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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】通信システム、監視装置及び監視方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 3/44 20060101AFI20221004BHJP
   H04L 12/10 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
H04B3/44
H04L12/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020532398
(86)(22)【出願日】2019-07-23
(86)【国際出願番号】 JP2019028760
(87)【国際公開番号】W WO2020022303
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2020-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2018138136
(32)【優先日】2018-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】山口 祥平
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/141855(WO,A1)
【文献】特開平11-186959(JP,A)
【文献】国際公開第2016/092806(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/002391(WO,A1)
【文献】特開2002-057607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 3/44
H04L 12/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電路への給電機能を有する複数の端局と、
前記給電路を含む給電経路の切り替えを行う分岐装置と、
前記複数の端局のいずれかが前記分岐装置に給電経路を指定する切り替え信号を送信したことに応じて、前記複数の端局のそれぞれで観測される前記給電路への給電電圧を前記切り替え信号の送信の前後において比較し、比較された前記給電電圧が第1の閾値以上変動したことをもって前記分岐装置における前記給電経路の切り替え結果を判断する監視装置と、を備え
前記監視装置は、
比較された前記給電電圧のいずれかが前記第1の閾値以上変動しない場合に、前記指定された給電経路の給電量を変動させ、
前記指定された給電経路を構成する端局の全てにおいて前記給電電圧が第2の閾値以上変動することをもって、前記給電経路が切り替えられたと判断する、
通信システム。
【請求項2】
前記監視装置は、前記複数の端局のうち前記切り替え信号で指定された給電経路を構成する端局の前記給電電圧を前記切り替え信号の送信の前後において比較する、請求項1に記載された通信システム。
【請求項3】
前記第1の閾値は、前記指定された給電経路を構成する端局の給電路ごとに異なる、請求項1又は2に記載された通信システム。
【請求項4】
前記第2の閾値は、前記指定された給電経路を構成する端局の給電路ごとに異なる、請求項1乃至3のいずれかに記載された通信システム。
【請求項5】
前記監視装置は前記給電経路が切り替えられたと判断しない場合にアラームを出力する、請求項1乃至4のいずれかに記載された通信システム。
【請求項6】
前記監視装置は前記給電経路が切り替えられたと判断しない場合に前記複数の端局の少なくとも1つにアラーム信号を送信し、前記アラーム信号を受信した端局は、前記アラーム信号に対応するアラームを外部に出力する、請求項1乃至5のいずれかに記載された通信システム。
【請求項7】
給電路への給電機能を有する複数の端局が前記給電路を含む給電経路の切り替えを行う分岐装置と接続された通信システムで用いられる監視装置であって、
通信回線を介して前記複数の端局と接続されるインタフェースと、
前記複数の端局のいずれかが前記分岐装置に給電経路を指定する切り替え信号を送信したことに応じて、前記複数の端局のそれぞれで観測される前記給電路への給電電圧を前記切り替え信号の送信の前後において比較し、比較された前記給電電圧が第1の閾値以上変動したことをもって前記分岐装置における前記給電経路の切り替え結果を判断する演算手段と、を備え
比較された前記給電電圧のいずれかが前記第1の閾値以上変動しない場合に、前記指定された給電経路の給電量を変動させ、
前記指定された給電経路を構成する端局の全てにおいて前記給電電圧が第2の閾値以上変動することをもって、前記給電経路が切り替えられたと判断する、
監視装置。
【請求項8】
給電路への給電機能を有する複数の端局が前記給電路を含む給電経路の切り替えを行う分岐装置と接続された通信システムの監視方法であって、
前記複数の端局のいずれかが前記分岐装置に給電経路を指定する切り替え信号を送信したことに応じて、前記複数の端局のそれぞれで観測される前記給電路への給電電圧を前記切り替え信号の送信の前後において比較し、
