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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】車両のための衝突予測及び回避
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/09 20120101AFI20221003BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20221003BHJP
   B60W 30/10 20060101ALI20221003BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20221003BHJP
【FI】
B60W30/09
G08G1/16 C
B60W30/10
B60W60/00
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021514978
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 US2019051761
(87)【国際公開番号】W WO2020061214
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】16/136,038
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518156417
【氏名又は名称】ズークス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェファーソン ブラッドフィールド パッカー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム アンソニー シルヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ジェンチー ホアン
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-224237(JP,A)
【文献】特開2008-117082(JP,A)
【文献】特表2004-504216(JP,A)
【文献】特許第6359233(JP,B1)
【文献】特開2017-019421(JP,A)
【文献】特開2005-165555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
23/00-25/00
B60W 10/00-10/30
30/00-60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のプロセッサと、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令を記憶する1つ又は複数のコンピュータ可読媒体とを含むシステムであって、前記命令は、実行されたとき、前記システムに、
自律車両に関連付けられた経路ポリゴンを生成するステップであって、前記経路ポリゴンは、環境を通って移動する前記自律車両のプランニングされた経路を表し、前記経路ポリゴンは、前記自律車両の幅に少なくとも部分的に基づいて生成される、ステップと、
前記環境内のエージェントに関連付けられた軌道を決定するステップと、
前記経路ポリゴンと前記軌道との間の潜在的な衝突ゾーンを決定するステップであって、前記潜在的な衝突ゾーンは、前記自律車両と前記エージェントとの間の起こりうる衝突のエリアを含み、前記潜在的な衝突ゾーンを決定する前記ステップは、前記軌道が通る前記経路ポリゴンの一部を決定するステップを含む、ステップと、
前記エージェントが前記潜在的な衝突ゾーンに進入しそうな第1の時間と、前記エージェントが前記潜在的な衝突ゾーンを退出しそうな第2の時間とを決定するステップと、
前記自律車両の前記プランニングされた経路と、前記エージェントに関連付けられた前記軌道との間の時間-空間重複に少なくとも部分的に基づいて、前記自律車両と前記エージェントとの間の衝突の尤度を決定するステップであって、前記時間-空間重複は、前記第1の時間及び前記第2の時間に少なくとも部分的に基づくものであり、前記自律車両及び前記エージェントが前記潜在的な衝突ゾーン内にいると予測される時間の範囲を含む、ステップと、
前記エージェントとの衝突を避けるために前記自律車両がとる行動を、前記衝突の尤度に少なくとも部分的に基づいて決定するステップと、
前記行動に少なくとも部分的に基づいて前記自律車両を制御するステップと、
を含む処理を実行させる、システム。
【請求項2】
前記潜在的な衝突ゾーンを決定する前記ステップは、
前記軌道と前記経路ポリゴンとが交差することを決定するステップ
をさらに含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
1つ又は複数のプロセッサと、
前記1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令を記憶する1つ又は複数のコンピュータ可読媒体とを含むシステムであって、
前記命令は、実行されたとき、前記システムに、
自律車両に関連付けられた経路ポリゴンを生成するステップであって、前記経路ポリゴンは、環境を通って移動する前記自律車両のプランニングされた経路を表す、ステップと、
前記環境内のエージェントに関連付けられた軌道を決定するステップと、
前記経路ポリゴンと前記軌道との間の潜在的な衝突ゾーンを決定するステップであって、前記潜在的な衝突ゾーンは、前記自律車両と前記エージェントとの間の起こりうる衝突のエリアを含む、ステップと、
前記自律車両の前記プランニングされた経路と、前記エージェントに関連付けられた前記軌道との間の時間-空間重複に少なくとも部分的に基づいて、前記自律車両と前記エージェントとの間の衝突の尤度を決定するステップであって、前記時間-空間重複は、前記自律車両及び前記エージェントが前記潜在的な衝突ゾーン内にいると予測される時間の範囲を含む、ステップと、
前記エージェントとの衝突を避けるために前記自律車両がとる行動を、前記衝突の尤度に少なくとも部分的に基づいて決定するステップと、
前記行動に少なくとも部分的に基づいて前記自律車両を制御するステップと、
を含む処理を実行させ、
前記軌道は、前記エージェントの中心を表す少なくとも1つの軌道サンプルを含み、
前記潜在的な衝突ゾーンを決定する前記ステップは、
前記少なくとも1つの軌道サンプルと、前記経路ポリゴンに関連付けられた点との間の第1の距離が、第1の閾値距離未満であることを決定するステップと、
前記軌道に関連付けられた幅を増加して拡張された軌道を得るステップと、
前記拡張された軌道と、前記経路ポリゴンに関連付けられた前記点との間の第2の距離が、第2の閾値距離未満であることを決定するステップと、
をさらに含むシステム。
【請求項4】
前記時間-空間重複は、
自律車両位置コーンとエージェント位置コーンとの間の重複、又は
前記エージェントの1つ又は複数の予測される位置を表す1つ又は複数の確率密度関数に対応する曲線と前記衝突ゾーンとの重複
のうちの少なくとも1つをさらに含み、
前記自律車両位置コーンは、前記衝突ゾーンまでの距離と時間との関係を示すグラフ上で、前記自律車両の予測される位置に関する前記距離と時間との関係を表す第1の領域を示し、前記エージェント位置コーンは、前記グラフ上で、前記エージェントの予測される位置に関する前記距離と時間との関係を表す第2の領域を示す、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記自律車両がとる前記行動を決定するステップは、
前記行動に基づいて、前記自律車両の第2の経路ポリゴンを生成するステップと、
前記第2の経路ポリゴンに基づいて、前記自律車両と前記エージェントとの間の第2の潜在的な衝突ゾーンを決定するステップと、
衝突の第2の尤度を決定するステップと、
を含み、
前記自律車両を制御する前記ステップは、衝突の前記第2の尤度に少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
1つ又は複数のプロセッサを含むシステムによって実行される方法であって、
前記方法は、
自律車両に関連付けられた経路ポリゴンを生成するステップであって、前記経路ポリゴンは、環境を通って移動する前記自律車両のプランニングされた経路を表し、前記経路ポリゴンは、前記自律車両の幅に少なくとも部分的に基づいて生成される、ステップと、
前記環境内のオブジェクトに関連付けられた軌道を決定するステップと、
前記経路ポリゴンと前記軌道との間の潜在的な衝突ゾーンを決定するステップであって、前記潜在的な衝突ゾーンは、前記自律車両と前記オブジェクトとの間の起こりうる衝突のエリアを含み、前記潜在的な衝突ゾーンを決定する前記ステップは、前記軌道が通る前記経路ポリゴンの一部を決定するステップを含む、ステップと、
前記オブジェクトが前記潜在的な衝突ゾーンに進入しそうな第1の時間と、前記オブジェクトが前記潜在的な衝突ゾーンを退出しそうな第2の時間とを決定するステップと、
前記自律車両の前記プランニングされた経路と、前記オブジェクトに関連付けられた前記軌道との間の時間-空間重複に少なくとも部分的に基づいて、前記自律車両と前記オブジェクトとの間の衝突の尤度を決定するステップであって、前記時間-空間重複は、前記第1の時間及び前記第2の時間に少なくとも部分的に基づくものであり、前記自律車両及び前記オブジェクトが前記潜在的な衝突ゾーン内にいると予測される時間の範囲を含む、ステップと、
前記オブジェクトとの衝突を避けるために前記自律車両がとる行動を、前記衝突の尤度に少なくとも部分的に基づいて決定するステップと、
前記行動に少なくとも部分的に基づいて前記自律車両を制御するステップと、
を含む、方法。
【請求項7】
車両位置コーン及びオブジェクト位置コーンに少なくとも部分的に基づいて、時間ギャップを特定するステップであって、前記車両位置コーンは、前記衝突ゾーンまでの距離と時間との関係を示すグラフ上で、前記車両の予測される位置に関する前記距離と時間との関係を表す第1の領域を示し、前記オブジェクト位置コーンは、前記グラフ上で、前記オブジェクトの予測される位置に関する前記距離と時間との関係を表す第2の領域を示し、前記時間ギャップは、前記第1の領域と前記第2の領域との重複を示す、ステップをさらに含み、
前記車両がとる前記行動を決定する前記ステップは、前記時間ギャップに少なくとも部分的に基づく、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記エリアと前軌道とが交差することを決定するステップ
をさらに含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
確率密度関数は、前記オブジェクトに関連付けられ、前記方法は、
前記オブジェクトの1つ又は複数の予測される位置を表す前記確率密度関数に対応する曲線の少なくとも一部が前記衝突ゾーンと交差することを決定するステップと、
確率として、前記衝突ゾーンと交差する前記確率密度関数の積分を計算するステップと、
をさらに含み、
前記車両がとる前記行動を決定するステップは、前記確率に少なくとも部分的に基づく、
請求項6に記載の方法。
【請求項10】
1つ又は複数のプロセッサを含むシステムによって実行される方法であって、前記方法は、
環境内の車両に関連付けられた第1の軌道を決定するステップと、
前記第1の軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記車両に関連付けられたエリアを決定するステップと、
前記環境内のオブジェクトに関連付けられた第2の軌道を決定するステップと、
前記エリア及び前記第2の軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記車両と前記オブジェクトとの間の衝突ゾーンを決定するステップと、
前記衝突ゾーンに時間-空間重複を適用するステップであって、前記時間-空間重複は、前記車両及び前記オブジェクトが前記衝突ゾーン内にいると予測される時間の範囲を含む、ステップと、
前記衝突ゾーン及び前記時間-空間重複に少なくとも部分的に基づいて、前記車両がとる行動を決定するステップと、
前記行動に少なくとも部分的に基づいて前記車両を制御するステップと、
前記第2の軌道と前記エリアとの間の第1の距離が、第1の閾値距離未満であることを決定するステップと、
前記第2の軌道に関連付けられた幅を増加して、拡張された幅の軌道を得るステップと、
前記拡張された幅の軌道と前記エリアとの間の第2の距離が、第2の閾値距離未満であることを決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
1つ又は複数のプロセッサを含むシステムによって実行される方法であって、
前記方法は、
環境内の車両に関連付けられた第1の軌道を決定するステップと、
前記第1の軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記車両に関連付けられたエリアを決定するステップと、
前記環境内のオブジェクトに関連付けられた第2の軌道を決定するステップと、
前記エリア及び前記第2の軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記車両と前記オブジェクトとの間の衝突ゾーンを決定するステップと、
前記衝突ゾーンに時間-空間重複を適用するステップであって、前記時間-空間重複は、前記車両及び前記オブジェクトが前記衝突ゾーン内にいると予測される時間の範囲を含む、ステップと、
前記衝突ゾーン及び前記時間-空間重複に少なくとも部分的に基づいて、前記車両がとる行動を決定するステップと、
前記行動に少なくとも部分的に基づいて前記車両を制御するステップと、
を含み、
前記衝突ゾーンを決定するステップは、
オブジェクト進入点を決定するステップと、
オブジェクト退出点を決定するステップと、
車両進入点を決定するステップと、
車両退出点を決定するステップと、
をさらに含む、方法。
【請求項12】
前記オブジェクト進入点に関連付けられたオブジェクト進入時間と、前記オブジェクト退出点に関連付けられたオブジェクト退出時間と、前記車両進入点に関連付けられた車両進入時間と、前記車両退出点に関連付けられた車両退出時間とを決定するステップと、
前記車両退出時間と前記オブジェクト進入時間との間の第1の時間が第1の閾値時間未満であること、又は
前記オブジェクト退出時間と前記車両進入時間との間の第2の時間が第2の閾値時間未満であること、
のうちの少なくとも1つを決定するステップと、
をさらに含み、
前記行動は、前記第1の閾値時間未満である前記第1の時間、又は、前記第2の閾値時間未満である前記第2の時間のうちの少なくとも1つに部分的にさらに基づいて決定される、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
1つ又は複数のプロセッサを含むシステムによって実行される方法であって、
前記方法は、
環境内の車両に関連付けられた第1の軌道を決定するステップと、
前記第1の軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記車両に関連付けられたエリアを決定するステップと、
前記環境内のオブジェクトに関連付けられた第2の軌道を決定するステップと、
前記エリア及び前記第2の軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記車両と前記オブジェクトとの間の衝突ゾーンを決定するステップと、
前記衝突ゾーンに時間-空間重複を適用するステップであって、前記時間-空間重複は、前記車両及び前記オブジェクトが前記衝突ゾーン内にいると予測される時間の範囲を含む、ステップと、
前記衝突ゾーン及び前記時間-空間重複に少なくとも部分的に基づいて、前記車両がとる行動を決定するステップと、
前記行動に少なくとも部分的に基づいて前記車両を制御するステップと、
前記エリアを画定する点セットの点を特定するステップと、
前記エリアを画定する前記点セットの残りの点セットを決定するステップであって、前記残りの点セットは、前記点を除く前記点セットを含む、ステップと、
前記点セットに関連付けられた第1のエリアが、前記残りの点セットに関連付けられた第2のエリアに十分に類似することを決定するステップと、
前記エリアを画定する前記点セットから前記点を除去するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
実行されたときに、1つ又は複数のプロセッサに、
自律車両に関連付けられた経路ポリゴンを生成するステップであって、前記経路ポリゴンは、環境を通って移動する前記自律車両のプランニングされた経路を表し、前記経路ポリゴンは、前記自律車両の幅に少なくとも部分的に基づいて生成される、ステップと、
前記環境内のオブジェクトに関連付けられた軌道を決定するステップと、
前記経路ポリゴンと前記軌道との間の潜在的な衝突ゾーンを決定するステップであって、前記潜在的な衝突ゾーンは、前記自律車両と前記オブジェクトとの間の起こりうる衝突のエリアを含み、前記潜在的な衝突ゾーンを決定する前記ステップは、前記軌道が通る前記経路ポリゴンの一部を決定するステップを含む、ステップと、
前記オブジェクトが前記潜在的な衝突ゾーンに進入しそうな第1の時間と、前記オブジェクトが前記潜在的な衝突ゾーンを退出しそうな第2の時間とを決定するステップと、
前記自律車両の前記プランニングされた経路と、前記オブジェクトに関連付けられた前記軌道との間の時間-空間重複に少なくとも部分的に基づいて、前記自律車両と前記オブジェクトとの間の衝突の尤度を決定するステップであって、前記時間-空間重複は、前記第1の時間及び前記第2の時間に少なくとも部分的に基づくものであり、前記自律車両及び前記オブジェクトが前記潜在的な衝突ゾーン内にいると予測される時間の範囲を含む、ステップと、
前記オブジェクトとの衝突を避けるために前記自律車両がとる行動を、前記衝突の尤度に少なくとも部分的に基づいて決定するステップと、
前記行動に少なくとも部分的に基づいて前記自律車両を制御するステップと、
を含む処理を実行させる命令を記憶する、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記時間-空間重複は、
車両位置コーンとオブジェクト位置コーンとの間の第1の重複、又は
前記オブジェクトの予測される位置を表す1つ又は複数の確率密度関数に対応する曲線と前記衝突ゾーンとの第2の重複
のうちの少なくとも1つをさらに含み、
前記車両位置コーンは、前記衝突ゾーンまでの距離と時間との関係を示すグラフ上で、前記車両の予測される位置に関する前記距離と時間との関係を表す第1の領域を示し、前記オブジェクト位置コーンは、前記グラフ上で、前記オブジェクトの予測される位置に関する前記距離と時間との関係を表す第2の領域を示す、
請求項14に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記処理は、
前記1つ又は複数の確率密度関数と前記衝突ゾーンとの第2の重複に少なくとも部分的に基づいて、前記1つ又は複数の確率密度関数の積分を確率として決定するステップをさらに含み、前記行動は、前記確率に少なくとも部分的に基づく、
請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
実行されたときに、1つ又は複数のプロセッサに、
環境を横切る車両に関連付けられたエリアを決定するステップと、
前記環境内のオブジェクトに関連付けられた軌道を決定するステップと、
前記エリア及び前記軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記車両と前記オブジェクトとの間の衝突ゾーンを決定するステップと、
前記衝突ゾーンに時間-空間重複を適用するステップであって、前記時間-空間重複は、前記車両及び前記オブジェクトが前記衝突ゾーン内にいると予測される時間の範囲を含む、ステップと、
前記衝突ゾーン及び前記時間-空間重複に少なくとも部分的に基づいて、前記車両がとる行動を決定するステップと、
前記行動に少なくとも部分的に基づいて前記車両を制御するステップと、
経路ポリゴンに圧縮技術を適用するステップであって、前記圧縮技術は、
前記エリアに関連付けられた複数の点に関連付けられた第1のエリアを計算し、
前記複数の点のうちの点を特定して除去し、
前記複数の点の残りを決定し、
前記残りに関連付けられたポリゴンに関連付けられた第2のエリアを計算し、
