(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
A63F5/04 650
(21)【出願番号】P 2018124437
(22)【出願日】2018-06-29
【審査請求日】2021-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川北 潔
(72)【発明者】
【氏名】飯田 優介
【審査官】金子 和孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-082809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変表示可能な表示手段を備え、可変表示が停止したときの表示結果に応じて特典を付与可能な遊技機において、
有利度が異なる複数の設定値のうちいずれかの設定値を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定されている設定値に応じて、遊技者にとって有利な有利状態に制御するか否かを決定する有利状態決定手段と、
前記設定手段により設定されている設定値に応じて、複数種類の選択用データのうちからいずれかを特定する選択用データ特定手段と、
特定演出を実行する契機が成立したときに、当該契機が成立した状況と前記選択用データ特定手段により特定された選択用データとに基づいて実行する前記特定演出の種類を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された特定演出を実行する実行手段とを備え、
前記複数種類の選択用データには、前記契機が成立した状況が特定状況であるときに前記特定演出の種類として特別特定演出を選択可能である特別選択用データが含まれており、
前記契機が成立した状況が特定状況でないときに前記特別特定演出は、前記複数の設定値のうち第1設定値および当該第1設定値とは異なる遊技者に最も不利な不利設定値のいずれであっても実行可能であるが、前記契機が成立した状況が特定状況であるときに前記特別特定演出は、前記不利設定値では実行されないことにより、前記契機が成立した状況が特定状況であるときに前記特別特定演出を実行することで前
記不利設定値ではないことが特定可能である、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の図柄を可変表示する表示手段を備え、可変表示が停止したときの表示結果に応じて特典を付与可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一例として、複数種類の図柄が配列されたリールを複数備え、スタートスイッチが操作されることにより役抽選を行うとともにリールの回転を開始し、役抽選の結果とストップスイッチの操作態様(押し順、操作タイミング等)とに基づいてリールの回転を停止し、すべてのリールが停止したときの入賞ライン上の図柄の組合せに応じて特典を付与可能なスロットマシンが存在する。また、遊技者にとって有利な状態として、所定の役(たとえば、小役あるいはリプレイ等)の当選確率を向上させるボーナスやRT(Replay Time)、役抽選の結果が複数の役に当選する結果となったときに特典がより大きな役を入賞させるための遊技者にとって有利となる操作情報を報知するAT(Assist Time)が設けられているスロットマシンも存在する。また、パチンコ球を遊技領域に発射して、遊技領域に設けられている始動入賞口に入賞することにより複数種類の図柄を可変表示させた後に停止させて図柄組合せを表示するパチンコ遊技機などが知られている。
【0003】
このような遊技機においては、役抽選における役の当選確率(メダルの払出率)を特定するための複数種類の設定値のうち、実際に設定されている設定値に応じて複数種類の設定示唆演出のうちのいずれかを実行して、設定値を示唆するものがあった(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の遊技機における設定示唆演出は、ボーナスなどの有利な状態が終了した後に再び有利な状態に制御されることなく遊技を所定回数消化することにより実行されるものである。また、設定値は、設定示唆演出そのものの種類によって示唆されるものに過ぎなかった。このため、設定値の示唆が単調なものとなり、遊技の興趣を向上させることができていない虞があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある局面に従う遊技機は、可変表示可能な表示手段を備え、可変表示が停止したときの表示結果に応じて特典を付与可能な遊技機において、有利度が異なる複数の設定値のうちいずれかの設定値を設定する設定手段と、前記設定手段により設定されている設定値に応じて、遊技者にとって有利な有利状態に制御するか否かを決定する有利状態決定手段と、前記設定手段により設定されている設定値に応じて、複数種類の選択用データのうちからいずれかを特定する選択用データ特定手段と、特定演出を実行する契機が成立したときに、当該契機が成立した状況と前記選択用データ特定手段により特定された選択用データとに基づいて実行する前記特定演出の種類を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された特定演出を実行する実行手段とを備え、前記複数種類の選択用データには、前記契機が成立した状況が特定状況であるときに前記特定演出の種類として特別特定演出を選択可能である特別選択用データが含まれており、前記契機が成立した状況が特定状況でないときに前記特別特定演出は、前記複数の設定値のうち第1設定値および当該第1設定値とは異なる遊技者に最も不利な不利設定値のいずれであっても実行可能であるが、前記契機が成立した状況が特定状況であるときに前記特別特定演出は、前記不利設定値では実行されないことにより、前記契機が成立した状況が特定状況であるときに前記特別特定演出を実行することで前記不利設定値ではないことが特定可能である。
【0008】
この構成によると、複数種類の選択用データのうちから設定値に応じて特定される選択用データを用いて可能性演出が選択されて実行される。また、複数種類の選択用データに含まれる特定の選択用データと当該特定の選択用データ以外の選択用データとでは、有利状態が終了してから経過した経過期間が特定期間であって有利状態に制御する旨が決定されていないときに特定可能性演出を選択する割合が異なる。これにより、特定期間において特定可能性演出が実行されて有利状態に制御する旨が決定されていないことが示唆されることにより、特定の選択用データが特定されている可能性および特定の選択用データ以外の選択用データが特定されている可能性を推測でき、推測した選択用データから設定されている設定値を推測するという面白さを提供できるとともに、有利状態に制御する旨が決定されていないことによる落胆度合いを軽減できる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
【0009】
好ましくは、前記経過期間が前記特定期間である旨を示唆する特定期間示唆手段を備える。
【0010】
この構成によると、特定期間である旨が示唆されるため、特定期間に対する注目度合いを向上させることができる。
【0011】
好ましくは、前記選択用データ特定手段は、前記有利状態が終了してから新たに前記有利状態に制御されるまでの間に用いる選択用データを特定し、前記有利状態に制御されることにより、当該有利状態に制御されるまでに前記選択用データ特定手段により特定されていた選択用データの種類を示唆する選択用データ示唆手段を備える。
【0012】
この構成によると、有利状態に対して選択用データの種類を示唆するといった価値を付加することができ、有利状態に制御されることに対する期待感を向上させることができる。また、有利状態が終了してから新たに有利状態に制御されるまでの間に特定可能性演出が実行された履歴と、示唆された選択用データの種類とに基づいて、設定されている設定値を推測するという面白さを提供できる。
【0013】
好ましくは、前記特定の選択用データ以外の選択用データのうちの第1選択用データと第2選択用データとは、前記経過期間が前記特定期間であって前記有利状態に制御する旨が決定されていないときに前記複数種類の可能性演出のうちの特定可能性演出を選択する割合が共通となるように定められている。
【0014】
この構成によると、特定の選択用データ以外の第1選択用データあるいは第2選択用データであることを特定できる機会を増やすことができる。
【0015】
好ましくは、前記特定期間は、前記経過期間が第1の期間に到達することにより開始される第1の特定期間と、前記第1の特定期間が終了した後であって前記経過期間が第2の期間に到達することにより開始される第2の特定期間とを含む。
【0016】
この構成によると、特定期間が複数回設けられているため、特定の選択用データが特定されている可能性を特定して設定されている設定値を推測するという面白さを提供できる機会を複数回の期間に亘って遊技者に提供できる。これにより、第1の特定期間が終了した後においても、第2の特定期間となることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0017】
好ましくは、前記特定の選択用データは、前記経過期間が前記特定期間であって前記有利状態に制御する旨が決定されていないときには前記特定可能性演出が選択されないように割合が定められている。
【0018】
この構成によると、特定期間において特定可能性演出が実行されて有利状態に制御する旨が決定されていないことが示唆されたときには、特定の選択用データ以外の選択用データが特定されていることが確定し、特定の選択用データ以外の選択用データに対応する設定値を設定されている設定値として推測できるため、より正確に設定値を予測できる。
【0019】
好ましくは、前記選択用データ特定手段は、前記複数の設定値のうち所定の設定値よりも高い設定値が設定されているときには、前記所定の設定値が設定されているときよりも高い割合で前記特定の選択用データ以外の選択用データを特定する。
【0020】
この構成によると、特定の選択用データ以外の選択用データが特定されている可能性が高いときには、所定の設定値よりも高い設定値が設定されていることに対する期待感を向上させることができる。
【0021】
好ましくは、前記特定の選択用データ以外の選択用データは、前記経過期間が予め定められた閾値に到達することにより開始される特定期間において前記有利状態に制御する旨が決定されていないときに前記特定可能性演出を選択する割合が、前記特定の選択用データと同じ割合に定められている選択用データを含む。
【0022】
この構成によると、特定期間において特定可能性演出が実行されて有利状態に制御する旨が決定されていないことが示唆されたときに、特定の選択用データ以外の選択用データのうちから選択用データをより絞り込んで特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】スロットマシンの前面扉を開放した状態の斜視図である。
【
図4】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】役名称および図柄組合せ等について説明するための図である。
【
図7】当選役グループおよび役構成等について説明するための図である。
【
図8】遊技状態の遷移について説明するための図である。
【
図9】第1演出関連処理を説明するためのフローチャートである。
【
図10】有利示唆期間抽選用テーブルを説明するための図である。
【
図11】設定示唆演出抽選用テーブルを説明するための図である。
【
図12】第2演出関連処理を説明するためのフローチャートである。
【
図13】選択用データ決定用テーブルを説明するための図である。
【
図15】抽選用テーブルを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。本発明に係る遊技機の具体例として、メダルを遊技媒体として用いて遊技を実行可能なスロットマシンを挙げて説明する。しかし、遊技機は、このようなスロットマシンに限定されず、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を実行可能な遊技機や、遊技媒体(メダルなど有体物の価値)を用いるものではなく内部的に付与される得点(電磁的方法により記録された情報など無体物の価値)を用いて遊技を実行可能な遊技機などの他の遊技機であってもよい。
【0025】
<スロットマシンの構成例>
図1および
図2を参照してスロットマシンの全体構成を説明する。
図1は、スロットマシンの正面図である。
図2は、スロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
【0026】
スロットマシン1は、前面に開口を有する箱状の筐体3と、筐体3の一辺において開閉自在に取り付けられた前面扉5とを含む部材から構成される。筐体3の前面は、前面扉5が筐体3に対して閉じられることにより閉塞される。前面扉5は、遊技場の管理者が管理する扉用鍵により筐体3に対して施錠・解除が可能となる。前面扉5が筐体3に対して閉じられた状態であるか否かは、扉センサ20により検出される。
【0027】
図1に示すように、前面扉5の中央部分には、表示窓7が設けられている。表示窓7からは、複数種類の図柄が配列されているリール11L、11M、11R(以下、まとめてリール11L~11Rともいう)を視認できる。リール11L~11Rが回転すると、表示窓7からは、リール11L~11R各々に配列されている図柄が可変表示している状態を視認できる。このように、表示窓7およびリール11L~11Rにより、複数の図柄を可変表示する可変表示部13が形成される。
【0028】
可変表示部13は、複数の可変表示列10を備えている。具体的に、可変表示部13は、表示窓7のうちリール11Lの前方に相当する部分とリール11Lとから構成される左可変表示列10L、表示窓7のうちリール11Mの前方に相当する部分とリール11Mとから構成される中可変表示列10M、および、表示窓7のうちリール11Rの前方に相当する部分とリール11Rとから構成される右可変表示列10Rを備えている。リール11L~11Rが停止している状態において、左可変表示列10L、中可変表示列10M、および右可変表示列10R各々は、上段・中段・下段に図柄を停止表示できる。このため、表示窓7からは、9つの図柄を視認できる。
