(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
G06F3/12 373
G06F3/12 305
G06F3/12 354
(21)【出願番号】P 2018121516
(22)【出願日】2018-06-27
【審査請求日】2021-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樺澤 里恵
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-132813(JP,A)
【文献】特開2011-076478(JP,A)
【文献】特開2016-224711(JP,A)
【文献】特開2010-108396(JP,A)
【文献】特開2009-260915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09 - 3/12
B41J 5/00 - 5/52
B41J 21/00 -21/18
B41J 29/00 -29/70
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00 -21/02
G03G 21/14
G06F 8/00 - 8/38
G06F 8/60 - 8/77
G06F 9/44 - 9/445
G06F 9/451
H04M 1/00
H04M 1/24 - 1/82
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサービスで共用される、第1記憶手段に記憶された第1設定情報の更新要求を取得する取得手段と、
前記複数のサービスと異なる他のサービスで使用されている第2設定情報及び該第2設定情報へのアクセス状況を記憶する第2記憶手段及び前記第1記憶手段を参照し、前記記憶された第1設定情報の設定値と前記取得された更新要求に対応する設定値とが異なっており、かつ、前記第2設定情報へのアクセス状況が予め定められた閾値未満である場合、前記第1設定情報を前記取得された更新要求に従って更新する更新手段と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記第2記憶手段は前記第2設定情報の更新状況を記憶し、
前記更新手段は、前記第2設定情報の更新状況が予め定められた閾値未満である場合、前記更新要求に従って前記第1設定情報を更新する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2記憶手段は、前記第2設定情報と予め定められた属性を有するファイルとを対応付けて記憶し、
前記更新手段は、前記第2設定情報が前記属性を有するファイルに対応付けられている場合、前記更新を行わない
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータに、
複数のサービスで共用される、第1記憶手段に記憶された第1設定情報の更新要求を取得するステップと、
前記複数のサービスと異なる他のサービスで使用されている第2設定情報及び該第2設定情報へのアクセス状況を記憶する第2記憶手段及び前記第1記憶手段を参照し、前記記憶された第1設定情報の設定値と前記取得された更新要求に対応する設定値とが異なっており、かつ、前記第2設定情報へのアクセス状況が予め定められた閾値未満である場合、前記第1設定情報を前記取得された更新要求に従って更新するステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、設定情報の部分的な更新を簡便に行う画像形成装置が記載されている。特許文献1に記載の画像形成装置は、自装置に保持された複数の設定情報から選択された設定情報を、個別に変更する変更手段と、複数の設定情報のうち、変更手段による変更がなされていない設定情報を特定する特定手段と、外部の装置と通信を行う通信手段と、通信手段を介して、外部の装置から、複数の設定情報のそれぞれに対応する基準設定情報を取得する取得手段と、複数の設定情報のうち、特定手段により特定された設定情報を、取得手段により取得した基準設定情報に基づいて更新する更新手段とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、複数のサービスで併用される設定情報を更新する際に、ユーザにより使用されていないにも関わらず設定値が更新されなくなってしまうことを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る情報処理装置は、複数のサービスで共用される、第1記憶手段に記憶された第1設定情報の更新要求を取得