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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】伝熱管および熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 13/12 20060101AFI20221004BHJP
   F28F 1/12 20060101ALI20221004BHJP
   F28F 1/40 20060101ALI20221004BHJP
   F28F 1/42 20060101ALI20221004BHJP
   F28D 7/10 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
F28F13/12 Z
F28F1/12 Z
F28F1/40 D
F28F1/42 E
F28F1/42 B
F28D7/10 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018145130
(22)【出願日】2018-08-01
(65)【公開番号】P2020020528
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】501022158
【氏名又は名称】株式会社デンソーエアシステムズ
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】押谷 洋
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 亮太
(72)【発明者】
【氏名】小野 潤一
(72)【発明者】
【氏名】山本 憲
(72)【発明者】
【氏名】近藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 昌英
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-001043(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0150648(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102011008119(DE,A1)
【文献】特開昭58-083189(JP,A)
【文献】特開平06-066487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 13/12
F28F 1/12
F28F 1/40
F28F 1/42
F28D 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管(4;104;204;304)の内部を流下する流体が接触する管内面と、
前記管内面に沿って延びるように突出する辺部であり、管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし上流に進むほど接近するように延びて隣り合う一組の上流側辺部(20)と、
前記上流側辺部よりも下流において前記管内面に沿って延びるように突出する辺部であり、前記管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし下流に進むほど接近するように延びて隣り合う一組の下流側辺部(21)と、
前記管内面において一組の前記上流側辺部と一組の前記下流側辺部との内側に設けられて前記上流側辺部および前記下流側辺部よりも凹んでいる凹部(22)と、
を備え、
一組の前記上流側辺部、一組の前記下流側辺部および前記凹部を含む一群の熱伝達促進部(2)は、前記管内面において下流に向けて複数群連続して設けられ、
上流側と下流側とで隣接する前記熱伝達促進部は、上流側の前記熱伝達促進部における前記下流側辺部と下流側の前記熱伝達促進部における前記上流側辺部とが一体をなすように設けられており、
一群の前記熱伝達促進部は、前記管の外周面を正面視した場合に、周方向全体にわたって前記外周面における正面視可能な範囲に一群の前記熱伝達促進部の全体が投影されているように、前記管内面に設けられており、
前記上流側辺部と前記下流側辺部は、湾曲面をなす先端面を備えている伝熱管。
【請求項2】
前記管の外面に形成された外面側溝部(42,43;143)を備え、
前記上流側辺部と前記下流側辺部は、前記外面側溝部の裏側に設けられている請求項1に記載の伝熱管。
【請求項3】
管(4;104;204;304)の内部を流下する流体が接触する管内面と、
前記管内面に沿って延びるように突出する辺部であり、管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし上流に進むほど接近するように延びて隣り合う一組の上流側辺部(20)と、
前記上流側辺部よりも下流において前記管内面に沿って延びるように突出する辺部であり、前記管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし下流に進むほど接近するように延びて隣り合う一組の下流側辺部(21)と、
前記管内面において一組の前記上流側辺部と一組の前記下流側辺部との内側に設けられて前記上流側辺部および前記下流側辺部よりも凹んでいる凹部(22)と、
を備え、
一組の前記上流側辺部、一組の前記下流側辺部および前記凹部を含む一群の熱伝達促進部(2)は、前記管内面において下流に向けて複数群連続して設けられ、
上流側と下流側とで隣接する前記熱伝達促進部は、上流側の前記熱伝達促進部における前記下流側辺部と下流側の前記熱伝達促進部における前記上流側辺部とが一体をなすように設けられており、
一群の前記熱伝達促進部は、前記管の外周面を正面視した場合に、周方向全体にわたって前記外周面における正面視可能な範囲に一群の前記熱伝達促進部の全体が投影されているように、前記管内面に設けられており、
前記管の外面に形成された外面側溝部(42,43;143)を備え、
前記上流側辺部と前記下流側辺部は、前記外面側溝部の裏側に設けられている伝熱管。
【請求項4】
前記凹部の縦断面形状は、平坦状の表面を形成し、
前記平坦状の表面に対する前記上流側辺部と前記下流側辺部のそれぞれの突出寸法(d)は、管の外径寸法(D)の0.1倍以下に設定されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の伝熱管。
【請求項5】
管(4;104;204;304)の内部を流下する流体が接触する管内面と、
前記管内面に沿って延びるように突出する辺部であり、管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし上流に進むほど接近するように延びて隣り合う一組の上流側辺部(20)と、
前記上流側辺部よりも下流において前記管内面に沿って延びるように突出する辺部であり、前記管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし下流に進むほど接近するように延びて隣り合う一組の下流側辺部(21)と、