比較された前記給電電圧が第1の閾値以上変動したことをもって前記分岐装置における前記給電経路の切り替え結果を判断し、
比較された前記給電電圧のいずれかが前記第1の閾値以上変動しない場合に、前記指定された給電経路の給電量を変動させ、
前記指定された給電経路を構成する端局の全てにおいて前記給電電圧が第2の閾値以上変動することをもって、前記給電経路が切り替えられたと判断する、
監視方法。
【請求項9】
前記複数の端局のうち前記切り替え信号で指定された給電経路を構成する端局の前記給電電圧を前記切り替え信号の送信の前後において比較する、請求項8に記載された監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システム及び監視方法に関し、特に、端局の指示による給電経路の切り替えが可能な分岐装置を含む通信システム及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な海底ケーブルシステムでは、海底に分岐装置(Branching Unit、BU)が設置される。陸上の端局に接地された給電装置(Power Feeding Equipment、PFE)は、給電路を介してBUに直流電流を給電する。BUには複数の給電路が接続されており、BUは給電経路を切り替える機能を有する。BUは、BUが備えるスイッチを用いて給電路の接続状態を、陸上に設置された端局からの制御信号に応じてBU内部で切り替える。従って、BUは、他の端局あるいは他の給電路によって給電を受けるように給電経路を切り替えることが可能である。なお、以下では、端局とBUとの間の個々の給電線を給電路と呼び、1台以上の給電装置及び1本以上の給電路で構成されたBUへの給電電流全体の経路を給電経路と呼ぶ。特許文献1には、給電路に障害が発生すると給電経路を切り替えることでBUへの給電を維持する海底ケーブルシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/025518号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的なBUは、給電経路の切り替え結果を陸上の端局へ通知する機能(レスポンス機能)を有していない。このため、給電経路の切り替えのために端局からBUへコマンドを送信した場合に、端局は給電経路の切り替え結果を自動的に知ることができない。そして、レスポンス機能を備えないBUの給電経路の切り替え結果を端局において確認するためには、例えば、端局に記録された、切り替え信号のBUへの送信ログを確認する必要がある。しかし、例えば、BUが切り替え信号を受信できず、その結果、給電経路の切り替えが行われていない場合であっても、端局の送信ログは切り替えが完了していることを示す。このため、端局の送信ログを参照するだけではBUにおける給電経路の切り替え結果を正しく確認ができない恐れがあった。
【0005】
このような場合、複数の端局のそれぞれにおいてオペレータが給電装置(PFE)を操作して給電経路が正常に切り替わっているかを確認する必要があった。しかし、このような作業はオペレータが行う必要があるために確認結果を得るまでに時間を要するとともに、高電圧回路を含む給電装置の操作が必要であるという課題があった。
【0006】
(発明の目的)
本発明は、給電経路の切り替え結果を遠隔地から確認可能とする通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の通信システムは、給電路への給電機能を有する複数の端局と、前記給電路を含む給電経路の切り替えを行う分岐装置と、前記複数の端局のいずれかが前記分岐装置に給電経路を指定する切り替え信号を送信したことに応じて、前記複数の端局のそれぞれで観測される前記給電路への給電電圧を前記切り替え信号の送信の前後において比較し、比較された前記給電電圧が第1の閾値以上変動したことをもって前記分岐装置における前記給電経路の切り替え結果を判断する監視装置と、を備える。
【0008】
本発明の監視装置は、給電路への給電機能を有する複数の端局が前記給電路を含む給電経路の切り替えを行う分岐装置と接続された通信システムで用いられる監視装置であって、通信回線を介して前記複数の端局と接続され、前記複数の端局のいずれかが前記分岐装置に給電経路を指定する切り替え信号を送信したことに応じて、前記複数の端局のそれぞれで観測される前記給電路への給電電圧を前記切り替え信号の送信の前後において比較し、比較された前記給電電圧が第1の閾値以上変動したことをもって前記分岐装置における前記給電経路の切り替え結果を判断する。
【0009】
本発明の監視方法は、給電路への給電機能を有する複数の端局が前記給電路を含む給電経路の切り替えを行う分岐装置と接続された通信システムの監視方法であって、前記複数の端局のいずれかが前記分岐装置に給電経路を指定する切り替え信号を送信したことに応じて、前記複数の端局のそれぞれで観測される前記給電路へ給電電圧を前記切り替え信号の送信の前後において比較し、比較された前記給電電圧が第1の閾値以上変動したことをもって前記分岐装置における前記給電経路の切り替え結果を判断する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の通信システム、監視装置及び監視方法は、給電経路の切り替え結果を遠隔地から確認することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態の海底ケーブルシステム100の構成例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態における、給電経路の切り替え結果の確認手順の例を示すフローチャートである。
