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特許7151019シェービング装置を洗浄するための洗浄装置及び斯かる洗浄装置を含むシェービングシステム
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  • 特許-シェービング装置を洗浄するための洗浄装置及び斯かる洗浄装置を含むシェービングシステム 図1
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  • 特許-シェービング装置を洗浄するための洗浄装置及び斯かる洗浄装置を含むシェービングシステム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-30
(45)【発行日】2022-10-11
(54)【発明の名称】シェービング装置を洗浄するための洗浄装置及び斯かる洗浄装置を含むシェービングシステム
(51)【国際特許分類】
   A45D 27/46 20060101AFI20221003BHJP
   B26B 19/48 20060101ALI20221003BHJP
   B26B 19/14 20060101ALI20221003BHJP
   B26B 19/38 20060101ALI20221003BHJP
【FI】
A45D27/46
B26B19/48 Z
B26B19/14 Z
B26B19/38 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022506012
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2020071213
(87)【国際公開番号】W WO2021023570
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】19189767.7
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】メンジェリンク ティム
(72)【発明者】
【氏名】ヒン セアドア レネ マリア
(72)【発明者】
【氏名】クツリディス グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】ダナバラン チャンドラセカラン ヨゲッシュ
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-57837(JP,A)
【文献】特開2014-230666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 27/46
A45D 27/06
B26B 19/40
B26B 19/48
B26B 19/14
B26B 19/38
B08B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェービングユニットを持つシェービング装置と、前記シェービングユニットを洗浄するための洗浄装置と、を有するシェービングシステムであって、前記シェービングユニットは、少なくとも1つの毛切断ユニットを有し、前記毛切断ユニットは、
複数の毛入口開口を備えた環状シェービングトラックを有する外側毛切断部材と、
前記外側毛切断部材の内側に回転可能に配置された内側毛切断部材と、
を持ち、前記洗浄装置は、
前記シェービングユニットを洗浄位置において支持するための支持構造と、
前記シェービングユニットが前記洗浄位置において前記支持構造により支持されるときに、前記少なくとも1つの毛切断ユニットを含む前記シェービングユニットの少なくとも端部を受容するための受容ピットと、
洗浄液を保持するための槽と、
前記槽から前記受容ピットへと前記洗浄液を移送するためのポンプ及び導管と、
前記シェービングユニットが前記洗浄装置にあるときに、前記導管から前記シェービングユニットの前記毛切断ユニットに直接供給される前記洗浄液を向けるため、前記受容ピットに配置された、前記導管及び前記ポンプに連通する少なくとも1つの液体射出ノズルと、
を有するシェービングシステムにおいて、前記シェービングユニットが前記洗浄位置において支持されるときに、前記環状シェービングトラックの多くとも半分に亘って延在する前記外側毛切断部材の前記環状シェービングトラックの単一のセクタにおいてのみ、前記シェービングユニットの前記毛入口開口の1つ以上を直接に通って伝播する前記洗浄液のジェットを生成するよう、前記少なくとも1つの液体射出ノズルが前記受容ピットにおいて構成され配置されたことを特徴とする、シェービングシステム。
【請求項2】
前記シェービングユニットが前記洗浄位置において支持されているときに、前記環状シェービングトラックが水平面に対して斜めに向けられた面に延在するよう、前記支持構造が前記シェービングユニットを支持するよう構成された、請求項1に記載のシェービングシステム。