前記管内面において一組の前記上流側辺部と一組の前記下流側辺部との内側に設けられて前記上流側辺部および前記下流側辺部よりも凹んでいる凹部(22)と、
を備え、
一組の前記上流側辺部、一組の前記下流側辺部および前記凹部を含む一群の熱伝達促進部(2)は、前記管内面において下流に向けて複数群連続して設けられ、
上流側と下流側とで隣接する前記熱伝達促進部は、上流側の前記熱伝達促進部における前記下流側辺部と下流側の前記熱伝達促進部における前記上流側辺部とが一体をなすように設けられており、
一群の前記熱伝達促進部は、前記管の外周面を正面視した場合に、周方向全体にわたって前記外周面における正面視可能な範囲に一群の前記熱伝達促進部の全体が投影されているように、前記管内面に設けられており、
前記凹部の縦断面形状は、平坦状の表面を形成し、
前記平坦状の表面に対する前記上流側辺部と前記下流側辺部のそれぞれの突出寸法(d)は、管の外径寸法(D)の0.1倍以下に設定されている伝熱管。
【請求項6】
前記熱伝達促進部は、前記管内面において前記管軸方向に対して交差する交差方向と前記管軸方向との両方について複数群隣接して設けられている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の伝熱管。
【請求項7】
一群の前記熱伝達促進部は、前記管軸方向の長さ寸法が周方向の長さ寸法よりも大きい請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の伝熱管。
【請求項8】
前記凹部は、一組の前記上流側辺部と一組の前記下流側辺部とで囲まれた部分である請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の伝熱管。
【請求項9】
一組の前記上流側辺部と一組の前記下流側辺部とは、前記管内面を平面状に展開した場合に菱形状を呈する辺部である請求項8に記載の伝熱管。
【請求項10】
対向関係にある前記上流側辺部と前記下流側辺部について、前記上流側辺部の内側壁面(20w)と前記下流側辺部の内側壁面(21w)との前記管内面に沿う沿面距離は、前記上流側辺部の横断面の幅寸法と前記下流側辺部の横断面の幅寸法とを合計した合計寸法よりも大きく設定されている請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の伝熱管
【請求項11】
第1流体が内部を流下する内管(4)と、
前記内管を収容し、前記内管の外面(41)との間に設けられた外側流路に第2流体が流下する外管(3)と、
を備え、
前記内管は請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の伝熱管である、熱交換器。
【請求項12】
複数群の前記熱伝達促進部は、前記内管において前記第1流体と前記第2流体とが熱交換する部分の全体にわたって設けられている請求項11に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、伝熱部材、伝熱管、熱交換器、伝熱管の製造方法および熱交換器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、流体が流下する管内面に凹部と突部とが形成された伝熱管が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3266886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の伝熱管によれば、凹部の正面視形状が円形状であるため、管内面に沿って流れる流体が凹部の表面近傍から凹部の外に流出するときに凹部の下流端部に集中する流れが形成されやすい。このように流体が凹部の表面近傍から下流端部に集まる流れは、凹部から流出するときの流動抵抗が増えるとともに、凹部の周縁部における熱伝達効果が狭い範囲に集中してしまうという問題がある。流体が接触する部材と流体との熱伝達については改良が求められている。
【0005】
この明細書における開示の目的は、熱伝達性能の向上が図れる伝熱部材、伝熱管および熱交換器、伝熱管の製造方法および熱交換器の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
開示された伝熱管の一つは、管(4;104;204;304)の内部を流下する流体が接触する管内面と、管内面に沿って延びるように突出する辺部であり、管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし上流に進むほど接近するように延びて隣り合う一組の上流側辺部(20)と、上流側辺部よりも下流において管内面に沿って延びるように突出する辺部であり、管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし下流に進むほど接近するように延びて隣り合う一組の下流側辺部(21)と、管内面において一組の上流側辺部と一組の下流側辺部との内側に設けられて上流側辺部および下流側辺部よりも凹んでいる凹部(22)と、を備え、
一組の上流側辺部、一組の下流側辺部および凹部を含む一群の熱伝達促進部(2)は、管内面において下流に向けて複数群連続して設けられ、上流側と下流側とで隣接する熱伝達促進部は、上流側の熱伝達促進部における下流側辺部と下流側の熱伝達促進部における上流側辺部とが一体をなすように設けられており、
一群の熱伝達促進部は、管の外周面を正面視した場合に、周方向全体にわたって外周面における正面視可能な範囲に一群の熱伝達促進部の全体が投影されているように、管内面に設けられている。
上記構成の伝熱管の一つは、上流側辺部と下流側辺部は、湾曲面をなす先端面を備えている。
また、開示された伝熱管の一つは、管(4;104;204;304)の内部を流下する流体が接触する管内面と、管内面に沿って延びるように突出する辺部であり、管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし上流に進むほど接近するように延びて隣り合う一組の上流側辺部(20)と、上流側辺部よりも下流において管内面に沿って延びるように突出する辺部であり、管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし下流に進むほど接近するように延びて隣り合う一組の下流側辺部(21)と、管内面において一組の上流側辺部と一組の下流側辺部との内側に設けられて上流側辺部および下流側辺部よりも凹んでいる凹部(22)と、を備え、
一組の上流側辺部、一組の下流側辺部および凹部を含む一群の熱伝達促進部(2)は、管内面において下流に向けて複数群連続して設けられ、上流側と下流側とで隣接する熱伝達促進部は、上流側の熱伝達促進部における下流側辺部と下流側の熱伝達促進部における上流側辺部とが一体をなすように設けられており、
