(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20221003BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221003BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221003BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20221003BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221003BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
G09F9/00 351
H01L27/32
H05B33/02
H05B33/14 A
H05B33/14 Z
(21)【出願番号】P 2021176439
(22)【出願日】2021-10-28
(62)【分割の表示】P 2020151741の分割
【原出願日】2015-07-23
【審査請求日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】P 2014155999
(32)【優先日】2014-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】吉住 健輔
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3029852(JP,U)
【文献】実開平03-086388(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0302772(US,A1)
【文献】特開2006-113581(JP,A)
【文献】特開2004-190476(JP,A)
【文献】特開2004-279867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
G09F9/00-9/46
13/00-13/46
H01L27/32
51/50
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H05K5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、複数の支持部材と、を有する表示装置であって、
前記表示パネルは、可撓性を有し、
前記複数の支持部材は、帯状の形状を有し、且つ前記表示パネルの裏面に間隔をあけて並べて配置され、
前記表示パネルは、表示面が湾曲状態となる状態を有し、
前記表示面が湾曲状態となる状態において、前記表示面が内向きに湾曲する領域と前記表示面が外向きに湾曲する領域とを交互に有し、
前記表示面が内向きに湾曲する領域の曲率半径
は、前記表示面が外向きに湾曲する領域の曲率半径
よりも小さい表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明
の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発
明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション
・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発
明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置
、記憶装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることが
できる。
【背景技術】
【0003】
近年、表示装置の大型化が求められている。例えば、一般家庭においても対角40イン
チ以上の大きさの表示パネルを有するテレビジョン装置が普及し、今後さらに大型化が進
む様相を呈している。
【0004】
また、表示装置は様々な用途への応用も期待されており、その形態の多様化が進められ
ている。
【0005】
表示装置としては、代表的には液晶表示装置、有機EL(Electro Lumin
escense)素子や発光ダイオード(LED:Light Emitting Di
ode)等の発光素子を備える発光装置、電気泳動方式などにより表示を行う電子ペーパ
などが挙げられる。
【0006】
例えば、有機EL素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の有機化合物を含む層
を挟持したものである。この素子に電圧を印加することにより、発光性の有機化合物から
発光を得ることができる。このような有機EL素子が適用された表示装置は、液晶表示装
置等で必要であったバックライトが不要なため、薄型、軽量、高コントラストで且つ低消
費電力な表示装置を実現できる。
【0007】
また、特許文献1には、フィルム基板上にスイッチング素子であるトランジスタや有機
EL素子を備えたフレキシブルなアクティブマトリクス型の発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の一態様は、大型化に適した表示装置を提供することを課題の一とする。または
、省スペースに適した表示装置を提供することを課題の一とする。または、折り畳むこと
のできる表示装置を提供することを課題の一とする。または、信頼性の高い表示装置を提
供することを課題の一とする。
【0010】
または、本発明の一態様は、新規な表示装置、発光装置、照明装置、電子機器等を提供
することを課題の一とする。または、新規な表示装置の使用方法を提案することを課題の
一とする。
【0011】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。本発明の一態様
は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。また、上記以外の課題は、明
細書等の記載から自ずと明らかになるものであり、明細書等の記載から上記以外の課題を
抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、表示パネルと、固定部と、複数の支持部材と、コードと、巻き取り
機構と、を有する表示装置である。表示パネルは、可撓性を有する。固定部は、表示パネ
ルの一部を支持する機能を有する。複数の支持部材は、帯状の形状を有し、且つ表示パネ
ルの裏面に間隔をあけて並べて配置されている。複数の支持部材の各々は、固定部と略平
行な向きに配置されている。コードは、複数の支持部材のうち、固定部から最も離れた一
と接続される。巻き取り機構は、コードを巻き取る機能を有する。また、表示パネルは表
示面が平面状態となる第1の状態と、表示面が折り畳まれた状態となる第2の状態と、を
有する。さらに表示装置は、巻き取り機構により、固定部と、固定部から最も離れた支持
部材との距離を変化させ、第1の状態と第2の状態とに表示パネルの状態を変化させる機
能を有することを特徴とする。
【0013】
また、上記において、第2の状態における、表示パネルの湾曲部の最も小さい曲率半径
が、1mm以上50mm以下であることが好ましい。
【0014】
また、上記において、支持部材と、表示パネルとの間に、緩衝材を有することが好まし
い。また当該緩衝材は、弾性を有し、且つ支持部材の短辺方向の幅よりも大きいことが好
ましい。
【0015】
また、上記において、支持部材の厚さが、1mm以上30mm以下であることが好まし
い。
【0016】
また、上記において、第1の状態における、隣接する2つの支持部材の間隔が、支持部
材それぞれの短辺方向の幅よりも大きいことが好ましい。
【0017】
また、上記において、第2の状態における、支持部材の短辺方向と、支持部材の変位方
向との角度が、10度以上90度未満であることが好ましい。
【0018】
また、上記において、支持部材の短辺方向と、支持部材の変位方向との角度を調整する
調整機構を有することが好ましい。
【0019】
また、上記において、固定部は、表示パネルと電気的に接続する回路を有することが好
ましい。また、固定部は、アンテナ、無線受信機、無線送信機、バッテリ、演算装置、及
び記憶装置のうち少なくとも一を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様によれば、大型化に適した表示装置を提供できる。または、省スペース
に適した表示装置を提供できる。または、折り畳むことのできる表示装置を提供できる。
または、信頼性の高い表示装置を提供できる。
【0021】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の
一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果
は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図
面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図7】実施の形態に係る、表示装置の適用例を説明する図。
【
図8】実施の形態に係る、発光パネルの一例を示す図。
【
図9】実施の形態に係る、発光パネルの一例を示す図。
【
図10】実施の形態に係る、発光パネルの作製方法例を説明する図。
【
図11】実施の形態に係る、発光パネルの作製方法例を説明する図。
【
図12】実施の形態に係る、タッチパネルの一例を示す図。
【
図13】実施の形態に係る、タッチパネルの一例を示す図。
【
図14】実施の形態に係る、タッチパネルの一例を示す図。
【
図15】実施の形態に係る、タッチパネルの一例を示す図。
【
図16】タッチセンサのブロック図及びタイミングチャート図。
【
図18】実施の形態に係る、積層パネルを説明する図。
【
図19】実施の形態に係る、積層パネルを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定
されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更
し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態
の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0024】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には
同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様
の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0025】
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、
明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されな
い。
【0026】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避ける
ために付すものであり、数的に限定するものではない。
【0027】
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に
応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電
膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という
用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
【0028】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置の構成例について、図面を参照して説明
する。
【0029】
本発明の一態様の表示装置は、可撓性を有する表示パネルの裏面に、帯状の形状を有す
る複数の支持部材が離間して設けられた表示装置である。また表示パネルの上部は固定部
により固定されている。また複数の支持部材のうち、固定部から最も離れて位置する支持
部材は、コードと接続されている。コードの一端は巻き取り機構に接続され、当該巻き取
り機構はコードを巻き取ること、及びコードを引き出すことができる。
【0030】
表示装置は、例えば表示パネルを吊り下げるように設置することができる。例えば表示
パネルの表示面が略平面である状態(第1の状態)とすることができる。このとき、コー
ドを巻き取ることによって固定部から最も離れて位置する支持部材を固定部側に移動させ
ることができる。そして複数の支持部材間に位置する表示パネルが湾曲し、表示パネルが
折り畳まれた状態(第2の状態)に変形することができる。また、コードを引き出すこと
により、第2の状態から第1の状態に変形することができる。すなわち表示パネルの状態
を第1の状態と第2の状態の間で変化させることができる。
【0031】
また、コードは複数の支持部材のそれぞれが一方向にのみ移動するように、ガイドとし
ての機能を有することが好ましい。こうすることで、表示パネルを折り畳んだ状態におい
て、各支持部材が略平行に積み重なった状態となる。また、コードは支持部材の角度を調
整する機能を有していることが好ましい。
【0032】
このような構成とすることで、隣り合う2つの支持部材の間に位置する表示パネルは、
2つの支持部材の相対的な位置に応じて、自動的に(自然に)最適な曲率半径で湾曲した
状態となる。そのため、表示パネルに無理な外力が加わらず、表示パネルが屈曲するなど
して破損することを抑制することができる。
【0033】
上記構成とすることで、固定部から最も離れた支持部材を、コードにより一方向に変位
させるだけで、表示パネルを最適な曲率半径を維持しながら折り畳むことができる。また
、上述のように支持部材の角度を調整することにより、表示パネルの湾曲形状をより精密
に制御することができるため好ましい。
【0034】
また、支持部材と表示パネルの間に、弾性を有する緩衝材を備えることが好ましい。緩
衝材の幅を、帯状の支持部材の幅よりも大きくすることで、表示パネルの支持部材が設け
られた領域と、設けられない領域の境界部分で、表示パネルが屈曲してしまうことを抑制
することができる。特に、緩衝材は支持部材から遠いほどその復元力が小さくなるような
形状または材質とすることが好ましい。例えば緩衝材の形状を、支持部材と離れるほど厚
さが薄くなるような形状とする。こうすることで、表示パネルが支持部材の端部近傍で屈
曲してしまうような不具合をより効果的に抑制することができる。
【0035】
また、支持部材が厚いほど、表示パネルが湾曲したときの曲率半径を大きくすることが
でき、破損を防止することができる。
【0036】
また、複数の支持部材は、等間隔に配置することが好ましい。特に、2つの支持部材の
間隔を、支持部材の幅よりも大きく設定することが好ましい。支持部材の間隔が大きいほ
ど、表示パネルが湾曲できる面積が増大するため、表示パネルにかかる応力を分散させる
ことができるとともに、表示パネルが湾曲した時の曲率半径を大きくすることができる。
【0037】
また表示パネルを固定する固定部には、例えば表示パネルに電源電位や信号を供給する
回路が組み込まれていてもよい。また、固定部を上方に配置すると、重力を利用した吊り
下げ型の表示装置とすることができるが、これに限られず、固定部の配置方法により、様
々な形態とすることができる。例えば、表示パネルを横方向(水平方向)に折り畳むよう
な配置とすることもできる。このとき、表示パネルを展開するときには、表示パネルを横
方向に引っ張る機構を備える構成とすることができる。
【0038】
本発明の一態様の表示装置は、使用するときには表示面が平面な状態とし、使用しない
ときには表示面を折り畳むことにより、表示パネルを収納することができる。したがって
、従来の据え置き型のテレビジョン装置等のように設置場所を確保する必要がなくなる。
また、表示パネルに軽量なフレキシブルパネルを適用するため、表示パネルを折り畳んだ
状態で持ち運ぶことも容易である。また、例えば投影型の表示装置(プロジェクタともい
う)の場合では、スクリーンと本体の両方が必要であり、また大きな映像を得るためには
、スクリーンと本体とをある程度離す必要がある。一方本発明の一態様の表示装置では、
それ自体に映像を表示することができるために、狭い部屋であっても大きな映像を表示す
ることができる。また、表示面を折り畳んだ状態ではコンパクトになるため、例えばドレ
ープ等で隠すことも容易であり、あたかも表示装置のない部屋のように見せることができ
、よりすっきりとしたインテリアを実現することができる。
【0039】
また、本発明の一態様の表示装置は、固定部の位置や向きを変えずに表示パネルを折り
畳んで収納することができる。ここで、例えば表示パネル自体を上部に巻き取ることによ
り、コンパクトに収納する構成を考えた場合、巻き取る軸となる部分が本発明の一態様の
固定部に相当する。そのため、固定部を回転させる機構を追加する必要がある。さらに固
定部内に表示パネルを駆動する回路等を設け、外部と固定部、及び固定部と表示パネルと
