(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ニードル及びニードルバルブ
(51)【国際特許分類】
F02M 19/04 20060101AFI20221004BHJP
F02M 9/06 20060101ALI20221004BHJP
F02M 17/08 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
F02M19/04 B
F02M9/06 L
F02M17/08 B
(21)【出願番号】P 2018189378
(22)【出願日】2018-10-04
【審査請求日】2021-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】508168066
【氏名又は名称】イーシーテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 善業
【審査官】小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-129472(JP,A)
【文献】特開昭61-034337(JP,A)
【文献】特開昭63-111385(JP,A)
【文献】特開平05-087257(JP,A)
【文献】特開平09-210230(JP,A)
【文献】特開2003-247456(JP,A)
【文献】特開2006-153042(JP,A)
【文献】特開2007-146791(JP,A)
【文献】特開2016-156442(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0023514(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105240587(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 9/06
F02M 17/08
F02M 19/04
F16K 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関に供給する流体の流量を制御するニードルバルブの弁本体の流通孔に挿入されるニードルであって、
前記ニードルは、
前記流通孔に挿入される先端部と、前記流通孔から露出する基端部とを有し、回転に応じて挿入長さを変化させ得るニードル芯棒と、
前記ニードル芯棒の基端部に設けられたツマミと、
前記弁本体と螺合可能な雌ねじ部を有し、前記ニードル芯棒に外挿されるナットと、
前記ニードル芯棒が前記ナットから抜けることを防止する、抜け止め部材と、を備え、
前記ツマミは前記ニードル芯棒と一体的に形成されており、且つ前記ツマミの直径が、前記ナットの開口の最小直径よりも大きく、
前記抜け止め部材は、前記ニードル芯棒
に設けられた環状の嵌入溝に嵌入できるように取り付け可能に構成されるとともに、前記ナットの開口の最小直径よりも大きい径を有する、ことを特徴とするニードル。
【請求項2】
前記抜け止め部材は、前記ニードル芯棒とは異なる材料で形成されたCリングで構成されている、請求項1に記載のニードル。
【請求項3】
前記ニードル芯棒の前記基端部の直径は前記先端部の最大直径よりも大きい、請求項1または2に記載のニードル。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項に記載のニードルと前記弁本体とを備える、ニードルバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関に供給する流体の流量制御に用いられるニードルバルブが備えるニードルと、そのニードルを備えたニードルバルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関に供給する流体の流量制御に、ニードルバルブを使用することが知られている。ニードルバルブは流体の流量制御弁の一種であり、弁本体とニードルとを有する。そして、弁本体の有する弁座とニードル先端との間隙の大きさを変化させることで、その間隙を通過する流体の流量を調整する(特許文献1、2参照)。
【0003】
従来のニードルを、
図4を参照しながら説明する。
図4は、従来のニードルの一例を示す分解図である。ニードル100は、不図示の弁本体の流通孔に挿入されるニードル芯棒10、ニードル芯棒10に外挿されて流体の漏出を防ぐOリング60、ニードル芯棒10が弁本体から抜けないようにするためのナット20、回転させることでニードル芯棒10の挿入長さを調整するためのツマミ70、及びツマミ70をニードル芯棒10に固定するためのツマミ固定ナット80を備えている。
【0004】
弁本体の弁座とニードル芯棒10の先端との間隙の大きさを変化させることで、その間隙を通過する流体の流量が調整される。間隙の大きさは、ツマミ70を回転させて、ニードル芯棒10の挿入長さを調整することにより変化する。ナット20は弁本体に螺合される。ナット20の開口直径はニードル芯棒10の直径よりも少し大きいため、ニードル芯棒10にナット20を外挿することができる。ニードル芯棒10は、ナット20の開口直径よりも大径の抜け止め部10dを有する。抜け止め部10dは、弁本体に螺合されたナット20からニードル芯棒10が抜けることを防止する。
