(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】材料供給装置および材料供給方法
(51)【国際特許分類】
B65G 47/19 20060101AFI20221004BHJP
B29C 31/00 20060101ALI20221004BHJP
B29B 7/24 20060101ALI20221004BHJP
B29B 7/60 20060101ALI20221004BHJP
B65G 27/20 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
B65G47/19
B29C31/00
B29B7/24
B29B7/60
B65G27/20
(21)【出願番号】P 2018162310
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000129183
【氏名又は名称】株式会社カワタ
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】大谷 元啓
(72)【発明者】
【氏名】寺中 昭充
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-319536(JP,A)
【文献】特開昭53-055560(JP,A)
【文献】特開平01-123623(JP,A)
【文献】特開平08-039592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/19
B29C 31/00
B29B 7/24
B29B 7/60
B65G 27/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体または粒体である主材料、および前記主材料よりも重量比が小さい少なくとも1種類の粉体または粒体である副材料を、搬送面に載せて、前記搬送面の長手方向である搬送方向に沿って搬送する搬送装置と、
前記搬送面の前記搬送方向の上流側の端部側に位置し、前記主材料を供給する主材料供給装置と、
前記搬送面の前記搬送方向の中途部に位置し、前記副材料を定量供給する副材料供給装置と
、
を備え
、
前記主材料供給装置は、
前記主材料のうちの一部を前記搬送面の上に載せて供給した後に、前記主材料のうちの前記一部を除いた残余の分を供給し、
前記副材料供給装置は、
前記主材料供給装置が前記主材料のうちの前記一部を供給した後であって、かつ、前記主材料供給装置が前記残余の分を供給する前に、前記副材料の全部を、前記主材料のうちの前記一部の上に載せて供給する、
材料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の材料供給装置であって、
前記搬送装置は、前記搬送面を振動させる発振部を有する振動フィーダである、材料供給装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の材料供給装置であって、
前記主材料供給装置および前記副材料供給装置は、それぞれ一定量の材料を供給する定量供給装置である、材料供給装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の材料供給装置であって、
前記材料供給装置は、前記搬送面の前記搬送方向の下流側の端部に到達した前記主材料および前記副材料を、この下流側の端部から落下させて、後続の混合装置に提供し、
前記混合装置は、攪拌により前記主材料および前記副材料を混合する、材料供給装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の材料供給装置であって、
前記副材料は、
第1副材料と、
前記主材料に対する重量比が前記第1副材料よりも小さく、前記第1副材料とは異なる種類の材料である、第2副材料と、
を含み、
前記副材料供給装置は、
前記搬送面の前記搬送方向の中途部である第1の位置の上方に位置し、前記第1副材料を定量供給する第1副材料供給装置と、
前記搬送面の、前記第1の位置よりも前記搬送方向の下流側である第2の位置の上方に位置し、前記第2副材料を定量供給する第2副材料供給装置と、
を有する、材料供給装置。
【請求項6】
請求項5に記載の材料供給装置であって、
前記第1副材料は、材料に特定の機能を付与する添加剤であり、
前記第2副材料は、材料を着色する顔料である、材料供給装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の材料供給装置であって、
前記主材料はポリ塩化ビニルである、材料供給装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の材料供給装置であって、
1の前記副材料の、前記主材料に対する重量比は、0重量%よりも大きく、かつ、10重量%以下である、材料供給装置。
【請求項9】
粉体または粒体である主材料、および前記主材料よりも重量比が小さい少なくとも1種類の粉体または粒体である副材料を、搬送面に載せて、前記搬送面の長手方向である搬送方向に沿って搬送し、後続の装置へと導入する材料供給方法であって、
a)前記主材料のうちの一部を、前記搬送面の前記搬送方向の上流側の端部において、前記搬送面の上に載せて供給し、
b)前記a)で供給した前記主材料を搬送して、前記搬送面の少なくとも前記搬送方向の中途部に前記主材料を行き渡らせ、
d)前記b)の後、前記副材料の全部を、前記搬送面の前記中途部において、前記主材料の上に載せて供給し、
e)前記d)の後、前記主材料のうちの前記一部を除いた残余の分を、前記搬送面の前記搬送方向の上流側の端部において、供給し、
f)前記e)の後、前記搬送面上の前記主材料および前記副材料の全てを搬送して、前記後続の装置へと送る、
