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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/73 20060101AFI20221004BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
H01R13/73 C
H01R13/46 304L
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018240500
(22)【出願日】2018-12-25
(65)【公開番号】P2020102384
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 道代
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-195066(JP,A)
【文献】特開平11-111382(JP,A)
【文献】実開平01-080775(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第110571590(CN,A)
【文献】特開平6-302368(JP,A)
【文献】特開2010-40436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/40-13/533
H01R13/73-13/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコネクタ端子と、
複数の前記コネクタ端子の両端部を除く中間部を覆うコネクタ本体部、及び前記コネクタ本体部の中心軸線の方向における端部に形成されるとともに複数の前記コネクタ端子の端部を囲む筒形状を有し、かつ相手側コネクタが装着されるコネクタ装着部を有するコネクタハウジングと、
前記コネクタ本体部の外周における、円環状の溝として形成された装着凹部に装着されるプレート装着部、前記プレート装着部に繋がって前記コネクタ本体部の外周から突出するプレート取付部、及び前記プレート取付部に形成された、ボルトが挿通される挿通穴を有し、1枚の鋼板によって平板状に形成されたフランジプレートと、を備え
前記プレート装着部は、前記コネクタ本体部の中心軸線と前記挿通穴の中心とを通る仮想線の両側に一対に形成されているとともに、前記プレート装着部の内周側に、円環状の前記装着凹部に沿った円弧状の内周面が形成されていることにより、前記装着凹部に対して、前記コネクタ本体部の中心軸線の回りに回動可能に装着されて、前記コネクタハウジングに対する前記フランジプレートの前記挿通穴の位置を適宜変更することが可能であり、
一対の前記プレート装着部は、外周側に弾性変形した状態において、前記コネクタ本体部の中心軸線の方向から、前記コネクタ本体部の外周に配置されるとともに、内周側に弾性変形が復帰したときに前記装着凹部に装着される構造を有し、かつ、先端部に、前記フランジプレートを前記装着凹部との間で着脱する際に利用可能な突起を有する、コネクタ。
【請求項2】
前記コネクタ装着部は、前記コネクタ本体部の中心軸線の方向の両端部に一対に形成されており、
前記コネクタ端子の前記中間部は、前記コネクタ本体部を貫通しており、前記コネクタ端子の前記両端部は、一対の前記コネクタ装着部内に突出しており、
前記コネクタ本体部の外周には、機械部品のケースの配置穴との間を封止する封止材が装着されており、
前記コネクタ本体部が前記配置穴に配置され、前記プレート取付部の前記挿通穴に挿通された前記ボルトによって前記機械部品に取り付けられて、前記コネクタ端子によって電気配線が中継される中継コネクタとして使用される、請求項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコネクタ端子及びコネクタハウジングを備えるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の機械部品においては、電子制御部品と制御装置との電気配線を行う際に、この電気配線を中継するコネクタが使用される。コネクタには、複数のコネクタ端子と、複数のコネクタ端子を貫通させたコネクタ本体部と、複数のコネクタ端子の両端部をそれぞれ囲む状態でコネクタ本体部に形成された一対のコネクタ装着部と、コネクタ本体部の外周側に突出して、ボルトを挿通させる挿通穴を有する取付部とが形成されている。そして、コネクタは、コネクタ本体部が機械部品のケースの配置穴に配置された状態で、取付部の挿通穴に挿通されたボルトの締め付けによって、機械部品のケースに取り付けられる。また、コネクタは、一対のコネクタ装着部のそれぞれに相手側コネクタが装着されることにより、相手側コネクタに接続された電線の配線を中継している。