一群の熱伝達促進部は、管の外周面を正面視した場合に、周方向全体にわたって外周面における正面視可能な範囲に一群の熱伝達促進部の全体が投影されているように、管内面に設けられており、
さらに管の外面に形成された外面側溝部(42,43;143)を備え、上流側辺部と下流側辺部は、外面側溝部の裏側に設けられている。
また、開示された伝熱管の一つは、管(4;104;204;304)の内部を流下する流体が接触する管内面と、管内面に沿って延びるように突出する辺部であり、管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし上流に進むほど接近するように延びて隣り合う一組の上流側辺部(20)と、上流側辺部よりも下流において管内面に沿って延びるように突出する辺部であり、管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし下流に進むほど接近するように延びて隣り合う一組の下流側辺部(21)と、管内面において一組の上流側辺部と一組の下流側辺部との内側に設けられて上流側辺部および下流側辺部よりも凹んでいる凹部(22)と、を備え、
一組の上流側辺部、一組の下流側辺部および凹部を含む一群の熱伝達促進部(2)は、管内面において下流に向けて複数群連続して設けられ、上流側と下流側とで隣接する熱伝達促進部は、上流側の熱伝達促進部における下流側辺部と下流側の熱伝達促進部における上流側辺部とが一体をなすように設けられており、
一群の熱伝達促進部は、管の外周面を正面視した場合に、周方向全体にわたって外周面における正面視可能な範囲に一群の熱伝達促進部の全体が投影されているように、管内面に設けられており、
さらに凹部の縦断面形状は、平坦状の表面を形成し、平坦状の表面に対する上流側辺部と下流側辺部のそれぞれの突出寸法(d)は、管の外径寸法(D)の0.1倍以下に設定されている。
【0011】
この伝熱管によれば、凹部が内側に位置する辺部のうち、管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし下流に進むほど接近するように延びて隣り合う一組の下流側辺部を備えている。この一組の下流側辺部の形状により、管内面に沿って流れる流体を凹部の表面近傍から下流側辺部に広く分散させながら下流側辺部を乗り越えて流出させることができる。このように管内面近傍において分散しながら下流側辺部を乗り越える流体流れによれば、下流側辺部における熱伝達を促進でき、さらに流体が凹部の表面近傍において下流端部に集まる流れが抑えられるので、流体の集中による管内面近傍の流動抵抗を抑制できる。さらに伝熱管は、凹部が内側に位置する辺部のうち、管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし上流に進むほど接近するように延びて隣り合う一組の上流側辺部を備えている。この一組の上流側辺部の形状により、管内面近傍において一組の上流側辺部のそれぞれを乗り越えて凹部に流入する流体が凹部の表面近傍においてぶつかり合う流れを形成できるので、この混ざり合う流れが凹部における熱伝達を高めることに寄与する。
【0012】
さらに前述した一群の熱伝達促進部が管内面において下流に向かって複数群連続して設けられ、上流側の熱伝達促進部における下流側辺部と下流側の熱伝達促進部における上流側辺部とが一体をなしている。この構成により、流体は、管内面において凹部の表面近傍から下流側辺部および上流側辺部の表面近傍を横断して凹部に流入し、さらに下流側辺部および上流側辺部の表面近傍を横断して凹部に流入するという流れを連続的に形成できる。したがって、流体の管内流下に伴い、前述した作用効果を連続的に得ることができ、熱伝達性能の向上が図れる伝熱管を提供できる。
【0013】
開示された熱交換器の一つは、第1流体が内部を流下する内管(4)と、内管を収容し、内管の外面(41)との間に設けられた外側流路に第2流体が流下する外管(3)と、を備え、内管は前述した伝熱管の構成を備えている。これによれば、内管において前述した伝熱管と同様の作用効果を奏することができるので、熱伝達性能の向上が図れる熱交換器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態の伝熱部材を示した部分図である。
図2図1におけるII-II切断面を矢視した部分断面図である。
図3】伝熱部材において対向関係にある上流側辺部と下流側辺部と凹部とを示した部分断面図である。
図4】第2実施形態の伝熱管を内管として備えた二重管式の熱交換器を示した部分断面図である。
図5図4におけるV-V切断面を矢視した部分断面図である。
図6図4におけるVI-VI切断面を矢視した部分断面図である。
図7】第2実施形態に係る二重管式の熱交換器の性能評価結果を示したグラフである。
図8】第2実施形態の伝熱管を製造する装置を説明するための図である。
図9】第3実施形態の伝熱管を内管として備えた二重管式の熱交換器を示した部分断面図である。
図10図9におけるX-X切断面を矢視した部分断面図である。
図11図9におけるXI-XI切断面を矢視した部分断面図である。
図12】第4実施形態の伝熱管を内管として備えた二重管式の熱交換器を示した部分断面図である。
図13図12におけるXIII-XIII切断面を矢視した部分断面図である。
図14図12におけるXIV-XIV切断面を矢視した部分断面図である。
図15】第5実施形態の伝熱管を内管として備えた二重管式の熱交換器を示した部分断面図である。
図16図15におけるXVI-XVI切断面を矢視した部分断面図である。
図17図15におけるXVII-XVII切断面を矢視した部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0018】
(第1実施形態)
図1図3を参照しながら第1実施形態の伝熱部材1について説明する。伝熱部材1は、表面を沿うように流下する流体との間で熱交換が行われ、流体と伝熱部材1とにおいて熱伝達が行われる部材である。伝熱部材1は、流体から吸熱する部材や、流体に放熱する部材に適用可能である。伝熱部材1の周囲を流下して伝熱部材1に接触する流体は、気体、液体または気液混合の熱媒体であり、あるいは使用時に状態変化を伴わない流体でもよいし相変化を伴う流体であってもよい。伝熱部材1は板状、ブロック状、その他の形状をなす部材であり、熱伝導性を有する材質、例えば金属によって形成されている。
【0019】
図1に示すように、伝熱部材1は、流下する流体が接触する接触面11を備えている。接触面11は、平坦状面、湾曲面またはこれらを組み合わせた面を含んでいる。接触面11には、流体との熱伝達を高める複数群の熱伝達促進部2が設けられている。一群の熱伝達促進部2は、接触面11に設けられた、一組の上流側辺部20と一組の下流側辺部21と凹部22とを含んで形成されている。複数群の熱伝達促進部2aは、伝熱部材1が金属製である場合は例えばプレス加工によって形成可能であり、樹脂製である場合は金型を用いた成形によって形成可能である。
【0020】