する取得手段と、前記複数のサービスと異なる他のサービスで使用されている第2設定情報及び該第2設定情報へのアクセス状況を記憶する第2記憶手段及び前記第1記憶手段を参照し、前記記憶された第1設定情報の設定値と前記取得された更新要求に対応する設定値とが異なっており、かつ、前記第2設定情報へのアクセス状況が予め定められた閾値未満である場合、前記第1設定情報を前記取得された更新要求に従って更新する更新手段とを有することを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る情報処理装置は、請求項1に記載の構成において、前記第2記憶手段は前記第2設定情報の更新状況を記憶し、前記更新手段は、前記第2設定情報の更新状況が予め定められた閾値未満である場合、前記更新要求に従って前記第1設定情報を更新することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る情報処理装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記第2記憶手段は、前記第2設定情報と予め定められた属性を有するファイルとを対応付けて記憶し、前記更新手段は、前記第2設定情報が前記属性を有するファイルに対応付けられている場合、前記更新を行わないことを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係るプログラムは、コンピュータに、複数のサービスで共用される、第1記憶手段に記憶された第1設定情報の更新要求を取得するステップと、前記複数のサービスと異なる他のサービスで使用されている第2設定情報及び該第2設定情報へのアクセス状況を記憶する第2記憶手段及び前記第1記憶手段を参照し、前記記憶された第1設定情報の設定値と前記取得された更新要求に対応する設定値とが異なっており、かつ、前記第2設定情報へのアクセス状況が予め定められた閾値未満である場合、前記第1設定
情報を前記取得された更新要求に従って更新するステップとを実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1及び4に係る発明によれば、複数のサービスで共用される設定情報を更新する際に、ユーザにより使用されていないにも関わらず設定値が更新されなくなってしまうことが抑制される。
請求項2に係る発明によれば、複数のサービスで共用される設定情報を更新する際に、更新頻度が閾値未満である設定値が更新されなくなってしまうことが抑制される。
請求項3に係る発明によれば、予め定められた属性を有するファイルの設定情報が更新されてしまうことが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理システムの構成を例示するブロック図。
【
図2】情報処理装置10の機能構成を例示するブロック図。
【
図3】情報処理装置10のハードウェア構成を例示するブロック図。
【
図4】サーバ20のハードウェア構成を例示するブロック図。
【
図5】情報処理装置10の機能構成を例示するブロック図。
【
図7】基盤設定情報の利用状況を示す利用状況情報の内容を例示する図。
【
図12】情報処理装置10が行う処理の流れを例示するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.構成
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成を例示するブロック図である。情報処理システム1は、情報処理装置10及びサーバ20を備える。情報処理装置10は、用紙等の媒体に画像を形成する画像形成処理や、原稿等の媒体に形成された画像を読み取る画像読取処理等の画像処理を行う。サーバ20はストレージサービス等の各種サービスを提供する。情報処理装置10は通信回線2によりサーバ20に接続されている。通信回線2は、例えばインターネット、移動体通信網、電話回線、及びLAN(Local Area Network)などのうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
図2は情報処理装置10の機能構成を例示するブロック図である。情報処理装置10は、取得手段11、更新手段12、第1記憶手段13及び第2記憶手段14を有する。取得手段11は、複数のサービスで共用される、第1記憶手段に記憶された第1設定情報の更新要求を取得する。更新手段12は、複数のサービスと異なる他のサービスで使用されている第2設定情報及び該第2設定情報へのアクセス状況を記憶する第2記憶手段及び第1記憶手段を参照し、記憶された第1設定情報の設定値と取得された更新要求に対応する設定値とが異なっており、かつ、第2設定情報へのアクセス状況が予め定められた閾値未満である場合、第1設定情報を取得された更新要求に従って更新する。
