(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 79/04 20060101AFI20221004BHJP
C08G 73/10 20060101ALI20221004BHJP
C08K 5/20 20060101ALI20221004BHJP
C08K 5/41 20060101ALI20221004BHJP
C08K 5/21 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
C08L79/04
C08G73/10
C08K5/20
C08K5/41
C08K5/21
(21)【出願番号】P 2018124132
(22)【出願日】2018-06-29
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】河村 麻央
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 温
【審査官】中川 裕文
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/058339(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/058866(WO,A1)
【文献】特開2016-069498(JP,A)
【文献】特開2014-199446(JP,A)
【文献】国際公開第2019/103044(WO,A1)
【文献】特開2013-127597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K 3/00- 13/08
C08L 1/00-101/14
C08G 73/00- 73/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリイミド前駆体および/またはポリベンゾオキサゾール前駆体と、
(B)一般式(1)で表される溶剤と、
(C)一般式(1)で表される溶剤以外の窒素原子を含む溶剤、および硫黄原子を含む溶剤から選ばれる少なくとも一種の溶剤を含有する樹脂組成物であって、
樹脂組成物中の全溶剤に対する(B)一般式(1)で表される溶剤の含有率が
70質量%以上95質量%以下であり、
前記(B)一般式(1)で表される溶剤が、メトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド、エトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミドおよび/またはメトキシ―N,N-ジメチルブタノンアミドであり、かつ(C)一般式(1)で表される溶剤以外の窒素原子を含む溶剤、および硫黄原子を含む溶剤から選ばれる少なくとも一種の溶剤の含有率が樹脂組成物中の全溶剤に対して5質量%以上
30質量%以下である樹脂組成物。
【化1】
(一般式(1)中、R
1はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、R
2はカルボニル基であり、R
3は水素原子または炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、R
4は炭素数1以上6以下のアルキル基またはアルコキシアルキル基である。)
【請求項2】
前記(B)一般式(1)で表される溶剤が、メトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミドである請求項
1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記(C)一般式(1)以外で表される溶剤以外の窒素原子を含む溶剤、および硫黄原子を含む溶剤から選ばれる少なくとも一種の溶剤が、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N,N′-ジメチルプロピレン尿素および/またはジメチルスルホキシドである請求項1
または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記(C)一般式(1)で表される溶剤以外の窒素原子を含む溶剤、および硫黄原子を含む溶剤から選ばれる少なくとも一種の溶剤が、ジメチルスルホキシドである請求項
3に記載の樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物に関する。より詳しくは、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などに適した樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンズイミダゾール等の耐熱性樹脂は、その優れた電気絶縁性、耐熱性、機械特性により、半導体、ディスプレイ用途といった、様々な電子デバイスの材料として使用されている。
【0003】
一般に、耐熱性樹脂の合成には、溶媒として沸点、引火点がともに高く、溶解能が大きいという利点からN-メチル-2-ピロリドン(NMP)が使用されることが多い(特許文献1参照)。
しかし、NMPは環境や生体への影響が懸念されることからNMP代替溶媒として、耐熱性樹脂の溶剤にN,N,2-トリメチルプロピオンアミドなどの代替溶剤を使用することが検討されている(特許文献2参照)。
【0004】
非感光性耐熱性樹脂のパターン加工において従来用いられているのは、耐熱性樹脂を基板に塗布したあと、フォトレジストを塗布し、露光したのちに現像して、フォトレジストの剥離を行い、加熱処理を行う方法である。ポリイミドやポリベンゾオキサゾールは、それらの前駆体を熱的に脱水閉環させて優れた耐熱性、機械特性を有する薄膜を得ることができる。耐熱性樹脂組成物を半導体などの用途に用いる場合、加熱処理して得られる硬化膜はデバイス内に永久に残るため、硬化膜としての物性は非常に重要である。一方で、非感光性耐熱性樹脂を使用する場合、フォトレジスト剥離工程まで煩雑な工程を有するため、加熱処理前の密着性も重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-40249号公報
【文献】特開2015-232688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、樹脂組成物にNMPを用いた場合、耐熱性樹脂の加熱処理前の脱水閉環率は低く、フォトレジストの剥離時に耐熱性樹脂も溶解してパターンが剥がれてしまうという課題があった。また、樹脂組成物にNMP代替溶媒を使用すると、溶解能が低く、耐熱性樹脂の塗布性が悪くなりパターン埋め込み性が悪いという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の樹脂組成物は以下の構成を有する。すなわち、(A)ポリイミド前駆体および/またはポリベンゾオキサゾール前駆体、(B)一般式(1)で表される溶剤、(C)一般式(1)で表される溶剤以外の窒素原子を含む溶剤、および硫黄原子を含む溶剤から選ばれる少なくとも一種の溶剤を含有する樹脂組成物であって、樹脂組成物中の全溶剤に対する(B)一般式(1)で表される溶剤の含有率が50質量%以上95質量%以下であり、かつ(C)一般式(1)で表される溶剤以外の窒素原子を含む溶剤、および硫黄原子を含む溶剤から選ばれる少なくとも一種の溶剤の含有率が樹脂組成物中の全溶剤に対して5質量%以上50質量%以下である樹脂組成物である。