図3】第2の実施形態の海底ケーブルシステム100の構成例を示す図である。
図4】端局110の構成例を示すブロック図である。
図5】給電経路の切り替え例を説明する図である。
図6】給電経路の切り替え例を説明する図である。
図7】端局110と端局120との間の給電電圧及び給電電流を例示する図である。
図8】端局110と端局120との間の給電電圧及び給電電流を例示する図である。
図9】端局110と端局130との間の給電電圧及び給電電流を例示する図である。
図10】給電経路の切り替え結果の判断手順の例を示すフローチャートである。
図11】給電経路の切り替え結果の判断手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の海底ケーブルシステム100の構成例を示すブロック図である。海底ケーブルシステム100は、端局110、120、130と、分岐装置(BU)140と、監視装置150と、を備える。端局110、120、130は、BU140への給電機能を有する、陸上に設置された装置である。以降では、端局110、120、130を総称する場合に「各端局」と記載する場合がある。各端局は、BU140への給電機能に加えて、給電路114、124、134に併設された図示されない光伝送路及びBU140を介してBU140及び他の端局との間で光信号を送受信する機能と、BU140の監視制御機能とを備える。海底ケーブルシステム100のような通信システムにおける光信号の送受信機能は知られているので、以降の実施形態では主に給電路114、124、134及びこれらを含んで構成される給電経路について説明する。給電路は各端局とBU140との間の個々の給電線を指し、給電経路は給電電流の経路全体を指す。BU140への給電では、例えば、端局110-給電路114-BU140-給電路124-端局120という給電経路が構成されうる。
【0013】
BU140は、海底に設置された海底分岐装置であり、各端局と接続された給電路によって給電される。BU140は、給電路114、124、134の接続を切り替える切り替え機能、BU140内の監視制御機能、各端局間で伝送される光信号の中継及び光伝送路の切り替え機能などを備える。BU140の機能は、監視装置150及び各端局の少なくとも1つから制御されうる。給電された電力は、これらの機能を実現するために用いられる。
【0014】
監視装置150は、各端局において観測された給電路の電圧(以下、「給電電圧」という。)を、監視回線117、127、137を通じて取得する。監視装置150は、各端局及びBU140を制御する機能も備える。監視装置150は、例えば、各端局及びBU140を制御する制御部及び監視回線117、127、137とのインタフェースを備えるサーバである。監視装置150は演算装置及び固定された記憶装置を備え、記憶装置に記憶されたプログラムを演算装置に実行させることでその機能を実現してもよい。有線あるいは無線によるデータ回線が監視回線117、127、137として用いられてもよい。海底ケーブルシステム100では、少なくとも1つの端局からBU140へ給電路114、124、134の切り替えのための信号が送信されたことに応じて、監視装置150は、各端局で観測される給電路への給電電圧を比較する。
【0015】
海底ケーブルの障害などにより給電経路の切り替えが必要となった場合には、少なくとも1つの端局110、120、130がBU140に給電経路の切り替え信号を送信する。切り替え信号は、切り替え後の新しい給電経路を指定する情報を含む。切り替え信号は、給電路114、124、134に併設された光伝送路を用いて、BU140へ光信号として送信されてもよい。切り替え信号を送信した端局は、監視装置150に、切り替え信号を送信したことを通知する。BU140は、切り替え信号を受信すると、切り替え信号で指定されたように給電経路を切り替えることによって、障害による海底ケーブルシステム100に対する影響を低減させる。給電経路の切り替えは、BU140に接続された給電路114、124、134の間の接続状態を、スイッチ(リレー)によって切り替えることで行うことができる。
【0016】
例えば、BU140への当初の給電経路が端局110-給電路114-BU140-給電路124-端局120であるとする。給電路134は、当初の給電経路には接続されていない。この場合、給電路124に障害が発生すると、切り替え信号によって当初の給電経路から給電路124が切り離され、新しい給電経路は端局110-給電路114-BU140-給電路134-端局130となる。
【0017】
