(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】3次元物品を形成するための装置
(51)【国際特許分類】
B22F 12/41 20210101AFI20221004BHJP
B22F 10/36 20210101ALI20221004BHJP
B22F 10/362 20210101ALI20221004BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20221004BHJP
B29C 64/268 20170101ALI20221004BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20221004BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20221004BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20221004BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20221004BHJP
H01J 37/305 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
B22F12/41
B22F10/36
B22F10/362
B29C64/153
B29C64/268
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
H01J37/305 Z
(21)【出願番号】P 2021078613
(22)【出願日】2021-05-06
(62)【分割の表示】P 2018524796の分割
【原出願日】2016-11-08
【審査請求日】2021-05-06
(32)【優先日】2016-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513089497
【氏名又は名称】ア-カム アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ノルドクヴィスト ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】アッケリド ウルフ
【審査官】國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6537052(US,B1)
【文献】特開2015-193866(JP,A)
【文献】特開2015-176685(JP,A)
【文献】特開2015-193883(JP,A)
【文献】特開2015-168228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00- 8/00
B22F 10/00-12/90
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元物品を形成するために粉末の個々の層を継続的に積層して溶融させることを
通じて前記3次元物品を形成するための装置であって、
前記装置は、
前記粉末の加熱または溶融のうちの少なくとも1つのために電子ビームを放射する少なくとも1つの電子ビーム源であって、陰極および陽極を備える、前記少なくとも1つの電子ビーム源と、
少なくとも1つの制御ユニットと、
を備え、
前記少なくとも1つの制御ユニットは、
前記3次元物品の前記形成中に前記陰極と前記陽極との間のアクセラレータ電圧を少なくとも第1の所定の値および第2の所定の値の間で変化させ、
前記3次元物品の前記形成が第1の段階にあるときに前記アクセラレータ電圧の前記第1の所定の値を前記陰極と前記陽極との間に印加し、
前記3次元物品の前記形成が第2の段階にあるときに前記アクセラレータ電圧の前記第2の所定の値を前記陰極と前記陽極との間に印加し、前記アクセラレータ電圧の前記第1の所定の値が前記アクセラレータ電圧の前記第2の所定の値とは少なくとも10kV異な
り、
中心溶融スポットのために前記アクセラレータ電圧の前記第1の所定の値を印加し、少なくとも1つの周辺加熱スポット、同心円状加熱スポット又は少なくとも部分的に重なる加熱スポットのために前記アクセラレータ電圧の前記第2の所定の値を印加する、
ように構成される、装置。
【請求項2】
前記電子ビーム源は、グリッドをさらに備え、
グリッド電圧は、前記3次元物品の前記形成中に前記陰極と前記陽極との間の前記アクセラレータ電圧が少なくとも前記第1の所定の値および前記第2の所定の値の間で変化するにつれて、それと同期して変化する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの電子ビーム源は、第1の電子ビーム源および第2の電子ビーム源を備え、
第1のアクセラレータ電圧は、前記第1の電子ビーム源から発し、第2のアクセラレータ電圧は、前記第2の電子ビーム源から発する、
請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のアクセラレータ電圧は、第1の所定の期間にわたって前記第1の電子ビーム源から発し、
前記第2のアクセラレータ電圧は、第2の所定の期間にわたって前記第2の電子ビーム源から発し、
前記第1の所定の期間および前記第2の所定の期間は、重ならない、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記アクセラレータ電圧の前記第1の所定の値は、前記第1の所定の期間中に第1の位置において供給され、
前記アクセラレータ電圧の前記第2の所定の値は、前記第2の所定の期間中に第2の位置において供給され、
前記電子ビームは、前記第1の位置および前記第2の位置の各々において少なくとも一度スイッチオンおよびオフしている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記アクセラレータ電圧の前記第1の所定の値は、前記アクセラレータ電圧の前記第2の所定の値とは少なくとも25kV異なる、請求項1~請求項5の何れか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の段階は、第1のプロセス・ステップであり、前記第2の段階は、第2のプロセス・ステップである、請求項1~請求項6の何れか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の段階は、溶融されていない粉末の予備加熱に用いられる第1のプロセス・ステップの少なくとも1つの部分であり、前記第2の段階は、溶融されていない粉末の予備加熱に用いられる前記第1のプロセス・ステップの少なくとも1つの他の部分であり、
前記アクセラレータ電圧の前記第1の所定の値および前記第2の所定の値の間のスイッチング周波数は、走査速度の関数として可変である、請求項1~請求項7の何れか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記アクセラレータ電圧の前記第1の所定の値は、前記アクセラレータ電圧の前記第2の所定の値とは少なくとも50kV異なる、請求項1~請求項
8の何れか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末材料の個々の層を継続的に溶融させることによる3次元物品の付加製造のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自由造形または付加製造は、ワークテーブルに塗られた粉末層の選択部分の継続的な溶融を通じて3次元物品を形成するための方法である。
【0003】
付加製造装置は、3次元物品がその上に形成されることになるワークテーブル、粉末床の形成のために粉末の薄層をワークテーブル上に敷くように配置された、粉末ディスペンサまたは粉末分配器、粉末へエネルギーを送達し、それによって粉末の溶融を生じさせるための高エネルギービーム、粉末床の部分の溶融を通じて3次元物品の断面を形成するためにエネルギービームによって放出されたエネルギーを粉末床にわたって制御するための要素、および3次元物品の連続した断面に関して情報が記憶された、制御用コンピュータを備えてよい。3次元物品は、粉末ディスペンサによって継続的に敷かれた、粉末層の連続して形成された断面の連続した溶融を通じて形成される。電子ビーム融解(EBM:electron beam melting)では、高エネルギービームが1つまたは複数の電子ビームである。
【0004】
付加製造においては、短い製造時間および完成した製品の高い品質が最も重要である。最終製品の所望の材料特性は、加熱および/または溶融プロセスを制御する能力に依存しうる。このような理由でEBM技術では焼結挙動および/または融解挙動を改善することが必要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の例示的な目的は、製造される3次元物品の材料特性および/または最終製品寸法精度を向上させるために付加電子ビーム融解製造プロセスにおける焼結および/または融解挙動を迅速かつ正確に改善する方法を提供することである。上述の目的は、添付の特許請求の範囲に列挙される特徴によって達成される。
【0006】
本発明の様々な実施形態の第1の態様において、3次元物品を形成するために共に溶融される粉末材料の個々の層を継続的に積層することを通じてその物品を形成するための方法が提供され、方法は、粉末材料の加熱または溶融のうちの少なくとも1つのために電子ビームを放射する少なくとも1つの電子ビーム源を設けるステップであって、電子ビーム源が陰極および陽極を備える、ステップと、3次元物品の形成中に陰極と陽極との間のアクセラレータ電圧を少なくとも第1および第2の所定の値の間で変化させるステップと、3次元物品の形成が第1の段階またはプロセス・ステップにあるときに陰極と陽極との間にアクセラレータ電圧の第1の値を印加するステップと、3次元物品の形成が第2の段階またはプロセス・ステップにあるときには陰極と陽極との間にアクセラレータ電圧の第2の値を印加するステップであって、アクセラレータ電圧の第1の値がアクセラレータ電圧の第2の値とは少なくとも10kV異なる、ステップとを備える。
【0007】
本発明の様々な実施形態の例示的な利点は、どのプロセス・ステップが用いられることになるかに依存してアクセラレータ電圧が変化してよいことである。いくつかのプロセス