【0029】
本実施形態では、役の入賞判定対象となる入賞ラインとして、左可変表示列10Lの下段、中可変表示列10Mの下段、右可変表示列10Rの下段により構成されるいわゆる下段ラインが設定されている。表示窓7には、入賞ラインNLが描かれている。
【0030】
前面扉5の表示窓7の上方には、液晶表示器27が設けられている。液晶表示器27は、遊技(ゲーム)の進行に応じて、所定の画像を表示することにより演出を実行する。また、前面扉5の液晶表示器27の上方には、予め定められた役の図柄組合せや払出枚数等が刷られた説明パネル29が設けられ、さらに、説明パネル29の上方および左右各々には、ランプ部33L、33M、33Rが設けられている。ランプ部33L、33M、33Rは、LEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
【0031】
前面扉5の表示窓7の左側には、クレジット表示器45と、ペイアウト表示器46と、報知用表示器60とが配設されている。クレジット表示器45は、遊技者所有のメダルのうち、スロットマシン1内において貯留(記憶)されているメダルの枚数であるクレジットを表示する。クレジットの上限枚数は50に設定されている。
【0032】
ペイアウト表示器46は、役の入賞が発生したときにメダル(遊技媒体)の払出枚数を表示するとともに、エラー情報や設定示唆情報など各種情報の表示にも兼用される表示器である。設定示唆情報とは、設定値に関する情報を示唆するための表示情報をいう。報知用表示器60は、遊技者にとって有利となる操作態様(例えば、操作タイミング、押し順など。以下、有利操作態様ともいう)や役抽選の結果などを特定するための所定情報を報知する表示器である。
【0033】
クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、および報知用表示器60は、各々、例えば7セグメントLEDにより構成され、各セグメントの点灯態様に応じて情報を報知する。
【0034】
前面扉5の表示窓7の下方には、各種の操作部が設けられている。操作部としては、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、演出操作部81、スタートスイッチ19、精算スイッチ23、ストップスイッチ21L、21M、21R(以下、まとめてストップスイッチ21L~21Rともいう)、および、メダル投入口25が設けられている。
【0035】
ベットスイッチ15は、クレジットを用いて1枚分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大ベットスイッチ17は、クレジットを用いて最大賭け枚数分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大賭け枚数とは、1回の遊技(以下、1遊技ともいう)について賭数設定できる最大の枚数(本実施形態では、「ボーナス状態中」以外は「3」、「ボーナス状態中」は「2」に設定。)をいう。
【0036】
演出操作部81は、演出に関わる操作を検出するスイッチである。演出に関わる操作には、演出を実行・発展させるための操作、演出モードやキャラクタ等を選択するための操作、および遊技履歴等を表示させる遊技者メニュー状態や設定履歴等を表示させる管理者メニュー状態へ移行させるための操作等を含む。
【0037】
スタートスイッチ19は、リール11L~11R各々を回転させて図柄の可変表示を開始させるための操作を検出するスイッチである。精算スイッチ23は、クレジットあるいは設定済の賭数に相当する枚数分のメダルを払い出させるための操作を検出するスイッチである。ストップスイッチ21L~21Rは、各々、リール11L~11Rのうちの対応するリールの回転を停止させて図柄の可変表示を停止させるための操作を検出するスイッチである。メダル投入口25は、遊技者がメダルを投入するための開口である。
【0038】
前面扉5における各種の操作部の下方には、キャラクタなどが刷られた下部パネル35が設けられている。また、下部パネル35の左右には、それぞれ下部ランプ部37L、37Rが設けられている。下部ランプ部37L、37Rは、例えばLEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
【0039】
また、下部パネル35の下方には、役入賞の発生等に応じてメダルを払い出すためのメダル払出口39、および、メダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。メダル払出口39の左右には、各々、遊技の進行に応じて効果音や音声などを出力することによる演出を行うためのスピーカ31L、31Rが設けられている。
【0040】
次に、スロットマシン1の筐体3の内部構成について説明する。
図2に示すように、スロットマシン1の筐体3内の中央には、リール11L~11Rを横並びに収容するためのリールユニット9が設けられている。リールユニット9は、筐体3内の後壁に固定されている。リールユニット9は、リールモータ14L、14M、14R(
図4参照。以下、リールモータ14L~14Rともいう。)と、位置センサ55L、55M、55R(
図4参照。以下、位置センサ55L~55Rともいう)とを備えている。
【0041】
リールモータ14L~14Rは、各々、リールユニット9のフレームに対して横並びに固定されており、その回転軸にリール11L~11Rのうちの対応するリールが固定されている。これにより、リールモータ14L~14Rが駆動制御されることにより回転・停止する。リールモータ14L~14Rは、例えばステッピングモータにより構成されている。
【0042】
位置センサ55L~55Rは、各々、リール11L~11Rに設けられた突起部がリール回転に伴って所定位置を通過したことを検出するためのセンサである。位置センサ55L~55Rは、例えばフォトインタラプタにより構成されている。位置センサ55L~55Rは、各々対応するリールの突起部を検出したときに、そのリールの所定位置の図柄(例えば、
図3の図柄番号19番の図柄)が表示窓7の中段に位置するように構成されている。
【0043】
リールユニット9の上方には、メイン制御基板63およびサブ制御基板73が各々基板ケースに収納された状態で設置されている。基板ケースは、収納されている制御基板などに対して仮に不正が行われた場合、その痕跡を容易に判別可能にするために、たとえば一部の部材を破壊等しなければ制御基板に接触できない構造を有している。また、メイン制御基板63とサブ制御基板73とは、基板間を接続する信号線により電気的に接続されている。
【0044】
リールユニット9の下方には、ホッパーユニット43が設けられている。ホッパーユニット43は、ホッパー容器42と、満タンセンサ58(
図4参照)と、ホッパーモータ57(
図4参照)と、払出センサ54(
図4参照)とを備えている。
【0045】
ホッパー容器42は、メダル投入口25から受け入れられたメダルを貯留するための容器である。満タンセンサ58は、ホッパー容器42の所定位置に設けられ、ホッパー容器42に貯留されたメダルが所定量に達した満タン状態であることを検出するセンサである。
【0046】
ホッパーモータ57は、所定の払出条件が成立したときに駆動し、ホッパー容器42に貯留されたメダルを所定枚数排出するために駆動するモータである。ホッパーモータ57は、たとえばDCモータ(Direct Current Motor)により構成されている。払出センサ54は、ホッパーモータ57によりホッパー容器42から排出されるメダルを1枚ずつ検出するセンサである。払出センサ54により検出されたメダルは、前面扉5の裏面側の下方に設けられたメダルシュート47を介して、メダル払出口39から払い出される。
【0047】
ホッパーユニット43の左側方には、スロットマシン1が備える各種装置に電力を供給するための電源ユニット49が配設されている。電源ユニット49には、電源スイッチ50、リセットスイッチ52、および、変更処理開始スイッチ56が配設されている。
【0048】
電源スイッチ50は、スロットマシン1への電力供給の有無を切り換えるスイッチである。リセットスイッチ52は、設定値を変更可能な設定変更処理中において設定値の切り換え操作を検出するためのスイッチである。リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラー解除するためのスイッチとしても用いられる。変更処理開始スイッチ56は、設定変更処理用のキーシリンダからなり、設定変更処理に移行させるための操作を検出するスイッチである。変更処理開始スイッチ56を含む筐体3の内部に設けられているスイッチは、前面扉5を開放しているときに操作可能となるスイッチである。このため、基本的には、遊技場の管理者のみが操作可能となる。
【0049】
設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値である。具体的に、設定値は、役抽選において予め定められている役に当選する当選確率を特定するための値である。役抽選においては、設定されている設定値に応じた当選確率を用いることにより役に当選する確率を異ならせることができる。つまり、設定されている設定値が異なるときには、同じ役であっても、役抽選において当選する当選確率が異なる場合が生じる。その結果、設定されている設定値に応じて、遊技を所定回数実行する間に払出されるメダルの枚数が異なり、その結果、払出率を異ならせることができる。このため、設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値であるとともに、払出率を特定するための値であるともいえる。設定値としては、例えば、当選確率が異なる1~6(本実施形態においては、設定値1~6の6段階)が設けられており、設定値1が最も低い払出率であり、設定値6が最も高い払出率となっている。なお、設定値は、1~6の6段階に設けられているものに限らず、例えば、1~4の4段階に設けられているものなどであってもよい。設定値の変更は、遊技場の管理者が管理する設定変更用鍵により変更処理開始スイッチ56をONにした状態で電源を投入することにより設定変更処理に移行させることにより可能となる。
【0050】
設定値は、設定変更処理中にリセットスイッチ52を操作することにより順次切替える(例えば…5→6→1→2→5…)ことができる。設定変更処理中は、ペイアウト表示器46に設定値が表示される。設定変更処理では、スタートスイッチ19への操作が検出された後、変更処理開始スイッチ56をOFFにすることにより、そのときに表示されていた設定値をRAM65に記憶する。これにより、設定値の変更が完了し、以降の遊技においては、記憶された設定値に基づき後述する役抽選等が行われる。なお、設定変更処理が行われたときには、スロットマシン1のRAM65が初期化される。
【0051】
前面扉5の裏面側には、メダル投入口25の裏側に相当する位置にメダルセレクタ48が配設されている。メダルセレクタ48は、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものであるか否かを物理的に選別し、正規のメダルについてはホッパー容器42に貯留させるための第1流路40側に誘導する一方、非正規のメダルについては外部へ排出させるための第2流路44側に誘導する構造を有する。
【0052】
また、メダルセレクタ48は、切替ソレノイド51(
図4参照)と、投入センサ53(
図4参照)とを備えている。切替ソレノイド51は、遊技状況(例えばリール回転中、クレジット上限到達時等)に応じて投入されたメダルを強制的に第2流路44側に切替えるためのソレノイドである。投入センサ53は、メダル投入口25から投入されたメダルのうち第1流路40側に誘導されたメダルを1枚ずつ検出するセンサである。投入センサ53により検出されたメダルは、前面扉5が閉じられた状態においてホッパー容器42に貯留される。これに対し、第2流路44側に誘導されたメダルは、メダルシュート47を介してメダル払出口39から排出される。
【0053】
次に、
図3を参照して、リール11L~11R各々の図柄配列の構成について説明する。リール11L~11Rには、各々、
図3に示すとおり複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。
図3では、説明の便宜上、複数種類の図柄を「R7」「G7」「BR」「C1」「C2」「BE」「RP」「MD」「T1」「T2」などといった文字列で示しているが、実際にはこれら文字列に対応する絵柄が配列されている。例えば、「R7」として赤色の「7」の絵柄、「G7」として緑色の「7」の絵柄、「BR」として「BAR」の絵柄、「BE」として「ベル」の絵柄、「RP」として「リプレイ」の絵柄などが配列されている。複数種類の図柄は、他の図柄と識別可能な態様であれば絵柄に限るものではなく、模様や、記号、数字など、どのようなものであってもよい。なお、「C1」および「C2」は、外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「C」ともいう。同様に、「T1」および「T2」も外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「T」ともいう。
【0054】
図3においては、その左端に、リール11L~11R各々に図柄が配置されている図柄配置領域に対応させて図柄番号0~19を示している。図柄番号0~19は、本実施形態のリール11L~11R各々において、どの図柄配置領域の図柄であるかを特定するための番号である。
【0055】
本実施形態の場合、例えば、図柄番号0~19までの図柄が印刷されたリールテープがリール11L~11R各々の周面に貼り付けられている。このため、リール11L~11Rが回転すると、図柄番号…19→18→17→…2→1→0→19→18…といったように、予め定められた順に複数の図柄を表示窓7において可変表示させることができる。
【0056】
