(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】ベビーキャリア
(51)【国際特許分類】
A47D 13/02 20060101AFI20221003BHJP
【FI】
A47D13/02
(21)【出願番号】P 2021518625
(86)(22)【出願日】2018-11-07
(86)【国際出願番号】 KR2018013490
(87)【国際公開番号】W WO2020071585
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】10-2018-0118418
(32)【優先日】2018-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512138334
【氏名又は名称】アイ-エンジェル カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】(Geongeon-dong) 10, Geongeon 2-gil, Sangnok-gu, Ansan-si, Gyeonggi-do 15521, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】イ ジンソプ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ヒソン
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-131024(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0135672(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0088030(KR,A)
【文献】特開2003-111647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47D 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰に支持されるように形成されたバンド部と、
前記バンド部の前方に備えられ、赤ちゃんを乗せるように形成された、ヒップシート部と、
前記バンド部の後方に配置され、使用者のヒップの上部に支持できるように形成されたバックプレートと、
前記バンド部の前記バックプレートに対する連結位置を可変できるように形成された、少なくとも1つの移動部材と、
前記移動部材を移動させて前記バックプレートを使用者の身体に密着させるか密着した状態を解除できるように形成されたファスナーユニットと、を含
み、
前記バックプレートが前記身体に密着する過程で、前記移動部材が前記バックプレートに対して上昇するようにする引き上げユニットをさらに含み、
前記バンド部は、前記バックプレートの一側に連結される第1バンド部と、前記バックプレートの他側に連結される第2バンド部とを含み、
前記移動部材は、
一端は前記第1バンド部に結合し、他端は前記バックプレートに対してスライド移動可能に形成された第1移動部材と、
前記第1移動部材に対して離隔して配置され、一端は前記第2バンド部に結合され、他端は前記バックプレートに対してスライド移動可能に形成された第2移動部材と、を含み、
前記ファスナーユニットにより引っ張られたり緩んだりするように形成されたワイヤーをさらに含み、
前記ワイヤーは、前記ファスナーユニットにより引っ張られたとき、前記第1移動部材と前記第2移動部材が互いに近くなる方向に移動できるように前記第1移動部材と前記第2移動部材に連結され、
前記ファスナーユニットは前記第1バンド部に配置され、
前記第1移動部材及び前記第2移動部材に前記ワイヤーが引っ掛かるそれぞれのガイドが形成され、
前記ワイヤーは、前記ファスナーユニットの操作により、前記第1移動部材及び前記第2移動部材が互いに近くなる方向に同時に移動するように前記ガイドに一本で連結され、
前記ファスナーユニットは、一方向に回転することにより前記ワイヤーを引っ張るように形成されたダイヤルを含み、
前記ダイヤルは、回転の中心軸方向に押された時、巻き軸が引っ掛かることにより前記ワイヤーを引っ張ることが可能となり、反対方向に引かれた時、前記ワイヤーが引っ張られた状態を解除させ、
前記引き上げユニットは、
前記バックプレートの一側に配置され、前記バックプレートの中心方向に行くほど上向きに傾斜して形成された第1ガイドレールと、
前記バックプレートの他側に前記第1ガイドレールと対称に形成される第2ガイドレールと、
前記第1ガイドレールに挿入されて拘束できるように前記第1移動部材に形成される第1スライド部と、
前記第2ガイドレールに挿入されて拘束できるように前記第2移動部材に形成される第2スライド部と、を含む、ベビーキャリア。