端局110、120、130のいずれかがBU140に給電経路の切り替え信号を送信する場合には、各端局は、当該切り替え信号が送信される前後の給電電圧を測定して、監視装置150に通知する。監視装置150は、各端局が給電路114、124、134の給電電圧を取得するタイミングを端局ごとに設定する機能を備えてもよい。例えば、監視装置150が各端局の給電電圧を所定のタイミングで取得する場合は、各端局が切り替え信号を送信したことを監視装置150に通知するようにし、監視装置150は当該通知を受け取る前後に各端局から取得した給電電圧を比較対象とするようにしてもよい。なお、切り替え後の新しい給電経路に含まれる端局においてのみ、給電電圧が測定あるいは比較されてもよい。
【0018】
給電経路が切り替わると、新しい給電経路を構成する端局(上記の例では端局110、130)では給電の負荷が変化する。その結果、BU140が定電流で給電されている場合は新しい給電経路の両端の端局の給電電圧が変化する。例えば、給電経路の切り替えにより負荷が増加した端局では給電電圧が上がる。あるいは、給電経路の切り替えにより負荷が減少した端局では給電電圧が下がる。従って、監視装置150は、給電電圧の比較の結果に基づいて、給電経路が切り替えられたかどうかを判断できる。切り替え信号が送信される直前に観測された各端局の給電電圧を取得するために、監視装置150は、一定の周期で各端局の給電電圧を取得して、その値を記憶してもよい。あるいは、各端局は、切り替え信号をBU140に送信する際には、その直前の給電電圧を監視装置150に通知してもよい。
【0019】
図2は、第1の実施形態における、給電経路の切り替え結果の確認手順の例を示すフローチャートである。給電路114、124、134のいずれかにおいて給電経路の切り替えのトリガとなるイベントが発生すると、端局110、120、130のいずれかがBU140に給電経路の切り替え信号を送信する(図2のステップS01)。端局110、120、130のいずれが切り替え信号を送信するかは、イベントにより異なる。
【0020】
監視装置150は、BU140へ切り替え信号が送信されたことに応じて、各端局から切り替え信号の送信前後の給電電圧を取得し、これらを比較する(S02)。比較の結果、切り替え信号で指定された新しい給電経路を構成する端局のいずれにおいても所定の閾値以上の電圧変動が確認された場合には(S03:YES)、監視装置150は、給電経路が切り替えられたと判断する(S04)。当該新しい給電経路を構成する端局の少なくとも一方において所定の閾値以上の電圧変動が確認されなかった場合には(S03:NO)、監視装置150は、給電経路が切り替えられていないと判断する(S05)。ステップS05において、監視装置150は、端局110、120、130の一部又は全部に切り替えが異常である旨を示すアラーム信号を送信してもよい。また、ステップS05において、監視装置150及び各端局は、オペレータが知覚可能なアラームをそれぞれの外部に出力してもよい。この場合、出力されるアラームは、例えば、画面へのアラーム表示、アラームランプの点灯、あるいは音響の発生である。
【0021】
ステップS01において、給電経路の切り替えのトリガとなるイベントは、例えば、海底ケーブルシステム100の障害である。すなわち、海底ケーブルシステム100における障害発生に応じて、いずれかの端局からBU140へ切り替え信号が送信されてもよい。この場合、障害発生を検出した端局がBU140へ切り替え信号を送信してもよい。あるいは、障害発生を検出した端局が障害発生を監視装置150に通知し、当該通知を受けた監視装置150による端局110、120又は130への指示に基づいて、当該指示を受けた端局がBU140へ切り替え信号を送信してもよい。
【0022】
さらに、監視装置150は定期的あるいは不定期に所定の頻度で各端局の給電電圧を取得し、切り替え信号がBU140に送信されていない場合に給電電圧の変動が確認されたことに応じて、障害発生を検出してもよい。そして、障害発生が検出された後、監視装置150が各端局に給電経路の切り替え信号を送信させてもよい。
以上説明したように、本実施形態の海底ケーブルシステム100は、給電経路の切り替え結果を遠隔地にある監視装置150において確認することを可能とする。
【0023】
(第2の実施形態)
本発明の実施形態について、さらに詳細に説明する。図3は、第2の実施形態における海底ケーブルシステム100のより詳細な構成例を示す図である。図1と比較して、図3では、ケーブル116、126、136及び光伝送路115、125、125が記載されている。ケーブル116、126、136は、それぞれ、給電路114、124、134及び光伝送路115、125、135を含む海底通信ケーブルである。光伝送路115、125、135は光ファイバ伝送路である。各端局及びBU140は、それぞれの間で光伝送路115、125、135を介して光信号を伝送する。光伝送路115、125、135には、光中継器や他の分岐装置が含まれていてもよい。図3において、当初の給電経路は端局110-給電路114-BU140-給電路124-端局120である。図3では、給電路134はBU140において接地されており(すなわち、シーアースに接続されており)、当初の給電経路には含まれない。
【0024】