【0013】
アクセス状況は、設定情報の読出の状況や書込の状況を示す。設定情報は、情報処理装置10のアプリケーションによりアクセスされる。アクセス状況は例えば、使用状況(使
用頻度、使用回数、等)及び/又は更新状況である。更新状況は、設定情報の書換の状況を示す。更新状況は例えば、更新頻度及び更新回数である。設定値は設定情報に設定されている値である。例えば、「ファイル削除」の設定情報には、「〇」又は「×」の設定値が設定される。設定値が「〇」である場合、ファイルの削除が許可されている旨が示される。設定値が「×」である場合、ファイルの削除が許可されていない旨が示される。
【0014】
図3は情報処理装置10のハードウェア構成を例示するブロック図である。プロセッサ101は、情報処理装置10の他の要素を制御するプロセッサである。メモリ102は、プロセッサ101がプログラムを実行するためのワークエリアとして機能する記憶装置であり、例えばRAM(Random Access Memory)を含む。記憶装置103は各種のプログラム及びデータを記憶する。記憶装置103は例えば、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)を含む。通信IF104は、予め定められた無線又は有線の通信規格(例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又はイーサネット(登録商標))に従って他の装置と通信を行う。
【0015】
UI部105は例えばタッチスクリーンとキーとを備える。UI部105は情報処理装置10に内蔵されていてもよく、また、外付けされて外部接続されてもよい。画像形成部106は電子写真方式で用紙等の媒体に画像を形成する。画像読取部107は原稿(媒体)の画像を光学的に読み取る。画像処理部108は、例えばDSP(Digital Signal Processor)やGPU(Graphics Processing Unit)を備え、各種の画像処理を実行する。給紙部109は画像形成部106に用紙等の媒体を供給する。
【0016】
この例で、メモリ102又は記憶装置103に記憶されているプログラムをプロセッサ101が実行することにより、
図2に示される機能が実装される。プログラムを実行しているプロセッサ101は取得手段11及び更新手段12の例である。
【0017】
図4はサーバ20のハードウェア構成を例示するブロック図である。プロセッサ201は、サーバ20の他の要素を制御するプロセッサである。メモリ202は、プロセッサ201がプログラムを実行するためのワークエリアとして機能する記憶装置であり、例えばRAMを含む。記憶装置203は各種のプログラム及びデータを記憶する記憶装置であり、例えばSSD又はHDDを含む。通信IF204は、予め定められた無線又は有線の通信規格に従って他の装置と通信を行う。
【0018】
図5は情報処理装置10の機能構成を例示するブロック図である。図において、サービスA及びサービスBは、情報処理装置10が保持している設定情報を共用するサービスである。以下の説明では、複数のサービスで共用される設定情報(第1設定情報の一例)を「基盤設定情報」という。また、基盤設定情報を共用しているサービスを「連携サービス」という。
【0019】
サービスA及びサービスBは、情報処理装置10が既に利用しているサービスであり、情報処理装置10の基盤設定情報はサービスA及びサービスBで共用されている。一方、サービスCは情報処理装置10が新たに利用を開始するサービスである。情報処理装置10の基盤設定情報は、サービスCで未だ共用されていない。すなわち、サービスCは、基盤設定情報ではなく、サービスCに固有の設定情報を利用する。このように、情報処理装置10の記憶装置103には、複数の連携サービス(例えば、サービスA、サービスB)で共用される基盤設定情報が記憶されているとともに、連携サービス以外のサービス(例えば、サービスC)が利用する、サービス毎に固有の設定情報(以下「連携前設定情報」という)が記憶されている。基盤設定情報は本発明に係る第1設定情報の一例であり、連携前設定情報は本発明に係る第2設定情報の一例である。
【0020】
基盤情報管理DB151(第1記憶手段の一例)は、基盤設定情報を管理するデータベースである。
【0021】