以上のような構成を備えるスロットマシン1は、まずメダル投入口25へのメダル投入あるいはベットスイッチ15等が操作されて1ゲームの開始に必要な規定数(本実施形態では、「ボーナス状態中」以外は「3」、「ボーナス状態中」は「2」に設定)分のメダルが賭数設定されることにより回転開始可能な状態になり、スタートスイッチ19が操作されることにより、リール11L~11Rを回転させて図柄を可変表示して1遊技を開始する。本実施形態においては、「ボーナス状態」以外の遊技状態の規定数として「3」が設定され、「ボーナス状態」の規定数として「2」が設定されている。なお、規定数は、これに限らず、他の値であってもよく、また、遊技状態にかかわらず同じ値が設定されるものであってもよい。
【0057】
1遊技が開始された後においては、リール回転中においてストップスイッチ21L~21Rが操作されることにより対応するリールの回転を停止させ、リール11L~11Rすべての回転が停止することにより1遊技を終了する。スロットマシン1は、リール11L~11Rすべての回転が停止したときの図柄組合せなど(表示結果)に応じて遊技者に対して所定の特典を新たに付与する。所定の特典としては、例えば、遊技状態の移行、メダル等を新たに用いることなく次回遊技の賭数を自動設定、遊技価値の付与である所定枚数のメダル払出(あるいはクレジット加算)等が挙げられるが、これらに限るものではない。
【0058】
次に、
図4を参照して、スロットマシン1の電気的な構成について説明する。
図4に示すとおり、スロットマシン1には、メイン制御基板63、サブ制御基板73、電源ユニット49、および、外部出力基板90などが設けられている。
【0059】
メイン制御基板63は、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装された基板である。サブ制御基板73は、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブCPU71が実装された基板である。電源ユニット49は、外部から供給される電力を用いて、スロットマシン1に搭載された各種電気部品を駆動するための電源を生成する。外部出力基板90は、遊技の進行に応じた信号をスロットマシン1の外部(例えば、ホールコンピュータ、台毎データ表示器等)に出力する基板である。
【0060】
メインCPU61は、遊技の進行を制御するための遊技制御プログラムを記憶するROM67と、遊技に関するデータなどを一時的に記憶するRAM65とを備え、ROM67に格納された遊技制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
【0061】
メインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムを実行し、メイン制御基板63に接続されたスイッチ(操作手段)やセンサ(検出手段)からの信号に基づいて遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定する。エラーには、例えば、投入センサ53により所定時間以上検知されているセレクターエラー、満タンセンサ58によりホッパー容器42が満タンであることが検知されている満タンエラー、ホッパーモータ57を駆動しているにもかかわらず払出センサ54により所定時間以上検知されていないメダル切れエラーなどを含む。
【0062】
メイン制御基板63に接続されたスイッチやセンサには、
図4に示される、投入センサ53、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、スタートスイッチ19、扉センサ20、ストップスイッチ21L~21R、精算スイッチ23、リセットスイッチ52、変更処理開始スイッチ56、位置センサ55L~55R、払出センサ54、満タンセンサ58などが含まれる。
【0063】
また、メインCPU61は、遊技の進行に関する処理を行って、メイン制御基板63に接続された機器類を駆動制御する。メイン制御基板63に接続された機器類には、
図4に示される、切替ソレノイド51、クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、報知用表示器60、リールモータ14L~14R、ホッパーモータ57、および、各種LEDなどが含まれる。また、メイン制御基板63には、7セグメントLEDからなる表示器が搭載されている。メイン制御基板63には、総払出枚数に対するボーナスでの払出枚数の役物比率などを表示する表示器が搭載されている。なお、役物比率などは、メイン制御基板63に搭載されている表示器に表示するものに限らず、別個に設けられた表示器(例えば、ペイアウト表示器46等)に表示するものであってもよい。この場合、メインCPU61は、例えばリセットスイッチ52が操作されたときに、役物比率などを表示器に表示するようにしてもよい。
【0064】
メイン制御基板63は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板73に対して各種のコマンドを送信する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて演出の制御を行う。一方、サブ制御基板73からメイン制御基板63に対しては、コマンドを送ることはできない。コマンドは、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向にのみ送信される。
【0065】
サブ制御基板73に搭載されているサブCPU71は、演出を制御するための演出制御プログラムを記憶するROM77と、演出に関するデータなどを一時的に記憶するRAM75とを備え、ROM77に格納された演出制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
【0066】
サブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じた演出内容の決定等を行い、その結果に基づいてサブ制御基板73に接続された機器類を駆動制御して演出を行う。サブ制御基板73に接続された機器類には、
図4に示される、スピーカ31L、31R、液晶表示器27、各種ランプ・LED、および演出操作部81などが含まれる。液晶表示器27は、表示領域に画像を表示させるための表示処理を実行する表示制御部を含む。表示制御部は、サブ制御基板73からの表示制御用のコマンドに基づいて表示処理を実行して、液晶表示器27の表示領域に所定の画像を表示する。また、表示制御部は、表示内容に応じてコマンドをサブ制御基板73に送信することも可能である。サブ制御基板73は、表示制御部からのコマンドに基づいて、スピーカ31L、31Rおよび各種ランプ・LED等に対応するコマンドを送信することにより、表示領域に表示する画像に対応する音や光による演出を実行させる。サブCPU71により制御される各種ランプ・LEDには、各種スイッチに対応する操作部の内部に搭載されているLEDを含む。サブCPU71は、エコモードであるか否かに応じて、制御されているモードに対応する消費電力となるように当該LED等を制御することより、操作部を光らせることができる。
【0067】
演出操作部81には、決定用の決定スイッチ81aと、選択用の左選択スイッチ81b、右選択スイッチ81c、上選択スイッチ81d、および下選択スイッチ81e(これらをまとめて上下左右スイッチともいう)とが設けられている。サブCPU71は、予め定められた演出を実行させるときや発展させる際に決定スイッチ81aへの操作を促す促進演出を実行し、決定スイッチ81aが操作されることにより予め定められた演出を実行あるいは発展させる制御を行う。また、サブCPU71は、液晶表示器27などにより実行する演出(キャラクタや背景)の種類が異なる複数種類の演出モードのうちからいずれかを設定できる演出モード選択可能状態(演出モード選択画面表示中)において、上下左右スイッチが操作されることによりいずれかの演出モードを選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている演出モードを設定する。
【0068】
さらに、サブCPU71は、変更処理開始スイッチ56が操作されて設定変更処理に移行されているときに決定スイッチ81aが操作されることにより管理者メニュー状態に移行させて、管理者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。管理者メニュー画面では、「日時設定」、「設定変更履歴」の表示、「携帯連動サービスON/OFF設定」、および「エコモードの設定」などを行うことができる。エコモードとは、サブ制御基板73に接続された機器類による演出実行により消費される電力を通常時よりも節約するモードをいう。エコモードが設定されているときには、通常時よりも、例えば、液晶表示器27、各種ランプ・LEDの輝度を低くする制御や、駆動時間あるいは点灯時間を短くする制御、スピーカ31L、31Rから出力される音量を低くする制御などが行われる。
【0069】
また、サブCPU71は、リール11L~11Rのいずれも回転しておらず、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出(例えば、複数遊技にわたって連続する連続演出、特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出など)が実行されていないときであって、いずれの操作も検出されることなく所定時間が経過している状態(以下では、待機状態、あるいは遊技待機中ともいう)において決定スイッチ81aが操作されることにより遊技者メニュー状態に移行させて、遊技者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。待機状態においては、決定スイッチ81aへの操作を促して遊技者メニュー状態に誘導するための誘導演出(促進演出に含まれる)を実行する。誘導演出中に決定スイッチ81aが操作されることにより、遊技者メニュー状態に移行させて遊技者メニュー画面が表示される。
【0070】
また、遊技者メニュー画面においては、演出操作部81への操作に応じて、例えば、入賞の発生回数や発生確率などの役履歴の確認や、遊技者の遊技履歴を蓄積するための携帯連動サービス(以下では、携帯連動ともいう)の設定、スピーカ31L、31Rから出力される音量設定、液晶表示器27の輝度調整などを行うことができる。なお、エコモードの設定は、管理者メニュー状態において設定可能となる例について説明するが、これに限らず、遊技者メニュー状態において設定可能となるものであってもよい。
【0071】
サブCPU71は、管理者メニュー状態および遊技者メニュー状態において上下左右スイッチが操作されることにより表示する項目や対象を選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている項目や対象に応じた処理を実行する。なお、サブCPU71は、特定の演出を実行しているときであっても、決定スイッチ81aが操作されることにより遊技者メニュー状態に移行させるようにしてもよい。この場合、サブCPU71は、特定のレイヤに特定の演出の画像を描き、決定スイッチ81aが操作されることにより、特定のレイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて、遊技者メニュー状態における遊技者メニュー画面の画像を描くことにより、遊技者メニュー画面を優先して表示するようにしてもよい。なお、遊技者メニュー画面表示中においては、特定のレイヤにおける特定の演出を継続して実行するものであってもよく、また特定のレイヤにおける特定の演出を一旦終了するものであってもよい。
【0072】
また、遊技者メニュー画面表示中に特定のレイヤで特定の演出を継続して実行する場合であって、当該演出が特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出を伴わない連続演出であるときには、決定スイッチ81aの操作で遊技者メニュー画面を表示可能にする一方、当該演出が特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出であるときには、決定スイッチ81aが操作されたとしても遊技者メニュー画面を表示しないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者メニュー画面表示中における決定スイッチ81aの操作によって、意図せずにチャンスボタン演出を次の段階に発展させてしまうことを未然に防止できる。また、遊技者メニュー画面を表示させるためのスイッチと、チャンスボタン演出を発展させるためのスイッチとは、同じスイッチであってもよく、物理的に異なるスイッチであってもよい。なお、遊技者メニュー画面を表示させるためのスイッチと、チャンスボタン演出を発展させるためのスイッチとが異なるスイッチであっても、遊技者メニュー画面表示中においてチャンスボタン演出を発展させるためのスイッチを操作してしまい意図せずに演出を発展させてしまうことを防止できる。
【0073】
<遊技制御処理>
メインCPU61は、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムに基づいて、遊技の進行を制御するための遊技制御処理を行う。
図5は、遊技制御処理の一例を説明するための図である。
【0074】
(賭数設定処理)
S100の賭数設定処理では、投入センサ53からの検出信号、ベットスイッチ15あるいは最大ベットスイッチ17からの操作信号、および再遊技役の入賞時に設定される再遊技フラグなどに応じて、賭数を設定するための処理が行われる。賭数設定処理では、賭数が設定されたときに賭数設定コマンドを出力する。設定された賭数が規定数に達しているときには、スタートスイッチ19への操作を有効に受け付ける回転開始可能な状態(有効化)にする。
【0075】
また、賭数設定処理では、精算スイッチ23からの操作信号に基づいて、ホッパーモータ57を駆動させる駆動信号を出力して、クレジット分あるいは設定済の賭数分に相当する枚数のメダルを払い出すための精算処理が行われる。賭数設定処理は、回転開始可能な状態においてスタートスイッチ19からの操作信号を受信することにより終了し、S200の内部抽選処理へ移行する。賭数設定処理では、スタートスイッチ19からの操作信号を受信して内部抽選処理へ移行する際に、実際に設定された賭数(メダル枚数)を特定可能なベットコマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技に対して賭数設定されたメダル枚数を特定可能となる。
