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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】収納棚の配線構造
(51)【国際特許分類】
   A47B 97/00 20060101AFI20221004BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
A47B97/00 M
H02G3/04 037
H02G3/04 087
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018186057
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020054523
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大畠 幸二
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第10135268(US,B1)
【文献】特開昭59-230503(JP,A)
【文献】特開昭58-130010(JP,A)
【文献】実開昭59-013018(JP,U)
【文献】特開2010-119213(JP,A)
【文献】特開2002-291131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 97/00
A47B 55/00
H02G 3/00-3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦枠と、
前記縦枠との間に配線スペースが設けられるように配置される配線カバーとを含む収納棚の配線構造であって、
前記配線カバーは第1カバー、および、前記第1カバーに組み合わせられることにより前記配線スペースを形成する第2カバーを含み、
前記配線カバーと前記縦枠とを結合する結合部をさらに備え、
前記結合部は、磁力によって前記第1カバーと前記縦枠とを結合し、磁力によって前記第2カバーと前記縦枠とを結合するように構成される
収納棚の配線構造。
【請求項2】
複数の前記配線カバーを含み、
複数の前記配線カバーは前記縦枠の長手方向に沿って配置される
請求項1に記載の収納棚の配線構造。
【請求項3】
前記第1カバーは前記縦枠の端面と結合される
請求項1または2に記載の収納棚の配線構造。
【請求項4】
縦枠と、
前記縦枠との間に配線スペースが設けられるように配置される複数の配線カバーとを含む収納棚の配線構造であって、
前記配線カバーは第1カバー、および、前記第1カバーに組み合わせられることにより前記配線スペースを形成する第2カバーを含み、
複数の前記第1カバーは前記縦枠の長手方向に沿って配置され、複数の前記第2カバーは前記縦枠の長手方向に沿って配置される
収納棚の配線構造。
【請求項5】
縦枠と、
前記縦枠との間に配線スペースが設けられるように配置される配線カバーとを含む収納棚の配線構造であって、
前記配線カバーは第1カバー、および、前記第1カバーに組み合わせられることにより前記配線スペースを形成する第2カバーを含み、
前記第1カバーは前記縦枠の端面と結合される
収納棚の配線構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は収納棚の配線構造に関する。
【背景技術】
【0002】
収納棚に設置される電気機器等の電気配線を保護する収納棚の配線構造が知られている。その一例である特許文献1に記載の収納棚の配線構造は方立(2)、方立(2)に設けられる凹所(20)、および、凹所(20)に収納される配線ダクト(6)を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-108184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、配線の自由度を高める点については特に言及していない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に関する収納棚の配線構造は縦枠と、前記縦枠との間に配線スペースが設けられるように配置される配線カバーとを含む収納棚の配線構造であって、前記配線カバーは第1カバー、および、前記第1カバーに組み合わせられることにより前記配線スペースを形成する第2カバーを含む。
上記収納棚の配線構造によれば、縦枠の任意の位置に配線スペースを設けることができるため、配線の自由度が高められる。
【0006】
(2)好ましい例では(1)に記載の収納棚の配線構造において、前記配線カバーと前記縦枠とを結合する結合部をさらに備える。
このため、配線カバーの位置が安定する。
【0007】
(3)好ましい例では(2)に記載の収納棚の配線構造において、前記結合部は磁力によって前記配線カバーと前記縦枠とを結合する。
このため、結合部の構成を簡素化できる。
【0008】
(4)好ましい例では(1)~(3)のいずれか一項に記載の収納棚の配線構造において、複数の前記配線カバーを含み、複数の前記配線カバーは前記縦枠の長手方向に沿って配置される。