図6は、基盤情報管理DB151に記憶されている基盤設定情報の内容を例示する図である。この例では、基盤設定情報として、「パスワード最小文字数」、「パスワード複雑さ」、「重要文書パスワード設定」、「文書作成・編集」、「文書削除」、「アクセス権変更」、「コンテンツ差し替え」、及び「印刷」が記憶されている。「パスワード最小文字数」及び「パスワード複雑さ」は、パスワードの設定ルールに関する設定情報である。「パスワード最小文字数」は、パスワードの最小文字数を指定する設定情報である。設定値として「5」が設定されている場合、4文字以下の文字列のパスワードは設定できない。「パスワード複雑さ」は、パスワードに含める文字の種別を指定する設定情報である。設定値として「英字、数字両方」が設定されている場合、英字と数字の両方を含まないパスワードは設定できない。
【0022】
「重要文書パスワード設定」は、重要である旨を示す情報が付されたファイル(以下「重要文書」という)のパスワードの設定が許可されているか否かを示す情報である。この設定情報の設定値が「×」である場合、パスワードの設定が許可されていない旨を示す。「ファイル作成・編集」は、ファイルの作成及び編集が許可されているか否かを示す情報である。この設定情報の設定値が「〇」である場合、ファイルの作成及び編集が許可されている旨を示す。
【0023】
図5の説明に戻る。利用状況管理DB152は、基盤設定情報の利用状況、及び連携サービス以外のサービス(例えば、サービスC)の設定情報の利用状況を記憶する。
【0024】
図7及び
図8は、利用状況管理DB152(第2記憶手段の一例)の内容を例示する図である。
図7には、基盤設定情報の利用状況(例えば、月毎の使用回数)が例示されている。
図8には、サービスCの利用状況(月毎の使用回数)が例示されている。また、
図7及び
図8の例では、基盤設定情報とサービスCの設定情報のそれぞれについて、使用回数の直近の半年の月平均値が記憶されている。
【0025】
図5の説明に戻る。設定値更新頻度管理DB153(第2記憶手段の一例)は、基盤設定情報の設定値の更新状況、及び連携サービス以外のサービス(例えば、サービスC)の設定情報の更新状況を記憶する。
【0026】
図9及び
図10は、設定値更新頻度管理DB153(第2記憶手段の一例)の内容を例示する図である。
図9には、基盤設定情報の更新状況(例えば、月毎の更新回数)が例示されている。
図10には、サービスCの設定情報の更新状況(例えば、月毎の更新回数)が例示されている。また、
図9及び
図10の例では、基盤設定情報とサービスCの設定情報のそれぞれについて、更新回数の直近半年の月平均が記憶されている。
【0027】
図5の説明に戻る。設定値確認部154は基盤設定情報の設定値を確認する。具体的には、基盤設定情報に含まれる設定項目と、新たに連携されるサービスで保持している設定項目(連携前設定情報に含まれる設定項目)とで共通する項目の有無を確認する。共通の項目がある場合、設定値確認部154は、基盤設定情報の設定値と連携前設定情報の設定項目の設定値とが異なっているかを確認する。
【0028】
利用状況確認部155は、設定値確認部154で確認された設定値が異なっていた場合、連携前設定情報の利用状況の履歴を確認する。また、更新頻度確認部156は、設定値確認部154で設定値が異なっていた場合、連携前設定情報の更新頻度を確認する。
【0029】
重要書類管理DB157は、重要フラグを管理するデータベースである。重要書類管理DB157は、重要フラグ(予め定められた属性)が付されたファイルと設定項目との対応関係を記憶する。
【0030】
図11は重要書類管理DB157の内容を例示する図である。この例では、「ファイルFa」及び「ファイルFb」には重要フラグが付与されている旨が示されている。以下の説明では、説明の便宜上、重要フラグが付されたファイルを「重要ファイル」と称する。また、重要ファイルである「ファイルFb」には「重要文書パスワード」が対応付けられている。すなわち、「ファイルFb」が用いられる場合、「重要文書パスワード」の設定情報が利用される。
【0031】
図5の説明に戻る。確認部158は、重要書類管理DB157に登録されている重要フラグを確認する。許容部159は、設定値確認部154、利用状況確認部155、更新頻度確認部156及び確認部158の確認結果に基づき、連携対象であるサービスの連携前設定情報のうち、基盤設定情報で保持されている設定値と異なる設定値が設定されている設定情報を抽出し、抽出した設定情報の設定値を更新する。
【0032】
2.動作