材料供給方法。
【請求項10】
請求項9に記載の材料供給方法であって、
c)前記b)の後、前記搬送面を一旦静止させ、
前記d)は、前記c)の状態の間に行われる、材料供給方法。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の材料供給方法であって、
前記a)から前記f)までの工程は、バッチ処理として行われる、材料供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料供給装置および材料供給方法に関する。詳細には、複数種類の材料をそれぞれ定量供給して、後続の装置に導入するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粉粒体(粉体および/または粒体。以下、単に「粉粒体」と称する。)を後続の装置に導入するために、粉粒体を構成する各材料を搬送装置に供給し、当該搬送装置によって搬送方向に沿って搬送する場合がある。材料は、搬送装置の搬送方向の下流側の端部で、後続の装置へと受け渡される。斯かる用途に用いられる搬送装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1には、粉粒体を計量して搬送するために、振動フィーダを搬送装置として利用することが記載されている。この種の振動フィーダは、特許文献1にも記載があるように、搬送用トラフを有する。搬送用トラフが、搬送方向に対して斜め上方に振幅を有する振動を繰り返すことにより、搬送用トラフ内に投入された粉粒体が、搬送方向に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような振動フィーダを用いて粉粒体を搬送方向に搬送する場合、粉粒体の性質(粒径、吸湿性、潮解性、帯電性等)によっては、搬送用トラフの内表面に粉粒体が付着しやすい場合があった。搬送用トラフの内表面に一部の粉粒体が付着してしまうと、材料損失が生じて、混合材料の配合比が不正確となる。
【0006】
この種の問題は、以下のような場合に、特に顕著となる。すなわち、例えば樹脂等の主材料に対し、当該主材料よりもはるかに少量の顔料等の副材料を混合した混合材料を、後工程の押出成形等に用いる場合がある。斯かる混合材料を製造するために、単に上記のような振動フィーダを用いた場合、主材料よりも粒径が小さい顔料(副材料)は、とりわけ搬送用トラフの内表面に付着しやすい性質を有するため、搬送途中で失われやすい。しかも、含有量がもともと少ない顔料の一部が搬送途中で失われると、混合材料の全体的な配合比が所望の値から大きく外れてしまう虞がある。
【0007】
特許文献1にも、材料損失を防ぐための措置として、振動フィーダの底面に沿って往復するスクレーパを用いるとの記載がある。しかしながら、掛かる措置だけでは、上述のような副材料の材料損失を抑制するために、必ずしも十分とは言えなかった。また、スクレーパのような付加的な部材を設けることなく、材料損失を抑制することができれば、より望ましい。
【0008】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、材料損失を少なく抑えた状態で副材料を導入することができ、後続の装置における主材料および副材料の配合比を所望の状態に近づけることができる、材料供給装置および材料供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、搬送装置と、主材料供給装置と、副材料供給装置と、を備える材料供給装置を提供する。前記搬送装置は、粉体または粒体である主材料、および前記主材料よりも重量比が小さい少なくとも1種類の粉体または粒体である副材料を、搬送面に載せて、前記搬送面の長手方向である搬送方向に沿って搬送する。前記主材料供給装置は、前記搬送面の前記搬送方向の上流側の端部側に位置し、前記主材料を供給する。前記副材料供給装置は、前記搬送面の前記搬送方向の中途部に位置し、前記副材料を定量供給する。前記主材料供給装置は、前記主材料のうちの一部を前記搬送面の上に載せて供給した後に、前記主材料のうちの前記一部を除いた残余の分を供給する。前記副材料供給装置は、前記主材料供給装置が前記主材料のうちの前記一部を供給した後であって、かつ、前記主材料供給装置が前記残余の分を供給する前に、前記副材料の全部を、前記主材料のうちの前記一部の上に載せて供給する。
【0010】
本願の第2発明では、第1発明に係る材料供給装置において、前記搬送装置は、前記搬送面を振動させる発振部を有する振動フィーダである。
【0011】
本願の第3発明では、第1発明または第2発明に係る材料供給装置において、前記主材料供給装置および前記副材料供給装置は、それぞれ一定量の材料を供給する定量供給装置である。
【0012】
本願の第4発明では、第1発明から第3発明までのいずれか1つに係る材料供給装置において、この材料供給装置は、前記搬送面の前記搬送方向の下流側の端部に到達した前記主材料および前記副材料を、この下流側の端部から落下させて、後続の混合装置に提供する。また、この混合装置は、攪拌により前記主材料および前記副材料を混合する。
【0013】
本願の第5発明では、第1発明から第4発明までのいずれか1つに係る材料供給装置において、前記副材料は、第1副材料と、第2副材料とを含む。前記第2副材料は、前記主材料に対する重量比が前記第1副材料よりも小さく、前記第1副材料とは異なる種類の材料である。また、前記副材料供給装置は、第1副材料供給装置と、第2副材料供給装置とを有する。前記第1副材料供給装置は、前記搬送面の前記搬送方向の中途部である第1の位置の上方に位置し、前記第1副材料を定量供給する。前記第2副材料供給装置は、前記搬送面の、前記第1の位置よりも前記搬送方向の下流側である第2の位置の上方に位置し、前記第2副材料を定量供給する。