一組の上流側辺部20は、接触面11において直線状に延びるようにそれぞれ突出し隣り合う辺部である。一組の上流側辺部20は、流体の主流方向に対してそれぞれ鋭角をなし上流に進むほど接近するように延びている。流体の主流方向は、流体の部分的な流下方向ではなく、接触面11を流れる流体の全体的な流下方向のことである。隣り合う上流側辺部20は、上流側において交差し下流に進むほど大きく離間している。隣り合う上流側辺部20は、上流端の交差部23において交差している。上流側辺部20は、凹部22の表面に対する突出寸法dを有している。上流側辺部20の表面と凹部22の表面とは滑らかな曲線で接続されていることが好ましい。
【0021】
一組の下流側辺部21は、上流側辺部20よりも接触面11の下流において直線状に延びるように突出する辺部である。一組の下流側辺部21は、流体の主流方向に対してそれぞれ鋭角をなし下流に進むほど接近するように延びている。隣り合う下流側辺部21は、下流側において交差し下流に進むほど大きく離間している。下流側辺部21は、凹部22の表面に対する突出寸法dを有している。下流側辺部21の表面と凹部22の表面とは滑らかな曲線で接続されていることが好ましい。隣り合う下流側辺部21は、下流端の交差部23において交差している。上流側辺部20と下流側辺部21は、上流側辺部20の下流端である交差部23において交差している。交差部23は、湾曲面をなす先端面を備えていることが好ましい。交差部23は、凹部22の表面に対する突出寸法dを有している。交差部23の表面と凹部22の表面とは滑らかな曲線で接続されていることが好ましい。
【0022】
図3に示すように、上流側辺部20、下流側辺部21は、湾曲面をなす先端面を備えていることが好ましい。これにより、接触面11に沿って流下する流体が、上流側辺部20を乗り越えて凹部22に流入するときに上流側辺部20の近傍に発生する渦を抑制し、凹部22から上流側辺部20を乗り越えるときに下流側辺部21の近傍に発生する渦を抑制することができる。
【0023】
凹部22は、一組の上流側辺部20と一組の下流側辺部21との内側において上流側辺部20および下流側辺部21よりも凹んでいる部分である。凹部22は、一組の上流側辺部20と一組の下流側辺部21とで囲まれた部分であり、四辺によって囲まれている。図2図3に示すように、凹部22の表面は平坦状面を有している。凹部22の表面は全体が平坦状面であることが好ましい。
【0024】
対向関係にある上流側辺部20と下流側辺部21に関して、上流側辺部20の内側壁面20wと下流側辺部21の内側壁面21wとの最短距離L2は、上流側辺部20の横断面の幅寸法URや下流側辺部21の横断面の幅寸法DRよりも十分に大きい。図3に示すように、最短距離L2は、上流側辺部20の横断面の幅寸法URと下流側辺部21の横断面の幅寸法DRとを合計した合計寸法よりも大きく設定されていることが好ましい。
【0025】
一群の熱伝達促進部2は、流体の主流方向に接触面11に沿った長さ寸法が主流方向に対して直交する直交方向に接触面11に沿った長さ寸法よりも大きいことが好ましい。つまり、一群の熱伝達促進部2は、直交方向よりも主流方向に細長い正面視形状であることが好ましい。この場合、凹部22は、主流方向に接触面11に沿った長さ寸法L1が主流方向に対して直交する直交方向に接触面11に沿った長さ寸法よりも大きい。
【0026】
また、一群の熱伝達促進部2は、正面視で菱形状であることが好ましい。この場合、一組の上流側辺部20と一組の下流側辺部21とは、四辺の長さが同等である菱形状を形成する辺部である。一群の熱伝達促進部2において主流方向について、上流端に位置する交差部23の内側壁面23wと下流端に位置する交差部の内側壁面23wとの距離L1は、交差部の横断面の幅寸法R1よりも十分に大きい。
【0027】
複数群の熱伝達促進部2は、例えば図1に示すように、接触面11において下流に向けて連続して設けられている。少なくとも2個の熱伝達促進部2は、主流方向に対して交差する交差方向に隣接している。図1には、熱伝達促進部2に対する主流方向を白抜き矢印によって例示し、上流側辺部20の表面や下流側辺部21の表面を横断する流れを矢印線によって例示している。
【0028】
図1には、接触面11に設けられた複数群の熱伝達促進部2の一例として、熱伝達促進部2a,2b,2c,2dを示している。熱伝達促進部2aは、熱伝達促進部2bよりも上流側に隣接して設けられている。熱伝達促進部2aは、熱伝達促進部2cよりも上流側に隣接して設けられている。熱伝達促進部2bと熱伝達促進部2cは、熱伝達促進部2aよりも下流において、主流方向に対して直交する直交方向に隣接している。熱伝達促進部2bと熱伝達促進部2cは、辺部と辺部との交差部23を介して直交方向に隣接している。少なくとも2個の熱伝達促進部2は、辺部と辺部との交差部23を介して主流方向に連なるように隣接している。上流側の熱伝達促進部2aと下流側の熱伝達促進部2dは、主流方向について交差部23を介して隣接している。熱伝達促進部2bは、熱伝達促進部2dよりも上流側に隣接して設けられている。熱伝達促進部2cは、熱伝達促進部2dよりも上流側に隣接して設けられている。
【0029】
上流側の熱伝達促進部2aと下流側の熱伝達促進部2bは、交差方向に隣接して設けられている。上流側の熱伝達促進部2aにおける下流側辺部21と下流側の熱伝達促進部2bにおける上流側辺部20は一体をなして共通の一つの辺部を形成している。熱伝達促進部2aの凹部22と熱伝達促進部2bの凹部22は、一体である下流側辺部21と上流側辺部20を介して隣接している。上流側の熱伝達促進部2aと下流側の熱伝達促進部2cは、熱伝達促進部2bとは反対側において交差方向に隣接して設けられている。上流側の熱伝達促進部2aにおける下流側辺部21と下流側の熱伝達促進部2cにおける上流側辺部20は一体をなして共通の一つの辺部を形成している。熱伝達促進部2aの凹部22と熱伝達促進部2cの凹部22は、一体である下流側辺部21と上流側辺部20を介して隣接している。
【0030】
このような構成により、熱伝達促進部2aにおける凹部22の表面近傍には、接触面11に沿って流下する流体が、上流に位置する熱伝達促進部2から一組の上流側辺部20のそれぞれを横断して流入してぶつかり合うようになる。凹部22の表面近傍に流入した流体は一組の下流側辺部21のそれぞれを横断するように交差方向に2つに分かれて、一方が熱伝達促進部2bの凹部22に流入し他方が熱伝達促進部2cの凹部22に流入するようになる。
【0031】
上流側の熱伝達促進部2bと下流側の熱伝達促進部2dは、交差方向に隣接して設けられている。上流側の熱伝達促進部2bにおける下流側辺部21と下流側の熱伝達促進部2dにおける上流側辺部20は一体をなして共通の一つの辺部を形成している。熱伝達促進部2bの凹部22と熱伝達促進部2dの凹部22は、一体である下流側辺部21と上流側辺部20を介して隣接している。上流側の熱伝達促進部2cと下流側の熱伝達促進部2dは、熱伝達促進部2bとは反対側において交差方向に隣接して設けられている。上流側の熱伝達促進部2cにおける下流側辺部21と下流側の熱伝達促進部2dにおける上流側辺部20は一体をなして共通の一つの辺部を形成している。熱伝達促進部2cの凹部22と熱伝達促進部2dの凹部22は、一体である下流側辺部21と上流側辺部20を介して隣接している。