前記第1のエリアと前記第2のエリアとの間の差を決定し、
前記差が閾値差以内であることを決定する
ように構成される、ステップと、
を含む処理を実行させる命令を記憶する、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
実行されたときに、1つ又は複数のプロセッサに、
環境を横切る車両に関連付けられたエリアを決定するステップと、
前記環境内のオブジェクトに関連付けられた軌道を決定するステップと、
前記エリア及び前記軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記車両と前記オブジェクトとの間の衝突ゾーンを決定するステップと、
前記衝突ゾーンに時間-空間重複を適用するステップであって、前記時間-空間重複は、前記車両及び前記オブジェクトが前記衝突ゾーン内にいると予測される時間の範囲を含む、ステップと、
前記衝突ゾーン及び前記時間-空間重複に少なくとも部分的に基づいて、前記車両がとる行動を決定するステップと、
前記行動に少なくとも部分的に基づいて前記車両を制御するステップと、
を含む処理を実行させる命令を記憶する、非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記衝突ゾーンを決定するステップは、さらに、
前記軌道と前記エリアとが交差することを決定するステップ、又は、
前記軌道と前記エリアとの間の第1の距離が第1の閾値距離未満であることを決定し、前記軌道に関連付けられた幅を増加して拡張された幅の軌道を取得し、前記拡張された軌道と前記エリアとの間の第2の距離が第2の閾値距離未満であることを決定するステップ
の少なくとも1つを含む、
一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
実行されたときに、1つ又は複数のプロセッサに、
環境を横切る車両に関連付けられたエリアを決定するステップと、
前記環境内のオブジェクトに関連付けられた軌道を決定するステップと、
前記エリア及び前記軌道に少なくとも部分的に基づいて、前記車両と前記オブジェクトとの間の衝突ゾーンを決定するステップと、
前記衝突ゾーンに時間-空間重複を適用するステップであって、前記時間-空間重複は、前記車両及び前記オブジェクトが前記衝突ゾーン内にいると予測される時間の範囲を含む、ステップと、
前記衝突ゾーン及び前記時間-空間重複に少なくとも部分的に基づいて、前記車両がとる行動を決定するステップと、
前記行動に少なくとも部分的に基づいて前記車両を制御するステップと、
を含む処理を実行させる命令を記憶する、非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
前記衝突ゾーンを決定する前記ステップは、
最大オブジェクト速度に少なくとも部分的に基づいてオブジェクト進入点を決定するステップと、
最小オブジェクト速度に少なくとも部分的に基づいてオブジェクト退出点を決定するステップと、
車両最大速度に少なくとも部分的に基づいて車両進入点を決定するステップと、
車両最小速度に少なくとも部分的に基づいて車両退出点を決定するステップと、
をさらに含む、
一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記車両がとる前記行動を決定するステップは、
前記行動に基づいて前記車両の第2の経路ポリゴンを生成するステップと、
前記第2の経路ポリゴンに基づいて前記車両と前記オブジェクトとの間の第2の潜在的な衝突ゾーンを決定するステップと、
衝突の第2の尤度を決定するステップと、
を含む、
請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本PCT国際特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2018年9月19日に出願された「COLLISION PREDICTION AND AVOIDANCE FOR VEHICLES」と題する米国特許出願第16/136,038号の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
車両は、動作環境中のオブジェクトを検出し回避するように構成された衝突回避システムを装備していることがある。オブジェクトは、他の車両、サイクリスト、歩行者など、移動オブジェクトを含み得る。従来の衝突回避システムは、単に環境中の面の存在を識別し、面との衝突を回避するために車両の速度を調整することによって衝突を回避することがある。しかし、これらの従来のシステムは、不必要で不自然である状況において車両を譲歩させ、それにより、潜在的に交通遅延を引き起こし得る。
【発明の概要】
【0003】
詳細な説明について、添付の図を参照しながら説明される。図では、参照番号の最左の数字は、その参照番号が最初に現れる図を識別する。異なる図における同じ参照番号の使用は、同様又は同等のコンポーネント又は特徴を示す。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の実施形態による、自律車両とエージェントとの間に潜在的衝突ゾーンが存在するかどうかを判定するために、自律車両の衝突回避システムによって生成される環境の2次元マップを表す図において自律車両の経路ポリゴンと推定されたエージェント軌道とがオーバーレイされる、環境中の自律車両の図である。
図2】自律車両の衝突回避システムが、自律車両のプランニングされた経路を表す経路ポリゴンと、エージェントに関連する推定されたエージェント軌道との間の潜在的衝突ゾーンを判定し得る、環境中の自律車両の図である。
図3A】本開示の実施形態による、自律車両の衝突回避システムが、時空間重複に基づいて自律車両とエージェントとの間の起こり得る衝突を判定し得る、エージェント軌道に関連する位置コーン及び潜在的衝突ゾーンに対する自律車両のプランニングされた速度の例示的な時空間重複の図であって、衝突回避システムが、プランニングされた経路に沿って自律車両と重複しているエージェントに関連する位置コーンに基づいて車両とエージェントとの間の衝突の高いリスクを判定し得る、時空間重複の図である。
図3B】本開示の実施形態による、自律車両の衝突回避システムが、時空間重複に基づいて自律車両とエージェントとの間の起こり得る衝突を判定し得る、エージェント軌道に関連する位置コーン及び潜在的衝突ゾーンに対する自律車両のプランニングされた速度の例示的な時空間重複の図であって、衝突回避システムが、プランニングされた経路に沿って自律車両と重複していないエージェントに関連する位置コーンに基づいて車両とエージェントとの間の衝突の低いリスクを判定し得る、時空間重複の図である。
図4】本開示の実施形態による、自律車両の衝突回避システムが、エージェントに関連する、あり得る(possible)速度及び行動(action)の1つ又は複数の確率密度関数に基づいて自律車両とエージェントとの間の起こり得る衝突点を判定し得る、自律車両の経路ポリゴンと推定されたエージェント軌道との間の衝突ゾーンの図である。
図5】本明細書で説明される技法を実装するための例示的なシステムのブロック図である。
図6】本開示の実施形態による、自律車両と環境中のオブジェクトとの間の衝突を回避するために実施すべき行動を判定するための例示的な処理を示す図である。
図7】本開示の実施形態による、車両と環境中のオブジェクトとの間の衝突を回避するために実施すべき行動を判定するための例示的な処理を示す図である。
図8】本開示の実施形態による、自律車両と環境中のエージェントとの間の衝突ゾーンを判定するための例示的な処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示は、車両と環境中のエージェント(例えば、動的オブジェクト)との間の衝突予測及び回避を改善するための技法を対象とする。車両は、自律又は半自律車両を含み得る。エージェントは、他の車両(例えば、車、トラック、オートバイ、モペットなど)、歩行者、自転車に乗る人などを含み得る。車両コンピューティングシステムは、車両とエージェントに関する、あり得る経路及び速度に基づき、それらの間の起こり得る衝突ゾーンを判定するように構成され得る。車両コンピューティングシステムは、次いで、1つ又は複数の起こり得る衝突ゾーン中の衝突を回避するために実施すべき行動を判定するように構成され得る。
【0006】
車両コンピューティングシステムは、環境を通る車両の2次元経路(例えば、車両経路)を表す点経路ポリゴン(経路ポリゴン)を生成するように構成され得る。経路ポリゴンは、車両のプランニングされた経路に沿った複数の点ペア(又は単に点)を含み得る。様々な例では、点は、車両の左側及び右側の表現を含み得る。例えば、左点は、車両の最左の広がり(例えば、車両の左側のフェンダーの外側エッジの位置)を表し得るし、右点は、車両の最右の広がり(例えば、車両の右側のフェンダーの外側エッジの位置)を表し得る。いくつかの例では、点ペアの左点及び/又は右点は、車両のそれぞれの側の上のバッファを含み得る。例示的な例として、左点は、左バンパーの外側エッジの位置+3インチ(7.62cm)を表し得るし、右点は、右バンパーの外側エッジの位置+3インチ(7.62cm)を表し得る。経路ポリゴンの点及び/又は点ペアは、車両の前部、車両の後部上の点又はそれらに近接した点、又は、車両の前部と後部の中間の点を表し得るが、車両に沿った任意の相対位置が企図される。
【0007】
様々な例では、点ペアの左点及び/又は右点に関連するバッファは、車両のプランニングされた経路に基づいて判定され得る。そのような例では、左点及び/又は右点に関連するバッファは、例えば、ターンなど、車両のプランニングされた運動に基づいて調整され得る。例えば、車両が左にターンする場合、左点は、最大偏向における左タイヤの外側エッジの位置+バッファ(例えば、3インチ(7.62cm)、6インチ(15.24cm)、12インチ(30.48cm)、3フィート(91.44cm)など)を表し得るし、及び/又は右点は、最大偏向における右タイヤの外側エッジの位置+バッファ(例えば、3インチ(7.62cm)、6インチ(15.24cm)、12インチ(30.48cm)、3フィート(91.44cm)など)を表し得る。左側のバッファと右側のバッファは、同じであるか又は異なり得る。いくつかの例では、そのようなバッファは車両のロケーションに依存し得る(例えば、歩行者が予想されないハイウェイではより小さいバッファ、狭く歩行者で混雑しているエリアではより高いバッファなど)。
【0008】
いくつかの例では、車両コンピューティングシステムは、経路ポリゴンに圧縮技法を適用して、それに関連する点の総数を低減し、それにより計算速度を増加させるように構成され得る。そのような例では、車両コンピューティングシステムは、経路ポリゴンから点を削除することが、経路ポリゴンに関連するエリアに変化を生じさせ得ると判定し得る。エリアの変化が閾値変化内である場合、車両コンピューティングシステムは、精度の有意な低減なしに点を削除し得る。エリアの閾値変化は、影響を受けるエリアの割合又は影響を受けるエリアの総量に基づき得る。例えば、点の削除後のエリアの変化が元のエリアの1%以内である場合、車両コンピューティングシステムは点を削除し得る。別の例では、エリアの変化が2.5平方メートルよりも小さい場合、車両コンピューティングシステムは点を削除し得る。非限定的な例として、実質的に矩形のポリゴンのエッジに沿った点を削除することは、総エリアを変化させないはずである。そのような点は考慮から外されてよい。一方、小さい曲率半径をもつ弧に沿った点を削除することは、ポリゴンエリアを実質的に変化させ得る。そのような点は保持され得る。
【0009】
車両コンピューティングシステムは、環境中のエージェントを識別するように構成され得る。いくつかの例では、エージェントは、車両のセンサ(例えば、カメラ、動きディテクタ、光検出及び測距(LIDAR)、無線検出及び測距(RADAR)など)からのセンサデータに基づいて識別され得る。いくつかの例では、エージェントは、例えば、データを複数の車両と共有するように構成された別の車両に関連するセンサ又は環境中に取り付けられたセンサなど、リモートセンサから受信されたセンサデータに基づいて識別され得る。
【0010】
車両コンピューティングシステムは、センサデータに基づいてエージェントの1つ又は複数の軌道(例えば、エージェントが環境中を移動するときのそれの位置、速度、加速度など)を判定し得る。エージェントの1つ又は複数の軌道は、エージェントの中心が環境中を進み得る可能な経路を表し得る。エージェントの中心は、エージェントの推定される質量中心、推定される体積中心点などを含み得る。車両の経路ポリゴンと1つ又は複数の軌道とに基づいて、車両コンピューティングシステムは、車両とエージェントとの間に潜在的衝突ゾーンが存在するかどうかを判定し得る。様々な例では、衝突ゾーンは、経路ポリゴンとエージェントの1つ又は複数の軌道のうちの軌道が交差するエリアを含み得る。
【0011】
いくつかの例では、車両コンピューティングシステムは、(例えば、エージェントの中心として表される)エージェント軌道が経路ポリゴンの閾値距離内に収まると判定し得る。そのような例では、車両コンピューティングシステムは、衝突ゾーンが存在するかどうか(例えば、車両とエージェントが衝突し得るかどうか)を判定するためにエージェント軌道の幅を拡張し得る。様々な例では、車両コンピューティングシステムは、例えば、センサデータによって判定されたような、エージェントの既知の幅に基づいてエージェント軌道の幅を拡張し得る。いくつかの例では、車両コンピューティングシステムは、識別されたエージェントのための予め画定された幅に基づいてエージェント軌道の幅を拡張し得る。例えば、車両コンピューティングシステムは、エージェントを歩行者として識別し得る。車両コンピューティングシステムは、歩行者のための予め画定された幅4フィート(121.92cm)(例えば、歩行者を中心とする2フィート(60.96cm)半径)を含み得る。別の例では、車両コンピューティングシステムは、エージェントをオートバイとして識別し得る。車両コンピューティングシステムは、オートバイのための予め画定された幅を、オートバイの中心の各側3フィート(91.44cm)(合計6フィート(182.88cm))として含み得る。
【0012】
経路ポリゴンとエージェント軌道との間に衝突ゾーンが存在するという判定に基づいて、車両コンピューティングシステムは、衝突ゾーン中で衝突が発生し得るかどうか及び/又は衝突ゾーン中で衝突が発生し得る尤度を判定するために、衝突ゾーンに時空間重複を適用し得る。時空間重複は、車両に関連するプランニングされた速度と、関連する不確実性を含み得る、エージェントに関連するあり得る(例えば、予測される)速度とを含み得る。いくつかの例では、時空間重複は、エージェントが環境を通って衝突ゾーン中に及び衝突ゾーン中を進み得る、あり得る速度の位置コーンとして表され得る。エージェントに関連するあり得る速度は、(例えば、センサデータ、地域に関連する速度制限などに基づいて判定された)エージェントの現在の速度と、現在の速度のあり得る変化とを表し得る。速度のあり得る変化は、交通規則、道路法、属地的な運転エチケット、交通パターン、エージェントのセマンティック分類、環境中のエージェントの予測される相互作用などに基づき得る。あり得る速度は、アグレッシブな運転挙動及び慎重な運転挙動を含み得る。アグレッシブな運転プロファイル(例えば、アグレッシブな運転挙動)は、慎重な運転プロファイル(例えば、慎重な運転挙動)よりも高い最大速度、高い最大加速度、及び/又は短い反応時間に関連し、一方、慎重な運転プロファイルは、アグレッシブな運転プロファイルよりも低い最小速度、低い最小加速度、及び長い反応時間に関連し得る。少なくとも1つの例では、衝突ゾーンへのエージェントの進入点は、アグレッシブな速度推定値に基づき得るし、衝突ゾーンの中からエージェントの退出点は、慎重な速度推定値に基づき得る。そのような例では、衝突ゾーン中で費やされるエージェントの時間は、ワーストケースシナリオとして最大化される。エージェントの慎重な挙動とアグレッシブな挙動との任意の他の組合せも企図される。
【0013】
いくつかの例では、時空間重複は、時間に基づくエージェントのあり得る位置に関連する1つ又は複数の確率密度関数(PDF)を含み得る。そのような例では、PDFは、交通規則、道路法、属地的な運転エチケット、交通パターン、エージェントのセマンティック分類などに基づくものなど、エージェントの加速及び/又は減速に基づくアグレッシブな及び慎重な動き、そして不確実性を表し得る。様々な例では、PDFは、タイミングに基づいて衝突ゾーン上にオーバーレイされた1つ又は複数の曲線(例えば、ガウス分布)として表され得る。衝突ゾーンのエリア内の多数のPDF(例えば、エージェント及び/又は車両のそれ)の積分(例えば衝突ゾーンと重複する領域中のみのPDFを積分すること)は、確率を生じ得る。そのような確率は、今度は、プランニング及び意思決定を通知するために使用され得る。様々な例では、車両コンピューティングデバイスは、時空間重複に基づいて衝突が発生し得るかどうかを判定し得る。いくつかの例では、車両コンピューティングデバイスは、エージェントに関連する位置コーンに基づいて、衝突ゾーン中で車両とエージェントが衝突するか、又はさもなければ衝突ゾーンが確からしいというより高い確率を有し得ると判定し得る。例えば、コンピューティングデバイスは、アグレッシブな速度推定値に基づいて衝突ゾーンへのエージェントの進入点に関連する進入時間を判定し、慎重な速度推定値に基づいて衝突ゾーンの中からのエージェントの退出点に関連する退出時間を判定し得る。車両コンピューティングデバイスは、エージェントの進入時間及び退出時間を、車両に関連する進入時間及び退出時間と比較し得る。エージェント及び車両に関連する進入時間及び退出時間が重複する場合、車両コンピューティングデバイスは、衝突ゾーン中でエージェントと車両が衝突し得ると判定し得る。
【0014】
様々な例では、車両コンピューティングデバイスは、経時的なエージェントの位置に関連する1つ又は複数の確率密度関数に基づいて、衝突ゾーン中で車両とエージェントが衝突し得る確率を判定し得る。そのような例では、車両コンピューティングデバイスは、PDFの少なくとも部分が衝突ゾーンと交差するかどうかを判定するために、衝突ゾーンに関してPDFをプロットし得る。車両コンピューティングデバイスは、衝突ゾーンに関して交差するPDF下のエリアを判定し得る。交差するPDF下のエリアが閾値量を超える場合、車両コンピューティングデバイスは、衝突ゾーン中で車両とエージェントが衝突し得ると判定し得る。少なくとも他の例では、車両は、積分されたエリアに応じて応答し得る。非限定的な例として、確率がより高いほど、車両によって適用される減速はより大きくなる。
【0015】
衝突ゾーン中で車両とエージェントが衝突し得るという判定、又はそれに関連する確率に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、実施すべき行動を判定し得る。行動は、エージェントに対して譲歩すること(例えば、減速又は停止すること)、及び/又は車両に関連するプランニングされた経路を変更すること(例えば、右にレーン変更すること、左にレーン変更すること、レーン内で車両のプランニングされた経路を変更すること、路肩上で運転することなど)を含み得る。いくつかの例では、行動を判定することは、車両のための安全な停止位置を判定することを含み得る。そのような例では、安全な停止位置は、衝突のリスク又は確率がほとんど又は全く存在し得ない位置を含み得る。様々な例では、車両コンピューティングデバイスは、車両経路に関連するレーンを変更することが、低減された譲歩時間を生じ得ると判定し得る。そのような例では、車両コンピューティングデバイスは、第2の衝突ゾーンを判定し、もしあれば、経路変更に基づいてエージェントに対して譲歩すべき量を判定するために、第2の時空間重複を実施し得る。
【0016】