図4は、端局110の構成例を示すブロック図である。端局120及び130も同様の構成を備える。端局110は、コマンド送信部111、端局監視部112、給電部113を備える。図4では、各端局間で伝送される主信号(データ信号)の送受信機能部の記載は省略されている。コマンド送信部111は、端局監視部112から通知されたコマンドをBU140に送信する、インタフェース回路である。例えば、端局監視部112は給電経路の切り替え信号を、コマンド送信部111を介してBU140へ送信する。切り替え信号は、ケーブル116に含まれる光伝送路115によって光信号としてBU140へ送信される。監視制御のために端局110に割り当てられた、主信号とは異なる波長の光信号がコマンドの送信に用いられてもよい。ただし、端局110からBU140へのコマンドの送信方法は限定されない。コマンドは、給電部113の給電電流に重畳されて給電路114を介してBU140へ送信されてもよい。
【0025】
給電部113は、BU140に電気エネルギーを供給する電源(PFE)である。給電部113の出力電圧(すなわち給電電圧)及び出力電流は、端局110の操作によって監視及び設定が可能であるとともに、監視回線117を通じて接続される監視装置150によっても監視及び設定が可能である。給電部113は、定電流電源である。
【0026】
端局監視部112は、コマンド送信部111及び給電部113と、監視装置150とのインタフェース回路である。端局監視部112は、コマンド送信部111及び給電部113の情報を、監視回線117を介して監視装置150に通知する。また、端局監視部112は、監視装置150が送信したコマンド及びオペレータが端局110に入力したコマンドを、その内容に応じてコマンド送信部111及び給電部113に通知する。
【0027】
図3を参照すると、端局110、120、130は、それぞれ、ケーブル116、126、136の異常を検知すると、当該ケーブルに障害がある旨を監視装置150に通知する。監視装置150は、端局110、120、130から通知される障害の情報に基づいて、BU140に給電経路の切り替えを指示する。例えば、各端局は、各ケーブルを伝送される光信号の異常を検出することによってケーブル116、126、136の障害を検知する。また、各端局は、給電路への給電電圧に異常が生じた場合には当該給電路を含む給電経路に異常があると判断してもよい。監視装置150は、各端局相互間の通信状況及び給電電圧の変動量に基づいて、障害が発生した給電路を特定してもよい。
【0028】
図5及び図6は、海底ケーブルシステム100の給電経路の切り替え例を説明する図である。図5は、端局120とBU140との間のケーブル126の障害点において給電路124の接地障害が発生した直後の状態の例を示す。図5では、障害点において給電路124はBU140側及び端局120側のいずれもが障害によって接地されており、光伝送路125は切断されている。端局120とBU140との間の通信が異常であるため、端局120はケーブル126の障害を監視装置150に通知する。障害発生の直後は、端局110と端局120とを結ぶ当初の給電経路は切り替えられていない。
【0029】
監視装置150は、各端局から通知される障害の情報から、給電経路における障害の発生を検知する。図5の場合では、端局120から監視装置150へケーブル126の異常が通知されるため、監視装置150は給電路124を使用しないように給電経路を切り替える必要があると判断する。そして、監視装置150は、端局110又は130に、BU140の給電経路の切り替えを指示する。当該指示を受けた端局110又は130は、BU140に切り替え信号を送信する。この場合、切り替え信号は、BU140において給電路124を接地するとともに、給電路114と給電路134とを接続する指示を含む。
【0030】
図6は、例として、端局110からBU140へ切り替え信号が送信されることで、当初の給電経路が新しい給電経路へ切り替わった後の状態を示す。端局110から切り替え信号を受信したBU140は、給電路124を接地するとともに、給電路114と給電路134とを接続する。BU140における給電経路の切り替えは、リレーを備える一般的な切り替え回路により実行されてもよい。これにより、新しい給電経路は、端局110-給電路114-BU140-給電路134-端局130となる。このようにして、新しい給電経路によりBU140を介した端局110と端局130との間で給電が継続される。
【0031】
図7図9を用いて、給電経路の切り替え結果の検出について説明する。図7は、ケーブル126の障害が発生する前の、端局110と端局120との間の給電電圧及び給電電流を例示する図である。図7図9の横方向は給電の負荷の大きさを示し、縦方向は給電電圧を示す。端局110と端局120との間にはBU140や図示されない中継器、他のBU等が存在する場合がある。このため、横軸の長さ(すなわち、負荷の大きさ)は給電路の距離とは必ずしも対応しない。また、図7図9において、BU140の負荷は当初の給電経路全体の負荷と比べて無視できるか、いずれかの給電路の負荷に含まれるとする。
【0032】
