(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】X線撮影装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
A61B6/00 320M
(21)【出願番号】P 2020554651
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(86)【国際出願番号】 JP2018040383
(87)【国際公開番号】W WO2020090012
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥野 智晴
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-070890(JP,A)
【文献】特開2002-360555(JP,A)
【文献】特開2018-108307(JP,A)
【文献】特開平01-141647(JP,A)
【文献】特開昭59-155236(JP,A)
【文献】特公平04-059894(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線管とX線検出器を備え、被検者をX線撮影する撮影部と、
被検者に対して音声ガイダンスを出力する音声ガイダンス部と、
前記撮影部にX線管の準備として、該X線管におけるフィラメントの加熱又は該X線管における回転陽極の回転を開始させる操作部と、
前記操作部が操作されたときに前記音声ガイダンス部による音声ガイダンスを開始させるとともに、前記操作部が操作されてから時間t1が経過後に前記X線管に対して
前記X線管の準備を開始させる制御部と、
を備えたことを特徴とするX線撮影装置。
【請求項2】
請求項1に記載のX線撮影装置において、
前記制御部は、前記時間t1を、前記音声ガイダンスに要する時間に基づいて設定するX線撮影装置。
【請求項3】
請求項2に記載のX線撮影装置において、
前記音声ガイダンスに要する時間をt2とし、前記X線管が
前記X線管の準備を開始してからX線照射が可能となるまでの時間をt3としたときに、
前記制御部は、前記時間t1を下記の式により決定するX線撮影装置。
t1=t2-t3
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のX線撮影装置において、
前記時間t1を設定するか、あるいは、前記時間t1をゼロとするかを選択可能とするX線撮影装置。
【請求項5】
請求項4に記載のX線撮影装置において、
前記音声ガイダンス部を使用するか使用しないかが選択可能であり、
前記制御部は、前記音声ガイダンス部を使用しないときには、前記時間t1をゼロとするX線撮影装置。
【請求項6】
請求項5に記載のX線撮影装置において、
前記制御部は、X線撮影時のアナトミカルプログラムに基づいて前記音声ガイダンス部を使用するか否かを決定するX線撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、X線撮影装置に関し、特に、音声ガイダンス機能を備えたX線撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被検者に対して呼吸器系の診断を行う診断用のX線撮影装置においては、被検者の呼吸のタイミングとX線撮影のタイミングを一致させることが必要となる。例えば、肺を膨らませた状態で撮影を行う胸部撮影は、被検者が大きく息を吸った状態で息止めを行い、その間にX線を照射してX線撮影を実行する必要がある。X線を照射している時間内において呼吸により肺が動くと、撮影されたX線画像にボケが生じ、診断に影響を及ぼす可能性がある。
【0003】
このため、X線撮影時に音声ガイダンスを出力することが提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。また、被検者の息止めのタイミングをサポートするため、「オートボイス」と呼ばれる音声ガイダンス機器が販売されている。この音声ガイダンス機器を使用した場合には、X線撮影装置によるX線撮影動作と連動し、X線撮影装置におけるX線準備開始スイッチを押圧するタイミングで音声ガイダンス機器より「息を吸って止めてください」というアナウンスが被検者に対し行われ、引き続きX線撮影装置のX線撮影スイッチを押圧するとX線撮影装置からX線が照射され、X線照射が完了後にX線撮影画像が取得される。このX線撮影の完了時には、音声ガイダンス機器より「撮影終了です」というアナウンスが行われる。
【0004】
また、X線撮影スイッチを押すとX線照射を1回だけ行って単一のX線画像を撮影する一般撮影とは別に、X線撮影スイッチを押し続けている間、複数のX線照射を行い、連続して複数のX線画像を撮影するシリアル撮影(serial radiography)を行う場合もある。このシリアル撮影時には、例えば、フレームレートが15fps(frames per second)であれば、15秒間の間に225回のX線撮影が行われる。
【0005】