【0076】
(内部抽選処理)
S200の内部抽選処理では、所定範囲(例えば0~65535)で乱数値を更新する乱数回路から役抽選用の乱数値を抽出し、抽出した値(以下、抽出値という)に基づいて予め定められた複数種類の役のいずれかに当選するか否かを抽選する役抽選が行われる。
図6を参照して、スロットマシン1において設定されている役の種別および役名称について説明する。
【0077】
役の種別としては、ボーナス役と、再遊技役と、小役とが設けられている。ボーナス役は、小役の当選確率が高いボーナス状態への移行を伴う移行役である。再遊技役(以下、リプレイともいう)は、入賞したときに前述の再遊技フラグを設定する役である。賭数設定処理では、再遊技フラグが設定されている場合、遊技者所有のメダル(あるいはクレジット)を新たに用いることなく、次に(今から)開始される遊技(今回遊技)の規定数に対応した賭数を次回遊技の賭数として自動設定する役である。小役は、所定枚数のメダルの払い出し(あるいはクレジット加算)を伴う役である。
【0078】
ボーナス役としては、役名称「RBB1」「RBB2」(以下、まとめてボーナス役、あるいは「RBB」ともいう)が設けられている。「RBB1」「RBB2」の図柄組合せには、各々、「R7」の3つ揃い、「G7」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RBB1」および「RBB2」に入賞したときには、ボーナス状態に制御される。ボーナス状態は、払出されたメダルの枚数が、入賞したボーナス役に対応するメダル枚数(
図6の備考欄に記載の枚数)を超えた遊技で終了する。
【0079】
再遊技役としては、役名称「RPC」が設けられている。「RPC」の図柄組合せには、「RP」の3つ揃いとなる組合せが定められている。小役としては、役名称「BEL」、「CH1」、および「CH2」が設けられている。「BEL」の図柄組合せには、「BE」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「CH1」および「CH2」についても、各々、
図6に記載のとおりの図柄組合せが定められている。「BEL」は、ストップスイッチ21L~21R各々に対する操作態様(押し順、操作タイミング)にかかわらず入賞となり、規定数が「3」に設定されている遊技状態(「ボーナス状態」以外)においてはメダルが9枚払い出されるのに対し、規定数が「2」に設定されている「ボーナス状態」においてはメダルが12枚払い出される。「CH1」および「CH2」は、ストップスイッチ21L~21Rへの操作タイミングに応じて入賞可能であり、メダルが1枚払出される。
【0080】
内部抽選処理では、
図6に示す役のうち予め定められた役から構成される複数種類の当選役グループ毎に役抽選が行われる。
図7を参照して、本実施形態における当選役グループおよび役構成について説明する。
【0081】
ボーナス役を含む当選役グループとしては、「ボーナス1」~「ボーナス6」が設けられている。このうち「ボーナス1」および「ボーナス4」は、それぞれ1つのボーナス役のみから構成される当選役グループである。一方、「ボーナス2」「ボーナス3」「ボーナス5」および「ボーナス6」は、各々、ボーナス役のみならず、他の役と同時に当選する当選役グループである。「ボーナス2」および「ボーナス5」は、ボーナス役とCH1とが同時に当選する当選役グループであり、「ボーナス3」および「ボーナス6」は、ボーナス役とCH2とが同時に当選する当選役グループである。
【0082】
再遊技役の当選役グループとしては、「通常リプ」が設けられている。「通常リプ」は、「RPC」のみから構成される当選役グループである。小役の当選役グループとしては、「ベル」「1枚役A」および「1枚役B」が設けられている。「ベル」「1枚役A」および「1枚役B」は、各々、役構成欄に記載の一つの役のみから構成される当選役グループである。なお、再遊技役の当選役グループおよび小役の当選役グループは、各々、複数の役を含み、当該複数の役について同時に当選する当選役グループであってもよい。
【0083】
これら複数種類の当選役グループのうち役抽選の対象となる当選役グループは、複数種類の遊技状態毎に定められている。また、役抽選における当選確率にかかわる判定値は、当選役グループ、制御されている遊技状態、および設定されている設定値に応じて定められている。
【0084】
スロットマシン1において制御可能となる遊技状態としては、「一般遊技状態」、「RBB」が当選している「RBB内部当選状態」、およびボーナス役の入賞に伴う「RBB」などが設けられている。
【0085】
ボーナス役を含む当選役グループである「ボーナス1」~「ボーナス6」は、一般遊技状態において役抽選の対象となる。ボーナス役を含む当選役グループは、各々、設定値に応じて、当選確率欄に記載の確率となるように判定値が定められている。ボーナス役を含む当選役グループの判定値は、設定値に応じて異なる判定値が定められており、設定値が高くなるに連れて当選確率が高くなる。例えば、「ボーナス2」については、設定値1のときには当選確率が1/750となり、設定値6のときには当選確率が1/650となるように判定値が定められている。また、「ボーナス3」については、設定値1のときには当選確率が1/3500となり、設定値6のときには当選確率が1/3450となるように判定値が定められている。なお、設定値2~5各々における当選確率は、設定値1よりも高く、設定値6よりも低く、かつ、設定値が大きくなるにしたがって高くなるように定められている。ボーナス役を含む当選役グループの当選確率は、ボーナス役が「CH1」と同時に当選する「ボーナス2」「ボーナス5」が最も高く、次にボーナス役が「CH2」と同時に当選する「ボーナス3」「ボーナス6」が高く、ボーナス役のみに当選する「ボーナス1」「ボーナス4」が最も低くなるように定められている。このため、「CH1」あるいは「CH2」に当選・入賞することによりボーナス役に当選していることに対する期待感を抱かせることができるとともに、「CH1」に当選・入賞することによりその期待感をより一層高めることができる。
【0086】
次に、再遊技役を含む当選役グループのうち「通常リプ」は、「一般遊技状態」、「RBB内部当選状態」において役抽選の対象となり、「一般遊技状態」中の当選確率が1/7となり「RBB内部当選状態」中における当選確率が1/3となるように判定値が定められている。
【0087】
小役を含む当選役グループのうち「ベル」は、「一般遊技状態」、「RBB内部当選状態」、および「RBB」において役抽選の対象となり、「一般遊技状態」および「RBB内部当選状態」中の当選確率が1/8となり、「RBB」中における当選確率が1/1となるように判定値が定められている。このため、「RBB」は、一般遊技状態などと比較して「BEL」に入賞する確率が向上するため、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
【0088】
「1枚役A」および「1枚役B」は、各々、「一般遊技状態」および「RBB内部当選状態」において役抽選の対象となり、「一般遊技状態」中における「1枚役A」の当選確率が1/100~1/110(設定値6~設定値1)となるように判定値が定められており、「1枚役B」の当選確率が1/80~1/90(設定値6~設定値1)となるように判定値が定められている。このように、「CH1」および「CH2」がボーナス役と別個に当選する確率は、「CH1」よりも「CH2」の方が高い。このため、「CH2」に当選・入賞したときよりも、「CH1」に当選・入賞したときの方が、ボーナス役に当選している割合を高めることができる。なお、「RBB内部当選状態」においては、「ボーナス2」「ボーナス3」「ボーナス5」および「ボーナス6」について役抽選の対象とならないため、「1枚役A」の当選確率は、「ボーナス2」と「ボーナス5」の「一般遊技状態」中における判定値が加算された確率となり、「1枚役B」の当選確率は、「ボーナス3」と「ボーナス6」の「一般遊技状態」中における判定値が加算された確率となる。
【0089】
内部抽選処理では、現在の遊技状態において役抽選の対象となる当選役グループの判定値(設定されている設定値に応じた判定値)を読み出し、抽出値から減算した値(抽出値を更新)が所定値(例えば0)よりも小さい値になっているか否かを判定する判定処理を行い、小さい値になっていなければ(例えば0以上のとき)次の当選役グループについての判定処理を行うというサイクルを繰り返す。
【0090】
いずれかの当選役グループについての判定処理において所定値よりも小さい値になっていると判定したときには、この当選役グループに当選していると判定し、当該当選役グループに含まれる役の当選フラグをRAM65の所定領域に設定して役抽選を終了する。このため、当選役グループに当選する確率は、「当選役グループの判定値/65536」となる。役抽選において読み出される判定値が大きいほど所定値よりも小さい値になりやすくなるため、当選確率が高い当選役グループであるといえる。一方、役抽選の対象となるすべての当選役グループについて判定処理を行ったが所定値よりも小さい値になっていないと判定されたときには、いずれの当選役グループにも当選していない「はずれ」であると判定する。
【0091】
内部抽選処理は、いずれかの当選役グループに当選していると判定されるか、いずれの当選役グループにも当選しておらず「はずれ」であると判定されると役抽選を終了して、S300のリール制御処理に移行する。
【0092】
内部抽選処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドをサブ制御基板73に出力するための処理を行う。例えば、「ボーナス1」~「ボーナス6」に当選したときにはいずれかの「RBB」に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、「1枚役A」や「1枚役B」に当選したときにはいずれかの1枚役に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、役抽選において当選した当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。
【0093】
(リール制御処理)
S400のリール制御処理では、リールモータ14L~14Rを駆動制御して、リール11L~リール11Rを回転させて停止させる処理が行われる。リール制御処理では、ウェイトタイムが経過しているか否かを判定する。ウェイトタイムは、例えば4.1秒に定められており、前回遊技のリール制御処理においてリール11L~11R各々の回転が開始されてから計測が開始される。
【0094】
リール制御処理では、ウェイトタイムが経過していると判定されたときに、リール11L~11Rの回転を開始させるリール回転処理が行われる。これにより、前回遊技においてリール11L~11R各々の回転が開始されてから少なくとも4.1秒経過するまで今回遊技におけるリール11L~11Rを回転開始させるタイミングを遅延させることができる。リール回転処理においては、リール11L~11Rの回転が開始すると、リール回転開始コマンドを出力する。
【0095】
リール制御処理では、リール11L~11R各々の回転を開始させて一定速度に到達した後(例えば、リールモータ14L~14Rの励磁パターンが一定速度となる励磁パターンとなった後)、リール11L~11R各々の基準位置が位置センサ55L~55R各々により検出されることにより停止操作可能な状態となり、ストップスイッチ21L~21Rへの操作を有効に受け付ける状態(有効化)になる。
【0096】
また、リール制御処理では、停止操作可能な状態においてストップスイッチを操作したときに、例えば当該ストップスイッチに対応するリールの入賞ラインNL上に位置する図柄から予め定められた引込み可能範囲内に配列されている図柄のいずれかを入賞ラインNLに引き込んで当該リールを停止させるリール停止処理を行う。引込み可能範囲は、4図柄先までの範囲であって、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインNL上にある図柄から4図柄先までに配列されている図柄を入賞ラインNL上に停止可能となる。
【0097】
役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができるときに、当該図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させる。これに対して、いずれの役にも当選していない場合は、いずれの役にも入賞しないはずれ図柄組合せとなる図柄を入賞ライン上に引き込み停止させる。このため、ストップスイッチへの操作が行われたときに、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ラインNL上に引込み可能であれば当該図柄を引込んで入賞ラインNL上に停止させることができる一方、当選していない役の図柄組合せを入賞ラインNL上に停止させてしまうことがない。
【0098】
なお、本実施形態は、上述の通り、「役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができる」ものである。ここで、役抽選は「当選役グループ」毎に行われるものであるため、前記「当選している役」は、詳しくは、当選した「当選役グループ」を構成するいずれかの役に相当するものとなる。
【0099】
リール停止処理では、引込み可能範囲内の図柄を入賞ラインNL上に停止させることができるものの、引込み可能範囲外の図柄については入賞ラインNL上に停止させることができない。このため、リール11L~11Rの図柄配列において、役を構成する図柄が引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する役については、役抽選において当選していても、操作タイミングが合わなければ入賞ラインNL上に当該役を構成する図柄を引き込むことができずに、当該役を取りこぼしてしまう場合(非入賞)が生じる。
【0100】
「ボーナス役」を構成する図柄は、