本明細書で論じられる技法は、いくつかの仕方で車両コンピューティングデバイスの機能を改善し得る。上述のように、車両コンピューティングデバイスは、エージェントの中心に基づいてエージェント軌道データを処理する。いくつかの例では、車両コンピューティングデバイスは、エージェント軌道が経路ポリゴンの閾値距離内に収まるかどうかに基づいて衝突リスクが存在するかどうかを判定し得る。エージェント軌道が経路ポリゴンの閾値距離内にある場合、車両コンピューティングデバイスは、衝突リスクが存在するかどうかを判定するための追加の計算を実施し得る。しかし、エージェント軌道が閾値距離内にない場合、車両コンピューティングデバイスは、追加の計算を実施することを回避し、それにより、他の計算のために利用可能なコンピューティング電力を増加させ、コンピューティングデバイスの機能を改善し得る。さらに、又は代替として、車両コンピューティングデバイスは、車両の経路ポリゴンに圧縮技法を適用し得る。圧縮技法は、経路ポリゴン中の点の数を低減し、それにより、衝突リスクが存在するかどうかを判定するために計算される必要がある計算の数を低減し得る。コンピュータの機能に対するこれら及び他の改善は、本明細書で論じられ、いくつかの事例では、本明細書で説明される技法を使用して達成され得る。
【0017】
本明細書で説明される技法はいくつかの方法で実装され得る。例示的な実装が、以下の図を参照しながら以下で提供される。自律車両のコンテキストにおいて論じられるが、明細書で説明される方法、装置、及びシステムは、様々なシステム(例えば、センサシステム又はロボットプラットフォーム)に適用されてよく、自律車両に限定されない。別の例では、本技法は、航空又は航海のコンテキストにおいて、又はマシンビジョンを使用する任意のシステムにおいて(例えば、画像データを使用するシステムにおいて)利用され得る。さらに、本明細書で説明される技法は、(例えば、センサを使用してキャプチャされた)現実のデータ、(例えば、シミュレータによって生成された)シミュレートデータ、又はこれら2つの任意の組合せとともに使用され得る。
【0018】
図1は、自律車両102(車両102)の改善された衝突回避システムによって生成される環境100の2次元マップ108を表す図において、自律車両102の点経路ポリゴン104(経路ポリゴン104)と推定されたエージェント軌道106とがオーバーレイされる、環境100中の自律(又は半自律)車両102の図である。車両コンピューティングデバイスは、車両102の改善された衝突回避システムを実施し得る。別個のシステムとして説明されているが、いくつかの例では、本明細書で説明される衝突回避技法は、他の車両システム、コンポーネント、及び/又はコンピューティングデバイスによって実装され得る。例えば、図5に関してさらに詳細に説明されるように、本明細書で説明される衝突回避技法は、少なくとも部分的にプランニングコンポーネント524によって又はそれに関連して実装され得る。
【0019】
様々な例では、車両コンピューティングデバイスは、車両102の経路ポリゴン104を生成し得る。経路ポリゴン104は、複数の点110によって画定され得るし、環境100を通る車両102のプランニングされた経路の2次元表現を表し得る。様々な例では、経路ポリゴン104は点110のペアとして表され得るが、任意の数の個々の点が企図される。いくつかの例では、経路ポリゴン104は、点110のペアの個々の点を接続して経路ポリゴン104の外周を画定することによって形成された領域を備え得る。点110のペアは、車両102の左境界及び右境界を表し得る。いくつかの例では、車両の左境界及び右境界は、例えば、車両102の幅など、最小距離を表し得る。例えば、左境界及び右境界は、それぞれ、車両の左最外及び右最外エッジを表し得る。いくつかの例では、左境界及び右境界(例えば、最小距離)は、車両の最外エッジの外側のバッファをさらに含み得る。例えば、点ペアの左点110(1)は、車両102の左最外境界+3インチ(7.62cm)、6インチ(15.24cm)、8インチ(20.32cm)などを表し得るし、点ペアの右点110(2)は、車両102の右最外境界+3インチ(7.62cm)、6インチ(15.24cm)、8インチ(20.32cm)などを表し得る。この例における例示的なバッファ距離は、単に説明の目的のためであり、リストされた距離よりも小さい又は大きい任意の距離を含み得る。左側のバッファと右側のバッファは、同じであるか又は異なり得る。ポリゴンの長さは、時間ホライズンに関連し得る。例えば、軌道は、後退ホライズン技法に従って計算され得る。関連するポリゴンの長さは、そのような後退ホライズンに関連し得る。
【0020】
様々な例では、点ペアの左点と右点110の位置は、例えば、ターンなど、車両102の運動に基づいて個々に調整され得る。そのような例では、点ペアの左点110(1)などの左点又は右点110(2)などの右点は、運動に基づいて距離(例えば、3インチ(7.62cm)、5インチ(12.7cm)、8インチ(20.32cm)など)だけ外側に調整され得る。様々な例では、左点又は右点110は、ターンに関連する曲率半径に基づいてその距離だけ外側に調整され得る。例えば、45度右ターンにおいて、点ペアの右点110は、車両102がターンを介して進むときに車両102が占有し得る追加の空間を考慮するための距離だけ外側に調整され得る。
【0021】
様々な例では、点110のペアは、時間に関して一貫した間隔(例えば、0.2秒間隔、0.5秒間隔など)でマップ108上に表され得る。いくつかの例では、点110のペアは、様々な間隔でマップ108上に表され得る。様々な例では、点110のペアは、互いに長さ(例えば、経路に沿った長さ)が等しい距離において表され得る。そのような例では、点ペアの各左/右点110は、点ペアの次の左/右点110から予め画定された距離(例えば、1メートル、3フィート(91.44cm)、18インチ(45.72cm)など)にあり得る。いくつかの例では、点110のペアは、互いに長さが異なる距離において表され得る。様々な例では、距離は、車両102の運動、車両102の速度、環境100中の交通の密度、及び/又は車両102に影響を及ぼす他の要因に基づいて判定され得る。例えば、図1に示されているように、経路ポリゴン104の第1の左点110(1)及び第2の左点110(3)は、車両102が経路に沿ってまっすぐであり続ける間、互いに距離Diであり得る。第2の左点110(3)において、車両102は、駐車されている車両112を回避するために、わずかな左ターンを開始する。このわずかな左ターンに少なくとも部分的に基づいて、第2の左点110(3)と第3の左点110(4)との間の距離D2は、距離Diよりも小さくなり得る。別の例では、車両102は、駐車されている車両112に接近することを遅らせ得る。そのような例では、距離D2は、車両102の低減された速度に部分的に基づいて、距離Diよりも小さくなり得る。
【0022】
様々な例では、車両コンピューティングシステムは、経路ポリゴン104に圧縮技法を実施するように構成され得る。そのような例では、車両コンピューティングシステムは、計算から点110を削除することによって車両コンピューティングシステム自体及び衝突回避システムの速度及び機能を改善するように構成され得る。いくつかの例では、車両コンピューティングシステムは、110(N)などの点110を削除することが、経路ポリゴン104に関連するエリアに影響を及ぼさないか又は無視できる影響を及ぼし得ると判定し得る。経路ポリゴン104のエリアは、環境を通る車両102のプランニングされた(例えば、意図された)経路の2次元エリア(例えば、メートル2、フィート2、インチ2など)であり得る。いくつかの例では、車両コンピューティングシステムは、点H0(N)を削除することが、閾値量よりも少ないエリアを修正し得ると判定し得る。閾値量は、総エリアの割合(例えば、3%、5%、10%など)であり得るし、及び/又はそれは、エリアの予め画定された量(例えば、2.5メートル2、2フィート2(1858.0608cm2)、6インチ2(38.709599999999995cm2)など)であり得る。図1に示されているように、車両コンピューティングシステムは、点110(N)を削除することが、経路ポリゴン104のエリアにほとんど又は全く影響を及ぼさないであろうと判定し得る。このようにして、車両コンピューティングデバイスは計算から点110(N)を削除し、それにより、計算の複雑さを低減し、車両コンピューティングデバイスの機能を改善し得る。
【0023】
いくつかの例では、車両コンピューティングシステムは、計算から点110を削除する前に、経路ポリゴン104中の点110が衝突リスクゾーンに近接している(例えば、50フィート(15.24m)、15メートル、25メートルなど以内にある)かどうかを判定し得る。衝突リスクゾーンは、例えば、センサデータを介して検出された近くの交差点、横断歩道、駐車されている車両112(例えば、使用不能な車両、二重駐車されている車両など)など、衝突のリスクが高いエリアを含み得る。さらに、衝突リスクゾーンは、高い交通密度、より高い平均車両速度、既知の工事ゾーンなどをもつエリアを含み得る。様々な例では、車両コンピューティングシステムが、点110が潜在的衝突ゾーンに近接していると判定した場合、車両コンピューティングシステムは、エリアが削除によって最小限の影響を受けるかどうかに関係なく、計算から点110を削除しないことを判定し得る。
【0024】
様々な例では、車両コンピューティングシステムは、環境110中の1つ又は複数のエージェント114を検出するように構成され得る。車両コンピューティングシステムは、1つ又は複数のセンサから受信されたセンサデータに基づいてエージェント114を検出し得る。いくつかの例では、センサは、例えば、カメラ、動きディテクタ、LIDAR、RADARなど、車両102上に取り付けられたセンサを含み得る。いくつかの例では、センサは、例えば車両102(2)などの別の車両102上に取り付けられたセンサ、及び/又は環境100中に取り付けられたセンサ116など、1つ又は複数のリモートセンサを含み得る。様々な例では、車両102(1)は、車両102(2)及び/又はセンサ116からデータを送信及び/又は受信するように構成され得る。データは、センサデータ、環境100中で識別されたエージェント114に関するこのようなデータを含み得る。様々な例では、環境100は、交通監視、衝突回避などのためのセンサ116を含み得る。いくつかの例では、センサ116は、例えば、見通しがきかないか又はあまり見通しがきかない交差点においてなど、低減された可視性のエリアにおいて追加の可視性を提供するために環境中に取り付けられ得る。例えば、環境100中の交差点は、見通しがきかない交差点を有することを判定され得るし、ここで、接近している車両102は、交差している道路上の左又は右から接近しているエージェント114及び/又は他の車両を知覚することが不可能であり得る。環境中の交差点は、従って、交差している道路から交差点に接近しているエージェント114(1)に関するセンサデータを接近している車両102(1)に提供するためのセンサ116を含み得る。別の例では、車両102(2)は、環境中の交差点を渡っており、それが交差点を通過するときに左にエージェント114(1)を検出していることがある。車両102(2)は、車両102(1)が交差点に接近中であると判定し得るし、エージェント114(1)に関するセンサデータを車両102(1)に送信し得る。車両102(1)の車両コンピューティングデバイスは、このセンサデータを受信し得るし、車両102(1)上のセンサによるエージェント114(1)の知覚より前に衝突回避対策を実施するように構成され得る。
【0025】
様々な例では、車両コンピューティングシステムは、センサデータを受信し得るし、例えば、エージェント114がエージェント114(1)などの車、トラック、オートバイ、モペット、自転車に乗る人、エージェント114(2)などの歩行者などであるかどうかなど、エージェント114のタイプを判定(例えば、エージェントのタイプを分類)し得る。様々な例では、車両コンピューティングシステムは、センサデータ及び/又はエージェント114のタイプに基づいて1つ又は複数のエージェントポリゴンを判定し得る。そのような例では、エージェントポリゴンは、エージェントが環境100中を進み得る1つ又は複数の可能な経路を表し得る。様々な例では、車両コンピューティングシステムは、センサデータ及び/又はエージェント114のタイプに基づいて1つ又は複数の推定されたエージェント軌道106(軌道106)を判定し得る。いくつかの例では、軌道106は、エージェント114が(例えば、知覚の時間における)現在の位置から及び/又は進行方向に基づいて進み得る、任意の数の可能な経路を含み得る。例示的な例では、エージェント114(1)は、第1の軌道106(1)においてまっすぐであり続け得るか、第2の軌道106(2)において右にターンし得るか、又は第3の軌道106(3)において左にターンし得る。但し、他の例では、軌道の数は、限定はされないが、全ての可能な軌道の連続的表現を含む、3よりも大きいか又はそれよりも小さい任意の数であり得る。いくつかの例では、軌道の数は、エージェントの分類(例えば、エージェントのタイプ)、他の静的及び/又は動的オブジェクト、運転可能な表面など、様々な要因に応じて変動し得る。
【0026】
様々な例では、軌道106は、軌道サンプル118(1)、118(2)及びH8(N)などの軌道サンプル118を含み得る。いくつかの例では、軌道サンプル118は、軌道106に沿った経時的なエージェント114の平均位置を表し得る。例示的な例では、軌道サンプル118は、(例えば、実質的に等しく離間された)エージェント114の一定の速度を表す。この一定の速度は、知覚された速度、既知の速度制限などに基づき得る。そのような例では、軌道サンプル118(1)、118(2)及び118(N)は、互いに実質的に等しい距離において表され得る。いくつかの例では、軌道サンプル118は、エージェント114の変動する速度、加速、及び/又は減速を表し得る。そのような例では、変動する速度は、例えば、ターンのために速度制限よりも10mph(16.09344km/h)小さく遅くすること、及び速度制限まで戻って加速することなど、運動の予め画定された速度に基づき得る。さらに、そのような例では、軌道サンプル118(1)、118(2)及び118(N)は、互いに変動する距離において表され得る。少なくとも他の例では、そのような軌道サンプル118は、予測システムによって判定されるようにエージェントの予測される動きに基づいて判定され得る。
【0027】
軌道サンプル118は、エージェント114の中心を表し得る。エージェント114の中心は、エージェントの推定される質量中心、推定される中心点などを含み得る。車両102の経路ポリゴン104及び軌道106に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、車両102(1)とエージェント114(1)との間に潜在的衝突ゾーン120が存在し得るかどうかを判定し得る。いくつかの例では、経路ポリゴン104と106(1)などの軌道106が交差する場合、車両102(1)とエージェント114(1)との間に衝突ゾーン120が存在し得る。例示的な例では、車両コンピューティングデバイスは、経路ポリゴン104と軌道106(1)及び106(3)が交差点において交差する場合、潜在的衝突ゾーン120(1)及び120(2)が存在し得ると判定し得る。
【0028】
さらに、車両コンピューティングシステムは、軌道106(2)などの軌道106が経路ポリゴン104の閾値距離(例えば、2メートル、3メートル、3フィート(91.44cm)、5フィート(152.4cm)など)内にあることに基づいて、車両102(1)とエージェント114との間に衝突ゾーン120(3)などの潜在的衝突ゾーン120が存在し得ると判定し得る。いくつかの例では、閾値距離は、予め画定された距離に基づき得る。様々な例では、閾値距離は、エージェント114(1)の既知の又は知覚された幅に基づいて判定され得る。いくつかの例では、閾値距離は、エージェント114(1)の既知の又は知覚された幅+エージェントバッファに基づいて判定され得る。エージェントバッファは、エージェント114の周りの安全バッファを表し得る。いくつかの例では、エージェントバッファは、上記で論じられたように、車両102(1)に関する点ペア位置に関連するバッファに少なくとも部分的に基づき得る。例えば、点ペアの点110が車両102(1)の最外エッジ+12インチ(30.479999999999997cm)を表す場合、エージェントバッファは、点ペアの点110が車両102(1)の最外エッジ+2インチ(5.08cm)を表す場合よりも小さくなり得る。いくつかの例では、エージェントバッファは、エージェント114のタイプに基づいて判定され得る。例えば、歩行者エージェント114(2)は、エージェント114(2)の中心の周りの2.5フィート(76.2cm)半径のエージェントバッファを有し得る。別の例では、オートバイとして識別されたエージェント114は、エージェント114の中心の各側に2フィート(60.96cm)エージェントバッファを有し得る。
【0029】
様々な例では、車両コンピューティングデバイスは、軌道が経路ポリゴン(又はそれの点110)の閾値距離内にあると判定し得るし、軌道のエッジ(例えば、幅)を、軌道サンプル(例えば、エージェントの中心)から、エージェントの中心からの距離に拡張し得る。いくつかの例では、距離は、エージェントの既知の又は知覚された幅であり得る。いくつかの例では、距離は、エージェントの既知の又は知覚された幅+エージェントバッファを含み得る。いくつかの例では、エージェントバッファは、上記で論じられたように、車両102に関する点ペア位置に関連するバッファに少なくとも部分的に基づき得る。車両コンピューティングデバイスは、(マップ108上などで)エージェント軌道106の拡張された幅を経路ポリゴン104と比較して、潜在的衝突ゾーン120が存在するかどうかを判定し得る。経路ポリゴン104と、エージェント軌道106及び/又はエージェントポリゴンの拡張された幅が交差する及び/又は最小許容距離(例えば、3インチ(7.62cm)、5インチ(12.7cm)、1フィート(30.48cm))内で通るという判定に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、潜在的衝突ゾーン120が存在すると判定し得る。経路ポリゴン104とエージェント軌道106の拡張された幅が交差しない及び/又は最小許容距離を超えてそばを通る(pass by more than the minimum allowable distance)という判定に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、衝突ゾーン120が存在しないと判定し得る。最小許容距離は、乗客が車両内にいるかどうか、環境中の道路の幅、搭乗者の快適さ及び/又は反応、搭乗者の知られたトレランス、属地的な運転エチケットなどに基づき得る。
【0030】
図2は、自律車両の衝突回避システムが、自律車両のプランニングされた経路を表す経路ポリゴン104などの経路ポリゴン204と、エージェント114などのエージェントに関連する軌道106などの推定されたエージェント軌道206との間の、潜在的衝突ゾーン120などの潜在的衝突ゾーン202を判定し得る、環境100などの環境200の図である。
【0031】
様々な例では、自律車両の車両コンピューティングシステムは、潜在的衝突ゾーン202を判定し得る衝突回避システムを用いて構成され得る。潜在的衝突ゾーン202は、4つの要素、車両進入点208、車両退出点210、エージェント進入点212、及びエージェント退出点214を含み得る。車両及びエージェントの進入点及び退出点の各々は、位置及び距離を含み得る。エージェント進入点212及びエージェント退出点214は、エージェントの軌道206に沿った、軌道サンプル118などの軌道サンプル216を含み得る。いくつかの例では、エージェント進入点212及びエージェント退出点214は、衝突のリスクが存在しない軌道サンプル216を表し得る。様々な例では、エージェント進入点212の位置は、経路ポリゴン204との交差(例えば、収斂)より前の、最後の軌道サンプル216を識別することによって判定され得る。いくつかの例では、エージェント退出点214の位置は、軌道206と経路ポリゴン204との間の交差の後の、最初の軌道サンプル216を識別することによって判定され得る。エージェント進入点212及びエージェント退出点214に関連する距離は、軌道206に沿った距離としてそれぞれの位置から導出され得る。
【0032】
車両コンピューティングデバイスは、軌道206の前及び後の(例えば、軌道206の左及び右への)オフセット距離に基づいて車両進入点208及び車両退出点210の位置を判定し得る。いくつかの例では、オフセット距離は、エージェントの幅、エージェントの幅+バッファ、バッファ自体、又は車両が衝突しないエージェントからの安全距離を表す任意の他の距離に基づき得る。いくつかの例では、オフセット距離は、軌道206から測定された距離を含み得る。いくつかの例では、オフセット距離は、軌道206の前及び後の経路ポリゴン204に沿って測定された距離(例えば、車両経路)を含み得る。様々な例では、オフセット距離は、経路ポリゴンの中心から測定され得る。いくつかの例では、オフセット距離は、経路ポリゴン204に沿った車両の最前方の点から測定され得る。そのような例では、オフセット距離は、車両運動(例えば、ターン)、及び車両の位置に対するそれの影響を考慮し得る。