このシリアル撮影時における音声ガイダンスでは、例えば、最初にX線撮影装置におけるX線撮影の準備ボタンが押圧された後、5秒間の間に、音声ガイダンス機器より被検者に吸気を促すアナウンスがなされる。次に、X線撮影装置のX線撮影スイッチが押圧されてX線撮影が開始される2秒間の間に、音声ガイダンス機器より被検者に息を止めるよう指示するアナウンスがなされる。そして、連続したX線撮影を継続しながら、次の5秒間の間に音声ガイダンス機器より被検者に呼気を促すアナウンスがなされ、引き続き、2秒の間に音声ガイダンス機器より被検者に息を止めるように指示するアナウンスがなされた後、次の5秒間の間に音声ガイダンス機器より被検者に呼気を促すアナウンスがなされる。そして、X線撮影装置におけるX線撮影スイッチの押圧が解除されるとともに、2秒間の間に音声ガイダンス機器より撮影が終了した旨のアナウンスがなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2000-325339号公報
【文献】特開2008-67935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、音声ガイダンス機器による音声ガイダンスは、撮影部にX線撮影の準備を開始させるための操作部である撮影準備ボタンが押圧された時点で開始され、音声ガイダンスが開始してから音声ガイダンスが終了するまでには一定の時間を要する。特に、シリアル撮影時においては、被検者が連続して複数の動作を行う必要があることから、それに伴って最初のX線撮影が開始されるまでの音声ガイダンスの時間も長くなる。
【0008】
撮影部におけるX線撮影の準備(Ready Up)動作は音声ガイダンスとともに開始していることから、音声ガイダンスの時間が長くなった場合には、撮影部の準備動作も長時間に亘って実行されることになる。撮影部におけるX線撮影の準備動作としては、例えば、X線管におけるフィラメントの加熱動作や、X線管における回転陽極の回転動作が含まれる。撮影部の準備動作も長時間に亘って実行された場合には、フィラメントが長時間加熱され続けることから、フィラメントに負荷がかかりその寿命が短くなり、あるいは、回転陽極が長時間回転し続けることから回転陽極の回転保持部におけるベアリング等が不必要に摩耗してその寿命が短くなることになる。
【0009】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、撮影部におけるX線撮影の準備時間をより短時間とすることが可能なX線撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、X線管とX線検出器を備え、被検者をX線撮影する撮影部と、被検者に対して音声ガイダンスを出力する音声ガイダンス部と、前記撮影部にX線撮影の準備を開始させるための操作部と、前記操作部が操作されたときに前記音声ガイダンス部による音声ガイダンスを開始させるとともに、前記操作部が操作されてから時間t1が経過後に前記X線管に対してX線照射の準備を開始させる制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御部は、前記時間t1を、前記音声ガイダンスに要する時間に基づいて設定する。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記音声ガイダンスに要する時間をt2とし、前記X線管がX線照射の準備を開始してからX線照射が可能となるまでの時間をt3としたときに、前記制御部は、前記時間t1を下記の式により決定する。
t1=t2-t3
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、前記時間t1を設定するか、あるいは、前記時間t1をゼロとするかを選択可能とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記音声ガイダンス部を使用するか使用しないかが選択可能であり、前記制御部は、前記音声ガイダンス部を使用しないときには、前記時間t1をゼロとする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記制御部は、X線撮影時のアナトミカルプログラムに基づいて前記音声ガイダンス部を使用するか否かを決定する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、操作部が操作されて音声ガイダンスが開始してから時間t1が経過後にX線管に対してX線照射の準備を開始させることから、撮影部におけるX線撮影の準備時間をより短時間とすることが可能となる。このため、撮影部におけるX線管の寿命が短くなることを防止することが可能となる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、音声ガイダンスに要する時間に対応させて撮影部におけるX線撮影の準備時間を短いものとすることが可能となる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、音声ガイダンスの終了時間とX線照射の準備完了時間とを一致させることが可能となる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、X線照射の準備開始時間を遅延させるか否かを選択することが可能となる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、音声ガイダンス部を使用するときにのみ、X線照射の準備開始時間を遅延させることが可能となる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、アナトミカルプログラムに基づいて音声ガイダンスを使用するか否かを決定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】この発明に係るX線撮影装置の概要図である。