【0003】
また、コネクタの取付部は、コネクタ本体部を構成する樹脂材料と同じ樹脂材料によってコネクタ本体部と一体成形されている。コネクタ本体部は、機械部品のカバーに形成された配置穴に配置され、取付部は、機械部品のケースにボルト等によって取り付けられる。
【0004】
コネクタ本体部に取付部が一体成形されたコネクタとしては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。また、コネクタ本体部から放射状に形成された取付部が、コネクタ本体部が配置される配置穴の縁部に係止されるコネクタとしては、例えば、特許文献2に開示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-238465号公報
【文献】特開2014-232718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のコネクタにおいては、取付部はコネクタ本体部に一体成形されており、コネクタ本体部と取付部との位置関係が固定されている。そのため、コネクタ本体部の中心軸線の位置と取付部の挿通穴の中心との位置関係が異なる複数種類のコネクタを使用する場合には、取付部の形状が異なる複数種類のコネクタを成形する必要がある。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、コネクタ本体部の中心軸線の位置とプレート取付部の挿通穴の中心との位置関係が異なる複数種類のコネクタを容易に製造することができるコネクタを提供しようとして得られたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、複数のコネクタ端子と、
複数の前記コネクタ端子の両端部を除く中間部を覆うコネクタ本体部、及び前記コネクタ本体部の中心軸線の方向における端部に形成されるとともに複数の前記コネクタ端子の端部を囲む筒形状を有し、かつ相手側コネクタが装着されるコネクタ装着部を有するコネクタハウジングと、
前記コネクタ本体部の外周における、円環状の溝として形成された装着凹部に装着されるプレート装着部、前記プレート装着部に繋がって前記コネクタ本体部の外周から突出するプレート取付部、及び前記プレート取付部に形成された、ボルトが挿通される挿通穴を有し、1枚の鋼板によって平板状に形成されたフランジプレートと、を備え
前記プレート装着部は、前記コネクタ本体部の中心軸線と前記挿通穴の中心とを通る仮想線の両側に一対に形成されているとともに、前記プレート装着部の内周側に、円環状の前記装着凹部に沿った円弧状の内周面が形成されていることにより、前記装着凹部に対して、前記コネクタ本体部の中心軸線の回りに回動可能に装着されて、前記コネクタハウジングに対する前記フランジプレートの前記挿通穴の位置を適宜変更することが可能であり、
一対の前記プレート装着部は、外周側に弾性変形した状態において、前記コネクタ本体部の中心軸線の方向から、前記コネクタ本体部の外周に配置されるとともに、内周側に弾性変形が復帰したときに前記装着凹部に装着される構造を有し、かつ、先端部に、前記フランジプレートを前記装着凹部との間で着脱する際に利用可能な突起を有する、コネクタにある。
【発明の効果】
【0009】
前記一態様のコネクタは、フランジプレートが分離されたコネクタハウジングを備える。そして、フランジプレートは、プレート装着部、及び挿通穴が形成されたプレート取付部を有する。フランジプレートは、プレート装着部をコネクタ本体部の外周における装着凹部に装着することによって、コネクタハウジングに装着される。こうして、フランジプレートとコネクタハウジングとが一体化される。その後、コネクタを、機械部品のケースの配置穴に配置するときには、フランジプレートのプレート取付部の挿通穴に挿通したボルトを機械部品のケースに締め付ける。
【0010】
コネクタ本体部の中心軸線の位置と、プレート取付部の挿通穴の中心との位置関係が異なる複数種類のコネクタを使用する場合には、プレート装着部の中心から挿通穴の中心までの距離が異なる複数種類のフランジプレートを製造することによって対処することができる。つまり、コネクタハウジングは共通の部品とする一方、形状が異なる複数種類のフランジプレートを準備して、コネクタハウジングに装着するフランジプレートを変更することにより、コネクタ本体部の中心軸線の位置とプレート取付部の挿通穴の中心との位置関係が異なる複数種類のコネクタを製造することができる。