【請求項3】
前記シェービングユニットが前記洗浄位置において支持されているときに、前記セクタは、前記環状シェービングトラックの最下点を通って延在する前記環状シェービングトラックの中心線の両側において前記環状シェービングトラックの中心軸のまわりに30°延在する前記環状シェービングトラックの角度範囲の外側にのみ延在する、請求項2に記載のシェービングシステム。
【請求項4】
前記シェービングユニットが前記洗浄位置において支持されているときに、前記セクタは、前記中心軸のまわりに前記内側切断部材の回転方向において前記中心線から30°と90°との間に延在する前記環状シェービングトラックの角度範囲内においてのみ延在する、請求項3に記載のシェービングシステム。
【請求項5】
前記液体射出ノズルは、前記受容ピットの底壁において又は該底壁上に配置された、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシェービングシステム。
【請求項6】
前記シェービングユニットは、前記毛切断ユニットの少なくとも2つを有し、前記洗浄装置は、前記液体射出ノズルの少なくとも2つを有し、前記液体射出ノズルの各々は、前記シェービングユニットが前記洗浄位置において支持されているときに、前記環状シェービングトラックの多くても半分に亘って延在する前記毛切断ユニットのそれぞれの1つの前記外側毛切断部材の前記環状シェービングトラックの単一のセクタにおいてのみ、前記毛入口開口の1つ以上を直接に通って伝播する、前記洗浄液のジェットを生成するよう前記受容ピットにおいて構成され配置された、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシェービングシステム。
【請求項7】
前記シェービングユニットは、三角形状に配置された前記毛切断ユニットの3つを有し、前記洗浄装置は、前記毛切断ユニットの前記三角形状の配置に対応する三角形状に配置された前記液体射出ノズルの3つを有する、請求項6に記載のシェービングシステム。
【請求項8】
前記ポンプ及び前記導管と連通し、前記毛切断ユニット間の中央に配置された前記シェービングユニットの外側面の一部をすすぐよう構成された少なくとも1つのすすぎノズルを更に有する、請求項6又は7に記載のシェービングシステム。
【請求項9】
前記シェービング装置は、本体を持ち、前記シェービングユニットは、前記本体に装着され、
前記本体は、前記環状シェービングトラックが延在する面に対して斜めの方向に長細であり、前記環状シェービングトラックの一部が、前記環状シェービングトラックの反対側部分よりも、前記本体の最も反対側の端部から離れており、
前記支持構造及び前記シェービング装置は、前記シェービングユニットが前記洗浄位置において支持されるときに、前記環状シェービングトラックが延在する面が、水平面に対して斜めに向けられ、前記環状シェービングトラックの前記反対側部分よりも前記本体の最も反対側の端部から離れた、前記環状シェービングトラックの前記一部が、前記環状シェービングトラックの前記反対側部分よりも、低いレベルに配置されるよう構成された、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシェービングシステム。
【請求項10】
前記シェービング装置の前記本体は、モータを収容し、前記洗浄装置の前記支持構造は、前記シェービングユニットの前記洗浄位置において前記本体を支持するよう構成された、請求項9に記載のシェービングシステム。
【請求項11】
前記シェービング装置の前記本体は更に、ポンププログラムに従って前記ポンプの駆動を制御するよう構成された制御ユニットを収容する、請求項10に記載のシェービングシステム。
【請求項12】
前記シェービング装置の前記本体は、前記制御ユニットに結合されたユーザインタフェースを有し、前記ユーザインタフェースにより、前記シェービングシステムのユーザが、前記ポンププログラムを起動することができる、請求項11に記載のシェービングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シェービングユニットを持つシェービング装置と、シェービングユニットを洗浄するための洗浄装置と、を有するシェービングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願公開W2006/067667A1から、請求項1の導入部分によるシェービングシステムが知られている。
【0003】