【0014】
本願の第6発明では、第5発明に係る材料供給装置において、前記第1副材料は、材料に特定の機能を付与する添加剤である。また、前記第2副材料は、材料を着色する顔料である。
【0015】
本願の第7発明では、第1発明から第6発明までのいずれか1つに係る材料供給装置において、前記主材料はポリ塩化ビニルである。
【0016】
本願の第8発明では、第1発明から第7発明までのいずれか1つに係る材料供給装置において、1の前記副材料の、前記主材料に対する重量比は、0重量%よりも大きく、かつ、10重量%以下である。
【0017】
本願の第9発明は、粉体または粒体である主材料、および前記主材料よりも重量比が小さい少なくとも1種類の粉体または粒体である副材料を、搬送面に載せて、前記搬送面の長手方向である搬送方向に沿って搬送し、後続の装置へと導入する材料供給方法を提供する。この材料供給方法は、次のa),b),およびd)~f)の工程を含む。a)では、前記主材料のうちの一部を、前記搬送面の前記搬送方向の上流側の端部において、前記搬送面の上に載せて供給する。b)では、前記a)で供給した前記主材料を搬送して、前記搬送面の少なくとも前記搬送方向の中途部に前記主材料を行き渡らせる。d)では、前記b)の後、前記副材料の全部を、前記搬送面の前記中途部において、前記主材料の上に載せて供給する。e)では、前記d)の後、前記主材料のうちの前記一部を除いた残余の分を、前記搬送面の前記搬送方向の上流側の端部において、供給する。f)では、前記e)の後、前記搬送面上の前記主材料および前記副材料の全てを搬送して、前記後続の装置へと送る。
【0018】
本願の第10発明では、第9発明に係る材料供給方法において、次のc)の工程を含む。c)では、前記b)の後、前記搬送面を一旦静止させる。また、前記d)の工程は、前記c)の状態の間に行われる。
【0019】
本願の第11発明では、第9発明または第10発明に係る材料供給方法において、前記a)から前記f)までの工程は、バッチ処理として行われる。
【発明の効果】
【0020】
本願の第1発明~第11発明によれば、材料損失を少なく抑えた状態で副材料を導入することができ、後続の装置における主材料および副材料の配合比を所望の状態に近づけることができる。
【0021】
特に、本願の第1発明によれば、副材料を、搬送面上の主材料の上に載せるように供給できる。その後、さらに主材料を搬送面に対して供給して当該主材料を搬送方向に沿って搬送すれば、副材料が搬送面に付着することを抑制しつつ、副材料を搬送方向の下流側の端部へと搬送することができる。したがって、従来は搬送面に付着して搬送途中に損失していた副材料の損失を抑制しつつ、後続の装置(例えば、混合装置)に主材料および副材料を供給することができる。その結果、従来よりも正確な重量比で主材料および副材料を配合できる。
【0022】
特に、本願の第2発明によれば、副材料を主材料の上に載せるようにして搬送方向の下流側へと搬送する際に、振動によって、副材料が搬送方向に分散する。これにより、後続の装置(例えば、混合装置)に供給する前の段階で、予備的に、副材料の粒子同士を離散させることができる。よって、後続の装置等において、主材料と副材料とが偏りなく分布した混合材料を得やすくなる。
【0023】
特に、本願の第3発明によれば、各材料を一定量ずつ導入することが可能となる。よって、所望の重量比で主材料および副材料を配合しやすくなる。
【0024】
特に、本願の第4発明によれば、副材料が混合装置の攪拌槽内のデッドゾーン(例えば、隅の方)に分布してしまう虞が軽減される。よって、攪拌により、主材料と副材料とを良好に混合することが可能となる。
【0025】
特に、本願の第5発明によれば、例えば制御部の制御によって、搬送面の全域に、前記主材料供給装置から供給された主材料が行き渡ったと推定される時期に、搬送装置を停止させた状態で、主材料の上に第1副材料および第2副材料を載せて供給することができる。この場合、第2の位置から搬送方向の下流側の端部までの距離は、第1の位置から搬送方向の下流側の端部までの距離よりも、短い。ここで、重量比が小さい副材料ほど、搬送面等に付着して損失すると、全体的な配合比に影響を与えやすい。この点、本構成では、重量比がより小さい第2副材料の方が、第1副材料よりも、後続の装置までの搬送距離が短いので、搬送途中に損失する虞が低減される。その結果、混合材料の最終的な配合比を所望の状態に近づけやすくなる。
【0026】
ここで、一般的に、顔料の方が、添加剤よりもその粒径が小さいので、搬送面等に付着しやすく、搬送途中で損失する可能性が高い。この点、本願の第6発明によれば、顔料を、添加剤よりも搬送方向の下流側の位置で、主材料の上に載せて供給する。これにより、顔料の後続の装置までの搬送距離を短くし、搬送途中で失われてしまう虞を軽減することができる。その結果、所望の重量比で主材料、添加剤、および顔料を配合した混合材料を得やすくなる。
【0027】
ポリ塩化ビニルを主材料に含み、かつ、適宜の添加剤や顔料等を副材料として含む混合材料は、プラスチック成形において需要が高い。この点、本願の第7発明によれば、このような汎用性の高い混合材料を、正確な重量比(配分)で製造することが容易となる。
【0028】
本願の第8発明によれば、重量比が小さい副材料が、搬送途中で搬送面等に付着して損失する虞を低減できる。その結果、各材料の配合比が所望の値から大幅にずれてしまうことを防止できる。
【0029】
本願の第9発明によれば、副材料が搬送面に付着することを抑制しつつ、副材料を主材料の上に載せるようにして搬送方向の下流側の端部へと搬送することができる。これにより、従来は搬送面に付着して搬送途中に損失していた副材料の損失を抑制しつつ、後続の装置(例えば、混合装置)に主材料および副材料を供給することができる。その結果、従来よりも正確な重量比で主材料および副材料を配合できる。