【請求項2】
前記バンド部に備えられ、操作により結合又は分離できるように形成されるバックル部をさらに含む、請求項1に記載のベビーキャリア。
【請求項3】
前記ヒップシート
部にジッパーにより着脱できるように形成される連結部と、
前記連結部の上部に形成され、赤ちゃんを包み込むことができるように形成された胴体支持部と、
前記胴体支持部の両側に形成され、使用者の肩にかけられるように形成されたサスペンダー部と、
をさらに含む、請求項1に記載のベビーキャリア。
【請求項4】
前記第1スライド部及び前記第2スライド部は、それぞれ前記第1移動部材及び前記第2移動部材の端部から突出した形態で形成された、請求項
1に記載のベビーキャリア。
【請求項5】
前記第1スライド部及び前記第2スライド部は、前記第1ガイドレール及び前記第2ガイドレールにそれぞれ挿入されて90度回転することにより引っ掛かるように長方形又は楕円形の端部を有する、請求項
4に記載のベビーキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰に着用できるベビーキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
ベビーキャリア(baby carrier)は言葉通り赤ちゃんを抱っこ又はおんぶできるように作られたものの総称である。歴史や文化に応じて様々な形態のベビーキャリアが使われてきており、現代でも技術の発展に伴って新しいタイプのベビーキャリアが開発されている。代表的なベビーキャリアは、ラップ(wraps)、スリング(slings)、メイタイキャリア(mei tai carriers)、ソフトキャリア(soft structured carriers)、ヒップシート(hip seats)などがある。
【0003】
このうち、ヒップシートは、骨盤にかけられるように形成されて、赤ちゃんを前抱き又は横抱きできるようになっている。従って、利用者の脊椎と骨盤に赤ちゃんの重さによる負担を与えず、安定感を提供することができる。
【0004】
一方、ヒップシートを長く使うと腰に無理が来るか、手や腕を自由に使えなくなるため、肩を利用して赤ちゃんを包み込む上部構造を結合する方式も提示されている。そこで、サスペンダーはキャリアを肩にかけた状態を維持させるものであるが、長時間使用すると、肩が押さえつけられて使用者に痛みと疲労感を誘発させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、腰に対する密着力を調節可能にするとともに、腰を保護し、荷重を分散させるベビーキャリアを提示することにある。
【0006】
本発明に係る他の目的は、バンド部が密着過程でちょっと持ち上げられるようにすることにより荷重を実質的に軽減できる荷重分散機能を有するベビーキャリアを提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るベビーキャリアは、腰に支持されるように形成されたバンド部と、前記バンド部の前方に備えられ、赤ちゃんを乗せるように形成された、ヒップシート部と、前記バンド部の後方に配置され、使用者のヒップの上段に支持されるように形成されたバックプレートと、前記バンド部の前記バックプレートに対する連結位置を可変できるように形成された、少なくとも1つの移動部材と、前記移動部材を移動させて前記バックプレートを使用者の身体に密着させるか密着状態を解除できるように形成されたファスナーユニットとを含む。
【0008】
本発明に係る一例として、前記ベビーキャリアは、前記バンド部に備えられ、操作により結合又は分離できるように形成されるバックル部をさらに含んでもよい。
【0009】
本発明に係る一例として、前記ベビーキャリアは、前記ヒップシートにジッパーにより着脱できるように形成される連結部と、前記連結部の上部に形成され、赤ちゃんを包み込むことができるように形成された胴体支持部と、前記胴体支持部の両側に形成され、使用者の肩にかけられるように形成されたサスペンダー部とをさらに含んでもよい。
【0010】
本発明に係る一例として、前記ベビーキャリアには、前記バックプレートが前記身体に密着する過程で前記移動部材が前記バックプレートに対して上昇するようにする引き上げユニットをさらに含んでもよい。
【0011】
本発明に係る一例として、前記バンド部は、前記バックプレートの一側に連結される第1バンド部と、前記バックプレートの他側に連結される第2バンド部とを含み、前記移動部材は、一端は前記第1バンド部に結合され、他端は前記バックプレートに対してスライド移動可能に形成された第1移動部材と、前記第1移動部材に対して離隔して配置され、一端は前記第2バンド部に結合され、他端は前記バックプレートに対してスライド移動可能に形成された第2移動部材とを含む。
【0012】