米国特許出願公開US2005/0126610A1は、シェービング装置のシェービングヘッドを洗浄するための洗浄装置を開示している。該洗浄装置は、筐体と、シェービング装置を受け入れるように構成された容器と、シェービングヘッドを受け入れるように構成された受け入れ領域と、洗浄液を収容するための槽と、槽を受け入れ領域に接続する供給導管と、受け入れ部分の底部領域を槽に接続する戻り導管と、を含む。該容器は、実質的に水平な位置でシェービング装置を受け入れるために、溝状に構成される。供給導管の出口は、シェービングヘッドに向けられるフラットジェットノズルを有する。洗浄流体は、フラットジェットノズルを通してシェービングヘッドの上方領域に噴霧され、シェービングヘッド内の切断部品の動きの結果としてシェービングヘッド全体に分配される。一実施例においては、2つ以上のノズルが、シェービングヘッドの実質的に完全な表面に洗浄流体を当てるよう、選択された部位に配置される。
【0004】
国際特許出願公開WO2007/111254A1は、電気シェーバ又は脱毛器などの除毛装置に、シェービングローションなどの処理剤を供給するための薬剤供給装置を開示している。薬剤供給装置は、除毛装置をサポートするためのサポート部と、サポート部によってサポートされたときの除毛装置のヘッドのための薬剤供給部と、を含む。薬剤供給部は、処理剤を貯留する薬剤容器と、ポンプと、処理剤を吐出する薬剤吐出口と、を含む。薬剤吐出口は、処理剤を斜め上方及び後方に吐出するものであり、ヘッド部に対向する位置に設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、少なくとも1つの切断ユニットをより完全に、及び/又はより少ない洗浄液を用いて、及び/又はより少ない又はより強力でない洗浄液を用いて、洗浄することができる洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載のシェービングシステムを提供することによって達成される。
【0007】
少なくとも1つの射出ノズルが、導管から、環状シェービングトラックの多くとも半分に亘って延在する外側毛切断部材の環状シェービングトラックの1つのセクタ内のみの1つ以上の毛入口開口部を通して直接送達される洗浄液体のジェットを生成するために、受容ピット内に配置され、配置されるので、洗浄液体は、環状シェービングトラックの前記1つのセクタを通してのみ、外側毛切断部材の内側の空間内に選択的に導入される。これにより、環状シェービングトラックの十分に大きい残りのセクタが残り、それを介して、洗浄液が、環状シェービングトラックの前記残りのセクタ内の毛入口開口部を通って、外側毛切断部材の背後の毛切断ユニット内の空間から流出することが可能になる。このことは、次いで、強い洗浄液の流れを、外側毛切断部材の後ろの毛切断ユニット内の空間を通って流れさせ、このことは、シェービング屑を洗い流し、外側毛切断部材の後ろの毛切断ユニット内の空間からそれを取り除くのに特に有効である。
【0008】
本発明の特定の実施例及び特徴は、従属請求項及び説明に記載され、図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明によるシェービングシステムの一例の模式的な断面図であり、シェービングシステムは、側面図で示された、シェービング装置を支持する洗浄装置を備え、シェービング装置のシェービングユニットは、洗浄位置にある。
図2図1に示す洗浄装置の模式的な上面図(シェービング装置なし)である。
図3図1に示す洗浄装置の上部の模式的な斜視図であり、部分的に透過表現されており、シェービングユニットの一部は、シェービングユニットのシェービング面に平行な切断面を介して、切断表示されている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面は、シェービング装置12と、支持構造15を有する洗浄装置14とから構成される、本発明によるシェービングシステム10の一例を示す。洗浄装置14は、支持構造15を担持したポット状の筐体22を持つ。筐体22は上壁66を有し、この上壁では略三角形の開口が筐体22内の受容空間を境とする凹部を形成する受容ピット28へのアクセスを提供する。受容ピット28内の空間の形状は、シェービング装置12のシェービングユニット38の形状に相当する。シェービング装置12は、そのシェービングユニット38を受容ピット28内の洗浄位置に置き、図1及び図3に示すように洗浄位置で支持構造15に支持させることができる。この例ではハンドル形状の筐体であるシェービング装置12の本体は、洗浄装置14から上方に突出する。
【0011】
被駆動結合部材30は、その傾斜した底壁29上の受容ピット28の中央位置に設けられている。シェービング装置12を、図1に示すように、そのシェービングユニット38を洗浄装置14の受容ピット28内の洗浄位置して置くと、被駆動結合部材30はシェービング装置12のシェービングユニット38に設けられたそれぞれの駆動結合部材31に結合されることになる。駆動連結部材31は、シェービング装置12の電動モータ13に連結されている駆動軸33の従動端に取り付けられている。モータ13はまた、シェービング中にカッタ34の回転を駆動するために、歯車35を介して、外側の髪を切断部材の内側に配置された回転可能なカッタ34の形で内側毛切断部材に連結されている。