を電気的に接続するコネクタ等を備える構成とした場合には、このようなコネクタが、固
定部を回転したときにも電気的な接続を保てる機構が必要となるため構成が複雑化し、ま
た故障の原因ともなりうる。一方、本発明の一態様では、このような回転機構が不要であ
り、極めて単純な構成で表示パネルをコンパクトに収納することが可能である。
【0040】
本発明の一態様は、より具体的には、例えば以下のような構成とすることができる。
【0041】
[構成例]
図1(A)~(C)に、本発明の一態様の表示装置10の斜視概略図を示す。
図1(A
)は、表示面が平面状態である状態であり、
図1(C)は表示面が折り畳まれた状態であ
り、
図1(B)は、
図1(A)と
図1(C)の間の状態を示している。
【0042】
表示装置10は、表示パネル100、固定部102、支持部材103a、103b、コ
ード104、及び巻き取り機構105等を有する。表示パネル100は表示部101を有
する。
【0043】
なお、ここでは一例として表示パネル100を吊り下げた状態で使用する表示装置10
の例を示すが、その上下関係に限定されず、横置きにして用いることもできる。また、こ
こでは表示パネル100の表示部101を、縦方向(固定部102の長辺に垂直な方向)
が長辺方向となるように示しているが、これに限られない。例えば表示部101は、表示
部101の横方向(固定部102の長辺に平行な方向)が長辺方向となるような形態であ
ってもよいし、正方形でもよい。
【0044】
表示パネル100は、可撓性を有する。したがって、表示面が平面である状態から、曲
面を有する状態に可逆的に表示パネル100を変形することが可能である。例えば表示パ
ネル100を表示面が内側になるように曲げる(内曲げ)ことや、表示面が外側になるよ
うに曲げる(外曲げ)ことができる。したがって、表示パネル100を折り畳むことが可
能となる。表示パネル100は、支持部材103a、103bに支持される部分は可撓性
を有していなくてもよい。
【0045】
固定部102は、表示パネル100の上部を固定し、表示パネル100を吊り下げる機
能を有する。固定部102を例えば部屋の壁等に設置してもよいし、固定部102をフレ
ーム等に固定して、持ち運びが可能な構成としてもよい。
【0046】
固定部102と表示パネル100とは、相対的な位置がずれないように固定されている
ことが好ましい。例えば固定部102と表示パネル100とをネジやリベット等で固定し
てもよいし、これらを接着剤等で接着してもよい。また固定部102が表示パネル100
を挟むような構成としてもよい。
【0047】
また、固定部102内には、表示パネル100に電気的に接続するFPC(Flexi
ble Printed Circuit)等が配置される。ここで、固定部102内に
、当該FPCと電気的に接続するコネクタや配線が設けられていることが好ましい。さら
に、固定部102は、表示パネル100に信号や電圧を供給する回路を備えることが好ま
しい。そのほか、固定部102にアンテナ、無線受信機、無線送信機、電源供給線、バッ
テリ、演算装置や記憶装置などのICが実装されたプリント基板、外部接続ポートなどの
うち、1以上を有する構成としてもよい。
【0048】
支持部材103a、103bは、表示パネル100の表示部101側の面とは反対側に
設けられ、表示パネル100を支持する機能を有する。支持部材103a、103bは、
帯状の形状を有する。支持部材103a、103bは、それぞれ短辺方向に並べて、且つ
間隔をあけて配置されている。ここで、表示面が平面な状態のときの、固定部102から
最も離れて位置する支持部材を支持部材103aとし、それ以外の支持部材を支持部材1
03bとして説明する。また、支持部材103a、支持部材103bのそれぞれ表示パネ
ル100と重なる面における長い辺を長辺、短い辺を短辺と呼ぶ。また支持部材103a
、支持部材103bの表示パネル100と重なる面に垂直な方向を厚さ方向と呼ぶ。
【0049】
支持部材103a、103bと、表示パネル100とは、例えば接着剤等で接着されて
いることが好ましい。または、粘着性の部材によりこれらが固定されていてもよい。支持
部材103a、103bと、表示パネル100とが固定されている面積が大きいと、これ
らが剥がれてしまうなどの不具合を抑制できるため好ましい。
【0050】
支持部材103a、103bとしては、少なくとも表示パネル100よりも可撓性の低
い材料、または剛性の高い材料を用いることができる。また、支持部材103a、103
bに、表示パネル100の重量密度よりも小さい重量密度の材料を用いると、支持部材1
03a、103bの重量により表示パネル100が破損してしまう不具合を抑制できる。
支持部材103a、103bに用いる材料は、特に限定されないが、例えば金属、合金、
木、紙、合成樹脂、ガラス、ゴム、セラミック等の様々な材料を用いることができる。特
にプラスチックや、チタンを含む合金等を用いると、軽量なため好ましい。また支持部材
103a、103bは、その一部に孔があけられた構造、または内部に空洞を有する構造
とするなどして軽量化されていてもよい。また、支持部材103a、103bは、少なく
とも表示パネル100を支持する部分に平坦面を有していればよく、その他の部分は凹凸
を有していてもよい。
【0051】
コード104は、少なくとも支持部材103aと接続する。表示装置10は2つ以上の
コード104を有し、支持部材103aの両端部にそれぞれ接続する構成とすることで、
支持部材103aの長辺方向が傾くことなく、鉛直方向に対して略垂直方向になるように
、支持部材103aを支持することができる。
【0052】
支持部材103aとコード104とは、例えば接着剤等で固定されていてもよいし、支
持部材103aにコード104を結びつけるなどして固定してもよい。また、支持部材1
03aに貫通孔を設け、当該貫通孔にコード104を通した後に貫通孔の径よりも大きな
部材をコード104に接続してコード104が抜けないようにしてもよい。
【0053】
また、コード104の上部には巻き取り機構105を有する。巻き取り機構105によ
り、コード104を巻き取ることで、支持部材103aを上側(固定部102側)に移動
させることができる。また巻き取り機構105によりコード104を引き出すことにより
、支持部材103aを重力によって下側(固定部102とは反対側)に移動させることが
できる。
【0054】
巻き取り機構105は、コード104を巻き取る機能を有すればよく、様々な構成を取
りうる。例えば、巻き取り機構105は、少なくともコード104に固定される回転軸を
有する構成とすればよい。また、巻き取り機構105としては、後述する巻き取りコード
等を引くことによりコード104を巻き取る構成としてもよいし、モータなどを備え、電
気的にコード104を巻き取る構成としてもよい。このとき、無線受信機等を設け、リモ
ートコントローラで操作できる構成としてもよい。
【0055】
また、ここでは巻き取り機構105と固定部102を別々に示しているが、これらが一
つの筐体内に収まる構成としてもよい。
【0056】
巻き取り機構105により、コード104を巻き取ることで、
図1(A)に示す状態か
ら
図1(B)に示す状態を経て、
図1(C)に示す状態に表示装置10を変形させること
ができる。反対に巻き取り機構105により、コード104を引き出すことにより、
図1
(C)に示す状態から、
図1(B)に示す状態を経て、
図1(A)に示す状態に表示装置
10を変形させることができる。すなわち巻き取り機構105により表示パネル100の
状態を
図1(A)の状態と
図1(C)の状態の間で変化させることができる。
【0057】
巻き取り機構105によりコード104を巻き取ると、支持部材103aが上側に移動
する。このとき、支持部材103aと、支持部材103aと隣接する支持部材103bと
の距離が小さくなることに応じて、表示パネル100が湾曲する。このとき、表示パネル
100にかかる外力は支持部材103aと支持部材103bとが近づくことに起因する力
や重力等が支配的であり、そのほかの外力がかからないため、表示パネル100は2つの
支持部材間の相対的な位置に応じて、自然な形状になるように湾曲する。したがって、表
示パネル100に無理な外力が加わることで、表示パネル100の許容される曲率半径を
超えて湾曲する(または屈曲する)ことにより表示パネル100が破損してしまうことを
抑制できる。
【0058】
また、
図1(B)に示すように、支持部材103aが移動することに応じて、他の支持
部材103bは自然に支持部材103aに折り重なる。このとき、各支持部材間の距離は
、表示パネル100が湾曲したときに元の形状に戻る力(復元力ともいう)によって、一
定の距離が保持される。したがって、支持部材同士が接近しすぎることが抑制され、表示
パネル100の破損を防ぐことができる。なお、支持部材103bの重量に対して、表示
パネル100の復元力が小さい場合には、支持部材103b同士、または支持部材103
aと支持部材103bとの距離が一定以上近づかないような機構をコード104と支持部
材103bの間に設けることが好ましい。
【0059】
例えば、
図1(A)の状態から、支持部材103aを引き上げると、支持部材103a
と、最も下に位置する支持部材103bとの間の表示パネル100の一部が湾曲する。さ
らに支持部材103aが引き上げられる距離が大きくなるにつれ、表示パネル100の曲
率が大きくなり、これに応じて表示パネル100の復元力が増大する。ここで、支持部材
103bはコード104に固定されておらず、上下方向に動くことができるため、表示パ
ネル100の復元力により、最も下に位置する支持部材103bが持ち上がる。その後同
様にして、最も下に位置する支持部材103bと、その次に位置する支持部材103bと
の間の表示パネル100の一部が湾曲する。このように、コード104によって支持部材
103aを引き上げることにより、
図1(A)の状態から
図1(B)の状態を経て
図1(
C)の状態に表示パネル100を変形することができる。ここで、表示パネル100を吊
り下げた状態では、表示パネル100の湾曲した部分の曲率半径は、重力の影響により下
側に近いほど小さくなる場合がある。
【0060】
また、
図1の各図に示すように、コード104が支持部材103aで折り返される形態
とし、コード104の2つの部分により各支持部材103bを挟み込む構成とすることが
好ましい。こうすることで、各支持部材103が上下方向にのみ移動するように、コード
104をガイドとして機能させることができる。
【0061】
また、
図1の各図に示すように、コード104を帯状の形状とすると、支持部材103
a及び支持部材103bをより安定して保持することができる。コード104の幅は、例
えば2mm以上100mm以下、好ましくは5mm以上50mm以下、より好ましくは1
0mm以上50mm以下とすることができる。または、支持部材103aまたは支持部材
103bの厚さよりもコード104の幅を厚くすることが好ましい。特にコード104の
幅を5mm以上にすると、支持部材103aまたは支持部材103bが回転してしまうな
どの不具合を抑制できる。
【0062】
なお、コード104の形態はこれに限られず、例えば、コード104に紐状の材料を用
い、支持部材103bに設けられた貫通孔に通す形態としてもよい。この場合でもコード
104は支持部材103bのガイドとして機能させることができる。またこの時、紐状の
コード104の一方の端部を支持部材103aに接続し、他方の端部を巻き取り機構10
5と接続する構成とし、コード104を折り返さないようにしてもよい。
【0063】
また、巻き取り機構105は、折り返されたコード104の2つの端部のうち一方を先
に巻き取ることにより、支持部材103aの角度を調整することができる。例えば、
図1
(A)に示すように、表示パネル100の表示面が平面の状態のときには、支持部材10
3aの短辺方向が鉛直方向になるようにし、
図1(B)、(C)に示すように、表示パネ
ル100の表示面を折り畳むときに、支持部材103aの短辺方向と鉛直方向との角度が
0度よりも大きく90度以下になるように、調整することができる。支持部材103aの
角度を90度に近い角度にすることで、表示パネル100を折り畳んだ時によりコンパク
トにすることができる。
【0064】
コード104としては、例えば表示パネル100よりも可撓性の高い(または柔軟性の
高い)材料を用いることができる。コード104としては、例えば繊維状の材料を用いる
と、巻き取りが容易になるため好ましい。コード104に用いることのできる材料は特に
限られないが、例えば天然繊維、合成繊維、紙、合成樹脂、ゴム、繊維状の金属または合
金等の様々な材料を用いることができる。また、
図1等ではコード104として帯状の形
状としたが、コード104は巻き取り機構105で巻き取ることのできる形態とすればよ
く、帯状に限られず紐状、糸状、チェーン状など、様々な形態とすることができる。
【0065】
図2(A1)は、
図1(B)に示した状態の表示装置10を側面側から見た概略図であ
り、
図2(A2)は、
図2(A1)中の一点鎖線で囲った領域の拡大図である。また、図
2(B1)は、
図1(C)に示した状態の表示装置10を側面側から見た概略図であり、
図2(B2)は、
図2(B1)中の一点鎖線で囲った領域の拡大図である。
【0066】
図2(A2)に示すように、表示パネル100が平面である領域において、2つの支持
部材103bは間隔D離れて配置されている。このとき、2つの支持部材103bの間隔
、及び支持部材103bと支持部材103aの間隔をそれぞれ等間隔に配置することが好
ましい。または、上側(固定部102側)に近いほど、間隔が大きくなるように配置して
もよいし、下側に近いほど間隔が大きくなるように配置してもよい。
【0067】
2つの支持部材103bの間隔Dは、支持部材103bの短辺方向の幅Wよりも大きい
ことが好ましい。例えば、幅Wに対する間隔Dの比(D/W)が1よりも大きく30以下
、好ましくは1.5以上20以下、より好ましくは2以上15以下とすることができる。
間隔Dが大きいほど、表示パネル100を折り畳んだ時に表示パネル100の湾曲形状の
自由度が高まるため、表示パネル100の破損を抑制することができる。一方間隔Dを小
さくするほど、表示パネル100を折り畳んだときにコンパクトにすることができる。な
お、支持部材103aと支持部材103bの間隔についても、上記間隔Dと同様である。
また、2つの支持部材103bの間隔D、または支持部材103aと支持部材103bの
間隔を小さくする場合には、支持部材103bの数を増やして密に配置することが好まし
い。
【0068】
また支持部材103bの厚さTは、1mm以上30mm以下、好ましくは2mm以上2
0mm以下、より好ましくは3mm以上15mm以下とすることが好ましい。支持部材1
03bが厚いほど、表示パネルが湾曲したときの曲率半径を大きくすることができ、破損
を防止することができる。なお、支持部材103aは、支持部材103bと異なる厚さと
してもよいし、同じ部材を用いてもよい。最も下側に位置する支持部材103aには、装
飾が施されていてもよい。
【0069】
また、
図2(B2)に示すように、表示パネル100が折り畳まれた部分では、表示パ
ネル100は表示面が内向きに湾曲した部分と外向きに湾曲した部分とが交互に位置する
ような形状となっている。ここで、表示パネル100が折り畳まれた状態において、表示
パネルの湾曲部のうち最も大きい曲率で湾曲している部分の曲率半径Rが、1mm以上5
0mm以下、好ましくは2mm以上30mm以下、より好ましくは4mm以上20mm以
下であることが好ましい。
【0070】
また、表示パネル100が折り畳まれた状態において、支持部材103aが所定の角度
になるように調整されていることが好ましい。例えば
図2(B2)に示すように、帯状の
支持部材103aの短辺方向O1と、鉛直方向O2との角度がθであるとする。このとき
、角度θは0度よりも大きく90度以下、好ましくは10度以上90度未満、より好まし
くは30度以上90度未満とすることができる。角度θが大きいほど、表示パネル100
をコンパクトに折り畳むことができる。なお、ここで示した鉛直方向O2は、支持部材1
03aがコード104によって移動する方向(変位方向)と平行である。
【0071】
ここで、表示パネル100と支持部材103aまたは103bとの間には、弾性を有す
る緩衝材を設けることが好ましい。
図3(A1)は、緩衝材106を設けた場合における
、支持部材103bの端部近傍の拡大図である。なお以下の説明は支持部材103aにつ
いても同様である。
【0072】
緩衝材106は、少なくとも表示パネル100よりも可撓性が低く、且つ支持部材10
3aまたは支持部材103bよりも可撓性の高い材料を用いることが好ましい。また、緩
衝材106は、変形させた状態から元の状態に戻る力(復元力)が、表示パネル100よ
りも大きい材料を好適に用いることができる。緩衝材106としては、ゴムなどの弾性体
や、板バネとしての機能を有する金属板などを好適に用いることができる。これらの材料
の厚さを最適化して、所望の復元力を得ることができる。
【0073】
緩衝材106を適用すると、
図3(A2)に示すように、表示パネル100と緩衝材1