図3に示すとおり、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。例えば、「RBB1」を構成する図柄「R7」は、リール11L~11Rに1つしか配列されていない。また、「RBB2」を構成する図柄についても、リール11L~11Rに1つしか配列されていない。このため、「ボーナス役」は、当選していてもストップスイッチ21L~21Rの操作タイミングによっては入賞ラインにボーナス役を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。よって、
図7に示すように、「ボーナス役」のいずれかに当選しているときには、当選しているボーナス役を引込み可能範囲内で引込むリール制御を行うものの、いずれの役にも入賞しない場合が生じる。なお、「RBB1」「RBB2」については、当選した遊技において入賞させることができなかった場合、RBB内部当選状態に制御されて当該ボーナス役に入賞するまで当該ボーナス役の当選フラグを持ち越す処理が行われる。
【0101】
「通常リプ」に含まれる「RPC」を構成する図柄「RP」は、
図3に示すように、リール11L~11Rのすべてにおいて引込み可能範囲内に配列されている。また、「ベル」に含まれる「BEL」を構成する図柄「BE」は、
図3に示すように、リール11L~11Rのすべてにおいて引込み可能範囲内に配列されている。その結果、「通常リプ」や「ベル」に当選したときには、ストップスイッチ21L~21Rの操作タイミングにかかわらず、必ず当選している役を入賞させることができる。
【0102】
これに対し、「1枚役A」に含まれる「CH1」を構成する図柄(「R7」「MD」)は、
図3に示すとおり、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。同様に、「1枚役B」に含まれる「CH2」を構成する図柄(「G7」「T1」「T2」)は、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「CH1」および「CH2」などの「1枚役」は、当選していてもストップスイッチ21L~21Rの操作タイミングによっては入賞ラインに役を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。
【0103】
また、リール停止処理では、複数種類の役に当選しているときには、当選している役の種類(役抽選の結果)およびストップスイッチ21L~21Rの操作タイミングおよび押し順(操作態様)に応じて、優先して引き込む対象が予め定められている。例えば、「ボーナス2」に当選したときや、ボーナス役の当選が持ち越されている状態(RBB内部当選状態)において再遊技役や小役に当選したときにおけるリール停止処理では、ボーナス役よりも再遊技役や小役を優先して引き込むように定められている。
【0104】
リール停止処理においては、リール11L~11Rのいずれかが停止する毎に、停止したリール、および停止位置(例えば、中段に停止されている図柄の図柄番号等)などを特定可能なリール停止コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73は、停止したリール、および停止位置が特定可能となり、対応する演出を実行可能となる。リール11L~11Rすべてが停止すると、S400の出目判定処理に移行する。
【0105】
(出目判定処理)
S400の出目判定処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せに基づいて、当該図柄組合せに対応する処理を実行する。例えば、小役が入賞したときには、
図6の備考欄に記載のメダルを払い出すか、あるいはクレジット加算するための払出処理を実行する。払出処理では、メダル払出あるいはクレジット加算により遊技者に付与されたメダル枚数(0枚を含む)を特定可能な払出コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技の結果として遊技者に付与されたメダル枚数を特定可能となる。また、再遊技役が入賞したときには、再遊技フラグを設定するための処理を実行する。出目判定処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せ、入賞の有無、入賞した役の種類等を特定可能な遊技結果コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、入賞ラインNL上の図柄組合せに応じた演出を実行可能となる。また、出目判定処理では、遊技の結果に応じて、役物比率を更新してRAM65の所定領域に記憶する。出目判定処理が終了すると、S500の遊技状態設定処理に移行する。
【0106】
(遊技状態設定処理)
S500の遊技状態設定処理では、役抽選あるいは遊技の結果等に基づいて、次回以降の遊技状態を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、RAM65の所定領域に記憶される。メインCPU61は、遊技状態フラグに基づいて、現在制御されている遊技状態を特定する。
図8には、遊技状態の遷移が示されている。
【0107】
遊技状態設定処理は、設定変更等により初期化されると「一般遊技状態」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。「一般遊技状態」において「RBB」に当選した遊技において入賞しなかったときには、「RBB内部当選状態」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、遊技状態設定処理は、「RBB」に当選した遊技あるいは当該当選が持ち越されている遊技において「RBB」に入賞したときに、「RBB」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。「RBB」では、「ベル」に高確率で当選し、操作タイミング等にかかわらず入賞して、12枚払出を伴う「BEL」を引き込むリール制御が行われる。遊技状態設定処理は、「RBB」中における払出枚数を計数し、払出枚数が入賞したボーナス役の種類に応じた枚数(RBB1:200枚、RBB2:100枚)を超えたときに「一般遊技状態」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。これにより、
図8に示すように、「一般遊技状態」において「RBB」に当選・非入賞のときに「RBB内部当選状態」に制御し、「RBB」に入賞したときに「RBB」に制御する。RBB中においては、毎遊技において「BEL」を入賞させることができるため、効率的にメダルを獲得できる。RBBにおいて規定数払出があったときには、RBB終了となり「一般遊技状態」に制御される。
【0108】
遊技状態設定処理が終了すると、S100の賭数設定処理に移行して次回の遊技に備える。スロットマシン1は、1遊技毎にS100~S500の処理を繰り返し実行する。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定し、エラーが発生していると判定したときには当該エラーの種類を特定可能なエラーコマンドを出力する。
【0109】
<演出制御処理>
サブCPU71は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じて演出実行の有無および種類を乱数抽選により決定する演出抽選を行い、その抽選結果に基づいてサブ制御基板73に接続された液晶表示器27、スピーカ31L、31R、および各種ランプ・LEDなどの演出手段を駆動制御するための演出制御処理を行う。
【0110】
(設定示唆演出について)
メインCPU61は、設定変更処理において設定された設定値を示唆する設定示唆演出を実行するための処理を行う。設定示唆演出は、設定値に関する情報を示唆する演出である。メインCPU61は、RAM65に記憶されている設定値に基づいて、設定示唆演出の実行の有無、設定示唆演出の種類などを乱数抽選により決定し、決定した設定示唆演出の種類を特定するための設定示唆種類コマンドをサブCPU71に出力する。
【0111】
また、メインCPU61は、設定示唆演出に関連する示唆期間として、通常示唆期間と有利示唆期間とのうちのいずれかに制御するための処理を行う。有利示唆期間であるときには、通常示唆期間であるときと同じ設定示唆演出が実行された場合であっても、通常示唆期間であるときよりも遊技者にとって有利な情報を示唆するように定められている期間である。このため、有利示唆期間は、通常示唆期間よりも遊技者にとって有利な示唆期間であるといえる。
【0112】
図9は、示唆期間および設定示唆演出を制御するための第1演出関連処理を説明するためのフローチャートである。メインCPU61は、例えば一般遊技状態中における1遊技毎に第1演出関連処理を実行する。第1演出関連処理は、例えば、
図5のS200の内部抽選処理を終了するタイミングで実行される。
【0113】
まず、SA11においては、有利示唆期間の抽選契機が成立したか否かを判定する。有利示唆期間の抽選契機は、「1枚役A」「1枚役B」に当選することや、「ベル」に4回連続して当選すること、前回のRBBが終了してから消化した遊技回数である終了後遊技回数が「400」に到達することなどが定められている。「1枚役A」「1枚役B」に当選したか否かは、役抽選の結果に基づき特定される。また、「ベル」に4回連続して当選したか否かは、ベル当選カウンタの値に基づき特定される。メインCPU61は、役抽選の結果に基づき「ベル」当選毎にベル当選カウンタの値を1加算し、役抽選において「ベル」当選していないときにベル当選カウンタの値をリセットする。また、前回のRBBが終了してから消化した遊技回数である終了後遊技回数が「400」に到達したか否かは、終了後遊技回数カウンタの値に基づき特定される。メインCPU61は、RBB終了後から遊技を消化する毎に終了後遊技回数カウンタの値を1加算し、「RBB」当選することにより終了後遊技回数カウンタの値をリセットする。なお、有利示唆期間の抽選契機は、これらに限らず、他の役に当選あるいは入賞することや、はずれとなること、遊技に用いたメダル枚数が所定枚数(例えば700枚消費(マイナス700枚))に到達することなどが定められているものであってもよい。
【0114】
有利示唆期間の抽選契機が成立していると判定されなかったときには、SA13へ移行する一方、有利示唆期間の抽選契機が成立していると判定されたときには、SA12へ移行して有利示唆期間に制御するかあるいは有利示唆期間を延長するかを決定する有利示唆期間抽選を実行する。有利示唆期間抽選は、有利示唆期間抽選用テーブルに基づいて実行される。
図10は、有利示唆期間抽選用テーブルを説明するための図である。有利示唆期間抽選用テーブルは、ROM67の所定領域において格納されている。
【0115】
有利示唆期間抽選用テーブルは、有利示唆期間の抽選契機の種類毎に、
図10に示す割合で非当選あるいは有利示唆期間に移行(または延長)のいずれかとなるように判定値が定められている。1枚役Aに当選したときには、50%の割合で非当選となり、50%の割合で当選となり有利示唆期間に移行されるか延長される。1枚役Bに当選したときには、20%の割合で非当選となり、80%の割合で当選となり有利示唆期間に移行されるか延長される。1枚役Aおよび1枚役Bは、CH1やCH2がボーナス役と同時ではなく単独で当選する当選役グループである。ボーナス役に当選していないときに有利示唆期間に制御される機会が設けられているためボーナス役非当選による残念感を補填でき、遊技の興趣を向上させることができる。また、ボーナス役と同時当選する割合は、CH1よりもCH2の方が低い。このようなCH2を含む1枚役Bに当選したときの方が、CH1を含む1枚役Aに当選したときよりも高い割合で有利示唆期間抽選において当選する。これにより、CH2に当選したときには、ボーナス役に同時当選していることに対する期待感はCH1よりも低いものの、有利示唆期間抽選において当選することに対する期待感をCH1よりも高くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0116】
また、ベル4回連続当選時および終了後遊技回数が「400」到達時には、必ず当選となり有利示唆期間に移行されるか延長される。一般遊技状態においてベル4回連続当選する確率は、
図7に示す「ベル」の当選確率から1/4096といった極めて低い値となる。また、終了後遊技回数が「400」に到達する割合は、
図7に示す「ボーナス1」~「ボーナス6」の当選確率からすると比較的低い値となる。このように、頻繁には生じ難い状況に至ったときには、必ず有利示唆期間に移行されるか延長されるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0117】
図9に戻り、SA12における有利示唆期間抽選において当選すると、メインCPU61は、有利示唆期間に制御可能となる残り遊技回数を特定するための有利示唆期間カウンタに所定値(例えば50)を加算更新する。これにより、所定値に対応する遊技を消化する間に亘り有利示唆期間に制御するか有利示唆期間を延長することができる。メインCPU61は、有利示唆期間カウンタの値が1以上であるときに有利示唆期間であり、0であるときに通常示唆期間であることを特定する。
【0118】
SA13においては、現在が有利示唆期間中であるか否かを判定する。SA13において、有利示唆期間中であると判定されなかったときには、SA16へ移行する。一方、SA13において有利示唆期間中であると判定されたときには、SA14において有利示唆期間中である旨を報知するための処理を行う。具体的には、有利示唆期間中コマンドをサブCPU71に送信する。サブCPU71により実行される演出制御処理では、有利示唆期間中コマンドに基づいて、液晶表示器27における背景演出として、有利示唆期間中に対応する背景演出(例えば夕方の背景)を実行する。また、SA15においては、有利示唆期間カウンタの値を1減算する。メインCPU61は、「ボーナス1」~「ボーナス6」のいずれかに当選したときに有利示唆期間カウンタの値をクリア(0)して、有利示唆期間を終了する。また、メインCPU61は、有利示唆期間カウンタの値を特定するためのコマンドをサブCPU71に送信して、有利示唆期間に制御可能となる残り遊技回数を液晶表示器27等において表示させるようにしてもよい。なお、1枚役Aおよび1枚役B当選時において後述するように連続演出が実行され得る。1枚役Aおよび1枚役B当選時において連続演出が実行される場合には、SA14における有利示唆期間中である旨を報知せず、SA15において有利示唆期間カウンタの値を減算しない。これにより、即座に有利示唆期間中である旨を報知することにより、1枚役A当選あるいは1枚役B当選であり、RBBに当選していないことが連続演出中に特定されてしまうことを防止できる。