【0012】
筐体22内には、洗浄液10を収容する容器32が配置されている。容器32は、洗浄液が使い果たされたときの補充を容易にするために、交換可能で使い捨ての、又は補充可能なカートリッジの形成で提供されても良い。この目的のために、上部筐体部分は、下部筐体部分から取り外し可能であっても良く、又は、筐体は、扉を持つか又は有さない側面開口部を備えても良く、それを介してカートリッジを挿入及び取り外すことができる。また、容器は、充填弁の有無にかかわらず、充填開口部を介して再充填可能であっても良い。
【0013】
流体ポンプユニット48が容器32内に配置されている。流体ポンプユニット48は、カップリング30に連結された駆動シャフト58を含み、駆動シャフト58の下端に取り付けられたインペラ60を持つ。従って、駆動結合部材30の回転運動を流体ポンプ48のインペラ60に伝達することができる。ポンプ室61は、インペラの周囲に延在し、導管62と連通している。導管は、ピット28の底部29の下のプレナム室63と連通している。
【0014】
被駆動連結部材30がシェービング装置12によって駆動されると、流体ポンプ48のインペラ60が駆動軸58を介して駆動される。斯くして、ポンプインペラ60は、吸引開口部54を通して洗浄液を吸引し、ポンプ室61及び導管62を通して洗浄液をプレナム室63内に上方に通すように回転される。シェービング装置12のモータ13によっての代わりに、ポンプを別の方法、例えば洗浄ユニットのモータによって駆動することもできる。
【0015】
シェービング装置12のシェービングユニット38は、3つの毛切断ユニット25を持つ。各毛切断ユニット25は、切断キャップ26の形の外側毛切断部材と、それぞれの内部毛切断部材(この例ではカッタ34)とを持つ。各カッタ34は、それぞれの切断キャップ26の内面に沿って移動するように配置された複数の円周方向に分布した切断端を有しており、このことは、毛入口開口部27の鋭いエッジで切断キャップ26の毛入口開口部27を通して突出する毛を切断するためのものである。毛入口開口部27は、内側カッタ34の切断端が回転方向39に回転可能である環状シェービングトラック37内の円内に円周方向に均等に分布されて配置されている。
【0016】
洗浄液10を受容ピット28内に送出するために、導管62及びポンプユニット48と連通する射出ノズル40が、シェービングユニットが洗浄位置にあるときに、プレナム室63を介して導管62から送り出された洗浄液を直接シェービング装置12の切断ユニット25に導くために、受容ピット28内に構成され配置される。導管62、プレナム室63及び射出ノズル40を介して、ポンプユニット48は、洗浄液10を槽32から受容ピット28にポンプで送ることができる。
【0017】
代替の実施例においては、プレナム室を介して射出ノズル40に分配される代わりに、洗浄液を、複数の導管を介して、即ち、それぞれの射出ノズル40に対して別々の導管を介して、ポンプユニット48から射出ノズル40に分配しても良い。代替としては、洗浄液は、主導管及び主導管の複数の分岐によって、即ち、それぞれの射出ノズルに対して別々の分岐を介して、連続して、ポンプユニット48から射出ノズルに分配されても良い。
【0018】
射出ノズル40は、環状シェービングトラック37の高々1/2に亘って延在する環状シェービングトラック37の単一セクタ41のみにある毛入口開口部27の1つ又は複数を通して直接プレナム室63を介して導管62から送出される洗浄液のジェットを形成するために、受容ピット28内に構成及び配置されている。
【0019】
射出ノズル40は、各切断ユニット25の環状シェービングトラック37の前記単一セクタ41のみの1つ以上の毛入口開口部27を介して直接洗浄液10の噴流を形成するために、受容ピット28に配置され、位置決めされるので、洗浄液は、環状シェービングトラック37の前記単一セクタ41の1つ以上の毛入口開口部27のみを介して切断キャップ26の内側の空間に選択的に導入される。これにより、洗浄液10は、各環状シェービングトラック37の残りの他のセクタの毛入口開口部27を通って、切断キャップ26の背後の毛切断ユニット25の空間から流出することができる。このことは次いで、強い洗浄液の流れを切断キャップ26の背後の毛切断ユニット25内の空間を通って流れさせ、このことは、シェービング屑を洗い流し、切断キャップ26の背後の毛切断ユニット25内の空間からそれを取り除くのに特に有効である。図1に示すように、毛切断ユニット25から滴り落ちる毛切断ユニット25から洗い流されたシェービング屑及び他の粒子及び物質を有する洗浄液は、受容ピット28の底部29の排出開口42を介して容器32に排出される。
【0020】