06とが重なる部分P1では、緩衝材106と重ならない部分P2よりも表示パネル10
0が小さい曲率で湾曲する。したがって、表示パネル100が支持部材103bの端部で
屈曲してしまうなどの不具合を効果的に抑制することができる。
【0074】
また、緩衝材106は、支持部材103bから遠いほどその復元力が小さくなるような
形状、または材質とすることが好ましい。例えば、
図3(B1)に示すように、緩衝材1
06の形状を、支持部材103bから遠いほど、薄い形状とすることができる。このとき
、
図3(B2)に示すように、表示パネル100の緩衝材106と重なる部分P3では、
支持部材103bから離れるほど曲率が連続的に大きくなる(曲率半径が小さくなる)よ
うな湾曲形状となる。また、表示パネル100の緩衝材106と重ならない部分P4では
、領域P3よりも大きい曲率で湾曲する。この時、緩衝材106の端部の角度が鋭角であ
るほど(すなわち当該角度が小さいほど)、領域P3と領域P4の間で曲率が連続的にな
るため好ましい。
【0075】
また、
図4(A)に示すように、支持部材103bに近い部分には緩衝材106aを設
け、遠い部分には、緩衝材106aよりも復元力の小さい緩衝材106bを設ける構成と
してもよい。また、
図4(B)に示すように、緩衝材106aと緩衝材106bとを積層
し、緩衝材106aよりも緩衝材106bの幅を大きくするような構成としてもよい。な
おここでは復元力の異なる2つの緩衝材を用いたが、復元力の異なる3以上の緩衝材を用
いてもよいし、同じ復元力の2以上の緩衝材を積層して用いてもよい。
【0076】
以上が構成例についての説明である。
【0077】
[変形例]
上記構成例では、コード104により固定部102から最も離れた支持部材103aを
引き上げることで表示パネル100を折り畳む構成としたが、支持部材103aに加えて
複数の支持部材103bのそれぞれを同時に引き上げる構成としてもよい。その場合の例
を
図5(A)、(B)に示す。
図5(A)は、表示パネル100を折り畳む途中の段階の
斜視概略図であり、
図5(B)は、表示パネル100を折り畳んだ状態における斜視概略
図である。
【0078】
なお、
図5(A)、(B)では明瞭化のためコード104等を明示していないが、コー
ド104と、支持部材103a及び各々の支持部材103bとの接続関係は、構成例のコ
ード104と支持部材103aの接続関係を援用することができる。すなわち、支持部材
103a及び複数の支持部材103bの各々を接続する複数のコードを有する構成とすれ
ばよい。
【0079】
また、
図6(A)(B)に示すように、隣接する2つの支持部材を、互いに反対側に傾
けるように角度を調整して、表示パネル100を折り畳む構成としてもよい。
【0080】
以上が変形例についての説明である。
【0081】
[適用例]
図7(A)に、室内の壁15に、本発明の一態様の表示装置10を設置した例を示す。
図7(A)、(B)では、表示装置10の巻き取り機構(図示しない)と連動した巻き取
りコード11を有する構成を示している。巻き取りコード11を引くことにより、表示装
置10の表示パネルを折り畳んだ状態と、表示パネルの表示面が平面である状態とに変形
させることができる。また、表示装置10の上部には固定部(図示しない)を収納するカ
バー16が設けられ、表示パネルを折り畳んで収納することができる。
図7(B)には、
表示装置をカバー16内に収納した状態を示す。表示装置10を使用しないときには、図
7(B)に示すようにカバー16により表示パネルが折り畳まれた状態の表示装置10全
体が隠され、よりすっきりとしたインテリアを実現できる。
【0082】
また、
図7(A)(B)には、本発明の一態様の表示装置10を有するテーブル20を
示している。またテーブル20の断面概略図を
図7(C)(D)に示す。テーブル20は
、筐体21の内部に表示装置10を有し、また筐体21の上面には透光性のカバー22を
有する。カバー22には、例えばガラスやプラスチックなどを用いればよい。
図7(C)
に示すように、表示装置10の表示面が平面である状態のとき、カバー22を介して表示
面に表示される画像を見ることができる。また、表示装置10を使用しない場合には、図
7(D)に示すようにカバー22に覆われていない部分に表示装置10の表示パネルを折
り畳んで収納することで、通常のテーブルとして用いることができる。
【0083】
ここでは、室内の壁やテーブルの内部に本発明の一態様の表示装置を設置した例を示す
が、これに限られず様々な場所に配置することができる。例えば、一般家庭や会議室等の
天井や床、テーブル、柱などに設置してもよい。また、自動車やバス、電車、飛行機等の
移動体のほか、商用施設、宇宙船など、様々なものに設置することができる。また、上述
のように折り畳み可能なフレーム等に表示装置を取り付けることにより、場所を選ばずに
使用することもできる。
【0084】
以上が適用例についての説明である。
【0085】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0086】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置が有する表示パネルに適用可能な発光パ
ネルの構成例及び作製方法例について説明する。
【0087】
[具体例1]
図8(A)に発光パネルの平面図を示し、
図8(A)における一点鎖線A1-A2間の
断面図の一例を
図8(C)に示す。具体例1で示す発光パネルは、カラーフィルタ方式を
用いたトップエミッション型の発光パネルである。本実施の形態において、発光パネルは
、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の副画素で1つの色を表現する構成や、
R(赤)、G(緑)、B(青)、W(白)、またはR(赤)、G(緑)、B(青)、Y(
黄)の4色の副画素で1つの色を表現する構成等が適用できる。色要素としては特に限定
はなく、RGBW以外の色を用いてもよく、例えば、イエロー、シアン、マゼンタなどで
構成されてもよい。
【0088】
図8(A)に示す発光パネルは、発光部804、駆動回路部806、FPC(Flex
ible Printed Circuit)808を有する。発光部804及び駆動回
路部806に含まれる発光素子やトランジスタは基板801、基板803、及び封止層8
23によって封止されている。
【0089】
図8(C)に示す発光パネルは、基板801、接着層811、絶縁層813、複数のト
ランジスタ、導電層857、絶縁層815、絶縁層817、複数の発光素子、絶縁層82
1、封止層823、オーバーコート849、着色層845、遮光層847、絶縁層843
、接着層841、及び基板803を有する。封止層823、オーバーコート849、絶縁
層843、接着層841、及び基板803は可視光を透過する。
【0090】
発光部804は、接着層811及び絶縁層813を介して基板801上にトランジスタ
820及び発光素子830を有する。発光素子830は、絶縁層817上の下部電極83
1と、下部電極831上のEL層833と、EL層833上の上部電極835と、を有す
る。下部電極831は、トランジスタ820のソース電極又はドレイン電極と電気的に接
続する。下部電極831の端部は、絶縁層821で覆われている。下部電極831は可視
光を反射することが好ましい。上部電極835は可視光を透過する。
【0091】
また、発光部804は、発光素子830と重なる着色層845と、絶縁層821と重な
る遮光層847と、を有する。着色層845及び遮光層847はオーバーコート849で
覆われている。発光素子830とオーバーコート849の間は封止層823で充填されて
いる。
【0092】
絶縁層815は、トランジスタを構成する半導体への不純物の拡散を抑制する効果を奏
する。また、絶縁層817は、トランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化機能
を有する絶縁層を選択することが好適である。
【0093】
駆動回路部806は、接着層811及び絶縁層813を介して基板801上にトランジ
スタを複数有する。
図8(C)では、駆動回路部806が有するトランジスタのうち、1
つのトランジスタを示している。
【0094】
絶縁層813と基板801は接着層811によって貼り合わされている。また、絶縁層
843と基板803は接着層841によって貼り合わされている。絶縁層813や絶縁層
843に透水性の低い膜を用いると、発光素子830やトランジスタ820に水等の不純
物が侵入することを抑制でき、発光パネルの信頼性が高くなるため好ましい。
【0095】
導電層857は、駆動回路部806に外部からの信号(ビデオ信号、クロック信号、ス
タート信号、又はリセット信号等)や電位を伝達する外部入力端子と電気的に接続する。
ここでは、外部入力端子としてFPC808を設ける例を示している。工程数の増加を防
ぐため、導電層857は、発光部や駆動回路部に用いる電極や配線と同一の材料、同一の
工程で作製することが好ましい。ここでは、導電層857を、トランジスタ820を構成
する電極と同一の材料、同一の工程で作製した例を示す。
【0096】
図8(C)に示す発光パネルでは、接続体825が基板803上に位置する。接続体8
25は、基板803、接着層841、絶縁層843、封止層823、絶縁層817、及び
絶縁層815に設けられた開口を介して導電層857と接続している。また、接続体82
5はFPC808に接続している。接続体825を介してFPC808と導電層857は
電気的に接続する。導電層857と基板803とが重なる場合には、基板803を開口す
る(又は開口部を有する基板を用いる)ことで、導電層857、接続体825、及びFP
C808を電気的に接続させることができる。
【0097】
具体例1では、耐熱性の高い作製基板上で絶縁層813やトランジスタ820、発光素
子830を作製し、該作製基板を剥離し、接着層811を用いて基板801上に絶縁層8
13やトランジスタ820、発光素子830を転置することで作製できる発光パネルを示
している。また、具体例1では、耐熱性の高い作製基板上で絶縁層843、着色層845
及び遮光層847を作製し、該作製基板を剥離し、接着層841を用いて基板803上に
絶縁層843、着色層845及び遮光層847を転置することで作製できる発光パネルを
示している。
【0098】
基板に、耐熱性が低い材料(樹脂など)を用いる場合、作製工程で基板に高温をかける
ことが難しいため、該基板上にトランジスタや絶縁層を作製する条件に制限がある。また
、基板に透水性が高い材料(樹脂など)を用いる場合、高温をかけて、透水性の低い膜を
形成することが好ましい。本実施の形態の作製方法では、耐熱性の高い作製基板上でトラ
ンジスタ等の作製を行えるため、高温をかけて、信頼性の高いトランジスタや十分に透水
性の低い膜を形成することができる。そして、それらを基板801や基板803へと転置
することで、信頼性の高い発光パネルを作製できる。これにより、本発明の一態様では、
軽量又は薄型であり、且つ信頼性の高い発光パネルを実現できる。作製方法の詳細は後述
する。
【0099】
[具体例2]
図8(B)に発光パネルの平面図を示し、
図8(B)における一点鎖線A3-A4間の
断面図の一例を
図8(D)に示す。具体例2で示す発光パネルは、具体例1とは異なる、
カラーフィルタ方式を用いたトップエミッション型の発光パネルである。ここでは、具体
例1と異なる点のみ詳述し、具体例1と共通する点は説明を省略する。
【0100】
図8(D)に示す発光パネルは、
図8(C)に示す発光パネルと下記の点で異なる。
【0101】
図8(D)に示す発光パネルは、絶縁層821上にスペーサ827を有する。スペーサ
827を設けることで、基板801と基板803の間隔を調整することができる。
【0102】
また、
図8(D)に示す発光パネルは、基板801と基板803の大きさが異なる。接
続体825が絶縁層843上に位置し、基板803と重ならない。接続体825は、絶縁
層843、封止層823、絶縁層817、及び絶縁層815に設けられた開口を介して導
電層857と接続している。基板803に開口を設ける必要がないため、基板803の材
料が制限されない。
【0103】
[具体例3]
図9(A)に発光パネルの平面図を示し、
図9(A)における一点鎖線A5-A6間の
断面図の一例を
図9(C)に示す。具体例3で示す発光パネルは、塗り分け方式を用いた
トップエミッション型の発光パネルである。
【0104】
図9(A)に示す発光パネルは、発光部804、駆動回路部806、FPC808を有
する。発光部804及び駆動回路部806に含まれる発光素子やトランジスタは基板80
1、基板803、枠状の封止層824、及び封止層823によって封止されている。
【0105】
図9(C)に示す発光パネルは、基板801、接着層811、絶縁層813、複数のト
ランジスタ、導電層857、絶縁層815、絶縁層817、複数の発光素子、絶縁層82
1、封止層823、枠状の封止層824、及び基板803を有する。封止層823及び基
板803は可視光を透過する。
【0106】
枠状の封止層824は、封止層823よりもガスバリア性が高い層であることが好まし
い。これにより、外部から水分や酸素が発光パネルに侵入することを抑制できる。したが
って、信頼性の高い発光パネルを実現することができる。
【0107】
具体例3では、封止層823を介して発光素子830の発光が発光パネルから取り出さ
れる。したがって、封止層823は、枠状の封止層824に比べて透光性が高いことが好
ましい。また、封止層823は、枠状の封止層824に比べて屈折率が高いことが好まし
い。また、封止層823は、枠状の封止層824に比べて硬化時の体積の収縮が小さいこ
とが好ましい。
【0108】
発光部804は、接着層811及び絶縁層813を介して基板801上にトランジスタ
820及び発光素子830を有する。発光素子830は、絶縁層817上の下部電極83
1と、下部電極831上のEL層833と、EL層833上の上部電極835と、を有す
る。下部電極831は、トランジスタ820のソース電極又はドレイン電極と電気的に接
続する。下部電極831の端部は、絶縁層821で覆われている。下部電極831は可視
光を反射することが好ましい。上部電極835は可視光を透過する。
【0109】
駆動回路部806は、接着層811及び絶縁層813を介して基板801上にトランジ
スタを複数有する。
図9(C)では、駆動回路部806が有するトランジスタのうち、1
つのトランジスタを示している。
【0110】
絶縁層813と基板801は接着層811によって貼り合わされている。絶縁層813
に透水性の低い膜を用いると、発光素子830やトランジスタ820に水等の不純物が侵
入することを抑制でき、発光パネルの信頼性が高くなるため好ましい。
【0111】
導電層857は、駆動回路部806に外部からの信号や電位を伝達する外部入力端子と
電気的に接続する。ここでは、外部入力端子としてFPC808を設ける例を示している
。また、ここでは、導電層857を、トランジスタ820を構成する電極と同一の材料、
同一の工程で作製した例を示す。
【0112】
図9(C)に示す発光パネルでは、接続体825が基板803上に位置する。接続体8
25は、基板803、封止層823、絶縁層817、及び絶縁層815に設けられた開口
を介して導電層857と接続している。また、接続体825はFPC808に接続してい
る。接続体825を介してFPC808と導電層857は電気的に接続する。
【0113】
具体例3では、耐熱性の高い作製基板上で絶縁層813やトランジスタ820、発光素
子830を作製し、該作製基板を剥離し、接着層811を用いて基板801上に絶縁層8
13やトランジスタ820、発光素子830を転置することで作製できる発光パネルを示
している。耐熱性の高い作製基板上でトランジスタ等の作製を行えるため、高温をかけて
、信頼性の高いトランジスタや十分に透水性の低い膜を形成することができる。そして、
それらを基板801へと転置することで、信頼性の高い発光パネルを作製できる。これに
より、本発明の一態様では、軽量又は薄型であり、且つ信頼性の高い発光パネルを実現で
きる。
【0114】
[具体例4]
図9(B)に発光パネルの平面図を示し、
図9(B)における一点鎖線A7-A8間の
断面図の一例を
図9(D)に示す。具体例4で示す発光パネルは、カラーフィルタ方式を
用いたボトムエミッション型の発光パネルである。
【0115】
図9(D)に示す発光パネルは、基板801、接着層811、絶縁層813、複数のト
ランジスタ、導電層857、絶縁層815、着色層845、絶縁層817a、絶縁層81
7b、導電層816、複数の発光素子、絶縁層821、封止層823、及び基板803を
有する。基板801、接着層811、絶縁層813、絶縁層815、絶縁層817a、及
び絶縁層817bは可視光を透過する。
【0116】
発光部804は、接着層811及び絶縁層813を介して基板801上にトランジスタ
820、トランジスタ822、及び発光素子830を有する。発光素子830は、絶縁層
817上の下部電極831と、下部電極831上のEL層833と、EL層833上の上