・ステップは、より高いアクセラレータ電圧を必要とすることがあり、一方で他のプロセス・ステップは、多かれ少なかれアクセラレータ電圧の影響を受けない。異なるプロセス・ステップにおいて異なるアクセラレータ電圧を印加することによって3次元物品の最終品質を改善しうる。いくつかの実施形態では、異なるアクセラレータ電圧間の断続的なスイッチングが3次元物品の形成の2つの段階の間にあってよく、両方の段階が単一のプロセス・ステップ(例えば、予備加熱、または同様のもの)内にあってもよい。
【0008】
本発明の様々な実施形態例において、第1のステップは溶融されていない粉末の予備加熱に用いられ第2のステップは粉末の溶融に用いられる、第1のステップは粉末の溶融に用いられ第2のステップはすでに溶融された粉末の後熱処理に用いられる、第1のステップは粉末の溶融に用いられ第2のステップはすでに溶融された粉末の再融解に用いられる、第1のステップは3次元物品の内側領域の溶融に用いられ第2のステップは3次元物品のコンターの溶融に用いられる、第1のステップはソリッド構造の形成に用いられ第2のステップはネット構造に用いられる、第1のステップは第1のタイプのマイクロ構造に用いられ第2のステップは第2のタイプのマイクロ構造に用いられる、第1のステップは3次元物品のための支持構造の形成に用いられ第2のステップは3次元物品の形成に用いられる、および/または第1のステップは中心融解スポットに用いられ第2のステップは少なくとも1つの周辺加熱スポットに用いられる。さらに他の実施形態において、第1の段階またはステップは、予備加熱プロセス・ステップの第1の部分であり、第2の段階またはステップは、予備加熱プロセス・ステップの第2の部分である。複数の(例えば、交互の)第1および第2の段階が単一のプロセス・ステップ内で(例えば、予備加熱プロセス内で)発生してもよい。
【0009】
少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、異なるプロセス・ステップに依存して電子ビームの侵入深さを変更してよいことである。高電子ビーム電流を用いた融解は、低電子ビーム電流を用いた融解より高いアクセラレータ電圧を必要としうる。
【0010】
本発明の様々な実施形態例において、アクセラレータ電圧の第1の値は、アクセラレータ電圧の第2の値とは少なくとも25kVまたは50kV異なる。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、3次元物品を製造するときに異なるステップ間のアクセラレータ電圧における差が変化してよいことである。
【0011】
本発明の様々な実施形態例において、陰極と陽極との間の第1および/または第2のアクセラレータ電圧は、電子ビームの偏向角の関数として変化する。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、侵入深さが、電子ビームの実際の偏向角に依存せずに所定の領域に対して一定に保たれうることである。
【0012】
本発明の様々な実施形態例において、陰極と陽極との間の第1および/または第2のアクセラレータ電圧は、すでに溶融させた3次元物品の厚さの関数として変化する。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、電子ビームの侵入深さを変更することによって薄い構造を過剰に融解させるリスクを低減しうることである。
【0013】
本発明の様々な実施形態例において、第1の位置において第1の所定のアクセラレータ電圧および第2の位置において第2の所定のアクセラレータ電圧を供給するステップであって、第1および第2の位置は、3次元物品の単一の層において互いに側方に分離される、供給するステップと、第1および第2の位置において電子ビームを少なくとも一度スイッチオンおよびオフするステップとをさらに備える。
【0014】
少なくともこの実施形態の利点は、3次元物品の異なる位置、例として、内側領域および境界領域が断続的に融解されてよいことである。ビームは、内側領域から境界領域へア
クセラレータ電圧を異なる領域に対して同時に変更しながら往復してスイッチされてよい。ここでは、内側領域により高いアクセラレータ電圧を用いて、境界領域にはより低いアクセラレータ電圧を用いることができる。
【0015】
本発明の様々な実施形態例において、電子ビームのスイッチイングオンおよびオフの周波数は、一定であるかまたは変化するのうちの1つである。少なくともこれらの実施形態の例示的な利点は、1つのタイプの融解領域から別のタイプの融解領域へスイッチするときに、アクセラレータ電圧だけでなくスイッチングの周波数も変化してよいことである。これは、エネルギー付与の精度およびフレキシビリティがさらに改善されうることを意味する。
【0016】
様々な実施形態例において、コンピュータ上で実行されたときに3次元物品を形成するために共に溶融される粉末材料の個々の層を継続的に積層することを通じてその物品を形成するための方法を実装するように構成され、配置されたプログラム要素が提供され、方法は、粉末材料の加熱または溶融のうちの少なくとも1つのために電子ビームを放射する少なくとも1つの電子ビーム源を設けるステップであって、電子ビーム源が陰極および陽極を備える、ステップと、3次元物品の形成中に陰極と陽極との間のアクセラレータ電圧を少なくとも第1および第2の所定の値の間で変化させるステップとを備える。
【0017】
本発明の様々な実施形態のさらに別の態様において、その上に記憶されたプログラム要素を有するコンピュータ可読媒体が提供される。
【0018】
本発明の様々な実施形態のさらに別の態様において、非一時的コンピュータ可読記憶媒体において具現化されたコンピュータ可読プログラムコード部分を有する少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備える非一時的コンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータ可読プログラムコード部分は、粉末材料の加熱または溶融のうちの少なくとも1つのために電子ビームを放射する少なくとも1つの電子ビーム源を制御するステップであって、電子ビーム源が陰極および陽極を備える、制御するステップのために構成された実行可能な部分、および3次元物品を形成するために共に溶融される粉末材料の個々の層を継続的に積層することによって形成されるその物品の形成中に陰極と陽極との間のアクセラレータ電圧を少なくとも第1および第2の所定の値の間で変化させるステップのために構成された実行可能な部分を備える。
【0019】
本発明の様々な実施形態のさらに別の様態において、3次元物品を形成するために粉末材料の個々の層を継続的に積層して溶融させることを通じてその物品を形成するための装置が提供される。装置は、粉末材料の加熱または溶融のうちの少なくとも1つのために電子ビームを放射する少なくとも1つの電子ビーム源であって、陰極および陽極を備える電子ビーム源、ならびに少なくとも1つの制御ユニットを備える。少なくとも1つの制御ユニットは、3次元物品の形成中に陰極と陽極との間のアクセラレータ電圧を少なくとも第1および第2の所定の値の間で変化させることと、3次元物品の形成が第1のプロセス・ステップにあるときに陰極と陽極との間にアクセラレータ電圧の第1の所定の値を印加することと、3次元物品の形成が第2のプロセス・ステップにあるときに陰極と陽極との間にアクセラレータ電圧の第2の所定の値を印加し、アクセラレータ電圧の所定の第1の値がアクセラレータ電圧の第2の所定の値とは少なくとも10kV異なることとのために構成される。
【0020】
様々な例示的な実施形態によれば、電子ビーム源は、グリッドをさらに備えてよく、それによってグリッド電圧は、3次元物品の形成中に陰極と陽極との間のアクセラレータ電圧が少なくとも第1および第2の所定の値の間で変化するにつれて、それと同期して変化する。
【0021】
様々な例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの電子ビーム源は、第1の電子ビーム源および第2の電子ビーム源を備え、第1のアクセラレータ電圧は、第1の電子ビーム源から発し、第2のアクセラレータ電圧は、第2の電子ビーム源から発する。少なくともかかる実施形態において、第1のアクセラレータ電圧は、第1の所定の期間にわたって第1の電子ビーム源から発し、第2のアクセラレータ電圧は、第2の所定の期間にわたって第2の電子ビームか源から発し、第1および第2の所定の期間は、重ならない。
【0022】
これらおよびさらに他の例示的な実施形態において、列挙される方法は、第1の所定の期間中に第1の位置において第1の所定のアクセラレータ電圧を供給するステップと、第2の所定の期間中に第2の位置において第2の所定のアクセラレータ電圧を供給するステップと、第1および第2の位置の各々において少なくとも一度電子ビームをスイッチオンおよびオフするステップとをさらに備えてよい。かかるおよびさらに他の実施形態において、第1および第2の位置は、3次元物品の単一の層において互いに側方に分離される。なおさらに、電子ビームをスイッチオンおよびオフする周波数は、一定であるかまたは変化するのうちの1つである。
【0023】
さらに他の実施形態において、陰極と陽極との間の第1または第2のアクセラレータ電圧の一方は、電子ビームの偏向角の関数として変化し、陰極と陽極との間の第1または第2のアクセラレータ電圧の他方は、すでに溶融された3次元物品の厚さの関数として変化する。
【0024】
本明細書に記載されるすべての例および例示的な実施形態は、本質的に非限定的であり、本明細書に記載される本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。なおさらに、本明細書に記載される利点は、特定の例示的な実施形態と関連して特定される場合であっても、必ずしもかかる限定的な仕方で解釈されるべきではない。
【0025】
本発明は、添付図面を参照して非限定的な方法で以下にさらに記載される。図面のいくつかの図を通して対応する同様の部分を示すために同じ参照文字が採用される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】電子ビーム源のある実施形態例を概略側面図で示す。
【
図2】
図1による電子ビーム源を有しうる3次元物品を製造するための装置のある実施形態例を概略図で示す。
【
図3】付加的に製造されることになる正方形物体の上面図を示す。
【
図4】付加的に製造される3次元物品の異なる実施形態例の断側面図を示す。
【
図5】付加的に製造される3次元物品の異なる実施形態例の断側面図を示す。
【
図6】付加的に製造される3次元物品の異なる実施形態例の断側面図を示す。
【
図7A】中心融解スポットならびに4つの周辺加熱スポットの上面図である。
【
図7B】中心融解スポットならびに同心円状加熱スポットの上面図である。
【
図8】様々な実施形態による例示的なシステム1020のブロック図である。