【0033】
いくつかの例では、オフセット距離は、例えば、車両の長さに基づくなどして、軌道206からの予め画定された距離(例えば、一定の距離)を含み得る。様々な例では、オフセット距離は、エージェント及び/又はエージェントバッファの既知の又は知覚された幅に基づき得る。いくつかの例では、軌道の前及び後のオフセット距離は、同じ又は異なる一定の距離であり得る。例えば、車両進入点208は、軌道206の前に10フィート(304.8cm)のオフセット距離をもつ位置を表し得るし、車両退出点210は、軌道206の後に5フィート(152.4cm)のオフセット距離をもつ位置を表し得る。別の例では、車両進入点208及び車両退出点210は、それぞれ、軌道206の前及び後に7フィート(213.35999999999999cm)のオフセット距離をもつ位置を表し得る。
【0034】
図3A図3B、及び図4に関して以下でさらに詳細に論じられるように、車両102(1)とエージェント114(1)との間の1つ又は複数の潜在的衝突ゾーン202の限界(例えば、エージェント進入点212、エージェント退出点214、車両進入点208、車両退出点210)の判定に基づいて、車両コンピューティングシステムは、各潜在的衝突ゾーン202に時空間重複を適用して、潜在的衝突ゾーン202中の衝突のリスクを判定し得る。時空間重複は、車両に関連するプランニングされた速度と、エージェントに関連するあり得る速度とを含み得る。いくつかの例では、時空間重複は、エージェントが環境200を通って潜在的衝突ゾーン202中に及び潜在的衝突ゾーン202中を進み得る、あり得る速度の位置コーンとして表され得る。いくつかの例では、時空間重複は、時間に基づくエージェントのあり得る位置に関連する1つ又は複数の確率密度関数(PDF)として表され得る。
【0035】
図3A及び図3Bは、自律車両302の衝突回避システムが、時空間重複300に基づいて自律車両302とエージェント114などのエージェント306との間の衝突のリスクを判定し得る、軌道106などのエージェント軌道に関連する位置コーン、及び潜在的衝突ゾーン120などの潜在的衝突ゾーン304に対する車両102などの自律車両302のプランニングされた速度として表される例示的な時空間重複300(例えば、重複)の図である。
【0036】
図3Aは、衝突回避システムが、プランニングされた経路(例えば、経路ポリゴン)に沿った車両302に関連する車両位置コーン310と重複しているエージェント306に関連するエージェント位置コーン308に基づいて車両302とエージェント306との間の衝突の高いリスクを判定し得る、時空間重複300の図である。衝突のリスク及び/又は確率は、車両位置コーン310とエージェント位置コーン308との間の重複(例えば、時間ギャップ)の量に基づいて判定され得る。衝突の高いリスク(例えば、確率)は、第1の閾値(例えば、25%、30%、40%など)を上回る衝突の確率を含み得る。衝突の低いリスクは、第2の閾値(例えば、5%、7%、10%など)を下回る衝突の確率を含み得る。衝突の中程度のリスクは、第1の閾値と第2の閾値との間の衝突の確率を含み得る。例示的な例では、時空間重複300は、潜在的衝突ゾーン304に対する距離対時間のグラフィカル表現を含む。
【0037】
様々な例では、車両コンピューティングシステムは、車両位置コーン310及びエージェント位置コーン308を判定し得る。車両位置コーン310は、潜在的衝突ゾーン204を通るプランニングされた経路(例えば、経路ポリゴン)に沿った車両302のあり得る速度に基づいて判定され得る。エージェント位置コーン308は、軌道106などの軌道に沿ったエージェント306のあり得る速度に基づいて判定され得る。図3Aにおいて、車両302及びエージェント306のあり得る速度は、速度-時間グラフ312として示され得る。
【0038】
様々な例では、速度-時間グラフ312に示されたあり得る速度は、それぞれ、車両302及びエージェント306のあり得る加速度(例えば、正及び負の加速度)から導出され得る。図3Aにおいて、あり得る加速度は、加速度-時間グラフ314として示され得る。速度-時間グラフ312及び加速度-時間グラフ314に示されている速度及び加速度は、説明の目的で誇張されており、いかなる仕方でも限定的であることを意図されていない。いくつかの例では、速度-時間グラフ312及び/又は加速度-時間グラフ314は対数目盛で表され得る。さらに、アグレッシブ、慎重、平均的、又はそれ以外であるかどうかに関係なく、どんな挙動もモデル化され得る。
【0039】
図3Aにおける例示的な例では、車両302及びエージェント306の各々は、それぞれ、正の加速度316(1)及び316(2)と、負の加速度318(1)及び318(2)の両方を有する。正の加速度316は、速い挙動モデル(例えば、アグレッシブな挙動)に基づき得る。負の加速度318は、遅い挙動モデル(例えば、慎重な挙動)に基づき得る。例示的な例では、正の加速度316及び負の加速度318は、現在の速度及び/又は道路速度(例えば、速度制限、環境における最大の既知の速度など)に基づく一定の加速度を仮定する。他の例では、正の加速度316及び負の加速度318は、変動する加速度を含み得る。様々な例では、潜在的な慎重及び/又はアグレッシブな挙動は、初期速度、ベースライン速度、環境又はそれの部分における速度制限などに基づいて判定され得る。いくつかの例では、潜在的な慎重及び/又はアグレッシブな挙動は、エージェント306のタイプ及び/又は分類に少なくとも部分的に基づき得る。例えば、歩行者エージェントの慎重及び/又はアグレッシブな挙動は、車両のものとは異なるであろう。別の例では、スポーツカーの慎重及び/又はアグレッシブな挙動は、トラクタートレーラに関連するものとは異なるであろう。
【0040】
様々な例では、316(1)として示されている、エージェント306に関連する正の加速度316は、交通規則、道路法、属地的な運転エチケット、交通パターン、エージェントのセマンティック分類などに基づき得る。いくつかの例では、正の加速度316(1)は、環境においてあり得る正の加速度の最大量を表し得る。様々な例では、エージェント306に関連する負の加速度318(1)は、初期速度に基づくものなど、環境においてあり得る負の加速度の最大量を表し得る。
【0041】
様々な例では、車両コンピューティングシステムは、速度-時間グラフ312に示されているように、それぞれの正の加速度316及び負の加速度318に少なくとも部分的に基づいて、車両302及びエージェント306の経時的な最大速度320及び最小速度322を判定し得る。様々な例では、車両コンピューティングシステムは、それぞれの最大速度320及び最小速度322に基づいて、図2に関して上記で論じられたように、車両進入点、車両退出点、エージェント進入点、及びエージェント退出点に関連する進入時間及び退出時間を判定し得る。
【0042】
時空間重複300に示されているように、車両コンピューティングシステムは、潜在的衝突ゾーン304に対してそれぞれエージェント位置コーン308及び車両位置コーン310を判定し得る。エージェント位置コーン308及び車両位置コーン310は、潜在的衝突ゾーン304に対するエージェント進入時間324、エージェント退出時間328、車両進入時間326、及び車両退出時間330に基づき得る。様々な例では、エージェント進入時間324(tAgent進入)及び車両進入時間326(tVehicle進入)は、それぞれの最大速度320(1)及び320(2)に関連し得る。そのような例では、潜在的衝突ゾーン304への進入時間は、速度の最もアグレッシブな推定に関連し得る。様々な例では、エージェント退出時間328(Agent退出)及び車両退出時間330(tVehicle退出)は、それぞれの最小速度322(1)及び322(2)に関連し得る。そのような例では、潜在的衝突ゾーン304への退出時間は、速度の最も慎重な推定に関連し得る。アグレッシブなモデルを使用した進入速度及び慎重なモデルを使用した退出速度を計算することによって、衝突回避システムは、エージェントと車両が同時に衝突ゾーン中にある時間の範囲を慎重に拡張することができる。
【0043】
図3Aの例示的な例では、車両コンピューティングデバイスは、時空間重複300上で、潜在的衝突ゾーン304中に車両302とエージェント306との間の重複332が存在すると判定し得る。重複332に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、潜在的衝突ゾーン中の衝突のリスクが高く、車両コンピューティングデバイスが、衝突を回避するための行動を車両に実施させるべきであると判定し得る。行動は、車両302を遅くしてエージェント306に対して譲歩すること、車両302を停止してエージェント306に対して譲歩すること、左にレーン変更すること、又は右にレーン変更することを含み得る。いくつかの例では、行動を判定することは、車両のための安全な停止位置を判定することを含み得る。そのような例では、安全な停止位置は、衝突のリスク又は確率がほとんど又は全く存在し得ない位置を含み得る。判定された行動に基づいて、図5に関してさらに詳細に論じられるように、車両コンピューティングデバイスは、行動を車両302に実施させ得る。様々な例では、左又は右へのレーン変更においてなど、車両302の横方向位置を調整することを判定したことに応答して、車両コンピューティングデバイスは、経路ポリゴンを再び生成し、経路ポリゴンに対してエージェント軌道をプロットし、潜在的衝突ゾーンを判定し、時空間重複を実施して、行動の後に衝突リスクが依然として存在し得るかどうかを判定し得る。
【0044】
図3Bは、衝突回避システムが、プランニングされた経路に沿って車両位置コーン310と重複していないエージェント位置コーン308に基づいて車両302とエージェント306との間の衝突の低いリスクを判定し得る、時空間重複300の図である。図3Aにおいて説明された処理と同様に、車両コンピューティングデバイスは、慎重な及びアグレッシブな加速度に基づいて、車両302及びエージェント306に関連する最大速度及び最小速度を導出し得る。車両コンピューティングデバイスは、導出された速度に基づいて、車両302の進入点及び退出点に関連する時間(例えば、車両進入時間326(tVehicle進入)及び車両退出時間330(tVehicle退出))と、エージェント306の進入点及び退出点に関連する時間(例えば、エージェント進入時間324(tAgent進入)及びエージェント退出時間328(tAgent退出))とを判定し得る。
【0045】
図3Bの例示的な例では、車両コンピューティングデバイスは、時空間重複300上で、潜在的衝突ゾーン304中に車両位置コーン310とエージェント位置コーン308との間の重複が存在しないと判定し得る。重複がないことに基づいて、車両コンピューティングデバイスは、潜在的衝突ゾーン中の衝突のリスクが低いと判定し得る。いくつかの例では、衝突のリスクは、エージェント退出時間328と車両進入時間326との間の時間(T)又は車両退出時間330とエージェント進入時間324との間の時間が閾値時間(例えば、10秒、30秒、1分など)を超える場合、低い及び/又は存在しないことが判定され得る。そのような例では、閾値時間は、衝突を回避するために安全裕度に基づき得る。様々な例では、衝突のリスクが低いという判定に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、プランニングされた速度で、プランニングされた経路ポリゴンに沿って続けることを判定し得る。
【0046】
図4は、車両の改善された衝突回避システムが、経時的なエージェント及び/又は車両に関連するあり得る位置の1つ又は複数の確率密度関数408に基づいて、車両とエージェント114などのエージェント(例えば、オブジェクト)との間の衝突のリスクを判定し得る、車両102などの車両の経路ポリゴン104などの経路ポリゴン404と、軌道106などの推定されたエージェント軌道406との間の潜在的衝突ゾーン402上の時空間重複400(例えば、重複)の図である。
【0047】
上記で論じられたように、車両の車両コンピューティングデバイスは、時間に基づくエージェント及び/又は車両のあり得る位置に関連する1つ又は複数の確率密度関数408を使用して、判定された潜在的衝突ゾーン402上で時空間重複400を実施し得る。エージェント及び/又は車両のあり得る位置は、あり得る加速度、及びそこから導出された速度から導出され得る。確率密度関数408は、交通規則、道路法、属地的な運転エチケット、交通パターン、エージェントのセマンティック分類などに基づくものなど、エージェントの加速に基づくアグレッシブな及び慎重な運転速度、そして不確実性を表し得る。
【0048】
例示的な例では、確率密度関数408は、潜在的衝突ゾーン402上にオーバーレイされた2つの曲線として示されている。確率密度関数408(1)は、車両のあり得る位置を表し得るし、確率密度関数408(2)は、エージェントのあり得る位置を表し得るし、又はその逆である。いくつかの例では、車両及びエージェントの各々に関連する1つ又は複数の確率密度関数408は、単一の確率密度関数408に畳み込まれ得る。そのような例では、確率密度関数408は、単一の分布において、エージェントと車両の両方のあり得る位置の畳み込みを表し得る。
【0049】
様々な例では、確率密度関数408は、エージェント及び/又は車両に関連する2次元エリアを表し得る。いくつかの例では、確率密度関数408は、エージェント及び/又はエリアに関連する3次元エリアを表し得る。様々な例では、確率密度関数408(1)などの確率密度関数408の曲線の下のエリアの総和(例えば、積分)は1に等しくなり得る。いくつかの例では、確率密度関数408の積分は、確率密度関数408の数に等しくなり得る。例えば、例示的な例では、積分は2に等しく、これは、確率密度関数408(1)の曲線の下のエリア、及び確率密度関数408(2)の曲線の下のエリアを表す。
【0050】
様々な例では、車両コンピューティングデバイスは、少なくとも1つの確率密度関数408の一部又は全部が潜在的衝突ゾーン402内に位置するかどうかを判定し得る。そのような例では、確率密度関数408は、少なくとも1つの確率密度関数408の少なくとも部分が潜在的衝突ゾーン402と交差し及び/又はそれの内側にある場合、潜在的衝突ゾーン402中に位置し得る。例示的な例では、確率密度関数408(1)及び408(2)の少なくとも部分が潜在的衝突ゾーン402と交差する。
【0051】
様々な例では、確率密度関数408が潜在的衝突ゾーン402の外側に位置しており、潜在的衝突ゾーン402と交差しないという判定に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、車両とエージェントとの間の衝突のリスク及び/又は衝突の確率が低い及び/又は存在しないと判定し得る。いくつかの例では、1つ又は複数の確率密度関数408の少なくとも部分が潜在的衝突ゾーン402とともに位置し及び/又はそれと交差するという判定に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、重複410を判定し得る。重複410は、潜在的衝突ゾーン402と重複する確率密度関数408の各曲線の下のエリア(例えば、積分)を表し得る。
【0052】
様々な例では、車両コンピューティングデバイスは、潜在的衝突ゾーン402と交差する各確率密度関数408のエリアの割合を判定し得る。そのような例では、車両コンピューティングデバイスは、各確率密度関数408(1)及び408(2)に関連する曲線の下のエリアに基づいて重複410を区分し得る。いくつかの例では、車両コンピューティングデバイスは、確率密度関数408の数と比較して重複410のエリアの割合を判定し得る。例えば、車両コンピューティングデバイスは、重複410に関連するエリアを2の割合(例えば、2つの確率密度関数408の各々のそれと等価なエリア)として判定し得る。
【0053】
様々な例では、車両コンピューティングデバイスは、潜在的衝突ゾーン402と交差する1つ又は複数の確率密度関数408の下のエリアの割合に基づいて衝突のリスク及び/又は確率を判定し得る。いくつかの例では、リスク及び/又は確率は、エリアの割合に基づいて、高い、中程度、又は低いと見なされ得る。例えば、15%未満のエリアは低いリスクと見なされ得るし、16~30%のエリアは中程度のリスクと見なされ得るし、31%超は高いリスクと見なされ得る。
【0054】
様々な例では、車両コンピューティングデバイスは、確率密度関数408の曲線の下のエリアの割合が閾値割合(例えば、5%、10%、15%、20%など)よりも小さいかどうかを判定し得る。そのような例では、確率密度関数408の曲線の下のエリアの割合が閾値割合よりも小さいという判定に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、車両とエージェントとの間の衝突の低い及び/又はゼロのリスク及び/又は確率があると判定し得る。いくつかの例では、車両コンピューティングデバイスは、確率密度関数408の曲線の下のエリアの割合が閾値割合(例えば、25%、50%、75%など)を超えるかどうかを判定し得る。そのような例では、確率密度関数408の曲線の下のエリアの割合が閾値割合よりも大きいという判定に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、車両とエージェントとの間の衝突の高いリスク及び/又は確率があると判定し得る。様々な例では、衝突の高いリスク及び/又は確率は、リスクの許容量を超えるリスクであり得る。
【0055】
いくつかの例では、リスクの判定(例えば、高い、中程度の、又は低いリスク)に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、取るべき行動を判定し得る。行動は、車両を遅くしてエージェントに対して譲歩すること、車両を停止してエージェントに対して譲歩すること、左にレーン変更すること、又は右にレーン変更することを含み得る。いくつかの例では、行動を判定することは、車両のための安全な停止位置を判定することを含み得る。そのような例では、安全な停止位置は、衝突のリスク又は確率がほとんど又は全く存在し得ない位置を含み得る。少なくともいくつかの例では、行動は、積分の後の判定された合成確率に少なくとも部分的に基づき得る。非限定的な例として、車両速度は、衝突の確率に応じて調整され得る。判定された行動に基づいて、図5に関してさらに詳細に論じられるように、車両コンピューティングデバイスは、行動を車両に実施させ得る。様々な例では、左又は右へのレーン変更においてなど、車両の横方向位置を調整することを判定したことに応答して、車両コンピューティングデバイスは、経路ポリゴンを再び生成し、経路ポリゴンに対してエージェント軌道をプロットし、潜在的衝突ゾーンを判定し、時空間重複を実施して、行動の後に衝突リスクが依然として存在し得るかどうかを判定し得る。
【0056】
様々な例では、車両コンピューティングデバイスは、少なくとも意図の表示に基づいて行動を車両に実施させるように構成され得る。意図の表示は、車両が行動の後に取るフォローアップ行動の、環境中のエージェント及び/又は他の車両への信号を表し得る。意図の表示は、交通規則、道路法、属地的な運転エチケットなどに基づき得る。意図の表示は、衝突ゾーンに入るか又は部分的に入ること、衝突ゾーンにゆっくり接近すること(例えば、完全な停止に至らないこと)などを含み得る。様々な例では、意図の表示に対応するフォローアップ行動は、極めて低い又はゼロの衝突リスクを有し得る。そのような例では、フォローアップ行動は、極めて低い又はゼロの衝突リスクの判定に基づいて選定され得る。例えば、車両コンピューティングデバイスは、車両の前向き部分が、エージェントとの衝突のリスクなしに交差点における衝突ゾーンに入り得ると判定し得る。車両コンピューティングデバイスは、従って、車両を交差点における衝突ゾーンに入らせて、交差点において左にターンするという意図をシグナリングさせ得る。
【0057】
図5は、本明細書で説明される技法を実装するための例示的なシステム500のブロック図である。少なくとも1つの例では、システム500は、車両102などの車両502を含み得る。
【0058】