部電極835と、を有する。下部電極831は、トランジスタ820のソース電極又はド
レイン電極と電気的に接続する。下部電極831の端部は、絶縁層821で覆われている
。上部電極835は可視光を反射することが好ましい。下部電極831は可視光を透過す
る。発光素子830と重なる着色層845を設ける位置は、特に限定されず、例えば、絶
縁層817aと絶縁層817bの間や、絶縁層815と絶縁層817aの間等に設ければ
よい。
【0117】
駆動回路部806は、接着層811及び絶縁層813を介して基板801上にトランジ
スタを複数有する。
図9(C)では、駆動回路部806が有するトランジスタのうち、2
つのトランジスタを示している。
【0118】
絶縁層813と基板801は接着層811によって貼り合わされている。絶縁層813
に透水性の低い膜を用いると、発光素子830やトランジスタ820、822に水等の不
純物が侵入することを抑制でき、発光パネルの信頼性が高くなるため好ましい。
【0119】
導電層857は、駆動回路部806に外部からの信号や電位を伝達する外部入力端子と
電気的に接続する。ここでは、外部入力端子としてFPC808を設ける例を示している
。また、ここでは、導電層857を、導電層816と同一の材料、同一の工程で作製した
例を示す。
【0120】
具体例4では、耐熱性の高い作製基板上で絶縁層813やトランジスタ820、発光素
子830等を作製し、該作製基板を剥離し、接着層811を用いて基板801上に絶縁層
813やトランジスタ820、発光素子830等を転置することで作製できる発光パネル
を示している。耐熱性の高い作製基板上でトランジスタ等の作製を行えるため、高温をか
けて、信頼性の高いトランジスタや十分に透水性の低い膜を形成することができる。そし
て、それらを基板801へと転置することで、信頼性の高い発光パネルを作製できる。こ
れにより、本発明の一態様では、軽量又は薄型であり、且つ信頼性の高い発光パネルを実
現できる。
【0121】
[具体例5]
図9(E)に具体例1~4とは異なる発光パネルの例を示す。
【0122】
図9(E)に示す発光パネルは、基板801、接着層811、絶縁層813、導電層8
14、導電層857a、導電層857b、発光素子830、絶縁層821、封止層823
、及び基板803を有する。
【0123】
導電層857a及び導電層857bは、発光パネルの外部接続電極としての機能を有し
、FPC等と電気的に接続させることができる。
【0124】
発光素子830は、下部電極831、EL層833、及び上部電極835を有する。下
部電極831の端部は、絶縁層821で覆われている。発光素子830はボトムエミッシ
ョン型、トップエミッション型、又はデュアルエミッション型である。光を取り出す側の
電極、基板、絶縁層等は、それぞれ可視光を透過する。導電層814は、下部電極831
と電気的に接続する。
【0125】
光を取り出す側の基板は、光取り出し構造として、半球レンズ、マイクロレンズアレイ
、凹凸構造が施されたフィルム、光拡散フィルム等を有していてもよい。例えば、樹脂基
板上に上記レンズやフィルムを、該基板又は該レンズもしくはフィルムと同程度の屈折率
を有する接着剤等を用いて接着することで、光取り出し構造を形成することができる。
【0126】
導電層814は必ずしも設ける必要は無いが、下部電極831の抵抗に起因する電圧降
下を抑制できるため、設けることが好ましい。また、同様の目的で、上部電極835と電
気的に接続する導電層を絶縁層821上、EL層833上、又は上部電極835上などに
設けてもよい。
【0127】
導電層814は、銅、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジ
ム、スカンジウム、ニッケル、アルミニウムから選ばれた材料又はこれらを主成分とする
合金材料等を用いて、単層で又は積層して形成することができる。導電層814の膜厚は
、例えば、0.1μm以上3μm以下とすることができ、好ましくは、0.1μm以上0
.5μm以下である。
【0128】
上部電極835と電気的に接続する導電層の材料にペースト(銀ペーストなど)を用い
ると、該導電層を構成する金属が粒状になって凝集する。そのため、該導電層の表面が粗
く隙間の多い構成となり、EL層833が該導電層を完全に覆うことが難しく、上部電極
と該導電層との電気的な接続をとることが容易になり好ましい。
【0129】
具体例5では、耐熱性の高い作製基板上で絶縁層813や発光素子830等を作製し、
該作製基板を剥離し、接着層811を用いて基板801上に絶縁層813や発光素子83
0等を転置することで作製できる発光パネルを示している。耐熱性の高い作製基板上で、
高温をかけて、十分に透水性の低い膜(例えば絶縁層813等)を形成し、基板801へ
と転置することで、信頼性の高い発光パネルを作製できる。これにより、本発明の一態様
では、軽量又は薄型であり、且つ信頼性の高い発光パネルを実現できる。
【0130】
なお、ここでは、表示素子として、発光素子を用いた場合の例を示したが、本発明の一
態様は、これに限定されない。
【0131】
例えば、本明細書等において、表示素子、表示素子を有する装置である表示装置または
表示パネル、発光素子、及び発光素子を有する装置である発光装置は、様々な形態を用い
ること、又は様々な素子を有することができる。表示素子、表示装置、表示パネル、発光
素子又は発光装置は、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)素子(有機物及び無機
物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LED(白色LED、赤色LED、
緑色LED、青色LEDなど)、トランジスタ(電流に応じて発光するトランジスタ)、
電子放出素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、グレーティングライトバルブ(G
LV)、プラズマディスプレイ(PDP)、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカ
ル・システム)を用いた表示素子、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、DMS
(デジタル・マイクロ・シャッター)、MIRASOL(登録商標)、IMOD(インタ
ーフェアレンス・モジュレーション)素子、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉
方式のMEMS表示素子、エレクトロウェッティング素子、圧電セラミックディスプレイ
、カーボンナノチューブを用いた表示素子などの少なくとも一を有している。これらの他
にも、電気的または磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化
する表示媒体を有していてもよい。EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディ
スプレイなどがある。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッ
ションディスプレイ(FED)又はSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surfa
ce-conduction Electron-emitter Display)な
どがある。液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶デ
ィスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプ
レイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。電子インク、電子粉流体(登録商標)、又
は電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパなどがある。なお、半透過
型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、ま
たは、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一
部、または、全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらに、その
場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより
、さらに、消費電力を低減することができる。なお、LEDを用いる場合、LEDの電極
や窒化物半導体の下に、グラフェンやグラファイトを配置してもよい。グラフェンやグラ
ファイトは、複数の層を重ねて、多層膜としてもよい。このように、グラフェンやグラフ
ァイトを設けることにより、その上に、窒化物半導体、例えば、結晶を有するn型GaN
半導体層などを容易に成膜することができる。さらに、その上に、結晶を有するp型Ga
N半導体層などを設けて、LEDを構成することができる。なお、グラフェンやグラファ
イトと、結晶を有するn型GaN半導体層との間に、AlN層を設けてもよい。なお、L
EDが有するGaN半導体層は、MOCVDで成膜してもよい。ただし、グラフェンを設
けることにより、LEDが有するGaN半導体層は、スパッタ法で成膜することも可能で
ある。
【0132】
[材料の一例]
次に、発光パネルに用いることができる材料等を説明する。なお、本明細書中で先に説
明した構成については説明を省略する場合がある。
【0133】
基板には、ガラス、石英、有機樹脂、金属、合金などの材料を用いることができる。発
光素子からの光を取り出す側の基板は、該光に対する透光性を有する材料を用いる。
【0134】
特に、可撓性基板を用いることが好ましい。例えば、有機樹脂や可撓性を有する程度の
厚さのガラス、金属、合金を用いることができる。
【0135】
ガラスに比べて有機樹脂は比重が小さいため、可撓性基板として有機樹脂を用いると、
ガラスを用いる場合に比べて発光パネルを軽量化でき、好ましい。
【0136】
基板には、靱性が高い材料を用いることが好ましい。これにより、耐衝撃性に優れ、破
損しにくい発光パネルを実現できる。例えば、有機樹脂基板や、厚さの薄い金属基板もし
くは合金基板を用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて、軽量であり、破損しに
くい発光パネルを実現できる。
【0137】
金属材料や合金材料は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、発光パ
ネルの局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。金属材料や合金材料を用いた
基板の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下であ
ることがより好ましい。
【0138】
金属基板や合金基板を構成する材料としては、特に限定はないが、例えば、アルミニウ
ム、銅、鉄、チタン、ニッケル等の金属、またはこれら金属から選ばれた一以上の金属を
含む合金を用いることができる。合金としては、例えば、アルミニウム合金もしくはステ
ンレス等を好適に用いることができる。
【0139】
また、基板に、熱放射率が高い材料を用いると発光パネルの表面温度が高くなることを
抑制でき、発光パネルの破壊や信頼性の低下を抑制できる。例えば、基板を金属基板と熱
放射率の高い層(例えば、金属酸化物やセラミック材料を用いることができる)の積層構
造としてもよい。
【0140】
可撓性及び透光性を有する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリ
ル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹
脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)等が挙げられる。特に、熱膨張率の低い材料を用いることが好ましく、
例えば、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、PET等を好適に用いることができる
。また、繊維体に樹脂を含浸した基板(プリプレグともいう)や、無機フィラーを有機樹
脂に混ぜて熱膨張率を下げた基板を使用することもできる。
【0141】
可撓性基板としては、上記材料を用いた層が、装置の表面を傷などから保護するハード
コート層(例えば、窒化シリコン層など)や、押圧を分散可能な材質の層(例えば、アラ
ミド樹脂層など)等と積層されて構成されていてもよい。
【0142】
可撓性基板は、複数の層を積層して用いることもできる。特に、ガラス層を有する構成
とすると、水や酸素に対するバリア性を向上させ、信頼性の高い発光パネルとすることが
できる。
【0143】
例えば、発光素子に近い側からガラス層、接着層、及び有機樹脂層を積層した可撓性基
板を用いることができる。当該ガラス層の厚さとしては20μm以上200μm以下、好
ましくは25μm以上100μm以下とする。このような厚さのガラス層は、水や酸素に
対する高いバリア性と可撓性を同時に実現できる。また、有機樹脂層の厚さとしては、1
0μm以上200μm以下、好ましくは20μm以上50μm以下とする。このような有
機樹脂層をガラス層よりも外側に設けることにより、ガラス層の割れやクラックを抑制し
、機械的強度を向上させることができる。このようなガラス材料と有機樹脂の複合材料を
基板に適用することにより、極めて信頼性が高いフレキシブルな発光パネルとすることが
できる。
【0144】
接着層や封止層には、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型
接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤とし
てはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、
イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂
、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透
湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート
等を用いてもよい。
【0145】
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸
化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用い
ることができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を
吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が機能素子に
侵入することを抑制でき、発光パネルの信頼性が向上するため好ましい。
【0146】
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラーや光散乱部材を混合することにより、発光素子
からの光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、
ゼオライト、ジルコニウム等を用いることができる。
【0147】
発光パネルが有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、スタガ型のトラ
ンジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート
型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。トランジスタに用いる
半導体材料は特に限定されず、例えば、シリコン、ゲルマニウム、炭化シリコン、窒化ガ
リウム等が挙げられる。または、In-Ga-Zn系金属酸化物などの、インジウム、ガ
リウム、亜鉛のうち少なくとも一つを含む酸化物半導体を用いてもよい。
【0148】
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、
結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領
域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トラン
ジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
【0149】
ここで、画素や、駆動回路、また後述するタッチセンサ等に用いられるトランジスタな
どの半導体装置には、酸化物半導体を適用することが好ましい。特にシリコンよりもバン
ドギャップの大きな酸化物半導体を適用することが好ましい。シリコンよりもバンドギャ
ップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態
における電流を低減できるため好ましい。
【0150】