【0008】
【0009】
一般式(1)中、R1はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、R2はカルボニル基であり、R3は水素原子または炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、R4は炭素数1以上6以下のアルキル基またはアルコキシアルキル基である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、加熱処理前の時点で金属との密着性に優れる膜が得られ、パターン埋め込み性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、(A)ポリイミド前駆体および/またはポリベンゾオキサゾール前駆体と、(B)一般式(1)で表される溶剤と、(C)一般式(1)で表される溶剤以外の窒素原子を含む溶剤、および硫黄原子を含む溶剤から選ばれる少なくとも一種の溶剤を含有する樹脂組成物であって、樹脂組成物中の全溶剤に対する(B)一般式(1)で表される溶剤の含有率が50質量%以上95質量%以下であり、かつ(C)一般式(1)で表される溶剤以外の窒素原子を含む溶剤、および硫黄原子を含む溶剤から選ばれる少なくとも一種の溶剤の含有率が樹脂組成物中の全溶剤に対して5質量%以上50質量%以下である樹脂組成物である。
【0012】
本発明の樹脂組成物は(A)ポリイミド前駆体および/またはポリベンゾオキサゾール前駆体(以下(A)樹脂と記載する場合がある)を含有する。
ポリイミド前駆体としては、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリアミド酸アミド、ポリイソイミドなどを挙げることができる。
【0013】
例えば、ポリアミド酸の合成方法としては、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸を脱水させて得られるテトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸に塩化チオニルを反応させて得られるテトラカルボン酸ジエステルジクロリドなどとジアミン、ジアミンにホスゲンと反応させて得られるジイソシアネート化合物、トリメチルシリル化ジアミンを反応させて得ることができる。
【0014】
ポリアミド酸エステルの合成方法としては、第一の方法として、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物、末端封止に用いるモノアミノ化合物を反応させる方法が挙げられる。第二の方法としては、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得た後、ジアミン化合物、モノアミノ化合物と縮合剤の存在下で反応させる方法が挙げられる。第三の方法としては、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得た後、残りのジカルボン酸を塩化チオニルなどを用いて酸クロリド化し、ジアミン化合物、モノアミノ化合物と反応させる方法などがある。
【0015】
ポリアミド酸アミドの合成方法としては、例えば、ポリアミド酸をチオニルクロライドなどで酸クロライドを合成し、それにアミンを反応させる方法などがある。ポリイソイミドの合成方法としては、例えば、ポリアミド酸溶液に脱水縮合剤を添加することで得ることができる。
【0016】
ポリイミド前駆体をポリイミドとする方法は、例えば、前記の方法で得たポリイミド前駆体を、加熱あるいは酸や塩基などの化学処理で脱水閉環することで得ることができる。
【0017】
本発明の樹脂組成物が含有するポリベンゾオキサゾール前駆体としては、ポリヒドロキシアミドを挙げることができる。例えば、ポリヒドロキシアミドの合成方法としては、ビスアミノフェノールとジカルボン酸、ジカルボン酸に塩化チオニルを反応させて得られるジカルボン酸クロリド、ジカルボン酸とN-ヒドロキシコハク酸イミドなどのカルボン酸活性化試薬の脱水縮合で得られるジカルボン酸活性エステルなどを反応させて得ることができる。ポリベンゾオキサゾールは、例えば、前記の方法で得たポリヒドロキシアミドを、加熱あるいは無水リン酸、塩基、カルボジイミド化合物などの化学処理で脱水閉環することで得ることができる。
【0018】
本発明の樹脂組成物が含有する(A)樹脂は一般式(2)および/または一般式(3)で表される構造を有する。
【0019】
【0020】
本発明の樹脂組成物が含有する(A)樹脂は、密着性の観点から下記一般式(4)~(7)で表される構造単位から選択される1種類以上を有することが好ましい。
また、(A)樹脂のほかに一般式(4)~(7)で表される構造単位のいずれか1種以上を有する1種以上の樹脂を含有してもよい。
【0021】
【0022】
一般式(2)~(7)中、R5およびR8は4価の有機基、R6、R7およびR10は2価の有機基、R9は3価の有機基、R11は2~4価の有機基、R12は2~12価の有機基を表す。R5~R12はいずれも芳香族環および/または脂肪族環を有するものが好ましい。R13は水素原子または炭素数1~20の1価の炭化水素基を表す。pは0~2の整数、qは0~10の整数を表す。
【0023】
一般式(2)~(7)中、R5はテトラカルボン酸誘導体残基、R7はジカルボン酸誘導体残基、R9はトリカルボン酸誘導体残基、R11はジ-、トリ-またはテトラ-カルボン酸誘導体残基を表す。R5、R7、R9、R11(COOR13)pを構成する酸成分としては、ジカルボン酸の例として、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビフェニルジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、トリフェニルジカルボン酸など、トリカルボン酸の例として、トリメリット酸、トリメシン酸、ジフェニルエーテルトリカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸、テトラカルボン酸の例として、ピロメリット酸、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,5,6-ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸などの芳香族テトラカルボン酸や、ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族テトラカルボン酸などを挙げることができる。これらのうち、一般式(7)においては、トリカルボン酸、テトラカルボン酸のそれぞれ1つまたは2つのカルボキシル基がCOOR13基に相当する。これらの酸成分は、そのまま、あるいは酸無水物、活性エステルなどとして使用できる。また、これら2種以上の酸成分を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