車両502は、車両コンピューティングデバイス504、1つ又は複数のセンサシステム506、1つ又は複数のエミッタ508、1つ又は複数の通信接続510、少なくとも1つの直接接続512、及び1つ又は複数の駆動モジュール514を含み得る。
【0059】
車両コンピューティングデバイス504は、1つ又は複数のプロセッサ516と、1つ又は複数のプロセッサ516に通信可能に結合されたメモリ518とを含み得る。図示の例では、車両502は自律車両である。しかし、車両502は、半自律車両など、任意の他のタイプの車両、又は少なくとも画像キャプチャデバイス(例えば、カメラ対応スマートフォン)を有する任意の他のシステムであり得る。図示の例では、車両コンピューティングデバイス504のメモリ518は、位置特定コンポーネント520と、知覚コンポーネント522と、プランニングコンポーネント524と、1つ又は複数のシステムコントローラ526と、1つ又は複数のマップ528と、経路コンポーネント532、エージェント軌道コンポーネント534、時間重複コンポーネント536、リスクコンポーネント538、及び行動コンポーネント540を含む衝突回避コンポーネント530とを記憶する。図4では説明の目的でメモリ518に常駐しているものとして示されているが、位置特定コンポーネント520と、知覚コンポーネント522と、プランニングコンポーネント524と、1つ又は複数のシステムコントローラ526と、1つ又は複数のマップ528と、経路コンポーネント532、エージェント軌道コンポーネント534、時間重複コンポーネント536、リスクコンポーネント538、及び行動コンポーネント540を含む衝突回避コンポーネント530とは、さらに、又は代替として、車両502にとってアクセス可能(例えば、リモートコンピューティングデバイス544のメモリ542など、例えば、車両502からリモートにあるメモリに記憶されるか、又はさもなければそれによってアクセス可能)であり得ることが企図される。
【0060】
少なくとも1つの例では、位置特定コンポーネント520は、車両502の位置及び/又は配向(例えば、x位置、y位置、z位置、ロール、ピッチ、又はヨーのうちの1つ又は複数)を判定するためのデータをセンサシステム506から受信するための機能を含み得る。例えば、位置特定コンポーネント520は、環境のマップを含み及び/又は要求/受信し得るし、マップ内の自律車両のロケーション及び/又は配向を連続的に判定し得る。いくつかの事例では、位置特定コンポーネント520は、自律車両のロケーションを正確に判定するために、SLAM(同時位置特定及びマッピング)、CLAMS(較正、位置特定及びマッピング、同時に)、相対的SLAM、バンドル調整、非線形最小2乗最適化などを利用して、画像データ、LIDARデータ、radarデータ、IMUデータ、GPSデータ、ホイールエンコーダデータなどを受信し得る。いくつかの事例では、位置特定コンポーネント520は、本明細書で論じられるように、車両502の様々なコンポーネントにデータを提供して、車両経路に関連する経路ポリゴンを生成するための自律車両の初期位置を判定し得る。
【0061】
いくつかの事例では、知覚コンポーネント522は、オブジェクト検出、セグメンテーション及び/又は分類を実施するための機能を含み得る。いくつかの例では、知覚コンポーネント522は、車両502に近接しているエージェント(例えば、エンティティ)の存在、及び/又はエージェントタイプ(例えば、車、歩行者、サイクリスト、動物、建築物、木、路面、縁石、歩道、不明など)としてのエージェントの分類を示す、処理されたセンサデータを提供し得る。いくつかの例では、知覚コンポーネント522は、車両502に近接している静止エンティティの存在、及び/又はタイプ(例えば、建築物、木、路面、縁石、歩道、不明など)としての静止エンティティの分類を示す、処理されたセンサデータを提供し得る。追加又は代替の例では、知覚コンポーネント522は、検出されたエージェント(例えば、追跡されるオブジェクト)に関連する1つ又は複数の特性、及び/又はエージェントが位置する環境を示す、処理されたセンサデータを提供し得る。いくつかの例では、エージェントに関連する特性は、限定はされないが、x位置(グローバル及び/又はローカル位置)、y位置(グローバル及び/又はローカル位置)、z位置(グローバル及び/又はローカル位置)、配向(例えば、ロール、ピッチ、ヨー)、エージェントタイプ(例えば、分類)、エージェントの速度、エージェントの加速度、エージェントの広がり(サイズ)などを含み得る。環境に関連する特性は、限定はされないが、環境中の別のエージェントの存在、環境中の別のエージェントの状態、時刻、曜日、季節、気象条件、暗さ/光のインジケーションなどを含み得る。
【0062】
概して、プランニングコンポーネント524は、車両502が環境中を横断するために従うべき経路を判定し得る。例えば、プランニングコンポーネント524は、様々なルート及び軌道、そして様々な詳細レベルを判定し得る。例えば、プランニングコンポーネント524は、第1のロケーション(例えば、現在のロケーション)から第2のロケーション(例えば、ターゲットロケーション)に進むためのルートを判定し得る。この議論の目的で、ルートは、2つのロケーション間を進むための中間地点のシーケンスを含み得る。非限定的な例として、中間地点は、街路、交差点、全地球測位システム(GPS)座標などを含む。さらに、プランニングコンポーネント524は、第1のロケーションから第2のロケーションまでのルートの少なくとも部分に沿って自律車両を案内するための命令を生成し得る。少なくとも1つの例では、プランニングコンポーネント524は、中間地点のシーケンス中の第1の中間地点から中間地点のシーケンス中の第2の中間地点まで自律車両をどのように案内すべきかを判定し得る。いくつかの例では、命令は、軌道、又は軌道の部分であり得る。いくつかの例では、後退ホライズン技法に従って多数の軌道が(例えば、技術的トレランス内で)実質的に同時に生成され得るし、多数の軌道のうちの1つが、車両502がナビゲートするために選択される。
【0063】
いくつかの例では、プランニングコンポーネント524は、環境中のオブジェクト(例えば、エージェント)の予測される軌道を生成するための予測コンポーネントを含み得る。例えば、予測コンポーネントは、車両502からの閾値距離内のエージェントについて1つ又は複数の予測される軌道を生成し得る。いくつかの例では、予測コンポーネントは、オブジェクトのトレースを測定し、観測及び予測された挙動に基づいてオブジェクトの軌道を生成し得る。
【0064】
少なくとも1つの例では、車両コンピューティングデバイス504は、車両502のステアリング、推進、制動、安全性、エミッタ、通信、及び他のシステムを制御するように構成され得る、1つ又は複数のシステムコントローラ526を含み得る。システムコントローラ526は、車両502の駆動モジュール514及び/又は他のコンポーネントの対応するシステムと通信し及び/又はそれを制御し得る。
【0065】
メモリ518は、環境内でナビゲートするために車両502によって使用され得る1つ又は複数のマップ528をさらに含み得る。この議論の目的で、マップは、限定はされないが、(交差点などの)トポロジー、街路、山脈、道路、地形、及び環境全般など、環境に関する情報を提供することが可能な2次元、3次元、又はN次元でモデル化された任意の数のデータ構造であり得る。いくつかの事例では、マップは、限定はされないが、テクスチャ情報(例えば、色情報(例えば、RGB色情報、Lab色情報、HSV/HSL色情報)など)、強度情報(例えば、LIDAR情報、RADAR情報など)、空間情報(例えば、メッシュ上に投影された画像データ、個々の「表面要素」(例えば、個々の色及び/又は強度に関連するポリゴン))、反射率情報(例えば、鏡面度情報、逆反射性情報、BRDF情報、BSSRDF情報など)を含み得る。一例では、マップは、環境の3次元メッシュを含み得る。いくつかの例では、車両502は、マップ528に少なくとも部分的に基づいて制御され得る。即ち、マップ528は、車両502のロケーションを判定し、環境中のオブジェクトを検出し、及び/又は環境内でナビゲートすべきルート及び/又は軌道を生成するために、位置特定コンポーネント520、知覚コンポーネント522、及び/又はプランニングコンポーネント524に関連して使用され得る。
【0066】
いくつかの例では、1つ又は複数のマップ528は、ネットワーク546を介してアクセス可能な(コンピューティングデバイス544などの)リモートコンピューティングデバイス上に記憶され得る。いくつかの例では、多数のマップ528は、例えば、特性(例えば、エンティティのタイプ、時刻、曜日、年の季節など)に基づいて記憶され得る。多数のマップ528を記憶することは、同様のメモリ要件を有するが、マップ中のデータがアクセスされ得る速度を増加させ得る。
【0067】
図5に示されているように、車両コンピューティングデバイス504は、衝突回避コンポーネント530を含み得る。衝突回避コンポーネントは、環境を通る車両の経路の点経路ポリゴン(経路ポリゴン)を生成するように構成された経路コンポーネント532を含み得る。様々な例では、経路コンポーネント532は、プランニングコンポーネント524及び/又はマップ528からプランニング及び/又はマップデータを受信して、車両の経路を判定し得る。
【0068】
経路ポリゴンは、複数の点を含み得るし、環境を通る車両502のプランニングされた経路の2次元表現を表し得る。様々な例では、経路ポリゴンは点のペアとして表され得る。点のペアは、車両502の左境界及び右境界を表し得る。いくつかの例では、車両の左境界及び右境界は、例えば、車両502の幅など、最小距離を表し得る。例えば、左境界及び右境界は、それぞれ、車両の左最外及び右最外エッジを表し得る。いくつかの例では、左境界及び右境界(例えば、最小距離)は、車両の最外エッジの外側のバッファをさらに含み得る。
【0069】
様々な例では、点ペアの左点と右点の位置は、例えば、ターンなど、車両502の運動に基づいて個々に調整され得る。そのような例では、経路コンポーネント532は、運動に基づいて距離(例えば、3インチ(7.62cm)、5インチ(12.7cm)、8インチ(20.32cm)など)だけ外側に点ペアの左点及び/又は右点を調整し得る。様々な例では、左点及び/又は右点は、ターンに関連する曲率半径に基づいてその距離だけ外側に調整され得る。
【0070】
様々な例では、経路コンポーネント532は経路ポリゴンを生成し得る。いくつかの例では、経路ポリゴンは、点のペア及び/又は単一の点を含み得る。いくつかの例では、点のペア及び/又は単一の点は、互いに一貫した間隔(例えば、0.2秒間隔、0.5秒間隔など)にあり得る。いくつかの例では、点のペア及び/又は単一の点は、互いに様々な間隔にあり得る。様々な例では、点のペア及び/又は単一の点は、互いに長さ(例えば、経路に沿った長さ)が等しい距離において表され得る。そのような例では、点ペアの各左/右点は、点ペアの次の左/右点から予め画定された距離(例えば、1メートル、3フィート(91.44cm)、18インチ(45.72cm)など)にあり得る。いくつかの例では、点のペアは、互いに長さが異なる距離にあり得る。様々な例では、距離は、車両502の運動、車両502の速度、環境中の交通の密度、及び/又は車両502に影響を及ぼす他の要因に基づいて判定され得る。
【0071】
様々な例では、経路コンポーネント532は、経路ポリゴンに圧縮技法を実施するように構成され得る。そのような例では、経路コンポーネント532は、計算から点を削除することによって車両コンピューティングデバイス自体及び衝突回避コンポーネントの速度及び機能を改善するように構成され得る。いくつかの例では、経路コンポーネント532は、点を削除することが、経路ポリゴンに関連するエリアに影響を及ぼさないか又は実質的に影響を及ぼさないであろうと判定し得る。経路ポリゴンのエリアは、環境を通る車両502のプランニングされた(例えば、意図された)経路の(例えば、メートル2、フィート2、インチ2などで表される)2次元エリアであり得る。いくつかの例では、車両コンピューティングシステムは、点を削除することが、閾値量よりも少ないエリアを修正し得ると判定し得る。閾値量は、総エリアの割合(例えば、3%、5%、10%など)であり得るし、及び/又はそれは、エリアの予め画定された量(例えば、2.5メートル2、2フィート2(1858.0608cm2)、6インチ2(38.709599999999995cm2)など)であり得る。
【0072】
いくつかの例では、経路コンポーネント532は、計算から点を削除する前に、経路ポリゴン中の点が衝突リスクゾーンに近接している(例えば、50フィート(15.24m)、15メートル、25メートルなど以内にある)かどうかを判定し得る。衝突リスクゾーンは、例えば、センサデータを介して検出された近くの交差点、横断歩道、駐車されている車両(例えば、使用不能な車両、二重駐車されている車両など)など、衝突のリスクが高いエリアを含み得る。さらに、衝突リスクゾーンは、高い交通密度、既知の工事ゾーンなどをもつエリアを含み得る。様々な例では、車両コンピューティングシステムが、点が潜在的衝突ゾーンに近接していると判定した場合、車両コンピューティングシステムは、エリアが削除によって最小限の影響を受けるかどうかに関係なく、計算から点を削除しないことを判定し得る。
【0073】
いくつかの例では、衝突回避コンポーネント530はエージェント軌道コンポーネント534を含み得る。エージェント軌道コンポーネント534は、車両502が動作している環境中のエージェントに関連する1つ又は複数の可能な軌道を判定するように構成され得る。いくつかの例では、軌道は、エージェント114が(例えば、知覚の時間における)現在の位置から及び/又は進行方向に基づいて進み得る、任意の数の可能な経路を含み得る。例えば、交差点に接近して、エージェントは、右にターンするか、まっすぐであり続けるか、左にターンするか、又はUターンを行い得る。軌道は、エージェントの上述の可能な経路の各々の図を含み得る。いくつかの例では、エージェント軌道コンポーネント534は、環境中のエージェントに関して知覚コンポーネント522からデータを受信し得る。いくつかの例では、エージェント軌道コンポーネント534は、エージェントが車両502の閾値距離(例えば、1ブロック、200メートル、300フィート(91.44m)など)以内にあると判定し得る。エージェントが車両に対して閾値距離内にあるという判定に基づいて、エージェント軌道コンポーネント534は、エージェントに関連する軌道を判定し得る。いくつかの例では、エージェント軌道コンポーネント534は、環境中の各検出されたエージェントの可能な軌道を判定するように構成され得る。
【0074】
様々な例では、軌道は、エージェントの中心を表す軌道サンプル又は点を含み得る。エージェントの中心は、エージェントの推定される質量中心、推定される中心点などを含み得る。いくつかの例では、軌道サンプルは、(例えば、実質的に等しく離間された)エージェントの一定の速度を表す。この一定の速度は、知覚された速度、既知の速度制限などに基づき得る。いくつかの例では、軌道サンプルは、エージェントの変動する速度を表し得る。そのような例では、変動する速度は、例えば、ターンのために20mph(32.18688km/h)まで遅くすること、及び速度制限まで戻って加速することなど、運動の予め画定された速度に基づき得る。
【0075】
様々な例では、エージェント軌道コンポーネント534は、軌道サンプル及び/又は関連する軌道を、判定された経路ポリゴンと比較して、環境中に潜在的衝突ゾーンが存在し得るかどうかを判定し得る。潜在的衝突ゾーンは、経路ポリゴン及び軌道に基づいて、車両502とエージェントとの間の衝突が存在し得るエリアを含み得る。少なくともいくつかの例では、エージェント軌道を使用してエージェントポリゴンを計算し得る。そのような例では、衝突ゾーンは、エージェントポリゴンと経路ポリゴンとの間の重複しているエリアによって画定され得る。
【0076】
いくつかの例では、経路ポリゴンと、エージェントに関連する軌道が交差する場合、車両502とエージェントとの間に潜在的衝突ゾーンが存在し得る。様々な例では、エージェント軌道コンポーネント534は、経路ポリゴンの閾値距離(例えば、2フィート(60.96cm)、3フィート(91.44cm)、4メートル、5メートルなど)内にあるエージェントに関連する軌道及び/又は軌道サンプルに基づいて車両502とエージェントとの間に潜在的衝突ゾーンが存在し得ると判定し得る。いくつかの例では、閾値距離は、予め画定された距離に基づき得る。様々な例では、閾値距離は、エージェントの既知の又は知覚された幅に基づいて判定され得る。いくつかの例では、閾値距離は、エージェントの既知の又は知覚された幅+エージェントバッファに基づいて判定され得る。エージェントバッファは、エージェントの周りの安全バッファを表し得る。いくつかの例では、エージェントバッファは、上記で論じられたように、車両502に関する点ペア位置に関連するバッファに少なくとも部分的に基づき得る。
【0077】
様々な例では、エージェント軌道コンポーネント534は、軌道が経路ポリゴンの閾値距離内にあると判定し得るし、軌道のエッジを、軌道サンプル(例えば、エージェントの中心)から、エージェントの中心からの距離に拡張し得る。いくつかの例では、距離は、エージェントの既知の又は知覚された幅であり得る。いくつかの例では、距離は、エージェントの既知の又は知覚された幅+エージェントバッファを含み得る。エージェントバッファは、エージェントの周りの安全バッファを表し得る。いくつかの例では、エージェントバッファは、上記で論じられたように、車両502に関する点ペア位置に関連するバッファに少なくとも部分的に基づき得る。エージェント軌道コンポーネント534は、(マップ上などで)エージェント軌道の拡張された幅を経路ポリゴンと比較して、潜在的衝突ゾーンが存在するかどうかを判定し得る。経路ポリゴンと、エージェント軌道の拡張された幅が交差する及び/又は最小許容距離(例えば、3インチ(7.62cm)、5インチ(12.7cm)、1フィート(30.48cm))内で通る場合、エージェント軌道コンポーネント534は、潜在的衝突ゾーンが存在すると判定し得る。経路ポリゴンとエージェント軌道の拡張された幅が交差しない及び/又は最小許容距離を超えてそばを通る場合、エージェント軌道コンポーネント534は、衝突ゾーンが存在しないと判定し得る。最小許容距離は、乗客が車両内にいるかどうか、環境中の道路の幅、搭乗者の快適さ及び/又は反応、搭乗者の知られたトレランス(tolerances)、属地的な運転エチケットなどに基づき得る。
【0078】
様々な例では、潜在的衝突ゾーンが存在し得るという判定に基づいて、エージェント軌道コンポーネント534は、潜在的衝突ゾーンの限界を判定するように構成され得る。潜在的衝突ゾーンは、4つの要素、車両進入点、車両退出点、エージェント進入点、及びエージェント退出点を含み得る。車両502及びエージェント進入点及び退出点の各々は、位置及び距離を含み得る。エージェント進入点及びエージェント退出点は、エージェントの軌道に沿った軌道サンプルなどの軌道サンプルを含み得る。いくつかの例では、エージェント進入点及びエージェント退出点は、衝突のリスクが存在しない軌道サンプルを表し得る。様々な例では、エージェント進入点の位置は、経路ポリゴンとの交差(例えば、収斂(convergence))より前の、エージェント軌道に関連する最後の軌道サンプルを識別することによって判定され得る。いくつかの例では、エージェント退出点の位置は、軌道と経路ポリゴンとの間の収斂の後の、エージェント軌道に関連する最初の軌道サンプルを識別することによって判定され得る。エージェント進入点及びエージェント退出点に関連する距離は、軌道に沿った距離としてそれぞれの位置から導出され得る。
【0079】
車両コンピューティングデバイスは、軌道の前及び後のオフセット距離に基づいて車両進入点及び車両退出点の位置を判定し得る。いくつかの例では、オフセット距離は、軌道に直角に測定された距離を含み得る。いくつかの例では、オフセット距離は、軌道の前及び後の経路ポリゴンに沿って測定された距離(例えば、車両経路)を含み得る。様々な例では、オフセット距離は、経路ポリゴンの中心から測定され得る。いくつかの例では、オフセット距離は、経路ポリゴンに沿った車両の最前方の点から測定され得る。そのような例では、オフセット距離は、車両運動(例えば、ターン)、及び車両の位置に対するそれの影響を考慮し得る。
【0080】