図7の給電状態は、図3の構成図に対応する。図7において、給電路114の負荷をR1、給電路124の負荷をR2とする。また、端局110の給電部は正電圧であり給電電圧をV1(V1>0)とし、端局120の給電部は負電圧であり給電電圧をV2(V2<0)とする。この場合、当初の給電経路(端局110-給電路114-BU140-給電路124-端局120)の給電電流I12は図7の斜線の傾き、すなわち(V2-V1)/(R1+R2)で表される。V1及びV2を制御することにより、一定の電流I12による給電が行われる。端局130の給電部は負電圧であり給電電圧はV3b(V3b<0)である。図3に示すように、給電路134はBU140に接続されているが給電路134はBU140で接地されている。
【0033】
図8は、ケーブル126の障害が発生した直後の、端局110と端局120との間の給電電圧及び給電電流を例示する図である。図8の給電状態は、図5の構成図に対応する。この時点では、BU140には切り替え信号はまだ送信されていない。障害により給電路124が障害点において強制的に接地された結果、図8の斜線の傾きで示される給電電流をI12に維持するために端局110及び端局120の給電電圧が変化する。図8において、端局110から障害点までの負荷はR1b、障害点から端局120までの負荷はR2bである。障害発生後端局110が切り替え信号を送信する前の時点では、端局110の給電電圧はV1b(V1b>0)、端局120の給電電圧はV2b(V2b<0)である。障害点は接地されているので、障害点における給電路の電圧はゼロである。端局110及び120は定電流源であるので、端局110から障害点へ流れる電流及び障害点から端局120へ流れる電流はいずれもI12である。すなわち、障害の発生直後はI12=-V1b/R1b=V2b/R2bを満たすように、V1b及びV2bが制御される。図5に示されるように、端局130の給電路134はBU140で接地されている。この時点では、給電路134は給電経路にまだ含まれていない。
【0034】
なお、監視装置150は、端局110に切り替え信号の送信を指示する場合には、切り替え信号の送信タイミング(例えば時刻)を指定し、そのタイミングを端局110及び端局130に通知してもよい。これにより、端局130も、端局110による切り替え信号の送信タイミングの前後で給電電圧を測定し、測定結果を監視装置150に通知できる。
【0035】
図9は、BU140に切り替え信号が送信され、当初の給電経路が新しい給電経路へ切り替わった後の端局110と端局130との間の給電電圧及び給電電流を例示する図である。図9の給電状態は、図6の構成図に対応する。BU140において、給電路114と給電路134とが接続された結果、給電電流I12は、新しい給電経路である端局110-給電路114-BU140-給電路134-端局130を流れる。定電流による給電であるので、図9においても給電電流I12は図8から変化しないため、斜線(実線)の傾きで示される給電電流をI12に維持するために端局110及び端局130の給電電圧が変化する。本実施形態では、端局110の給電電圧がV1bからV1aに変化し、端局130の給電電圧がV3bからV3aに変化したことを示す。すなわち、図9においては、I12=(V3a-V1a)/(R1+R3)である。図9の状態では給電路124はBU140において接地される。その結果、端局120から給電路124への給電を停止することで障害点にはBU140及び端局120のいずれからも給電されなくなり、障害点の安全な修理が可能となる。
【0036】
BU140において切り替え信号が正常に処理された結果、新しい給電経路が構成されると、一般的には各端局における給電経路の負荷が変化する。このため、給電電流をI12に維持するために、上述のように端局110及び端局130の給電電圧は図8の状態からさらに変化する。このような給電電圧の変化(V1b→V1a、V3b→V3a)を端局110及び端局130が測定して監視装置150に通知する。監視装置150は、これらの電圧変化が所定の値以上であれば給電経路の切り替えが行われたと判断する。ここで、監視装置150は、Vth1及びVth3をそれぞれ所定の電圧変動量として、以下の(1)式及び(2)式が満たされるかどうかを判断する。Vth1及びVth3は、給電電圧の変動が給電経路の切り替えに起因する負荷の変動によるものかどうかを判断するための閾値である。Vth1及びVth3は、いずれも、小さいほど、負荷のより小さい変動を給電経路の切り替えと判断できる。
【0037】
ΔV1=|V1a-V1b|≧Vth1・・・(1)
ΔV3=|V3a-V3b|≧Vth3・・・(2)
(1)式及び(2)式が満たされる場合には、新しい給電経路への切り替えにより給電経路の負荷が変化したと推定できるため、監視装置150は、切り替え信号の送信により給電経路の切り替えが正常に行われたと判断する。一方、(1)式及び(2)式の少なくとも一方が満たされない場合には、新しい給電経路が構成されていない可能性があることから、BU140における給電経路の切り替えが正常に行われていないと判断してもよい。例えば、給電経路の切り替え失敗により給電路114が障害点で接地されたままであると、V1a=V1bであるため、(1)式が満たされない。あるいは、給電経路の切り替え失敗により給電路134がBU140で接地されたままであると、V3a=V3bであるため、(2)式が満たされない。
【0038】