【0030】
特に、本願の第10発明によれば、例えば搬送の方法として搬送面を振動させる方式のものを採用した場合であっても、副材料の搬送面に対する供給時には搬送面を一時的に静止させることで、副材料を定量供給することが容易となる。すなわち、振動等の影響で副材料の供給量が不安定となってしまうことを防止できる。
【0031】
特に、本願の第11発明によれば、後続の装置が混合装置等のバッチ処理を行う装置の場合に、各材料の導入もバッチ式で行うことで、円滑に主材料および副材料を導入することができる。とりわけ、後続の装置が混合装置の場合に、材料の導入を連続処理で行う場合と比べて、主材料および副材料をより確実に混合することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本実施形態に係る材料供給装置の概略的な側面図である。
【
図2】本実施形態に係る材料供給装置の概略的な平面図である。
【
図3】本実施形態に係る材料供給装置の電気的な構成を示したブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る材料供給方法における、1バッチに相当する処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、本発明の例示的な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0034】
<1.材料供給装置の概略>
本実施形態に係る材料供給装置100は、押出成形あるいは射出成形等の種々の方法によって樹脂製品を成形する際に、その前工程として、樹脂を主材料として含む混合材料を後続の装置へ供給するために用いられる。
【0035】
ここで、本実施形態の「(混合)材料」は、主材料としての粉粒体であるポリ塩化ビニルと、副材料としての粉粒体である添加剤および顔料とを、含んでいる。
【0036】
本実施形態の添加剤は、「第1副材料」として導入されるものである。添加剤は、混合材料(材料)に、特定の機能を付与するために添加される。具体例を挙げると、添加剤は、紫外線防止剤あるいは酸化防止剤とすることができる。添加剤の重量比は、主材料よりも小さい。具体的には、本実施形態では、添加剤の主材料に対する重量比は、0.1重量%を上回り、かつ、10重量%を下回る。
【0037】
本実施形態の顔料は、「第2副材料」として導入されるものである。顔料は、混合材料(材料)を着色するために添加される。具体例を挙げると、顔料は、ウルトラマリンあるいはアズライトとすることができる。顔料の主材料に対する重量比は、添加剤の主材料に対する重量比よりも、さらに小さい。本実施形態では、顔料の主材料に対する重量比は、0.1重量%かそれを下回る。ただし、顔料の主材料に対する重量比は、0重量%よりも大きい。
【0038】
上述の主材料(樹脂材料)、添加剤、および顔料は、本実施形態に係る材料供給装置100が有する搬送面110aに対して、それぞれ一定量ずつ導入され、当該搬送面110aの長手方向である搬送方向に沿って搬送される。搬送面110aにおける搬送方向の下流側の端部に到達した主材料、添加剤、および顔料は、後続の混合装置103へと供給(導入)される。すなわち、材料供給装置100は、混合材料に含まれる各材料を計量して搬送面110aに供給するとともに、供給された材料を当該搬送面110aに沿って搬送し、後続の装置へと受け渡す。
【0039】
<2.材料供給装置の構成>
以下では、本実施形態に係る材料供給装置100の構成について、
図1および
図2を参照して説明する。
図1は、材料供給装置100の概略的な側面図である。
図2は、材料供給装置100の概略的な平面図である。
図1および
図2に示すように、材料供給装置100は、振動フィーダ(搬送装置)10と、主材料供給装置20と、副材料供給装置30と、制御部40とを主として備えている。
【0040】
<2-1.搬送装置の構成>
図1および
図2に示す振動フィーダ10は、「搬送装置」の実施の一形態である。振動フィーダ10は、平面状の搬送面110aを振動させることにより、搬送面110a上の粉粒体を、当該搬送面110aの長手方向(搬送方向)に沿って搬送する装置である。本実施形態の搬送面110aは、概ね水平に配置されている。
図1に示すように、振動フィーダ10は、トラフ11と、弾性部材12と、架台13と、モータ14と、偏心部材15とを有する。
【0041】
トラフ11は、供給された粉粒体(主材料および副材料)を内部に収容して、搬送方向に搬送するための部材である。トラフ11は、上下方向に薄い略直方体状の筐体である。トラフ11は、底面部110と、側面部112と、蓋部113とを含む。トラフ11の底面部110は、搬送方向に長い略矩形の平板である。底面部110の上面は、粉粒体を載置する搬送面110aとなる。
【0042】
側面部112は、底面部110の上記矩形の各辺(4辺)から上方に向かって延びる。側面部112は、トラフ11の前面、左右1対の側面、および後面をなす。本実施形態では、搬送方向の下流側にトラフ11の前面が、搬送方向の上流側にトラフ11の後面が、それぞれ配置される。トラフ11の底面部110の前端部には、板面を貫通する貫通孔(図示省略)が設けられている。
【0043】
蓋部113は、トラフ11を上方から閉塞する、概ね矩形の平板状の部材である。
図2に示すように、蓋部113には、板面を貫通する貫通孔113aが、平面視で搬送方向に沿って複数設けられている。複数の貫通孔113aは、蓋部113の幅方向中央部において搬送方向に延びる仮想直線L上に、一列に設けられる。また蓋部113の搬送方向の上流側の端部には、板面を貫通する貫通孔113bが設けられる。
【0044】