一般式(2)~(7)中、R6、R8、R10およびR12はジアミン誘導体残基を表す。R6、R8、R10、R12(OH)qを構成するジアミン成分の例としては、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)メチレン、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシ)ビフェニル、ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)フルオレンなどのヒドロキシル基含有ジアミン、3-スルホン酸-4,4’-ジアミノジフェニルエーテルなどのスルホン酸含有ジアミン、ジメルカプトフェニレンジアミンなどのチオール基含有ジアミン、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、1,5-ナフタレンジアミン、2,6-ナフタレンジアミン、ビス(4-アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3-アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4-(4-アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジエチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’-テトラメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’-テトラメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニルなどの芳香族ジアミンや、これらの芳香族環の水素原子の一部を、炭素数1~10のアルキル基やフルオロアルキル基、ハロゲン原子などで置換した化合物、シクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミンなどの脂環式ジアミンなどを挙げることができる。これらのジアミンは、そのまま、あるいは対応するジイソシアネート化合物、トリメチルシリル化ジアミンとして使用できる。また、これら2種以上のジアミン成分を組み合わせて用いてもよい。耐熱性が要求される用途では、芳香族ジアミンをジアミン全体の50モル%以上使用することが好ましい。
【0025】
一般式(2)~(7)のR5~R12は、その骨格中にフェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基などを含むことができる。
【0026】
脂肪族ジアミンとしては次のものが挙げられる。例えば、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、2-メチル-1,3-プロパンジアミン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,2-シクロヘキサンジアミン、1,3-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、1,2-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)、ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p-アミノフェニル)オクタメチルペンタシロキサン、KH-511、ED-600、ED-900、ED-2003、EDR-148、EDR-176、D-200、D-400、D-2000、THF-100、THF-140、THF-170、RE-600、RE-900、RE-2000、RP-405、RP-409、RP-2005、RP-2009、RT-1000、HE-1000、HT-1100、HT-1700、(以上商品名、HUNTSMAN(株)製)などが挙げられる。他にも―S―、―SO―、―SO2―、―NH―、―NCH3―、―N(CH2CH3)―、―N(CH2CH2CH3)―、―N(CH(CH3)2)―、―COO―、―CONH―、―OCONH―、―NHCONH―などの結合を含んでもよい。
【0027】
また、本発明の樹脂組成物の保存安定性を向上させるため、主鎖末端をモノアミン、酸無水物などの末端封止剤を使用してもよい。
【0028】
末端封止剤として用いられるモノアミンの導入割合は、全アミン成分に対して、溶解速度の観点から、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは5モル%以上である。一方、好ましくは60モル%以下、より好ましくは50モル%以下である。
【0029】
末端封止剤として用いられる酸無水物の導入割合は、ジアミン成分に対して、溶解速度の観点から、好ましくは0.1モル%以上、特に好ましくは5モル%以上である。一方、好ましくは100モル%以下、特に好ましくは90モル%以下である。
【0030】
モノアミンとしては、アニリン、2-エチニルアニリン、3-エチニルアニリン、4-エチニルアニリン、5-アミノ-8-ヒドロキシキノリン、1-ヒドロキシ-7-アミノナフタレン、1-ヒドロキシ-6-アミノナフタレン、1-ヒドロキシ-5-アミノナフタレン、1-ヒドロキシ-4-アミノナフタレン、2-ヒドロキシ-7-アミノナフタレン、2-ヒドロキシ-6-アミノナフタレン、2-ヒドロキシ-5-アミノナフタレン、1-カルボキシ-7-アミノナフタレン、1-カルボキシ-6-アミノナフタレン、1-カルボキシ-5-アミノナフタレン、2-カルボキシ-7-アミノナフタレン、2-カルボキシ-6-アミノナフタレン、2-カルボキシ-5-アミノナフタレン、2-アミノ安息香酸、3-アミノ安息香酸、4-アミノ安息香酸、4-アミノサリチル酸、5-アミノサリチル酸、6-アミノサリチル酸、2-アミノベンゼンスルホン酸、3-アミノベンゼンスルホン酸、4-アミノベンゼンスルホン酸、3-アミノ-4,6-ジヒドロキシピリミジン、2-アミノフェノール、3-アミノフェノール、4-アミノフェノール、2-アミノチオフェノール、3-アミノチオフェノール、4-アミノチオフェノールなどが好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
【0031】
酸無水物、モノカルボン酸、モノ酸クロリド化合物、モノ活性エステル化合物としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、ナジック酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3-ヒドロキシフタル酸無水物などの酸無水物、3-カルボキシフェノール、4-カルボキシフェノール、3-カルボキシチオフェノール、4-カルボキシチオフェノール、1-ヒドロキシ-7-カルボキシナフタレン、1-ヒドロキシ-6-カルボキシナフタレン、1-ヒドロキシ-5-カルボキシナフタレン、1-メルカプト-7-カルボキシナフタレン、1-メルカプト-6-カルボキシナフタレン、1-メルカプト-5-カルボキシナフタレン、3-カルボキシベンゼンスルホン酸、4-カルボキシベンゼンスルホン酸などのモノカルボン酸類およびこれらのカルボキシル基が酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、テレフタル酸、フタル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、1,5-ジカルボキシナフタレン、1,6-ジカルボキシナフタレン、1,7-ジカルボキシナフタレン、2,6-ジカルボキシナフタレンなどのジカルボン酸類の一方のカルボキシル基だけが酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、モノ酸クロリド化合物とN-ヒドロキシベンゾトリアゾールやN-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミドとの反応により得られる活性エステル化合物などが好ましい。これらを2種以上用いてもよい。