【0032】
このような構成により、熱伝達促進部2bの凹部22の表面近傍には、流体が、熱伝達促進部2aと直交方向に熱伝達促進部2aに隣接する熱伝達促進部2とから一組の上流側辺部20のそれぞれを横断して流入してぶつかり合うようになる。凹部22の表面近傍に流入した流体は一組の下流側辺部21のそれぞれを横断するように交差方向に2つに分かれて、一方が交差方向に隣接する熱伝達促進部2の凹部22に流入し他方が熱伝達促進部2dの凹部22に流入するようになる。
【0033】
また、熱伝達促進部2cの凹部22の表面近傍には、流体が、熱伝達促進部2aと直交方向に熱伝達促進部2aに隣接する熱伝達促進部2とから一組の上流側辺部20のそれぞれを横断して流入してぶつかり合うようになる。凹部22の表面近傍に流入した流体は一組の下流側辺部21のそれぞれを横断するように交差方向に2つに分かれて、一方が熱伝達促進部2dの凹部22に流入し他方が交差方向に隣接する熱伝達促進部2の凹部22に流入するようになる。また、熱伝達促進部2bと熱伝達促進部2cとから一組の上流側辺部20のそれぞれを横断して熱伝達促進部2dの凹部22に流入した流体は、凹部22の表面近傍でぶつかり合うようになる。凹部22の表面近傍に流入した流体は一組の下流側辺部21のそれぞれを横断するように交差方向に2つに分かれて、交差部23を介して直交方向に隣接する2つの熱伝達促進部2に流入するようになる。
【0034】
第1実施形態の伝熱部材1がもたらす作用効果について説明する。伝熱部材1は、流下する流体が接触する接触面11と、接触面11に設けられた一組の上流側辺部20、一組の下流側辺部21および凹部22を含む一群の熱伝達促進部2とを備える。隣り合う一組の上流側辺部20は、接触面11において直線状に延びるように突出する辺部であり、流体の主流方向に対してそれぞれ鋭角をなし上流に進むほど接近するように延びている。隣り合う一組の下流側辺部21は、上流側辺部よりも接触面の下流において直線状に延びるように突出する辺部であり、主流方向に対してそれぞれ鋭角をなし下流に進むほど接近するように延びている。凹部22は、一組の上流側辺部20と一組の下流側辺部21との内側において上流側辺部20および下流側辺部21よりも凹んでいる部分である。一群の熱伝達促進部2は接触面11において下流に向けて複数群連続して設けられている。上流側と下流側とで隣接する熱伝達促進部2は、上流側の熱伝達促進部2における下流側辺部21と下流側の熱伝達促進部2における上流側辺部20とが一体をなして設けられている。
【0035】
この伝熱部材1によれば、一組の下流側辺部21が備える主流方向に対する形状により、接触面11に沿って流れる流体を凹部22の表面近傍から下流側辺部21に広く分散させながらそれぞれの下流側辺部21を乗り越えて流出させることができる。さらにそれぞれの下流側辺部21の表面を横断して凹部22から流出した流体が下流側辺部21と一つになっている上流側辺部20の表面も乗り越えて内側の凹部22に流入するという連続的な流れを接触面11の近傍において繰り返すことができる。このように接触面11の近傍において分散しながら下流側辺部21を乗り越える流体流れによれば、下流側辺部21の広範囲にわたる熱伝達を促進できる。さらに流体が凹部22の表面近傍において下流端部に集まる流れを抑えることができるため、流体の集中による接触面11の近傍における流動抵抗を抑制でき、熱伝達向上にも貢献できる。
【0036】
さらに伝熱部材1は、一組の上流側辺部20が備える主流方向に対する形状により、接触面11に沿って流れる流体が一組の上流側辺部20のそれぞれを乗り越えた後、凹部22の表面近傍においてぶつかり合う流れを形成できる。凹部22の表面近傍において交差するように混ざり合う流れによれば、接触面11を流下する流体と凹部22とにおける熱伝達を高めることに寄与する。伝熱部材1は複数群連続して設けられた熱伝達促進部2において上流側の熱伝達促進部2の下流側辺部21と下流側の熱伝達促進部2の上流側辺部20とが一つになった構成により、接触面11を凹部22、辺部、凹部22、辺部の順に移動する流体流れを形成できる。したがって、伝熱部材1は、流体の流下に伴い、前述する作用効果を連続的に得ることができるので、熱伝達性能の向上を図ることができる。
【0037】
伝熱部材1は接触面11に沿う流体流れにおける流動抵抗の抑制と熱伝達の向上とに寄与するので、液体よりも粘性が小さい気体や気液二層流体が流下する装置において、より顕著な効果を発揮する。
【0038】
一群の熱伝達促進部2は、接触面11において流体の主流方向に対して交差する交差方向と主流方向との両方について複数群隣接して設けられている。この構成によれば、交差方向に凹部22、辺部、凹部22、辺部の順に移動する流体流れと、主流方向に対してジグザク状に移動する流体流れとを形成することができる。したがって、伝熱部材1は、接触面11の広範囲にわたって、前述する作用効果を連続的に得ることができる。
【0039】
一群の熱伝達促進部2は、流体の主流方向に接触面11に沿った長さ寸法が主流方向に対して直交する直交方向に接触面11に沿った長さ寸法よりも大きい。この構成によれば、凹部22を、直交方向に接触面11に沿った長さよりも主流方向に接触面11に沿った長さの方が長い形状にできる。これにより接触面11に沿って流れる流体が一組の上流側辺部20のそれぞれを乗り越えた後、凹部22の表面近傍においてぶつかり合う範囲を主流方向に長くできるので、主流方向の広範囲にわたって接触面11を流下する流体と凹部22との熱伝達を向上できる。
【0040】
凹部22は、一組の上流側辺部20と一組の下流側辺部21とで囲まれた部分である。この構成によれば、伝熱部材1は、接触面11において格子状に突出する辺部によって囲まれた凹部22をそれぞれ含む複数群の熱伝達促進部2を備える。したがって、接触面11に格子状に突出する辺部を形成することによって、前述の作用効果を奏する伝熱部材1を得ることができる。
【0041】
一組の上流側辺部20と一組の下流側辺部21とは、菱形状を形成する辺部である。この構成によれば、上流側辺部20の辺長と下流側辺部21の辺長とが同等またはほぼ同等になるように接触面11に格子状に突出する辺部を形成することによって、前述の作用効果を奏する伝熱部材1を得ることができる。また、熱伝達促進部2がこのような形状であることにより、前述した流動抵抗の抑制と前述した熱伝達向上とに関してバランスの良い伝熱部材1を提供することができる。
【0042】
凹部22の表面は平坦状面を有している。この構成によれば、一組の上流側辺部20のそれぞれを乗り越えた流体が凹部22の表面近傍で混ざり合って乱流を形成する範囲を接触面11に対して大きくばらつかないように形成することができる。これにより凹部22における熱伝達の向上効果を均等な状態に近づけることができる。