図1に示す弾性部材12は、トラフ11を振動可能に支持する。弾性部材12は、トラフ11の位置の変化に応じて、弾性変形する。架台13は、間に上記の弾性部材12を介在させた状態で、トラフ11を下方から支持する構造体である。架台13は、例えば工場の床面に設置される。
【0045】
モータ14は、トラフ11を振動させるために駆動される駆動源である。上記の偏心部材15は、重心が回転軸芯からずれた状態とされている部材である。偏心部材15には、モータ14の回転動力が伝達される。モータ14と偏心部材15とを合わせたものが、本実施形態に係る「発振部」をなしている。
【0046】
以上のような構成の振動フィーダ10において、モータ14が回転駆動されると、偏心部材15が回転し、トラフ11に、搬送方向に対し斜め上方に振幅を有する振動が生じる。別の言い方をすれば、上記の発振部が駆動することにより、トラフ11には、前上方に向かう起振力Fが付与される。なお、起振力Fの方向を、
図1中に細線矢印で示してある。トラフ11内の粉粒体の各粒子は、起振力Fによって前上方に向かう圧力を受け、これにより、小刻みな移動を繰り返す。その結果、粉粒体がトラフ11内を、搬送方向の下流側に向かって搬送される。
【0047】
<2-2.主材料供給装置の構成>
主材料供給装置20は、主材料としてのポリ塩化ビニルの粉粒体を、トラフ11内に定量供給するための装置である。
図1に示すように、主材料供給装置20は、主材料を収容(貯留)するホッパ21と、ホッパ21から主材料を排出する排出部22とを有する。主材料供給装置20は、ホッパ21から自重で落下する材料を後続の装置(ここでは、振動フィーダ10)へと供給する供給装置である。本実施形態の主材料供給装置20の排出部22としては、バタフライ弁等の排出弁が用いられる。それ以外にも、排出部22には公知の様々な方式の機構を採用し得るが、例えばスクリュー式あるいはテーブル式のフィーダを用いて定量供給を行ってもよい。
【0048】
主材料供給装置20は、トラフ11(搬送面110a)の搬送方向の上流側の端部(本実施形態では、後方側の端部)の上方に位置する。主材料供給装置20の下端部は、上述の蓋部113の貫通孔113bを通じて、トラフ11の搬送方向の上流側の端部と接続される。
【0049】
<2-3.副材料供給装置の構成>
図1および
図2に示すように、副材料供給装置30は、第1副材料供給装置31a,31b,31c,31d,31e,31f,31gと、第2副材料供給装置32とを、有する。7つの第1副材料供給装置31a,31b,・・・,31gは、第1副材料としての添加剤の粉粒体を、トラフ1内に定量供給するための装置である。第2副材料供給装置32は、第2副材料としての顔料の粉粒体を、トラフ1内に定量供給するための装置である。
【0050】
上記の第1副材料供給装置31a,31b,・・・,31gおよび第2副材料供給装置32はいずれも、副材料を収容するホッパ310(320)と、ホッパ310(320)から副材料を繰り出す繰出部311(321)とを有する。これらの副材料供給装置31,32は、ホッパ310(320)から自重で落下する材料を計量しつつ、そのうちの一定量を後続の装置(ここでは、振動フィーダ10)へと供給する、定量供給装置である。副材料供給装置31,32の繰出部311(321)としては、公知の様々な方式の機構を採用し得るが、例えばスクリュー式あるいはテーブル式のフィーダを採用することができる。
【0051】
これらの副材料供給装置31,32は、
図1に示すように、トラフ11(搬送面110a)の搬送方向の中途部の上方に位置する。
図2に示すように、本実施形態では、複数の副材料供給装置31,32は、搬送方向に沿って千鳥状に並んで設けられる。
【0052】
より具体的には、第1副材料供給装置31は、搬送面110aの搬送方向の中途部である第1の位置P1の上方に配置される。7つの第1副材料供給装置31a,31b,・・・,31gは、搬送面110aの搬送方向の上流側から下流側に向かって、この順に並んでいる。7つの第1副材料供給装置31a,31b,・・・,31gは、主材料に対する重量比が互いに異なる、個別の種類の添加剤をホッパ310に収容する。7つの第1副材料供給装置31a,31b,・・・,31gは、好ましくは、供給する添加剤の主材料に対する重量比が、搬送方向の下流側に向かうにつれて小さくなるように配列される。なお、最も重量比が大きい副材料を供給する第1副材料供給装置31が、最も重量比が小さい副材料を供給する第1副材料供給装置31よりも上流側にあればよく、他の副材料のうち相対的に重量比が大きく変わらないものについては必ずしも上流側から順に並んでいなくてもよい。
【0053】
第2副材料供給装置32は、搬送面110aの搬送方向の中途部の、上記第1の位置P1よりも下流側の位置である第2の位置P2の上方に配置される。
図2に示すように、本実施形態では、1つの第2副材料供給装置32が、上記の7つの第1副材料供給装置31とともに、千鳥状の配列を形成する。
【0054】
副材料供給装置31,32のレイアウトについてより詳しく説明すると、複数の副材料供給装置31,32は、上述の蓋部113の貫通孔113aに対応するように、かつ、隣り合う副材料供給装置31(32)のホッパ310(320)が仮想直線Lを挟んで左右に振り分けて配置される。
図1に示すように、搬送方向に隣り合う副材料供給装置31(32)は、側方から見たときに、ホッパ310(320)の一部が互いに重なる。
【0055】
上述したように、本実施形態では、副材料を収容するホッパ310(320)が、蓋部133の上方の空間に、千鳥状に合理的に配置されている。そのため、トラフ11の搬送方向の寸法を短く抑えつつ、ホッパ310(320)を大容量化することができ、また一度の搬送で多くの種類の主材料・副材料を投入することができる。その結果、オペレータによる主材料・副材料の充填の頻度を少なく抑えることができ、高効率化を図ることができる。また、混合材料を供給するための処理工程の数を少なく抑えることができ、掛かる点においても効率が向上する。