【
図9A】様々な実施形態によるサーバ1200の概略ブロック図である。
【
図9B】様々な実施形態による例示的なモバイルデバイス1300の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に本発明の様々な実施形態が、本発明のすべてではないがいくつかが示される、添付図面を参照して以下により十分に記載される。実際、本発明の実施形態は、多くの異なる形態で具現化されてよく、本明細書に述べられる実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、この開示が適用される法的要件を満たすことに
なるように提供される。別に定義されない限り、本明細書に用いられるすべての技術用語および科学用語は、本発明が関係する分野における当業者によって一般に知られ、理解されるのと同じ意味を持つ。用語「または(or)」は、別に示されない限り、本明細書では択一的および連言的意味の両方で用いられる。同様の番号は、全体を通じて同様の要素を指す。
【0028】
なおさらに、本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語が以下に定義される。本明細書において定義される用語は、本発明に係わる分野における当業者によって一般に理解されるような意味を持つ。「1つの(a)」、「1つの(an)」および「前記(the)」のような用語は、単数形の実体のみを指すのではなく、説明のためにその具体例が用いられてよい一般的なクラスを含むことが意図される。本明細書における用語法は、本発明の具体的な実施形態を記載するために用いられるが、それらの使用法は、特許請求の範囲に要約される以外、本発明の範囲を限定しない。
【0029】
本明細書に用いられる用語「3次元構造」などは、一般に、特定の目的に用いることが意図された(例えば、1つまたは複数の構造材料の)意図されるかまたは実際に製作された3次元構成を指す。かかる構造などは、例えば、3次元CADシステムの助けを借りて設計されてよい。
【0030】
本明細書において様々な実施形態に用いられる用語「電子ビーム」は、任意の荷電粒子ビームを指す。荷電粒子ビーム源は、電子銃、リニアアクセラレータなどを含むことができる。
【0031】
図2は、本発明による発明の方法が実装されてよい自由造形または付加製造装置21のある実施形態を示す。
【0032】
装置21は、電子ビーム源6、偏向コイル7、2つの粉末ホッパ4、14、ビルドプラットフォーム2、ビルドタンク10、粉末分配器28、粉末床5、および真空チャンバ20を備える。
【0033】
真空チャンバ20は、真空システムを介して真空環境を維持することが可能であり、真空システムは、当業者によく知られ、それゆえにこの文脈ではさらなる説明を必要としないターボ分子ポンプ、スクロールポンプ、イオンポンプおよび1つ以上のバルブを備えてよい。真空システムは、制御ユニット8によって制御される。
【0034】
電子ビーム源6は、粉末を予備加熱するため、ビルドプラットフォーム2上に供給された粉末材料を共に融解するかまたは溶融させるため、あるいはすでに溶融された粉末材料の後加熱処理のために用いられる電子ビームを発生させている。電子ビーム源6の少なくとも一部分は、真空チャンバ20中に設けられてよい。制御ユニット8は、電子ビーム源6から放射された電子ビームを制御し、管理するために用いられてよい。少なくとも1つの集束コイル(図示されない)、少なくとも1つの偏向コイル7、非点収差補正のための随意的なコイル(図示されない)および電子ビーム電源(図示されない)が制御ユニット8へ電気的に接続されてよい。本発明のある実施形態例において、電子ビーム源6は、約5~100kVの可変アクセラレータ電圧および2~15kWの範囲内のビーム出力をもつ集束可能な電子ビームを発生させてよい。エネルギービームを用いて粉末層ごとに溶融させることによって3次元物品を造形しているときに、真空チャンバ中の圧力は、1×10-3mbar以下であってよい。
【0035】
粉末ホッパ4、14は、ビルドタンク10中のビルドプラットフォーム2上に供給されることになる粉末材料を備える。粉末材料は、例として、純金属または金属合金、例えば
、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、Co-Cr合金、ニッケル基超合金などであってよい。
【0036】
粉末分配器28は、ビルドプラットフォーム2上に粉末材料の薄層を敷くように配置される。ワークサイクル中に、ビルドプラットフォーム2は、真空チャンバ中で固定点に対して継続的に下降されるであろう。この移動を可能にするために、ビルドプラットフォーム2は、本発明の一実施形態では垂直方向に、すなわち、矢印Pで示された方向に移動できるように配置される。これは、必要な厚さの第1の粉末材料層が敷かれた、初期位置においてビルドプラットフォーム2が出発することを意味する。ビルドプラットフォーム2を下降させるための手段は、例として、歯車、調整ねじなどを装備したサーボエンジンを用いてよい。サーボエンジンは、制御ユニット8へ接続されてよい。
【0037】
電子ビームは、3次元物品3の第1の断面を形成するためにビルドプラットフォーム2上に導かれて第1の粉末層を選択された位置で溶融させてよい。ビームは、制御ユニット8によって与えられた命令からビルドプラットフォーム2上に導かれてよい。制御ユニット8では、3次元物品の層ごとに電子ビームをどのように制御するかに関する命令が記憶されてよい。3次元物品3の第1の層がビルドプラットフォーム2上に造形されてよく、粉末床5中または随意的な開始プレート16上で取り外し可能であってよい。開始プレート16は、ビルドプラットフォーム2上に直接に、またはビルドプラットフォーム2上に設けられた粉末床5の上部に配置されてよい。
【0038】
第1の層、すなわち、3次元物品の第1の層を作るための粉末材料の溶融が終了した後に、第2の粉末層がビルドプラットフォーム2上に設けられる。第2の層の厚さは、第1の層が造形された位置に対してビルドプラットフォームが下降された距離によって決定されてよい。第2の粉末層は、様々な実施形態において前の層と同じ仕方に従って分配される。しかしながら、同じ付加製造マシンにおいて粉末をワークテーブル上へ分配するための代わりの方法があってもよいであろう。例として、第1の層が第1の粉末分配器28を介して設けられてよく、第2の層が別の粉末分配器によって設けられてよい。粉末分配器の設計は、制御ユニット8からの命令に従って自動的に変更される。単一のレーキシステムの形態、すなわち、左の粉末ホッパ4および右の粉末ホッパ14の両方から落ちてくる粉末を1つのレーキがとらえる形態の粉末分配器28は、レーキをそのように設計変更できる。
【0039】
第2の粉末層をビルドプラットフォーム上に分配した後に、エネルギービームが3次元物品の第2の断面を形成するためにワークテーブル上に導かれて第2の粉末層を選択された位置で溶融させる。第2の層における溶融部分が第1の層の溶融部分へ接合されてもよい。第1および第2の層における溶融部分が最上層における粉末を融解させるだけでなく、最上層の直下の層の厚さの少なくとも何分の1かを再融解させることによって共に融解されてもよい。
【0040】
粉末が予備加熱プロセス中にわずかに焼結されることを許容してよい。予備加熱プロセスは、3次元物品の所定の断面を作り出すための粉末材料の実際の溶融より前に生じている。予備加熱は、粉末材料の導電率を増加させるか、および/または粉末材料の使用温度を所定の温度範囲内に上昇させるために行われてよい。
【0041】
図1は、本発明の方法が実装されてよい電子ビーム源の例示的な実施形態を概略図で示す。電子ビーム源100は、陰極102、グリッド104および陽極106を備える。負電位にある陰極102から放射された電子が陽極106および最終的にターゲット表面118に向かって加速される。グリッド104は、陰極102から所定の距離に設置される。陰極102に、陰極を加熱しうる電圧が供給されてよく、その結果、陰極102が熱電
子放出によって電子を放出する。
【0042】
可変アクセラレータ電圧160が陰極と陽極106との間に供給される。可変アクセラレータ電圧160は、陰極102から放射された電子を陽極106の方へ加速させて、結果として、電子ビーム120を確立する。電子ビーム120は、付加製造プロセスにおける粉末層であってよい、基板表面118上に衝突しうる。電子ビームを導いて集束させるために、少なくとも1つの集束コイルおよび少なくとも1つの偏向コイルがさらに配置されてよい。
【0043】
電子ビーム源100では、陰極102と陽極106との間にグリッド104が設けられる。グリッド104は、開口部を有するプレートとして配置されてよい。開口部は、陰極102とアラインされてよい。グリッド104における開口部のサイズがグリッド104の位置における電子ビーム120の断面に対応してもよい。
【0044】
グリッド電圧180は、グリッド104と陰極102との間に供給されてよく、さらに負の阻止電圧と全出力電圧との間で調整されてよく、それによって電子ビーム電流を0~最大電子ビーム電流の間で調整しうる。
図1において、陰極102に、-20kV~100kVの負電位が供給されてよい。可変アクセラレータ電圧160の第1の接続点110およびグリッド電圧180の第1の接続点114は、-20kV~100kVの同じ電位に固定されてよい。アクセラレータ電圧160の第2の接続点108に、接地電位が供給されてよい。グリッド電圧180の第2の接続点112は、負の阻止電圧と全出力電圧との間で変化してよい。第2の制御ユニット150は、アクセラレータ電圧および電子ビーム電流を所望の値に調整するために、可変アクセラレータ電圧の第1の接続点110およびグリッド電圧の第2の接続点112上の電圧を制御していてよい。第2の制御ユニット150は、制御ユニット8と接続した物理的に個別の制御ユニットであっても、または制御ユニット8と完全に一体化されてもよい。
【0045】
ターゲット表面118は、接地電位または正電位に設定されてよい。電子ビーム源100は、実際の電子ビーム電流を検出するための手段170を備えてもよい。ターゲット表面上の電子ビーム電流を検出するための手段例は、
図1にボックス170で示される、アクセラレータ電圧160を供給する高圧源の実際の負荷を検出することであってよい。これは、それぞれ第1および第2の接続点110および108の間を通る電子ビームを単に測定することによってなされてよい。
【0046】