この動作例では、複数の連携サービスで共用されている基盤設定情報を保持している情報処理装置10が、別のサービスで利用されている連携前設定情報を基盤設定情報に統合させる場合の動作例を説明する。この動作例では、情報処理装置10は、基盤設定情報の設定値と連携前設定情報の設定値とが異なっており、かつ、利用状況管理DB152又は設定値更新頻度管理DBに記憶されている、連携前設定情報へのアクセス状況(使用状況(使用頻度、使用回数、等)及び/又は更新状況(更新頻度、更新回数、等))が予め定められた閾値未満である場合、基盤設定情報の設定値を更新要求に従って更新する。すなわち、情報処理装置10は、基盤設定情報と連携前設定情報を統合する際に、情報処理装置10が保持している基盤設定情報の値が初期値でない場合(すなわちユーザにより初期値から値が変更されている場合)であって、かつ、更新状況や使用状況が閾値を上回っている場合、基盤設定情報の設定値の更新を行わない。
【0033】
図12は、情報処理装置10が行う処理の流れを例示するフローチャートである。
図12に示される処理は、基盤設定情報の更新要求を取得したこと(例えば、ユーザにより新たなサービスの連携を指示する操作が行われたこと)をトリガとして開始される。
【0034】
ステップS101において、情報処理装置10のプロセッサ101は、新たに連携するサービス(以下「サービスC」)の設定情報に含まれる設定項目の中に、基盤設定情報と共通する設定項目があるかを判定する。共通する設定項目がある場合(ステップS101;YES)、プロセッサ101はステップS102の処理に進む。一方、共通する設定項目がない場合(ステップS101;NO)、プロセッサ101はステップS103の処理に進む。
【0035】
図13は、サービスCの連携前設定情報の内容を例示する図である。サービスCは、基盤設定情報を共用している複数の連携サービスと異なる他のサービスである。
図13の例では、基盤設定情報とサービスCの連携前設定情報とを比較すると、「パスワード最小文字数」、「重要文書パスワード設定」及び「ファイル削除」の設定値が異なっている。
【0036】
図12の説明に戻る。ステップS102において、プロセッサ101は、基盤設定情報と連携前設定情報とに共通する設定項目について、設定値に差異があるかを判定する。設定値が異なっている場合(ステップS102;YES)、プロセッサ101は、ステップS103の処理に進む。一方、設定値に差異がない場合(ステップS102;NO)、プ
ロセッサ101はステップS107の処理に進む。
【0037】
ステップS103において、プロセッサ101は、その設定項目の利用実績があるかを判定する。この実施形態では、プロセッサ101は、利用状況管理DB152を参照し、その設定値の月毎の直近半年の平均使用回数が基準値を超えているかを判定する。
【0038】
図14は、利用状況の基準値を例示する図である。この基準値は、例えば情報処理装置10の管理者により設定されてもよい。例えば、サービスCの連携前設定情報の各設定項目の利用状況が、
図8に例示される内容である場合、「パスワード最小文字数」、「重要文書パスワード設定」及び「ファイル削除」の設定項目の月の平均使用回数は基準値を超えている。すなわち、これらの設定項目は利用実績があると判定される。
【0039】
図12の説明に戻る。平均使用回数が基準値を超えている場合、すなわち利用実績がある場合(ステップS103;YES)、プロセッサ101はステップS10
7の処理に進む。一方、利用実績がない場合(ステップS103;NO)、プロセッサ101はステップS10
4の処理に進む。
【0040】
ステップS104において、プロセッサ101は、その設定項目の設定値が予め設定された期間内に頻繁に更新されているかを判定する。この実施形態では、プロセッサ101は、設定値更新頻度管理DB153を参照し、サービスCの連携前設定情報の各設定項目の更新状況が予め定められた閾値未満であるかを判定する。具体的には、ここでは、プロセッサ101は、その設定値の月毎の直近半年の平均更新回数が基準値以上であるかを判定する。
【0041】
図15は、更新頻度の基準値を例示する図である。この基準値は、例えば情報処理装置10の管理者により設定されてもよい。例えば、サービスCの連携前設定情報の各設定項目の更新頻度が、
図10に例示される内容である場合、「重要文書パスワード設定」の設定項目の月の平均更新回数は、
図15に示された基準値を超えている。この場合、「重要文書パスワード設定」の設定項目は頻繁に更新されていると判定される。一方、「パスワード最小文字数」の設定項目の月の平均更新回数は、
図15に示された基準値を下回っている。この場合、「パスワード最小文字数」の設定項目は頻繁に更新されていないと判定される。「ファイル削除」の設定項目の月の平均更新回数は、
図15に示された基準値と同値である。この場合、「ファイル削除」の設定項目は頻繁に更新されていると判定される。
【0042】
図12の説明に戻る。平均更新回数が基準値以上である場合、すなわち頻繁に更新されている場合(ステップS104;YES)、プロセッサ101はステップS10