【0119】
SA16においては、設定示唆演出の実行契機が成立したか否かを判定する。設定示唆演出の実行契機は、RBB2を含む「ボーナス4」~「ボーナス6」に当選することが定められている。これにより、RBB1よりも規定枚数が少なく設定されているRBB2の価値を向上させることができ、RBB2当選による残念感を補填でき、遊技の興趣を向上させることができる。。
【0120】
SA16において設定示唆演出の実行契機が成立していると判定されなかったときには、第1演出関連処理を終了する。一方、SA16において設定示唆演出の実行契機が成立していると判定されたときには、SA17において現在が有利示唆期間中であるか否かを判定する。SA17において有利示唆期間中であると判定されなかったとき、つまり通常示唆期間中であるときには、SA18において通常示唆期間中テーブルを参照して設定示唆演出の種類を決定するための設定示唆演出抽選を行う。SA19においては、SA18における設定示唆演出抽選において決定された設定示唆演出の種類を特定するための設定示唆種類コマンドを送信するための処理を行い、第1演出関連処理を終了する。
【0121】
一方、SA17において有利示唆期間中であると判定されたときには、SA20において有利示唆期間中テーブルを参照して設定示唆演出抽選を行う。SA21においては、SA20における設定示唆演出抽選において決定された設定示唆演出の種類を特定するための設定示唆種類コマンドを送信するための処理を行い、第1演出関連処理を終了する。サブCPU71により実行される演出制御処理では、設定示唆種類コマンドに基づいて設定示唆演出の種類を特定し、当該設定示唆演出の種類に属する設定示唆演出を実行する。設定示唆演出は、設定示唆演出の実行契機を成立させたRBB2が入賞してから当該RBBが終了するまでの所定タイミングにおいて実行される。
【0122】
図11は、設定示唆演出抽選用テーブルを説明するための図である。設定示唆演出抽選用テーブルは、通常示唆期間中に参照される
図11(a)の通常示唆期間中テーブルと、有利示唆期間中に参照される
図11(b)の有利示唆期間中テーブルとを含む。設定示唆演出抽選用テーブルは、ROM67の所定領域において格納されている。
【0123】
設定示唆演出抽選用テーブルは、設定されている設定値毎に、
図11に示す振分率で設定示唆演出A~Cのうちのいずれかに決定されるように判定値が定められている。設定示唆演出Aは、例えば、キャラクタAをカットイン表示させる演出である。設定示唆演出Bは、例えば、キャラクタBをカットイン表示させる演出である。設定示唆演出Cは、例えば、キャラクタCをカットイン表示させる演出である。設定示唆演出A~Cの演出内容は、これに限らず、各々を区別できる態様で実行されるものであればよい。
【0124】
図11(a)を参照して、通常示唆期間中テーブルを説明する。通常示唆期間中テーブルは、例えば、実際に設定されている設定値が「1」であるときには、90%の割合で設定示唆演出Aに決定され、10%の割合で設定示唆演出Bに決定されるように判定値が定められている。また、実際に設定されている設定値が「4」であるときには、75%の割合で設定示唆演出Aに決定され、20%の割合で設定示唆演出Bに決定され、5%の割合で設定示唆演出Cに決定されるように判定値が定められている。その他の設定値についても、
図11(a)で示すように振分率が定められている。
【0125】
通常示唆期間中テーブルでは、設定示唆演出Cについて、設定値1が設定されているときに決定されることがない。このため、通常示唆期間中における設定示唆演出Cは、設定されている設定値が2以上であることを確定報知する演出であるといえる。また、通常示唆期間中テーブルでは、設定示唆演出Bについて、設定されている設定値が高くなるにしたがって決定される割合が高い。このため、通常示唆期間中における設定示唆演出Bは、高い設定値が設定されている可能性が高いことを報知する演出であるといえる。また、通常示唆期間中テーブルでは、設定示唆演出Aについて、設定されている設定値が高くなるにしたがって決定される割合が低い。このため、通常示唆期間中における設定示唆演出Aは、設定示唆演出Bが実行されたときよりも、高い設定値が設定されている可能性が低いことを報知する演出であるといえる。
【0126】
次に、
図11(b)を参照して、有利示唆期間中テーブルを説明する。有利示唆期間中テーブルは、例えば、実際に設定されている設定値が「1」であるときには、100%の割合で設定示唆演出Aに決定されるように判定値が定められている。また、実際に設定されている設定値が「3」であるときには、99%の割合で設定示唆演出Aに決定され、1%の割合で設定示唆演出Bに決定されるように判定値が定められている。その他の設定値についても、
図11(b)で示すように振分率が定められている。
【0127】
有利示唆期間中テーブルでは、設定示唆演出Cについて、設定値1のみならず設定値2、3が設定されているときにも決定されることがない。このため、有利示唆期間中における設定示唆演出Cは、設定されている設定値が4以上であることを確定報知する演出となる。また、有利示唆期間中テーブルでは、設定示唆演出Bについて、設定値1および2が設定されているときに決定されることがなく、かつ設定値6であるときにその他の設定値であるときよりも極めて高い割合で決定される。このため、有利示唆期間中における設定示唆演出Bは、設定されている設定値が3以上であり、かつ設定値6が設定されている可能性が高いことを報知する演出であるといえる。また、有利示唆期間中テーブルでは、設定示唆演出Aについて、設定されている設定値が高くなるにしたがって決定される割合が低い。このため、有利示唆期間中における設定示唆演出Aは、設定示唆演出Bが実行されたときよりも、高い設定値が設定されている可能性が低いことを報知する演出であるといえる。
【0128】
以上のように、例えば、設定示唆演出Bが同じ態様で実行されたときであっても、通常示唆期間中であるときには、高い設定値が設定されている可能性が高いことを報知するのに対し、有利示唆期間中であるときには、設定されている設定値が3以上であり、かつ設定値6が設定されている可能性が高いことを報知する。また、設定示唆演出Cが同じ態様で実行されたときであっても、通常示唆期間中であるときには、設定されている設定値が2以上であることを確定報知するのに対し、有利示唆期間中であるときには、設定されている設定値が4以上であることを確定報知する。このように、設定示唆演出Bや設定示唆演出Cが有利示唆期間中において実行されたときには、通常示唆期間中において実行されたときよりも、遊技者にとっての価値がランクアップした有利な情報が報知される。このため、有利示唆期間に制御されること、および、特定示唆演出としての設定示唆演出Bおよび設定示唆演出Cのいずれかが実行されることに対する期待感を抱かせることができる。その結果、設定示唆演出により遊技の興趣を向上させることができる。
【0129】
また、有利示唆期間の抽選契機は、CH1やCH2がボーナス役と同時ではなく単独で当選する当選役グループである「1枚役A」および「1枚役B」のいずれかに当選することにより成立する契機を含む。これにより、CH1やCH2がボーナス役と同時に当選しなかったことによる残念感を、有利示唆期間に制御されることに対する期待感を抱かせることにより補填でき、遊技の興趣を向上させることができる。また、設定示唆演出の実行契機は、RBB1よりも規定枚数が少ないRBB2に当選することにより成立する契機を含む。これにより、当選したボーナス役が払出されるメダル枚数の少ないRBB2であったことに対する残念感を、設定示唆演出が実行されることにより抑制でき、遊技の興趣を向上させることができる。
【0130】
また、特定示唆演出は、示唆対象が異なる設定示唆演出Bおよび設定示唆演出Cを含む。これにより、特定示唆演出のバリエーションを豊富にすることができ、示唆演出により遊技の興趣を向上させることができる。
【0131】
また、有利示唆期間の抽選契機は、前回のRBBが終了してから消化した遊技回数である終了後遊技回数が「400」に到達することにより成立する契機を含み、当該契機が成立したときには必ず有利示唆期間に制御(あるいは延長)される。これにより、比較的長い期間に亘ってRBBに制御されていないときであっても、有利示唆期間に制御されて設定示唆演出Bや設定示唆演出Cが実行さることに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0132】
なお、サブCPU71により実行される設定示唆演出であって設定示唆演出A~C各々に属する設定示唆演出は、設定示唆演出A~C各々に対して、複数種類設けられているものであってもよい。例えば、設定示唆演出Aに属する設定示唆演出としては、キャラクタAが出現する演出が複数種類設けられているものであってもよい。同様に、設定示唆演出BおよびC各々に属する設定示唆演出についても、各々に対応するキャラクタが出現する演出が複数種類設けられているものであってもよい。この場合、サブCPU71は、設定示唆種類コマンドから特定される設定示唆演出の種類に属する複数種類の演出のうちから乱数抽選等で決定した設定示唆演出を実行するようにしてもよい。
【0133】
(連続演出について)
演出制御処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドを受信したときには、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。メインCPU61は、例えば、「ボーナス1」~「ボーナス6」や「1枚役A」「1枚役B」当選時において、連続演出を実行するための処理を行う。連続演出は、複数回の遊技に亘って所定の演出(ストーリー性を有する内容の演出など)を進行させた後に、当該演出の結末を報知することにより「RBB」に当選しているか否かを報知する演出である。演出の結末とは、所定の演出の流れにおける最終的な結論であって、ストーリー性を有する演出の場合には当該ストーリー展開における最終的な結果を意味する。これにより、遊技者は当選した当選役グループを推測しながら遊技を進行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。連続演出は、複数種類設けられている。連続演出は、種類毎に、演出内容(出現するキャラクタ、ストーリー展開等)が異なるように定められている。
【0134】
メインCPU61は、連続演出を実行するか否かおよび実行する連続演出の種類を決定する連続演出抽選を行い、決定した連続演出の種類を特定するための連続演出種類コマンドをサブCPU71に出力する。連続演出抽選は、複数種類の選択用データのうち、RBB終了時に設定される選択用データに基づいて行われる。
【0135】
図12は、選択用データの設定および連続演出抽選を行うための第2演出関連処理を説明するためのフローチャートである。メインCPU61は、例えば1遊技毎に第2演出関連処理を実行する。第2演出関連処理は、例えば、
図5のS200の内部抽選処理を終了するタイミングで実行される。
【0136】
まず、SA30においては、RBBが終了したとき(規定数払出時)であるか否かを判定する。RBBが終了したときであると判定されなかったときには、SA33へ移行する一方、RBBが終了したときであると判定されたときには、SA31へ移行する。SA31では、現在設定されている選択用データ(前回のRBB終了時に設定された選択用データ)の種類に応じた種類示唆演出を実行するための処理を行う。具体的には、種類示唆演出コマンドをサブCPU71に送信する。サブCPU71により実行される演出制御処理では、種類示唆演出コマンドに基づいて、液晶表示器27等において種類示唆演出を実行する。選択用データとしては、A~Dの4種類が設けられている。種類示唆演出は、例えば、RBBのエンディング演出中に選択用データに応じて決定されたキャラクタを出現させることにより実行される。例えば、選択用データAが設定されているときには、他の選択用データが設定されているときよりも高い割合でキャラクタWを出現させ、選択用データBが設定されているときには、他の選択用データが設定されているときよりも高い割合でキャラクタXを出現させ、選択用データCが設定されているときには、他の選択用データが設定されているときよりも高い割合でキャラクタYを出現させ、選択用データDが設定されているときには、他の選択用データが設定されているときよりも高い割合でキャラクタZを出現させる。種類示唆演出の演出内容は、これに限らず、各々を区別できる態様で実行されるものであればよい。これにより、前回のRBB終了時から今回終了したRBBまでに参照されていた選択用データの種類を遊技者は推測することができる。
【0137】
SA32においては、RBBが終了したことに伴い、選択用データ決定用テーブルを参照して、以降において連続演出抽選に用いる選択用データを設定する。
図13は、選択用データ決定用テーブルを説明するための図である。選択用データ決定用テーブルは、ROM77の所定領域において格納されている。
【0138】
選択用データ決定用テーブルは、設定されている設定値毎に、
図13に示す振分率で選択用データA~Dのうちのいずれかに決定されるように判定値が定められている。選択用データ決定用テーブルでは、選択用データAについて、設定されている設定値が高くなるにしたがって決定される割合が低くなるように定められている。これに対し、選択用データBは、選択用データAよりも設定されている設定値が高くなるにしたがって決定される割合が高くなるように定められている。また、選択用データCは、設定されている設定値が高くなるにしたがって決定される割合が選択用データBよりもさらに高くなるように定められている。また、選択用データDは、設定値1~3のいずれかが設定されているときに決定されることがないように決定される割合が定められている。このため、選択用データDは、設定されている設定値が4以上であることが確定するデータであるといえる。
【0139】
図14および
図15は、選択用データA~Dを説明するための図である。選択用データA~Dは、各々、