【0011】
それ故、前記一態様のコネクタによれば、コネクタ本体部の中心軸線の位置とプレート取付部の挿通穴の中心との位置関係が異なる複数種類のコネクタを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態にかかる、コネクタを示す斜視図。
図2】実施形態にかかる、コネクタハウジングにフランジプレートが装着される前のコネクタを示す斜視図。
図3】実施形態にかかる、コネクタを示す平面図。
図4】実施形態にかかる、コネクタを示す、図3のIV-IV断面図。
図5】実施形態にかかる、コネクタを示す、図3のV-V断面図。
図6】実施形態にかかる、他のフランジプレートを示す斜視図。
図7】実施形態にかかる、他のフランジプレートを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
前述したコネクタにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
本形態のコネクタ1は、図1図5に示すように、複数のコネクタ端子2、コネクタハウジング3及びフランジプレート4を備える。コネクタハウジング3は、複数のコネクタ端子2の両端部21,22を除く中間部23を覆うコネクタ本体部31と、コネクタ本体部31の中心軸線Cの方向における端部に形成されたコネクタ装着部32A,32Bとを有する。コネクタ装着部32A,32Bは、相手側コネクタ5A,5Bが装着される部分であり、複数のコネクタ端子2の端部を囲む筒形状を有している。
【0014】
フランジプレート4は、コネクタ本体部31の外周における装着凹部311に装着されるプレート装着部41と、プレート装着部41に繋がってコネクタ本体部31の外周から突出するプレート取付部42とを有する。プレート取付部42には、ボルト6が挿通される挿通穴421が形成されている。
【0015】
以下に、本形態のコネクタ1について詳説する。
(コネクタ1)
図4及び図5に示すように、本形態のコネクタ1は、電子制御機器71と制御装置72との電気配線を行う際に、この電気配線を中継する中継コネクタとして使用される。電子制御機器71は、種々の機械部品に搭載されたものとすることができる。本形態の機械部品は、自動車に搭載された自動変速機であり、電子制御機器71は、自動変速機に用いられたモータ等のアクチュエータ、レゾルバ等のセンサなどである。電子制御機器71は、コネクタ1の複数のコネクタ端子2を介して、制御装置72としての電子制御ユニット(ECU)に電気接続される。自動変速機においては、自動変速の制御動作、各構成部品間の潤滑等を行うためのオイル(自動変速機油)が用いられる。コネクタ1は、自動変速機のケース8に設けられた配置穴81に配置される。
【0016】
また、電子制御機器71は、自動変速機のバルブボディのスプールバルブとしてもよい。また、機械部品は、自動変速機以外の種々のものとしてもよい。また、コネクタ1は、自動変速機にブラケットを介して取り付けられ、ブラケットに対して遊動して自動変速機のケース8の配置穴81に配置されるものであってもよい。
【0017】
(コネクタ1の使用環境)
図4及び図5に示すように、コネクタ1は、コネクタ本体部31が自動変速機のケース8の配置穴81に配置され、プレート取付部42の挿通穴421に挿通されたボルト6によって、ケース8に取り付けられる。自動変速機のケース8内は、オイルによって満たされた油中環境下R1となり、自動変速機のケース8の外部は、被水する可能性がある気中環境下R2となる。コネクタ1は、油中環境下R1に配線された電線52Aと、気中環境下R2に配線された電線52Bとを複数のコネクタ端子2によって中継する。
【0018】
(コネクタハウジング3)
図1図4及び図5に示すように、コネクタハウジング3において、コネクタ装着部32A,32Bは、コネクタ本体部31の中心軸線Cの方向の両端部に一対に形成されている。コネクタ装着部32A,32Bは、コネクタ本体部31の中心軸線Cの方向の一方側に形成されて、油中環境下R1に配置される油中コネクタ装着部32Aと、コネクタ本体部31の中心軸線Cの方向の他方側に形成されて、気中環境下R2に配置される気中コネクタ装着部32Bとからなる。
【0019】