【0056】
<2-4.制御部の構成>
図1および
図3に示す制御部40は、振動フィーダ10、主材料供給装置20、および副材料供給装置30を動作制御するための手段である。
図3は、制御部40に電気的に接続される各部をブロック図で示している。本実施形態の制御部40は、CPU等のプロセッサ、メモリ、および回路基板等を有する。制御部40は、振動フィーダ10のモータ14、主材料供給装置20の排出部22、ならびに副材料供給装置30の繰出部311(321)および計量部(図示量略)と、それぞれ電気的に接続されている。また、制御部40は、タイマー41に電気的に接続されている。タイマー41は、搬送面110aに対する材料の分布を推定するために用いられる。制御部40は、メモリに記憶されたプログラムを一時的に読み出し、当該プログラムに基づいて、回路基板が演算処理を行うことにより、上記の各部を動作制御する。これにより、上記のハードウェアとソフトウェアとの協働によって、材料供給装置100における振動フィーダ10のトラフ11(搬送面110a)の振動およびその停止や、主材料・副材料の供給およびその停止等が、総合的に制御されながら進行する。
【0057】
<2-5.後続の装置の構成>
図1および
図2に示すように、本実施形態の材料供給装置100の後段には、ホッパ102および混合装置103が設けられる。
【0058】
図1に示すように、ホッパ102は、トラフ11の搬送方向の下流側の端部の下方に配置される。ホッパ102の上端部は、上下方向に延びる通路104を介して、トラフ11の前端部の上記貫通孔に接続される。これにより、トラフ11の搬送方向の下流側の端部に到達した粉粒体が、上記貫通孔および通路104内を落下して、ホッパ102に供給される。ホッパ102の底部には、開閉可能なシャッター105が設けられる。後述もするように、ホッパ102内に1バッチ分の粉粒体(主材料および副材料)が貯留されると、シャッター105が開き、後続の混合装置103にこの粉粒体が一括で供給される。
【0059】
混合装置103は、ホッパ102の下方に配置される。混合装置103は、攪拌槽103aと、攪拌羽根103bとを有する。攪拌槽103aは、内部に粉粒体を収容可能である。攪拌羽根103bは、攪拌槽103aの底部に回転可能に設けられ、回転することにより攪拌槽103a内の粉粒体を攪拌し、混合する。混合装置103は、粉粒体の混合を、バッチ処理として行う。
【0060】
<3.材料供給方法>
以下では、本実施形態に係る材料供給方法について、詳細に説明する。この材料供給方法は、主材料としての樹脂材料、ならびに副材料としての添加剤および顔料を、搬送面110aに定量供給し、搬送方向に沿って搬送し、後続の装置へと導入するための方法である。本実施形態の材料供給方法は、上述の材料供給装置100を用いて行われる。
【0061】
以下では、本実施形態に係る材料供給方法を実現するために制御部40が行う処理の流れについて、
図4を参照しながら、順を追って説明する。
【0062】
まず処理開始時点では、振動フィーダ10は静止した状態とされる。この状態で、制御部40は、主材料供給装置20を動作させて、主材料のうちの一部を、トラフ11の搬送面110a上に供給する(ステップS101)。より具体的には、本実施形態のステップS101では、1バッチ分の主材料のうちの約半分を、トラフ11内に繰り出す。これにより、主材料のうちの一部が、トラフ11の搬送方向の上流側の端部において、搬送面110aの上に載せられる。
【0063】
ステップS101の後、制御部40は、振動フィーダ10のモータ14に電力を供給して、トラフ11の振動を開始させる(ステップS102)。これにより、ステップS101で搬送面110aの上に載せられた主材料の各粒子が、起振力Fを受けて、搬送方向の下流側に向かって徐々に移動する。なお、ステップS102で搬送面110aの振動が開始された時点からの経過時間が、タイマー41により監視(計測)される。
【0064】
ステップS102の後、制御部40は、タイマー41からの信号を時々刻々と受信し、搬送面110aの振動が開始されてから第1所定時間が経過したか否かの判断を繰り返す(ステップS103,No)。なお、この「第1所定時間」は、搬送面110aの搬送方向の中途部、より具体的には、少なくとも副材料供給装置31,32が配列されている領域の下方に、主材料が行き渡るまでに掛かる時間を指す。第1所定時間は、例えば、振動フィーダ10において現在設定されている振動の振幅および周期等、ならびに主材料の供給量等の数値に基づいて、計算により求められる。
【0065】
ステップS103において、搬送面110aの振動が開始されてから第1所定時間が経過したと判断されたら(ステップS103,Yes)、制御部40は、振動フィーダ10のモータ14への電力の供給を遮断して、トラフ11の振動を一旦停止させる(ステップS104)。これにより、搬送面110aが静止し、主材料の各粒子の搬送方向への移動が停止する。この状態において、主材料は、搬送面110a上において、少なくとも副材料供給装置31,32が配列されている領域の下方に行き渡っている。別の言い方をすれば、上記の状態において、主材料は、搬送面110aの第1の位置P1および第2の位置P2をカバーするように敷き詰められている。
【0066】
ステップS104の後、トラフ11の振動は停止させたままの状態で、制御部40は、第1副材料供給装置31および第2副材料供給装置32を動作させて、副材料としての添加剤および顔料の1バッチ分の全量を、トラフ11内に定量供給する(ステップS105)。これにより、添加剤および顔料の全部が、トラフ11の搬送方向の中途部において、搬送面110a上の主材料の上に載せられる。