図14に示すように、RBB終了後から消化した遊技回数が属する遊技回数の範囲に応じて、抽選用テーブルの種類が特定されるように定められている。遊技回数範囲は、遊技回数が25回毎に範囲が区切られており、401以上については遊技回数にかかわらず共通の範囲が定められている。また、抽選用テーブルとしては、第1テーブル~第4テーブルが設けられている。選択用データA~Dは、各々、遊技回数が400以下までは遊技回数が25回に到達する毎に範囲が区切られており、異なる抽選用テーブを特定し、401以上については遊技回数にかかわらず共通の範囲が定められ一の抽選用テーブルを特定するように定められている。遊技回数の下二桁が76~00の範囲および401以上の範囲は、特定期間ともいう。特定期間は、後述するように、実行される連続演出の種類によって設定されている選択用データを絞り込むことが可能となる期間である。
【0140】
図15(a)~
図15(d)は、各々、抽選用テーブルである第1テーブル~第4テーブルを説明するための図である。第1テーブル~第4テーブルは、各々、役抽選において「RBB」に当選しているか否かに応じて定められた振分率で連続演出A~Cおよび不実行のいずれかに決定されるように、判定値が定められている。第1テーブル~第4テーブルは、各々、「RBB」非当選時であるときよりも「RBB」当選時であるときの方が高い割合で連続演出を実行する旨が決定される。このため、連続演出が実行されることにより「RBB」に当選していることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0141】
また、第1テーブルは、
図15(a)に示すように、連続演出AおよびBのいずれかに決定され、連続演出Cに決定されることがないように振分率が定められている。第2テーブルは、
図15(b)に示すように、連続演出AおよびCのいずれかに決定され、連続演出Bに決定されることがないように振分率が定められている。第3テーブルは、
図15(c)に示すように、連続演出A~Cのいずれかに決定され、
図15(b)に示す第2テーブルなどと比較して連続演出Cに決定される割合が高くなうように振分率が定められている。第4テーブルは、
図15(d)に示すように、連続演出A~Cのいずれかに決定されるが、「RBB」非当選時であるときには連続演出Cに決定されないように振分率が定められている。
【0142】
図14に示すように、選択用データA、C、およびDと、選択用データBとは、遊技回数が401以上の特定期間に到達するまでの期間においては、常に異なる抽選用テーブルが特定される。このため、設定されている選択用データがA、C、およびDのいずれかであるか、Bであるかを推測することが可能となる。例えば、遊技回数が1~25の期間において、連続演出Bが実行されたときには選択用データA、C、およびDのいずれかであることを推測でき、連続演出Cが実行されたときには選択用データBであることを推測できる。
【0143】
また、選択用データAと、選択用データC、Dとは、遊技回数が400までのうちの特定期間においては、常に異なる抽選用テーブルが特定される。このため、設定されている選択用データがAであるか、CおよびDのいずれかであるかを推測することが可能となる。例えば、遊技回数が76~100の特定期間において、連続演出Cが実行されて「RBB」非当選が報知されたときには、選択用データがCおよびDのいずれかであることを推測できる。
【0144】
さらに、選択用データCと、選択用データDとは、遊技回数が401以上の特定期間においては、異なる抽選用テーブルが特定される。このため、設定されている選択用データがCであるかDであるかを推測することが可能となる。例えば、遊技回数が401以上の特定期間において、連続演出Cが実行されて「RBB」非当選が報知されたときには、選択用データがDであることを推測できる。このように、遊技回数と実行される連続演出との関係から、設定されている選択用データを絞り込むことができる。
【0145】
図12に戻り、SA33では、RBB終了後から消化した遊技回数が特定期間に属する回数であるか否かを判定する。メインCPU61は、RBB終了後から遊技を消化する毎に遊技回数カウンタの値が1ずつ加算更新する。SA33では、遊技回数カウンタの値に基づいて判定する。SA33において特定期間に属する回数であると判定されなかったときには、SA35へ移行する一方、特定期間に属する回数であると判定されたときには、SA34において特定期間である旨を報知するための処理を行う。具体的には、遊技回数カウンタの値を特定可能な遊技回数コマンドをサブCPU71に送信する。サブCPU71により実行される演出制御処理では、遊技回数コマンドに基づいて、RBB終了後から消化した遊技回数を液晶表示器27の右上領域において更新表示し、特定期間中であるときには非特定期間中と異なる特別な態様で遊技回数を更新表示することにより、特定期間である旨を報知する。なお、特定期間である旨は、「特定期間中」といったメッセージを表示することにより報知するものであってもよい。これにより、特定期間である旨が示唆されるため、特定期間に対する注目度合いを向上させることができる。
【0146】
S35においては、連続演出に関する抽選契機が成立したか否かを判定する。有利示唆期間の抽選契機は、「ボーナス1」~「ボーナス6」「1枚役A」「1枚役B」のうちのいずれかに当選することにより成立する。SA35において、連続演出に関する抽選契機が成立していると判定されなかったときには、そのまま第2演出関連処理を終了する。
【0147】
一方、SA35において連続演出に関する抽選契機が成立していると判定されたときには、SA36においてRBB終了後から消化した遊技回数およびSA32において設定されている選択用データに基づいて抽選用テーブルを特定する。例えば、選択用データAが設定されている場合には、
図14の選択用データA欄を参照し、RBB終了後からの遊技回数が1~25の範囲に属するときには、抽選用テーブルとして第1テーブルが特定され、26~50の範囲に属する場合は抽選用テーブルとして第2テーブルが特定され、51~75の範囲に属する場合は抽選用テーブルとして第1テーブルが特定され、76~100の範囲に属する場合は抽選用テーブルとして第4テーブルが特定される。また、選択用データBが設定されている場合には、
図14の選択用データB欄を参照し、RBB終了後からの遊技回数が1~25の範囲に属するときには、抽選用テーブルとして第2テーブルが特定され、26~50の範囲に属する場合は抽選用テーブルとして第1テーブルが特定され、51~75の範囲に属する場合は抽選用テーブルとして第2テーブルが特定され、76~100の範囲に属する場合は抽選用テーブルとして第1テーブルが特定される。
【0148】
SA37においては、SA36において特定された抽選用テーブルを参照して、連続演出抽選処理を実行して、第2演出関連処理を終了する。メインCPU61は、連続演出抽選処理の抽選結果に応じて、連続演出を実行するための処理を実行する。連続演出を実行するための処理は、具体的には、連続演出抽選処理の抽選結果に応じて、決定された連続演出の種類を特定するための連続演出種類コマンドをサブCPU71に送信する。サブCPU71により実行される演出制御処理では、連続演出種類コマンドに基づいて連続演出の種類を特定し、当該連続演出の種類に属する連続演出を実行する。
【0149】
ここで、RBB終了後からの遊技回数が特定期間に属する場合に着目して説明する。遊技回数の下二桁が76~00の範囲における特定期間では、
図14に示すように、選択用データA設定時に第4テーブルが特定され、選択用データB設定時に第1テーブルが特定され、選択用データCまたはD設定時には第3テーブルが特定される。また、RBB非当選時において連続演出Cに決定される割合は、
図15に示すように、第4テーブルまたは第1テーブルが特定されているときと、第3テーブルが特定されているときとで異なる。より具体的には、RBB非当選時において第4テーブルまたは第1テーブルが特定されているときには連続演出Cに決定されることがないのに対し、第3テーブルが特定されているときには連続演出Cに比較的高い割合で決定される。これにより、遊技回数の下二桁が76~00の範囲における特定期間において、連続演出Cが実行されて、連続演出Cの結末により「RBB」非当選が報知されたときには、第3テーブルが特定されているため選択用データCまたはDが設定されていることを間接的に報知(推測)することができる。また、選択用データCまたはDは、
図13で示したように、比較的高い設定値が設定されているときに決定され得る選択用データである。その結果、遊技回数の下二桁が76~00の範囲における特定期間において、連続演出Cが実行されて、「RBB」非当選が報知されたときには、間接的に、比較的高い設定値が設定されていることを確定報知(推測)できる。また、選択用データおよび設定値を推測可能となることにより、「RBB」非当選であることによる落胆度合いを軽減できる。また、特定期間において連続演出Cが開始されたときには「RBB」当選報知か比較的高い設定値が設定されていることを報知することになるため、特定期間において連続演出Cが実行されることに対する期待感を向上させることができる。
【0150】
また、遊技回数の下二桁が76~00の範囲における特定期間においては、選択用データCおよび選択用データDのいずれが設定されているときであっても、共通の第3テーブルが特定される。このため、選択用データCおよび選択用データDのいずれか一方のみについて第3テーブルが対応付けられている場合には、特定期間において連続演出Cが実行されて「RBB」非当選が報知されたときであっても、第3テーブルが対応付けられている選択用データが設定されているときにしか選択用データを絞り込むことができないのに対し、選択用データCおよび選択用データDのいずれかが設定されているときにこれらの選択用データに絞り込むことができる。このため、選択用データCおよび選択用データDであることを特定できる機会を増やすことができる。
【0151】
また、遊技回数が「401」以上の範囲における特定期間では、
図14に示すように、選択用データA設定時のみならず選択用データBおよびC設定時においても第4テーブルが特定され、選択用データD設定時にのみ第3テーブルが特定される。これにより、遊技回数が「401」以上の範囲における特定期間において、連続演出Cが実行されて、「RBB」非当選が報知されたときには、第3テーブルが特定されているため、選択用データDが設定されていることを間接的に報知(推測)することができ、選択用データの種類をより絞り込むことができる。また、選択用データDは、
図13で示したように、設定されている設定値が4以上であるときにのみ決定され得る選択用データである。その結果、遊技回数が「401」以上の範囲における特定期間において、連続演出Cが実行されて、「RBB」非当選が報知されたときには、間接的に、設定値が「4」以上であることを確定報知(推測)できる。
【0152】
また、SA31において示したように、現在設定されている選択用データ(前回のRBB終了時に設定された選択用データ)の種類に応じた種類示唆演出が実行される。このため、RBBに制御されることに対して選択用データの種類を示唆するといった価値を付加することができ、RBBに制御されることに対する期待感を向上させることができる。また、RBBが終了してから新たにRBBに制御されるまでの間に連続演出Cが実行された履歴と、示唆された選択用データの種類とに基づいて、設定されている設定値を推測するという面白さを提供できる。
【0153】
また、特定期間は、
図14に示すように、遊技を75回消化する毎に到来するよう複数の範囲に亘り定められている。このため、設定されている選択用データの種類を特定して設定されている設定値を推測するという面白さを提供できる機会を複数回の期間に亘って遊技者に提供できる。これにより、例えば、RBB終了後の遊技回数が76~100に相当する特定期間が終了した後においても、遊技回数が176~200となって再び特定期間となることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0154】
なお、サブCPU71により実行される連続演出であっては、メインCPU61により決定される連続演出A~C各々に対して、複数種類設けられているものであってもよい。この場合、サブCPU71は、連続演出種類コマンドから特定される連続演出の種類に属する複数種類の演出のうちから乱数抽選等で決定した連続演出を実行するようにしてもよい。
【0155】
<変形例>
上記実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。以下に、実施形態に対する変更を例示する。
【0156】
(示唆演出に関する変形例)
(a)
図11において示した設定示唆演出Bは、通常示唆期間であるときには設定値1~設定値6のいずれが設定されているときでも実行可能とし、有利示唆期間であるときには設定値3以上が設定されているときに実行可能とすることにより、有利示唆期間中に実行されたときには設定値3以上であることを確定報知可能となる例について説明した。しかし、設定示唆演出Bは、通常示唆期間であるときには設定値1~設定値6のいずれが設定されているときでも実行可能とし、有利示唆期間であるときには設定値2以下が設定されているときであっても通常示唆期間であるときよりも低い割合で実行可能とすることにより、有利示唆期間中に実行されたときには設定値3以上である可能性が高くなるようにしてもよい。なお、設定示唆演出Cについても同様に、有利示唆期間であるときには設定値3以下が設定されているときであっても通常示唆期間であるときよりも低い割合で実行可能とすることにより、有利示唆期間中に実行されたときには設定値4以上である可能性が高くなるようにしてもよい。
【0157】
(b) 設定示唆演出の種類は、上記実施形態および変形例における設定示唆演出に限るものではない。設定示唆演出としては、実際に設定されている設定値が奇数であるときに実行可能となる設定示唆演出Dや、実際に設定されている設定値が偶数であるときに実行可能となる設定示唆演出Eを含むものであってもよい。また、設定示唆演出Dについては、通常示唆期間においては奇数であればいずれの設定値であっても実行可能であるのに対し、有利示唆期間においては奇数のうち3以上の奇数であるときにのみ実行可能となるようにしてもよく、また、有利示唆期間においては奇数のうち3未満の奇数(1)であるときに実行される割合を通常示唆期間であるときよりも低くなるようにしてもよい。また、設定示唆演出Eについては、通常示唆期間においては偶数であればいずれの設定値であっても実行可能であるのに対し、有利示唆期間においては偶数のうち4以上の偶数であるときにのみ実行可能となるようにしてもよく、また、有利示唆期間においては偶数のうち4未満の偶数(2)であるときに実行される割合を通常示唆期間であるときよりも低くなるようにしてもよい。これにより、設定示唆演出のバリエーションを豊富にすることができ、設定示唆演出により遊技の興趣を向上させることができる。