例えば、上記酸化物半導体として、少なくとも少なくともインジウム(In)もしくは
亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。より好ましくは、In-M-Zn系酸化物(MはA
l、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHf等の金属)で表記される
酸化物を含む。
【0151】
特に、半導体層として、複数の結晶部を有し、当該結晶部はc軸が半導体層の被形成面
、または半導体層の上面に対し垂直に配向し、且つ隣接する結晶部間には粒界が確認でき
ない酸化物半導体膜を用いることが好ましい。
【0152】
このような酸化物半導体は、結晶粒界を有さないために表示パネルを湾曲させたときの
応力によって酸化物半導体膜にクラックが生じてしまうことが抑制される。したがって、
可撓性を有し、湾曲させて用いる表示パネルなどに、このような酸化物半導体を好適に用
いることができる。
【0153】
半導体層としてこのような材料を用いることで、電気特性の変動が抑制され、信頼性の
高いトランジスタを実現できる。
【0154】
また、その低いオフ電流により、トランジスタを介して容量に蓄積した電荷を長期間に
亘って保持することが可能である。このようなトランジスタを画素に適用することで、各
表示領域に表示した画像の階調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。そ
の結果、極めて消費電力の低減された電子機器を実現できる。
【0155】
トランジスタの特性安定化等のため、下地膜を設けることが好ましい。下地膜としては
、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜などの無
機絶縁膜を用い、単層で又は積層して作製することができる。下地膜はスパッタリング法
、CVD(Chemical Vapor Deposition)法(プラズマCVD
法、熱CVD法、MOCVD(Metal Organic CVD)法など)、ALD
(Atomic Layer Deposition)法、塗布法、印刷法等を用いて形
成できる。なお、下地膜は、必要で無ければ設けなくてもよい。上記各構成例では、絶縁
層813がトランジスタの下地膜を兼ねることができる。
【0156】
発光素子としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって輝
度が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、発光ダイオード(LED)、有機
EL素子、無機EL素子等を用いることができる。
【0157】
発光素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型
のいずれであってもよい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる
。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好まし
い。
【0158】
可視光を透過する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO:
Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添
加した酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、金、銀、白金、マグネシウム
、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、もし
くはチタン等の金属材料、これら金属材料を含む合金、又はこれら金属材料の窒化物(例
えば、窒化チタン)等も、透光性を有する程度に薄く形成することで用いることができる
。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウ
ムの合金とITOの積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。
また、グラフェン等を用いてもよい。
【0159】
可視光を反射する導電膜は、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タング
ステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、又
はこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料や合金に、ラン
タン、ネオジム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、アルミニウムとチ
タンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオジムの合金等のアルミ
ニウムを含む合金(アルミニウム合金)や、銀と銅の合金、銀とパラジウムと銅の合金、
銀とマグネシウムの合金等の銀を含む合金を用いて形成することができる。銀と銅を含む
合金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム合金膜に接する金属膜又は金
属酸化物膜を積層することで、アルミニウム合金膜の酸化を抑制することができる。該金
属膜、金属酸化物膜の材料としては、チタン、酸化チタンなどが挙げられる。また、上記
可視光を透過する導電膜と金属材料からなる膜とを積層してもよい。例えば、銀とITO
の積層膜、銀とマグネシウムの合金とITOの積層膜などを用いることができる。
【0160】
電極は、それぞれ、蒸着法やスパッタリング法を用いて形成すればよい。そのほか、イ
ンクジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、又はメッキ法を用いて形
成することができる。
【0161】
下部電極831及び上部電極835の間に、発光素子の閾値電圧より高い電圧を印加す
ると、EL層833に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入さ
れた電子と正孔はEL層833において再結合し、EL層833に含まれる発光物質が発
光する。
【0162】
EL層833は少なくとも発光層を有する。EL層833は、発光層以外の層として、
正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物
質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い
物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
【0163】
EL層833には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無
機化合物を含んでいてもよい。EL層833を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸
着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することがで
きる。
【0164】
発光素子830として、白色発光の発光素子を適用する場合には、EL層833に2種
類以上の発光物質を含む構成とすることが好ましい。例えば2以上の発光物質の各々の発
光が補色の関係となるように、発光物質を選択することにより白色発光を得ることができ
る。例えば、それぞれR(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、O(橙)等の発光を示
す発光物質、またはR、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含む発光を示す発光
物質のうち、2以上を含むことが好ましい。また、発光素子830からの発光のスペクト
ルが、可視光領域の波長(例えば350nm~750nm)の範囲内に2以上のピークを
有する発光素子を適用することが好ましい。また、黄色の波長領域にピークを有する材料
の発光スペクトルは、緑色及び赤色の波長領域にもスペクトル成分を有する材料であるこ
とが好ましい。
【0165】
より好ましくは、EL層833は、一の色を発光する発光材料を含む発光層と、他の色
を発光する発光材料を含む発光層とが積層された構成とすることが好ましい。例えば、E
L層833における複数の発光層は、互いに接して積層されていてもよいし、分離層を介
して積層されていてもよい。例えば、蛍光発光層と燐光発光層との間に分離層を設ける構
成としてもよい。
【0166】
分離層は、例えば燐光発光層中で生成する燐光材料等の励起状態から蛍光発光層中の蛍
光材料等へのデクスター機構によるエネルギー移動(特に三重項エネルギー移動)を防ぐ
ために設けることができる。分離層は数nm程度の厚さがあればよい。具体的には、0.
1nm以上20nm以下、あるいは1nm以上10nm以下、あるいは1nm以上5nm
以下である。分離層は、単一の材料(好ましくはバイポーラ性の物質)、又は複数の材料
(好ましくは正孔輸送性材料及び電子輸送性材料)を含む。
【0167】
分離層は、該分離層と接する発光層に含まれる材料を用いて形成してもよい。これによ
り、発光素子の作製が容易になり、また、駆動電圧が低減される。例えば、燐光発光層が
、ホスト材料、アシスト材料、及び燐光材料(ゲスト材料)からなる場合、分離層を、該
ホスト材料及びアシスト材料で形成してもよい。上記構成を別言すると、分離層は、燐光
材料を含まない領域を有し、燐光発光層は、燐光材料を含む領域を有する。これにより、
分離層と燐光発光層とを燐光材料の有無で蒸着することが可能となる。また、このような
構成とすることで、分離層と燐光発光層を同じチャンバーで成膜することが可能となる。
これにより、製造コストを削減することができる。
【0168】
また、発光素子830は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、複数の
EL層が電荷発生層を介して積層されたタンデム素子であってもよい。
【0169】
発光素子は、一対の透水性の低い絶縁膜の間に設けられていることが好ましい。これに
より、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、発光装置の信頼性の低下を抑
制できる。
【0170】
透水性の低い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を
含む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、
酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
【0171】
例えば、透水性の低い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10-5[g/(m2・day)
]以下、好ましくは1×10-6[g/(m2・day)]以下、より好ましくは1×1
0-7[g/(m2・day)]以下、さらに好ましくは1×10-8[g/(m2・d
ay)]以下とする。
【0172】
透水性の低い絶縁膜を、絶縁層813や絶縁層843に用いることが好ましい。
【0173】
絶縁層815としては、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニ
ウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。また、絶縁層817、絶縁層817a、
及び絶縁層817bとしては、例えば、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミド
アミド、ベンゾシクロブテン系樹脂等の有機材料をそれぞれ用いることができる。また、
低誘電率材料(low-k材料)等を用いることができる。また、絶縁膜を複数積層させ
ることで、各絶縁層を形成してもよい。
【0174】
絶縁層821としては、有機絶縁材料又は無機絶縁材料を用いて形成する。樹脂として
は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂、エポキ
シ樹脂、又はフェノール樹脂等を用いることができる。特に感光性の樹脂材料を用い、絶
縁層821の側壁が曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい
。
【0175】
絶縁層821の形成方法は、特に限定されないが、フォトリソグラフィ法、スパッタ法
、蒸着法、液滴吐出法(インクジェット法等)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印
刷等)等を用いればよい。
【0176】
スペーサ827は、無機絶縁材料、有機絶縁材料、金属材料等を用いて形成することが
できる。例えば、無機絶縁材料や有機絶縁材料としては、上記絶縁層に用いることができ
る各種材料が挙げられる。金属材料としては、チタン、アルミニウムなどを用いることが
できる。導電材料を含むスペーサ827と上部電極835とを電気的に接続させる構成と
することで、上部電極835の抵抗に起因した電位降下を抑制できる。また、スペーサ8
27は、順テーパ形状であっても逆テーパ形状であってもよい。
【0177】
トランジスタの電極や配線、又は発光素子の補助電極等として機能する、発光パネルに
用いる導電層は、例えば、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アル
ミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらの元素を含む合金材料を
用いて、単層で又は積層して形成することができる。また、導電層は、導電性の金属酸化
物を用いて形成してもよい。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In2O3等
)、酸化スズ(SnO2等)、酸化亜鉛(ZnO)、ITO、インジウム亜鉛酸化物(I
n2O3-ZnO等)又はこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用い
ることができる。
【0178】
着色層は特定の波長帯域の光を透過する有色層である。例えば、赤色の波長帯域の光を
透過する赤色(R)のカラーフィルタ、緑色の波長帯域の光を透過する緑色(G)のカラ
ーフィルタ、青色の波長帯域の光を透過する青色(B)のカラーフィルタなどを用いるこ
とができる。各着色層は、様々な材料を用いて、印刷法、インクジェット法、フォトリソ
グラフィ法を用いたエッチング方法などでそれぞれ所望の位置に形成する。
【0179】
遮光層は、隣接する着色層の間に設けられている。遮光層は隣接する発光素子からの光
を遮光し、隣接する発光素子間における混色を抑制する。ここで、着色層の端部を、遮光
層と重なるように設けることにより、光漏れを抑制することができる。遮光層としては、
発光素子からの発光を遮る材料を用いることができ、例えば、金属材料や顔料や染料を含
む樹脂材料を用いてブラックマトリクスを形成すればよい。なお、遮光層は、駆動回路部
などの発光部以外の領域に設けると、導波光などによる意図しない光漏れを抑制できるた
め好ましい。
【0180】
また、着色層及び遮光層を覆うオーバーコートを設けてもよい。オーバーコートを設け
ることで、着色層に含有された不純物等の発光素子への拡散を防止することができる。オ
ーバーコートは、発光素子からの発光を透過する材料から構成され、例えば窒化シリコン
膜、酸化シリコン膜等の無機絶縁膜や、アクリル膜、ポリイミド膜等の有機絶縁膜を用い
ることができ、有機絶縁膜と無機絶縁膜との積層構造としてもよい。
【0181】
また、封止層の材料を着色層及び遮光層上に塗布する場合、オーバーコートの材料とし
て封止層の材料に対してぬれ性の高い材料を用いることが好ましい。例えば、オーバーコ
ートとして、ITO膜などの酸化物導電膜や、透光性を有する程度に薄いAg膜等の金属
膜を用いることが好ましい。
【0182】
接続体としては、熱硬化性の樹脂に金属粒子を混ぜ合わせたペースト状又はシート状の
、熱圧着によって異方性の導電性を示す材料を用いることができる。金属粒子としては、
例えばニッケル粒子を金で被覆したものなど、2種類以上の金属が層状となった粒子を用
いることが好ましい。または、粒状の樹脂の表面を金属で被覆した材料を用いることが好
ましい。
【0183】
[作製方法例]
次に、発光パネルの作製方法を
図10及び
図11を用いて例示する。ここでは、具体例
1(
図9(C))の構成の発光パネルを例に挙げて説明する。
【0184】
まず、作製基板201上に剥離層203を形成し、剥離層203上に絶縁層813を形
成する。次に、絶縁層813上に複数のトランジスタ、導電層857、絶縁層815、絶
縁層817、複数の発光素子、及び絶縁層821を形成する。なお、導電層857が露出
するように、絶縁層821、絶縁層817、及び絶縁層815は開口する(
図10(A)
)。
【0185】