【0067】
ステップS105の後、制御部40は、主材料供給装置20を動作させて、主材料のうちの残余の分を、トラフ11内に供給する(ステップS106)。すなわち、本実施形態のステップS106では、1バッチ分の主材料のうちの上記の約半分を除いた残りの分を、トラフ11内に繰り出す。これにより、主材料のうちの残余の分が、トラフ11の搬送方向の上流側の端部において、搬送面110aに対して供給される。
【0068】
なお、主材料供給装置20は、ステップS101において予め1バッチ分の主材料の全量を、トラフ11の上部や、トラフ11の上部に連通して設けられた一時ホッパに供給しておいてもよい。この場合であっても、トラフ11の運転時間を2段階に区切ることで、第1所定時間において主材料の一部(例えば約半分)が搬送され、ステップS105以降に主材料の残余分がトラフ11の上流側から搬送されるようになる。
【0069】
ステップS106の後、制御部40は、振動フィーダ10のモータ14に電力を供給して、トラフ11の振動を再開させる(ステップS107)。これにより、ステップS104の時点で搬送面110a上に載せられていた主材料、およびステップS105でその主材料の上に載せられた副材料(添加剤および顔料)が、その後に搬送面110aに対して供給された主材料によって搬送方向の下流側へと押されながら、下流側の端部に向かって移動する。別の言い方をすれば、1次供給された主材料とその上に載せられた副材料とは、2次供給された主材料によって搬送方向下流側へと押し出される。この際、副材料は、主材料の上に載った状態を略保ちながら、振動により主材料の上部で分散しつつ、搬送方向の下流側の端部へと搬送される。そのため、副材料は、トラフ11の底面である搬送面110aに付着し難い。これにより、副材料の搬送途中での材料損失を少なく抑えることができる。なお、搬送面110aの搬送方向の下流側の端部に到達した粉粒体(主材料および副材料)は、順次、ホッパ102内へと落下する。この際、ホッパ102のシャッター105は閉鎖状態とされているので、ホッパ102内に粉粒体が次第に蓄積する。
【0070】
ステップS107の後、制御部40は、タイマー41からの信号を時々刻々と受信し、搬送面110aの振動が再開されてから第2所定時間が経過したか否かの判断を繰り返す(ステップS108,No)。なお、この「第2所定時間」は、搬送面110aに対して供給された主材料および副材料の全て(全量)が、後続のホッパ102に送り切られるまでに掛かる時間を指す。第2所定時間は、例えば、振動フィーダ10において現在設定されている振動の振幅および周期等、ならびに主材料および副材料の供給量等の数値に基づいて、計算により求められる。
【0071】
ステップS108において、搬送面110aの振動が再開されてから第2所定時間が経過したと判断されたら(ステップS108,Yes)、制御部40は、振動フィーダ10のモータ14への電力の供給を遮断して、トラフ11の振動を停止させる(ステップS109)。これにより後続の装置に材料を導入するための、1バッチ分の処理が終了する。
【0072】
上記のような流れにより、主材料および副材料の定量供給、ならびに後続の装置への搬送が、バッチ処理として進行する。これらの処理が終了した時点で、ホッパ102には、1バッチ分の主材料および副材料が充填されている。1バッチ分の主材料および副材料が充填されたことが、ホッパ102に搭載された計量装置(図示省略)等によって確認されたら、ホッパ102の底部のシャッター105が開き、後続の混合装置103へと、主材料および副材料が導入される。この際、副材料は、1次供給された主材料と、2次供給された主材料と、によって上下に挟まれた状態で、混合装置103の攪拌槽103a内へと充填される。よって、副材料が攪拌槽103a内のデッドゾーン(攪拌が十分に起こらない領域。例えば、攪拌槽103aの隅の方。)に入り込んでしまう虞が軽減される。その結果、相対的に少量しか含まれない副材料が、混合材料の一部に密集して分布してしまう、といった事態が防止される。
【0073】
以上に説明したように、本実施形態に係る材料供給装置100は、振動フィーダ(搬送装置)10と、主材料供給装置20と、副材料供給装置30と、制御部40とを備える。制御部40は、主材料供給装置20および振動フィーダ10を動作させた結果、搬送面110aの少なくとも中途部に、主材料が行き渡ったと推定される時期に、副材料供給装置30を動作させる。
【0074】
これにより、副材料を、搬送面110a上の主材料の上に載せるように供給できる(ステップS105)。その後、さらに主材料を搬送面110aに対して供給して(ステップS106)、当該主材料を搬送方向に沿って搬送する(ステップS107)。これにより、副材料が搬送面110aに付着することを抑制しつつ、副材料を搬送方向の下流側の端部へと搬送することができる。したがって、従来はトラフの内表面に付着して搬送途中に損失していた副材料の損失を抑制しつつ、後続の装置(本実施形態では、混合装置103)に主材料および副材料を供給することができる。その結果、従来よりも正確な重量比で主材料および副材料を配合できる。
【0075】
また、本実施形態において、「搬送装置」は、振動フィーダ10である。これにより、副材料を主材料の上に載せるようにして搬送方向の下流側へと搬送する際に、振動によって、副材料が搬送方向に分散する。これにより、後続の装置(本実施形態では、混合装置103)に供給する前の段階で、予備的に、副材料の粒子同士を離散させることができる。よって、後続の装置等において、主材料と副材料とが偏りなく分布した混合材料を得やすくなる。
【0076】
また、本実施形態では、材料供給装置100の後続の装置として、混合装置103が設けられる。本実施形態の材料供給方法によれば、副材料が、混合装置103の攪拌槽103a内のデッドゾーン(例えば、隅の方)に分布してしまう虞が軽減される。よって、攪拌により、主材料と副材料とを良好に混合することが可能となる。