【0032】
重合溶媒としては、公知のものが使用できる。
例えば、NMP、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N,N-ジメチルプロピレン尿素、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、2-フェノキシエタノール、2-ピロリドン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリアセチン、安息香酸ブチル、シクロヘキシルベンゼン、ビシクロヘキシル、o-ニトロアニソール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。
その中でも、加熱処理前の時点での金属との密着性を向上させる観点から、後述する(B)一般式(1)で表される溶剤と、パターン埋め込み性を向上させる観点から(C)一般式(1)で表される溶剤以外の窒素原子を含む溶剤、および硫黄原子を含む溶剤から選ばれる少なくとも一種の溶剤を含有する溶剤を用いることが好ましい。
【0033】
本発明の樹脂組成物は、(B)一般式(1)で表される溶剤(以下、(B)溶剤と記載する場合がある)を含有する。
【0034】
【0035】
一般式(1)中、R1はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、R2はカルボニル基であり、R3は水素原子または炭素数1以上6以下の炭化水素基であり、R4は炭素数1以上6以下のアルキル基またはアルコキシアルキル基である。
【0036】
(B)溶剤は樹脂組成物の全溶剤に対する、(B)溶剤の含有率が50質量%以上95質量%以下である。金属との密着性向上の観点から、70質量%以上がより好ましい。一方、樹脂の溶解性の観点から、80質量%以下がより好ましい。
【0037】
(B)溶剤の具体例としては、メトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド、エトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド、メトキシ―N,N-ジメチルブタノンアミド、N,N,2-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ヘキシルオキシ―N,N-ジメチルプロパンアミド、イソプロポキシ―N-イソプロピル-プロピオンアミド、n-ブトキシ-N-イソプロピル-プロピオンアミドが挙げられる。
【0038】
これらの中でも、金属との密着性向上の観点から、メトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド、エトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド、メトキシ―N,N-ジメチルブタノンアミドが好ましく、メトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミドがより好ましい。
【0039】
さらに、これらの中でも、脱水閉環率が向上するという観点から、メトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミドがより好ましい。
【0040】
本発明の樹脂組成物は、(C)一般式(1)で表される溶剤以外の窒素原子を含む溶剤、および硫黄原子を含む溶剤から選ばれる少なくとも一種の溶剤(以下(C)溶剤と記載する場合がある。)を含有する。(C)溶剤は樹脂組成物の全溶剤に対する、(C)溶剤の含有率が5質量%以上50質量%以下である。
【0041】
(C)溶剤は、樹脂の溶解性の観点から、20質量%以上がより好ましい。一方、金属との密着性の観点から、30質量%以下がより好ましい。
【0042】
具体例としては、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N,N-ジメチルプロピレン尿素、2-ピロリドン、о-ニトロアニソール、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、N-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。
【0043】
これらの中でも、樹脂の溶解性向上により埋め込み性が向上するという観点から、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N,N′-ジメチルプロピレン尿素、ジメチルスルホキシドが好ましく、ジメチルスルホキシドがより好ましい。
さらにこれらの中でも、段差埋め込み性向上の観点からジメチルスルホキシドがより好ましい。
【0044】
本発明の樹脂組成物の溶剤の含有量は、(A)樹脂100質量部に対して、樹脂の溶解性を向上させる観点で、好ましくは70質量部以上、より好ましくは100質量部以上であり、適度な膜厚を得る観点で、好ましくは1800質量部以下、より好ましくは1500質量部以下である。
【0045】
本発明の樹脂組成物の粘度は、2~5000mPa・sが好ましい。粘度が2mPa・s以上となるように固形分濃度を調整することにより、所望の膜厚を得ることが容易になる。一方粘度が5000mPa・s以下であれば、均一性の高い塗布膜を得ることが容易になる。このような粘度を有する樹脂組成物は、例えば樹脂組成物中の固形分濃度を5~60質量%にすることで容易に得ることができる。
ここで、固形分とは溶剤以外の成分のことをいう。
【0046】
粘度の測定には粘度計(東機産業株式会社製、TVE-22H)を用いて、25℃における粘度を測定した。
【0047】
次に、本発明の樹脂組成物を用いて樹脂パターンを形成する方法について説明する。
まず、本発明の樹脂組成物を基板に塗布する。基板としてはシリコン、セラミックス類、ガリウムヒ素などのウエハ、または、その上に金属が電極、配線として形成されているものが用いられるが、これらに限定されない。塗布方法としてはスピンナを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティングなどの方法を用いることができる。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が0.1~150μmになるように塗布することができる。
【0048】
次に樹脂組成物を塗布した基板を乾燥して、樹脂組成物被膜を得る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50~150℃の範囲で1分間~数時間行うことが好ましい。この樹脂組成物被膜上にフォトレジストを塗布する。次にフォトレジストを塗布した基板を乾燥させる。続いてこの被膜上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射し、露光する。露光に用いられる化学線としては、紫外線、可視光線、電子線、X線などを用いることができる。水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いることが好ましい。
【0049】