【0043】
対向関係にある上流側辺部20と下流側辺部21について上流側辺部20の内側壁面20wと下流側辺部21の内側壁面21wとの最短距離L2は、上流側辺部20の横断面の幅寸法URと下流側辺部21の横断面の幅寸法DRとを合計した合計寸法よりも大きい。凹部22がこのようなサイズに設定されているため、一組の上流側辺部20のそれぞれを乗り越えて凹部22に流入する流体がぶつかり合うような乱流を凹部22の表面近傍に形成できるので、凹部22における熱伝達を促進できる。
【0044】
伝熱部材1における上流側辺部20と下流側辺部21は湾曲面をなす先端面を備えている。この構成によれば、接触面11にそって流下する流体が凹部22の表面近傍から、上流側辺部20と一体をなす下流側辺部21を乗り越えて流下する際に下流側辺部21の近傍で発生する渦を抑えることができ、スムーズな流体流れの形成に寄与する。
【0045】
(第2実施形態)
第2実施形態について図4図8を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態の複数群の熱伝達促進部2が設けられた伝熱管を開示する。さらに第2実施形態は、この伝熱管を二重管式の熱交換器が備える内管4として用いる形態を開示する。各図において、第1実施形態と同様の構成であるものは同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏するものである。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下に第1実施形態と異なる点について説明する。複数群の熱伝達促進部2が設けられた伝熱管に関しては、管の中心軸である管軸40に沿う方向である管軸方向が第1実施形態における流体の主流方向に相当する。
【0046】
図4図6に示すように、伝熱管の一例である内管4は、流体が接触する管内面に設けられた複数群の熱伝達促進部2を有している。一組の上流側辺部20や一組の下流側辺部21は、管内面に沿って延びるように突出する辺部である。凹部22は、管内面において一組の上流側辺部20と一組の下流側辺部21との内側に設けられて、管内面を基準として上流側辺部20および下流側辺部21よりも凹んでいる。したがって、伝熱管は、第1実施形態の接触面11によって管内面を形成するように接触面11を筒状に丸めた管である。
【0047】
図4に示す二重管式の熱交換器は、第1流体が内部を流下する内管4と、内管4を収容し内管4の外面41との間に設けられた外側流路に第2流体が流下する外管3と、外側流路に第2流体を流入させるための流入管31と、を備えている。第1流体と第2流体は、内管4を介して熱交換する。第2実施形態においては第1流体として低圧の冷媒を採用し第2流体として高圧の冷媒を採用している。さらに熱交換器は、内管4において第1流体と第2流体とが熱交換する部分の全体にわたって設けられた一群の熱伝達促進部2を備えていることが好ましい。
【0048】
この熱交換器は、冷凍サイクルにおいて、凝縮器から流出した高温の高圧冷媒を第2流体とし、蒸発器から流出した低温の低圧冷媒を第1流体とする二重管式の内部熱交換器に適用することができる。二重管式の内部熱交換器は、複数群の熱伝達促進部2を有する内管4を備えることにより高効率に熱交換できるので、伝熱促進部を有していない内部熱交換器に対して、冷房性能を向上し冷凍サイクルの成績係数を向上することができる。
【0049】
内管4は、外面に形成された外面側溝部42と外面側溝部43を備えている。外面側溝部42は、管軸40に対して右巻きの螺旋状に外面41に形成された溝部である。外面側溝部43は、管軸40に対して左巻きの螺旋状に外面41に形成された溝部である。外面側溝部42と外面側溝部43は、外面41において交差するように形成されている。外面側溝部42や外面側溝部43の裏側には、上流側辺部20と下流側辺部21が形成されている。外面側溝部42と外面側溝部43とが交差する部分の裏側には、交差部23が形成されている。外面41において外面側溝部42と外面側溝部43とで囲まれた部分の裏側には、凹部22が形成されている。
【0050】
図7は、第2実施形態の二重管式の内部熱交換器について性能評価結果を示したグラフである。横軸は、管内面が平滑な内管の管内通路に対する圧力損失比である。縦軸に示した評価結果は、管内面が平滑な内管を有する内部熱交換器における熱交換量を1とした場合の熱交換量比である。寸法dは、平坦状である凹部22の表面に対する上流側辺部20の突出寸法であり、平坦状である凹部22の表面に対する下流側辺部21の突出寸法である。寸法Dは、内管4の外径寸法である。d/D=0.07~0.1に設定された内管4を備える内部熱交換器は、管内面に一つの螺旋状溝のみを有する内管を備えた内部熱交換器よりも高い熱交換量比が得られることを確認している。d/D=0.05に設定された内管4を備える内部熱交換器は、d/D=0.07~0.1に設定された内管4を備える内部熱交換器よりも高い熱交換量比が得られることを確認している。
【0051】
伝熱管である内管4を製造する方法は、内管4を準備する工程と、内管4の管内面に右巻きの第1の螺旋状突部と左巻きの第2の螺旋状突部とを形成する形成工程と、を含んでいる。形成工程では、内管4の外面に管軸方向に右巻きに進行する第1の螺旋状溝部と左巻きに進行する第2の螺旋状溝部とを形成することにより、管軸方向に、右巻きに進行する第1の螺旋状突部と左巻きに進行する第2の螺旋状突部とを形成する。第1の螺旋状溝部は外面側溝部42に相当し、第2の螺旋状溝部は外面側溝部43に相当する。第1の螺旋状突部と第2の螺旋状突部は、一組の上流側辺部20と一組の下流側辺部21に相当する。
【0052】
図8は、伝熱管である内管4を製造する装置を示している。図8に示すように、加工装置5は、プレス工具50の先端部に設けられた溝加工部51が管外面に押し付けられて内管4が塑性変形した状態で内管4を右巻きに進行させることによって第1の螺旋状溝部を形成することができる。加工装置5は、管外面に第1の螺旋状溝部を形成すると同時に管内面に第1の螺旋状突部を形成する。さらに加工装置5は、溝加工部51が管外面に押し付けられて内管4が塑性変形した状態で内管4を左巻きに進行させることによって第2の螺旋状溝部を形成することができる。加工装置5は、管外面に第2の螺旋状溝部を形成すると同時に管内面に第2の螺旋状突部を形成する。そして、図4に示す熱交換器は、このように形成した内管4と外管3の内面との間に通路を形成するように外管3と内管4を結合する結合工程を行うことによって製造することができる。
【0053】