陰極に-60kVの負電圧が供給される場合には、負の阻止電圧は、およそ-61kVであってよく、すなわち、グリッド104によって電子を阻止するためにグリッド電圧の第2の接続点112が-61kVに設定され、第1の接続点114が-60kVに設定される。第2の接続点112における負の阻止電圧が減少し始める場合には、陰極から放射された電子のうちのいくらかがグリッド104を通過するのを許容されることになろう。この実施形態例では、陰極に-60kVの一定の負電位が供給されたときに、グリッド電圧を-61kV~-60kVの間で変化させることによって、電子ビーム電流が0mA~最大電子ビーム電流に変化してよく、最大電子ビーム電流は、陰極の所定のサイズおよび形状ならびにグリッド104における開口部の所定のサイズおよび形状に対して25mAであってよい。他のアクセラレータ電圧ならびに/または陰極の他のサイズ、形状、および放射率ならびに/またはグリッドにおける開口部の他のサイズおよび形状は、最大電子ビーム電流が例示される25mAより高いかまたは低いように影響を与えうる。
【0047】
本発明の様々な実施形態例によれば、3次元物品の形成が第1のプロセス・ステップにあるときに、第1のアクセラレータ電圧が陽極と陰極との間に印加され、3次元物品の形成が第2のプロセス・ステップにあるときには、第2のアクセラレータ電圧が陽極と陰極
との間に印加される。
【0048】
少なくとも1つのグリッドを用いたある実施形態例では、アクセラレータ電圧160およびグリッド電圧180は、互いに同期される。アクセラレータ電圧160が、第1のプロセス・ステップにおいて、最初に第1の値、例として、75kVに設定される場合には、グリッド電圧180は、ゼロ電子ビーム電流に対する約76kVから最大電子ビーム電流に対する75kVへ変化してよい。アクセラレータ電圧が、第2のプロセス・ステップにおいて、第1の値の75kVから第2の値、例として50kVへ変更される場合には、グリッド電圧180もゼロ電子ビーム電流に対する約51kVから最大電子ビーム電流に対する50kVへ変化するように変更されてよい。言い換えれば、印加される第1のグリッド電圧が第1のアクセラレータ電圧に等しいときに第1のアクセラレータ電圧が最大電子ビーム電流を有しうるのに対して、印加される第2のグリッド電圧が第2のアクセラレータ電圧に等しいときには第2のアクセラレータ電圧が最大電子ビーム電流を有しうる。
【0049】
ある実施形態例によれば、第1のプロセス・ステップは、例として溶融されていない粉末の予備加熱であってよい。予備加熱中に、例えば、25~55kVの間の比較的低いアクセラレータ電圧が用いられてよい。第2のプロセス・ステップは、例として3次元物品の断面を作り出すための粉末材料の溶融であってよい。溶融中に、アクセラレータ電圧は、例えば、55~100kVの間と比較的高くてよい。より高いアクセラレータ電圧は、粉末層の適切な融解をすでに溶融された下層の再融解とともに確実にしうる電子ビームの侵入深さを増加させる。
【0050】
第1のプロセス・ステップは、粉末の溶融であってよく、第2のステップは、すでに溶融された粉末の後熱処理であってよい。溶融中に、アクセラレータ電圧は、例えば、55~100kVの間と比較的高くてよい。より高いアクセラレータ電圧は、粉末層の適切な融解をすでに溶融された下層の再融解とともに確実にしうる電子ビームの侵入深さを増加させる。後熱処理中に、アクセラレータ電圧は、例えば、25~55kVの間と比較的低くてよい。後熱処理中に、電子ビームの品質は、溶融ステップ中のようには重要でない。それゆえに、後熱処理中には低アクセラレータ電圧が用いられるとよく、その後熱処理がすでに造形された3次元物品を所定の温度間隔内に維持するのに役立つ。
【0051】
第1のプロセス・ステップは、粉末材料の溶融であってよく、第2のステップは、すでに溶融された粉末の再融解であってよい。溶融中に、アクセラレータ電圧は、例えば、55~100kVの間と比較的高くてよい。より高いアクセラレータ電圧は、粉末層の適切な融解をすでに溶融された下層の再融解とともに確実にしうる電子ビームの侵入深さを増加させる。再融解ステップ中に、アクセラレータ電圧は、例えば、25~55kVの間と比較的低くてよい。
【0052】
第1のプロセス・ステップは、3次元物品の内側領域の溶融であってよく、第2のプロセス・ステップは、3次元物品のコンターの溶融であってよい。
図3は、付加的に製造されることになる正方形物体の上面図を示す。正方形物体は、コンター310によって囲まれた内側領域320を有する。内側領域は、40~55kVの間の第1のアクセラレータ電圧で溶融されてよく、コンターは、55~100kVの間の第2のアクセラレータ電圧で溶融されてよい。内側領域320と比較してコンター310の方がより高いアクセラレータ電圧を用いる理由は、3次元物品の内側領域320と比較してその外周(コンター)を溶融させるにはより高い精度が必要とされ、すなわち、内側領域320の任意の部分を融解させるのと比較してコンター310にはより小さくて、より輪郭のはっきりした融解スポットが必要でありうるということである。
【0053】
第1のステップは、ソリッド構造を形成するために用いられてよく、第2のステップは
、ネット構造を形成するために用いられてよい。ソリッド構造の溶融中に、アクセラレータ電圧は、65~100kVの間にあってよいのに対して、ネット構造の溶融中には、アクセラレータ電圧は、40~65kVの間にあってよい。
図5は、3次元物品500の断側面図を示す。3次元物品500は、ソリッド部分510およびネット構造部分520を備える。ネット構造は、ソリッド構造を溶融させるのと比較してより低いアクセラレータ電圧を用いて溶融されてよい。その理由は、侵入深さがネット構造自体の寸法に制限されることが必要であるかもしれず、このため、高過ぎるアクセラレータ電圧を用いることができないということである。
【0054】
第1のステップは、第1のタイプのマイクロ構造に用いられてよく、第2のステップは、第2のタイプのマイクロ構造に用いられてよい。3次元物品の異なる領域へ異なるマイクロ構造を導入するために異なるアクセラレータ電圧が必要条件でありうる。40~65kVの間のアクセラレータ電圧に対して第1のタイプのマイクロ構造が3次元物品に導入されてよく、65~100kVの間のアクセラレータ電圧に対して第2のタイプのマイクロ構造が3次元物品に導入されてよい。
【0055】
第1のステップは、支持構造を形成するために用いられてよく、第2のステップは、3次元物品を形成するために用いられてよい。支持構造は、ほとんど任意のアクセラレータ電圧を用いて造形されてよいのに対して、3次元物品は、所定の材料特性を達成する必要がある。このため、支持構造を造形するためにできるだけ低い電圧が用いられるとよく、一方で3次元物品は、所定の材料特性を満たすために所定の範囲のアクセラレータ電圧を用いる必要がある。
図6では、3次元物品600の断側面図が示される。3次元物品600は、最終構造610および支持構造620を備える。支持構造620は、ネガティブ表面を支持するため、および最終物品610から熱を排出するために製造中にのみ用いられる。支持構造610は、最終物品610から除去されることになる。支持構造は、支持構造620の最終物品610からの除去を容易にするであろう内蔵されたマイクロクラックおよび/または欠陥を伴って製造されてよい。
【0056】
第1のステップは、中心融解スポットに用いられてよく、第2のステップは、少なくとも1つの周辺加熱スポットに用いられてよい。
図7Aは、中心融解スポット710ならびに4つの周辺加熱スポット720、730、740および750を示す。中心融解スポットの走査方向は、矢印760で示される。中心融解スポット710は、例えば、65~100kVの間の比較的高いアクセラレータ電圧で粉末材料を融解させてよい。周辺加熱スポット720、730、740および750は、例えば、40~55kVの間の比較的低いアクセラレータ電圧を用いてよい。第1の周辺加熱スポット720は、中心融解スポット710が粉末材料を融解させる前に、溶融されていない粉末材料を加熱している。第2の周辺スポット730および第3の周辺スポット750は、中心融解スポット710によって生じた融解プールに近接近した粉末材料を加熱している。第2の周辺スポット730および第3の周辺スポット750は、融解プールと溶融されていない粉末との間の温度勾配を均しうる。第4の周辺スポット740は、すでに溶融された粉末材料を加熱している。第4のスポット740は、冷却時間が増すのを助け、それによって材料特性を改善する。
【0057】
第1のステップは、中心融解スポットに用いられてよく、第2のステップは、少なくとも1つの同心円状または部分的に重なった加熱スポットに用いられてよい。
図7Bは、中心融解スポット810ならびに同心円状加熱スポット820を示す。中心融解スポットの走査方向は、矢印860で示される。中心融解スポット810は、例えば、65~100kVの間の比較的高いアクセラレータ電圧で粉末材料を融解させてよい。いくつかの実施形態において、比較的高いアクセラレータ電圧は、2kV超の任意の値である。同心円状(または、図示されない部分的に重なった)加熱スポット820は、例えば、40~55
kVの間の比較的低いアクセラレータ電圧を用いてよい。いくつかの実施形態において、比較的高いアクセラレータ電圧は、2kV未満の任意の値である。部分的に重なっていれば、融解および加熱スポット810、820が同じサイズであってもよい。同心円状であれば、2つのスポットが異なるサイズであり、2つのうちで加熱スポットの方が大きいことになる。いくつかの部分的に重なった実施形態では、融解および加熱スポットが異なるサイズであってもよい。これらおよびさらに他の実施形態のいずれにおいても、高および低アクセラレータ電圧の間のスイッチング周波数は、100Hz~20kHzの間であってよい。従って、単位時間当たりの密度が電流の増加、より小さいスポットの使用、および/またはより遅い走査速度の使用なしに増加される。
【0058】
別の実施形態例によれば、第1のプロセス・ステップおよび第2のプロセス・ステップは、例として溶融されていない粉末の予備加熱の個別的なサブセットであってよい。予備加熱ステップでは、非限定的な例として、例えば、25~55kVの間の比較的低いアクセラレータ電圧が最初に選択されてよい。いくつかの実施形態において、比較的低いアクセラレータ電圧は、2kVと低くてよい。これらの実施形態では、まだ予備加熱ステップにある間に、比較的低いアクセラレータ電圧が、例えば、55~100kVの間の高いアクセラレータ電圧へスイッチされてよい。いくつかの実施形態において、高いアクセラレータ電圧は、2kV超のいずれか、しかしながら、好ましくは50kV以上であってよい。少なくとも1つの実施形態において、比較的低いアクセラレータ電圧は、2kV未満のいずれかであり、高いアクセラレータ電圧は、2kV超のいずれかである。
【0059】