耐熱性樹脂のパターンを形成するには、露光後、現像液を用いてフォトレジストの露光部を除去する。現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。また場合によっては、これらのアルカリ水溶液にN-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを単独あるいは数種を組み合わせたものを添加してもよい。現像後は水にてリンス処理をすることが好ましい。ここでもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしてもよい。その後、樹脂組成物被膜の上に塗布したフォトレジストをアルカリ剥離する。フォトレジストの剥離後、パターン加工された樹脂組成物被膜に150~500℃の温度を加えて脱水閉環反応を進行させ、樹脂組成物被膜の耐熱性および耐薬品性を向上させる。この加熱処理は温度を選び段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分間~5時間実施する。一例としては、130℃、200℃で各30分ずつ熱処理する。あるいは室温より400℃まで2時間かけて直線的に昇温するなどの方法が挙げられる。
【0050】
本発明の樹脂組成物により形成した耐熱性樹脂被膜は、半導体のパッシベーション膜、半導体素子の保護膜、層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などの用途に好適に用いられる。
【実施例】
【0051】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、実施例1、実施例6および実施例14は、それぞれ比較例7、参考例8および参考例1とする。まず、各実施例および比較例における評価方法について説明する。樹脂組成物(以下ワニスとも呼ぶ)の評価においては、あらかじめ1μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルター(住友電気工業(株)製)で濾過したワニスを用いた。
【0052】
(1)脱水閉環率の測定
ワニスをシリコンウエハに膜厚5~10μmになるようにスピンナ(ミカサ(株)製)で塗布後、120℃で3分間熱処理した。その半分を、ホットプレート(大日本スクリーン製造(株)製D-SPIN)を用いて、200℃で3分熱処理した後300℃で10分間熱処理し、完全にイミド基を閉環させた。イミド化率は以下の方法で算出した。まず、120℃で3分間熱処理したサンプルの赤外吸収スペクトルを測定し、ポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピーク(1780cm-1付近、1377cm-1付近)の存在を確認する。次に、200℃で3分熱処理した後300℃で10分間熱処理したサンプルの、赤外吸収スペクトルを測定し、熱処理前後における1377cm-1付近のピーク強度を比較することによって、熱処理前のポリマー中におけるイミド基の含量を算出し、イミド化率を求めた。脱水閉環率は30%以上をA(良好)、25%以上30%未満をB(可)、25%未満をC(不良)として評価とした。
【0053】
(2)埋め込み性評価
段差付き基板上にワニスをスピンナを用いてスピンコート法で塗布し、続いてホットプレートを用いて120℃で3分ベークし、最終的に平均厚さ13μmのプリベーク膜を作製した。この後、4.0μmのフォトレジストであるOFPR-800-60(商品名、東京応化工業株式会社製)膜を形成した。この後手動露光機PEM-1000Sを用いて100mJ/cm2の露光量にて基板全面を露光した。この後酢酸-n-ブチルでフォトレジストを剥離し、樹脂組成物の膜を得た。次いで上記プリベーク膜の、基板の段差部および埋め込み部の上部を覆う膜の厚さを、電界放出形走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製S-4800)を用いて基板段差部の断面を観察して測定した。測定箇所は、基板外周から各辺10mmずつ除外した残りの部分を30分割し、30箇所とした。段差埋め込み性は次の式により算出した。
最大高さ=基板上の段差の高さとその上を覆うプリベーク膜の膜厚の合計の平均値
埋め込み部膜厚=埋め込み部の中央の膜厚の平均値
段差埋め込み性(%)=[最大高さ/埋め込み部膜厚]×100
ここで、段差埋め込み性は、90~100%が好ましい。段差埋め込み性は、95%以上100%以下の場合をA(良好)、90%以上95%未満の場合をB(可)、90%未満の場合をC(不良)として評価とした。
【0054】
評価に用いた段差付き基板は、8インチシリコンウエハ上にフォトレジストである2.5μmのOFPR膜を形成し、フォトリソグラフィ法を用いてラインパターンを形成し、このパターンをマスクとしてエッチング装置(サムコ製RIE-10N)を用いてドライエッチングし、OFPRからなるパターンをアセトンで剥離して、幅20μm、深さ4μmの段差を形成した。
【0055】
(3)密着性評価
シリコンウエハにワニスをスピンナを用いてスピンコート法で塗布し、続いてホットプレートを用いて120℃で3分ベークし、最終的に厚さ13μmのプリベーク膜を作製した。この後、フォトレジストである4.0μmのOFPR膜を形成した。この後、露光機PEM-1000Sを用いて100mJ/cm2の露光量にて20μmのラインアンドスペースを有するマスクを用いて基板全面を露光した。フォトレジストの現像後、酢酸-n-ブチルでフォトレジストを剥離し、樹脂組成物の膜を得た。20μmのラインで樹脂組成物の剥がれが起きているかについてCD-SEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ製S-9360)で観察し、100個のうち剥がれが10個未満のものを○、10個以上のものを×とした。
【0056】
[合成例1]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-1)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、メトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド313.9g、ジメチルスルホキシド(以下DMSOと呼ぶ)313.9gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-1)を得た。
【0057】
[合成例2]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-2)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、メトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド439.5g、DMSO188.3gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-2)を得た。
【0058】
[合成例3]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-3)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、メトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド565.0g、DMSO62.7gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-3)を得た。