【0005】
ニードル100を組み立てるときは、ニードル芯棒10の抜け止め部10dとツマミ70との間の所定位置にナット20を外挿しなければならない。抜け止め部10dの直径は、ナット20の開口直径よりも大きいため、ナット20を、抜け止め部10dを越えて所定位置に外挿することができない。他方、ツマミ70の直径はナット20の開口直径よりも大径である。ゆえに、ツマミ70をニードル芯棒10に取り付ける前に、ナット20をニードル芯棒10の所定位置に外挿し、その後、ツマミ70をニードル芯棒10に取り付けていた。ツマミ70の取り付けは、ツマミ70をニードル芯棒10に螺合させたのち、ツマミ固定ナット80を用いてツマミ70を固定することにより行われる。ツマミ固定ナット80は、内燃機関の振動を受けるなどして緩まないように、ニードル芯棒10に半田付けやろう付け等で固定される。
【0006】
従来のニードル100には次のような問題があった。
すなわち、ニードル100の製造には、ニードル芯棒10、Oリング60、ナット20、ツマミ70及びツマミ固定ナット80の部品が必要で、多くの部品点数を要した。さらに、ニードル100の製造時には、ツマミ70とツマミ固定ナット80をニードル芯棒10に螺合させて、ツマミ固定ナット80を締め付け、その後、ツマミ固定ナット80をニードル芯棒10に半田付けやろう付け等で固定させる、という多くの作業工数を要した。
【0007】
また、ニードル芯棒10は、ツマミ70との間にねじの遊びを有しているため、ニードル芯棒10はツマミ70の回転に伴う軸ブレを生じやすく、回転曲げ応力を受ける。ツマミ70の回転に伴い、ニードル芯棒10が過大な回転曲げ応力を繰り返し受けると、ニードル芯棒10がツマミ70の根本付近で折損しやすいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2003-247456号公報
【文献】特開2007-146791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、部品点数と製造時の作業工数を削減するとともに、ニードル芯棒の折損の発生を抑制できるニードルと、そのニードルを備えたニードルバルブとを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために、以下のニードルを案出した。すなわち、
内燃機関に供給する流体の流量を制御するニードルバルブの弁本体の流通孔に挿入されるニードルであって、
前記ニードルは、
前記流通孔に挿入される先端部と、前記流通孔から露出する基端部とを有し、回転に応じて挿入長さを変化させ得るニードル芯棒と、
前記ニードル芯棒の基端部に設けられたツマミと、
前記弁本体と螺合可能な雌ねじ部を有し、前記ニードル芯棒に外挿されるナットと、
前記ニードル芯棒が前記ナットから抜けることを防止する、抜け止め部材と、を備え、
前記ツマミは前記ニードル芯棒と一体的に形成されており、かつ、前記ツマミの直径が、前記ナットの開口の最小直径よりも大きく、
前記抜け止め部材は、前記ニードル芯棒に取り付け可能に構成されるとともに、前記ナットの開口の最小直径よりも大きい径を有する。
【0011】
かかる構成は、以下の技術的思想に基づいて得られたものである。
従来のニードル100は、ニードル芯棒10とツマミ70とをそれぞれ別部品として製造し、ニードル芯棒10の所定位置にナット20を外挿した後に、ツマミ固定ナット80を使用してツマミ70をニードル芯棒10に取り付ける方法を採用していた。この方法は、抜け止め部10dがニードル芯棒10と一体化されているため、ナット20をニードル芯棒10の一端側(弁本体の弁座に接する先端側)から外挿し、所定位置に移動させようとしても、抜け止め部10dを越えることができなかった、という前提があるために行われている。
【0012】
本発明は、この前提自体を取り除くという技術思想に基づくものである。それは、ナットをニードル芯棒の一端側(弁本体の弁座に接する先端側)から外挿するために、抜け止め部材をニードル芯棒に取り付け可能に構成する方法である。これによれば、抜け止め部材をニードル芯棒に取り付ける前に、ナットをニードル芯棒の所定位置に外挿し、その後、抜け止め部材をニードル芯棒に取り付けることができる。
【0013】
そうすると、ナットをニードル芯棒の所定位置に外挿した後に、ツマミをニードル芯棒に取り付ける必要がなくなる。斯くして、ニードル芯棒とツマミとを別部品として製造せず、ニードル芯棒とツマミを一体的に形成することが可能となる。これにより、ツマミをニードル芯棒に固定するツマミ固定ナット(