有利には、予備加熱ステップ内で比較的低いおよび高いアクセラレータ電圧の間のスイッチングが発生する場合には、衝撃電子のエネルギーに依存して各材料が2次電子を別様に放射するであろう。非限定的な例として、電子が低いエネルギーを有するならば、1つの衝撃電子が1つより多い電子を放射することになるため、粉末材料は、正に帯電するであろう。しかしながら、衝撃電子が高いエネルギー(例えば、50kV超)を有するならば、粉末材料は、負に帯電するであろう。別の言い方をすれば、(例えば、2kV未満の)比較的低いアクセラレータ電圧が用いられるときに、2次電子放出収率が1より大きく、正に帯電した粉末材料をもたらし、他方では(例えば、2kV超の)高アクセラレータ電圧が用いられたときに、2次電子放出収率が1より小さく、負に帯電した粉末材料をもたらす。
【0060】
従って、単一の電子ビーム源の使用を通じて、そのアクセラレータ電圧が高および低アクセラレータ電圧値の間で十分速くスイッチされるならば、粉末材料の平均帯電密度は、ゼロになりうる。かかるシナリオでは、有利には粉末材料内の粒子間に反発力が存在しないことになり、別の言い方をすれば、粉末粒子が中性の平均荷電特性を示すであろう。注目すべきことに、少なくともこれらの実施形態では、粉末材料中に存在している正または負の誘導電荷密度を中性化するためにスイッチング周波数が十分高くなければならない。非限定的な例として、スイッチング周波数が走査速度に適合されて、例えば、走査速度が速いほどスイッチング周波数が高くてよい。少なくとも1つの例示的な実施形態において、スイッチング周波数は、少なくとも1kHzである。
【0061】
上に詳述された例示的な実施形態において、第1および第2のアクセラレータ電圧は、単一の電子ビーム源から発してよい。代わりに、第1および第2のアクセラレータ電圧は、それぞれ第1および第2の電子ビーム源から発してもよい。
【0062】
第1および第2のアクセラレータ電圧からのビームスポット出力は、等しくてよい。ある実施形態例において、第1および第2のアクセラレータ電圧は、少なくとも10kV互いに異なる。別の実施形態例では、第1および第2のアクセラレータ電圧は、少なくとも25kV互いに異なる。さらに別の実施形態例では、第1および第2のアクセラレータ電
圧は、少なくとも50kV互いに異なる。
【0063】
第1および/または第2のアクセラレータ電圧は、固定値であってよく、例えば、全内側領域が第1の固定アクセラレータ電圧によって融解されてよく、コンターが第2の固定アクセラレータ電圧によって融解されてよく、これら第1および第2のアクセラレータ電圧は、少なくとも10kV互いに異なる。
【0064】
別の実施形態例では、アクセラレータ電圧は、電子ビームの偏向角の関数として変化してよい。第1のアクセラレータ電圧が電子ビームのゼロ偏向のために印加されてよい。偏向が増加するにつれて、アクセラレータ電圧が増加してよい。例として、これは、内側領域内で異なる位置が異なるアクセラレータ電圧で融解されてよいことを意味する。同じことがコンターについて当て嵌まりうる。電子ビームの偏向の度合いに依存してコンター上の異なる位置が異なるアクセラレータ電圧によって融解されてよい。これらおよびさらに他の実施形態において、アクセラレータ電圧のスイッチング周波数は、走査速度の関数として、例えば、走査速度が速いほどスイッチング周波数が高く変化してもよい。
【0065】
別の実施形態例では、アクセラレータ電圧がすでに溶融された3次元物品の厚さの関数として変化してよい。
図4は、付加的に製造される3次元物品400のある実施形態例の断側面図を示す。3次元物品400は、厚さD1を有する第1の部分410および厚さD2を有する第2の部分420を備える。溶融されていない粉末は、430で示される。溶融されることになる粉末層470が第1の部分より上にあるときには第1の電子ビーム440を第1のアクセラレータ電圧で、および第2の部分420より上にあるときには第2の電子ビーム450を第2のアクセラレータ電圧で用いてよい。第1および第2の電子ビームは、まったく同じ電子ビーム源から、または異なる電子ビーム源から発してよい。第1の電子ビーム440は、第2の電子ビーム450より高いアクセラレータ電圧を有しうる。第2の電子ビーム450のアクセラレータ電圧は、第2の部分420の厚さD2の関数として変化してよい。厚さが所定の厚さより小さい限り、アクセラレータ電圧は、すでに溶融された厚さの関数として変化する。所定の厚さは、50mmであってよい。50mmより大きい厚さに対しては、固定アクセラレータ電圧が用いられてよい。厚さは、粉末層470を融解させることになる電子ビームスポットの直下のすでに溶融された材料の厚さである。厚さは、均質な厚さであっても、または溶融されていない材料を間に有する個別に融解された部分の合計であってもよい。
【0066】
アクセラレータ電圧は、偏向角および/またはすでに溶融された粉末材料の厚さの関数として、線形関数、多項式関数または指数関数によって変化してよい。
【0067】
第1および第2のアクセラレータ電圧が単一の走査線に用いられてもよく、すなわち、最初に内側領域が走査線の第1の部分において第1のアクセラレータ電圧で、およびコンターが走査線の第2の部分において第2のアクセラレータ電圧で融解されてよい。
【0068】
ある代わりの実施形態では、第1および第2のアクセラレータ電圧が断続的に用いられ、すなわち、最初に第1のアクセラレータ電圧が第1の所定の期間用いられて、次に第2のアクセラレータ電圧が所定の期間用いられる。第1のアクセラレータ電圧が用いられた領域から第2のアクセラレータ電圧が用いられることになる領域へ電子ビームが再配置される時間中には電子ビームがスイッチオフされてよい。このように、第1および第2のプロセス・ステップ、例としてコンターおよび内側領域が2つの異なるアクセラレータ電圧を用いることによって断続的に融解されてよい。オンオフ・スイッチング周波数は、一定でも変化してもよい。電子ビームのデューティサイクルは、一定でも変化してもよい。いくつかの実施形態では、異なるアクセラレータ電圧間の断続的なスイッチングが3次元物品の形成の2つの段階の間にあってよく、両方の段階が単一のプロセス・ステップ(例え
ば、予備加熱、または同様のもの)内にあってよい。
【0069】
本発明の別の態様では、コンピュータ上で実行されたときに3次元物品を形成するために共に溶融される粉末材料の個々の層を継続的に積層することを通じてその物品を形成するための方法を実装するように構成され、配置されたプログラム要素が提供され、方法は、粉末材料の加熱および/または溶融のために電子ビームを放射する少なくとも1つの電子ビーム源を設けるステップであって、電子ビーム源が陰極、陽極、および陰極と陽極との間のグリッドを備える、設けるステップと、3次元物品の形成が第1のプロセス・ステップにあるときに電子ビーム源を第1のモードで制御するステップと、3次元物品の形成が第2のプロセス・ステップにあるときに電子ビーム源を第2のモードで制御するステップとを備え、電子ビーム源からの電子ビーム電流は、第1のモードではフィードフォワードモードで制御され、電子ビーム電流は、第2のモードではフィードバックモードで制御される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体にインストールされてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、制御ユニット8、制御ユニット150、または別の分離した個別的な制御ユニットであってよい。コンピュータ可読記憶媒体およびプログラム要素は、それらの中に具現化されたコンピュータ可読プログラムコード部分を備えてよく、非一時的コンピュータプログラム製品内にさらに含まれてよい。以下では、これらの特徴および構成に関するさらなる詳細が順次に提供される。
【0070】
上述のように、本発明の様々な実施形態は、非一時的コンピュータプログラム製品としてを含めて、様々な方法で実装されてよい。コンピュータプログラム製品は、アプリケーション、プログラム、プログラムモジュール、スクリプト、ソースコード、プログラムコード、オブジェクトコード、バイトコード、コンパイル済みコード、解釈済みコード、機械語、実行可能な命令、ならびに/または(実行可能な命令、実行のための命令、プログラムコードおよび/もしくは本明細書では同義で用いられる同様の用語でも本明細書では呼ばれる)同様のものを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含んでよい。かかる非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、(揮発性および不揮発性媒体を含めて)すべてのコンピュータ可読媒体を含む。
【0071】
一実施形態において、不揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートストレージ(SSS:solid state storage)(例えば、ソリッドステートドライブ(SSD:solid state drive)、ソリッドステートカード(SSC:solid state card)、ソリッドステートモジュール(SSM:solid state module))、エンタープライズフラッシュドライブ、磁気テープ、もしくは他の任意の非一時的磁気媒体、および/または同様のものを含んでよい。不揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、パンチカード、紙テープ、光学式マークシート(または孔もしくは他の光学的に認識可能なしるしのパターンをもつ他の任意の物理媒体)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM:compact disc read only memory)、コンパクトディスク書き換え可能コンパクトディスク(CD-RW:compact disc-rewritable)、デジタルバーサタイルディスク(DVD:digital versatile disc)、ブルーレイディスク(BD:Blu-ray(登録商標) disc)、他の任意の非一時的光媒体、および/または同様のものも含んでよい。かかる不揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、リードオンリメモリ(ROM:read-only memory)、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM:programmable ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM:erasable PROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM:electrically erasable PROM)、フラッシュメモリ(例えば、シリアル、NAND、NOR、および/または同様のもの)、マルチメディアメモリカード(MMC:multimedia mem