いくつかの例では、オフセット距離は、例えば、車両の長さに基づくなどして、軌道からの予め画定された距離(例えば、一定の距離)を含み得る。いくつかの例では、軌道の前及び後のオフセット距離は、同じ又は異なる一定の距離であり得る。例えば、車両進入点は、軌道の前に8フィート(243.84cm)のオフセット距離をもつ位置を表し得るし、車両退出点は、軌道の後に6フィート(182.88cm)のオフセット距離をもつ位置を表し得る。
【0081】
様々な例では、時間重複コンポーネント536は、潜在的衝突ゾーン(車両及びエージェントの進入点及び退出点など、それの限界)上に時空間重複を適用するように構成され得る。様々な例では、時空間重複は、エージェント軌道及び車両502軌道に関連する位置コーンとして表され得る。様々な例では、時間重複コンポーネント536は、車両位置コーン及びエージェント位置コーンを判定するように構成され得る。車両位置コーンは、潜在的衝突ゾーンを通るプランニングされた経路(例えば、経路ポリゴン)に沿った車両のあり得る速度に基づいて判定され得る。エージェント位置コーンは、潜在的衝突ゾーンに関連する軌道に沿ったエージェントのあり得る速度に基づいて判定され得る。
【0082】
様々な例では、エージェントのあり得る速度は、エージェントのあり得る加速度(例えば、正及び負の加速度)から導出され得る。加速度は、速い挙動モデル(例えば、アグレッシブな挙動)に基づく正の加速度、及び遅い挙動モデル(例えば、慎重な挙動)に基づく負の加速度を含み得る。様々な例では、エージェントに関連する正の加速度は、交通規則、道路法、属地的な運転エチケット、交通パターン、エージェントのセマンティック分類などに基づき得る。いくつかの例では、正の加速度は、初期速度に基づいて環境中であり得る正の加速度の最大量を表し得る。様々な例では、エージェントに関連する負の加速度は、初期速度に基づくものなど、環境においてあり得る負の加速度の最大量を表し得る。
【0083】
様々な例では、時間重複コンポーネント536は、それぞれの正の加速度及び負の加速度に基づいて、車両502及びエージェントの経時的な最大速度及び最小速度を判定し得る。様々な例では、時間重複コンポーネント536は、それぞれの最大速度及び最小速度に基づいて、車両進入点、車両退出点、エージェント進入点、及びエージェント退出点に関連する進入時間及び退出時間を判定し得る。
【0084】
様々な例では、時間重複コンポーネント536は、潜在的衝突ゾーンに対してそれぞれエージェント位置コーン及び車両位置コーンを判定し得る。エージェント位置コーン及び車両位置コーンは、潜在的衝突ゾーンに対するエージェント進入時間、エージェント退出時間、車両進入時間、及び車両退出時間に基づき得る。様々な例では、エージェント進入時間及び車両進入時間は、それぞれの最大速度に関連し得る。そのような例では、潜在的衝突ゾーンへの進入時間は、速度の最もアグレッシブな推定に関連し得る。様々な例では、エージェント退出時間及び車両退出時間は、それぞれの最小速度に関連し得る。そのような例では、潜在的衝突ゾーンへの退出時間は、速度の最も慎重な推定に関連し得る。
【0085】
いくつかの例では、時空間重複は、時間に基づくエージェントのあり得る位置に関連する1つ又は複数の確率密度関数として表され得る。エージェントのあり得る位置は、あり得る加速度、及びそこから導出された速度、及び/又は他のシステム又はサブシステム(例えば、知覚コンポーネント522のサブシステムであり得る、例えば、予測システム)の出力から導出され得る。確率密度関数は、交通規則、道路法、属地的な運転エチケット、交通パターン、エージェントのセマンティック分類などに基づくものなど、エージェントの加速に基づくアグレッシブな及び慎重な運転速度、そして不確実性を表し得る。確率密度関数は、エージェントに関連する2次元エリア又は3次元エリアを表し得る。確率密度関数の曲線の下のエリアの総和は1に等しくなり得る。
【0086】
様々な例では、リスクコンポーネント538は、時間重複コンポーネント536によって判定された時空間重複に基づいて衝突のリスクを判定し得る。いくつかの例では、衝突のリスクは、潜在的衝突ゾーンに関する位置コーン間の重複に基づき得る。そのような例では、位置コーン間の重複(即ち、潜在的衝突ゾーンへのエージェント進入時間が車両退出時間の前にあるか、又は潜在的衝突ゾーンへの車両進入時間がエージェント退出時間の前にあること)に基づいて、リスクコンポーネント538は、衝突のリスクが高くなり得ると判定し得る。いくつかの例では、リスクの程度(例えば、高い、中程度、低い)は、位置コーン間の重複(例えば、時間ギャップ)の量に基づき得る。いくつかの例では、重複の量は、エージェント位置コーンの割合、及び/又は車両位置コーンの割合を含み得る。例えば、エージェント位置コーン及び車両位置コーンの各々の10%の重複は、衝突の低いリスクを含み得る。別の例では、エージェント位置コーンに対する車両位置コーンの15%の重複は、衝突の中程度のリスクを含み得る。様々な例では、リスクコンポーネント538は、エージェント位置コーンと車両位置コーンが重複しないという判定に基づいて、衝突のリスクが存在しないと判定し得る。
【0087】
様々な例では、リスクコンポーネント538は、最後に確率密度関数の部分が、判定された潜在的衝突ゾーン内に位置する(例えば、交差する及び/又はそれの内部にある)かどうかを判定し得る。様々な例では、確率密度関数が潜在的衝突ゾーンの外側に位置しており、潜在的衝突ゾーンと交差しないという判定に基づいて、リスクコンポーネント538は、車両とエージェントとの間の衝突のリスクが低い及び/又は存在しないと判定し得る。いくつかの例では、確率密度関数の少なくとも部分が潜在的衝突ゾーンとともに位置する及び/又は潜在的衝突ゾーンと交差するという判定に基づいて、リスクコンポーネント538は、重複を判定し得る。重複は、潜在的衝突ゾーンと重複する確率密度関数の各曲線の下のエリアを表し得る。
【0088】
様々な例では、リスクコンポーネント538は、潜在的衝突ゾーンと交差する確率密度関数のエリアの割合を判定し得るし、エリアの割合に基づいて衝突のリスクを判定し得る。いくつかの例では、リスクは、エリアの割合に基づいて、高い、中程度、又は低いと見なされ得る。例えば、29%未満のエリアは低いリスクと見なされ得るし、30~40%のエリアは中程度のリスクと見なされ得るし、41%超は高いリスクと見なされ得る。
【0089】
様々な例では、リスクコンポーネント538は、確率密度関数の曲線の下のエリアの割合が閾値割合(例えば、5%、15%、20%など)よりも小さいかどうかを判定し得る。そのような例では、確率密度関数の曲線の下のエリアの割合が閾値割合よりも小さいという判定に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、車両とエージェントとの間の衝突のリスクが低い及び/又はリスクがないと判定し得る。いくつかの例では、リスクコンポーネント538は、確率密度関数の曲線の下のエリアの割合が閾値割合(例えば、25%、50%、75%など)を超えるかどうかを判定し得る。そのような例では、確率密度関数の曲線の下のエリアの割合が閾値割合よりも大きいという判定に基づいて、リスクコンポーネント538は、車両とエージェントとの間の衝突の高いリスクがあると判定し得る。様々な例では、衝突の高いリスクは、リスクの許容量を超えるリスクであり得る。
【0090】
様々な例では、行動コンポーネント540は、リスクの判定(例えば、高い、中程度の、又は低いリスク)に基づいて、取るべき行動を判定し得る。行動は、車両を遅くしてエージェントに対して譲歩すること、車両を停止してエージェントに対して譲歩すること、左にレーン変更すること、又は右にレーン変更することを含み得る。判定された行動に基づいて、車両コンピューティングデバイス504は、システムコントローラ526を通じてなど、行動を車両に実施させ得る。少なくともいくつかの例では、そのような行動は、上記で詳細に説明されたように、衝突の確率に基づき得る。様々な例では、左又は右へのレーン変更においてなど、車両の横方向位置を調整することを判定したことに応答して、衝突回避コンポーネント530は、経路ポリゴンを再び生成し、経路ポリゴンに対してエージェント軌道をプロットし、潜在的衝突ゾーンを判定し、時空間重複を実施して、行動の後に衝突リスクが依然として存在し得るかどうかを判定し得る。
【0091】
様々な例では、行動コンポーネント540は、少なくとも意図の表示に基づいて行動を車両に実施させるように構成され得る。意図の表示は、車両が行動の後に取るフォローアップ行動の、環境中のエージェント及び/又は他の車両への信号を表し得る。意図の表示は、交通規則、道路法、属地的な運転エチケットなどに基づき得る。意図の表示は、衝突ゾーンに入るか又は部分的に入ること、衝突ゾーンにゆっくり接近すること(例えば、完全な停止に至らないこと)などを含み得る。様々な例では、意図の表示に対応するフォローアップ行動は、極めて低い又はゼロの衝突リスクを有し得る。そのような例では、フォローアップ行動は、極めて低い又はゼロの衝突リスクの判定に基づいて選定され得る。例えば、衝突回避コンポーネント530は、車両502の前向き部分が、エージェントとの衝突のリスクなしに交差点における衝突ゾーンに入り得ると判定し得る。衝突回避コンポーネント530は、従って、車両502を交差点における衝突ゾーンに入らせて、交差点において左にターンするという意図をシグナリングさせ得る。
【0092】
理解できるように、本明細書で論じられるコンポーネント(例えば、位置特定コンポーネント520と、知覚コンポーネント522と、プランニングコンポーネント524と、1つ又は複数のシステムコントローラ526と、1つ又は複数のマップ228と、経路コンポーネント532、エージェント軌道コンポーネント534、時間重複コンポーネント536、リスクコンポーネント538、及び行動コンポーネント540を含む衝突回避コンポーネント530は、説明の目的で分割されたものとして説明されている。しかし、様々なコンポーネントによって実施される動作は、組み合わされるか又は任意の他のコンポーネントにおいて実施されてよい。
【0093】
いくつかの事例では、本明細書で論じられるコンポーネントの一部又は全部の態様は、任意のモデル、技法、及び/又は機械学習技法を含み得る。例えば、いくつかの事例では、メモリ518(及び、以下で論じられるメモリ542)中のコンポーネントは、ニューラルネットワークとして実装されてよい。
【0094】
本明細書で説明されるように、例示的なニューラルネットワークは、入力データを一連の接続されたレイヤ中を通過させて出力を発生する、生物学的にインスパイアされた技法である。ニューラルネットワーク中の各レイヤはまた、(畳み込みであるか否かにかかわらず)別のニューラルネットワークを備え得るか、又は任意の数のレイヤを備え得る。本開示のコンテキストにおいて理解できるように、ニューラルネットワークは、学習されたパラメータに基づいて出力が生成されるそのような技法の広いクラスを指し得る、機械学習を利用し得る。
【0095】
ニューラルネットワークのコンテキストにおいて論じられているが、本開示に合致する任意のタイプの機械学習が使用されてよい。例えば、機械学習技法は、限定はされないが、回帰技法(例えば、通常の最小2乗回帰(OLSR)、線形回帰、ロジスティック回帰、段階的回帰、多変量適応回帰スプライン(MARS)、局所推定散布図平滑化(LOESS))、インスタンスベースの技法(例えば、リッジ回帰、最小絶対収縮及び選択演算子(LASSO)、弾性ネット、最小角度回帰(LARS))、決定ツリー技法(例えば、分類及び回帰ツリー(CART)、繰り返しダイコトマイザ3(ID3)、カイ2乗自動相互作用検出(CHAID)、決定スタンプ、条件付き決定ツリー)、ベイジアン技法(例えば、単純ベイズ、ガウシアン単純ベイズ、多項単純ベイズ、平均1依存エスティメータ(AODE)、ベイジアン信念ネットワーク(BNN)、ベイジアンネットワーク)、クラスタリング技法(例えば、k平均、k中央値、期待値最大化(EM)、階層クラスタリング)、関連付けルール学習技法(例えば、パーセプトロン、バックプロパゲーション、ホップフィールドネットワーク、放射基底関数ネットワーク(RBFN))、深層学習技法(例えば、深層ボルツマンマシン(DBM)、深層信念ネットワーク(DBN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、積層自動エンコーダ)、次元削減技法(例えば、主成分分析(PCA)、主成分回帰(PCR)、部分最小2乗回帰(PLSR)、サモンマッピング、多次元尺度構成法(MDS)、射影追跡、線形判別分析(LDA)、混合判別分析(MDA)、2次判別分析(QDA)、フレキシブル判別分析(FDA))、アンサンブル技法(例えば、ブースティング、ブートストラップアグリゲーション(バギング)、アダブースト、積層一般化(ブレンディング)、勾配ブースティングマシン(GBM)、勾配ブースト回帰ツリー(GBRT)、ランダムフォレスト)、SVM(サポートベクターマシン)、教師あり学習、教師なし学習、半教師あり学習などを含み得る。アーキテクチャの追加の例は、ResNet70、ResNetlOl、VGG、DenseNet、PointNetなどのニューラルネットワークを含む。
【0096】
少なくとも1つの例では、センサシステム506は、LIDARセンサ、radarセンサ、超音波トランスデューサ、ソナーセンサ、ロケーションセンサ(例えば、GPS、コンパスなど)、慣性センサ(例えば、慣性測定ユニット(IMU)、加速度計、磁力計、ジャイロスコープなど)、カメラ(例えば、RGB、IR、強度、深度、飛行時間など)、マイクロフォン、ホイールエンコーダ、環境センサ(例えば、温度センサ、湿度センサ、光センサ、圧力センサなど)などを含み得る。センサシステム506は、これら又は他のタイプのセンサの各々の多数のインスタンスを含み得る。例えば、LIDARセンサは、車両502のコーナー、前部、後部、側部、及び/又は上部に位置する個々のLIDARセンサを含み得る。別の例として、カメラセンサは、車両502の外部及び/又は内部に関する様々なロケーションに配設された多数のカメラを含み得る。センサシステム506は、車両コンピューティングデバイス504に入力を提供し得る。さらに又は代替として、センサシステム506は、特定の頻度で、所定の時間期間の経過後に、ほぼリアルタイムに、など、1つ又は複数のコンピューティングデバイス544に、1つ又は複数のネットワーク546を介して、センサデータを送り得る。
【0097】
車両502はまた、上記で説明されたように、光及び/又は音を放出するための1つ又は複数のエミッタ508を含み得る。この例におけるエミッタ508は、車両502の搭乗者と通信するための内部オーディオ及び視覚的エミッタを含む。限定ではなく例として、内部エミッタは、スピーカ、ライト、サイン、ディスプレイスクリーン、タッチスクリーン、ハプティックエミッタ(例えば、振動及び/又は力フィードバック)、機械アクチュエータ(例えば、シートベルトテンショナ、シートポジショナ、ヘッドレストポジショナなど)などを含み得る。この例におけるエミッタ508はまた、外部エミッタを含む。限定ではなく例として、この例における外部エミッタは、車両アクションの進行方向又は他のインジケータをシグナリングするためのライト(例えば、インジケータライト、サイン、ライトアレイなど)、及び歩行者又は他の近くの車両と可聴的に通信するための1つ又は複数のオーディオエミッタ(例えば、スピーカ、スピーカアレイ、ホーンなど)を含み、それらのうちの1つ又は複数は音響ビームステアリング技術を備える。
【0098】
車両502はまた、車両502と1つ又は複数の他のローカル又はリモートコンピューティングデバイスとの間の通信を可能にする1つ又は複数の通信接続510を含み得る。例えば、通信接続510は、車両502及び/又は駆動モジュール514上の他のローカルコンピューティングデバイスとの通信を容易にし得る。また、通信接続510は、車両がセンサデータを受信するために他の近くのコンピューティングデバイス(例えば、コンピューティングデバイス544、他の近くの車両など)、及び/又は、1つ又は複数のリモートセンサシステム548と通信することを可能にし得る。
【0099】
通信接続510は、車両コンピューティングデバイス504を別のコンピューティングデバイス又はネットワーク546などのネットワークに接続するための物理及び/又は論理インターフェースを含み得る。例えば、通信接続510は、IEEE802.11規格によって定義された周波数などを介したWi-Fiベースの通信、Bluetooth、セルラー通信(例えば、2G、3G、4G、4G LTE、5Gなど)などの短距離ワイヤレス周波数、又はそれぞれのコンピューティングデバイスが他のコンピューティングデバイスとインターフェースすることを可能にする任意の好適な有線又は無線の通信プロトコルを可能にすることができる。
【0100】
少なくとも1つの例では、車両502は、1つ又は複数の駆動モジュール514を含み得る。いくつかの例では、車両502は、単一の駆動モジュール514を有し得る。少なくとも1つの例では、車両502が多数の駆動モジュール514を有する場合、個々の駆動モジュール514は、車両502の反対端部(例えば、前部及び後部など)上に配置され得る。少なくとも1つの例では、駆動モジュール514は、車両502の駆動モジュール514及び/又は周囲の状況を検出するための1つ又は複数のセンサシステムを含み得る。限定ではなく例として、センサシステムは、駆動モジュールのホイールの回転を感知するための1つ又は複数のホイールエンコーダ(例えば、ロータリエンコーダ)、駆動モジュールの配向及び加速度を測定するための慣性センサ(例えば、慣性測定ユニット、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計など)、カメラ又は他の画像センサ、駆動モジュールの周囲におけるオブジェクトを音響的に検出するための超音波センサ、LIDARセンサ、radarセンサなどを含み得る。ホイールエンコーダなど、いくつかのセンサは、駆動モジュール514に対して一意であり得る。いくつかの場合には、駆動モジュール514上のセンサシステムは、車両502の対応するシステム(例えば、センサシステム506)と重複するか又はそれを補足し得る。
【0101】
駆動モジュール514は、高電圧バッテリー、車両を推進するモーター、他の車両システムが使用するためにバッテリーからの直流を交流にコンバートするインバータ、(電気的であり得る)ステアリングモーター及びステアリングラックを含むステアリングシステム、油圧又は電気アクチュエータを含む制動システム、油圧及び/又は空気コンポーネントを含む懸架システム、牽引の損失を緩和し制御を維持するための制動力を分配するための安定性制御システム、HVACシステム、照明(例えば、車両の外部周囲を照明するヘッド/テールライトなどの照明)、及び、1つ又は複数の他のシステム(例えば、冷却システム、安全性システム、オンボード充電システム、DC/DCコンバータ、高電圧接合、高圧電ケーブル、充電システム、充電ポートなどの他の電気的コンポーネント)を含む、車両システムの多くを含み得る。さらに、駆動モジュール514は、センサシステムからデータを受信し前処理して様々な車両システムの動作を制御し得る駆動モジュールコントローラを含み得る。いくつかの例では、駆動モジュールコントローラは、1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプロセッサに通信可能に結合されたメモリとを含み得る。メモリは、駆動モジュール514の様々な機能を実施するための1つ又は複数のモジュールを記憶し得る。さらに、駆動モジュール514はまた、それぞれの駆動モジュールによる1つ又は複数の他のローカル又はリモートコンピューティングデバイスとの通信を可能にする1つ又は複数の通信接続を含み得る。
【0102】
少なくとも1つの例では、直接接続512は、1つ又は複数の駆動モジュール514を車両502の本体と結合するための物理インターフェースを提供し得る。例えば、直接接続512は、駆動モジュール514と車両との間のエネルギー、流体、空気、データなどの転送を可能にし得る。いくつかの事例では、直接接続512は、さらに、駆動モジュール514を車両502の本体に解放可能に固定し得る。
【0103】