給電経路の距離及び構成によっては、新しい給電経路を構成する端局における、当初の給電経路の負荷と新しい給電経路の負荷との差が小さい場合もある。このような場合には給電経路の切り替えの前後でそれぞれの端局の給電電圧の変動が小さく、(1)式及び(2)式のΔV1及びΔV3も小さい。その結果、新しい給電経路への切り替えが正常に行われていても、監視装置150は給電経路の切り替えが正常に行われていないと判断する恐れがある。このような場合には、監視装置150は、給電電流をI12から、I12とは異なるI13に変化させるように指示する。この指示は、端局110及び130の双方に行われてもよい。給電電流の変化は、海底ケーブルシステム100で許容された範囲内で行われることが好ましい。給電電流を変化させた後、監視装置150は(3)式及び(4)式が満たされるかどうかを調べる。(3)式及び(4)式において、V11a及びV31aは、給電電流をI13に変化させた後の給電電圧であり、閾値Vth11及びVth31は、(1)式及び(2)式の閾値Vth1及びVth3とは異なっていてもよい。
【0039】
ΔV11=|V11a-V1b|≧Vth11・・・(3)
ΔV31=|V31a-V3b|≧Vth31・・・(4)
(3)式及び(4)式が満たされる場合には、切り替え後の給電電流に応じて給電電圧が変動したと考えられるため、監視装置150は、新しい給電経路への切り替えが正常に行われたと判断してもよい。
【0040】
図10及び図11は、給電経路の切り替え結果の判断手順の例を示すフローチャートである。図10は、(1)式及び(2)式のみを用いる判断の例を示し、図11は(1)式から(4)式を用いる判断の例を示す。
【0041】
図10の手順では、まず、端局110及び端局130が、切り替え信号の送信前及び送信後の給電電圧を測定する(図10のステップS11)。上述のように、監視装置150が切り替え信号の送信タイミングを端局110及び端局130に通知することで、端局130も、端局110による切り替え信号の送信タイミングの前後で給電電圧を測定できる。
【0042】
監視装置150は端局110及び端局130から給電電圧を取得する。BU140への切り替え信号の送信前の端局110及び端局130のそれぞれの給電電圧をV1b、V3bとする。また、監視装置150は、BU140への切り替え信号の送信後の端局110及び端局130のそれぞれの給電電圧をV1a、V3aとする(S12)。続いて、監視装置150は、(1)式及び(2)式を用いて端局110及び130の給電電圧の変化を調べる(S13)。(1)式及び(2)式が満たされた場合には(S13:YES)、監視装置150は、給電経路の切り替えが正常に行われたと判断する(S14)。(1)式及び(2)式の少なくとも一方が満たされなかった場合には(S13:NO)、監視装置150は、給電経路の切り替えが正常に行われていないと判断する(S15)。
【0043】
図11の手順は、図10のステップS13において所定の閾値以上の電圧変動が確認されなかった場合に、端局に給電量の変更を指示するステップS16及びS17が含まれる点で相違する。すなわち、(1)式及び(2)式の少なくとも一方が満たされなかった場合には(図11のステップS13:NO)、監視装置150は、端局110及び130に給電量の変更を指示する(S16)。給電量の変更は、例えば、給電電流をI12からI13に増加させる指示である。監視装置150は、この指示の実行後に(3)式及び(4)式を用いて端局110及び130の給電電圧の変化を調べる(S17)。(3)式及び(4)式が満たされた場合には(S17:YES)、監視装置150は、給電経路の切り替えが正常に行われたと判断する(S14)。(3)式及び(4)式の少なくとも一方が満たされなかった場合には(S17:NO)、監視装置150は、給電経路の切り替えが正常に行われていないと判断する(S15)。
【0044】
以上説明したように、第2の実施形態の海底ケーブルシステム100は、監視装置150が収集した各端局の給電電圧の変化に基づいてBU140における給電経路の切り替え結果を判断する。このため、BU140が給電経路の切り替え結果を各端局に通知する機能を有していなくとも、監視装置150はBU140における給電経路の切り替え結果を判断できる。その結果、給電経路の切り替えに際してオペレータが各端局の情報を収集したり給電部を操作したりする必要が低減し、操作性の向上、操作時間の短縮、安全性の向上といった効果が得られる。
【0045】
なお、本発明の実施形態は以下の付記のようにも記載されうるが、これらには限定されない。
【0046】
(付記1)
給電路への給電機能を有する複数の端局と、
前記給電路を含む給電経路の切り替えを行う分岐装置と、
前記複数の端局のいずれかが前記分岐装置に給電経路を指定する切り替え信号を送信したことに応じて、前記複数の端局のそれぞれで観測される前記給電路への給電電圧を前記切り替え信号の送信の前後において比較し、比較された前記給電電圧が第1の閾値以上変動したことをもって前記分岐装置における前記給電経路の切り替え結果を判断する監視装置と、
を備える通信システム。
【0047】
(付記2)