【0059】
[合成例4]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-4)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、エトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド502.2g、DMSO125.6gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-4)を得た。
【0060】
[合成例5]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-5)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、エトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド439.5g、DMSO125.6g、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン62.8gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-5)を得た。
【0061】
[合成例6]ポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂溶液(A-6)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、メトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド313.9g、N,N-ジメチルプロピレン尿素313.9gを加えて、BAHF65.93g、ED-600(商品名、HUNTSMAN(株)製)12.0gを溶解させた。30分攪拌したのち、4,4′-ジカルボキシジフェニルエーテルと1-ヒドロキシベンゾトリアゾールからなるジカルボンサンジエステル88.64gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂溶液(A-6)を得た。
【0062】
[合成例7]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-7)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド439.5g、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン188.3gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-7)を得た。
【0063】
[合成例8]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-8)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド439.5g、N,N-ジメチルプロピレン尿素188.3gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-8)を得た。
【0064】
[合成例9]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-9)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、エトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド439.5g、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン188.3gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-9)を得た。
【0065】
[合成例10]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-10)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、エトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド439.5g、N,N-ジメチルプロピレン尿素188.3gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-10)を得た。
【0066】
[合成例11]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-11)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、メトキシ-N,N-ジメチルブタノンアミド439.5g、1,3-ジメチル-2-イミダゾシジノン188.3gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-11)を得た。
【0067】
[合成例12]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-12)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、メトキシ-N,N-ジメチルブタノンアミド439.5g、N,N-ジメチルプロピレン尿素188.3gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-12)を得た。
【0068】
[合成例13]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-13)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、メトキシ-N,N-ジメチルブタノンアミド439.5g、DMSO188.3gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-13)を得た。
【0069】
[合成例14]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-14)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、n-ブトキシ-N-イソプロピル-プロピオンアミド313.9g、DMSO313.9gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-14)を得た。
【0070】
[合成例15]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-15)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド627.8gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-15)を得た。
【0071】
[合成例16]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-16)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、エトキシ-N,N-ジメチルブタノンアミド627.8gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-16)を得た。