少なくとも1つの例では、位置特定コンポーネント520と、知覚コンポーネント522と、プランニングコンポーネント524と、1つ又は複数のシステムコントローラ526と、1つ又は複数のマップ528と、衝突回避コンポーネント530及びそれの様々なコンポーネントとは、上記で説明されたように、センサデータを処理し得るし、それらのそれぞれの出力を、1つ又は複数のネットワーク546を介してコンピューティングデバイス544に送り得る。少なくとも1つの例では、位置特定コンポーネント520と、知覚コンポーネント522と、プランニングコンポーネント524と、1つ又は複数のシステムコントローラ526と、1つ又は複数のマップ528と、衝突回避コンポーネント530とは、特定の頻度で、所定の時間期間の経過後に、ほぼリアルタイムに、など、それらのそれぞれの出力をコンピューティングデバイス544に送り得る。
【0104】
いくつかの例では、車両502は、ネットワーク546を介してコンピューティングデバイス544にセンサデータを送り得る。いくつかの例では、車両502は、ネットワーク546を介してコンピューティングデバイス544からセンサデータを受信し得る。センサデータは、生のセンサデータ及び/又は処理されたセンサデータ及び/又はセンサデータの表現を含み得る。いくつかの例では、(生の又は処理された)センサデータは、1つ又は複数のログファイルとして送られ及び/又は受信され得る。
【0105】
コンピューティングデバイス544は、プロセッサ550と、マップコンポーネント554及びセンサデータ処理コンポーネント546を記憶するメモリ552とを含み得る。いくつかの例では、マップコンポーネント554は、様々な解像度のマップを生成するための機能を含み得る。そのような例では、マップコンポーネント554は、ナビゲーション目的で車両コンピューティングデバイス504に1つ又は複数のマップを送り得る。様々な例では、センサデータ処理コンポーネント556は、センサシステム506及び/又はリモートセンサシステム548など、1つ又は複数のリモートセンサからデータを受信するように構成され得る。いくつかの例では、センサデータ処理コンポーネント556は、衝突回避コンポーネント530による使用などのために、データを処理し、処理されたセンサデータを車両コンピューティングデバイス504に送るように構成され得る。いくつかの例では、センサデータ処理コンポーネント556は、車両コンピューティングデバイス504に生のセンサデータを送るように構成され得る。
【0106】
車両502のプロセッサ516及びコンピューティングデバイス544のプロセッサ550は、本明細書で説明されるようにデータを処理し動作を実施するための命令を実行することが可能な任意の好適なプロセッサであり得る。限定ではなく例として、プロセッサ516及び550は、1つ又は複数の中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、又は電子データをレジスタ及び/又はメモリに記憶され得る他の電子データに変換するようにその電子データを処理する任意の他のデバイス又はデバイスの部分を備え得る。いくつかの例では、集積回路(例えば、ASICなど)、ゲートアレイ(例えば、FPGAなど)、及び他のハードウェアデバイスも、符号化された命令をそれらが実装するように構成されている限り、プロセッサと見なされ得る。
【0107】
メモリ518及び552は、非一時的コンピュータ可読媒体の例である。メモリ518及び552は、本明細書で説明される方法及び様々なシステムに帰する機能を実装するためのオペレーティングシステム、1つ又は複数のソフトウェアアプリケーション、命令、プログラム、及び/又はデータを記憶し得る。様々な実装では、メモリは、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、同期ダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュタイプメモリ、又は情報を記憶することが可能な任意の他のタイプのメモリなど、任意の好適なメモリ技術を使用して実装され得る。本明細書で説明されるアーキテクチャ、システム、及び個々の要素は、多くの他の論理的、プログラマチック、及び物理的コンポーネントを含んでよく、それらのうち、添付の図に示されているものは、本明細書の議論に関係する例にすぎない。
【0108】
いくつかの事例では、メモリ518及び552は、少なくとも作業メモリ及び記憶メモリを含み得る。例えば、作業メモリは、プロセッサ516及び550によって操作されるべきデータを記憶するために使用される限られた容量の高速メモリ(例えば、キャッシュメモリ)であり得る。いくつかの事例では、メモリ518及び552は、データの長期記憶のために使用される比較的大容量のより低速なメモリであり得る記憶メモリを含み得る。いくつかの場合には、プロセッサ516及び550は、記憶メモリに記憶されたデータを直接操作することができず、データは、本明細書で論じられるように、データに基づく操作を実施するために作業メモリにロードされる必要があり得る。
【0109】
図5は分散システムとして示されているが、代替例では、車両502のコンポーネントはコンピューティングデバイス544に関連付けられてよく、及び/又はコンピューティングデバイス544のコンポーネントは車両502に関連付けられてよいことに留意されたい。即ち、車両502は、コンピューティングデバイス544に関連する機能のうちの1つ又は複数を実施し得るし、その逆も同様である。
【0110】
図6及び図7は、本開示の実施形態による例示的な処理を示す。これらの処理は論理フローグラフとして示されており、それらの各動作は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せにおいて実装され得る動作のシーケンスを表す。ソフトウェアのコンテキストでは、動作は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、具陳された動作を実施する1つ又は複数のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を表す。概して、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実施するか又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。動作について説明される順序は、限定として解釈されることを意図されず、任意の数の説明される動作は、処理を実装するために任意の順序で及び/又は並列に組み合わされてよい。
【0111】
図6は、本開示の実施形態による、車両と環境中のオブジェクトとの間の衝突を回避するために実施すべき行動を判定するための例示的な処理600を示す。例えば、処理600の一部又は全部は、本明細書で説明されるように、図5の1つ又は複数のコンポーネントによって実施され得る。例えば、処理600の一部又は全部は、車両コンピューティングデバイス504によって実施され得る。
【0112】
動作602において、処理は、環境中の車両に関連する第1の軌道を判定することを含み得る。第1の軌道は、環境中の車両のプランニングされた経路に基づき得る。いくつかの例では、プランニングされた経路は、車両コンピューティングデバイスのメモリに記憶されたルートなどに基づいて、車両が取ることを意図されている環境中の進行の経路又はルートであり得る。
【0113】
動作604において、処理は、車両に関連するエリアを判定することを含み得る。様々な例では、エリアは、車両の経路に関連するエリアを含み得る。いくつかの例では、エリアは、車両の経路ポリゴンに関連するエリアを含み得る。そのような例では、処理は、車両の経路に関連する経路ポリゴンを生成することを含み得る。エリア及び/又は経路ポリゴンは、それらに複数の点を関連付けていることがある。いくつかの例では、エリア及び/又は経路ポリゴンは、環境を通る車両のプランニングされた経路を表し得る。様々な例では、経路ポリゴンは点のペアとして表され得る。点は、車両の左境界及び右境界を表し得る。いくつかの例では、車両の左境界及び右境界は、例えば、車両の幅など、最小距離を表し得る。いくつかの例では、左境界及び右境界(例えば、最小距離)は、車両の最外エッジの外側のバッファをさらに含み得る。例えば、点ペアの左点は、車両の左最外境界+3インチ(7.62cm)を表し得るし、点ペアの右点は、車両の右最外境界+3インチ(7.62cm)を表し得る。
【0114】
様々な例では、点ペアの左点と右点の位置は、例えば、ターンなど、車両の運動に基づいて個々に調整され得る。そのような例では、点ペアの左点などの左点、又は点ペアの右点などの右点は、運動に基づいて距離(例えば、2インチ(5.08cm)、4インチ(10.16cm)、6インチ(15.24cm)など)だけ外側に調整され得る。様々な例では、左点又は右点は、ターンに関連する曲率半径に基づいてその距離だけ外側に調整され得る。
【0115】
点は、一貫した間隔(例えば、0.2秒間隔、0.5秒間隔など)及び/又は異なる間隔で判定され得る。様々な例では、点は、互いに等しい距離において判定され得る。そのような例では、点ペアの各左/右点は、点ペアの次の左/右点から予め画定された距離(例えば、1メートル、3フィート(91.44cm)、18インチ(45.72cm)など)にあり得る。いくつかの例では、点のペアは、互いに長さが異なる距離において表され得る。様々な例では、距離は、車両の運動、車両の速度、環境中の交通の密度、及び/又は車両に影響を及ぼす他の要因に基づいて判定され得る。
【0116】
様々な例では、車両コンピューティングシステムは、経路ポリゴンに圧縮技法を実施するように構成され得る。いくつかの例では、車両コンピューティングシステムは、点を削除することが、経路ポリゴン104に関連するエリアにほとんど影響を及ぼさないか又は実質的に影響を及ぼさないであろうと判定し得る。経路ポリゴンのエリアは、環境を通る車両のプランニングされた(例えば、意図された)経路の2次元エリア(例えば、メートル2、フィート2、インチ2など)であり得る。いくつかの例では、車両コンピューティングシステムは、点を削除することが、閾値量よりも少ないエリアを修正し得ると判定し得る。閾値量は、総エリアの割合(例えば、3%、5%、10%など)であり得るし、及び/又はそれは、エリアの予め画定された量(例えば、2.5メートル2、2フィート2(1858.0608cm2)、6インチ2(38.709599999999995cm2)など)であり得る。さらに、又は代替として、点を削除することの判定は、衝突リスクゾーンに対する点の判定されたロケーションに基づき得る。そのような例では、点が衝突リスクゾーンに近接している(例えば、30フィート(9.144m)、15メートル、30メートルなど以内にある)か又は衝突リスクゾーンの閾値距離内にある場合、車両コンピューティングデバイスは、点を削除しないことを判定し得る。衝突リスクゾーンは、衝突のリスクが高いエリア(例えば、近くの交差点、横断歩道、駐車されている車両など)、高い交通密度、既知の工事ゾーンをもつエリアなどを含み得る。
【0117】
動作606において、処理は、環境中のオブジェクトに関連する第2の軌道を判定することを含み得る。車両コンピューティングデバイスは、車両の1つ又は複数のセンサ及び/又は1つ又は複数のリモートセンサからのセンサデータに基づいて第2の軌道を判定し得る。いくつかの例では、第2の軌道は、オブジェクトが(例えば、知覚の時間における)現在の位置から及び/又は進行方向に基づいて進み得る、可能な経路を含み得る。様々な例では、第2の軌道は軌道サンプルを含み得る。軌道サンプルは、エージェントの中心を表し得る。エージェントの中心は、エージェントの推定される質量中心、推定される中心点などを含み得る。
【0118】
動作608において、処理は、車両とオブジェクトとの間の潜在的衝突ゾーンを判定することを含み得る。潜在的衝突ゾーンの判定は、オブジェクト軌道と車両エリア及び/又は経路ポリゴンとに少なくとも部分的に基づき得る。いくつかの例では、エリア及び/又は経路ポリゴンと、オブジェクトに関連する第2の軌道が交差する場合、車両とオブジェクトとの間に潜在的衝突ゾーンが存在し得る。いくつかの例では、車両とオブジェクトとの間の潜在的衝突ゾーンは、第2の軌道がエリア及び/又は経路ポリゴンの閾値距離(例えば、2メートル、3メートル、3フィート(91.44cm)、5フィート(152.4cm)など)内にあることに基づいて存在し得る。いくつかの例では、閾値距離は、予め画定された距離に基づき得る。様々な例では、閾値距離は、オブジェクトの既知の又は知覚された幅に基づいて判定され得る。いくつかの例では、閾値距離は、オブジェクトの既知の又は知覚された幅+バッファに基づいて判定され得る。バッファは、エージェントの周りの安全バッファを表し得る。
【0119】
様々な例では、車両コンピューティングデバイスは、第2の軌道(軌道サンプル)がエリア及び/又は経路ポリゴンの閾値距離内にあると判定し得るし、潜在的衝突ゾーンが存在するかどうかを判定するために第2の軌道の幅を拡張し得る。車両コンピューティングデバイスは、オブジェクト及び/又はオブジェクトバッファの既知の又は知覚された幅に基づいて第2の軌道の幅を拡張し得る。いくつかの例では、幅の拡張は、車両コンピューティングデバイスによって設定される予め画定された幅(例えば、6フィート(182.88cm)、2メートルなど)に基づき得る。
【0120】
上記で説明されたように、潜在的衝突ゾーンは、4つの要素、車両進入点、車両退出点、オブジェクト進入点、及びオブジェクト退出点を含み得る。車両及びオブジェクト進入点及び退出点の各々は、位置及び距離を含み得る。
【0121】
車両コンピューティングデバイスは、第2の軌道の前及び後のオフセット距離に基づいて車両進入点及び車両退出点の位置を判定し得る。いくつかの例では、オフセット距離は、エージェントの幅、エージェントの幅+バッファ、又はエージェントへの影響を生じない軌道から計算された別の距離であり得る。いくつかの例では、オフセット距離は、第2の軌道に直角に測定された距離を含み得る。いくつかの例では、オフセット距離は、第2の軌道の前及び後のエリア及び/又は経路ポリゴンに沿って測定された距離(例えば、車両経路)を含み得る。様々な例では、オフセット距離は、エリア及び/又は経路ポリゴンの中心から測定され得る。いくつかの例では、オフセット距離は、エリア及び/又は経路ポリゴンに沿った車両の最前方の点から測定され得る。そのような例では、オフセット距離は、車両運動(例えば、ターン)、及び車両の位置に対するそれの影響を考慮し得る。いくつかの例では、オフセット距離は、例えば、車両の長さに基づくなどして、第2の軌道からの予め画定された距離(例えば、一定の距離)を含み得る。いくつかの例では、第2の軌道の前及び後のオフセット距離は、同じ又は異なる一定の距離であり得る。
【0122】
動作610において、処理は、潜在的衝突ゾーンに重複を適用することを含み得る。いくつかの例では、重複は、時空間重複300又は時空間重複400などの時空間重複を含み得る。重複は、(可能性のあるオブジェクト及び/又は車両の加速度及び/又は速度から導出された)オブジェクト位置コーンと車両位置コーンの比較に基づくか、又は1つ又は複数の確率密度関数に基づき得る。様々な例では、車両コンピューティングデバイスは、エージェント位置コーンと車両位置コーンとの間に重複が存在するかどうかを判定し得る。いくつかの例では、車両コンピューティングデバイスは、確率密度関数が、判定された潜在的衝突ゾーンと重複するかどうかを判定し得る。(位置コーン又は確率密度関数のいずれについても)重複が存在しないという判定に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、衝突のリスクが存在しない(例えば、衝突の尤度なし)と判定し得る。
【0123】
位置コーン及び/又は確率密度関数の重複が存在するという判定に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、衝突のリスク及び/又は衝突の尤度が存在すると判定し得る。いくつかの例では、位置コーンの重複の量は、リスクのレベル(例えば、高い、中程度、低い)及び/又は尤度の程度を判定し得る。いくつかの例では、確率密度関数の曲線の下のエリアの量は、リスクのレベル及び/又は尤度の程度を判定し得る。
【0124】
動作612において、処理は、車両が実施すべき行動を判定することを含み得る。いくつかの例では、実施すべき行動は、車両とエージェントとの間の衝突を回避することに基づき得る。様々な例では、実施すべき行動は、リスクの判定されたレベル及び/又は衝突の尤度に基づき得る。行動は、車両を遅くしてエージェントに対して譲歩すること、車両を停止してエージェントに対して譲歩すること、左にレーン変更すること、又は右にレーン変更すること、オブジェクトを迂回すること、駐車スポットの外に牽引すること(pulling)、駐車スポットの中に牽引することなどを含み得る。いくつかの例では、行動は、車両のための安全な停止位置を判定することを含み得る。様々な例では、実施すべき行動を判定したことに応答して、車両コンピューティングデバイスは、車両に関連する第2のエリア及び/又は新しい経路に関連する第2の経路ポリゴンを再び判定し、第2のエリア及び/又は第2の経路ポリゴンに対してオブジェクト軌道をプロットし、第2のエリア及び/又は第2の経路ポリゴンに関連する潜在的衝突ゾーンを判定し、重複(例えば、時空間重複)を適用して、行動の後に衝突リスク及び/又は衝突の尤度が依然として存在し得るかどうかを判定し得る。
【0125】
様々な例では、行動は、意図の表示を含み得る。意図の表示は、車両が行動の後に取るフォローアップ行動の、環境中のオブジェクト及び/又は他の車両への信号を表し得る。意図の表示は、交通規則、道路法、属地的な運転エチケットなどに基づき得る。意図の表示は、衝突ゾーンに入るか又は部分的に入ること、衝突ゾーンにゆっくり接近すること(例えば、完全な停止に至らないこと)などを含み得る。様々な例では、意図の表示に対応するフォローアップ行動は、極めて低い又はゼロの衝突リスク及び/又は衝突尤度を有し得る。そのような例では、フォローアップ行動は、極めて低い又はゼロの衝突リスク及び/又は尤度の判定に基づいて選定され得る。
【0126】
図7は、本開示の実施形態による、車両と環境中のオブジェクトとの間の衝突を回避するために実施すべき行動を判定するための例示的な処理700を示す。例えば、処理700の一部又は全部は、本明細書で説明されるように、図5の1つ又は複数のコンポーネントによって実施され得る。例えば、処理700の一部又は全部は、車両コンピューティングデバイス504によって実施され得る。
【0127】
動作702において、処理は、図5の経路コンポーネント532に関して説明されたように、環境を横断している車両に関連するエリアを判定することを含み得る。様々な例では、エリアは、車両の経路に関連するエリアを含み得る。いくつかの例では、エリアは、車両の経路ポリゴンに関連するエリアを含み得る。そのような例では、処理は、車両の経路に関連する経路ポリゴンを生成することを含み得る。
【0128】
上記で説明されたように、そのような経路ポリゴン及び/又はエリアは、車両が環境を横断するときの、それの経路の周囲のポリゴンを画定する点を備え得る。
【0129】
動作704において、処理は、環境中のオブジェクト(例えば、エージェント)に関連する軌道を判定することを含み得る。車両コンピューティングデバイスは、車両の1つ又は複数のセンサ及び/又は1つ又は複数のリモートセンサからのセンサデータに基づいてオブジェクト軌道を判定し得る。いくつかの例では、処理は、オブジェクトが(例えば、知覚の時間における)現在の位置から及び/又は進行方向に基づいて進み得る、任意の数の可能な経路を表す1つ又は複数の軌道を判定することを含み得る。様々な例では、軌道は軌道サンプルを含み得る。軌道サンプルは、オブジェクトの中心を表し得る。オブジェクトの中心は、エージェントの推定される質量中心、推定される中心点などを含み得る。
【0130】
動作706において、処理は、車両とオブジェクトとの間の潜在的衝突ゾーンを判定することを含み得る。潜在的衝突ゾーンの判定は、オブジェクト軌道と車両エリア及び/又は経路ポリゴンとに少なくとも部分的に基づき得る。いくつかの例では、エリア及び/又は経路ポリゴンとオブジェクトの軌道が交差する場合、車両とオブジェクトとの間に潜在的衝突ゾーンが存在し得る。いくつかの例では、車両とオブジェクトとの間の潜在的衝突ゾーンは、軌道がエリア及び/又は経路ポリゴンの閾値距離(例えば、2メートル、3メートル、3フィート(91.44cm)、5フィート(152.4cm)など)内にあることに基づいて存在し得る。いくつかの例では、閾値距離は、予め画定された距離に基づき得る。様々な例では、閾値距離は、エージェントの既知の又は知覚された幅に基づいて判定され得る。いくつかの例では、閾値距離は、オブジェクトの既知の又は知覚された幅+バッファに基づいて判定され得る。バッファは、オブジェクトの周りの安全バッファを表し得る。