本形態のコネクタ1は、雄コネクタである。油中コネクタ装着部32Aには、油中雌コネクタ5Aが装着され、気中コネクタ装着部32Bには、気中雌コネクタ5Bが装着される。油中雌コネクタ5A及び気中雌コネクタ5Bには、雌コネクタ端子51A,51Bが配置されている。コネクタ1の複数のコネクタ端子2は、油中雌コネクタ5Aの複数の雌コネクタ端子51Aと、気中雌コネクタ5Bの複数の雌コネクタ端子51Bとを電気的に接続する。なお、気中雌コネクタ5Bは、電線52Bを介さず、制御装置72の制御基板に直接取り付けられてもよい。
【0020】
図4及び図5に示すように、コネクタ1が自動変速機のケース8の配置穴81に配置されたときには、油中コネクタ装着部32Aがケース8内に配置され、気中コネクタ装着部32Bが配置穴81から突出してケース8の外部に配置される。また、油中コネクタ装着部32A及び油中雌コネクタ5Aは、オイルと接触し得る油中環境下R1に配置される。一方、気中コネクタ装着部32B及び気中雌コネクタ5Bは、気中環境下R2に配置され、オイル用の封止材33によって、油中環境下R1と隔離される。
【0021】
コネクタ1と、コネクタ1の油中コネクタ装着部32Aに装着された油中雌コネクタ5Aと、コネクタ1の気中コネクタ装着部32Bに装着された気中雌コネクタ5Bとは、コネクタ組付体10を構成する。コネクタ1は、油中雌コネクタ5A及び気中雌コネクタ5Bとセットにして、コネクタ組付体10として扱われる。
【0022】
図4及び図5に示すように、コネクタ1のコネクタ本体部31の外周には、自動変速機のケース8の配置穴81との間を封止するオイル用の封止材33が装着されている。封止材33は、コネクタ本体部31の外周に形成された溝部312に配置されている。オイル用の封止材33によって、ケース8内のオイルが、コネクタ1と配置穴81との隙間から、ケース8の外部へ漏洩することが防止される。
【0023】
コネクタ本体部31は、円柱形状に形成されており、その外周には、フランジプレート4のプレート装着部41が装着される装着凹部311と、封止材33が配置される溝部312とが形成されている。装着凹部311は、プレート装着部41の厚みよりも若干幅が大きい溝として形成されている。本形態の装着凹部311は、コネクタ本体部31の全周に形成されており、円環状の溝として形成されている。コネクタ本体部31における、装着凹部311と溝部312とが形成されていない部位には、図1に示すように、計量用の溝313も形成されている。
【0024】
(コネクタ端子2)
図3図5に示すように、複数のコネクタ端子2の中間部23は、コネクタ本体部31を貫通している。複数のコネクタ端子2の一端部21は、コネクタ本体部31から油中コネクタ装着部32A内に突出しており、複数のコネクタ端子2の他端部22は、コネクタ本体部31から気中コネクタ装着部32B内に突出している。複数のコネクタ端子2は、導体ピンによって形成されている。
【0025】
(フランジプレート4)
図2に示すように、本形態のフランジプレート4におけるプレート装着部41及びプレート取付部42は、1枚の鋼板によって平板状に形成されている。フランジプレート4を鋼板によって形成することにより、フランジプレート4の製造を容易にするとともに、フランジプレート4の強度を高くすることができる。フランジプレート4は、帯状鋼板に、プレス加工としての打ち抜き加工を行うことによって容易に製造することができる。また、鋼板は導電性のものであるため、フランジプレート4における挿通穴421の周囲に導電性のカラーを配置する必要がなくなる。
【0026】
フランジプレート4のプレート装着部41の内周側には、円環状の装着凹部311に沿った円弧状の内周面411が形成されている。本形態のプレート装着部41は、コネクタ本体部31の中心軸線Cとフランジプレート4の挿通穴421の中心とを通る仮想線Kの両側に一対に形成されている。一対のプレート装着部41は、円環状の装着凹部311に沿った円弧形状に形成されている。各プレート装着部41の先端部には、フランジプレート4を装着凹部311との間で着脱する際に利用することができる突起412が形成されている。
【0027】
各プレート装着部41の円弧状の内周面411を、円環状の装着凹部311に沿った形状にしたことにより、各プレート装着部41は、装着凹部311に対して、コネクタ本体部31の中心軸線Cの回りに回動可能に装着されている。換言すれば、フランジプレート4は、コネクタハウジング3の中心軸線Cの回りに回動させることが可能である。これにより、フランジプレート4の挿通穴421と、コネクタハウジング3との位置関係を適宜変更することができる。
【0028】