このため、切断等の加工をすることなく、縦枠の長手方向の任意の位置から配線の引き込み、および、引き出しを容易に実施できる。
【0009】
(5)好ましい例では(1)~(4)のいずれか一項に記載の収納棚の配線構造において、前記第1カバーは前記縦枠の端面と結合される。
このため、収納棚の外に配線スペースが設けられるため、収納棚に物品を配置するための広いスペースを確保できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に関する収納棚の配線構造によれば、配線の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態の収納棚の配線構造を含む、間仕切収納システムの第1形態の正面図。
図2図1の間仕切収納システムの第2形態の正面図。
図3図1のD3-D3線に沿う断面図。
図4図1の収納部に収納される間仕切収納部材の斜視図。
図5図3のD5-D5線に沿う断面図。
図6図1の扉が開放状態のときの収納部の断面図。
図7図1の扉のロック機構の拡大図。
図8図3のD8-D8線に沿う断面図。
図9図3のD9-D9線に沿う断面図。
図10図3のD10-D10線に沿う断面図。
図11図3のD11-D11線に沿う断面図。
図12図3のD12-D12線に沿う断面図。
図13図3のD13-D13線に沿う断面図。
図14図3のD14-D14線に沿う断面図。
図15図2の間仕切収納システムの使用方法の一例を示す断面図。
図16図15の間仕切収納システムの使用方法の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
図1は収納棚の配線構造120を含む間仕切収納システム1の正面図である。間仕切収納システム1は建築物200の屋内、または、屋外の床、壁、天井等を有する場所に設置される。建築物200の一例は個別住宅、集合住宅、蔵、納屋、および、車庫である。間仕切収納システム1が建築物200に設けられる室210の中間部に設置される場合、間仕切収納の機能によって室210が区画され、さらには、間仕切収納の壁厚を利用した収納の機能を利用できる。間仕切収納システム1が建築物200に設けられる室210の壁際に設置される場合、間仕切収納の壁厚を利用した収納の機能のみを利用できる。室210の一例はリビング、ダイニング、リビングダイニング、寝室、応接室、書斎、玄関、廊下、階段室、トイレ、洗面所、脱衣所、浴室、物置、および、納戸である。
【0013】
近年では、ユーザの生活スタイルの変化に応じて室210の利用形態を多様に変更できることが望まれている。ユーザの生活スタイルの変化の一例はユーザの家族構成の変化である。間仕切収納システム1は室210の利用形態を多様に変更できるように構成されている。間仕切収納システム1の形態は室210の利用形態に応じてユーザに選択される第1形態(図1参照)、および、第2形態(図2参照)を含む。第1形態は室210を第1空間310および第2空間320(いずれも図3参照)に区画する形態である。第2形態は室210を区画しない形態である。
【0014】
図1に示されるように、間仕切収納システム1を構成する主な要素は一対の縦枠10、間仕切収納部材20、収納部110、および、配線構造120(図3参照)である。一対の縦枠10は室210の壁220に固定される。一対の縦枠10は収納部110を支持する。一対の縦枠10を構成する材料は任意に選択できる。一例では、一対の縦枠10を構成する材料は木である。
【0015】
間仕切収納部材20は間仕切収納システム1が第1形態の場合に一対の縦枠10、収納部110、および、室210の床230によって囲まれる開口部400に配置される。間仕切収納部材20を構成する材料は任意に選択できる。好ましい例では、間仕切収納部材20はユーザが容易に持ち運べるように軽量な材料によって構成される。その一例は木である。間仕切収納部材20の種類は多種多様である。一例では、間仕切収納部材20は複数の基礎棚板30、複数の非開口パネル40、複数の開口パネル50、複数の引出ユニット60、複数の仕切板70、および、複数の小棚板80を含む。
【0016】
図4に示される基礎棚板30は一対の縦枠10に接続される。このため、間仕切収納システム1の水平方向、換言すれば、基礎棚板30の短手方向の強度が高められる。基礎棚板30は支持部31、凸部32、および、複数の溝33を備える。支持部31は非開口パネル40、開口パネル50、引出ユニット60、および、仕切板70を支持する。凸部32は支持部31の長手方向の端面31Aから突出する。凸部32は一対の縦枠10の凹部11(図8参照)に挿入される。このため、縦枠10と基礎棚板30との位置決めを容易に実施できる。凸部32が凹部11に挿入されることによって、一対の縦枠10に対する基礎棚板30の短手方向の移動が規制される。複数の溝33は非開口パネル40、開口パネル50のフレーム51、および、引出ユニット60のフレーム62(図4参照)が嵌めこまれる。複数の溝33は支持部31の長手方向に沿って設けられる。基礎棚板30に設けられる溝33の数は1または複数である。一例では、1枚の基礎棚板30には、4つの溝33が設けられる。
【0017】