また、作製基板205上に剥離層207を形成し、剥離層207上に絶縁層843を形
成する。次に、絶縁層843上に遮光層847、着色層845、及びオーバーコート84
9を形成する(
図10(B))。
【0186】
作製基板201及び作製基板205としては、それぞれ、ガラス基板、石英基板、サフ
ァイア基板、セラミック基板、金属基板などを用いることができる。
【0187】
また、ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラ
ス、バリウムホウケイ酸ガラス等のガラス材料を用いることができる。後の加熱処理の温
度が高い場合には、歪み点が730℃以上のものを用いるとよい。なお、酸化バリウム(
BaO)を多く含ませることで、より実用的な耐熱ガラスが得られる。他にも、結晶化ガ
ラスなどを用いることができる。
【0188】
作製基板にガラス基板を用いる場合、作製基板と剥離層との間に、酸化シリコン膜、酸
化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の絶縁膜を形成すると、ガラ
ス基板からの汚染を防止でき、好ましい。
【0189】
剥離層203及び剥離層207としては、それぞれ、タングステン、モリブデン、チタ
ン、タンタル、ニオブ、ニッケル、コバルト、ジルコニウム、亜鉛、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、シリコンから選択された元素、該元素を含む
合金材料、又は該元素を含む化合物材料からなり、単層又は積層された層である。シリコ
ンを含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれでもよい。
【0190】
剥離層は、スパッタリング法、プラズマCVD法、塗布法、印刷法等により形成できる
。なお、塗布法は、スピンコーティング法、液滴吐出法、ディスペンス法を含む。
【0191】
剥離層が単層構造の場合、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブ
デンの混合物を含む層を形成することが好ましい。また、タングステンの酸化物もしくは
酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物もしくは酸化窒化物を含む層、又はタングステ
ンとモリブデンの混合物の酸化物もしくは酸化窒化物を含む層を形成してもよい。なお、
タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相
当する。
【0192】
また、剥離層として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構
造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成される絶縁
膜を形成することで、タングステン層と絶縁膜との界面に、タングステンの酸化物を含む
層が形成されることを活用してもよい。また、タングステンを含む層の表面を、熱酸化処
理、酸素プラズマ処理、亜酸化窒素(N2O)プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い
溶液での処理等を行ってタングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。またプラズマ
処理や加熱処理は、酸素、窒素、亜酸化窒素単独、あるいは該ガスとその他のガスとの混
合気体雰囲気下で行ってもよい。上記プラズマ処理や加熱処理により、剥離層の表面状態
を変えることにより、剥離層と後に形成される絶縁膜との密着性を制御することが可能で
ある。
【0193】
各絶縁層は、スパッタリング法、プラズマCVD法、塗布法、印刷法等を用いて形成す
ることが可能であり、例えば、プラズマCVD法によって成膜温度を250℃以上400
℃以下として形成することで、緻密で非常に透水性の低い膜とすることができる。
【0194】
その後、作製基板205の着色層845等が設けられた面又は作製基板201の発光素
子230等が設けられた面に封止層823となる材料を塗布し、封止層823を介して該
面同士が対向するように、作製基板201及び作製基板205を貼り合わせる(
図10(
C))。
【0195】
そして、作製基板201を剥離し、露出した絶縁層813と基板801を、接着層81
1を用いて貼り合わせる。また、作製基板205を剥離し、露出した絶縁層843と基板
803を、接着層841を用いて貼り合わせる。
図11(A)では、基板803が導電層
857と重ならない構成としたが、導電層857と基板803が重なっていてもよい。
【0196】
なお、剥離工程は、様々な方法を適宜用いることができる。例えば、剥離層として、被
剥離層と接する側に金属酸化膜を含む層を形成した場合は、当該金属酸化膜を結晶化によ
り脆弱化して、被剥離層を作製基板から剥離することができる。また、耐熱性の高い作製
基板と被剥離層の間に、剥離層として水素を含む非晶質珪素膜を形成した場合はレーザ光
の照射又はエッチングにより当該非晶質珪素膜を除去することで、被剥離層を作製基板か
ら剥離することができる。また、剥離層として、被剥離層と接する側に金属酸化膜を含む
層を形成し、当該金属酸化膜を結晶化により脆弱化し、さらに剥離層の一部を溶液やNF
3、BrF3、ClF3等のフッ化ガスを用いたエッチングで除去した後、脆弱化された
金属酸化膜において剥離することができる。さらには、剥離層として窒素、酸素や水素等
を含む膜(例えば、水素を含む非晶質珪素膜、水素含有合金膜、酸素含有合金膜など)を
用い、剥離層にレーザ光を照射して剥離層内に含有する窒素、酸素や水素をガスとして放
出させ被剥離層と基板との剥離を促進する方法を用いてもよい。また、被剥離層が形成さ
れた作製基板を機械的に除去又は溶液やNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ガスによ
るエッチングで除去する方法等を用いることができる。この場合、剥離層を設けなくとも
よい。
【0197】
また、上記剥離方法を複数組み合わせることでより容易に剥離工程を行うことができる
。つまり、レーザ光の照射、ガスや溶液などによる剥離層へのエッチング、鋭いナイフや
メスなどによる機械的な除去を行い、剥離層と被剥離層とを剥離しやすい状態にしてから
、物理的な力(機械等による)によって剥離を行うこともできる。
【0198】
また、剥離層と被剥離層との界面に液体を浸透させて作製基板から被剥離層を剥離して
もよい。また、剥離を行う際に水などの液体をかけながら剥離してもよい。
【0199】
その他の剥離方法としては、剥離層をタングステンで形成した場合は、アンモニア水と
過酸化水素水の混合溶液により剥離層をエッチングしながら剥離を行うとよい。
【0200】
なお、作製基板と被剥離層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい
。例えば、作製基板としてガラスを用い、ガラスに接してポリイミド、ポリエステル、ポ
リオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリル等の有機樹脂を形成し、有機樹
脂上に絶縁膜やトランジスタ等を形成する。この場合、有機樹脂を加熱することにより、
作製基板と有機樹脂の界面で剥離することができる。又は、作製基板と有機樹脂の間に金
属層を設け、該金属層に電流を流すことで該金属層を加熱し、金属層と有機樹脂の界面で
剥離を行ってもよい。
【0201】
最後に、絶縁層843及び封止層823を開口することで、導電層857を露出させる
(
図11(B))。なお、基板803が導電層857と重なる構成の場合は、導電層85
7を露出させるために、基板803及び接着層841も開口する(
図11(C))。開口
の手段は特に限定されず、例えばレーザアブレーション法、エッチング法、イオンビーム
スパッタリング法などを用いればよい。また、導電層857上の膜に鋭利な刃物等を用い
て切り込みを入れ、物理的な力で膜の一部を引き剥がしてもよい。
【0202】
以上により、発光パネルを作製することができる。
【0203】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0204】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置が有する表示パネルに適用可能な、折り
曲げ可能なタッチパネルの構成例について、
図12~
図15を用いて説明する。なお、各
層に用いることのできる材料については、実施の形態2を参照することができる。
【0205】
[構成例1]
図12(A)はタッチパネルの上面図である。
図12(B)は
図12(A)の一点鎖線
A-B間及び一点鎖線C-D間の断面図である。
図12(C)は
図12(A)の一点鎖線
E-F間の断面図である。
【0206】
図12(A)に示すように、タッチパネル390は表示部301を有する。
【0207】
表示部301は、複数の画素302と複数の撮像画素308を備える。撮像画素308
は表示部301に触れる指等を検知することができる。これにより、撮像画素308を用
いてタッチセンサを構成することができる。
【0208】
画素302は、複数の副画素(例えば副画素302R)を備え、副画素は発光素子及び
発光素子を駆動する電力を供給することができる画素回路を備える。
【0209】
画素回路は、選択信号を供給することができる配線及び画像信号を供給することができ
る配線と電気的に接続される。
【0210】
また、タッチパネル390は選択信号を画素302に供給することができる走査線駆動
回路303g(1)と、画像信号を画素302に供給することができる画像信号線駆動回
路303s(1)を備える。
【0211】
撮像画素308は、光電変換素子及び光電変換素子を駆動する撮像画素回路を備える。
【0212】
撮像画素回路は、制御信号を供給することができる配線及び電源電位を供給することが
できる配線と電気的に接続される。
【0213】
制御信号としては、例えば記録された撮像信号を読み出す撮像画素回路を選択すること
ができる信号、撮像画素回路を初期化することができる信号、及び撮像画素回路が光を検
知する時間を決定することができる信号などを挙げることができる。
【0214】
タッチパネル390は制御信号を撮像画素308に供給することができる撮像画素駆動
回路303g(2)と、撮像信号を読み出す撮像信号線駆動回路303s(2)を備える
。
【0215】
図12(B)に示すように、タッチパネル390は、基板510及び基板510に対向
する基板570を有する。
【0216】
可撓性を有する材料を基板510及び基板570に好適に用いることができる。
【0217】
不純物の透過が抑制された材料を基板510及び基板570に好適に用いることができ
る。例えば、水蒸気の透過率が10-5g/(m2・day)以下、好ましくは10-6
g/(m2・day)以下である材料を好適に用いることができる。
【0218】
線膨張率がおよそ等しい材料を基板510及び基板570に好適に用いることができる
。例えば、線膨張率が1×10-3/K以下、好ましくは5×10-5/K以下、より好
ましくは1×10-5/K以下である材料を好適に用いることができる。
【0219】
基板510は、可撓性基板510b、不純物の発光素子への拡散を防ぐ絶縁層510a
、及び可撓性基板510bと絶縁層510aを貼り合わせる接着層510cが積層された
積層体である。
【0220】
基板570は、可撓性基板570b、不純物の発光素子への拡散を防ぐ絶縁層570a
、及び可撓性基板570bと絶縁層570aを貼り合わせる接着層570cの積層体であ
る。
【0221】
例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリ
イミド、ポリカーボネートまたはアクリル、ウレタン、エポキシもしくはシロキサン結合
を有する樹脂含む材料を接着層に用いることができる。
【0222】
封止層560は基板570と基板510を貼り合わせている。封止層560は空気より
大きい屈折率を備える。また、封止層560側に光を取り出す場合は、封止層560は封
止層560を挟む2つの部材(ここでは基板570と基板510)を光学的に接合する層
(以下、光学接合層ともいう)としても機能する。画素回路及び発光素子(例えば発光素
子350R)は基板510と基板570の間にある。
【0223】
画素302は、副画素302R、副画素302G及び副画素302Bを有する(
図12
(C))。また、副画素302Rは発光モジュール380Rを備え、副画素302Gは発
光モジュール380Gを備え、副画素302Bは発光モジュール380Bを備える。
【0224】
例えば副画素302Rは、第1の発光素子350R及び第1の発光素子350Rに電力
を供給することができるトランジスタ302tを含む画素回路を備える(
図12(B))
。また、発光モジュール380Rは第1の発光素子350R及び光学素子(例えば着色層
367R)を備える。
【0225】
発光素子350Rは、第1の下部電極351R、上部電極352、下部電極351Rと
上部電極352の間のEL層353を有する(
図12(C))。
【0226】
EL層353は、第1のEL層353a、第2のEL層353b、及び第1のEL層3
53aと第2のEL層353bの間の中間層354を備える。
【0227】
発光モジュール380Rは、第1の着色層367Rを基板570に有する。着色層は特
定の波長を有する光を透過するものであればよく、例えば赤色、緑色又は青色等を呈する
光を選択的に透過するものを用いることができる。または、発光素子の発する光をそのま
ま透過する領域を設けてもよい。
【0228】
例えば、発光モジュール380Rは、第1の発光素子350Rと第1の着色層367R
に接する封止層360を有する。
【0229】
第1の着色層367Rは第1の発光素子350Rと重なる位置にある。これにより、発
光素子350Rが発する光の一部は、光学接合層を兼ねる封止層360及び第1の着色層
367Rを透過して、図中の矢印に示すように発光モジュール380Rの外部に射出され
る。
【0230】
タッチパネル390は、遮光層367BMを基板570に有する。遮光層367BMは
、着色層(例えば第1の着色層367R)を囲むように設けられている。
【0231】
タッチパネル390は、反射防止層367pを表示部301に重なる位置に備える。反
射防止層367pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
【0232】
タッチパネル390は、絶縁層321を備える。絶縁層321はトランジスタ302t
を覆っている。なお、絶縁層321は画素回路に起因する凹凸を平坦化するための層とし
て用いることができる。また、不純物のトランジスタ302t等への拡散を抑制すること
ができる層が積層された絶縁層を、絶縁層321に適用することができる。
【0233】
タッチパネル390は、発光素子(例えば第1の発光素子350R)を絶縁層321上
に有する。
【0234】
タッチパネル390は、第1の下部電極351Rの端部に重なる隔壁328を絶縁層3
21上に有する。また、基板510と基板570の間隔を制御するスペーサ329を、隔
壁328上に有する。
【0235】
画像信号線駆動回路303s(1)は、トランジスタ303t及び容量303cを含む
。なお、駆動回路は画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。
図12
(B)に示すようにトランジスタ303tは絶縁層321上に第2のゲート304を有し
ていてもよい。第2のゲート304はトランジスタ303tのゲートと電気的に接続され
ていてもよいし、これらに異なる電位が与えられていてもよい。また、必要であれば、第
2のゲート304をトランジスタ308t、トランジスタ302t等に設けてもよい。
【0236】
撮像画素308は、光電変換素子308p及び光電変換素子308pに照射された光を
検知するための撮像画素回路を備える。また、撮像画素回路は、トランジスタ308tを
含む。
【0237】
例えばpin型のフォトダイオードを光電変換素子308pに用いることができる。
【0238】
タッチパネル390は、信号を供給することができる配線311を備え、端子319が
配線311に設けられている。なお、画像信号及び同期信号等の信号を供給することがで
きるFPC309(1)が端子319に電気的に接続されている。なお、FPC309(
1)にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。
【0239】
同一の工程で形成されたトランジスタを、トランジスタ302t、トランジスタ303
t、トランジスタ308t等のトランジスタに適用できる。トランジスタの構成について
は、実施の形態2を参照できる。
【0240】
また、トランジスタのゲート、ソース及びドレインのほか、タッチパネルを構成する各
種配線及び電極に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニ
ッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、又はタングステ