図1及び図2に示すように、フランジプレート4は、コネクタハウジング3の中心軸線Cの方向から、コネクタハウジング3に装着される。より具体的には、フランジプレート4の一対のプレート装着部41は、外周側に弾性変形した状態において、コネクタ本体部31の中心軸線Cの方向から、コネクタ本体部31の外周に配置される。そして、一対のプレート装着部41は、内周側に弾性変形が復帰したときに装着凹部311に装着される。このフランジプレート4の装着の仕方によって、コネクタハウジング3へのフランジプレート4の装着を容易にすることができる。
【0029】
フランジプレート4のプレート装着部41は、図6に示すように、プレート取付部42の片側から円弧状に突出する形状に形成してもよい。また、フランジプレート4のプレート装着部41は、図7に示すように、環形状に形成することもできる。また、プレート装着部41の内周面411は、円弧状ではなく、多角形状に形成することもできる。プレート装着部41を環形状に形成する場合には、コネクタ本体部31の装着凹部311の形状に、プレート装着部41を装着しやすくする工夫をすることができる。
【0030】
(作用効果)
本形態のコネクタ1は、フランジプレート4が分離されたコネクタハウジング3を備える。フランジプレート4は、一対のプレート装着部41の弾性変形を利用して、コネクタハウジング3に装着可能にしたものである。そして、フランジプレート4は、一対のプレート装着部41、及び挿通穴421が形成されたプレート取付部42を有する。フランジプレート4は、一対のプレート装着部41をコネクタ本体部31の外周における装着凹部311に装着することによって、コネクタハウジング3に装着される。こうして、フランジプレート4とコネクタハウジング3とが一体化される。その後、コネクタ1を、自動変速機のケース8の配置穴81に配置するときには、図4に示すように、フランジプレート4のプレート取付部42の挿通穴421に挿通したボルト6を自動変速機のケース8に締め付ける。
【0031】
同図に示すように、自動変速機等の機械部品のケース8においては、配置スペースの制約等を受けて、ケース8に設ける配置穴81とネジ穴82との位置関係が、ケース8ごとに異なることがある。この場合に、従来のコネクタにおいては、コネクタ本体部31の中心軸線Cの位置とプレート取付部42の挿通穴421の中心との位置関係が異なる複数種類のコネクタを製造していた。そのため、コネクタの製造を煩雑にしていた。
【0032】
一方、本形態のコネクタ1において、コネクタ本体部31の中心軸線Cの位置とプレート取付部42の挿通穴421の中心との位置関係が異なる複数種類のコネクタ1を使用する場合には、プレート装着部41の中心から挿通穴421の中心までの距離が異なる複数種類のフランジプレート4を製造することによって対処することができる。つまり、コネクタハウジング3は共通の部品とする一方、形状が異なる複数種類のフランジプレート4を準備して、コネクタハウジング3に装着するフランジプレート4を変更することにより、コネクタ本体部31の中心軸線Cの位置とプレート取付部42の挿通穴421の中心との位置関係が異なる複数種類のコネクタ1を製造することができる。
【0033】
また、フランジプレート4の形状を変更することによって、コネクタ本体部31の中心軸線Cの位置とプレート取付部42の挿通穴421の中心との位置関係を容易に異ならせることができる。また、フランジプレート4は、コネクタハウジング3から取り外すことも可能である。
【0034】
それ故、本形態のコネクタ1によれば、コネクタ本体部31の中心軸線Cの位置とプレート取付部42の挿通穴421の中心との位置関係が異なる複数種類のコネクタ1を容易に製造することができる。そして、自動変速機が用いられる種々の車種に合わせて、フランジプレート4を変更することにより、コネクタ1を容易に製造することができる。
【0035】
本発明は、実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。さらに、本発明から想定される様々な構成要素の組み合わせ、形態等も本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
1 コネクタ
2 コネクタ端子
3 コネクタハウジング
31 コネクタ本体部
32A,32B コネクタ装着部
4 フランジプレート
41 プレート装着部
42 プレート取付部
421 挿通穴
5A,5B 相手側コネクタ(雌コネクタ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7