第2実施形態の伝熱管がもたらす作用効果について説明する。内管4を一例とする伝熱管は、管の内部を流下する流体が接触する管内面と、管内面に設けられた一組の上流側辺部20、一組の下流側辺部21および凹部22を含む一群の熱伝達促進部2とを備える。隣り合う一組の上流側辺部20は、管内面に沿って延びるように突出する辺部であり、管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし上流に進むほど接近するように延びている。隣り合う一組の下流側辺部21は、上流側辺部20よりも下流において管内面に沿って延びるように突出する辺部であり、管軸方向に対してそれぞれ鋭角をなし下流に進むほど接近するように延びている。凹部22は、管内面において一組の上流側辺部20と一組の下流側辺部21との内側に設けられて上流側辺部20および下流側辺部21よりも凹んでいる。一群の熱伝達促進部2は、管内面において下流に向けて複数群連続して設けられている。上流側と下流側とで隣接する熱伝達促進部2は、上流側の熱伝達促進部2における下流側辺部21と下流側の熱伝達促進部2における上流側辺部20とが一体をなすように設けられている。
【0054】
この伝熱管によれば、一組の下流側辺部21が備える管軸方向に対する形状により、管内面に沿って流れる流体を凹部22の表面近傍から下流側辺部21に広く分散させながらそれぞれの下流側辺部21を乗り越えて流出させることができる。さらにそれぞれの下流側辺部21の表面を横断して凹部22を流出した流体が、下流側辺部21と一つになっている上流側辺部20の表面も乗り越えて内側の凹部22に流入する流れを管内面の近傍において連続的に繰り返すことができる。
【0055】
このように管内面近傍において分散しながら下流側辺部21を乗り越える流体流れによれば、下流側辺部21の広範囲にわたる熱伝達を促進できる。さらに流体が凹部22の表面近傍において下流端部に集まる流れを抑えることができるため、流体の集中による管内面近傍の流動抵抗を抑制でき、熱伝達向上にも貢献できる。
【0056】
伝熱管は管内面に沿う流体流れにおける流動抵抗の抑制と熱伝達の向上とに寄与するので、液体よりも粘性が小さい気体や気液二層流体が流下する装置において、より顕著な効果を発揮する。
【0057】
さらに伝熱管は、一組の上流側辺部20が備える管軸方向に対する形状により、内面に沿って流れる流体が一組の上流側辺部20のそれぞれを乗り越えた後、凹部22の表面近傍においてぶつかり合う流れを形成できる。凹部22の表面近傍において交差するように混ざり合う流れによれば、管内面を流下する流体と凹部22とにおける熱伝達を高めることに寄与する。
【0058】
伝熱管は複数群連続して設けられた熱伝達促進部2において上流側の熱伝達促進部2の下流側辺部21と下流側の熱伝達促進部2の上流側辺部20とが一つになった構成により、管内面に沿って凹部22、辺部、凹部22、辺部の順に移動する流体流れを形成できる。したがって、伝熱管は、流体の管内流下に伴い、前述する作用効果を連続的に得ることができるので、熱伝達性能の向上を図ることができる。
【0059】
伝熱管が備える熱伝達促進部2は、管内面において管軸方向に対して交差する交差方向と管軸方向との両方について複数群隣接して設けられている。この構成によれば、管内面に沿って、交差方向に凹部22、辺部、凹部22、辺部の順に移動する流体流れと、主流方向に対してジグザク状に移動する流体流れとを形成することができる。したがって、伝熱管は、管内面の広範囲にわたって、前述する作用効果を連続的に得ることができる。
【0060】
伝熱管が備える一群の熱伝達促進部2は、管軸方向の長さ寸法が周方向の長さ寸法よりも大きいことが好ましい。この構成によれば、周方向に管内面に沿った長さよりも管軸方向に管内面に沿った長さの方が長い形状である凹部22を形成できる。これにより、管内面に沿って流れる流体が一組の上流側辺部20のそれぞれを乗り越えた後、凹部22の表面近傍においてぶつかり合う範囲を管軸方向に長くできるので、管軸方向の広範囲にわたって、管内面を流下する流体と凹部22との熱伝達を向上できる。
【0061】
伝熱管が備える凹部22は、一組の上流側辺部20と一組の下流側辺部21とで囲まれた部分である。この構成によれば、伝熱管は、管内面において格子状に突出する辺部によって囲まれた凹部22をそれぞれ含む複数群の熱伝達促進部2を備える。したがって、管内面に格子状に突出する辺部を形成することによって、前述の作用効果を奏する伝熱管を得ることができる。
【0062】
伝熱管が備える一組の上流側辺部20と一組の下流側辺部21とは、管内面を平面状に展開した場合に菱形状を呈する辺部であることが好ましい。この構成によれば、上流側辺部20の辺長と下流側辺部21の辺長とが同等またはほぼ同等になるように管内面に格子状に突出する辺部を形成することによって、前述の作用効果を奏する伝熱管を得ることができる。また、熱伝達促進部2がこのような形状であることにより、前述した流動抵抗の抑制と前述した熱伝達向上とに関してバランスの良い伝熱管を提供することができる。
【0063】
伝熱管の管内面は、対向する上流側辺部20と下流側辺部21について上流側辺部20の内側壁面20wと下流側辺部21の内側壁面21wとの管内面に沿う沿面距離は上流側辺部20の横断面の幅寸法URと下流側辺部21の横断面の幅寸法DRとを合計した合計寸法よりも大きい。管内面において凹部22がこのようなサイズに設定されているため、一組の上流側辺部20のそれぞれを乗り越えて凹部22に流入する流体が凹部22の表面近傍においてぶつかり合うような乱流を形成できるので凹部22における熱伝達を促進できる。
【0064】
伝熱管における上流側辺部20と下流側辺部21は湾曲面をなす先端面を備えている。この構成によれば、管内面にそって流下する流体が凹部22の表面近傍から、上流側辺部20と一体をなす下流側辺部21を乗り越えて流下する際に下流側辺部21の近傍で発生する渦を抑えることができ、スムーズな流体流れの形成に寄与する。
【0065】
伝熱管は、管の外面に形成された外面側溝部42と外面側溝部43とを備えている。上流側辺部20と下流側辺部21は、外面側溝部42と外面側溝部43の裏側に設けられている。この構成によれば、外面側溝部42と外面側溝部43の裏側に設けられた上流側辺部20と下流側辺部21をそれぞれ含む複数群の熱伝達促進部2を備える。したがって、管内面側に上流側辺部20と下流側辺部21とを形成する外面側溝部42と外面側溝部43を管の外面に形成することによって、前述の作用効果を奏する伝熱管を得ることができる。
【0066】
伝熱管が備える凹部22の縦断面形状は、平坦状の表面を形成する。平坦状の表面に対する上流側辺部20と下流側辺部21のそれぞれの突出寸法dは、管の外径寸法Dの0.1倍以下に設定されていることが好ましい。この構成によれば、図7を参照して前述したように、管内面に辺部および凹部が形成されていない従来の伝熱管や管内面に螺旋状溝が形成されているだけの従来の伝熱管に比べて、熱伝達性能を大きく高められる伝熱管を提供できる。
【0067】
二重管式の熱交換器は、第1流体が内部を流下する内管4と、内管4を収容し内管4の外面41との間に設けられた外側流路に第2流体が流下する外管3とを備える。内管4は前述した伝熱管の構成を備えている。この構成によれば、内管4において前述した伝熱管と同様の作用効果を奏することができるので、熱伝達性能の向上が図れる熱交換器を提供できる。