【
図2】この発明に係るX線撮影装置における検診台3および撮影部4の斜視図である。
【
図4】X線撮影装置の主要な制御系を示すブロック図である。
【
図5】音声ガイダンス部5による音声ガイダンスを使用してX線撮影を実行するときの指令信号の送信状態を示すブロック図である。
【
図6】X線撮影の準備を開始させるための操作と、音声ガイダンスを開始させるための信号Aと、X線撮影の準備を開始させるための信号Bとのタイミングを示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明に係るX線撮影装置の概要図である。また、
図2は、この発明に係るX線撮影装置における検診台3および撮影部4の斜視図である。
【0024】
この発明に係るX線撮影装置は、オペレータがX線撮影操作等を実行するための操作室101に設置されたコンソール部1、操作部2および音声ガイダンス部5と、被検者Mに対して撮影を行うための撮影室100に設置された検診台3および撮影部4とを備える。撮影室100と操作室101とは、隔壁102により遮断されている。
【0025】
操作室101に設置されたコンソール部1は、液晶表示器等から構成される表示部11と、各種の操作を実行するためのキーボードやマウス等からなる操作部12とを備える。表示部11には、X線撮影画像等が表示される。このコンソール部1は、図示を省略した病院内の被検者管理システムの院内通信である院内ネットワークと接続されている。
【0026】
操作室101に配置された音声ガイダンス部5は、「オートボイス」と呼ばれる市販の音声ガイダンス機器から構成される。この音声ガイダンス部5は、被検者Mの息止めのタイミングをサポートするための音声ガイダンスを発生させるためのものであり、撮影室100の壁等に配設されたスピーカ51と接続されている。
【0027】
【0028】
この操作部2は、操作室101内において隔壁102に配設される。この操作部2は、タッチパネル式の液晶表示部22と入力ボタン24と
を有する操作パネル21と、撮影部4におけるX線管42に対するX線照射およびその準備のための信号を送信するための二段式の押しボタンスイッチ25、26を有するハンドスイッチ23とを備える。押しボタンスイッチ25は、撮影部4におけるX線管42にX線撮影の準備を開始させるためのものである。また、押しボタンスイッチ26は、X線管42よりX線を照射してX線撮影を開始するためのものである。この操作部2は、X線管42の管電圧や管電流、あるいは、X線照射時間等のX線の照射条件を設定するためにも使用される。この操作部2は、
図1に示す撮影室100に配設された高電圧発生部6と接続されている。この高電圧発生部6は、X線管42に対して、X線の照射を可能とするための高電圧を供給する。なお、この高電圧発生部6は、撮影室100内においてX線の照射を開始するために使用されるフットスイッチ20と接続されている。
【0029】
図1および
図2に示す検診台3は、被検者Mを載置する天板31と、内部にX線検出器としてのフラットパネルディテクタ(FPD)を収納したX線検出部33と、天板31およびX線検出部33を昇降するための昇降部34とを備える。X線検出部33は、
図2に示すG方向に水平移動可能となっている。また、X線検出部33は、天板31とともに、
図2に示すF方向に昇降可能となっている。
【0030】
撮影部4は、
図2に示すように、撮影室100の天井に対して互いに直交するA方向およびB方向に移動可能な基部61と、この基部61から下方に延びる支持部62と、この支持部62に対してC方向に昇降するともに、D方向に回動する移動部63と、この移動部63の下端部に軸支され、ハンドル41、X線管42およびコリメータ43を一体としてE方向に回動させる支持軸64とを備える。このため、ハンドル41、X線管42およびコリメータ43は、A、B、C、D、E方向に移動可能となっている。
【0031】
図4は、この発明に係るX線撮影装置の主要な制御系を示すブロック図である。
【0032】
高電圧発生部6には、装置全体を制御する制御部70が配設されている。この制御部70は、ソフトウエアがインストールされたコンピュータから構成される。この制御部70に含まれる各種の機能は、コンピュータにインストールされているソフトウエアを実行することで実現される。この高電圧発生部6における制御部70は、上述したコンソール部1、操作部2、検診台3、撮影部4および音声ガイダンス部5と接続されている。
【0033】
なお、
図4に示す実施形態においては、高電圧発生部6に制御部70を配設した場合について説明したが、この制御部70は、例えばコンソール部1等の、高電圧発生部6以外の部材に配設してもよく、また、その機能を複数の部材に分割して配設してもよい。また、
図4に示す実施形態においては、高電圧発生部6を介してコンソール部1、操作部2、検診台3、撮影部4および音声ガイダンス部5を接続しているが、これらの各部は、どのような形態で互いに接続されてもよい。
【0034】
このX線撮影装置は、コンソール部1、操作部2、検診台3、撮影部4および高電圧発生部6から構成される撮影機構の動作として、単一の放射線画像を撮影する一般撮影と、連続して複数の放射線画像を撮影するシリアル撮影とを実行することが可能となっている。これらの一般撮影とシリアル撮影のいずれを実行するのかは、コンソール部1の操作部12や操作部2から選択することができる。また、このX線撮影装置における音声ガイダンス部5を使用するか、使用しないかを選択することが可能となっている。すなわち、胸部撮影等を行う場合において被検者Mが息止め等を行う必要があるときには音声ガイダンス部5が使用される。一方、脚部の撮影等においては音声ガイダンス部5は使用されない。この音声ガイダンス部5を使用するか否かは、コンソール部1の操作部12や操作部2から選択することができる。なお、X線撮影時に選択されたアナトミカルプログラムに関連付けて音声ガイダンス部5を使用するか否かを決定してもよい。