【0158】
また、設定示唆演出としては、実際に設定されている設定値が所定の設定値(例えば、2、3など)ではないことを示唆する演出(以下、否定示唆演出ともいう)や、設定変更されたか否かを示唆する演出(以下、変更示唆演出ともいう)を含むものであってもよい。否定示唆演出については、通常示唆期間においては設定値2以外が設定されているときに実行可能とすることにより設定値2ではないことを示唆するのに対し、有利示唆期間においては設定値2に加えて設定値1、3以外が設定されているときに実行可能とすることにより設定値1~3ではないことを示唆するようにしてもよい。また、変更示唆演出については、通常示唆期間においては設定変更されているときに実行可能とすることにより設定変更されたこと(変更履歴)を示唆するのに対し、有利示唆期間においては設定変更されかつ当該設定変更前の設定値よりも高い設定値に変更されているときに実行可能とすることにより高い設定値に設定変更されていること(変更履歴+設定値向上)を示唆するようにしてもよい。
【0159】
(c) 上記実施形態および変形例では、有利示唆期間への制御契機として、前回のRBBが終了してから消化した遊技回数である終了後遊技回数が所定回数(400)に到達すること、つまり所定回数に亘ってRBBに制御されないことにより成立する制御契機を含む例について説明した。しかし、有利示唆期間への制御契機としては、前回の有利示唆期間が終了してから消化した遊技回数が所定回数(100)に到達すること、つまり所定回数に亘って有利示唆期間に制御されないことにより成立する制御契機を含むものであってもよい。これにより、有利示唆期間に予め定められた期間が経過する間に亘って制御されないときであっても、有利示唆期間に制御されて特定示唆演出である設定示唆演出B等が実行されることに対する期待感を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0160】
(d) 上記実施形態および変形例において特定示唆演出の例である設定示唆演出Bは、通常示唆期間であるか有利示唆期間であるかにかかわらず、同一の実行契機が成立したときに、同一の実行タイミングで、同一の演出内容を実行することにより、通常示唆期間中であるときよりも有利示唆期間中であるときの方が遊技者にとって有利な情報を示唆する例について説明した。しかし、特定示唆演出は、少なくとも同一の実行タイミングで、同一の演出内容を実行することにより、通常示唆期間中であるときよりも有利示唆期間中であるときの方が遊技者にとって有利な情報を示唆するものであれば、実行契機については通常示唆期間と有利示唆期間とで異なるものであってもよい。例えば、特定示唆演出の実行契機は、通常示唆期間中であるときよりも有利示唆期間中であるときの方が成立する割合が高くなるように定められているものであってもよい。
【0161】
(e) 上記実施形態および変形例では、
図9のSA12における有利示唆期間抽選において当選すると有利示唆期間カウンタに所定値(例えば50)が加算更新される例について説明した。しかし、有利示唆期間抽選において当選したときに加算更新される値は、予め定められた値に限らず、乱数抽選などにより複数の値のうちのいずれかに決定するようにしてもよい。
【0162】
(f) 上記実施形態および変形例では、
図10において示すように、成立した抽選契機に応じた割合で有利示唆期間に制御(あるいは延長)する例について説明したが、これに替えてあるいは加えて、実際に設定されている設定値に応じた割合で有利示唆期間に制御(あるいは延長)するようにしてもよい。例えば、設定されている設定値が1~3であるときよりも4~6であるときの方が、高い割合で有利示唆期間に制御(あるいは延長)されるように有利示唆期間抽選が行われるものであってもよい。これにより、有利示唆期間に制御(あるいは延長)される頻度から設定されている設定値を推測することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0163】
(g) 設定示唆演出の実行契機は、RBB2を含む当選役グループに当選することにより成立する例について説明したが、これらに替えてあるいは加えて、他の役(例えば、「ボーナス1」~「ボーナス6」、「1枚役A」「1枚役B」)に当選あるいは入賞することや、はずれとなること、遊技を予め定められた回数(例えば、20)だけ消化することなどが定められているものであってもよい。
【0164】
(可能性演出に関する変形例)
(a) 上記実施形態および変形例では、可能性演出として連続演出を例示するとともに、
図15(d)に示す第4テーブルにおいて「RBB」非当選時には連続演出Cに決定されないようにすることにより、遊技回数が400までのうちの特定期間において、連続演出Cが実行されて「RBB」非当選が報知されたときには、選択用データがCおよびDのいずれかであることを特定(推測)できる例について説明した。しかし、特定期間において選択用データAが設定されているときに参照される第4テーブルと、選択用データCまたはDが設定されているときに参照される第3テーブルとにおいて、「RBB」非当選時に連続演出Cに決定される割合が異なるように定められているものであれば、これに限らず、例えば、第4テーブルは、「RBB」非当選時において連続演出Cに決定される割合が第3テーブルよりも低い割合(1%)で決定され得るように振分率が定められているものであってもよい。これにより、特定期間において連続演出Cが実行されて「RBB」非当選が報知されることにより、第4テーブルを参照する選択用データAではなく、第3テーブルを参照する選択用データCまたはDが設定されている可能性が高いことを推測でき、推測した選択用データから設定されている設定値を推測するという面白さを提供できるとともに、有利状態に制御する旨が決定されていないことによる落胆度合いを軽減できる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
【0165】
(b) 上記実施形態および変形例では、遊技回数が「401」以上の範囲における特定期間においてのみ、
図14に示すように、選択用データA設定時のみならず選択用データBおよびC設定時においても第4テーブルが特定され、選択用データD設定時にのみ第3テーブルが特定される例について説明した。しかし、選択用データA設定時のみならず選択用データBおよびC設定時においても第4テーブルが特定され、選択用データD設定時にのみ第3テーブルが特定される期間は、これに限らず、例えば、遊技回数が76~100の範囲における特定期間に適用してもよい。これにより、RBB終了後の比較的早いタイミングであっても、連続演出Cが実行されて「RBB」非当選が報知されたときには、間接的に、設定値が「4」以上であることを確定報知(推測)できる機会を付与できるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0166】
(c) 上記実施形態および変形例における特定期間は、RBB終了後における遊技回数により特定される期間である例について説明した。しかし、特定期間は、所定の開始条件が成立してから所定の終了条件が成立するまでの期間であればこれに限るものではない。所定の開始条件は、例えば、所定の役に当選あるいは入賞することや、はずれとなること、遊技に用いたメダル枚数が所定枚数(例えば700枚消費(マイナス700枚))に到達すること、乱数抽選で当選することにより成立する条件であってもよく、ストップスイッチ21L~21Rへの操作態様が所定の操作態様となることなどを契機として成立するものであってもよい。また、所定の終了条件についても同様に、例えば、所定の役に当選あるいは入賞することや、はずれとなること、遊技に用いたメダル枚数が所定枚数(例えば700枚消費(マイナス700枚))に到達すること、乱数抽選で当選することにより成立する条件であってもよく、ストップスイッチ21L~21Rへの操作態様が所定の操作態様となることなどを契機として成立するものであってもよい。また、所定の開始条件および所定の終了条件は、同じ契機により成立するものであってもよく、異なる契機により成立するものであってもよい。この場合においても、特定期間であるときには、特定期間である旨を報知するようにしてもよい。
【0167】
(d) 上記実施形態および変形例では、選択用データとしてA~Dの4種類を例示したが、これに限らず、選択用データA、C、およびDの3種類が定められているものであってもよく、2種類あるいは5種類以上定められているものであってもよい。
【0168】
(e) 上記実施形態および変形例では、特定期間であるか非特定期間であるかにかかわらず、同じ態様(例えば、タイトルの色合い等)で連続演出を実行する例について説明した。しかし、連続演出の態様は、特定期間であるときと非特定期間であるときとで異なるようにしてもよい。例えば、同じ種類の連続演出であっても、特定期間中に実行するときには、非特定期間で実行するときよりも目立つ態様(例えば、赤色)となるようにしてもよい。この場合、さらに、連続演出開始時においては同じ態様で実行し、例えば、演出用操作部81への操作に応じて特定期間中であるときには連続演出の態様を目立つ態様に切替えるようにしてもよい。
【0169】
(f) 上記実施形態および変形例では、可能性演出として複数回の遊技に亘って実行される連続演出を例示した。しかし、可能性演出は、有利状態に制御する旨が決定されている可能性を示唆する演出であればこれに限らず、例えば、1回の遊技において完結する演出であってもよい。
【0170】
(その他)
上記実施形態および変形例では、メインCPU61からサブCPU71へ設定値を特定可能なコマンド等を出力することなく、
図9~
図15を参照して説明した第1演出関連処理および第2演出関連処理を、メインCPU61側において実行する例について説明した。これにより、メインCPU61から設定値を特定可能なコマンドが出力されないため、スロットマシン1のセキュリティを向上させつつ、設定値に応じて設定示唆演出を実行することができるとともに選択用データを設定することができる。しかし、第1演出関連処理および第2演出関連処理の一部(設定値を参照する必要性を有する処理)をメインCPU61側において実行し、他の処理をサブCPU71側において実行するようにしてもよい。例えば、メインCPU61側において第1演出関連処理および第2演出関連処理のうち設定値を参照する処理(例えば、第1演出関連処理のうちSA16、SA18~SA21について、SA16でYESのときにSA18~SA21すべてを実行する処理、第2演出関連処理のうちSA30、SA32について、SA30においてYESのときにSA32を実行する処理など)を実行し、処理結果(例えば、SA19およびSA21により設定された設定示唆演出、SA32により設定された選択用データ)を特定可能なコマンドを出力するようにする。さらに、サブCPU71側では、第1演出関連処理のうちSA11~SA12における有利示唆期間抽選に関する処理や、SA13~SA15における有利示唆期間中に関する処理を行い、メインCPU61からの設定示唆演出を特定可能なコマンドに基づき有利示唆期間中であるか否かに応じた設定示唆演出を実行するようにしてもよい。また、サブCPU71側では、第2演出関連処理のうちSA32以外の処理を実行するとともに、メインCPU61からの選択用データを特定可能なコマンドに基づき選択用データを設定し、当該選択用データに基づいてSA36等の処理を実行するようにしてもよい。これにより、処理負担をメインCPU61側とサブCPU71側とに分散することができる。また、メインCPU61からサブCPU71へ設定値を特定可能なコマンド等を出力し、
図9~
図15を参照して説明した第1演出関連処理および第2演出関連処理をサブCPU71側において実行するようにしてもよい。
【0171】
役抽選の対象となる当選役グループとしては、ストップスイッチ21L~21Rへの操作態様(例えば押し順)に応じて、遊技者にとっての有利度合い(払出枚数、移行される遊技状態など)が異なる図柄組合せを停止させる当選役グループ(いわゆる、押し順ベル、押し順リプレイ、以下、押し順役ともいう)を設けてもよい。このような押し順役を設けた場合において、当該押し順役に当選したときに遊技者にとって有利度合いが高い図柄組合せを停止させる有利な操作態様を報知(いわゆる、ナビ演出)するようにしてもよい。また、有利状態としては、押し順役当選時における有利な操作態様の報知を所定期間に亘り実行する報知期間(いわゆる、AT、擬似ボーナスなど)に制御するようにしてもよい。また、上記実施形態では、有利状態として、RBBを例示したが、これに替えてあるいは加えて、前述した報知期間であってもよく、また、報知期間に制御される割合が通常モードよりも高まる高確率モードなどであってもよい。報知期間あるいは高確率モードなどに制御される割合は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであればよい。
【0172】
上記実施形態では、可変表示部13が3つの左可変表示列10L~右可変表示列10Rを備える例について説明するが、これに限らず、1つの可変表示列を備える遊技機であっても、4つ以上の可変表示列を備える遊技機であってもよい。また、可変表示部13は、リール11L~11Rにより構成される例を示したが、これに限らず、液晶表示器や7セグメントLEDなどの表示装置により構成されるものであってもよい。また、可変表示部13に対して入賞ラインとして1本のみ設定されている例について説明したが、これに限らず、複数の入賞ラインが設定されているものであってもよい。
【符号の説明】
【0173】
1 スロットマシン、11L,11M,11R リール、14L,14M,14R リールモータ、21L,21M,21R ストップスイッチ、27 液晶表示器、63 メイン制御基板、73 サブ制御基板。