【0077】
さらに、本実施形態では、副材料には、添加剤(第1副材料)と顔料(第2副材料)とが含まれる。添加剤を供給する第1副材料供給装置31は、第1の位置P1の上方に配置される。顔料を供給する第2副材料供給装置32は、第2の位置P2の上方に配置される。
【0078】
これにより、制御部40の制御によって、例えば搬送面110aの搬送方向の略全域に、主材料供給装置20から供給された主材料が行き渡ったと推定される時期に、振動フィーダ(搬送装置)10を停止させた状態で、主材料の上に載せるように第1副材料および第2副材料を供給することができる。この場合、第2の位置P2から搬送方向の下流側の端部までの距離は、第1の位置P1から搬送方向の下流側の端部までの距離よりも、短い。その結果、以下の効果が期待できる。すなわち、重量比が小さい副材料ほど、搬送面110a等に付着して損失すると、全体的な配合比に影響を与えやすい。別の言い方をすれば、重量比が小さい副材料が少量でも失われると、配合比が所望の値から大きくずれてしまう。この点、本構成では、重量比がより小さい顔料(第2副材料)の方が、添加剤(第1副材料)よりも、後続の混合装置103までの搬送距離が短いので、搬送途中に損失する虞が低減される。これにより、混合材料の最終的な配合比を所望の状態に近づけやすくなる。
【0079】
また、本実施形態に係る材料供給方法においては、主材料の一部を1次供給し(ステップS101)、搬送面110aの少なくとも搬送方向の中途部に主材料を行き渡らせた状態で、搬送面110aが一旦静止される(ステップS104)。そして、搬送面110aを静止させた状態を保ちながら、副材料の全部が、搬送面110aの中途部において、主材料の上に載せられる(ステップS105)。その後、主材料の残余の分が2次供給されて(ステップS106)、主材料および副材料の全量が、後続の装置(ホッパ102)へと送り切られる。
【0080】
このように、本実施形態では、副材料の搬送面110aに対する供給時には搬送面110aを一時的に静止させる(ステップS104)ことで、副材料を定量供給することが容易となる。すなわち、振動等の影響で副材料の供給量が不安定となってしまうことを防止できる。
【0081】
なお、本実施形態では、材料供給装置100の振動等の影響で副材料の供給量が不安定となってしまうことを、より確実に防止するために、副材料供給装置30とトラフ11(蓋部113)の貫通孔113aとの接続箇所に、振動吸収部材39を設けている。本実施形態の振動吸収部材39は、上下方向に伸縮性を有する蛇腹状の部材である。これにより、正確な量の副材料をトラフ11に供給することができる。なお、
図1に示すように、主材料供給装置20とトラフ11との接続箇所にも、上記と同様の蛇腹状の振動吸収部材29が設けられる。
【0082】
<4.変形例>
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0083】
上記の実施形態では、搬送装置は振動フィーダであるものとしたが、必ずしもこれに限らない。上記に代えて、搬送装置をスクリューコンベアあるいはベルトコンベア等としてもよい。
【0084】
上記の実施形態では、トラフ11の搬送面110aは概ね水平であるものとしたが、必ずしもこれに限らない。上記に代えて、搬送面110aが搬送方向に対して傾斜していてもよい。
【0085】
上記の材料供給方法は、バッチ処理として行われるものとしたが、必ずしもこれに限らない。すなわち、材料供給方法を、連続処理で行ってもよい。
【0086】
上記の実施形態では、主材料はポリ塩化ビニルの粉粒体であるものとしたが、これに限らない。主材料として、他の種々の樹脂材料を用いてもよいし、さらに言えば、樹脂に限らず、他の様々な材料を用いてもよい。
【0087】
上記の実施形態では、第1副材料は7種類であるものとしたが、これに限らず、6種類以下でも、あるいは8種類以上であってもよい。同様に、第2副材料が2種類以上あってもよい。
【0088】
また、副材料は、必ずしも第1副材料および第2副材料の両方を含んでいなくてもよい。例えば、1種類の添加剤のみ、あるいは1種類の顔料のみが、主材料(樹脂材料)とともに導入されてもよい。
【0089】
2つ以上の副材料供給装置30のそれぞれから、同じ種類の副材料を搬送面110aに対して供給してもよい。また、1つの副材料供給装置30を用いて、複数種類の副材料を、順次供給することにしてもよい。副材料供給装置30は、計量部を有しない容量式のものであってもよい。
【0090】
上記の実施形態では、材料供給装置100の後続の装置は混合装置103(およびホッパ102)であるものとしたが、これに限定されず、公知の様々な装置(例えば乾燥装置等)を後段に設けることができる。
【0091】
上記の実施形態の材料供給方法において、ステップS101およびステップS102に代えて、トラフ11の振動を開始させた後に、主材料のうちの一部をトラフ11の搬送面110a上に供給(1次供給)することとしてもよい。その場合、主材料の供給が開始された時点からの経過時間が、タイマー41により監視されることとすればよい。
【0092】
また、各部の細部の構成やレイアウトは、本願の各図に示されたものと異なっていてもよい。例えば、搬送装置の駆動源は必ずしもモータ14ではなくてもよい。また、材料供給装置30のレイアウトは、必ずしも千鳥状ではなくてもよい。
【符号の説明】
【0093】
10 振動フィーダ(搬送装置)
14 モータ(発振部)
20 主材料供給装置
30 副材料供給装置
31 第1副材料供給装置
32 第2副材料供給装置
100 材料供給装置
103 混合装置(後続の装置)
P1 第1の位置
P2 第2の位置