【0072】
[合成例17]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-17)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド251.1g、DMSO376.7gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-17)を得た。
【0073】
[合成例18]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-18)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド125.6g、DMSO502.2gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-18)を得た。
【0074】
[合成例19]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-19)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン627.8gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-19)を得た。
【0075】
[合成例20]ポリイミド前駆体樹脂溶液(A-20)の合成
乾燥窒素気流下、液温を40℃に設定し、DMSO627.8gを加えて、p-フェニレンジアミン29.0g(0.268モル)、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル17.9g(0.0894モル)、ジ(アミノプロピルジメチル)シロキサン3.7g(0.0149モル)を溶解させた。30分攪拌したのち、3,3′-4,4′-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物106.9(0.363モル)gを加え、60℃に昇温したのち5時間反応させ、固形分19.97%のポリイミド前駆体樹脂溶液(A-20)を得た。
なお、表1および表2で示した化合物の名称と構造を示す。
B-1:メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド
B-2:エトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド
B-3:メトキシ-N,N-ジメチルブタノンアミド
B-4:n-ブトキシ-N-イソプロピル-プロピオンアミド
C-1:1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン
C-2:N,N′-ジメチルプロピレン尿素
C-3:ジメチルスルホキシド(DMSO)
[実施例1~14、比較例1~6]
[実施例1]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-1)784.6gにメトキシ―N
,N-ジメチルプロピオンアミド47.8g、DMSO47.8gを添加してワニスW-1を調
整した。ワニスW-1の組成を表1に示す。得られたワニスW-1を用いて脱水閉環率の
測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0076】
[実施例2]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-2)784.6gにメトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド66.9g、DMSO28.9gを添加してワニスW-2を調整した。ワニスW-2の組成を表1に示す。得られたワニスW-2を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0077】
[実施例3]
合成例3で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-3)784.6gにメトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド86.0g、DMSO9.6gを添加してワニスW-3を調整した。ワニスW-3の組成を表1に示す。得られたワニスW-1を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0078】
[実施例4]
合成例4で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-4)784.6gにエトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド76.5g、DMSO19.1gを添加してワニスW-4を調整した。ワニスW-4の組成を表1に示す。得られたワニスW-4を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0079】
[実施例5]
合成例5で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-5)784.6gにエトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド66.9g、DMSO19.1g、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン9.6gを添加してワニスW-5を調整した。ワニスW-5の組成を表1に示す。得られたワニスW-5を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0080】
[実施例6]
合成例6で得られたポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂溶液(A-6)784.6gにメトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド47.8g、N,N-ジメチルプロピレン尿素47.8gを添加してワニスW-6を調整した。ワニスW-6の組成を表1に示す。得られたワニスW-6を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0081】
[実施例7]
合成例7で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-7)784.6gにメトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド66.9g、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン28.7gを添加してワニスW-7を調整した。ワニスW-7の組成を表1に示す。得られたワニスW-7を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0082】
[実施例8]