本発明に係る一例として、前記ベビーキャリアは、前記ファスナーユニットにより引っ張られるか緩まれるように形成されたワイヤーをさらに含み、前記ワイヤーは、前記ファスナーユニットにより引っ張られたとき、前記第1移動部材と前記第2移動部材が互いに近くなる方向に移動できるように前記第1移動部材と前記第2移動部材に連結される。
【0013】
本発明に係る一例として、前記ファスナーユニットは、前記第1バンド部に配置され、前記第1移動部材及び前記第2移動部材に前記ワイヤーが引っ掛かるそれぞれのガイドが形成され、前記ワイヤーは、前記のファスナーユニットの操作により、前記第1移動部材及び前記第2移動部材が互いに近くなる方向に同時に移動させるように前記ガイドに一本により連結される。
【0014】
本発明に係る一例として、前記ファスナーユニットは、一方向に回転することにより前記ワイヤーを引っ張ることができるように形成されたダイヤルを含んでもよい。
【0015】
本発明に係る一例として、前記ダイヤルは、回転の中心軸方向に押された時、巻き軸が引っ掛かることにより前記ワイヤーを引っ張ることができるようになり、反対方向に引かれた時、前記ワイヤーが引っ張られた状態を解除するように形成されてもよい。
【0016】
本発明に係る一例として、前記引き上げユニットは、前記バックプレートの一側に配置され、前記バックプレートの中心方向に行くほど上向きに傾斜して形成された第1ガイドレールと、前記バックプレートの他側に前記第1ガイドレールと対称に形成される第2ガイドレールと、前記第1ガイドレールに挿入されて拘束できるように前記第1移動部材に形成される第1スライド部と、前記第2ガイドレールに挿入されて拘束できるように前記第2移動部材に形成される前記第2ガイドレールとを含む。
【0017】
本発明に係る一例として、前記第1スライド部及び前記第2スライド部は、それぞれ前記第1移動部材及び前記第2移動部材の端部から突出した形態で形成されてもよい。
【0018】
本発明に係る一例として、前記第1スライド部及び前記第2スライド部は、前記第1ガイドレール及び前記第2ガイドレールにそれぞれ挿入されて90度回転することにより引っ掛かるように長方形又は楕円形の端部を有してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るベビーキャリアによると、ヒップシートが設置されたバンド部とバックプレートの間の連結位置が移動部材及びファスナーユニットにより可変される方式であって、締めるとき、バックプレートとバンド部の組み合わせにより腰に対する密着力を高めることができるとともに腰を保護することができる。
【0020】
本発明に係る一例によると、引き上げユニットを付加することにより、バックプレートが胴体に密着する過程で移動部材がバックプレートに対して上昇し、これにより荷重の実質的な分散及び軽減の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る第1実施例によるベビーキャリア100を後ろから見た姿を示す概略的な斜視図である。
【
図2】
図1のベビーキャリア100を前方から見た姿を示す概略的な斜視図である。
【
図3】
図1のベビーキャリア100の第1バンド部140と第2バンド部150が分離された状態を示す斜視図である。
【
図4】
図3の状態のベビーキャリア100を前面から見た姿を示す概略的な斜視図である。
【
図5】
図1のベビーキャリア100からバックプレート110が分離された状態を示す部分分離斜視図である。
【
図6】
図1の腰支持台100の作用を説明するためにファスナーユニット170を締める前と後を区別して示す後面図である。
【
図7】本発明に係る第2実施例によるベビーキャリア200の分離状態の斜視図である。
【
図8】
図7のベビーキャリア200の結合状態の斜視図である。
【
図9】
図8のベビーキャリア200の作用を説明するためにファスナーユニット270を締める前と後を区別して示す作動状態図である。
【
図10】本発明に係る第3実施例によるベビーキャリア300の分離状態の斜視図である。
【
図11】
図10のベビーキャリア300の結合状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るベビーキャリアを添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る一実施例によるベビーキャリア100を後ろから見た姿を示す概略的な斜視図である。本発明に係るベビーキャリア100は、バックプレート110と、バックプレート110の左右に連結されている一対のバンド部140、150とを備える。バックプレート110と一対のバンド部140、150は組み合わせられて腰に支持されることができる。バックプレート110は使用者の背中からヒップの上部に位置する。バンド部140、150の両端部には操作により結合又は分離できるように形成されたバックル部141、151が形成される。