本発明によれば、洗浄液が各毛切断ユニットに射出されるセクタは、環状シェービングトラック37の多くとも半分に亘って延在する単一のセクタ41である。このことは、環状シェービングトラック37の十分に大きい残りのセクタを残し、それを介して、洗浄液が、比較的大きい距離に亘って、1つ又は複数の毛切断ユニットの内側を流れた後に、前記又はそれぞれの毛切断ユニットから流れ出ることができ、前記又はそれぞれの毛切断ユニットを通る洗浄液の強力な流れを得るために有利である。
【0021】
前記又はそれぞれの毛切断ユニットを通る洗浄液の強力な流れを得るために、本実施例のように、支持構造15は、洗浄位置にある前記又はそれぞれの毛切断ユニットが、水平面に対して斜めに配向された平面に沿って延在する環状シェービングトラック37に配向されるように、シェービング装置12を支持するように配置されることが有利である。従って、環状シェービングトラック37は傾斜しており、これにより、前記又はそれぞれの毛切断ユニット内の洗浄液の流れも重力によって駆動される。
【0022】
この効果は、洗浄液が射出されるセクタ41が、環状シェービングトラック37の最下点45を通って延在する環状シェービングトラック37の中央線(中線)44の両側で環状シェービングトラック37の中心軸43の周りに30°延在する環状シェービングトラック37の角度範囲の外側のみに延在するので、更に強化される。これにより、環状シェービングトラック37の少なくとも60°の最下セクタ内の毛入口開口部27は、洗浄液の流出のために自由になる。斯くして、洗浄液が流れやすい毛切断ユニット25の下部の毛入口開口27を部分流出は、毛切断ユニット25の下部の流入によって妨げられない。
【0023】
洗浄液の洗浄及びすすぎ効果を更に高めるために、シェービング装置12の洗浄中に内部カッタ34を回転させることが好ましい。本例では、ポンプ48がカッタ34と同じモータ13によって駆動され、ポンプ48とカッタ34の両方が同時にモータ13に結合されるので、このことが自動的に達成される。
【0024】
カッタ34が中心軸43の周りで回転方向39に回転しているとき、洗浄液10は、洗浄装置の切断ユニット25を通って特に効果的に洗い流されるが、このことは、各切断ユニット25において、洗浄液が、毛切断開口部27を介して毛切断ユニットに射出されるセクタ41が、中心軸43の周りでカッタ34の回転方向39に見て、環状シェービングトラック37の最下点45を通って延在する環状シェービングトラック37の中央線44から30°と90°との間に延在する環状シェービングトラック37の角度範囲にのみ延在するからである。射出された洗浄液の大部分は、次に、回転カッタ34によって上方に引き込まれ、環状シェービングトラック37の下部に到達したときに毛切断ユニット25を離れるだけである。この効果が特に強力に生じるためには、洗浄液が毛切断開口部27を介して毛切断ユニットに射出されるセクタ41が、環状シェービングトラック37の最下点45を通って延在する環状シェービングトラック37の中央線44から、回転方向39に見て40乃至80°、更により好適には50乃至70°の角度範囲にのみ延在することが推奨される。
【0025】
シェービング装置12の本体は、環状シェービングトラック37が延在する平面に対して斜め方向に細長く、環状シェービングトラック37の一部が環状シェービングトラック37の反対側の部分よりも本体の最も反対側の端部から遠く離れているようにしている。支持構造15及びシェービング装置12は、シェービングユニット38が洗浄位置に支持されるとき、環状シェービングトラック37が延在する平面が水平面に対して斜めに向けられ、環状シェービングトラック37の前記反対側部分よりも主筐体部分の最も反対側の端部からより離れている環状シェービングトラック37の前記部分が、環状シェービングトラック37の前記反対側部分よりも低いレベルに位置決めされるように配置される。シェービング装置12が洗浄位置においてシェービングユニット38とともに支持される場合、これにより、シェービング装置12の本体が縦方向に長くなる方向は、シェービング装置12が水平面内に延在する環状シェービングトラック37で支持される場合よりも縦方向に長くなるため、シェービング装置12が洗浄位置でシェービングユニットとともに支持される場合の方が、シェービング装置12が水平面内に延在する環状シェービングトラック37で支持される場合よりもバランスが良くなる。更に、シェービング装置12が水平面内に延在する環状シェービングトラック37で支持される場合よりも、シェービング装置12の操作インターフェース57上でより良好な視界が得られる。操作インターフェース57は、シェービングユニット25の外面が、本体が細長い方向に垂直な平面に対して傾いている一般方向と同じ方向に対向する本体の側面に位置する。本体がより垂直に伸びる方向を配向することによって、動作インターフェース57は、より下方に向けられる方向、又は、水平に向けられる方向、又は、更には、僅かに上方に向けられる方向を向く。
【0026】