ンなどの金属、又はこれを主成分とする合金を単層構造又は積層構造として用いる。例え
ば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する
二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウム-
アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造
、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜又は窒化チタン膜と、そのチタ
ン膜又は窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタ
ン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、その
モリブデン膜又は窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらに
その上にモリブデン膜又は窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化イ
ンジウム、酸化錫又は酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。また、マンガンを含
む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高まるため好ましい。
【0241】
[構成例2]
図13(A)、(B)は、タッチパネル505の斜視図である。なお明瞭化のため、代
表的な構成要素を示す。
図14は、
図13(A)に示す一点鎖線X1-X2間の断面図で
ある。
【0242】
タッチパネル505は、表示部501とタッチセンサ595を備える(
図13(B))
。また、タッチパネル505は、基板510、基板570及び基板590を有する。なお
、基板510、基板570及び基板590はいずれも可撓性を有する。
【0243】
表示部501は、基板510、基板510上に複数の画素及び当該画素に信号を供給す
ることができる複数の配線511を備える。複数の配線511は、基板510の外周部に
まで引き回され、その一部が端子519を構成している。端子519はFPC509(1
)と電気的に接続する。
【0244】
基板590には、タッチセンサ595と、タッチセンサ595と電気的に接続する複数
の配線598を備える。複数の配線598は基板590の外周部に引き回され、その一部
は端子を構成する。そして、当該端子はFPC509(2)と電気的に接続される。なお
、
図13(B)では明瞭化のため、基板590の裏面側(基板510側)に設けられるタ
ッチセンサ595の電極や配線等を実線で示している。
【0245】
タッチセンサ595として、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容
量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。
【0246】
投影型静電容量方式としては、主に駆動方式の違いから自己容量方式、相互容量方式な
どがある。相互容量方式を用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。
【0247】
以下では、投影型静電容量方式のタッチセンサを適用する場合について、
図13(B)
を用いて説明する。
【0248】
なお、指等の検知対象の近接または接触を検知することができるさまざまなセンサを適
用することができる。
【0249】
投影型静電容量方式のタッチセンサ595は、電極591と電極592を有する。電極
591は複数の配線598のいずれかと電気的に接続し、電極592は複数の配線598
の他のいずれかと電気的に接続する。
【0250】
電極592は、
図13(A)、(B)に示すように、一方向に繰り返し配置された複数
の四辺形が角部で接続された形状を有する。
【0251】
電極591は四辺形であり、電極592が延在する方向と交差する方向に繰り返し配置
されている。
【0252】
配線594は、電極592を挟む二つの電極591を電気的に接続する。このとき、電
極592と配線594の交差部の面積ができるだけ小さくなる形状が好ましい。これによ
り、電極が設けられていない領域の面積を低減でき、透過率のムラを低減できる。その結
果、タッチセンサ595を透過する光の輝度ムラを低減することができる。
【0253】
なお、電極591、電極592の形状はこれに限られず、様々な形状を取りうる。例え
ば、複数の電極591をできるだけ隙間が生じないように配置し、絶縁層を介して電極5
92を、電極591と重ならない領域ができるように離間して複数設ける構成としてもよ
い。このとき、隣接する2つの電極592の間に、これらとは電気的に絶縁されたダミー
電極を設けると、透過率の異なる領域の面積を低減できるため好ましい。
【0254】
タッチセンサ595は、基板590、基板590上に千鳥状に配置された電極591及
び電極592、電極591及び電極592を覆う絶縁層593並びに隣り合う電極591
を電気的に接続する配線594を備える。
【0255】
接着層597は、タッチセンサ595が表示部501に重なるように、基板590を基
板570に貼り合わせている。
【0256】
電極591及び電極592は、透光性を有する導電材料を用いて形成する。透光性を有
する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物
、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。な
お、グラフェンを含む膜を用いることもできる。グラフェンを含む膜は、例えば膜状に形
成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還元する方法として
は、熱を加える方法等を挙げることができる。
【0257】
なお、電極591及び電極592などの導電膜、つまり、タッチパネルを構成する配線
や電極に用いることのできる材料として、例えば、抵抗値が低いものが望ましい。一例と
して、銀、銅、アルミニウム、カーボンナノチューブ、グラフェン、ハロゲン化金属(ハ
ロゲン化銀など)などを用いてもよい。さらに、非常に細くした(例えば、直径が数ナノ
メール)多数の導電体を用いて構成されるような金属ナノワイヤを用いてもよい。または
、導電体を網目状にした金属メッシュを用いてもよい。一例としては、Agナノワイヤや
、Cuナノワイヤ、Alナノワイヤ、Agメッシュや、Cuメッシュ、Alメッシュなど
を用いてもよい。Agナノワイヤの場合、光透過率は89%以上、シート抵抗値は40Ω
/□以上100Ω/□以下を実現することができる。なお、透過率が高いため、表示素子
に用いる電極、例えば、画素電極や共通電極に、金属ナノワイヤ、金属メッシュ、カーボ
ンナノチューブ、グラフェンなどを用いてもよい。
【0258】
透光性を有する導電性材料を基板590上にスパッタリング法により成膜した後、フォ
トリソグラフィ法等の様々なパターニング技術により、不要な部分を除去して、電極59
1及び電極592を形成することができる。
【0259】
また、絶縁層593に用いる材料としては、例えば、アクリル、エポキシなどの樹脂、
シロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム
などの無機絶縁材料を用いることもできる。
【0260】
また、電極591に達する開口が絶縁層593に設けられ、配線594が隣接する電極
591を電気的に接続する。透光性の導電性材料は、タッチパネルの開口率を高めること
ができるため、配線594に好適に用いることができる。また、電極591及び電極59
2より導電性の高い材料は、電気抵抗を低減できるため配線594に好適に用いることが
できる。
【0261】
一の電極592は一方向に延在し、複数の電極592がストライプ状に設けられている
。
【0262】
配線594は電極592と交差して設けられている。
【0263】
一対の電極591が一の電極592を挟んで設けられ、配線594は一対の電極591
を電気的に接続している。
【0264】
なお、複数の電極591は、一の電極592と必ずしも直交する方向に配置される必要
はなく、90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
【0265】
一の配線598は、電極591又は電極592と電気的に接続される。配線598の一
部は、端子として機能する。配線598としては、例えば、アルミニウム、金、白金、銀
、ニッケル、チタン、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、又はパラ
ジウム等の金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。
【0266】
なお、絶縁層593及び配線594を覆う絶縁層を設けて、タッチセンサ595を保護
することができる。
【0267】
また、接続層599は、配線598とFPC509(2)を電気的に接続する。
【0268】
接続層599としては、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic
Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotr
opic Conductive Paste)などを用いることができる。
【0269】
接着層597は、透光性を有する。例えば、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂を用いるこ
とができ、具体的には、アクリル、ウレタン、エポキシ、またはシロキサン結合を有する
樹脂などの樹脂を用いることができる。
【0270】
表示部501は、マトリクス状に配置された複数の画素を備える。画素は表示素子と表
示素子を駆動する画素回路を備える。
【0271】
本実施の形態では、白色の光を射出する有機EL素子を表示素子に適用する場合につい
て説明するが、表示素子はこれに限られない。
【0272】
例えば、副画素毎に射出する光の色が異なるように、発光色が異なる有機EL素子を副
画素毎に適用してもよい。
【0273】
基板510、基板570、及び封止層560は、構成例1と同様の構成が適用できる。
【0274】
画素は、副画素502Rを含み、副画素502Rは発光モジュール580Rを備える。
【0275】
副画素502Rは、第1の発光素子550R及び第1の発光素子550Rに電力を供給
することができるトランジスタ502tを含む画素回路を備える。また、発光モジュール
580Rは第1の発光素子550R及び光学素子(例えば着色層567R)を備える。
【0276】
発光素子550Rは、下部電極、上部電極、下部電極と上部電極の間にEL層を有する
。
【0277】
発光モジュール580Rは、光を取り出す方向に第1の着色層567Rを有する。
【0278】
また、封止層560が光を取り出す側に設けられている場合、封止層560は、第1の
発光素子550Rと第1の着色層567Rに接する。
【0279】
第1の着色層567Rは第1の発光素子550Rと重なる位置にある。これにより、発
光素子550Rが発する光の一部は第1の着色層567Rを透過して、図中に示す矢印の
方向の発光モジュール580Rの外部に射出される。
【0280】
表示部501は、光を射出する方向に遮光層567BMを有する。遮光層567BMは
、着色層(例えば第1の着色層567R)を囲むように設けられている。
【0281】
表示部501は、反射防止層567pを画素に重なる位置に備える。反射防止層567
pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
【0282】
表示部501は、絶縁膜521を備える。絶縁膜521はトランジスタ502tを覆っ
ている。なお、絶縁膜521は画素回路に起因する凹凸を平坦化するための層として用い
ることができる。また、不純物の拡散を抑制できる層を含む積層膜を、絶縁膜521に適
用することができる。これにより、不純物の拡散によるトランジスタ502t等の信頼性
の低下を抑制できる。
【0283】
表示部501は、発光素子(例えば第1の発光素子550R)を絶縁膜521上に有す
る。
【0284】
表示部501は、第1の下部電極の端部に重なる隔壁528を絶縁膜521上に有する
。また、基板510と基板570の間隔を制御するスペーサを、隔壁528上に有する。
【0285】
走査線駆動回路503g(1)は、トランジスタ503t及び容量503cを含む。な
お、駆動回路を画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。
【0286】
表示部501は、信号を供給することができる配線511を備え、端子519が配線5
11に設けられている。なお、画像信号及び同期信号等の信号を供給することができるF
PC509(1)が端子519に電気的に接続されている。
【0287】
なお、FPC509(1)にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良
い。
【0288】
表示部501は、走査線、信号線及び電源線等の配線を有する。上述した様々な導電膜
を配線に用いることができる。
【0289】
なお、様々なトランジスタを表示部501に適用できる。ボトムゲート型のトランジス
タを表示部501に適用する場合の構成を、
図14(A)、(B)に図示する。
【0290】
例えば、酸化物半導体、アモルファスシリコン等を含む半導体層を、
図14(A)に図
示するトランジスタ502t及びトランジスタ503tに適用することができる。
【0291】
例えば、レーザーアニールなどの処理により結晶化させた多結晶シリコンを含む半導体
層を、
図14(B)に図示するトランジスタ502t及びトランジスタ503tに適用す
ることができる。
【0292】
また、トップゲート型のトランジスタを表示部501に適用する場合の構成を、
図14
(C)に図示する。
【0293】
例えば、多結晶シリコンまたは単結晶シリコン基板等から転置された単結晶シリコン膜
等を含む半導体層を、
図14(C)に図示するトランジスタ502t及びトランジスタ5
03tに適用することができる。
【0294】
[構成例3]
図15は、タッチパネル505Bの断面図である。本実施の形態で説明するタッチパネ
ル505Bは、供給された画像情報をトランジスタが設けられている側に表示する表示部
501を備える点及びタッチセンサが表示部の基板510側に設けられている点が、構成
例2のタッチパネル505とは異なる。ここでは異なる構成について詳細に説明し、同様
の構成を用いることができる部分は、上記の説明を援用する。
【0295】
第1の着色層567Rは第1の発光素子550Rと重なる位置にある。また、
図15(
A)に示す発光素子550Rは、トランジスタ502tが設けられている側に光を射出す
る。これにより、発光素子550Rが発する光の一部は第1の着色層567Rを透過して
、図中に示す矢印の方向の発光モジュール580Rの外部に射出される。
【0296】
表示部501は、光を射出する方向に遮光層567BMを有する。遮光層567BMは
、着色層(例えば第1の着色層567R)を囲むように設けられている。
【0297】
タッチセンサ595は、表示部501の基板510側に設けられている(
図15(A)
)。
【0298】
接着層597は、基板510と基板590の間にあり、表示部501とタッチセンサ5
95を貼り合わせる。
【0299】
なお、様々なトランジスタを表示部501に適用できる。ボトムゲート型のトランジス
タを表示部501に適用する場合の構成を、
図15(A)、(B)に図示する。
【0300】
例えば、酸化物半導体、アモルファスシリコン等を含む半導体層を、
図15(A)に図
示するトランジスタ502t及びトランジスタ503tに適用することができる。
【0301】
例えば、多結晶シリコン等を含む半導体層を、
図15(B)に図示するトランジスタ5
02t及びトランジスタ503tに適用することができる。
【0302】
また、トップゲート型のトランジスタを表示部501に適用する場合の構成を、
図15
(C)に図示する。
【0303】
例えば、多結晶シリコン又は転写された単結晶シリコン膜等を含む半導体層を、
図15
(C)に図示するトランジスタ502t及びトランジスタ503tに適用することができ
る。
【0304】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0305】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置が有する表示パネルに適用可能なタッチ
パネルの駆動方法の例について、図面を参照して説明する。
【0306】
[センサの検知方法の例]
図16(A)は、相互容量方式のタッチセンサの構成を示すブロック図である。
図16
(A)では、パルス電圧出力回路601、電流検出回路602を示している。なお
図16
(A)では、パルス電圧が与えられる電極621、電流の変化を検知する電極622をそ