【0024】
バックプレート110上にはバンド部140、150のバックプレート110に対する連結位置を可変できるように形成された移動部材120、130が備えられる。具体的に、バンド部は、バックプレート110の右側に連結される第1バンド部140と、左側に連結される第2バンド部150とを含み、移動部材も、第1バンド部140に結合される第1移動部材120と、第2バンド部150に結合される第2移動部材130とを備える。第1移動部材120と第2移動部材130は、バックプレート110上において左右対称に配置されてもよい。第1移動部材120と第2移動部材130は、バックプレート110上においてそれぞれスライド移動可能に設置される。
【0025】
第1バンド部140の前方には赤ちゃんを乗せるように形成されたヒップシート部145が備えられる。ヒップシート部145は、織物で形成された外皮の内部にプラスチックのフレームが配置される形態になっている。このようなヒップシート部145は、第1バンド部140に一体型に形成されるか、第1バンド部140に対して着脱できるように形成されてもよい。また、ヒップシート部145は、第1バンド部140に対して左右方向への位置移動が可能に形成されてもよい。この場合、赤ちゃんを乗せる位置を横向きにすることができるため、利便性を向上させることができる。
【0026】
第1移動部材120及び第2移動部材130のバックプレート110に対する連結位置を調節するためにワイヤー160が備えられる。ワイヤー160は、移動部材120、130を移動させてバックプレート110を使用者の胴体に密着させるか、密着した状態を解除するファスナーユニット170により引っ張られたり緩んだりする。ファスナーユニット170は、一方向に回転することによりワイヤー160を引っ張るように形成されたダイヤルを含む。このようなダイヤルは、回転の中心軸方向に押された時、ワイヤー160の巻き軸がギアに引っ掛かることによりワイヤー160を引っ張ることができるようになり、反対方向に引かれた時、ワイヤー160の引っ張られた状態を解除できるように形成される。すなわち、ファスナーユニット170のダイヤルを回してワイヤー160を引っ張ると、ワイヤー160はダイヤルが位置する方向に引かれて来るようになり、指を利用してダイヤルを引き上げると、巻き軸がギアから分離されてワイヤー160が緩くなる。
【0027】
第1移動部材120及び第2移動部材130にはワイヤー160が引っ掛かるように複数のガイド121、131が形成されている。ガイド121、131は、ワイヤー160が容易に滑れるように円弧状に形成されてもよい。ワイヤー160は、ファスナーユニット170の操作により第1移動部材120及び第2移動部材130が互いに近くなる方向に同時に移動するようにガイド121、131に1本で連結される。
【0028】
このような構成により、ファスナーユニット170を回すことによりワイヤー160が引っ張られると、第1移動部材120及び第2移動部材130が互いに近くなる方向に移動する。それにより、バンド部140、150の腰を巻く長さが短くなってバックプレート110が使用者の背中にさらに密着するようになる。これにより、バックプレート110及びバンド部140、150は使用者の胴体に密着するようになり、腰を支持しながらも保護できるようになる。
【0029】
図2は、
図1のベビーキャリア100を前方から見た姿を示す概略的な斜視図であり、
図3は、
図1のベビーキャリア100の第1バンド部140と第2バンド部150が分離された状態を示す斜視図であり、
図4は、
図3の状態のベビーキャリア100を前方から見た姿を示す概略的な斜視図であり、
図5は、
図1のベビーキャリア100からバックプレート110が分離された状態を示す部分分離斜視図である。
【0030】
これらの図面に示すように、ベビーキャリア100は、バックプレート110が使用者の胴体に密着する過程で移動部材120、130がバックプレート110に対して上昇するようにする引き上げユニットを備えてもよい。このような引き上げユニットは、バックプレート110の一側に配置された第1ガイドレール111と、他側に第1ガイドレール111と対称に形成される第2ガイドレール115と、第1ガイドレール111に挿入されて拘束できるように第1移動部材120に形成される第1スライド部125と、第2ガイドレール115に挿入されて拘束できるように第2移動部材130に形成される第2スライド部135とを含む。第1ガイドレール111と第2ガイドレール115は、バックプレート110の中心方向に行くほど上向きに傾斜して形成されている。その結果、第1ガイドレール111と第2ガイドレール115は水平線に対して一定の角(β)をなす。第1スライド部125及び第2スライド部135は、それぞれ第1移動部材120及び第2移動部材130の端部から突出した形態で形成される。このとき、