非開口パネル40は間仕切収納システム1が第1形態の場合に溝33に嵌め込まれることによって、第1空間310および第2空間320の一方から他方を視認できないように開口部400を遮蔽する。非開口パネル40の溝33への嵌め込み方式はケンドン式である。このため、非開口パネル40を容易に設置できる。
【0018】
開口パネル50は基礎棚板30または小棚板80に置かれた物体を出し入れするために利用される。開口パネル50は基礎棚板30の溝33に嵌め込まれるフレーム51、フレーム51に取り付けられる建具52、および、建具52に取り付けられる取手53を備える。フレーム51の溝33への嵌め込み方式はケンドン式である。このため、開口パネル50を容易に設置できる。建具52は例えば、戸である。戸の種類は例えば、両開きの開き戸、片引きの引戸、引違の引戸、引分の引戸、片引きの吊戸、引違の吊戸、引分の吊戸、上開き戸、下開き戸、および、折戸等である。図4等に示される例では、建具52は上開き戸、両開きの開き戸、および、引違の引戸である。取手53は建具52に着脱可能である。取手53は建具52に設けられる穴52A(図4参照)に取り付けられる。
【0019】
引出ユニット60は基礎棚板30に載せられる。引出ユニット60は物品を収納可能であるユニット本体61、ユニット本体61が一対の縦枠10から飛び出すことを抑制するフレーム62、および、ユニット本体61に取り付けられる取手63を備える。フレーム62は基礎棚板30の溝33にはめ込まれる。フレーム62の溝33への嵌め込み方式はケンドン式である。このため、フレーム62を容易に設置できる。取手63はユニット本体61に着脱可能である。取手63はユニット本体61に設けられる穴61A(図4参照)に取り付けられる。
【0020】
複数の仕切板70は一対の縦枠10の長手方向に並べられた基礎棚板30の間の領域を区画する。複数の仕切板70にはそれぞれ連結ダボ90(図16参照)が取り付けられる。連結ダボ90が基礎棚板30の支持部31に設けられる穴31B(図4参照)に挿入されることによって、基礎棚板30と仕切板70とが連結される。
【0021】
複数の小棚板80は基礎棚板30の長手方向に沿って並べられた仕切板70のうちの隣り合う仕切板70の間の領域を区画する。小棚板80は仕切板70に取り付けられる支持ダボ100(図3参照)に支持される。
【0022】
収納部110は室210の壁220および天井240に固定される。収納部110は一対の縦枠10と天井240との間に設けられ、一対の縦枠10の端部に支持される。換言すれば、収納部110は一対の縦枠10の上方に設置される。このため、間仕切収納の機能が不要である場合に、一対の縦枠10の間をユーザが容易に通過できる。収納部110は第2形態の間仕切収納システム1において、分解された間仕切収納部材20を収納できるように構成された箱である。収納部110を構成する主な要素は一対の側壁111(図1参照)、上壁112、底壁113、背壁114、補強部115、および、扉116である。間仕切収納部材20を収納する収納空間110Aを形成する箱が構成されるように、各側壁111、上壁112、底壁113、背壁114、および、補強部115が結合手段により結合されている。結合手段の一例はねじ、接着剤、および、凹凸により構成される嵌合構造である。各壁111~114により構成される箱の開口部110Bの一部を閉鎖するように、補強部115が底壁113に連結されている。このため、収納部110の剛性が高められる。開口部110Bを開閉できるように補強部115に扉116が連結されている。扉116の種類は任意に選択可能である。図6等に示される例では、扉116は例えば下開き扉である。扉116が開口部110Bを開放している状態において扉116が自重で閉じないため、開口部110Bを介して間仕切収納部材20を容易に出し入れできる。補強部115と扉116とを連結する手段の一例はヒンジである。上壁112は天井240の桟、合板、または、梁等(いずれも図示略)に任意の結合手段により結合されている。
【0023】
図7に示されるように、扉116には、扉116が開口部110Bを閉鎖した状態(以下「閉鎖状態」という)を維持するためのロック機構117が設けられる。ロック機構117は扉116のそれぞれに設けられる。ロック機構117はバー117A、複数のラッチ117B、および、圧縮ばね117Cを含む。バー117Aは扉116が閉鎖状態において、開口部110Bを開放する場合にユーザによって操作される。複数のラッチ117Bは扉116の閉鎖状態において、上壁112に設けられる穴112A(図6参照)に挿入される。複数のラッチ117Bはバー117Aと連結される。一例では、ロック機構117は2本のラッチ117Bを含む。圧縮ばね117Cは扉116の閉鎖状態において、バー117A、および、複数のラッチ117Bを上壁112に接近する方向に付勢する。このため、扉116の閉鎖状態においては、複数のラッチ117Bが上壁112の穴112Aに挿入された状態が維持される。ユーザは開口部110Bが開放された状態(以下「開放状態」という)とする場合には、バー117Aを圧縮ばね117Cの付勢力に抗して押し下げる。複数のラッチ117Bが上壁112の穴112Aから抜かれるため、扉116が補強部115に対して回転し、扉116が開放状態となる。一方、扉116の閉鎖状態では、複数のラッチ117Bが上壁112の穴112Aに挿入されているため、例えば、収納部110が振動した場合であっても、扉116の閉鎖状態が維持されやすい。