図4参照)が不要となり、ニードル芯棒とツマミ及びツマミ固定ナットとを螺合させるためのねじ切り切削工程、ツマミ固定ナットを締め付ける工程、及び、ツマミ固定ナットをニードル芯棒に固定させる工程が不要となる。よって、本発明に係るニードルは、部品点数と製造時の作業工数を削減することができる。
【0014】
さらに、ニードル芯棒とツマミが一体形成されるため、ニードル芯棒の剛性が高い。そして、当然ながらニードル芯棒とツマミの間にねじの遊びがないため、回転軸ブレを抑えることができ回転曲げ応力が小さくなる。これにより、ニードル芯棒がツマミの根本付近で折損し難くなる。
【0015】
前記抜け止め部材は、前記ニードル芯棒とは異なる材料で形成されたCリングで構成してもよい。
【0016】
さらに、前記ニードル芯棒の前記基端部の直径は前記先端部の最大直径よりも大きくしてもよい。これにより、ニードル芯棒がツマミの根本付近で、より折損し難くなる。
【0017】
本発明に係るニードルバルブは、上述したニードルと前記弁本体とを備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明におけるニードルの一実施形態を示す分解図
【
図2】ニードルバルブの一実施形態を示す(a)断面図及び(b)側面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のニードル及びニードルバルブにおける実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0020】
図1は、本発明におけるニードルの一実施形態の分解図を示す。
図2は、
図1のニードルと弁本体とを有するニードルバルブの一実施形態を示す図であり、(a)は断面図を示し、(b)は側面図を示す。
ニードルバルブ8は、農機具・農業機械用エンジン等の内燃機関に供給する燃料等の流体の流量を制御するために用いられる。ニードルバルブ8は、弁本体3及びニードル7を含む。弁本体3は、流入管3i、流入管固定部3b、本体取り付け雄ねじ部3a及びナット取り付け雄ねじ部3cを含む。流入管3iは内部に流体の流入路3fを備える。流入管固定部3bは流入管3iが固定される部分であり、流入管固定部3bの外側は、把持可能な形状(例えば六角柱形状)を有していてもよい。本体取り付け雄ねじ部3aは、弁本体3を他部材に支持固定させる部分である。ナット取り付け雄ねじ部3cは、ナット2の雌ねじ部2aに螺合される部分である。流入管固定部3b、本体取り付け雄ねじ部3a及びナット取り付け雄ねじ部3cの内部には、流通孔3eが跨って形成されている。流通孔3eはニードル7を挿入する領域である。本体取り付け雄ねじ部3aは、その内部に流体の流出口3oと弁座3dとを有している。
【0021】
ニードル7は、ニードル芯棒1と、ニードル芯棒1に外挿されるナット2と、抜け止め部材5と、Oリング6とを有する。抜け止め部材5は、ナット2からニードル芯棒1が抜けることを防止する。Oリング6は、ニードル芯棒1に外挿され、ニードルバルブ8の内部から流体の漏出を防ぐ。ニードル芯棒1は、流通孔3eに挿入される先端部1aと、流通孔3eから露出する基端部1eと、を有する。ニードル芯棒1の先端部1aと基端部1eとの間には、先端部1aから基端部1eに向かって、芯棒雄ねじ部1bと、環状のOリング溝1cと、抜け止め部材を嵌入させる環状の嵌入溝1dと、が設けられている。先端部1aの先端は円錐形状である。基端部1eには、ツマミ1fが設けられている。
【0022】
作業者がツマミ1fを摘み回すことで、ニードル芯棒1は回転される。ニードル芯棒1は芯棒雄ねじ部1bを有し、芯棒雄ねじ部1bは、弁本体3の本体雌ねじ部3gと螺合される。これにより、ニードル芯棒1の回転に応じて、ニードル芯棒1の弁本体3への挿入長さを変化させることができる。弁本体3にニードル芯棒1を深く挿入すると、先端部1aと弁座3dとの間隙が狭くなり、その間隙を通過する流体の流量が低下する。最も深く挿入したときは、先端部1aの先端が弁本体3の弁座3dに接触し流体が流れない。ツマミ1fを回転させて先端部1aの先端と弁座3dとの間隙を拡大すると、その間隙を通過する流体の流量が増加する。
【0023】
ナット2は、その内部に、雌ねじ部2aと内フランジ2bとを有する。雌ねじ部2aはナット軸方向一端側に形成され、内フランジ2bはナット軸方向他端側に形成されている。内フランジ2bの内径がナットの開口の最小直径を規定する。ナット2の外側は、ナット2を回転させやすい形状(例えば六角柱形状)を有していてもよい。雌ねじ部2aは弁本体3のナット取り付け雄ねじ部3cに螺合される。ツマミ1fは、作業者が摘み回すことのできる大きさに形成されており、ツマミ1fの直径は内フランジ2bの直径よりも大きい。ナット2は、ニードル芯棒1の所定位置に外挿される。所定位置とは、ナット2の内フランジ2bが、嵌入溝1dとツマミ1fの間に配置される位置である。その後、抜け止め部材5がニードル芯棒1の嵌入溝1dに取り付けられる。
【0024】