【0068】
さらにこの熱交換器が備える複数群の熱伝達促進部2は、内管4において第1流体と第2流体とが熱交換する部分の全体にわたって設けられている。この構成によれば、第1流体と第2流体とが熱交換する部分の全体にわたって熱伝達性能の向上が図れる二重管式の熱交換器を提供できる。
【0069】
伝熱管の製造方法は、管を準備する工程と、管の外面に管軸方向に、右巻きに進行する第1の螺旋状溝部と左巻きに進行する第2の螺旋状溝部とを形成することにより、管の内面に管軸方向に、右巻きに進行する第1の螺旋状突部と左巻きに進行する第2の螺旋状突部とを形成する工程と、を含んでいる。この製造方法によれば、管の外面に右巻きと左巻きの螺旋状溝部を形成することにより、管の内面において格子状に突出する辺部と凹部22とを含む複数群の熱伝達促進部2を形成することができる。したがって、この製造方法によれば、前述した作用効果を奏する伝熱管を製造できるので、熱伝達性能の向上が図れる伝熱管を提供できる。
【0070】
熱交換器の製造方法は、外管3を準備する工程と、外管3の内径よりも小さい外径を有する内管4を準備する工程とを含む。さらにこの製造方法は、内管4の内面に螺旋状溝部を形成する形成工程と、結合工程とを含む。形成工程では内管4の外面に管軸方向に右巻きに進行する第1の螺旋状溝部と左巻きに進行する第2の螺旋状溝部とを形成することにより、内管4の内面に管軸方向に右巻きに進行する第1の螺旋状突部と左巻きに進行する第2の螺旋状突部とを形成する。結合工程では、外管3の内面と内管4の外面との間に通路を形成するように外管3と内管4を結合する。
【0071】
この製造方法によれば、内管4の外面に右巻きと左巻きの螺旋状溝部を形成することにより、内管4の内面において格子状に突出する辺部と凹部22とを含む複数群の熱伝達促進部2を形成することができる。したがって、この製造方法によれば、前述した作用効果を奏する伝熱管として内管4を製造できるので、熱伝達性能の向上が図れる二重管式の熱交換器を提供できる。
【0072】
(第3実施形態)
第3実施形態について図9図11を参照して説明する。第3実施形態は、第2実施形態と同様に複数群の熱伝達促進部2が設けられた伝熱管を開示するものであり、第2実施形態の二重管式の熱交換器に対して、内管104の外面41に形成された外面側溝部143の形状が相違している。各図において、第1実施形態および第2実施形態と同様の構成であるものは同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏するものである。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下に異なる点について説明する。
【0073】
図9図11に示すように、内管104は、外面41に形成された外面側溝部42と外面側溝部143を備えている。外面側溝部143は、外面側溝部43に対して部分的に溝部が形成されていない左巻きの螺旋状に形成された溝部である。外面側溝部42と外面側溝部143は、外面41において互いに交差するような角度をなしている。外面側溝部42の裏側には、上流側辺部20と下流側辺部21が形成されている。外面側溝部42の裏側には、上流側辺部120と下流側辺部121が形成されている。上流側辺部120と下流側辺部121は上流側辺部20と下流側辺部21と同様の作用効果を奏する。外面側溝部42と外面側溝部143とが交差する部分の裏側には、交差部23が形成されている。外面41において外面側溝部42と外面側溝部143との内側部分の裏側には、凹部22が形成されている。第1の螺旋状溝部は外面側溝部42に相当し、第2の螺旋状溝部は外面側溝部143に相当する。
【0074】
第3実施形態によれば、伝熱管は管の外面に形成された外面側溝部42と外面側溝部143とを備えている。上流側辺部20,120と下流側辺部21,121は、外面側溝部42と外面側溝部143の裏側に設けられている。この構成によれば、外面側溝部42と外面側溝部143の裏側に設けられた上流側辺部20,120と下流側辺部21,121をそれぞれ含む複数群の熱伝達促進部2を備える。したがって、管内面側に上流側辺部20,120と下流側辺部21,121とを形成する外面側溝部42と外面側溝部143を管の外面に形成することによって、前述の作用効果を奏する伝熱管を得ることができる。
【0075】
(第4実施形態)
第4実施形態について図12図14を参照して説明する。第4実施形態は、第2実施形態と同様に複数群の熱伝達促進部2が設けられた伝熱管を開示するものであり、第2実施形態の二重管式の熱交換器に対して、外面41に形成された外面側溝部43のピッチが小さく設定されている。各図において第1実施形態および第2実施形態と同様の構成であるものは、同一の符号を付し同様の作用、効果を奏するものである。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様である。
【0076】
図12図14に示すように、内管204の管内面に設けられた一組の上流側辺部20と一組の下流側辺部21とは、管内面を平面状に展開した場合に平行四辺形を呈する辺部である。
【0077】
(第5実施形態)
第5実施形態について図15図17を参照して説明する。第5実施形態は、第2実施形態と同様に複数群の熱伝達促進部2が設けられた伝熱管を開示するものであり、第2実施形態の二重管式の熱交換器に対して、内管304の外面41に溝部が形成されていない点で相違する。各図において、前述の実施形態と同様の構成であるものは同一の符号を付し、同様の作用、効果を奏するものである。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下に異なる点について説明する。
【0078】
図15図17に示すように、内管304は、外面41に外面側溝部が形成されていないにもかかわらず、管内面に一群の熱伝達促進部2を形成する一組の上流側辺部20と一組の下流側辺部21を備えている。
【0079】
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0080】
明細書に開示の目的を達成可能な一群の熱伝達促進部は、前述の実施形態において開示した正面視形状に限定されない。一群の熱伝達促進部は、四辺の長さがほぼ同等である菱形状、正方形状、隣り合う上流側辺部の長さがほぼ同等であって隣り合う下流側辺部の長さがほぼ同等である長さの等しい二組の辺部を有する凧形状の四角形などの正面視形状を構成してもよい。
【符号の説明】
【0081】
2…熱伝達促進部、 4,104,204,304…内管(管,伝熱管)
11…接触面、 20…上流側辺部、 20w…内側壁面
21…下流側辺部、 21w…内側壁面、 22…凹部、 41…外面
42…外面側溝部(第1の螺旋状溝部)、 43…外面側溝部(第2の螺旋状溝部)
143…外面側溝部(第2の螺旋状溝部)
図1
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