ory card)、セキュアデジタル(SD:secure digital)メモリカード、スマートメディアカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CF:CompactFlash)カード、メモリスティック、および/または同様のものも含んでよい。さらに、不揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、導電性ブリッジングランダムアクセスメモリ(CBRAM:conductive-bridging RAM)、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM:phase-change RAM)、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FeRAM:ferroelectric RAM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM:nonvolatile RAM)、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM:magnetoresistive RAM)、抵抗変化型ランダムアクセスメモリ(RRAM(登録商標):resistive RAM)、シリコン-酸化物-窒化物-酸化物-シリコンメモリ(SONOS:Silicon-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon memory)、浮遊接合ゲートランダムアクセスメモリ(FJG RAM:floating junction gate RAM)、ミリピードメモリ、レーストラックメモリ、および/または同様のものも含んでよい。
【0072】
一実施形態において、揮発性コンピュータ可読記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:dynamic RAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:static RAM)、高速ページモードダイナミックランダムアクセスメモリ(FPM DRAM:fast page mode DRAM)、拡張データ出力ダイナミックランダムアクセスメモリ(EDO DRAM:extended data-out DRAM)、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM:synchronous DRAM)、ダブルデータレートシンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR SDRAM:double data rate SDRAM)、ダブルデータレートタイプ2シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR2 SDRAM:DDR type two SDRAM)、ダブルデータレートタイプ3シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR3 SDRAM:DDR type three SDRAM)、Rambusダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM:Rambus DRAM)、ツインセルトランジスタRAM(TTRAM:Twin Transistor RAM)、サイリスタRAM(T-RAM:Thyristor RAM)、ゼロキャパシタ(Z-RAM)、Rambusインラインメモリモジュール(RIMM:Rambus in-line memory module)、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM:dual in-line memory module)、シングルインラインメモリモジュール(SIMM:single in-line memory module)、ビデオランダムアクセスメモリ(VRAM:video RAM)、(様々なレベルを含む)キャッシュメモリ、フラッシュメモリ、レジスタメモリ、および/または同様のものを含んでよい。実施形態がコンピュータ可読記憶媒体を用いるように記載される場合には、他のタイプのコンピュータ可読記憶媒体が上記のコンピュータ可読記憶媒体に置き換えられるか、またはそれに加えて用いられてよいことが理解されよう。
【0073】
当然のことながら、本明細書の他のところに記載されたように、本発明の様々な実施形態は、方法、装置、システム、コンピューティングデバイス、コンピューティングエンティティ、および/または同様のものとして実装されてよい。そのように、本発明の実施形態は、いくつかのステップまたは動作を行うためにコンピュータ可読記憶媒体上に記憶された命令を実行する、装置、システム、コンピューティングデバイス、コンピューティングエンティティ、および/または同様のものの形態をとってよい。しかしながら、本発明の実施形態は、いくつかのステップまたは動作を行う完全にハードウェアの実施形態の形態をとってもよい。
【0074】
様々な実施形態が装置、方法、システムおよびコンピュータプログラム製品のブロック図およびフローチャート説明図を参照して以下に記載される。従って、理解すべきは、ブロック図およびフローチャート説明図の各ブロックがコンピュータプログラム製品、完全にハードウェアの実施形態、ハードウェアとコンピュータプログラム製品との組み合わせ、装置、システム、コンピューティングデバイス、コンピューティングエンティティ、および/または実行のためにコンピュータ可読記憶媒体上で命令、動作、ステップ、および同義で用いられる同様のことば(例えば、実行可能な命令、実行のための命令、プログラムコード、および/または同様のもの)を実施する同様のものの形態で実装されてよいことである。例えば、コードの検索、ローディング、および実行は、一度に1つの命令が検索され、ロードされ、実行されるように順次に行われてよい。いくつかの例示的な実施形態において、検索、ローディング、および/または実行は、複数の命令が共に検索され、ロードされ、および/または実行されるように並行して行われてよい。従って、かかる実施形態は、ブロック図およびフローチャート説明図において指定されたステップまたは動作を行う特別に構成されたマシンを作り出すことができる。それに応じて、ブロック図およびフローチャート説明図は、指定された命令、動作、またはステップを行うための実施形態の様々な組み合わせをサポートする。
【0075】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読メモリに記憶された命令がフローチャートの1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能性を実装するためのコンピュータ可読命令を含んだ製造品を作り出すような、特定の仕方でコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置が機能するように指示できるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよい。コンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行する命令がフローチャートの1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能を実装するための動作を提供するようなコンピュータ実装プロセスを作り出すように、一連の動作ステップがコンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で行われるようにするためにコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上へロードされてもよい。
【0076】
それに応じて、ブロック図およびフローチャート説明図のブロックが指定された機能を行うための様々な組み合わせ、指定された機能を行うための動作の組み合わせ、および指定された機能を行うためのプログラム命令をサポートする。同様に理解すべきは、ブロック図およびフローチャート説明図の各ブロック、ならびにブロック図およびフローチャート説明図におけるブロックの組み合わせが指定された機能もしくは動作を行う専用ハードウェアベースコンピュータシステム、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装されうることである。
【0077】
図8は、本発明の様々な実施形態と併せて用いることができる例示的なシステム1020のブロック図である。少なくとも示された実施形態において、システム1020は、すべてが1つ以上のネットワーク1130を介して中央サーバ1200(または制御ユニット)と通信を行うように構成された、1つ以上の中央コンピューティングデバイス1110、1つ以上の分散したコンピューティングデバイス1120、および1つ以上の分散したハンドヘルドもしくはモバイルデバイス1300を含んでよい。
図8は、様々なシステムエンティティを分離したスタンドアローンエンティティとして示すが、様々な実施形態は、この特定のアーキテクチャに限定されない。
【0078】
本発明の様々な実施形態によれば、1つ以上のネットワーク1130は、いくつかの第2世代(2G:second-generation)、2.5G、第3世代(3G:third-generation)および/または第4世代(4G:fourth-generation)移動通信プロトコル、または同様のもののうちの任意の1つ以上に従