7の処理に進む。一方、頻繁に更新されていない場合(ステップS104;NO)、プロセッサ101はステップS10
5の処理に進む。
【0043】
ステップS105において、プロセッサ101は、重要書類管理DB157を参照し、その設定項目が重要ファイルで用いられているか(すなわち、その設定項目と重要フラグとが対応付けられているか)を判定する。対応付けられている重要フラグが有る場合(ステップS105;YES)、プロセッサ101はステップS107の処理に進む。一方、対応付けられている重要フラグが無い場合(ステップS105;NO)、プロセッサ101はステップS106の処理に進む。
【0044】
ステップS106において、プロセッサ101は、基盤設定情報で保持されている設定値とは異なる連携前設定情報を抽出し、抽出した連携前設定情報の設定値で、基盤設定情報の設定値を更新する。
【0045】
ステップS107において、プロセッサ101は、基盤設定情報を更新せずに、処理を終了する。すなわち、基盤設定情報に設定されていた設定値が継続してそのまま使用される。例えば、サービスCの連携前設定情報が
図13に例示される内容である場合、「パスワード最小文字数」、「重要文書パスワード設定」及び「ファイル削除」の設定項目以外の設定項目は、基盤設定情報の設定値とサービスCの設定情報の設定値とに差異がない。そのため、これら3つの設定項目以外の設定項目については、基盤設定情報の設定値がそのまま継続して用いられる。
【0046】
例えば、アクセス頻度が閾値よりも低い場合や更新頻度が閾値よりも低い場合、「ファイル削除」及び「重要文書パスワード」の設定情報は、サービスCのものが有効として設定される。このように、この実施形態では、サービスCを新たに連携する際に、設定値が異なっている設定項目のうち、更新状況又は使用状況が高い設定項目については設定値が更新されない一方、更新状況や使用状況が低い設定情報については設定値が更新される。これにより、ユーザにより使用されていない設定情報が更新されなくなってしまうことが抑制される。
【0047】
また、この実施形態では、上述したように、プロセッサ101は、重要フラグが付されたファイルで「重要文書パスワード」が使用されている場合(「重要文書パスワード」の設定情報が重要フラグに対応付けられている場合)、基盤設定情報の更新を行わない。
【0048】
3.変形例
上述した実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、上述した実施形態及び以下に示す各変形例は、必要に応じて組み合わされて実施されてもよい。
【0049】
(1)上述の実施形態では、複数のサービスが連携しているシステムにおいて、新たに連携するサービスを追加する場合の動作を例示した。上述の実施形態で示した基盤設定情報を更新処理は、連携させるサービスを新たに追加する場合に限られず、他の状況で実行されてもよい。例えば、情報処理装置10に新たにアプリケーションが追加され、追加されたアプリケーションが基盤設定情報を利用する場合に上述した更新処理が実行されてもよい。
【0050】
(2)上述の実施形態において、基盤情報管理DB151、利用状況管理DB152、及び設定値更新頻度管理DB153等の各種のデータベースは、ユーザ毎に設けられてもよい。この場合、ユーザは情報処理装置10のUI部105を用いてログイン操作を行い、情報処理装置10のプロセッサ101は、ログインされたユーザに対応するデータベースを参照し、設定情報を更新するか否かを判定する。
【0051】
(3)上述の実施形態では、基盤情報管理DB151、利用状況管理DB152、及び設定値更新頻度管理DB153等の各種のデータベースが情報処理装置10に設けられている場合を説明したが、これらのデータベースが外部サーバ(例えば、サーバ20)に設けられていてもよい。この場合、情報処理装置10は各種のデータベースが設けられたサーバにアクセスすることにより、設定情報の利用状況や更新状況等を確認する。
【0052】
(4)上述の実施形態において、情報処理装置10のプロセッサ101又はサーバ20のプロセッサ201により実行されるプログラムは、インターネットなどの通信回線を介してダウンロードされてもよい。また、これらのプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10…情報処理装置、11…取得手段、12…更新手段、13…第1記憶手段、14…第2記憶手段、101…プロセッサ、102…メモリ、103…記憶装置、104…通信IF、105…UI部、106…画像形成部、107…画像読取部、108…画像処理部。