【0024】
収納部110の容積は任意に選択できる。好ましい例では、収納部110の容積は間仕切収納部材20の全体の体積に基づいて決められる。このため、間仕切収納部材20を収納部110に容易に収納できる。一例では、収納部110の容積は間仕切収納部材20の全体が収納できるように決められる。別の例では、収納部110の容積に応じて間仕切収納部材20の全体の体積が調整される。収納部110における間仕切収納部材20の収納方法は任意に選択できる。一例では、図6に示されるように、底壁113に複数の基礎棚板30が重ねて収納される。複数の基礎棚板30の上には、図4に示されるように、非開口パネル40、開口パネル50、引出ユニット60、仕切板70、および、小棚板80が載せられる。収納部110に収納された基礎棚板30が収納部110の剛性に寄与するため、収納部110の剛性が一層高められる。好ましい例では、非開口パネル40、開口パネル50、引出ユニット60、仕切板70、小棚板80、および、その他の部品等はそれぞれ、専用のボックス21に収納された状態で基礎棚板30に載せられる。このため、収納部110に収納可能である非開口パネル40、開口パネル50、引出ユニット60、仕切板70、小棚板80、および、その他の部品等の種類および数を容易に把握できる。その他の部品の一例は取手53、63、連結ダボ90、支持ダボ100、および、間仕切収納システム1の取扱説明書22である。
【0025】
基礎棚板30および小棚板80には、電気機器が置かれることがある。電気機器の一例はタブレット端末、スマートフォン、ノート型パーソナルコンピュータ、スピーカー、充電器、テレビ、および、照明である。図3等に示される配線構造120は電気機器に電力を供給する配線250を保護するように設けられる。図8に示されるように、配線構造120を構成する主な要素は配線カバー130および結合部140である。
【0026】
配線カバー130は縦枠10との間に配線スペース130Aが設けられるように設置される。配線カバー130が設置される場所は、配線スペース130Aを設ける位置に応じて任意に選択できる。図8等に示される例では、配線カバー130は縦枠10の幅方向の一方の端面10Aと壁220との間に配線スペース130Aが設けられるように配置される。配線カバー130を構成する材料は任意に選択できる。好ましい例では、配線カバー130はユーザが容易に持ち運びできるように軽量な材料によって構成される。その一例は木である。
【0027】
配線カバー130は第1カバー131、および、第1カバー131に組み合わせられることによって配線スペース130Aを形成する第2カバー132を含む。縦枠10の任意の位置に配線スペース130Aを設けることができるため、配線の自由度が高められる。第1カバー131および第2カバー132の形状は任意に選択できる。図8等に示される第1例では、第1カバー131および第2カバー132の形状は直方体である。第2例では、第1カバー131および第2カバー132の形状は立方体である。第3例では、第1カバー131および第2カバー132の形状は三角柱、または、五角柱以上の多角柱である。図8等に示される例では、第1カバー131と第2カバー132とは同じ形状である。第1カバー131と第2カバー132とを異なる形状としてもよい。
【0028】
結合部140は配線カバー130と縦枠10とを結合する。このため、配線カバー130の位置が安定する。結合部140による配線カバー130と縦枠10との結合手段は任意に選択できる。第1例では、結合部140による配線カバー130と縦枠10との結合手段は磁力である。このため、結合部140の構成を簡素化できる。第2例では、結合部140による配線カバー130と縦枠10との結合手段は凹凸による嵌合、粘着テープ、または、ねじである。
【0029】
結合部140は鋼板141、マグネット142、および、マグネットシート143を含む。鋼板141は縦枠10の長手方向に沿って設けられる。鋼板141は第1部分141Aおよび第2部分141Bに区分される。第1部分141Aおよび第2部分141Bは1枚の鋼板141が折り曲げられることにより区分される部分である。第1部分141Aは縦枠10の端面10Aに結合される。第1部分141Aと縦枠10との結合手段の一例はねじである。第2部分141Bは壁220と結合される。第2部分141Bと壁220との結合手段の一例はねじである。一対の縦枠10の間に配線構造120が存在しないため、一対の縦枠10の間に物品を配置するための広いスペースを確保できる。
【0030】
マグネット142は配線カバー130と鋼板141とを磁力によって結合する。マグネット142は第1マグネット142Aおよび第2マグネット142Bを含む。第1マグネット142Aは1つの第1カバー131に1または複数設けられる。第2マグネット142Bは1つの第2カバー132に1または複数設けられる。マグネットシート143は側面が配線カバー130の側面と接触することによって、配線カバー130が配線スペース130Aに入り込むことを規制する。マグネットシート143は鋼板141と縦枠10および壁220とを結合するねじを覆うことによって、配線構造120の美観を高める。マグネットシート143は第1シート143Aおよび第2シート143Bを含む。第1シート143Aは鋼板141の第1部分141Aに取り付けられる。第2シート143Bは鋼板141の第2部分141Bに取り付けられる。