って通信をサポートすることが可能でありうる。より詳しくは、1つ以上のネットワーク1130は、2G無線通信プロトコルIS-136(TDMA)、GSM(登録商標)、およびIS-95(CDMA)に従って通信をサポートすることが可能でありうる。さらに、例えば、1つ以上のネットワーク1130は、2.5G無線通信プロトコルGPRS、エンハンストデータGSM環境(EDGE:Enhanced Data GSM Environment)、または同様のものに従って通信をサポートすることが可能でありうる。加えて、例えば、1つ以上のネットワーク1130は、3G無線通信プロトコル、例えば、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標):Wideband Code Division Multiple Access)無線アクセス技術を採用したユニバーサル移動電話システム(UMTS:Universal Mobile Telephone System)ネットワークに従って通信をサポートすることが可能でありうる。いくつかの狭帯域AMPS(NAMPS:narrow-band AMPS)、ならびにTACSネットワーク(単数または複数)も、デュアルまたはより高次モードの移動局(例えば、デジタル/アナログまたはTDMA/CDMA/アナログ電話)と同様に、本発明の実施形態から利益を享受しうる。さらに別の例として、システム5の各々の構成要素は、例えば、無線周波数(RF:radio frequency)、Bluetooth(登録商標)、赤外(IrDA)、あるいは、有線または無線パーソナルエリアネットワーク(「PAN:Personal Area Network」)、ローカルエリアネットワーク(「LAN:Local Area Network」)、メトロポリタンエリアネットワーク(「MAN:Metropolitan Area Network」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN:Wide Area Network」)または同様のものを含む、いくつかの異なる有線または無線ネットワーキング技術のいずれかなどの技術に従って互いに通信するように構成されてよい。
【0079】
図8ではデバイス(単数または複数)1110~1300が同じネットワーク1130を介して互いに通信することが示されるが、これらのデバイスは、複数の個別のネットワークを介して同様に通信してもよい。
【0080】
一実施形態によれば、サーバ1200からデータを受信するのに加えて、分散したデバイス1110、1120、および/または1300がそれら自体でデータを収集し、送信するようにさらに構成されてよい。様々な実施形態において、デバイス1110、1120、および/または1300は、1つ以上の入力ユニットまたはデバイス、例えば、キーパッド、タッチパッド、バーコードスキャナ、無線自動識別(RFID:radio frequency identification)リーダ、インターフェースカード(例えば、モデムなど)または受信機を介してデータを受信することが可能でありうる。デバイス1110、1120、および/または1300は、1つ以上の揮発性または不揮発性メモリモジュールへデータを記憶すること、および例えば、デバイスを操作しているユーザへデータを表示することによって、または例えば、1つ以上のネットワーク1130を通じてデータを送信することによって、1つ以上の出力ユニットまたはデバイスを通じてデータを出力することがさらに可能でありうる。
【0081】
様々な実施形態において、サーバ1200は、本明細書にさらに詳しく示され、記載されたものを含めて、本発明の様々な実施形態に従って1つ以上の機能を行うための様々なシステムを含む。しかしながら、理解すべきは、サーバ1200が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、1つ以上の同様の機能を行うために様々な代わりのデバイスを含みうるであろうということである。例えば、サーバ1200の少なくとも一部分は、いくつかの実施形態では、特定の用途に所望されうるように、分散したデバイス(単数または複数)1110、1120、および/またはハンドヘルドもしくはモバイルデバイス(単数または複数)1300上に位置してよい。以下にさらに詳細に記載されるように、少なくとも1つの実施形態において、ハンドヘルドもしくはモバイルデバイス(単数また
は複数)1300は、サーバ1200との通信のためのユーザインターフェースを提供するように構成されてよい、すべてが以下にさらに詳細に同様に記載されるような、1つ以上のモバイルアプリケーション1330を含んでよい。
【0082】
図9Aは、様々な実施形態によるサーバ1200の概略図である。サーバ1200は、システムインターフェースまたはバス1235を介してサーバ内の他の要素と通信するプロセッサ1230を含む。サーバ1200にはデータを受信して表示するためのディスプレイ/入力デバイス1250も含まれる。このディスプレイ/入力デバイス1250は、例えば、モニタと組み合わせて用いられるキーボードまたはポインティングデバイスであってよい。サーバ1200は、リードオンリメモリ(ROM)1226およびランダムアクセスメモリ(RAM)1222の両方を好ましくは含む、メモリ1220をさらに含む。サーバのROM1226は、サーバ1200内の要素間で情報を転送するのを助ける基本ルーチンを含んだ、ベーシックインプット/アウトプットシステム1224(BIOS:basic input/output system)を記憶するために用いられる。本明細書では様々なROMおよびRAM構成が先に記載された。
【0083】
加えて、サーバ1200は、様々なコンピュータ可読媒体、例えば、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、またはCD-ROMディスク上に情報を記憶するために、少なくとも1つのストレージデバイスまたはプログラムストレージ210、例えば、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、CD Romドライブ、または光ディスクドライブを含む。当業者にわかるであろうように、これらのストレージデバイス1210の各々は、適切なインターフェースによってシステムバス1235へ接続される。ストレージデバイス1210およびそれらの関連するコンピュータ可読媒体は、パーソナルコンピュータのための不揮発性ストレージを提供する。当業者にわかるであろうように、上記のコンピュータ可読媒体を当技術分野で知られた他の任意のタイプのコンピュータ可読媒体で置き換えることができるであろう。かかる媒体は、例えば、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、およびベルヌーイカートリッジを含む。
【0084】
図示されないが、ある実施形態によれば、サーバ1200のストレージデバイス1210および/またはメモリは、サーバ1200によってアクセスされてよい過去および/または現在の配信データならびに配信条件を記憶しうる、データストレージデバイスの機能をさらに提供してよい。この点に関して、ストレージデバイス1210は、1つ以上のデータベースを備えてよい。用語「データベース」は、例えば、関係データベース、階層的データベース、またはネットワークデータベースを介してコンピュータシステムに記憶された記録またはデータの構造化されたコレクションを指し、かくして、限定的な仕方で解釈されるべきではない。
【0085】
例えば、プロセッサ1230によって実行可能な1つ以上のコンピュータ可読プログラムコード部分を備えるいくつかのプログラムモジュール(例えば、例示的なモジュール1400~1700)が様々なストレージデバイス1210によって、およびRAM1222内に記憶されてよい。かかるプログラムモジュールは、オペレーティングシステム1280も含んでよい。これらおよび他の実施形態では、様々なモジュール1400、1500、1600、1700がプロセッサ1230およびオペレーティングシステム1280を活用してサーバ1200の動作のいくつかの態様を制御する。さらに他の実施形態では、本発明の範囲および特質から逸脱することなく、1つ以上の追加および/または代わりのモジュールも提供されてよいことを理解すべきである。
【0086】
様々な実施形態において、プログラムモジュール1400、1500、1600、1700は、サーバ1200によって実行されて、すべてがシステム1020の様々なユーザにアクセス可能および/または送信可能な、1つ以上のグラフィカルユーザインターフェ
ース、レポート、命令、および/または通知/警告を発生させるように構成される。いくつかの実施形態において、ユーザインターフェース、レポート、命令、および/または通知/警告は、先に考察されたように、インターネットまたは他の実行可能な通信ネットワークを含んでよい、1つ以上のネットワーク1130を介してアクセス可能であってよい。
【0087】
様々な実施形態において、同様に理解すべきは、モジュール1400、1500、1600、1700の1つ以上が、代わりにおよび/または追加的に(例えば、2通りに)、デバイス1110、1120、および/または1300の1つ以上に局所的に記憶されてよく、それらの1つ以上のプロセッサによって実行されてよいことである。様々な実施形態によれば、モジュール1400、1500、1600、1700は、1つ以上の分離した、リンクされた、および/またはネットワーク化されたデータベースから構成されてもよい、1つ以上のデータベースへデータを送信し、それらからデータを受信して、それらに含まれたデータを活用してよい。
【0088】
同様にサーバ1200内に位置するのは、1つ以上のネットワーク1130の他の要素とインターフェースして通信するためのネットワークインターフェース1260である。サーバ1200構成要素の1つ以上が他のサーバ構成要素から地理的に離れて位置してよいことが当業者に理解されよう。そのうえ、サーバ1200構成要素の1つ以上が組み合わされてよく、および/または本明細書に記載される機能を行う追加の構成要素がサーバ中に含まれてもよい。
【0089】
以上は、単一のプロセッサ1230を記載するが、当業者にわかるように、サーバ1200は、本明細書に記載される機能を行うために互いに連携して動作する複数のプロセッサを備えてよい。メモリ1220に加えて、プロセッサ1230もデータ、コンテンツもしくは同様のものを表示、送信および/または受信するための少なくとも1つのインターフェースもしくは他の手段に接続できる。この点に関して、インターフェース(単数または複数)は、以下にさらに詳細に記載されるように、データ、コンテンツもしくは同様のものを送信および/または受信するための少なくとも1つの通信インターフェースもしくは他の手段、ならびにディスプレイおよび/またはユーザ入力インターフェースを含みうる少なくとも1つのユーザインターフェースを含むことができる。ユーザ入力インターフェースが、次には、エンティティがユーザからデータを受信することを許容するいくつかのデバイスのいずれか、例えば、キーパッド、タッチディスプレイ、ジョイスティックまたは他の入力デバイスを備えることができる。
【0090】