前記監視装置は、前記複数の端局のうち前記切り替え信号で指定された給電経路を構成する端局の前記給電路の電圧を前記切り替え信号の送信の前後において比較する、付記1に記載された通信システム。
【0048】
(付記3)
前記第1の閾値は、前記指定された給電経路を構成する端局の給電路ごとに異なる、付記1又は2に記載された通信システム。
【0049】
(付記4)
前記監視装置は、
比較された前記給電路の電圧のいずれかが前記第1の閾値以上変動しない場合に、前記指定された給電経路の給電量を変動させ、
前記指定された給電経路を構成する端局の全てにおいて前記給電路の電圧が第2の閾値以上変動することをもって、前記給電経路が切り替えられたと判断する、
付記1乃至3のいずれかに記載された通信システム。
【0050】
(付記5)
前記第2の閾値は、前記指定された給電経路を構成する端局の給電路ごとに異なる、付記4に記載された通信システム。
【0051】
(付記6)
前記監視装置は前記給電経路が切り替えられたと判断しない場合にアラームを出力する、付記1乃至5のいずれかに記載された通信システム。
【0052】
(付記7)
前記監視装置は前記給電経路が切り替えられたと判断しない場合に前記複数の端局の少なくとも1つにアラーム信号を送信し、前記アラーム信号を受信した端局は、前記アラーム信号に対応するアラームを外部に出力する、付記1乃至6のいずれかに記載された通信システム。
【0053】
(付記8)
給電路への給電機能を有する複数の端局が前記給電路を含む給電経路の切り替えを行う分岐装置と接続された通信システムで用いられる監視装置であって、
通信回線を介して前記複数の端局と接続され、
前記複数の端局のいずれかが前記分岐装置に給電経路を指定する切り替え信号を送信したことに応じて、前記複数の端局のそれぞれで観測される前記給電路への給電電圧を前記切り替え信号の送信の前後において比較し、
比較された前記給電電圧が第1の閾値以上変動したことをもって前記分岐装置における前記給電経路の切り替え結果を判断する、
監視装置。
【0054】
(付記9)
給電路への給電機能を有する複数の端局が前記給電路を含む給電経路の切り替えを行う分岐装置と接続された通信システムの監視方法であって、
前記複数の端局のいずれかが前記分岐装置に給電経路を指定する切り替え信号を送信したことに応じて、前記複数の端局のそれぞれで観測される前記給電路への給電電圧を前記切り替え信号の送信の前後において比較し、
比較された前記給電電圧が第1の閾値以上変動したことをもって前記分岐装置における前記給電経路の切り替え結果を判断する、
監視方法。
【0055】
(付記10)
前記複数の端局のうち前記切り替え信号で指定された給電経路を構成する端局の前記給電路の電圧を前記切り替え信号の送信の前後において比較する、付記9に記載された監視方法。
【0056】
(付記11)
前記第1の閾値は、前記指定された給電経路を構成する端局の給電路ごとに異なる、付記9又は10に記載された監視方法。
【0057】
(付記12)
比較された前記給電路の電圧のいずれかが前記第1の閾値以上変動しない場合に、前記指定された給電経路の給電量を変動させ、
前記指定された給電経路を構成する端局の全てにおいて前記給電路の電圧が第2の閾値以上変動することをもって、前記給電経路が切り替えられたと判断する、
付記9乃至11のいずれかに記載された監視方法。
【0058】
(付記13)
前記第2の閾値は、前記指定された給電経路を構成する端局の給電路ごとに異なる、付記12に記載された監視方法。
【0059】
(付記14)
前記監視装置は前記給電経路が切り替えられたと判断しない場合にアラームを出力する、付記9乃至13のいずれかに記載された監視方法。
【0060】
(付記15)
前記監視装置は前記給電経路が切り替えられたと判断しない場合に前記複数の端局の少なくとも1つにアラーム信号を送信し、前記アラーム信号を受信した端局は、前記アラーム信号に対応するアラームを外部に出力する、付記9乃至14のいずれかに記載された監視方法。
【0061】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記の実施形態に限定されない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。例えば、各実施形態では海底ケーブルシステムに関して説明したが、本願発明は陸上の通信システムにも適用可能である。
【0062】
また、それぞれの実施形態に記載された構成は、必ずしも互いに排他的なものではない。本発明の作用及び効果は、上述の実施形態の全部又は一部を組み合わせた構成によって実現されてもよい。
この出願は、2018年7月24日に出願された日本出願特願2018-138136を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0063】
100 海底ケーブルシステム
110、120、130 端局
111 コマンド送信部
112 端局監視部
113 給電部
114、124、134 給電路
115、125、135 光伝送路
116、126、136 ケーブル
117、127、137 監視回線
140 分岐装置(BU)
150 監視装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11