好適には、環状シェービングトラック37が水平面に対して延在する平面の斜度と、環状シェービングトラック37が延在する平面の斜度とは、本体が伸びる方向に対して延在する平面の斜度とは、シェービングユニット38が洗浄位置に支持されているときに、本体が伸びる方向がほぼ垂直になるようなものである。
【0027】
射出ノズル40の使用の結果、受取りピット28内のシェービングユニットの斜め配向にもかかわらず、シェービングユニットのすべての毛切断ユニット25の均一で徹底的な洗浄が達成される。シェービングユニットが従来技術の洗浄装置の受け入れ空間に斜めの向きで配置され、受け入れ空間が洗浄流体で満たされ、シェービングユニットが全体として洗浄流体に単に浸漬される場合、全ての毛切断ユニット25のはるかに均一でない洗浄となる。
【0028】
洗浄が完了すると、シェービングユニット38が外側でも洗浄され、特に、毛切断ユニット25から洗い流されたシェービング屑の残留物が毛切断ユニット25の外側に残らないことが一般に理解される。本実施例においては、このことは、射出ノズル40に加えて、ポンプ48及び導管62と連通し、毛切断ユニット25の間の中央に配置されたシェービングユニット38の外面の一部を特にすすぐように配置されたすすぎノズル47を設けることによって達成されている。シェービングユニット38のすすがれた外面は、また、各々が毛入口開口27の円の最下セクタが位置する切断キャップ26の外面の一部を有することができ、その結果、毛カットユニット25の内部から洗い流されたシェービング屑は、シェービングユニット38の外部からも確実にすすがれる。
【0029】
本例においては、シェービング装置12は、3つの毛切断ユニット25を持つシェービングユニット38を有し、洗浄ユニット14は、3つの射出ノズル40を有し、各射出ノズル40は、毛切断ユニット25のうちの関連する1つの環状シェービングトラック37のセクタにのみ、1つ以上の毛入口開口部27を通して導管から直接送達される洗浄液を噴霧するために、受容ピット28内に構成され配置される。従って、洗浄効果は、毛切断ユニット25上に均等に分配される。
【0030】
均一に分配された洗浄効果のために、本実施例のように、シェービング装置12が三角形状に配置された3つの毛切断ユニット25を有し、洗浄装置が、毛切断ユニット25の三角形状に対応する三角形状に配置された3つの射出ノズル40を持つ場合、更に有利である。
【0031】
毛切断ユニット25に洗浄液を高出力かつ精密に射出するために、射出ノズル40は、受容ピット28の底壁29内に配置されるか、又はこれに取り付けられる。
【0032】
シェービング装置12は、シェービングユニット38が取り付けられた本体において、モータコントローラ56及び操作インターフェース57に連結された制御ユニット55を持つ。制御ユニット55は、動作インターフェース57を介して入力される洗浄サイクルを開始するコマンドに応答して、ポンププログラムに従ってポンプ48の駆動のためのモータ13を制御するようにモータ制御装置56を制御するために配置される。このことは例えば、洗浄の洗浄効果を更に高めるために、シェービング屑を浸すことを可能にするための休止によって中断される、モータ13が作動される一連の期間を含んでも良い。
【0033】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されてきたが、そのような図示及び説明は、例示的又は例示的であり、限定的ではないと考えられるべきであり、本発明は、開示された実施例に限定されない。開示された実施例に対する他の変形は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求された発明を実施する際に当業者によって理解され、実施されることができる。例えば、洗浄ユニットは、例えば、1つ、2つ、4つ又はそれ以上の切断ユニットのような、異なる数の切断ユニットを持つシェービングユニットを洗浄するために配置することができる。また、洗浄時にシェービング装置のシェービングユニットのみが洗浄位置になるように位置決めし、主筐体はシェービングユニットから一時的に取り外されることも考えられ得る。
【0034】
請求項において、単語「有する(comprising)」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a又はan)」は、複数を排除するものではない。単一の要素又は他のユニットは、請求項に列挙されるいくつかの項目の機能を満たすことができる。特定の測定値が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの測定値の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。
【0035】
請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3