【0035】
図5は、音声ガイダンス部5による音声ガイダンスを使用してX線撮影を実行するときの指令信号の送信状態を示すブロック図である。また、
図6は、X線撮影の準備を開始させるための操作と、音声ガイダンスを開始させるための信号Aと、X線撮影の準備を開始させるための信号Bとのタイミングを示すタイムチャートである。なお、
図6における横軸は、時間を示している。
図6においては、音声ガイダンスに要する時間をt2とし、X線撮影を行うためのX線管42の準備に要する時間をt3としている。
【0036】
X線撮影の開始時に撮影部4にX線撮影の準備を開始させるためにオペレータが操作部2における一段目の押しボタンスイッチ25を押圧したときには、制御部70におけるX線撮影制御部72にその信号が送信される。X線撮影制御部72は、音声ガイダンス部用信号出力部73に対して音声ガイダンスを開始させるための信号Aを送信する。これにより、音声ガイダンス部用信号出力部73から音声ガイダンス部5の音声ガイダンス出力制御部52に信号が送信され、スピーカ51から音声ガイダンスが発生される。この音声ガイダンスの種類は、X線撮影時におけるアナトミカルプログラムに基づいて選択される。なお、音声ガイダンスを予め設定するようにしてもよい。また、これと並行して、X線撮影制御部72は、X線管制御部71にX線撮影の準備を開始させるための信号Bを送信する。
【0037】
この時、
図6に示すように、撮影準備操作としての押しボタンスイッチ25の押圧動作が実行されたときには、X線撮影制御部72は、音声ガイダンス部用信号出力部73に対して、直ちに、音声ガイダンスを開始させるための信号Aを送信する。これに対して、X線撮影制御部72は、X線管制御部71に対しては、時間t1経過後に、X線撮影の準備を開始させるための信号Bを送信する。この時間t1は、下記の式に示すように、音声ガイダンスに要する時間t2からX線撮影を行うためのX線管42の準備に要する時間t3を減算した時間である。
t1=t2-t3
【0038】
このように、押しボタンスイッチ25が押圧されたのち、時間t1が経過した後にX線管42にX線撮影の準備動作を開始させることから、
図6に示すように、音声ガイダンスの終了時刻と撮影準備の終了時刻とを一致させることができる。そして、音声ガイダンスと撮影準備が終了した時点で、オペレータが二段目の押しボタンスイッチ26を押圧することにより、X線管42からX線を照射してX線撮影を実行する。
【0039】
これにより、X線撮影の準備に必要な時間が経過した直後に、X線撮影を開始することができる。このため、X線管42の準備時間も、必要最小限のものとなる。これにより、X線管42において、フィラメントが長時間加熱され続けることでフィラメントに負荷がかかりその寿命が短くなり、あるいは、回転陽極が長時間回転し続けることで回転陽極の回転保持部におけるベアリング等が不必要に摩耗してその寿命が短くなるという現象を防止することが可能となる。
【0040】
なお、上述した実施形態においては、時間t1は、音声ガイダンスに要する時間t2からX線撮影を行うためのX線管42の準備に要する時間t3を減算した時間として設定される。この時、X線撮影を行うためのX線管42の準備に要する時間t3は、一般的には一定であることから、時間t1は、音声ガイダンスに要する時間t2に基づいて設定されることになる。なお、時間t1を、音声ガイダンスに要する時間t2からX線撮影を行うためのX線管42の準備に要する時間t3を減算した時間より、ある程度大きく設定してもよい。
【0041】
また、音声ガイダンスに要する時間t2が、音声ガイダンスの種類によって異なる場合には、時間t2毎に時間t1を変更してもよく、最も長い時間t2にあわせてt1を設定してもよい。
【0042】
なお、撮影準備操作としての押しボタンスイッチ25の押圧動作が実行された後、X線管制御部71に対してX線撮影の準備を開始させるための信号Bを送信するまでの時間t1をゼロとすることを選択してもよい。例えば、音声ガイダンス部5による音声ガイダンスを使用しない場合には、オペレータがコンソール部1または操作部2を操作することにより、t1をゼロに設定すればよい。
【0043】
この時、オペレータがコンソール部1または操作部2を操作することによりX線撮影を行うためのアナトミカルプログラムを選択したときには、制御部70が選択されたアナトミカルプログラムに基づいて音声ガイダンス部5による音声ガイダンスを使用するか否かを判断するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 コンソール部
2 操作部
3 検診台
4 撮影部
5 音声ガイダンス部
6 高電圧発生部
11 表示部
12 操作部
20 フットスイッチ
23 ハンドスイッチ
25 押しボタンスイッチ
26 押しボタンスイッチ
31 天板
33 X線検出部
41 ハンドル
42 X線管
43 コリメータ
51 スピーカ
52 音声ガイダンス出力制御部
70 制御部
71 X線管制御部
72 X線撮影制御部
73 音声ガイダンス部用信号出力部
100 撮影室
101 操作室
M 被検者