抜け止め部材5の直径は、ナット2の開口の最小直径を規定する内フランジ2bの内径よりも大きい。そのため、ニードル芯棒1がナット2から抜け出ようとすると、抜け止め部材5が内フランジ2bに係合し、それによってニードル芯棒1の抜け出しが妨げられる。また、ニードル芯棒1は環状のOリング溝1cを有しており、Oリング溝1cにOリング6が嵌合される。Oリング6は、ニードル芯棒1と弁本体3のOリング収容部3hとの間隙をシールするように配置されるため、この間隙からの流体の漏出を防ぐ。
【0025】
これにより、ナット2を弁本体3のナット取り付け雄ねじ部3cに螺合させておくと、たとえツマミ1fを、芯棒雄ねじ部1bと本体雌ねじ部3gとの螺合が解かれるまで回そうとしても、Oリング6がOリング収容部3hから引き抜かれることはない。そのため、作業者は、ニードル芯棒1の過分な引き抜きによる流体(多くは、燃料等の可燃性流体)の漏出を心配することなく、ツマミ1fを回すことができる。
【0026】
ニードル7の保守点検やニードル7の交換時には、ナット2を緩めて弁本体3のナット取り付け雄ねじ部3cとの螺合を解くとともに、ニードル芯棒1を引き抜く方向にツマミ1fを回して、芯棒雄ねじ部1bと本体雌ねじ部3gとの螺合を解くことで、弁本体3からニードル7を取り外すことができる。
【0027】
ツマミ1fは、ニードル芯棒1と一体的に形成されている。ここで、ツマミ1fがニードル芯棒1と一体的に形成するとは、ツマミ1f及びニードル芯棒1を同じ材料の一つの塊から、一つの部材として形成されていることを表す。このような形成手法として、例えば、旋盤等で削り出したり、鋳造したり、鍛造したり、樹脂成型したり、3Dプリンタで形成する方法が挙げられる。ツマミ1fとニードル芯棒1とは、接着や機械的接合させたものでない。
【0028】
抜け止め部材5はニードル芯棒1と別部材であり、ニードル芯棒1に取り付け可能に構成されている。抜け止め部材5は、ニードル芯棒1の嵌入溝1dに外嵌されるように取り付けられる。また、抜け止め部材5をニードル芯棒1に着脱可能に構成してもよい。着脱可能に構成した場合は、抜け止め部材5が劣化・損傷したときに、抜け止め部材5のみ交換することができる。ニードル芯棒1は金属製であると好ましい。抜け止め部材5として、ニードル芯棒1とは異なる材料で形成されたCリングを使用してもよい。Cリングは、周方向一つ割りに形成されているために拡径しやすく、ニードル芯棒1に簡単に取り付けることができる。
【0029】
抜け止め部材5の材料には、様々な材料が使用できる。ニードルバルブ8自体が内燃機関の近くに配置されることから、抜け止め部材5は、70℃以上の耐熱温度を有する材料を使用すると好ましい。抜け止め部材5の材料として、樹脂が好ましく用いられ、例えば、ポリオキシメチレン(POM)等のポリアセタール樹脂を使用してもよい。POMは、機械的強度及び化学的熱特性(耐熱温度は80~100℃)に優れており、寸法安定性も良い。また、適度な柔軟性を有するため、抜け止め部材5を破損することなく溝に取り付けたり、溝から取り外したりすることができる。樹脂以外にも、ステンレス等の金属やゴム類を使用してもよい。
【0030】
抜け止め部材5に弾性変形する材料を使用した場合は、ニードル芯棒1にナット2を外挿させた後に抜け止め部材5を嵌入溝1dに取り付ける方法のみならず、先にニードル芯棒1の嵌入溝1dに抜け止め部材5を取り付けて、ナット2をねじ込むように押し付けることで、抜け止め部材5を弾性変形させて、ナット2を所定位置(ナット2の内フランジ2bが、嵌入溝1dとツマミ1fの間に配置される位置)に移動させる方法により取り付けてもよい。
【0031】
図3は、ニードル芯棒の別実施形態を示している。
別実施形態のニードルは、ニードル芯棒の形状が異なる以外は、先の実施形態と同様である。別実施形態のニードル芯棒4は、ニードル芯棒4の基端部4eの直径が、先端部4aの最大直径よりも大きい。これは、ニードル芯棒4を折損しやすい部分であるニードル芯棒4の基端部4eを太くして、剛性を高めるものである。
【0032】
Oリング6は、摺動部分に取り付けられ、燃料等の流体に接するシール部材であるから、Oリング6には、耐摩耗性等の機械的特性、耐熱性及び流体に対する耐蝕性に優れた材料を使用するのが好ましい。
【0033】
内燃機関に供給する流体とは、典型的には液体燃料からなる一流体であるが、一流体に限らず二種類以上の混合流体でもよい。例えば、液体燃料と空気とが混合された二流体でもよい。流量制御について、一流体の場合には、流体全体の流量を大きくしたり小さくしたりする調整を意図するが、二流体以上の場合には、流体全体の流量を大きくしたり小さくしたりする調整の他に、二流体を構成する各流体間の流量比の調整を意図してもよい。例えば、ニードルバルブを、燃料単独の流量制御弁として使用してもよく、燃料気化器における燃料-空気の混合比調整器に使用してもよい。
【0034】
本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
【符号の説明】
【0035】
1、4…ニードル芯棒
1a…先端部
1e…基端部
1f…ツマミ
2…ナット
2a…雌ねじ部
3…弁本体
5…抜け止め部材
6…Oリング
7…ニードル
8…ニードルバルブ