れぞれ、X1-X6、Y1-Y6のそれぞれ6本の配線として示している。また
図16(
A)は、電極621および電極622が重畳することで形成される容量603を図示して
いる。なお、電極621と電極622とはその機能を互いに置き換えてもよい。
【0307】
パルス電圧出力回路601は、X1-X6の配線に順にパルスを印加するための回路で
ある。X1-X6の配線にパルス電圧が印加されることで、容量603を形成する電極6
21および電極622は電界が生じる。この電極間に生じる電界が遮蔽等により容量60
3の相互容量に変化を生じさせることを利用して、被検知体の近接、または接触を検出す
ることができる。
【0308】
電流検出回路602は、容量603での相互容量の変化による、Y1-Y6の配線での
電流の変化を検出するための回路である。Y1-Y6の配線では、被検知体の近接、また
は接触がないと検出される電流値に変化はないが、検出する被検知体の近接、または接触
により相互容量が減少する場合には電流値が減少する変化を検出する。なお電流の検出は
、積分回路等を用いて行えばよい。
【0309】
次いで
図16(B)には、
図16(A)で示す相互容量方式のタッチセンサにおける入
出力波形のタイミングチャートを示す。
図16(B)では、1フレーム期間で各行列での
被検知体の検出を行うものとする。また
図16(B)では、被検知体を検出しない場合(
非タッチ)と被検知体を検出する場合(タッチ)との2つの場合について示している。な
おY1-Y6の配線については、検出される電流値に対応する電圧値とした波形を示して
いる。
【0310】
X1-X6の配線には、順にパルス電圧が与えられ、該パルス電圧にしたがってY1-
Y6の配線での波形が変化する。被検知体の近接または接触がない場合には、X1-X6
の配線の電圧の変化に応じてY1-Y6の波形が一様に変化する。一方、被検知体が近接
または接触する箇所では、電流値が減少するため、これに対応する電圧値の波形も変化す
る。
【0311】
このように、相互容量の変化を検出することにより、被検知体の近接または接触を検知
することができる。
【0312】
また、
図16(A)ではタッチセンサとして配線の交差部に容量603のみを設けるパ
ッシブマトリクス型のタッチセンサの構成を示したが、トランジスタと容量とを備えたア
クティブマトリクス型のタッチセンサとしてもよい。
図17にアクティブマトリクス型の
タッチセンサに含まれる一つのセンサ回路の例を示している。
【0313】
センサ回路は容量603と、トランジスタ611と、トランジスタ612と、トランジ
スタ613とを有する。トランジスタ613はゲートに信号G2が与えられ、ソース又は
ドレインの一方に電圧VRESが与えられ、他方が容量603の一方の電極およびトラン
ジスタ611のゲートと電気的に接続する。トランジスタ611はソース又はドレインの
一方がトランジスタ612のソース又はドレインの一方と電気的に接続し、他方に電圧V
SSが与えられる。トランジスタ612はゲートに信号G1が与えられ、ソース又はドレ
インの他方が配線MLと電気的に接続する。容量603の他方の電極には電圧VSSが与
えられる。
【0314】
続いて、センサ回路の動作について説明する。まず信号G2としてトランジスタ613
をオン状態とする電位が与えられることで、トランジスタ611のゲートが接続されるノ
ードnに電圧VRESに対応した電位が与えられる。次いで信号G2としてトランジスタ
613をオフ状態とする電位が与えられることで、ノードnの電位が保持される。
【0315】
続いて、指等の被検知体の近接または接触により、容量603の相互容量が変化するこ
とに伴い、ノードnの電位がVRESから変化する。
【0316】
読み出し動作は、信号G1にトランジスタ612をオン状態とする電位を与える。ノー
ドnの電位に応じてトランジスタ611に流れる電流、すなわち配線MLに流れる電流が
変化する。この電流を検出することにより、被検知体の近接または接触を検出することが
できる。
【0317】
トランジスタ611、トランジスタ612、トランジスタ613としては、チャネルが
形成される半導体層に酸化物半導体を適用したトランジスタを用いることが好ましい。特
にトランジスタ613にこのようなトランジスタを適用することにより、ノードnの電位
を長期間に亘って保持することが可能となり、ノードnに電圧VRESを供給しなおす動
作(リフレッシュ動作)の頻度を減らすことができる。
【0318】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0319】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置に適用可能で、大型化が容易な表示パネ
ルの一態様である積層パネルの構成例について、図面を参照して説明する。
【0320】
本発明の一態様は、複数の表示パネルを一部が重なるように配置することにより大型化
が可能な表示パネルである。また、重ねた2つの表示パネルのうち、少なくとも表示面側
(上側)に位置する表示パネルは、表示部と隣接して可視光を透過する部分を備える。下
側に配置される表示パネルの画素と、上側に配置される表示パネルの可視光を透過する部
分とを重ねて設ける。これにより、2つの表示パネルを表示面側から見たときに(平面視
において)、これらに表示される画像を、継ぎ目なく連続して表示することが可能となる
。
【0321】
例えば、本発明の一態様は、第1の表示パネルと、第2の表示パネルと、を有する積層
パネルである。第1の表示パネルは、第1の領域を有し、第1の領域は、第1の画素と、
第2の画素と、を有する。第2の表示パネルは、第2の領域と、第3の領域と、第4の領
域と、を有する。第2の領域は、第3の画素を有し、第3の領域は、可視光を透過する機
能を有し、第4の領域は、可視光を遮光する機能を有する。また第1の表示パネルの第2
の画素と、第2の表示パネルの第3の領域とは、互いに重なる領域を有する。また第2の
画素の開口率は、第1の画素の開口率よりも大きいことを特徴とする。
【0322】
より具体的には、例えば以下のような構成とすることができる。
【0323】
図18(A)は、本発明の一態様の表示装置に含まれる表示パネル400の上面概略図
である。
【0324】
表示パネル400は、表示領域401と、表示領域401に隣接して、可視光を透過す
る領域410と、可視光を遮光する部分を有する領域420と、を備える。
図18(A)
では、表示パネル400にFPC(Flexible Printed Circuit
)412が設けられている例を示す。
【0325】
ここで、表示パネル400は単体であっても表示領域401に画像を表示することがで
きる。
【0326】
領域410には、例えば表示パネル400を構成する一対の基板、及び当該一対の基板
に挟持された表示素子を封止するための封止材などが設けられていてもよい。このとき、
領域410に設けられる部材には、可視光に対して透光性を有する材料を用いる。
【0327】
領域420には、例えば表示領域401に含まれる画素に電気的に接続する配線が設け
られている。また、このような配線に加え、画素を駆動するための駆動回路(走査線駆動
回路、信号線駆動回路等)や、保護回路等の回路が設けられていてもよい。また、領域4
20は、FPC412と電気的に接続する端子(接続端子ともいう)や、当該端子と電気
的に接続する配線等が設けられている領域も含む。
【0328】
表示パネルの断面構成例等の詳細な説明については、実施の形態2、3、及び4を援用
できる。
【0329】
[積層パネルの構成例1]
本発明の一態様の積層パネル40は、上述した表示パネル400を複数備える。
図18
(B)では、3つの表示パネルを備える積層パネル40の上面概略図を示す。
【0330】
なお、以降では各々の表示パネル同士、各々の表示パネルに含まれる構成要素同士、ま
たは各々の表示パネルに関連する構成要素同士を区別して説明する場合、これらの符号の
後にアルファベットを付記する。また特に説明のない場合には、一部が互いに重ねて設け
られた複数の表示パネルのうち、最も下側(表示面とは反対側)に配置される表示パネル
及びその構成要素等に対して「a」の符号を付記し、その上側に順に配置される一以上の
表示パネル及びその構成要素等に対しては、符号の後にアルファベットをアルファベット
順に付記することとする。また、特に説明のない限り、複数の表示パネルを備える構成を
説明する場合であっても、各々の表示パネルまたは構成要素等に共通する事項を説明する
場合には、アルファベットを省略して説明する。
【0331】
図18(B)に示す積層パネル40は、表示パネル400a、表示パネル400b、及
び表示パネル400cを備える。
【0332】
表示パネル400bは、その一部が表示パネル400aの上側(表示面側)に重ねて配
置されている。具体的には、表示パネル400aの表示領域401aと表示パネル400
bの可視光を透過する領域410bとが重畳し、且つ、表示パネル400aの表示領域4
01aと表示パネル400bの可視光を遮光する領域420bとが重畳しないように配置
されている。
【0333】
また、表示パネル400cは、その一部が表示パネル400bの上側(表示面側)に重
ねて配置されている。具体的には、表示パネル400bの表示領域401bと表示パネル
400cの可視光を透過する領域410cとが重畳し、且つ、表示パネル400bの表示
領域401bと表示パネル400cの可視光を遮光する領域420cとが重畳しないよう
に配置されている。
【0334】
表示領域401a上には可視光を透過する領域410bが重畳するため、表示領域40
1aの全体を表示面側から視認することが可能となる。同様に、表示領域401bも領域
410cが重畳することでその全体を表示面側から視認することができる。したがって、
表示領域401a、表示領域401bおよび表示領域401cが継ぎ目なく配置された領
域を積層パネル40の表示領域41とすることが可能となる。
【0335】
[積層パネルの構成例2]
図18(B)では一方向に複数の表示パネル400を重ねて配置する構成を示したが、
縦方向および横方向の二方向に複数の表示パネル400を重ねて配置してもよい。
【0336】
図19(A)は、
図18(A)とは領域410の形状が異なる表示パネル400の例を
示している。
図19(A)に示す表示パネル400は、表示領域401の2辺に沿って配
置されている。
【0337】
図19(B)に
図19(A)に示した表示パネル400を縦2つ、横2つ配置した積層
パネル40の斜視概略図を示している。また
図19(C)は、積層パネル40の表示面側
とは反対側から見たときの斜視概略図である。
【0338】
図19(B)、(C)において、表示パネル400aの表示領域401aの短辺に沿っ
た領域と、表示パネル400bの領域410bの一部が重畳して設けられている。また表
示パネル400aの表示領域401aの長辺に沿った領域と、表示パネル400cの領域
410cの一部が重畳して設けられている。また表示パネル400dの領域410dは、
表示パネル400bの表示領域401bの長辺に沿った領域、及び表示パネル400cの
表示領域401cの短辺に沿った領域に重畳して設けられている。
【0339】
したがって、
図19(B)に示すように、表示領域401a、表示領域401b、表示
領域401cおよび表示領域401dが継ぎ目なく配置された領域を積層パネル40の表
示領域41とすることが可能となる。
【0340】
ここで、表示パネル400に用いる一対の基板に可撓性を有する材料を用い、表示パネ
ル400が可撓性を有していることが好ましい。こうすることで、例えば
図19(B)、
(C)中の表示パネル400aに示すように、FPC412a等が表示面側に設けられる
場合にFPC412aが設けられる側の表示パネル400aの一部を湾曲させ、FPC4
12aを隣接する表示パネル400bの表示領域401bの下側にまで重畳するように配
置することができる。その結果、FPC412aを表示パネル400bの裏面と物理的に
干渉することなく配置することができる。また、表示パネル400aと表示パネル400
bとを重ねて接着する際に、FPC412aの厚さを考慮する必要がないため、表示パネ
ル400bの領域410bの上面と、表示パネル400aの表示領域401aの上面との
高さの差を低減できる。その結果、表示領域401a上に位置する表示パネル400bの
端部が視認されてしまうことを抑制できる。
【0341】
さらに、各表示パネル400に可撓性を持たせることで、表示パネル400bの表示領
域401bにおける上面の高さを、表示パネル400aの表示領域401aにおける上面
の高さと一致するように、表示パネル400bを緩やかに湾曲させることができる。その
ため、表示パネル400aと表示パネル400bとが重畳する領域近傍を除き、各表示領
域の高さを揃えることが可能で、積層パネル40の表示領域41に表示する画像の表示品
位を高めることができる。
【0342】
上記では、表示パネル400aと表示パネル400bの関係を例に説明したが、隣接す
る2つの表示パネル間でも同様である。
【0343】
また、隣接する2つの表示パネル400間の段差を軽減するため、表示パネル400の
厚さは薄いほうが好ましい。例えば表示パネル400の厚さを1mm以下、好ましくは3
00μm以下、より好ましくは100μm以下とすることが好ましい。
【0344】
なお、ここでは表示パネル400を4つ積層する構成を示したが、表示パネル400の
数を増やすことにより、極めて大型の積層パネルとすることが可能となる。また、複数の
表示パネル400の配置方法を変えることで、積層パネルの表示領域の輪郭形状を円や楕
円、多角形など、様々な形状にすることができる。また、表示パネル400を立体的に配
置することで、立体形状を有する表示領域を備える積層パネルを実現できる。
【0345】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0346】
10 表示装置
11 コード
15 壁
16 カバー
20 テーブル
21 筐体
22 カバー
40 積層パネル
41 表示領域
100 表示パネル
101 表示部
102 固定部
103 支持部材
103a 支持部材
103b 支持部材
104 コード
105 巻き取り機構
106 緩衝材
106a 緩衝材
106b 緩衝材
201 作製基板
203 剥離層
205 作製基板
207 剥離層
230 発光素子
301 表示部
302 画素
302B 副画素
302G 副画素
302R 副画素
302t トランジスタ
303c 容量
303g(1) 走査線駆動回路
303g(2) 撮像画素駆動回路
303s(1) 画像信号線駆動回路
303s(2) 撮像信号線駆動回路
303t トランジスタ
304 ゲート
308 撮像画素
308p 光電変換素子
308t トランジスタ
309 FPC
311 配線
319 端子
321 絶縁層
328 隔壁
329 スペーサ
350R 発光素子
351R 下部電極
352 上部電極
353 EL層
353a EL層
353b EL層
354 中間層
360 封止層
367BM 遮光層
367p 反射防止層
367R 着色層
380B 発光モジュール
380G 発光モジュール
380R 発光モジュール
390 タッチパネル
400 表示パネル
400a 表示パネル
400b 表示パネル
400c 表示パネル
400d 表示パネル
401 表示領域
401a 表示領域
401b 表示領域
401c 表示領域
401d 表示領域
410 領域
410b 領域
410c 領域
410d 領域
412 FPC
412a FPC
420 領域
420b 領域
420c 領域
501 表示部
502R 副画素
502t トランジスタ
503c 容量
503g 走査線駆動回路
503t トランジスタ
505 タッチパネル
505B タッチパネル
509 FPC
510 基板
510a 絶縁層
510b 可撓性基板
510c 接着層
511 配線
519 端子
521 絶縁膜
528 隔壁
550R 発光素子
560 封止層
567BM 遮光層
567p 反射防止層
567R 着色層
570 基板
570a 絶縁層
570b 可撓性基板
570c 接着層
580R 発光モジュール
590 基板
591 電極
592 電極
593 絶縁層
594 配線
595 タッチセンサ
597 接着層
598 配線
599 接続層
601 パルス電圧出力回路
602 電流検出回路
603 容量
611 トランジスタ
612 トランジスタ
613 トランジスタ
621 電極
622 電極
801 基板
803 基板
804 発光部
806 駆動回路部
808 FPC
811 接着層
813 絶縁層
814 導電層
815 絶縁層
816 導電層
817 絶縁層
817a 絶縁層
817b 絶縁層
820 トランジスタ
821 絶縁層
822 トランジスタ
823 封止層
824 封止層
825 接続体
827 スペーサ
830 発光素子
831 下部電極
833 EL層
835 上部電極
841 接着層
843 絶縁層
845 着色層
847 遮光層
849 オーバーコート
857 導電層
857a 導電層
857b 導電層