図2のように、第1スライド部125及び第2スライド部135が第1ガイドレール111及び第2ガイドレール115に対して離脱しないように、第1スライド部125及び第2スライド部135は、第1ガイドレール111及び第2ガイドレール115にそれぞれ挿入されて90度回転することにより引っ掛かるように長方形又は楕円形の端部を有してもよい。
【0031】
第1ガイドレール111及び第2ガイドレール115とは別に第1移動部材120に水平方向に配置され、第1スライド部125が選択的に挿入できるように形成された第3ガイドレール112が備えられ、反対側にも第2スライド部135が選択的に挿入できるように形成された第4ガイドレール116が備えられる。このような第3ガイドレール112及び第4ガイドレール116は、使用者の選択に応じて第1ガイドレール111及び第2ガイドレール115に代えて使用することにより、利便性を高めることができる。
【0032】
第1バンド部140と第2バンド部150の端部にはバックル部141、151以外に補助的にベルクロ(登録商標)部143、153が追加的に備えられる。
【0033】
図6は、
図1の腰支持台100の作用を説明するために、ファスナーユニット170を締める前と後を区別して示す後面図である。
【0034】
図6(a)は、ファスナーユニット170が操作されていない状態である。バックル部141、151は留められていると仮定する。この状態でファスナーユニット170を操作してワイヤー160が引っ張られると、第1移動部材120及び第2移動部材130が第1ガイドレール111及び第2ガイドレール115に拘束された状態でバックプレート110の中心方向及び上方に移動する(
図2を参照)。バックプレート110の中心方向に移動された第1移動部材120及び第2移動部材130は、バックプレート110を使用者の胴体に密着させる。その結果、密着力が増加して腰を保護することができ、荷重が使用者の胴体やヒップの上段に伝達されて前方のヒップシート部145が重力方向に向かう荷重を骨盤と腰に分散させることができる。また、上方に移動された第1移動部材120及び第2移動部材130は実質的に荷重を持ち上げる効果を提供することになり、重量分散効果をさらに強化する。
【0035】
図7は、本発明に係る第2実施例によるベビーキャリア200の分離状態の斜視図であり、
図8は、
図7のベビーキャリア200の結合状態の斜視図である。
【0036】
本例においては、
図1のベビーキャリア100の形態において、さらに、赤ちゃんの胴体や頭を支持する要素の取り付けができることを示している。本例のベビーキャリア200には、ヒップシート部245にジッパー281、282により着脱できるように形成される連結部291と、連結部291の上部に形成され、赤ちゃんを包み込むことができるように形成された胴体支持部290と、胴体支持部290の両側に形成され、使用者の肩にかけることができるように形成されたサスペンダー部292とが含まれている。
【0037】
この場合、上部の胴体支持部290は、ジッパー281、282を用いて容易にバンド部240、250に対する分離又は取り付けが可能である。
【0038】
このとき、ファスナーユニット270を操作することにより、バンド部240、250及びバックプレート210の腰に対する密着性を改善することができるとともに、移動部材による傾斜移動作用により荷重分散効果が得られる。
【0039】
図9は、
図8のベビーキャリア200の作用を説明するために、ファスナーユニット270を締める前と後を区別して示す作動状態図であり、
図9(a) のような状態でファスナーユニット270を回すと、
図9(b)のようにバックプレート210は使用者のヒップの上段において背中に密着する。その一方で、バンド部240のバックプレート210に対する連結地点の位置が上昇することによりヒップシート部245をさらに堅固に支持しながらも力が使用者の胴体にも向かうようにして実質的にサスペンダー部292にかかる肩の荷重を効果的に分散させる。
【0040】
図10は、本発明に係る第3実施例によるベビーキャリア300の分離状態の斜視図であり、
図11は、
図10のベビーキャリア300の結合状態の斜視図である。本例においては、バンド部340、350にヒップシート部の代わりに延長部248が形成されている。
図11のように、延長部248はジッパー381、382により胴体支持部390の連結部291と着脱方式で結合することができる。
【0041】
前記のようなベビーキャリアは、説明された実施例の構成と方法が限定的に適用されない。前記実施例は、様々な変形ができるように、各実施例の全部又は一部が選択的に組み合わせられて構成されることもできる。