合成例8で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-8)784.6gにメトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド66.9g、N,N-ジメチルプロピレン尿素28.7gを添加してワニスW-3を調整した。ワニスW-3の組成を表1に示す。得られたワニスW-1を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0083】
[実施例9]
合成例9で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-9)784.6gにエトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド66.9g、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン28.7gを添加してワニスW-9を調整した。ワニスW-9の組成を表1に示す。得られたワニスW-9を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0084】
[実施例10]
合成例10で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-10)784.6gにエトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド66.9g、N,N-ジメチルプロピレン尿素28.7gを添加してワニスW-10を調整した。ワニスW-10の組成を表1に示す。得られたワニスW-10を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0085】
[実施例11]
合成例11で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-11)784.6gにメトキシ―N,N-ジメチルブタノンアミド66.9g、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン28.7gを添加してワニスW-11を調整した。ワニスW-11の組成を表1に示す。得られたワニスW-11を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0086】
[実施例12]
合成例12で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-12)784.6gにメトキシ―N,N-ジメチルブタノンアミド66.9g、N,N-ジメチルプロピレン尿素28.7gを添加してワニスW-12を調整した。ワニスW-12の組成を表1に示す。得られたワニスW-1を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0087】
[実施例13]
合成例13で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-13)784.6gにメトキシ―N,N-ジメチルブタノンアミド66.9g、DMSO28.7gを添加してワニスW-13を調整した。ワニスW-13の組成を表1に示す。得られたワニスW-13を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0088】
[実施例14]
合成例14で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-14)784.6gにn-ブトキシ-N-イソプロピル-プロピオンアミド47.8g、DMSO47.8gを添加してワニスW-14を調整した。ワニスW-14の組成を表1に示す。得られたワニスW-14を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表1に示す。
【0089】
[比較例1]
合成例15で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-15)784.6gにメトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド95.6gを添加してワニスW-15を調整した。ワニスW-15の組成を表2に示す。得られたワニスW-15を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表2に示す。
【0090】
[比較例2]
合成例16で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-16)784.6gにエトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド95.6gを添加してワニスW-16を調整した。ワニスW-16の組成を表2に示す。得られたワニスW-16を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表2に示す。
【0091】
[比較例3]
合成例17で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-17)784.6gにメトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド38.2g、DMSO57.4gを添加してワニスW-17を調整した。ワニスW-17の組成を表2に示す。得られたワニスW-17を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表2に示す。
【0092】
[比較例4]
合成例18で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-18)784.6gにメトキシ―N,N-ジメチルプロピオンアミド19.1g、DMSO76.5gを添加してワニスW-18を調整した。ワニスW-18の組成を表2に示す。得られたワニスW-18を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表2に示す。
【0093】
[比較例5]
合成例19で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-19)784.6gに1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン95.6gを添加してワニスW-19を調整した。ワニスW-19の組成を表2に示す。得られたワニスW-19を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表2に示す。
【0094】
[比較例6]
合成例20で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液(A-20)784.6gにDMSO95.6gを添加してワニスW-20を調整した。ワニスW-20の組成を表2に示す。得られたワニスW-20を用いて脱水閉環率の測定、埋め込み性評価および密着性評価を行った。それぞれの結果を表2に示す。
【0095】
【0096】
【0097】
実施例1~14と比較例1~6を比較すると、樹脂組成物中の全溶剤に対する(B)溶剤の含有率が50質量%以上95質量%以下であり、かつ(C)溶剤の含有率が樹脂組成物中の全溶剤に対して5質量%以上50質量%以下であることにより、脱水閉環率の向上とそれに伴う密着性の向上および埋め込み性の向上が見られた。