【0031】
図3に示されるように、配線カバー130はブロック状である。配線カバー130は第1カバー131と第2カバー132との組が縦枠10の長手方向に沿って積み上げられるように配置される。積み上げられた配線カバー130には、配線250を引き込むため、および、配線250を引き出すための開口130Bが形成される。開口130Bは配線250の引き込み位置および引き出し位置に応じて第1カバー131または第2カバー132が取り外されることによって形成される。このため、配線カバー130に切断等の加工をすることなく縦枠10の長手方向の任意の位置から配線250の引き込み、および、引き出しを容易に実施できる。なお、開口130Bが形成される位置以外では、第1カバー131と第2カバー132とが結合した構成であってもよい。
【0032】
図9図14は配線カバー130における開口130Bの一例である。図9に示されるように、第2カバー132が鋼板141から取り外されることによって、開口130Bが形成される場合、第1シート143Aを介して鋼板141の第1部分141Aと対向する部分から配線250を配線スペース130Aに容易に引き込むことができる。図10に示されるように、第1カバー131が鋼板141から取り外されることによって、開口130Bが形成される場合、第2シート143Bを介して鋼板141の第2部分141Bと対向する部分から配線250を配線スペース130Aに容易に引き込むことができる。図11および図13に示されるように、第1カバー131および第2カバー132が鋼板141に取り付けられている場合、配線スペース130Aに配置されている1または複数の配線250を保護できる。図12および図14に示されるように、第1カバー131が鋼板141から取り外されることによって、開口130Bが形成される場合、第2シート143Bを介して鋼板141の第2部分141Bと対向する部分から1または複数の配線250を配線スペース130Aから容易に引き出すことができる。開口130Bから引き出された配線250は例えば、図5に示されるように、基礎棚板30と間仕切収納部材20との隙間を通るように配置される。
【0033】
間仕切収納システム1の使用方法の一例について説明する。
間仕切収納システム1の形態を第2形態から第1形態に変更する場合、収納部110に収納されている間仕切収納部材20が収納部110から取り出される。次に、図15に示されるように、間仕切収納システム1の高さ方向において最も下方に配置される基礎棚板30の凸部32が一対の縦枠10の凹部11に挿入される。以降は、第1工程と第2工程とが繰り返し実施される。第1工程は複数の仕切板70に取り付けられた連結ダボ90を基礎棚板30の穴31Bに挿入することによって、複数の仕切板70と基礎棚板30とを連結する工程である。第2工程は、図16に示されるように、基礎棚板30と連結されている複数の仕切板70の連結ダボ90と別の基礎棚板30とが連結されるように、かつ、基礎棚板30の凸部32が一対の縦枠10の凹部11に挿入されるように基礎棚板30を配置する工程である。第1工程および第2工程は間仕切収納システム1の高さ方向において最も上方に配置される基礎棚板30の配置が完了するまで繰り返し実施される。その後、ユーザの好みに応じて、非開口パネル40、開口パネル50、引出ユニット60、および、小棚板80が配置される。
【0034】
配線構造120の作用および効果について説明する。
縦枠10の任意の位置に配線スペース130Aを設けることができるため、配線の自由度が高められる。
【0035】
(変形例)
上記実施形態は本発明に関する間仕切収納システムが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関する間仕切収納システムは実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
【0036】
・縦枠10に対する配線カバー130が取り付けられる位置は任意に変更可能である。変形例の配線構造120では、配線カバー130は縦枠10の端面10A以外の面に取り付けられる。
【0037】
・配線構造120を含む間仕切収納システム1の構成は任意に変更可能である。第1変形例の間仕切収納システム1は収納部110、非開口パネル40、開口パネル50、引出ユニット60、仕切板70、および、小棚板80のうちの少なくとも1つが省略される。第2変形例の間仕切収納システム1は基礎棚板30と一対の縦枠10とが固定される。すなわち、第2変形例の間仕切収納システム1は一対の縦枠10から基礎棚板30を取り外すことができない。
【符号の説明】
【0038】
10 :縦枠
10A :端面
120 :配線構造
130 :配線カバー
131 :第1カバー
132 :第2カバー
140 :結合部
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