を測定する第一角度閾値は100%と定義する。次いで、異なるデータ量の比率を取得して試験を行い、このウェハ仕様に必要な最低のデータ量の比率を探し出し、且つ偏心の計算結果の誤差を許容範囲内に維持する。例えば、35%のデータ量を取得したのみ(即ち、検出器14がウェハテンプレートの外縁の126度(360 x 35%=126)でカバーする領域のみを検出する)の第一試験結果において、収集された外縁データに基づいて当てはめた円曲線は図14Aに示し、且つ偏心の計算結果の誤差(即ち、X軸の誤差及びY軸の誤差)は許容可能な誤差範囲(例えば、±0.1 mm)内に収まる。再度35%のデータ量を取得することを試験条件とした第二試験結果では、収集された瞬間変化量に基づいて当てはめた円形曲線は図14Bに示し、且つ偏心の計算結果の誤差は許容可能な誤差範囲(例えば、±0.1 mm)内に収まる。試験条件を23.5%のデータ量を取得することに改変した第三試験結果では、収集された瞬間変化量に基づいて当てはめ出た円形曲線は図14Cに示し、偏心の計算結果の誤差は第一試験結果及び第二試験結果より大きいが(即ち、計算精度が低い)、但し許容可能な誤差範囲(例えば、±0.1 mm)内に収まる。再度23.5%のデータ量を取得することを試験条件とした第四試験結果では、収集された瞬間変化量に基づいて当てはめた円形曲線は図14Dに示し、且つ偏心の計算結果の誤差は許容可能な誤差範囲(例えば、±0.1 mm)内に収まる。
【0044】
【表1】
上述の試験結果から分かるように、同じウェハテンプレート、反復して試験を行った許容可能な誤差範囲内の最低データ量の比率、及び異なるデータ量の比率に基づいて異なる外縁の測定方法を制定し、即ち、異なる第一角度閾値を制定する。
例えば、データ量の比率を23.5%及び35%として84.96度(360x23.5%=84.96)の第一角度閾値及び126度(360x35%=126)の第一角度閾値をそれぞれ制定し、試験要員が選択する。そのうちの1つの第一角度閾値を選択した後にこのウェハテンプレートの仕様と同じ各被検査ウェハ20を検出した場合、コントローラー15は直接第一角度閾値に対する設定に基づいて、被検査ウェハ20の外縁21を検出する。
【0045】
同様に、上述の第二角度閾値は被検査ウェハ20の対位特徴22が検出器140の検出範囲141の一側から対向する他側まで移動するのに要する回転角度に関連するため、同じウェハテンプレートにより反復して試験を行うことで偏心の計算結果の誤差を許容可能な誤差範囲内に収める第二角度閾値を帰納する。
【0046】
上述の実施態様は第一回転速度V1が第二回転速度V2より速いものを例として説明しているが、本発明はこの限りではない。本発明の他の実施例では、第一回転速度V1が第二回転速度V2に実質的に等しく、且つデータ量を補足するための補償方法中の回転方向を回転速度に基づいて設計することで調整し、さらに多くの補償方法またはさらに効率が高い補償方法を提供する。
【0047】
以上を総合すると、本発明に係るウェハ位置検出方法及びシステムは、まずウェハを速い第一回転速度で回転すると共にウェハの外縁を検出し、その後にウェハの対位特徴が検出器の検出範囲を経過した際に、ウェハを遅い第二回転速度で逆回転させてウェハの外縁を検出する。最後に、対位特徴が検出器の検出範囲を再度経過した際に、蓄積された検出結果及び回転台の回転角度に基づいてウェハの偏心位置及び対位特徴の位置を推定する。
ウェハを1周完全に回転させる必要がないため、検出器が重複して検出する外縁の範囲が減少し、検出所要時間も大幅に短縮し、ウェハプロセス全体の効率が高まる。また、本発明は1つまたは複数の補償方法をさらに提供、ウェハの偏心位置及び対位特徴の位置を計算するために必要なデータ量を十分な量に保持する。このほか、本発明は異なる計算精度に対応する收集するデータのデータ量の比率を外縁測定方法とする選択肢をさらに提供し、且つどの選択肢であっても、計算して獲得したウェハの中心偏差及び対位特徴の角度偏差は全て許容可能な誤差範囲内に維持される。
【0048】
上記の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0049】
10 システム
11 ベース
12 回転台
13 モバイルプラットフォーム
131 第一移動機構
132 第二移動機構
14 検出器
141 検出範囲
15 コントローラー
16 保存装置
20 被検査ウェハ
21 外縁
22 対位特徴
23 頂点
AT 総測定角度
D1 第一方向
D2 第二方向
ET 測定閾値
P1 ピーク
P2 ピーク
V1 第一回転速度
V2 第二回転速度
θ 角度
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D