理解されるであろうように、処理要素305は、いくつかの異なる方法で具現化されてよい。例えば、処理要素またはプロセッサは、1つ以上のコンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD:complex programmable logic device)、マイクロプロセッサ、マルチコアプロセッサ、共処理エンティティ、特定用途向け命令セットプロセッサ(ASIP:application-specific instruction-set processor)、および/またはコントローラとして具現化されてよい。さらに、処理要素は、1つ以上の他の処理デバイスまたは回路素子として具現化されてもよい。回路素子という用語は、完全にハードウェアの実施形態またはハードウェアとコンピュータプログラム製品との組み合わせを指してよい。従って、処理要素は、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、プログラマブルロジックアレイ(PLA:programmable logic array)、ハードウェアアクセラレータ、他の回路素子、および/または同様のものとして具現化されてよい。それゆえに理解されるであろうように、処理要素は
、特定の使用のために構成されるか、あるいは、揮発性もしくは不揮発性媒体に記憶されるかまたは別の方法で処理要素にアクセス可能な命令を実行するように構成されてよい。かくして、ハードウェアもしくはコンピュータプログラム製品によって、またはそれらの組み合わせによって構成されるかどうかに係わらず、処理要素は、適宜に構成されたときに本発明の実施形態に従ってステップまたは動作を行うことが可能であってよい。
【0091】
なおさらに、「サーバ」1200が言及されるが、当業者にわかるように、本発明の実施形態は、従来から定義されているサーバアーキテクチャには限定されない。なおさらに、本発明の実施形態のシステムは、単一のサーバ、もしくは同様のネットワークエンティティまたはメインフレームコンピュータシステムには限定されない。本明細書に記載される機能性を提供するために、互いに連携して動作する1つ以上のネットワークエンティティを含んだ他の同様のアーキテクチャが本発明の実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく同様に用いられてもよい。例えば、サーバ1200と関連して本明細書に記載される機能性を提供するために互いに協力する、2つ以上のパーソナルコンピュータ(PC:personal computer)、同様の電子デバイス、またはハンドヘルドポータブルデバイスのメッシュネットワークが本発明の実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく同様に用いられてよい。
【0092】
様々な実施形態によれば、プロセスの多くの個別のステップは、本明細書に記載されるコンピュータシステムおよび/またはサーバを利用して実施されても、されなくてもよく、コンピュータ実装の度合いは、1つ以上の特定の用途に所望されうるおよび/または有益でありうるように変化してよい。
【0093】
図9Bは、本発明の様々な実施形態と併せて用いることができるモバイルデバイス1300を表す例示的な概略図を示す。様々な当事者によってモバイルデバイス1300を操作できる。
図9Bに示されるように、モバイルデバイス1300は、アンテナ1312、送信機1304(例えば、無線機)、受信機1306(例えば、無線機)、および信号を、それぞれ、送信機1304へ供給し、受信機1306から受信する処理要素1308を含んでよい。
【0094】
それぞれ、送信機1304へ供給され、受信機1306から受信される信号は、様々なエンティティ、例えば、サーバ1200、分散したデバイス1110、1120および/または同様のものと通信するために適用可能な無線システムのエアインターフェース規格によるシグナリングデータを含んでよい。この点に関して、モバイルデバイス1300は、1つ以上のエアインターフェース規格、通信プロトコル、変調型、およびアクセス型を用いて動作することが可能でありうる。より詳しくは、モバイルデバイス1300は、いくつかの無線通信規格およびプロトコルのいずれかに従って動作してよい。特定の実施形態では、モバイルデバイス1300は、複数の無線通信規格およびプロトコル、例えば、GPRS、UMTS、CDMA2000、1xRTT、WCDMA、TD-SCDMA、LTE、E-UTRAN、EVDO、HSPA、HSDPA、Wi-Fi、WiMAX、UWB、IRプロトコル、Bluetoothプロトコル、USBプロトコル、および/または他の任意の無線プロトコルに従って動作してよい。
【0095】
これらの通信規格およびプロトコルを介して、モバイルデバイス1300は、様々な実施形態によれば、アンストラクチャードサプリメンタリサービスデータ(USSD:Unstructured Supplementary Service data)、ショートメッセージサービス(SMS:Short Message Service)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS:Multimedia Messaging Service)、デュアルトーン多重周波数シグナリング(DTMF:Dual-Tone Multi-Frequency Signaling)、および/また
はサブスクライバアイデンティティモジュールダイアラ(SIM dialer:Subscriber Identity Module Dialer)などのコンセプトを用いて様々な他のエンティティと通信してよい。モバイルデバイス1300は、例として、そのファームウェア、(例えば、実行可能な命令、アプリケーション、プログラムモジュールを含んだ)ソフトウェア、およびオペレーティングシステムに対する変更、アドオン、ならびにアップデートをダウンロードすることもできる。
【0096】
一実施形態によれば、モバイルデバイス1300は、位置決定デバイスおよび/または機能性を含んでよい。例えば、モバイルデバイス1300は、例えば、緯度、経度、高度、ジオコード、コース、および/または速度データを取得するようになっているGPSモジュールを含んでよい。一実施形態において、GPSモジュールは、視野内の衛星の数およびそれらの衛星の相対的位置を特定することによって、時には天体位置表データとして知られる、データを取得する。
【0097】
モバイルデバイス1300は、(処理要素1308へ結合されたディスプレイ1316を含むことができる)ユーザインターフェース、および/または(処理要素308へ結合された)ユーザ入力インターフェースも備えてよい。ユーザ入力インターフェースは、モバイルデバイス1300がデータを受信することを許容するいくつかのデバイス、例えば、キーパッド1318(ハードまたはソフト)、タッチディスプイ、音声もしくはモーションインターフェース、または他の入力デバイスのいずれかを備えることができる。キーパッド1318を含んだ実施形態では、キーパッドは、従来の数字(0~9)および関連するキー(#,*)、ならびにモバイルデバイス1300を操作するために用いられる他のキーを含む(またはそれらの表示を生じさせる)ことができて、英文字キーの完全なセットまたは英数字キーの完全なセットを提供するためにアクティブ化されてよいキーのセットを含んでよい。入力を供給するのに加えて、例えば、スクリーンセーバおよび/またはスリープモードのような、いくつかの機能をアクティブ化または非アクティブ化するためにユーザ入力インターフェースを用いることができる。
【0098】
モバイルデバイス1300は、エンベデッドとすることができ、および/またはリムーバブルであってよい、揮発性ストレージもしくはメモリ1322、および/または不揮発性ストレージもしくはメモリ1324も含むことができる。例えば、不揮発性メモリは、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、MMC、SDメモリカード、メモリスティック、CBRAM、PRAM、FeRAM、RRAM、SONOS、レーストラックメモリ、および/または同様のものであってよい。揮発性メモリは、RAM、DRAM、SRAM、FPM DRAM、EDO DRAM、SDRAM、DDR SDRAM,DDR2 SDRAM、DDR3 SDRAM、RDRAM、RIMM、DIMM,SIMM、VRAM、キャッシュメモリ、レジスタメモリ、および/または同様のものであってよい。揮発性および不揮発性ストレージまたはメモリは、モバイルデバイス1300の機能を実装するためにデータベース、データベースインスタンス、データベースマッピングシステム、データ、アプリケーション、プログラム、プログラムモジュール、スクリプト、ソースコード、オブジェクトコード、バイトコード、コンパイル済みコード、解釈済みコード、機械語、実行可能な命令、および/または同様のものを記憶できる。
【0099】
モバイルデバイス1300は、カメラ1326およびモバイルアプリケーション1330のうちの1つ以上も含むことができる。カメラ1326は、様々な実施形態によれば、追加および/または代わりのデータ収集機能として構成されてよく、それによって1つ以上の項目がモバイルデバイス1300によりカメラを介して読み出し、記憶、および/または送信されてよい。モバイルアプリケーション1330は、様々なタスクがモバイルデバイス1300によりそれを介して行われてよい機能をさらに提供してよい。モバイルデ
バイス1300および全体としてのシステム1020の1人以上のユーザに所望されうるように、様々な構成が提供されてよい。
【0100】
上記のシステムおよび方法の多くのバリエーションが可能であること、および上記の実施形態からの逸脱が可能であるが、依然として請求項の範囲内にあることが理解されよう。本明細書に述べられ、先の記載および関連する図面に提示された教示の利益を享受する、本発明の多くの修正および他の実施形態がこれらの発明に関係する分野における当業者に想起されるであろう。かかる修正は、例えば、互いに重なるアクセラレータ電圧範囲を有する第1および第2のプロセス・ステップを含んでよい。範囲は、部分的に互いに重なるが、依然としてそれぞれ第1および第2のプロセス・ステップのための第1および第2のアクセラレータ電圧が互いにアクセラレータ電圧の所定の値より大きく異なるように選ばれてよい。それゆえに、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されないこと、ならびに修正および他の実施形態が添付された請求項の範囲内に含まれるように意図されることを理解すべきである。本明細書では特定の用語が採用されるが、それらの用語は、一般的かつ説明的な意味で用いられるに過ぎず、限定を目的とするものではない。