【0131】
様々な例では、車両コンピューティングデバイスは、軌道(軌道サンプル)がエリア及び/又は経路ポリゴンの閾値距離内にあると判定し得るし、潜在的衝突ゾーンが存在するかどうかを判定するために軌道の幅を拡張し得る。車両コンピューティングデバイスは、オブジェクト及び/又はバッファの既知の又は知覚された幅に基づいて軌道の幅を拡張し得る。いくつかの例では、幅の拡張は、車両コンピューティングデバイスによって設定される予め画定された幅(例えば、6フィート(182.88cm)、2メートルなど)に基づき得る。
【0132】
上記で説明されたように、潜在的衝突ゾーンは、4つの要素、車両進入点、車両退出点、オブジェクト進入点、及びオブジェクト退出点を含み得るし、それらの各々は、車両及びエージェントの進入及び退出の位置に関連し得る。
【0133】
動作708において、処理は、潜在的衝突ゾーンに重複を適用することを含み得る。いくつかの例では、重複は時空間重複を含み得る。重複は、(可能性のあるオブジェクト及び/又は車両の加速度及び/又は速度から導出された)オブジェクト位置コーンと車両位置コーンの比較に基づくか、又は1つ又は複数の確率密度関数に基づき得る。様々な例では、車両コンピューティングデバイスは、オブジェクト位置コーンと車両位置コーンとの間に重複が存在するかどうかを判定し得る。いくつかの例では、車両コンピューティングデバイスは、確率密度関数が、判定された潜在的衝突ゾーンと重複するかどうかを判定し得る。(位置コーン又は確率密度関数のいずれについても)重複が存在しないという判定に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、衝突のリスクが存在しない(例えば、衝突の尤度なし)と判定し得る。
【0134】
位置コーン及び/又は確率密度関数の重複が存在するという判定に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、衝突のリスク(例えば尤度)が存在すると判定し得る。いくつかの例では、位置コーンの重複の量は、リスクのレベル(例えば、高い、中程度、低い)及び/又は尤度の程度を判定し得る。いくつかの例では、時間的ステップにおける確率密度関数の曲線の下のエリアの量は、その時間的ステップにおけるリスクのレベルを判定し得る。
【0135】
動作710において、処理は、車両が実施すべき行動を判定することを含み得る。いくつかの例では、実施すべき行動は、車両とエージェントとの間の衝突を回避することに基づき得る。様々な例では、実施すべき行動は、リスクの判定されたレベル及び/又は衝突の尤度に基づき得る。行動は、車両を遅くしてオブジェクトに対して譲歩すること、車両を停止してオブジェクトに対して譲歩すること、左にレーン変更すること、又は右にレーン変更すること、オブジェクトを迂回すること、駐車スポットの外に牽引すること、駐車スポットの中に牽引することなどを含み得る。いくつかの例では、行動は、車両のための安全な停止位置を判定することを含み得る。様々な例では、実施すべき行動を判定したことに応答して、車両コンピューティングデバイスは、車両に関連する第2のエリア及び/又は新しい経路に関連する第2の経路ポリゴンを再び判定し、第2のエリア及び/又は第2の経路ポリゴンに対してオブジェクト軌道をプロットし、第2のエリア及び/又は第2の経路ポリゴンに関連する潜在的衝突ゾーンを判定し、重複(例えば、時空間重複)を適用して、行動の後に衝突リスク及び/又は衝突の尤度が依然として存在し得るかどうかを判定し得る。
【0136】
様々な例では、行動は、意図の表示を含み得る。意図の表示は、車両が行動の後に取るフォローアップ行動の、環境中のオブジェクト及び/又は他の車両への信号を表し得る。意図の表示は、交通規則、道路法、属地的な運転エチケットなどに基づき得る。意図の表示は、衝突ゾーンに入るか又は部分的に入ること、衝突ゾーンにゆっくり接近すること(例えば、完全な停止に至らないこと)などを含み得る。様々な例では、意図の表示に対応するフォローアップ行動は、極めて低い又はゼロの衝突リスク及び/又は尤度を有し得る。そのような例では、フォローアップ行動は、極めて低い又はゼロの衝突リスク及び/又は尤度の判定に基づいて選定され得る。
【0137】
図8は、本開示の実施形態による、自律車両と環境中のエージェントとの間の衝突を回避するための行動を実施すべきかどうかを判定するための例示的な処理800を示す。例えば、処理800の一部又は全部は、本明細書で説明されるように、図5の1つ又は複数のコンポーネントによって実施され得る。例えば、処理800の一部又は全部は、車両コンピューティングデバイス504によって実施され得る。
【0138】
動作802において、処理は、図5の経路コンポーネント532に関して説明されたように車両経路ポリゴンを生成することを含み得る。
【0139】
上記で説明されたように、そのような経路ポリゴン及び/又はエリアは、車両が環境を横断するときの、それの経路の周囲のポリゴンを画定する点を備え得る。
【0140】
動作804において、処理は、車両経路ポリゴンに対してエージェント軌道を判定することを含み得る。車両コンピューティングデバイスは、車両の1つ又は複数のセンサ及び/又は1つ又は複数のリモートセンサからのセンサデータに基づいてエージェント軌道を判定し得る。いくつかの例では、軌道は、エージェントが(例えば、知覚の時間における)現在の位置から及び/又は進行方向に基づいて進み得る、任意の数の可能な経路を含み得る。様々な例では、軌道は軌道サンプルを含み得る。軌道サンプルは、エージェントの中心を表し得る。エージェントの中心は、エージェントの推定される質量中心、推定される中心点などを含み得る。様々な例では、処理は、エージェントが現在の位置から進み得る可能な経路に関連する1つ又は複数のエージェントポリゴンを判定することを含み得る。
【0141】
動作806において、処理は、エージェント軌道と車両経路ポリゴン上の点との間の第1の距離を判定することを含み得る。いくつかの例では、車両コンピューティングデバイスは、軌道の軌道サンプルと、その軌道サンプル及び/又は軌道に最も近い経路ポリゴンの点ペアの点との間の第1の距離を判定し得る。いくつかの例では、そのような判定は、エージェントの(1つ又は複数の)軌道に関連する対応するポリゴンを判定し、エージェントポリゴンと車両経路ポリゴンの重複しているエリアを判定することによって行われ得る。
【0142】
動作808において、処理は、第1の距離が第1の閾値距離を満たす又は超えるかどうかを判定することを含み得る。閾値距離は、車両の平均幅、レーンの平均幅の部分、エージェントのタイプ(例えば、オートバイに乗る人、自転車に乗る人、歩行者、車、トラックなど)、及び/又は別の要因に基づき得る。
【0143】
距離が閾値距離を満たさない又は超えない場合(例えば、動作808における「NO」)、処理は動作810に続く。動作810において、処理は、行動が必要でないと判定することを含み得る。行動が必要でないという判定は、経路ポリゴンとエージェント軌道との間に衝突ゾーン及び/又は衝突のリスクが存在しないという判定に基づき得る。
【0144】
距離が閾値距離を満たす又は超える場合(例えば、動作808における「YES」)、処理は動作812に続く。動作812において、処理は、エージェント軌道の幅を拡張することを含み得る。少なくともいくつかの例では、これは、エージェントポリゴンの幅を判定することに関連付けられ得る。車両コンピューティングデバイスは、エージェント及び/又はエージェントバッファの既知の又は知覚された幅に基づいて軌道の幅を拡張し得る。いくつかの例では、幅の拡張は、車両コンピューティングデバイスによって設定される予め画定された幅に基づき得る。
【0145】
動作814において、処理は、エージェント軌道の拡張された幅と、軌道サンプル及び/又は軌道に最も近い車両経路ポリゴン上の点との間の第2の距離を判定することを含み得る。
【0146】
動作816において、処理は、第2の距離が第2の閾値距離を満たす又は超えるかどうかを判定することを含み得る。いくつかの例では、第2の閾値距離は、エージェント軌道と車両経路ポリゴンとの間の重複及び/又は交差に関係する距離を含み得る。そのような例では、第2の閾値距離は、重複の、又は軌道及び経路ポリゴンの量に関係する距離を含み得る。
【0147】
距離が閾値距離を満たさない又は超えない場合(例えば、動作816における「NO」)、処理は動作818に続く。動作818において、処理は、行動が必要でないと判定することを含み得る。行動が必要でないという判定は、経路ポリゴンとエージェント軌道との間に衝突ゾーン及び/又は衝突のリスクが存在しないという判定に基づき得る。
【0148】
距離が閾値距離を満たす又は超える場合(例えば、動作816における「YES」)、処理は動作820に続く。動作820において、処理は、潜在的衝突ゾーンを判定することを含み得る。潜在的衝突ゾーンを判定したことに少なくとも部分的に基づいて、車両コンピューティングデバイスは、さらに、潜在的衝突ゾーンに時空間重複を適用し、必要な場合、車両とエージェントとの間の衝突を回避するために取るべき行動を判定し得る。行動は、上記で論じられたように、譲歩(例えば、前進を止めるか又は遅らせる)、意図をシグナリングし、レーンを変更し、及び/又は別の行動を実施することに関する譲歩を含み得る。
【0149】
例示的な条項
A:1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な命令を記憶する1つ又は複数のコンピュータ可読媒体とを備えるシステムであって、命令は、実行されたとき、自律車両に関連する経路ポリゴンを生成することであって、経路ポリゴンは、環境中を進んでいる自律車両のプランニングされた経路を表す、ことと、環境中のエージェントに関連する軌道を判定することと、経路ポリゴンと軌道との間の潜在的衝突ゾーンを判定することであって、潜在的衝突ゾーンは、自律車両とエージェントとの間の起こり得る衝突のエリアを備える、ことと、自律車両のプランニングされた経路とエージェントに関連する軌道との間の時空間重複に少なくとも部分的に基づいて自律車両とエージェントとの間の衝突の尤度を判定することと、衝突の確率に少なくとも部分的に基づいて自律車両がエージェントとの衝突を回避するために取るべき行動を判定することと、行動に少なくとも部分的に基づいて自律車両を制御することとを備える動作をシステムに実施させる、システム。
【0150】
B:潜在的衝突ゾーンを判定することは、軌道と経路ポリゴンが交差すると判定することをさらに備える項Aが説明するシステム。
【0151】
C:軌道は、エージェントの中心を表す少なくとも1つの軌道サンプルを備え、潜在的衝突ゾーンを判定することは、少なくとも1つの軌道サンプルと経路ポリゴンに関連する点との間の第1の距離が第1の閾値距離よりも小さいと判定することと、軌道に関連する幅を増加させて、拡張された軌道を取得することと、拡張された軌道と経路ポリゴンに関連する点との間の第2の距離が第2の閾値距離よりも小さいと判定することとをさらに備える項A又はBが説明するシステム。
【0152】
D:時空間重複は、自律車両位置コーンとエージェント位置コーンとの間の重複、又は1つ又は複数の確率密度関数及び衝突ゾーンの重複のうちの少なくとも1つを備える項A~Cのいずれかが説明するシステム。
【0153】
E:自律車両が取るべき行動を判定することは、行動に基づいて自律車両の第2の経路ポリゴンを生成することと、第2の経路ポリゴンに基づいて自律車両とエージェントとの間の第2の潜在的衝突ゾーンを判定することと、衝突の第2の尤度を判定することとを備え、自律車両を制御することは、衝突の第2の尤度に少なくとも部分的に基づく、項A~Dのいずれかが説明するシステム。
【0154】
F:実行に応答して、項A~Eのいずれかが説明するシステムを実施するようにコンピュータを構成するコンピュータ実行可能命令をその上に有するコンピュータ可読媒体。
【0155】
G:環境中の車両に関連する第1の軌道を判定するステップと、第1の軌道に少なくとも部分的に基づいて、車両に関連するエリアを判定するステップと、環境中のオブジェクトに関連する第2の軌道を判定するステップと、エリア及び第2の軌道に少なくとも部分的に基づいて車両とオブジェクトとの間の衝突ゾーンを判定するステップと、衝突ゾーンに重複を適用するステップであって、重複は、車両とオブジェクトが衝突ゾーン中にあると予測される時間の範囲を備える、ステップと、衝突ゾーン及び重複に少なくとも部分的に基づいて車両が取るべき行動を判定するステップとを備える方法。
【0156】
H:行動に少なくとも部分的に基づいて車両を制御するステップをさらに備える項Gが説明する方法。
【0157】
I:車両位置コーン及びエージェント位置コーンに少なくとも部分的に基づいて時間ギャップを識別するステップをさらに備え、車両が取るべき行動を判定するステップは、時間ギャップ上に少なくとも部分的に基づく、項G又はHが説明する方法。
【0158】
J:エリアと第2の軌道が交差すると判定するステップをさらに備える項G~Iのいずれかが説明する方法。
【0159】
K:確率密度関数がオブジェクトに関連し、方法は、確率密度関数の少なくとも部分が衝突ゾーンと交差すると判定するステップと、確率として、衝突ゾーンと交差する確率密度関数の積分を計算するステップとをさらに備え、車両が取るべき行動を判定することは、確率に少なくとも部分的に基づく、項G~Jのいずれかが説明する方法。
【0160】
L:方法は、第2の軌道とエリアとの間の第1の距離が第1の閾値距離よりも小さいと判定するステップと、第2の軌道に関連する幅を増加させて、拡張された幅軌道を取得するステップと、拡張された幅軌道とエリアとの間の第2の距離が第2の閾値距離よりも小さいと判定するステップとをさらに備える項G~Kのいずれかが説明する方法。
【0161】
M:衝突ゾーンを判定するステップは、オブジェクト進入点を判定するステップとオブジェクト退出点を判定するステップと、車両進入点を判定するステップと、車両退出点を判定するステップとをさらに備える項G~Lのいずれかが説明する方法。
【0162】
N:オブジェクト進入点に関連するオブジェクト進入時間、オブジェクト退出点に関連するオブジェクト退出時間、車両進入点に関連する車両進入時間、及び車両退出点に関連する車両退出時間を判定するステップと、車両退出時間とエージェント進入時間との間の第1の時間が第1の閾値時間よりも少ないこと、又はエージェント退出時間と車両進入時間との間の第2の時間が第2の閾値時間よりも少ないことのうちの少なくとも1つを判定するステップとをさらに備え、行動は、この判定にさらに部分的に基づいて取られる、項Mが説明する方法。
【0163】
O:エリアを画定する点のセットのうちの点を識別するステップと、エリアを画定する点のセットのうちの点の残りのセットを判定するステップであって、点の残りのセットは、上記点をもたない点のセットを備える、ステップと、点のセットに関連する第1のエリアが、点の残りのセットに関連する第2のエリアと実質的に同様であると判定するステップと、エリアを画定する点のセットから上記点を削除するステップとをさらに備える項G~Nのいずれかが説明する方法。
【0164】
P:プロセッサと、プロセッサに結合されたコンピュータ可読媒体とを備えるシステム又はデバイスであって、コンピュータ可読媒体は、項G~Oのいずれかが説明するコンピュータ実装方法を実施するようにプロセッサを構成するための命令を含む、システム又はデバイス。
【0165】
Q:処理するための手段と、処理するための手段に結合された記憶するための手段とを備えるシステム又はデバイスであって、記憶するための手段は、項G~Oのいずれかが説明するコンピュータ実装方法を実施するように1つ又は複数のデバイスを構成するための命令を含む、システム又はデバイス。
【0166】
R:実行に応答して、項G~Oのいずれか1つが説明する方法を実施するようにコンピュータを構成するコンピュータ実行可能命令をその上に有するコンピュータ可読媒体。
【0167】
S:命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、実行されたとき、環境を横断している車両に関連するエリアを判定することと、環境中のオブジェクトに関連する軌道を判定することと、エリア及び軌道に少なくとも部分的に基づいて車両とオブジェクトとの間の衝突ゾーンを判定することと、衝突ゾーンに重複を適用することであって、重複は、車両とオブジェクトが衝突ゾーン中にあると予測される時間の範囲を備える、ことと、衝突ゾーン及び重複に少なくとも部分的に基づいて車両が取るべき行動を判定することとを備える動作を1つ又は複数のプロセッサに実施させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0168】
T:重複は、車両位置コーンとオブジェクト位置コーンとの間の第1の重複、又は1つ又は複数の確率密度関数及び衝突ゾーンの第2の重複のうちの少なくとも1つを備える項Sが説明する非一時的コンピュータ可読媒体。
【0169】
U:動作は、確率として、確率密度関数及び衝突ゾーンの第2の重複に少なくとも部分的に基づいて1つ又は複数の確率関数の積分を判定することをさらに備え、行動は、確率に少なくとも部分的に基づく、項S又はTが説明する非一時的コンピュータ可読媒体。
【0170】
V:動作は、経路ポリゴンに圧縮技法を適用することをさらに備え、圧縮技法は、エリアに関連する複数の点に関連する第1のエリアを計算し、複数の点のうちの削除すべき点を識別し、複数の点のうちの残余を判定し、残余に関連するポリゴンに関連する第2のエリアを計算し、第1のエリアと第2のエリアとの間の差を判定し、差が閾値差内にあると判定するように構成された、項S~Uのいずれかが説明する非一時的コンピュータ可読媒体。
【0171】
W:衝突ゾーンを判定することは、軌道とエリアが交差すると判定すること、又は軌道とエリアとの間の第1の距離が第1の閾値距離よりも小さいと判定することと、軌道に関連する幅を増加させて、拡張された幅軌道を取得することと、拡張された軌道とエリアとの間の第2の距離が第2の閾値距離よりも小さいと判定することとのうちの少なくとも1つをさらに備える項S~Vのいずれかが説明する非一時的コンピュータ可読媒体。
【0172】
X:衝突ゾーンを判定することは、最大オブジェクト速度に少なくとも部分的に基づいてオブジェクト進入点を判定することと、最小オブジェクト速度に少なくとも部分的に基づいてオブジェクト退出点を判定することと、車両最大速度に少なくとも部分的に基づいて車両進入点を判定することと、車両最小速度に少なくとも部分的に基づいて車両退出点を判定することとをさらに備える項S~Wのいずれかが説明する非一時的コンピュータ可読媒体。
【0173】
Y:プロセッサと、プロセッサに結合されたコンピュータ可読媒体とを備えるシステム又はデバイスであって、コンピュータ可読媒体は、項S~Xのいずれかが説明するコンピュータ実装方法を実施するようにプロセッサを構成するための命令を含む、システム又はデバイス。
【0174】
上記で説明された例示的な条項について、1つの特定の実装に関して説明されたが、本明細書のコンテキストにおいて、例示的な条項の内容は、方法、デバイス、システム、コンピュータ可読媒体、及び/又は別の実装を介して実装されてもよいことを理解されたい。
【0175】
結論
本明細書で説明される技法の1つ又は複数の例について説明されたが、それらの様々な改変、追加、置換及び均等物は、本明細書で説明される技法の範囲内に含まれる。
【0176】
例の説明では、本出願の一部を形成する添付の図面への参照が行われ、これは、例として、請求される主題の特定の例を示す。他の例が使用されることが可能であること、及び構造的変更などの変更又は改変が行われることが可能であることを理解されたい。そのような例、変更又は改変は、意図された請求される主題に関する範囲からの逸脱では必ずしもない。本明細書におけるステップはある順序で提示されることがあるが、いくつかの場合には、順序付けは、説明されるシステム及び方法の機能を変更することなしに、いくつかの入力が、異なる時間において又は異なる順序で提供されるように変更されてよい。開示される手順も、異なる順序で実行され得る。さらに、開示された順序で実施されることが本明細書において不要である様々な計算、及び計算の代替的な順序付けを使用する他の例は、容易に実装され得る。並べ替えられることに加えて、計算はまた、同じ結果を伴うサブ計算に分解され得る。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8